JPH11149924A - アルカリ蓄電池用正極活物質とアルカリ蓄電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池用正極活物質とアルカリ蓄電池

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JPH11149924A
JPH11149924A JP10187254A JP18725498A JPH11149924A JP H11149924 A JPH11149924 A JP H11149924A JP 10187254 A JP10187254 A JP 10187254A JP 18725498 A JP18725498 A JP 18725498A JP H11149924 A JPH11149924 A JP H11149924A
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nickel hydroxide
solid solution
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hydroxide solid
positive electrode
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JP10187254A
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Futoshi Tanigawa
太志 谷川
Fumio Kato
文生 加藤
Yoshitaka Dansui
慶孝 暖水
Koji Yuasa
浩次 湯浅
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高エネルギー密度で、充放電サイクル寿命特
性を向上させたアルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 コバルトの平均価数が3価より大である
コバルト酸化物の被覆層を有する水酸化ニッケル固溶体
粒子であって、前記水酸化ニッケル固溶体粒子はX線回
折における(001)面の回折ピーク強度を(101)
面のそれの1.5倍以上とし、(101)の回折ピーク
半値幅が0.5〜1.1°/2θのものを正極活物質に
用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池用
正極活物質、特に非焼結式正極とこれを用いたアルカリ
蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、アルカリ蓄電池は、携帯機器の普
及に伴いその高容量化が要望されている。特にニッケル
−水素蓄電池は、水酸化ニッケルを主体とした活物質か
らなる正極と、水素吸蔵合金を活物質とした負極からな
る二次電池であり、高容量で高信頼性の二次電池として
急速に普及してきている。
【0003】以下に従来のアルカリ蓄電池の正極につい
て説明する。
【0004】アルカリ蓄電池用の正極としては、大別し
て焼結式と非焼結式とがある。前者はニッケル粉末を焼
結して得た多孔度80%程度の多孔質ニッケル焼結基板
に、硝酸ニッケル水溶液等のニッケル塩溶液を含浸し、
次いで、アルカリ水溶液に浸漬するなどして多孔質ニッ
ケル焼結基板中に水酸化ニッケル活物質を生成させて製
造するものである。この電極は基板の多孔度をこれ以上
大きくする事が困難であるため、充填される活物質量を
増加させる事ができず、高容量化には限界がある。
【0005】また後者の非焼結式正極は、例えば、特開
昭50−36935号公報に開示されたように、ニッケ
ル金属よりなる三次元的に連続した多孔度95%以上の
スポンジ状多孔体基板に、活物質である水酸化ニッケル
を充填するものであり、これは現在高容量のアルカリ蓄
電池の正極として広く用いられている。この非焼結式正
極においては高容量化の点から、球状の水酸化ニッケル
を多孔体基板に充填することが提案されている。この場
合、サイズが200〜500μm程度のスポンジ状多孔
体基板の孔部(ポア)に粒径が数μm〜数10μmの球
状水酸化ニッケルを充填する。この構成では、集電が保
たれるニッケル金属骨格近傍の水酸化ニッケルは充放電
反応がスムーズに進行するが、骨格から離れた水酸化ニ
ッケルの反応は十分に進まない。そこで、この非焼結式
正極では充填した水酸化ニッケルの利用率を向上させる
ために、水酸化ニッケル以外に導電剤を用いて、これで
球状の水酸化ニッケル粒子間を電気的に接続させてい
る。この導電剤としては、水酸化コバルト、一酸化コバ
ルトのようなコバルト酸化物や、金属コバルト、金属ニ
ッケル等が用いられる。これにより、非焼結式正極では
高密度に充填した水酸化ニッケル粒子の利用率を高める
ことが可能となり、焼結式正極に比較し高容量化が図れ
る。
【0006】さらに近年では、耐過放電特性等に優れた
高容量ニッケル正極活物質の製造方法として、水酸化ニ
ッケルに水酸化コバルトを被覆し、その水酸化コバルト
をアルカリ共存下で加熱(酸化)処理して高次コバルト
酸化物にする方法が特開平8−148145号公報及び
特開平8−148146号公報に、その製造方法の改良
が特開平9−73900号公報に開示されている。これ
は、水酸化コバルトで被覆した水酸化ニッケル粒子を加
熱空気中で流動させるか分散させながら、アルカリ水溶
液を噴霧し、加熱空気を送り続けてコバルトを熱酸化さ
せる製造方法である。
【0007】しかし、以上のような公報に記載されたア
ルカリ蓄電池用正極活物質では、活物質粒子表面の被覆
層を形成するコバルト酸化物の酸化状態は未だ不十分で
あり、改良の余地が残されていた。これは、上記したア
ルカリ共存下での水酸化コバルトの酸化反応が、周囲の
温度や共存させるアルカリ水溶液の濃度だけでなく、周
囲の水分や酸素量にも大きく影響を受け、これらの制御
なしでは未反応分の残留や副反応の併発を避けることが
できないからである。
【0008】そこで、本発明者等は種々の検討から特願
平9−272341号公報で開示したような価数が3価
を超える高導電性を有するコバルト酸化物及びそれを用
いた正極活物質の製造法を見いだすことに成功した。こ
れにより、活物質の利用率向上、耐過放電特性の向上を
より一層図ったアルカリ蓄電池の作製が可能となった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記正
極活物質を用いた場合においても、電池サイクル寿命の
改善という点については大きな向上が見られず、課題を
残していた。この場合の電池サイクル寿命の劣化は、正
極活物質の膨潤に伴う電池内部抵抗の上昇に起因してお
り、この抑制技術の確立が必要であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のアルカリ蓄電池用正極活物質は、コバルト
の平均価数が3価より大であるコバルト酸化物の被覆層
を有する水酸化ニッケル固溶体粒子であって、この水酸
化ニッケル固溶体粒子は、X線回折における(001)
面の回折ピーク強度を(101)面のそれの1.5倍以
上としたものである。
【0011】また、この正極活物質のX線回折における
(101)面の回折ピーク半値幅は0.5〜1.1°/
2θ(Cu−Kα)の範囲にあるのが好ましい。
【0012】この正極活物質を主体とした正極と、水素
吸蔵合金あるいはカドミウム酸化物を主体とした負極
と、セパレータと、電解液とからアルカリ蓄電池を構成
すると、そのサイクル寿命特性を大幅に向上させること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
コバルトの平均価数が3価より大であるコバルト酸化物
の被覆層を有する水酸化ニッケル固溶体粒子であって、
前記水酸化ニッケル固溶体粒子は、X線回折における
(001)面の回折ピーク強度を(101)面のそれの
1.5倍以上としたものであり、充放電時のプロトン脱
着が起こる水酸化ニッケル結晶面の比率を大きくするこ
とによって活物質反応の可逆性を向上させ、不可逆性ニ
ッケル部分の蓄積等に伴う活物質の膨潤を抑制すること
ができる。
【0014】また、コバルト酸化物の量は水酸化ニッケ
ル固溶体粒子の量に対して1〜10重量%であるのが好
ましい。コバルト酸化物の量が1重量%未満では水酸化
ニッケル固溶体粒子をコバルト酸化物で均一に被覆する
ことが実質上極めて困難となり、活物質の利用率向上を
もたらすことができない。他方、コバルト酸化物が10
重量%を越える量では導電性を付与するためのコバルト
酸化物量が過剰に存在することとなって特性も飽和に達
し、正極容量を決める水酸化ニッケル量が相対的に低下
して電池容量が下がる結果となる。従って、コバルト酸
化物の量は上記範囲が最も適する。
【0015】さらにまた、コバルト酸化物の被覆層を有
する水酸化ニッケル固溶体粒子は、平均粒径が20μm
以下であるのが好ましい。コバルト酸化物被覆水酸化ニ
ッケル固溶体粒子の粒径が大きいほどスポンジ状多孔体
基板への充填密度は向上する傾向にあるが、粒径が大き
すぎると粉末粒子内部までの充放電反応が十分行われ
ず、結果として電極エネルギー密度を低下させることに
なる。この点を満足させるため、平均粒径は20μm以
下であるのが好適である。
【0016】請求項4記載の発明は、コバルトの平均価
数が3価より大であるコバルト酸化物の被覆層を有する
水酸化ニッケル固溶体粒子であって、前記水酸化ニッケ
ル固溶体粒子は、X線回折における(001)面の回折
ピーク強度が(101)面のそれの1.5倍以上であ
り、且つ(101)面の回折ピーク半値幅を0.5〜
1.1°/2θ(Cu−Kα)としたものである。X線
回折における物性値を上記範囲にすることによって、充
放電時のプロトン脱着が起こる水酸化ニッケルの結晶面
を大きくでき、これによって水酸化ニッケル結晶内のプ
ロトン拡散速度を高めることが可能となるため、利用率
及び寿命特性に優れた正極活物質とすることができる。
【0017】また、このX線回折ピーク半値幅は0.7
°/2θ(Cu−Kα)よりも大きく、1.05°/2
θ(Cu−Kα)以下の範囲が最も好ましい。
【0018】請求項10記載の発明は、コバルトの平均
価数が3価より大であるコバルト酸化物で被覆された水
酸化ニッケル固溶体粒子を主体とした正極と、水素吸蔵
合金あるいはカドミウム酸化物を主体とした負極と、セ
パレータと、電解液とからなるアルカリ蓄電池であっ
て、前記水酸化ニッケル固溶体粒子はX線回折における
(001)面の回折ピーク強度が(101)面のそれの
1.5倍以上であり、且つ(101)面の回折ピーク半
値幅が0.7°/2θ(Cu−Kα)よりも大きく1.
05°/2θ(Cu−Kα)以下としたものであり、サ
イクル寿命特性が向上した、ニッケル−カドミウム蓄電
池、ニッケル−水素蓄電池などのアルカリ蓄電池を提供
することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。
【0020】(実施例1〜8) {水酸化ニッケル固溶体粒子の作製}反応槽内におい
て、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸亜鉛を所定の濃
度で混合した酸性1mol/l水溶液と、2mol/l
アンモニア水溶液、および水酸化ナトリウム水溶液を一
定速度で滴下・攪拌し、pHを維持しながら水酸化ニッ
ケル固溶体粒子を析出させた。この際、反応槽内の維持
するpH水準を順に11.5,12.0,12.5とし
て水酸化ニッケル固溶体粒子を析出させることにより,
X線回折での(101)面ピーク強度に対する(00
1)面ピーク強度の比がそれぞれ1.5,1.6,1.
7である水酸化ニッケル固溶体粒子a1,a2,a3を
得た。これら水酸化ニッケル固溶体粒子a1,a2,a
3は(101)面のピーク半値幅が0.9°/2θであ
った。
【0021】続いて、同様の操作によって、アンモニア
水溶液の濃度水準を順に4,3,2.75,1.25,
1mol/lとし、X線回折での(101)面ピーク半
値幅が0.5,0.65,0.7,1.05,1.1
(単位はいずれも°/2θ)である水酸化ニッケル固溶
体粒子a4,a5,a6,a7,a8を得た。これら水
酸化ニッケル固溶体粒子a4,a5,a6,a7,a8
の(101)面ピーク強度に対する(001)面ピーク
強度の比は1.6であった。
【0022】なおここで、水酸化ニッケル固溶体粒子a
1〜a8のX線回折の測定条件については、下記の通り
とした。
【0023】<X線回折条件> 対陰極 Cu フィルタ Ni 管電圧 50kV 管電流 100mA 走査速度 1.0°/min. 発散スリット 1° {コバルト酸化物被覆水酸化ニッケル固溶体粒子の作
製} 上記水酸化ニッケル固溶体粒子a1〜a8の各々を硫酸
コバルト水溶液中に分散させてpHを11に維持しなが
ら水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、水酸化コバルト被
覆水酸化ニッケル固溶体粒子を8種類作製した。この
際、被覆する水酸化コバルトの量は水酸化ニッケル固溶
体粒子100重量部に対して5重量部となるように調整
した。これらの粒子を水洗、乾燥した後、45重量%の
水酸化カリウム水溶液に含浸し、マイクロ波加熱の機能
を備えた乾燥装置内に投入して、酸素を送りながら完全
乾燥に導き、コバルト平均価数が3価より大であるコバ
ルト酸化物を表面に配置させた水酸化ニッケル固溶体粒
子A1〜A8に変換した。
【0024】前記の操作によってコバルトの平均価数が
3価より大きくなることは、水酸化コバルト被覆水酸化
ニッケル粒子(母材の水酸化ニッケル粒子にコバルト元
素を含まないもの)について同様の加熱処理を行い、下
記の酸化還元滴定によって確認した。そのコバルト原子
の平均価数は、3.25価であった。
【0025】<酸化還元滴定>加熱処理後のコバルト酸
化物被覆水酸化ニッケル粒子と硫酸第一鉄アンモニウム
を混合し、濃塩酸で溶解する。この過程で、2価より大
きい価数のコバルトイオンは2価の鉄イオンを3価の鉄
イオンに酸化する。得られた水溶液中のコバルトイオン
全量をICP発光分析法により求め(定量値1)、一方
で先に生じた3価の鉄イオン量を過マンガン酸カリウム
水溶液による酸化還元滴定によって求める。(定量値
2)、両者の値から、コバルト酸化物のコバルト平均価
数を2.0+(定量値2)/(定量値1)なる計算で算
出する。
【0026】{非焼結式電極及びアルカリ蓄電池の作
製}上記コバルト酸化物で被覆した水酸化ニッケル粒子
A1〜A8にそれぞれ純水を加えて活物質ペーストと
し、これを多孔度95%の3次元スポンジ状ニッケル多
孔体基板に所定量充填し、乾燥した。乾燥後、加圧圧延
を行い、所定の大きさに切断加工して電極を作製した。
【0027】上記電極(正極)と、水素吸蔵合金を主体
とした負極とを、親水化処理を施したポリプロピレン不
織布セパレータを介して捲回し、金属ケースに挿入し、
7〜8規定の水酸化カリウムを主体とした電解液の所定
量を注入した。次いで封口することによって密閉型ニッ
ケル−水素蓄電池(4/3AAAサイズ、公称容量75
0mAh)の実施例電池1〜8とした。
【0028】(比較例1〜3)X線回折における(10
1)面の半値幅が0.9°/2θで、(101)面ピー
ク強度に対する(001)面ピーク強度の比が1.4で
ある水酸化ニッケル固溶体粒子b1,(101)面の半
値幅が0.4°/2θで、(101)面ピーク強度に対
する(001)面ピーク強度の比が1.6である水酸化
ニッケル固溶体粒子b2、及び(101)面の半値幅が
1.2°/2θで(101)面ピーク強度に対する(0
01)面ピーク強度比が1.6である水酸化ニッケル固
溶体粒子b3を用いて、実施例と同様にコバルト酸化物
で被覆した水酸化ニッケル固溶体粒子の作製、加熱(酸
化)処理、電極作製及び電池作製を行い、比較例電池1
〜3とした。
【0029】(比較例4〜14)水酸化ニッケル固溶体
粒子a1〜a8,b1〜b3のそれぞれ100重量部に
対して5重量部の水酸化コバルトを混合添加して、これ
らを多孔度95%の3次元スポンジ状多孔体基板に所定
量充填し、乾燥した。乾燥後、加圧圧延・切断加工によ
って電極とし、実施例と同様に比較例電池4〜14を作
製した。ここでの比較例電池4〜14は従来技術であ
る。
【0030】<活物質利用率及び充放電サイクル寿命評
価>実施例電池1〜8及び比較例電池1〜14につい
て、20℃の雰囲気下において、0.1CmA,15時
間の充電をした後、0.2CmAで1.0Vまで放電さ
せる試験を2サイクル繰り返し、2サイクル目の電池放
電容量から次の計算によって活物質利用率を算出した。
【0031】活物質利用率(%)=2サイクル目放電容
量(mAh)/{水酸化ニッケル量(g)×289(m
Ah/g)}×100 一方、上記活物質利用率測定後の電池について3サイク
ル目以降、1CmAでの充電と、1CmAで0.8Vま
での放電を500サイクル繰り返し、3サイクル目の容
量に対しての容量維持率を算出した。そして、それぞれ
の活物質利用率及び500サイクル時点での容量維持率
を実施例電池2を基準に取り、相対比として算出した。
結果を(表1),(表2)にまとめる。
【0032】
【表1】
【0033】(表1)に示すように、本発明の実施例電
池1〜3は比較例電池4〜6,12と比較して活物質利
用率及び充放電サイクルの容量維持率が高く、また、本
発明の規制範囲を外れる比較例電池1は十分な特性が得
られないことがわかる。従って、コバルトの平均価数が
3価より大であるコバルト酸化物の被覆層を有する水酸
化ニッケル固溶体粒子であって、水酸化ニッケル固溶体
粒子は、X線回折における(001)面の回折ピーク強
度が(101)面のそれの1.5倍以上である必要があ
る。
【0034】
【表2】
【0035】(表2)に示すように、実施例電池2,4
〜8は、それぞれの(101)の半値幅と同じ値を有す
る水酸化ニッケル固溶体粒子を用いた比較例電池5,7
〜11に対して、それぞれ活物質利用率及び充放電サイ
クルの容量維持率が高い。言い換えると、(101)面
の半値幅が0.5〜1.1°/2θの範囲である水酸化
ニッケル固溶体粒子を、平均価数2の水酸化コバルトに
代えて平均価数が3価より大であるコバルト酸化物によ
って被覆して用いた場合、活物質利用率及び充放電サイ
クルの容量維持率が向上する。
【0036】また、本発明の規制範囲を外れる比較例電
池2,3では活物質利用率と充放電サイクルの維持率を
満足に両立させることができない点がわかる。従って、
コバルトの平均価数が3価より大であるコバルト酸化物
の被覆層を有する水酸化ニッケル固溶体粒子での水酸化
ニッケル固溶体粒子は、X線回折における(001)面
の回折ピーク強度が(101)面のそれの1.5倍以上
であり、且つ(101)面の半値幅が0.5〜1.1°
/2θであることが好ましい。
【0037】さらに実施例電池2,6,7は、活物質利
用率及び充放電サイクルの容量維持率に最も優れてお
り、このことから(101)面の半値幅が0.7°/2
θよりも大きく1.05°/2θ以下であるとさらに良
いことがわかる。
【0038】{コバルト被覆量と電池特性との関係を調
べる評価}水酸化コバルトを被覆する工程でその被覆量
をそれぞれ0.5,1,3,5,7,9,10,11重
量%にし、実施例1〜6と同様に水洗・乾燥後、45重
量%の水酸化カリウム水溶液に含浸し、マイクロ波加熱
の機能を備えた乾燥装置内に投入して、酸素を送りなが
ら完全乾燥に導き、コバルト平均価数が3価より大であ
るコバルト酸化物を配置させた水酸化ニッケル固溶体粒
子を作製し、これを電池にした。
【0039】以上の各電池について、電池の充放電によ
る活物質利用率の評価を行った結果を図1に示す。図1
は、水酸化ニッケル固溶体粒子に被覆した3価より高次
なコバルト酸化物の被覆量と電極エネルギー密度(電極
単位体積あたりの活物質量と利用率との積)の関係を示
しており、電極エネルギー密度については5重量%被覆
時を100とした相対比で表示している。ここで、被覆
量が1重量%より小さい時、あるいは10重量%より大
きい時は相対的に電極エネルギー密度が低下する。この
ことから、電池容量を低下させるため、3価より高次な
コバルト酸化物の被覆量は1〜10重量%の範囲が好ま
しい。
【0040】{水酸化ニッケル固溶体粒子の粒径と電池
特性との関係を調べる評価}水酸化ニッケル固溶体粒子
を作製する中和工程で、反応槽内における粒子滞留時間
を操作することにより、平均粒径の異なる粒子を作製
し、以降実施例1〜6と同様に水酸化コバルト被覆工
程、3価より大きいコバルト酸化物への変換処理を行
い、それぞれ5,10,15,20,25μmの平均粒
径を有するコバルト酸化物被覆水酸化ニッケル固溶体粒
子を用意し、電池作製を行った。なお、コバルト酸化物
の被覆量は5重量%とした。
【0041】上記の各電池について、水酸化ニッケル固
溶体粒子の平均粒径と電極エネルギー密度の関係を図2
に示す。但し、電極エネルギー密度は水酸化ニッケル固
溶体粒子の平均粒径が10μmの時を100として、相
対比として表示している。水酸化ニッケル固溶体粒子の
平均粒径が25μmの時は、電極エネルギー密度が低下
するため、20μm以下が好ましいことがわかる。
【0042】なお、本実施例中では、水酸化コバルトで
被覆された水酸化ニッケル固溶体粒子の作製に際し、水
溶液中での化学反応を利用して被覆層の形成を行った
が、この方法に限定されるものではない。水酸化ニッケ
ル固溶体粒子と水酸化コバルト粉末とを混合し、機械混
合時におけるせん断力や衝撃力を利用して粒子表面を水
酸化コバルトで被覆させる方法等を用いても、本発明の
正極活物質を作製することができる。また、同固溶体粒
子の加熱処理(酸化)に際して、高濃度の水酸化カリウ
ム水溶液を共存させたが、高濃度の水酸化ナトリウム水
溶液を使用しても同様の効果が得られる。アルカリ湿潤
させた固溶体粒子の加熱処理方法として、マイクロ波加
熱の機能を備えた乾燥機内で酸素を送り込みながら加熱
する方法としたが、これに限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】以上に記したように、本発明の正極活物
質は、高い活物質利用率が充放電サイクルの初期から長
期にわたって維持されるため、高容量で且つ充放電サイ
クル寿命特性に優れたアルカリ蓄電池を提供できる。よ
って、産業上の価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】水酸化ニッケル固溶体粒子に被覆した3価より
高次なコバルト酸化物の被覆量と電極エネルギー密度指
数との関係を示す図
【図2】3価より高次なコバルト酸化物で被覆した水酸
化ニッケル固溶体粒子の平均粒径と電極エネルギー密度
指数との関係を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯浅 浩次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コバルトの平均価数が3価より大であるコ
    バルト酸化物の被覆層を有する水酸化ニッケル固溶体粒
    子であって、前記水酸化ニッケル固溶体粒子は、X線回
    折における(001)面の回折ピーク強度が(101)
    面のそれの1.5倍以上であるアルカリ蓄電池用正極活
    物質。
  2. 【請求項2】コバルト酸化物の量は、水酸化ニッケル固
    溶体粒子の量に対して1〜10重量%である請求項1記
    載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
  3. 【請求項3】コバルト酸化物の被覆層を有する水酸化ニ
    ッケル固溶体粒子は、平均粒径が20μm以下である請
    求項1記載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
  4. 【請求項4】コバルトの平均価数が3価より大であるコ
    バルト酸化物の被覆層を有する水酸化ニッケル固溶体粒
    子であって、前記水酸化ニッケル固溶体粒子は、X線回
    折における(001)面の回折ピーク強度が(101)
    面のそれの1.5倍以上であり、且つ(101)面の回
    折ピーク半値幅が0.5〜1.1°/2θ(Cu−K
    α)であるアルカリ蓄電池用正極活物質。
  5. 【請求項5】コバルト酸化物の量は、水酸化ニッケル固
    溶体粒子の量に対して1〜10重量%である請求項4記
    載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
  6. 【請求項6】コバルト酸化物の被覆層を有する水酸化ニ
    ッケル固溶体粒子は、平均粒径が20μm以下である請
    求項4記載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
  7. 【請求項7】コバルトの平均価数が3価より大であるコ
    バルト酸化物の被覆層を有する水酸化ニッケル固溶体粒
    子であって、前記水酸化ニッケル固溶体粒子は、X線回
    折における(001)面の回折ピーク強度が(101)
    面のそれの1.5倍以上であり、且つ(101)面の回
    折ピーク半値幅が0.7°/2θ(Cu−Kα)よりも
    大きく1.05°/2θ(Cu−Kα)以下であるアル
    カリ蓄電池用正極活物質。
  8. 【請求項8】コバルト酸化物の量は、水酸化ニッケル固
    溶体粒子の量に対して1〜10重量%である請求項7記
    載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
  9. 【請求項9】コバルト酸化物の被覆層を有する水酸化ニ
    ッケル固溶体粒子は、平均粒径が20μm以下である請
    求項7記載のアルカリ蓄電池用正極活物質。
  10. 【請求項10】コバルトの平均価数が3価より大である
    コバルト酸化物で被覆された水酸化ニッケル固溶体粒子
    を主体とした正極と、水素吸蔵合金あるいはカドミウム
    酸化物を主体とした負極と、セパレータと、電解液とか
    らなるアルカリ蓄電池であって、前記水酸化ニッケル固
    溶体粒子はX線回折における(001)面の回折ピーク
    強度が(101)面のそれの1.5倍以上であり、且つ
    (101)面の回折ピーク半値幅が0.7°/2θ(C
    u−Kα)よりも大きく1.05°/2θ(Cu−K
    α)以下であるアルカリ蓄電池。
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