JP2004296190A - ニッケル−水素蓄電池 - Google Patents

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輝彦 井本
Arinori Morikawa
有紀 森川
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Abstract

【課題】高次化されたニッケル酸化物(高次水酸化ニッケル)を正極活物質として用いるとともに、該正極活物質に残存するγ−NiOOHを減少させて、高容量で、高放電性で、長サイクル寿命となるニッケル−水素蓄電池を提供する。
【解決手段】本発明のニッケル−水素蓄電池は、正極活物質は価数が2.05価以上で2.30価以下に高次化された水酸化ニッケルを含有するとともに、該水酸化ニッケルの表面が2価より高次なコバルト化合物で被覆されており、負極活物質は、組成式がMmNiCoMn(ただし、MはCa,Mg,Alから選択される少なくとも1種の元素である)で表されるCaCu型の水素吸蔵合金を含有するとともに、4.4≦a+b+c+d≦5.4の関係を有し、かつ、0.25≦c/b≦0.45の関係を有していることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を含有した正極と、水素吸蔵合金を主成分とする負極活物質を含有した負極と、アルカリ電解液とを備えたニッケル−水素蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型携帯機器の増加に伴い、充放電が可能な二次電池(蓄電池)の需要が高まっており、特に、機器の小型化、薄型化、スペース効率化に伴い、大容量が得られるニッケル−水素蓄電池の需要が急速に高まった。この種のニッケル−水素蓄電池は、正極活物質に水酸化ニッケルを使用する正極と、負極活物質に水素吸蔵合金を使用する負極とをセパレータを介して渦巻状に巻回して渦巻状電極群とし、この渦巻状電極群をアルカリ電解液とともに金属製外装缶(電池ケース)内に収納し、金属製外装缶を密封することにより製造される。
【0003】
現在においては、この種のニッケル−水素蓄電池の需要がさらに高まり、小型の機器のみならず、電動工具などの大電流用途にも需要が拡大するようになった。これに伴い、より大きな電流値を取り出すことができるように種々の改良が進められている。例えば、水酸化ニッケルを主成分とする活物質に、導電剤として少量のコバルト化合物を添加することが一般に行われている。
【0004】
しかしながら、導電剤としてコバルト化合物を添加するだけでは、高容量で高性能なニッケル−水素蓄電池が得られないため、水酸化ニッケルの表面にコバルト化合物を被覆した後、アルカリおよび酸素の共存下で加熱するアルカリ熱処理法が、特許文献1(特許第2589123号公報)にて提案されるようになった。この特許文献1にて提案されたアルカリ熱処理法によれば、コバルト化合物をアルカリおよび酸素の共存下で加熱して、導電性が高い高次コバルト化合物を生成させるので、活物質の利用率が向上して、高容量化が達成できるようになる。
【0005】
ところが、特許文献1にて提案されるように、活物質(水酸化ニッケル)の表面に導電性が高い高次コバルト化合物を生成させると、反応に関与しないコバルト化合物が水酸化ニッケルの表面に均一に存在するようになる。このため、水酸化ニッケルと電解液との接触が阻害されるようになって、高率放電特性が低下するという問題を生じた。この問題に対処するために、水酸化ニッケルの表面の一部をアルカリカチオンを含む高次コバルト化合物で被覆する方法が、特許文献2(特開2001−266869号公報)にて提案されるようになった。この方法によれば、良好な導電ネットワークが形成されるとともに、電解液が直接水酸化ニッケルに接触するようになるため、活物質利用率と高率放電特性の向上を達成できるようになる。
【0006】
ところで、一般に、この種のニッケル−水素蓄電池の正極に用いられるニッケル電極は、充電時には、下記の(1)式で示すように、2価の水酸化ニッケル(Ni(OH))は3価のオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)になり、放電時には、下記の(2)式で示すように、3価のオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)は2価の水酸化ニッケル(Ni(OH))になる可逆反応を利用している。
Ni(OH)+OH→NiOOH+HO+e・・・(1)
Ni(OH)+OH←NiOOH+HO+e・・・(2)
【0007】
この反応は完全な可逆的反応ではなく、放電によりオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)から水酸化ニッケル(Ni(OH))に戻る際に、2.2価程度で放電反応が停止してしまうという現象が生じた。このため、負極には0.2価に相当する電気量が不可逆分として常に残存し、この残存した電気量は電池容量に寄与しないこととなる。
【0008】
そこで、このような負極での不可逆容量を削減する方法が、例えば、特許文献3(特許第2765008号公報)で提案されている。この特許文献3で提案された方法にあっては、水酸化ニッケルを化学的に部分的に酸化した2価を超えるニッケル酸化物(高次水酸化ニッケル)を正極活物質として用いるようにしている。これにより、負極には不可逆分として残存するような電気量がなくなり、全ての電気量が電池容量に寄与することとなる。
【特許文献1】
特許第2589123号公報
【特許文献2】
特開2001−266869号公報
【特許文献3】
特許第2765008号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水酸化ニッケル(Ni(OH))を電気化学的に充電すると、電気化学的に放電が容易なβ−NiOOHに変化するのに対して、水酸化ニッケル(Ni(OH))を化学的に酸化すると、β−NiOOH以外にも電気化学的に放電しがたいγ−NiOOHが生成されて、放電容量が低下する。また、β−NiOOH→γ−NiOOHへの変化過程で電極が膨潤して、負極およびセパレータ中に存在する電解液を取り込み、電解液枯渇化によりサイクル寿命特性が低下するという問題を生じた。
【0010】
そこで、本発明はこのような問題を解消するためになされたものであって、高次化されたニッケル酸化物(高次水酸化ニッケル)を正極活物質として用いるとともに、該正極活物質に残存するγ−NiOOHを減少させて、高容量で、高放電性で、長サイクル寿命となるニッケル−水素蓄電池を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のニッケル−水素蓄電池は、正極活物質は価数が2.05価以上で2.30価以下に高次化された水酸化ニッケルを含有するとともに、該水酸化ニッケルの表面が2価より高次なコバルト化合物で被覆されており、負極活物質は、組成式がMmNiCoMn(ただし、MはCa,Mg,Alから選択される少なくとも1種の元素である)で表されるCaCu型の水素吸蔵合金を含有するとともに、4.4≦a+b+c+d≦5.4の関係を有し、かつ、0.25≦c/b≦0.45の関係を有していることを特徴とする。
【0012】
ここで、水酸化ニッケルを化学的に酸化して高次化すると、負極余剰容量を削減することができるので、高容量化が達成できるようになる。この場合、化学的な酸化により、電気化学的に放電が容易なβ−NiOOHが生成されるとともに、電気化学的に放電し難いγ一NiOOHが生成される。そこで、更に還元処理することにより、高次化されたオキシ水酸化ニッケル(β−NiOOHおよびγ−NiOOH)が還元されて水酸化ニッケル(Ni(OH))に変化する。この還元反応においては、γ−NiOOHはβ−NiOOHよりも還元されやすいので、γ−NiOOHは減少して電気化学的に放電が容易なβ−NiOOHが相対的に増大する。
【0013】
これにより、正極全体としての導電性が向上するようになるため、活物質の利用率が向上して放電容量が増大する。また、γ−NiOOHの生成を抑制するため、β−NiOOH→γ−NiOOHへの変化過程での電極膨潤を抑制することができ、高容量かつサイクル寿命特性が良好な活物質を提供できる。この時、平均価数が2.05価よりも低くなると負極での不可逆容量の削減量が充分でなく、電池の内部空間を有効に利用することができなくなる。一方、平均価数が2.30価よりも高くなると負極の充電量が小さくなることで、負極規制の電池となって容量が大幅に低下する。このため、高次水酸化ニッケルの平均価数は2.05以上で、2.30価以下とすることが好ましい。
【0014】
そして、平均価数が2.05以上で、2.30価以下の高次水酸化ニッケルとしては、粉末X線回折(Cu−Kα)における(101)面のピークの半値幅(2θ)が0.95°以上で1.15°以下であるのが好ましい。これは、半値幅が0.95°よりも低くなると、結晶構造の安定化に伴う結晶層間のプロトン移動が困難となるため、容量が大幅に低下するようになる。また、1.15°よりも大きくなると結晶構造の安定化が低下して、サイクル寿命特性が大幅に低下するためである。
【0015】
一方、電解液中には、負極の水素吸蔵合金成分中のMnが溶出して、そのMnが正極活物貿である水酸化ニッケル表面に被覆された高次コバルト化合物により形成された導電ネットワークを崩壊させ、大電流放電時の放電性低下の原因となる。このため、水素吸蔵合金成分中のMnの溶出を最小限にするには、Mnを含有しない水素吸蔵合金を用いれば良いが、Mnを含有させないとMnの代わりにCoが溶出するようになる。そして、Coが電解液中に溶出すると、充放電反応(酸化還元反応)に伴いセパレータ上に析出するようになって、ショートの原因となる。また、Mnを含有させないと水素吸蔵量も低下するため、負極の放電容量も減少する。そのため、水素吸蔵合金の組成は、MnおよびCoの溶出量を最小限とし、正極活物質の効果を最大限に引き出せる組成とする必要がある。
【0016】
そこで、水素吸蔵合金組成をMmNiCoMn(式中MはCa,Mg、Alから選ばれた少なくとも1種以上の元素である)で表され、a,b,c,dの合計値が4.4≦a+b+c+d≦5.4の関係を有し、かつ、合金中に含有されるCoとMnの組成比率c/bを0.25≦c/b≦0.45とすることで、Mnの溶出を最小限に抑制でき、水酸化ニッケル(正極活物質)の表面に形成された導電ネットワークを維持できるとともに充放電サイクル経過に伴う微粉化も抑制することが可能となった。
【0017】
この効果は、2価より高次なコバルト化合物で被覆された水酸化ニッケルを酸化剤により化学的に酸化した後、還元剤により還元して価数を2.05価以上で2.30価以下とした水酸化ニッケルを主体とした正極活物質を用いた時に、特異的な効果を発揮することが可能となる。また、水酸化ニッケル化合物に対して、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、エルビウム(Er)、亜鉛(Zn)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素又はその化合物を添加すると、特に高温領域において、負極の水素吸蔵合金から溶出したMnが、正極活物貿である水酸化ニッケル表面に形成された導電ネットワークの崩壊を抑制する作用を有するため、一層の効果が得られる。中でもイットリウム化合物としてYを用いることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に詳細に説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものでなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0019】
1.ニッケル正極の作製
質量比で金属ニッケル100に対して亜鉛4質量%、コバルト1質量%となるように、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、反応溶液中のpHを13〜14に安定させて水酸化ニッケルを析出させた。この水酸化ニッケルが析出した溶液に対して、硫酸コバルト水溶液を添加して、反応溶液中のpHが9〜10になるように維持させて、主成分が水酸化ニッケルである正極活物質粒子を結晶核として、この核の表面に水酸化コバルトを析出させた。
【0020】
ついで、表面に水酸化コバルトが析出した正極活物質粒子を熱気流中でアルカリ溶液を噴霧するアルカリ熱処理を行った。なお、このアルカリ熱処理において、正極活物質粒子の温度が60℃になるように温度調節し、コバルト量に対して5倍量の35質量%のアルカリ溶液(水酸化ナトリウム水溶液)を噴霧し、正極活物質粒子の温度が90℃に達するまで昇温した。これを水洗した後、60℃で乾燥させて、水酸化ニッケルの表面にアルカリカチオン(ナトリウムイオン)を含有するコバルト化合物(2価より高次なコバルト酸化物)からなる導電性被膜が形成された粉末を得た。
【0021】
ついで、上述のように調製した粒状の水酸化ニッケル活物質を、40℃〜60℃の温度に維持された32質量%の水酸化ナトリウム水溶液中で撹拌しながら、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化剤)を所定量滴下して、主成分の水酸化ニッケルを酸化(高次化)させて高次水酸化ニッケルとした。この場合、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)の滴下量を調整して、2価の水酸化ニッケルを40質量%だけ3価のオキシ水酸化ニッケルに酸化させたものを高次水酸化ニッケルαとした。
【0022】
同様に、2価の水酸化ニッケルを60質量%だけ3価のオキシ水酸化ニッケルに酸化させたものを高次水酸化ニッケルβとし、2価の水酸化ニッケルを80質量%だけ3価のオキシ水酸化ニッケルに酸化させたものを高次水酸化ニッケルγとした。なお、これらの各粒子を化学分析法により分析した結果、高次水酸化ニッケルαの平均価数は2.4価で、高次水酸化ニッケルβの平均価数は2.6価で、高次水酸化ニッケルγの平均価数は2.8価であった。
【0023】
ついで、このようにして高次化された各粒子(高次水酸化ニッケル)α,β,γが生成された水溶液を撹拌しながら、所定量のヒドラジン(N)(還元剤)を滴下して、主成分の高次水酸化ニッケルを還元した。なお、水溶液中に滴下するヒドラジン(N)の滴下量は、還元後の平均価数が2.00価、2.05価、2.10価、2.20価、2.30価、2.35価となるように調整した。確認のため、還元後の各粒子(高次水酸化ニッケル)を化学分析法により分析した結果、平均価数は2.00〜2.35価であった。また、粉末X線回折(Cu−Kα)における(101)面のピークの半値幅(2θ)(以下では、単に半値幅という)は0.90°〜1.32°であった。
【0024】
ここで、粒子α(酸化後の平均価数は2.4価)を用いて、平均価数が2.00価(半値幅は1.18°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルα1とした。同様に、2.05価(半値幅は1.11°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルα2とし、2.10価(半値幅は1.07°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルα3とし、2.20価(半値幅は1.05°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルα4とし、2.30価(半値幅は0.94°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルα5とし、2.35価(半値幅は0.90°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルα6とした。
【0025】
また、粒子β(酸化後の平均価数は2.6価)を用いて、平均価数が2.00価(半値幅は1.28°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルβ1とした。同様に、2.05価(半値幅は1.15°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルβ2とし、2.10価(半値幅は1.08°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルβ3とし、2.20価(半値幅は1.06°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルβ4とし、2.30価(半値幅は0.96°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルβ5とし、2.35価(半値幅は0.93°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルβ6とした。
【0026】
さらに、粒子γ(酸化後の平均価数は2.8価)を用いて、平均価数が2.00価(半値幅は1.32°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルγ1とした。同様に、2.05価(半値幅は1.16°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルγ2とし、2.10価(半値幅は1.11°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルγ3とし、2.20価(半値幅は1.09°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルγ4とし、2.30価(半値幅は1.05°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルγ5とし、2.35価(半値幅は0.94°)になるように還元したものを高次水酸化ニッケルγ6とした。
【0027】
ついで、これらの各粒子α1〜α6,β1〜β6,γ1〜γ6を用いて、それぞれ10倍量の純水で3回洗浄した後、脱水、乾燥することにより、粒状の高次水酸化ニッケルとした。この粒状の高次水酸化ニッケル粉末500gに対して、0.25質量%のヒドロキシプロピルセルロース水溶液200gを混合して、活物質スラリーを作製した。ついで、この活物質スラリーを発泡ニッケルからなる多孔性電極基板に所定の充填密度となるように充填した後、乾燥させて、所定の厚みになるように圧延し、所定形状に切断してニッケ正極x1〜x3,a1〜a3,a4〜a6,a7〜a9,a10〜a12,x4〜x6を作製した。
【0028】
なお、粒子α1を用いたものを正極x1とし、粒子β1を用いたものを正極x2とし、粒子γ1を用いたものを正極x3とした。また、粒子α2を用いたものを正極a1とし、粒子β2を用いたものを正極a2とし、粒子γ2を用いたものを正極a3とした。また、粒子α3を用いたものを正極a4とし、粒子β3を用いたものを正極a5とし、粒子γ3を用いたものを正極a6とした。また、粒子α4を用いたものを正極a7とし、粒子β4を用いたものを正極a8とし、粒子γ4を用いたものを正極a9とした。また、粒子α5を用いたものを正極a10とし、粒子β5を用いたものを正極a11とし、粒子γ5を用いたものを正極a12とした。さらに、粒子α6を用いたものを正極x4とし、粒子β6を用いたものを正極x5とし、粒子γ6を用いたものを正極x6とした。
【0029】
2.水素吸蔵合金負極の作製
ミッシュメタル(Mm)、ニッケル(Ni:純度99.9%)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)およびアルミニウム(Al)のモル比が1.00:3.75:0.80:0.20:0.25(Mn/Co=c/b=0.25)になるように混合し、この混合物をアルゴンガス雰囲気の高周波誘導炉で誘導加熱して合金溶湯とした。この合金溶湯を公知の方法で鋳型に流し込み、冷却して、組成式がMmNi3.75Co0.80Mn0.20Al0.25で表される水素吸蔵合金のインゴットを作製した。この水素吸蔵合金インゴットを機械的粉砕法により、平均粒子径が約60μmになるまで粉砕した。
【0030】
ついで、この水素吸蔵合金粉末100質量部に対して、結着剤としての5質量%のポリエチレンオキサイド(PEO)の水溶液20質量部を混合して水素吸蔵合金ペーストを作製した。この水素吸蔵合金ペーストをニッケルメッキを施したパンチングメタルからなる芯体の両面に塗着し、室温で乾燥させた後、所定の厚みに圧延し、所定の形状に切断して水素吸蔵合金負極b1を作製した。
【0031】
3.ニッケル−水素蓄電池の作製
上述のように作製したニッケル正極x1〜x3、a1〜a12およびx4〜x6と、水素吸蔵合金負極b1をそれぞれ用い、これらの間にポリプロピレン製不織布からなるセパレータを介在させ、これらをスパイラル状に巻回して電極群をそれぞれ作製した。ついで、各電極群を外装缶に挿入した後、各電極群の負極から延出する負極リードを外装缶に接続するとともに、正極から延出する正極リードを封口体に設けられた正極蓋に接続した。この後、外装缶内に電解液(例えば、30質量%の水酸化カリウム水溶液)を注入し、更に外装缶の開口部を封口体により封止して、公称容量が1250mAhのAAサイズのニッケル−水素蓄電池をそれぞれ作製した。
【0032】
ここで、正極x1を用いたものを電池X1とし、正極x2を用いたものを電池X2とし、正極x3を用いたものを電池X3とした。また、正極a1を用いたものを電池A1とし、正極a2を用いたものを電池A2とし、正極a3を用いたものを電池A3とした。また、正極a4を用いたものを電池A4とし、正極a5を用いたものを電池A5とし、正極a6を用いたものを電池A6とした。また、正極a7を用いたものを電池A7とし、正極a8を用いたものを電池A8とし、正極a9を用いたものを電池A9とした。また、正極a10を用いたものを電池A10とし、正極a11を用いたものを電池A11とし、正極a12を用いたものを電池A12とした。さらに、正極x4を用いたものを電池X4とし、正極x5を用いたものを電池X5とし、正極x6を用いたものを電池X6とした。
【0033】
4.電池試験
ついで、上述のように作製した電池A1〜A12およびX1〜X6を用いて、これらの各電池を25℃の温度雰囲気で、125mAの充電電流で16時間充電した。この後、250mAの放電電流で、電池電圧が1.0Vになるまで放電させて、初期容量を測定した。さらに、125mAの充電電流で16時間充電した後、5000mAの放電電流で、電池電圧が0.6Vになるまで放電させて、初期高率放電容量(mAh)を求めた。
【0034】
その後、1250mAの充電電流で−ΔV(充電電圧が最大値を示してからの電圧降下値)が10mVを検出した時点で充電を終了し、1時間休止した後、1250mAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させるサイクルを600サイクル行った。600サイル終了後、再度、125mAで16時間充電した後、1250mAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ、600サイクル後の放電容量(mAh)を測定した。そして、初期放電容量(mAh)に対する600サイクル後の放電容量(mAh)の比率を求めて、容量維持率(%)とした。これらの測定結果を表すと、下記の表1に示すような結果になった。
【0035】
【表1】
Figure 2004296190
【0036】
上記表1の結果から明らかなように、合金中のCoとMnの組成比率c/bを0.25とした水素吸蔵合金を含有する負極を用いた場合、酸化還元処理を実施し、酸化還元後の価数を2.05価以上で2.30価以下とした水酸化ニッケルを含有する正極a1〜a12を用いた電池A1〜A12は、還元処理後の価数を2.00価とした水酸化ニッケルを含有する正極x1〜x3を用いた電池Xl〜X3、および還元処理後の価数を2.35価とした水酸化ニッケルを含有する正極x4〜x6を用いた電池X4〜X6よりも、初期容量、高率放電特性および600サイクル後の容量維持率の全てにおいて優れていることが分かる。
【0037】
その中でも、特に、電池A1,A2,A4〜A9,A11,A12は、初期容量、高率放電特性および600サイクル後の容量維持率の全てにおいて優れていることが分かる。これに対して、粉末X線回折(Cu−Kα)における(101)面のピークの半値幅(2θ)を1.16°とした電池A3においては、600サイクル後の放電容量および600サイクル後の容量維持率が若干低下していることが分かる。
【0038】
また、半値幅(2θ)を0.94°とした電池A10においては、初期容量が若干低下していることが分かる。これは、半値幅(2θ)が0.95°よりも低くなると、結晶構造の安定化に伴う結晶層間のプロトン移動が困難となるために、初期容量が低下するものと推定される。また、半値幅(2θ)が1.15°よりも大きくなると、結晶構造の安定化が低下して、600サイクル後の放電容量および600サイクル後の容量維持率(サイクル寿命特性)が低下するものと推定される。
【0039】
5.水素吸蔵合金の組成の検討
ついで、水素吸蔵合金の組成について検討した。そこで、ミッシュメタル(Mm)、ニッケル(Ni:純度99.9%)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、およびアルミニウム(Al)のモル比が1.0:3.59:0.80:0.36:0.25(Mn/Co=c/b=0.45)になるように混合して、上述と同様にして、組成式がMmNi3.59Co0.80Mn0.36Al0.25で表される水素吸蔵合金粉末を作製した。この水素吸蔵合金粉末を用いて、上述と同様にして水素吸蔵合金負極b2を作製し、この水素吸蔵合金負極b2と、上述のニッケル正極a1〜a12を用いて、上述と同様にして公称容量1250mAhのAAサイズのニッケル−水素蓄電池B1〜B12をそれぞれ作製した。
【0040】
なお、正極a1を用いたものを電池B1とし、正極a2を用いたものを電池B2とし、正極a3を用いたものを電池B3とした。また、正極a4を用いたものを電池B4とし、正極a5を用いたものを電池B5とし、正極a6を用いたものを電池B6とした。また、正極a7を用いたものを電池B7とし、正極a8を用いたものを電池B8とし、正極a9を用いたものを電池B9とした。さらに、正極a10を用いたものを電池B10とし、正極a11を用いたものを電池B11とし、正極a12を用いたものを電池B12とした。
【0041】
ついで、上述のように作製した電池B1〜B12を用いて、これらの各電池を25℃の温度条件で、125mAの充電電流で16時間充電した後、250mAの放電電流で、電池電圧が1.0Vになるまで放電させて、初期容量を測定した。さらに、125mAの充電電流で16時間充電した後、5000mAの放電電流で、電池電圧が0.6Vになるまで放電させて、初期高率放電容量(mAh)を求めた。その後、1250mAの充電電流で−ΔVが10mVを検出した時点で充電を終了し、1時間休止した後、1250mAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させるサイクルを600サイクル行った。600サイル終了後、再度、125mAで16時間充電した後、1250mAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ、600サイクル後の放電容量(mAh)を測定した。そして、初期放電容量(mAh)に対する600サイクル後の放電容量(mAh)の比率を求めて、容量維持率(%)とした。これらの測定結果を表すと、下記の表2に示すような結果になった。
【0042】
【表2】
Figure 2004296190
【0043】
上記表2の結果から明らかなように、水素吸蔵合金中のCoとマンガンの組成比率(c/b=Mn/Co)を0.45とした水素吸蔵合金を含有する負極b2に用いた場合、粉末X線回折(Cu−Kα)における(101)面のピークの半値幅(2θ)を1.16°とした電池B3においては、上述したA3(Mn/Co=0.25の水素吸蔵合金を用いたもの)と同様に、600サイクル後の放電容量および600サイクル後の容量維持率が若干低下していることが分かる。また、半値幅(2θ)を0.94°としたB10においては、上述した電池A10(Mn/Co=0.25の水素吸蔵合金を用いたもの)と同様に、初期容量が若干低下していることが分かる。
【0044】
このことは、酸化還元後の価数を2.05価以上で2.30価以下とした水酸化ニッケルを含有する正極a1〜a12を用いた場合、水素吸蔵合金中のCoとマンガンの組成比率(c/b=Mn/Co)が、表1のように0.25であっても、表2のように0.45であっても、ほぼ同様な結果が得られることを示している。
【0045】
6.水素吸蔵合金成分中のMnとCoのモル比の検討
そこで、水素吸蔵合金成分中のMnとCoのモル比について検討した。この場合、Mm:Ni:Co:Mn:Alのモル比が1.0:3.85:0.75:0.15:0.25(Mn/Co=0.20)になるようなMmNi3.85Co0.75Mn0.15Al0.25で表される水素吸蔵合金粉末を用いて水素吸蔵合金負極を作製し、これを負極y1とした。また、Mm:Ni:Co:Mn:Alのモル比が1.0:3.50:0.85:0.40:0.25(Mn/Co=0.47)になるようなMmNi3.50Co0.85Mn0.40Al0.25で表される水素吸蔵合金粉末を用いて水素吸蔵合金負極を作製し、これを負極y2とした。
【0046】
ついで、これらの水素吸蔵合金負極y1,y2と、上述のニッケル正極a5,a6,a7を用いて、上述と同様に公称容量1250mAhのAAサイズのニッケル−水素蓄電池Y1〜Y3,Y4〜Y6をそれぞれ作製した。なお、水素吸蔵合金負極y1を用い、正極a5を用いたものを電池Y1とし、正極a6を用いたものを電池Y2とし、正極a7を用いたものを電池Y3とした。また、水素吸蔵合金負極y2を用い、正極a5を用いたものを電池Y4とし、正極a6を用いたものを電池Y5とし、正極a7を用いたものを電池Y6とした。
【0047】
また、水酸化ニッケルの表面にアルカリカチオン(ナトリウムイオン)を含有するコバルト酸化物からなる導電性被膜が形成された粉末を含有する溶液に、上述と同様に、2価の水酸化ニッケルを20質量%だけ3価のオキシ水酸化ニッケルに酸化させるように、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を滴下して、平均価数が2.2価の高次水酸化ニッケルを得た。なお、この粉末を粉末X線回折(Cu−Kα)における(101)面のピークの半値幅(2θ)は0.95°であった。
【0048】
その後、還元処理を行なわず、この水酸化ニッケル粉末500gに対して、0.25質量%のヒドロキシプロピルセルロース水溶液200gを混合して、活物質スラリーを作製した。更に、活物質スラリーを発泡ニッケルからなる多孔性電極基板に所定の充填密度となるように充填した後、乾燥させて、所定の厚みになるように圧延してニッケル正極を作製した。このニッケル正極を正極zlとした。ついで、正極zlと水素吸蔵合金負極blおよびy2を用いて、ニッケル水素蓄電池Zl(負極b1を用いたもの)、Z2(負極y2を用いたもの)を作製した。
【0049】
ついで、上述のように作製した電池Y1〜Y6およびZl,Z2を用いて、これらの各電池を25℃の温度条件で、125mAの充電電流で16時間充電した後、250mAの放電電流で、電池電圧が1.0Vになるまで放電させて、初期容量を測定した。さらに、125mAの充電電流で16時間充電した後、5000mAの放電電流で、電池電圧が0.6Vになるまで放電させて、初期高率放電容量(mAh)を求めた。その後、1250mAの充電電流で−ΔVが10mVを検出した時点で充電を終了し、1時間休止した後、1250mAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させるサイクルを600サイクル行った。600サイル終了後、再度、125mAで16時間充電した後、1250mAの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ、600サイクル後の放電容量(mAh)を測定した。そして、初期放電容量(mAh)に対する600サイクル後の放電容量(mAh)の比率を求めて、容量維持率(%)とした。これらの測定結果を表すと、下記の表3に示すような結果になった。なお、表3には上述した電池A5〜A7およびB5〜B7の結果も併せて示している。
【0050】
【表3】
Figure 2004296190
【0051】
上記表3の結果から明らかなように、酸化処理後に還元処理して、還元処理後の価数を2.10価および2.20価とした水酸化ニッケルを含有する正極a5,a6,a7と、水素吸蔵合金中のCoとMnの組成比率c/bを0.20とした水素吸蔵合金を含有する負極y1とを用いた電池Yl〜Y3は初期容量が大幅に低下していることが分かる。これは、水素吸蔵合金中のMnの含有量が減少したことによって、水素吸蔵量が低下して初期容量が大幅に低下したと考えられる。
【0052】
また、酸化処理後に還元処理して、還元処理後の価数を2.10価および2.20価とした水酸化ニッケルを含有する正極a5,a6,a7と、水素吸蔵合金中のCoとMnの組成比率c/bを0.47とした水素吸蔵合金を含有する負極y2とを用いた電池Y4〜Y6は、高率放電特性および600サイクル後の容量維持率が低下していることが分かる。これは、表面が高次コバルト化合物で被覆された水酸化ニッケルを化学的に酸化した後、還元すると、表面の高次コバルト化合物の導電ネットワークはより不安定となる。このため、水素吸蔵合金から溶出したMnの影響を特に受けやすくなって、導電ネットワークが崩壊して、導電性が低下する。これにより、高率放電特性および600サイル後の容量維持率が低下したと考えられる。
【0053】
さらに、還元処理しない水酸化ニッケルを含有する正極z1と、水素吸蔵合金中のCoとMnの組成比率c/bを0.47とした水素吸蔵合金を含有する負極y2とを用いた電池Z2は、酸化処理した後、還元処理して、還元処理後の価数を2.20価とした水酸化ニッケルを含有する正極a7と、水素吸蔵合金中のCoとMnの組成比率c/bを0.47とした水素吸蔵合金を含有する負極y2とを用いた電池Y6と比較して、高率放電特性が低下する反面、600サイクル後の容量維持率が向上していることが分かる。これは、高次コバルト化合物からなる導電ネットワークは、酸化還元処理により不安定となるために、水素吸蔵合金から溶出したMnの影響を受けやすくなって、高率放電特性が低下したと考えられる。
【0054】
一方、水素吸蔵合金中のCoとMnの組成比率c/bを0.25としてMn量の少ない水素吸蔵合金を含有する負極z1を用いた電池Zlは、高率放電特性は電池Z2とほば同等であることから、水素吸蔵合金中のMn量の影響は、酸化還元処理を実施した場合より小さいものと考えられる。また、還元処理を実施することで、γ−NiOOHの生成を減少させるため、β−NiOOH→γ−NiOOHへの変化過程での電極膨潤を抑制することができ、600サイクル後の容量維持率は向上したものと考えられる。
【0055】
【発明の効果】
上述したように、本発明においては、2価より高次なコバルト化合物で被覆した水酸化ニッケルを酸化剤により化学的に酸化した後、還元剤により還元して、価数を2.05価以上で2.30価以下とした水酸化ニッケルを主体とした正極活物質を用いている。また、負極には、CaCu型を有し、組成式MmNiCoMnで表され、a,b,c,dの合計値が4.4≦a+b+c+d≦5.4であり、水素吸蔵合金中に含有されるCoとMnの組成比率c/bを0.25≦c/b≦0.45とした水素吸蔵合金を用いている。これにより、特異的な効果を引き出すことができ、高容量、高放電性、長サイクル寿命のニッケル−水素蓄電池を提供することが可能となった。
【0056】
なお、上述した実施の形態においては、酸化処理する酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム(NaCO)を用いる例について説明したが、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)以外の酸化剤、例えば、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na)、ペルオキソ二硫酸カリウム(K)等の他の酸化剤を用いても同様の効果が得られた。また、還元処理する還元剤としてヒドラジンを用いる例について説明したが、ヒドラジン以外の還元剤、例えば過酸化水素、ヨウ化水素等の他の還元剤を用いても同様の効果が得られた。
【0057】
また、上述した実施の形態においては、組成式がMmNiCoMnで表される水素吸蔵合金において、M元素としてAlを用いる例について説明したが、Al以外のCa,Mgを用いても同様の効果が得られた。また、ニッケル正極中に、水酸化ニッケル化合物の添加剤として、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、エルビウム(Er)、亜鉛(Zn)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素又はその化合物の粉末を添加すると、特に高温領域において、負極の水素吸蔵合金から溶出したMnが、正極活物貿である水酸化ニッケル表面に形成された導電ネットワークの崩壊を抑制する作用を有するため、一層の効果が得られる。中でもイットリウム化合物としてYを用いることが好ましい。

Claims (6)

  1. 水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を含有した正極と、水素吸蔵合金を主成分とする負極活物質を含有した負極と、アルカリ電解液とを備えたニッケル−水素蓄電池であって、
    前記正極活物質は価数が2.05価以上で2.30価以下に高次化された水酸化ニッケルを含有するとともに、該高次化された水酸化ニッケルの表面が2価より高次なコバルト化合物で被覆されており、
    前記負極活物質は、組成式がMmNiCoMn(ただし、MはCa,Mg,Alから選択される少なくとも1種の元素である)で表されるCaCu型の水素吸蔵合金を含有するとともに、4.4≦a+b+c+d≦5.4の関係を有し、かつ、0.25≦c/b≦0.45の関係を有していることを特徴とするニッケル−水素蓄電池。
  2. 前記価数が2.05価以上で2.30価以下に高次化された水酸化ニッケルは、粉末X線回折(Cu−Kα)における(101)面のピークの半値幅(2θ)が0.95°以上で1.15°以下であることを特徴とする請求項1に記載のニッケル−水素蓄電池。
  3. 前記価数が2.05価以上で2.30価以下に高次化された水酸化ニッケルは、2価より高次なコバルト化合物で被覆された水酸化ニッケルが酸化剤により化学的に酸化された後、還元剤により還元されて形成されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のニッケル−水素蓄電池。
  4. 前記酸化剤は次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムから選択される少なくとも1種であり、前記還元剤はヒドラジン、アセトンのいずれか1種であることを特徴とする請求項3に記載のニッケル−水素蓄電池。
  5. 前記2価より高次なコバルト化合物はアルカリカチオンを含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のニッケル−水素蓄電池。
  6. 前記正極に前記水酸化ニッケル化合物とともに、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、エルビウム(Er)、亜鉛(Zn)から選択される少なくとも1種の元素又はその化合物が添加されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のニッケル−水素蓄電池。
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