JP2006236692A - ニッケル・水素蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ニッケル・水素蓄電池における高温での充放電特性を改善し、特に、繰り返して充放電を行った後も、高温で高い充放電特性が得られるようにする。
【解決手段】 正極1と、負極2と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、負極に、一般式Ln1-xMgxNia-b-cAlbZc(式中、Lnは、Yを含む希土類元素及びZrから選択される少なくとも1種の元素、Zは、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P及びBから選択される少なくとも1種の元素、0.05≦x≦0.15、2.8≦a≦3.9、0.05≦b≦0.30、0.05≦c≦0.25)で表される水素吸蔵合金を用いると共に、アルカリ金属を含有する高次コバルトの被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子と、Ca,Sr,Sc,Y,ランタノイド及びBiから選択される少なくとも1種の元素の化合物とを含む正極を用いた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたニッケル・水素蓄電池に係り、高温での充放電特性を改善し、特に、繰り返して充放電を行った後においても、高温で高い充放電特性が得られるようにした点に特徴を有するものである。
従来、アルカリ蓄電池としては、ニッケル・カドミウム蓄電池が広く使用されていたが、近年においては、ニッケル・カドミウム蓄電池に比べて高容量で、またカドミウムを使用しないため環境安全性にも優れているという点から、負極に水素吸蔵合金を用いたニッケル・水素蓄電池が注目されるようになった。
そして、このようなニッケル・水素蓄電池が各種のポータブル機器に使用されるようになり、このニッケル・水素蓄電池をさらに高性能化させることが期待されている。
ここで、このようなニッケル・水素蓄電池においては、その負極に使用する水素吸蔵合金として、一般にCaCu5型の結晶を主相とする希土類−ニッケル系水素吸蔵合金や、Ti,Zr,V及びNiを含むラーベス相系の水素吸蔵合金等が一般に使用されている。
しかし、上記の水素吸蔵合金は、水素吸蔵能力が必ずしも十分であるとはいえず、ニッケル・水素蓄電池をさらに高容量化させることが困難であったり、また水素の放出速度が遅く、高電流での充放電特性が悪い等の問題があった。
そして、近年においては、上記の希土類−ニッケル系水素吸蔵合金における水素吸蔵能力を向上させるために、上記の希土類−ニッケル系水素吸蔵合金にMg等を含有させて、CaCu5型以外のCe2Ni7型やCeNi3型等の結晶構造を有する水素吸蔵合金を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記のような水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル・水素蓄電池を高温で充放電させた場合に、特に、上記のニッケル・水素蓄電池を繰り返して充放電させた後、高温で充放電させた場合に、充放電効率が大きく低下するという問題があった。
特開平11−323469号公報
この発明は、ニッケル・水素蓄電池における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、ニッケル・水素蓄電池における高温での充放電特性を改善し、特に、繰り返して充放電を行った後においても、高温で高い充放電特性が得られるようにすることを課題とするものである。
ここで、本発明者等が、上記のように希土類−ニッケル系水素吸蔵合金にMg等が含有されてCaCu5型以外の結晶構造を有する水素吸蔵合金を用いたニッケル・水素蓄電池において、高温での充放電特性が低下する原因を検討した結果、このニッケル・水素蓄電池を充放電させた場合、上記の水素吸蔵合金が酸化されて、この水素吸蔵合金に含まれているMgがアルカリ電解液に溶出し、このように溶出したMgが正極に移動して析出し、これによって正極における充電効率が低下し、特に高温での充放電特性が悪化したと考えられる。
この発明においては、上記のような課題を解決するため、正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたニッケル・水素蓄電池において、上記の負極に、一般式Ln1-xMgxNia-b-cAlbc(式中、Lnは、Yを含む希土類元素及びZrから選択される少なくとも1種の元素、Zは、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P及びBから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦x≦0.15、2.8≦a≦3.9、0.05≦b≦0.30、0.05≦c≦0.25の条件を満たす。)で表される水素吸蔵合金を用いると共に、アルカリ金属を含有する高次コバルトの被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子と、カルシウム,ストロンチウム,スカンジウム,イットリウム,ランタノイド及びビスマスから選択される少なくとも1種の元素の化合物とを含む正極を用いるようにした。
この発明におけるニッケル・水素蓄電池のように、負極に、一般式Ln1-xMgxNia-b-cAlbc(式中、Lnは、Yを含む希土類元素及びZrから選択される少なくとも1種の元素、Zは、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P及びBから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦x≦0.15、2.8≦a≦3.9、0.05≦b≦0.30、0.05≦c≦0.25の条件を満たす。)で表される水素吸蔵合金を用い、水素吸蔵合金中におけるMgの存在量xを0.05〜0.15の範囲にすると、上記の水素吸蔵合金が高い水素吸蔵能力を有し、高い電池容量が得られると共に、高温での充放電特性が低下するのも抑制される。
すなわち、上記の水素吸蔵合金中におけるMgの存在量xを0.15以下にして、水素吸蔵合金中におけるMgの量を少なくすると、この水素吸蔵合金が酸化されても、この水素吸蔵合金中におけるMgがアルカリ電解液に溶出するのが抑制され、特に、Mgの存在量xを0.13以下にすると、水素吸蔵合金中のMgがアルカリ電解液に溶出するのが一層抑制されて、溶出したMgが正極に析出して正極における充電効率が低下するのが防止され、高温での充放電特性が低下するのが抑制されるようになる。一方、上記の水素吸蔵合金中におけるMgの存在量xを0.05未満にすると、この水素吸蔵合金の構造が変化して、水素吸蔵能力が著しく低下するおそれがあるため、この発明においては、上記のように水素吸蔵合金中におけるMgの存在量xを0.05以上にし、水素吸蔵合金における水素吸蔵能力を高めて、高い電池容量が得られるようにしている。
また、この発明におけるニッケル・水素蓄電池のように、正極に、カルシウム,ストロンチウム,スカンジウム,イットリウム,ランタノイド及びビスマスから選択される少なくとも1種の元素の化合物を含有させると、このような元素により正極における充電効率が向上して、充電時に正極において酸素が発生するのが抑制され、上記の水素吸蔵合金がこの酸素によって酸化されるのも防止されるようになり、上記の水素吸蔵合金中におけるMgがアルカリ電解液に溶出するのが一層抑制されるようになる。
また、このように正極に、カルシウム,ストロンチウム,スカンジウム,イットリウム,ランタノイド及びビスマスから選択される少なくとも1種の元素の化合物を含有させた場合において、正極活物質として一般に使用されている水酸化コバルトで被覆された水酸化ニッケル粒子を用いると、最初の充電によって上記の水酸化コバルトが酸化されて導電性の高い高次コバルトになるのが上記の元素によって抑制され、正極における導電性が十分に向上されず、充放電特性が低下する。これに対して、本発明のようにアルカリ金属が含有されてコバルトの価数が2を超える高次コバルトの被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子を用いると、正極における導電性が確保されて、充放電特性が低下するということがない。
この結果、この発明におけるニッケル・水素蓄電池においては、十分な電池容量が得られると共に、高温での充放電特性が改善され、特に、繰り返して充放電を行った後においても、高温で高い充放電特性が得られるようになる。
以下、この発明の実施例に係るニッケル・水素蓄電池について具体的に説明すると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例に係るニッケル・水素蓄電池においては、高温での充放電特性が改善され、特に、繰り返して充放電を行った後においても、高温で高い充放電特性が得られることを明らかにする。なお、この発明におけるニッケル・水素蓄電池は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
先ず、実験1において、アルカリ金属を含有する高次コバルトの被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子を用いた場合における効果を明らかにし、また実験2において、正極にMgが含有された場合の影響を明らかにする。
(実験1)
この実験においては、下記のようにして作製した2種類の正極a1,a2を用いるようにした。
正極a1を作製するにあたっては、硫酸コバルト粉末13.1gを水に溶かした水溶液1000mlに、水酸化ニッケル粉末100gを加え、次いで1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を攪拌しながら滴下し、pHを11に調整しながら1時間攪拌させた後、生成された沈殿物を濾別し、これを水洗し、約25℃の室温で真空乾燥させて、表面に水酸化コバルトの被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子からなる粉末を得た。ここで、この水酸化ニッケル粒子について、原子吸光法により、水酸化ニッケルに対する被覆層中におけるコバルトの割合を求めたところ、水酸化ニッケルに対する被覆層中のコバルトの量は5重量%であった。
次いで、このように水酸化コバルトの被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子に対して、100℃の加熱空気雰囲気中で、25重量%水酸化ナトリウム水溶液を0.5時間噴霧させて、上記の被覆層を酸化処理した後、これを純水で洗浄し、これを脱水し、乾燥させて、水酸化ニッケル粒子の表面にナトリウムを含有する高次コバルト酸化物からなる被覆層が形成された正極活物質の粉末を得た。
そして、上記の正極活物質の粉末100重量部に対して、三酸化二イットリウム(Y23)粉末を0.5重量部、結着剤の1重量%メチルセルロース水溶液を20重量部の割合で加え、これらを混練してペーストを調製した。そして、このペーストをニッケル発泡体の空孔内に充填し、これを乾燥し、加圧成形した後、これを所定の寸法に切断して、容量が80mAhになった正極a1を作製した。
一方、正極a2においては、上記の正極a1と同様にして、表面に水酸化コバルトの被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子からなる粉末を得た後、この水酸化コバルトの被覆層を酸化処理させずに、そのまま正極活物質として用いるようにし、それ以外は、上記の正極a1の場合と同様にして、正極a2を作製した。
また、負極を作製するにあたっては、MmNi3.8Co0.5Al0.3Mn0.5(式中、MmはLa、Ce、Pr、Ndからなるミッシュメタルである。)で表される平均粒径が55μmになった水素吸蔵合金粒子100重量部に対して、結着剤のポリエチレンオキシド1重量部と、水とを加え、これらを均一に混練させてペーストを調製し、このペーストをニッケル鍍金したパンチングメタルの両面に均一に塗布し、これを乾燥させてプレスした後、所定の寸法に切断して、容量が580mAhになった負極を作製した。
そして、上記の正極a1,a2と負極とを使用して、それぞれ実験セルA1,A2を作製した。
ここで、実験セルA1(A2)を作製するにあたっては、図1に示すように、安全弁fが設けられたアクリル製のセルe内に、30重量%のKOH水溶液からなるアルカリ電解液cを収容させ、上記の正極a1(a2)の両側にポリオレフィン不織布からなるセパレータdを配し、このセパレータdを介して上記の正極a1(a2)を2枚の負極bで挟み込むようにして、これを上記のアルカリ電解液c中に浸漬させるようにした。
そして、上記のようにして作製した実験セルA1,A2を、それぞれ25℃の雰囲気中において、40mAの電流で上記の正極a1,a2の容量の150%(120mAh)まで充電した後、40mAの電流で電圧が0.8Vになるまで放電させ、これを1サイクルとして、10サイクルの充放電を行い、これらの実験セルA1,A2を活性化させた。
次いで、上記のように活性化させた実験セルA1,A2を、それぞれ25℃の雰囲気中において、40mAの電流で上記の正極a1,a2の容量の150%(120mAh)まで充電した後、40mAの電流で電圧が0.8Vになるまで放電させて、それぞれの放電容量を求めた。そして、上記の各正極a1,a2中における水酸化ニッケルの重量に対する放電容量の割合(活物質利用度)を算出し、上記の実験セルA1における活物質利用度を100とした値で、その結果を下記の表1に示した。
Figure 2006236692
この結果、イットリウム化合物が含有された正極a1,a2において、正極活物質として、ナトリウムを含有する高次コバルト酸化物からなる被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子を用いた正極a1を使用した実験セルA1の方が、水酸化コバルトからなる被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子を用いた正極a2を使用した実験セルA2に比べて、活物質利用度が高くなっていた。なお、この実験においては、正極a1,a2にイットリウム化合物を含有させた場合を示したが、上記のイットリウム化合物に代えて、カルシウム,ストロンチウム,スカンジウム,ランタノイド及びビスマスから選択される少なくとも1種の元素の化合物を含有させた場合にも同様の結果が得られる。
(実験2)
この実験においては、上記の実験1における正極a1の作製において、上記の水酸化ニッケル粒子にマグネシウムを固溶させたものを用い、それ以外は、上記の正極a1の場合と同様にして、正極a3,a4を作製した。
ここで、正極a3においては、マグネシウムをニッケルに対して1重量%固溶させた水酸化ニッケル粒子を、正極a4においては、マグネシウムをニッケルに対して3重量%固溶させた水酸化ニッケル粒子を用いるようにした。
そして、上記のようにして作製した正極a3,a4を用いる以外は、上記の実験セルA1,A2の場合と同様にして、実験セルA3,A4を作製した。
また、上記のようにして作製した実験セルA3,A4を、上記の実験セルA1,A2の場合と同様に、それぞれ25℃の雰囲気中において、40mAの電流で上記の正極a3,a4の容量の150%(120mAh)まで充電した後、40mAの電流で電圧が0.8Vになるまで放電させ、これを1サイクルとして、3サイクルの充放電を行い、これらの実験セルA3,A4を活性化させた。
そして、上記のように活性化させた実験セルA3,A4を、それぞれ25℃の雰囲気中において40mAの電流で充電させ、それぞれの充電曲線から各実験セルA3,A4における充電容量を求め、上記の実験セルA3における充電容量を100とした値で、その結果を下記の表2に示した。
Figure 2006236692
この結果、水酸化ニッケル粒子中に固溶させるMgの量が多くなると充電容量が低くなっており、水酸化ニッケル粒子中におけるMgの量増加すると、充電効率が低下することが分かった。
(実施例1)
実施例1においては、負極に用いる水素吸蔵合金の粉末を製造するにあたり、Laと、Prと、Ndと、Zrと、Mgと、Niと、Alと、Coとを所定の合金組成になるように混合した後、これを誘導溶解炉により1500℃で溶融させ、これを冷却させて(La0.2Pr0.495Nd0.295Zr0.010.89Mg0.11Ni3.20Al0.20Co0.10の組成を有する水素吸蔵合金のインゴット合金を得た。
そして、この水素吸蔵合金のインゴットを、アルゴン雰囲気中においてこの水素吸蔵合金の融点より50℃低い温度で10時間の熱処理した後、この水素吸蔵合金のインゴットを不活性雰囲気中で機械的に粉砕して、平均粒径が65μmになった水素吸蔵合金の粉末を得た。
そして、上記の水素吸蔵合金の粉末100重量部に対して、LiMn24粉末を0.25重量部、ポリアクリル酸ナトリウムを0.4重量部、カルポキシメチルセルロースを0.1重量部、ポリテトラフルオロエチレン分散液(分散媒:水、固形分60重量%)を2.5重量部の割合で混合させてペーストを調製した。そして、このペーストを厚みが60μmのニッケル鍍金を施した鉄製のパンチングメタルからなる導電性芯体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させてプレスした後、所定の寸法に切断して、負極に用いる水素吸蔵合金電極を作製した。
一方、正極を作製するにあたっては、上記の実験1における正極a1の場合と同様にして作製した、水酸化ニッケル粒子の表面にナトリウムを含有する高次コバルト酸化物からなる被覆層が形成された正極活物質の粉末を使用した。
そして、上記の正極活物質の粉末100重量部に対して、三酸化二イットリウム(Y23)粉末を0.5重量部、結着剤の1重量%メチルセルロース水溶液を20重量部の割合で加え、これらを混練してペーストを調製した。そして、このペーストをニッケル発泡体の空孔内に充填し、これを乾燥し、加圧成形した後、これを所定の寸法に切断して、非焼結式ニッケル極からなる正極を作製した。
また、セパレータとしては、ポリプロピレンとポリエチレンとで構成された不織布を使用し、アルカリ電解液としては、KOHとNaOHとLiOH・H2Oとが15:2:1の重量比で含まれ、比重が1.30になったアルカリ水溶液を使用し、設計容量が2100mAhになった、図2に示すような円筒型のニッケル・水素蓄電池を作製した。
ここで、上記のニッケル・水素蓄電池を作製するにあたっては、図2に示すように、正極1と負極2との間にセパレータ3を介在させ、これらをスパイラル状に巻いて電池缶4内に収容させると共に、この電池缶4内にアルカリ電解液を注液した後、電池缶4と正極蓋6との間に絶縁パッキン8を介して封口し、正極1を正極リード5を介して正極蓋6に接続させると共に、負極2を負極リード7を介して電池缶4に接続させ、上記の絶縁パッキン8により電池缶4と正極蓋6とを電気的に分離させた。また、上記の正極蓋6と正極外部端子9との間にコイルスプリング10を設け、電池の内圧が異常に上昇した場合には、このコイルスプリング10が圧縮されて、電池内部のガスが大気中に放出されるようにした。
(実施例2及び実施例3)
実施例2及び実施例3においては、上記の実施例1の場合と負極に用いる水素吸蔵合金の組成だけを変更させ、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、実施例2及び実施例3のニッケル・水素蓄電池を作製した。
ここで、負極に用いる水素吸蔵合金として、実施例2では組成が(La0.2Pr0.495Nd0.295Zr0.010.87Mg0.13Ni3.20Al0.20Co0.10になった水素吸蔵合金を、実施例3では組成が(La0.2Pr0.495Nd0.295Zr0.010.85Mg0.15Ni3.20Al0.20Co0.10になった水素吸蔵合金を用いるようにした。
(比較例1)
比較例1においても、上記の実施例1の場合と負極に用いる水素吸蔵合金の組成だけを変更させ、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、比較例1のニッケル・水素蓄電池を作製した。
ここで、負極に用いる水素吸蔵合金として、比較例1では組成が、(La0.2Pr0.495Nd0.295Zr0.010.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.10になった水素吸蔵合金を用いるようにした。
次に、上記のようにして作製した実施例1〜3及び比較例1の各ニッケル・水素蓄電池を、それぞれ25℃の雰囲気中において、2100mAの電流で1時間充電させた後、2100mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ、これを1サイクルとして、100サイクルの充放電を繰り返して行った。
その後、上記の各ニッケル・水素蓄電池を、それぞれ25℃の雰囲気中において、1050mAの電流で2時間充電させた後、2100mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて、25℃の雰囲気中における放電容量C25を求めた。
次に、上記の各ニッケル・水素蓄電池を、それぞれ60℃の高温雰囲気中において、1050mAの電流で2時間充電させた後、2100mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて、60℃の雰囲気中における放電容量C60を求めた。
そして、25℃の雰囲気中における放電容量C25に対する60℃の雰囲気中における放電容量C60の容量比率[(C60/C25)×100]を算出し、その結果を下記の表3に示した。
Figure 2006236692
この結果、正極に水酸化ニッケル粒子の表面にナトリウムを含有する高次コバルト酸化物からなる被覆層が形成された正極活物質とイットリウム化合物を用いた実施例1〜3及び比較例1のニッケル・水素蓄電池において、負極に、水素吸蔵合金に含まれるMgの存在量xが0.15以下になった水素吸蔵合金を使用した実施例1〜3の各ニッケル・水素蓄電池は、水素吸蔵合金に含まれるMgの存在量xが0.15を超える水素吸蔵合金を使用した比較例1のニッケル・水素蓄電池に比べて、高温での容量比率が高くなっており、高温での充放電効率が向上していた。特に、水素吸蔵合金に含まれるMgの存在量xが0.13以下になった水素吸蔵合金を使用した実施例1,2のニッケル・水素蓄電池においては、さらに高温での容量比率が高くなって、高温での充放電効率がさらに向上していた。
この発明の実験1,2において作製した各実験セルの概略断面図である。 この発明の実施例及び比較例において作製したアルカリ蓄電池の概略断面図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池缶
5 正極リード
6 正極蓋
7 負極リード
8 絶縁パッキン
9 正極外部端子
10 コイルスプリング
a1,a2,a3,a4 正極
b 負極
c アルカリ電解液
d セパレータ
e セル
f 安全弁

Claims (3)

  1. 正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたニッケル・水素蓄電池において、上記の負極に、一般式Ln1-xMgxNia-b-cAlbc(式中、Lnは、Yを含む希土類元素及びZrから選択される少なくとも1種の元素、Zは、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P及びBから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦x≦0.15、2.8≦a≦3.9、0.05≦b≦0.30、0.05≦c≦0.25の条件を満たす。)で表される水素吸蔵合金を用いると共に、アルカリ金属を含有する高次コバルトの被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子と、カルシウム,ストロンチウム,スカンジウム,イットリウム,ランタノイド及びビスマスから選択される少なくとも1種の元素の化合物とを含む正極を用いたことを特徴とするニッケル・水素蓄電池。
  2. 請求項1に記載のニッケル・水素蓄電池において、前記の一般式中においてMgの存在量を示すxが0.05≦x≦0.13の条件を満たすことを特徴とするニッケル・水素蓄電池。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のニッケル・水素蓄電池において、前記の正極に、アルカリ金属を含有する高次コバルトの被覆層が形成された水酸化ニッケル粒子と、イットリウム化合物とが含まれていることを特徴とするニッケル・水素蓄電池。
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