JP2005220486A - フッ素繊維交織織物および複合材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】摺動性に優れ、耐久性のある複合材料製摺動材の補強材として好適なフッ素繊維交織織物およびそれからなる複合材料を提供する。
【解決手段】フッ素繊維糸条と、引張強度が2GPa以上である高強度繊維糸条とが交織された織物であって、フッ素繊維が織物のいずれか一方の片面面積の30%以上の面積を被覆していることを特徴とするフッ素繊維交織織物、およびそれからなる複合材料。
【選択図】図1
【解決手段】フッ素繊維糸条と、引張強度が2GPa以上である高強度繊維糸条とが交織された織物であって、フッ素繊維が織物のいずれか一方の片面面積の30%以上の面積を被覆していることを特徴とするフッ素繊維交織織物、およびそれからなる複合材料。
【選択図】図1
Description
本発明は、特に摺動材料の補強材として有用なフッ素繊維交織織物およびそれを用いた複合材料に関する。
フッ素樹脂は優れた耐薬品性、耐熱性、低摩擦性を有し、特殊用途ではあるがその特徴を活かし、軸受けなどの摺動材用途に使われている。例えば、特許文献1においてはフッ素樹脂の低摩擦性を活かし、フッ素樹脂に炭素繊維、ガラス繊維の短繊維を充填材とした摺動材が提案されている。このフッ素樹脂のコンポジット(複合材料)を例えば軸受けに用いる場合においては、摺動特性がよく、従来の金属製に比べて軽量であり、また、耐磨耗性が優れているので潤滑剤を必要とせず、例えば食品関係の機器の軸受け部にシールを兼ねて用いることが出来るなどの特徴を有している。しかし、フッ素樹脂は圧縮弾性率が400MPa程度と比較的低く、フッ素樹脂の軸受けにおいては軸から受ける負荷で変形あるいは破壊し易いために、低荷重の軸受けにしか適用できないという問題を抱えている。
上記問題点に対して、フッ素繊維を補強材とし樹脂弾性率が高いエポキシ樹脂などをマトリックスとした複合材料からなるコンポジット軸受けが、特許文献2で提案されている。この技術は、フッ素繊維とポリエステル繊維のフィラメントワインディングで成形されたコンポジット製の軸受けであり、摺動方向、すなわち円周方向に低摩擦性のフッ素繊維が配向しているので、前記したフッ素樹脂の固体を摺動面とするよりも繊維状のものを摺動面とする方が軸受けに作用するラジアル方向の荷重が分散されるので、面に作用する摩擦力が小さくなり、軸の回転が滑らかになる特徴を有している。しかし、上記軸受けは、樹脂との接着性が低いフッ素繊維が軸の回転方向に連続して配向されているので、軸受けに受けるラジアル方向とスラスト方向の荷重がフッ素繊維を剥がす方向に作用するため、逆に耐久性が劣る問題点があり、高荷重の負荷が作用する軸受けには向かないという問題点を有する。
また、上記技術に対して、高荷重に耐える軸受けとして、フッ素繊維とポリエステル繊維との交織織物を補強材とし、フッ素繊維の欠点である低引っ張り強度をポリエステル繊維で補った織物が商品化されており、この織物をコンポジット軸受けの基材として用いることにより、フッ素樹脂繊維とポリエステル繊維と交錯されているのでフッ素繊維の剥離をある程度は抑えることができる。
しかし、通常、コンポジット軸受けは成形におけるマトリックス樹脂の硬化収縮により所定の寸法精度が得られないために切削加工により所定の寸法に仕上げられるが、強化材であるポリエステル繊維が柔軟で、熱可塑性であるために切削加工しにくく、また切削時に熱溶融するために平滑な面に切削することが難しく、フッ素繊維の有する低摩擦性が十分に発揮できない問題点がある。また、従来のフッ素繊維とポリエステル繊維との交織織物を補強材としたコンポジット軸受けは、強度の問題から肉厚の摺動面を作製することが困難であるという問題点もある。肉厚の摺動面を作製すると、例えばシャフトの外径に合わせて摺動面を適宜切削加工できる利点がある。さらに、実用面において強化材がポリエステル繊維であるために軸受けに生ずる摩擦熱で繊維が柔らかくなったり、あるいは溶融したりして摩擦係数が高まる問題点もある。その上、ポリエステル繊維はマトリックス樹脂との接着性がフッ素繊維ほどではないものの低いために、長期耐久性が期待できないという問題もある。
上述したようなことから、コンポジット軸受けなどの摺動部材においては、汎用的で耐久性のある補強材の提供が望まれていた。
特開平6−116580号公報
米国特許明細書第4,867,889号
本発明の課題は、上述した問題点を解決し、摺動性に優れ、耐久性のある複合材料製摺動材の補強材として好適なフッ素繊維交織織物およびそれからなる複合材料を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明によれば、以下の構成を有するフッ素繊維交織織物およびそれを用いた複合材料を用いると、摺動性に優れ、耐久性のある複合材料(FRP)製の摺動材として好適であることを見い出した。
すなわち、本発明に係るフッ素繊維交織織物は、
(1)フッ素繊維糸条と、引張強度が2GPa以上である高強度繊維糸条とが交織された織物であって、前記フッ素繊維が織物のいずれか一方の片面面積の30%以上の面積を被覆していることを特徴とするものである。
(2)また、前記織物において、前記被覆面積の割合が50%以上であることを特徴とするものである。
(3)また、前記織物においてフッ素繊維糸条が40〜80重量%含まれていることを特徴とするものである。
(4)また、前記織物において織物組織が平織、綾織、朱子織のいずれかの組織であることを特徴とするものである。
(5)また、前記織物において織物の各織糸がフッ素繊維糸条ないし高強度繊維糸条のいずれか一方の単独糸条からなることを特徴とするものである。
(6)また、前記織物において織物を構成する織糸が、フッ素繊維糸条と高強度繊維糸条との引き揃え糸であることを特徴とするものである。
(7)また、前記織物において織物組織が多重織であることを特徴とするものである。
(8)また、前記織物において織物組織が二重織であり、フッ素繊維糸条が織物面の片面に配列されていることを特徴とするものである。
(9)また、前記織物において高強度繊維が、炭素繊維であることを特徴とするものである。
(10)また、前記織物において織糸を構成する炭素繊維糸条を構成するフィラメントの繊度が0.3〜0.8dTEX、フィラメント数が1,000〜24,000本であることを特徴とするものである。
(11)また、前記織物において織糸を構成するフッ素繊維糸条を構成するフィラメントの繊度が1〜20dTEX、フィラメント数が15〜800本であることを特徴とするものである。
(12)また、前記織物において織糸を構成するフッ素繊維糸条の平均厚みが高強度繊維糸条の平均厚みの110%以上であることを特徴とするものである。
(13)また、前記炭素繊維の引張強度が4GPa以上、引張弾性率が200〜600GPa、引掛強さ(JIS L1013)が0.9mm2あたり1kN以上であることを特徴とするものである。
(14)また、前記織物において織物目付が50〜300g/m2、あるいは300を越え、1,000g/m2未満であることを特徴とするものである。
(15)また、前記織物は、上記フッ素繊維糸条および高強度繊維糸条に加え、さらに、複合材料にする際のマトリックス樹脂との接着性(フッ素繊維との物理的な結束、素材としての化学的な結合)を向上する繊維糸条を含む形態に構成することも可能である。接着性向上繊維糸条としては、例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維の合成繊維のいずれかにより構成することが可能である。かかる接着性向上繊維により、一層微細な接着を設計できる。
(1)フッ素繊維糸条と、引張強度が2GPa以上である高強度繊維糸条とが交織された織物であって、前記フッ素繊維が織物のいずれか一方の片面面積の30%以上の面積を被覆していることを特徴とするものである。
(2)また、前記織物において、前記被覆面積の割合が50%以上であることを特徴とするものである。
(3)また、前記織物においてフッ素繊維糸条が40〜80重量%含まれていることを特徴とするものである。
(4)また、前記織物において織物組織が平織、綾織、朱子織のいずれかの組織であることを特徴とするものである。
(5)また、前記織物において織物の各織糸がフッ素繊維糸条ないし高強度繊維糸条のいずれか一方の単独糸条からなることを特徴とするものである。
(6)また、前記織物において織物を構成する織糸が、フッ素繊維糸条と高強度繊維糸条との引き揃え糸であることを特徴とするものである。
(7)また、前記織物において織物組織が多重織であることを特徴とするものである。
(8)また、前記織物において織物組織が二重織であり、フッ素繊維糸条が織物面の片面に配列されていることを特徴とするものである。
(9)また、前記織物において高強度繊維が、炭素繊維であることを特徴とするものである。
(10)また、前記織物において織糸を構成する炭素繊維糸条を構成するフィラメントの繊度が0.3〜0.8dTEX、フィラメント数が1,000〜24,000本であることを特徴とするものである。
(11)また、前記織物において織糸を構成するフッ素繊維糸条を構成するフィラメントの繊度が1〜20dTEX、フィラメント数が15〜800本であることを特徴とするものである。
(12)また、前記織物において織糸を構成するフッ素繊維糸条の平均厚みが高強度繊維糸条の平均厚みの110%以上であることを特徴とするものである。
(13)また、前記炭素繊維の引張強度が4GPa以上、引張弾性率が200〜600GPa、引掛強さ(JIS L1013)が0.9mm2あたり1kN以上であることを特徴とするものである。
(14)また、前記織物において織物目付が50〜300g/m2、あるいは300を越え、1,000g/m2未満であることを特徴とするものである。
(15)また、前記織物は、上記フッ素繊維糸条および高強度繊維糸条に加え、さらに、複合材料にする際のマトリックス樹脂との接着性(フッ素繊維との物理的な結束、素材としての化学的な結合)を向上する繊維糸条を含む形態に構成することも可能である。接着性向上繊維糸条としては、例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維の合成繊維のいずれかにより構成することが可能である。かかる接着性向上繊維により、一層微細な接着を設計できる。
(16)また、本発明の複合材料は、上記フッ素繊維交織織物にマトリックス樹脂を含浸し、硬化させたことを特徴とするものである。
本発明によれば、フッ素繊維糸条と、高強度繊維糸条とが交織された織物であって、前記フッ素繊維が織物のいずれか一方の片面面積の30%以上の面積を被覆したフッ素繊維交織織物であるから、複合材料軸受けの基材とした際にフッ素繊維の低摩擦性が発揮され、かつマトリックス樹脂の接着性の低いフッ素繊維をマトリックス樹脂との接着性の優れた高強度繊維で交錯させて支えているので、フッ素繊維が剥がれることはなく、耐久性の優れた複合材料製摺動材を提供することが出来る。また、高強度繊維が交織されているので、優れた機械的特性を有する複合材料摺動材の提供が可能となる。
以下、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る、平織組織のフッ素繊維交織織物の平面図である。図1において、交織織物1は、後述する高強度繊維糸条2がたて糸として配列され、フッ素繊維糸条3がよこ糸として配列されており、互いに交互に交錯し合った平織組織を構成している。このため、フッ素繊維は織物の両面に露出して、フッ素繊維の被覆率はそれぞれの配列密度(織密度)と織物上での糸幅により若干異なるが、織物面積に対してフッ素繊維はおおよそ50%となる。
図1は、本発明の一実施態様に係る、平織組織のフッ素繊維交織織物の平面図である。図1において、交織織物1は、後述する高強度繊維糸条2がたて糸として配列され、フッ素繊維糸条3がよこ糸として配列されており、互いに交互に交錯し合った平織組織を構成している。このため、フッ素繊維は織物の両面に露出して、フッ素繊維の被覆率はそれぞれの配列密度(織密度)と織物上での糸幅により若干異なるが、織物面積に対してフッ素繊維はおおよそ50%となる。
なお、ここでいうフッ素繊維の被覆率とは、織物を平面上で見た際の織物面積に対する、フッ素繊維が表面に表れている割合のことであり、測定方法としては実体顕微鏡で拡大撮影し、その取り込み画像を画像処理装置によりフッ素繊維部分とそれ以外に2値化した後、その面積割合を計算することでフッ素繊維の被覆率を求めることが出来る。
本発明のフッ素繊維交織織物は、フッ素繊維の有する低摩擦性を生かして摺動材として有用なもので、織物のどちらか片面面積の30%以上の面積を被覆しているものである。織物表面に出来るだけ多くフッ素繊維が表れていることが好ましく、フッ素繊維の被覆率は50%以上、さらに好ましくは60%以上である。
かかるフッ素繊維の被覆率が30%未満では、フッ素繊維が織物表面に出ている割合が小さくなり、高強度繊維が表面に出る割合が大きくなる。つまり、高強度繊維自体もフッ素繊維には劣るが金属材料に比べれば遥かに低摩擦性であるものの、フッ素繊維の表面被覆率が小さくなりすぎ、フッ素繊維の有する低摩擦性効果が十分に発揮されず、本発明の課題を解決できない。
一方、高い荷重を支える複合材料軸受けなどにおいては、マトリックス樹脂との接着性の悪いフッ素繊維を接着性に優れた高強度繊維糸条と交錯させることで、複合材料中でフッ素繊維が剥がれようとする力を、マトリックス樹脂と強固に接着された高強度繊維糸条の交錯により阻止できることから、高強度繊維も共に表面に出すことが好ましく、フッ素繊維の被覆率は90%以下、さらに好ましくは80%以下であることが好ましい。
しかし、作用する荷重が低荷重である軸受けなどにおいては、別の実施態様で後述するように、織物のどちらか一方の面において高強度繊維を表面に出さずにフッ素繊維同士で交錯させ、フッ素繊維の被覆率が100%であっても構わない。そうすることにより非常に高い摺動性を発揮させることが出来る。
本発明のフッ素繊維交織織物において、フッ素繊維が40〜80重量%であることが好ましい。別の視点からは、高強度繊維が20〜60重量%の範囲であることが好ましい。フッ素繊維が40重量%未満または高強度繊維が60重量%を越えると、所望の摺動性を発現できない場合がある。一方、フッ素繊維が80重量%を越える、または高強度繊維が20重量%未満であると、所望の強度を発現しない場合がある。より好ましくは、フッ素繊維が50〜75重量%、高強度繊維が35〜50重量%の範囲、更に好ましくは、フッ素繊維が60〜70重量%、高強度繊維が30〜40重量%の範囲である。
なお、上記した本発明のフッ素繊維交織織物を用いて摺動性の優れた複合材料軸受けを提供する方法の一実施態様としては、本発明のフッ素繊維交織織物にマトリックス樹脂を含浸させて複合材料(FRP)にした後、切削加工で所定の寸法に仕上げることにより得ることができる。
このような複合材料軸受けにおいては、交織する高強度繊維の特性が発揮されるので、高負荷が作用しても破壊し難い。また、高強度繊維自体は優れた耐磨耗性を有することが多いので耐久性に優れた複合材料製の軸受けを提供することが出来るものである。
図2は、本発明の他の実施態様に係る、平織組織のフッ素繊維交織織物の平面図である。フッ素繊維交織織物4は、たて糸がフッ素繊維糸条5でよこ糸が高強度繊維糸条6から構成された平織組織の織物である。かかる織物4は、図1に示した実施態様に係る織物1を90°回転させたものと同じであるが、織物の製織工程においてよこ糸を挿入する際、たて糸が一本交互に上下される開口運動により互いに隣接するたて糸が擦過するが、図2に示すように、たて糸がフッ素繊維糸条5であればフッ素繊維は摺動性が優れるので擦過毛羽を発生させることがなく、高速製織が可能となるので好ましい態様である。
上述したようにフッ素繊維糸条と高強度繊維糸条とを平織組織で一体化した織物構造の交織織物は、複合材料製軸受けとして用いた場合、マトリックス樹脂との接着性が悪いフッ素繊維糸条は、マトリックス樹脂との接着性の優れた高強度繊維糸条で強固に拘束されているので、軸受けに高負荷が作用してもフッ素繊維糸条が剥がれたりするようなことが発生しにくい。
図3は、本発明のさらに他の実施態様に係る、平織組織のフッ素繊維交織織物の平面図である。図2に示した織物4は、平織組織を構成しているもので、たて糸、またはよこ糸にフッ素繊維糸条を単独で用いた実施態様である。一方、フッ素繊維交織織物は、たて糸、またはよこ糸にフッ素繊維糸条と高強度繊維糸条とを交互または数本置きに配列した交織織物、あるいはたて糸、またはよこ糸にフッ素繊維糸条3、5と高強度繊維糸条2、6とを引き揃えた図3に示す形態の織物5も含まれる。中でも、平織組織であると織物の両面におけるフッ素繊維の被覆率が同じであるからどちらの面を摺動面としてよいために成形時に表裏を間違うことがないため好ましい。
図4は、さらに他の実施態様に係る、綾織組織のフッ素繊維交織織物8の平面図である。たて糸がフッ素繊維糸条5で、よこ糸が高強度繊維糸条6から構成された2/2の綾織組織の織物ある。
かかる織物8のフッ素繊維の被覆率は約50%であって、前記平織組織の交織織物の被覆率とほぼ同じであるが、フッ素繊維の浮きが長くなり、織物の表面凹凸を小さくなることから表面が平滑な軸受け面を形成させることができるから、滑らかに軸を摺動可能な軸受けを提供することが出来る。
一方、2/2の綾織組織は、平織組織に比べてたて糸とよこ糸の交錯点数が少ないので、フッ素繊維の拘束力が平織組織に比べ劣ることになることからどのような織組織にするかは軸受けが受ける負荷などから適宜選択することができる。
この実施態様は、たて糸にフッ素繊維糸条を用い、2/2の綾織組織とした場合であるが、本発明のフッ素繊維交織織物は上記構成に限定されるものではなく、フッ素繊維糸条をよこ糸に用いたり、たて糸、またはよこ糸に高強度繊維糸条と交互あるいは数本置きに用いる他の綾織組織の交織織物も含まれる。
図5は、さらに他の実施態様に係る、朱子織組織のフッ素繊維交織織物の平面図である。この交織織物9は、たて糸にフッ素繊維糸条5およびよこ糸に高強度繊維糸条6から構成された4枚朱子織組織の織物であり、織物表裏でフッ素繊維の現れ方が異なり、図5ではフッ素繊維が多く表れる面を示し、その面における被覆率は約75%となる。
そして、このフッ素繊維の被覆率の高い面を摺動面として成形することにより、摺動性が一層優れることになる。また反対面においては高強度繊維による被覆率が高いので織物全体がマトリックスと強固に接着され、優れた耐久性を有することができる。
図6は、さらに他の実施態様に係る、二重織組織のフッ素繊維交織織物の平面図である。この織物10は、フッ素繊維と高強度繊維からなる二重織組織の交織織物で、フッ素繊維のたて糸5とよこ糸3が織物表面に表れ、高強度繊維のたて糸2とよこ糸6が裏面に表れたもので、摺動面となる織物表面のフッ素繊維の被覆率はおおよそ100%である。
このように二重織をはじめとする多重織組織の織物であると、フッ素繊維が織物の片方の表面が完全に覆われように配置させることができるので、その面を摺動面とすることで非常に優れた摺動性を発揮できるし、裏面が高強度繊維100%であるからマトリックス樹脂と強固に接着するので耐久性のあるコンポジット軸受けを得ることができる。
本発明で用いる高強度繊維糸条を構成する高強度繊維としては、引張強度2GPa以上の繊維であり、パラ系アラミド繊維、炭素繊維、ポリアリレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、PBO繊維、高倍率延伸ポリエステル繊維、ガラス繊維、SUSなどを用いた金属繊維などが例として挙げられる。引張強度が2GPa未満であると、本発明の課題である高強度の複合材料が得られにくくなってしまう。この中でも、特に弾性率に優れるため負荷がかかった際の変形量が小さく、熱の伝導率が高いため、摩擦熱による発熱を除去でき、比重が軽いため取り扱いやすい炭素繊維を用いるのが好ましい。なお、ここでいう引張強度とはJIS R8601の樹脂含浸ストランド試験に準拠して求められた引張強度である。
本発明で用いる炭素繊維は、PAN系、ピッチ系、セルロース系、炭化水素による気相成長系炭素繊維や黒鉛繊維、これらを2種類以上ブレンドして構成されたもの等が例として挙げられる。複合材料の強度や弾性率を更に重要視する場合は、これらの中でもPAN系炭素繊維を用いるのが好ましい。また、摺動性を更に重要視する場合はピッチ系炭素繊維が好ましい。
さらに、炭素繊維は高弾性率で、しかもマトリックス樹脂との接着性が優れていることから切削性に優れ、軸受けの寸法精度を得るために切削加工で表面平滑に仕上げることが出来、摺動性の優れた軸受けを提供することが出来る。
かかる炭素繊維としては、単繊維の繊度が0.3〜0.8dTEX、フィラメント数が1,000〜50,000本、総繊度が600〜35,000dTEXであることが好ましい。より好ましくは、フィラメント数が6,000〜24,000本、更に好ましくは12,000〜24,000本である。
なかでも、単繊維の繊度が小さくてフィラメント数が少なく、総繊度の小さい糸を用いる方が表面平滑な織物となるため好ましいが、細繊度の炭素繊維は高価であるとともに、織物にする場合の生産性も低いことから高価な織物になってしまうという場合がある。
一方、単繊維の繊度が大きくてフィラメント数が多く、総繊度の大きい糸を用いて織物にすると生産性は良いものの織物の表面平滑性が低下するとともに織物のたて糸とよこ糸の交錯によって生じる繊維が存在しない空隙部が樹脂リッチ部分となり、繊維が存在しないことになることから耐摩擦性が低下してしまう場合がある。
また、フッ素繊維糸条の平均厚みが炭素繊維糸条の平均厚みの110%以上であれば炭素繊維よりも低摩擦性を有するフッ素繊維を織物表面に出すことができることから優れた摺動性を有するFRPが得られる。より好ましくは120%以上、さらに好ましくは130%以上である。特に、フッ素繊維糸条として高強度繊維糸条よりも厚い平均厚みを有するものであると、交織織物においてフッ素繊維糸条が優先的に表面に突出して、表面凹凸の大きな交織織物となり、複合材料にした際に、一層効果的に摺動性を発現することができる。なお、ここで言うフッ素繊維糸条と炭素繊維糸条の平均厚みとは、織物からフッ素繊維糸条と炭素繊維糸条を糸幅が変化しないように丁寧に取り出し、JIS R7602(炭素繊維織物の試験方法)に従って、繊維束の中央部に50kPaの圧力を20秒間かけたときの厚みを5箇所測定し、その平均値で表されるものである。
かかる炭素繊維は、引張強度が4GPa以上であるのが好ましい。かかる強度以上であると、より少量の配合で所望の強度を達成できる。より好ましい引張強度は4.5GPa以上である。なお、引張強度は高ければ高い方が好ましいが、現在の技術水準からは、10GPa以下であるのが一般的である。
同様の視点から、かかる炭素繊維は、引張弾性率が200〜600GPaの範囲であるのが好ましい。引張弾性率が200GPa未満であると、得られる複合材料の弾性率も低くなるため、複合材料に負荷された際に、複合材料の変形量が大きくなり、フッ素繊維とマトリックス樹脂との剥離を誘起してフッ素繊維が脱落し易くなる。また、引張弾性率が600GPaを越えると、引張強度が大きく低下する場合があるため、本発明の課題である高い引張強度を発現しにくい。
また、かかる炭素繊維は、優れた力学特性(特にマトリックス樹脂との接着性)、取扱性等の機能付与するために、樹脂等を予め付着、表面処理していることが好ましい。なお、本発明では、かかる機能付与を目的に付着、表面処理している樹脂のことをサイジング剤と総称する。かかるサイジング剤の付着量は0.1〜2重量%の範囲が好ましい。0.1重量%より少ないと、目的の機能である優れた力学特性等が発現しない。一方、2重量%を越えるとフッ素繊維との複合糸条を形成する際に分散不良が起こり、複合糸条の均一性に劣る場合がある。
更に、引掛強さ(JIS L1013)が0.9mm2 あたり1kN以上であるのが好ましい。かかる強さ未満であると、フッ素繊維との複合糸条を形成する際に炭素繊維が容易に折損して、複合糸条中の炭素繊維長さが短くなって高強度の複合材料を得られない場合がある。ここで、引掛強さとは、JIS L1013の7.7項記載の方法に準拠して測定したものであり、具体的な炭素繊維における測定方法については、特許2842412号公報にその詳細に関する記載がある。なお、引掛強さは高ければ高い方が好ましいが、現在の技術水準からは、0.9mm2 あたり10kN以下であるのが一般的である。
フッ素繊維の成分であるフッ素樹脂は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−p−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等を単独または2種類以上ブレンドしたものを使用することができる。中でもフッ素繊維の中でも最も摺動性が良いPTFE繊維を用いるのが好ましい。さらに、PTFE繊維の中でも、エマルジョン紡糸法による繊維や、フィルム割繊法による繊維などがあるが、エマルジョン紡糸法による繊維が、単糸繊度が細く、繊維の断面形状が真円に近く、繊度の均一性に優れるため、織物等にする際の高次加工性に優れ好ましい。
かかるフッ素繊維としては、単繊維の繊度が1〜20dTEX、フィラメントが15〜800本であって総繊度が100〜2,400dTEXのフッ素繊維糸条であることが好ましい。
フッ素繊維も炭素繊維と同様に、単繊維の繊度が小さくてフィラメント数が少なく、総繊度の小さい糸を用いる方が表面平滑な織物となるため好ましいが、細繊度のフッ素繊維も高価であるとともに、織物にする場合の生産性も低いことから高価な織物になってしまうという場合がある。
一方、単繊維の繊度が大きくてフィラメント数が多く、総繊度の大きい糸を用いて織物にすると生産性は良いものの織物の表面平滑性が低下するとともに織物のたて糸とよこ糸の交錯によって生じる繊維が存在しない空隙部が樹脂リッチ部分となり、繊維が存在しないことになることから耐摩擦性が低下してしまう場合がある。
本発明のフッ素繊維交織織物の目付は、50〜300g/m2あるいは300g/m2を越え1000g/m2未満の範囲であるのが好ましい。目付が50〜300g/m2であると、複合材料にする際に織物一層あたりの厚みが薄くなるため、複合材料の厚みを積層枚数で制御できるだけでなく、積層枚数を相対的に多くできるため複合材料の設計(織物の積層方向)の自由度が広くできる利点がある。また、別の視点からは、目付が300g/m2を越え1,000g/m2未満であると、複合材料にする際に織物一層あたりの厚みが厚くなるため、複合材料を成形する際に積層する枚数を少なくできる(成形コストを安くできる)だけでなく、複合材料の厚み制御を、切削や研磨等の二次加工により行うことができる利点がある。
ここで、目付が1,000g/m2を越えると、マトリックス樹脂の含浸が困難となる場合があるため好ましくない。一方、50g/m2未満であると、複合材料を成形する際に積層する枚数が多くなり過ぎて成形コストがかかるため好ましくない。
また、本発明に用いる高強度繊維糸条は実質的に無撚りであることが好ましい。織物内で繊維糸条に撚りが存在すると、その撚りの部分は収束されるために隣接する糸束間に隙間が生じて繊維分散の不均一な織物となるだけでなく、本来の目的である機械的特性を損なう場合がある。
そして、その織物を複合材料に成形した際、その糸束間に生じた空隙部はマトリックス樹脂リッチな箇所が存在するために複合材料軸受けとしての摺動性が低下する。
本発明のフッ素繊維交織織物は、以下に定義する繊維密度において0.8g/cm3 以上であることが好ましい。ここでいう繊維密度とは、JIS R7602(炭素繊維織物試験方法)で測定された織物目付W(g/m2)と厚さt(mm)から以下の算出式で求めた値である。
繊維密度(g/cm3 )=(W/t)×10-3
繊維密度(g/cm3 )=(W/t)×10-3
本発明の交織織物は、複合材料軸受けに成形して効果が発揮されるもので、複合材料中における繊維含有率が高いほど高荷重に耐える高強度な軸受けを得ることができるが、複合材料中の繊維含有率を高めるためには、用いる織物の繊維密度が影響を及ぼし、繊維密度を0.8g/cm3 以上とすることで繊維含有率の高い複合材料が得られる。
本発明におけるマトリックス樹脂は、フッ素樹脂以外のエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂もしくはポリアミド、ポリアセタールなどの熱可塑性樹脂である。なかでも、熱硬化性樹脂としては炭素繊維との接着性が良好で機械的特性に優れたエポキシ樹脂や耐熱性、摺動性が優れるフェノール樹脂が好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
引張強度が3,500MPa、引張弾性率が230GPa、単糸繊度が0.66dTEXのフィラメント数が3,000本で総繊度が1,980dTEXの炭素繊維と、4フッ化エチレン樹脂からなるフッ素繊維糸条として7.4dTEXでフィラメント数が180フィラメントの糸条を2本引き揃えた糸条群である総フィラメント数が180本、総繊度が2,660dTEXとを、それぞれ織物の織糸として用い、たて糸およびよこ糸ともに炭素繊維糸条とフッ素繊維糸条とを一本交互に配列させ、たて糸およびよこ糸の織物密度がそれぞれ5本/cmとなる炭素繊維とフッ素繊維との交織織物を製織した。この織物における繊維目付は230g/m2であり、フッ素繊維の被覆割合は45%であった。また、この織糸に使用した炭素繊維の引掛強さは、0.9mm2あたり450Nであった。
実施例1
引張強度が3,500MPa、引張弾性率が230GPa、単糸繊度が0.66dTEXのフィラメント数が3,000本で総繊度が1,980dTEXの炭素繊維と、4フッ化エチレン樹脂からなるフッ素繊維糸条として7.4dTEXでフィラメント数が180フィラメントの糸条を2本引き揃えた糸条群である総フィラメント数が180本、総繊度が2,660dTEXとを、それぞれ織物の織糸として用い、たて糸およびよこ糸ともに炭素繊維糸条とフッ素繊維糸条とを一本交互に配列させ、たて糸およびよこ糸の織物密度がそれぞれ5本/cmとなる炭素繊維とフッ素繊維との交織織物を製織した。この織物における繊維目付は230g/m2であり、フッ素繊維の被覆割合は45%であった。また、この織糸に使用した炭素繊維の引掛強さは、0.9mm2あたり450Nであった。
かかる交織織物に樹脂体積含有率が50%となるように130℃キュアタイプのエポキシ樹脂を含浸させ、プリプレグを作製し、それを用いて複合材料(外径13cmの円板)を成形し、耐摩耗性試験片Aとした。
かかる試験片を用いてJIS L1096(C法:テーパー形法)に準拠し、テーパー摩耗試験機を用いて耐摩耗性を評価した。なお、摩耗輪の重りは1000g、摩耗輪表面にはAA150の研磨紙を取り付け、500回転毎に交換しながら2000回転での耐摩耗性を評価した。評価後の試験片表面状態を観察したところ、樹脂部分が若干摩耗している程度であり、耐摩耗性は良好であった。
実施例2
実施例1で用いた織糸の炭素繊維糸条とフッ素繊維糸条(2本引き揃え糸)に替えて、炭素繊維糸条として引張強さが4,900MPa、引張弾性率が230GPa、単糸繊度が0.66dTEXのフィラメント数が12,000本で総繊度が8,000dTEXの炭素繊維と4フッ化エチレン樹脂からなるフッ素繊維糸条として7.4dTEXでフィラメント数が1,800フィラメントの糸条を8本引き揃えた群である総フィラメント数が720本、総繊度が10,700dTEXとをそれぞれ織物の織糸として用い、たて糸およびよこ糸ともに炭素繊維糸条とフッ素繊維糸条とを一本交互に配列させ、たて糸およびよこ糸の密度がそれぞれ2.5本/cmとなる炭素繊維とフッ素繊維との交織織物製織した他は、実施例1と同じようにして耐摩耗性試験片Bを作製し、耐摩耗性を評価した。なお、この織物における繊維目付は460g/m2であり、フッ素繊維の被覆割合は42%であった。また、この織糸に使用した炭素繊維の引掛強さは0.9mm2 あたり1,600Nであった。評価後の試験片表面状態を観察したところ、樹脂部分が若干摩耗している程度であり、耐摩耗性は良好であった。
実施例1で用いた織糸の炭素繊維糸条とフッ素繊維糸条(2本引き揃え糸)に替えて、炭素繊維糸条として引張強さが4,900MPa、引張弾性率が230GPa、単糸繊度が0.66dTEXのフィラメント数が12,000本で総繊度が8,000dTEXの炭素繊維と4フッ化エチレン樹脂からなるフッ素繊維糸条として7.4dTEXでフィラメント数が1,800フィラメントの糸条を8本引き揃えた群である総フィラメント数が720本、総繊度が10,700dTEXとをそれぞれ織物の織糸として用い、たて糸およびよこ糸ともに炭素繊維糸条とフッ素繊維糸条とを一本交互に配列させ、たて糸およびよこ糸の密度がそれぞれ2.5本/cmとなる炭素繊維とフッ素繊維との交織織物製織した他は、実施例1と同じようにして耐摩耗性試験片Bを作製し、耐摩耗性を評価した。なお、この織物における繊維目付は460g/m2であり、フッ素繊維の被覆割合は42%であった。また、この織糸に使用した炭素繊維の引掛強さは0.9mm2 あたり1,600Nであった。評価後の試験片表面状態を観察したところ、樹脂部分が若干摩耗している程度であり、耐摩耗性は良好であった。
比較例1
実施例1の炭素繊維のかわりに単糸繊度11.6dTEX、フィラメント数144本、総繊度が1,670dTEXのポリエステル繊維を用いた以外は、実施例1と同じようにして耐摩耗試験片Cを作製し、耐摩耗性を評価した。なお、この織物における繊維目付は220g/m2であり、フッ素繊維の被覆割合は44%であった。評価後の試験片表面状態を観察したところ、ポリエステル繊維とフッ素繊維がともにがマトリックス樹脂と剥離し、織物が脱落した箇所がみられ、摩耗した量も大きかった。
実施例1の炭素繊維のかわりに単糸繊度11.6dTEX、フィラメント数144本、総繊度が1,670dTEXのポリエステル繊維を用いた以外は、実施例1と同じようにして耐摩耗試験片Cを作製し、耐摩耗性を評価した。なお、この織物における繊維目付は220g/m2であり、フッ素繊維の被覆割合は44%であった。評価後の試験片表面状態を観察したところ、ポリエステル繊維とフッ素繊維がともにがマトリックス樹脂と剥離し、織物が脱落した箇所がみられ、摩耗した量も大きかった。
比較例2
実施例1用いた炭素繊維とフッ素繊維の交織織物においてたて糸およびよこ糸がともに炭素繊維糸条とフッ素繊維糸条の配列が炭素繊維糸条が3本に対してフッ素繊維糸条が1本の割合になるようにした織物を用いた以外は、実施例1と同じようにして耐摩耗試験片Dを作製した。なお、この織物における繊維目付は215g/m2であり、フッ素繊維の被覆割合は13%であった。評価後の試験片表面状態を観察したところ、織物が脱落することはなかったもののフッ素繊維の織物被覆率が小さかったことから摩耗した量も大きかった。これらの評価結果をまとめると表1のようになる。
実施例1用いた炭素繊維とフッ素繊維の交織織物においてたて糸およびよこ糸がともに炭素繊維糸条とフッ素繊維糸条の配列が炭素繊維糸条が3本に対してフッ素繊維糸条が1本の割合になるようにした織物を用いた以外は、実施例1と同じようにして耐摩耗試験片Dを作製した。なお、この織物における繊維目付は215g/m2であり、フッ素繊維の被覆割合は13%であった。評価後の試験片表面状態を観察したところ、織物が脱落することはなかったもののフッ素繊維の織物被覆率が小さかったことから摩耗した量も大きかった。これらの評価結果をまとめると表1のようになる。
表1に示すように、実施例1および実施例2のものは、耐摩耗性に優れ、摺動部材として適した複合材料が得られることがわかった。一方、比較例1のものは マトリックス樹脂との接着性が悪いポリエステル繊維とフッ素繊維の交織織物を用いたことから試験途中で織物がマトリックス樹脂と剥離し、織物部分が脱落した箇所がみられ、摩耗した量も大きかった。また、比較例2においてもフッ素繊維の織物表面被覆率が小さかったことから摩耗した量が多かった。
本発明に係るフッ素繊維交織織物は、フッ素繊維と炭素繊維等の高強度繊維が適切に交織されているので、優れた機械的特性、耐摩耗性を有する複合材料摺動材の提供が可能となる。
1、4、7、8、9、10 フッ素繊維交織織物
2、6 炭素繊維糸条(高強度繊維糸条)
3、5 フッ素繊維糸条
2、6 炭素繊維糸条(高強度繊維糸条)
3、5 フッ素繊維糸条
Claims (18)
- フッ素繊維糸条と、引張強度が2GPa以上である高強度繊維糸条とが交織された織物であって、フッ素繊維が織物のいずれか一方の片面面積の30%以上の面積を被覆していることを特徴とするフッ素繊維交織織物。
- 前記被覆面積の割合が50%以上であることを特徴とする、請求項1に記載のフッ素繊維交織織物。
- 前記フッ素繊維糸条が40〜80重量%含まれていることを特徴とする、請求項1または2に記載のフッ素繊維交織織物。
- 織物組織が、平織、綾織、朱子織のいずれかの組織であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 織物を構成する各織糸がフッ素繊維糸条および高強度繊維糸条のいずれか一方の単独糸条からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 織物を構成する織糸がフッ素繊維糸条と高強度繊維糸条との引き揃え糸条であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 織物組織が多重織であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 織物組織が二重織であり、フッ素繊維糸条が織物面の片面に配列されていることを特徴とする、請求項7に記載のフッ素繊維交織織物。
- 高強度繊維が炭素繊維であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 織物の織糸を構成する炭素繊維糸条を構成するフィラメントの繊度が0.3〜0.8dTEX、フィラメント数が1,000〜24,000本であることを特徴とする、請求項9に記載のフッ素繊維交織織物。
- 織物の織糸を構成するフッ素繊維糸条を構成するフィラメントの繊度が1〜20dTEX、フィラメント数が15〜800本であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 織物の織糸を構成するフッ素繊維糸条の平均厚みが高強度繊維糸条の平均厚みの110%以上であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 前記炭素繊維の引張強度が4GPa以上、引張弾性率が200〜600GPa、引掛強さ(JIS L1013)が0.9mm2 あたり1kN以上であることを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 織物目付が50〜300g/m2であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 織物目付が300g/m2を越え1,000g/m2未満であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 前記フッ素繊維糸条および高強度繊維糸条に加え、さらに、複合材料にする際のマトリックス樹脂との接着性を向上する繊維糸条を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物。
- 前記接着性向上繊維糸条が、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維のいずれかにより構成されている、請求項16に記載のフッ素繊維交織織物。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のフッ素繊維交織織物にマトリックス樹脂を含浸し、硬化させてなることを特徴とする複合材料。
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