JP2005218969A - スリットコート式塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液体の乾燥ムラやひけ等を防止して均一な塗布膜を形成することができるスリットコート式塗布装置を提供する。
【解決手段】 基板1を保持する保持テーブル20と、前記基板1の前記保持テーブル20に保持された保持面1bとは反対側の塗布面1aに相対向して液体3が流出されるスリット状のノズル開口41が設けられた塗布ヘッド40とを具備し、前記基板1と前記塗布ヘッド40とを前記塗布面1aの面方向に相対的に移動させることで、前記基板1の前記塗布面1aに液体3を塗布するスリットコート式塗布装置10であって、前記塗布ヘッド40によって前記基板1に液体3を塗布させながら、当該基板1に塗布された直後の液体3を加熱する加熱手段80を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】 基板1を保持する保持テーブル20と、前記基板1の前記保持テーブル20に保持された保持面1bとは反対側の塗布面1aに相対向して液体3が流出されるスリット状のノズル開口41が設けられた塗布ヘッド40とを具備し、前記基板1と前記塗布ヘッド40とを前記塗布面1aの面方向に相対的に移動させることで、前記基板1の前記塗布面1aに液体3を塗布するスリットコート式塗布装置10であって、前記塗布ヘッド40によって前記基板1に液体3を塗布させながら、当該基板1に塗布された直後の液体3を加熱する加熱手段80を設ける。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ノズルの先端から液体を供給し、基板の表面に液体を均一に塗布するスリットコート式塗布装置に関する。
半導体ウェハやガラス基板等の基板にレジスト材料や絶縁材料などの液体を塗布する塗布装置として、ノズルの先端から毛細管現象により液体を流出させて、基板の表面に液体を塗布するスリットコート式塗布装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、基板上に塗布された液体を乾燥させて塗布膜とするために、基板上の全面に亘って液体を塗布した後、減圧チャンバー内に基板を配置し、この減圧チャンバーによって液体の水分を除去して乾燥させて塗布膜とするスリットコータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、スリットコート式塗布装置では、基板の塗布面の全面に亘って液体を塗布した後、ホットプレート上や減圧チャンバー内に配置するまでにタイムラグが発生し、このタイムラグによって塗布ムラやひけ等が発生してしまうという問題がある。
また、特許文献2では、基板の塗布面の全面に亘って液体を塗布した後、減圧チャンバーによって液体を乾燥させているが、この場合でも、塗布された液体を乾燥させるまでにタイムラグが生じてしまうと共に、基板の全面に液体の塗布が完了していない塗布中であっても最初に塗布した液体の硬化が始まってしまい、乾燥ムラやひけ等が発生してしまうという問題がある。特に液体に含まれる溶剤が多く、粘度が比較的低い材料を用いて薄膜の塗布膜を形成する場合、このような問題が顕著に表れる。
本発明はこのような事情に鑑み、液体の乾燥ムラやひけ等を防止して均一な塗布膜を形成することができるスリットコート式塗布装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、基板を保持する保持テーブルと、前記基板の前記保持テーブルに保持された保持面とは反対側の塗布面に相対向して液体が流出されるスリット状のノズル開口が設けられた塗布ヘッドとを具備し、前記基板と前記塗布ヘッドとを前記塗布面の面方向に相対的に移動させることで、前記基板の前記塗布面に液体を塗布するスリットコート式塗布装置であって、前記塗布ヘッドによって前記基板に液体を塗布させながら、当該基板に塗布された直後の液体を加熱する加熱手段を具備することを特徴とするスリットコート式塗布装置にある。
かかる第1の態様では、基板に液体を塗布しながら、基板に塗布された直後の液体を加熱することによって、液体に乾燥ムラやひけ等が発生するのを防止して基板上に塗布膜を均一な膜厚で形成することができる。
かかる第1の態様では、基板に液体を塗布しながら、基板に塗布された直後の液体を加熱することによって、液体に乾燥ムラやひけ等が発生するのを防止して基板上に塗布膜を均一な膜厚で形成することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記加熱手段が、前記基板の塗布面側又は前記保持テーブルの前記基板とは反対側に、前記基板の前記塗布ヘッドによる前記液体の塗布方向とは交差する方向に亘って且つ前記基板の前記塗布方向の一部を加熱するように設けられていると共に、当該加熱手段と前記基板とが前記塗布面の面方向に相対的に移動自在に設けられていることを特徴とするスリットコート式塗布装置にある。
かかる第2の態様では、加熱手段と基板とを塗布面の面方向に相対的に移動させることによって、基板上に塗布された直後の液体を加熱手段によって容易に且つ確実に加熱することができる。
かかる第2の態様では、加熱手段と基板とを塗布面の面方向に相対的に移動させることによって、基板上に塗布された直後の液体を加熱手段によって容易に且つ確実に加熱することができる。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記塗布ヘッドと前記加熱手段との間には、当該加熱手段による前記液体の加熱を遮蔽する遮蔽板が設けられていることを特徴とするスリットコート式塗布装置にある。
かかる第3の態様では、遮蔽板によって塗布中の液体が加熱されるのを防止して、塗布中の液体の粘度が変わることにより塗布条件が変わるのを防止することができ、液体を均一な膜厚で塗布することができる。
かかる第3の態様では、遮蔽板によって塗布中の液体が加熱されるのを防止して、塗布中の液体の粘度が変わることにより塗布条件が変わるのを防止することができ、液体を均一な膜厚で塗布することができる。
本発明の第4の態様は、第1の態様において、前記加熱手段が前記保持テーブルに設けられていると共に、当該加熱手段による前記液体の加熱領域が前記塗布ヘッドの前記基板に対する液体の塗布方向に複数に区画されて選択的に加熱可能に設けられていることを特徴とするスリットコート式塗布装置にある。
かかる第4の態様では、保持テーブルに加熱手段を設けることによって、基板に塗布された直後の液体を容易に且つ確実に加熱することができると共に、装置自体を小型化することができる。
かかる第4の態様では、保持テーブルに加熱手段を設けることによって、基板に塗布された直後の液体を容易に且つ確実に加熱することができると共に、装置自体を小型化することができる。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記加熱手段によって加熱された液体を冷却する冷却手段を具備することを特徴とするスリットコート式塗布装置にある。
かかる第5の態様では、冷却手段によって加熱された液体を冷却することによって、液体の余熱による乾燥ムラなどが発生するのを防止することができると共に、基板の余熱による反り等の変形を防止することができる。
かかる第5の態様では、冷却手段によって加熱された液体を冷却することによって、液体の余熱による乾燥ムラなどが発生するのを防止することができると共に、基板の余熱による反り等の変形を防止することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るスリットコート式塗布装置の概略構成を示す斜視図であり、図2は、スリットコート式塗布装置の要部断面図である。図1に示すように、スリットコート式塗布装置10は、シリコンウェハ、半導体基板等の基板1が保持される保持テーブル20と、保持テーブル20の基板1側に設けられた塗布ヘッド40と、塗布ヘッド40に液体3を供給する貯留手段50と、保持テーブル20の基板1側に塗布ヘッド40と並設された加熱手段80及び冷却手段81とを具備する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るスリットコート式塗布装置の概略構成を示す斜視図であり、図2は、スリットコート式塗布装置の要部断面図である。図1に示すように、スリットコート式塗布装置10は、シリコンウェハ、半導体基板等の基板1が保持される保持テーブル20と、保持テーブル20の基板1側に設けられた塗布ヘッド40と、塗布ヘッド40に液体3を供給する貯留手段50と、保持テーブル20の基板1側に塗布ヘッド40と並設された加熱手段80及び冷却手段81とを具備する。
保持テーブル20は、鉛直方向下側の面に、基板1をその表面の液体3が塗布される塗布面1aが鉛直方向下向きとなるように保持する。この保持テーブル20による基板1の保持方法は、特に限定されず、例えば、真空ポンプ等の吸引による方法が挙げられる。なお、保持テーブル20は、例えば、図示しない駆動モータ等のテーブル駆動手段によって基板1の塗布面1aの面方向に位置決め移動自在に設けられている。
一方、保持テーブル20が保持した基板1の塗布面1a側には、塗布面1aに液体3を塗布する塗布ヘッド40と、塗布ヘッド40に供給する液体3を保持する貯留手段50とが設けられている。塗布ヘッド40には、基板1の塗布面1aに相対向する位置に貯留手段50から供給された液体3が流出されるスリット状のノズル開口41が鉛直方向上向きとなるように設けられている。また、塗布ヘッド40内には、液体溜まり部42が設けられており、この液体溜まり部42によって液体3をノズル開口41に亘って均一に充填させている。このような塗布ヘッド40では、液体溜まり部42内に液体3が充填されると、液体溜まり部42内に充填された液体3が毛細管現象によってノズル開口41の先端まで上昇するようになっている。また、ノズル開口41の先端まで上昇した液体3は、その表面張力によってノズル開口41の先端から突出した状態で保持される。なお、塗布ヘッド40は、図示しない装置本体に鉛直方向に移動自在に保持されており、塗布ヘッド40の先端と基板1の塗布面1aとの間隔は、装置本体によって液体3の動粘度、液体3の基板1への濡れ性、基板1上に塗布する液体3の所望の厚さなどによって適宜調整されるようになっている。また、この塗布ヘッド40と基板1との間隔や、保持テーブル20の移動速度(塗布速度)などが塗布条件となっている。
貯留手段50は、液体3を保持する貯留タンク51と、一端が塗布ヘッド40に接続され、他端が貯留タンク51に接続された供給管52とで構成されており、貯留タンク51の内部に貯留した液体3を供給管52を介して塗布ヘッド40に供給している。このような貯留手段50から供給された液体3は、上述のように塗布ヘッド40のノズル開口41の先端まで毛細管現象によって上昇し、ノズル開口41の先端でその表面張力によって突出した状態で保持される。そして、この突出した液体3を基板1の塗布面1aに接触させて、保持テーブル20を基板1の塗布面1aの面方向に移動することで、ノズル開口41からは液体3が徐々に流出され、液体3を基板1の塗布面1aに均一な厚さで塗布することができる。
また、保持テーブル20が保持した基板1側には、基板1の塗布面1aに塗布された直後の液体3を加熱する加熱手段80が設けられている。この加熱手段80は、電熱ヒータや紫外線を照射する紫外線照射ランプ等からなり、基板1の塗布ヘッド40による基板1への液体3の塗布方向とは交差する方向に亘って、且つ基板1の塗布ヘッド40による塗布方向の一部を加熱するように設けられている。このような加熱手段80は、塗布ヘッド40と共に図示しない装置本体に固定されており、保持テーブル20が塗布ヘッド40に対して基板1を移動させるため、加熱手段80と基板1とは塗布面1aの面方向に相対的に移動するようになっている。そして、詳しくは後述するが、塗布ヘッド40によって基板1の塗布面1aに液体3を塗布しながら、基板1の塗布面1aに塗布された直後の液体3を選択的に加熱することにより、液体3が塗布されてから乾燥までのタイムラグを短縮して液体3の塗布ムラ、乾燥ムラ及びひけ等が発生するのを防止している。これにより、基板1の塗布面1aに均一な膜厚の塗布膜3Aを形成することができる。
また、基板1の塗布面1a側には、加熱手段80の塗布ヘッド40とは反対側に冷却手段81が設けられている。冷却手段81は、加熱手段80と同様に、基板1の塗布ヘッド40による液体3の塗布方向とは交差する方向に亘って、且つ基板1の塗布ヘッド40による塗布方向の一部を冷却するように設けられている。この冷却手段81は、加熱手段80と同様に図示しない装置本体に固定されることで、冷却手段81と基板1とは塗布面1aの面方向に相対的に移動するようになっている。そして、詳しくは後述するが、冷却手段81が、加熱手段80の加熱した液体3(塗布膜3A)を選択的に冷却することによって、加熱された塗布膜3Aを常温まで冷却して、基板1の余熱による反りや、余熱による液体3の塗布ムラ及び乾燥ムラ等が生じるのを防止するようになっている。
また、加熱手段80と塗布ヘッド40との間には、塗布面1aに塗布された液体3の塗布方向の一部を覆うように遮蔽板82が設けられている。この遮蔽板82は、図示しない装置本体に固定されており、保持テーブル20が塗布ヘッド40に対して基板1を移動させても、遮蔽板82は、基板1上に塗布された塗布ヘッド40と加熱手段80との間の液体3を常に覆うようになっている。この遮蔽板82によって、加熱手段80による液体3の加熱が塗布中の液体3に及ぶのを防止して、塗布条件が変わるのを防止している。なお、塗布条件は、上述のように、液体3の粘度、液体3の基板1への濡れ性などによって適宜決定されたものであり、塗布中の液体3が加熱されると液体3の粘度が低下してしまい、常温での液体3の粘度により決定された塗布条件と変わってしまうからである。
ここで、このようなスリットコート式塗布装置10を用いたスリットコート式塗布方法について詳しく説明する。なお、図3〜図5は、スリットコート式塗布方法を示すスリットコート式塗布装置の要部断面図である。図3(a)に示すように、塗布ヘッド40のノズル開口41の先端から液体3を突出させた状態で、塗布ヘッド40と基板1の塗布面1aとの間隔を所定の間隔まで接近させる。本実施形態では、塗布ヘッド40を保持テーブル20側に移動することで、塗布ヘッド40と基板1との間隔を調整するようにした。なお、塗布ヘッド40と基板1の塗布面1aとの間隔である塗布条件は、塗布する液体3の粘度や液体3の基板1への濡れ性などに応じて適宜決定される。また、塗布ヘッド40を固定し、保持テーブル20を塗布ヘッド40側に移動することで、塗布ヘッド40と基板1との間隔を調整するようにしてもよい。勿論、塗布ヘッド40のノズル開口41の向きを鉛直方向と交差する方向としてもよい。
また、塗布ヘッド40が塗布を行う前の待機状態では、ノズル開口41の先端から液体3を完全には突出させないようにして、液体3の乾燥や異物の混入による液体3の増粘を防止するようにしてもよい。このようにノズル開口41の先端から液体3を突出させないようにするには、液体溜まり部42に液体3が充填されないようにすればよい。また、例えば、供給管52に液体3の流量を調整する給水ポンプ等の流量調整手段を設け、この流量調整手段によって液体3を液体溜まり部42に充填する、しないによってノズル開口41の先端から液体3を完全には吐出させない程度突出させる、突出させないの微振動調整をできるようにしてもよい。また、貯留手段50の保持した液体3の液面をノズル開口41の先端に対して鉛直方向に移動させることで、液面が微振動することになり、ノズル開口41の周縁等に乾燥や異物が混入することで発生する液体3の増粘化を防止することができるので、所望の液量の液体3をノズル開口41から吐出することができる。よって、増粘化した液体3がノズル開口41の周縁に付着することがない。特に、待機状態が長い場合に上記液体3の増粘防止のための対策を取ることが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、図示しないテーブル駆動手段によって保持テーブル20を基板1の塗布面1aの面方向に移動することで、塗布面1aへの液体3の塗布を開始する。そして、図4(a)に示すように、保持テーブル20をさらに移動することで、基板1の塗布面1aに塗布された液体3が加熱手段80に相対向する領域まで移動されたら、加熱手段80によって塗布面1a上の液体3を加熱することで乾燥させて塗布膜3Aとする。なお、例えば、液体3に含まれる溶剤の沸点が90℃とすると、加熱手段80は、溶剤を揮発させるために液体3が90℃となるように加熱する。このとき、遮蔽板82が塗布ヘッド40と加熱手段80との間の領域に塗布された液体3を覆って、この部分の液体3が加熱手段80によって加熱されるのを防止するため、塗布ヘッド40が塗布している最中の液体3が加熱されることがなく、塗布条件が変わるのを防止することができる。
また、図4(b)に示すように、保持テーブル20をさらに移動することで、加熱手段80によって乾燥された液体3(塗布膜3A)が、冷却手段81に相対向する領域まで移動されたら、冷却手段81が塗布膜3Aを冷却する。このとき、冷却手段81は、例えば、15〜16℃の温度で冷却することで、塗布膜3Aを常温(22〜23℃)に戻す。このように、冷却手段81によって塗布膜3Aを常温に戻すことで、基板1の熱による反りや、液体3の塗布ムラ及び乾燥ムラが生じるのを防止することができる。
そして、図5に示すように、保持テーブル20を移動して基板1の塗布面1aの全てに液体3を塗布した後、塗布ヘッド40を基板1から離すことで基板1の塗布面1aへの液体3の塗布が終了する。その後は、基板1の塗布面1aに塗布された液体3が、加熱手段80に相対向する領域まで移動し、加熱手段80が塗布面1a上の全ての液体3を加熱することで基板1の塗布面1aの全面に亘って塗布膜3Aを形成する。また、塗布が終了した待機状態では、上述の塗布前の待機状態と同様に、液体3がノズル開口41近傍の液体3の液面を微振動させることで、液体3の乾燥や異物の混入による液体3の増粘化を防止することができる。なお、塗布前及び塗布後の待機状態では、ノズル開口41をキャップ部材等で塞ぐようにしてもよい。キャップ部材によってノズル開口41を塞ぐことで、ノズル開口41からの液体3の乾燥及び異物の混入を確実に防止することができる。また、塗布が終了した際には、ノズル開口41の先端近傍を例えば、紫外線やプラズマ等の照射により洗浄し、液体3のノズル開口41への濡れ性が劣化するのを防止するようにしてもよい。
このように、塗布ヘッド40によって基板1の塗布面1aに液体3を塗布しながら、塗布面1aに塗布された直後の液体3を加熱して乾燥させて塗布膜3Aを形成することで、液体3が塗布面1aに塗布されてから、乾燥されるまでのタイムラグを無くして、液体3の乾燥ムラやひけ等が発生するのを防止して、基板1の塗布面1aに均一な膜厚で塗布膜3Aを形成することができる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係るスリットコート式塗布装置の要部断面図である。図6に示すように、スリットコート式塗布装置10Aは、基板1を保持する保持テーブル20Aと、基板1の塗布面1a側に設けられた塗布ヘッド40とを具備する。保持テーブル20Aには、基板1が保持される面側の全面に複数のベルチェ素子等の半導体冷熱素子90が設けられている。この半導体冷熱素子90は、塗布ヘッド40による液体3の塗布方向とは交差する方向に亘って、且つ塗布方向に所定の長さで複数並設されている。このような半導体冷熱素子90は、流れる電流の向きが切り替えられることによって、基板1が当接される面が加熱又は冷却されるようになっている。すなわち、本実施形態では、半導体冷熱素子90が、電流の向きによって加熱手段又は冷却手段として作用するようになっている。このような半導体冷熱素子90は、塗布方向に複数分割されることで区画されて設けられているため、基板1の各半導体冷熱素子90に相対向する領域だけを選択的に加熱又は冷却することができる。これにより、上述した実施形態1と同様に、塗布ヘッド40によって基板1の塗布面1aに液体3を塗布しながら、塗布された液体3を半導体冷熱素子90によって加熱して、塗布膜3Aを形成することができる。また、液体3が乾燥されて塗布膜3Aとなった領域は、半導体冷熱素子90によって選択的に冷却することができ、基板1の余熱による反りや、余熱による液体3の塗布ムラ及び乾燥ムラが生じるのを防止することができる。なお、半導体冷熱素子90の電流の切り替え、すなわち、加熱及び冷却の切り替えは、例えば、保持テーブル20の移動速度(塗布速度)に応じて制御されるようにすればよい。また、塗布ヘッド40が液体3を塗布している間は、基板1の塗布されている領域の半導体冷熱素子90が基板1を冷却することで、塗布条件を変えることなく液体3の塗布を行うことができる。また、本実施形態では、保持テーブル20Aに半導体冷熱素子90を設け、この半導体冷熱素子90を加熱手段及び冷却手段として作用させるようにしたため、装置自体を小型化することができる。
図6は、本発明の実施形態2に係るスリットコート式塗布装置の要部断面図である。図6に示すように、スリットコート式塗布装置10Aは、基板1を保持する保持テーブル20Aと、基板1の塗布面1a側に設けられた塗布ヘッド40とを具備する。保持テーブル20Aには、基板1が保持される面側の全面に複数のベルチェ素子等の半導体冷熱素子90が設けられている。この半導体冷熱素子90は、塗布ヘッド40による液体3の塗布方向とは交差する方向に亘って、且つ塗布方向に所定の長さで複数並設されている。このような半導体冷熱素子90は、流れる電流の向きが切り替えられることによって、基板1が当接される面が加熱又は冷却されるようになっている。すなわち、本実施形態では、半導体冷熱素子90が、電流の向きによって加熱手段又は冷却手段として作用するようになっている。このような半導体冷熱素子90は、塗布方向に複数分割されることで区画されて設けられているため、基板1の各半導体冷熱素子90に相対向する領域だけを選択的に加熱又は冷却することができる。これにより、上述した実施形態1と同様に、塗布ヘッド40によって基板1の塗布面1aに液体3を塗布しながら、塗布された液体3を半導体冷熱素子90によって加熱して、塗布膜3Aを形成することができる。また、液体3が乾燥されて塗布膜3Aとなった領域は、半導体冷熱素子90によって選択的に冷却することができ、基板1の余熱による反りや、余熱による液体3の塗布ムラ及び乾燥ムラが生じるのを防止することができる。なお、半導体冷熱素子90の電流の切り替え、すなわち、加熱及び冷却の切り替えは、例えば、保持テーブル20の移動速度(塗布速度)に応じて制御されるようにすればよい。また、塗布ヘッド40が液体3を塗布している間は、基板1の塗布されている領域の半導体冷熱素子90が基板1を冷却することで、塗布条件を変えることなく液体3の塗布を行うことができる。また、本実施形態では、保持テーブル20Aに半導体冷熱素子90を設け、この半導体冷熱素子90を加熱手段及び冷却手段として作用させるようにしたため、装置自体を小型化することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1及び2では、基板1の塗布面1aを鉛直方向下向きとして、塗布ヘッド40のノズル開口41を鉛直方向上向きとしたが、特にこれに限定されず、例えば、塗布ヘッド40のノズル開口41を鉛直方向下向きとして、基板1の塗布面1aを鉛直方向上向きとしてもよい。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1及び2では、基板1の塗布面1aを鉛直方向下向きとして、塗布ヘッド40のノズル開口41を鉛直方向上向きとしたが、特にこれに限定されず、例えば、塗布ヘッド40のノズル開口41を鉛直方向下向きとして、基板1の塗布面1aを鉛直方向上向きとしてもよい。
また、上述した実施形態1及び2では、保持テーブル20、20Aを面方向に移動させることで、保持テーブル20、20Aと塗布ヘッド40、加熱手段80、冷却手段81及び遮蔽板82とを塗布面1aの面方向に相対的に移動させるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、保持テーブル20、20Aを固定して、塗布ヘッド、加熱手段80、冷却手段81及び遮蔽板82を基板1の塗布面1aの面方向に移動させるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態2では、保持テーブル20Aの基板1を保持する面側に半導体冷熱素子90を設け、この半導体冷熱素子90を加熱手段及び冷却手段として作用させるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、保持テーブル内に配管を設け、配管内に低温又は高温の液体を流すことで、加熱手段及び冷却手段として作用させるようにしてもよい。なお、低温及び高温の液体としては、例えば、水、オイルなどを用いることができる。また、配管に流す低温及び高温の液体は、バルブ等により切り替えられるようにすればよい。
また、上述した実施形態1では、遮蔽板82を設けることで、加熱手段80によって塗布ヘッド40が塗布中の液体3が加熱されないようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、加熱手段80が塗布ヘッド40による塗布中の液体3を加熱しないように、塗布ヘッド40による塗布中の液体3に影響を及ぼさない程度間隔を空けて設けるようにすれば、遮蔽板82を設けなくてもよい。また、遮蔽板82の位置に、さらに冷却手段を設け、塗布ヘッド40が塗布中の液体3を常に常温に冷却するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態1では、加熱手段80、冷却手段81及び遮蔽板82を基板1の塗布面1a側に設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、加熱手段、冷却手段及び遮蔽板を保持テーブル20の基板1とは反対側に設け、保持テーブル20及び基板1を介して液体3を加熱及び冷却するようにしてもよい。勿論、加熱手段及び遮蔽板を基板1の塗布面1a側に設け、冷却手段を保持テーブル20の基板1とは反対側に設けるようにしてもよく、また、逆に加熱手段及び遮蔽板を保持テーブル20の基板1とは反対側に設け、冷却手段を基板1の塗布面1a側に設けるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態1及び2では、平面状の塗布面1aを有する基板1を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、レンズ等の曲面の塗布面を有する非平面基板に対しても本発明を実施できることは言うまでもない。
1 基板、1a 塗布面、3 液体、10 スリットコート式塗布装置、20 保持テーブル、40 塗布ヘッド、41 ノズル開口、50 貯留手段、80 加熱手段、81 冷却手段、82 遮蔽板、90 半導体冷熱素子
Claims (5)
- 基板を保持する保持テーブルと、前記基板の前記保持テーブルに保持された保持面とは反対側の塗布面に相対向して液体が流出されるスリット状のノズル開口が設けられた塗布ヘッドとを具備し、前記基板と前記塗布ヘッドとを前記塗布面の面方向に相対的に移動させることで、前記基板の前記塗布面に液体を塗布するスリットコート式塗布装置であって、
前記塗布ヘッドによって前記基板に液体を塗布させながら、当該基板に塗布された直後の液体を加熱する加熱手段を具備することを特徴とするスリットコート式塗布装置。 - 請求項1において、前記加熱手段が、前記基板の塗布面側又は前記保持テーブルの前記基板とは反対側に、前記基板の前記塗布ヘッドによる前記液体の塗布方向とは交差する方向に亘って且つ前記基板の前記塗布方向の一部を加熱するように設けられていると共に、当該加熱手段と前記基板とが前記塗布面の面方向に相対的に移動自在に設けられていることを特徴とするスリットコート式塗布装置。
- 請求項2において、前記塗布ヘッドと前記加熱手段との間には、当該加熱手段による前記液体の加熱を遮蔽する遮蔽板が設けられていることを特徴とするスリットコート式塗布装置。
- 請求項1において、前記加熱手段が前記保持テーブルに設けられていると共に、当該加熱手段による前記液体の加熱領域が前記塗布ヘッドの前記基板に対する液体の塗布方向に複数に区画されて選択的に加熱可能に設けられていることを特徴とするスリットコート式塗布装置。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記加熱手段によって加熱された液体を冷却する冷却手段を具備することを特徴とするスリットコート式塗布装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004029977A JP2005218969A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | スリットコート式塗布装置 |
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JP2004029977A JP2005218969A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | スリットコート式塗布装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006263687A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-10-05 | Dainippon Printing Co Ltd | 塗工方法及び装置 |
JP2009220072A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Toyota Motor Corp | 塗工ヘッドおよび塗工装置 |
JP2011194281A (ja) * | 2010-03-17 | 2011-10-06 | Asmo Co Ltd | 静電粉体塗装装置、静電粉体塗装方法及び電機子部品の製造方法 |
KR20160012870A (ko) | 2014-07-24 | 2016-02-03 | 쥬가이로 고교 가부시키가이샤 | 도포 장치 및 도포 방법 |
-
2004
- 2004-02-05 JP JP2004029977A patent/JP2005218969A/ja active Pending
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