JP2007168249A - 印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンディングの発生を抑制する。
【解決手段】本発明の印刷方法は、インク滴を媒体に向かって吐出するヘッドを移動方向に移動させる移動体と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送機構とを備える印刷装置を用いて前記ヘッドから前記インク滴を吐出させてテストシートにドットを形成し、前記テストシートに形成させた前記ドットの前記搬送方向におけるドット幅を検出し、升目状に並ぶ各画素の階調を示す画素データに応じて前記ヘッドから前記インク滴を吐出させて前記媒体に前記ドットを形成し、前記搬送方向における位置が共通する複数の前記画素に対応する複数の前記ドットによって構成されるドット列を前記媒体に形成するとき、前記ドット幅の検出結果に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定する。
【選択図】図17

Description

本発明は、印刷方法に関する。
インクジェットプリンタのような印刷装置では、移動方向に移動するヘッドからインク滴を吐出してドットを形成するドット形成処理と、媒体(例えば、紙、布、OHP用紙など)を搬送方向に搬送する搬送処理とを交互に繰り返し、無数のドットから構成される印刷画像を媒体に印刷している。
ドットを形成する際の画像データは、通常、升目状に並ぶ各画素の階調を示す画素データから構成されている。従来では、升目状に並ぶ画素に応じて、移動方向に一直線に並ぶドット列を搬送方向に複数並べることによって、印刷画像が形成されていた。
特開平6−183033号公報
但し、ドット列を、移動方向に一直線に並ぶ複数のドットによって構成すると、バンディングと呼ばれる縞模様が印刷画像に発生し、印刷画像の画質が劣化することがあった。
本実施形態では、バンディングの発生を抑制し、印刷画像の画質を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、インク滴を媒体に向かって吐出するヘッドを移動方向に移動させる移動体と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送機構とを備える印刷装置を用いて前記ヘッドから前記インク滴を吐出させてテストシートにドットを形成し、前記テストシートに形成させた前記ドットの前記搬送方向におけるドット幅を検出し、升目状に並ぶ各画素の階調を示す画素データに応じて前記ヘッドから前記インク滴を吐出させて前記媒体に前記ドットを形成し、前記搬送方向における位置が共通する複数の前記画素に対応する複数の前記ドットによって構成されるドット列を前記媒体に形成するとき、前記ドット幅の検出結果に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定する印刷方法。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
インク滴を媒体に向かって吐出するヘッドを移動方向に移動させる移動体と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送機構とを備える印刷装置を用いて前記ヘッドから前記インク滴を吐出させてテストシートにドットを形成し、
前記テストシートに形成させた前記ドットの前記搬送方向におけるドット幅を検出し、
升目状に並ぶ各画素の階調を示す画素データに応じて前記ヘッドから前記インク滴を吐出させて前記媒体に前記ドットを形成し、前記搬送方向における位置が共通する複数の前記画素に対応する複数の前記ドットによって構成されるドット列を前記媒体に形成するとき、前記ドット幅の検出結果に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定する
印刷方法。
このような印刷方法によれば、バンディングの発生を抑制することができる。
かかる印刷方法であって、前記ドットは、前記移動方向に長軸となる楕円形状であることが望ましい。このような場合に、本実施形態は特に有効である。
かかる印刷方法であって、前記媒体の種類毎に、前記テストシートにドットを形成し、
前記媒体の種類毎に、前記ドット幅を検出し、
前記媒体の種類に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定することが望ましい。
媒体の種類に応じてドットの大きさが異なり、バンディングの発生のしやすさが異なるためである。
かかる印刷方法であって、前記移動体の速度毎に、前記テストシートにドットを形成し、
前記移動体の速度毎に、前記ドット幅を検出し、
前記移動体の速度に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定することが望ましい。
キャリッジの速度に応じてドットの形状が異なり、バンディングの発生のしやすさが異なるためである。
また、前記ドット列を形成するノズルの数毎に、前記テストシートに前記ドットを形成し、
前記ドット列を形成するノズルの数毎に、前記ドット幅を検出し、
前記ドット列を形成するノズルの数に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせる量を決定しても良い。
かかる印刷方法であって、前記媒体を前記搬送方向に搬送することによって、前記ヘッドに対する前記媒体の相対的な位置関係を変えて、
前記媒体の搬送量を変えることにより、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせていることが望ましい。
また、ドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送する搬送処理とを交互に繰り返して、
前記搬送方向の基準となる基準位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理と、前記基準位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理との間に行われる前記搬送処理では、基準となる基準搬送量で前記媒体を搬送させ、
前記基準位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理と、前記基準位置からずれた位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理との間に行われる前記搬送処理では、前記基準搬送量とは異なる搬送量で前記媒体を搬送させることが好ましい。
これにより、画像変換を行わずに、ドットを搬送方向にずらして形成することが可能である。
かかる印刷方法であって、検出された前記ドット幅が所定の値より大きい値であるとき、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせないことを決定することが望ましい。
また、検出された前記ドット幅が所定の値より小さい値であるとき、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせることを決定することが望ましい。
ドットの大きさにより、バンディングの発生のしやすさが異なるためである。
かかる印刷方法であって、前記ヘッドは、所定の間隔で前記搬送方向に並ぶ複数のノズルを有し、
前記ヘッドの前記移動方向の位置に応じて、前記インク滴を吐出するノズルを変えることによって、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせることが好ましい。
このようにしても、ドットを搬送方向にずらして形成することが可能である。
かかる印刷方法であって、前記ドット列を構成する奇数番目のドットの前記搬送方向の位置に対して、前記ドット列を構成する偶数番目のドットの前記搬送方向の位置が異なることが望ましい。
これにより、バンディングの発生を抑制することができる。
===印刷システムの構成===
次に、印刷システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザーインタフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
なお、「印刷装置」とは、媒体に画像を印刷する装置を意味し、例えばプリンタ1が該当する。また、「印刷制御装置」とは、印刷装置を制御する装置を意味し、例えば、プリンタドライバをインストールしたコンピュータが該当する。また、「印刷システム」とは、少なくとも印刷装置及び印刷制御装置を含むシステムを意味する。
===プリンタドライバ===
<プリンタドライバについて>
図2は、プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
コンピュータ110では、コンピュータに搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ112やアプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ112は、アプリケーションプログラム114やプリンタドライバ116からの表示命令に従って、例えばユーザインターフェース等を表示装置120に表示する機能を有する。アプリケーションプログラム114は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザーは、アプリケーションプログラム114のユーザインターフェースを介して、アプリケーションプログラム114により編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム114は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ116に画像データを出力する。
プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換し、印刷データをプリンタに出力する。ここで、印刷データとは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと画素データとを有するデータである。ここで、コマンドデータとは、プリンタに特定の動作の実行を指示するためのデータである。また、画素データとは、印刷される画像(印刷画像)を構成する画素に関するデータであり、例えば、ある画素に対応する紙上の位置に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)である。
プリンタドライバ116は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・ラスタライズ処理などを行う。以下に、プリンタドライバ116が行う各種の処理について説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラム114から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラム114から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される多階調(例えば256階調)のRGBデータである。以下、画像データを解像度変換処理したRGBデータをRGB画像データと呼ぶ。
色変換処理は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。なお、CMYKデータは、プリンタが有するインクの色に対応したデータである。この色変換処理は、RGB画像データの階調値とCMYK画像データの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバ116が参照することによって行われる。この色変換処理により、各画素についてのRGBデータが、インク色に対応するCMYKデータに変換される。なお、色変換処理後のデータは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである。以下、RGB画像データを色変換処理したCMYKデータをCMYK画像データと呼ぶ。
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンタが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・γ補正・誤差拡散法などを利用して、プリンタがドットを分散して形成できるように画素データを作成する。プリンタドライバ116は、ハーフトーン処理を行うとき、ディザ法を行う場合にはディザテーブルを参照し、γ補正を行う場合にはガンマテーブルを参照し、誤差拡散法を行う場合は拡散された誤差を記憶するための誤差メモリを参照する。ハーフトーン処理されたデータは、前述のRGBデータと同等の解像度(例えば720×720dpi)を有している。ハーフトーン処理されたデータは、例えば、各画素につき1ビット又は2ビットのデータから構成される。
ラスタライズ処理は、マトリクス状(升目状)の画像データを、プリンタに転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる画素データとして、プリンタに出力される。
<プリンタドライバの設定について>
図3は、プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。このプリンタドライバのユーザインターフェースは、ビデオドライバ112を介して、表示装置に表示される。ユーザーは、入力装置130を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。
ユーザーは、この画面上から、印刷モードを選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷モードとして、高速印刷モード又はファイン印刷モードを選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された印刷モードに応じた形式になるように、画像データを印刷データに変換する。
また、ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度(印刷するときのドットの間隔)を選択することができる。例えば、ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度として720dpiや360dpiを選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された解像度に応じて解像度変換処理を行い、画像データを印刷データに変換する。
また、ユーザーは、この画面上から、印刷に用いられる印刷用紙を選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷用紙として、普通紙や光沢紙を選択することができる。紙の種類(紙種)が異なれば、インクの滲み方や乾き方も異なるため、印刷に適したインク量も異なる。そのため、プリンタドライバは、選択された紙種に応じて、画像データを印刷データに変換する。
このように、プリンタドライバは、ユーザインターフェースを介して設定された条件に従って、画像データを印刷データに変換する。なお、ユーザーは、この画面上から、プリンタドライバの各種の設定を行うことができるほか、カートリッジ内のインクの残量を知ること等もできる。
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図4は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図5Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図5Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。以下、プリンタの基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びプリンタ側コントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、プリンタ側コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。プリンタ側コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をプリンタ側コントローラ60に出力する。プリンタ側コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、紙Sをプリンタの外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモータ32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙の先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
プリンタ側コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。プリンタ側コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<ノズルについて>
図6は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル列Kと、シアンインクノズル列Cと、マゼンタインクノズル列Mと、イエローインクノズル列Yが形成されている。各ノズル列は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では180個)備えている。
各ノズル列の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720)である場合、k=4である。
各ノズル列のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯180)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯180よりも搬送方向の下流側に位置している。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。また、光学センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズル♯180とほぼ同じ位置にある。
<印刷動作について>
図7は、印刷時の処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、プリンタ側コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):まず、プリンタ側コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、プリンタ側コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙処理・搬送処理・ドット形成処理等を行う。
給紙処理(S002):給紙処理とは、印刷すべき紙をプリンタ内に供給し、印刷開始位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする処理である。プリンタ側コントローラ60は、給紙ローラ21を回転させ、印刷すべき紙を搬送ローラ23まで送る。続いて、プリンタ側コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させ、給紙ローラ21から送られてきた紙を印刷開始位置に位置決めする。紙が印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の少なくとも一部のノズルは、紙と対向している。
ドット形成処理(S003):ドット形成処理とは、移動方向に沿って移動するヘッドからインクを断続的に吐出させ、紙上にドットを形成する処理である。プリンタ側コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を移動方向に移動させる。そして、プリンタ側コントローラ60は、キャリッジ31が移動している間に、印刷データに基づいてヘッドからインクを吐出させる。ヘッド41から吐出されたインク滴が紙上に着弾すれば、紙上にドットが形成される。移動するヘッド41からインクが断続的に吐出されるので、紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドット列(ラスタライン)が形成される。
搬送処理(S004):搬送処理とは、紙をヘッドに対して搬送方向に沿って相対的に移動させる処理である。プリンタ側コントローラ60は、搬送モータを駆動し、搬送ローラを回転させて紙を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド41は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、ドットを形成することが可能になる。
排紙判断(S005):プリンタ側コントローラ60は、印刷中の紙の排紙の判断を行う。印刷中の紙に印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、プリンタ側コントローラ60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に紙に印刷する。
排紙処理(S006):印刷中の紙に印刷すべきデータがなくなれば、プリンタ側コントローラ60は、排紙ローラを回転させることにより、その紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
印刷終了判断(S007):次に、プリンタ側コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の紙の給紙処理を開始する。次の紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
ところで、プリンタ側コントローラ60は、プリンタドライバから受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御している。例えば、プリンタ側コントローラ60は、印刷データに含まれるコマンドデータの示す搬送量に従って、搬送ユニット20に搬送処理を行わせる。また、プリンタ側コントローラ60は、印刷データに含まれる画素データの順に従って、ヘッドユニットにインク滴を吐出させる。
このため、印刷データを生成するプリンタドライバが印刷データを介してプリンタを制御していると、言うこともできる。このように考えると、プリンタドライバをインストールしたコンピュータ110とプリンタ側コントローラ60が、印刷システム全体の印刷動作を制御していると言うことができる。そこで、プリンタドライバをインストールしたコンピュータ110とプリンタ側コントローラ60とを合せて「コントローラ」とも呼ぶ。
===基本的な印刷動作===
<インターレース印刷>
図8A及び図8Bは、インターレース印刷の説明図である。図8Aは、パス1〜パス4におけるヘッド(又はノズル列)の位置とドットの形成の様子を示し、図8Bは、パス1〜パス6におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。
説明の都合上、複数あるノズル列のうちの一つのノズル列のみを示し、ノズル列のノズル数も少なくしている(ここでは8個)。図中の黒丸で示されるノズルは、インクを吐出可能なノズルである。一方、白丸で示されるノズルは、インクを吐出不可のノズルである。また、説明の便宜上、ヘッド(又はノズル列)が紙に対して移動しているように描かれているが、同図はヘッドと紙との相対的な位置を示すものであって、実際には紙が搬送方向に移動されている。また、説明の都合上、各ノズルは数ドット(図中の丸印)しか形成していないように示されているが、実際には、移動方向に移動するノズルから間欠的にインク滴が吐出されるので、移動方向に多数のドットが並ぶことになる。このドットの列をラスタラインともいう。黒丸で示されるドットは、最後のパスで形成されるドットであり、白丸で示されるドットは、それ以前のパスで形成されたドットである。なお、「パス」とは、移動するノズルからインクを吐出して、ドットを形成する動作(ドット形成動作)をいう。各パスは、紙を搬送方向に搬送する動作(搬送動作)と交互に行われる。
「インターレース印刷」とは、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印刷方法を意味する。例えば、図8A及び図8Bにおける印刷方法では、1回のパスで形成されるラスタラインの間に、3本のラスタラインが挟まれている。
インターレース印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)インクを吐出可能なノズル数N(整数)はkと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。
同図では、ノズル列は搬送方向に沿って配列された8個のノズルを有する。ノズル列のノズルピッチkは4なので、インターレース印刷を行うための条件である「Nとkが互いに素の関係」を満たすため、全てのノズルは用いずに、7個のノズル(ノズル♯1〜ノズル♯7)を用いる。また、7個のノズルが用いられるため、紙は搬送量7・Dにて搬送される。その結果、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル列を用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。なお、実際のノズル数(180個)は7個よりも多いので、実際の搬送量(179・D)は7・Dよりも多くなる。
インターレース印刷の場合、ノズルピッチ幅の連続するラスタラインが完成するためには、k回のパスが必要となる。例えば、180dpiのノズルピッチのノズル列を用いて720dpiのドット間隔にて連続する4つのラスタラインが完成するためには、4回のパスが必要となる。同図によれば、パス3のノズル♯2が形成したラスタライン(図中の矢印で示されるラスタライン)よりも搬送方向上流側に、連続的なラスタラインがドット間隔Dにて形成されることが示されている。
<オーバーラップ印刷>
図9A及び図9Bは、オーバーラップ印刷の説明図である。図9Aは、パス1〜パス8におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図9Bは、パス1〜パス11におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。
「オーバーラップ印刷」とは、ラスタラインを複数のノズルで形成する印刷方法を意味する。例えば、図9A及び図9Bにおける印刷方法では、各ラスタラインは、2つのノズルで形成されている。
オーバーラップ印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、数ドットおきに間欠的にドットを形成する。そして、他のパスにおいて、他のノズルが既に形成されている間欠的なドットを補完するように(ドットの間を埋めるように)ドットを形成することにより、1つラスタラインが複数のノズルにより形成される。このようにM回のパスにて1つのラスタラインが形成される場合、「オーバーラップ数M」と定義する。
図9A及び図9Bでは、各ノズルは、1ドットおきに間欠的にドットが形成されるので、パス毎に奇数番目の画素又は偶数番目の画素にドットが形成される。そして、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されているので、オーバーラップ数M=2になる。
オーバーラップ印刷において、搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)N/Mが整数であること、(2)N/Mはkと互いに素の関係にあること、(3)搬送量Fが(N/M)・Dに設定されること、が条件となる。
図9A及び図9Bでは、ノズル列は搬送方向に沿って配列された8つのノズルを有する。しかし、ノズル列のノズルピッチkは4なので、オーバーラップ印刷を行うための条件である「N/Mとkが互いに素の関係」を満たすために、全てのノズルを用いることはできない。そこで、8つのノズルのうち、6つのノズルを用いてオーバーラップ印刷が行われる。また、6つのノズルが用いられるため、紙は搬送量3・Dにて搬送される。その結果、例えば、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル列を用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。
1つのラスタラインがM個のノズルにより形成される場合、ノズルピッチ分のラスタラインが完成するためには、k×M回のパスが必要となる。例えば、図9A及び図9Bでは、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されているので、4つのラスタラインが完成するためには、8回のパスが必要となる。同図によれば、パス3のノズル♯4及びパス7のノズル♯1が形成したラスタライン(図中の矢印で示されるラスタライン)よりも搬送方向上流側に、連続的なラスタラインがドット間隔Dにて形成されることが示されている。
図9A及び図9Bでは、パス1では各ノズルが奇数画素にドットを形成し、パス2では各ノズルが偶数画素にドットを形成し、パス3では各ノズルが奇数画素にドットを形成し、パス4では各ノズルが偶数画素にドットを形成する。つまり、前半の4回のパスでは、奇数画素−偶数画素−奇数画素−偶数画素の順にドットが形成される。そして、後半の4回のパス(パス5〜パス8)では、前半の4回のパスと逆の順にドットが形成され、偶数画素−奇数画素−偶数画素−奇数画素の順にドットが形成される。なお、パス9以降のドットの形成順は、パス1からのドット形成順と同様である。
===参考例の説明===
図10Aは、正常に形成されたドット群の説明図である。ここでは、720dpi×720dpiの解像度でドットが形成されているものとする。また、説明の都合上、一番上のラスタラインを構成する複数のドットのそれぞれに、左から番号を付している。
移動方向に移動するノズルからインク滴が吐出され、このインク滴が紙に着弾してドットが形成されるので、ドットは、キャリッジ31の移動方向を長軸とする楕円形になる。また、ノズルから短時間に複数回の微小インク滴を吐出して、これらの複数の微小インク滴がまとまって1つのドットを形成するような場合もあるが、このようなドットも、キャリッジ31の移動方向を長軸とする楕円形になる。
正常にドットが形成された場合、図に示されるように、隙間なくドットが形成される。但し、ドットが移動方向に長軸の楕円形であるため、移動方向に隣接するドット同士と比べて、搬送方向に隣接するドット同士は、余り重なっていない。
図10Bは、ドットが小さくなった場合の説明図である。ここでは、2つのラスタラインに注目して、説明を行なう。
ドットが小さくなる原因の一つとして、紙の影響が考えられる。表面にインク吸収層を持つ光沢紙では、普通紙と比べてインクの吸収性が高いため、紙に着弾したインク滴が滲まずに浸透し易い。このため、光沢紙に形成されるドットは、普通紙の場合よりも小さくなる。
また、ドットが小さくなる他の原因として、ヘッドの製造誤差などがある。例えばノズルの開口部の加工精度の影響などにより、ノズルから吐出されるインク滴のインク量が少なくなる場合がある。吐出されたインク滴のインク量が少なく、インク滴の大きさが小さいと、このインク滴により形成されたドットも小さくなる。
ドットが小さくなると、図に示すように、搬送方向に隣接するドット同士が離れてしまい、隙間が発生する。また、小さいドットによりラスタラインが形成されると、図に示すように、隙間が移動方向につながって延びてしまい、印刷画像に淡い白スジが形成される。この白スジは、「バンディング」と呼ばれ、印刷画像の画質劣化の元になる。
図10Cは、ドットが搬送方向にずれて形成された場合の説明図である。
ドットがずれて形成される原因の一つとして、ヘッドの製造誤差が考えられる。例えばノズルの開口部の加工精度の影響などにより、ノズルから吐出されたインク滴の飛翔方向に異常が生じる。この結果、インク滴の着弾位置がずれてしまい、ドットがずれて形成されるのである。
また、ドットがずれて形成される他の原因の一つとして、ヘッドの振動やヘッド自身の傾きの影響が考えられる。ヘッドが振動したり、ヘッド自身が傾いて取り付けられたりすると、インク滴の飛翔方向に搬送方向成分が含まれることがある。この状態であっても、ノズルと紙との間の距離が全てのノズルで同じであれば、どのドットも搬送方向に同じようにずれて形成されるので、相対的にドットの搬送方向のずれは形成されない。しかし、インク滴の飛翔方向に搬送方向成分が含まれた状態で、ノズルと紙との間の距離がノズル毎に異なると、この距離に応じてドットの搬送方向のずれが異なることになる。
ドットが搬送方向にずれて形成されると、図に示すように、搬送方向に隣接するドット同士が離れてしまい、隙間が発生する。また、搬送方向にずれたドットによりラスタラインが形成されると、図に示すように、隙間が移動方向に伸びてしまい、印刷画像に淡い白スジが形成される。この白スジも、「バンディング」として画質劣化の元になる。
本実施形態では、このようなバンディングを目立たなくなるようにドットを形成し、印刷画像の画質向上を図っている。但し、本実施形態では、上記の原因により生じたバンディングだけでなく、他の原因のバンディングの発生も抑制することが可能である。
===本実施形態のドット配置===
図11Aは、本実施形態のドット配置の説明図である。この図では、説明のため、正常にドットが720dpi×720dpiの解像度で形成されている。また、説明の都合上、一番上のラスタラインを構成する複数のドットのそれぞれに、左から番号を付している。
本実施形態では、奇数番目のドットは、前述の図10Aと同様の位置に形成されている。但し、本実施形態の偶数番目のドットは、前述の図10Aの場合よりも、搬送方向に1/2880インチずらして形成されている。また、他のラスタラインでも、番号は不図示であるが一番上のラスタラインと同様に、偶数番目のドットは、前述の図10Aの場合よりも、搬送方向に1/2880インチずらして形成されている。
図11Bは、本実施形態のドット配置においてドットが小さくなった場合の説明図である。
ドットが小さくなると、本実施形態の場合も前述の参考例(図10B)と同様に、搬送方向に隣接するドット同士が離れてしまい、隙間が発生する。但し、本実施形態では、偶数番目のドットの搬送方向の位置が、奇数番目のドットの搬送方向の位置に対して1/2880インチずれているため、偶数番目のドット同士の間の隙間の位置が、奇数番目のドット同士の間の隙間の位置に対して、搬送方向に約1/2880インチだけずれている。このため、前述の参考例のように隙間が移動方向につながり難くなり、バンディングが視認されにくくなる。
図11Cは、本実施形態のドット配置においてドットが搬送方向に更にずれて形成された場合の説明図である。
ドットが搬送方向にずれてしまうと、本実施形態の場合も前述の参考例(図10C)と同様に、搬送方向に隣接するドット同士が離れてしまい、隙間が発生する。但し、本実施形態では、偶数番目のドットの搬送方向の位置が、奇数番目のドットの搬送方向の位置に対して1/2880インチずれているため、偶数番目のドット同士の間の隙間の位置が、奇数番目のドット同士の間の隙間の位置に対して、搬送方向に約1/2880インチだけずれている。このため、前述の参考例のように隙間が移動方向につながり難くなり、バンディングが視認されにくくなる。
このように、本実施形態では、移動方向の位置に応じて、ラスタラインを構成するドットの搬送方向の位置を変えて、バンディングの発生を抑制している。
===本実施形態の画素とドットの関係===
図12は、本実施形態におけるプリンタドライバの処理の説明図である。
図中の左上図の升目は、解像度変換後に行われる色変換処理の後の画像データの説明図である。ここでは、説明のため画像データ(CMYKデータ)のうちのKデータ(黒データ)のみについて説明を行なう。
色変換処理後の画像データのKデータは、複数の画素データにより構成されている。各画素データは、それぞれ対応する画素の黒の階調値(256階調)を示すデータである。各画素は、図中の左上図に示すように、X方向(移動方向に相当)及びY方向(搬送方向に相当)に沿って升目状に並んでいる。
図11Aのドット配置を見ると、本実施形態では、図12の左上図の画素配置を右上図のような画素配置に、Kデータを画像変換する必要があるかのように思われるかもしれない。しかし、本実施形態では、このような画像変換は行っていない。本実施形態では、図12の左上の画素配置の画像データに対して、プリンタドライバはハーフトーン処理やラスタライズ処理を行っている。つまり、プリンタドライバは、通常のハーフトーン処理やラスタライズ処理を行うだけである。
但し、本実施形態では、画像変換を行わなくても、図12の左上図の太線で示された複数の画素(Y方向における位置が共通の複数の画素)に応じて、図12の左下図の太線で示されるように、搬送方向に1/2880インチずつずれたドットが移動方向に沿って交互に並ぶラスタラインが形成される。つまり、本実施形態では、Y方向(搬送方向)の位置が同じ画素の画素データであっても、ラスタラインを構成するドットのX方向(移動方向)の位置に応じて、ラスタラインを構成するドットのY方向(搬送方向)の位置が変わることになる。
===本実施形態の印刷動作===
図13は、本実施形態の印刷動作の説明図である。図14は、図13において点線で示す領域のドットの形成の様子の説明図である。図14の左側において、斜線のハッチングで示されたノズルは、偶数番目のドットを形成するノズルである。また、図14の右側において、斜線のハッチングで示されたドットは、偶数番目のドットである。
本実施形態の印刷方式は、前述の図9Aの印刷方式と比較すると、パスとパスとの間に行われる搬送処理での搬送量が異なっている。図9Aの印刷方式では一定の搬送量Fであるのに対して、本実施形態の印刷方式では、搬送量Fに対して、パスに応じて調整値Cが加算又は減算されている。
調整値Cは、1/2880インチである。この調整値Cの値は、テストシートに形成されるドットの幅に応じて設定される。本実施形態では、調整値Cが1/2880インチであることにより、偶数番目のドットの搬送方向の位置が、奇数番目のドットの搬送方向の位置に対して1/2880インチずれることになる。
あるパスで奇数番目のドットを形成し、次のパスで偶数番目のドットを形成する場合、これらのパスの間で行われる搬送処理では、搬送量は、通常の搬送量Fに調整値Cを加算したものになる。これにより、奇数番目のドットの搬送方向の位置に対して、1/2880インチだけ搬送方向上流側の位置に、偶数番目のドットが形成される。例えば、パス1とパス2との間で行われる搬送処理や、パス3とパス4との間で行われる搬送処理や、パス6とパス7との間で行われる搬送処理などでは、搬送量が、通常の搬送量Fよりも調整値Cだけ多い。
また、あるパスで偶数番目のドットを形成し、次のパスで奇数番目のドットを形成する場合、これらのパスの間で行われる搬送処理では、搬送量は、通常の搬送量Fに調整値Cを減算したものになる。これにより、偶数番目のドットの搬送方向の位置に対して、1/2880インチだけ搬送方向下流側の位置に、奇数番目のドットが形成される。例えば、パス2とパス3との間で行われる搬送処理や、パス5とパス6との間で行われる搬送処理や、パス7とパス8との間で行われる搬送処理などでは、搬送量が、通常の搬送量Fよりも調整値Cだけ少ない。
なお、あるパスで偶数番目のドットを形成し、次のパスでも偶数番目のドットを形成する場合、これらのパスの間で行われる搬送処理の搬送量は、通常の搬送量Fになる。例えば、パス4とパス5との間で行われる搬送処理などでは、搬送量が、通常の搬送量Fである。同様に、あるパスで奇数番目のドットを形成し、次のパスでも奇数番目のドットを形成する場合、これらのパスの間で行われる搬送処理の搬送量は、通常の搬送量Fになる。例えば、不図示ではあるがパス8とパス9との間で行われる搬送処理などでは、搬送量が、通常の搬送量Fになる。
===調整データAの設定===
前述の通り、図10Bに示すように、紙の影響によりドットが小さくなった場合に、搬送方向に隣接するドット同士が離れてしまうと、隙間が発生して、バンディングが発生してしまう。しかし、本実施形態では偶数番目のドットの搬送方向の位置が、奇数番目のドットの搬送方向の位置に対して調整値Cの1/2880インチずれているため、図11B及び図11Cに示すように、偶数番目のドット同士の間の隙間の位置が、奇数番目のドット同士の間の隙間の位置に対して、搬送方向に約1/2880インチだけずれている。このため、バンディングが視認されにくくなる。
印刷時に調整値Cを搬送量Fに加算・減算するか否かは、プリンタのメモリに予め記録されている調整データAに基づいて決定される。この調整データAを設定するには、ユーザーが印刷装置を使用する前に、工場でテストシートにドットを形成し、ドットの搬送方向におけるドット幅を測定する。そしてドット幅に応じて、調整データAを設定する。
図15は、調整データAを設定する処理のフロー図である。以下に説明される各処理は、工場に設置されているコンピュータがメモリ内に格納されたプログラムに従って、各装置を制御することにより実行される。このプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
S101:工場に設置されているコンピュータに接続された印刷装置により、テストシートTに複数のドットが搬送方向に形成される。S102:ドットが形成されたテストシートの画像はスキャナなどの装置により読み取られる。S103:読み取られた画像のテストシートの一辺の原点からドットの一端までの距離と、原点からドットの他端までの距離とを測定して、ドットの搬送方向におけるドット幅が測定される。そして、複数のドットのドット幅の平均値が算出される。S104:算出されたドット幅の平均値と予め設定されている基準値(閾値)とが比較される。S105:比較した結果に基づいて調整データAが設定されて、調整データAの設定処理が終了する。以下に、調整データAの設定処理を詳細に説明する。
図16は、テストシートの説明図である。
まず、工場などに設置されているコンピュータに格納されたプログラムに従って、テストシート用の印刷データが印刷装置へ送られて、この印刷データに応じてテストシートに複数のドットが形成される(S101)。
本実施形態のように図11Aに示すように720dpiX720dpiの解像度で通常ドットが形成されていると仮定すると、テストシートには1/180インチのドットが形成されることになる。
つまり、移動方向に移動するノズルからインク滴が吐出され、このインク滴が紙に着弾してドットが形成される。ドット#1、ドット#2、ドット#3、ドット#4は一回のパスで形成される。説明の都合上、搬送方向に形成されている複数のドットに上から順番に番号を付している。
複数のドットD(ここでは4つ)が形成されたテストシートは、工場のコンピュータに接続されている、CCDセンサを有するスキャナなどの装置によって読み取られる(S102)。
ドットが形成されているテストシートTの画像が読み取られた後、複数のドットの搬送方向におけるドット幅(W)が測定される。まず、原点(0)とする紙の一辺から搬送方向におけるドットの一端までと、原点(0)とする紙の一辺から搬送方向におけるドットの他端までとの距離が測定される。例えば、原点からドット#1の一端までの距離をSとして、原点からドット#1の他端までの距離をSとする。そして、S−S=W(ドットの搬送方向におけるドット幅)から、ドット#1のドット幅が測定される。
また、原点からドット#2の一端までの距離Sを測定して、原点からドット#2の他端までの距離Sを測定する。そして、S−S=Wから、ドット#2のドット幅が測定される。
また、原点からドット#3の一端までの距離Sを測定して、原点からドット#3の他端までの距離Sを測定する。そして、S−S=Wから、ドット#3のドット幅が測定される。
さらに、原点からドット#4の一端までの距離Sを測定して、原点からドット#4の他端までの距離Sを測定する。そして、S−S=Wから、ドット#4のドット幅が測定される。そして、測定された複数のドットのドット幅の平均値が算出される(S103)。
ドット幅の平均値が算出されると、ドット幅の平均値と基準値とが比較される(S104)。このとき、予め設定されている基準値(閾値)が参照される。ここで基準値とは、バンディングを生じさせないようなドットのドット幅の最小値である。つまり、基準値より小さいドット幅を有するドットでラスタラインが形成されると、バンディングが発生してしまう(図10B参照)。
図17は、検出された結果と調整データAとの関係を示す説明図である。
図示するように、検出結果が基準値と同じまたは基準値より大きいときは、調整データAは「0」と設定される。また、検出結果が基準値より小さいときは、調整データAは「1」と設定される。比較した結果に基づいて、各プリンタのメモリに調整データAが設定される(S105)。
プリンタの調整データAが「0」のとき、偶数番目のドットを奇数番目のドットに対して搬送方向にずらさないように、プリンタ側コントローラのメモリ63に1ビットの「0」の情報を記憶する。プリンタの調整データAが「1」のとき、偶数番目のドットを奇数番目のドットに対して搬送方向にずらすように、プリンタ側コントローラのメモリ63に1ビットの「1」の情報を記憶する。
図17に示すように、前述のように検出されたドット幅の平均値と基準値とを比較するとき、一つの基準値が参照される。しかし、二つの基準値が参照されることも可能である。
図18は、検出された結果と段階的に設定された調整データAとの関係を示す説明図である。図示するように、検出結果が第1基準値と同じまたは第1基準値より大きいときは、調整データAは「0」と設定される。また、検出結果が第1基準値より小さく第2基準値と同じまたは第2基準値より大きいときは、調整データAは「1」と設定される。また、検出結果が第2基準値より小さいときは、調整データAは「2」と設定される。このように、調整データAは段階的に設定されることも可能である。
===調整値Cの決定===
既に説明したとおり、ドットの大きさに応じてドット間の隙間が変化するので、ドット幅に応じてバンディングの発生状況や視認し易さが異なることになる。
バンディングが発生しにくいのであれば、調整値Cを加算・減算しなくてもよく、バンディングが発生し易いのであれば、調整値Cを加算・減算したほうがバンディングが視認しにくくなる。
プリンタ側コントローラ60のメモリ63に調整データAとして「0」が記憶されているとき、調整値Cは搬送量Fに加算・減算されずに印刷時の搬送処理が行われる。そして、プリンタ側コントローラ60のメモリ63に調整データAとして「1」が記憶されているとき、調整値Cの1/2880インチが搬送量Fに加算・減算されて印刷時の搬送処理が行われる。このように、調整値Cが決定される。
また、図18に示すように、調整データAが段階的に設定されている場合、調整データAが「0」のときには、調整値Cは搬送量Fに加算・減算されずに印刷時の搬送処理が行われる。また、調整データAが「1」のときには、例えば、1/5760インチの調整値Cが搬送量Fに加算・減算されて印刷時の搬送処理が行われる。また、調整データAが「2」のときには、1/2880インチの調整値Cが搬送量Fに加算・減算されて印刷時の搬送処理が行われる。このように、調整値Cが決定される。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<ノズル列について>
前述の実施形態では、ノズル列のノズルピッチは、1/180インチであった。しかし、これに限られるものではない。また、仮にノズルピッチが1/2880インチであるとすれば、以下のようにドットを形成することも可能である。
図19は、ノズルピッチが1/2880インチのノズル列を用いたドットの形成の説明図である。
この実施形態では、ヘッドの移動方向の位置に応じて、インク滴を吐出するノズルが変化する。例えば、奇数番目の画素にドットを形成する際には、ノズル♯1、ノズル♯5、ノズル♯9・・・の4個おきのノズルがインク滴を吐出し、偶数番目の画素にドットを形成する際には、ノズル♯2、ノズル♯6、ノズル♯10…の4個おきのノズルがインク滴を吐出する。これにより、1回のパスで、前述の実施形態と同様なドット配置でドットを形成することができる。
但し、この実施形態では、ドットをずらす量が、ノズルピッチに依存する。一方、前述の実施形態では、ドットをずらす量を搬送量で調整できるので、ノズルピッチに依存しなくて済む。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<紙種に応じた調整データAについて>
前述の実施形態では、ドットのドット幅の平均値と基準値との比較結果に基づいて調整データAが、紙種に関わらず、設定されている。しかし、ユーザーが印刷装置を使用する際に、更に別の条件を考慮して調整データAを設定することもできる。例えば、印刷時に使用する紙種に応じて調整データAを設定することができる。
図20は、紙種と調整データAとの関係を示す説明図である。
前述の実施形態と同様に、図15に示すフローに沿って、工場に設置されたコンピュータのメモリ内に格納されたプログラムに従って、工場で普通紙のテストシートと光沢紙のテストシートとの両方に複数のドットを形成して、紙種毎にドットの搬送方向におけるドット幅を測定して、紙種毎にドット幅の平均値を算出して、紙種毎にドット幅の平均値と予め設定されている基準値とを比較する。そして、比較した結果に基づいて、紙種毎に調整データAの「0」又は「1」を設定する。
光沢紙には表面にインク吸収層があるため、光沢紙に形成されるドットは、普通紙の場合よりも形状(輪郭)がはっきりしドット幅が小さくなる。つまり、ドット幅が基準値より小さくなる可能性が高い。このため、光沢紙は普通紙と比較して、バンディングが認識し易い。従って、光沢紙の調整データAとして「1」が設定されることが多い。
普通紙に形成されるドットは、光沢紙よりも大きく、ドットがにじみ、ドット幅が大きくなる。つまり、基準値と同じまたは基準値より大きくなる可能性が高い。このため、バンディングは生じにくい。従って、普通紙の調整データAとして「0」が設定されることが多い。
紙種毎の調整データAは、プリンタ側コントローラのメモリ63に記憶される。そして、紙種に応じた調整データAに基づいて印刷時に搬送処理が行われる。プリンタドライバは、プリンタドライバの設定(図3を参照)により選択された紙種の情報を取得する。普通紙に印刷を行う場合、調整データAは「0」であり、調整値Cは搬送量Fに加算・減算されずに印刷時に搬送処理が行われる。光沢紙に印刷を行う場合、調整データAは「1」であり、調整値Cが搬送量Fに加算・減算されて印刷時に搬送処理が行われる。
<キャリッジの速度に応じた調整データAについて>
前述の実施形態では、ドットのドット幅と基準値との比較結果に応じて調整データAが、キャリッジの速度に関わらず、設定されている。しかし、ユーザーが印刷装置を使用する際に、更に別の条件を考慮して調整データAを設定することができる。例えば、印刷時のキャリッジの速度に応じて調整データAを設定することができる。
図21は、キャリッジの速度と調整データAとの関係を示す説明図である。
前述の実施形態と同様に、図15に示すフローに沿って、工場に設置されたコンピュータのメモリ内に格納されたプログラムに従って、工場でキャリッジが遅いときと速いときとの両方の速度でテストシートに複数のドットを形成して、それぞれのキャリッジ速度に応じて形成されたドットの搬送方向におけるドット幅を測定して、キャリッジ速度に応じてドット幅の平均値を算出して、キャリッジ速度に応じて形成されたドット幅と予め設定されている基準値とを比較する。そして、比較した結果に基づいて、キャリッジの速度に応じて調整データAの「0」又は「1」を設定する。
ドットはキャリッジの移動方向を長軸とする楕円形に形成されるが、キャリッジの速度によりドットの搬送方向の幅が変化することがある。
キャリッジ速度が遅いときには、ドットの搬送方向におけるドット幅が小さくなることもなく、バンディングが認識しにくい。従って、キャリッジ速度が遅いときには、調整データAに「0」が設定されることが多い。
キャリッジ速度が速いときには、ドットは移動方向に伸びてしまい、ドットの搬送方向におけるドット幅が小さくなってしまうことがあり、バンディングが認識し易い。従って、キャリッジ速度が速いときには、調整データAに「1」が設定されることが多い。
キャリッジ速度に応じた調整データAは、プリンタ側コントローラのメモリ63に記憶される。そして、キャリッジ速度に応じた調整データAに基づいて印刷時に搬送処理が行われる。
プリンタドライバは、プリンタドライバの設定により選択された印刷モードの情報を取得する。「きれい」な印刷モード(ファイン印刷モード)が選択されると、高画質な印刷が行われることになる。高画質な印刷が行われるとき、キャリッジ速度は遅くなるため、調整データAは「0」となり、調整値Cは搬送量Fに加算・減算されずに印刷時に搬送処理が行われる。「はやい」印刷モード(高速印刷モード)が選択されると、高速で印刷が行われることになる。高速な印刷が行われるとき、キャリッジ速度は速くなるため、調整データAは「1」となり、調整値Cが搬送量Fに加算・減算されて印刷時に搬送処理が行われる。
<オーバーラップ数Mについて>
前述の実施形態では、搬送方向に形成されたドットのドット幅の平均値と基準値との比較結果に基づいて調整データAが、オーバーラップ数Mに関わらず、設定されている。しかし、ユーザーがプリンタを使用する際に、更に別の条件を考慮して調整データAを設定することもできる。例えば、オーバーラップ印刷時の1つのラスタラインを形成するノズルの数(即ち、オーバーラップ数M)に応じて調整データAを設定することができる。
図22は、オーバーラップ数が2である場合のテストシートの説明図である。
工場などに設置されているコンピュータに格納されたプログラムに従って、テストシート用の印刷データが印刷装置へ送られて、この印刷データに応じてテストシートTに複数のドットが形成される。前述のようにテストシートには180dpiの解像度でドットが形成されることになる。
移動方向に移動するノズルからインク滴が吐出され、このインク滴が紙に着弾してドットが形成される。複数のドットで形成される一つのラスタラインは2回のパスで形成される。説明の都合上、1回目のパスで形成されたドットには1が付されており、2回目のパスで形成されたドットには2が付されている。図示するように、1回目のパスで形成されるドットの搬送方向におけるドット幅と、2回目のパスで形成されるドットの搬送方向におけるドット幅とが異なることがある。ラスタライン1では、2回目のパスで形成されているドットが小さく形成されている。ラスタライン2では、1回目のパス及び2回目のパスで形成されているドットが小さく形成されている。ラスタライン3では、2回目のパスで形成されているドットが小さく形成されている。
複数のラスタラインが形成されたテストシートは、工場のコンピュータに接続されている、CCDセンサを有するスキャナなどの装置によって読み取られる(S102)。複数のラスタラインが形成されているテストシートTの画像が読み取られた後、ラスタラインの搬送方向における幅(W)が測定される。
原点(0)からラスタライン1の一端までの距離Sを測定して、原点からラスタライン1の他端までの距離Sを測定する。そして、S−S=Wから、ラスタライン1の搬送方向における幅が測定される。このとき、ラスタライン1の一箇所の幅を測定するか、ラスタライン1の数箇所の幅を測定して平均値を算出することができる。同様に、ラスタライン2の幅(または幅の平均値)と、ラスタライン3の幅(または幅の平均値)とが算出される。そして、ラスタラインの幅の平均値が算出される(S103)。
ラスタラインの幅の平均値が算出されると、ラスタラインの幅の平均値と基準値とが比較される(S104)。そして比較した結果に基づいて調整データAが設定される(S105)。
図23は、1つのラスタラインを形成するノズルの数(オーバーラップ数M)と調整データAとの関係を示す説明図である。
オーバーラップ数が4の場合、前述と同様にテストシートに4回のパスでラスタラインが形成される。4回のパスで形成されるラスタラインのドットのドット幅にはばらつきがあり、巨視的に見るとラスタラインは太く見える。そして、ラスタラインの幅と基準値とを比較すると、ラスタラインの幅は基準値より大きくなることが多い。このため、バンディングが発生しにくい。従って、調整データAに「0」が設定されることが多い。
オーバーラップ数が2の場合、2回のパスで形成されるラスタラインのドットのドット幅にはばらつきが少なく、巨視的に見ると4回のパスで形成されるラスタラインよりラスタラインは細く見える。そして、ラスタラインの幅と基準値とを比較すると、ラスタラインの幅は基準値より小さくなることが多い。このため、オーバーラップ数が4の場合よりバンディングが発生しやすくなる。従って、調整データAに「1」が設定されることが多い。
オーバーラップ数に応じた調整データAは、プリンタ側コントローラのメモリ63に記憶される。そして、オーバーラップ数に応じた調整データAに基づいて印刷時に搬送処理が行われる。プリンタドライバは、プリンタドライバの設定により選択された印刷モードの情報を取得する。「きれい」な印刷モードが選択されている場合、オーバーラップ数は多くなり、調整データAは「0」となり、調整値Cは搬送量Fに加算・減算されずに印刷時に搬送処理が行われる。「はやい」印刷モードが選択されている場合、オーバーラップ数は少なくなり、調整データAは「1」となり、調整値Cが搬送量Fに加算・減算されて印刷時に搬送処理が行われる。
===まとめ===
(1)前述の印刷方法では、キャリッジ(移動体の一例)と、搬送ユニット(搬送機構の一例)とを備えている印刷装置を用いる。
キャリッジはヘッドを移動方向に移動させてインク滴を吐出させて、テストシート(例えば、普通紙)に複数のドットを搬送方向に形成する。工場に設置されているコンピュータ等に接続されている読取装置によりテストシートを読み取り、読み取られたテストシートの画像から形成させたドットの搬送方向におけるドット幅を検出して、ドットのドット幅の平均値を算出する。升目状に並ぶ各画素の階調を示す画素データに応じてヘッド41からインク滴を吐出させて紙にドットを形成して、搬送方向における位置が共通する複数の画素に対応する複数のドットによって、紙にラスタライン(ドット列)を形成する。この際に、ドット幅の検出結果に応じて、ラスタラインを構成するドットの移動方向の位置に応じて、ラスタラインを構成するドットの搬送方向の位置を変更させる量を決定する。
通常、搬送方向における位置が共通する複数の画素(図12左上参照)に基づき形成されるラスタラインは、図10Aに示すように、移動方向に沿って一直列に(搬送方向の位置が同じ位置になるように)形成される。しかし、このようなドット配置の場合、ドットが小さくなったときや、ドットがずれて形成されたとき等に、バンディングが発生しやすい(図10B及び図10C参照)。
そこで、本実施形態では、ラスタラインを構成するドットの移動方向の位置に応じて、ラスタラインを構成するドットの搬送方向の位置を異ならせている。例えば、偶数番目のドットの搬送方向の位置は、奇数番目のドットの搬送方向の位置よりも、搬送方向上流側に1/2880インチずれている(図11A、図14右図参照)。これにより、本実施形態では、ドットが小さくなったとき等に、バンディングが目立ちにくくなる(図11B及び図11C参照)。
また、本実施形態では、このようなドット配置に合せた画像変換は行わず、移動方向に沿って一直線に並ぶ画素の画素データに基づいて、移動方向の位置に応じて搬送方向の位置が異なるようなドットから構成されるラスタラインを形成している(図12参照)。このため、演算量を減らすことができる。
(2)移動方向に移動するヘッド41からインク滴が吐出されると、これにより形成されたドットは、移動方向を長軸とする楕円形になる。このように、ドットが移動方向に長軸となる楕円形の場合、ドットが小さくなったとき等に、ドットの搬送方向にバンディングが目立ちにくくなる。このため、本実施形態では、このようなドット形状の場合に特に有効である。
(3)前述の一態様の実施形態では、紙の種類毎のテストシートにドットを形成して、紙の種類毎のテストシートに形成されたドットのドット幅を検出する。そして、紙種(紙の種類)に応じて、調整データA(ラスタラインを構成するドットの搬送方向の位置を異ならせるか異ならせないかを設定する「0」か「1」のデータ)を決定している(図20参照)。これは、紙種に応じて、媒体に形成されるドットの大きさが異なり、バンディングの発生のしやすさも異なるからである。このため、ドットの大きさが大きく形成される普通紙の場合はバンディングが発生しにくいので、調整データAは「0」となり、ドットの大きさが小さくなる光沢紙の場合はバンディングが発生しやすいので、調整データAは「1」となる(図20参照)。
なお、バンディングを抑制するためには、調整データAが「1」のときに搬送量Fに加算・減算される調整値Cが大きい方が望ましい。但し、調整値Cを大きくしすぎると、画像データに対するドット配置のずれが大きくなり、画質が劣化する。このため、調整値Cは、必要最低限の量にすることが望ましい。
(4)前述の一態様の実施形態では、キャリッジの速度毎にテストシートにドットを形成して、キャリッジの速度毎にテストシートに形成されたドットのドット幅を検出する。そして、キャリッジの速度に応じて、調整データAを設定している(図21参照)。これは、キャリッジ速度に応じて、紙に形成されるドットの形状が異なり、バンディングの発生のしやすさも異なるからである。このため、ドットが通常の楕円形に形成される可能性が高いようなキャリッジ速度が遅い場合には、バンディングが発生しにくいので、調整データAは「0」となる。また、ドットが移動方向に伸びた楕円形に形成されてしまう可能性が高いようなキャリッジ速度が速い場合には、バンディングが発生しやすいので、調整データAは「1」となる。
(5)前述の一態様の実施形態では、ドット列を形成するノズルの数毎にテストシートにドットを形成して、ドット列を形成するノズルの数毎にテストシートに形成されたドットのドット幅を検出する。そして、オーバーラップ数M(ラスタラインを形成するノズル数)に応じて、調整データAを設定している。オーバーラップ数が多い場合1つのラスタラインを形成するノズル数が多く、ドットのドット幅にばらつきがあり、巨視的に見るとラスタラインは太く見える。このため、バンディングが発生しにくく、調整データAは「0」に設定されて、搬送量Fに調整値Cは加算・減算されない。オーバーラップ数が少ない場合、1つのラスタラインを形成するノズル数が少なく、ドットのドット幅にばらつきは少なく、巨視的に見るとラスタラインは細く見える。このため、バンディングが発生しやすく、調整データAは「1」に設定されて、搬送量Fに調整値Cは加算・減算される。
(6)前述の実施形態によれば、搬送ユニット20による媒体の搬送量を変えることにより、ラスタラインを構成するドットの搬送方向の位置を異ならせている(図13、図14参照)。これにより、特別な画像変換を行うことなく、移動方向に沿って一直線に並ぶ画素の画素データに基づいて、移動方向の位置に応じて搬送方向の位置が異なるようなドットから構成されるラスタラインを形成することができる(図12参照)。
(7)なお、図14の右図において白丸で示されたドット(奇数画素の形成されるドット)の搬送方向の位置を基準位置とした場合、基準位置にドットを形成するパスと、基準位置にドットを形成するパスとの間に行われる搬送処理では、基準となる搬送量Fで搬送ユニット20によって媒体を搬送させる。例えば、不図示であるが、パス8とパス9との間で行われる搬送処理などでは、搬送量が、通常の搬送量Fになる。一方、基準位置にドットを形成するパスと、基準位置からずれた位置にドットを形成するパスとの間に行われる搬送処理では、基準となる搬送量Fとは異なる搬送量F+Cで搬送機構に媒体を搬送させる。例えば、パス1とパス2との間で行われる搬送処理や、パス3とパス4との間で行われる搬送処理や、パス6とパス7との間で行われる搬送処理などでは、搬送量が、通常の搬送量Fよりも調整値Cだけ多い。
これにより、特別な画像変換を行うことなく、移動方向に沿って一直線に並ぶ画素の画素データに基づいて、移動方向の位置に応じて搬送方向の位置が異なるようなドットから構成されるラスタラインを形成することができる(図12参照)。
(8)前述の実施形態によれば、テストシートに形成されたドットから検出されたドット幅が所定の値(基準値)より大きい値であるとき、印刷時にドット列を構成するドットの移動方向の位置に応じて、ドットの搬送方向の位置を異ならせないことを決定している。これにより、ドットが大きい場合にはバンディングが発生しにくいため、ドットの印刷方向の位置に応じてドットの搬送方向の位置を異ならせる必要がない。
(9)また、前述の実施形態によれば、テストシートに形成されたドットから検出されたドット幅が所定の値より小さい値であるとき、印刷時にドット列を構成するドットの移動方向の位置に応じて、ドットの搬送方向の位置を異ならせることを決定している。これにより、ドットが小さい場合にはバンディングが発生しやすいため、ドットの印刷方向の位置に応じてドットの搬送方向の位置を異ならせることになる。
(10)なお、ドットをずらして形成する方法は、搬送量を変化させる方法に限られるものではない。
例えば、ヘッド41が1/2880インチ間隔のノズルを有していれば、ヘッドの移動方向の位置に応じて使用ノズルを変更することによって、ラスタラインを構成するドットの移動方向の位置に応じて、ラスタラインを構成するドットの搬送方向の位置をずらすことができる(図17参照)。
但し、このような印刷方法の場合、ドットをずらせる量がノズルピッチに依存するため、任意の量でドットをずらすことができない。
(11)前述の実施形態では、2個おきに、ドットをずらしている。このため、前述の実施形態では、ラスタラインを構成する奇数番目のドットの搬送方向の位置に対して、ラスタラインを構成する偶数番目のドットの搬送方向の位置がずれている。
但し、これに限られるものではない。例えば、図19の下の図に示すように、ドットをずらしても良い。このようにしても、バンディングの発生を抑制する効果が得られる。
但し、この場合、最もドットがずれるときの量が2/2880インチになり、ずれ量が多くなる。このため、画像データに対するドット配置のずれが大きくなり、画質が劣化するおそれがある。
(12)前述の実施形態の全ての構成が備わっていれば、全ての効果を奏することができるので、望ましい。但し、必ずしも全ての構成が必要ではないことは、言うまでもない。
印刷システムの全体構成の説明図である。 プリンタドライバが行う処理の説明図である。 プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。 プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図5Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。図5Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。 ノズルの配列を示す説明図である。 印刷時の処理のフロー図である。 図8Aは、パス1からパス4までのインターレース印刷の説明図である。図8Bは、パス1からパス6までのインターレース印刷の説明図である。 図9Aは、パス1からパス8までのオーバーラップ印刷の説明図である。図9Bは、パス1からパス11までのオーバーラップ印刷の説明図である。 図10Aは、参考例において正常に形成されたドット群の説明図である。図10Bは、参考例においてドットが小さくなった場合の説明図である。図10Cは、参考例においてドットが搬送方向にずれて形成された場合の説明図である。 図11Aは、本実施形態のドット配置の説明図である。図11Bは、本実施形態のドット配置においてドットが小さくなった場合の説明図である。図11Cは、本実施形態のドット配置においてドットが搬送方向に更にずれて形成された場合の説明図である。 本実施形態におけるプリンタドライバの処理の説明図である。 本実施形態の印刷動作の説明図である。 図13において点線で示す領域のドットの形成の様子の説明図である。 調整データAを設定する処理のフロー図である。 テストシートの説明図である。 検出された結果と調整データAとの関係を示す説明図である。 検出された結果と段階的に設定された調整データAとの関係を示す説明図である。 ノズルピッチが1/2880インチのノズル列を用いたドットの形成の説明図である。 紙種と調整データAとの関係を示す説明図である。 キャリッジ速度と調整データAとの関係を示す説明図である。 オーバーラップ数が2である場合のテストシートの説明図である。 1つのラスタラインを形成するノズル数(オーバーラップ数M)と調整データAとの関係を示す説明図である。
符号の説明
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、60 プリンタ側コントローラ、
61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、64 ユニット制御回路、
100 印刷システム、110 コンピュータ、112 ビデオドライバ、
114 アプリケーションプログラム、116 プリンタドライバ、
120 表示装置、130 入力装置、140 記録再生装置、
S 紙、F 搬送量、C 調整値、A 調整データ、
T テストシート、D ドット、w 幅

Claims (12)

  1. インク滴を媒体に向かって吐出するヘッドを移動方向に移動させる移動体と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送機構とを備える印刷装置を用いて前記ヘッドから前記インク滴を吐出させてテストシートにドットを形成し、
    前記テストシートに形成させた前記ドットの前記搬送方向におけるドット幅を検出し、
    升目状に並ぶ各画素の階調を示す画素データに応じて前記ヘッドから前記インク滴を吐出させて前記媒体に前記ドットを形成し、前記搬送方向における位置が共通する複数の前記画素に対応する複数の前記ドットによって構成されるドット列を前記媒体に形成するとき、前記ドット幅の検出結果に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定する
    印刷方法。
  2. 前記ドットは、前記移動方向に長軸となる楕円形状である請求項1に記載の印刷方法。
  3. 前記媒体の種類毎に、前記テストシートにドットを形成し、
    前記媒体の種類毎に、前記ドット幅を検出し、
    前記媒体の種類に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定する請求項1又は2に記載の印刷方法。
  4. 前記移動体の速度毎に、前記テストシートにドットを形成し、
    前記移動体の速度毎に、前記ドット幅を検出し、
    前記移動体の速度に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定する請求項1〜3のいずれかに記載の印刷方法。
  5. 前記ドット列を形成するノズルの数毎に、前記テストシートに前記ドットを形成し、
    前記ドット列を形成するノズルの数毎に、前記ドット幅を検出し、
    前記ドット列を形成するノズルの数に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせる量を決定する請求項1〜3のいずれかに記載の印刷方法。
  6. 前記媒体を前記搬送方向に搬送することによって、前記ヘッドに対する前記媒体の相対的な位置関係を変えて、
    前記媒体の搬送量を変えることにより、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせている
    請求項1〜5のいずれかに記載の印刷方法。
  7. ドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送する搬送処理とを交互に繰り返して、
    前記搬送方向の基準となる基準位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理と、前記基準位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理との間に行われる前記搬送処理では、基準となる基準搬送量で前記媒体を搬送させ、
    前記基準位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理と、前記基準位置からずれた位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理との間に行われる前記搬送処理では、前記基準搬送量とは異なる搬送量で前記媒体を搬送させる
    請求項6に記載の印刷方法。
  8. 検出された前記ドット幅が所定の値より大きい値であるとき、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせないことを決定する請求項1〜5のいずれかに記載の印刷方法。
  9. 検出された前記ドット幅が所定の値より小さい値であるとき、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせることを決定する請求項1〜5のいずれかに記載の印刷方法。
  10. 前記ヘッドは、所定の間隔で前記搬送方向に並ぶ複数のノズルを有し、
    前記ヘッドの前記移動方向の位置に応じて、前記インク滴を吐出するノズルを変えることによって、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせる
    請求項1〜5のいずれかに記載の印刷方法。
  11. 前記ドット列を構成する奇数番目のドットの前記搬送方向の位置に対して、前記ドット列を構成する偶数番目のドットの前記搬送方向の位置が異なる請求項1〜10のいずれかに記載の印刷方法。
  12. インク滴を媒体に向かって吐出するヘッドを移動方向に移動させる移動体と、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送機構とを備える印刷装置を用いて前記ヘッドから前記インク滴を吐出させてテストシートにドットを形成し、
    前記テストシートに形成させた前記ドットの前記搬送方向におけるドット幅を検出し、
    升目状に並ぶ各画素の階調を示す画素データに応じて前記ヘッドから前記インク滴を吐出させて前記媒体に前記ドットを形成し、前記搬送方向における位置が共通する複数の前記画素に対応する複数の前記ドットによって構成されるドット列を前記媒体に形成するとき、前記ドット幅の検出結果に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定し、
    前記ドットは、前記移動方向に長軸となる楕円形状であり、
    前記媒体の種類毎に、前記テストシートにドットを形成し、
    前記媒体の種類毎に、前記ドット幅を検出し、
    前記媒体の種類に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定し、
    前記移動体の速度毎に、前記テストシートにドットを形成し、
    前記移動体の速度毎に、前記ドット幅を検出し、
    前記移動体の速度に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を変更させる量を決定し、
    前記ドット列を形成するノズルの数毎に、前記テストシートに前記ドットを形成し、
    前記ドット列を形成するノズルの数毎に、前記ドット幅を検出し、
    前記ドット列を形成するノズルの数に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせる量を決定し、
    前記媒体を前記搬送方向に搬送することによって、前記ヘッドに対する前記媒体の相対的な位置関係を変えて、
    前記媒体の搬送量を変えることにより、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせて
    ドットを形成するドット形成処理と、前記媒体を搬送する搬送処理とを交互に繰り返して、
    前記搬送方向の基準となる基準位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理と、前記基準位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理との間に行われる前記搬送処理では、基準となる基準搬送量で前記媒体を搬送させ、
    前記基準位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理と、前記基準位置からずれた位置に前記ドットを形成する前記ドット形成処理との間に行われる前記搬送処理では、前記基準搬送量とは異なる搬送量で前記媒体を搬送させて、
    検出された前記ドット幅が所定の値より大きい値であるとき、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせないことを決定し、
    検出された前記ドット幅が所定の値より小さい値であるとき、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせることを決定し、
    前記ヘッドは、所定の間隔で前記搬送方向に並ぶ複数のノズルを有し、
    前記ヘッドの前記移動方向の位置に応じて、前記インク滴を吐出するノズルを変えることによって、前記ドット列を構成する前記ドットの前記移動方向の位置に応じて、前記ドット列を構成する前記ドットの前記搬送方向の位置を異ならせて、
    前記ドット列を構成する奇数番目のドットの前記搬送方向の位置に対して、前記ドット列を構成する偶数番目のドットの前記搬送方向の位置が異なる請求項1〜9のいずれかに記載の印刷方法。

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