JP2000025211A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

印刷装置および印刷方法

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JP2000025211A
JP2000025211A JP21176598A JP21176598A JP2000025211A JP 2000025211 A JP2000025211 A JP 2000025211A JP 21176598 A JP21176598 A JP 21176598A JP 21176598 A JP21176598 A JP 21176598A JP 2000025211 A JP2000025211 A JP 2000025211A
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dots
dot
raster
forming
head
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Satsu Riyuu
颯 劉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バンディングが発生し画質が悪化することを
防止する。 【解決手段】 画像を構成するそれぞれのラスタから一
部のドットを選択する。選択したドットについては、ド
ットピッチより小さな距離だけドット位置をずらして形
成する。こうすることによって、バンディングが発生す
るはずである部分にもドット形成位置をずらしたドット
が形成されることになるので、バンディングが発生せ
ず、画質の悪化を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヘッドを駆動し
て記録媒体上にドットの列たるラスタを形成することに
より、入力画像に対応した画像を表現する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヘッドによって記録媒体上にドットを形
成し、ドットの分布として入力画像に対応した画像を表
現する印刷装置は、コンピュータの出力装置として広く
用いられている。これら印刷装置で印刷された画像を観
察すると、ドットの列であるラスタが互いに等間隔で複
数本集まって画像を構成していることが分かる。このよ
うなラスタの集まりとして画像を印刷するために、前記
印刷装置は次のような印刷方法を採っている。先ずヘッ
ドには、記録媒体上にドットを形成するドット形成要素
が設けられていて、このヘッドを駆動してドットを形成
しつつ、ヘッドと記録媒体とを一定方向に相対移動させ
ることによって記録媒体上にラスタを形成する。その上
でラスタを形成する位置を、ラスタの方向(以下、「主
走査方向」と呼ぶ)と交差する方向(以下、「副走査方
向」と呼ぶ)にずらす。このような動作を繰り返すこと
によって等間隔に並んだ複数本のラスタを形成し、2次
元の画像を印刷している。また最近では、ヘッドのドッ
ト形成要素の数を増やし1回の主走査で形成されるラス
タの数を増やすことによって、1枚分のラスタを形成す
るために必要な主走査の回数を減少させ、印刷速度を向
上させることが一般的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしドットの形成位
置が副走査方向にばらついて形成されると、ラスタの間
隔は等間隔にならない。例えば、ヘッドに設けられたノ
ズルからインクを吐出してドットを形成するインクジェ
ットプリンタでは、ノズルの加工精度等に起因してドッ
トの形成位置がばらつくことがある。その他にも、ヘッ
ドまたは記録媒体のどちらかを、副走査方向に所定量だ
け送ることによって順次ラスタを形成していく場合に
は、送り量にバラツキがあるとラスタの間隔が等しくな
らない。この結果、特定のラスタの間に広い空隙が生じ
ることになると、この部分に記録媒体の生地が筋状に現
れてしまう。例えば白い記録媒体を用いた場合にはこれ
が白い筋状の帯として視認され、画像の品質を大きく損
なう、いわゆるバンディングが発生するという問題があ
った。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、バンディングの
発生を防止して画質の向上を可能とする技術を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の印刷
装置は、入力画像を構成する各画素ごとにドットの形成
の有無を制御し、ドットの列たるラスタを記録媒体上に
形成して、入力画像に対応した画像を表現する印刷装置
であって、ドットを形成しつつ記録媒体に対して一定方
向の相対移動を行うことにより前記ラスタを形成するヘ
ッドと、各ラスタを形成すべきドットの中から一部のド
ットを選択するドット選択手段と、該ドット選択手段に
よって選択されたドットについては、前記ラスタ方向と
交差する方向に、前記画素に対応するドットの記録媒体
上での形成間隔たるドットピッチより、小さな距離だけ
ずらしてドットを形成するドット形成手段とを備えるこ
とを要旨とする。
【0006】また本発明の印刷方法は、入力画像を構成
する各画素ごとにドットの形成の有無を制御し、ドット
の列たるラスタを記録媒体上に形成して、入力画像に対
応した画像を表現する印刷方法であって、ヘッドでドッ
トを形成しながら該ヘッドと前記記録媒体とを一定方向
に相対移動させることによって前記ラスタを形成する際
に、各ラスタを形成すべきドットの中から一部のドット
を選択し、該選択されたドットについては、ラスタの方
向と交差する方向に、前記画素に対応するドットの記録
媒体上での形成間隔たるドットピッチより、小さな距離
だけずらしてドットを形成することを要旨とする。
【0007】かかる印刷装置および印刷方法においても
従来技術の印刷装置や印刷方法と同様に、先ず入力画像
を構成している各画素のそれぞれについてドットを形成
するか否かの判断を行う。そしてこの判断に基づいてヘ
ッドを駆動しながら、記録媒体に対して一定方向に相対
移動させることによって記録媒体上に複数本のラスタを
形成し、入力画像に対応する画像を表現する。しかしこ
のときに、本発明においては各ラスタを形成すべきドッ
トの中から一部のドットを選択し、この選択されたドッ
トについては、副走査方向にドットピッチより小さな距
離だけずらしてドットを形成することとしているので、
バンディングの発生を防止して画質の向上を図ることが
できる。なお本明細書においてドットピッチとは、画像
を構成する画素に対応するドットの、記録媒体上での形
成間隔をいうものとする。
【0008】本発明によってバンディングの発生を防止
できる原理について、具体的に例を挙げて説明する。図
13(a)は理想的にドットが形成され、バンディング
が発生しない状態を示している。図の左側には、それぞ
れのノズルがドットを形成する様子を概念的に示してい
る。ドットはほぼ等間隔に形成されており、このように
ドットを形成しながらヘッドを主走査させると、図の右
側に示すようにラスタの間隔もほぼ等間隔に形成され
て、バンディングが発生することはない。図13(b)
は、1つのノズルの向きが曲がって製造されたために、
このノズルで形成されるドットの位置が上方にずれてい
る場合を示している。このような状態でドットを形成し
ながらヘッドを主走査させると、位置がずれたドットに
対応するラスタもずれて形成される。その結果、ラスタ
間隔が広くなった箇所にドットの形成されない筋状の部
分が現れて、バンディングが発生する。図13(b)の
ように1つのノズルの向きが曲がっている場合に対して
本発明を適用し、各ラスタを構成するドットの一部を選
択して、選択したドットの形成位置を副走査方向にずら
すこととしたのが図13(c)である。本発明によれ
ば、バンディングが発生している部分にも、図13
(c)では位置をずらしたドットが形成されることにな
り、バンディングの発生が防止される。
【0009】またバンディングの発生を防止するには、
その部分にドットが形成されるようにすればよいのであ
るから、副走査方向にドットの形成位置をずらす量は、
ドットピッチよりも小さな距離でよく、殊にドットピッ
チの略半分程度ずらしておくのが好適である。
【0010】なお前述の、副走査方向の定義から明らか
なように、ラスタの方向が記録媒体の幅方向である場合
には、副走査方向は記録媒体の長さ方向となるが、ラス
タ方向が長さ方向である場合は副走査方向が幅方向を示
すこととなる。
【0011】また本明細書中の図では便宜上ドットを円
として表現しているが、この円はドットの概念的な大き
さを示したものであって、必ずしもドット形状が円形で
あることを想定したものではない。従って、ドットは略
楕円形や略多角形のドットであっても良いのはもちろん
のこと、ドットとしての面積が把握できるものであれば
明確な輪郭を有しないドットであっても良い。例えばノ
ズルから細かなインク滴がスプレー状に吐出されて形成
されたドットのように、微細な点の集合したドットであ
っても、ドットとしての概念的な大きさを把握できる限
りは、この明細書でいうドットに該当する。
【0012】ドットを形成するヘッドの中には、大きさ
の異なるドットを形成することが可能なヘッドも存在す
る。このような場合は、最も小さなドットの中から一部
を選択して、そのドット位置を副走査方向にずらすこと
も有効である。ドットの形成されない部分が筋状にでき
るから、バンディングが発生するのであって、例え最も
小さなドットであってもその部分に形成されれば、バン
ディングの発生を抑制することができるからである。
【0013】またバンディングが発生し易いのは、ラス
タ間隔が少し広がっただけでラスタ間に空隙が生じる状
態、すなわちドットピッチ相当の大きさのドットを用い
てラスタを形成する場合であるから、ドットピッチ相当
の大きさのドットの中から一部を選択して、そのドット
位置を副走査方向にずらすことも好適である。
【0014】またドットの形成位置をずらすドットを、
各ラスタを形成すべきドットのうちの略半数とすること
も効果的である。本来のドット形成位置とずらしたドッ
ト形成位置との両方にドットを形成する必要があるから
である。
【0015】更に、形成位置をずらすドットは、各ラス
タ内に偏りなく分布させるようにすることも、バンディ
ングの発生を防止するには効果的である。このように、
形成位置をずらすドットを各ラスタ内に偏りなく分布さ
せるには、例えばドット毎に、形成位置をずらすか否か
を乱数を利用して決定する方法や、またはあるラスタを
実際に形成するドットの中から、ずらすドットを一つお
きに選択する方法等が考えられる。更には、実際にはド
ットが形成されない画素についても架空のドットを想定
し、架空ドットと実際に形成されるドットをあわせた中
から、ずらすドットを一つおきに選択する方法も考えら
れる。
【0016】ドットを記録するヘッドを、記録媒体に対
して、主走査方向と副走査方向とに相対的に移動させる
ことによって画像を表現するような印刷装置において
は、主走査と副走査とを適切に制御してドットの形成位
置をずらすことも有効である。例えばヘッドが一回の主
走査を終了するたびに副走査を行い、ずらすドットとず
らさないドットを交互に形成すればよい。またヘッドの
往動時にずらさないドットを形成し、往動終了後ただち
に副走査を行って復動時にずらすドットを形成するよう
にしてもよい。更には複数回の主走査で一つのラスタを
形成している場合、すなわちオーバーラップと呼ばれる
方式でラスタを形成する場合には、ずらすべきドットを
何回かの主走査に分けて形成してもよい。もちろん、往
動や復動の最中に副走査を行うことにより、ドットをず
らして形成することも可能である。
【0017】またドット位置をずらすためには必ずしも
副走査を行う必要はない。例えば、ヘッドに設けられた
ノズルからインクを吐出してドットを形成する場合にお
いては、ヘッドをラスタの方向と交差する方向に傾けて
もよい。該方向にヘッドを傾けることに対応してドット
が形成される位置もずれることとなるからである。
【0018】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。第1の態様は、入力画像を構成する各画
素ごとにドットの形成の有無を制御し、ドットの列たる
ラスタを記録媒体上に形成して、入力画像に対応した画
像を表現する印刷装置であって、ドットを形成しつつ記
録媒体に対して一定方向の相対移動を行うことにより前
記ラスタを形成するヘッドと、各ラスタを形成すべきド
ットの中から一部のドットを選択するドット選択手段
と、該ドット選択手段によって選択されたドットについ
ては、前記ラスタ方向と交差する方向に、前記画素に対
応するドットの記録媒体上での形成間隔たるドットピッ
チより小さな距離だけずらしてドットを形成するドット
形成手段と、前記入力画像が、輪郭の明確さを要求する
画像であるか否かを判断する判断手段と、該判断手段が
輪郭の明確さを要求する画像であると判断した場合に
は、前記ドット形成手段の働きを抑制する抑制手段とを
備えた印刷装置である。
【0019】例えば、入力画像がグラフや表のような縦
横の直線が多用される画像である場合には、ドットの一
部をずらすことによって直線の輪郭がぼやけたようにな
ることもあり得る。従って入力画像に応じて、前記ドッ
ト形成手段の働きを抑制するようにすることは好適であ
る。ここに前記判断手段は、人間が前記入力画像の内容
を判断した結果に基づいて判断するものであってもよい
し、前記入力画像の特徴を自動的に解析して判断するも
のであってもよい。
【0020】第2の態様は、コンピュータシステムのマ
イクロプロセッサによって実行されることによって、上
記の発明の各工程または各手段を実現するソフトウェア
プログラムを格納した携帯型記憶媒体である。
【0021】第3の態様は、コンピュータシステムのマ
イクロプロセッサによって実行されることによって、上
記の発明の各工程または各手段を実現するソフトウェア
プログラムを通信回線を介して供給するプログラム供給
装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】A.装置の構成:図1は、本発明
の一実施例としての印刷装置の構成を示すブロック図で
ある。図示するように、コンピュータ90にスキャナ1
2とカラープリンタ22とが接続されており、このコン
ピュータ90に所定のプログラムがロードされ実行され
ることによって、全体として印刷装置として機能する。
スキャナ12は、カラー原稿を読み取って、レッド
(R)・グリーン(G)・ブルー(B)の3色の色成分
からなる原カラー画像データORGをコンピュータ90
に出力する。コンピュータ90は、所定のプログラムに
従って、原画像データORGに各種の画像処理を行い、
その結果をドットデータFNLとしてカラープリンタ2
2に出力する。このドットデータFNLに従って、カラ
ープリンタ22が記録媒体上にドットを形成することに
より、カラー原稿ORGに対応した印刷画像が得られる
こととなる。尚、本実施例においては、プリンタ22は
ドットデータFNLに従ってドットを形成する役割を果
たすのみであり画像処理は行っていないが、コンピュー
タ90の行う画像処理の一部をプリンタ22で実施する
ものであっても構わない。また、図1に示したコンピュ
ータ90のハードウェア構成については後述する。
【0023】本発明の実施例における印刷装置は、カラ
ー原稿を読み込んで画像処理を行い、この結果に基づい
てドットを形成するものであるから、まずカラープリン
タ22におけるドット形成の仕組みを説明し、次にコン
ピュータ90が原画像データORGに画像処理を施して
ドットデータFNLを作成する仕組みを説明する。
【0024】B.プリンタにおけるドット形成 (1)プリンタの概略構成 図2にプリンタ22の概略構成を示す。図示するよう
に、このプリンタ22は、キャリッジ31に搭載された
印字ヘッド28を駆動してインクの吐出およびドット形
成を行う機構と、このキャリッジ31をキャリッジモー
タ24によってプラテン26の軸方向に往復動させる機
構と、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構
と、制御回路40とから構成されている。この制御回路
40は、紙送りモータ23やキャリッジモータ24,印
字ヘッド28,操作パネル32との信号のやり取り及び
これらの制御を司っている。
【0025】キャリッジ31をプラテン26の軸方向に
往復動させる機構は、プラテン26の軸と並行に架設さ
れたキャリッジ31を摺動可能に保持する摺動軸34
と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト3
6を張設するプーリ38と、キャリッジ31の原点位置
を検出する位置検出センサ39等から構成されている。
【0026】キャリッジ31には、黒インク(Bk)用
のカートリッジ71と、シアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロ(Y)の3色のインクを収納したカラー
インク用カートリッジ72が搭載可能である。キャリッ
ジ31の下部の印字ヘッド28には計4個のインク吐出
用ヘッド61ないし64が形成されており、キャリッジ
31の底部には、この各色用ヘッドにインクタンクから
のインクを導く導入管67(図3参照)が立設されてい
る。キャリッジ31に黒インク(Bk)用にカートリッ
ジ71およびカラーインク用カートリッジ72を上方か
ら装着すると、各カートリッジに設けられた接続孔に導
入管が挿入され、各インクカートリッジから吐出用ヘッ
ド61ないし64へのインクの供給が可能となる。
【0027】このような概略構成を有するカラープリン
タ22において、印字ヘッド28がインクを吐出してド
ット形成を行う仕組みについてまず説明し、次に制御回
路40がインクの吐出タイミングを制御する仕組みにつ
いて説明する。
【0028】(2)インクを吐出してドット形成を行う
仕組み 図3はインク吐出用ヘッド28の内部の概略構成を示す
説明図である。インク用カートリッジ71と72がキャ
リッジ31に装着されると、毛細管現象によって図3に
示すようにインク用カートリッジ内のインクが導入管6
7を介して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられ
た印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし64に導かれ
る。なお、初めてインクカートリッジが装着されたとき
には、専用のポンプによりインクを各色のヘッド61な
いし64に吸引する動作が行われるが、本実施例では吸
引のためのポンプ、吸引時に印字ヘッド28を覆うキャ
ップ等の構成については図示および説明を省略する。
【0029】各色のヘッド61ないし64には、後で説
明する通り、各色ごとに48個のノズルNzが設けられ
ており(図5参照)、各ノズル毎に電歪素子の一つであ
って応答性に優れたピエゾ素子PEが配置されている。
ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を詳細に示したの
が、図4である。図4上段に図示するように、ピエゾ素
子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路68
に接する位置に設置されている。ピエゾ素子PEは、周
知のように、電圧の印可により結晶構造が歪み、きわめ
て高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。
本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極
間に所定時間幅の電圧を印可することにより、図4下段
に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印可時間だけ伸
張し、インク通路68の一側壁を変形させる。この結
果、インク通路68の体積はピエゾ素子PEの伸張に応
じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子Ip
となって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。こ
のインク粒子Ipがプラテン26に装着された用紙Pに
染み込むことにより、用紙Pにドットが形成される。
【0030】図5は、インク吐出用ヘッド61〜64に
おけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図で
ある。これらのノズルの配置は、各色ごとのインクを吐
出する4組のノズルアレイから成っており、一組あたり
48個のノズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に
配列されている。各ノズルアレイの副走査方向の位置は
互いに一致している。なお、各ノズルアレイに含まれる
48個のノズルNzは、千鳥状に配列されている必要は
なく、一直線上に配置されていてもよい。但し、図5に
示すように千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチ
kを小さく設定し易いという利点がある。
【0031】本発明のプリンタ22は、図5に示した通
り一定の径からなるノズルNzを備えているが、かかる
ノズルNzを用いて径の異なる3種類のドットを形成す
ることができる。この原理について説明する。図6は、
インクが吐出される際のノズルNzの駆動波形と吐出さ
れるインクIpとの関係を示した説明図である。図6に
おいて破線で示した駆動波形が通常のドットを吐出する
際の波形である。区間d2において一旦、マイナスの電
圧をピエゾ素子PEに印可すると、先に図4を用いて説
明したのとは逆にインク通路68の断面積を増大する方
向にピエゾ素子PEが変形する。このため図6の状態A
に示した通り、メニスカスと呼ばれるインク界面Meは
ノズルNzの内側にへこんだ状態となる。一方、図6の
実線で示す駆動波形を用い、区間d1に示すようにマイ
ナス電圧を急激に印可すると、状態aで示す通りメニス
カスは状態Aに比べて大きく内側にへこんだ状態とな
る。次いでピエゾ素子PEへの印可電圧を正にすると
(区間d3)、先に図4を用いて説明した原理に基づい
てインクが吐出される。このときメニスカスがあまり内
側にへこんでいない状態(状態A)からは、状態Bを経
て状態Cに示すごとく、大きなインク滴が吐出され、メ
ニスカスが大きく内側にへこんだ状態(状態a)から
は、状態bを経て状態cに示すごとく小さなインク滴が
吐出される。この結果、2種の大きさのドットが形成さ
れることになる。
【0032】以上に示した通り、駆動電圧を負にする際
(区間d1,d2)の変化率に応じて、ドット径を変化
させることができる。また、駆動波形のピーク電圧の大
小によってもドット径を変化させることができること
は、容易に想像できるところである。本実施例では、駆
動波形とドット径との間のこのような関係に基づいて、
ドット径の小さい小ドットIP1を形成するための駆動
波形と、2番目のドット径からなる中ドットIP2を形
成するための駆動波形の2種類を用意している。図7に
本実施例において用いている駆動波形を示す。駆動波形
W1が小ドットIP1を形成する波形、駆動波形W2が
中ドットIP2を形成する波形である。図7に示す通
り、ドット径が大きくなる程、飛翔速度が大きい。これ
らの駆動波形を使い分けることにより、一定のノズル径
からなるノズルNzからドット径が小中の2種類のドッ
トを形成することができる。
【0033】また図7の駆動波形W1、W2の双方を使
ってドットを形成することにより、大ドットを形成する
ことができる。この様子を図7の下段に示した。図7の
下段の図は、ノズルから吐出された小ドットのインク滴
IPsと中ドットのインク滴IPmが、吐出されてから
用紙Pに至るまでの様子を示している。図7の駆動波形
を用いて小中2種類のドットを形成する場合、中ドット
の方がピエゾ素子PEの変化量が大きいためにインク滴
IPが勢いよく吐出される。キャリッジ31が主走査方
向に移動しながら最初に小ドットを吐出し、次いで中ド
ットを吐出する場合を考えると、このようなインク滴の
飛翔速度差があるため、キャリッジ31の走査速度と両
ドットの吐出タイミングを調整して両インク滴を用紙P
の同じ位置に到着させることができる。本実施例では、
このようにして図7の2種類の駆動波形から最も大きい
ドットを形成している。
【0034】(3)インク吐出タイミングの制御 次にプリンタ22の制御回路40の内部構成を説明する
とともに、図5に示した複数のノズルNzからなるヘッ
ド28を駆動する方法について説明する。図8は制御回
路40の内部構成を示す説明図である。図8に示す通
り、この制御回路40の内部には、プリンタ制御用のC
PU41,PROM42,RAM43の他、コンピュー
タ90とのデータのやり取りを行うPCインターフェイ
ス44と、紙送りモータ23およびキャリッジモータ2
4や操作パネル32などとの信号をやり取りする周辺入
出力部(PIO)45と、計時を行うタイマ46と、ヘ
ッド61〜64にドットのオン・オフの信号を出力する
駆動用バッファ47などが設けられており、これらの素
子および回路はバス48で相互に接続されている。ま
た、制御回路40には、所定周波数で駆動波形(図7参
照)を出力する発信器51,および発信器51からの出
力をヘッド61〜64に所定のタイミングで配分する分
配器55も設けられている。制御回路40は、コンピュ
ータ90で処理されたドットデータを受け取り、これを
一時的にRAM43に蓄え、所定のタイミングで駆動用
バッファ47に出力する。
【0035】制御回路40がヘッド61〜64に対して
信号を出力する形態について説明する。図9は、ヘッド
61〜64の1つのノズル列を例にとって、その接続に
ついて示す説明図である。ヘッド61〜64の一つのノ
ズル列は、駆動用バッファ47をソース側として、分配
出力器55をシンク側とする回路に介装されており、ノ
ズル列を構成する各ピエゾ素子PEは、その電極の一方
が駆動用バッファ47の各出力端子に、他方が一括して
分配出力器55の出力端子に、それぞれ接続されてい
る。分配出力器55からは図9に示す通り、発信器51
の駆動波形が出力されている。CPU81から各ノズル
毎にオン・オフを定め、駆動用バッファ47の各端子に
信号を出力すると、駆動用バッファ47側からオン信号
を受け取ったピエゾ素子PEだけが、駆動波形に応じて
駆動される。この結果、転送用バッファ47からオン信
号を受け取っていたピエゾ素子PEのノズルから一斉に
インク粒子Ipが吐出される。
【0036】図5に示す通り、ヘッド61〜64は、キ
ャリッジ31の搬送方向に沿って配列されているから、
それぞれのノズル列が用紙Pに対して同一の位置に至る
タイミングはずれている。従って、CPU41は、この
ヘッド61〜64の各ノズルの位置のずれを勘案した上
で、必要なタイミングで各ドットのオン・オフの信号を
転送用バッファ47を介して出力し、各色のドットを形
成している。また、図5に示した通り、各ヘッド61〜
64もノズルが2列に形成されている点も同様に考慮し
てオン・オフの信号の出力が制御されている。
【0037】本実施例では、図7に示す駆動波形W1・
W2を単一の発信器51から連続的に出力することによ
り径の異なるドットの形成を可能としているが、各駆動
波形を出力する発信器をそれぞれ用意し、その使い分け
によって径の異なるドットを形成するものとしてもよ
い。
【0038】以上説明したハードウェア構成を有するプ
リンタ22は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送
しつつ(以下、副走査という)キャリッジ31をキャリ
ッジモータ24によって往復動させ(以下、主走査とい
う)、同時に印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし6
4のピエゾ素子PEをそれぞれ適切なタイミングで駆動
し各色のドットを形成することによって、用紙P上に多
色の画像を形成する。
【0039】なお、本実施例では、既に述べた通りピエ
ゾ素子PEを用いてインクを吐出するヘッドを備えたプ
リンタ22を用いているが、他の方法によりインクを吐
出するプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、イ
ンク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発
生する泡(バブル)によってインクを吐出するタイプの
プリンタに適用するものとしてもよい。
【0040】C.コンピュータにおけるドット形成制御 (1)コンピュータの構成概要 コンピュータ90のハードウェア構成の概要について図
1を用いて説明する。コンピュータ90は、プログラム
に従って画像処理に関わる動作を制御するための各種演
算処理を実行するCPU81を中心に、バス80により
相互に接続された次の各部を備える。ROM82はCP
U81で各種演算処理を実行するのに必要なプログラム
やデータを予め格納しており、RAM83は同じくCP
U81で各種演算処理を実行するのに必要な各種プログ
ラムやデータが一時的に読み書きされるメモリである。
入力インターフェイス84はスキャナ12やキーボード
14からの信号の入力を司り、出力インターフェイス8
5はプリンタ22へのデータの出力を司る。CRTC8
6は、カラー表示可能なCRT21への信号出力を制御
し、ディスクコントローラ(DDC)87はハードディ
スク16やフレキシブルドライブ15あるいは図示しな
いCD−ROMドライブとの間のデータの授受を制御す
る。ハードディスク16には、RAM83にロードされ
て実行される各種プログラムやデバイスドライバの形式
で提供される各種プログラムなどが記憶されている。
【0041】この他、バス80にはシリアル入出力イン
ターフェイス(SIO)88が接続されている。このS
IO88はモデム18に接続されており、モデム18を
介して公衆電話回線PNTに接続されている。コンピュ
ータ90は、このSIO88およびモデム18を介して
外部のネットワークに接続されており、特定のサーバー
SVに接続することにより、画像処理に必要なプログラ
ムをハードディスク16のダウンロードすることも可能
である。また、必要なプログラムをフレキシブルディス
クFDやCD−ROMにロードして、コンピュータ90
に実行させることも可能である。
【0042】図10は本印刷装置のソフトウェアの構成
を示すブロック図である。コンピュータ90では、所定
のオペレーティングシステムの下で、アプリケーション
プログラム95が動作している。オペレーティングシス
テムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96
が組み込まれており、アプリケーションプログラム95
から、これらのドライバを介して、プリンタ22に転送
するための画像データFNLが出力されることになる。
画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム
95は、スキャナ12から画像を読み込み、これに対し
て所定の処理を行いつつビデオドライバ91を介してC
RTディスプレイ21に画像を表示している。
【0043】このようなアプリケーションプログラム9
5が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタ
ドライバ96がアプリケーションプログラム95から画
像情報を受け取り、これをプリンタ22が処理可能な信
号(ここではシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー
(Y)・ブラック(B)の各色についての多値化された
信号)に変換している。図10に示した例では、プリン
タドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97
と、色補正モジュール98と、色補正テーブルLUT
と、ハーフトーンモジュール99と、画素選択モジュー
ル100と、ラスタライザ101とが備えられている。
【0044】解像度変換モジュール97は、アプリケー
ションプログラム95が扱っているカラー画像データの
解像度、すなわち単位長さ当たりの画素数をプリンタド
ライバ96が扱うことができる解像度に変換する役割を
果たす。こうして解像度変換された画像データはまだR
・G・Bの3色からなる画像情報であるから、色補正モ
ジュール98は色補正テーブルLUTを参照しつつ、各
画素ごとにプリンタ22が使用するC・M・Y・Kの各
色のデータに変換する。こうして色補正されたデータは
例えば256階調等の幅で階調値を有している。ハーフ
トーンモジュールは、ドットを分散して形成することに
よってプリンタ22でかかる階調値を表現するための処
理、すなわちハーフトーン処理を実行する。こうして処
理された画像データは画素選択処理を施された後に、ラ
スタライザ101によりプリンタ22に転送すべきデー
タ順に並べ替えられて、最終的な画像データFNLとし
て出力される。
【0045】上述のようなハードウェアおよびソフトウ
ェアの構成を有するコンピュータ90において、CPU
81が行うドットの形成制御について以下に概要を説明
する。その後に、該ドット形成制御に含まれる各処理の
うちで、本実施例の特徴がもっともよく現れる部分であ
る画素選択処理およびラスタライズ処理について、詳し
く説明する。
【0046】(2)ドット形成制御の概要 ドット形成を制御する処理ルーチンの流れを図11に示
す。この処理が開始されると、CPU81は、画像デー
タを入力する(ステップS100)。この画像データ
は、図10に示したアプリケーションプログラム95か
ら受け渡されるデータであり、画像を構成する各画素毎
にR・G・Bそれぞれの色について、値0〜255の2
56段階の階調値を有するデータである。この画像デー
タの解像度は、原画像データORGの解像度等に応じて
変化する。
【0047】CPU81は、入力された画像データの解
像度をプリンタ22が印刷するための解像度に変換する
(ステップS105)。画像データが印刷解像度よりも
低い場合には、線形補間により隣接する原画像データの
間に新たなデータを生成することで解像度変換を行う。
逆に画像データが印刷解像度よりも高い場合には、一定
の割合でデータを間引くことにより解像度変換を行う。
なお、解像度変換処理は本実施例において本質的なもの
ではなく、このような処理を行わずに印刷を実行するも
のとしても構わない。
【0048】次にCPU81は色補正処理を行う(ステ
ップS110)。色補正処理とは、色補正テーブルLU
T(図10参照)を用いて、R・G・Bの階調値からな
る画像データをプリンタ22で使用するC・M・Y・K
の各色の階調値のデータに変換する処理である。この色
補正テーブルLUTには、R・G・Bのそれぞれの組み
合わせからなる色をプリンタ22で表現するための、C
・M・Y・Kの組み合わせが記録されている。色補正テ
ーブルLUTを用いて色補正する処理自体については、
公知の種々の技術が適用可能であり、例えば補間演算に
よる処理(特開平4−144481記載の技術等)が適
用できる。
【0049】こうして色補正された画像データに対し
て、CPU81は多値化処理を行う(ステップS12
0)。多値化とは、原画像データの階調値(本実施例で
は256階調)をプリンタ22が各画素毎に表現可能な
階調値に変換することをいう。多値化処理は種々の方法
により行うことができるが、誤差拡散法による処理とデ
ィザ法による処理が代表的である。誤差拡散法は一般に
画質に優れ、ディザ法は高速処理が可能であるという特
質を有しており、それぞれの特徴を活かして使い分けら
れる。これら処理の内容は公知のものなので、ここでは
説明を省略する。本実施例では誤差拡散法を用いて4値
化を行い、その結果をCdr=0(ドットなし)、Cd
r=1(小ドット形成)、Cdr=2(中ドット形
成)、Cdr=3(大ドット形成)として多値化データ
Cdrに保存する。
【0050】次にCPU81は画素選択処理を行う(ス
テップS150)。この処理では、多値化処理によって
画素毎に決定された階調データを基にして、所定の階調
値を有する画素の中からドット形成位置をずらす画素を
選択する。ドット形成位置をずらす画素の選択は、後述
するように種々の方法によって行うことができる。
【0051】次に、CPU81はラスタライズ処理を行
う(ステップS200)。これは、1ライン分のデータ
をプリンタ22のヘッドに転送する順序に並べ替えるこ
とをいう。プリンタ22がラスタを形成する方法には種
々のモードがある。最も単純なものは、ヘッドの1回の
往運動で各ラスタのドットをすべて形成するモードであ
る。この場合には1ラスタ分のデータを処理された順序
でヘッドに出力すればよい。他のモードとしては、いわ
ゆるオーバラップと呼ばれるモードがある。例えば、1
回目の主走査では各ラスタのドットを1つおきに形成
し、2回目の主走査で残りのドットを形成する記録方法
である。この場合は各ラスタを2回の主走査で形成する
こととなる。このような記録方法を採用する場合には、
各ラスタのドットを1つおきにピックアップしたデータ
をヘッドに転送する必要がある。さらに別の記録モード
としていわゆる双方向記録がある。これはヘッドの往運
動のみならず、復運動時にもドットを形成するものであ
る。この記録モードを採用する場合には、往運動時用の
データと復運動時用のデータとは転送順序を逆転する必
要が生じる。このようにプリンタ22が行う記録方法に
応じて、ヘッドに転送すべきデータを作成するのがステ
ップS200での処理である。
【0052】こうしてプリンタ22の印刷可能なデータ
が作成されると、CPU81は該データFNLをプリン
タ22に出力する(ステップS250)。上述したよう
に、このドットデータFNLに従ってプリンタ22が記
録媒体上にドットを形成することにより、原稿ORGに
対応した印刷画像が得られるのである。
【0053】(3)画素選択処理 次にCPU81が行う画素選択処理(ステップS15
0)について説明する。この処理は、多値化処理の結果
が書き込まれたデータCdrを基にドット形成位置をず
らす画素を選択し、その画素にフラグをセットする処理
である。すなわち本実施例において各画素は「ドットな
し」・「小ドット形成」・「中ドット形成」・「大ドッ
ト形成」の4値を採り得るので、Cdrにはそれぞれの
多値化結果を表す値である「0」・「1」・「2」・
「3」が記録されている。画素選択処理では、このCd
rの値に次のような処理を施してドット形成位置をずら
す画素を選択し、選択結果をフラグデータDsの対応す
る画素に格納する。このフラグデータDsを考慮して、
CPU81は後述するラスタライズを行うこととなる。
尚、以下に示す実施例においては説明の都合から、ドッ
ト形成位置をずらす画素の選択を全画素について終了し
てから、ラスタライズ処理に移ることとしているが、ラ
スタ毎に画素の選択を行い、続けてラスタライズ処理を
行うものとしても構わない。
【0054】図12は画素選択処理について、処理の流
れの一例を示すフローチャートである。CPU81は、
注目している画素についての多値化データCdrを取得
し(ステップS154)、先ずその画素のドットの大き
さがドット形成位置をずらすべき大きさのドットである
か否かを判断する(ステップS156)。本実施例で
は、Cdrの値が「1」か否か(Cdr=1)、すなわ
ちその画素に小ドットが形成されるか否かを判断してい
る。しかしバンディングの発生を防止して画質の向上を
可能にするという本発明の目的に照らせば、必ずしも小
ドットに限定されるものでないことはもちろんである。
例えば印刷しようとする画像に応じて、Cdr=2が成
立するか否かを判断して、中ドットが形成される画素を
選択してもよい。更にはCdr≦2が成立するか否かを
判断することによって、中ドット及び小ドットが形成さ
れる画素を選択するようにしてもよい。
【0055】注目している画素に形成すべきドットの大
きさが、ドット形成位置をずらすべき大きさである場合
は、CPU81はその画素のドットを実際にずらすか否
かを判断する。図12に示した実施例では、その画素の
画素番号が偶数であるか奇数であるかによって判断する
こととしている(ステップS158)。すなわち注目す
る画素の画素番号が偶数であればドット形成位置をずら
すこととし、画素の選択有無を示すデータDsにフラグ
をセットする(ステップS166)。逆に画素番号が奇
数であればドットは選択されず、選択有無を示すデータ
Dsのフラグをリセットする(ステップS168)。こ
のような判断を行い、すべての画素についてフラグデー
タDsが生成されると、CPU81は画素選択処理を終
了し図11のドット形成制御ルーチンに戻る。
【0056】多値化データCdrの値がドット形成位置
をずらすべき値となっている画素は、偶数の画素番号に
も奇数の番号にも偏りなく現れるのが一般的であると考
えられる。従ってこのような方法で画素を選択すれば、
ドット形成位置をずらすべき大きさを有する画素の中の
略半数を、各ラスタ内から偏りなく選択し、この画素の
ドットについては副走査方向に位置をずらして形成する
ことができる。その結果、図13(b)に示すようにラ
スタの間隔が広がってバンディングが発生するような部
分にもドットが形成されることになって、バンディング
の発生が防止される。
【0057】図12に示した例では、注目する画素の画
素番号の偶奇に基づいて画素の選択を行ったが、乱数を
利用して選択する方法であってもよい。例えば図14に
示すように、注目する画素のドットの大きさがドット形
成位置をずらすべき大きさである場合(ステップS15
4)は、CPU81は乱数を取得し(ステップS16
0)、この乱数の値の偶奇に基づいて画素を選択するよ
うにしてもよい(ステップS162)。この乱数は厳密
な乱数である必要はなく、合同式法やM系列法として知
られているような数学的なアルゴリズムによって得られ
るような、いわゆる疑似乱数であれば十分である。この
ようにして画素を選択し、選択された画素のドットをず
らして形成することとすれば、図13を用いて前述した
原理によってバンディングの発生を防止することができ
る。
【0058】多値化処理の結果、偶然に、ドットが形成
される画素がラスタ方向に一つおきに現れることとなっ
た場合を想定すると、画素の偶奇に基づいてドットを選
択したのではほとんどのドットが選択されて、ドット形
成位置がずらされてしまう。この場合まで想定すれば、
画素番号の偶奇に基づいてドットを選択する方法では、
バンディングの発生を十分に防止できなくなる場合が皆
無とはいえない。しかし乱数を利用して画素を選択する
ことにすれば、このような場合を想定しても有効にバン
ディングの発生を防止することが可能となる。
【0059】尚、この実施例においても他の実施例と同
様、偶数の場合に画素を選択し奇数の場合は選択しない
こととしているが、逆の関係、すなわち奇数の場合に選
択し偶数の場合に選択しないこととしてもよいのはいう
までもない。
【0060】更には取得した乱数が、あらかじめ定めて
おいた値より大きいか否かに基づいて判断するようにし
てもよい。このような方法によってドットをずらすべき
画素を選択することにすれば、あらかじめ定めておく値
を変更することにより、選択される画素の割合を自由に
変更することが可能となる。この結果、印刷しようとす
る画像の内容に応じて、ドット形成位置をずらす画素の
割合を調整することができるようになり、バンディング
の発生を効果的に防止することができる。
【0061】また、次のような方法によれば、位置をず
らすべき大きさのドットを形成する画素のうちで、実際
に選択される画素の割合を必ず略半数とすることも可能
である。すなわちCPU81が直前に画素を選択したか
否かを変数に蓄えておき、この情報を利用して画素の選
択と非選択を交互に行うのである。図15を用いて以下
に説明する。CPU81は画素選択処理を開始すると、
先ず初めに変数Fを初期化する(ステップS152)。
次いで注目している画素の多値化データCdrを取得し
(ステップS154)、その画素に形成されるドット
が、位置をずらすべき大きさのドットであるか否かを判
断する(ステップS156)。位置をずらすべき大きさ
のドットである場合は、変数Fを参照し(ステップS1
64)、前回判断時に画素を選択していなければ(すな
わちF=0)今回は選択することとして、フラグデータ
Dsに1をセットすると同時に変数Fに画素を選択した
ことを表す値1を代入する(ステップS170)。次回
画素の選択を判断する場合は変数Fの値が1となってい
るので画素は選択されることなく、フラグデータDsは
リセットされて同時に変数Fには画素を選択しなかった
ことを示す値0が代入される(ステップS172)。あ
るラスタに沿ってこのような判断をすべての画素につい
て行い、ひとつのラスタについての判断が終わったら
(ステップS174)、変数Fを初期化して(ステップ
S152)次のラスタについて同様な判断を順次行って
いく。全ラスタについて判断が終わったら(ステップS
180)、CPU81は画素選択処理を終えて図11の
ドット形成制御ルーチンに戻る。
【0062】このようにして画素を選択すれば、形成位
置をずらすべき大きさのドットは必ず交互に選択され
る。従って、形成位置をずらすべき大きさのドットのう
ちで実際に位置をずらして形成されるドットの割合は必
ず略半数となるので、乱数を使用しなくても効果的にバ
ンディングの発生を防止することができる。
【0063】尚、本実施例ではあるラスタについての画
素選択の判断を終了するたびに(ステップS174)、
変数Fを初期化することとしている(ステップS15
2)。これは、ほぼ全ての画素にドット形成位置をずら
すべき大きさのドットが形成されるような場合に、画像
の端のドット間隔を均一にして画像の始まり部分をきれ
いに見せるための処理である。例えば、図16(a)は
変数Fを初期化しなかった場合を示している。画像の端
の部分で、画素が選択されたりされなかったりするた
め、画像の端のドット間隔が不均一になっている。この
画像の端の部分というのは、中ほどの部分とは違ってド
ットが目に付きやすいことから、ドット間隔の不均一が
目立つ場合もあり得る。これに対し変数Fを初期化する
と、端の部分の画素は全て選択されることとなるので、
図16(b)に示すようにドット間隔を均一とすること
ができる。しかし印刷しようとする画像の種類に応じ
て、端の部分でのドット間隔の不均一が目立つようなこ
とがなければ、変数Fの初期化は省略しても差し支えな
い。
【0064】(4)ラスタライズ処理 画素選択処理が終わるとCPU81はラスタライズ処理
を開始する(図11)。ラスタライズ処理の基本的な手
法は一般的な手法が使用できるので、一般的な手法の説
明は本明細書では省略し、上述の画素選択手段で選択さ
れた画素についてドット形成位置をずらすことに関係す
る部分のみを以下に説明する。
【0065】本実施例では、既に図5を用いて説明した
ように、インクを吐出するノズルは定まった間隔でヘッ
ドに設けられており、任意のノズルを選んでそのドット
の形成位置をずらすことはできない。従って本実施例に
おいては特殊なラスタライズ処理を行う必要が生じる。
図17を用いて具体的に説明する。図17(a)は多値
化データCdrを示したものであり、ドット形成判断結
果を示す値である0〜3の数値が各画素毎に設定されて
いる。図中にハッチングを施した画素は、画素選択処理
で選択された画素を示している。この例はCdr=1の
画素、すなわち小ドットの形成される画素の中から一部
が選択されている場合を示している。インクを吐出する
ノズルは定まった間隔でヘッドに設けられていて、各ノ
ズルは形成位置をずらさないドットと対応する位置に設
けられているので、形成位置をずらすドットとずらさな
いドットとは同時には形成できない。例えば図中の画素
番号1のドット列(図では小・小・中・中の順で縦方向
に並ぶドット列)を例に取れば、小ドットは位置をずら
して形成しなければならないために中ドットと同時には
形成できない。このように形成位置をずらすドットとず
らさないドットを別々に形成しなければならないことか
ら、次のようなラスタライズ処理を行う。
【0066】本実施例のラスタライズ処理が一般的なラ
スタライズ処理と異なるのは、画素選択処理で作成した
フラグデータDsをマスクとして使用し、多値化データ
Cdrからドット形成位置をずらさない画素のみの多値
化データCdrnとずらす画素のみの多値化データCd
rsを作成するところである(図17参照)。以下では
説明の都合上、多値化データCdrから、ドット形成位
置をずらす画素のみについてのデータCdrsを作成す
る方法を説明し、その後にずらさない画素についてのデ
ータCdrnを作成する方法を説明する。
【0067】図17(b)は画素選択処理で作成された
フラグデータDsを示す。多値化データCdrとフラグ
データDsから、ずらす画素のみのデータCdrsを作
るには、多値化データCdrとフラグデータDsとで画
素毎に積をとり、その積の値をデータCdrsの対応す
る画素に代入する。こうすることによって図17(c)
の右側に示すようにずらす画素についての多値化データ
Cdrsが得られる。画素毎の積はCPU81において
ソフトウェアプログラムを用いた方法で求めることも可
能だが、この場合のフラグデータDsの値は0又は1し
か採り得ないので、ANDゲートと呼ばれる論理回路を
用いた一般的な方法で求めることができる。このように
論理回路を用いれば極めて短い時間でずらす画素の多値
化データCdrsを得ることができるので、画像処理に
要する時間が短くなり、ひいては印刷時間を短縮できる
こととなって好適である。
【0068】ドット位置をずらさない画素についてのデ
ータCdrnを作成する場合は、ビットデータDsを反
転したデータDs’(図示は省略)をあらかじめ作成し
ておく。この反転したデータDs’とは、ドットをずら
さない画素には1を、ずらす画素には0をそれぞれ設定
してあるデータのことをいう。そして、この反転したデ
ータDs’と多値化データCdrとの画素毎の積をとる
ことによって、ずらさない画素についての多値化データ
Cdrnを得ることができる。データDs’は既に得ら
れているフラグデータDsから容易に求めることができ
る。すなわちフラグデータDsの各画素の0を1に置き
換え、1を0に置き換えるだけでよい。このような処理
もインバータと呼ばれる論理回路で簡単に行うことがで
きるので、ANDゲートの使用と併せて、ずらさない画
素の多値化データCdrnを求める一連の処理を論理回
路で行うことができ、このようにすれば印刷時間の短縮
につながるので好適である。もっともCPU81におい
てソフトウェアプログラムを用いてこれら処理を行うも
のとしてもよい。
【0069】このようにして、ドット形成位置をずらす
画素についての多値化データCdrnと、ずらさない画
素についてのデータCdrsを分離した後は、それぞれ
について通常のラスタライズ処理を行えばよい。
【0070】ここでは、ヘッドの1回の往運動で各ラス
タのドットをすべて形成するような単純なラスタライズ
処理の場合を例にとって説明する。先ずドット形成位置
をずらさない画素のみについての多値化データCdrn
を一走査分だけプリンタ22に出力し、この後にヘッド
を元の位置まで復動させて、今度はドット形成位置をず
らす画素のみの多値化データCdrsを一走査分だけ出
力する。副走査方向に記録紙を送ることによってドット
形成位置をずらすこととしている場合には、ヘッドが復
運動している間に、ドット形成位置をずらす量だけ記録
紙が送られる。このような動作を繰り返すことで、画素
選択処理で選択されたドットのみが、ドット形成位置を
ずらして形成されることとなって、バンディングの発生
を防止し、画質の向上を可能とすることができる。
【0071】この説明では、ラスタライズ処理はコンピ
ュータ90側のCPU81またはその周辺回路で行われ
るものとしているが、プリンタ22側のCPU41また
は周辺回路で行われるものであってもよいのはもちろん
である。
【0072】また、双方向記録を行うようなラスタライ
ズ処理を行う場合は、ヘッドの往運動時にはドットをず
らさない画素のみの多値化データCdrnを、プリンタ
22に順次出力し、復運動時にはずらす画素の多値化デ
ータCdrsを出力すればよい。用紙を副走査方向に送
ることによって、ドット形成位置をずらすこととしてい
る場合には、往動と復動の間に用紙を送る。またヘッド
を副走査方向に傾けてドットをずらす場合は、往動と復
動の間にヘッドを傾ける。このように双方向記録を行え
ばヘッドの主走査回数が減る分だけ、印刷時間を短縮す
ることができる。また復動時のドット形成は往動時に比
べてドット形成位置の精度を確保するのが困難な場合も
あるが、復動時に形成するドットはドット形成位置をず
らすべく選択されたドットであって、比較的小さなドッ
トのみとなっている。このような小さなドットは大きな
ドットに比べて、ドット位置がずれることによる画質の
低下は小さいことから、ドット形成位置をずらすべく選
択されたドットを復動時に形成することも好適である。
【0073】また、ドットピッチよりも大きなドットが
形成される場合にもバンディングは発生し得るので、本
実施例の適用は画質の改善に有効である。図18はこれ
を説明したものである。図18(a)は、バンディング
が発生する例として先に示した図13(b)に対して、
ドットの大きさだけを大きくした状態を示している。こ
の図では、図13(b)で生じていたバンディングが発
生しておらず、このことから、ドットピッチよりも大き
なドットを使用すると一般的にバンディングが発生しし
難くなることが分かる。しかし大きなドットを使用した
場合でも、バンディングは発生し得る。例えば図18
(b)のように一つおきの画素にドットが形成されるよ
うな場合は、ラスタの間隔が広くなっている部分にバン
ディングが現れ得る。このような状態に対して本実施例
を適用した様子を示すのが図18(c)である。ドット
の形成位置がずらされることによって、このような場合
であってもバンディングの発生を効果的に防止すること
ができる。
【0074】以上の実施例では、小・中・大の3種類の
ドットが形成可能なプリンタ22を例にとって説明した
が、形成可能なドットの種類が更に多い場合や逆に少な
い場合も同様に本発明を適用することができる。また、
単一種類のドットの形成のみが可能なプリンタでも適用
可能なことはもちろんである。
【0075】本発明では、一部の画素については、本来
形成すべき位置からドットをずらして形成する。表やグ
ラフのように直線が多用される画像を印刷しようとする
場合には、このことが逆に画質を低下させる場合も可能
性として考えられる。例えば図19に示すように、印刷
しようとする直線の方向とラスタの方向とが一致した場
合は、ドット形成位置をずらすことによって直線の輪郭
がぼけたようになってしまう。また直線の向きがラスタ
方向と直交する場合にも、ドットに多少の粗密が生じる
こととなって、これが目に付く可能性も無いではない。
一方、表やグラフを印刷する場合に本発明を適用すると
必ず画質が低下するのかと言えば、そうでもない。例え
ば、視覚効果を高めるために表やグラフの内側や外側を
背景色で塗りつぶす場合も多いが、このような画像に本
発明を適用すると背景色の部分でバンディングが発生す
るのを防止し、画質を向上させることができる。これら
を考慮すると、印刷しようとする画像に応じて図11の
画素選択処理をスキップできるようにしておくのも好適
である。
【0076】スキップするか否かは、印刷しようとする
画像を解析して判断するものであってもよく、また人間
が判断するものであってもよい。また簡便な判断方法と
しては、印刷しようとする画像データの拡張子を基に、
画像データがいわゆる表計算ソフトやワードプロセッサ
によって作成されたものであるか否かを判断し、これら
アプリケーションで作成された画像であると判断された
場合には、画素選択処理をスキップするようにしてもよ
い。
【0077】以上の実施例では、ピエゾ素子PEに所定
の電圧を印可することによってインクを吐出し、ドット
を形成するものとして説明したが、この他のインク吐出
方式を用いてドットを形成するものであってもよい。例
えば、インク通路に設けたヒータに通電して通路内に泡
を発生させ、これによってインクを吐出する方式であっ
てもよい。更にはドットにより画像の記録を行うもので
あれば、熱転写、熱昇華型のプリンタであってもよい。
【0078】また以上は、記録紙にインクのドットを形
成するプリンタを例にとって説明したが、必ずしもこれ
に限定されるものではない。例えば金属やガラスの板に
樹脂製の塗料を吹き付けて画像を形成したり、微細な砥
粒を吹き付けて表面を削り取ることによって画像を形成
するものであっても構わない。
【0079】また上記印刷装置は、ドットの一部を選択
してドット形成位置をずらすための制御にコンピュータ
による処理を含んでいることから、このような制御を実
現するためのプログラムを記録した記録媒体としての実
施の形態を採ることもできる。このような記録媒体とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記録装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記録装置などの、コンピュータが読み取り可
能な種々の媒体を利用できる。また、上記で説明したド
ット形成制御を行うコンピュータプログラムを、通信経
路を介してコンピュータに供給するプログラム供給装置
としての態様も可能である。
【0080】以上、本発明の種々の実施例について説明
してきたが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実
施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷装置の概略構成図である。
【図2】本発明のプリンタの概略構成図である。
【図3】本発明のプリンタのドット記録ヘッドの概略構
成を示す説明図である。
【図4】本発明のプリンタにおけるドット形成原理を示
す説明図である。
【図5】本発明のプリンタにおけるノズル配列例を示す
説明図である。
【図6】本発明のプリンタにより径の異なるドットを形
成する原理を説明する説明図である。
【図7】中ドットと小ドットにより大ドットを形成する
様子を示す説明図である。
【図8】プリンタの制御装置の内部構成を示す説明図で
ある。
【図9】本発明のプリンタにおけるノズルの駆動波形お
よび該駆動波形により形成されたドットの様子を示す説
明図である。
【図10】コンピュータのソフトウェアの構成を示す説
明図である。
【図11】ドット形成制御ルーチンの流れを示すフロー
チャートである。
【図12】画素番号を利用した画素選択処理の流れを示
すフローチャートである。
【図13】本発明を実施した場合に、バンディングの発
生が防止される原理を説明した図である。
【図14】乱数を利用した画素選択処理の流れを示すフ
ローチャートである。
【図15】変数Fを使用する画素選択処理の流れを示す
フローチャートである。
【図16】あるラスタについての画素選択判断を終了す
る度に、変数Fを初期化することの効果を示す説明図で
ある。
【図17】多値化データCdrから、ドット形成位置を
ずらす画素についての多値化データCdrnとずらさな
い画素についての多値化データCdrsとを生成する方
法を示す説明図である。
【図18】ドットピッチよりも大きなドットを使用した
場合についての説明図である。
【図19】表を含む画像に対して、ドットの一部をずら
した場合を示す説明図である。
【符号の説明】
12…スキャナ 14…キーボード 15…フレキシブルドライブ 16…ハードディスク 18…モデム 21…CRT 22…カラープリンタ 23…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印字ヘッド 31…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置検出センサ 40…制御回路 41…CPU 42…PROM 43…RAM 44…PCインターフェイス 45…周辺入力部(PIO) 46…タイマ 47…駆動用バッファ 48…バス 51…発信器 55…分配機 61,62,63,64…インク吐出用ヘッド 67…導入管 68…インク通路 71…黒インク用のカートリッジ 72…カラーインク用カートリッジ 80…バス 81…CPU 82…ROM 83…RAM 84…入力インターフェイス 85…出力インターフェイス 86…CRTC 87…ディスクコントローラ(DDC) 88…シリアル入出力インターフェイス(SIO) 90…コンピュータ 91…ビデオドライバ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…解像度変換モジュール 98…色補正モジュール 99…ハーフトーンモジュール 100…画素選択処理 101…ラスタライザ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像を構成する各画素ごとにドット
    の形成の有無を制御し、ドットの列たるラスタを記録媒
    体上に形成して、入力画像に対応した画像を表現する印
    刷装置であって、 ドットを形成しつつ記録媒体に対して一定方向の相対移
    動を行うことにより前記ラスタを形成するヘッドと、 各ラスタを形成すべきドットの中から一部のドットを選
    択するドット選択手段と、 該ドット選択手段によって選択されたドットについて
    は、前記ラスタ方向と交差する方向に、前記画素に対応
    するドットの記録媒体上での形成間隔たるドットピッチ
    より、小さな距離だけずらしてドットを形成するドット
    形成手段とを備えた印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記ヘッドは、大きさの異なるドットの形成が可能なヘ
    ッドであり、 前記ドット選択手段は、最も小さいドットの中から一部
    を選択する手段である印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の印刷装置であって、 前記ヘッドは、少なくとも前記ドットピッチ相当の大き
    さのドットの形成が可能なヘッドであり、 前記ドット選択手段は、前記ドットピッチ相当のドット
    の中から一部を選択する手段である印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記ドット形成手段は、前記選択されたドットについて
    は前記ラスタ方向とは交差する方向に、前記ドットピッ
    チの略半分の距離だけずらしてドットを形成する手段で
    ある印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の印刷装置であって、 ラスタを形成する方向に、前記ヘッドを記録媒体に対し
    て相対的に移動させる主走査手段と、 該ラスタの方向と交差する一定の方向に、前記ヘッドを
    記録媒体に対して相対的に移動させる副走査手段とを備
    え、 前記ドット形成手段は、前記副走査手段を制御すること
    により、前記ドットの形成位置をずらす手段である印刷
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記ドット選択手段は、前記各ラスタを形成すべきドッ
    トのうちの略半数のドットを選択する手段である印刷装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記ドット選択手段は、一つおきにドットを選択する手
    段である印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の印刷装置であって、 前記ドット選択手段は、乱数を利用してドットを選択す
    る手段である印刷装置。
  9. 【請求項9】 入力画像を構成する各画素ごとにドット
    の形成の有無を制御し、ドットの列たるラスタを記録媒
    体上に形成して、入力画像に対応した画像を表現する印
    刷方法であって、 ヘッドでドットを形成しながら該ヘッドと前記記録媒体
    とを一定方向に相対移動させることによって前記ラスタ
    を形成する際に、 各ラスタを形成すべきドットの中から一部のドットを選
    択し、 該選択されたドットについては、ラスタの方向と交差す
    る方向に、前記画素に対応するドットの記録媒体上での
    形成間隔たるドットピッチより、小さな距離だけずらし
    てドットを形成する印刷方法。
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