JP2005220487A - フッ素繊維布帛および複合材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】摺動性およびその耐久性が良好で、力学特性(特に引張強度)に優れる複合材料、および、かかる複合材料を形成することができる、形態安定性等の取扱性に優れたフッ素繊維布帛を提供する。
【解決手段】少なくともフッ素繊維と引張強度が2GPa以上である高強度繊維とを含む布帛において、フッ素繊維と高強度繊維とが複合糸条を形成し、かかる複合糸条が布帛を形成していることを特徴とするフッ素繊維布帛、および、このフッ素繊維布帛をマトリックス樹脂で固化した複合材料。
【選択図】なし
【解決手段】少なくともフッ素繊維と引張強度が2GPa以上である高強度繊維とを含む布帛において、フッ素繊維と高強度繊維とが複合糸条を形成し、かかる複合糸条が布帛を形成していることを特徴とするフッ素繊維布帛、および、このフッ素繊維布帛をマトリックス樹脂で固化した複合材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、摺動性、その耐久性および強度に優れる複合材料が得られるフッ素繊維布帛およびそれを用いた複合材料のに関するものである。より詳しくは、摺動性およびその耐久性が良好で、力学特性(特に引張強度)にも優れる複合材料が得られ、形態安定性等の取扱性に優れたフッ素繊維布帛、およびそれにマトリックス樹脂を含浸した複合材料に関するものである。
フッ素樹脂は優れた耐薬品性、耐熱性、低摩擦性を有し、特殊用途ではあるがその特徴を活かした用途に使われている。例えば、特許文献1においてはフッ素樹脂の低摩擦性を活かし、フッ素樹脂をマトリックス樹脂とし、炭素繊維、ガラス繊維等を充填材とした摺動材が提案されている。このフッ素樹脂のコンポジット(複合材料)を例えば軸受けに用いる場合においては、摺動特性がよく、従来の金属製に比べて軽量であり、また、耐磨耗性が優れているので潤滑剤を必要とせず、例えば食品関係の機器の軸受け部にシールを兼ねて用いることが出来るなどの特徴を有している。しかしながら、本質的にフッ素樹脂は充填材との接着性に劣り、強度負荷が高くなると両者の界面剥離が発生するため、高強度が要求とされる摺動材としては適用できない問題があった。
また、非特許文献1にはフッ素繊維(ポリテトラフルオロエチレン、以下PTFEと略記することもある。)と、接着および強度を負担する支持繊維(ポリエステル繊維)とを充填材とし、フッ素樹脂以外のマトリックス樹脂で固定したコンポジット(複合材料)・ベアリング(フィラメント・ワインディングによる複合材料の摺動材)が提案されている。
かかるコンポジット・ベアリングは、フッ素樹脂を繊維として配合するため、金属ベアリングに比べて軽量で、かつ摺動面の設計が容易である長所がある。また、フッ素繊維が、摺動方向すなわち円周方向に配向しているので、フッ素繊維が配置されている箇所のみが摺動面となり、ラジカル方向の荷重が分散される。つまり、摺動面の大部分にフッ素樹脂を配置することになる、マトリックス樹脂をフッ素樹脂とした摺動材(例えば、前記特許文献1)よりも、軸の回転が滑らかになる長所を有している。しかしながら、支持繊維の強度・弾性率も比較的低く、また、支持繊維のマトリックス樹脂との接着性も十分でないため、コンポジット・ベアリングにおいても、軸から受ける負荷で変形あるいは破壊し易く、かつ耐久性も低い問題があった。つまり、低荷重領域にしか適用できない問題があった。また、従来のフッ素繊維とポリエステル繊維とを充填材としたコンポジット軸受けは、強度の問題から肉厚の摺動面を作製することが困難であるという問題点もある。肉厚の摺動面が作製できると、例えばシャフトの外径に合わせて摺動面を適宜切削加工できる利点があるが、かかる利点を活用できないのである。
かかる強度要求に対し、特許文献2には低摩擦層と支持層とをマトリックス樹脂で接着したコンポジット・ベアリングが提案されている。かかる提案によると、強度要求は満たすことができるが、フッ素樹脂は粒子として配合されているため、上記非特許文献1に比べて摺動性が劣る問題があった。すなわち、優れた摺動性と、高強度とを両立した摺動材、複合材料は得られておらず、両特性を具備したものが渇望されていた。
特開平6−116580号公報
米国特許明細書US3,781,205号
Micheal R. Kim他"The Evolution of Filament Wound Bearings", SAMPE Journal,39-2(2003), p10-15
そこで本発明の課題は、摺動性およびその耐久性が良好で、力学特性(特に引張強度)に優れる複合材料、および、かかる複合材料を形成することができる、形態安定性等の取扱性に優れたフッ素繊維布帛を得ることにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明のフッ素繊維布帛は、少なくともフッ素繊維と高強度繊維とを含む布帛において、フッ素繊維と高強度繊維とが複合糸条を形成し、かかる複合糸条が布帛を形成していることを特徴とする。
また、本発明の複合材料は、少なくとも上記フッ素繊維布帛を、フッ素樹脂以外のマトリックス樹脂で固化したものであることを特徴とする。
更に、本発明の複合材料は、少なくともフッ素繊維と引張強度が2GPa以上である高強度繊維とを含む布帛であり、高強度繊維から構成される高強度繊維糸条を芯糸とし、フッ素繊維から構成されるフッ素繊維糸条をカバリングした複合糸条から構成される布帛を、マトリックス樹脂で固化したものであることを特徴とする。
本発明のフッ素繊維布帛によれば、摺動性が良好で、力学特性、特に引張強度に優れる複合材料を提供できる。また、本発明のフッ素繊維布帛は、形態安定性等の取扱性に優れるため、安価な複合材料を提供できる。
本発明のフッ素繊維布帛は、少なくともフッ素繊維と高強度繊維とを含む布帛において、フッ素繊維と高強度繊維とが複合糸条を形成し、かかる複合糸条が布帛を構成している。
本発明の特徴の一つは、引張強度が2GPa以上である高強度繊維を用いるところにある。高強度繊維を用いることにより、(1)複合材料にする際に用いるマトリックス樹脂との接着性に極めて劣り、剥離・脱落し易いフッ素繊維を複合材料中で支持すること、(2)複合材料の強度および弾性率を効率よく高めること、(3)複合材料に配合しても本発明の課題である摺動性を低下させないこと、等の要件を兼ね備えることができる。引張強度が2GPa未満であると、本発明の課題である高強度の複合材料が得られにくくなってしまう。
上記内容以外にも、本発明の特徴の一つとして、フッ素繊維と高強度繊維とが複合糸条を形成している点が挙げられる。複合糸条にすることにより、フッ素繊維と高強度繊維との繊維間距離が短くでき、(a)接着性に優れる高強度繊維が支持し、フッ素繊維の剥離・脱落を非常に高効率に抑制できること、(b)できるだけ均質化した複合材料が得られること、(c)複合材料とした後に部材として切削や研磨等の二次加工を行った際に、複合材料表面に露出する両繊維の露出率を均一にできること(特に厚み方向)、の要件を兼ね備えることができる。すなわち、フッ素繊維糸条、高強度繊維糸条の各々の糸条を用いた交織、交編等によって得られた布帛に比べて、上記(a)〜(c)に記載の効果が高いところに本発明の特徴があるのである。
上述の本発明における高強度繊維を用いること、フッ素繊維と高強度繊維とで形成した複合糸条を用いること、の2つの特徴は、複合材料を摺動材として用いたときに顕著な効果を発現する。
かかる複合糸条におけるフッ素繊維および高強度繊維は、連続繊維であっても、不連続繊維であってもよく、使用する複合材料の目的により使い分けることができる。強度を少しでも高くしたい場合には、少なくとも高強度繊維を連続繊維で用いるのが好ましい。また、フッ素繊維と高強度繊維とをできるだけ均質化したい場合には、両者を不連続繊維で混合して緻密に複合化するのが好ましい。
フッ素繊維および高強度繊維を連続繊維として複合糸条を形成する場合、フッ素繊維から構成されるフッ素繊維糸条と、高強度繊維から構成される高強度繊維糸条とを合撚して複合糸条を形成することができる。両者を連続繊維として合撚して複合糸条を形成していると、フッ素繊維および高強度繊維を連続繊維として布帛にすることができ、高強度繊維の強度を最大限に発揮することができる。また、布帛形態の時に既に強固に固定される利点がある。すなわち、複合材料に成形した場合にも両者が強固に固定されているため、フッ素繊維の剥離・脱落が抑制できる。この他にも、かかる複合糸条を用いると、布帛の厚み方向にフッ素繊維と高強度繊維との配合比が略均一になるため、複合材料に成形した後に、切削や研磨加工等の二次加工を行った際に、複合材料表面の性状に変化がないという本発明の効果を効率よく発揮できる。以上の特徴を有するのため、本発明の好ましい形態ということができる。ここで、用いるフッ素繊維糸条と高強度繊維糸条とは、同程度の繊度のものを用いるのが好ましい。
この他にも、フッ素繊維から構成されるフッ素繊維糸条と、高強度繊維から構成される高強度繊維糸条とを混繊して複合糸条を形成することができる。ここでいう混繊とは、連続した少なくとも2種の糸条を、エア等で開繊、交絡させて複合化する処理を指し、タスラン加工等が例として挙げられる。
かかる混繊による複合糸条は、合撚による複合糸条と同様の効果が得られるため、本発明の好ましい複合糸条の形態ということができる。混繊の場合には、合撚による複合糸条よりも、更に緻密な複合化が可能なため本発明の効果を最大限に発揮できる。
フッ素繊維および高強度繊維を不連続繊維として複合糸条を形成する場合、フッ素繊維から構成されるフッ素繊維糸条と、高強度繊維から構成される高強度繊維糸条とを混紡して複合糸条を形成することができる。かかる混紡において、フッ素繊維糸条、高強度繊維糸条のカットファイバーは、両者の繊度が近いものを用いるのが好ましい。具体的には、繊度比=(フッ素繊維糸条の繊度)/(高強度繊維糸条の繊度)が、0.6〜1.4が好ましい。より好ましくは0.7〜1.3、更に好ましくは0.8〜1.2の範囲である。
かかる混紡による複合糸条は、不連続繊維であるが故に両繊維が分散し易く、複合糸条とした際のフッ素繊維と高強度繊維との繊維間距離が短くできる特徴を有する。すなわち、上述の連続繊維として複合糸条を形成したものに比べ、更に緻密な複合化が可能なため本発明の効果を最大限に発揮できるのである。しかしながら、上述の通り、高強度繊維の強度を効率よく発現させるためには、高強度繊維は連続繊維または不連続繊維の中でも繊維長が長いものが好ましく、高強度繊維を不連続でかつ短い繊維長で複合糸条に配合すると本発明の課題を解決できない場合がある。すなわち、高強度繊維長をできるだけ長く、かつ複合糸条における両繊維の緻密な複合化とを両立させる様に混紡するのが好ましく、かかる混紡としてケン切紡が挙げられる。
また、いずれかの繊維を連続で、かつもう一方を不連続で混紡する方法として、MVS式紡績が挙げられる。高強度繊維の強度を最大限に発現したい場合には、高強度繊維を連続で用いるのが好ましい。MVS式紡績とは、芯糸の周りに糸を旋回させて巻き付ける紡績方法であり、芯糸として連続繊維を用いることが可能である。かかる複合糸条を用いると、布帛の表面にフッ素繊維を選択的に配置できるため、極めて高い摺動性を発現する。但し、布帛の厚み方向にはフッ素繊維と炭素繊維との配合比が均一になりにくいため、複合材料において切削や研磨加工等の二次加工を行った際には、複合材料表面の性状が変化し易いため、切削や研磨等の加工を行う場合には注意が必要である。
本発明のフッ素繊維布帛において、フッ素繊維が40〜80重量%であることが好ましい。別の視点からは、高強度繊維が20〜60重量%の範囲であることが好ましい。フッ素繊維が40重量%未満または高強度繊維が60重量%を越えると、所望の摺動性を発現できない場合がある。一方、フッ素繊維が80重量%を越えるまたは高強度繊維が20重量%未満であると所望の強度を発現しない場合がある。より好ましくは、フッ素繊維が50〜75重量%、高強度繊維が35〜50重量%の範囲、更に好ましくは、フッ素繊維が60〜70重量%、高強度繊維が30〜40重量%の範囲である。
本発明のフッ素繊維布帛の目付は、50〜1,000g/m2 の範囲であるのが好ましい。目付が50〜300g/m2 であると、複合材料にする際に布帛一層あたりの厚が薄くなるため、複合材料の厚みを積層枚数で制御できるだけでなく、積層枚数を相対的に多くできるため複合材料の設計(布帛の積層方向)の自由度が広くできる利点がある。また、別の視点からは、目付が300g/m2 を越え1,000g/m2 未満であると、複合材料にする際に布帛一層あたりの厚が厚くなるため、複合材料を成形する際に積層する枚数を少なくできる(成形コストを安くできる)だけでなく、複合材料の厚み制御を、切削や研磨等の二次加工により行うことができる利点がある。
ここで、目付が1,000g/m2 を越えると、マトリックス樹脂の含浸が困難となる場合があるため好ましくない。一方、50g/m2未満であると、複合材料を成形する際に積層する枚数が多くなり過ぎて成形コストがかかるため好ましくない。
本発明のフッ素繊維布帛の形態は、例えば織物(1方向性、2方向性等)、編物、一方向に引き揃えられたシート、一方向シートを2層以上重ね合わせた多軸シート等が挙げられ、これら布帛はステッチ糸、結節糸等による各種接合手段により複数のものを一体化したものであってもよい。特に摺動材として用いる場合には、複合糸条を織組織した織物、とりわけ一方向性織物であると、複合糸条が直線的に配向できるため、摺動面の設計、強度の設計が容易となるため好ましい。
本発明で使用するフッ素繊維は、50〜800本のフィラメント数を有するフッ素繊維糸条に構成されるフッ素繊維であるのが好ましい。より好ましくは90〜400本のフィラメント数を有するフッ素繊維糸条に構成されるフッ素繊維である。かかる多数のフィラメント数を有する糸条に構成されるフッ素繊維を用いると、使用する材料費を相対的に安価することができる。
フッ素繊維の成分であるフッ素樹脂は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−p−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等を単独または2種類以上ブレンドしたものを使用することができる。中でも様々な種類の糸条が利用できるため、フッ素繊維の中でもPTFE繊維を用いるのが好ましい。
本発明で用いる高強度繊維は、引張強度2GPa以上の繊維である。具体的には、パラ系アラミド繊維、炭素繊維、ポリアリレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、PBO繊維、高倍率延伸ポリエステル繊維、ガラス繊維、SUSなどを用いた金属繊維などが例として挙げられ、中でも炭素繊維が好ましい。なお、ここで言う引張強度とは、JIS R8601の樹脂含浸ストランド試験に準拠して求めた引張強度である。
炭素繊維を用いることにより、(1)複合材料とした後に、部材として切削や研磨等の二次加工を行う際に複合材料表面を平滑に仕上げることができること(炭素繊維は容易に粉塵化するため表面や端部にヒゲ状物が残存しない)、(2)摩擦による静電気発生の抑制、(3)摩擦による発熱の除去、(4)比重が軽いため取り扱いが容易、(5)高強度にできるため、肉厚の摺動面を作製でき、切削加工ができる、等の要件を兼ね備えることができる。かかる特徴は、他の補強繊維では効果が発現しない、または、不十分であり、炭素繊維を用いることにより、本発明の作用効果を最大限に奏することができるのである。
本発明で用いる炭素繊維糸条を構成する炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系、セルロース系、炭化水素による気相成長系炭素繊維や黒鉛繊維、これらを2種類以上ブレンドして構成されたもの等が例として挙げられる。特に、複合材料の強度や弾性率を重要視する場合は、これらの中でもPAN系炭素繊維を用いるのが好ましい。また、摺動性を重要視する場合はピッチ系炭素繊維が好ましい。
かかる炭素繊維は、1,000〜50,000本のフィラメント数を有する炭素繊維糸条に構成される炭素繊維であることが好ましい。より好ましくは6,000〜24,000本、更に好ましくは12,000〜24,000本のフィラメント数を有する炭素繊維糸条に構成される炭素繊維である。特に、多数のフィラメント数を有する炭素繊維糸条に構成される炭素繊維を用いると、使用する材料費を相対的に安価することができる。かかる炭素繊維を用いることにより、従来は高価過ぎて例えば摺動用途に適用できなかった炭素繊維が、本発明の複合材料に適用できるようになる。
かかる炭素繊維は、引張強度が4GPa以上であるのが好ましい。かかる強度以上であると、より少量の配合で所望の強度を達成できる。より好ましい引張強度は4.5GPa以上である。なお、引張強度は高ければ高い方が好ましいが、現在の技術水準からは、10GPa以下であるのが一般的である。
同様の視点から、かかる炭素繊維は、引張弾性率が200〜600GPaの範囲であるのが好ましい。引張弾性率が200GPa以下であると、得られる複合材料の弾性率も低くなるため、複合材料に負荷された際に、複合材料の変形量が大きくなり、フッ素繊維とマトリックス樹脂との剥離を誘起してフッ素繊維が脱落し易くなる。また、引張弾性率が600GPaを越えると、引張強度が大きく低下する場合があるため、本発明の課題である高い引張強度を発現しにくい。
また、かかる炭素繊維は、優れた力学特性(特にマトリックス樹脂との接着性)、取扱性等の機能を付与するために、樹脂等を予め付着、表面処理していることが好ましい。なお、本発明では、かかる機能付与を目的に付着、表面処理している樹脂のことをサイジング剤と総称する。かかるサイジング剤の付着量は0.1〜2重量%の範囲が好ましい。0.1重量%より少ないと、目的の機能である優れた力学特性等が発現しない。一方、2重量%を越えるとフッ素繊維との複合糸条を形成する際に分散不良が起こり、複合糸条の均一性に劣る場合がある。
更に、引掛強さ(JIS L1013)が0.9mm2あたり1kN 以上であるのが好ましい。かかる強さ未満であると、フッ素繊維との複合糸条を形成する際に炭素繊維が容易に折損して、複合糸条中の炭素繊維長さが短くなって高強度の複合材料を得られない場合がある。ここで、引掛強さとは、JIS L1013、7.7項記載の方法に準拠して測定したものであり、具体的な炭素繊維における測定方法については、特許2842412号公報にその詳細に関する記載がある。なお、引掛強さは高ければ高い方が好ましいが、現在の技術水準からは、0.9mm2あたり10kN以下であるのが一般的である。
本発明の複合材料は、少なくとも前記フッ素繊維布帛を、マトリックス樹脂で固化したものである。本発明で使用するマトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂を適宜選択して使用することができる。熱硬化性樹脂であると、複合材料への成形が容易であるため好ましく、フッ素樹脂以外のマトリックス樹脂を用いるのが好ましい。フッ素樹脂をマトリックス樹脂として用いないのが好ましい理由は、高強度発現のために配合している高強度繊維との接着性に劣り、本発明の課題である高強度を発現できないこと、背景技術で述べた様に、摺動面の大部分にフッ素樹脂を配置することになるため、フッ素繊維を用いてそれが配置されている箇所のみを摺動面とする本発明の長所が損なわれるためである。
かかる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ポリベンゾイミダゾール、ベンゾオキサジン、シアネートエステル、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ユリア、メラミン、ビスマレイミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン等や、これらの共重合体、変性体および2種類以上ブレンドした樹脂等を使用することができる。
かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、スチレン系樹脂、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリジシクロペンタジエン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、フェノール(ノボラック型)、フェノキシ樹脂、熱可塑エラストマー、RIM用樹脂(例えばポリアミド6、ポリアミド12、ポリウレタン、ポリウレア、ポリジシクロペンタジエンを形成する触媒等を含むもの)等や、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドしたものを使用することができる。
また、マトリックス樹脂に、エラストマーやゴム成分、硬化剤、硬化促進剤、触媒、無機充填材(例えば、ガラス繊維、ガラスフレーク、カーボン粒子、グラファイト粒子、ウィスカー、金属粉末、金属化合物、セラミックス粒子等)等を添加することもできる。
また、高強度繊維から構成される高強度繊維糸条を芯糸とし、フッ素繊維から構成されるフッ素繊維糸条をカバーリングした複合糸条を布帛に用いた布帛を複合材料として用いることができる。高強度繊維の構成のより好ましい要件、複合材料の構成のより好ましい要件は、上記と同様である。
かかるカバーリングによる複合糸条は、合撚による複合糸条と同様に複合材料に成形した場合に両者が強固に固定されているため、フッ素繊維の剥離・脱落が抑制できる。また、かかる複合糸条を用いると、布帛の表面にフッ素繊維を選択的に配置できるため、極めて高い摺動性を発現する。しかしながら、布帛の厚み方向にはフッ素繊維と炭素繊維との配合比が均一になりにくいため、複合材料にて切削や研磨加工等の二次加工を行った際には、複合材料表面の性状が変化するため、切削や研磨等の加工を行う場合には注意が必要である。
本発明の複合材料は、その用途を特に限定されないが、優れた摺動性、強度を有しているため、特に摺動材として用いられると、その効果を最大限に発現することができる。
なお、上述した本発明に係る布帛では、フッ素繊維および高強度繊維に加え、さらに、複合材料にする際のマトリックス樹脂との接着性(フッ素繊維との物理的な結束、素材としての化学的な結合)を向上する繊維を含む形態に構成することも可能である。接着性向上繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維の合成繊維のいずれかにより構成することが可能である。かかる接着性向上繊維により、一層微細な接着を設計できる。
さらに、上述の本発明における技術思想は、フッ素繊維布帛として規定したが、本発明における技術思想は、布帛の形態に限らず、目標とする複合材料として、他の形態を採ることも可能である。例えば、強化繊維(例えば、炭素繊維)とフッ素繊維の複合糸条をフィラメントワインディングした複合材料とすることも可能である。このようなフィラメントワインディングにおいても、上述したフッ素繊維布帛を用いるのと同様の複合糸条を用いて各種の適切な形態を採ることにより、フッ素繊維布帛と同様の、フッ素繊維複合糸条を用いた性能、効果を発現させることが可能である。
以下に、より具体的な実施例について説明する。
実施例1
引張強度が3,500MPa、引張弾性率が230GPa、引掛強さが0.9mm2あたり0.5kN、単糸繊度がフィラメント数が3,000本で繊度が198TEXの連続した炭素繊維糸条1と、フィラメント数が90本で繊度が133TEXの連続したフッ素(ポリテトラフルオロエチレン)繊維糸条1を2本引き揃えた糸条群とを、合撚(300ターン/m)した複合糸条Aを織物のたて糸およびよこ糸として用い、織密度がそれぞれ3本/cmとなる様に2/2綾織組織にて製織したフッ素繊維布帛Aを得た。この布帛Aにおける布帛目付は285g/m2であり、フッ素繊維は布帛Aにおいて57重量%であった。
実施例1
引張強度が3,500MPa、引張弾性率が230GPa、引掛強さが0.9mm2あたり0.5kN、単糸繊度がフィラメント数が3,000本で繊度が198TEXの連続した炭素繊維糸条1と、フィラメント数が90本で繊度が133TEXの連続したフッ素(ポリテトラフルオロエチレン)繊維糸条1を2本引き揃えた糸条群とを、合撚(300ターン/m)した複合糸条Aを織物のたて糸およびよこ糸として用い、織密度がそれぞれ3本/cmとなる様に2/2綾織組織にて製織したフッ素繊維布帛Aを得た。この布帛Aにおける布帛目付は285g/m2であり、フッ素繊維は布帛Aにおいて57重量%であった。
実施例2
複合糸条Aに替えて、炭素繊維糸条1とフッ素繊維糸条1とを、タスラン加工(引き揃えながらエア交絡)にて混繊した複合糸条Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてフッ素繊維布帛Bを得た。
複合糸条Aに替えて、炭素繊維糸条1とフッ素繊維糸条1とを、タスラン加工(引き揃えながらエア交絡)にて混繊した複合糸条Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてフッ素繊維布帛Bを得た。
実施例3
複合糸条Aに替えて、引張強度が4,800MPa、引張弾性率が240GPa、引掛強さが0.9mm2あたり1.6kN、フィラメント数が12,000本で、繊度が800TEXの連続した炭素繊維糸条2と、フッ素繊維糸条1とを、ケン切紡した複合糸条C(繊度150TEX)を用い、織密度を6本/cmとした以外は、実施例1と同様にしてフッ素繊維布帛Cを得た。この布帛Cにおける布帛目付は180g/m2であり、フッ素繊維は布帛Cにおいて57重量%であった。
複合糸条Aに替えて、引張強度が4,800MPa、引張弾性率が240GPa、引掛強さが0.9mm2あたり1.6kN、フィラメント数が12,000本で、繊度が800TEXの連続した炭素繊維糸条2と、フッ素繊維糸条1とを、ケン切紡した複合糸条C(繊度150TEX)を用い、織密度を6本/cmとした以外は、実施例1と同様にしてフッ素繊維布帛Cを得た。この布帛Cにおける布帛目付は180g/m2であり、フッ素繊維は布帛Cにおいて57重量%であった。
実施例4
複合糸条Aに替えて、炭素繊維糸条2と、フッ素繊維糸条1を10本引き揃えた糸条群とを、同じ長さカットファイバーにして混紡した複合糸条D(繊度1000TEX)を織物のたて糸およびよこ糸として用い、織密度がそれぞれ2本/cmとなる様に2/2綾織組織にて製織したフッ素繊維布帛Dを得た。この布帛Dにおける布帛目付は400g/m2であり、フッ素繊維は布帛Dにおいて62重量%であった。
複合糸条Aに替えて、炭素繊維糸条2と、フッ素繊維糸条1を10本引き揃えた糸条群とを、同じ長さカットファイバーにして混紡した複合糸条D(繊度1000TEX)を織物のたて糸およびよこ糸として用い、織密度がそれぞれ2本/cmとなる様に2/2綾織組織にて製織したフッ素繊維布帛Dを得た。この布帛Dにおける布帛目付は400g/m2であり、フッ素繊維は布帛Dにおいて62重量%であった。
実施例5
かかる布帛A〜Dに、樹脂体積含有率が50%となるように130℃キュアタイプのエポキシ樹脂を含浸させ、プリプレグを作製し、それを用いて複合材料(外径13cmの円板)を成形し、耐摩耗性試験片A〜Dを得た。なお、複合材料を試験片に加工する際の切削加工性は、特に布帛C、Dを用いたものが優れた。
かかる布帛A〜Dに、樹脂体積含有率が50%となるように130℃キュアタイプのエポキシ樹脂を含浸させ、プリプレグを作製し、それを用いて複合材料(外径13cmの円板)を成形し、耐摩耗性試験片A〜Dを得た。なお、複合材料を試験片に加工する際の切削加工性は、特に布帛C、Dを用いたものが優れた。
かかる試験片A〜Dを用いてJIS L1096(C法:テーパー形法)に準拠し、テーパー摩耗試験機を用いて耐摩耗性を評価した。なお、摩耗輪の重りは1000g、摩耗輪表面にはAA150の研磨紙を取り付け、500回転毎に交換しながら2000回転での耐摩耗性を評価した。
評価後の試験片A〜Dの表面状態を観察したところ、樹脂部分が若干摩耗している程度であり、何れも耐摩耗性は良好であったが、特に布帛C、Dが優れた。
実施例6
炭素繊維糸条1を芯糸とし、フッ素繊維糸条をダブル・カバリング(Sカバリング、および、Zカバリング、300ターン/m)した複合糸条Eを織物のたて糸およびよこ糸として用い、織密度がそれぞれ3本/cmとなる様に2/2綾織組織にて製織したフッ素繊維布帛Dを得た。この布帛Eにおける布帛目付は290g/m2であり、フッ素繊維は布帛Eにおいて59重量%であった。
炭素繊維糸条1を芯糸とし、フッ素繊維糸条をダブル・カバリング(Sカバリング、および、Zカバリング、300ターン/m)した複合糸条Eを織物のたて糸およびよこ糸として用い、織密度がそれぞれ3本/cmとなる様に2/2綾織組織にて製織したフッ素繊維布帛Dを得た。この布帛Eにおける布帛目付は290g/m2であり、フッ素繊維は布帛Eにおいて59重量%であった。
かかる布帛Eを実施例5と同様にして複合材料(試験片E)に成形、評価した。評価後の試験片Eの表面状態を観察したところ、樹脂部分が若干摩耗している程度であり、耐摩耗性は良好であった。
実施例7
実施例5、6で用いたプリプレグから引張試験片を作製し、ASTM D3039に準拠して引張強度(たて糸方向)を測定した。中でも、布帛A、B、Eのものが炭素繊維糸条が連続であることから、相対的に高い強度を発現した。
実施例5、6で用いたプリプレグから引張試験片を作製し、ASTM D3039に準拠して引張強度(たて糸方向)を測定した。中でも、布帛A、B、Eのものが炭素繊維糸条が連続であることから、相対的に高い強度を発現した。
比較例1
繊度が167TEXのフィラメント数144本のポリエステル繊維糸条1と、フッ素繊維糸条1とを、引き揃えてそれぞれ織物の織糸として用い、経糸および緯糸ともにポリエステル繊維糸条1とフッ素繊維糸条1とを一本交互に配列させ、経糸および緯糸の織物密度がそれぞれ5本/cmとなるポリエステル繊維糸条1とフッ素繊維糸条1との交織織物Fを平織組織にて製織した。この織物Fにおける織物目付は150g/m2であった。
繊度が167TEXのフィラメント数144本のポリエステル繊維糸条1と、フッ素繊維糸条1とを、引き揃えてそれぞれ織物の織糸として用い、経糸および緯糸ともにポリエステル繊維糸条1とフッ素繊維糸条1とを一本交互に配列させ、経糸および緯糸の織物密度がそれぞれ5本/cmとなるポリエステル繊維糸条1とフッ素繊維糸条1との交織織物Fを平織組織にて製織した。この織物Fにおける織物目付は150g/m2であった。
比較例2
比較例1の織物Fを用いる以外は、実施例5と同様に複合材料を成形、評価した。評価後の試験片表面状態を観察したところ、フッ素繊維がポリエステル繊維でしっかりと拘束されず、マトリックス樹脂と剥離して織物部分が脱落した部分がみられ、摩耗した量も大きかった。
比較例1の織物Fを用いる以外は、実施例5と同様に複合材料を成形、評価した。評価後の試験片表面状態を観察したところ、フッ素繊維がポリエステル繊維でしっかりと拘束されず、マトリックス樹脂と剥離して織物部分が脱落した部分がみられ、摩耗した量も大きかった。
比較例3
比較例2で用いたプリプレグから引張試験片を作製し、実施例7と同様にして引張強度を測定した。織物Fは、炭素繊維糸条を用いていないため、格段に低い強度しか発現しなかった。以上の結果をまとめると表1のようになる。
比較例2で用いたプリプレグから引張試験片を作製し、実施例7と同様にして引張強度を測定した。織物Fは、炭素繊維糸条を用いていないため、格段に低い強度しか発現しなかった。以上の結果をまとめると表1のようになる。
本発明のフッ素繊維布帛、および、それをマトリックス樹脂で固化した複合材料は、特に摺動材向け布帛、および、摺動材に好適である。
Claims (25)
- 少なくともフッ素繊維と引張強度が2GPa以上である高強度繊維とを含む布帛において、フッ素繊維と高強度繊維とが複合糸条を形成し、かかる複合糸条が布帛を形成していることを特徴とするフッ素繊維布帛。
- 複合糸条におけるフッ素繊維および高強度繊維が連続繊維であることを特徴とする、請求項1に記載のフッ素繊維布帛。
- 複合糸条におけるフッ素繊維および/または高強度繊維が不連続繊維であることを特徴とする、請求項1に記載のフッ素繊維布帛。
- 複合糸条が、フッ素繊維から構成されるフッ素繊維糸条と、高強度繊維から構成される高強度繊維糸条とを合撚したものであることを特徴とする、請求項1または2に記載のフッ素繊維布帛。
- 複合糸条が、フッ素繊維から構成されるフッ素繊維糸条と、高強度繊維から構成される高強度繊維糸条とを混繊したものであることを特徴とする、請求項1または2に記載のフッ素繊維布帛。
- 複合糸条が、フッ素繊維から構成されるフッ素繊維糸条と、高強度繊維から構成される高強度繊維糸条とを混紡したものであることを特徴とする、請求項1または3に記載のフッ素繊維布帛。
- 複合糸条が、フッ素繊維から構成されるフッ素繊維糸条と、高強度繊維から構成される高強度繊維糸条とをケン切紡したものであることを特徴とする、請求項6に記載のフッ素繊維布帛。
- フッ素繊維が40〜80重量%含まれていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のフッ素繊維布帛。
- 布帛目付が50〜300g/m2であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のフッ素繊維布帛。
- 布帛目付が、300g/m2を越え1,000g/m2未満であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のフッ素繊維布帛。
- 高強度繊維が炭素繊維であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか記載のフッ素繊維布帛。
- 布帛の形態が、複合糸条を織組織した織物であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載のフッ素繊維布帛。
- フッ素繊維が50〜800本のフィラメント数を有するフッ素繊維糸条に構成され、かつ、高強度繊維が1,000〜50,000本のフィラメント数を有する炭素繊維糸条に構成されていることを特徴とする、請求項12に記載のフッ素繊維布帛。
- フッ素繊維がポリテトラフルオロエチレン繊維であり、かつ、高強度繊維が引張強度が4〜10GPa、引張弾性率が200〜600GPa、引掛強さ(JIS L1013)が0.9mm2あたり1kN以上の炭素繊維であることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載のフッ素繊維布帛。
- 前記フッ素繊維および高強度繊維に加え、さらに、複合材料にする際のマトリックス樹脂との接着性を向上する繊維を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載のフッ素繊維布帛。
- 前記接着性向上繊維が、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維のいずれかからなる、請求項15に記載のフッ素繊維布帛。
- 少なくとも請求項1〜16のいずれかに記載のフッ素繊維布帛を、マトリックス樹脂で固化したものであることを特徴とする複合材料。
- 少なくともフッ素繊維と引張強度が2GPa以上である高強度繊維とを含む布帛であり、高強度繊維から構成される高強度繊維糸条を芯糸とし、フッ素繊維から構成されるフッ素繊維糸条をカバーリングした複合糸条から構成される布帛を、マトリックス樹脂で固化したものであることを特徴とする複合材料。
- フッ素繊維が40〜80重量%含まれていることを特徴とする、請求項18に記載の複合材料。
- 布帛目付が50〜300g/m2であることを特徴とする、請求項18または19に記載の複合材料。
- 布帛目付が、300g/m2を越え1,000g/m2未満であることを特徴とする、請求項18または19に記載の複合材料。
- 布帛の形態が、複合糸条を織組織した織物であることを特徴とする、請求項18〜21のいずれかに記載の複合材料。
- フッ素繊維が50〜800本のフィラメント数を有するフッ素繊維糸条に構成され、かつ、高強度繊維が1,000〜50,000本のフィラメント数を有する炭素繊維糸条に構成されていることを特徴とする、請求項18〜22のいずれかに記載の複合材料。
- フッ素繊維がポリテトラフルオロエチレン繊維であり、かつ、高強度繊維が引張強度が4〜10GPa、引張弾性率が200〜600GPa、引掛強さ(JIS L1013)が0.9mm2あたり1kN以上の炭素繊維であることを特徴とする、請求項18〜23のいずれかに記載の複合材料。
- 用途が摺動部材であることを特徴とする、請求項17〜24のいずれかに記載の複合材料。
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