JP2005211767A - スリットコート式塗布装置及びスリットコート式塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 所望のパターンで且つ均一な膜厚の液体を塗布することができると共に液体を塗布する基板の大きさの制約を無くして小型化することができるスリットコート式塗布装置及びスリットコート式塗布方法を提供する。
【解決手段】 基板1を保持する保持テーブル20と、前記基板1の前記保持テーブル20に保持された保持面1bとは反対側の塗布面1aに相対向して液体3が流出されるスリット状のノズル開口41が設けられた塗布ヘッド40とを具備するスリットコート式塗布装置10であって、前記保持テーブル20が、当該基板1の前記塗布面1aに直交する軸21を中心として回転自在に設けられていると共に、前記塗布ヘッド40の前記ノズル開口41が前記基板1の回転半径よりも短く形成され、且つ当該塗布ヘッド40が前記基板1の前記塗布面1aの面方向に移動自在に設けられており、前記保持テーブル20を回転させながら前記塗布ヘッド40を前記塗布面1aの面方向に移動させることで、前記基板1の前記塗布面1aに液体3を塗布する。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板1を保持する保持テーブル20と、前記基板1の前記保持テーブル20に保持された保持面1bとは反対側の塗布面1aに相対向して液体3が流出されるスリット状のノズル開口41が設けられた塗布ヘッド40とを具備するスリットコート式塗布装置10であって、前記保持テーブル20が、当該基板1の前記塗布面1aに直交する軸21を中心として回転自在に設けられていると共に、前記塗布ヘッド40の前記ノズル開口41が前記基板1の回転半径よりも短く形成され、且つ当該塗布ヘッド40が前記基板1の前記塗布面1aの面方向に移動自在に設けられており、前記保持テーブル20を回転させながら前記塗布ヘッド40を前記塗布面1aの面方向に移動させることで、前記基板1の前記塗布面1aに液体3を塗布する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ノズルの先端から液体を供給し、基板の表面に液体を均一に塗布するスリットコート式塗布装置及びスリットコート式塗布方法に関する。
半導体ウェハやガラス基板等の基板にレジスト材料や絶縁材料などの液体を塗布する塗布装置として、スリットコート式塗布装置が用いられている。スリットコート式塗布装置としては、ノズルの先端から毛細管現象により液体を流出させて、基板の表面に液体を塗布するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来のスリットコート式塗布装置では、液体を塗布した基点と終点とで液体の膜厚が厚く塗布されてしまうと共に、塗布された液体がウェット状態であるため溶剤が揮発する際に乾燥ムラが生じて、液体の膜厚の均一性が低下するという問題がある。
このため、スリットコート式塗布装置によって基板上の全面に亘って液体を塗布した後、基板を回転させることで、基板上の液体の膜厚を均一にするものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、基板と同じ幅のノズル開口が設けられた塗布ヘッドによって基板を回転させながら基板上に液体を塗布することで、基板上に液体を均一に塗布するものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、従来のスリットコート式塗布装置では、基板の全面に亘って均一な膜厚の液体を塗布することができるものの、基板上に所望のパターンで液体を塗布することができないという問題がある。また、従来のスリットコート式塗布装置では、液体を塗布する基板の大きさは、塗布ヘッドのノズル開口の長さよりも短くしなければならず、基板サイズが制約されてしまうと共に、大きな基板に液体を塗布する場合には、大型の塗布ヘッドが必要となり装置が大型化してしまうという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑み、所望のパターンで且つ均一な膜厚の液体を塗布することができると共に液体を塗布する基板の大きさの制約を無くして小型化することができるスリットコート式塗布装置及びスリットコート式塗布方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、基板を保持する保持テーブルと、前記基板の前記保持テーブルに保持された保持面とは反対側の塗布面に相対向して液体が流出されるスリット状のノズル開口が設けられた塗布ヘッドとを具備するスリットコート式塗布装置であって、前記保持テーブルが、当該基板の前記塗布面に直交する軸を中心として回転自在に設けられていると共に、前記塗布ヘッドの前記ノズル開口が前記基板の回転半径よりも短く形成され、且つ当該塗布ヘッドが前記基板の前記塗布面の面方向に移動自在に設けられており、前記保持テーブルを回転させながら前記塗布ヘッドを前記塗布面の面方向に移動させることで、前記基板の前記塗布面に液体を塗布することを特徴とするスリットコート式塗布装置にある。
かかる第1の態様では、基板を回転させながら液体の塗布を行うことにより、遠心力によって液体の膜厚の均一性を向上することができると共に塗布された液体に含まれる溶剤を揮発させながら液体の塗布を行うことができ、液体の乾燥ムラを防止することができる。また、基板サイズに制約を受けることなく、小型の塗布ヘッドを用いて基板に液体を塗布することができる。さらに、基板の回転速度及び回転方向や塗布ヘッドの移動速度などを制御することにより、基板の塗布面上に所望のパターンで液体を塗布することができると共に、基板の塗布面の面内で膜厚の異なる液体を容易に塗布することができる。
かかる第1の態様では、基板を回転させながら液体の塗布を行うことにより、遠心力によって液体の膜厚の均一性を向上することができると共に塗布された液体に含まれる溶剤を揮発させながら液体の塗布を行うことができ、液体の乾燥ムラを防止することができる。また、基板サイズに制約を受けることなく、小型の塗布ヘッドを用いて基板に液体を塗布することができる。さらに、基板の回転速度及び回転方向や塗布ヘッドの移動速度などを制御することにより、基板の塗布面上に所望のパターンで液体を塗布することができると共に、基板の塗布面の面内で膜厚の異なる液体を容易に塗布することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記塗布ヘッドが、前記塗布面の面方向に沿って前記基板の回転中心を通る直線上を移動自在に設けられていることを特徴とするスリットコート式塗布装置にある。
かかる第2の態様では、小型の塗布ヘッドによって基板の塗布面の全面に亘って液体を均一な膜厚で塗布することができると共に、基板の全面に亘って所望のパターンで液体を塗布することができる。
かかる第2の態様では、小型の塗布ヘッドによって基板の塗布面の全面に亘って液体を均一な膜厚で塗布することができると共に、基板の全面に亘って所望のパターンで液体を塗布することができる。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記塗布ヘッドが、前記ノズル開口の長手方向が前記回転中心を通る直線上に沿って配置されていることを特徴とするスリットコート式塗布装置にある。
かかる第3の態様では、基板の塗布面の全面に亘って液体を効率よく均一な膜厚で塗布することができる。
かかる第3の態様では、基板の塗布面の全面に亘って液体を効率よく均一な膜厚で塗布することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記塗布ヘッドが複数個設けられていることを特徴とするスリットコート式塗布装置にある。
かかる第4の態様では、複数の塗布ヘッドにより所望のパターンや塗布面の面内で厚さの異なる液体を容易に塗布することができると共に、多点から液体の塗布を開始することで、塗布された液体の均一性を向上することができる。
かかる第4の態様では、複数の塗布ヘッドにより所望のパターンや塗布面の面内で厚さの異なる液体を容易に塗布することができると共に、多点から液体の塗布を開始することで、塗布された液体の均一性を向上することができる。
本発明の第5の態様は、基板を保持する保持テーブルと、前記基板の前記保持テーブルに保持された保持面とは反対側の塗布面に相対向して液体が流出されるスリット状のノズル開口が形成された塗布ヘッドとを具備するスリットコート式塗布方法であって、前記保持テーブルを前記基板の前記塗布面に直交する軸を中心として回転させながら、前記ノズル開口が前記基板の回転半径よりも短く形成された前記塗布ヘッドを前記基板の前記塗布面の面方向に移動させることにより、前記基板の前記塗布面に液体を塗布することを特徴とするスリットコート式塗布方法にある。
かかる第5の態様では、基板を回転させながら液体の塗布を行うことにより、遠心力によって液体の膜厚の均一性を向上することができると共に塗布された液体に含まれる溶剤を揮発させながら液体の塗布を行うことができ、液体の乾燥ムラを防止することができる。また、基板サイズに制約を受けることなく、小型の塗布ヘッドを用いて基板に液体を塗布することができる。さらに、基板の回転速度及び回転方向や塗布ヘッドの移動速度などを制御することにより、基板の塗布面上に所望のパターンで液体を塗布することができると共に、基板の塗布面の面内で膜厚の異なる液体を容易に塗布することができる。
かかる第5の態様では、基板を回転させながら液体の塗布を行うことにより、遠心力によって液体の膜厚の均一性を向上することができると共に塗布された液体に含まれる溶剤を揮発させながら液体の塗布を行うことができ、液体の乾燥ムラを防止することができる。また、基板サイズに制約を受けることなく、小型の塗布ヘッドを用いて基板に液体を塗布することができる。さらに、基板の回転速度及び回転方向や塗布ヘッドの移動速度などを制御することにより、基板の塗布面上に所望のパターンで液体を塗布することができると共に、基板の塗布面の面内で膜厚の異なる液体を容易に塗布することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るスリットコート式塗布装置の概略構成を示す斜視図であり、図2は、スリットコート式塗布装置の上面図及びそのA−A′線の要部断面図である。図示するように、スリットコート式塗布装置10は、基板1が保持される保持テーブル20と、保持テーブル20の基板1側に設けられた塗布ヘッド40と、塗布ヘッド40に液体3を供給する貯留手段50とを具備する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るスリットコート式塗布装置の概略構成を示す斜視図であり、図2は、スリットコート式塗布装置の上面図及びそのA−A′線の要部断面図である。図示するように、スリットコート式塗布装置10は、基板1が保持される保持テーブル20と、保持テーブル20の基板1側に設けられた塗布ヘッド40と、塗布ヘッド40に液体3を供給する貯留手段50とを具備する。
基板1は、例えば、シリコンウェハ、半導体基板等からなり、矩形状や円盤形状等、その形状は特に限定されない。本実施形態では、円盤形状を有する基板1を用いた。また、保持テーブル20は円盤形状を有し、鉛直方向上側の面に基板1の表面の液体3が塗布される塗布面1aが鉛直方向上向きとなるように塗布面1aとは反対側の保持面1b側を保持する。この保持テーブル20による基板1の保持方法は特に限定されず、例えば、真空ポンプ等の吸引による方法が挙げられる。
また、保持テーブル20の底面には回転軸21が設けられており、回転軸21に接続された駆動モータ等のテーブル駆動手段22によって、回転軸21を中心として回転自在に設けられている。本実施形態では、回転軸21が保持テーブル20の基板1を保持する面と直交する方向に設けられており、保持テーブル20に厚さが均一な基板1を保持させることで、基板1の塗布面1aが回転軸21に対して直交するようになっている。すなわち、基板1は、保持テーブル20によって塗布面1aの面内方向に回転されるようになっている。そして、保持テーブル20は、詳しくは後述するが、テーブル駆動手段22によって回転されることで基板1を回転させて、基板1の塗布面1aを塗布ヘッド40に対して塗布面1aの面内方向に移動させることによって、塗布面1aに液体3を塗布させるようになっている。なお、テーブル駆動手段22による保持テーブル20の回転速度は、基板1の塗布面1aの全面に液体3を塗布する場合には、遠心力により塗布された液体3の膜厚の均一性を向上するために比較的高速とすればよく、また、基板1の塗布面1aに液体3を所望のパターンで形成する場合には、比較的低速とすればよい。
一方、保持テーブル20が保持した基板1の塗布面1a側には、塗布面1aに液体3を塗布する塗布ヘッド40と、塗布ヘッド40に供給する液体3を保持する貯留手段50とが設けられている。塗布ヘッド40には、基板1の塗布面1aに相対向する位置に貯留手段50から供給された液体3が流出されるスリット状のノズル開口41が鉛直方向下向きとなるように設けられている。このノズル開口41は、円盤形状を有する基板1の回転半径よりも短い長さで形成されており、塗布ヘッド40は、ノズル開口41の長手方向が基板1の回転中心を通る線に沿って配置されている。
また、塗布ヘッド40内には、液体溜まり部42が設けられており、この液体溜まり部42によって液体3をノズル開口41に亘って均一に充填させている。このような塗布ヘッド40では、液体溜まり部42内に液体3が充填されると、液体溜まり部42内に充填された液体3が毛細管現象によってノズル開口41の先端まで充填されるようになっている。また、ノズル開口41の先端まで充填された液体3は、その表面張力によってノズル開口41の先端から突出した状態で保持される。
また、塗布ヘッド40は、保持テーブル20の回転中心を通る線に沿って、例えば、図示しない駆動モータ等のヘッド駆動手段によって移動自在に保持されている。また、塗布ヘッド40は、鉛直方向に移動自在に設けられており、塗布ヘッド40の先端と基板1の塗布面1aとの間隔は、液体3の動粘度、液体3の基板1への濡れ性、基板1上に塗布する液体3の所望の厚さなどによって適宜調整されるようになっている。
貯留手段50は、液体3を保持する貯留タンク51と、一端が塗布ヘッド40に接続され、他端が貯留タンク51に接続された供給管52とで構成されており、貯留タンク51の内部に貯留した液体3を供給管52を介して塗布ヘッド40に供給している。このような貯留手段50から供給された液体3は、上述のように塗布ヘッド40のノズル開口41の先端まで毛細管現象によって充填され、ノズル開口41の先端でその表面張力によって突出した状態で保持される。そして、この突出した液体3を基板1の塗布面1aに接触させて、テーブル駆動手段22が保持テーブル20を回転させることにより、基板1を塗布ヘッド40に対して塗布面1aの面方向に移動させて、ノズル開口41から液体3を徐々に流出させて液体3を基板1の塗布面1aに塗布することができる。
また、テーブル駆動手段22が保持テーブル20を回転させることで基板1を回転させながら、図示しないヘッド駆動手段が塗布ヘッド40を基板1の回転中心を通る線に沿って移動させることで、基板1の塗布面1aの全面に亘って液体3を塗布することができる。なお、テーブル駆動手段22による保持テーブル20の回転速度及び回転方向や、ヘッド駆動手段による塗布ヘッド40の移動速度を制御することにより、液体3を塗布面1aの周縁部のみや、基板1の回転中心側のみなどの所望のパターンで液体3を塗布することができる。
このように、基板1を回転させながら塗布ヘッド40を基板1の回転中心を通る線に沿って移動させて基板1の塗布面1aに液体3を塗布することで、基板1のサイズに制約を受けることなく、小型の塗布ヘッド40を用いて基板1の塗布面1aの全面に亘って液体3を塗布することができ、スリットコート式塗布装置10を小型化することができる。また、基板1の塗布面1aの全面に液体3を塗布した場合には、基板1を比較的高速で回転させることで、遠心力によって液体3の膜厚の均一性を向上することができる。さらに、基板1を回転させながら液体3を塗布させることで、基板1に塗布された液体3に含まれる溶剤を揮発させて塗布された液体3を半乾きの状態とすることができ、塗布された液体3の乾燥ムラを防止することができる。さらに、塗布ヘッド40によって基板1の塗布面1aに液体3を塗布しながら、塗布ヘッド40と基板1の塗布面1aとの間隔を制御することによって、基板1の塗布面1aの面内で膜厚の異なる液体3を容易に塗布することができる。また、基板1の塗布面1aに液体3を重ね塗りすることが容易となり、液体3の膜厚の均一性を向上することができると共に液体3を厚膜化することができる。勿論、所定のパターンで液体3を重ね塗りすることによって、基板1の塗布面1aの面内で膜厚の異なる液体3を容易に塗布することができる。
ここで、このようなスリットコート式塗布装置10を用いたスリットコート式塗布方法について詳しく説明する。なお、図3及び図4は、スリットコート式塗布方法を示すスリットコート式塗布装置の上面図であり、図5及び図6は、スリットコート式塗布方法を示すスリットコート式塗布装置の要部断面図である。図3(a)に示すように塗布ヘッド40のノズル開口41が基板1に相対向しない位置で、図5(a)に示すように塗布ヘッド40のノズル開口41の先端から液体3を突出させた状態で塗布ヘッド40と基板1の塗布面1aとの間隔を所定の間隔まで接近させる。本実施形態では、塗布ヘッド40を保持テーブル20側に移動することで、塗布ヘッド40と基板1との間隔を調整するようにした。なお、塗布ヘッド40と基板1の塗布面1aとの間隔である塗布条件は、塗布する液体3の粘度や液体3の基板1への濡れ性などに応じて適宜決定される。
また、塗布ヘッド40が塗布を行う前の待機状態では、ノズル開口41の先端から液体3を完全には突出させないようにして、液体3の乾燥や異物の混入による液体3の増粘を防止するようにしてもよい。このようにノズル開口41の先端から液体3を突出させないようにするには、液体溜まり部42に液体3が充填されないようにすればよい。また、例えば、供給管52に液体3の流量を調整する給水ポンプ等の流量調整手段を設け、この流量調整手段によって液体3を液体溜まり部42に充填する、しないによってノズル開口41の先端から液体3を完全には吐出させない程度突出させる、突出させないの微振動調整をできるようにしてもよい。また、貯留手段50の保持した液体3の液面をノズル開口41の先端に対して鉛直方向に移動させることで、液面が微振動することになり、ノズル開口41の周縁等に乾燥や異物が混入することで発生する液体3の増粘化を防止することができるので、所望の液量の液体3をノズル開口41から吐出することができる。よって、増粘化した液体3がノズル開口41の周縁に付着することがない。特に、待機状態が長い場合に上記液体3の増粘防止のための対策を取ることが好ましい。
次に、図3(b)及び図5(b)に示すように、テーブル駆動手段22によって保持テーブル20を基板1の塗布面1aの面内方向に回転させながら、ヘッド駆動手段が塗布ヘッド40を保持テーブル20の回転中心側に向かって移動させることで、基板1の塗布面1aの周縁側に液体3を接触させて、基板1の塗布面1aの周縁側から液体3の塗布を行う。そして、さらに保持テーブル20を回転させながら、塗布ヘッド40を保持テーブル20の回転中心側に移動させることで、図4(a)に示すように、液体3を基板1の塗布面1aに渦巻き状に塗布し、塗布ヘッド40を回転中心まで移動させることで、図4(b)に示すように、基板1の塗布面1aの全面に亘って液体3を塗布することができる。
このように基板1を回転させながら、基板1の塗布面1aに液体3を塗布することによって、遠心力によって塗布された液体3の膜厚の均一性を向上することができる。また、従来のスピンコート式塗布装置では、液体3の回転中心側が厚膜に塗布されるが、本実施形態のように、基板1の周縁側から液体3を塗布することによって、液体3の回転中心側が厚膜となるのを防止することができる。さらに、基板1を回転させながら、液体3を塗布することで、塗布された液体3に含まれる溶剤を揮発させて、液体3を半乾きの状態とすることができ、液体3の乾燥ムラを防止することができる。また、上述した一連の工程を繰り返し行うことで液体3の重ね塗りを容易に行うことができ、液体3の平坦化及び厚膜化を容易に行うことができる。また、塗布ヘッド40によって基板1の塗布面1aに液体3を塗布しながら、塗布ヘッド40と基板1の塗布面1aとの間隔を制御することによって、基板1の塗布面1aの面内で膜厚の異なる液体3を容易に塗布することができる。勿論、所定のパターンで液体3を重ね塗りすることによって、基板1の塗布面1aの面内で膜厚の異なる液体3を容易に塗布することができる。
なお、塗布ヘッド40によって基板1の塗布面1aの全てに液体3を塗布した後は、図6に示すように、塗布ヘッド40を基板1から離すことで基板1の塗布面1aへの液体3の塗布が終了する。また、塗布が終了した待機状態では、上述の塗布前の待機状態と同様に、液体3がノズル開口41近傍の液体3の液面を微振動させることで、液体3の乾燥や異物の混入による液体3の増粘化を防止することができる。なお、塗布前及び塗布後の待機状態では、ノズル開口41をキャップ部材等で塞ぐようにしてもよい。キャップ部材によってノズル開口41を塞ぐことで、ノズル開口41からの液体3の乾燥及び異物の混入を確実に防止することができる。また、塗布が終了した際には、ノズル開口41の先端近傍を例えば、紫外線やプラズマ等の照射により洗浄し、液体3のノズル開口41への濡れ性が劣化するのを防止するようにしてもよい。
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2に係るスリットコート式塗布装置の上面図である。図7に示すように、スリットコート式塗布装置10Aは、保持テーブル20の回転中心を通る同一線上に2つの塗布ヘッド40が設けられている。この2つの塗布ヘッド40からは、同一の液体3を流出させるようにしてもよく、また、異なる液体を流出させるようにしてもよい。また、2つの塗布ヘッド40を用いた液体3の塗布方法は、特に限定されず、例えば、2つの塗布ヘッド40のうち、一方の塗布ヘッド40を基板1の周縁側から回転中心に向かって移動させ、他方の塗布ヘッド40を基板1の回転中心から周縁部側に向かって移動させることで、基板1の塗布面1aの全面に亘って液体3を塗布することができる。このように2つの塗布ヘッド40を用いることで、基板1の塗布面1aの異なる点から同時に塗布を開始することができるため、塗布時間を短縮することができると共に、塗布ムラ及び乾燥ムラが発生するのを防止することができる。
図7は、本発明の実施形態2に係るスリットコート式塗布装置の上面図である。図7に示すように、スリットコート式塗布装置10Aは、保持テーブル20の回転中心を通る同一線上に2つの塗布ヘッド40が設けられている。この2つの塗布ヘッド40からは、同一の液体3を流出させるようにしてもよく、また、異なる液体を流出させるようにしてもよい。また、2つの塗布ヘッド40を用いた液体3の塗布方法は、特に限定されず、例えば、2つの塗布ヘッド40のうち、一方の塗布ヘッド40を基板1の周縁側から回転中心に向かって移動させ、他方の塗布ヘッド40を基板1の回転中心から周縁部側に向かって移動させることで、基板1の塗布面1aの全面に亘って液体3を塗布することができる。このように2つの塗布ヘッド40を用いることで、基板1の塗布面1aの異なる点から同時に塗布を開始することができるため、塗布時間を短縮することができると共に、塗布ムラ及び乾燥ムラが発生するのを防止することができる。
なお、本実施形態では、一方の塗布ヘッド40を基板1の周縁側から回転中心に向かって移動させ、他方の塗布ヘッド40を基板1の回転中心から周縁部側に向かって移動させるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、一方の塗布ヘッド40を基板1の周縁側から回転中心に向かって移動させ、この一方の塗布ヘッド40に追従するように他方の塗布ヘッド40を基板1の周縁側から回転中心に向かって移動させるようにしてもよい。これにより、一方の塗布ヘッド40によって基板1に塗布した液体3上に、他方の塗布ヘッド40によってさらに液体3を重ね塗りすることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1及び2では、基板1の塗布面1aを鉛直方向上向きとして、塗布ヘッド40のノズル開口41を鉛直方向下向きとしたが、特にこれに限定されず、例えば、塗布ヘッド40のノズル開口41を鉛直方向上向きとして、基板1の塗布面1aを鉛直方向下向きとしてもよい。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1及び2では、基板1の塗布面1aを鉛直方向上向きとして、塗布ヘッド40のノズル開口41を鉛直方向下向きとしたが、特にこれに限定されず、例えば、塗布ヘッド40のノズル開口41を鉛直方向上向きとして、基板1の塗布面1aを鉛直方向下向きとしてもよい。
また、上述した実施形態1及び2では、塗布ヘッド40をノズル開口41の長手方向が保持テーブル20の回転中心を通る線に沿うように配置したが、特にこれに限定されず、例えば、ノズル開口41の長手方向を保持テーブル20の回転中心を通る線に対して傾けて配置するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態1及び2では、塗布ヘッド40を基板1の回転中心を通る線に沿って移動させるようにしたが、塗布ヘッド40は、塗布面1aの面方向に移動されれば、特にこれに限定されない。例えば、塗布ヘッド40を基板1の回転中心を通らない基板1の塗布面1aの面内の一方向に沿って移動させるようにしてもよい。この場合、上述した実施形態1及び2の円盤状の基板1を用いた場合には、基板1の塗布面1aの全面に亘って液体3を塗布することができないが、基板1の塗布面1aにドーナツ状に液体3を塗布することができる。また、矩形状の基板を用いて、基板を保持テーブル20にその回転中心に対向しない領域に保持させた場合には、塗布ヘッド40を基板1の回転中心を通らない基板1の塗布面1aの面内の一方向に沿って移動させても、基板の塗布面の全面に亘って液体3を塗布することができる。
また、上述した実施形態1及び2では、平面状の塗布面1aを有する円盤状の基板1を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、レンズ等の曲面の塗布面を有する非平面基板に対しても本発明を実施できることは言うまでもない。
1 基板、1a 塗布面、1b 保持面、3 液体、10,10A スリットコート式塗布装置、20 保持テーブル、21 回転軸、40 塗布ヘッド、41 ノズル開口、50 貯留手段
Claims (5)
- 基板を保持する保持テーブルと、前記基板の前記保持テーブルに保持された保持面とは反対側の塗布面に相対向して液体が流出されるスリット状のノズル開口が設けられた塗布ヘッドとを具備するスリットコート式塗布装置であって、
前記保持テーブルが、当該基板の前記塗布面に直交する軸を中心として回転自在に設けられていると共に、前記塗布ヘッドの前記ノズル開口が前記基板の回転半径よりも短く形成され、且つ当該塗布ヘッドが前記基板の前記塗布面の面方向に移動自在に設けられており、前記保持テーブルを回転させながら前記塗布ヘッドを前記塗布面の面方向に移動させることで、前記基板の前記塗布面に液体を塗布することを特徴とするスリットコート式塗布装置。 - 請求項1において、前記塗布ヘッドが、前記塗布面の面方向に沿って前記基板の回転中心を通る直線上を移動自在に設けられていることを特徴とするスリットコート式塗布装置。
- 請求項2において、前記塗布ヘッドが、前記ノズル開口の長手方向が前記回転中心を通る直線上に沿って配置されていることを特徴とするスリットコート式塗布装置。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記塗布ヘッドが複数個設けられていることを特徴とするスリットコート式塗布装置。
- 基板を保持する保持テーブルと、前記基板の前記保持テーブルに保持された保持面とは反対側の塗布面に相対向して液体が流出されるスリット状のノズル開口が形成された塗布ヘッドとを具備するスリットコート式塗布方法であって、
前記保持テーブルを前記基板の前記塗布面に直交する軸を中心として回転させながら、前記ノズル開口が前記基板の回転半径よりも短く形成された前記塗布ヘッドを前記基板の前記塗布面の面方向に移動させることにより、前記基板の前記塗布面に液体を塗布することを特徴とするスリットコート式塗布方法。
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