JP7119362B2 - 混繊糸、布帛、繊維強化成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、繊維強化成形品を製造する際の熱可塑性樹脂の強化繊維間への含浸性に優れるとともに、機械特性に優れる繊維強化成形品を得ることができる混繊糸及び布帛、ならびに機械特性に優れる繊維強化成形品及びその製造方法を提供する。
<1>強化繊維と第1の熱可塑性樹脂繊維とを含む混繊糸であり、前記第1の熱可塑性樹脂繊維が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する溶融成形可能なフッ素樹脂を含む、混繊糸。
<2>前記第1の熱可塑性樹脂繊維が、前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂をさらに含む、前記<1>の混繊糸。
<3>前記混繊糸が、前記溶融成形可能なフッ素樹脂を含まず、前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂を含む第2の熱可塑性樹脂繊維をさらに含む、前記<1>又は<2>の混繊糸。
<4>前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルイミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド及び液晶ポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<2>又は<3>の混繊糸。
<5>前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂が、ポリアミドであり、前記ポリアミドが、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド9T、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66コポリマー、ポリアミド6/66/610コポリマー、ポリアミド6T、ポリアミド6I及びポリアミドMXD6からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<2>又は<3>の混繊糸。
<6>前記溶融成形可能なフッ素樹脂の融点が、100~325℃である、前記<1>~<5>のいずれかの混繊糸。
<7>前記強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<1>~<6>のいずれかの混繊糸。
<8>前記<1>~<7>のいずれかの混繊糸を含む、布帛。
<9>前記<8>の布帛を成形してなる、繊維強化成形品。
<10>前記<8>の布帛と、前記溶融成形可能なフッ素樹脂及び前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含むフィルムとの積層物を成形してなる、繊維強化成形品。
<11>前記<8>の布帛を、前記溶融成形可能なフッ素樹脂の融点以上、かつ前記布帛が前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂を含む場合は前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して成形する、繊維強化成形品の製造方法。
<12>前記<8>の布帛と、前記溶融成形可能なフッ素樹脂及び前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含むフィルムとの積層物を、前記溶融成形可能なフッ素樹脂の融点以上、かつ前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して成形する、繊維強化成形品の製造方法。
本発明の繊維強化成形品は、機械特性に優れる。
本発明の繊維強化成形品の製造方法によれば、機械特性に優れる繊維強化成形品を製造できる。
「混繊糸」とは、2種類以上の繊維を混ぜ合わせ一本の糸としたものである。
「マルチフィラメント」とは、複数の単繊維を束ねて一本の糸としたものである。
「連続繊維」とは、長さが100mm超の繊維を意味する。
「溶融成形可能」であるとは、溶融流動性を示すことを意味する。
「溶融流動性を示す」とは、荷重49Nの条件下、樹脂の融点よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度が0.1~1000g/10分となる温度が存在することを意味する。
「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「溶融流れ速度」は、JIS K 7210-1:2014(対応国際規格ISO 1133-1:2011)に規定されるメルトマスフローレイト(MFR)である。
「カルボニル基含有基」とは、構造中にカルボニル基(-C(=O)-)を有する基を意味する。
「酸無水物基」とは、-C(=O)-O-C(=O)-で表される基を意味する。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。本明細書において、単量体に基づく単位を、単に、単量体単位とも記す。
「単量体」とは、重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物を意味する。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
本発明の混繊糸は、強化繊維と、後述する特定の第1の熱可塑性樹脂繊維とを含む。
本発明の混繊糸は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて第1の熱可塑性樹脂繊維以外の第2の熱可塑性樹脂繊維を含んでいてもよい。以下、第1の熱可塑性樹脂繊維及び第2の熱可塑性樹脂繊維をあわせて「熱可塑性樹脂繊維」とも記す。
本発明の混繊糸は、撚りを有するものであってもよく、撚りを有しないものであってもよい。
強化繊維としては、無機繊維、金属繊維、有機繊維等が挙げられる。
無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、シリコンカーバイト繊維、シリコンナイトライド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維等が挙げられる。
金属繊維としては、アルミニウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維等が挙げられる。
有機繊維としては、芳香族ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維等が挙げられる。
強化繊維は、連続繊維であってもよく、不連続繊維であってもよい。強化繊維としては、混繊糸を製造しやすい点から、連続繊維が好ましい。
強化繊維は、表面処理が施されているものであってもよい。
炭素繊維としては、例えば、WO2013/129169号に記載されたものが挙げられ、段落[0018]~[0026]に記載されたものが好ましい。炭素繊維は、公知の製造方法によって製造できる。
第1の熱可塑性樹脂繊維は、後述する特定のフッ素樹脂Aを含む。
第1の熱可塑性樹脂繊維は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じてフッ素樹脂A以外の熱可塑性樹脂(以下、「他の熱可塑性樹脂」とも記す。)をさらに含んでいてもよい。
第1の熱可塑性樹脂繊維は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じてフッ素樹脂A及び他の熱可塑性樹脂以外成分(以下、「他の成分」とも記す。)をさらに含んでいてもよい。
第1の熱可塑性樹脂繊維中のフッ素樹脂Aの割合は、1~100質量%が好ましく、5~100質量%がより好ましい。フッ素樹脂Aの割合は、100質量%であってもよい。
第1の熱可塑性樹脂繊維は、連続繊維であってもよく、不連続繊維であってもよい。第1の熱可塑性樹脂繊維としては、混繊糸を製造しやすい点から、連続繊維が好ましい。
第1の熱可塑性樹脂繊維は、表面処理が施されているものであってもよい。
第1の熱可塑性樹脂繊維は、撚りを有するものであってもよく、撚りを有しないものであってもよい。
フッ素樹脂Aを含む組成物は、各成分をタンブラー、ヘンシェルミキサー等の各種混合機を用いてあらかじめ混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー等で溶融混練して調製される。
第1の熱可塑性樹脂繊維束の繊度は、40~600dtexが好ましく、50~500dtexがより好ましく、100~400dtexがさらに好ましい。第1の熱可塑性樹脂繊維束の繊度が前記範囲内であれば、混繊糸中での第1の熱可塑性樹脂繊維の分散状態が良好となる。
フッ素樹脂Aは、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基(以下、「接着性官能基」と記す。)を有する。フッ素樹脂Aは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しもよい。
カルボニル基含有基としては、炭化水素基の炭素原子間にカルボニル基を有する基、カーボネート基、カルボキシ基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物基等が挙げられる。
ハロホルミル基は、-C(=O)-X(ただし、Xはハロゲン原子である。)で表される。ハロホルミル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
アルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、炭素数1~8のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。
フッ素樹脂Aの融点は、フッ素樹脂Aを構成する単位の種類、単位の割合、フッ素樹脂Aの分子量等によって調整できる。例えば、後述する単位u1の割合が多くなるほど、融点が上がる傾向がある。
溶融成形が可能なフッ素樹脂Aとしては、公知の溶融成形が可能なフッ素樹脂(テトラフルオロエチレン-フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体等)に接着性官能基を導入したフッ素樹脂等が挙げられる。
・含フッ素重合体の製造の際に用いた単量体、連鎖移動剤及び重合開始剤からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する接着性官能基を有する含フッ素重合体(以下、「含フッ素重合体A1」とも記す)。
・コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理によって接着性官能基を有しないフッ素樹脂に接着性官能基を導入したフッ素樹脂。
・接着性官能基を有しないフッ素樹脂に、接着性官能基を有する単量体をグラフト重合して得られたフッ素樹脂。
・含フッ素重合体A1においては、含フッ素重合体A1の主鎖の末端基及び主鎖のペンダント基のいずれか一方又は両方に接着性官能基が存在するため、繊維への加工性が著しく優れる。
・表面処理によってフッ素樹脂に導入された接着性官能基は不安定であり、時間とともに消失しやすい。
方法1:単量体の重合によって含フッ素重合体A1を製造する際に、接着性官能基を有する単量体を用いる。
方法2:接着性官能基を有する連鎖移動剤の存在下に、単量体の重合によって含フッ素重合体A1を製造する。
接着性官能基を有する連鎖移動剤としては、酢酸、無水酢酸、酢酸メチル、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
方法3:接着性官能基を有するラジカル重合開始剤等の重合開始剤の存在下に、単量体の重合によって含フッ素重合体A1を製造する。
接着性官能基を有するラジカル重合開始剤としては、ジ-n-プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
含フッ素重合体A1としては、接着性官能基の含有量を容易に制御でき、そのため、繊維強化成形品の耐衝撃性を調整しやすい点から、方法1で製造された、単量体に由来する接着性官能基を有するものが好ましい。
テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)又はクロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」とも記す。)に基づく単位u1と、酸無水物基含有環状単量体に基づく単位u2と、含フッ素単量体(ただし、TFE及びCTFEを除く。)に基づく単位u3とを有する含フッ素重合体A1。
ここで、単位u2の有する酸無水物基が接着性官能基に相当する。
酸無水物基含有環状単量体としては、IAH、CAH及びNAHからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。IAH、CAH及びNAHからなる群から選ばれる1種以上を用いると、無水マレイン酸を用いた場合に必要となる特殊な重合方法(特開平11-193312号公報参照)を用いることなく、酸無水物基を有する含フッ素重合体A1を容易に製造できる。
酸無水物基含有環状単量体としては、繊維への加工性が著しく優れる点から、IAH又はNAHが好ましい。
PAVEとしては、CF2=CFOCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF3(以下、「PPVE」とも記す。)、CF2=CFOCF2CF2CF2CF3、CF2=CFO(CF2)6F等が挙げられ、PPVEが好ましい。
FAEとしては、CH2=CH(CF2)q1X4(ただし、q1は、2~6であり、2~4が好ましい。)が好ましく、PFEE、CH2=CH(CF2)3F、PFBE、CH2=CF(CF2)3H、CH2=CF(CF2)4Hがより好ましく、PFEE又はPFBEが特に好ましい。
非フッ素単量体としては、重合性炭素-炭素二重結合を1つ有する化合物が好ましく、オレフィン(エチレン、プロピレン、1-ブテン等)、ビニルエステル(酢酸ビニル等)等が挙げられる。非フッ素単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非フッ素単量体としては、繊維への加工性がさらに優れる点から、エチレン、プロピレン、1-ブテンが好ましく、エチレンが特に好ましい。
単位u1の割合は、単位u1と単位u2と単位u3と単位u4との合計のうち、25~79.79モル%が好ましく、40~64.47モル%がより好ましく、45~61.95モル%がさらに好ましい。
単位u2の割合は、単位u1と単位u2と単位u3と単位u4との合計のうち、0.01~5モル%が好ましく、0.03~3モル%がより好ましく、0.05~1モル%がさらに好ましい。
単位u3の割合は、単位u1と単位u2と単位u3と単位u4との合計のうち、0.2~20モル%が好ましく、0.5~15モル%がより好ましく、1~12モル%がさらに好ましい。
単位u4の割合は、単位u1と単位u2と単位u3と単位u4との合計のうち、20~74.79モル%が好ましく、35~50モル%がより好ましく、37~53.95モル%がさらに好ましい。
単位u1の割合は、単位u1と単位u2と単位u3との合計のうち、50~99.89モル%が好ましく、50~99.4モル%がより好ましく、50~98.9モル%がさらに好ましい。
単位u2の割合は、単位u1と単位u2と単位u3との合計のうち、0.01~5モル%が好ましく、0.1~3モル%がより好ましく、0.1~2モル%がさらに好ましい。
単位u3の割合は、単位u1と単位u2と単位u3との合計のうち、0.1~49.99モル%が好ましく、0.5~49.9モル%がより好ましく、1~49.9モル%がさらに好ましい。
単位u2の割合が前記範囲内であれば、含フッ素重合体A1における酸無水物基の量が適切になり、繊維への加工性が著しく優れる。
単位u3の割合が前記範囲内であれば、含フッ素重合体A1の繊維への加工性に著しく優れる。
各単位の割合は、含フッ素重合体A1の溶融NMR分析、フッ素含有量分析、赤外吸収スペクトル分析等により算出できる。
TFE単位とNAH単位とPPVE単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPPVE単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPPVE単位と有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とHFP単位と有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とHFP単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPFBE単位とE単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPFBE単位とE単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とPFEE単位とE単位とを有する共重合体、
TFE単位とCAH単位とPFEE単位とE単位とを有する共重合体、
TFE単位とIAH単位とHFP単位とPFBE単位とE単位とを有する共重合体等。
重合法としては、塊状重合法、有機溶媒(フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等)を用いる溶液重合法、水性媒体と必要に応じて適当な有機溶媒とを用いる懸濁重合法、水性媒体と乳化剤とを用いる乳化重合法が挙げられ、溶液重合法が好ましい。
他の熱可塑性樹脂としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステル等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン、酸変性ポリブチレン等)、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド樹脂(ポリフェニレンスルフィド等)、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルニトリル、フッ素樹脂A以外のフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)、液晶ポリマー、スチレン樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂等)、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、未変性又は変性されたポリフェニレンエーテル、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、ポリイソプレン系エラストマー、フッ素系エラストマー(ただし、フッ素樹脂Aを除く。)、アクリロニトリル系エラストマー等が挙げられる。
ω-アミノ酸としては、ε-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、9-アミノノナン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、2-クロロ-パラアミノメチル安息香酸、2-メチル-パラアミノメチル安息香酸、4-アミノメチル安息香酸等が挙げられる。
ラクタムとしては、ε-カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ウンデカンラクタム、ラウリルラクタム、α-ピロリドン、α-ピペリドン等が挙げられる。
カルボン酸としては、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、ヘキサデセンジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエンジオン酸、ジグリコール酸、2,2,4-トリメチルアジピン酸、キシリレンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2-クロロテレフタル酸、2-メチルテレフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等が挙げられる。
ジアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス-(4,4’-アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン、テレフタルジアミン等が挙げられる。
他の成分としては、無機フィラー、有機フィラー、有機顔料、金属せっけん、界面活性剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、シランカップリング剤、有機化合物(有機モノマー、重合度50以下の有機オリゴマー等)等が挙げられる。
無機フィラーは、樹脂への分散性の向上の点から、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の表面処理剤による表面処理が施されてもよい。
第2の熱可塑性樹脂繊維は、フッ素樹脂Aを含まず、他の熱可塑性樹脂を含む。
他の熱可塑性樹脂としては、第1の熱可塑性樹脂繊維における他の熱可塑性樹脂と同様なものが挙げられ、好ましい形態も同様である。
第2の熱可塑性樹脂繊維中の他の熱可塑性樹脂の割合は、1~100質量%が好ましく、5~100質量%がより好ましい。他の熱可塑性樹脂の割合は、100質量%であってもよい。
第2の熱可塑性樹脂繊維は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の熱可塑性樹脂以外の成分をさらに含んでいてもよい。
他の熱可塑性樹脂以外の成分としては、第1の熱可塑性樹脂繊維における他の成分と同様なものが挙げられ、好ましい形態も同様である。
第2の熱可塑性樹脂繊維は、連続繊維であってもよく、不連続繊維であってもよい。第2の熱可塑性樹脂繊維としては、混繊糸を製造しやすい点から、連続繊維が好ましい。
第2の熱可塑性樹脂繊維は、表面処理が施されているものであってもよい。
第2の熱可塑性樹脂繊維は、撚りを有するものであってもよく、撚りを有しないものであってもよい。
第2の熱可塑性樹脂繊維は、通常、複数の繊維が束状になった第2の熱可塑性樹脂繊維束として混繊糸の製造に用いられる。
第2の熱可塑性樹脂繊維束の好ましい繊度及び繊維数は、第1の熱可塑性樹脂繊維束の好ましい繊度及び繊維数と同様である。
混繊糸は、公知の混繊方法によって強化繊維と第1の熱可塑性樹脂繊維と必要に応じて第2の熱可塑性樹脂繊維とを混繊することによって製造できる。
混繊方法としては、開繊合糸法、流体交絡(インターレース)法等が挙げられる。
開繊合糸法は、静電気力や流体噴霧による圧力、ローラー等に押し付ける圧力等による外力によって各繊維を開繊した後、各繊維を開繊したままで合糸し、引き揃える方法である。
流体交絡法としては、空気、窒素ガス、水蒸気等の流体による渦流乱流帯域を糸軸とほぼ平行に複数形成し、渦流乱流帯域に各繊維を導いてループや捲縮を生じない程度の張力下で非嵩高性の糸条とする方法、強化繊維のみ開繊した後、又は強化繊維及び熱可塑性樹脂繊維を開繊した後に流体交絡させる方法等が挙げられる。
1本の混繊糸において強化繊維が所定の繊度及び繊維数を満たすために、1本の強化繊維束で製造してもよく、複数本の強化繊維束を用いて製造してもよい。1本の混繊糸を製造するために、1~10本の強化繊維束を用いることが好ましく、1~3本の強化繊維束を用いることがより好ましく、1本の強化繊維束を用いることがさらに好ましい。
1本の混繊糸において熱可塑性樹脂繊維が所定の繊度及び繊維数を満たすために、1本の熱可塑性樹脂繊維束で製造してもよく、複数本の熱可塑性樹脂繊維束を用いて製造してもよい。1本の混繊糸を製造するために、1~100本の熱可塑性樹脂繊維束を用いることが好ましく、1~50本の熱可塑性樹脂繊維束を用いることがより好ましく、3~15本の熱可塑性樹脂繊維束を用いることがさらに好ましい。
以上説明した本発明の混繊糸にあっては、強化繊維と第1の熱可塑性樹脂繊維とを含む混繊糸であるため、混繊糸を加工した布帛を用いて繊維強化成形品を製造する際に、熱可塑性樹脂の強化繊維間への含浸性に優れる。また、第1の熱可塑性樹脂繊維が、接着性官能基を有する溶融成形可能なフッ素樹脂を含むため、繊維強化成形品とした際にマトリックス樹脂である熱可塑性樹脂と強化繊維との接着性に優れる。そのため、機械特性に優れる繊維強化成形品を得ることができる。
本発明の布帛は、本発明の混繊糸を含む。本発明の混繊糸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の布帛は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて本発明の混繊糸以外の糸条(以下、「他の糸条」と記す。)を含んでいてもよい。他の糸条としては、本発明の混繊糸以外の混繊糸、強化繊維束、熱可塑性繊維束等が挙げられる。
本発明の布帛は、2枚以上を積層した積層物であってもよい。
織物の形態としては、平織、八枚朱子織、四枚朱子織、綾織等が挙げられる。また、繊維の屈曲を有さないノンクリンプ織物(ノンクリンプファブリック)であってもよい。
編物の形態としては、たて編み、よこ編み、ラッセル編み等が挙げられる。また、編みロープ(縄)であってもよい。
組物としては、組紐等が挙げられる。
不織布としては、混繊糸及び必要に応じて他の糸条を連続繊維の状態でランダムに積層し、熱融着又は交絡によって一体化した不織布、混繊糸及び必要に応じて他の糸条を短く切断して積層し、熱融着によって一体化した不織布(チョップドストランドマット)等が挙げられる。
トウシートとしては、混繊糸及び必要に応じて他の糸条を一方向に揃えたテープ状もしくはシート状の基材が挙げられる。
本発明の布帛は、公知の方法によって製造される。
本発明の繊維強化成形品は、本発明の布帛を成形してなるものである。
本発明の繊維強化成形品は、本発明の布帛と、フッ素樹脂A及び他の熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含むフィルムとの積層物を成形してなるものであってもよい。
また、本発明の繊維強化成形品の製造方法としては、本発明の布帛と、フッ素樹脂A及び他の熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含むフィルムとの積層物を、フッ素樹脂Aの融点以上、かつ他の熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して成形する方法が挙げられる。
本発明の布帛は、2枚以上用いてもよい。また、フィルムは、2枚以上用いてもよい。
電気・電子機器(パソコン、ディスプレイ、OA機器、携帯電話、携帯情報端末、ファクシミリ、コンパクトディスク、ポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳等の携帯情報端末)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、光学機器、オーディオ、エアコン、照明機器、娯楽用品、玩具用品、その他家電製品等)の筐体、内部部材(トレイ、シャーシ等)、内部部材のケース、機構部品等、産業機械の筐体、建材(パネル)等。
自動車、二輪車関連部品、部材及び外板:モーター部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、サスペンション部品、各種バルブ(排気ガスバルブ等)、燃料関係、排気系又は吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、各種アーム、各種フレーム、各種ヒンジ、各種軸受、燃料ポンプ、ガソリンタンク、CNGタンク、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、バッテリートレイ、ATブラケット、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング、ハンドル、ドアビーム、プロテクター、シャーシ、フレーム、アームレスト、ホーンターミナル、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ノイズシールド、ラジエターサポート、スペアタイヤカバー、シートシェル、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、アンダーカバー、スカッフプレート、ピラートリム、プロペラシャフト、ホイール、フェンダー、フェイシャー、バンパー、バンパービーム、ボンネット、エアロパーツ、プラットフォーム、カウルルーバー、ルーフ、インストルメントパネル、スポイラー、各種モジュール等。
航空機関連部品、部材及び外板:ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブ等。
鉄道関連部品、部材及び外板:台車フレーム、骨、梁、屋根板、床等。
その他:風車の羽根、掘削治具、掘削パイプ、補強テープ、燃料電池部材、バッテリー部材等。
以上説明した本発明の繊維強化成形品にあっては、本発明の布帛を成形したものであるため、繊維強化成形品を製造する際に熱可塑性樹脂が強化繊維間に充分に含浸する。また、マトリックス樹脂である熱可塑性樹脂と強化繊維との接着性に優れる。そのため、耐衝撃性等の機械特性に優れる。
含フッ素重合体における単位の割合は、溶融NMR分析、フッ素含有量分析及び赤外吸収スペクトル分析によって求めた。
下記の赤外吸収スペクトル分析によって、含フッ素重合体におけるIAH単位の割合を求めた。
含フッ素重合体をプレス成形して200μmのフィルムを得た。赤外吸収スペクトルにおいて含フッ素重合体中のIAH単位の吸収ピークは1778cm-1に現れる。この吸収ピークの吸光度を測定し、IAHのモル吸光係数20810mol-1・L・cm-1を用いて、IAH単位の割合(モル%)を求めた。
IAH単位の割合をa(モル%)とすると、主鎖炭素数1×106個に対する接着性官能基(酸無水物基)の個数は、[a×106/100]個と算出される。
示差走査熱量計(セイコーインスツル社製、DSC-7020)を用い、含フッ素重合体又はポリアミドを10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度(℃)を融点とした。
コンターマシン(アマダ社製、V-400)を用いてシートを切断し、高さ:63mm、幅:13mmのサンプルを得た。サンプルの高さ32mmの位置にノッチを入れ、試験片を得た。
試験片について、アイゾッド試験装置(東洋精機製作所社製)を用い、ハンマー容量:2.75J、ハンマー質量×重力加速度:13.97N、軸心から重心までの距離:10.54cm、軸心から打撃点までの距離:33.5cmの条件にてアイゾット衝撃強度を測定した。
実施例に記載の方法にて含フッ素重合体又は樹脂組成物を溶融紡糸して熱可塑性樹脂繊維を得た。溶融紡糸性を下記の基準で評価した。
○:溶融紡糸が可能である。
△:溶融紡糸が可能であるが不安定である。
×:溶融紡糸できない。
含フッ素重合体A-1:
内容積が430Lの撹拌機付き重合槽を脱気し、1-ヒドロトリデカフルオロヘキサンの237.2kg、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(旭硝子社製、AK225cb、以下「AK225cb」と記す。)の49.5kg、HFPの122kg、PFBEの1.31kgを仕込み、重合槽内を66℃に昇温し、TFEとエチレンの混合ガス(TFE/エチレン=89/11モル比)で、1.5MPa[gauge]まで昇圧した。重合開始剤としてtert-ブチルペルオキシピバレートの2質量%を含む1-ヒドロトリデカフルオロヘキサン溶液の2.5Lを仕込み、重合を開始させた。重合中、圧力が一定になるようにTFEとエチレンの単量体混合ガス(TFE/エチレン=54/46モル比)を連続的に仕込んだ。また、重合中に仕込むTFEとエチレンの合計モル数に対して1モル%に相当する量のPFBEと0.4モル%に相当する量のIAHを連続的に仕込んだ。重合開始から9.3時間後、単量体混合ガスの29kgを仕込んだ時点で、重合槽内温を25℃まで降温するとともに、常圧までパージした。
含フッ素重合体A-1における各単量体単位の割合は、TFE単位/HFP単位/PFBE単位/IAH単位/E単位=46.2/9.4/1.0/0.4/43.0モル比であり、接着性官能基の含有量は、含フッ素重合体A-1の主鎖炭素数1×106個に対し3000個であり、含フッ素重合体A-1の融点は170℃であり、溶融流れ速度(250℃、荷重21.2N)は4.4g/10分であった。
国際公開第2015/182702号の実施例1と同様にして含フッ素重合体A-2を得た。含フッ素重合体A-2における各単位の割合は、TFE単位/IAH単位/PFBE単位/E単位=58.5/0.1/2.4/39モル比であり、接着性官能基の含有量は、含フッ素重合体A-2の主鎖炭素数1×106個に対し3000個であり、含フッ素重合体A-2の融点は245℃であり、溶融流れ速度(297℃、荷重49N)は22g/10分であった。
他の熱可塑性樹脂B-1:ポリアミド6(宇部興産社製、UBEナイロン 1022B、融点:223℃)。
他の熱可塑性樹脂B-2:ポリアミド66(旭化成社製、レオナ1500 X11、融点:265℃)。
他の熱可塑性樹脂B-3:ポリアミド9T(クラレ社製、ジェネスタN1000A、融点:300℃)。
含フッ素重合体A-1と他の熱可塑性樹脂B-1を表1に示す割合でドライブレンドし、2軸押出機(テクノベル社製、KZW15TW-45MG)に投入し、樹脂吐出量:2.0kg/時間、スクリュー回転数:200rpm、設定樹脂温度:240℃の条件にて溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をメルト熱プレス機(テスター産業社製)でプレス成形し、厚さ2.8mmのシートを得た。プレス条件は、加工温度:240℃、予熱:6分、圧力:10MPa、プレス時間:3分間とした。得られたシートを用いてアイゾット衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
[紡糸条件]
炉体内温度:260℃、
せん断速度(γ):60.8sec-1、
延伸倍率:1.5~1.6倍、
繊維直径:0.65±0.01mm。
含フッ素重合体A-1の代わりに含フッ素重合体A’-3を用いた以外は、実施例2と同様に樹脂組成物を調製し、厚さ2.8mmのシートを得た。得られたシートを用いてアイゾット衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
実施例2の樹脂組成物の代わりに比較例1の樹脂組成物を用いた以外は、実施例2と同様に第2の熱可塑性樹脂繊維を製造した。溶融紡糸性の結果を表1に示す。
含フッ素重合体A-2と他の熱可塑性樹脂B-2(実施例4)又は他の熱可塑性樹脂B-3(実施例5)を表1に示す割合でドライブレンドし、2軸押出機(テクノベル社製、KZW15TW-45MG)に投入し、樹脂吐出量:2.0kg/時間、スクリュー回転数:200rpm、設定樹脂温度:実施例4は300℃、実施例5は320℃の条件にて溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をメルト熱プレス機(テスター産業社製)でプレス成形し、厚さ2.8mmのシートを得た。プレス条件は、加工温度:実施例4は300℃、実施例5は320℃、予熱:6分、圧力:10MPa、プレス時間:3分間とした。得られたシートを用いてアイゾット衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
[紡糸条件]
炉体内温度:実施例4は300℃、実施例5は320℃、
せん断速度(γ):60.8sec-1、
延伸倍率:1.5~1.6倍、
繊維直径:0.65±0.01mm。
含フッ素重合体A-2をメルト熱プレス機(テスター産業社製)でプレス成形し、厚さ2.8mmのシートを得た。プレス条件は、加工温度:290℃、予熱:6分、圧力:10MPa、プレス時間:3分間とした。得られたシートを用いてアイゾット衝撃強度を測定した。結果を表1に示す。
[紡糸条件]
炉体内温度:270℃、
せん断速度(γ):60.8sec-1、
延伸倍率:1.5~1.6倍、
繊維直径:0.65±0.01mm。
Claims (7)
- 強化繊維と第1の熱可塑性樹脂繊維とを含む混繊糸であり、
前記第1の熱可塑性樹脂繊維が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する溶融成形可能なフッ素樹脂と、前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂とを含み、
前記溶融成形可能なフッ素樹脂の融点が、100~325℃であり、
前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルイミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド及び液晶ポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記第1の熱可塑性樹脂繊維が、前記溶融成形可能なフッ素樹脂と、前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂との溶融紡糸である、混繊糸。 - 前記混繊糸が、前記溶融成形可能なフッ素樹脂を含まず、前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂を含む第2の熱可塑性樹脂繊維をさらに含む、請求項1に記載の混繊糸。
- 前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂が、ポリアミドであり、
前記ポリアミドが、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド9T、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66コポリマー、ポリアミド6/66/610コポリマー、ポリアミド6T、ポリアミド6I及びポリアミドMXD6からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の混繊糸。 - 前記強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか一項に記載の混繊糸。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の混繊糸を含む、布帛。
- 請求項5に記載の布帛を、前記溶融成形可能なフッ素樹脂の融点以上、かつ前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して成形する、繊維強化成形品の製造方法。
- 請求項5に記載の布帛と、前記溶融成形可能なフッ素樹脂及び前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂のいずれか一方又は両方を含むフィルムとの積層物を、前記溶融成形可能なフッ素樹脂の融点以上、かつ前記溶融成形可能なフッ素樹脂以外の熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して成形する、繊維強化成形品の製造方法。
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