JPS6263220A - 摺動部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自己潤滑性とすぐれた耐摩耗性、耐荷重性を
有し、軸受、すべり板などとして好適な摺動部材に関す
るものである。

（従来技術） 従来、合成樹脂摺動面層と鋼板などの裏当て層とからな
る複層摺動部材は種々開発されているが、−例を挙げれ
ば特公昭５４−２１４９８に係わる複合軸受がある。

この複合軸受は、芳香族ポリアミド（メタフェニレンイ
ンフタルアミド）樹脂などからなる糸または布に、結合
剤を浸み込ませると同時に、糸と糸との間隙に四ふつ化
エチレン樹脂などの固体潤滑剤粒子を介在せしめ、この
ように構成された低摩擦面が丈夫な裏当て層に結合され
てなるものである。

この複合軸受が効果的に機能するには、固体潤滑剤粒子
が糸と糸との間に一様かつ十分に充填されている場合で
あって、固体潤滑剤の量が不十分であったり、むらがあ
ったりすると、必ずしも所望の低摩擦面が得られない。

それは、糸または布を構成するメタフェニレンイソフタ
ルアミド樹脂自体は、耐摩耗性にはすぐれているが、低
摩擦性を有しているとはいえないからである。

また、糸と糸との間に固体潤滑剤粒子を万遍なく充填さ
せるには、相当の技術を特徴とする特公昭５４−２１４
９８において、−例として説明しているフィラメントワ
インディングの手法を用いて低摩擦面を構成するような
場合は、糸に付着した固体潤滑剤粒子は、糸が捲回され
たのちは結果として糸と糸と間に介在するという態様を
採り易いが、織布などに当該粒子を充填させることは容
易でない。したがって得られた製品に性能のバラ付きを
生じ易い。

仮に、固体潤滑剤として四ふっ化エチレン樹脂粉末を布
に十分に含浸させることができたとしても、その場合は
裏当て層との接着性を弱める結果となり、摺動部材とし
ての耐荷重性などを損なうという弊害を生じやすい。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、上述した従来技術の問題点、すなわち固体潤
滑剤としての四ふっ化エチレン樹脂粉末が十分に糸また
は布に充填され難い点、またその充填作業に困難を伴う
点、糸または布を構成するメタフェニレンイソフタルア
ミド樹脂層が満足のゆく低い摩擦係数を持たない点、そ
して裏当て層との接着力の低下などの問題を解決した摺
動部材を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明では、まず、メタフェニレンイソフタルアミド樹
脂繊維と四ふっ化エチレン樹脂繊維との交織布を用い、
織布自体の摩擦係数の低減をはかった。

この織布は、摺動面側に四ふっ化エチレン樹脂繊維が面
積比で６０〜８５％と多く現れ、その裏面には１５〜４
０％と僅かに現れる織り方としである。

また、「緯二重織」のような織組織の布は、摺動面倒に
四ふっ化エチレン樹脂繊維が面積比で８５％程度現れ、
その裏面はメタフェニレンイソフタルアミド樹脂繊維が
１００％現れるという構成を採り得る。このような布も
勿論、好ましいものとして使用することができる。

したがって、これらの織布は摺動面側において摩擦係数
が小さく、裏面においてメタフェニレンイソフタルアミ
ド樹脂繊維が多く　（または１００％）現れているから
裏当て層との接着性にすぐれている。

メタフェニレンイソフタルアミド樹脂繊維は、耐熱性に
すくれており、また高温における強度低下が少なく、交
織された低摩擦係数を有する四ふっ化エチレン樹脂繊維
が高荷重下でフローを起こして表面から離脱したり、あ
るいは摩耗して表面から持ち去られるのを防ぎ、このよ
うにして表面における四ふっ化エチレン樹脂繊維の耐摩
耗性を高めている。

この交織布を、フェノール樹脂、ポリアミドイミド樹脂
などのワニスに浸漬したのち加温乾燥し、ワニス中の固
形分がおおむね５０重量％含浸保持されたブリプレソゲ
を得た。

つぎに、フェノール樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの
りニスに、固形分比で四ふっ化エチレン樹脂粉末が１０
〜５０重量％となるように混じ、これを上述したブリプ
レソゲの四ふっ化エチレン樹脂繊維が多く現れている側
の表面に塗布したのち加温して溶剤を飛ばし指触乾燥状
態とした。

このようにして得られたブリプレソゲを裏当て層に重ね
合わせ、プレスを用いて加熱加圧して接着し、順次、表
層から（ａｌ四ふっ化エチレン樹脂粉末とフェノール樹
脂、ポリアミドイミド樹脂などの結合剤とからなる摺動
面層、ｆｂｌメタフェニレンイソフタルアミド樹脂繊維
と四ふっ化エチレン樹脂繊維との交織布にフェノール樹
脂、ポリアミドイミド樹脂などの結合剤が含浸されてな
る中間層、そして（ｃ）剛性を有する裏当て層とからな
り、（ａ）（ｂ）　ｆｃｌが一体に結合されてなる自己
潤滑性に優れた摺動部材を得た。

本発明に使用される結合剤そして後述するプライマーと
しては、フェノール樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの
ほか、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂を好ましいものと
して例示することができる裏当て層としては、通常、圧
延鋼板、機械構造用炭素綱板などの鋼板が用いられるが
、このほか炭素繊維、ガラス繊維などで補強した剛性の
大きい強化プラスチック板を用いてもよい。

鋼などの金属板を裏当て層として用いる場合は、グリッ
ドブラスト、脱脂洗１１１１！、プライマー処理からな
る前処理を施すことが好ましい。

プレスによる加熱加圧条件は、結合剤としての樹脂の種
類によっても異なるが、その樹脂の成形物を得る加熱加
圧条件にほぼ同じである。すなわち、成形温度１３０〜
２５０℃、成形圧力２０〜１５０ｋｇ／ｃＩＡとし、保
持時間は１〜３０分である本発明による摺動部材は、平
板状ですべり板としての使用の他、湾曲させて回転シャ
フトを゛支える態様で使用することができ、また丸面げ
して円筒ブツシュとして使用することもできる。

（実施例） 以下、実施例について説明する。

ｆａ）　　摺動面層に使用される処理液の調製粒径が１
６ミクロン以下の四ふっ化エチレン樹脂粉末（三井フロ
ロケミカル社製、ＴＬＰ−１０Ｆ−１＞を、固形分３８
重量％のポリアミドイミド樹脂ワニス（大日精化工業社
製、Ａｌ−６３０）に混じ、四ふっ化エチレン樹脂粉末
が固形分比で２５重量％分散した処理液を得た。

（ａ）　　ブリプレソゲの調製 一方の面に、四ふっ化エチレン樹脂繊維が面積比で約７
０％現れているメタフェニレンイソフタルアミド樹脂繊
維との交織布を用意し、この交織布をポリアミドイミド
樹脂ワニス（大日精化工業社製、Ａｌ−６３０）に浸漬
したのちこれを取り出し、乾燥炉内で１４０℃の温度で
５分間保持して、ポリアミドイミド樹脂が４４重量％塗
工されたブリプレソゲを得た。（このブリプレソゲ中に
は約１７重量％の溶剤を含む。） ｆｃｌ　　処理液の塗工 四ふっ化エチレン樹脂繊維が多く現れているブリプレソ
ゲの面に、ｆａ）で調製した処理液を塗工し、ついでこ
れを乾燥炉内で１４０°Ｃの温度で５分間保持し、指触
乾燥状態とした。

（ｄｌ　　裏当て層の調製 圧延網板にグリッドブラストを施し、トリクレン脱脂洗
滌後、ポリアミドイミド樹脂ワニスをプライマーとして
薄＜（１０−２ｍｍ程度）塗工し、乾燥炉内で４時間を
費やして段階的に昇温させ、最終温度を２５０℃として
樹脂を硬化させた。

ｔｅ＋　　摺動部材の製作 ＋ｄｌによって得た裏当て層のプライマー処理面に、（
Ｃ）によって得たブリプレソゲを重ね合わせ、プレスの
熱板に挟んで１８０℃の加熱温度、２０　ｋｇ　／　ｃ
Ｊの加圧力で２分間保持し、これを一体に接着結合させ
、摺動部材を得た。

第１図は、このようにして得た本発明の摺動部材を模型
的に示した拡大縦断面図である。

（１）　は四ふっ化エチレン樹脂粉末、（２）はポリア
ミドイミド樹脂からなる結合剤で、（１）と（２）とに
よって摺動面層（３）が形成される。

（４）はメタフェニレンイソフタルアミド樹脂繊維から
なる糸、（５）は四ふっ化エチレン樹脂繊維からなる糸
で、（４）と（５）とによって交織布（６）が構成され
ており、（７）はポリアミドイミド樹脂からなる結合剤
で交織布（６）に一様に含浸されかつ表面に被覆され、
交織布（６）とこの結合剤とによって中間層（８）が形
成されている。

（９）は圧延鋼板からなる裏当て層、（１０）はポリア
ミドイミド樹脂からなるプライマ一層である。

このプライマ一層（１０）は、裏当て層として金属板を
使用したときは、中間層を裏当て層に確実に結合させる
のにきわめて効果的であるが、強化プラスチックを裏当
て層とした場合は、必ずしも必要としない。

すなわち、中間層を構成するブリプレソゲと裏当て層を
構成するブリプレソゲとを重ね合わせて加熱加圧成形す
ることにより、この両者は両者の結合剤が融合して強固
に一体化することができるからである。

第２図は、本発明の実施例による摺動部材と比較例とし
て特公昭５４−２１４９８による摺動部材とを同一条件
で試験した結果を示すグラフである。

ここで、比較例は、メタフェニレンイソフタルアミド樹
脂繊維のみからなる織布に、本発明の実施例のｆａｔに
よる処理液を含浸させてブリプレソゲとしたものを、実
施例のｆｄ）　ｆｅ）の工程を経て摺動部材としたもの
である。

試験条件は、以下に示すとおりである。

荷　　　　　重　　：　　　２０４　　ｋｇ／　　ｃＪ
すべり速度　：　　　２　　ｍ／ｍｉｎ相　手　材　二
　機械構造用炭素鋼（５４５Ｃ）潤　　　滑　：　供給
なし。乾燥摩擦による。

第２図において、実線は本発明による摺動部材、破線は
比較例である。

始動から４００時間経過程度までは著しい差はなく、む
しろ比較例による摺動部材のほうが摩擦係数は低いが、
その後、比較例によるものは摩擦係数の上昇が見られる
。これに反して本発明によるものは、きわめて安定した
摩擦係数を保っている。

この相違は、摩耗がある程度進行したとき、織布の違い
が原因していることは明らかである。すなわち、比較例
によるものがメタフェニレンイソフタルアミド樹脂繊維
のみからなる織布であるのに対して、本発明によるもの
はメタフェニレンイソフタルアミド樹脂繊維と四ふっ化
エチレン樹脂繊維との交織布を使用しており、この中間
層の摩擦係数の差が結果に現れたものと考えることがで
きる。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明による摺動部材は、自己潤
滑性にすくれ、しかもその低摩擦特性を長時間持続する
。また、その材料構成から、耐荷重性、耐摩耗性に優れ
、さらに製造も容易で製品間のバラ付きもきわめて少な
いという特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の摺動部材を模型的に示した拡大縦断
面図である。 第２図は、すべり時間と摩擦係数との関係を示すグラフ
である。 （１）・・・四ふっ化エチレン樹脂粉末（２）・・・結
合剤　　（３）・・・摺動面層（４）・・・メタフェニ
レンイソフタルアミド樹脂繊維からなる糸 （５）・・・四ふっ化エチレン樹脂繊維からなる糸（６
）・・・交織布　　（７）・・・結合剤（９）・・・裏
当て層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 順次、表層から、（ａ）四ふっ化エチレン樹脂粉末と結
   合剤とからなる摺動面層、（ｂ）メタフェニレンイソフ
   タルアミド樹脂繊維と四ふっ化エチレン樹脂繊維との交
   織布に結合剤が含浸されてなる中間層、（ｃ）剛性を有
   する裏当て層とからなり、（ａ）（ｂ）（ｃ）が一体に
   結合されてなる自己潤滑性にすぐれた摺動部材。