JP2022099439A - 熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの組成物、該組成物の製造方法、および該組成物から得られる成形物 - Google Patents

熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの組成物、該組成物の製造方法、および該組成物から得られる成形物 Download PDF

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Abstract

【課題】テトラフルオロエチレン系ポリマーと炭素繊維、およびマトリックス樹脂である熱可塑性樹脂を含み曲げ強度、曲げ弾性率等の強度に優れる成形品を与える組成物の提供。【解決手段】熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマー、熱可塑性樹脂および繊維長が1mm以下の炭素繊維を含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記熱可塑性樹脂との合計の体積を100体積%として前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの体積が1から20体積%である組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーと繊維長の短い炭素繊維を含む組成物および該組成物から得られる成形物に関する。また本発明は、該組成物の製造方法に関する。
繊維強化成形品は、自動車、鉄道車両等の車両や航空機等の輸送機器、建築部材、電子機器、医療機器等の幅広い用途に用いられる。繊維強化成形品のマトリックス樹脂として、生産性の向上や耐衝撃性の改良のために熱可塑性樹脂が用いられている。例えば、耐衝撃性に優れる繊維強化成形品を得ることができるプリプレグとして、マトリックス樹脂として、ポリアミド等の熱可塑性樹脂と、所定のテトラフルオロエチレン系ポリマーとを含む組成物が提案されている(特許文献1および2)。
国際公開第2017/122735号 国際公開第2019/054454号
本発明者らは、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的強度がより向上した繊維強化成形品を得るべく、テトラフルオロエチレン系ポリマーと炭素繊維、およびマトリックス樹脂である熱可塑性樹脂を含む組成物の各成分の組成比および炭素繊維の繊維長との関係を検討した結果、繊維長の短い炭素繊維と熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーを含む組成物から曲げ強度と曲げ弾性率の高い成形物が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は、下記の態様を有する。
[1]
熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマー、熱可塑性樹脂および繊維長が1mm以下の炭素繊維を含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記熱可塑性樹脂との合計の体積を100体積%として前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの体積が1から20体積%である組成物。
[2]
前記炭素繊維の繊維径が10μm以下である前記[1]に記載の組成物。
[3]
前記炭素繊維がサイジング剤で処理されている前記[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
前記サイジング剤がポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリイミドおよびエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[3]に記載の組成物。
[5]
前記組成物の体積を100体積%として前記炭素繊維の体積が1から70体積%である前記[1]から[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの溶融温度が150から320℃である前記[1]から[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーがカルボニル基含有基を有する前記[1]から[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、主鎖炭素数1×10個あたり、10個以上5000個以下のカルボニル基含有基を有するポリマーである前記[7]に記載の組成物。
[9]
前記熱可塑性樹脂がポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルイミドおよびポリフェニレンスルファイドからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]から[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
ペレット状である前記[1]から[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]
熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーと熱可塑性樹脂と炭素繊維束とを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記熱可塑性樹脂との合計の体積を100体積%として前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの体積が1から20体積%である混合物を、前記炭素繊維の繊維長が1mm以下となるように二軸押出機により溶融混練する前記[1]から[10]のいずれかに記載の組成物の製造方法。
[12]
前記炭素繊維束の各繊維径が10μm以下である前記[11]に記載の製造方法。
[13]
前記[1]から[10]のいずれかに記載の組成物を溶融押出しする成形物の製造方法。
[14]
前記[1]から[10]のいずれかに記載の組成物を溶融押出して成形される、厚さが5から100μmであるフィルム。
本発明によれば、熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマー、熱可塑性樹脂および繊維長が1mm以下の炭素繊維を含み、曲げ強度、曲げ弾性率等の強度に優れた成形物を形成でき、成形性にも優れた組成物、および該組成物の製造方法が提供される。
さらに本発明によれば、熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマー、熱可塑性樹脂および繊維長が1mm以下の炭素繊維を含み強度に優れた成形物およびその製造方法が提供される。
以下の用語は、以下の意味を有する。
「熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマー」とは、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとも記す)に基づく単位(以下、TFE単位とも記す)を含むポリマーであり、荷重49Nの条件下、ポリマーの溶融温度よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度が0.1から1000g/10分となる温度が存在する溶融流動性のポリマーを意味する。
「ポリマーの溶融温度(融点)」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。 「ポリマーのガラス転移点(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「溶融粘度」は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスターおよび2Φ-8Lのダイを用い、予め測定温度にて5分間加熱しておいた2gのポリマー試料を0.7MPaの荷重にて測定温度に保持して測定される値である。
「MFR」とは、JIS K 7210:1999(ISO 1133:1997)に規定される、ポリマーのメルトマスフローレートを意味する。
「炭素繊維の(平均)繊維長」は、本発明の組成物を12時間、530℃にて加熱し、組成物に含まれる樹脂成分を分解揮発せしめ、残存した炭素繊維を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、ランダムに選んだ500本の炭素繊維の繊維長の平均値として測定される値である。
「モノマーに基づく単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
本発明の組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、「Fポリマー」とも記す。)、熱可塑性樹脂および繊維長が1mm以下の炭素繊維(以下、「短炭素繊維」とも記す。)を含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記熱可塑性樹脂との合計の体積を100体積%として前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの体積が1から20体積%である。
本組成物は、炭素繊維の繊維長と、短炭素繊維の配合量とが調整され、炭素繊維が高度に分散し、特に、Fポリマーと短炭素繊維が高度に相互作用した状態にある組成物であるとも言える。そのため、本組成物から得られる成形体はマトリックス樹脂と炭素繊維との接着強度が向上し、結果、成形体の強度が高くなったと考えられる。
本発明で用いられるFポリマーのフッ素含有量は、70から76質量%であるのが好ましく、74から76質量%であるのがより好ましい。
Fポリマーの溶融温度は、150℃以上320℃以下が好ましく、170℃以上320℃以下がより好ましく、260℃以上320℃以下がさらに好ましい。
Fポリマーのガラス転移点は、50℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。Fポリマーのガラス転移点は、125℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
Fポリマーは接着性を有するのが好ましく、極性官能基を有するのが好ましい。極性官能基は、極性官能基を有するモノマーに基づく単位に含まれていてもよく、ポリマー末端基に含まれていてもよい。また極性官能基は、放射線処理、電子線処理、コロナ処理、プラズマ処理等による表面処理によりポリマー中に導入されていてもよい。
また、Fポリマーが有する極性官能基は、極性官能基を形成し得る基を有するポリマーを変性して調製された基であってもよい。ポリマー末端基に含まれる極性官能基は、そのポリマーの重合に際して使用する重合開始剤または連鎖移動剤等の成分を調整することにより得られる。
中でも、Fポリマーとしては、TFE単位および極性官能基を有する単位(以下、「極性単位」とも記す。)を含有するFポリマーが好ましい。極性単位は、極性官能基を有するモノマー(以下、「極性モノマー」とも記す。)に基づく単位が好ましい。
極性官能基としては、水酸基含有基、カルボニル基含有基、アセタール基またはホスホノ基(-OP(O)OH)が好ましく、短炭素繊維との接着性をより高める観点から、カルボニル基含有基がより好ましい。
水酸基含有基は、アルコール性水酸基を含有する基が好ましく、-CFCHOH、-C(CFOHまたは1,2-グリコール基(-CH(OH)CHOH)がより好ましい。
カルボニル基含有基は、カルボニル基(>C(O))を含む基であり、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、イソシアネート基、カルバメート基(-OC(O)NH2)、酸無水物残基(-C(O)OC(O)-)、イミド残基(-C(O)NHC(O)-等)またはカーボネート基(-OC(O)O-)が好ましい。
カルボニル基含有基を有するモノマーとしては、酸無水物残基を有する環状モノマー、カルボキシ基を有するモノマー、ビニルエステルまたは(メタ)アクリレートが好ましく、酸無水物残基を有する環状モノマーがより好ましく、無水イタコン酸(以下、「IAH」とも記す。)、無水シトラコン酸(以下、「CAH」とも記す。)、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(別称:無水ハイミック酸。以下、「NAH」とも記す。)または無水マレイン酸がさらに好ましい。
Fポリマーは、TFE単位および極性単位以外の他のモノマーに基づく単位(以下、「他の単位」とも記す。)を含有してもよい。他のモノマーとしては、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン(VDF)、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、フルオロアルキルエチレン(FAE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)が挙げられる。
PAVEとしては、CF=CFOCF、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF(PPVE)、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFFが挙げられる。
FAEとしては、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF(以下、「PFEE」とも記す。)、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH(以下、「PFBE」とも記す。)が挙げられる。
中でも、他のモノマーとしては、エチレン、VDFまたはCTFEが好ましく、エチレンがより好ましい。したがって、Fポリマーとしては、極性官能基を有するTFEとエチレンとのコポリマー(極性官能基を有するETFE)が好適である。極性官能基を有するETFEは、後述する熱可塑性樹脂との密着性に優れる。
TFE単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、25から79.79モル%が好ましく、40から64.47モル%がより好ましい、45から61.95モル%がさらに好ましい。
極性単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、0.01から5モル%が好ましく、0.03から3モル%がより好まく、0.05から1モル%がさらに好ましい。
他の単位の割合は、Fポリマーを構成する全単位のうち、20から74.79モル%が好ましく、35から50モル%がより好ましい、37から53.95モル%がさらに好ましい。
極性官能基がカルボニル基含有基の場合は、Fポリマーにおけるカルボニル基含有基の数は、主鎖炭素数1×10個あたり、10個以上5000個以下が好ましく、50個以上4000個以下がより好ましく、100個以上2000個以下がさらに好ましい。この場合、Fポリマーが短炭素繊維と相互作用しやすく、本組成物が加工性や分散安定性に優れやすい。なお、Fポリマーにおけるカルボニル基含有基の数は、ポリマーの組成または国際公開第2020/145133号に記載の方法によって定量できる。
Fポリマーの溶融粘度は、380℃において1×10から1×10Pa・sが好ましく、300℃において1×10から1×10Pa・sがより好ましい。この場合、熱可塑性樹脂との接着性に優れる。
FポリマーのMFRは、1から100g/10分が好ましく、3から75g/10分がより好ましい。
Fポリマーとしては、溶融温度が260から320℃であり、PAVE単位を含み、全単位に対してPAVE単位を1から5モル%含む極性官能基を有するポリマーが好ましい。かかるポリマーを含有する本組成物は、成形物に加工した時、成形物中に微小球晶を形成するため、得られる成形物の特性が向上しやすい。
上記ポリマーが有する極性官能基は、ポリマーが含有する単位に含まれていてもよく、ポリマー主鎖の末端基に含まれていてもよい。後者のポリマーとしては、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として極性官能基を有するポリマーや、プラズマ処理、電離線処理や放射線処理によって調製された、極性官能基を有するポリマーが挙げられる。
上記ポリマーは、全単位に対して、TFE単位を93から98.99モル%、PAVE単位を1から5モル%および極性官能基を有するモノマーに基づく単位を0.01から2モル%、それぞれ含有するのが好ましい。
また、極性官能基を有するモノマーとしては、無水イタコン酸、無水シトラコン酸および5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも記す。)が好ましい。
ポリマーの具体例としては、国際公開第2018/16644号に記載されるポリマーが挙げられる。
本組成物に含まれる熱可塑性樹脂は、例えばポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカプロラクトン、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610等)、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ブタジエン-スチレン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、アクリルゴム、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-フェニルマレイミド共重合体、芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。
これら熱可塑性樹脂の中でも、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルイミドおよびポリフェニレンスルファイドからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびポリアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種が、本組成物から形成される成形物の機械的物性の観点からより好ましく、ポリアミドがさらに好ましい。
本組成物中の前記Fポリマーと前記熱可塑性樹脂の割合は、前記Fポリマーと前記熱可塑性樹脂との合計の体積を100体積%として前記Fポリマーの体積が1から20体積%である。本組成物中の前記Fポリマーと前記熱可塑性樹脂の割合は、本組成物から形成される成形物の機械的物性の観点から、好ましくは5から15体積%である。なお前記体積%はFポリマーおよび熱可塑性樹脂の重量からFポリマーおよび熱可塑性樹脂の比重から求めることができる。
本発明に用いられる短炭素繊維は、例えば、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維等の炭素繊維を短く切断または粉砕した短炭素繊維、気相成長炭素繊維、シングルウォール、ダブルウォール、マルチウォール、カップ積層型等の繊維長が1mm以下のカーボンナノチューブが挙げられる。
短炭素繊維長は本組成物中で1mm以下であればよく、予め炭素繊維の繊維長を1mm以下として後述するような方法でFポリマーおよび熱可塑性樹脂との組成物としてもよいし、本組成物を製造する際に炭素繊維の繊維長が1mm以下となるようにしてもよい。
炭素繊維の長さは全ての炭素繊維が1mm以下である必要はなく、平均繊維長が1mm以下であればよい。短炭素繊維の平均繊維長は0.01から500μmが好ましい。
短炭素繊維の繊維径は10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
また使用する短炭素繊維はマトリックス樹脂との接着性を向上させる観点から、サイジング剤で処理されているのが好ましい。サイジング剤としてはポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリイミドおよびエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本組成物中の前記短炭素繊維の割合は、本組成物から形成される成形物の機械的物性の観点から、本樹脂組成物の体積を100体積%として、1から70体積%が好ましく、10から50体積%がより好ましい。
本組成物は前記Fポリマー、前記熱可塑性樹脂および前記短炭素繊維以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、無機フィラー、有機フィラー、有機顔料、金属せっけん、界面活性剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、シランカップリング剤、有機モノマー、重合度50以下の有機オリゴマー等の有機物等が挙げられる。
無機フィラーとしては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカバルーン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラファイト、炭素繊維、ガラスバルーン、炭素バーン、木粉、ホウ酸亜鉛等が挙げられる。無機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機フィラーは、樹脂への分散性の向上の点から、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の表面処理剤による表面処理が施されてもよい。
有機フィラーとしては、芳香族ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維等が挙げられる。
本組成物の形態は粉状、ペレット状、塊状等、何れの形状でもよいが、取扱性の観点からペレット状が好ましい。ペレット状の場合、その形状は球形、楕円形、円柱形等、何れでもよく、一番長い部分の長さが1mmから5cm程度、例えば5mmから3cmが取り扱いの観点から好ましい。
本組成物は前記Fポリマー、前記熱可塑性樹脂および短炭素繊維を均一に混合することで製造することができる。混合の方法は前記Fポリマー、前記熱可塑性樹脂および短炭素繊維が均一に混合される方法であれば特に制限はない。前記Fポリマー、前記熱可塑性樹脂および短炭素繊維を一括で混合してもよいし、最初の2種を均一に混合し、そこに残りの1種を一括で添加して混合してもよいし、複数回に分けて添加しながら混合してもよいし、連続で添加しながら混合してもよい。混合に用いる混合機は攪拌翼によるミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、揺動型混合機、振動型混合機等が挙げられる。
本組成物は各成分が均一となるように、各成分を混練するのが好ましく、各成分を前記混合後さらに混練するのがより好ましい。例えば、各成分をタンブラーやヘンシェルミキサー等の各種混合機を用いてあらかじめ混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダー等でさらに溶融混練するのが好ましい。
前記のとおり、本組成物中の短炭素繊維は繊維長が1mm以下であるが、前記混合または混練中に炭素繊維が切断または粉砕されて本組成物中の繊維長が1mm以下となってもよい。炭素繊維の取り扱いの観点から、繊維長が1mm以上の炭素繊維を用い、前記混合または混練中に炭素繊維を切断または粉砕して繊維長が1mm以下となるように本組成物を製造するのが好ましい。
例えば、前記Fポリマーと前記熱可塑性樹脂と炭素繊維束とを含み、前記Fポリマーと前記熱可塑性樹脂との合計の体積を100体積%として前記Fポリマーの体積が1から20体積%である混合物を、前記炭素繊維の繊維長が1mm以下となるように二軸押出機により溶融混練する本組成物の製造方法(以下、「本製造方法」と記す。)が挙げられる。
混合物中のFポリマーの割合は前記のとおり質量と比重から設定できる。Fポリマー、熱可塑性樹脂および炭素繊維束の混合の方法は前記本組成物の混合と同様である。
本製造方法で用いる炭素繊維束は前記短炭素繊維に用いられる炭素繊維の束が例示でき、前記と同様のサイジング剤でサイジング処理されていてもよい。
Fポリマー、熱可塑性樹脂および炭素繊維束の混合物を炭素繊維の繊維長が1mm以下となるように二軸押出機にて溶融混練する。溶融混練による繊維長の長さの変化と、溶融混練の時間、二軸押出機のせん断力、二軸押出機にかかる負荷等の混練条件との関係を予め調べておくことで、炭素繊維の繊維長が1mm以下となるような二軸押出機の溶融混練条件を設定することができる。
本製造方法で用いる炭素繊維束の繊維径は、前記と同様、10μm以下が好ましい。
本組成物を溶融押出しすることでフィルム、シート、筒状物、棒状物等の成形物を製造することができる。溶融押出しはTダイ、環状ダイ、筒状ダイ等を有する押出成形機を用いて行われる。溶融押出しは前記溶融混練と連続で行なってもよいし、溶融押出し機内で溶融混練を行ない、押出成形をしてもよい。
押出成形の条件は本組成物中の熱可塑性樹脂の溶融温度等により適宜設定されるが、通常、溶融混練温度は熱可塑性樹脂の溶融温度より20℃以上高い温度に設定されるのが好ましい。
成形物は厚さが5から100μmのフィルムが好ましく、得られるフィルムは曲げ強度が100から500MPaであり、得られるフィルムの曲げ弾性率は5000から10000MPaであるのがより好ましい。
フィルムの厚さは前記押出成形機の前記Tダイ、環状ダイ、筒状ダイ等のダイのスリット幅や引取速度等を調製することで所望の厚みとすることができる。
またフィルムの曲げ強度と曲げ弾性率とは前記短炭素繊維、量および押出成形条件を前記好ましい範囲に調製することで所望の範囲とすることができる。
前記フィルムは半硬化状態の熱可塑性樹脂を含んでいる場合、前記フィルムをプリプレグとして好適に用いることができる。
またプリプレグを2つ以上積み重ねた積層体、または前記プリプレグの1つ以上と、他のプリプレグおよびプリプレグ以外の他の部材のいずれか一方または双方の1つ以上とを積み重ねた積層体として用いてもよい。積層体の成形方法としては、共押出、熱圧着等が例示できる。
前記フィルムの用途としては、前記プリプレグ以外に、電気・電子機器の筐体、トレイ、シャーシ等の内部部材、内部部材のケース、機構部品;パネル等の建材;四輪車または二輪車関連部品、部材および外板;液体水素輸送および貯蔵タンク部材;スピーカー振動板;航空機関連部品、部材および外板;風車の羽根;ドローン部品が挙げられる。
電気・電子機器としては、パソコン、ディスプレイ、OA機器、携帯電話、携帯情報端末、ファクシミリ、コンパクトディスク、ポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳等の携帯情報端末)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、光学機器、オーディオ、エアコン、照明機器、娯楽用品、玩具用品、その他家電製品が挙げられる。
四輪車または二輪車関連部品、部材および外板としては、モーター部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、サスペンション部品、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係、排気系または吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、各種アーム、各種フレーム、各種ヒンジ、各種軸受、燃料ポンプ、ガソリンタンク、CNGタンク、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、バッテリートレイ、ATブラケット、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング、ハンドル、ドアビーム、プロテクター、シャーシ、フレーム、アームレスト、ホーンターミナル、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ノイズシールド、ラジエターサポート、スペアタイヤカバー、シートシェル、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、アンダーカバー、スカッフプレート、ピラートリム、プロペラシャフト、ホイール、フェンダー、フェイシャー、バンパー、バンパービーム、ボンネット、エアロパーツ、プラットフォーム、カウルルーバー、ルーフ、インストルメントパネル、スポイラー、各種モジュールが挙げられる。
航空機関連部品、部材および外板としては、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブが挙げられる。
本発明の繊維強化成形品は、特に、航空機部材、スポーツ用品、風車の羽根、自動車外板、自動車内装、および電子機器の筐体、トレイ、シャーシに好適に使用できる。
つまり、本発明の組成物は、航空機用電線等の電線被覆材、電気自動車等のモーター等に使用されるエナメル線被覆材、電気絶縁性テープ、石油掘削用絶縁テープ、プリント基板用材料、分離膜(精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜、イオン交換膜、透析膜、気体分離膜等)、リチウム二次電池用、燃料電池用等の電極バインダー、コピーロール、家具、自動車ダッシュボート、家電製品等のカバー、荷重軸受、すべり軸、バルブ、ベアリング、ブッシュ、シール、スラストワッシャ、ウェアリング、ピストン、スライドスイッチ、歯車、カム、ベルトコンベアおよび食品搬送用ベルト等の摺動部材、ウェアパッド、ウェアストリップ、チューブランプ、試験ソケット、ウェハーガイド、遠心ポンプの摩耗部品、炭化水素・薬品および水供給ポンプ、シャベル、やすり、きり、および、のこぎり等の工具、ボイラー、ホッパー、パイプ、オーブン、焼き型、シュート、ダイス、便器、コンテナ被覆材、パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、整流器、トランス、パワーMOS FET、CPU、放熱フィン、金属放熱板として有用である。
より具体的には、パソコンやディスプレイの筐体、電子デバイス材料、自動車の内外装等、低酸素下で加熱処理する加工機や真空オーブン、プラズマ処理装置などのシール材や、スパッタや各種ドライエッチング装置等の処理ユニット内の放熱部品として有用である。本発明の組成物は、国際公開2016/017801号の段落番号[0149]に記載される用途にも使用できる。
上述のとおりFポリマー、熱可塑性樹脂および短炭素繊維を含む本組成物は成形性に優れ、本組成物からは強度の高い成形物を形成できる。
本組成物から得られる成形物、特にフィルムは曲げ強度と曲げ弾性率が高く各種物性に優れる。
以上、本組成物、その製造方法および本組成物から得られる成形物を説明したが、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されない。
例えば、本組成物および本組成物から得られる成形物は上記実施形態の構成において、他の任意の構成を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。また前記製造方法の実施形態の構成において、他の任意の工程を追加で有してもよいし、同様の作用を生じる任意の工程と置換されていてよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.各成分の準備
[Fポリマー]
Fポリマー1:テトラフルオロエチレンに基づく単位、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)に基づく単位および無水ハイミックス酸に基づく単位を、この順に、97.9モル%、2.0モル%、0.1モル%含むポリマー(溶融温度:300℃、主鎖炭素数1×10個に対するカルボニル基含有基の量:1000個)
Fポリマー2:テトラフルオロエチレンに基づく単位、ヘキサフルオロプロピレンに基づく単位、ペルフルオロブチルエチレンに基づく単位、無水イタコン酸に基づく単位およびエチレンに基づく単位を、この順に、46.2モル%、9.4モル%、1.0モル%、0.4モル%、43.0モル%含むポリマー(溶融温度:170℃、主鎖炭素数1×10個に対するカルボニル基含有基の量:3000個)
Fポリマー3:テトラフルオロエチレンに基づく単位およびペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)に基づく単位を、この順に、97.5モル%、2.5モル%含む、極性官能基を有さないポリマー(溶融温度:305℃)
[熱可塑性樹脂]
ポリアミド1:ポリアミド(クラレ社製、商品名:Genestar PA9T。)
ポリアミド2:ポリアミド6(宇部興産社製、UBEナイロン 1013B、粘度数:123、融点224℃。)
なお、以下の組成物の製造においては、ポリアミドの比重を1.14、Fポリマーの比重を1.75として、体積%を計算した。
[炭素繊維]
炭素繊維1:平均繊維長が6mm、平均繊維径が5μmであり、ポリウレタン系のサイジング剤でサイジング処理された炭素繊維束(Zoltek社製:ZOLTEK PX35:CHOP PELLET.25IN(6MM) 65SZG)。
炭素繊維2:炭素繊維1を焼成処理して得られる、サイジング剤を除去した炭素繊維束。
2.組成物の製造・評価例
[例1]
ポリアミド1とFポリマー1と炭素繊維1とを、ポリアミド1とFポリマー1との合計体積に対してFポリマー1の体積が5体積%となるように、かつ、組成物の総体積に対して炭素繊維が10体積%となるように、ドライブレンドして混合物を得た。この混合物を、2軸押出機(テクノベル社製、KZW15TW-45MG)に投入し、樹脂吐出量が2.0kg/時間、スクリュー回転数が200rpm、設定温度が330℃の条件にて溶融混練し、ペレット状の組成物1を得た。組成物1に含まれる炭素繊維の繊維長は1mm以下であった。
組成物1を単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製、VS-30)および400mm幅Tダイを用い、設定樹脂温度が330℃、回転数が50rpm、ライン速度が2.0m/分または4.0m/分にて押出成形し、厚さが100μmのフィルム1を得た。
[例2]
Fポリマー1に変えてFポリマー3以外を使用する以外は例1と同様にして、組成物2を得た。組成物2に含まれる炭素繊維の繊維長は1mm以下であった。組成物1に変えて組成物2を使用する以外は例1と同様にして、フィルム2を得た。
[例3(比較例)]
組成物中のポリアミド1とFポリマー3との合計体積に対してFポリマー3の体積が25体積%となるようにする以外は例2と同様にして、組成物3を得た。組成物2に含まれる炭素繊維の繊維長は1mm以下であった。組成物1に変えて組成物3を使用する以外は例2と同様にして、フィルム3を得た。
[例4(比較例)]
Fポリマー1を使用しない以外は例1と同様にして、組成物4を得た。組成物1に変えて組成物4を使用する以外は例1と同様にして、フィルム4を得た。
それぞれのフィルムに関して、引張圧縮試験機(東洋精機製作所社製、ストログラフR-2)を用いて、ロードセル定格が1000kg、速度が5mm/分、支点間距離が8cmにおける、曲げ強度と曲げ弾性率とを測定した。
結果を、まとめて表1に示す。
Figure 2022099439000001
[例5]
Fポリマー1をFポリマー2に、ポリアミド1をポリアミド2に、溶融温度を220℃に変更する以外は、例1と同様にして、ペレット状の組成物5を得た。組成物5に含まれる炭素繊維の繊維長は1mm以下であった。押出成形における設定樹脂温度を220℃に変更する以外は例1と同様にして、組成物5から厚さが100μmのフィルム5を得た。
[例6]
さらに、炭素繊維1を炭素繊維2に変更する以外は例5と同様にして、組成物6を得た。組成物6に含まれる炭素繊維の繊維長は1mm以下であった。組成物5に変えて組成物6を使用する以外は例4と同様にして、フィルム6を得た。
[例7(比較例)]
組成物中のポリアミド2とFポリマー2との合計体積に対してFポリマー2の体積が25体積%となるようにする以外は例6と同様にして、組成物7を得た。組成物7に含まれる炭素繊維の繊維長は1mm以下であった。組成物5に変えて組成物7を使用する以外は例2と同様にして、フィルム7を得た。
[例8(比較例)]
Fポリマー2を使用しない以外は例5と同様にして、組成物8を得た。組成物5に変えて組成物8を使用する以外は例5と同様にして、フィルム8を得た。
それぞれのフィルムに関して、引張圧縮試験機(東洋精機製作所社製、ストログラフR-2)を用いて、ロードセル定格:1000kg、速度:5mm/分、支点間距離:8cmにおける、曲げ強度と曲げ弾性率とを測定した。
結果を、まとめて表2に示す。
Figure 2022099439000002
上記結果から明らかなように、本組成物は加工性に優れ、それから得られるフィルムは曲げ強度および曲げ弾性率の強度に優れる。したがって、本組成物から得られる成形物はプリプレグ、電気・電子機器の筐体、トレイ、シャーシ等の内部部材、内部部材のケース、機構部品;パネル等の建材;四輪車または二輪車関連部品、部材および外板;液体水素輸送および貯蔵タンク部材;スピーカー振動板;航空機関連部品、部材および外板;風車の羽根;ドローン部品等に好適に用いられる。

Claims (14)

  1. 熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマー、熱可塑性樹脂および繊維長が1mm以下の炭素繊維を含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記熱可塑性樹脂との合計の体積を100体積%として前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの体積が1から20体積%である組成物。
  2. 前記炭素繊維の繊維径が10μm以下である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記炭素繊維がサイジング剤で処理されている請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記サイジング剤がポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリイミドおよびエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の組成物。
  5. 前記組成物の体積を100体積%として前記炭素繊維の体積が1から70体積%である請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの溶融温度が150から320℃である請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーがカルボニル基含有基を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、主鎖炭素数1×10個あたり、10個以上5000個以下のカルボニル基含有基を有するポリマーである請求項7に記載の組成物。
  9. 前記熱可塑性樹脂がポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルイミドおよびポリフェニレンスルファイドからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1から8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. ペレット状である請求項1から9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 熱溶融性のテトラフルオロエチレン系ポリマーと熱可塑性樹脂と炭素繊維束とを含み、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーと前記熱可塑性樹脂との合計の体積を100体積%として前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの体積が1から20体積%である混合物を、前記炭素繊維の繊維長が1mm以下となるように二軸押出機により溶融混練する請求項1から10のいずれか1項に記載の組成物の製造方法。
  12. 前記炭素繊維束の各繊維径が10μm以下である請求項11に記載の製造方法。
  13. 請求項1から10のいずれか1項に記載の組成物を溶融押出しする成形物の製造方法。
  14. 請求項1から10のいずれか1項に記載の組成物を溶融押出して成形される、厚さが5から100μmであるフィルム
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