JP2008069973A6 - プラスチックの滑り層およびこの滑り層を有する滑り要素 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】容易に製造可能であり、容易に再加工され、良好な滑り特性と同時に高い耐磨耗性も有する滑り層およびかかる滑り層を有する滑り要素を提供すること。
【解決手段】滑り層は、プラスチック母材と、強化要素としてのプラスチック糸とを含む繊維強化プラスチックをベースにし、プラスチック糸(1)は複数のポリエステルフィラメント(12)を有し、複数のポリエステルフィラメント(12)にはPTFE粒子(14)が組み込まれている。滑り要素は、この滑り層を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラスチック母材と、強化要素としてのプラスチック糸と含む繊維強化プラスチックをベースにした滑り層に関する。本発明は、さらに、このような滑り層を備える滑り要素に関する。
滑り軸受のための、特に、巻き取られたプラスチック滑り軸受のための、エポキシ樹脂をベースにした複合繊維材料の使用が、知られている。そのような滑り軸受は、単層の滑り層材料から、または2つの層すなわち支持層および滑り層より構成される軸受材料からなる。滑り層は、用途に応じて、支持層に対して、内側または外側に位置することができる。支持層は、典型的には、非常に高い荷重吸収力を有する、ガラス繊維または炭素繊維強化エポキシ樹脂母材により特徴づけられている。滑り層は、通常、強化要素としての特殊な耐摩耗性のまたは低磨耗性のプラスチック繊維またはプラスチック糸、固体潤滑剤および同様にエポキシ樹脂母材からなる。その組成は、対応する回転部材(Gegenlaeufer)の材料および性質および環境条件(湿式運転または乾式運転)に従って変化する、必要な潤滑性が調整されるように、調整される。
自滑性の滑り層の固体潤滑剤としては、特にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)またはグラファイトの使用が知られている。これらの物質は、粒子の形態で、プラスチック母材に混合され、あるいは、PTFEの場合、フィラメントの形態で、他のプラスチックフィラメントと共に撚り合わされて、滑り層のプラスチック糸に形成される。なお、よく知られているように、糸用プラスチックとしては、ポリエステルが通常用いられる。典型的には、2つのポリエステルフィラメントおよびPTFEフィラメントが互いに撚り合わされて、糸に形成される。
滑り要素の滑り層および支持層は、合成樹脂で含浸されたプラスチック糸または合成樹脂で含浸されたガラス繊維を、回転するマンドレル(巻取芯)に巻き付けることによって2層の回転対称体の形態で製造される。このようにして製造された、円形横断面を有する管は、プラスチック母材の硬化後に再加工されて、シリンダ状のブシュ、半円形の軸受用ブシュ等に形成される。
固体潤滑剤としてのPTFEの使用が、非常に良好な滑り摩擦特性の故に、繊維強化プラスチックの滑り層において適切であることが明らかになった。しかしながら、すべての用途に十分な潤滑性及び機械的性質を得ることはまだできなかった。つまり、PTFEは、炭素原子とフッ素原子の強い分子間結合によって、反応に非常に不活性であり、表面張力が非常に小さい。従って、プラスチック母材とPTFEの化学反応は生ぜず、またはさほど生じない。特に、2本のポリエステルフィラメントと1本のPTFEフィラメントからなる公知のプラスチック糸を使用するときは、PTFEフィラメントがプラスチック母材に対してごく僅かな接着結合しか生じないことが確認された。その結果、PTFEフィラメントが繊維複合体から脱離することが稀でなく、公知の滑り層は機械的再加工が極めて難しく、またはほとんどできなかった。その結果、通常、滑り層の剥離、滑り層の潤滑性および耐摩耗性の悪化が生じた。
従って、本発明の課題は、繊維強化プラスチックをベースにした滑り層と、かかる滑り層を有する滑り要素とを、滑り層および滑り要素が容易に製造可能であり、容易に再加工され、良好な滑り特性と同時に高い耐磨耗性も有するように提供することである。
上記課題は、請求項1の特徴を有する滑り層によって、および請求項13の特徴を有する滑り要素によって解決される。本発明は、さらに、請求項20の特徴を有するプラスチック糸の使用によって解決される。好適な態様は、従属請求項に見出される。
繊維強化プラスチックをベースにした滑り層は、本発明では、強化要素としてのプラスチック糸を含む。このプラスチック糸は複数のポリエステルフィラメントを含み、複数のポリエステルフィラメントにはPTFE粒子が、組み込まれており、特に、PTFE粒子は、複数のポリエステルフィラメントに紡ぎ入れられている(einspinnen)。
このことは、周知の撚り合わされた繊維に対し、糸または繊維の個々の成分の含量、特にPTFEの含量における大きな可変性という利点を有する。従って、プラスチック糸の製造中においてさえ、プラスチック糸の性質を一層正確に修正することができる。PTFE粒子が、PTFEフィラメントと異なり連続していないという事情から、すなわち、複数のポリエステルフィラメント内にランダムに配置され、固定されたPTFE粒子によって、プラスチック糸はより粗い外観を有し、プラスチック糸とプラスチック母材の間に良好な接着結合が達成される。最後に、PTFE粒子をプラスチック糸に組み込むことは、とりわけ形状による係合(Formschluss)により、プラスチック糸の機械的保持を強化する。
従って、滑り層は、機械的にすなわち切削加工により加工しやすい。従って、PTFE粒子を含むプラスチック糸の、本発明に係わる滑り層への使用は、特に、例えば穿孔、ホーニング等によって最終寸法まで再加工されねばならない精密滑り軸受のために適切である。実際また、本発明に係わる滑り層、または本発明に係わる滑り要素は、他の利用範囲を拡大する。何故ならば、例えば潤滑剤用溝または汚れ排除溝を、滑り層に形成することができるからである。これらの潤滑剤用溝または汚れ排除溝によって、粒子または潤滑剤を適切に排出または供給することができる。優れた加工性のほかに、PTFEの改善された組み込みによって、特に、深部摩耗(Tiefenverschleiss)に関しては、改善された摩耗値が達成される。
プラスチック母材中に固体潤滑剤としてPTFE粒子を含む公知の滑り層と比較しても、本発明に係わる滑り層は、利点を有する。プラスチック母材中の固体潤滑剤としてのPTFE粒子は、強度を減少させる作用がある。このことによって、潤滑性が、高い荷重の場合におよび含水環境で損なわれる。プラスチック母材中のPTFE粒子は、異なる材料密度により、通常は不均質な分布になるが、全滑り面で見て粒子の分布が非常に均質である。何故ならば、粒子が、繊維又は糸に粒子が固く組み込まれているからである。最後に、改善された均質性および改善された機械的組み込みに基づき、改善された潤滑性も達成される。このことは、乾式運転にも含水環境での使用にも当てはまる。
プラスチック糸中のPTFE粒子の重量割合が2重量%〜40重量%であり、プラスチック糸中のポリエステルフィラメントの重量割合が60重量%〜98重量%であることは、好ましい。特に好ましくは、プラスチック糸中のPTFE粒子の重量割合が30重量%〜36重量%であり、他方、プラスチック糸中のポリエステルフィラメントの重量割合が64重量%〜70重量%である。
この重量比で、プラスチック糸とプラスチック母材の間の接着力は十分に高い。それ故に、良好な加工性が得られる。他方、PTFE粒子の割合は、良好な滑り性を得るために、十分高い。
滑り層の好適な態様において、強化要素は、プラスチック糸から製造された織物または編物の構造を有する。
他の好ましい態様において、強化要素は、プラスチック糸を巻取芯に巻き取ることによって製造された巻取構造を有する。
この場合、本発明に基づき使用されるプラスチック糸の長所が、特に十分に効果的である。つまり、このプラスチック糸は、表面が粗いので、糸をまず合成樹脂の入った含浸槽に通し、そうすることにより合成樹脂で十分に含浸させるところの巻取法で滑り層を製造するのに著しく適している。この巻取法は、滑り要素または滑り層の所期の用途に合わせた所定の巻取構造を作ることができるという利点をもたらす。例えば、繊維をできるだけ荷重に適応して、すなわち、力と応力の分布に従って、繊維複合材に配置させることができる。
プラスチック母材は、好ましくは合成樹脂から、特に好ましくはエポキシ樹脂からなる。
多くの用途のためには、プラスチック糸に含められたPTFE粒子のほかに、プラスチック母材にもPTFE粒子を加えることが好ましい。この場合、プラスチック母材中のPTFE粒子の割合は40重量%以下である。代替の態様では、プラスチック母材はグラファイト粒子を含んでもよい。プラスチック母材中のPTFE粒子の重量割合は1重量%〜40重量%であることが好ましい。
さらに、プラスチック母材にPTFE粒子およびグラファイト粒子も加えることができる。これらの粒子の総重量割合は40重量%を越えないことが好ましい。
本発明に係わる滑り要素は、前記滑り層を有する。さらに、滑り要素が、繊維強化プラスチックからなる支持層を有することが好ましい。
しかしまた、薄肉の滑り軸受の場合、これらの滑り軸受が、(単層の)滑り層からのみなることが可能である。機械的な荷重能力が減少するが、この構造は、荷重の少ない場合、コストおよびスペースの理由から、好ましい。
支持層の繊維強化プラスチックは、好ましい態様では、プラスチック母材および強化部材としてのガラス繊維からなる。プラスチック母材は好ましくは合成樹脂から、特に好ましくはエポキシ樹脂からなる。
滑り層のプラスチック母材と同じく、エポキシ樹脂は、優れた接着性、機械的および動的性質に基づき、支持層のためのプラスチック母材としても適している。さらに、エポキシ樹脂は、その分子構造に基づき、非常に優れた耐湿性および比較的僅かな膨潤傾向を有する。また滑り層と支持層に同じプラスチック母材を使用するので、さらに、滑り層と支持層の間の結合力が増加する。
支持層の強化要素も、ガラス繊維製の織物又は編物の構造を有することは好ましく、他の好ましい態様では、ガラス繊維を巻取用マンドレルに巻き取ることによって製造される巻取構造を有する。
滑り層および支持層が、連続的に巻取法で、巻取用マンドレルに配置されるとき、軸受用複合材料の製造効率が高められる。
本発明に基づき滑り層のために強化要素として用いられるプラスチック糸10が、図1の拡大断面図で示されている。このプラスチック糸は、糸に沿って配向された複数のポリエステルフィラメント12からなり、第2の成分として、PTFE粒子14を含む。これらのPTFE粒子は、ランダムな配列で、複数のポリエステルフィラメント12に紡ぎ入れられている。製造工程中に、糸の性質を改良する非常に多くの可能性がある。例えば、1本の糸10当たりのポリエステルフィラメント12の数を、用途に応じて変化させることができる。しかしながら、ここでは、組み込まれたPTFE粒子14との十分な形状による係合に注意を払うほうがよい。
同様に、ポリエステルフィラメント12とPTFE粒子14との間の重量比を変えることができる。しかしながら、接着性、摩擦性および滑り特性に関しては、プラスチック糸では、PTFE粒子14の重量割合が30重量%〜36重量%であり、ポリエステルフィラメント12の重量割合が64重量%〜70重量%であることが特に好ましいことが明らかになった。
図1に示すプラスチック糸10の繊度は、100dtex〜600dtexの、特に400dtex〜550dtexの好ましい値を有する(1dtex=1g/1000mの糸)。
これらのパラメータによって、PTFE粒子14の、ポリエステルフィラメント12への十分に強固な組み込みが達成される。これらのポリエステルフィラメントは、耐摩耗性のためのみならず機械加工のためにも、十分なサポートを見出す。従って、滑り層は、例えば溝切りまたは穴開けによって再加工されるとしても、良好な潤滑性を保つ。
PTFE粒子14は、さらに、糸の長さに亘って、従ってまた、強化要素の、織られた、編まれた、または巻かれた構造に亘って、均一に分配されている。糸10は、管路を形成する部分的にかなり緩い結合の故に、優れた湿潤性従ってまた良好な加工性を有する。これら管路の奥に浸透する、マトリックスの架橋が、改善された接着結合をもたらす。
プラスチック糸10および完成した滑り層は、全体として、粗くてかつ毛羽立っているように見える。この視覚的な粗さは、ランダムに配向されたPTFE粒子14に起因され、PTFE粒子の非常に良好な滑り特性の故に、高い摩擦係数には結びつかない。全体として、本発明に係わる滑り層の滑り特性は、図3および4に示した線図を参照することにより認められるように、種々の用途で、応力の長い期間に亘ってさえ、変わらず良好である。
使用の態様は、滑り要素、この場合には、図2に示すラジアル滑り軸受用ブシュ20である。このラジアル滑り軸受用ブシュは、内側に、滑り層22を有し、外側には、支持層24を有する。滑り層22は、支持層24よりも径方向に薄く形成されている。
双方の層22,24は、巻取法で、巻取用マドレルに順次配置された。このことによって、クロスハッチングで示された巻取構造23および25がそれぞれ作り出される。さらに、支持層24の巻取構造25における糸同士の間の間隔が、滑り層22の巻取構造23におけるよりも大きいことが認められる。このことによって、構造が、個々に、種々の要求に適合されることができることを示す。巻取は、回転対称性滑り要素にとって、特に容易なかつ安価な製造法である。滑り層22のおよび支持層24の強化要素の巻取構造23および25が、それぞれ、軸受の機械的な要求に容易に適合される。図示した簡単な交差構造のほかに、糸は、個々にだけではなく、例えば、纏めて束にして巻き付けられる。このことによって、支持層の強化要素が、巻取用マンドレルに纏めて巻き付けられた糸束または繊維束の交差構造をもって製造されることは好ましい。
滑り層は、内側を向く面に、汚れ排除溝26を有する。この汚れ排除溝は、完成した巻取体が硬化され、かつブローチ加工、穿孔、旋削等により軸受用ブシュが切り離された後に、滑り層に形成される。このことは、本発明に基づいて強化要素として用いられた糸の前記性質に基づき、滑り層の潤滑性を損なうことなしに、可能である。
異なる強化要素、すなわち、一方では、図1に示したプラスチック糸および他方では支持層24のガラス繊維が、滑り層22および支持層24で用いられるが、双方の層のプラスチック母材が、同じ樹脂すなわちエポキシ樹脂であることは好ましい。このことは、優れた接着性、機械的特性の故に、および、特に、比較的低い価格の故に、非常に良好に生じる。しかし、その代わりに、例えば、不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂を用いてもよい。
支持層24のためには、実証済みのガラス繊維のほかに、強化要素として、例えば炭素繊維も考えられる。実際また、糸を、まず、織物、編物、またはその他の編織布に事前加工してもよい。
滑り層22のプラスチック母材には、多くの用途では、例えばグラファイト粒子またはPTFE粒子のような固体潤滑剤が混入される。これに対し、支持層24は、通常、追加成分を混入しないプラスチック母材を有する。
図2に示したラジアル滑り軸受のほかに、本発明に係わる滑り要素は、さらに、カラー軸受の、スラストワッシャの、フローティング軸受の、固定軸受の、軸受用ブシュのまたは滑りプレートの形態を有してもよい。これに応じて、種々の積層方法を製造のために用いることができる。例えば、織物、編物、またはその他の編織布の形態を取る、いわゆるプレプレグ方法で予備含浸された強化要素が、後続の圧縮工程またはオートクレーブ方法で接合されて、完成した滑り要素を形成する。しかしまた、これらの強化要素を、射出成形法で製造してもよい。この射出成形法では、事前に製造されたマットを型に挿入し、続いて、型に、圧力下で、合成樹脂を充填する。事前に加工された織物、編物、またはその他の編織布も、巻取法で再加工することができる。
図3a、bは、本発明に係わるラジアル滑り軸受用ブシュと、それに取り付けられたシャフトとの間の摩擦係数の推移を示し、この推移は乾式運転試験で確認された。この場合、Ra=0.4〜0.8の粗さを有するシャフトを、0.01m/sの周速で45°の角度だけ往復回転した。その際径方向に加えられた比荷重は、上側の測定曲線の場合25MPaであった(図3a)。下側の測定曲線(図3b)の場合は、その他では同一の条件で、50MPaの径方向比荷重を加えた。
結果が示すように、約2000サイクルの短いならし運転段階の後にそれぞれ最小の摩擦係数が達成された。この摩擦係数は、高い荷重の場合は、60000サイクルの全テスト期間に亘り0.05でほぼ一定であった。低い荷重の場合は、摩擦係数は、最小に到達した後にまず約0.06から緩やかに上昇し、約15000サイクルの期間の後に約0.1の飽和状態に達した。低い荷重の場合の、僅かに高い摩擦係数は、摩耗率と一致する。25Mpaの場合、摩耗率は5.1μm/km(摺動距離)であるが、50Mpaの高い荷重の場合は10.7μm/kmの値に達した。低い荷重の場合の17.5μmに対して、高い荷重での35μmの全体として高まった摩耗によって、より多くの固体潤滑剤が放出され、この固形潤滑材が摩擦係数を引き下げる。従って、とりわけ高い荷重の場合、圧力が加えられた滑り軸受面の著しい平滑化も認められた。
図4aおよび4bは、ラジアル滑り軸受用ブシュに取り付けられたシャフトの湿式運転条件下のすなわち水中での摩擦係数の推移を示す。その他では、試験条件は上記と同じであった。この場合、50MPaの高い荷重の場合(図4bの下側の線)の摩擦係数が、25MPaの低い荷重の場合(図4aの上側の線図)より低いことが示される。摩擦係数は25MPaの乾式運転と比較して幾らか長いならし運転段階の後に、0.1のほぼ同じ値に達した。50MPaの場合は乾式運転と比較して0.06のやや高い平均値を確定することができた。ここでも、25MPaで8.1μm/kmの低い摩耗率従ってまた約47000サイクルの全テスト期間に亘って21.25μmの低い摩耗を、50MPaの場合の27.2μm/kmまたは70μmに対して確認することができた。同様に、とりわけ高い荷重の場合には、圧力が加えられた滑り軸受面の著しい平滑化を確認することができた。
しかし、双方の負荷例でも、滑り層の顕著な剥離は認められなかった。摩耗値は、公知のプラスチック滑り要素の摩耗値よりも著しく低かった。
本発明に係わる滑り層に使用されるプラスチック糸の横断面図を示す。 ラジアル滑り軸受の形態の本発明に係わる滑り要素の斜視図を示す。 乾式運転で異なる荷重での本発明に係わるラジアル滑り軸受の摩擦係数の一方の線図および他方の線図を示す。 湿式運転で異なる荷重での本発明に係わるラジアル滑り軸受の摩擦係数の一方の線図および他方の線図を示す。
符号の説明
10…プラスチック糸
12…ポリエステルフィラメント
14…PTFE粒子
20…ラジアル滑り軸受用ブシュ
22…滑り層
23…(滑り層の)巻取構造
24…支持層
25…(支持層の)巻取構造
26…汚れ排出溝

Claims (20)

  1. プラスチック母材と、強化要素としてのプラスチック糸とを備える繊維強化プラスチックをベースにした滑り層であって、前記プラスチック糸は複数のポリエステルフィラメントを含み、前記複数のポリエステルフィラメントにはPTFE粒子が組み込まれていることを特徴とする滑り層。
  2. 前記PTFE粒子が、前記複数のポリエステルフィラメントに紡ぎ入れられていることを特徴とする請求項1に記載の滑り層。
  3. 前記プラスチック糸において、前記PTFE粒子の割合が2重量%〜40重量%であり、前記ポリエステルフィラメントの割合が60重量%〜98重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の滑り層。
  4. 前記プラスチック糸において、前記PTFE粒子の割合が30重量%〜36重量%であり、前記ポリエステルフィラメントの割合が64重量%〜70重量%であることを特徴とする請求項3に記載の滑り層。
  5. 前記強化要素が、前記プラスチック糸から製造された織物または編物の構造を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の滑り層。
  6. 前記強化要素が、前記プラスチック糸を巻取芯に巻き取ることによって製造された巻取構造を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の滑り層。
  7. 前記プラスチック母材が、合成樹脂からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1に記載の滑り層。
  8. 前記プラスチック母材が、エポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項7に記載の滑り層。
  9. 前記プラスチック母材が、PTFE粒子を含むことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の滑り層。
  10. 前記プラスチック母材中の前記PTFE粒子の割合が、40重量%以下であることを特徴とする請求項9に記載の滑り層。
  11. 前記プラスチック母材が、グラファイト粒子を含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の滑り層。
  12. 前記プラスチック母材中の前記グラファイト粒子の割合が、1重量%〜40重量%であることを特徴とする請求項11に記載の滑り層。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1に記載の滑り層を備える滑り要素。
  14. 繊維強化プラスチックからなる支持層を有することを特徴とする請求項13に記載の滑り要素。
  15. 前記支持層の繊維強化プラスチックが、プラスチック母材と、強化要素としてのガラス繊維とを有することを特徴とする請求項14に記載の滑り要素。
  16. 前記支持層の強化要素が、前記ガラス繊維から製造された織物または編物の構造を有することを特徴とする請求項15に記載の滑り要素。
  17. 前記支持層の強化要素が、前記ガラス繊維を巻取芯に巻き取ることによって製造された巻取構造を有することを特徴とする請求項15に記載の滑り要素。
  18. 前記プラスチック母材が、合成樹脂からなることを特徴とする請求項14ないし17のいずれか1項に記載の滑り要素。
  19. 前記プラスチック母材が、エポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項18に記載の滑り要素。
  20. 滑り要素の滑り層を製造するための、複数のポリエステルフィラメント(12)と、該複数のポリエステルフィラメントに組み込まれたPTFE粒子とを含むプラスチック糸の、繊維強化プラスチック中の強化要素としての使用。
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