JP4017302B2 - アルカリ蓄電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池などのアルカリ蓄電池に係り、特に、非焼結式ニッケル電極に用いられる水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質およびその製造方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のアルカリ蓄電池の正極として一般に用いられるニッケル電極は、充電時には、下記の(1)式で示すように、2価の水酸化ニッケル(Ni(OH)2)は3価のオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)になり、放電時には、下記の(2)式で示すように、3価のオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)は2価の水酸化ニッケル(Ni(OH)2)になる可逆反応を利用している。
Ni(OH)2+OH-→NiOOH+H2O+e-・・・(1)
Ni(OH)2+OH-←NiOOH+H2O+e-・・・(2)
この反応は完全な可逆的反応ではなく、放電によりオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)から水酸化ニッケル(Ni(OH)2)に戻る際に、2.2価程度で放電反応が停止してしまうという現象が生じた。このため、負極には0.2価に相当する電気量が不可逆分として常に残存し、この残存した電気量は電池容量に寄与しないこととなる。
【0003】
そこで、このような負極での不可逆容量を削減する方法が、例えば、特許第2765008号公報、特開平10−74512号公報などで提案されるようになった。ここで、特許第2765008号公報において提案された方法にあっては、水酸化ニッケルを化学的に部分的に酸化した2価を超えるニッケル酸化物を正極活物質として用いるようにしている。これにより、負極には不可逆分として残存するような電気量がなくなり、全ての電気量が電池容量に寄与することとなる。
【0004】
一方、特開平10−74512号公報において提案された方法にあっては、金属多孔体にオキシ水酸化コバルトもしくは水酸化コバルトで被覆されたオキシ水酸化ニッケル粒子またはオキシ水酸化ニッケルを主成分とした固溶体を活物質として充填するようにしている。これにより、予め活物質である水酸化ニッケル粒子表面に導電剤であるオキシ水酸化コバルトを被覆させているため、強固で均一な導電剤の物理的配置がなされるとともに、導電剤として粒子状の水酸化コバルト等を用いる場合よりも活物質の物理的充填性が向上し、さらにこの正極は部分的に酸化された状態であるので不可逆的電気量を削減した電池を構成できることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水酸化ニッケルを酸化して高次化された水酸化ニッケル(高次化水酸化ニッケル)とした正極活物質、あるいはこのような正極活物質を用いて作製した正極板は、空気中で保管すると、下記の(3)式の反応により、高次化水酸化ニッケルは水酸化ニッケル(Ni(OH)2)に還元されてしまい、長期にわたる保管が困難であるという問題を生じた。
NiOOH+1/2H2O →Ni(OH)2+1/4O2 ・・・(3)
【0006】
また、水酸化ニッケルを酸化して高次化水酸化ニッケルとした正極活物質を用いて作製した正極板を備えたアルカリ蓄電池は、保存中に正極活物質が電解液と反応して自己放電するが、この自己放電の際に、負極もこれと同じ容量だけ放電しようとする。しかしながら、負極は電気量を持っていないため、放電する代わりに自らを酸化して、表面に酸化被膜が形成されて不動態化し、結果として、負極の容量が低下して所定の性能が得られないという問題も生じた。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、高次化された水酸化ニッケル(高次化水酸化ニッケル)、あるいはこれを正極活物質として用いたニッケル正極を長期間保管できるようにするとともに、このニッケル正極の自己放電を抑制して、負極の余剰の容量を削減した高容量のアルカリ蓄電池を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のアルカリ蓄電池は、水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を備え、この正極活物質は粒子表面あるいはその表面近傍がコバルト化合物で被覆された高次化水酸化ニッケル粒子であるとともに、このコバルト化合物で被覆された高次化水酸化ニッケル粒子の表面にイットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物から選択される少なくとも1種の化合物の粒子が付着している。
【0009】
このような高次化水酸化ニッケル粒子を正極活物質とすると、負極の余剰容量を削減することができるとともに、この高次化水酸化ニッケルの粒子表面あるいはその表面近傍がコバルト化合物で被覆されているため、正極内に良好な導電ネットワークが形成されて、活物質利用率が向上して、高容量の蓄電池が得られるようになる。そして、コバルト化合物で被覆された高次化水酸化ニッケル粒子の表面にイットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物から選択される少なくとも1種の化合物の粒子が付着していると、これらの化合物は酸素発生電位を高めるため、高次化水酸化ニッケルの自己放電が抑制される。この結果、高次化水酸化ニッケルを長期に保存しても、安定するとともに、この活物質を用いて電池を組み立てても、自己放電が防止されるため、負極の余剰の容量を削減した高容量のアルカリ蓄電池が得られるようになる。
【0010】
そして、高次化水酸化ニッケルの粒子表面あるいはその表面近傍に被覆されるコバルト化合物が、アルカリカチオンを含む高次コバルト化合物であると、高次化水酸化ニッケル粒子の表面に形成された高次コバルト化合物と、内部の高次化水酸化ニッケル化合物との境界がなくなるため、ニッケル−コバルト間の結合が強固になって活物質粒子の機械的強度が増大するとともに、ニッケル−コバルト間の電気抵抗が低下して、高率放電時の容量が高くなる。また、アルカリカチオンはコバルト化合物が酸化剤により酸化されることを防止するとともに、水による酸化を抑制する作用を有するため、コバルト化合物の安定性を確保でき、酸素発生電位が向上して放置後の自己放電がさらに抑制されるようになる。
【0011】
また、高次化水酸化ニッケルの平均価数が2.1価よりも低くなると負極の不可逆容量の削減量が充分でなく、電池の内部空間を有効に利用することができなくなる。一方、平均価数が2.3価よりも高くなると負極の充電量が小さくなる。このことから、高次化水酸化ニッケルの平均価数は2.10価以上で2.30価以下にすることが好ましい。
【0012】
また、本発明のアルカリ蓄電池の製造方法は、水酸化ニッケル粒子の表面あるいはその表面近傍にコバルト化合物を保持させる保持工程と、コバルト化合物を保持させた水酸化ニッケル粒子を高次化する高次化工程と、コバルト化合物を保持させた高次化水酸化ニッケル粒子の表面にイットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物から選択される少なくとも1種の化合物の粒子を付着させる付着工程と備えるようにしている。
【0013】
このような各工程を備えることにより、高次化水酸化ニッケル粒子の表面あるいはその表面近傍はコバルト化合物で被覆され、このコバルト化合物で被覆された高次化水酸化ニッケル粒子の表面にイットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物から選択される少なくとも1種の化合物の粒子が付着するようになる。これにより、負極の余剰容量を削減することができるとともに、正極内に良好な導電ネットワークが形成されて、活物質利用率が向上して、高容量の蓄電池が得られるようになる。また、高次化水酸化ニッケルを長期に保存しても、安定するとともに、この活物質を用いて電池を組み立てても、自己放電が防止されるため、負極の余剰の容量を削減した高容量のアルカリ蓄電池が得られるようになる。
【0014】
そして、高次化工程において酸化剤により水酸化ニッケルを酸化させるようにすると、酸化剤量を調整するだけの簡単な工程を付加するだけで、水酸化ニッケルの高次化を行えるようになり、この種の電池の製造が容易になる。
また、保持工程において水酸化ニッケルをコバルト化合物と混合するかあるいは水酸化ニッケルをコバルト化合物で被覆した後、アルカリ水溶液と酸素の共存下で加熱処理して、コバルト化合物を高次化するようにすると、高次化水酸化ニッケルの表面に導電性が良好な高次コバルト層を形成することができるようになるので、正極内に強固な導電ネットワークを形成することが可能となる。これにより、高率放電時の容量が高くなる。また、この高次コバルト層はアルカリカチオンを含んでいるので、コバルト化合物が酸化剤により酸化されることを防止できるとともに、水による酸化を抑制する作用を有するため、コバルト化合物の安定性を確保でき、酸素発生電位が向上して放置後の自己放電がさらに抑制されるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
1.ニッケル正極の作製
(1)ニッケル正極a
重量比で金属ニッケル100に対して亜鉛3重量%、コバルト1重量%となるような硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、反応溶液中のpHが13〜14になるように維持させて粒状の水酸化ニッケルを析出させた。
【0016】
次に、粒状の水酸化ニッケルが析出した溶液中に、硫酸イットリウムを含有させた硫酸コバルト水溶液を添加し、この反応溶液中のpHが9〜10になるように維持させて、主成分が水酸化ニッケルである球状水酸化物粒子を結晶核として、この核の周囲に水酸化コバルトおよびイットリウム化合物を析出させて、複合粒子とした。なお、この複合粒子は球状水酸化物粒子に対して、水酸化コバルトを10重量%析出させており、イットリウム化合物を金属イットリウム換算で0.5重量%析出させている。
【0017】
このようにして得た複合粒子に対して、10倍量の純水で3回洗浄した後、脱水、乾燥することにより、その表面にイットリウム化合物が添加された水酸化コバルト被覆層を有する粒状の水酸化ニッケルを作製した。
ついで、このようにして作製された、表面にイットリウム化合物が添加された水酸化コバルト被覆層を有する粒状の水酸化ニッケルを、40℃〜60℃の温度に維持された32重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で撹拌しながら、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化剤)を所定量滴下して、粒子内部の水酸化ニッケルを高次化させて、高次化水酸化ニッケルとした。
【0018】
なお、水酸化ナトリウム水溶液中に滴下する次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)の滴下量は、2価の水酸化ニッケルを20重量%だけ3価の水酸化ニッケルに酸化させるだけの量とした。この複合粒子を化学分析法により分析した結果、平均価数が2.2価であった。このようにして作製された高次化水酸化ニッケルを正極活物質a1とした。
【0019】
ついで、上述のように作製した正極活物質a1を用い、この正極活物質a1に40重量%のHPC(ヒドロキシルプロピルセルロース)ディスパージョン液を添加混合して活物質スラリーを作製した。この活物質スラリーを発泡ニッケルからなる基板に所定の充填密度となるように充填した後、乾燥させて、所定の厚みになるように圧延して非焼結式ニッケル正極を作製した。この非焼結式ニッケル正極をニッケル正極aとした。
【0020】
(2)ニッケル正極b
正極活物質a1と同様に、その表面にイットリウム化合物が添加された水酸化コバルト被覆層を有する粒状の水酸化ニッケルを作製した後、この粒状の水酸化ニッケル化合物を、100℃に加熱された酸素雰囲気中で、この水酸化ニッケルに対して25重量%の水酸化ナトリウムを0.5時間噴霧するアルカリ熱処理を行った。
このようなアルカリ熱処理により、粒状の水酸化ニッケルの表面を被覆する水酸化コバルトの結晶構造が破壊されて結晶構造に乱れを生じると共に、水酸化コバルトの酸化が強力に促進されて、その平均価数が2価より大きい、例えば、2.9価の高次コバルト化合物となる。これにより、導電性のよいアルカリカチオンを含有した高次コバルト化合物をその表面に偏在形成させた粒状の水酸化ニッケルからなる複合粒子が得られる。
【0021】
ついで、このようにして得た複合粒子に対して、10倍量の純水で3回洗浄した後、脱水、乾燥することにより、その表面にイットリウム化合物が添加された水酸化コバルト被覆層を有する粒状の水酸化ニッケルを作製した。
ついで、このようにして作製された水酸化ニッケルを、40℃〜60℃の温度に維持された32重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で撹拌しながら、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を所定量(上述の正極活物質a1と同様)滴下し、粒子内部の水酸化ニッケルを高次化させて高次化水酸化ニッケルとした。この高次化水酸化ニッケルを化学分析法により分析した結果、平均価数が2.2価であった。このようにして作製された高次化水酸化ニッケルを正極活物質b1とした。
【0022】
ついで、上述のように作製した正極活物質b1を用い、この正極活物質b1に40重量%のHPCディスパージョン液を添加混合して活物質スラリーを作製した。この活物質スラリーを発泡ニッケルからなる基板に所定の充填密度となるように充填した後、乾燥させて、所定の厚みになるように圧延して非焼結式ニッケル正極を作製した。この非焼結式ニッケル正極をニッケル正極bとした。
【0023】
(3)ニッケル正極c
重量比で金属ニッケル100に対して亜鉛3重量%、コバルト1重量%となるような硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、反応溶液中のpHが13〜14になるように維持させて粒状の水酸化ニッケルを析出させた。次に、粒状の水酸化ニッケルが析出した溶液中に、硫酸コバルト水溶液を添加し、この反応溶液中のpHが9〜10になるように維持させて、主成分が水酸化ニッケルである球状水酸化物粒子を結晶核として、この核の周囲に水酸化コバルトを析出させて、複合粒子粉末とした。なお、この複合粒子は球状水酸化物粒子に対して、水酸化コバルトを10重量%析出させている。
【0024】
このようにして得た複合粒子に対して、10倍量の純水で3回洗浄した後、脱水、乾燥することにより、その表面に水酸化コバルト被覆層を有する粒状の水酸化ニッケルを作製した。この粒状の水酸化ニッケルを、上述の正極活物質b1と同様に、100℃に加熱された酸素雰囲気中で、この水酸化ニッケル化合物に対して25重量%の水酸化ナトリウムを0.5時間噴霧するアルカリ熱処理を行った。このアルカリ熱処理により、水酸化コバルトの酸化が強力に促進されて、その平均価数が2価より大きい、例えば、2.9価の高次コバルト化合物となる。これにより、導電性のよいアルカリカチオンを含有した高次コバルト化合物をその表面に偏在形成させた粒状の水酸化ニッケルからなる複合粒子が得られる。ついで、このようにして得た複合粒子粉末に対して、10倍量の純水で3回洗浄した後、脱水、乾燥することにより、その表面に高次コバルト化合物被覆層を有する粒状の水酸化ニッケルを作製した。
【0025】
ついで、このようにして作製された、表面に高次コバルト化合物被覆層を有する粒状の水酸化ニッケルを、40℃〜60℃の温度に維持された32重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で撹拌しながら、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化剤)を所定量(上述の実施例1と同様)滴下し、粒子内部の水酸化ニッケルを高次化させて高次化水酸化ニッケルとした。この高次化水酸化ニッケルを化学分析法により分析した結果、平均価数が2.2価であった。このようにして作製された高次化水酸化ニッケルを正極活物質c1とした。
【0026】
ついで、上述のように作製した正極活物質c1を用い、この正極活物質c1に0.5重量%の三酸化二イットリウムと、40重量%のHPCディスパージョン液を添加混合して活物質スラリーを作製した。この活物質スラリーを発泡ニッケルからなる基板に所定の充填密度となるように充填した後、乾燥させて、所定の厚みになるように圧延して非焼結式ニッケル正極を作製した。この非焼結式ニッケル正極をニッケル正極cとした。なお、この正極活物質c1に三酸化二イットリウムを添加することにより、高次化水酸化ニッケルの表面に三酸化二イットリウムが付着する。
【0027】
(4)ニッケル正極d
上述のように作製した正極活物質c1を用い、この正極活物質c1に0.5重量%の三酸化二エルビウムと、40重量%のHPCディスパージョン液を添加混合して活物質スラリーを作製した。この活物質スラリーを発泡ニッケルからなる基板に所定の充填密度となるように充填した後、乾燥させて、所定の厚みになるように圧延して非焼結式ニッケル正極を作製した。この非焼結式ニッケル正極をニッケル正極dとした。なお、この正極活物質c1に三酸化二エルビウムを添加することにより、高次化水酸化ニッケルの表面に三酸化二エルビウムが付着する。
【0028】
(5)ニッケル正極e
上述のように作製した正極活物質c1を用い、この正極活物質c1に0.5重量%の三酸化二イッテルビウムと、40重量%のHPCディスパージョン液を添加混合して活物質スラリーを作製した。この活物質スラリーを発泡ニッケルからなる基板に所定の充填密度となるように充填した後、乾燥させて、所定の厚みになるように圧延して非焼結式ニッケル正極を作製した。この非焼結式ニッケル正極をニッケル正極eとした。なお、この正極活物質c1に三酸化二イッテルビウムを添加することにより、高次化水酸化ニッケルの表面に三酸化二イッテルビウムが付着する。
【0029】
(6)ニッケル正極x
重量比で金属ニッケル100に対して亜鉛3重量%、コバルト1重量%となるような硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、反応溶液中のpHが13〜14になるように維持させて粒状の水酸化ニッケルを析出させた。
【0030】
次に、粒状の水酸化ニッケルが析出した溶液中に、硫酸コバルト水溶液を添加し、この反応溶液中のpHが9〜10になるように維持させて、主成分が水酸化ニッケルである球状水酸化物粒子を結晶核として、この核の周囲に水酸化コバルトを析出させて、複合粒子粉末とした。なお、この複合粒子は球状水酸化物粒子に対して、水酸化コバルトを10重量%析出させている。このようにして得た複合粒子粉末に対して、10倍量の純水で3回洗浄した後、脱水、乾燥することにより、その表面に水酸化コバルト被覆層を有する粒状の水酸化ニッケル化合物を作製した。
【0031】
ついで、このようにして形成された表面に水酸化コバルト被覆層を有する粒状の水酸化ニッケル化合物を、60℃の温度に維持された32重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で撹拌しながら、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化剤)を所定量(上述の実施例1と同様)滴下し、粒子内部の水酸化ニッケルを高次化させて高次化水酸化ニッケルとした。この高次化水酸化ニッケルを化学分析法により分析した結果、平均価数が2.2価であった。このようにして作製された高次化水酸化ニッケルを正極活物質x1とした。
【0032】
ついで、上述のように作製した正極活物質x1を用い、この正極活物質x1に40重量%のHPCディスパージョン液を添加混合して活物質スラリーを作製した。この活物質スラリーを発泡ニッケルからなる基板に所定の充填密度となるように充填した後、乾燥させて、所定の厚みになるように圧延して非焼結式ニッケル正極を作製した。この非焼結式ニッケル正極をニッケル正極xとした。
【0033】
(7)ニッケル正極y
重量比で金属ニッケル100に対して亜鉛3重量%、コバルト1重量%となるような硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を攪拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、反応溶液中のpHが13〜14になるように維持させて粒状の水酸化ニッケルを析出させた。次に、粒状の水酸化ニッケルが析出した溶液中に、硫酸コバルト水溶液を添加し、この反応溶液中のpHが9〜10になるように維持させて、主成分が水酸化ニッケルである球状水酸化物粒子を結晶核として、この核の周囲に水酸化コバルトを析出させて、複合粒子粉末とした。なお、この複合粒子は球状水酸化物粒子に対して、水酸化コバルトを10重量%析出させている。
【0034】
このようにして得た複合粒子粉末に対して、10倍量の純水で3回洗浄した後、脱水、乾燥することにより、その表面に水酸化コバルト被覆層を有する粒状の水酸化ニッケル化合物を作製した。この粒状の水酸化ニッケル化合物を、上述の実施例2と同様に、100℃に加熱された酸素雰囲気中で、この水酸化ニッケル化合物に対して25重量%の水酸化ナトリウムを0.5時間噴霧するアルカリ熱処理を行った。ついで、このようにして得た複合粒子粉末に対して、10倍量の純水で3回洗浄した後、脱水、乾燥することにより、その表面に水酸化コバルト被覆層を有する粒状の水酸化ニッケル化合物を作製した。
【0035】
ついで、このようにして形成された表面に高次コバルト化合物被覆層を有する粒状の水酸化ニッケル化合物を、60℃の温度に維持された32重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で撹拌しながら、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)(酸化剤)を所定量滴下し、粒子内部の水酸化ニッケルを高次水酸化ニッケルに高次化させた。なお、水酸化ナトリウム水溶液中に滴下する次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)の滴下量は、2価の水酸化ニッケルを30重量%だけ3価の水酸化ニッケルに酸化させるだけの量とした。この複合粒子を化学分析法により分析した結果、平均価数が2.5価であった。このようにして作製された水酸化ニッケル化合物を正極活物質y1とした。
【0036】
ついで、上述のように作製した正極活物質y1を用い、この正極活物質y1に40重量%のHPCディスパージョン液を添加混合して活物質スラリーを作製した。この活物質スラリーを発泡ニッケルからなる基板に所定の充填密度となるように充填した後、乾燥させて、所定の厚みになるように圧延して非焼結式ニッケル正極を作製した。この非焼結式ニッケル正極をニッケル正極yとした。
【0037】
2.水素吸蔵合金負極の作製
ミッシュメタル(Mm:希土類元素の混合物)、ニッケル、コバルト、アルミニウム、およびマンガンを1:3.6:0.6:0.2:0.6の比率で混合し、この混合物をアルゴンガス雰囲気の高周波誘導炉で誘導加熱して合金溶湯となす。この合金溶湯を公知の方法で冷却し、組成式Mm1.0Ni3.6Co0.6Al0.2Mn0.6で表される水素吸蔵合金のインゴットを作製した。この水素吸蔵合金インゴットを機械的に粉砕し、平均粒子径が約100μmの水素吸蔵合金粉末となし、この水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド等の結着剤と、適量の水を加えて混合して水素吸蔵合金ペーストを作製した。このペーストをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製した。
【0038】
3.ニッケル−水素蓄電池の作製
上述のように作製した各非焼結式ニッケル正極a,b,c,d,eおよび各非焼結式ニッケル正極x,yとを用い、これらと上述した水素吸蔵合金負極とをそれぞれポリプロピレン製あるいはナイロン製の不織布のセパレータを介して卷回して、渦巻状の電極群を作製した後、この電極群を外装缶に挿入した。その後、外装缶内に電解液として30重量%の水酸化カリウム水溶液を注入し、更に外装缶を封口して、公称容量1200mAhのAAサイズのニッケル−水素蓄電池をそれぞれ作製した。
【0039】
ここで、非焼結式ニッケル正極aを用いたものを電池Aとし、非焼結式ニッケル正極bを用いたものを電池Bとし、非焼結式ニッケル正極cを用いたものを電池Cとし、非焼結式ニッケル正極dを用いたものを電池Dとし、非焼結式ニッケル正極eを用いたものを電池Eとした。また、非焼結式ニッケル正極xを用いたものを電池Xとし、非焼結式ニッケル正極yを用いたものを電池Yとした。
【0040】
4.高次化水酸化ニッケルの価数測定
(1)粉末(活物質)の状態で保管した場合の価数変化
上述のように作製した正極活物質a1、正極活物質b1および正極活物質x1を、それぞれ室温(25℃)で保管したときの高次化水酸化ニッケルの価数の変化を測定した結果、図1に示すような測定結果が得られた。この測定結果(図1)から明らかなように、正極活物質a1および正極活物質b1の高次化水酸化ニッケルの価数は保管日数が長くなってもそれほど変化しないのに対して、正極活物質x1の高次水酸化ニッケルの価数は保管開始から直ぐに低下し始め、50日経過した時点で一定値(2.17価)になることが分かる。
【0041】
これは、正極活物質x1の高次化水酸化ニッケルは表面がイットリウム化合物で被覆されていないため、空気中で保管すると、上述した(3)式の反応により、高次化された水酸化ニッケルが還元されて高次化水酸化ニッケルの価数が低下したためと考えられる。このことから、表面がイットリウム化合物で被覆されていない高次化水酸化ニッケルを長期間にわたって保管することは困難であるが、表面がイットリウム化合物で被覆された高次化水酸化ニッケルは長期間にわたって保管することが可能となる。
【0042】
また、正極活物質a1と正極活物質b1とを比較すると、正極活物質b1の高次化水酸化ニッケルの価数の低下が少ないことが分かる。これは、正極活物質b1はアルカリ熱処理により、水酸化コバルトがアルカリカチオンを含む高次コバルト化合物となり、このアルカリカチオンが酸化剤により酸化されることを防止したと考えられる。
【0043】
(2)極板の状態で保管した場合の価数変化の測定
ついで、上述のように作製した非焼結式ニッケル正極a、非焼結式ニッケル正極b、非焼結式ニッケル正極c、非焼結式ニッケル正極d、非焼結式ニッケル正極eおよび非焼結式ニッケル正極xを、それぞれ室温(25℃)で保管したときの高次水酸化ニッケルの価数の変化を測定した結果、図2に示すような測定結果が得られた。
【0044】
この測定結果(図2)から明らかなように、非焼結式ニッケル正極a〜eの高次水酸化ニッケルの価数は保管日数が長くなってもそれほど変化しないのに対して、非焼結式ニッケル正極xの高次水酸化ニッケルの価数は保管開始から直ぐに低下しはじめ、50日経過した時点で一定値(2.18価)になることが分かる。
【0045】
これは、非焼結式ニッケル正極xの高次化水酸化ニッケルは表面がイットリウムの化合物で被覆されていないため、空気中で保管すると、上述した(3)式の反応により、高次化された水酸化ニッケルが還元されて高次化水酸化ニッケルの価数が低下したためと考えられる。このことから、表面がイットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物で被覆されていない高次化水酸化ニッケルを長期間にわたって保管することは困難であるが、表面がイットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物で被覆された高次化水酸化ニッケルは長期間にわたって保管することが可能となる。
【0046】
また、各非焼結式ニッケル正極a〜eを比較すると、ニッケル正極c,d,eの価数の変化が少なく、ニッケル正極b、ニッケル正極aの順で価数の変化が大きくなることが分かる。これは、イットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物をスラリー中に添加すると、アルカリカチオンを含む高次コバルト化合物を表面に被覆した高次化水酸化ニッケルの表面にこれらの化合物が付着して、これらの化合物を添加した効果が一層発揮されるためである。
【0047】
一方、ニッケル正極bおよびニッケル正極aは、水酸化ニッケルを高次化する前に水酸化ニッケルの表面をイットリウム化合物で被覆しているため、イットリウム化合物は水酸化ニッケルの内部まで侵入しており、これらの化合物を添加した効果が充分に発揮されなかったためと考えられる。また、ニッケル正極aはアルカリ熱処理がなされていないため、水酸化コバルトがアルカリカチオンを含む高次コバルト化合物となっておらず、高次化水酸化ニッケルが若干酸化されたためと考えられる。
【0048】
5.放電容量の測定
ついで、上述のように作製した電池A、電池B、電池C、電池D、電池E、電池Xおよび電池Yに対して、電解液注入直後から活性化工程の初回の充電までの時間経過毎の放電容量を測定すると、図3に示すような結果となった。
【0049】
図3から明らかなように、電池Xおよび電池Yは、注液から時間が経過するに伴い、電池容量が著しく低下していることが分かる。
これは、電池Xにあっては、表面がイットリウムの化合物で被覆されていない高次水酸化ニッケルを正極に用いているため、正極は自己放電する。これに伴い、負極も正極の自己放電量と同じ容量だけ放電しようとするが、負極は電気量を持っていないため、放電する代わりに自らを酸化し、正極活物質の表面に酸化被膜が形成されて不動態化し、活性化処理を行っても活性を付与することができなかったためと考えられる。
【0050】
また、電池Yにあっては、表面がイットリウムの化合物で被覆されてた高次水酸化ニッケルを正極に用いているが、この高次水酸化ニッケルの価数が2.5価と高いため、負極は正極の充電量に対して0.5価分だけしか充電されなく、放電の際に負極が0.5価分の電気量を放電したところで、電池全体の放電が止まってしまうためである。そして、高次水酸化ニッケルの価数が2.1価よりも低くなると、負極の不可逆容量の削減量が充分でなく、電池内の内部空間を有効に利用できなくなる。このことから、高次水酸化ニッケルの価数は2.1価以上で2.4価以下、望ましくは2.1価以上で2.3価以下とすることが好ましい。
【0051】
これに対して、電池A、電池Bおよび電池Cにあっては、表面がイットリウム化合物で被覆されてた高次水酸化ニッケルを正極に用い、電池Dにあっては、表面がエルビウム化合物で被覆されてた高次水酸化ニッケルを正極に用い、電池Eにあっては、表面がイッテルビウム化合物で被覆されてた高次水酸化ニッケルを正極に用いているため、正極の自己放電が抑制されるようになって、注液から時間が経過しても、注液直後の放電容量を維持していることが分かる。
【0052】
また、電池C、電池Dおよび電池Eの各電池の放電容量は、電池Aおよび電池Bの放電容量よりも高く維持されていることがわかる。これは、イットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物をスラリー中に添加すると、アルカリカチオンを含む高次コバルト化合物を表面に被覆した高次化水酸化ニッケルの表面にこれらの化合物が付着して、これらの化合物を添加した効果が一層発揮されるためである。また、各電池C,D,Eは、高次化水酸化ニッケルの表面がアルカリカチオンを含む高次コバルト化合物で被覆されているため、正極内に良好な導電ネックワークが形成されて、活物質利用率が向上し、放電容量が向上したと考えられる。
【0053】
一方、電池Bおよび電池Aは、水酸化ニッケルを高次化する前に水酸化ニッケルの表面をイットリウム化合物で被覆しているため、イットリウム化合物は水酸化ニッケルの内部まで侵入しており、これらの化合物を添加した効果が充分に発揮されなかったためと考えられる。また、電池Aはアルカリ熱処理がなされていないニッケル正極aを用いているため、水酸化コバルトがアルカリカチオンを含む高次コバルト化合物となっておらず、高次化水酸化ニッケルが若干酸化されたためと考えられる。
【0054】
上述したように、本発明においては、高次化水酸化ニッケルの表面あるいはその近傍にイットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物を備えるようにしているので、自己放電が防止でき、高容量で保存特性に優れた蓄電池が得られる。
なお、上述した実施の形態においては、本発明をニッケル−水素蓄電池に適用する例について説明したが、本発明はニッケル−水素蓄電池に限らず、ニッケル−カドミウム蓄電などの他のアルカリ蓄電池に適用しても同様な効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高次化水酸化ニッケル活物質の保管日数と価数の変化の関係を示す図である。
【図2】 高次化水酸化ニッケル活物質を用いた正極の保管日数と価数の変化の関係を示す図である。
【図3】 高次化水酸化ニッケル活物質を用いた電池の保管日数と放電容量の関係を示す図である。
【符号の説明】
a…高次化水酸化ニッケル活物質a1を用いたニッケル正極、b…高次化水酸化ニッケル活物質b1を用いたニッケル正極、c…高次化水酸化ニッケル活物質c1を用いたニッケル正極、d…高次化水酸化ニッケル活物質d1を用いたニッケル正極、e…高次化水酸化ニッケル活物質e1を用いたニッケル正極、x…高次化水酸化ニッケル活物質x1を用いたニッケル正極、A…ニッケル正極aを備えた電池、B…ニッケル正極bを備えた電池、C…ニッケル正極cを備えた電池、D…ニッケル正極dを備えた電池、E…ニッケル正極eを備えた電池、X…ニッケル正極xを備えた電池、Y…ニッケル正極yを備えた電池

Claims (7)

  1. 水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を備えたアルカリ蓄電池であって、
    前記水酸化ニッケルは粒子表面あるいはその表面近傍がコバルト化合物で被覆された高次化水酸化ニッケル粒子であるとともに、
    前記コバルト化合物で被覆された高次化水酸化ニッケル粒子の表面にイットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物から選択される少なくとも1種の化合物の粒子が付着していることを特徴とするアルカリ蓄電池。
  2. 前記コバルト化合物はアルカリカチオンを含む高次コバルト化合物であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池。
  3. 前記高次化水酸化ニッケルの平均価数は2.10価〜2.30価であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルカリ蓄電池。
  4. 水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を備えたアルカリ蓄電池の製造方法であって、
    前記水酸化ニッケルの粒子表面あるいはその表面近傍にコバルト化合物を保持させる保持工程と、
    前記コバルト化合物を保持させた水酸化ニッケル粒子を高次化して高次化水酸化ニッケル粒子とする高次化工程と、
    前記コバルト化合物を保持させた高次化水酸化ニッケル粒子の表面にイットリウム化合物、エルビウム化合物、イッテルビウム化合物から選択される少なくとも1種の化合物の粒子を付着させる付着工程とを備えたことを特徴とするアルカリ蓄電池の製造方法。
  5. 前記高次化工程は前記水酸化ニッケルを酸化剤で酸化する工程であることを特徴とする請求項4に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  6. 前記保持工程において前記水酸化ニッケルにコバルト化合物を保持させた後、アルカリ水溶液と酸素の共存下で加熱処理して、前記コバルト化合物を高次化するようにしたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
  7. 前記高次化工程において前記高次化水酸化ニッケルの平均価数を2.10価〜2.30価に調整するようにしたことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載のアルカリ蓄電池の製造方法。
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