JP2005225993A - 導電繊維強化樹脂材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械特性の良好な炭素繊維に代表される導電繊維で補強された熱可塑性樹脂をマトリックスとする繊維強化複合材料(FRTP)を提供する。
【解決手段】 溶剤に熱可塑性樹脂を溶解させた溶液を導電繊維に含浸させる工程(工程A)、該導電繊維にジュール熱を発生せしめて該溶剤を揮発させると共に樹脂を溶融させる工程(工程C)、並びに溶融させた樹脂を冷却固化させる工程(工程D)からなる導電繊維強化樹脂材料の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電繊維強化樹脂材料の製造方法であって、導電繊維の特性を利用し、樹脂と導電繊維との密着性を向上させ、その結果強度に優れた複合材料の提供を可能とする製造方法に関する。
熱可塑性樹脂をマトリックスとする繊維強化複合材料(以下“FRTP”と称する場合がある)は既に広く知られている。かかるFRTPは、熱硬化性樹脂をマトリックスとする複合材料(以下単に“熱硬化樹脂コンポジット”と称する場合がある)と同様に、通常単一ストランド、一方向シート(UDシート)、織物、又は不織布の形態の強化繊維に樹脂を含浸させたプリプレグが製造され、該プリプレグがプレス成形やフィラメントワインディング成形(FW成形)されることにより、構造部材や各種部品などの製品が製造される。
FRTPは、熱硬化樹脂コンポジットに対して、次のような利点があることから、高強度、高剛性、および軽量な素材として近年再び注目されている。熱硬化樹脂コンポジットはそのプリプレグからの完全な硬化に時間を要し、生産性に問題がある場合がある。また該コンポジットはプリプレグを硬化した後に曲げ加工ができないことから、加工方法や形状の制約を受けやすい。一方FRTPは、生産性に優れかつ再度マトリックス樹脂を軟化させることにより曲げ加工がある程度可能であり、該加工を繰り返し行うことができる。更に熱硬化樹脂コンポジットは切削屑や端材などのリサイクルにおいてその有効活用が困難であるため環境負荷やコストなどの点で好ましくなかった。一方FRTPは、切削屑や端材を再び可塑化し他の成形品を自由に作成することを可能とする。総じてFRTPに期待されるところは大きいが、より具体的には例えば曲げ加工可能な炭素繊維強化の複合材料からなる板材が求められている。
しかしながらFRTPには次のような欠点があった。熱硬化性樹脂コンポジットは、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂がその硬化前には低粘度であることから、少量の樹脂量であっても繊維に十分に含浸する。したがってフィラメント、織物、または不織布に含浸されたプリプレグを硬化した材料の品質は均一化しやすく、高くかつ均一な強度や弾性率を得ることが可能である。逆にFRTPにおいては熱可塑性樹脂の高粘度により繊維への付着樹脂量は多くかつ不均一になりやすい。また加熱により生成したガス気泡が樹脂外部に散逸しにくいことから、繊維と樹脂との密着性が弱くかつ不均一となりやすい。結果としてFRTPは熱硬化性樹脂コンポジットから期待される強度や弾性率を得られていなかった。
繊維強化複合材料のプリプレグの製造方法としては、溶液法、ホットメルト法、スラリー法および流動床法などが一般的に知られている。図1には溶液法によるプリプレグを製造するための溶液含浸装置の一例を示す(カッコ内の数値は図1中の符号を示す)。この装置は、熱可塑性樹脂が適当な溶剤に溶解され流動性を与えられた樹脂溶液(6)が収容された含浸槽(4)およびガイドローラー(3および5)を有し、かかるガイドローラーを介して連続繊維束(1)に樹脂溶液(6)を含浸させるように構成されている。尚、図1中符号2は連続繊維束(1)を巻き出す原反を示す。一方、符号8は巻き取りされたプリプレグを示す。かかる装置において樹脂溶液(6)中を通過した連続繊維束(1)は次いでオーブン(7)中で外部加熱されて溶剤が追い出され、かかる溶剤の消失によってプリプレグが得られる。
かかる方法において樹脂として熱可塑性樹脂を用いれば、熱可塑性樹脂は溶液化により十分に低粘度化されることから、一見すると上記のFRTPの欠点が解決できそうである。しかしながら、上記の外部加熱による溶剤除去方法は、生産速度の増加のため加熱温度を上げると、表面部分のみで溶剤が除去されて表面に強固な膜を形成させる。その結果内部の溶剤が除去されにくくなる。内部に溶剤を含有するFRTPプリプレグから成形された成形品は、十分な機械特性を有するものではなかった。
FRTPプリプレグにおける初期の低い密着性は、結果として最終製品の強度を低下させる。FRTPプリプレグは、通常外部加熱法により加工される。かかる加熱されたFRTPプリプレグにおいては、マトリックス樹脂の熱伝導性が悪いことから熱ムラが生じやすく、材料内部における歪みが生じやすい。該歪みは樹脂による導電繊維間の連結を切断し得る。その上に加熱によっても樹脂の溶融粘度は高く、特にその繊維近傍において高いため、再度の外部加熱によって繊維の一本一本へ十分に樹脂が含浸されることはなく、したがってかかる点でも繊維間を連結する役目を十分に果たしえない。その結果該プリプレグを加工して得られたFRTPの製品が十分に高強度および高弾性を有することができない。FRTPの機械特性の改良などに関する知見として、例えば下記のものが例示される。
繊維束を溶剤中で曲面に沿わせて張力を掛けながら連続的に引取り、該繊維束を押し拡げる工程と、かかる押し拡げられた繊維束を乾燥する工程と、乾燥した繊維束列に一定量の溶融樹脂を含浸させる工程とからなる一定方向引き揃えプリプレグシートの連続製造方法は公知である(特許文献1参照)。かかる方法は溶剤残留の問題を解決すると共に、乾式法で行う際の繊維束の押し拡げの不十分さを解決するものである。しかしながらかかる方法では、未だ複合材料が元来有している性能を十分に発揮するだけの密着性が得られるとはいい難い。
一方向に平行に拡開されたシート状連続炭素繊維集合体に、マトリックス樹脂とは異質かつマトリックス樹脂と相容性を有する樹脂の溶液を含浸させ、かかる溶液を乾燥することなくマトリックス樹脂たるシート状熱可塑性樹脂を貼着するプリプレグの製造方法は公知である(特許文献2参照)。かかる方法は、スーパーエンプラのマトリックス樹脂においては、該樹脂の加熱溶融や溶剤への溶解が困難であり、炭素繊維との密着性改良が困難であったところ、他の相容性のよい樹脂溶液を糊剤として使用することにより、かかる密着性改良を図るものである。しかしながらかかる方法は依然として残留する溶剤が複合材料の性能を劣化させる。
一方向に平行に拡開されたシート状連続炭素繊維集合体を、溶融状態の熱可塑性樹脂フィルム状物に加圧して含浸させるプリプレグの製造方法は公知である(特許文献3参照)。かかる方法も未だ十分な密着性が得られているとはいい難い。
流動性プラスチックを多数の分流で繊維材料に対して垂直に噴射して衝突させる繊維強化プラスチックからなる半製品を連続的に製造する方法は公知である(特許文献4参照)。かかる方法を熱可塑性樹脂において適用するには、溶融樹脂では粘度が高すぎることから、溶液または分散液とすることが必要である。かかる方法も残留する溶剤の問題を十分に解決するものとはいえない。
織物を強化材とし、熱可塑性樹脂(好適にはポリカーボネート樹脂)をマトリックスとするプリプレグにおいて該織物のサイジング剤を溶剤で洗浄除去および/または該熱可塑性樹脂の希薄溶液(好適にはポリカーボネート樹脂の1%塩化メチレン溶液)に織物を浸漬し、次いで乾燥してから、該熱可塑性樹脂フィルムを積層し、加熱された状態でプレスすることを特徴とする繊維強化熱可塑性プリプレグの製造方法は公知である(特許文献5参照)。しかしながらかかる方法においても未だマトリックスの熱可塑性樹脂と織物の密着性は十分とはいえなかった。
ポリプロピレン系の熱可塑性樹脂をマトリックスとする繊維強化されたシート状プリプレグを加熱溶融してスタンピング成形を行う際に、該プリプレグ中に誘電損失係数を向上させる添加物を混入し、かかるプリプレグの加熱溶融をマイクロ波により行うようにしたことを特徴とする熱可塑性樹脂の積層成形方法は公知である(特許文献6参照)。しかしながらかかる方法は、導電繊維を熱可塑性樹脂に含浸する方法に直接繋がる知見とはいい難い。
炭素繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグ状導電性接着シートを接着対象物の間に挟み該シートに電流を流し発熱溶融接着させることを特徴とした接着方法は公知である(特許文献7参照)。すなわち、かかる接着方法は炭素繊維含有シートを面状発熱体として扱い、かかる面発熱の特性を接着剤に利用したものである。しかしながらかかる方法も、導電繊維を熱可塑性樹脂に含浸する方法に直接繋がる知見とはいい難い。
複数本の炭素繊維を配列した繊維集合体を熱可塑性樹脂の溶融温度より高い温度に予熱した後、かかる予熱した繊維集合体の両面に熱可塑性樹脂シートをそれぞれ配してその両面から加圧して積層材を得る方法、並びに該方法は繊維集合体が予め溶融温度よりも高い温度に予熱されているため、該集合体の上下面に容易に熱可塑性樹脂シートが貼り付くことは公知である(特許文献8参照)。しかしながらかかる方法においても未だマトリックスの熱可塑性樹脂と繊維集合体の密着性に関して未だ改良の余地があった。
特開昭57−56220号公報 特開昭58−162317号公報 特開昭59−14924号公報 特開昭61−286107号公報 特開昭63−54441号公報 特開昭64−34733号公報 特開平1−126337号公報 特開平5−162125号公報
本発明の目的は、機械特性の良好な炭素繊維に代表される導電繊維で補強された熱可塑性樹脂をマトリックスとする繊維強化複合材料(FRTP)を提供することにある。本発明者はかかる目的を達成すべく鋭意検討し、上述の如く外部加熱乾燥による溶液法によって十分な特性が発揮できない原因を究明し、かかる知見より更に検討を進めて本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、熱可塑性樹脂の溶液を導電繊維に含浸して、十分に低粘度の状態で均一に満遍なく付着させ、確実に繊維間の連結を樹脂で行った後、導電繊維自体を加熱させることにより被膜の内部から溶媒を十分に揮発させ、樹脂と繊維とを強固に密着させるものである。かかる方法によって良好な強度を有するFRTPが得られることは驚くべきことである。結果として本発明の利点は、導電繊維の高温状態を比較的長期間維持できる点にある。場合によっては樹脂と繊維との化学結合も生成している可能性が推察される。
本発明は、(1)溶剤に熱可塑性樹脂を溶解させた溶液を導電繊維に含浸させる工程(工程A)、該導電繊維にジュール熱を発生せしめて該溶剤を揮発させると共に樹脂を溶融させる工程(工程C)、並びに溶融させた樹脂を冷却固化させる工程(工程D)からなる導電繊維強化樹脂材料の製造方法にかかるものである。
かかる構成(1)によれば、上記課題を解決したFRTPが提供される。
本発明はより好適には、(2)溶剤に熱可塑性樹脂を溶解させた溶液を導電繊維に含浸させる工程(工程A)、風乾により該溶剤の一部を揮発させる工程(工程B)、該導電繊維にジュール熱を発生せしめて該溶剤を揮発させると共に樹脂を溶融させる工程(工程C)、並びに溶融させた樹脂を冷却固化させる工程(工程D)からなる導電繊維強化樹脂材料の製造方法にかかるものである。
本発明の製造方法は、上記工程Bがなくても十分な効果を発揮するが、比較的多量の溶媒が付着した繊維に導電した場合、内部の溶剤が突沸し均一に被覆された樹脂溶液が乱れる場合がある。もちろんかかる制御は導電繊維に発生させるジュール熱の制御によって可能であるが、風乾による方法は簡便な装置で行える点で好ましい。
本発明の好適な態様の1つは、(3)前記溶液の25℃における粘度は10〜300cPである上記構成(1)〜(2)の製造方法である。溶液の粘度をかかる特定範囲とすることにより、導電繊維に気泡などを含むことなく均一に樹脂溶液を付着可能とすると共に、必要な樹脂量を効率的に付着させることが可能となる。
本発明の好適な態様の1つは、(4)前記導電繊維は炭素繊維である上記構成(1)〜(3)の製造方法である。本発明の導電繊維としては、その比抵抗が0.5Ω/cm〜1.0×10−6Ω/cm程度の繊維が挙げられ、例えば炭素繊維、金属コート繊維、金属酸化物繊維、金属酸化物コート繊維、および金属繊維などが例示される。中でも好適には強度に優れかつ軽量である炭素繊維である。
本発明の好適な態様の1つは、(5)前記導電繊維は、単一ストランド、一方向シート、織物、又は不織布のいずれかの形態を有する上記構成(1)〜(4)の製造方法である。導電繊維はいずれの形態を有するものであってもよいが、上記いずれかの形態をとることにより、得られたFRTPを従来公知の方法で製品に加工することが可能となり、その適用範囲が広げられる。
本発明の好適な態様の1つは、(6)前記熱可塑性樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂である上記構成(1)〜(5)の製造方法である。本発明の熱可塑性樹脂としては、種々のものが使用可能である。かかる熱可塑性樹脂としては例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、ビニル系熱可塑性樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、及び熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂は必要に応じて配合でき、目的に応じて単独の使用の他、2種以上を混合して使用することも可能である。これらの樹脂の中でも、耐熱性が良好であり、十分な靭性や強度を有し、かつ良好に溶媒に溶解する点において、芳香族ポリカーボネート樹脂が本発明の熱可塑性樹脂として最も好適である。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、通常使用されるビスフェノールA型ポリカーボネート以外にも、他の二価フェノールを用いて重合された、高耐熱性または低吸水率の各種の芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。芳香族ポリカーボネート樹脂はいかなる製造方法によって製造されたものでもよく、界面重縮合の場合は通常一価フェノール類の末端停止剤が使用される。芳香族ポリカーボネート樹脂はまた3官能フェノール類を重合させた分岐ポリカーボネート樹脂であってもよく、更に脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸、または二価の脂肪族または脂環族アルコールを共重合させた共重合ポリカーボネートであってもよい。芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、好ましくは13,000〜40,000、より好ましくは15,000〜38,000である。芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液から20℃で求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
本発明の好適な態様の1つは、(7)前記溶剤は、塩化メチレンである上記構成(1)〜(6)の製造方法である。塩化メチレンは室温で扱うには揮発性が適度でありまた芳香族ポリカーボネート樹脂を始めとする比較的多くの熱可塑性樹脂を溶解させることが可能であるため、本発明において良好な溶媒として使用される。
次に各工程の詳細について更に説明する。
(工程A:含浸工程)
工程Aは、溶剤に熱可塑性樹脂を溶解させた溶液を導電繊維に含浸させる工程である。かかる熱可塑性樹脂としては、上述のとおり各種の樹脂が使用され得るが中でも芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましく使用される。溶剤も熱可塑性樹脂に応じて広く使用可能であるが、その取り扱い性や熱可塑性樹脂の溶解性の点において塩化メチレンが好適に使用される。得られる溶液の濃度は8〜15重量%程度が好適である。かかる濃度の溶液の25℃における粘度が10〜300cPの範囲内となるように調整されることがより好ましい。
かかる溶液を用いて、導電繊維を気泡など含むことなく含浸させることができる。含浸は溶液を収容した槽中に繊維を浸漬させる方法、溶液を噴霧した槽中を通過させる方法、および繊維に対して溶液を噴射させる方法などの各種の方法を取りえる。これらの中でも溶液を収容した槽中に繊維を浸漬させる方法が最も簡便かつ均一な溶液の付着を可能とするため好適である。また含浸を補助するため、特に付着樹脂量を増加させるためより高濃度の溶液を用いる場合にその含浸を補助するため、超音波振動を与えることができる。かかる付与の方法としては例えば溶液を収容した槽に超音波振動子を備える方法などが挙げられる。
含浸の際の繊維の形態は上述のとおり、いかなる形態であってもよいが、単一ストランド、一方向シート、織物、又は不織布のいずれかの形態を有することが好ましい。
(工程B:風乾工程)
工程Bは、風乾により該溶剤の一部を揮発させる工程である。上記工程Aで樹脂溶液が含浸された導電繊維は、溶剤がある程度揮発した後に次工程のジュール熱を発生せしめることが好ましい。本発明において溶液化の目的の1つは、繊維と樹脂とを十分に接触させることにある。例えば炭素繊維ではより微細には表面に各種の凹凸が存在するが、繊維と樹脂との接触を十分にすることにより、かかる凹凸によるアンカー効果をその密着性に利用することができる。溶剤量が多い状態でジュール熱を発生せしめた場合、該溶剤の気化が多量に起こり、結果として繊維と樹脂との接触が逆に疎となる場合がある。本発明において好適な塩化メチレンは風乾によりその大部分が揮発する。したがって、簡便装置により、十分に繊維と樹脂とが接触した状態を得ることが可能となる。風乾は単に室温下で放置してもよく、送風により乾燥を速めてもよい。塩化メチレンであれば、これによって十分な効果が得られる。風乾の雰囲気は本発明の効果を損なわない範囲において適度に加温されてもよい。上記の含浸工程(A工程)および風乾工程(B工程)は、揮発した溶剤を回収できる空間内において行うことがより好ましい。
(工程C:ジュール熱発生工程)
工程Cは、該導電繊維にジュール熱を発生せしめて該溶剤を揮発させると共に樹脂を溶融させる工程である。ジュール熱は温度を一定に保った導線(抵抗体)に電流を流すとき、導線から流出する熱エネルギーであり、かかる電流を流す方法としては、導電繊維を電極に接触させて電流を流す方法、およびマイクロ波の照射により電流を流す方法が挙げられる。樹脂がある程度被覆した状態であっても電極の接触により本発明の目的を達成するに十分な電流を流すことができる。かかるジュール熱の発生によりまず残留した溶剤(好適には塩化メチレン)が揮発し、更に樹脂の温度が高まることにより樹脂が溶融する。その結果より均一かつ強固に導電繊維が樹脂によって被覆されるようになる。ジュール熱により発熱した導電繊維の温度は好ましくは50〜350℃の範囲である。かかる温度範囲において、低温から高温へ温度変化させ最終的に樹脂を溶融させることにより樹脂を導電繊維表面に均一に付着させ、被覆させることを可能とする。ジュール熱を発生せしめて繊維を該温度下に置く時間は数秒〜180秒程度の範囲が好ましく、より好ましくは10〜60秒の範囲である。あまりに時間が長い場合には樹脂と繊維との界面の樹脂が熱劣化し、あまりに短い場合には所定の密着性が得られにくい。
(工程D:冷却固化工程)
工程Dは、溶融させた樹脂を冷却固化させる工程である。上記ジュール熱発生工程を経た後は、樹脂が冷却固化され所定のFRTPが得られる。冷却は雰囲気下に放冷するものであっても、媒体を用いて強制的に冷却するものであってもよい。
上記工程A〜工程Dは、連続した繊維を用いて連続した工程であってもよく、またバッチ式の工程であってもよい。より好ましくは連続した工程である。また得られるFRTPにおける導電繊維の量は、100重量%のFRTP中好ましくは5〜95重量%、より好ましくは20〜90重量%、更に好ましくは50〜85重量%である。更に上記工程A〜工程Dは、かかる工程を繰り返すことにより熱可塑性樹脂の割合を増加させることもできる。
本発明の導電繊維強化樹脂材料の製造方法は、ジュール熱を利用した内部加熱方法により樹脂内の残留溶剤を、外部加熱法に比較して大きく低減できる。更に加熱された繊維表面と樹脂とが直接に接触することにより、繊維と樹脂との界面での密着性が増加する。その結果本発明のFRTPは本来繊維強化樹脂が有する良好な機械特性を得ることを可能とする。
一方で本発明の樹脂材料はFRTPであることから、再度の通電によって熱曲げなどの成形も可能である。したがって、板状成形体を大量に製造し、目的に応じて種々の曲げ加工および切削加工などを行い、該加工後の成形体を金型内にインサートして熱可塑性樹脂をインサート射出成形し、複合材料製品を製造することを良好な機械特性を得た状態で行うことができる。
更に連続繊維からのFRTPをカットすることにより得られた短繊維の集合体(比較的樹脂量が多い場合にはペレット)、製造工程で副生される端材またはそれらの粉砕品や、並びに使用済み製品の粉砕物は、長繊維補強剤を含む樹脂材料として、射出成形や熱成形に適用でき、得られる複合材料製品は良好な機械特性を有するものとなる。
本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記および実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
熱可塑性樹脂としては、粘度平均分子量15,000〜38,000の芳香族ポリカーボネート樹脂を使用し、溶媒として塩化メチレンを用いて、その溶液濃度が8〜15重量%、そして25℃での粘度が10〜300cPの範囲となるように溶液を調整する。かかる溶液を収容した含浸槽を準備する。かかる槽中に炭素繊維を浸漬して溶液を繊維に含浸させ、気泡などを含まず均一に付着した時点で炭素繊維を含浸槽から引き上げる。このとき、含浸を補助するため、特に芳香族ポリカーボネート樹脂分を増加させるべく上記よりも高濃度の溶液を使用する場合の含浸を補助するため、超音波振動を与えることができる。含浸槽から引き上げられた炭素繊維は、その液だれがとまり多くの塩化メチレンが揮発した後に、炭素繊維に接触する電極間に電流を通す。かかる炭素繊維への通電により徐々に炭素繊維がジュール熱を発生し、炭素繊維を被覆した芳香族ポリカーボネート樹脂に含まれる塩化メチレンを強制的に揮発させ、その後更に芳香族ポリカーボネート樹脂を溶融すべく炭素繊維の温度が250〜350℃となるように電流量を調整する。かかる溶融によって炭素繊維と芳香族ポリカーボネート樹脂はより均一に一体化する。その後かかるFRTPは自然または強制冷却されてプリプレグまたは直接最終製品となる。
以下、実施例により本発明を詳述する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(溶液粘度の適正化の検討)
界面重縮合法により製造されたビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(末端停止剤はp−tert−ブチルフェノール)と、該樹脂の代表的かつ取り扱い容易な溶剤である塩化メチレンとの溶液を作成し、その濃度と動粘度との関係、並びにその取り扱い性や炭素繊維に対する含浸性を確認した。動粘度はデジタル式回転粘度計を用いて25℃において測定した。粘度平均分子量が15,000、20,000、24,000、および38,000のポリカーボネート樹脂を準備し、それぞれ5〜17重量%の濃度の溶液を作成した。該溶液を炭素繊維フィラメント(東邦テナックス製HTA−12K(商品名)、フィラメント数:12,000本、繊度:800g/1000m、および引張強度:3.92GPa)に、空中に引き上げた。この操作を各溶液において繰り返し、含浸性、取り扱い性の良い溶液粘度が10〜300cPであること、対応する溶液濃度がほぼ8〜15重量%の範囲であることをつきとめた。代表的な溶液濃度と動粘度との関係を表1に示す。
Figure 2005225993
(実施例1)
(含浸工程および風乾工程)
ポリカーボネート樹脂として最も一般的な粘度平均分子量がほぼ22,500であるポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製パンライトL−1225WP(商品名))を用いて以下の実験を行った。該樹脂を塩化メチレンに溶解させて15重量%の濃度の溶液を作成した。その25℃における粘度は、上記の好適な粘度範囲である10〜300cPのほぼ中間である140cPであった。該溶液(図2中符号16、以下カッコ内の数値は図中の符号を示す)を含浸槽(14)に溜めた。ガイドローラー(13および15)を介して炭素繊維フィラメント(11)に溶液(16)を含浸させるようにした。炭素繊維フィラメント(11)は、東邦テナックス製HTA−12K(商品名)(フィラメント数:12,000本、繊度:800g/1000m、および引張強度:3.92GPa)を使用した。ガイドローラー間の距離は600mmであり、炭素繊維フィラメントの進行速度は約20mm/secとした。結果として30秒強の間、該フィラメントを溶液中に含浸させた。含浸後のフィラメントは、含浸槽(14)からフィラメントワインダー(12)までの空間と、該ワインダーに巻かれている間に風乾された。雰囲気温度は約23℃であった。フィラメントワインダー(12)の1回転辺りの巻き取り長さは約1200mmであった。含浸後のフィラメント同士が接触しないようにフィラメントを送りながら巻き取りを行った。かかる操作によって、溶剤を含有するポリカーボネート樹脂成分で被覆された炭素繊維フィラメント(17)を得た。またかかる操作を繰り返すことにより各評価における必要量を得た。
(ジュール熱発生工程および冷却固化工程)
上記で得られた溶剤を含有するポリカーボネート樹脂成分で被覆された炭素繊維フィラメント(17)を24時間放置して十分に風乾した後、該フィラメントに図3に示す要領で通電することによりジュール熱を発生させて、溶剤の除去およびポリカーボネート樹脂の溶融を行った。フィラメントワインダー(12)から炭素繊維フィラメント(17)を巻き戻し、ワニ口型の食い込み通電できる電極(18および19)間に該炭素繊維フィラメントを配置した。外部からの冷却を考慮して該炭素繊維フィラメントは上下方向に引張った状態で配置し通電した。また該電極間の距離は600mmであった。かかる配置後、15Vの交流電流を30秒間通電して、炭素繊維にジュール熱を発生せしめ、その30秒後の表面温度を70℃前後とした。次に20Vに電圧を上げ、30秒間通電させ(電流量は約1A)、その30秒後の表面温度を約110℃とした。更に25Vに電圧を上げ、30秒間通電させ(電流量は約1.3A)、その30秒後の表面温度を約150℃とした。これらの操作により、段階的に溶剤を気化させ、溶剤をほぼ除去した。次に30Vに電圧を上げ、30秒間通電させ(電流量は約1.6A)、その30秒後の表面温度を約220℃とし、ポリカーボネート樹脂を溶融させた。更に35Vに電圧を上げ、30秒間通電させ(電流量は約1.9A)、その30秒後の表面温度を約290℃とした。かかる操作によって、ポリカーボネート樹脂により被覆された炭素繊維フィラメント(22)を得た。電極間に配置される部分を順次先送りして、同様の操作を全てのポリカーボネート樹脂成分で被覆された炭素繊維フィラメント(17)について行った。上記の操作における電圧、電流、および炭素繊維表面の到達温度について表2に示す。尚、表面の温度は、炭素繊維の下から約2/3の位置の部分において、赤外線式非接触温度計を用いて測定した。また最終的に得られた炭素繊維フィラメントは、その100重量%中、ポリカーボネート樹脂を20重量%含有するものであった。
Figure 2005225993
(比較例1)
上記で得られた溶剤を含有するポリカーボネート樹脂成分で被覆された炭素繊維フィラメント(17)を24時間放置して十分に風乾した後、該フィラメントを上下方向に引張った状態で熱風加熱炉に通すことにより、溶剤の除去、並びに被覆された樹脂の溶融を行なった。熱風加熱炉は、70℃、110℃、150℃、220℃、および290℃の各温度に設定された熱風加熱炉を準備し、各加熱炉内に30秒間ずつ保持する操作を連続して行なった。最終的に得られた炭素繊維フィラメントは、実施例1と同様にその100重量%中、ポリカーボネート樹脂を20重量%含有するものであった。
(残留溶剤量の確認)
上記実施例1と比較例1との残留溶剤量を確認するために、樹脂部分の元素分析を行なった。かかる分析より実施例1における塩素量が約100ppm少ないことが判明した。
(実施例2〜5、および比較例2〜5)
実施例1に基づく本発明の内部加熱法と、比較例1に基づく従来の外部加熱法との比較を、残留溶剤量に基づき実施した。溶剤を含有するポリカーボネート樹脂成分で被覆された炭素繊維フィラメント(17)を実施例1同様にして得た後、表3に示す各風乾時間の間放置した後、加熱操作を行なった。内部加熱法による加熱操作は、実施例1と同様にして行ない、表3の時間および最高到達温度とした。外部加熱法による加熱操作は比較例1と同様にして行い、それぞれ表3に記載の温度に設定された加熱炉内に表3に記載の時間保持することにより行なった。いずれも条件が(I)および(II)の2つが記載されている場合、(I)の処理直後に(II)を行ったことを示す。加熱処理前の炭素繊維フィラメント(17)に対する加熱処理による減量割合を百分率で表3に示した。
Figure 2005225993
(実施例6、および比較例6〜8)
上記実施例1で得られた炭素繊維フィラメントをペレタイザーを用いて10mm長に切断してペレットとした。かかるペレットとポリカーボネート樹脂ペレット(PCペレット、帝人化成(株)製パンライトL−1225、粘度平均分子量:22,500)とをタンブラーを用いて均一に混合した。かかる混合物中の炭素繊維の量は10重量%であった。かかる混合物を120℃で5時間乾燥した後、射出成形して試験片を作成した。成形条件はシリンダ温度310℃、金型温度100℃とした。得られた試験片の機械的特性の評価を行なった(実施例6)。
同様の操作により、比較例1で得られた炭素繊維フィラメントを用いて炭素繊維を10重量%含有する射出成形により作成された試験片を得た(比較例6)。
更に、比較用として、クロスヘッドダイを用いて炭素繊維を拡開しながら溶融樹脂を含浸する方法(押出含浸法)により得られた炭素繊維フィラメントを準備した(原料となる炭素繊維フィラメントは実施例6と同様、東邦テナックス製HTA−12Kである)。かかる炭素繊維フィラメントの製造方法は、例えば特開平1−16612号公報に開示されている。かかる炭素繊維フィラメントを用いて、上記実施例6と同様の操作により、炭素繊維を10重量%含有する射出成形により作成された試験片を得た(比較例7)。
更に、比較用として東邦テナックス製HTA−12Kから得られたチョップドストランドとポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製パンライトL−1225)とを、二軸押出機を用いて溶融混練する方法(コンパウンド法)により、炭素繊維含有量が10重量%のペレットを得た。かかるペレットを実施例6と同様にして乾燥後、射出成形して試験片を得た(比較例8)。
かかる4種類の材料からなる試験片に対して、引張試験(ASTM規格D−638に準拠し、厚さ3.2mmの試験片(引張りダンベルTYPE−I)を使用した)、曲げ試験(ISO178に準拠し、厚み4mmの試験片を使用した)、ノッチ付シャルピー衝撃試験(ISO179に準拠して、厚み4mmの試験片を使用した)、および荷重たわみ温度(ISO75−1および2に準拠し、荷重:1.80MPaで行った)の各評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2005225993
(実施例7)
上記実施例1の炭素繊維フィラメントに替えて、炭素繊維織物を使用して同じ装置を用いて同様に処理を行った。即ち、粘度平均分子量がほぼ22,500であるポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製パンライトL−1225WP(商品名))を塩化メチレンに溶解させて12重量%の濃度の溶液を作成した。その25℃における粘度は60cPであった。該溶液(図4中符号32、以下カッコ内の数値は図中の符号を示す)を含浸槽(14)に溜めた。ガイドローラー(13および15)を介して炭素繊維織物(31)に溶液(32)を含浸させるようにした。炭素繊維織物(31)として、幅50mmの東邦テナックス製W−3101(商品名)(平織り、使用糸:HTA−3K、縦横密度:12.3本/25mm)を使用した。炭素繊維織物の進行速度は実施例1と同様とした。雰囲気温度は約23℃であった。含浸後の織物同士が接触しないように織物をを送りながら巻き取りを行った。かかる操作によって、溶剤を含有するポリカーボネート樹脂成分で被覆された炭素繊維織物(33)を得た。またかかる操作を繰り返すことにより各評価における必要量を得た。
上記で得られた溶剤を含有するポリカーボネート樹脂成分で被覆された炭素繊維織物(33)を24時間放置して十分に風乾した後、該織物に実施例1と同様の要領で通電することによりジュール熱を発生させて、溶剤の除去およびポリカーボネート樹脂の溶融を行い、その結果、ポリカーボネート樹脂により被覆された炭素繊維織物を作成した。ここでワニ口型の食い込み通電できる電極間の距離は300mmとした。また通電の条件は、18.5Vで30秒間通電させ(電流量は約9.8A)、その30秒後の表面温度を約300℃とした。表面温度は炭素繊維の下から約2/3の位置の部分において、赤外線式非接触温度計を用いて測定された。また最終的に得られた炭素繊維織物は、その100重量%中、ポリカーボネート樹脂を30重量%含有するものであった。
上記方法により作成されたポリカーボネート樹脂により被覆された炭素繊維織物織物を、上記実施例6において評価した試験片の形状に切断し、実施例6の試験片の両面に熱プレス成形により貼り付け、サンドイッチ構造の試験片を作成した。熱プレス成形の条件は、温度:250℃、圧力:0.1MPaとした。
(比較例9)
上記実施例7と同じ炭素繊維織物(東邦テナックス製W−3101)の両面にポリカーボネート樹脂からなる厚み0.06mmのフィルムを330℃で熱プレス成形する方法(フィルム法)により、炭素繊維織物にポリカーボネート樹脂を溶融含浸した。かかる方法は一般的に知られる方法である。得られた炭素繊維織物を実施例7と同様に試験片の形状に切断し、実施例6の試験片の両面にかかる織物を貼り付けたサンドイッチ構造の試験片を作成した。
(サンドイッチ構造の試験における機械的特性)
上記実施例7および比較例9より得られた各種のサンドイッチ構造の試験片(試験片の一例として図5)について、実施例6と同様に引張試験、曲げ試験、およびノッチ付シャルピー衝撃試験の評価を行った。結果を表5に示す。表5より明らかなように、本発明の方法により得られた炭素繊維織物からなるサンドイッチ構造体は、従来法に比較して特性の向上が認められる。
Figure 2005225993
(実施例8)
上記炭素繊維織物を用いて、インサート射出成形を行った。成形品は長さ200mm、幅50mmの平板状の成形品である。実施例6において作成したポリカーボネート樹脂により被覆された炭素繊維織物織物を、該成形品の形状の切断し、金型の一面に装填して射出プレス成形を行った。充填する樹脂材料は、実施例6の樹脂材料とした。成形条件はシリンダ温度:310℃、および金型温度:100℃とした。炭素繊維の平織目の美しい模様を有し、取り付けようボス部を有する成形品(図6)を取ることができた。
本発明は、溶剤に溶解した熱可塑性樹脂を導電性繊維に含浸させ、導電性繊維に電流を流し、発生したジュール熱を利用して溶剤を被覆層の内側から揮発させ、更に温度を上げて樹脂を被覆層の内側から溶融させ、樹脂と繊維が更になじむことで、高い耐衝撃性、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械特性を持つ導電繊維強化樹脂材料とその製造方法に関する。かかる材料および該材料を用い複合化された材料は、優れた耐衝撃性、曲げ弾性率、および曲げ強度等の機械特性を有し、更に電磁波遮蔽性にも優れる。本発明の導電繊維強化樹脂材料はいかなる段階でも可塑化ができることから、例えば数段階の熱曲げ成形を経た後、製品にすることができる。かかる可塑化においてもジュール熱を好適に利用できる。また、射出成形金型のキャビティー内に本発明の導電繊維強化樹脂材料を装填しておき、その後、残りのキャビティー空間部に樹脂を射出成形して製品をとることができる。更に本発明の導電繊維強化樹脂材料はマトリックス樹脂が熱可塑性樹脂であることから使用済み回収品を粉砕して再度熱成形ができる。以上、本発明の導電繊維強化樹脂材料は生産性、リサイクル性、および機械特性に優れる材料であり、またかかる特性に優れる更なる複合材料を提供し得るものであり、該材料は、宇宙航空分野や自動車等の一般産業分野において有用である。
溶液法によるプリプレグを製造するための溶液含浸装置の一例である。 本発明の実施例で用いた含浸工程および風乾工程を行うための装置、並びに炭素繊維フィラメントを使用した際の該装置の概略図である。 本発明の実施例で用いたジュール熱発生工程を行うための装置の概略図である。 本発明の実施例で用いた含浸工程および風乾工程を行うための装置、並びに炭素繊維織物を使用した際の該装置の概略図である。 実施例において作成したサンドイッチ構造の試験片の一例の概略図である。 実施例において作成したインサート射出プレス成形品の概略図である。
符号の説明
1 炭素繊維の連続繊維束
2 連続繊維束を巻き出す原反
3 ガイドローラー
4 含浸槽
5 ガイドローラー
6 樹脂溶液
7 加熱用オーブン
8 巻き取りされたプリプレグ
11 原反の炭素繊維フィラメント
12 フィラメントワインダー
13 ガイドローラー
14 含浸槽
15 ガイドローラー
16 ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液(15重量%濃度)
17 溶剤を含有するポリカーボネート樹脂成分で被覆された炭素繊維フィラメント
18 ワニ口型の食い込み通電できる電極(上側)
19 ワニ口型の食い込み通電できる電極(下側)
20 ガイドローラー
21 通電用電源装置
22 ポリカーボネート樹脂により被覆された炭素繊維フィラメント
31 原反の炭素繊維織物
32 ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液(12重量%濃度)
33 溶剤を含有するポリカーボネート樹脂成分で被覆された炭素繊維織物
41 サンドイッチ構造の試験片
42 ポリカーボネート樹脂で被覆された炭素繊維織物からなる層
43 射出成形により作成された試験片である層
44 インサート射出成形品
45 ポリカーボネート樹脂で被覆された炭素繊維織物からなる板部分
46 射出成形により形成された取り付用ボス部分

Claims (7)

  1. 溶剤に熱可塑性樹脂を溶解させた溶液を導電繊維に含浸させる工程(工程A)、該導電繊維にジュール熱を発生せしめて該溶剤を揮発させると共に樹脂を溶融させる工程(工程C)、並びに溶融させた樹脂を冷却固化させる工程(工程D)からなる導電繊維強化樹脂材料の製造方法。
  2. 溶剤に熱可塑性樹脂を溶解させた溶液を導電繊維に含浸させる工程(工程A)、風乾により該溶剤の一部を揮発させる工程(工程B)、該導電繊維にジュール熱を発生せしめて該溶剤を揮発させると共に樹脂を溶融させる工程(工程C)、並びに溶融させた樹脂を冷却固化させる工程(工程D)からなる導電繊維強化樹脂材料の製造方法。
  3. 前記溶液の25℃における粘度は10〜300cPである請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の製造方法。
  4. 前記導電繊維は炭素繊維である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記導電繊維は、単一ストランド、一方向シート、織物、又は不織布のいずれかの形態を有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記溶剤は、塩化メチレンである請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の製造方法。
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