JP2005225131A - 印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、印刷方法、及び、補正用パターン - Google Patents

印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、印刷方法、及び、補正用パターン Download PDF

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Abstract

【課題】用紙の搬送方向の濃度補正を短時間にてより効果的に実行する。
【解決手段】互いに異なる複数色のインクを吐出する複数の吐出部を、所定方向に移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の吐出部にてドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に実行する濃度の補正を、前記複数色のうち、所定の色のみ実行する。
【選択図】 図18

Description

本発明は、画像の濃度ムラを抑制する印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、印刷方法、及び、補正用パターンに関する。
媒体としての用紙に複数色のインクを吐出して画像を形成する印刷装置として、カラーインクジェットプリンタ(以下、プリンタという。)が知られている。このプリンタは、キャリッジの移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して用紙にドットを形成するドット形成動作と、搬送ユニットにより前記用紙を前記移動方向と交差する交差方向(以下、搬送方向ともいう。)に搬送する搬送動作とを交互に繰り返す。これにより、移動方向に沿う複数のドットから構成された複数のラスタラインが交差方向に複数形成され、画像が印刷される。
この種のプリンタでは、インク滴の量や飛行方向などのインク滴の吐出特性が、ノズル毎にばらつく。この吐出特性のばらつきは、印刷画像の濃度ムラの原因となるため好ましくない。そこで、従来は、まず、吐出可能な各色のインクにてそれぞれ、補正用パターンを用紙に印刷する。次に、印刷した補正用パターンの濃度を読み取り、読み取ったデータに基づいて補正情報を取得し、取得した補正情報に基づいて濃度補正を実行し印刷している。(たとえば、特許文献1を参照。)。
特開平6−166247号公報
従来の方法では、吐出可能な各色のインクにて補正用パターン印刷し、印刷した補正用パターンを読み取り、読み取ったデータに基づいて濃度補正を実行している。すなわち、4色のインクが吐出可能であれば、4色分の補正用パターンを印刷し、6色のインクを吐出可能であれば6色分の補正用パターンを印刷している。ところで、濃度ムラは、インクの色によって生じやすい色(視認しやすい色)と、生じにくい色(視認しにくい色)とがある。このため、濃度ムラが生じにくい色に対して濃度補正を実行しても効果は少ない。すなわち、濃度ムラが生じにくい色にて補正用パターンを印刷する工程、濃度ムラが生じにくい色の補正用パターンを読み取る工程、読み取った濃度ムラが生じにくい色のデータに基づいて補正情報を取得する工程、取得した補正情報に基づいて濃度ムラが生じにくい色に対し濃度補正を実行する工程等、多大な時間を費やすにもかかわらず、濃度ムラが生じにくい色に対する濃度補正の効果は小さい。このため、濃度ムラが生じにくい色に対し濃度補正を実行することにより、多大な手間と時間を浪費し、プリンタのスループットも低下する畏れがあるという課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、用紙の搬送方向における濃度補正を短時間にてより効果的に実行する印刷装置、コンピュータプログラム、印刷システム、印刷方法、及び、補正用パターンを実現することにある。
主たる発明は、互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を有し、前記複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に濃度の補正を実行する印刷装置において、前記複数色のうち、所定の色のみ前記補正を実行することを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、印刷画像において用紙の搬送方向の濃度補正を短時間にてより効果的に実行することが可能である。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を有し、前記複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に濃度の補正を実行する印刷装置において、前記複数色のうち、所定の色のみ前記補正を実行することを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置は、ドット列領域毎の濃度の補正を所定の色のみ実行するので、複数色のすべてに対し補正を実行しない。このため、補正を実行する処理を、全色に対し補正を実行する場合と比較して短時間にて実行することが可能であり、スループットが向上する。また、補正に用いるデータを生成する工程における作業工数が低減され、この工程に費やされる時間も短縮されるため、生産性が向上しコストを低減させることが可能である。また、所定の色については、補正を実行するため、補正をしない場合と比較して、ドット列領域間の濃度ムラを抑制することが可能である。
かかる印刷装置において、前記所定の色毎に複数の階調にて、前記階調毎に印刷した補正用パターンを読み取った結果に基づいて、前記補正を実行することことが望ましい。
このような印刷装置によれば、所定の色に対しては、複数の階調について各階調毎に補正パターンを印刷し、実際に印刷した補正パターンを読み取った結果に基づいて補正を実行するので、実機に対応したより正確な情報を取得することが可能であり、取得した正確な情報に基づいて確実に補正を実行することが可能である。
かかる印刷装置において、前記補正用パターンは、各々の色の階調毎に、前記媒体の前記所定方向に沿って印刷されることが望ましい。
ドット列領域間の濃度ムラは、印刷されたドット列に起因して発生するが、ドット列は印刷方式や使用する吐出部の相違、形成するドット列の媒体に対する相対位置等により発生状況が異なる。このため、上記印刷装置のように、各々の色の階調毎に、前記媒体の前記所定方向に沿って印刷された補正用パターンを読み取った結果に基づいて補正を実行することにより、実際に印刷する印刷方式、実際にドットを形成する吐出部、媒体に対する相対位置等に対応させて適切な補正を実行することが可能である。
かかる印刷装置において、各々の前記補正用パターンは、前記移動方向に沿って並べて印刷されることが望ましい。
このような印刷装置によれば、複数の補正用パターンが、移動方向に沿って並べて印刷されるので、吐出部が移動方向に一回移動する際に多くの補正用パターンを印刷することが可能である。また、複数の補正用パターンが、移動方向に沿って並べて印刷されるので、各補正用パターンは搬送方向に沿って形成することが可能であるため、効果的に補正を実行することを可能とする補正用パターンをより多く印刷することが可能である。
かかる印刷装置において、前記補正を実行するために必要な前記補正用パターンは、1つの前記媒体にすべて印刷されることが望ましい。
このような印刷装置によれば、すべての補正用パターンを印刷するために使用する媒体が1つであるため、媒体ばかりでなくインクの使用量を低減させることが可能でありコストを低減できる。また、一つの媒体に印刷するだけなので、工程における所要時間を低減することが可能である。
かかる印刷装置において、前記所定の色は、前記ドット列領域間の濃度ムラが視認されやすい色であることが望ましい。
このような印刷装置によれば、濃度ムラが視認されやすい色については、補正を実行し、視認されにくい色については補正を実行しないので、効果的に濃度ムラを抑制することが可能であり、且つ、濃度補正処理時間、及び、補正用のデータを取得するために費やされる時間を低減することが可能である。
かかる印刷装置において、前記所定の色は、前記複数色のうち濃度が高い色であることが望ましい。
濃度が高い色は、濃度ムラが目立ちやすいので、濃度が高い色に対して補正を実行することにより、より効果的に濃度ムラを抑制することが可能である。
かかる印刷装置において、前記所定の色は、シアンとマゼンタとブラックとの少なくとも一色を含むことが望ましい。
シアンとマゼンタとブラックは、濃度が高く、比較的濃度ムラが視認されやすいので、シアンとマゼンタとブラックに対して補正を実行することにより、効果的に濃度ムラを抑制することが可能である。また、シアンとマゼンタとブラックは、インクの色であるため、各々の色に対応した画像データを補正することにより、容易に補正を実行することが可能である。
また、シアンとマゼンタとブラックとを含み互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を有し、前記複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に濃度の補正を実行する印刷装置において、前記複数色のうち、前記シアンと前記マゼンタと前記ブラックとの少なくとも一色を含む各色毎に複数の階調にて、前記階調毎に、前記媒体の前記所定方向に沿う補正用パターンを、前記移動方向に沿って並べて1つの前記媒体にすべて印刷印刷し、印刷した前記補正用パターンを読み取った結果に基づいて、前記所定の色のみ前記補正を実行することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を有し、前記複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に濃度の補正を実行する印刷装置に、前記複数色のうち、所定の色のみ前記補正を実行させる機能を実現させることを特徴とするコンピュータプログラムも実現可能である。
また、コンピュータ本体と、前記コンピュータ本体と接続され、互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を有し、前記複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に濃度の補正を実行する印刷装置と、を有する印刷システムにおいて、前記複数色のうち、所定の色のみ前記補正を実行することを特徴とする印刷システムも実現可能である。
また、互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に、前記複数色のうち、所定の色のみ濃度の補正を実行するステップと、前記複数の吐出部を移動させつつインクを吐出して印刷するステップとを有することを特徴とする印刷方法も実現可能である。
また、互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に実行する濃度の補正に用いる補正用パターンにおいて、前記複数色のうち、所定の色のみ印刷されていることを特徴とする補正用パターンである。
このような補正用パターンによれば、全色に対応する補正用パターンを印刷しないため、補正用パターンを印刷するための画像データを小さくすることが可能である。また、補正用パターンを印刷するために要する時間を低減することが可能である。また、補正用パターンを印刷するために消費する、媒体やインクの量を低減させることが可能である。
===印刷システムの構成===
次に、印刷システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システムは、インクジェットプリンタ1(以下、単にプリンタ1という。)と、コンピュータ1100と、表示装置1200と、入力装置1300と、記録再生装置1400とを備えている。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。なお、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3を参照。)を例に挙げて説明する。
コンピュータ1100は、プリンタ1と通信可能に接続され、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ1110(図8を参照。)等がインストールされており、プリンタ1に画像を印刷させるため、当該画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。入力装置1300は、例えばキーボード1300Aやマウス1300Bであり、アプリケーションプログラムの操作やプリンタドライバ1110の設定等の入力に用いられる。記録再生装置1400は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置1400AやCD−ROMドライブ装置1400Bが用いられる。
プリンタドライバ1110は、表示装置1200に印刷条件等を設定するための画面等を表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバ1110は、フレキシブルディスクやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、このプリンタドライバ1110は、インターネットを介してコンピュータ1100にダウンロードすることも可能である。そして、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
なお、「印刷装置」とは、狭義にはプリンタ1を意味するが、広義にはプリンタ1とコンピュータ1100とのシステムを意味する。
===プリンタの構成===
<プリンタの構成について>
図2は、本実施形態のプリンタ1の全体構成のブロック図、図3は、本実施形態のプリンタ1の全体構成の概略図、図4は、本実施形態のプリンタ1の全体構成の側断面図、図5は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。以下、これらの図を参照して、本実施形態のプリンタ1の基本的な構成について説明する。
本実施形態のインクジェットプリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、センサ50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ1100から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ1100から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、用紙Sに画像を印刷する。プリンタ1内の状況はセンサ50によって監視されており、センサ50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、センサ50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを搬送する搬送機構として機能し、用紙Sを印刷可能な位置に搬送し、また、印刷時に所定の方向(以下では、搬送方向という。)に所定の搬送量にて搬送させるためのものである。
搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータともいう。)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に給紙するためのローラである。給紙ローラ21はD形の断面形状をしており、円周部分の長さは、搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されている。このため、円周部分が用紙表面から離れた状態から給紙ローラを1回転させることにより、用紙Sを円周部分の長さだけ搬送させて用紙Sの先端を搬送ローラ23まで到達させることが可能である。搬送モータ22は、紙を搬送方向に搬送するためのモータであり、たとえばDCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、用紙Sの裏面側から支持する。排紙ローラ25は、プラテン24より搬送方向の下流側にて、用紙Sを搬送方向へ搬送するためのローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
キャリッジユニット30は、キャリッジ31とキャリッジモータ32(以下では、CRモータともいう。)とを備える。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を所定の方向(以下では、キャリッジ移動方向という。)に往復移動させるためのモータであり、たとえばDCモータにより構成される。このキャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジ90を着脱可能に保持している。また、このキャリッジ31には、吐出部としてのノズルからインクを吐出するヘッド41が取り付けられている。このため、キャリッジ31の往復移動によって、ヘッド41及びノズルもキャリッジ移動方向に往復移動する。従って、このキャリッジ移動方向が、請求項に係る「移動方向」に相当する。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを吐出するためのものである。このヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。このヘッド41は、複数のノズルを有しており、各ノズルから断続的にインクを吐出する。そして、ヘッド41がキャリッジ移動方向に移動しつつ、ノズルからインクを断続的に吐出することにより、キャリッジ移動方向に沿ったドット列が用紙Sに形成される。また、キャリッジ移動方向に沿ったドット列を形成する領域は、キャリッジ移動方向に沿った画素の列として用紙上に仮想的に定めることが可能であり、仮想的に定められた領域を「ドット列領域」と表現する。ここで画素とは、吐出部としてのノズルからインクを吐出させて用紙にドットを形成する位置を規定するために、用紙上に仮想的に定められた方眼状の升目である。言い換えると、画素は、ドットを形成し得る媒体上の領域であり、「ドットの形成単位」と表現することもできる。なお、ノズルの配置、ヘッド41の構成、このヘッド41を駆動するための駆動回路、及びヘッド41の駆動方法については、後で説明する。
センサ50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、及び紙幅センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ移動方向の位置を検出するためのものであり、キャリッジ移動方向に沿って架設された帯状のスリット板と、キャリッジ31に取り付けられ、スリット板に形成されたスリットを検出するフォトインタラプタを有する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものであり、搬送ローラ23の回転に伴って回転する円盤状のスリット板と、スリット板に形成されたスリットを検出するフォトインタラプタを有する。
紙検出センサ53は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が用紙Sを搬送ローラ23に向かって搬送する途中で、用紙Sの先端位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって用紙Sの先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は紙搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは用紙Sの搬送経路内に突出するように配置されている。そして、用紙Sの搬送に伴い、用紙先端がレバーに接触し、レバーが回転させられる。このため、紙検出センサ53は、このレバーの動きをフォトインタラプタ等によって検出することで、用紙Sの先端位置及び用紙Sの有無を検出する。
紙幅センサ54は、キャリッジ31に取り付けられている。本実施形態では、図5に示すように、搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズルとほぼ同じ位置に取り付けられている。この紙幅センサ54は、反射型の光学センサであり、発光部から用紙Sに照射された光の反射光を受光部にて受光し、受光部での受光強度に基づいて用紙Sの有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら用紙Sの端部の位置を検出し、用紙Sの幅を検出する。また、紙幅センサ54は、状況に応じて、用紙Sの先端も検出できる。
コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。このコントローラ60は、インターフェース部(I/F)61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ1100とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶手段を有する。そして、CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニット20,30,40を制御する。また、本実施形態では、このメモリ63の一部領域を、後述する補正用テーブルを格納するための補正用テーブル格納部63aとして利用している。
<ノズルの配置及びヘッドの構成について>
図5に示すように、ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル列Nと、シアンインクノズル列Nと、マゼンタインクノズル列Nと、イエローインクノズル列Nが形成されている。すなわち、プリンタ1は、濃度が高い濃色係インクとしてのブラック(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インクと、濃度が低い淡色系インクとしてのイエロー(Y)インクの4色のインクを吐出可能である。各ノズル列は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを、n個(例えば、n=180)備えている。各ノズル列の複数のノズルは、キャリッジ31の移動方向と交差する方向、すなわち用紙Sの搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ、つまり、用紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。図示の例において、各ノズル列のノズルは、下流側のノズルほど小さな数の番号が付されている(♯1〜♯n)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯nよりも搬送方向の下流側に位置している。そして、このようなノズル列をヘッド41に設けると、一回のドット形成動作でドットが形成される範囲が広くなり、印刷時間の短縮化が図れる。また、これらのノズル列は、インクの色毎に備えられているので、これらの各ノズル列から適宜インクを吐出させることで、多色印刷を行うことができる。
また、各ノズルはインクを収容したインクカートリッジ90と連通するインク流路を有しており、インク流路の途中には圧力室(図示せず)が設けられている。各圧力室は、各ノズルからインク滴を吐出させるために設けられた駆動素子としてのたとえばピエゾ素子(図示せず)により、その容積が収縮、膨張するように構成されている。
<ヘッドの駆動について>
図6は、ヘッド41の駆動回路の説明図である。この駆動回路は、前述のユニット制御回路64内に設けられている。図示するように、駆動回路は、原駆動信号発生部644Aと、駆動信号整形部644Bとを備えている。本実施形態では、この駆動回路が、ノズル列毎、即ち、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の各色のノズル列ごとに各々設けられ、ノズル列ごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。図中に各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
前述したピエゾ素子は、駆動パルスW1,W2(図7を参照)が供給される毎に変形して圧力室内のインクに圧力変動を生じさせる。即ち、ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧が印加されると、電圧の印加時間に応じて変形し、圧力室の一部を区画する弾性膜(側壁)を変形させる。このピエゾ素子の変形に応じて圧力室の容積が変化し、圧力室の容積変化によって圧力室内のインクに圧力変動が生じる。そして、インクに生じた圧力変動により、対応するノズル♯1〜♯nからインク滴が吐出される。
原駆動信号発生部644Aは、各ノズル♯1〜♯nに共通して用いられる原駆動信号ODRVを生成する。本実施形態における原駆動信号ODRVは、印刷解像度に対応する一画素分の距離をキャリッジ31が移動する時間内に、2種類の駆動パルスW1,W2を1回ずつ出力する信号である。
駆動信号整形部644Bには、原信号発生部から原駆動信号ODRVとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。印刷信号PRT(i)は、前記した2ビットの印刷データに基づいてレベルが変化する信号である。駆動信号整形部644Bは、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原駆動信号ODRVを整形し、駆動信号DRV(i)として各ノズル♯1〜♯nのピエゾ素子に向けて出力する。各ノズル♯1〜♯nのピエゾ素子は、駆動信号整形部644Bからの駆動信号DRVに基づき駆動される。
<ヘッドの駆動信号について>
図7は、各信号を説明するタイミングチャートである。すなわち、同図には、原駆動信号ODRVと、印刷信号PRT(i)と、駆動信号DRV(i)の各信号のタイミングチャートが示されている。
原駆動信号ODRVは、ノズル♯1〜♯nに対して共通に用いられる信号であり、原駆動信号発生部644Aから駆動信号整形部644Bに出力される。本実施形態の原駆動信号ODRVは、印刷解像度に対応する一画素分の距離をキャリッジ31が移動する時間(以下、一画素区間という。)内において、第1パルスW1と第2パルスW2との2つのパルスを有している。そして、第1パルスW1はノズルから小サイズのインク滴(以下、小インク滴という。)を吐出させるための駆動パルスである。また、第2パルスW2はノズルから中サイズのインク滴(以下、中インク滴という。)を吐出させるための駆動パルスである。すなわち、第1パルスW1をピエゾ素子に供給することで、ノズルからは小インク滴が吐出される。そして、この小インク滴が用紙Sに着弾すると、小サイズのドット(小ドット)が形成される。同様に、第2パルスW2をピエゾ素子に供給することで、ノズルからは中インク滴が吐出される。そして、この中インク滴が用紙Sに着弾すると、中サイズのドット(中ドット)が形成される。
印刷信号PRT(i)は、コンピュータ等から転送された印刷データにおいて各画素に対して割り当てられている各画素データに対応した信号である。つまり、印刷信号PRT(i)は、印刷データに含まれる画素データに応じた信号である。本実施形態の印刷信号PRT(i)は、一画素に対して2ビットの情報を有する信号になる。なお、この印刷信号PRT(i)の信号レベルに応じて、駆動信号整形部644Bは、原駆動信号ODRVを整形し、駆動信号DRV(i)を出力する。
この駆動信号DRVは、印刷信号PRTのレベルに応じて原駆動信号ODRVを遮断することによって得られる信号である。すなわち、印刷データが「1」のとき、印刷信号PRTはHighレベルとなり、駆動信号整形部644Bは、原駆動信号ODRVの対応する駆動パルスをそのまま通過させて駆動信号DRV(i)とする。一方、印刷データが「0」のとき、印刷信号PRTがLowレベルとなり、駆動信号整形部644Bは、原駆動信号ODRVの対応する駆動パルスを遮断する。そして、駆動信号整形部644Bからの駆動信号DRV(i)は、対応するピエゾ素子に対し、個別に供給される。また、ピエゾ素子は、供給された駆動信号DRV(i)に応じて駆動される。
印刷信号PRT(i)が2ビットデータ「01」に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルから小さいインク滴が吐出され、用紙Sには小ドットが形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットデータ「10」に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルから中インク滴が吐出され、用紙Sに中ドットが形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットデータ「11」に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルから小インク滴と中インク滴とが続けて吐出され、用紙Sには大サイズのドット(大ドット)が形成される。
すなわち、プリンタ1は、複数種類(ここでは3種類)のサイズのドットを形成可能である。また、印刷信号PRT(i)が2ビットデータ「00」に対応しているとき、第1パルスW1及び第2パルスW2のいずれも一画素区間で出力されない。これにより、ノズルからはいずれのサイズのインク滴も吐出されず、用紙Sにはドットが形成されない。
以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の4つの異なる値に応じて互いに異なる4種類の波形を有するように整形されている。
===プリンタドライバ===
<プリンタドライバについて>
図8は、プリンタドライバ1110が行う基本的な処理の概略的な説明図である。なお、既に説明した構成要素については、同じ符号を付して説明は省略する。
コンピュータ1100では、コンピュータ1100に搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ1102、アプリケーションプログラム1104、プリンタドライバ1110などのコンピュータプログラムが動作している。
ビデオドライバ1102は、アプリケーションプログラム1104やプリンタドライバ1110からの表示命令に従って、所定の画面を表示装置1200に表示する機能を有する。
アプリケーションプログラム1104は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザーは、アプリケーションプログラム1104のユーザーインタフェースを介して、アプリケーションプログラム1104により編集した画像を印刷する指令を与えることができる。アプリケーションプログラム1104は、印刷の指令を受けると、プリンタドライバ1110に画像データを出力する。
プリンタドライバ1110は、アプリケーションプログラム1104から画像データを受け取り、受け取った画像データを印刷可能な印刷データに変換し、変換した印刷データをプリンタ1に出力する。画像データは、印刷される画像の各画素に対応するデータとして画素データを有している。そして、各画素データは、RGB又はCMYK等の色ごとの階調値にて表現されており、後述する各処理の段階に応じて、階調値等が変換され、最終的に前記印刷データの段階では、用紙上に形成されるドットに対応する印刷データ(ドットの色や大きさ等のデータ)に変換される。
印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、前記画素データと、各種のコマンドデータとを有するデータである。コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータであり、例えば搬送量を示すデータである。
プリンタドライバ1110は、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理などを行う。以下、プリンタドライバ1110が行う各種の処理について説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙Sに画像を印刷する際の解像度(印刷するときのドットの間隔であり、印刷解像度ともいう。)に変換する処理である。例えば、印刷解像度が720×720dpiに指定されている場合には、アプリケーションプログラム1104から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。
この変換方法としては、画素データの補間や間引きなどがある。例えば、画像データの解像度が指定された印刷解像度よりも低い場合には、線形補間等を行って隣り合う画素データ同士の間に新たな画素データを生成する。逆に、画像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合で画素データを間引く等して、画像データの解像度を前記印刷解像度に揃える。
また、この解像度変換処理においては、画像データを、印刷する印刷領域(実際にインクが吐出される領域をいう。)のサイズに対応させて加工するサイズ調整も行う。
なお、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データ中の各画素データは、RGB色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を示すデータである。以下、RGBの階調値を示す画素データのことをRGB画素データと言い、また、RGB画素データから構成される画像データをRGB画像データと言う。
色変換処理は、前記RGB画像データの各RGB画素データを、CMYK色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を示すデータに変換する処理である。ここでCMYKという表記は、Cはシアンを、Mはマゼンタを、Yはイエローを、Kはブラックをそれぞれ意味している。以下、CMYKの階調値を示す画素データのことをCMYK画素データといい、CMYK画素データから構成される画像データのことをCMYK画像データという。色変換処理は、RGBの階調値とCMYKの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバ1110が参照することによって行われる。
ハーフトーン処理は、多段階の階調値を有するCMYK画素データを、プリンタ1が表現可能な、少段階の階調値を有するCMYK画素データに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256段階の階調値を示すCMYK画素データが、4段階の階調値を示す2ビットのCMYK画素データに変換される。この2ビットのCMYK画素データは、各色について、例えば、「ドットの形成なし」(2進数の値として「00」)、「小ドットの形成」(同じく「01」)、「中ドットの形成」(同じく「10」)、「大ドットの形成」(同じく「11」)を示すデータである。
このようなハーフトーン処理では、例えば所謂ディザ法、γ補正法、誤差拡散法等が利用され、プリンタ1がドットを分散して形成できるような2ビット(4階調)のCMKY画素データを作成する。なお、本実施形態では、このハーフトーン処理において、後述する濃度補正、すなわち、ドット列領域間の濃度ムラを抑制すべくドット列領域毎に行う補正も実行される。
ラスタライズ処理は、前記ハーフトーン処理がなされた4色の4階調CMYK画像データを、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、前記印刷データとしてプリンタ1に出力される。
===印刷動作について===
図9は、印刷時の動作のフローチャートである。以下に説明される各動作は、コントローラ60が、メモリ内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各動作を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):コントローラ60は、コンピュータ1100からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ1100から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙動作、搬送動作、ドット形成動作等を行う。
給紙動作(S002):コントローラ60は、給紙動作を行う。給紙動作とは、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂、頭出し位置)に位置決めする処理である。すなわち、コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラ23まで送る。続いて、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。なお、用紙Sが印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、用紙Sと対向している。
ドット形成動作(S003):コントローラ60は、ドット形成動作を行う。ドット形成動作とは、キャリッジ移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙Sにドットを形成する動作である。このときコントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31をキャリッジ移動方向に移動させる。また、コントローラ60は、キャリッジ31が移動している間に、印刷データに基づいてヘッド41からインクを吐出させる。そして、ヘッド41から吐出されたインクが用紙S上に着弾すれば、前述したように、用紙S上にドットが形成される。このとき、キャリッジ31を移動させつつノズルからインクを吐出させると、用紙S上に移動方向に沿ったドット列(以下、ラスタラインともいう。)が形成される。
搬送動作(S004):コントローラ60は、搬送動作を行う。搬送動作とは、用紙Sを、ヘッド41に対し、搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送モータ22を駆動し、搬送ローラ23を回転させて用紙Sを搬送方向に搬送する。この搬送動作により、ヘッド41は、前記したドット形成動作によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。
排紙判断(S005):コントローラ60は、印刷中の用紙Sについて排紙の判断を行う。この判断時において、印刷中の用紙Sに印刷するためのデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷するためのデータがなくなるまでドット形成動作と搬送動作とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に用紙Sに印刷する。印刷中の用紙Sに印刷するためのデータがなくなったならば、コントローラ60は、その用紙Sを排出する。すなわち、コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることにより、印刷した用紙Sを外部に排出する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいて行っても良い。
印刷終了判断(S006):コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の用紙Sに印刷を行う場合には、給紙動作(S002)により新たな用紙を給紙し印刷を続行し、印刷を続行する。次の用紙Sに印刷を行わない場合には、印刷動作を終了する。
===画像中の濃度ムラの発生原因について===
CMYKのインクを用いて多色印刷された画像中に生じる濃度ムラは、基本的には、その各インク色でそれぞれに生じる濃度ムラが原因である。このため、通常は、各インク色の濃度ムラをそれぞれ別々に抑制することによって、多色印刷された画像中の濃度ムラを抑制する方法が採られている。
そこで、以下では、単色印刷された画像中に生じる濃度ムラの発生原因について説明する。図10は、単色印刷された画像中において用紙Sの搬送方向に生じる濃度ムラを説明する図である。
図10に例示した搬送方向の濃度ムラは、キャリッジ移動方向に沿って平行な縞状(便宜上、横縞状ともいう。)に見えている。このような横縞状の濃度ムラは、たとえば、ノズル毎のインク吐出量のばらつきによって発生するが、ノズルの加工精度のばらつきによっても発生する。すなわち、ノズルの加工精度のばらつきにより、ノズルが吐出するインクの飛行方向もばらつく。この飛行方向のばらつきにより、用紙Sに着弾したインクによるドット形成位置が、目標形成位置に対して搬送方向にずれる場合がある。この場合には、必然的に、これらドットが構成するラスタラインrの形成位置も搬送方向に関して目標形成位置からずれてしまう。このため、搬送方向に隣り合うラスタラインr同士の間隔が、周期的に空いたり詰まったりした状態となる。これを巨視的に見ると横縞状の濃度ムラとなって見えてしまうのである。すなわち、隣り合うラスタラインr同士の間隔が相対的に広がったり狭くなったりすることにより、ドット列領域内に本来形成されるドットより多くのドット又はドットの一部が形成されたドット列領域は巨視的に濃く見え、ドット列領域内に本来形成されるべきドットやドットの一部が隣接するドット列領域に形成されてしまった場合には、そのドット列領域は巨視的に薄く見えるのである。ここで、ラスタラインrとは、キャリッジ31を移動させつつインクを断続的に吐出することによって、キャリッジ移動方向に沿って形成されるドット列を示している。
なお、濃度ムラの発生原因は、いずれのインク色に関しても当てはまることである。そして、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKのうちの1色でもこの傾向があれば、多色印刷の画像中には濃度ムラが顕れる可能性がある。ところが、濃度ムラの視認性は色により異なり、前述した濃色系インクでは視認されやすく、淡色系インク、すなわちイエローでは視認されにくい。このため、本実施形態では、濃度ムラが視認されやすい濃色系インク、すなわち、ブラック、シアン、マゼンタのみ濃度補正を実行することとし、濃度補正に費やす時間を低減することとする。
===本実施形態に係る画像の印刷方法について==
図11は、本実施形態に係る画像の印刷方法に関連する工程等の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、各工程の概略を説明する。まず、製造ラインにおいてプリンタ1が組み立てられる(S110)。次に、検査担当の作業者によって、濃度を補正するための補正用テーブルがプリンタ1に設定される(S120)。本実施形態においては、補正対象を各画素(ドットの形成単位)の階調値を示す画像データとするので、印刷すべき画像のデータとして供給された各画素に対応する階調値を補正するための画像データ補正用テーブルを設定する。ここでは、画像データを補正して新たなデータに変換するための値を示す画像データ補正用テーブルを、プリンタ1のメモリ、詳しくは、補正用テーブル格納部63a(図2参照。)に格納する。
次に、プリンタ1が出荷される(S130)。そして、このプリンタ1を購入したユーザーによって画像の本印刷が行われるが、本印刷の際には、プリンタ1は、補正用テーブル格納部63aに格納された補正用テーブルに基づいてラスタライン毎に濃度補正を行い画像を用紙Sに印刷する(S140)。ここで本印刷とは、補正用パターン等の所定のテストパターンの印刷に対し、ユーザー等が行う自然画等、所望の画像の印刷をいう。そして、本実施形態に係る画像の印刷方法は、補正用テーブルの設定工程(ステップS120)、及び画像の本印刷(ステップS140)により、実現される。従って、以下では、ステップS120及びステップS140の内容について説明する。
<ステップS120:濃度ムラを抑制するための補正用テーブルの設定>
図12は、補正用テーブルの設定に使用される機器を説明するブロック図である。なお、既に説明した構成要素については、同じ符号を付し説明は省略する。図12において、コンピュータ1100Aは、検査ラインに設置されたコンピュータ1100Aであり、工程用補正プログラムが動作している。この工程用補正プログラムは、補正用テーブル生成処理を行うことができる。この補正用テーブル生成処理は、用紙Sに印刷された補正用パターンをスキャナ装置100が読み取ることで得られたデータ群(たとえば、所定解像度の256階調のグレイスケールデータ)に基づき、対象となるドット列領域について補正用テーブルを生成する。なお、補正用テーブル生成処理については、後で詳細に説明する。また、このコンピュータ1100Aで動作するアプリケーションは、指定された階調値の補正用パターンCPを印刷させるための印刷データをプリンタ1に対して出力する。
図13は、このコンピュータ1100Aのメモリに設けられた記録テーブルの概念図である。この記録テーブルは、インク色の区分で用意されている。そして、各区分で印刷された補正用パターンCPの測定値が、対応する記録テーブルに記録される。本実施形態においては、ブラック、シアン、マゼンタのみ濃度補正を行うため、記録テーブルもブラック、シアン、マゼンタの3色に対応させて3色分のみ設けられている。
この記録テーブルには、例えば互いに異なる複数種類の濃度を示す複数の階調値(以下、特定階調値という。)に基づいて印刷された複数の補正用パターンCP(後述する)を測定した測定値としての測定階調値C、及び、各補正用パターンの特定階調値Sとが対応付けられて記録される。本実施形態では、色毎に8つの特定階調値に基づいて8つの補正用パターンを印刷し、各補正用パターンの濃度を測定する。
各記録テーブルには、各濃度に対して2つのフィールドが用意されている。すなわち、記録テーブルには、ドット列領域毎に、測定階調値と特定階調値Sとが対応付けられた8つの測定情報が記憶される。具体的には、図中の最も左のフィールド及び左から9番目のフィールドには、8種類の特定階調値のうち最も低い特定階調値に基づいて印刷された補正用パターンに基づく測定情報が記録される。すなわち、最も左のフィールドには、補正用パターンCPaの測定階調値Caが、左から9番目のフィールドには、補正用パターンCPaの特定階調値Saが、それぞれ記録される。また、左から2番目のフィールドと左から10番目のフィールドには、8種類の特定階調値のうち2番目に低い特定階調値の補正用パターンCPbの測定階調値Cbと補正用パターンCPbの特定階調値Sbが、それぞれ記録される。このように各フィールドに順次濃度に対応した測定階調値Cと特定階調値Sとが記録され、左から8番目のフィールドには、8種類の特定階調値のうち最も高い特定階調値の補正用パターンCPhの測定階調値Chが、また、最も右のフィールドには、8種類の特定階調値のうち最も高い特定階調値の補正用パターンCPhの特定階調値Shが、それぞれ記録される。
各レコードには、レコード番号が付けられており、レコードは、用紙の印刷可能な領域の搬送方向の長さに想定されるドット列領域の数分だけ設けられている。また、各特定階調値の補正用パターンCPa,CPb,・・・,CPhにおける、同じドット列領域に対応する測定階調値Ca,Cb,・・・,Ch及び特定階調値Sa,Sb,・・・,Shは、何れも同じレコード番号のレコードに記録される。
図14は、図11中のステップS120の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照し、補正用テーブルの設定手順について説明する。
この設定手順は、補正用パターンCPを印刷するステップ(S121),補正用パターンCPを読み込むステップ(S122),各ドット列領域の画素濃度を測定するステップ(S123),各ドット列領域に対する濃度の測定値に基づいて補正用テーブルを設定するステップ(S124)を有する。以下、各ステップについて詳細に説明する。本実施形態においては、補正用パターンを印刷する特定階調値を、例えば10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%の8種類の階調値とする。また、印刷可能な濃度範囲は濃度0から濃度100%であり、濃度0に対応する階調値は、最低値の「0」であり、濃度100%に対応する階調値は最高値の「255」である。
(1)補正用パターンCPの印刷(S121)について:
まず、ステップS121において、補正の対象とするインク色毎に補正用パターンCPを用紙Sにそれぞれ印刷する。ここでは、検査担当の作業者は、検査ラインに設置されたコンピュータ1100Aにプリンタ1を通信可能な状態に接続し、このプリンタ1によってシアン、マゼンタ、ブラックの3色の補正用パターンCPを印刷する。すなわち、作業者は、コンピュータ1100Aのユーザーインタフェースを介し、補正用パターンCPを印刷させる操作をする。この操作により、コンピュータ1100Aは、メモリに格納されている補正用パターンCPの印刷データを読み出し、プリンタ1に対しを出力する。プリンタ1は、印刷データに基づいて用紙Sに補正用パターンCPを印刷する。なお、この補正用パターンCPを印刷するプリンタ1は、補正用テーブルの設定対象となるプリンタ1である。つまり、補正用テーブルの設定は、プリンタ1毎に行われる。
図15は、印刷された補正用パターンCPの一例を説明する図である。図示するように、本実施形態の補正用パターンCPは、シアン、マゼンタ、ブラックのインク色毎、濃度毎の区分でそれぞれに印刷される。この例では、シアン、マゼンタ、ブラックの色毎に上述した8種類の特定階調値に基づいて補正用パターンCPがそれぞれ印刷されている。すなわち8種類の濃度は、10%、20%、30%・・・80%であり、各濃度に相当する特定階調値に基づいて印刷される。補正用パターンCPの印刷データは、8種類の各濃度に相当する特定階調値が全画素に割り付けられたシアン、マゼンタ、ブラックの各画像データを想定し、想定した各画像データを、プリンタドライバにてハーフトーン処理及びラスタライズ処理した場合に生成される印刷データである。このため、メモリに格納されている補正用パターンCPの印刷データは、各濃度を示す階調値に基づいて、理想的な印刷装置にて帯形状の補正用パターンCPが印刷された際に、それぞれ均一な濃度になるように設定されている。すなわち、理想的な印刷装置にて印刷された各補正用パターンCPは、それぞれに、搬送方向の全域に亘って、ほぼ一定の濃度で印刷されることになる。ここで、理想的な印刷装置とは、設計通りに加工・製造された印刷装置であり、ノズルから吐出されたインク滴により目標位置にドットが形成される印刷装置を示している。
シアン、マゼンタ、ブラックのそれぞれ8つの補正用パターンCPでなる補正用パターン群同士の相違点は、基本的にインク色だけである。このため、以下では、補正用パターン群を代表して、ブラック(K)の8つの補正用パターンCPkでなる補正用パターン群について説明する。また、前述したように、多色印刷における濃度ムラの抑制は、その多色印刷に用いられるインク色毎にそれぞれ行われるが、それぞれ抑制に用いられる方法は同じである。このため、以下の説明は、ブラック(K)に代表させて行い、以下の説明においては、ブラック(K)の一色についてだけ記載している箇所も有るが、その他のC,Mのインク色についても同様である。
ブラック(K)の補正用パターンCPkは、上記8種類の特定階調値に基づいて、8種類の濃度にて各々搬送方向に長い帯形状に印刷されている。そして、図15の例では、搬送方向の印刷範囲は、用紙Sにおける搬送方向の全域に亘っている。すなわち、用紙Sの上端から下端に亘って一連に形成されている。また、この補正用パターンCPkは、濃度が異なる8本がキャリッジ移動方向に平行に並んだ状態にて1枚の用紙に印刷されている。
補正用パターンCPkは、インターレース方式やバンド送り方式といった印刷方法に応じて、それぞれ各印刷方式に応じた用紙搬送量及び各ノズルのインク吐出タイミングにて印刷される。これらインターレース方式、バンド送り方式等により印刷された画像のラスタラインと、各ラスタラインを形成するノズルは、印刷方式により異なるため、ラスタラインが形成されるべきドット列領域毎の濃度ムラを抑制するための補正用パターンは、本印刷にて実際に用いられる用紙搬送量及び各ノズルのインク吐出タイミング、すなわち各印刷方式及び各印刷処理モードにて印刷されることが望ましい。例えば、バンド送り方式であれば、ノズル列の長さ分だけ用紙を搬送し、ノズルピッチと同じピッチのラスタラインを形成する印刷処理モードにて補正用パターンを印刷する。インターレース方式であれば、用紙の先端及び後端部分では、微少量だけ用紙を搬送して特定の僅かなノズルにて印刷する処理モードにて印刷し、先端及び後端以外の部分では、用紙を定量的に搬送しつつ可及的に多くのノズルを用いてラスタラインを形成する印刷処理モードにて補正用パターンを印刷する。また、用紙に余白無く印刷する所謂フチ無し印刷の場合には、用紙の先端及び後端部分では、プラテン24に設けられた溝24a(図4参照)と対向するノズルのみにて印刷し、先端及び後端以外の部分では、用紙を定量的に搬送しつつ可及的に多くのノズルを用いてラスタラインを形成する印刷処理モードにて補正用パターンを印刷する。すなわち、印刷方式が、用紙の先後端部に余白部を生成するように印刷する印刷方式の場合には、各補正用パターンは、用紙の搬送方向の全域に亘っては印刷されず、先端及び後端に余白が形成される。
このように本印刷と同じ用紙搬送量及び各ノズルのインク吐出タイミングにて印刷した各補正用パターンにて得られる補正用テーブルに基づいて行われる濃度補正は、各印刷方式及び各印刷処理モードに適しているため、濃度補正の精度が向上し、濃度ムラをより確実に抑制できる。
本実施形態においては、各色8種類の階調値に基づいて印刷した補正用パターンを用いる例について説明したが、各色の階調値の種類は8種類に限らない。しかしながら、補正用パターンの階調値の種類を多くすると、より適切な濃度補正を行うことができるが、補正用パターンを印刷する工程、補正パターン読み取って補正用テーブルを設定する工程、及び補正処理等に費やす時間が増大し、一方、階調値の種類を少なくすると、適切な補正がなされない畏れがある。
また、印刷すべき補正用パターンの数が多くなるため、1枚の用紙にすべての補正用パターンを印刷できない場合も予想され、補正用パターンの印刷時間及び読み取り時間が増大する畏れがある。すなわち、補正の対象となるすべてのインク色におけるすべての階調値に対応する補正用パターンを図15に示すように1枚の用紙に印刷することにより、用紙等の消耗品の消費量を低減するとともに、印刷する処理時間、後述する補正用パターンの読み取りに費やす時間、及び、補正用のデータを取得する等の時間を短縮することが可能である。
このため、補正対象の色数、及び、階調値の数が多い場合には、各補正用パターンにおけるキャリッジ31の移動方向の幅を狭くするなどして、必要なすべての補正用パターンを1枚の用紙にレイアウトすることが望ましい。当然のことながら、補正対象の色数、及び、階調値の数が少ない場合であっても、各補正用パターンにおけるキャリッジ31の移動方向の幅を広げる必要はなく、後述する補正用パターンの読み取り処理にて、濃度が測定できる幅が確保されていれば良い。
(2)補正用パターンCPの読み取り(ステップS122)について:
図15に示す各補正用パターンCPka,CPkb,・・・,CPkhの濃度は、当該濃度を光学的に測定する濃度測定装置によってドット列領域毎に測定される。この濃度測定装置は、キャリッジの移動方向、すなわちドット列領域に沿う方向における所定数の画素の平均濃度を、ドット列領域毎に測定可能な装置であり、その一例としては、周知のスキャナ装置が挙げられる。なお、所定数の画素の平均濃度で各ドット列領域の濃度を評価する理由は、前記ハーフトーン処理によって各画素に形成されるドットの大きさ(非形成も含む。)は、各画素の階調値を揃えた画像データに基づいて印刷しても、画素毎に異なってしまうためであり、つまり、一つの画素に、一行分のドット列領域の濃度を代表させることができないためである。
図16A及び図16Bに、このスキャナ装置の縦断面図及び平面図をそれぞれ示す。このスキャナ装置100は、原稿101を載置する原稿台ガラス102と、この原稿台ガラス102を介して前記原稿101と対向しつつ所定の読取移動方向に移動する読取キャリッジ104とを備えている。読取キャリッジ104には、原稿101に光を照射する露光ランプ106と、原稿101からの反射光を、前記読取移動方向と直交する直交方向の所定範囲に亘って受光するリニアセンサ108とを搭載している。そして、前記読取キャリッジ104を前記読取移動方向に移動させながら、所定の読み取り解像度で原稿101から画像を読み取るようになっている。なお、図16A中の破線は前記光の軌跡を示している。
図16Bに示すように、原稿101としての補正用パターンCPが印刷された用紙は、そのドット列領域に沿う方向を前記直交方向に揃えて原稿台ガラス102に載置され、これによって、そのドット列領域に沿う方向における所定数の画素の平均濃度を、ドット列領域毎に読み取り可能となっている。なお、前記読取キャリッジ104の前記読取移動方向の読み取り解像度は、前記ドット列領域のピッチの整数倍の細かさにするのが望ましく、このようにすれば、読み取った濃度の測定階調値とドット列領域との対応付けが容易になる。
この補正用パターンCPkの濃度の測定階調値の一例を図17に示す。図17の横軸はドット列領域番号を、また縦軸は、濃度の測定階調値を示している。ここで、ドット列領域番号とは、用紙に仮想的に定められた各ドット列領域に用紙の先端側から付した番号である。
補正用パターンCPkを構成する全てのドット列領域に亘って、同じ濃度の階調値を示す画像データに基づいて印刷したにも拘わらず、図17に示す測定階調値はドット列領域毎に上下に大きくばらついているが、これが、前述したインクの吐出方向のばらつき等に起因する濃度ムラである。すなわち、測定値は、ドット列領域毎に測定された値であるため、隣り合うラスタラインの間隔が狭い場合には、ドット領域内に隣接するラスタラインの一部も読み取られてしまうため、濃度は大きく測定される一方、間隔が広い場合には、本来読み取られるべきラスタラインの一部が当該ドット列領域から外れるため、濃度は小さく測定されている。
ところで、このスキャナ装置100は、前記プリンタ1に通信可能に接続されている。そして、当該スキャナ装置100で読み取った補正用パターンの濃度の各測定値は、ドット列領域番号と対応付けられながら、コンピュータ1100の前記メモリに用意された記録テーブルに記録される。なお、このスキャナ装置100から出力される前記濃度の測定階調値は、256段階の階調値で示されたグレイスケール(色情報を持たず、明度だけで作られたデータ)である。ここで、このグレイスケールを用いる理由は、測定階調値が色情報を持っていると、当該測定階調値を対象のインク色の階調値のみで表現する処理を行わねばならず、処理が煩雑になるためである。
8種類の階調値に基づいて印刷された各補正用パターンCPka,CPkb,・・・,CPkhの濃度は、スキャナ装置100によってドット列領域毎に測定され、測定階調値Ca,Cb,・・・,Chは、図13に示した記録テーブルに記録される。
(3)ステップ123:ドット列領域毎の補正用テーブルの設定
搬送方向の濃度ムラを抑制すべく濃度補正を行う場合には、1つの補正情報、例えば、印刷する画像データにて示された階調値と、補正された新たな階調値とで対をなす1つの補正情報に基づいてすべての画像データを補正することも考えられる。本実施形態では、互いに異なる濃度に対応する複数の補正情報に基づいて補正することにより、より適正、且つ効率的に濃度ムラを抑制することとしている。このため、複数の補正情報を取得し、取得した複数の補正情報を用いて画像データ補正用テーブルを設定する。
<画像データ補正用テーブルの設定>
図18は、プリンタ1のメモリ63に設けられた補正用テーブル格納部63aに格納された画像データ補正用テーブルの概念図である。
図18に示す画像データ補正用テーブルは、画像データを補正の対象とする場合に補正用テーブル格納部63aに格納されている。画像データ補正用テーブルは、補正対象のインク色毎の区分でそれぞれ用意され、補正後の新たな階調値を記録するためのレコードを有している。各レコードにはレコード番号が付けられており、測定値等に基づいて算出された補正後の新たな階調値は、当該測定値のレコードと同じレコード番号のレコードに記録される。そして、このレコードもまた、用紙の印刷可能な領域の搬送方向の長さに相当するドット列領域の数分だけ設けられている。
上述した方法にて各記録テーブルの各レコードに記録された、特定階調値Sa,Sb,・・・,Shと測定階調値Ca,Cb,・・・,Chとで対をなす8対の測定情報(Sa,Ca),(Sb,Cb),・・・,(Sh,Ch)を用いて、まず複数の補正情報を取得する。画像データ補正用テーブルを設定する場合には、各ドット列領域(レコード)ごとに、所定の濃度を示す階調値と、当該濃度の補正後の新たな階調値とで対をなす情報が補正情報となる。
各階調値に対応する補正情報は、次のようにして求める。まず、8つの測定情報のうちの3つの測定情報を用いて、ある補正情報を取得する。同様にして、例えば合計4つの補正情報を取得する。次に、取得した4つの補正情報、最高階調値、最低階調値、のいずれか2つの補正情報を用いて一次補間を行い、他の階調値に対応する補正後の新たな階調値を算出する。算出した補正後の新たな階調値と各濃度を示す階調値とを対応付けて補正情報とし、画像データ補正用テーブルの前記所定の濃度に対応するフィールドに記憶する。例えば、濃度30%に対応する補正情報を取得する際には、濃度10%の補正用パターン、濃度30%の補正用パターン、濃度50%の補正用パターンの各濃度を測定し3つの測定情報を用いて一次補間を行う。また、濃度50%に対応する補正情報を取得する際には、濃度30%の補正用パターン、濃度50%の補正用パターン、濃度70%の補正用パターンの各濃度を測定した3つの測定情報を用いて一次補間を行うというように、新たな階調値を求めるべき濃度と、例えば±20%の濃度との補正用パターンから取得した3つの測定情報を用いて補正後の新たな階調値を算出する。
図19は、前記3つの補正情報を用いて行われる一次補間を説明するためのグラフである。なお、グラフの横軸には、画像データにて示されるブラック(K)の階調値(以下、データ階調値という)Sを、また、縦軸には測定値Cとしてグレイスケールの階調値(以下、測定階調値という)をそれぞれ対応付けている。以下では、このグラフ上の各点の座標を(S,C)で示す。
周知なように、一次補間とは、2個の既知量の間、又はその外側の関数値を、それら3つのプロットされた点が直線上にあるとして求めるものである。そして、本実施形態にあっては、既知量は、前記3対の測定情報(Sa,Ca),(Sb,Cb),(Sc,Cc)であり、求める関数値は、測定階調値Cが目標値Ss1となるデータ階調値Sである。なお、本実施形態において目標値Ss1とは、所定の階調値に基づいて印刷されるべき画像の濃度を示す階調値であり、本来印刷されるべき所定の階調値の濃度を有する画像と同じ濃度のカラーサンプル(濃度見本)の測定階調値である。ここでは、3つの測定情報のうち真ん中の値となる測定情報の階調値にて本来表現されるべき濃度と同じ濃度のカラーサンプル(濃度見本)を、前記スキャナ装置100で読み取った際に出力されるグレイスケールの測定階調値である。このカラーサンプルは、濃度の絶対基準を示すものであり、すなわち、前記スキャナ装置100による測定階調値Cが、目標値Ss1を示せば、その測定対象は、前記真ん中の値Sbの濃度に見えるということを示している。すなわち、目標値Ss1となる濃度に印刷されるべき濃度が目標濃度に相当する。この目標濃度は、必ずしもカラーサンプルの濃度とする必要はなく、例えば、各ドット列領域毎に測定した測定値の平均値としても良い。カラーサンプルを用いる場合には、単に濃度ムラを抑制するだけでなく、カラーサンプルの濃度を基準として、印刷される画像の濃度を補正することが可能である。また、測定値の平均値を用いる場合には、カラーサンプルを測定する手間がかからず、補正情報をより早く取得しつつ、濃度ムラを抑制することが可能である。
図19に示すように、8つの測定情報のうち例えば3つの測定情報(Sa,Ca),(Sb,Cb),(Sc,Cc)は、それぞれにグラフ上における座標が(Sa,Ca)の点A、(Sb,Cb)の点B、(Sc,Cc)の点Cとして表される。このうちの二点B,Cを結ぶ直線BCが、濃度が高い範囲におけるデータ階調値Sの変化と測定値Cの変化との関係を示しており、また、二点A,Bを結ぶ直線ABが、濃度が低い範囲におけるデータ階調値Sの変化と測定値Cとの変化との関係を示している。
そして、この2つの直線AB,BCから構成されるグラフから、測定階調値Cが前記目標値Ss1となるデータ階調値Sの値Soを読み取って、3つの測定情報のうち真ん中の値Sbとなる測定情報の濃度の補正後の新たな階調値Soとする。例えば、図示例のように、前記目標値Ss1が、前記点Bの測定値Cbよりも大きい場合には、直線BCを用いて一次補間を行い、測定値Cが目標値Ss1となるデータ階調値Sに対応する補正後の新たな階調値Soとする。逆に、前記目標値Ss1が、前記点Bの測定階調値Cbよりも小さい場合には、直線ABを用いて一次補間を行い、測定階調値Cが目標値Ss1となるデータ階調値Sに対応する補正後の新たな階調値Soとする。
このようにして、例えば濃度10%、濃度30%、濃度50%の各補正用パターンから30%に対応する補正情報を、濃度20%、濃度40%、濃度60%の各補正用パターンから40%に対応する補正情報を、濃度30%、濃度50%、濃度70%の各補正用パターンから50%に対応する補正情報を、濃度40%、濃度60%、濃度80%の各補正用パターンから60%に対応する補正情報をそれぞれ取得する。
図20は、供給された画像データにて与えられるデータ階調値と、補正後の新たな階調値とを対応させる画像データ補正用テーブルを説明するためのグラフである。
図20のグラフにおいて、横軸は、画像データにて示されるブラック(K)のデータ階調値S、縦軸は補正後の新たな階調値である。そして、濃度30%に相当するデータ階調値(例えば77)、濃度40%に相当するデータ階調値(例えば102)、濃度50%に相当するデータ階調値(例えば128)、濃度60%に相当するデータ階調値(例えば153)に対応するデータとして、取得された補正後の新たな階調値がプロットされ、各補正情報間が直線にて繋がれている。このように、2つの補正情報間を直線にて繋ぐ場合には、繋がれた一方の補正情報が第1補正情報となり、他方が第2補正情報となる。このとき、印刷した画像にて表現可能な最低濃度、すなわち濃度0に相当する階調値「0」及び濃度0に対応する階調値So「0」と、濃度30%に対応する補正情報が直線にて繋がれている領域では、濃度30%に対応する補正情報が第1補正情報となり、濃度0に相当する階調値「0」と、濃度0に対応する階調値So「0」とが第2補正情報となる。また、最高濃度、すなわち濃度100%に相当する階調値「255」及び濃度100%に対応する階調値So「255」と、濃度60%に対応する補正情報とが直線にて繋がれている領域では、濃度60%に対応する補正情報が第1補正情報となり、濃度100%に相当する階調値「255」と、濃度100%に対応する階調値So「255」とが第2補正情報となる。
このグラフに基づいて画像データ補正用テーブルは設定される。本実施形態の場合には、濃度0、30%、40%、50%、60%に対応するフィールドに取得された補正後の新たな階調値が記憶される。そして、例えば濃度30%と濃度40%との間となる濃度、すなわち濃度30%及び濃度40%を除く濃度の補正後の新たな階調値は、濃度30%を示す階調値を第1階調値とし、濃度40%を示す階調値を第2階調値とし、濃度30%に対応付けた第1補正情報(C30,So30)と濃度40%に対応付けた第2補正情報(C40,So40)とを一次補間することにより、全てのドット列領域を同一の各濃度にて印刷させるための新たな階調値を求め、画像データ補正用テーブルの対応するフィールドに記憶される。
例えば、画像データとして濃度35%を示す階調値C35が与えられた場合には、図20のグラフに基づいて、補正後の新たな階調値としてSo35に変換されることになる。各データ階調値に対応する補正後の新たな階調値の求め方を式にて表現すると次のようになる。
濃度30%に対応付けた第1補正情報と濃度40%に対応付けた第2補正情報とを繋ぐ直線は、以下に示す式1で表現できる。
Sox=[(So30−So40)/(C30−C40)]・(Cx−C30)+So30…式1
そして、この式1の任意のデータ階調値CxにC35を代入すると、画像データの濃度35%に対する補正後の新たな階調値Soxが求められる。
補正後の新たな階調値を求める演算を行うためのプログラムは、前述した検査ラインのコンピュータ1100Aが備えるメモリに格納されている。
演算により得られた各濃度に対する補正後の新たな階調値は、図18に示す画像データ補正用テーブルの対応するフィールドに格納される(S124b)。すなわち、コンピュータ1100Aは、まず、記録テーブルの同一レコードから3つの測定情報(Sa,Ca),(Sb,Cb),(Sc,Cc)を読み出して4つの補正情報を取得する。次に、取得した4つの補正情報、最低濃度の補正情報、最高濃度の補正情報、のうち2つの補正情報を式1に代入して、2つの補正情報に対応する2つの濃度間の補正後の新たな階調値を算出する。算出した補正後の新たな階調値を画像データ補正用テーブルにおける同じレコード番号のレコードに記録する。
そして、本印刷する際には(S140)、アプリケーションから供給された画像データは、印刷データに変換される(S140a)。すなわち、供給された画像データは、まず解像度変換処理、色変換処理される。その後、ハーフトーン処理によりCMYK画像データの各画素データは各々、ディザ法等により処理されるとともに、C、M、Kの各画像データは、画像データ補正用テーブルに基づいて補正後の新たな階調値に変換される。変換されたCMYK画像データは、ラスタライズ処理が実行されて、印刷データに変換される。そして、プリンタは、変換された印刷データに基づいて印刷する(S140b)。このように画像データを変換し印刷することにより、用紙の搬送方向における濃度ムラを抑制した良好な画像を印刷することが可能である。
上述したプリンタによれば、ドット列領域毎の濃度の補正をシアン、マゼンタ、ブラックのみ実行するので、プリンタにて印刷可能なすべての色に対し補正を実行しない。このため、すべての色に対し補正を実行する場合と比較して濃度補正を短時間にて実行することが可能であり、スループットが向上する。
特に、シアンとマゼンタとブラックは、濃度が高く、比較的濃度ムラが視認されやすいので、このシアンとマゼンタとブラックに対して補正を実行することにより、効果的に濃度ムラを抑制することが可能である。また、シアンとマゼンタとブラックは、ノズル列に対応したインクの色であるため、各々の色に対応し各ノズル列に供給される画像データを補正することにより、容易に補正を実行することが可能である。
また、補正に用いるデータを取得、生成する工程における作業工数が低減され、この工程に費やされる時間も短縮されるため、生産性が向上し製造コストを低減させることが可能である。また、シアン、マゼンタ、ブラックについては補正を実行するため、補正をしない場合と比較して、ドット列領域間の濃度ムラを抑制することが可能である。
さらに、シアン、マゼンタ、ブラックについては、複数の階調について各階調毎に補正パターンを印刷し、実際に印刷した補正パターンを読み取った結果に基づいて補正を実行するので、実機に対応し適切な情報を取得することが可能であり、取得した適切な情報に基づいてより適切な補正を実行することが可能である。
また、ドット列領域間の濃度ムラは、印刷されたドット列に起因して発生するが、ドット列は印刷方式や使用する吐出部の相違、形成するドット列の媒体に対する相対位置等により発生状況が異なる。このため、上記印刷装置のように、補正の対象とするシアン、マゼンタ、ブラックの各色の階調毎に、用紙の搬送方向に沿って帯状の補正パターンを印刷し、印刷した補正用パターンを読み取った結果に基づいて補正を実行することにより、実際に印刷する印刷方式、実際にドットを形成する吐出部、用紙に対する相対位置等に対応して適切な補正を実行することが可能である。さらに、補正用パターンは、キャリッジの移動方向に沿って並べて印刷されるので、搬送方向の濃度ムラを補正するための補正用パターンとして好適な搬送方向に沿った帯状の補正用パターンをより多く1枚の用紙に印刷可能である。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタ1について記載されているが、その中には、印刷装置、印刷方法、印刷システム等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ1等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
また、本実施形態においては、用紙搬送方向に発生する濃度ムラを補正するプリンタ及び印刷方法について説明したが、上記補正方法は、例えばヘッドが搭載されたキャリッジの移動に伴う振動などプリンタ1を構成する機構に起因して、搬送方向に沿う方向に発生する縦縞状の濃度ムラにも適用可能である。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ1の実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出するインクは、このようなインクに限られるものではない。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<濃度補正対象等について>
上記実施形態においては、濃色系インク、すなわち、ブラック、シアン、マゼンタを補正の対象としたが、これらの色に限るものではない。例えば、レッド、パープル、グリーン等のインクが吐出可能であり、これらの色にて印刷された部位の濃度ムラが視認されやすい場合には、レッド、パープル、グリーン等も補正対象としても良い。すなわち、吐出可能なインク色のうち、濃度ムラが視認されやすい色を適宜選択し、選択した色のインクにて印刷した補正用パターンにて補正用テーブルを生成し、生成した補正用テーブルに基づいて選択した色のみ濃度補正を実行してもよい。このように選択した色のみ濃度補正を実行することにより、すべての色を対象として濃度補正を実行する場合より、濃度補正を短時間にて実行することが可能であり、スループットが向上し、且つ、効果的に濃度ムラを抑制することが可能である。
前述の実施形態では、補正対象をCMYK画像データとしたが、これに限定されるものではない。たとえば、ハーフトーン処理にて変換されるドット生成率データや解像度変換処理で得られたRGB画像データを、濃度補正対象としてもよい。また、上記実施形態においては、補正用テーブルをメモリに格納しておく方法について説明したが、これに限らず、特定濃度に対応した複数の補正情報と、補正後の階調値を算出するための演算プログラムをメモリに格納しておき、画像データを印刷データに変換する際に演算処理を行ってもよい。この場合には、各画素データ毎に演算処理を実行するため、プリンタのスループットが低下する畏れがあるため、上記実施形態の方がより優れた効果を奏する。
<インクを吐出するキャリッジ移動方向について>
前述の実施形態では、キャリッジ31の往方向の移動時にのみインクを吐出する単方向印刷を例に説明したが、これに限るものではなく、キャリッジ31の往復たる双方向移動時にインクを吐出する所謂双方向印刷を行っても良い。
印刷システムの外観構成を示した説明図である。 本実施形態のプリンタ1の全体構成のブロック図である。 本実施形態のプリンタ1の全体構成の概略図である。 本実施形態のプリンタ1の全体構成の側断面図である。 ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。 ヘッドの駆動回路の説明図である。 各信号を説明するタイミングチャートである。 プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。 印刷時の動作のフローチャートである。 単色印刷された画像中に生じる濃度ムラであって、用紙の搬送方向に生じる濃度ムラを説明する図である。 本実施形態に係る画像の印刷方法に関連する工程等の流れを示すフローチャートである。 補正用テーブルの設定に使用される機器を説明するブロック図である。 コンピュータのメモリに設けられた記録テーブルの概念図である。 図11中のステップS120の手順を示すフローチャートである。 印刷された補正用パターンCPの一例を説明する図である。 図16Aはスキャナ装置の縦断面図であり、図16Bはスキャナ装置の平面図である。 補正用パターンCPkの濃度の測定値の一例を示す図である。 プリンタのメモリに設けられた補正用テーブル格納部に格納された画像データ補正用テーブルの概念図である。 3対の補正情報を用いて行われる一次補間を説明するためのグラフである。 供給された画像データにて与えられるデータ階調値と、補正後の階調値とを対応させる画像データ補正用テーブルを説明するためのグラフである。
符号の説明
1 プリンタ(インクジェットプリンタ),20 搬送ユニット,21 給紙ローラ,
22 搬送モータ,23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,
30 キャリッジユニット,31 キャリッジ,40 ヘッドユニット,
41 ヘッド,50 センサ,51 リニア式エンコーダ,
52 ロータリー式エンコーダ,53 紙検出センサ,54 紙幅センサ,
60 コントローラ,61 インターフェース部,62 CPU,
63 メモリ,63a 補正用テーブル格納部,
64 ユニット制御回路,644A 原駆動信号発生部,644B 駆動信号整形部,
90 インクカートリッジ,100 スキャナ装置,101 原稿,
102 原稿台ガラス,104 読取キャリッジ,106 露光ランプ,
108 リニアセンサ,
1100(1100A) コンピュータ,1102 ビデオドライバ,
1110 プリンタドライバ,1200 表示装置,
1300 入力装置,1300A キーボード,1300B マウス,
1400 記録再生装置,
1400A フレキシブルディスクドライブ装置,
1400B CD−ROMドライブ装置,
CP 補正用パターン

Claims (13)

  1. 互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を有し、
    前記複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に濃度の補正を実行する印刷装置において、
    前記複数色のうち、所定の色のみ前記補正を実行することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記所定の色毎に複数の階調にて、前記階調毎に印刷した補正用パターンを読み取った結果に基づいて、前記補正を実行することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置において、
    前記補正用パターンは、各々の色の階調毎に、前記媒体の前記所定方向に沿って印刷されることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の印刷装置において、
    各々の前記補正用パターンは、前記移動方向に沿って並べて印刷されることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記補正を実行するために必要な前記補正用パターンは、1つの前記媒体にすべて印刷されることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記所定の色は、前記ドット列領域間の濃度ムラが視認されやすい色であることを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記所定の色は、前記複数色のうち濃度が高い色であることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記所定の色は、シアンとマゼンタとブラックとの少なくとも一色を含むことを特徴とする印刷装置。
  9. シアンとマゼンタとブラックとを含み互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を有し、
    前記複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に濃度の補正を実行する印刷装置において、
    前記複数色のうち、前記シアンと前記マゼンタと前記ブラックとの少なくとも一色を含む各色毎に複数の階調にて、前記階調毎に、前記媒体の前記所定方向に沿う補正用パターンを、前記移動方向に沿って並べて1つの前記媒体にすべて印刷印刷し、
    印刷した前記補正用パターンを読み取った結果に基づいて、前記所定の色のみ前記補正を実行することを特徴とする印刷装置。
  10. 互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を有し、
    前記複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に濃度の補正を実行する印刷装置に、
    前記複数色のうち、所定の色のみ前記補正を実行させる機能を実現させることを特徴とするコンピュータプログラム
  11. コンピュータ本体と、
    前記コンピュータ本体と接続され、互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を有し、
    前記複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に濃度の補正を実行する印刷装置と、
    を有する印刷システムにおいて、
    前記複数色のうち、所定の色のみ前記補正を実行することを特徴とする印刷システム。
  12. 互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に、前記複数色のうち、所定の色のみ濃度の補正を実行するステップと、
    前記複数の吐出部を移動させつつインクを吐出して印刷するステップとを有することを特徴とする印刷方法。
  13. 互いに異なる複数色のインクを吐出し、前記インクの色毎に所定方向に沿って配置されされた複数の吐出部を前記所定方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出した際に、各々の前記吐出部にて前記移動方向に沿うドット列が形成された媒体におけるドット列領域間の濃度ムラを抑制すべく前記ドット列領域毎に実行する濃度の補正に用いる補正用パターンにおいて、
    前記複数色のうち、所定の色のみ印刷されていることを特徴とする補正用パターン。

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