JP2005254574A - 印刷方法、印刷装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷画像の印刷ムラを抑制する。
【解決手段】本発明は、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して、媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成し、前記媒体を搬送方向に搬送し、前記ドット列の形成と前記媒体の搬送とを繰り返して、所定の間隔で前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列により前記媒体に画像を構成する印刷方法に関する。そして、本発明は、各ドット列について、該ドット列を挟む2つのドット列のうち一方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも離れ、他方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも近くなる場合、前記一方のドット列の濃度を濃くするための補正を行い、前記他方のドット列の濃度を淡くするための補正を行い、この補正結果に基づいて、各ドット列を形成することを特徴とする。
【選択図】 図18

Description

本発明は、媒体にドットを形成する印刷方法、印刷装置及びプログラムに関する。
画像を印刷する印刷装置として、媒体(紙、布、OHP用シート等)にインクを吐出してドットを形成するインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという。)が知られている。このプリンタは、キャリッジとともに移動する複数のノズルからインクを吐出して用紙にドットを形成するドット形成動作と、搬送ユニットにより用紙を移動方向と交差する交差方向(以下、搬送方向ともいう。)に搬送する搬送動作とを交互に繰り返す。これらの動作の繰り返しにより、用紙には、キャリッジの移動方向に沿う複数のドットから構成されたラスタラインが形成される。そして、このラスタラインが搬送方向に複数形成されることで画像が印刷される。
この種のプリンタでは、インク滴の量や飛行方向などのインク滴の吐出特性が、ノズル毎にばらつく。この吐出特性のばらつきは、印刷画像の濃度ムラの原因となるため好ましくない。そこで、従来は、ノズル毎に補正値を設定し、設定された補正値に基づいて、インクの量を調整していた(例えば、特許文献1を参照。)。
この従来の方法では、ノズル毎のインク吐出量の特性を示す出力特性係数を、ヘッド特性レジスタに記憶させている。そして、インク滴の吐出時に、この出力特性係数を用いることで、印刷画像の濃度ムラを防止している。
特開平2−54676号公報(第2頁,第4図)
ところで、前述した従来の方法は、ノズル毎の吐出量を補正するものであり、インク滴の飛行曲がりに起因する濃度ムラについては考慮されていない。この濃度ムラは、ノズルから吐出されるインク滴の着弾位置に関し、正規の位置よりも搬送方向へずれることによって生じる。すなわち、隣り合うラスタライン同士の間隔が、規定の間隔よりも狭くなったり、広くなったりすることで濃度ムラが生じる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、印刷画像の品質を高めることのできる印刷装置、印刷方法、及び印刷システムを実現することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して、媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成し、前記媒体を搬送方向に搬送し、前記ドット列の形成と前記媒体の搬送とを繰り返して、所定の間隔で前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列により前記媒体に画像を構成する印刷方法に関する。そして、各ドット列について、該ドット列を挟む2つのドット列のうち一方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも離れ、他方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも近くなる場合、前記一方のドット列の濃度を濃くするための補正を行い、前記他方のドット列の濃度を淡くするための補正を行い、この補正結果に基づいて、各ドット列を形成することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して、媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成し、
前記媒体を搬送方向に搬送し、
前記ドット列の形成と前記媒体の搬送とを繰り返して、所定の間隔で前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列により前記媒体に画像を構成する印刷方法であって、
各ドット列について、該ドット列を挟む2つのドット列のうち一方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも離れ、他方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも近くなる場合、前記一方のドット列の濃度を濃くするための補正を行い、前記他方のドット列の濃度を淡くするための補正を行い、
この補正結果に基づいて、各ドット列を形成する
ことを特徴とする印刷方法。
このような印刷方法によれば、効率よく濃度ムラを補正することができる。
かかる印刷方法であって、前記一方のドット列との間隔及び前記他方のドット列との間隔の平均値に応じて、前記一方のドット列と前記他方のドット列に挟まれる前記ドット列について前記補正を行うことが望ましい。このような印刷方法によれば、正規の位置からずれて形成されたドット列の補正値はゼロに近づくので、ほとんど濃度補正が行われない。これにより、濃度を濃くする領域と濃度を薄くする領域とが、補正されないドット列を挟んで搬送方向に離れているので、濃度ムラを補正する効果が低下せずに済む。
かかる印刷方法であって、前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列からなる補正用パターンを前記媒体に形成し、前記補正用パターンに基づいて、隣接する前記ドット列との間隔に関する情報を測定し、この測定結果に基づいて、前記補正を行うことが望ましい。これにより、各プリンタのインク滴の飛行曲がりに応じた濃度補正を行うことができる。
かかる印刷方法であって、前記補正用パターンの濃度を測定し、前記測定結果に基づいて、前記補正を行うことが望ましい。ドット列間濃度に基づいて2つのドット列の間隔を推定することが可能だからである。但し、前記補正用パターンを構成する複数の前記ドット列の間隔を測定し、前記測定結果に基づいて、前記補正を行っても良い。
かかる印刷方法であって、前記情報をメモリに記憶し、前記媒体に前記画像を印刷する際に、前記メモリから前記情報を読み出し、前記読み出された前記情報に基づいて、前記補正を行うことが望ましい。これにより、各印刷装置のインク滴の飛行曲がりに応じた濃度補正を行うことができる。
かかる印刷装置であって前記ドット列は、階調値に応じた濃度で前記ノズルからインクを吐出して形成され、前記補正は、前記階調値を変化させるものであることが望ましい。これにより、媒体に形成されるドット列の濃度を補正することができる。
複数のノズルを移動方向に移動させる移動体と、
媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
を備え、
前記移動方向に移動する前記ノズルからインクを吐出して前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット列形成動作と、前記搬送ユニットにより前記媒体を搬送方向に搬送する搬送動作とを繰り返して、前記所定の間隔で前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列により前記媒体に画像を構成する印刷装置であって、
各ドット列について、該ドット列を挟む2つのドット列のうち一方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも離れ、他方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも近くなる場合、前記一方のドット列の濃度を濃くするための補正を行い、前記他方のドット列の濃度を淡くするための補正を行い、
この補正結果に基づいて、各ドット列を形成する
ことを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、効率よく濃度ムラを補正することができる。
複数のノズルを移動方向に移動させる移動体と、
媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
を備え、
前記移動方向に移動する前記ノズルからインクを吐出して前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット列形成動作と、前記搬送ユニットにより前記媒体を搬送方向に搬送する搬送動作とを繰り返して、前記所定の間隔で前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列により前記媒体に画像を構成する
印刷装置に、
各ドット列について、該ドット列を挟む2つのドット列のうち一方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも離れ、他方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも近くなる場合、前記一方のドット列の濃度を濃くするための補正を行い、前記他方のドット列の濃度を淡くするための補正を行い、この補正結果に基づいて、各ドット列を形成する機能
を実現させることを特徴とするプログラム。
このようなプログラムによれば、効率よく濃度ムラを補正することができる。
===印刷システムの構成===
次に、印刷システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、印刷システム1000の外観構成を示した説明図である。この印刷システム1000は、プリンタ1と、コンピュータ1100と、表示装置1200と、入力装置1300と、記録再生装置1400とを備えている。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。なお、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図9を参照。)を例に挙げて説明することにする。コンピュータ1100は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、当該画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。表示装置1200は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラム1104やプリンタドライバ1110(図2を参照。)等のユーザーインタフェースを表示する。入力装置1300は、例えばキーボード1300Aやマウス1300Bであり、表示装置1200に表示されたユーザーインタフェースに沿って、アプリケーションプログラム1104の操作やプリンタドライバ1110の設定等に用いられる。記録再生装置1400は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置1400AやCD−ROMドライブ装置1400Bが用いられる。
コンピュータ1100にはプリンタドライバ1110がインストールされている。プリンタドライバ1110は、表示装置1200にユーザーインタフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバ1110は、フレキシブルディスクやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、このプリンタドライバ1110は、インターネットを介してコンピュータ1100にダウンロードすることも可能である。そして、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
なお、「印刷装置」とは、狭義にはプリンタ1を意味するが、広義にはプリンタ1とコンピュータ1100とのシステムを意味する。
===プリンタドライバ===
<プリンタドライバについて>
図2は、プリンタドライバ1110が行う基本的な処理の概略的な説明図である。なお、既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
コンピュータ1100では、このコンピュータ1100に搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ1102、アプリケーションプログラム1104、及びプリンタドライバ1110などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ1102は、アプリケーションプログラム1104やプリンタドライバ1110からの表示命令に従って、例えばユーザーインタフェース等を表示装置1200に表示させる機能を有する。アプリケーションプログラム1104は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザーは、アプリケーションプログラム1104のユーザーインタフェースを介して、アプリケーションプログラム1104により編集した画像を印刷するための指示を与えることができる。アプリケーションプログラム1104は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ1110に画像データを出力する。
プリンタドライバ1110は、アプリケーションプログラム1104から画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換し、印刷データをプリンタ1に出力する。画像データは、印刷される画像の画素に関するデータとして画素データを有している。そして、この画素データは、後述する各処理の段階に応じて、その階調値等が変換され、最終的に印刷データの段階では、用紙上に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)に変換される。ここで、印刷データは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、前述した画素データと、各種のコマンドデータとを有するデータである。また、コマンドデータとは、プリンタ1に特定の動作の実行を指示するためのデータであり、例えば搬送量を示すデータである。
なお、画素とは、インクを着弾させドットを形成する位置を規定するために、用紙上に仮想的に定められた方眼状の升目である。言い換えると、この画素は、ドットを形成し得る媒体上の領域であり、「ドットの形成単位」と表現することもできる。
プリンタドライバ1110は、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理などを行う。以下、プリンタドライバ1110が行う各種の処理について説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙Sに画像を印刷する際の解像度(印刷するときのドットの間隔であり、印刷解像度ともいう。)に変換する処理である。例えば、印刷解像度が720×720dpiに指定されている場合には、アプリケーションプログラム1104から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。この変換方法としては、画素データの補間や間引きなどがある。例えば、画像データの解像度が、指定された印刷解像度よりも低い場合には、線形補間等を行って隣り合う画素データ同士の間に新たな画素データを生成する。逆に、画像データの解像度が、指定された印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合で画素データを間引く等して、画像データの解像度を印刷解像度に揃える。また、この解像度変換処理においては、画像データに基づいて印刷領域(実際にインクが吐出される領域)のサイズ調整も行う。
なお、この画像データ中の各画素データは、RGB色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を有するデータである。以下、このRGBの階調値を有する画素データのことをRGB画素データと言い、また、これらRGB画素データから構成される画像データをRGB画像データと言う。
色変換処理は、前述したRGB画像データの各RGB画素データを、CMYK色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を有するデータに変換する処理である。このCMYKは、プリンタ1が有するインクの色である。すなわち、Cはシアンを意味する。また、Mはマゼンタを、Yはイエローを、Kはブラックをそれぞれ意味する。以下、このCMYKの階調値を有する画素データのことをCMYK画素データといい、これらCMYK画素データから構成される画像データのことをCMYK画像データという。この色変換処理は、RGBの階調値とCMYKの階調値とを対応付けたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバ1110が参照することによって行われる。
ハーフトーン処理は、多段階の階調値を有するCMYK画素データを、プリンタ1が表現可能な、少段階の階調値を有するCMYK画素データに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256段階の階調値を示すCMYK画素データが、4段階の階調値を示す2ビットのCMYK画素データに変換される。この2ビットのCMYK画素データは、各色について、例えば、「ドットの形成なし」(2進数の値として「00」)、「小ドットの形成」(同じく「01」)、「中ドットの形成」(同じく「10」)、「大ドットの形成」(同じく「11」)を示すデータである。
このようなハーフトーン処理には、例えばディザ法等が利用され、プリンタ1がドットを分散して形成できるような2ビットのCMKY画素データを作成する。なお、このディザ法によるハーフトーン処理については、後述する。また、このハーフトーン処理に用いる方法は、ディザ法に限るものではなく、γ補正法や誤差拡散法等を利用しても良い。そして、本実施形態では、このハーフトーン処理において、補正値に基づく濃度補正が行われる。この濃度補正については、後で詳細に説明する。
ラスタライズ処理は、ハーフトーン処理がなされたCMYK画像データを、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、前述した印刷データとしてプリンタ1に出力される。
<ディザ法によるハーフトーン処理について>
ここで、ディザ法によるハーフトーン処理について詳細に説明する。図3は、このディザ法によるハーフトーン処理のフローチャートである。プリンタドライバ1110は、当該フローチャートに従って、以下のステップを実行する。
まず、ステップS300において、プリンタドライバ1110は、CMYK画像データを取得する。このCMYK画像データは、例えば、C,M,Y,Kの各インク色につき256段階の階調値で示された画像データから構成される。すなわち、CMYK画像データは、シアン(C)に関するC画像データ、マゼンタ(M)に関するM画像データ、イエロー(Y)に関するY画像データ、及びブラック(K)に関するK画像データを備えている。そして、これらC,M,Y,K画像データは、それぞれに、各インク色の階調値を示すC,M,Y,K画素データから構成されている。なお、以下の説明は、C,M,Y,K画像データの何れについてもあてはまるため、これらを代表してK画像データについて説明する。
プリンタドライバ1110は、K画像データ中の全てのK画素データを対象として、ステップS301からステップS311までの処理を、処理対象のK画素データを順次変えながら実行する。これらの処理により、K画像データを、K画素データ毎に、前述した4段階の階調値を示す2ビットデータに変換する。
この変換処理について詳しく説明する。まず、ステップ301では、処理対象のK画素データの階調値に応じて、大ドットのレベルデータLVLを設定する。この設定には、例えば生成率テーブルが用いられる。図4は、大、中、小の各ドットに対するレベルデータの設定に利用される生成率テーブルを示す図である。同図において、横軸は階調値(0〜255)、左側の縦軸はドットの生成率(%)、右側の縦軸はレベルデータである。ここで、レベルデータとは、ドットの生成率を値0〜255の256段階に変換したデータをいう。また、「ドットの生成率」とは、一定の階調値に応じて一様な領域が再現されるときに、その領域内の画素のうちでドットが形成される画素の割合を意味する。例えば、ある階調値におけるドット生成率が、大ドット65%、中ドット25%、及び小ドット10%であり、このドット生成率で、縦方向に10画素であって横方向に10画素からなる100画素の領域内を印刷したとする。この場合には、100画素のうち大ドットが形成される画素が65個、中ドットが形成される画素が25個、小ドットが形成される画素が10個となる。そして、図4中の細い実線で示されるプロファイルSDが小ドットの生成率を示している。また、太い実線で示されるプロファイルMDが中ドットの生成率を、破線で示されるプロファイルLDが大ドットの生成率をそれぞれ示している。
従って、ステップS301では、大ドット用のプロファイルLDから階調値に応じたレベルデータLVLを読み取る。例えば、図4に示すように、処理対象のK画素データの階調値がgrであれば、レベルデータLVLはプロファイルLDとの交点から1dと求められる。実際には、このプロファイルLDは、コンピュータ1100内に設けられたROM等のメモリ(図示せず)に、例えば、1次元のテーブルの形態で記憶されている。そして、プリンタドライバ1110は、このテーブルを参照することによりレベルデータを求める。
ステップS302では、以上のようにして設定されたレベルデータLVLが閾値THLより大きいか否かを判定する。ここでは、ディザ法によるドットのオン・オフ判定を行う。閾値THLは、所謂ディザマトリクスの各画素ブロックに対して異なる値が設定されている。本実施形態では16×16の正方形の画素ブロックに、0〜254までの値が現れるディザマトリックスを用いている。
図5は、ディザ法によるドットのオン・オフ判定を示す図である。図示の都合上、図5には、一部のK画素データについてのみ示している。まず、各K画素データのレベルデータLVLを、当該K画素データに対応するディザマトリクス上の画素ブロックの閾値THLと比較する。そして、このレベルデータLVLの方が閾値THLよりも大きい場合にはドットをオンにし(つまり、ドットを形成し)、レベルデータLVLの方が小さい場合にはドットをオフにする(つまり、ドットを形成しない)。同図においては、ドットのマトリクスにおいて、網掛けを施した領域の画素データが、ドットをオンにするK画素データである。すなわち、ステップS302において、レベルデータLVLが閾値THLよりも大きい場合には、ステップS310に進み、それ以外の場合にはステップS303に進む。ここで、ステップS310に進んだ場合には、プリンタドライバ1110は、当該処理対象のK画素データに対して、大ドットを示す画素データ(2ビットデータ)として値「11」を対応付けて記録し、ステップS311に進む。そして、当該ステップS311において、全てのK画素データについて処理を終了したか否かを判断し、終了している場合には、ハーフトーン処理を終了する。一方、終了していない場合には、処理対象を未処理のK画素データに移して、ステップS301に戻る。
ステップS303に進んだ場合には、プリンタドライバ1110は、中ドットのレベルデータLVMを設定する。中ドットのレベルデータLVMは、その階調値に基づいて、前述の生成率テーブルにより設定される。この中ドットのレベルデータLVMの設定方法は、大ドットのレベルデータLVLの設定と同様である。すなわち、図4の例において、階調値grに対応するレベルデータLVMは、中ドットの生成率を示すプロファイルMDとの交点で示される2dとして求められる。
次に、ステップS304では、中ドットのレベルデータLVMと閾値THMの大小関係が比較され、中ドットのオン・オフ判定が行われる。オン・オフ判定の方法は、大ドットの場合と同様である。ここで、中ドットのオン・オフ判定では、判定に用いる閾値THMを、大ドットの場合の閾値THLとは異なる値としている。すなわち、大ドットと中ドットで同じディザマトリクスを用いてオン・オフ判定を行うと、ドットがオンになりやすい画素ブロックが両者で一致する。つまり、大ドットがオフとなるときには中ドットもオフになる可能性が高くなる。その結果、中ドットの生成率は所望の生成率よりも低くなる虞がある。このような現象を回避するため、本実施形態では、大ドットと中ドットとでディザマトリクスを変えている。つまり、オンになり易くなる画素ブロックを、大ドットと中ドットとで変えることで、それぞれのドットが適切に形成されるようにしている。
図6A及び図6Bは、大ドットの判定に用いられるディザマトリクスと、中ドットの判定に用いられるディザマトリクスとの関係について示す図である。この実施形態において、大ドットについては、図6Aの第1のディザマトリクスTMを用いる。また、中ドットについては、図6Bの第2のディザマトリクスUMを用いる。この第2のディザマトリクスUMは、第1のディザマトリクスTMにおける各閾値を、搬送方向(図における上下方向に相当する。)の中央を中心として対称に移動したものである。なお、本実施形態では、先に述べたように16×16のマトリクスを用いているが、図示の都合上、図6には4×4のマトリクスで示している。また、大ドットと中ドットで全く異なるディザマトリクスを用いるようにしても良い。
そして、ステップS304において、中ドットのレベルデータLVMが、中ドットの閾値THMよりも大きい場合には、中ドットをオンにすべきと判定して、ステップS309に進み、それ以外の場合にはステップS305に進む。ここで、ステップS309に進んだ場合には、プリンタドライバ1110は、当該処理対象のK画素データに対して、中ドットを示す画素データ「10」を対応付けて記録し、ステップS311に進む。そして、当該ステップ311において、全てのK画素データについて処理を終了したか否かを判断し、終了している場合には、ハーフトーン処理を終了する。一方、終了していない場合には、処理対象を未処理のK画素データに移して、ステップS301に戻る。
ステップS305に進んだ場合には、大ドットや中ドットのレベルデータの設定と同様にして、小ドットのレベルデータLVSを設定する。なお、小ドット用のディザマトリクスは、小ドットの生成率の低下を防ぐため、前述したように中ドットや大ドット用のものと異なるものとするのが望ましい。
そして、ステップS306において、プリンタドライバ1110は、レベルデータLVSと小ドットの閾値THSとを比較し、レベルデータLVSが小ドットの閾値THSよりも大きい場合には、ステップS308に進み、それ以外の場合にはステップS307に進む。ここで、ステップS308に進んだ場合には、当該処理対象のK画素データに対して、小ドットを示す画素データ「01」を対応付けて記録し、ステップS311に進む。そして、当該ステップ311において、全てのK画素データについて処理を終了したか否かを判断し、終了していない場合には、処理対象を未処理のK画素データに移して、ステップS301に戻る。一方、終了している場合には、ハーフトーン処理を終了する。
ステップS307に進んだ場合には、プリンタドライバ1110は、当該処理対象のK画素データに対して、ドット無しを示す画素データ「00」を対応付けて記録し、ステップS311に進む。そして、当該ステップ311において、全てのK画素データについて処理を終了したか否かを判定し、終了していない場合には、処理対象を未処理のK画素データに移して、ステップS301に戻る。一方、終了している場合には、ハーフトーン処理を終了する。
<プリンタドライバの設定について>
図7は、プリンタドライバ1110のユーザーインタフェースの説明図である。このプリンタドライバ1110のユーザーインタフェースは、ビデオドライバ1102を介して、表示装置1200に表示される。ユーザーは、入力装置1300を用いて、プリンタドライバ1110の各種の設定を行うことができる。基本設定としては、余白形態モードや画質モードの設定が用意され、また用紙設定としては、用紙サイズモードの設定等が用意されている。そして、プリンタドライバ1110は、このユーザーインタフェースによる設定に基づいて、印刷解像度や用紙Sの大きさを認識する。
===プリンタの構成===
<プリンタの構成について>
図8は、本実施形態のプリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図9は、本実施形態のプリンタ1の全体構成の概略図である。また、図10は、本実施形態のプリンタ1の全体構成の横断面図である。以下、これらの図を参照して、本実施形態のプリンタ1の基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、センサ群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ1100から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ1100から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、用紙Sに画像を印刷する。プリンタ1内の状況はセンサ群50によって監視されており、センサ群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。そして、センサ群50から検出結果を受けたコントローラ60は、その検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(すなわち、搬送方向)に所定の搬送量で用紙Sを搬送させるためのものである。ここで、用紙Sの搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。また、この搬送方向は、副走査方向とも表現することができる。このため、以下の説明では、搬送方向の位置を副走査位置と表現することもある。この搬送ユニット20は、用紙Sを搬送する搬送機構として機能し、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータともいう。)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に給紙するためのローラである。給紙ローラ21はD形の断面形状をしており、円周部分の長さは、搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されている。このため、この円周部分を用紙表面に当接させた状態で給紙ローラ21を回転させることにより、用紙Sを搬送ローラ23まで搬送できる。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送するためのモータであり、例えばDCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを、用紙Sの裏面側から支持する。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送方向へ搬送するためのローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
キャリッジユニット30は、キャリッジ31とキャリッジモータ32(CRモータ)とを備える。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を所定の方向(以下では、キャリッジ移動方向という。)に往復移動させるためのモータであり、例えばDCモータにより構成される。このキャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジ90を着脱可能に保持している。また、このキャリッジ31には、ノズルからインクを吐出するヘッド41が取り付けられる。このため、キャリッジ31の往復移動によって、ヘッド41及びノズルもキャリッジ移動方向に往復移動する。なお、このキャリッジ移動方向は、主走査方向とも表現できる。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを吐出するためのものである。このヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。このヘッド41は、ノズルを複数有しており、各ノズルから断続的にインクを吐出する。そして、ヘッド41がキャリッジ移動方向に移動している最中に、ノズルからインクを断続的に吐出することにより、用紙Sにラスタラインが形成される。このラスタラインは、キャリッジ移動方向に沿った複数のドットから構成され、ドット列とも呼ばれる。なお、ヘッド41の構成、このヘッド41を駆動するための駆動回路、及びヘッド41の駆動方法については、後で説明する。
センサ群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、及び紙幅センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31(ヘッド41)のキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。例示したリニア式エンコーダ51は、走査方向に沿って架設された帯状のスリット板と、キャリッジ31に取り付けられ、スリット板に形成されたスリットを検出するフォトインタラプタを有する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものであり、搬送ローラ23の回転に伴って回転する円盤状のスリット板と、スリット板に形成されたスリットを検出するフォトインタラプタを有する。紙検出センサ53は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が用紙Sを搬送ローラ23に向かって搬送する途中で、用紙Sの先端位置を検出できる位置に設けられている。なお、本実施形態における紙検出センサ53は、機械的な機構によって用紙Sの先端を検出するメカニカルセンサである。紙幅センサ54は、キャリッジ31に取り付けられている。本実施形態では、図11に示すように、搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズルとほぼ同じ位置に取り付けられている。この紙幅センサ54は、光学センサであり、発光部から用紙Sに照射された光の反射光を受光部にて受光する。そして、受光部での受光強度に基づいて用紙Sの有無が検出できる。
コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。このコントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ1100とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等が用いられ、記憶手段を構成する。そして、CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従い、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。また、本実施形態では、このメモリ63の一部領域を、後述する補正用データを格納するための補正用データ格納部63aとして利用している。
<ヘッドの構成について>
図11は、ヘッド41の下面(つまり、用紙Sとの対向面)におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル列Nkと、シアンインクノズル列Ncと、マゼンタインクノズル列Nmと、イエローインクノズル列Nyが形成されている。各ノズル列は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを、n個(例えば、n=180)備えている。各ノズル列の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ、つまり、用紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。図示の例において、各ノズル列のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯n)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯nよりも搬送方向の下流側(つまり、用紙Sの上端側)に位置している。
そして、このようなノズル列をヘッド41に設けると、一回のドット形成動作でドットが形成される範囲が広くなり、印刷時間の短縮化が図れる。また、これらのノズル列は、インクの色毎に備えられているので、これらの各ノズル列から適宜インクを吐出させることで、多色印刷を行うことができる。また、各ノズルに連通するインク流路の途中には圧力室(図示せず)が設けられている。各圧力室には、各ノズルからインク滴を吐出させるための駆動素子として、例えばピエゾ素子(図示せず)が設けられている。
<ヘッドの駆動について>
図12は、ヘッドユニット40の説明図である。また、図13は、各信号のタイミングの説明図である。
ヘッドユニット40は、ヘッド41を有するとともに、ヘッド41を駆動するヘッド駆動回路42と、原駆動信号ODRVを発生する原駆動信号発生部43とを有する。なお、ヘッド41は、各色のノズル列を有するとともに、ノズル数分のピエゾ素子PZTと、各ピエゾ素子PZTに設けられた圧力室(不図示)とを有する。
ヘッド駆動回路42は、180個の第1シフトレジスタ421と、180個の第2シフトレジスタ422と、ラッチ回路群423と、データセレクタ424と、180個のスイッチSWとを有する。図中のかっこ内の数字は、部材(又は信号)が対応するノズルの番号を示している。このヘッド駆動回路は、シリアル伝送される印刷信号PRTに基づいて180個のピエゾ素子PZTをそれぞれ駆動し、各ノズルからインク滴を吐出するためのものである。このヘッド駆動回路42は、各色のノズル列毎に設けられている。
原駆動信号ODRVは、180個のピエゾ素子に対して共通に供給される信号である。この原駆動信号ODRVは、ノズルが一画素分の距離を横切る時間内に、第1パルスW1と第2パルスW2の2つの駆動パルスを有する。この原駆動信号ODRVは、印刷装置本体側に設けられた原駆動信号発生部43からケーブルを介して、ヘッド駆動回路42のスイッチSWにそれぞれ伝送される。
印刷信号PRT(i)は、ノズル♯iが担当する一画素に対して割り当てられている画素データに対応した信号である。本実施形態では、印刷信号PRT(i)は、一画素につき2ビットの情報を有する信号になっている。この印刷信号PRT(i)は、データセレクタ424からスイッチSW(i)に伝送される。
印刷信号PRTは、ノズル数分の印刷信号PRT(i)をシリアル伝送する信号である。このシリアル伝送される印刷信号PRTは、ヘッド駆動回路42に入力され、180個の2ビットデータである印刷信号PRT(i)にシリアル/パラレル変換される(後述)。
駆動信号DRV(i)は、ノズル♯iに対応して設けられているピエゾ素子PZT(i)を駆動する信号である。ピエゾ素子PZT(i)に駆動信号DRV(i)が入力されると、駆動信号DRV(i)の電圧変化に応じてピエゾ素子PZT(i)が変形する。ピエゾ素子PZT(i)が変形すると、圧力室の一部を区画する弾性膜(側壁)が変形し、圧力室内のインクがノズル♯iから吐出する。
第1制御信号S1は、ラッチ回路群423とデータセレクタ424に入力される。第2制御信号S2は、データセレクタ424に入力される。第1制御信号S1及び第2制御信号S2は、印刷信号PRT(i)が変化するタイミングを示すパルスを有する。
ヘッド駆動回路42にシリアル伝送された印刷信号PRTは、以下に説明するようにして、180個の2ビットデータである印刷信号PRT(i)にシリアル/パラレル変換される。まず、印刷信号PRTが180個の第1シフトレジスタ421に入力され、次に、180個の第2シフトレジスタ422に入力される。第1制御信号S1のパルスがラッチ回路群423に入力されると、各シフトレジスタの360個のデータがラッチ回路群423にラッチされる。第1制御信号S1のパルスがラッチ回路群423に入力されるとき、第1制御信号S1のパルスがデータセレクタ424にも入力される。データセレクタ424は、第1制御信号S1が入力されると、初期状態になる。初期状態のデータセレクタ424は、ラッチされる前には第1シフトレジスタ421に格納されていたデータをラッチ回路群423から選択し、印刷信号PRT(i)としてスイッチSW(i)にそれぞれ出力する。次に、第2制御信号S2のパルスにより、データセレクタ424は、ラッチされる前には第2シフトレジスタ422に格納されていたデータをラッチ回路群423から選択し、印刷信号PRT(i)としてスイッチSW(i)にそれぞれ出力する。このようにして、シリアル伝送される印刷信号PRTは、180個の2ビットデータに変換される。
印刷信号PRT(i)のレベルが「1」のとき、スイッチSW(i)は、原駆動信号ODRVの対応する駆動パルスをそのまま通過させて駆動信号DRV(i)とする。一方、印刷信号PRT(i)のレベルが「0」のとき、スイッチSW(i)は、原駆動信号ODRVの対応する駆動パルスを遮断する。この結果、印刷信号PRT(i)が「11」の場合、ピエゾ素子PZT(i)に駆動パルスW1及びW2が入力し、大ドットが形成される。また、印刷信号PRT(i)が「10」の場合、ピエゾ素子PZT(i)に駆動パルスW1が入力し、中ドットが形成される。印刷信号PRT(i)が「01」の場合、ピエゾ素子PZT(i)に駆動パルスW2が入力し、小ドットが形成される。つまり、印刷信号PRT(i)に応じた大きさのドットが用紙上に形成される。なお、印刷信号PRT(i)が「00」の場合、ピエゾ素子PZT(i)に駆動パルスが入力されないので、ドットは形成されない。
<印刷動作について>
図14は、印刷時の動作のフローチャートである。以下に説明される各動作は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各動作を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):コントローラ60は、コンピュータ1100からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ1100から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙動作、搬送動作、ドット形成動作等を行う。
給紙動作(S002):次に、コントローラ60は、給紙動作を行う。給紙動作とは、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂、頭出し位置)に位置決めする処理である。すなわち、コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき用紙Sを搬送ローラ23まで送る。続いて、コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。なお、用紙Sが印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、用紙Sと対向している。
ドット形成動作(S003):次に、コントローラ60は、ドット形成動作を行う。ドット形成動作とは、キャリッジ移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、用紙Sにドットを形成する動作である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31をキャリッジ移動方向に移動させる。また、コントローラ60は、キャリッジ31が移動している間に、印刷データに基づいてヘッド41(ノズル)からインクを吐出させる。そして、ヘッド41から吐出されたインクが用紙S上に着弾すれば、前述したように、用紙S上にドットが形成される。すなわち、このドット形成動作により、用紙上には、ラスタラインが形成される。
搬送動作(S004):次に、コントローラ60は、搬送動作を行う。搬送動作とは、用紙Sを、ヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。コントローラ60は、搬送モータ22を駆動し、搬送ローラ23を回転させて用紙Sを搬送方向に搬送する。この搬送動作により、ヘッド41は、先程のドット形成動作によって形成されたドットの位置(副走査位置)とは異なる位置に、ドットを形成することができる。
排紙判断(S005):次に、コントローラ60は、印刷中の用紙Sについて排紙の判断を行う。この判断時において、印刷中の用紙Sに印刷するためのデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷するためのデータがなくなるまでドット形成動作と搬送動作とを交互に繰り返し、ドット(ラスタライン)から構成される画像を徐々に用紙Sに印刷する。印刷中の用紙Sに印刷するためのデータがなくなったならば、コントローラ60は、その用紙Sを排出する(S006)。すなわち、コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることにより、印刷した用紙Sを外部に排出する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいて行っても良い。
印刷終了判断(S007):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の用紙Sに印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の用紙Sの給紙動作を開始する。次の用紙Sに印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
===印刷方式について===
このような構成を有する本実施形態のプリンタ1では、インターレース方式による印刷が実行可能である。そして、このインターレース方式を用いることで、インクの吐出特性といったノズル毎の個体差を、印刷される画像上で分散し、目立たないようにしている。ここで、図15A及び図15Bは、インターレース方式の説明図である。以下、インターレース方式による印刷方法について説明する。
なお、説明の便宜上、ヘッド41の代わりとして示すノズル列が、用紙Sに対して移動しているように描かれているが、同図はノズル列と用紙Sとの相対的な位置関係を示すものであって、実際には用紙Sが搬送方向に移動される。また、同図において、黒丸で示されたノズルは、実際にインクを吐出するノズルであり、白丸で示されたノズルはインクを吐出しないノズルである。加えて、図15Aは、1パス目〜4パス目におけるノズル位置と、そのノズルにてドットの形成の様子を示し、図15Bは、1パス目〜6パス目におけるノズル位置とドットの形成の様子を示している。ここで、「パス」とは、ノズル列がキャリッジ移動方向に1回移動することをいう。
図15A及び図15Bに例示するインターレース方式では、用紙Sが搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで形成されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを形成する。このように搬送量を一定にして各ラスタラインを形成するためには、実際にインクを吐出するノズル数Nn(整数)はkと互いに素の関係にあり、搬送量FはNn・Dに設定される。
同図の例において、ノズル列は、搬送方向に沿って配列された4つのノズルを有するが、搬送量を一定にして各ラスタラインを形成するために、3つのノズルを用いてインターレース方式が行われている。また、3つのノズルが用いられるため、用紙Sは搬送量3・Dにて搬送される。その結果、例えば、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル列を用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて用紙Sにドットが形成される。
同図の例では、最初のラスタラインを3パス目でノズル♯1が形成し、2番目のラスタラインを2パス目でノズル♯2が形成し、3番目のラスタラインを1パス目でノズル♯3が形成し、4番目のラスタラインを4パス目でノズル♯1が形成し、連続的なラスタラインが形成される様子を示している。以後は、図15Bに示すように、同様な動作でラスタラインが順次形成される。
===画像中の濃度ムラの発生原因について===
CMYKのインクを用いて多色印刷された画像中に生じる濃度ムラは、基本的には、その各インク色でそれぞれに生じる濃度ムラが原因である。このため、通常は、各インク色の濃度ムラをそれぞれ別々に抑制することによって、多色印刷された画像中の濃度ムラを抑制する方法が採られている。
そこで、以下では、単色印刷された画像中に生じる濃度ムラの発生原因について説明する。ここで、図16は、単色印刷された画像中に生じる濃度ムラであって、用紙Sの搬送方向に生じる濃度ムラを模式的に説明する図である。そして、この図は、CMYKのうち1つのインク色、例えばブラックインクで印刷した画像の濃度ムラを示している。
図16に例示した搬送方向の濃度ムラは、キャリッジ移動方向に沿って平行な縞状(便宜上、横縞状ともいう。)に見えている。このような横縞状の濃度ムラは、例えば、ノズル毎のインク吐出量のばらつきによって発生するが、インクの飛行方向のばらつきによっても発生する。すなわち、この飛行方向のばらつきが生じると、用紙Sに着弾したインクによるドット形成位置が、目標形成位置に対して搬送方向にずれることとなる。この場合には、これらのドットが構成するラスタラインrの形成位置も搬送方向に関して目標形成位置からずれてしまう。このため、搬送方向に隣り合うラスタライン同士の間隔が空いたり詰まったりした状態となる。これを巨視的に見ると横縞状の濃度ムラとなって見えてしまう。すなわち、隣り合うラスタラインrとの間隔が相対的に広いラスタラインrは巨視的に薄く見え、間隔が相対的に狭いラスタラインrは巨視的に濃く見えてしまう。なお、インクの飛行方向のばらつきは、例えば、ノズルの加工精度のばらつきによって生じる。
なお、この濃度ムラの発生原因は、他のインク色に関しても当てはまることである。そして、CMYKのうちの1色でもこの傾向があれば、多色印刷の画像中には濃度ムラが顕れてしまう。
<濃度ムラを抑制する参考例の方法について>
このような濃度ムラを抑制する参考例の方法について説明する。この参考例の方法では、まず、所定濃度の補正用パターンを用紙S上に印刷し、この補正用パターンを構成する各ラスタラインの濃度を測定する。次に、各ラスタラインの濃度から、そのラスタラインに対する補正値を取得する。そして、画像の本印刷時には、取得された補正値を用いて、そのラスタラインの濃度を調整する。例えば、補正用パターンにおいて、或るラスタラインの濃度が規定よりも薄かった場合には、本印刷時において、当該ラスタラインを担当するノズルについてインクの吐出量を増加させる。一方、補正用パターンにおいて、或るラスタラインの濃度が規定よりも濃かった場合には、本印刷時において、当該ラスタラインを担当するノズルについてインクの吐出量を減少させる。
図17A〜図17Cは、濃度ムラを抑制する参考例の方法の説明図である。図17Aは、理想的な状態で形成されたラスタラインを説明する図である。図17Bは、あるノズル形成されたラスタラインが搬送方向にずれた状態で形成された状態を説明する図である。図17Cは、参考例の方法で補正された状態を説明する図である。なお、これらの図において、画像は中間調で形成されている。このため、主走査方向に隣り合うドット同士は、ドット1つ分の間隔を空けて形成されている。
図17Bの画像では、ラスタラインrnを構成する各ドットが、正規の位置(つまり、図17Aの位置。)よりも、隣接するラスタラインr(n+1)側に寄った位置に形成されている。これにより、巨視的には、ラスタラインrnが正規の濃度よりも薄く見え、ラスタラインr(n+1)が正規の濃度よりも濃く見えることになる。そして、参考例の方法では、ラスタライン毎に、濃い薄いを判断して補正するので、濃く見えるラスタラインについては、ドットを間引くなどしてその濃度を薄くし、薄く見えるラスタラインについては、ドットを加えるなどしてその濃度を濃くする。このため、図17Cの例では、ラスタラインr(n+1)ついてドットDT1が非形成とされ、ラスタラインrnについてドットDT2が追加される。
ここで、補正されたラスタラインr(n+1)を囲む領域(図17Cの1点鎖線で囲まれた領域)に注目する。この領域内の濃度は、ドットDT1が非形成となる分だけ、濃度が薄くなる。しかし、ラスタラインrnにドットDT2が追加される分だけ、ラスタラインr(n+1)を囲む領域の濃度が濃くなる。つまり、参考例の方法では、ラスタラインr(n+1)に対して、濃度を薄くさせる操作と濃度を濃くさせる操作の両方が行われている。このような相反する操作を行うと、濃度ムラを補正する効果が低下してしまう。そして、濃度ムラを補正する効果を上げるため、非形成とされるドットや追加されるドットを増やすと、各ドットの粗密状態が変化し、印刷画像の粒状性が低下するおそれがある。
===本実施形態の印刷方法について===
<概要>
このような事情に鑑み、本実施形態では、ラスタライン間の間隔に応じて、ラスタラインの濃度を補正する。具体的には、あるラスタラインについて、そのラスタラインを挟む2つのラスタライン(上流側ラスタラインと下流側ラスタライン)のうち一方のラスタラインとの間隔が720dpiよりも離れ、他方のラスタラインとの間隔との間隔が720dpiよりも近くなる場合、一方のラスタラインの濃度を濃くするための濃度補正を行い、他方のラスタラインの濃度を淡く(薄く)するための濃度補正を行う。そして、本実施形態では、各ラスタラインについて濃度補正を行い、この補正結果に基づいて、各ラスタラインを形成する。
図18A及び図18Bは、本実施形態の印刷方法の効果の説明図である。図18Aは、あるラスタラインが搬送方向上流側にずれた状態で形成された状態の説明図である。図18Bは、本実施形態の方法で補正された状態の説明図である。
中央のラスタラインを構成する各ドットが、正規の位置よりも、上流側にずれている。これにより、ずれたラスタラインと下流側に隣接する下流側ラスタラインとの間のラスタライン間濃度は、薄くなる。また、ずれたラスタラインと上流側に隣接する上流側ラスタラインとの間のラスタライン間濃度は、濃くなる。
また、中央のラスタラインを構成する各ドットが正規の位置よりも上流側にずれているので、ずれたラスタラインと下流側ラスタラインとの間隔は、正規の位置に形成されたラスタライン同士の間隔(標準間隔)である720dpiよりも、狭くなる(近くなる)。また、ずれたラスタラインと上流側ラスタラインとの間隔は、正規の位置に形成されたラスタライン同士の間隔(標準間隔)である720dpiよりも、広くなる(離れる)。
そして、本実施形態の印刷方法によれば、ずれたラスタラインと下流側ラスタラインの濃度が濃くなるように補正され、ドットDT2が追加される。また、本実施形態の印刷方法によれば、ずれたラスタラインと上流側ラスタラインの濃度が薄くなるように補正され、ドットDT1が非形成とされる。一方、ずれたラスタラインの濃度は、薄い濃度の領域と濃い濃度の領域との間に位置しているので、濃度の補正が行われない。
本実施形態における印刷方法によれば、非形成とされるドットDT1と追加されるドットDT2が離れているので、同じ領域で相反する操作を行わずに済み、濃度ムラを補正する効果が低下しない。
以下、本実施形態の印刷方法について、詳しく説明する。なお、以下の説明から分かる通り、本実施形態では、ラスタラインとラスタラインの間隔は、直接計測されるのではなく、濃度を測定することによって間接的に計測される。
<本実施形態に係る画像の印刷方法について>
図19は、本実施形態に係る画像の印刷方法に関連する工程等の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、各工程の概略を説明する。まず、製造ラインにおいてプリンタ1が組み立てられる(S110)。次に、検査ラインの作業者によって、濃度を補正するための補正用データがプリンタ1に設定される(S120)。ここでは、得られた補正用データを、プリンタ1のメモリ63、詳しくは、補正用データ格納部63a(図8を参照。)に格納する。次に、プリンタ1が出荷される(S130)。そして、このプリンタ1を購入したユーザーによって画像の本印刷が行われるが、その本印刷の際には、プリンタドライバは、補正用データに基づいてラスタライン毎に濃度補正を実行しながら用紙Sに画像を印刷する(S140)。そして、本実施形態に係る画像の印刷方法は、補正用データの設定工程(ステップS120)、及び画像の本印刷(ステップS140)に特徴を有する。従って、以下では、ステップS120及びステップS140の内容について説明する。
<ステップS120:濃度ムラを抑制するための補正用データの設定>
図20は、補正用データの設定に使用される機器を説明するブロック図である。なお、既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。この図において、コンピュータ1100Aは、工場内の検査ラインに設置されたコンピュータであり、工程用補正プログラム1120が動作している。この工程用補正プログラム1120は、補正用データ取得処理を行うことができる。この補正用データ取得処理は、用紙Sに印刷された補正用パターンCP(図25参照。)をスキャナ装置100が読み取ることで得られた測定値(例えば、所定解像度の256階調のグレイスケールデータ)に基づき、ラスタライン間の濃度を算出し、ラスタライン間の濃度に応じた補正用データを取得する。なお、補正用データ取得処理については、後で詳細に説明する。また、このコンピュータ1100Aで動作するアプリケーションプログラム1104は、補正用パターンCPを印刷させるための画像データを、プリンタドライバ1110に対して出力する。そして、プリンタドライバ1110は、前述した解像度変換処理からラスタライズ処理までの一連の処理を行うことで、補正用パターンCPを印刷させるための印刷データを、プリンタ1に出力する。
図21は、このコンピュータ1100のメモリに設けられた記録テーブルの概念図である。この記録テーブルは、インク色毎の区分で用意されている。そして、各色で印刷された補正用パターンCPの測定値が、対応する記録テーブルに記録される。なお、この図には、これら記録テーブルを代表してブラック(K)用の記録テーブルについてフィールドを示している。
この記録テーブルには、複数のレコードが用意されている。このレコードは、スキャナ装置100の読取解像度に対応して設けられている。そして、このレコードは、印刷領域の全長に対応し得る数が設けられている。ここで、印刷領域とは、画像等の印刷対象となる領域を意味する。例えば、所謂4辺縁無し印刷の場合には、用紙Sの表面全体が印刷領域となる。一方、所謂縁有り印刷を行う場合には、用紙Sにおいて縁で囲まれる領域が印刷領域となる。また、印刷領域の全長とは、搬送方向における長さを意味する。そして、各レコードにはレコード番号が付されている。
この記録テーブルには、濃度の測定値が順次記録される。本実施形態において、スキャナ装置100の読取解像度は1800dpiなので、記録テーブルには1800dpi間隔の測定結果が順次記録される。そのため、m番目のレコードに記録された測定値とm+1番目のレコードに記録された測定値は、互いに1800dpi離れた領域の濃度を示している。
図22は、プリンタ1のメモリ63に設けられた補正用データ格納部63aの概念図である。この図に示すように、補正用データ格納部63aには、補正用データテーブルが用意されている。この補正用データテーブルは、前述した記録テーブルと同様に、インク色毎の区分でそれぞれ用意されている。従って、補正用データも、インク色毎の区分で用意される。そして、この図には、これら補正用データテーブルを代表して、ブラック用の補正用データテーブルについてフィールドを示している。これらの補正用データテーブルは、ラスタライン間の濃度に応じた補正用データを記録するためのレコードを有している。各レコードにはレコード番号が付されており、補正用データ取得処理で取得された補正用データは、前述した記録テーブルと同様に、そのラスタラインに対応するレコードに記録される。そして、補正用データテーブルのレコードもまた、印刷領域の全長に対応し得る数が設けられている。なお、補正用データ格納部63aへ補正用データを格納する手順については、後で詳細に説明する。
この補正用データテーブルには、ラスタライン間の濃度に応じた補正用データが順次記録される。本実施形態において、補正用パターンCPのラスタラインの間隔は720dpiなので、補正用データテーブルには720dpi間隔のラスタライン間濃度に応じた補正用データが順次記憶される。そのため、n番目のレコードに記録された補正用データはとn+1番目のレコードに記録された補正用データは、互いに720dpi離れたラスタライン間領域の濃度を示している。
図23は、コンピュータ1100Aと通信可能に接続されたスキャナ装置100を説明する図である。すなわち、図23Aは、このスキャナ装置100の縦断面図であり、図23Bは、このスキャナ装置100の平面図である。このスキャナ装置100は、補正用パターンCPの濃度を測定する濃度測定装置の一種である。このスキャナ装置100は、原稿101に印刷された画像(例えば、用紙Sに印刷された補正用パターンCP)を、画素単位のデータ群として読み込み可能なものであり、原稿101が載置され原稿台ガラス102と、この原稿台ガラス102を介して原稿101と対面しつつ所定の移動方向に移動する読取キャリッジ104と、読取キャリッジ104等の各部を制御するコントローラ(図示せず)を備えている。読取キャリッジ104には、原稿101に光を照射する露光ランプ106と、原稿101からの反射光を、移動方向と直交する直交方向の所定範囲に亘って受光するリニアセンサ108とが搭載されている。そして、このスキャナ装置100では、露光ランプ106を発光させた状態で読取キャリッジ104を移動方向に移動させながら、反射光をリニアセンサ108に受光させる。これにより、スキャナ装置100は、原稿101に印刷された画像を1800dpiの読取解像度で読み取る。なお、図23A中の破線は、画像読み取り時における光の軌跡を示している。
図24は、図19中のステップS120の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照し、補正用データの設定手順について説明する。
この設定手順は、補正用パターンCPを印刷するステップ(S121),補正用パターンCPを読み込むステップ(S122),各ラスタラインの濃度を測定するステップ(S123),各ラスタラインに対する濃度の補正用データを設定するステップ(S124)を有する。以下、各ステップについて詳細に説明する。
(1)補正用パターンCPの印刷(S121)について:
まず、ステップS121において、補正用パターンCPを用紙Sに印刷する。ここでは、工場内の検査ラインの作業者は、検査ラインのコンピュータ1100Aにプリンタ1を通信可能な状態に接続し、このプリンタ1によって補正用パターンCPを印刷する。すなわち、作業者は、コンピュータ1100Aのユーザーインタフェースを介し、補正用パターンCPを印刷させる指示をする。その際には、このユーザーインタフェースから、印刷モード及び用紙サイズモードなどが設定される。この指示により、コンピュータ1100Aは、メモリ63に格納されている補正用パターンCPの画像データを読み出し、前述した解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、及びラスタライズ処理を行う。その結果、コンピュータ1100Aからプリンタ1に対し、補正用パターンCPを印刷させるための印刷データが出力される。そして、プリンタ1は、印刷データに基づいて用紙Sに補正用パターンCPを印刷する。なお、この補正用パターンCPを印刷するプリンタ1は、補正用データの設定対象となるプリンタである。つまり、補正用データの設定は、プリンタ毎に行われる。
ここで、図25は、印刷された補正用パターンCPの一例を説明する図である。この図に示すように、本実施形態の補正用パターンCPは、インク色毎の区分でそれぞれに印刷された帯形状のパターンである。例示した補正用パターンCPは、搬送方向に細長い帯形状であり、用紙Sにおける搬送方向の全域に亘って印刷されている。すなわち、用紙Sの上端から下端に亘って一連に形成されている。また、図の左側から順に、シアン(C)の補正用パターンCPc、マゼンタ(M)の補正用パターンCPm、イエロー(Y)の補正用パターンCPy、ブラック(K)の補正用パターンCPkがキャリッジ移動方向に並んだ状態で印刷されている。
この補正用パターンCPの印刷データは、CMYKの各インク色の階調値を直接指定して構成されたCMYK画像データに対して、前述のハーフトーン処理及びラスタライズ処理を行って生成されたものである。そして、このCMYK画像データの画素データの階調値は、各補正用パターンCPについて、その全画素に亘って同一の値が設定されている。これにより、各補正用パターンCPは、それぞれに、搬送方向の全域に亘って、ほぼ一定の濃度で印刷される。これらの補正用パターンCPに関し、その階調値は任意に設定可能である。しかし、濃度ムラが生じ易い範囲の濃度ムラを積極的に抑制する観点から、本実施形態では、所謂中間調となるような階調値を選んでいる。例えば、階調値が256段階でブラックインクの場合には、階調値77から階調値128の範囲内で選んでいる。
なお、これらの補正用パターンCP同士の相違点は、基本的にインク色が異なるだけである。また、前述したように、多色印刷における濃度ムラの抑制は、その多色印刷に用いられるインク色毎にそれぞれ行われるが、それぞれ抑制に用いられる方法は同じである。このため、以下の説明は、ブラック(K)に代表させて行うことにする。すなわち、以下の説明においては、ブラック(K)の一色についてだけ記載している箇所もあるが、その他のC,M,Yのインク色についても同様である。
補正用パターンCPを印刷するときにインク滴の飛行曲がりが生じると、ラスタラインを構成するドットがずれて形成される。ラスタラインを構成するドットが正規の位置から搬送方向にずれて形成されると、隣り合うラスタラインとの間隔に広狭が生じる。隣り合うラスタラインとの間隔が720dpiよりも近いとき、その部分が巨視的に淡く見える。また、隣り合うラスタラインとの間隔が720dpiよりも離れるとき、その部分が巨視的に濃く見える。その結果、印刷された補正用パターンCPには、インク滴の飛行曲がり等に起因する濃度ムラが生じる。
(2)補正用パターンCPの読み取り(ステップS122)について:
次に、印刷された補正用パターンCPをスキャナ装置100で読み取る。このステップS122では、まず、検査ラインの作業者は、補正用パターンCPが印刷された用紙Sを原稿台ガラス102に載置する。このとき、図23Bに示すように、補正用パターンCP(CPc〜CPk)におけるラスタラインの方向と、スキャナ装置100における直交方向(つまり、リニアセンサ108の配列方向)とが同じ方向となるように、用紙Sを載置する。用紙Sを載置したならば、作業者は、コンピュータ1100Aのユーザーインタフェースを介して読み取り条件を指定し、その後、読み取り開始を指示する。ここで、読取キャリッジ104の移動方向の読み取り解像度は、ラスタラインの間隔(ピッチ)の半分よりも細かいことが望ましい。「サンプリング周波数はサンプリング対象が含む最大の周波数の2倍の周波数以上でなければならない」というサンプリング定理に基づくものである。本実施形態では、ラスタラインの間隔が720dpiであるので、スキャナ装置100は、その半分(1440dpi)よりも細かい1800dpiにて読み取る。これにより、コンピュータ1100Aは、測定値に基づいて、ラスタライン間の濃度を算出することができる(後述)。読み取り開始の指示を受け取ると、スキャナ装置100のコントローラ(図示せず)は、読取キャリッジ104を制御するなどして、用紙Sに印刷された補正用パターンCPを読み取り、1800dpi間隔の測定結果を記録テーブルに順次記録する。
(3)ラスタライン間の濃度の算出(ステップS123)について:
次に、コンピュータ1100Aは、補正用パターンCPの読み取り結果(記録テーブルの測定値)に基づいて、ラスタライン間の濃度を算出する。
図26Aは、補正用パターンを構成するラスタラインの間隔の説明図である。同図に示された黒丸は、補正用パターンを構成するドットを示している。なお、補正用パターンは中間調で形成されているので、主走査方向に隣り合うドット同士は、ドット1つ分の間隔を空けて形成されている。つまり、各ラスタラインは、ドット1つ分の間隔を空けて形成されている。そして、補正用パターンは、搬送方向に連続して並ぶ複数のラスタラインから構成される。隣接するラスタラインの間隔は、720dpiである。
図26Bは、スキャナの解像度の説明図である。上記の通り、スキャナ装置100の読取解像度は、1800dpiである。そのため、記録テーブルに記録された1つの測定値は、補正用パターンにおける搬送方向の幅が1800dpiの領域の平均濃度を示している。同図に描かれた複数の矩形は、各測定値が対応する領域を表している。つまり、矩形で示された各領域の平均濃度が、測定値として、順次記録テーブルに記録されている。
図26Cは、ラスタライン間の距離の説明図である。ラスタラインの標準的な間隔が720dpiなので、ラスタラインとラスタラインの中間位置(同図の一点鎖線の位置)同士の間隔も720dpiになる。本実施形態では、コンピュータ1100Aは、図26Bに示される幅1800dpiの領域の平均濃度の測定値に基づいて、ラスタラインとラスタラインの間の位置(同図の一点鎖線の位置)の濃度を算出する。
コンピュータ1100Aは、1800dpiの解像度の測定値に基づいて、補間処理(拡大・縮小処理でもある)により、ラスタラインの間の濃度を算出する。補間処理の手法として、ニアレストネイバー法、バイリニア法及びバイキュービック法等がある。
ニアレストネイバー法では、濃度を求めるべき位置の最近傍の測定値が、そのまま求めるべき位置の濃度になる。バイリニア法では、2近傍の濃度の傾きに基づき1次補間する。これらの方法は計算が簡単であるため、コンピュータ1100Aの処理速度が速くなるという利点がある。
図27は、バイキュービック法の説明図である。図中の黒丸及び白丸は、記録テーブルの測定値の対応する位置である。ここでは、記録テーブルのm番目に記録されたレコードをf(m)とする。測定位置と測定位置の間隔は、上記の通り1800dpiであるが、ここでは計算のため無次元化して1とする。
バイキュービック法は、3次補間の一種である。図中、黒丸で示される測定位置を第一次近傍と呼び、白丸で示される測定位置を第二次近傍と呼ぶ。そして、バイキュービック法では、それぞれの近傍に対して重みWを求める。各近傍の重みは、以下の通りである。
W = (d−1)(d−d―1) …第一次近傍
W = −(d−1)(d−2) …第二次近傍
このとき、求めるべき位置(図中の一点鎖線の位置)の濃度Pは、次式のようになる。
Figure 2005254574
バイキュービック法によれば、計算が複雑になるのでコンピュータ1100Aの処理速度が遅くなるが、情報の損失が少ないので、ラスタライン間の濃度を精度良く算出することができる。
(4)ラスタライン間の濃度の設定について(ステップS124)
次に、コンピュータ1100Aは、算出されたラスタライン間の濃度に応じた補正用データを設定する。ここで、コンピュータ1100Aは、算出された各ラスタライン間の濃度に基づいて、補正用データを設定し、プリンタ1の補正用データ格納部63aに補正用データを格納する。
補正用データは、濃度の階調値に対して補正する割合を示す補正比率の形式で求められる。具体的には、次のようにして算出される。先ず、算出された各ラスタライン間の濃度の平均値Mを算出する。そして、算出された各ラスタライン間の濃度C毎に、平均値Mとの偏差ΔC(=M−C)を算出し、この偏差ΔCを平均値Mで除算した値を補正用データHとする。
すなわち、補正用データHを数式で表現すれば、次のようになる。
補正用データH = ΔC/M
= (M−C)/M
例えば、算出されたラスタライン間の濃度Cが95であり、全部のラスタライン間の濃度の平均値が100である場合には、補正値H(=100−95)/100)は+0.05になる。また、算出されたラスタライン間の濃度Cが105であり、全部のラスタライン間の濃度の平均値が100である場合には、補正用データH(=100−105)/100)は−0.05になる。
このように、ラスタライン間の濃度Cが平均値Mよりも小さい場合、補正用データHは、プラスになる。一方、ラスタライン間の濃度Cが平均値Mよりも大きい場合、補正用データHは、マイナスになる。つまり、ラスタライン間の濃度が薄い場合、補正用データHはプラスになる。また、ラスタライン間の濃度が濃い場合、補正用データHはマイナスになる。なお、後述するが、補正用データHがプラスの場合、周囲のラスタラインの濃度を濃くするように作用する。また、補正用データHがマイナスの場合、周囲のラスタラインの濃度を薄くするように作用する。
図28Aは、ずれて形成されたラスタラインと、その周囲の補正用データHとの関係の説明図である。同図では、n番目のラスタラインrnを構成する各ドットが、正規の位置よりも、上流側に隣接するラスタラインr(n+1)側に寄った位置に形成されている。他のラスタラインは、正規の位置に形成されているものとする。
この場合、n−2番目のラスタラインr(n−2)とn−1番目のラスタラインr(n−1)との間の濃度に応じた補正用データHは、両ラスタラインとも正規の位置に形成されているので、ゼロである。n−1番目のラスタラインr(n−1)とn番目のラスタラインrnとの間の濃度に応じた補正用データHは、n番目のラスタラインが上流側に寄っているため、ラスタライン間の濃度が薄くなるので、プラスになる。一方、n番目のラスタラインrnとn+1番目のラスタラインr(n+1)との間の濃度に応じた補正用データHは、n番目のラスタラインが上流側に寄っているため、ラスタライン間の濃度が濃くなるので、マイナスになる。n+1番目のラスタラインr(n+1)とn+2番目のラスタラインr(n+2)との間の濃度に応じた補正用データHは、両ラスタラインとも正規の位置に形成されているので、ゼロである。
図28Bは、ドットの大きさが異なるラスタラインと、その周囲の補正用データHとの関係の説明図である。同図では、n番目のラスタラインrnを構成する各ドットが、ノズルの不良等の影響により、正規の大きさよりも小さいドットである。なお、他のラスタラインは、正規の大きさのドットで構成される。
この場合、ラスタラインrnを構成するドットが小さいので、隣接するラスタラインとの間の濃度が薄くなる。そのため、ラスタラインrnと下流側に隣接するラスタラインr(n−1)との間の濃度に応じた補正用データはプラス(ここでは+0.05)になる。また、ラスタラインrnと上流側に隣接するラスタラインr(n+1)との間の濃度に応じた補正用データはプラス(ここでは+0.05)になる。なお、他のラスタラインは正規の大きさのドットで構成されるので、他の補正用データはゼロとなる。
ここで、図28A及び図28Bを比較すると、異常のあるラスタラインrnの周囲の2つの補正用データHが、逆符号又は同符号となる。連続する2つの補正用データHが逆符号である場合、その2つの補正用データHに関わるラスタラインは、搬送方向にずれて形成されていると考えられる。一方、連続する2つの補正用データHが同符号である場合、その2つの補正用データHに関わるラスタラインは、ドットの大きさに異常があると考えられる。
以上のようにして、補正用データが、ラスタライン間の濃度に応じて、算出される。そして、コンピュータ1100Aは、算出した補正用データを、補正用データ格納部63aに順次格納する。なお、補正用データ格納部63aのn番目のレコードには、n−1番目のラスタラインとn番目のラスタラインの間の濃度に応じた補正用データが格納されている。
<ステップS140:ラスタライン毎に濃度補正をしながら画像を本印刷>
このようにして濃度の補正用データが設定され、出荷されたプリンタ1は、ユーザーの下で使用される。すなわち、ユーザーの下で本印刷が行われる。この本印刷において、プリンタドライバ1110とプリンタ1が協働してラスタライン毎に濃度補正し、濃度ムラを抑制した印刷を実行する。ここでは、プリンタ内の補正用データ格納部63aに格納された補正用データをプリンタドライバ1110が参照し、この補正用データに基づき補正された濃度となるように、画素データを補正する。すなわち、プリンタドライバ1110は、RGB画像データを印刷データに変換する際に、補正用データに基づき、多階調の画素データを変更する。そして、補正後の画像データに基づく印刷データをプリンタ1に出力する。プリンタ1は、この印刷データに基づいて、対応するラスタラインのドットを形成する。以下、印刷手順について詳細に説明する。
図29は、図19中のステップS140に係るラスタライン毎の濃度補正の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照し、濃度補正の手順について説明する。この手順では、まず、プリンタドライバ1110が、解像度変換処理(ステップS141)を行う。そして、プリンタドライバ1110は、色変換処理(ステップS142)、ハーフトーン処理(ステップS143)、ラスタライズ処理(S144)を順次行う。なお、これらの処理は、ユーザーが、プリンタ1をコンピュータ1100に通信可能に接続し、図1で説明した印刷システム1000の状態に設定した状態で行われる。
具体的には、画質モードや用紙サイズモード等の必要な情報が入力された状態で、プリンタドライバ1110のユーザーインタフェースの画面から、印刷実行の操作がなされたことを条件に行われる。以下、各ステップの処理を説明する。
解像度変換処理(S141):まず、プリンタドライバ1110は、アプリケーションプログラム1104から出力されたRGB画像データに対して、解像度変換処理を実行する。すなわち、RGB画像データの解像度を、入力された画質モードに対応する印刷解像度に変換する。更に、RGB画像データに対して適宜トリミング処理等の加工を施すことにより、RGB画像データにおける画素数が、指定された用紙サイズ及び余白形態モードに対応する印刷領域のドット数に一致するように調整する。
色変換処理(S142):次に、プリンタドライバ1110は、前述した色変換処理を実行し、RGB画像データを、CMYK画像データに変換する。このCMYK画像データは、前述したように、C画像データ、M画像データ、Y画像データ、及びK画像データを備え、印刷領域に応じたデータ量とされる。
ハーフトーン処理(S143):次に、プリンタドライバ1110は、ハーフトーン処理を実行する。このハーフトーン処理は、C,M,Y,K画像データ中の各画素データが示す256段階の階調値を、プリンタ1で表現可能な4段階の階調値に変換する処理である。そして、本実施形態では、このハーフトーン処理において、ラスタライン毎の濃度補正を実行する。すなわち、各画像データを構成する各画素データを、256段階から4段階の階調値に変換する処理を、前述した補正用データ分に基づいて補正しながら行う。この濃度補正は、各インク色の補正用データテーブルに基づいて、C,M,Y,K画像データのそれぞれに対して行われるが、ここでは、これら画像データを代表してブラック(K)に係るK画像データについて説明する。
本実施形態では、このハーフトーン処理において、256段階の階調値を、一旦レベルデータに置き換えてから4段階の階調値に変換する。そこで、この変換の際に、256段階の階調値を補正用データの分だけ変更することで、4段階の階調値の画素データを補正し、これによって補正用データに基づく画素データの補正を行っている。
なお、図3を用いて既に説明したハーフトーン処理と、ここでのハーフトーン処理との相違点は、レベルデータを設定するステップS301,S303,S305の部分であって、これ以外の部分は同じである。従って、以下の説明では、この異なる部分を重点的に説明し、同じ部分の説明は簡単に説明する。また、以下の説明は、図3のフローチャート及び図4のドットの生成率テーブルを参照して行う。
なお、本実施形態では、プリンタドライバ1110は、下流側に隣接するラスタラインとの間の補正用データと、上流側に隣接するラスタラインとの間の補正用データとの平均値を補正値として、ラスタラインの濃度を補正している。例えば、プリンタドライバ1110は、n番目のラスタラインrnを補正するとき、n−1番目のラスタラインr(n−1)との間の補正用データと、n+1番目のラスタラインr(n+1)との間の補正用データとの平均値を補正値として用いている。
まず、プリンタドライバ1110は、通常のハーフトーン処理と同様に、ステップS300において、K画像データを取得する。次に、ステップS301において、プリンタドライバ1110は、生成率テーブルの大ドット用プロファイルLDから、画素データ毎に、その画素データの階調値に応じたレベルデータLVLを読み取る。但し、この読み取る際に、本実施形態にあっては、その画素データが属するラスタラインに関連する2つの補正用データの平均値である補正値を算出し、算出された補正値の分だけ階調値を変化させてレベルデータLVLを読み取る。
例えば、その画素データが属するラスタラインがn番目のラスタラインrnである場合について考える。n番目のラスタラインrnに関連する2つの補正用データは、第nレコードの補正用データ(ラスタラインr(n−1)とラスタラインrnとの間の補正用データ)と、第n+1レコードの補正用データ(ラスタラインrnとラスタラインr(n+1)との間の補正用データ)である。プリンタドライバ1110は、この2つの補正用データの平均値である補正値を算出する。そして、画素データの階調値grに補正値(2つの補正用データの平均値)を乗じてΔgrを算出し、画素データの階調値grをgr+Δgrに変化させる。そして、プリンタドライバ1110は、階調値gr+Δgrに基づいて、レベルデータLVLを読み取る。これにより、レベルデータLVLは、11dと求められる。
そして、このような演算処理は、容易且つ高速に行うことが可能である。従って、処理を簡素化することができ、インクの高周波吐出に対応できる。
ステップS302において、プリンタドライバ1110は、ディザマトリクス上で、この画素データに対応する画素ブロックの閾値THLよりも、この大ドットのレベルデータLVLが大きいか否かの大小判定を行う。そして、このレベルデータLVLは、Δgrに応じて変化している。従って、この変化分だけ、大小判定の結果が変化し、これによって、大ドットの形成され易さも変化する。その結果、前述の「補正用データに基づく画素データの補正」が実現される。なお、このステップ302において、レベルデータLVLが閾値THLよりも大きい場合には、ステップS310に進み、この画素データには、大ドットを対応付けて記録する。一方、それ以外の場合にはステップS303に進む。
このステップS303において、プリンタドライバ1110は、生成率テーブルの中ドット用プロファイルMDから階調値に応じたレベルデータLVMを読み取る。この時にも前記ステップS301と同様に、プリンタドライバ1110は、2つの補正用データの平均値である補正値に応じて階調値をΔgrだけ変化させ、レベルデータLVMを読み取る。これにより、レベルデータLVMは12dと求められる。そして、ステップS304において、プリンタドライバ1110は、ディザマトリクス上で、この画素データに対応する画素ブロックの閾値THMよりも、この中ドットのレベルデータLVMが大きいか否かの大小判定を行う。ここでも、レベルデータLVMは、Δgrに応じて変化している。従って、この変化分だけ、大小判定の結果が変化し、中ドットの形成され易さも変化する。なお、このステップ304において、レベルデータLVMが閾値THMよりも大きい場合には、ステップS309に進み、当該画素データには、中ドットを対応付けて記録する。一方、それ以外の場合にはステップS305に進む。
このステップS305において、プリンタドライバ1110は、生成率テーブルの小ドット用プロファイルSDから階調値に応じたレベルデータLVSを読み取る。この時にも前記ステップS301と同様に、プリンタドライバ1110は、2つの補正用データの平均値である補正値に応じて階調値をΔgrだけ変化させて、レベルデータLVSを読み取る。これにより、レベルデータLVSは13dと求められる。そして、ステップS306において、プリンタドライバ1110は、ディザマトリクス上で、この画素データに対応する画素ブロックの閾値THSよりも、この小ドットのレベルデータLVSが大きいか否かの大小判定を行う。ここでも、レベルデータVLSは、Δgrに応じて変化している。従って、この変化分だけ、大小判定の結果が変化し、小ドットの形成され易さも変化する。
なお、このステップ306において、レベルデータLVSが閾値THSよりも大きい場合には、ステップS308に進み、当該画素データには、小ドットを対応付けて記録する。一方、それ以外の場合にはステップS307に進んで、当該画素データには、ドット無しを対応付けて記録する。
ラスタライズ処理(S144):次に、プリンタドライバ1110は、ラスタライズ処理を実行する。このラスタライズ処理された印刷データはプリンタ1に出力され、プリンタ1は、印刷データが有する画素データに従って、用紙Sに画像を本印刷する。なお、この画素データは、前述したように、ラスタライン毎に濃度の補正がなされているので、印刷された画像において、画像の濃度ムラを効果的に抑制することができる。
すなわち、2つの補正用データの平均値に基づき階調値を変化させた状態で各ラスタラインを形成しているので、補正無しの状態で規定濃度(設計上の濃度)よりも濃く形成されるラスタラインについては、階調値が小さくなるように補正される。その結果、このラスタラインについては、インク量が抑えられた状態で形成され、所望濃度に近い濃度で形成できる。同様に、補正無しの状態で規定濃度よりも薄く形成されるラスタラインについては、階調値が大きくなるように補正されてインク量が増やされるので、この場合にも所望濃度に近い濃度で形成できる。
図30A〜図30Cは、本実施形態の一例の説明図である。ここでは、n番目のラスタラインrnを構成する各ドットが、正規の位置よりも上流側に隣接するラスタラインr(n+1)側に寄った位置に形成されている。
図30Aは、ラスタライン間の濃度に応じた補正用データの説明図である。n−2番目のラスタラインr(n−2)とn−1番目のラスタラインr(n−1)との間の濃度に応じた補正用データHは、両ラスタラインとも正規の位置に形成されているので、ゼロである。n−1番目のラスタラインr(n−1)とn番目のラスタラインrnとの間の濃度に応じた補正用データHは、n番目のラスタラインが上流側に寄っているため、ラスタライン間の濃度が薄くなるのでプラスになり、ここでは+0.1である。n番目のラスタラインrnとn+1番目のラスタラインr(n+1)との間の濃度に応じた補正用データHは、n番目のラスタラインが上流側に寄っているため、ラスタライン間の濃度が濃くなるのでマイナスになり、ここでは−0.1である。n+1番目のラスタラインr(n+1)とn+2番目のラスタラインr(n+2)との間の濃度に応じた補正用データHは、両ラスタラインとも正規の位置に形成されているので、ゼロである。
図30Bは、ラスタラインの補正値の説明図である。ラスタラインの補正値は、下流側に隣接するラスタラインとの補正用データと、上流側に隣接するラスタラインとの補正用データとの平均値として算出される。そのため、n−2番目のラスタラインr(n−2)の補正値はゼロとなる(但し、不図示のn−3番目のラスタラインは、正規の位置に形成されている)。同様に、n−1番目のラスタラインr(n−1)の補正値は+0.05(=(0+0.1)/2)になり、n番目のラスタラインrnの補正値はゼロ(=(+0.1−0.1)/2)になり、n+1番目のラスタラインr(n+1)の補正値は−0.05(=(−0.1+0)/2)になり、n+2番目のラスタラインr(n+2)の補正値はゼロとなる(但し、不図示のn+3番目のラスタラインは、正規の位置に形成されている)。ここで、注目すべきは、上流側に寄って形成されるn番目のラスタラインrnの補正値がゼロになる点である。
図30Cは、本実施形態の方法で補正された状態の説明図である。補正値がプラスであれば、前述のΔgrがプラスになるので、ドットの生成率が高くなる。その結果、補正値がプラスであるラスタラインr(n−1)には、濃度を濃くするようにドットDT2が追加される。一方、補正値がマイナスであれば、前述のΔgrがマイナスになるので、ドットの生成率が低くなる。その結果、補正値がマイナスであるラスタラインr(n+1)には、濃度を薄くするようにドットDT1が非形成になる。なお、補正値がゼロであるラスタラインには、濃度の補正が行われないので、ドットの非形成や追加はない。
本実施形態によれば、上流側に寄って形成されるn番目のラスタラインrnには、ドットの非形成や追加はない。そして、隣接する一方のラスタラインにドットが追加され、他方のラスタラインのドットが非形成になる。これにより、前述の参考例と比較して、非形成とされるドットDT1と追加されるドットDT2が離れているので、同じ領域で相反する操作を行わずに済み、濃度ムラを補正する効果が低下しない。
また、本実施形態によれば、以下のような効果もある。
図31A〜図31Cは、本実施形態の方法で補正された状態の説明図である。ここでは、n番目のラスタラインrnを構成する各ドットが、ノズルの不良等の影響により、正規の大きさよりも小さいドットである。なお、他のラスタラインは、正規の大きさのドットで構成される。
図31Aは、ラスタライン間の濃度に応じた補正用データの説明図である。ラスタラインrnを構成するドットが小さいので、隣接するラスタラインとの間の濃度が薄くなる。そのため、ラスタラインrnと下流側に隣接するラスタラインr(n−1)との間の濃度に応じた補正用データはプラス(ここでは+0.05)になる。また、ラスタラインrnと上流側に隣接するラスタラインr(n+1)との間の濃度に応じた補正用データはプラス(ここでは+0.05)になる。なお、他のラスタラインは正規の大きさのドットで構成されるので、他の補正用データはゼロとなる。
図31Bは、ラスタラインの補正値の説明図である。ラスタラインの補正値は、下流側に隣接するラスタラインとの補正用データと、上流側に隣接するラスタラインとの補正値用データとの平均値として算出される。そのため、n−2番目のラスタラインr(n−2)の補正値はゼロとなる(但し、不図示のn−3番目のラスタラインは、正規の大きさのドットが正規の位置に形成されている)。同様に、n−1番目のラスタラインr(n−1)の補正値は+0.025(=(0+0.05)/2)になり、n番目のラスタラインrnの補正値は+0.05(=(+0.05+0.05)/2)になり、n+1番目のラスタラインr(n+1)の補正値は+0.025(=(+0.05+0)/2)になり、n+2番目のラスタラインr(n+2)の補正値はゼロとなる(但し、不図示のn+3番目のラスタラインは、正規の大きさのドットが正規の位置に形成されている)。
図31Cは、本実施形態の方法で補正された状態の説明図である。補正値がプラスであれば、前述のΔgrがプラスになるので、ドットの生成率が高くなる。また、補正値の絶対値が大きければ、ドットの非形成や追加の割合が多くなる。その結果、補正値が比較的大きいプラスであるラスタラインrnには、濃度を濃くするようにドットDT3が追加される。補正値が比較的小さいプラスであるラスタラインr(n―1)とラスタラインr(n+1)は、追加されるドットが少ないので、不図示とする。なお、補正値がゼロであるラスタラインには、濃度の補正が行われないので、ドットの非形成や追加はない。
本実施形態によれば、ノズルの不良等の影響により、あるラスタラインのドットの大きさが正規の大きさよりも小さくても、そのラスタラインの濃度を濃くするように補正される。これにより、印刷画像の濃度ムラを補正することができる。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてプリンタ1について記載されているが、その中には、印刷装置、印刷方法、印刷システム1000等の開示が含まれている。また、一実施形態としてのプリンタ1等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタ1とスキャナ装置100とが個別に構成され、それぞれがコンピュータ1100に対して通信可能に接続されていた。しかし、この構成に限られるものではない。例えば、プリンタ1の機能とスキャナ装置100の機能とを併せ持つ、所謂プリンタ・スキャナ複合機であってもよい。
また、前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ1の実施形態であったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出するインクは、このようなインクに限られるものではない。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<補正値について>
前述の実施形態では、ドット列間濃度に応じた補正用データがプリンタ内のメモリに記憶されていた。そして、本印刷のときに、プリンタ内の補正用データが読み出され、2つの補正用データの平均値(補正値)に基づいて各ラスタラインの濃度が補正されていた。しかし、プリンタ内のメモリに記憶する情報は、補正用データに限られるものではない。
例えば、2つの補正用データの平均値を、予めラスタラインに対応づけてプリンタ内のメモリに記憶しても良い。このようにしても、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
<補正用パターンについて>
前述の実施形態では、補正用パターンは、プリンタの出荷前に工場内で印刷されていた。そして、工場内において補正用パターンを測定していた。しかし、これに限られるものではない。
例えば、プリンタが出荷された後、ユーザーの下でプリンタが補正用パターンを印刷しても良い。そして、ユーザーが補正用パターンをスキャナで読み取り、プリンタドライバが測定値に基づいて補正用データをプリンタに記憶させるようにしても良い。つまり、前述の工場内のコンピュータにあった工程用補正プログラムが、プリンタドライバに組み込まれていても良い。
このようにすれば、インク滴の飛行方向が経時的に変化しても、その都度ユーザーが新たな補正用データを取得することができる。
<印刷方式について>
前述の実施形態では、印刷方式としてインターレース方式を例に説明したが、この印刷方式は、これに限るものではなく、所謂オーバーラップ方式を用いても良い。オーバーラップ方式では、一つのラスタラインが、二つ以上のノズルにより形成される。すなわち、このオーバーラップ方式では、用紙Sが搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、キャリッジ移動方向に移動する各ノズルが、数画素おきに間欠的にインク滴を吐出することによって、キャリッジ移動方向に間欠的にドットを形成する。そして、他のパスにおいて、他のノズルが既に形成されている間欠的なドットを補完するようにドットを形成することにより、1つのラスタラインが複数のノズルにより完成する。
<濃度補正対象について>
前述の実施形態では、ハーフトーン処理において補正値に基づく濃度補正が行われているが、この方法に限定されるものではない。例えば、解像度変換処理で得られたRGB画像データに対して、補正値に基づく濃度補正を行うように構成してもよい。
<インクを吐出するキャリッジ移動方向について>
前述の実施形態では、キャリッジ31の往方向の移動時にのみインクを吐出する単方向印刷を例に説明したが、これに限るものではなく、キャリッジ31の往復たる双方向移動時にインクを吐出する所謂双方向印刷を行っても良い。
<印刷に用いるインク色について>
前述の実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを用紙S上に吐出してドットを形成する多色印刷を例に説明したが、インク色はこれに限るものではない。例えば、これらインク色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)及びライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)等のインクを用いても良い。また、逆に、上記4つのインク色のいずれか一つだけを用いて単色印刷を行っても良い。
===まとめ===
(1)前述の実施形態の印刷方法では、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して、用紙に移動方向に沿ったラスタライン(ドット列)を形成するドット形成動作と、用紙を搬送方向に搬送する搬送動作とを繰り返して、所定の間隔(720dpi)で搬送方向に連続して並ぶ複数のラスタラインにより用紙に画像を構成している。
このような印刷方法では、インク滴の吐出量やインク滴の飛行方向にバラツキがあると、印刷画像の濃度ムラの原因となる。
そこで、参考例として、各ラスタラインの濃度を測定し、測定結果に応じて、ラスタラインの濃度を補正する印刷方法が考えられる。例えば、あるラスタラインの濃度が規定よりも薄かった場合には、本印刷時において、当該ラスタラインを担当するノズルからのインクの吐出量を増加させるように、当該ラスタラインの濃度を濃くするように補正する。このようにすれば、インク滴の吐出量が少なくなるノズルに対し、多くのインク滴を吐出させるように濃度補正が行われるので、インク滴の吐出量のバラツキに起因する濃度ムラを抑制することができる。
しかし、このような参考例の印刷方法では、インク滴の飛行方向のバラツキに起因する濃度ムラを効率よく抑制できない。例えば、参考例の印刷方法では、図17Cに示されるように、ラスタラインr(n+1)に対して相反する操作が行われてしまう。このため、参考例の印刷方法では、濃度ムラを補正する効果を上げようとすると、非形成とされるドットや追加されるドットを増やす必要があり、印刷画像の粒状性が低下する。
そこで、前述の実施形態の印刷方法では、各ラスタラインについて、下流側ラスタラインとの間隔が720dpiよりも離れ、上流側ラスタラインとの間隔が720dpiよりも近くなる場合、プリンタドライバ(プログラム)は、下流側ラスタラインの濃度を濃くするための補正を行い、上流側ラスタラインの濃度を淡くするための補正を行う。そして、プリンタドライバは、この封土補正を反映した印刷データを生成し、プリンタに送信する。プリンタは、印刷データに基づいて印刷を行えば、濃度補正結果に基づいて、各ラスタラインを形成することができる。
前述の実施形態によれば、インク滴の飛行方向にバラツキによる濃度ムラを抑制するための濃度補正を行った場合、濃度を濃くする領域と濃度を薄くする領域とが搬送方向に離れているので、濃度ムラを補正する効果が低下せずに済む。具体的には、ずれて形成されたラスタラインを挟む上流側ラスタライン及び下流側ラスタラインの一方のラスタラインのドットDT1が非形成とされ、他方のラスタラインにドットDT2が追加される。そして、このドットDT1とドットDT2の搬送方向の位置が離れているので、濃度ムラを補正する効果が低下せずに済む。
なお、上記の説明では、説明を簡略化するため、濃度を濃くする操作(又は薄くする操作)を、ドットの追加(ドットの非形成)で説明している。しかし、実際には、既に説明した通り、図4のドットの生成率を変化させている。
(2)前述の印刷方法では、例えばn番目のラスタラインrnを補正するとき、上流側ラスタラインr(n+1)との間隔に対応する補正用データと、下流側ラスタラインr(n−1)との間隔に対応する補正用データと、の平均値を補正値としている。一方、補正用データは、ラスタライン間の間隔に応じた値になる。そのため、前述の印刷方法では、上流側ラスタラインr(n+1)との間隔及び下流側ラスタラインr(n−1)との間隔の平均値に基づいて、ラスタラインrnが補正されていることになる。
このため、あるラスタラインについて、上流側ラスタラインとの間隔が離れ、かつ、下流側ラスタラインとの間隔が近くなる場合、そのラスタラインの補正値はゼロに近づくので、ほとんど濃度補正が行われない。これにより、濃度を濃くする領域と濃度を薄くする領域とが、n番目のラスタラインを挟んで搬送方向に離れているので、濃度ムラを補正する効果が低下せずに済む。
(3)前述の印刷方法では、まず、プリンタが、搬送方向に連続して並ぶ複数のラスタライン(ドット列)からなる補正用パターンを用紙(媒体)に形成する(S121)。そして、スキャナ装置が補正用パターンを測定し(S123)、本印刷の際に、プリンタドライバが、この測定結果である補正用データに基づいて、各ラスタラインの濃度補正を行う(S140)。
インク滴の飛行曲がりの具合は、各プリンタによって個体差がある。このため、各プリンタが印刷した補正用パターンに基づいて濃度補正を行えば、各プリンタのインク滴の飛行曲がりに応じた濃度補正を行うことができる。
(4)ラスタライン間濃度は、隣接するラスタライン(ドット列)の間隔を表す。例えば、ラスタライン間濃度が淡い場合、2つのラスタラインの間隔は離れている。逆に、ラスタライン間濃度が濃い場合、2つのラスタラインの間隔は近づいている。
したがって、スキャナ装置が補正用パターンの濃度を測定し、ラスタライン間濃度を測定すれば、2つのラスタラインの間隔を推定することが可能である。
そして、本印刷の際に、測定されたラスタライン間濃度に基づいて濃度補正を行えば、ラスタラインの間隔に応じて濃度補正を行うことができる。
(5)前述の実施形態では、ラスタライン間濃度からラスタラインの間隔を推定しているが、これに限られるものではない。例えば、スキャナ装置が補正用パターンを測定し、補正用パターンを構成する複数のドット列の間隔を直接測定しても良い。そして、プリンタドライバは、直接測定されたラスタラインの間隔に基づいて、濃度補正を行ってもよい。
(6)前述の印刷方法では、補正用データ(隣接するドット列との間隔に関する情報)を印刷装置のメモリに記憶している(S124)。このステップは、プリンタの出荷前に工場内で検査者により行われる。
そして、本印刷の際に(媒体に画像を印刷する際に)、プリンタドライバは、印刷装置のメモリから補正用データを読み出し、読み出された補正用データに基づいて、濃度補正を行う(S143、図4のΔgr参照)。なお、これらのステップは、プリンタを購入したユーザーの下で、プリンタとプリンタドライバが協働して行う。
これにより、個々のプリンタの特性に応じた補正用データが、各プリンタのメモリに記憶される。そのため、個々のプリンタの特性の一つであるインク滴の飛行方向のバラツキに応じて、各プリンタが濃度ムラを補正することができる。
(7)前述の印刷方法では、ラスタライン(ドット列)は、階調値に応じた濃度でノズルからインクを吐出して形成される。そして、ラスタラインの濃度の補正は、階調値を変化させるものである。
具体的に説明すると、256階調のCMYK画像データがハーフトーン処理されて2ビットのCMYK画素データに変換される。そして、プリンタが、この2ビットデータに応じて大ドット・中ドット・小ドット・ドット無し、を打ち分けてインクを吐出し、ラスタラインが形成される。そして、ハーフトーン処理を行う際に、256階調の階調値をΔgrだけ変化させて、ラスタラインの濃度を補正している。
このように、ハーフトーン処理前の階調値を変化させることにより、用紙に形成されるラスタラインの濃度を補正することができる。
なお、上記の説明では、CMYK画像データの階調を変化させているが、これに限られるものではない。例えば、色変換処理前の256階調のRGB画像データの階調値を変化させても良い。このようにしても、ラスタラインの濃度を補正することができる。
(8)なお、前述の実施形態の全ての構成を含まなくても、効率よく濃度ムラを抑制できるという効果を得ることができる。例えば、ラスタラインの補正値は必ずしも2つの補正用パターンの平均値である必要はないし、必ずしもバイキュービック法を用いる必要もない。但し、前述の実施形態の全ての構成があれば、より良く濃度ムラを抑制することができる。
(9)前述の印刷装置は、複数のノズルを移動方向に移動させるキャリッジ(移動体)と、媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、を備えている。そして、プリンタは、ドット形成動作(移動方向に移動するノズルからインクを吐出して移動方向に沿ったドット列を形成する動作)と、搬送動作(搬送ユニットにより媒体を搬送方向に搬送する動作)とを繰り返して、720dpiで搬送方向に連続して並ぶ複数のラスタライン(ドット列)により媒体に画像を構成する。
このような印刷装置では、インク滴の吐出量やインク滴の飛行方向にバラツキがあると、印刷画像の濃度ムラの原因となる。
そこで、前述の実施形態によれば、あるラスタラインについて、そのラスタラインを挟む2つのラスタライン(上流側ラスタラインと下流側ラスタライン)のうち一方のラスタラインとの間隔が720dpi(所定の間隔)よりも離れ、他方のラスタラインとの間隔との間隔が720dpiよりも近くなる場合、プリンタドライバは、一方のラスタラインの濃度を濃くするための濃度補正を行い、他方のラスタラインの濃度を淡く(薄く)するための濃度補正を行う。
これにより、前述の実施形態によれば、効率よく濃度ムラを抑制して画像を媒体に印刷することができる。
(10)前述のプリンタドライバ(プログラム)は、複数のノズルを移動方向に移動させるキャリッジ(移動体)と、媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットとを備える印刷装置と協働して、媒体に画像を印刷している。なお、印刷装置は、ドット形成動作(移動方向に移動するノズルからインクを吐出して移動方向に沿ったドット列を形成する動作)と、搬送動作(搬送ユニットにより媒体を搬送方向に搬送する動作)とを繰り返す。
そして、各ラスタラインについて、下流側ラスタラインとの間隔が720dpiよりも離れ、上流側ラスタラインとの間隔が720dpiよりも近くなる場合、プリンタドライバ(プログラム)は、下流側ラスタラインの濃度を濃くするための補正を行い、上流側ラスタラインの濃度を淡くするための補正を行い、この補正結果に基づいて、各ドット列を形成する機能を、プリンタに実現させる。
これにより、プリンタドライバは、効率よく濃度ムラを抑制してプリンタに画像を印刷させることができる。
印刷システの全体構成の説明図である。 プリンタドライバが行う処理の説明図である。 ディザ法によるハーフトーン処理のフローチャートである。 ドットの生成率テーブルを示す図である。 ディザ法によるドットのオン・オフ判定を示す図である。 図6Aは、大ドットの判定に用いられるディザマトリクスであり、図6Bは、中ドットの判定に用いられるディザマトリクスである。 プリンタドライバのユーザーインタフェースの説明図である。 プリンタの全体構成のブロック図である。 プリンタの全体構成の概略図である。 プリンタの全体構成の横断面図である。 ノズルの配列を示す説明図である。 ヘッドユニット40の説明図である。 各信号のタイミングチャートである。 印刷時の動作のフローチャートである。 図15A及び図15Bは、インターレース方式の説明図である。 用紙の搬送方向に生じる濃度ムラを模式的に説明する図である。 図17Aは、理想的な状態で形成されたラスタラインを説明する図であり、図17Bは、或るノズル形成されたラスタラインが搬送方向にずれた状態で形成された状態を説明する図であり、図17Cは、参考例の方法で補正された状態を説明する図である。 図18Aは、あるラスタラインが搬送方向上流側にずれた状態で形成された状態の説明図である。図18Bは、本実施形態の方法で補正された状態の説明図である。 本実施形態に係る画像の印刷方法に関連する工程等の流れを示すフローチャートである。 補正用データの設定に使用される機器を説明するブロック図である。 このコンピュータのメモリに設けられた記録テーブルの概念図である。 プリンタに設けられた補正用データ格納部の概念図である。 図23Aは、スキャナ装置の縦断面図であり、図23Bは、スキャナ装置の平面図である。 図19中のステップS120の手順を示すフローチャートである。 印刷された補正用パターンの一例を説明する図である。 図26Aは、補正用パターンを構成するラスタラインの間隔の説明図である。図26Bは、スキャナの解像度の説明図である。図26Cは、ラスタライン間の距離の説明図である。 バイキュービック法の説明図である。 図28Aは、ずれて形成されたラスタラインと、その周囲の補正用データHとの関係の説明図である。図28Bは、ドットの大きさが異なるラスタラインと、その周囲の補正用データHとの関係の説明図である。 図19中のステップS140に係るラスタライン毎の濃度補正の手順を示すフローチャートである。 図30Aは、ラスタライン間の濃度に応じた補正用データの説明図である。図30Bは、ラスタラインの補正値の説明図である。図30Cは、本実施形態の方法で補正された状態の説明図である。 図31Aは、ラスタライン間の濃度に応じた補正用データの説明図である。図31Bは、ラスタラインの補正値の説明図である。図31Cは、本実施形態の方法で補正された状態の説明図である。
符号の説明
1 プリンタ,20 搬送ユニット,21 給紙ローラ,22 搬送モータ,
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,30 キャリッジユニット,
31 キャリッジ,32 キャリッジモータ,40 ヘッドユニット,41 ヘッド,
42 ヘッド駆動回路、
421 第1シフトレジスタ,422 第2シフトレジスタ,
423 ラッチ回路群,424 データセレクタ,
43 原駆動信号発生部,
50 センサ群,51 リニア式エンコーダ,52 ロータリー式エンコーダ,
53 紙検出センサ,54 紙幅センサ,60 コントローラ,
61 インターフェース部,62 CPU,63 メモリ,64 ユニット制御回路,
90 インクカートリッジ,
100 スキャナ装置,101 原稿,102 原稿台ガラス,
104 読取キャリッジ,106 露光ランプ,108 リニアセンサ,
1000 印刷システム,1100・1100A コンピュータ,
1102 ビデオドライバ,1104 アプリケーションプログラム,
1110 プリンタドライバ,1120 工程用補正プログラム,
1200 表示装置,
1300 入力装置,1300A キーボード,1300B マウス,
1400 記録再生装置,
1400A フレキシブルディスクドライブ装置,
1400B CD−ROMドライブ装置,
CP 補正用パターン,
SW スイッチ,PZT ピエゾ素子,
ODRV 原駆動信号,PRT 印刷信号,PRT(i) 印刷信号,
DRV 駆動信号,S1 第1制御信号,S2 第2制御信号

Claims (10)

  1. 移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して、媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成し、
    前記媒体を搬送方向に搬送し、
    前記ドット列の形成と前記媒体の搬送とを繰り返して、所定の間隔で前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列により前記媒体に画像を構成する印刷方法であって、
    各ドット列について、該ドット列を挟む2つのドット列のうち一方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも離れ、他方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも近くなる場合、前記一方のドット列の濃度を濃くするための補正を行い、前記他方のドット列の濃度を淡くするための補正を行い、
    この補正結果に基づいて、各ドット列を形成する
    ことを特徴とする印刷方法。
  2. 請求項1に記載の印刷方法であって、
    前記一方のドット列との間隔及び前記他方のドット列との間隔の平均値に応じて、前記一方のドット列と前記他方のドット列に挟まれる前記ドット列について前記補正を行うことを特徴とする印刷方法。
  3. 請求項1又は2に記載の印刷方法であって、
    前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列からなる補正用パターンを前記媒体に形成し、
    前記補正用パターンに基づいて、隣接する前記ドット列との間隔に関する情報を測定し、
    この測定結果に基づいて、前記補正を行う
    ことを特徴とする印刷方法。
  4. 請求項3に記載の印刷方法であって、
    前記補正用パターンの濃度を測定し、
    前記測定結果に基づいて、前記補正を行う
    ことを特徴とする印刷方法。
  5. 請求項3に記載の印刷方法であって、
    前記補正用パターンを構成する複数の前記ドット列の間隔を測定し、
    前記測定結果に基づいて、前記補正を行う
    ことを特徴とする印刷方法。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の印刷方法であって、
    前記情報をメモリに記憶し、
    前記媒体に前記画像を印刷する際に、前記メモリから前記情報を読み出し、
    前記読み出された前記情報に基づいて、前記補正を行う
    ことを特徴とする印刷方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷方法であって、
    前記ドット列は、階調値に応じた濃度で前記ノズルからインクを吐出して形成され、
    前記補正は、前記階調値を変化させるものである
    ことを特徴とする印刷方法。
  8. 移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して、媒体に前記移動方向に沿ったドット列を形成し、
    前記媒体を搬送方向に搬送し、
    前記ドット列の形成と前記媒体の搬送とを繰り返して、所定の間隔で前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列により前記媒体に画像を構成する印刷方法であって、
    各ドット列について、該ドット列を挟む2つのドット列のうち一方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも離れ、他方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも近くなる場合、前記一方のドット列の濃度を濃くするための補正を行い、前記他方のドット列の濃度を淡くするための補正を行い、
    この補正結果に基づいて、各ドット列を形成し、
    前記一方のドット列との間隔及び前記他方のドット列との間隔の平均値に応じて、前記一方のドット列と前記他方のドット列に挟まれる前記ドット列について前記補正を行い、
    前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列からなる補正用パターンを前記媒体に形成し、
    前記補正用パターンの濃度に基づいて、隣接する前記ドット列との間隔に関する情報を測定し、
    前記情報をメモリに記憶し、
    前記媒体に前記画像を印刷する際に、前記メモリから前記情報を読み出し、
    前記読み出された前記情報に基づいて、前記補正を行い、
    前記ドット列は、階調値に応じた濃度で前記ノズルからインクを吐出して形成され、
    前記補正は、前記階調値を変化させるものである
    ことを特徴とする印刷方法。
  9. 複数のノズルを移動方向に移動させる移動体と、
    媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
    を備え、
    前記移動方向に移動する前記ノズルからインクを吐出して前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット列形成動作と、前記搬送ユニットにより前記媒体を搬送方向に搬送する搬送動作とを繰り返して、前記所定の間隔で前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列により前記媒体に画像を構成する印刷装置であって、
    各ドット列について、該ドット列を挟む2つのドット列のうち一方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも離れ、他方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも近くなる場合、前記一方のドット列の濃度を濃くするための補正を行い、前記他方のドット列の濃度を淡くするための補正を行い、
    この補正結果に基づいて、各ドット列を形成する
    ことを特徴とする印刷装置。
  10. 複数のノズルを移動方向に移動させる移動体と、
    媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
    を備え、
    前記移動方向に移動する前記ノズルからインクを吐出して前記移動方向に沿ったドット列を形成するドット列形成動作と、前記搬送ユニットにより前記媒体を搬送方向に搬送する搬送動作とを繰り返して、前記所定の間隔で前記搬送方向に連続して並ぶ複数の前記ドット列により前記媒体に画像を構成する
    印刷装置に、
    各ドット列について、該ドット列を挟む2つのドット列のうち一方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも離れ、他方のドット列との間隔が前記所定の間隔よりも近くなる場合、前記一方のドット列の濃度を濃くするための補正を行い、前記他方のドット列の濃度を淡くするための補正を行い、この補正結果に基づいて、各ドット列を形成する機能
    を実現させることを特徴とするプログラム。

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