JP2551821B2 - 樹脂成形物の連続製造方法 - Google Patents

樹脂成形物の連続製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、集束剤によって集束された強化繊維束の集
合体に熱可塑性樹脂を含浸させ、次いで熱可塑性樹脂を
加熱溶融させることによって、実質的に均一構造の繊維
強化熱可塑性樹脂成形物を連続的に製造する方法に関す
るものである。
本発明により得られる製品は、優れた耐衝撃性や機械
的性質を有する繊維強化複合材料を与え、該複合材料
は、宇宙航空機分野や一般産業分野に広く使用される。
〔従来技術〕
熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とする繊維強化複合
材料の成形物を連続的に得る場合、熱可塑性樹脂を加熱
溶融し強化繊維と一体化する以前に強化繊維に熱可塑性
樹脂を複合させる必要がある。この際、熱可塑性樹脂を
強化繊維のフィラメント間に均一に複合させることが良
好な成形物を得るために重要である。強化繊維に熱可塑
性樹脂を複合させる方法としては、下記方法が知られて
いる。
(1)熱可塑性樹脂を溶剤に溶かした溶液中を強化繊維
を通過させる方法(特開昭49−121871号公報) (2)溶融している熱可塑性樹脂中に強化繊維を通過さ
せる方法 (3)粉末状熱可塑性樹脂の流動床中に強化繊維を通過
させる方法(特公昭52−3982号公報) (4)強化繊維と熱可塑性樹脂の繊維を交織したハイブ
リッドヤーンを用いる方法(特開昭60−209033号公報、
同60−209034号公報) (5)熱可塑性樹脂粉末を液体に分散、懸濁させて強化
繊維に含浸させる方法(特開昭59−178218号公報、同55
−91628号公報、同60−34690号公報) 〔従来技術における問題点〕 しかし、前記(1)の方法は溶剤に不溶な樹脂には適
用できない、(2)の方法は溶融時の樹脂粘度が高いた
め樹脂付着量の調整が難しい、(4)の方法は熱可塑性
樹脂を繊維にするという加工工程を経るため、製造工程
が複雑化し、コスト高になる問題がある。
(3)の方法は、熱可塑性樹脂の付着量を調整するの
が難しい、繊維の開繊性を良くし、樹脂の付着量を高め
る工夫が必要である等の問題があり、樹脂含有率のコン
トロールが難しく、粉末状熱可塑性樹脂の繊維束内部へ
の侵入も容易でないため、微視的にみた場合、繊維と熱
可塑性樹脂が均一に分散してなく、ムラの多い成形物し
か得られないのが現状であった。
また(5)の方法は熱可塑性樹脂の付着量の調整は容
易であるが、通常、強化繊維束は集束剤により集束され
ているため、繊維の開繊が不十分であり、熱可塑性樹脂
粉末の強化繊維間への侵入が効果的に行なえず、良好な
製品を得ることができなかった。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上記の如き欠点を克服した繊維強化
熱可塑性樹脂成形物の改良された製造方法を提供するも
のである。本発明により、高い性能を有する繊維強化熱
可塑性樹脂成形物を供給することが可能である。
このような本発明の目的は、熱可塑性樹脂粉末を強化
繊維束の集束剤の溶媒に懸濁させたサスペンジョンに強
化繊維束集合体を浸漬せしめ、熱可塑性樹脂粉末を該繊
維束集合体に含浸させた後、熱可塑性樹脂のガラス転移
温度又は融点以上に加熱された金型中を通過させ、熱可
塑性樹脂を溶融させた後、冷却して一体化させることで
達成される。
〔発明の構成及び作用〕
本発明は、下記の通りである。
(1)集束剤によって集束された強化繊維束の集合体に
熱可塑性樹脂を複合させて繊維強化樹脂複合材料の成形
物を連続的に得る方法において、 熱可塑性樹脂粉末を強化繊維束の集束剤の溶媒に懸濁
させたサスペンジョンに強化繊維束集合体を浸漬せし
め、熱可塑性樹脂粉末を該繊維束集合体に含浸させた
後、 熱可塑性樹脂のガラス転移温度又は融点以上に加熱さ
れた金型を通過させ、熱可塑性樹脂を溶融させた後、冷
却して一体化させることを特徴とする繊維強化熱可塑性
樹脂成形物の連続製造方法。
本発明の好適な実施態様は次の通りである。
(a)2種以上の熱可塑性樹脂粉末を強化繊維束の集束
剤の溶媒に懸濁させたサスペンジョンに強化繊維束集合
体を浸漬せしめることを特徴とする前記請求項(1)記
載の繊維強化熱可塑性樹脂成形物の連続製造方法。
(b)強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする前記
請求項(1)記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形物の連続
製造方法。
本発明によれば、強化繊維束集合体に均一に且つ含浸
性良く内部まで熱可塑性樹脂を含浸させ、品質の良好な
成形物を得ることが可能であり、このようにして得られ
た繊維強化複合材料は機械的特性に優れるものである。
本発明で用いられる強化繊維束とは、集束剤によって
集束されたものであり、ロービング、ヤーン、トウとい
う名称で知られているものを含む。
繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維
等があるが、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チタン繊
維、ボロン繊維等の無機繊維のステンレス繊維等の金属
繊維を用いることもできる。
これらの繊維は樹脂と繊維の接着性を高めるため、表
面処理が施されていてもよい。
強化繊維束が、例えば炭素繊維の場合、均一に且つ含
浸性良く内部まで熱可塑性樹脂を付着させることが可能
であり、これにより得られる炭素繊維複合材料も機械的
特性に優れている。一般には、強度100kgf/mm2以上、弾
性率10×103kgf/mm2以上の炭素繊維束が用いられ、この
ものは樹脂と繊維の接着性を高めるため、表面処理した
ものが使用される。表面処理は、電解酸化法(米国特許
第4,401,533号参照)、硝酸等を用いる薬液酸化法(特
開昭47−27000号公報参照)によって行なうことができ
る。
集束剤の種類は、用いる強化繊維束や用途によって異
なり、一般にはエポキシ樹脂のような各種合成樹脂化合
物、高級脂肪族化合物、シリコーン系化合物、チタン系
化合物等である。
これらの集束剤は、強化繊維束に対して、通常0.5〜
5.0重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲にて用い
られる。
本発明で用いられる強化繊維束集合体は通常、フィラ
メント数約12,000〜約10,000,000本の繊維が集束剤によ
って集束された束であって、ストランド、シート、織
物、組紐とうの形状にて使用される。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、結晶性又は非晶
性の熱可塑性樹脂であって、好ましくは、溶融温度又は
ガラス転移温度が150℃以上の熱可塑性樹脂である。ま
た、熱可塑性樹脂粉末のサスペンジョンに用いられる溶
媒に膨潤又は溶解しないしないものである。
好ましい熱可塑性樹脂の例は、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステ
ル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポ
リアリーレノキシド、熱可塑性ポリイミド等である。
これらの熱可塑性樹脂は単独又は二種以上の組み合わ
せで使用することができ、これにより、一層優れた成形
性、物理的性質を有する複合材料を得ることができる。
溶融粘度の高い熱可塑性樹脂に溶融粘度の低い異種の
熱可塑性樹脂を混合して用いることにより、溶融温度を
低下させ、流動特性を向上させて、低い成形圧力で成形
が可能となる。
このように、用いる熱可塑性樹脂の種類や組み合わせ
によって、良好な成形性、そして、それから得られる複
合材料に対し優れた特性を与えることができる。
本発明において、熱可塑性樹脂は粉末であることが必
要である。非粉末の場合は、本発明の目的が達成できな
い。強化繊維束集合体への良好な付着性を考慮すると、
熱可塑性樹脂粉末の粒径は50μm以下、特に10μm以下
が好ましい。取扱性の点からは、1μmを下回らないの
がよい。
熱可塑性樹脂粉末を懸濁させる、強化繊維束の集束剤
の溶媒(分散媒)は、例えば、アルコール類、ケトン
類、ハロゲン化炭化水素類又はこれらの混合液であり、
集束剤の種類、量、浴の温度によってその種類、混合量
が適宜選定されるが、熱可塑性樹脂粉末を膨潤または溶
解させることなく、後の成形物の材料特性に悪影響を及
ぼさないものである。
アルコールとしては、エタノール、メチルセルソルブ
等が、ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン
等が、ハロゲン化合物としては、塩化メチレン、ジクロ
ロエタン等が挙げられる。
アルコール類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類は、
特に炭素繊維のような強化繊維束の一般的な集束剤であ
るエポキシ樹脂を溶解し、繊維束を良好に開繊させるた
め、熱可塑性樹脂を低濃度のサスペンジョンで繊維内部
に均一に付着させることができ、好適に使用される。
例えば、アセトンのようなケトン類は、ポリエーテル
エーテルケトンを溶解もしくは膨潤させずに分散させ、
炭素繊維のような強化繊維束を良好に開繊させ、該樹脂
粉末を均一に付着させる観点から好ましい分散媒であ
る。
これらの分散媒には、強化繊維束の集束剤の溶解を妨
げない範囲で、水を混合することもできる。
サスペンジョンの熱可塑性樹脂濃度〔熱可塑性樹脂重
量/(分散媒重量+熱可塑性樹脂重量×100〕は、熱可
塑性樹脂付着量を調整する観点から、1〜50重量%、好
ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜15重量%で
ある。
サスペンジョンの温度は、分散状態を良好に保つ適度
な範囲でよく、用いられる熱可塑性樹脂の種類、濃度に
よって異なるが、通常は5〜50℃、好ましくは5〜30
℃、より好ましくは15〜30℃である。
浸漬時間は、熱可塑性樹脂の付着量によって調整され
る。また、後述するような電気的処理を行なう場合は、
通電量、電流によっても調整され、通常は、5〜180秒
間分散液に浸漬することによって行なわれる。
強化繊維束集合体の浸漬は、分散媒に浸漬している間
に、毛羽立たないよう、弛まない程度に張力下において
行なうのがよい。強化繊維束集合体に熱可塑性樹脂粉末
を含浸させるには、熱可塑性樹脂粉末の分散液に強化線
束集合体を浸漬するか、又は、強化繊維束集合体と該分
散液とを交流的に接触させることにより行なうことがで
きる。
このような処理により強化繊維束集合体は表面に10〜
70重量%(繊維と熱可塑性樹脂の総量に対して)の熱可
塑性樹脂を保持しているが、複合材料製造の点からみた
場合、20〜50重量%が好ましい。
このように熱可塑性樹脂を保持している強化繊維束集
合体は、金型内に導入される前に、通常、熱可塑性樹脂
が反応又は分解しない温度以下で乾燥される。一般に
は、80〜200℃にて1〜20分間行なわれる。分散液の浴
長は通常30cmより長いものが用いられる。
熱可塑性樹脂粉末の付着した強化繊維束集合体を、熱
可塑性樹脂のガラス転移温度又は溶融温度より低くない
温度に加熱された金型に通すことで、熱可塑性樹脂は溶
融し、繊維と熱可塑性樹脂とは均質一体化し、次いで冷
却することにより、繊維強化熱可塑性樹脂成形物を得る
ことができる。
ここに使用される金型は、該繊維束集合体の初期詰ま
り、切断防止のため金型入口をテーパー状に加工するこ
とが望ましい。また、金型の断面形状は、その大きさ及
び形に規制はなく、形は一般に円形、楕円形、三角、四
角、H型又は、より複雑形状の形が用いられる。一体化
された繊維強化熱可塑性樹脂成形物の断面形状により任
意に選定できる。
繊維強化熱可塑性樹脂成形物に用いられている熱可塑
性樹脂が結晶性樹脂であって、冷却速度によって結晶化
度及び結晶粒度が影響される場合は、成形後に、使用熱
可塑性樹脂に適した冷却速度に調整し、結晶化度及び結
晶粒度を調整することが好ましい。例えば、ポリエーテ
ルエーテルケトンの場合は、360〜400℃の金型内を1〜
30分間滞留させた後、1〜20℃/分の冷却速度で冷やす
ことが好ましい。
本発明の製品は、目的に応じ再度加熱、加圧し製品と
することができる。また、種類の異なる複数の強化繊維
束集合体を同時に金型内に導入し加熱して成形すること
もできる。
本発明によると、強化繊維集合体に熱可塑性樹脂を効
果的に含浸することができ、強化繊維と熱可塑性樹脂の
均一な含浸が行なうことができる。その結果、加熱溶融
による熱可塑性樹脂の含浸ムラが少なく、熱可塑性樹脂
と繊維との接着性に優れ、製品とした場合に良好な機械
的特性と寸法安定性を得ることができる。
本発明の効果を更に高めるため、炭素繊維のような導
電性のある強化繊維束を用いる場合、強化繊維束集合体
を熱可塑性樹脂粉末の分散液に浸漬し、両者の間に直流
電流を通して熱可塑性樹脂粉末を強化繊維束集合体に付
着させることができる。
この際の熱可塑性樹脂粉末サスペンジョン中の熱可塑
性樹脂の濃度は、熱可塑性樹脂の種類、通電する電圧に
よって異なり、また、濃度は適宜決定される。
電流は直流であり、該繊維束集合体を陰極又は陽極と
し、サスペンジョンを陽極又は陰極として処理を行なう
のが、熱可塑性樹脂を均一に含浸させるうえで好まし
い。
通電する際の電圧は、使用する強化繊維束の種類や分
散液の電気抵抗によって異なるが、少なくとも1ボルト
以上が好ましい。電流密度はストランドを構成し、且つ
入浴位置から1m以内の浴中にある単繊維の単位表面積当
たりの電流密度が少なくとも1mA/m2であることが好まし
い。より好ましい範囲は0.01〜5A/m2である。
〔発明の効果〕
本発明によると、強化繊維束の集束剤によって繊維の
開繊が阻害されることがないため、強化繊維束で構成さ
れた繊維ストランド、シート、織物等の繊維束集合体に
均一且つ含浸性良く内部にまで熱可塑性樹脂を含浸させ
ることが可能であり、実質的にボイドを含まない品質の
良好な繊維強化熱可塑性樹脂成形物が得られる。その結
果、これを金型内に誘導し加熱溶融によって得られた連
続成形物は、樹脂の付着ムラが少なく、樹脂と繊維の接
着性に優れた特性を示す。また、本発明では、強化繊維
束集合体への樹脂の付着から成形まで、連続工程の中で
処理が行なえるため、コスト低減にもつながる。
〔実施例及び比較例〕
実施例1〜5 第1表に示す熱可塑性樹脂粉末を分散媒に懸濁し、濃
度調整されたサスペンジョンを準備する。このサスペン
ジョンを第1図に示す浴中に入れた後、第1表に示す種
類(エポキシ樹脂系集束剤で集束された炭素繊維、シラ
ン系集束剤で集束されたガラス繊維、及び油剤の付与さ
れたアラミド繊維)の強化繊維束を、第1表に示すよう
に所定の本数平行に配列し、シート状強化繊維束とした
後、これを浴中に通した。
樹脂粉末を所定の付着量でシート状強化繊維束に付着
させた後、150℃にて10分間乾燥させ、次いで、第1表
に示す温度に設定した第2図に示す形状の金型を通過さ
せ加熱含浸させることにより、一体化し、円形断面を有
する一方向繊維強化熱可塑性樹脂長尺成形物を連続的に
成形した。
得られた成形物の状態及び成形物の断面の金属顕微鏡
による観察結果を、それぞれ第1表及び第3図に示す。
得られた成形物は、長さ方向に反りのないものであり、
繊維間にボイドのないものであった。
比較例1〜5 第2表に示す熱可塑性樹脂粉末をアルコール等の分散
媒を用いず、乾燥させたままの状態で第1図に示す浴中
に入れた後、実施例1で用いたと同じシート状強化繊維
束を所定の本数配列させ、浴中を通した。強化繊維束に
樹脂付着後、実施例1と同様に、第2表に示す温度に設
定した第2図に示す形状の金型を通過させ加熱含浸させ
ることにより、一体化し、円形断面を有する一方向繊維
強化熱可塑性樹脂長尺成形物を連続的に成形した。
得られた成形物の状態及び成形物の断面の金属顕微鏡
による観察結果を、それぞれ第2表及び第4図に示す。
得られた成形物は、第2表及び第4図に示すように実施
例と異なり長さ方向に反りがあり、複合材料内部にボイ
ドが多く、成形物の表面には部分的な単繊維切れを起こ
しているものもあった。
実施例6〜12 第3表に示す種類と濃度の熱可塑性樹脂粉末混合物
を、表中記載の分散媒に分散させてサスペンジョンを調
整した。このサスペンジョンを第1図に示す浴中に入れ
た後、実施例1で用いたと同じシート状強化繊維束を所
定の本数配列させ、浴中を通した。強化繊維束に樹脂付
着後、実施例1と同様に、第3表に示す温度に設定した
第2図に示す形状の金型を通過させ加熱含浸させること
により、一体化し、円形断面を有する一方向繊維強化熱
可塑性樹脂長尺成形物を連続的に成形した。
得られた成形物は、長さ方向に反りのないものであ
り、繊維間にボイドのないものであった。
比較例6〜8 第3表に示す熱可塑性樹脂粉末をアルコール等の分散
媒を用いず、乾燥させたままの状態で第1図に示す浴中
に入れた後、実施例1で用いたと同じシート状強化繊維
束を所定の本数配列させ、浴中に通した。強化繊維束に
樹脂付着後、実施例1と同様に、第3表に示す温度に設
定した第2図に示す形状の金型を通過させ加熱含浸させ
ることにより、一体化し、円形断面を有する一方向繊維
強化熱可塑性樹脂長尺成形物を連続的に成形した。
得られた成形物は、実施例と異なり長さ方向に反りが
あり、複合材料内部にボイドが多く、成形物の表面には
部分的な単繊維切れを起こしているものもあった。
実施例13及び比較例9〜17 ポリエーテルエーテルケトン樹脂粉末(住友化学:粒
子径5μm)を炭素繊維に付着させる方法として、第4
表に示す方法で、集束剤なしの炭素繊維束及びエポシ樹
脂を主成分とする集束剤(付着量1.0重量%)で集束し
た炭素繊維束(単繊維直径7μm、強度420kgf/mm2、弾
性率24,500kgf/mm2、6000フィラメント束)をそれぞれ
処理した。この工程で発生した毛羽の量(Fuzz)及び工
程トラブル発生件数は、第4表に示す通りであった。
第4表の中で、run No.10が実施例13であり、run No.
1〜9は比較例9〜17である。
第4表においてFuzz値は、第1図におけるガイド3、
4及び7における毛羽の合計量(走行繊維長で除した
値)を示し、工程トラブルは時間当たりの停台回数を示
す。
第4表の結果によれば、熱可塑性樹脂粉末サスペンジ
ョンを用い、集束剤で集束した炭素繊維束を用いた実施
例の方が比較例に比し、毛羽が少なく、工程がより安定
していることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法において使用する装置の概念図を
示したものである。 第2図は、第1図の装置に用いられる金型の一例を示し
たものである。 第3図は、本発明によって作製された熱可塑性樹脂成形
物の断面(繊維と直角方法)を示したものである。 第4図は、比較例によって作製された熱可塑性樹脂成形
物の断面を示したものである。 符号の説明 1:繊維束、2:テンション調整機、3:櫛ガイド、4:ガイド
ローラー、5:サスペンジョン樹脂浴、6:サスペンジョン
樹脂液、7:分繊ガイド、8:金型、9:引取機、10:カッタ
ー、11:成形物、12:テーパー部、13:温度制御装置、14:
マトリックス樹脂、15:強化繊維、16:ボイド
フロントページの続き (72)発明者 中間 克美 静岡県駿東郡長泉町上土狩字高石234 東邦レーヨン株式会社三島工場内 (56)参考文献 特開 昭59−178218(JP,A) 米国特許4680224(US,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】集束剤によって集束された強化繊維束の集
    合体に熱可塑性樹脂を複合させて繊維強化樹脂複合材料
    の成形物を連続的に得る方法において、 熱可塑性樹脂粉末を強化繊維束の集束剤の溶媒に懸濁さ
    せたサスペンジョンに強化繊維束集合体を浸漬せしめ、
    熱可塑性樹脂粉末を該繊維束集合体に含浸させた後、 熱可塑性樹脂のガラス転移温度又は融点以上に加熱され
    た金型を通過させ、熱可塑性樹脂を溶融させた後、冷却
    して一体化させることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹
    脂成形物の連続製造方法。
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