JP2015190092A - 繊維織物 - Google Patents

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【課題】繊維織物を摺動部材に取り付けるべく型取りや貫通孔などの裁断加工をするとほつれが発生、拡大してしまうことを鑑み、本発明は、フッ素繊維の低摩擦性能を最大限に活用した繊維織物であって、型取りや貫通孔などの裁断加工が容易で、ほつれの発生しない耐熱性摺動部材用途に適した繊維織物を提供する。【解決手段】主としてフッ素繊維からなる表面層と、主としてフッ素繊維以外の耐熱性繊維からなる裏面層とを含む多層織物であって、前記多層織物の裏面層側に耐熱性樹脂コーティングを施してなる繊維織物である。【選択図】なし

Description

本発明は、低摩擦性を具備した繊維織物であって、摺動部材の表面に取り付けるに当たり、型取りや貫通孔などを加工する際の裁断性およびその後の裁断部の耐ほつれ性に優れた織物であり、特に耐熱性摺動部材の表面材として装着される用途に最適な繊維織物に関する。
従来から、低摩擦性が求められる摺動材としては、フッ素樹脂を摺動部材の表面にコーティングしたものや、フッ素繊維を織編物として摺動部材の表面に配置させたものが使用されている。
しかしながら、フッ素樹脂のコーティングでは、フッ素樹脂被膜が薄くかつ非接着性のため剥がれやすい欠点がある。また、種々の摺動面形状の摺動部材に対し安定的に均質なフッ素樹脂コーティングを施すことは容易でない。
一方、フッ素繊維を布帛化して摺動部材表面に使用するものは、布帛であることの自由度を活かした適用事例がいくつか開示されている。
例えば、特許文献1には、低摩擦シート部材(例えばフッ素繊維織物)をOA用途の摺動部材表面に使用(係止)する技術が開示されている。該技術では、フッ素繊維織物に係着穴(貫通孔)を設け、摺動部材表面に取り付けている。
一方で、フッ素繊維織物の片面にフッ素樹脂をコーティングしている織物が特許文献2に開示されている。コーティングしたフッ素樹脂の非粘着性を活用して、剥離性に優れ長期間の使用に耐える織物としている。該技術では、フッ素樹脂コーティングする相手材がフッ素繊維を含む織物であることで、フッ素樹脂との接着強度を高めフッ素樹脂被膜の脱落が防止できるとしている。
特開2010−164999号公報 特開平11−302940号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術において織物布帛を必要なサイズ、形状に仕上げる裁断加工について言及されていないし、該技術の技術的特徴の一つである「貫通する係着穴」を設ける具体的な加工方法についても言及されていない。現実には裁断加工や貫通孔加工をすると、織物であるがゆえに裁断部や貫通孔部の繊維がほつれ、ほつれた糸が遊離したり、ほつれ部が徐々に拡大したりしていくことが問題となる。ほつれを防止するためには、トムソン刃による打ち抜きカット、回転丸刃によるカット、裁断はさみ、裁断カッターなどの機械的な裁断ではなく、レーザーカット、ヒートカットなどの手法で熱による熔断を行うことが有効であるが、カット効率、カット断面精度や経済性が新たに問題となってくる。
また、特許文献2記載の技術では、織物に使用する織糸を「フッ素樹脂繊維を含む織糸」と記載してはいるが、他の高強度繊維などを芯糸としフッ素繊維を鞘糸としてカバーリングさせた複合糸のことを指しており、複合化には相当な手間と複雑な工程を要する。また、フッ素繊維でカバーリングすることで織物表面にコーティングするフッ素樹脂被膜との接着性を改善させているとしているが、フッ素繊維とフッ素樹脂とは元来非粘着性の材料同士であるため、安定的に均質な接着性を得ることが容易でなく、高度な品質管理が求められる面もあった。
以上の背景に鑑み、本発明は、フッ素繊維の低摩擦性能を最大限に活用した繊維織物であって、型取りや貫通孔などの裁断加工が容易で、ほつれの発生しない耐熱性摺動部材用途の繊維織物を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、フッ素繊維を使用した織物の裏面に耐熱性樹脂コーティングを施す技術を検討した結果、主としてフッ素繊維からなる表面層と主として耐熱性繊維からなる裏面層を有する多層織物の裏面に耐熱性樹脂コーティングを施すことで、裁断性の良好な耐熱性摺動部材用途の繊維織物なる本発明を完成するに至った。
かくして本発明は、次の構成を有する。
主としてフッ素繊維からなる表面層と、主としてフッ素繊維以外の耐熱性繊維からなる裏面層とを有した多層織物であって、前記多層織物の裏面層側に耐熱性樹脂コーティングを施してなる繊維織物。
上記繊維織物は、耐熱性摺動部材用として好適である。
本発明によれば、フッ素繊維の低摩擦性能を最大限に活用した繊維織物であって、型取りや貫通孔などの裁断加工が容易で、ほつれの発生しない耐熱性摺動部材用途の繊維織物が提供される。
本発明に係る繊維織物は、主としてフッ素繊維からなる表面層と、主としてフッ素繊維以外の耐熱性繊維からなる裏面層とを含む多層織物である。
多層織物とは、2種以上の繊維を用いたとき表面層を構成する繊維と裏面層を構成する繊維とが、互いに存在比率の異なる構造をとることができる織物のことであり、表面層と裏面層とからなる2重織物をはじめとする多重織物や、サテン織、綾織、ヨコ二重組織、タテ二重組織、などの織物が該当する。
フッ素繊維は、優れた耐熱性と摺動性とを合わせ持つ繊維であり、特にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維が好ましく用いられる。ポリテトラフルオロエチレン繊維を構成する素材としては、テトラフルオロエチレンのホモポリマー、または全体の90モル%以上、好ましくは95モル%以上がテトラフルオロエチレンであるコポリマーが挙げられるが、摺動特性の点からテトラフルオロエチレン単位の含有量は多い方が好ましく、ホモポリマーであることがより好ましい。
上記テトラフルオロエチレンに共重合可能な単量体としては、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンなどのフッ化ビニル化合物やさらにプロピレン、エチレン、イソブチレン、スチレン、アクリロニトリルなどのビニル化合物があげられるが、これらに限定する必要はない。かかるモノマーの中でもフッ化ビニル化合物、それもフッ素含有量の多い化合物であることが繊維摩擦特性の上から好ましい。
本発明で用いる耐熱性繊維とは、耐熱性摺動部材として使用されるときに発生する摺動摩擦熱や摺動部を含む装置が意図的に加熱されるときの熱などに影響を受けたとしても、溶融、分解、燃焼などを起こしにくい性能を有する繊維のことを指し、例えば融点あるいは熱分解温度がおおむね270℃以上の樹脂または無機材料で構成される繊維がこれに該当する。例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ガラス、カーボン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリエステルなどの液晶ポリマー(LCP)、などがある。フッ素繊維も一般的には耐熱性繊維に該当するが、本発明においては、耐熱性樹脂コーティングの被膜強度とその耐久性を確保するため、繊維織物の裏面層を構成する主たる耐熱性繊維の対象から外す。
本発明における耐熱性繊維としては、繊維織物を分解して得られる繊維をJIS L1013:2010(化学繊維フィラメント糸試験方法)に準じて測定した破断強力が2.5cN/dtex以上であることが好ましい。破断強力が2.5cN/dtex以上であることで、繊維織物としての強伸度や耐久性を確保できる。また、表面層に用いるフッ素繊維は通常JISに基づく破断強力が低いが、これを裏面層の耐熱性繊維がカバーすることができる。一方で、破断強力が高すぎると、裁断加工の抵抗力が増大してしまうことになり、前記破断強力は8.0cN/dtex以下が好ましい。
耐熱性繊維のうち、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維は、耐熱性を有し、耐熱性樹脂との接着性を有すると同時に、強伸度が高く耐摩耗性にも優れた素材であり、摺動特性を直接発揮するフッ素繊維を主体とする表面層をバックアップする裏面層の素材として特に好ましい。また裏面層の主素材としてガラス繊維を用いることも好ましく、本発明を構成するフッ素繊維や耐熱性樹脂よりも耐熱性がさらに高く、高剛性、不燃性といったガラス繊維の特性が発揮できる。
繊維織物の裏面層側は、耐熱性樹脂コーティングが施されている。
コーティングは、繊維織物の裏面層側を実質的に全面に施されていることが好ましい。本発明の効果を損なわない限り、部分的に未コーティング面が存在することを否定するものではないが、繊維織物の裏面層側の対象面積の95%以上にコーティングが施されていることが好ましい。
コーティングに用いる耐熱性樹脂とは、前記耐熱性繊維と同様に、耐熱性摺動部材として使用されるときに発生する摺動摩擦熱や摺動部を含む装置が意図的に加熱されるときの熱などに影響を受けたとしても、溶融、分解、燃焼などを起こしにくい性能を有する樹脂のことを指し、例えば融点あるいは熱分解温度がおおむね270℃以上の樹脂がこれに該当する。
耐熱性樹脂としては、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂などが用いられる。
なかでもフッ素系樹脂は、耐熱性を有するだけでなく低摩擦性をも有し、樹脂コーティングが万一織物表面層に浸み出したり付着したりしたとしても摺動性に著しい阻害を及ぼさないので好ましい。
フッ素系樹脂としては、前記フッ素繊維としても用いるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂が代表的であるが、そのほかにフッ化ビニリデン(VDF)樹脂、エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)樹脂、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)樹脂、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)樹脂およびそれらの共重合樹脂などがある。
シリコーン樹脂には、ジメチル系シリコーン樹脂、メチルビニル系シリコーン樹脂、メチルフェニル系シリコーン樹脂、フロロ系シリコーン樹脂などがある。
耐熱性樹脂のコーティング方法は、本発明において限定するものではないが、例えば、液状樹脂や溶剤系、水系の樹脂の場合、スプレー、ロールコート、ナイフコート、刷毛塗り、などの方法で塗布する。また例えば粉末状樹脂粒子の場合、静電気を印加して塗着させる方法などがある。塗布したあとは、溶剤を飛ばしたり、熱硬化させたり、溶融成膜したりすることができる。このとき必要に応じて熱処理をする。
本発明においては、繊維織物の裏面層に耐熱性樹脂コーティングを施すが、このときの耐熱性樹脂被膜で、繊維織物の裏面層の実質的に全面を被覆していることが好ましい。
また、耐熱性樹脂での被覆状態をミクロに見たとき、耐熱性樹脂はさらに繊維裏面層の少なくとも一部の繊維間空隙に含浸、充填されている形態が好ましい。ここでいう繊維間空隙とは、繊維相互間の空隙だけでなく、繊維が、複数の単フィラメントからなるマルチフィラメントや複数の単糸を撚り合わせた紡績糸である場合は、これら単フィラメント相互間あるいは単糸相互間の空隙も含む。これら単フィラメントあるいは単糸(以後あわせて単糸と称する)相互間の空隙に含浸、充填された耐熱性樹脂は、単糸の離脱を防ぐとともに、マルチフィラメント相互や紡績糸相互の接触部において繊維同士の接着作用を発揮する。
耐熱性樹脂を繊維裏面層に実質的に全面コーティングし、かつ繊維表面を被覆したり、少なくとも一部の繊維間空隙に含浸、充填するために、耐熱性樹脂コーティングの目付け量は、熱処理、溶融成膜後の乾燥質量として、5g/m以上とすることが好ましい。繊維裏面層における繊維間空隙にさらに含浸、充填するためには、同じく前記目付け量が10g/m以上であることがさらに好ましい。一方で該目付け量が過剰になると、繊維織物の剛軟度にも影響し布帛としての自由度が低下する。また、繊維裏面層からコーティングした樹脂が繊維表面層から浸み出して繊維織物の低摩擦性を阻害する原因となる。コーティングする樹脂がフッ素系樹脂の場合は低摩擦性であるため、繊維表面層から浸み出したときの低摩擦性の極端な阻害はないとしても、過剰のコーティングは繊維織物表面層の安定した摺動特性の維持を低下させる方向に働く。よって、フッ素系樹脂も含め耐熱性樹脂コーティングの目付け量は50g/m以下であることが好ましい。
耐熱性樹脂コーティングの前記目付け量を所定量とするために、上記塗装を複数回実施したり、複数の異なるコーティング方法を適用したりしてもよい。
なお、耐熱性樹脂コーティングをする工程において、繊維織物の裏面層に対し、接着性やその耐久性向上などを目的に事前に脱脂工程、下地処理工程(表面付着物除去、表面エンボス化など)、プライマー処理工程、などを設けても、本発明の効果を損なわない限りかまわない。
本発明に係る繊維織物は、耐熱性摺動部材用として好適である。
摺動部材としては多岐に亘る使用形態があるが、摺動時に発生する摩擦熱や、蓄熱した摺動接触物から伝導する熱の影響を受けることがある。また、摺動部を含む装置が意図的に加熱される場合もある。例えば、OA機器に組み込まれるトナー定着装置などは、トナー定着のための加熱により記録紙を搬送する摺動ベルト部も昇温する。さらには、何らかのトラブルによる異常昇温に対し発火や溶融が許されない用途もある。
これらの摺動部材には耐熱性が求められ、摺動部材を構成する各資材にも同様の耐熱性が求められる。本発明において耐熱性とは、100℃を超える運転や、異常トラブル時の200℃以上の過昇温に耐える耐熱性のこと言う。そこで、使用する繊維や樹脂の融点あるいは熱分解温度がおおむね270℃以上とした本発明は、これら耐熱性摺動部材の用途に好適である。
以下、本発明の実施例を比較例と共に説明する。
実施例1
まず母材となる繊維織物を以下の要領で準備した。
織物の表面層を構成するフッ素繊維として440dtex、60フィラメント、撚糸数300t/mのPTFE繊維をタテ糸に用い、440dtex、60フィラメント、無撚りのPTFE繊維をヨコ糸に用い、織物の裏面層を構成する耐熱性繊維として220dtex、50フィラメント、撚糸数130t/mのPPS繊維をタテ糸、ヨコ糸に用い、それぞれの織り密度がタテ60+60(PTFE繊維織物タテ+PPS繊維織物タテ(本/2.54cm))、ヨコ64+64(PTFE繊維織物ヨコ+PPS繊維織物ヨコ(本/2.54cm))、PTFE繊維織物とPPS繊維織物の絡み合いはPTFE繊維織物とPPS繊維織物のタテ糸を絡み糸として結合の頻度が0.08となるように、レピア織機にて2重平織物を製作した。その後80℃の精練槽にて精練を行い、200℃でセットした。
次いで得られた上記繊維織物の裏面層側に、以下の要領で耐熱性樹脂のコーティングを施した。
耐熱性樹脂としてVDF樹脂とCTFE樹脂とを75:25の質量比率で混合した液状樹脂を用い、上記繊維織物の裏面層側全面に均一な被膜が形成されるように、ナイフコート塗布した。目付量は、15g/mとした。その後、200℃で熱処理した。
なお、本実施例で用いた上記PTFE繊維とPPS繊維についてそれぞれ、JIS L1013:2010(化学繊維フィラメント糸試験方法)に準じて破断強力を測定したところ、PTFE繊維は1.6cN/dtex、PPS繊維は4.4cN/dtexであった。
実施例2
コーティング樹脂の目付け量を60g/mとした以外は実施例1と同様にした。
比較例1
実施例1において耐熱性樹脂コーティングを行う前のPTFE繊維とPPS繊維との2重織物を比較例1として用いた。
比較例2
母材となる繊維織物を以下の要領で準備した。
440dtex、60フィラメント、撚糸数300t/mのPTFE繊維をタテ糸に用い、440dtex、60フィラメント、無撚りのPTFE繊維をヨコ糸に用い、織密度がタテ60本/2.54cm、ヨコ64本/2.54cmとなるようにレピア織機にて平織物を製作した。その後、80℃の精練槽にて精練を行い、200℃でセットした。
上記繊維織物は裏面層側に実施例1と同様に耐熱性樹脂のコーティングを施した。
以上実施例1、2、比較例1、2で得たそれぞれの繊維織物を、A4サイズ(210mm×297mm、角部4箇所はR=1.5mmに丸め)のトムソン型をセットした一軸油圧プレスにて1枚ずつ打ち抜き加工をし、A4サイズにカットされた繊維織物を得た。
このとき、A4サイズの長辺と繊維織物の織方向とがおよそ揃うようにカットした。打ち抜き時のプレス圧力は75kNとした。
実施例1、2のいずれの繊維織物においても、A4サイズにカットした4辺に糸ほつれの発生がなく、指でつまんだりこすったりしても同様に糸ほつれは発生しなかった。コーティングされた樹脂が、カット面で織構造の拘束から解放された繊維をつなぎ止める効果を発揮したためである。コーティングする樹脂の目付け量が少ない場合、必ずしも繊維織物の有する繊維空隙全体に含浸、充填されるものではなく、表面層の繊維部分まで樹脂によるつなぎ止め効果が直接は及ばないとしても、裏面層に露出したときの繊維、あるいは織物内部に一部含浸、充填箇所の繊維をつなぎ止めることにより、各繊維が相互に絡み合っている織物の特性上、織物全体の耐ほつれ性が発現すると推定する。
コーティング樹脂の目付け量を本発明の好ましい範囲とした実施例1の繊維織物は、布帛としてのしなやかさが充分にあり、取り扱い性、摺動基材に貼り付けるときの表面追従性に優れたものであった。一方実施例2で得た繊維織物は、コーティング樹脂の目付け量が本発明の好ましい範囲よりは多いため、織物としてしなやかさにやや欠ける面あるものの、布帛としての自由度を失うものではなく、折り畳んだり摺動基材への表面材として使用できる程度の布帛となった。
一方の比較例1の繊維織物においては、A4サイズの4辺を指で触ると、カット部から辺に平行な繊維がほつれ出していくことが確認できた。
比較例2の繊維織物においては、実施例1と同様にカット後および指で触った初期は、A4サイズの4辺いずれも糸ほつれの発生はなかったが、指でつまんだりこすったりすると徐々に比較例1と同様の糸のほつれ出しが発生することが確認できた。

Claims (2)

  1. 主としてフッ素繊維からなる表面層と、主としてフッ素繊維以外の耐熱性繊維からなる裏面層とを有した多層織物であって、前記多層織物の裏面層側に耐熱性樹脂コーティングを施してなる繊維織物。
  2. 耐熱性摺動部材に用いる請求項1に記載の繊維織物。
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