JP2011194281A - 静電粉体塗装装置、静電粉体塗装方法及び電機子部品の製造方法 - Google Patents

静電粉体塗装装置、静電粉体塗装方法及び電機子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置の小型化を図りつつワークの温度差を小さくすることができる静電粉体塗装装置を提供する。
【解決手段】静電粉体塗装装置10は、スクリュー軸21上に載置された複数の電機子部品1を順次搬送する搬送装置11と、加熱脱脂コイル31にて電機子部品1を加熱して加熱脱脂する高周波加熱装置12と、電機子部品1と反対極性に帯電された樹脂粉体Fを電機子部品1の表面に吹き付ける塗装装置14とを備えている。また、静電粉体塗装装置10は、スクリュー軸21における電機子部品1が載置されていない非載置部が加熱脱脂コイル31を通過するときに、前記非載置部の近傍にある電機子部品1の過熱を抑制する過熱抑制装置17を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークを搬送して樹脂粉体を塗装する静電粉体塗装装置、搬送されるワークに樹脂粉体を塗装する静電粉体塗装方法、及び前記静電粉体塗装装置を用いた電機子部品の製造方法に関するものである。
従来、モータ等の回転電機の電機子を構成する電機子部品には、該電機子部品に巻装される電機子コイルとの間の絶縁処理として絶縁性の樹脂材料が塗装されたものがある。電機子部品への樹脂材料の塗装は、例えば、特許文献1に記載されているように静電粉体塗装装置を用いて行われる。
静電粉体塗装装置を用いて電機子部品に絶縁処理を施す際には、電機子部品(ワーク)は、スクリューコンベアによって各工程に搬送される。電機子部品は、まず、加熱脱脂工程に搬送される。加熱脱脂工程では、静電粉体塗装装置に備えられた加熱脱脂用の高周波誘導加熱装置によって電機子部品が加熱されて脱脂される。次いで、電機子部品は冷却工程に搬送されて送風によって冷却される。次いで、電機子部品は塗装工程に搬送されてエポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂粉体を吹き付けられる。これにより、電機子部品の表面に樹脂粉体が塗着される。次いで、電機子部品は加熱硬化工程に搬送されて静電粉体塗装装置に備えられた加熱硬化用の高周波揺動加熱装置によって加熱される。これにより、樹脂粉体が熱硬化されて電機子部品の表面に定着される。最後に、電機子部品は冷却工程に搬送されて送風によって冷却される。
特開平6−285397号公報
ここで、図8(a)に、スクリューコンベアにて搬送される複数の電機子部品を高周波誘導加熱装置によって加熱した場合における連続して搬送される複数の電機子部品のうち先頭の電機子部品と中央の電機子部品との温度差を、電機子部品の間隔を変化させて測定した結果を示す。尚、図8(b)に示すように、電機子部品101の間隔D2は、隣り合う電機子部品101同士の中心間の間隔であるとともに、電機子部品101の搬送方向の幅W3の倍数に設定している。そして、図8(a)を見ると、電機子部品の間隔D2が搬送方向に長いほど、先頭の電機子部品と中央の電機子部品との温度差が小さいことがわかる。従って、静電粉体塗装装置を小型化するために搬送される電機子部品の間隔を狭めると、高周波誘導加熱装置を用いて行われる加熱脱脂工程及び加熱硬化工程において、搬送される電機子部品同士の温度がばらつくことになる。そして、電機子部品同士で脱脂の状態や樹脂粉体の硬化の状態が異なってしまい、結果的に粉体塗装後の電機子部品ごとに品質がばらつく虞が出てくる。
また、静電粉体塗装装置を小型化するために、1つの高周波発振器で、加熱脱脂工程と加熱硬化工程とのそれぞれの工程で使用する加熱コイルに交流電源を供給することが望まれている。1つの高周波発振器で2つの加熱コイルに同時に交流電源を供給すると、加熱脱脂工程及び加熱硬化工程の両工程においてスクリューコンベア上に電機子部品が満載されている場合には、両工程において電機子部品の温度差はほとんど無い。しかしながら、加熱脱脂工程を流れる電機子部品が少なく且つ加熱硬化工程においてスクリューコンベア上に電機子部品が満載されている場合には、加熱脱脂工程を流れる電機子部品の温度が加熱硬化工程を流れる電機子部品の温度よりも高くなってしまう。同様に、加熱脱脂工程においてスクリューコンベア上に電機子部品が満載され且つ加熱硬化工程を流れる電機子部品が少ない場合には、加熱硬化工程を流れる電機子部品の温度が加熱脱脂工程を電機子部品の温度よりも高くなってしまう。また、加熱脱脂工程及び加熱硬化工程の両工程においてスクリューコンベア上に電機子部品が少ない場合には、両工程を流れる電機子部品の温度更に温度が高くなってしまう。そして、加熱脱脂工程において電機子部品の温度がばらつくと、電機子部品同士で脱脂の状態が異なってくる。また、加熱硬化工程の温度がばらつくと、樹脂粉体の硬化能力が安定しづらくなるため、電機子部品ごとに硬化の状態にばらつきが出る虞がある。その結果、製造した電機子部品ごとに品質がばらつく虞が出てくる。また、加熱脱脂工程及び加熱硬化工程において温度が高くなり過ぎると、スクリューコンベアの耐熱性に問題が生じる虞がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、装置の小型化を図りつつワークの温度差を小さくすることができる静電粉体塗装装置、静電粉体塗装方法及び電機子部品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、搬送機構上に載置された複数のワークを順次搬送する搬送手段と、加熱脱脂コイルにて前記ワークを加熱して加熱脱脂する加熱脱脂手段と、前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を前記ワークの表面に吹き付ける塗装手段と、を備えた静電粉体塗装装置であって、前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱脱脂コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱を抑制する過熱抑制手段を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、搬送機構におけるワークが載置されていない非載置部の近傍のワークが過熱されることが過熱抑制手段によって抑制される。従って、加熱脱脂コイルにてワークの加熱脱脂を行う加熱脱脂工程において、複数個ずつワークが断続的に搬送された場合であっても、ワークの温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、ワークの温度差を小さくできる。そして、過熱抑制手段によって加熱脱脂工程におけるワークの温度差を小さくできることから、ワークの搬送方向の間隔を狭くすることが可能となる。よって、ワークの搬送方向の間隔を狭くすることにより、静電粉体塗装装置を小型化することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、搬送機構上に載置された複数のワークを順次搬送する搬送手段と、前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を前記ワークの表面に吹き付ける塗装手段と、加熱硬化コイルにて前記ワークを加熱して前記樹脂粉体を硬化させる加熱硬化手段と、を備えた静電粉体塗装装置であって、前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱硬化コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱を抑制する過熱抑制手段を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、搬送機構におけるワークが載置されていない非載置部の近傍のワークが過熱されることが過熱抑制手段によって抑制される。従って、加熱硬化コイルにてワークを加熱して樹脂粉体の硬化を行う加熱硬化工程において、複数個ずつワークが断続的に搬送された場合であっても、ワークの温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、ワークの温度差を小さくできる。そして、過熱抑制手段によって加熱硬化工程におけるワークの温度差を小さくできることから、ワークの搬送方向の間隔を狭くすることが可能となる。よって、ワークの搬送方向の間隔を狭くすることにより、静電粉体塗装装置を小型化することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、搬送機構上に載置された複数のワークを順次搬送する搬送手段と、加熱脱脂コイルにて前記ワークを加熱して加熱脱脂する加熱脱脂手段と、前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を前記ワークの表面に吹き付ける塗装手段と、加熱硬化コイルにて前記ワークを加熱して前記樹脂粉体を硬化させる加熱硬化手段と、を備えた静電粉体塗装装置であって、前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱脱脂コイルを通過するときに前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱を抑制するとともに、前記非載置部が前記加熱硬化コイルを通過するときに前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱を抑制する過熱抑制手段を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、搬送機構におけるワークが載置されていない非載置部が加熱脱脂コイルを通過するときに同非載置部の近傍のワークが過熱されることが過熱抑制手段によって抑制される。従って、加熱脱脂コイルにてワークの加熱脱脂を行う加熱脱脂工程において、複数個ずつワークが断続的に搬送された場合であっても、ワークの温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、加熱脱脂工程においてワークの温度差を小さくできる。また、搬送機構におけるワークが載置されていない非載置部が加熱硬化コイルを通過するときに同非載置部の近傍のワークが過熱されることが過熱抑制手段によって抑制される。従って、加熱硬化コイルにてワークを加熱して樹脂粉体の硬化を行う加熱硬化工程において、複数個ずつワークが断続的に搬送された場合であっても、ワークの温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、加熱硬化工程においてワークの温度差を小さくできる。そして、過熱抑制手段によって加熱脱脂工程及び加熱硬化工程におけるワークの温度差を小さくできることから、ワークの搬送方向の間隔を狭くすることが可能となる。よって、ワークの搬送方向の間隔を狭くすることにより、静電粉体塗装装置を小型化することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の静電塗装粉体装置において、前記過熱抑制手段は、前記ワークの搬送方向に沿って並設され前記ワークの搬送方向とは異なる方向に進退される複数のダミー部材を有し、前記ダミー部材を前進させることにより前記ダミー部材にて前記ワークの過熱を抑制することをその要旨としている。
同構成によれば、ワークの搬送方向に沿って並設されたダミー部材を、ワークの搬送方向とは異なる方向に進退させることにより、ワークの搬送を阻害することなく容易にワークの過熱を抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の静電粉体塗装装置において、前記ダミー部材は導電性を有する金属にて形成されていることをその要旨としている。
同構成によれば、導電性を有する金属よりなるダミー部材を前進させることにより、より容易にワークの温度差を小さく抑えることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の静電粉体塗装装置において、前記ダミー部材は銅にて形成されていることをその要旨としている。
同構成によれば、銅は導電性に優れているため、この銅よりなるダミー部材を前進させることにより、更に容易にワークの温度差を小さく抑えることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の静電粉体塗装装置において、前記搬送機構上に前記ワークが満載されたときの前記ワークの間隔は、前記ワークにおける搬送方向の幅と略等しいことをその要旨としている。
同構成によれば、搬送機構上にワークが満載されたときのワークの間隔は、ワークにおける搬送方向の幅と略等しいため、搬送機構上にワークが満載されたときのワークの数を維持しつつ同搬送機構をワークの搬送方向により小型化することができる。その結果、静電粉体塗装装置をより小型化することができる。そして、非載置部の近傍のワークが過熱されることは過熱抑制手段によって抑制されるため、ワークの温度差は抑制される。従って、ワークの温度差を抑制しつつ静電粉体塗装装置をより小型化することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の静電粉体塗装装置において、前記ワークは、回転電機の電機子を構成する電機子部品であることをその要旨としている。
同構成によれば、製造された電機子部品の品質がばらつくことが抑制される。
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の静電粉体塗装装置を用いて前記ワークに前記樹脂粉体を塗装する静電粉体塗装方法であって、前記搬送手段によって搬送された前記ワークを前記加熱脱脂コイルにて加熱して加熱脱脂する加熱脱脂工程と、前記搬送手段によって搬送された前記ワークの表面に前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を吹き付ける塗装工程と、を備え、前記加熱脱脂工程では、前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱脱脂コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱が前記過熱抑制手段によって抑制されることをその要旨としている。
同方法によれば、加熱脱脂工程では、搬送機構におけるワークが載置されていない非載置部の近傍のワークが過熱されることが過熱抑制手段によって抑制される。従って、複数個ずつワークが断続的に搬送された場合であっても、ワークの温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、ワークの温度差を小さくできる。そして、過熱抑制手段によって加熱脱脂工程におけるワークの温度差を小さくできることから、ワークの搬送方向の間隔を狭くすることが可能となる。よって、搬送機構を小型化することが可能となる。ひいては、該搬送機構を備えた静電粉体塗装装置を小型化することが可能となる。
請求項10に記載の発明は、請求項2に記載の静電粉体塗装装置を用いて前記ワークに前記樹脂粉体を塗装する静電粉体塗装方法であって、前記搬送手段によって搬送された前記ワークの表面に前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を吹き付ける塗装工程と、前記搬送手段によって搬送された前記ワークを前記加熱硬化コイルにて加熱して前記樹脂粉体を硬化させる加熱硬化工程と、を備え、前記加熱硬化工程では、前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱硬化コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱が前記過熱抑制手段によって抑制されることをその要旨としている。
同方法によれば、加熱硬化工程では、搬送機構におけるワークが載置されていない非載置部の近傍のワークが過熱されることが過熱抑制手段によって抑制される。従って、複数個ずつワークが断続的に搬送された場合であっても、ワークの温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、ワークの温度差を小さくできる。そして、過熱抑制手段によって加熱硬化工程におけるワークの温度差を小さくできることから、ワークの搬送方向の間隔を狭くすることが可能となる。よって、搬送機構を小型化することが可能となる。ひいては、該搬送機構を備えた静電粉体塗装装置を小型化することが可能となる。
請求項11に記載の発明は、請求項3に記載の静電粉体塗装装置を用いて前記ワークに前記樹脂粉体を塗装する静電粉体塗装方法であって、前記搬送手段によって搬送された前記ワークを前記加熱脱脂コイルにて加熱して加熱脱脂する加熱脱脂工程と、前記搬送手段によって搬送された前記ワークの表面に前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を吹き付ける塗装工程と、前記搬送手段によって搬送された前記ワークを前記加熱硬化コイルにて加熱して前記樹脂粉体を硬化させる加熱硬化工程と、を備え、前記加熱脱脂工程では、前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱脱脂コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱が前記過熱抑制手段によって抑制され、前記加熱硬化工程では、前記非載置部が前記加熱硬化コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱が前記過熱抑制手段によって抑制されることをその要旨としている。
同方法によれば、加熱脱脂工程では、搬送機構におけるワークが載置されていない非載置部の近傍のワークが過熱されることが過熱抑制手段によって抑制される。従って、複数個ずつワークが断続的に搬送された場合であっても、ワークの温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、加熱脱脂工程においてワークの温度差を小さくできる。また、加熱硬化工程では、搬送機構におけるワークが載置されていない非載置部の近傍のワークが過熱されることが過熱抑制手段によって抑制される。従って、複数個ずつワークが断続的に搬送された場合であっても、ワークの温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、加熱硬化工程においてワークの温度差を小さくできる。そして、過熱抑制手段によって加熱脱脂工程及び加熱硬化工程におけるワークの温度差を小さくできることから、ワークの搬送方向の間隔を狭くすることが可能となる。よって、搬送機構を小型化することが可能となる。ひいては、該搬送機構を備えた静電粉体塗装装置を小型化することが可能となる。
請求項12に記載の発明は、請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の静電粉体塗装方法において、前記過熱抑制手段は、前記ワークの搬送方向に沿って並設され前記ワークの搬送方向とは異なる方向に進退される複数のダミー部材を有し、前記ダミー部材を前進させることにより前記ダミー部材にて前記ワークの過熱を抑制することをその要旨としている。
同方法によれば、ワークの搬送方向に沿って並設されたダミー部材を、ワークの搬送方向とは異なる方向に進退させることにより、ワークの搬送を阻害することなく容易にワークの過熱を抑制することができる。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の静電粉体塗装方法において、前記ダミー部材は導電性を有する金属にて形成されていることをその要旨としている。
同方法によれば、金属よりなるダミー部材を前進させることにより、より容易にワークの温度差を小さく抑えることができる。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の静電粉体塗装方法において、前記ダミー部材は銅にて形成されていることをその要旨としている。
同方法によれば、銅は導電性に優れているため、この銅よりなるダミー部材を前進させることにより、更に容易にワークの温度差を小さく抑えることができる。
請求項15に記載の発明は、請求項8に記載の静電粉体塗装装置を用いた電機子部品の製造方法であって、前記搬送手段によって搬送された前記電機子部品を前記加熱脱脂コイルにて加熱して加熱脱脂する加熱脱脂工程と、前記搬送手段によって搬送された前記電機子部品の表面に前記電機子部品と反対極性に帯電された樹脂粉体を吹き付ける塗装工程と、前記搬送手段によって搬送された前記電機子部品を前記加熱硬化コイルにて加熱して前記樹脂粉体を硬化させる加熱硬化工程と、を備え、前記加熱脱脂工程では、前記搬送機構における前記電機子部品が載置されていない非載置部が前記加熱脱脂コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記電機子部品の過熱が前記過熱抑制手段によって抑制され、前記加熱硬化工程では、前記非載置部が前記加熱硬化コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記電機子部品の過熱が前記過熱抑制手段によって抑制されることをその要旨としている。
同方法によれば、加熱脱脂工程では、搬送機構における電機子部品が載置されていない非載置部の近傍の電機子部品が過熱されることが過熱抑制手段によって抑制される。従って、複数個ずつ電機子部品が断続的に搬送された場合であっても、電機子部品の温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、加熱脱脂工程において電機子の温度差を小さくできる。また、加熱硬化工程では、搬送機構における電機子部品が載置されていない非載置部の近傍の電機子部品が過熱されることが過熱抑制手段によって抑制される。従って、複数個ずつ電機子部品が断続的に搬送された場合であっても、電機子部品の温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、加熱硬化工程において電機子部品の温度差を小さくできる。そして、過熱抑制手段によって加熱脱脂工程及び加熱硬化工程における電機子部品の温度差を小さくできることから、電機子部品の搬送方向の間隔を狭くすることが可能となる。よって、搬送機構を小型化することが可能となる。ひいては、電機子部品に樹脂粉体を塗装する静電粉体塗装装置を小型化することが可能となる。
本発明によれば、装置の小型化を図りつつワークの温度差を小さくすることができる静電粉体塗装装置、静電粉体塗装方法及び電機子部品の製造方法を提供できる。
静電粉体塗装装置の概略構成図。 (a)は電機子部品の正面図、(b)は電機子部品の側面図。 搬送装置の概略図。 高周波加熱装置の概略図。 塗装装置の概略構成図。 (a)は過熱抑制装置の平面図、(b)は過熱抑制装置の側面図。 電機子部品の重さと可変コンデンサの静電容量との関係を示すグラフ。 (a)は従来の静電粉体塗装装置において、スクリューコンベアにて搬送される電機子部品を高周波誘導加熱装置によって加熱した場合における、連続して搬送される複数の電機子部品のうち先頭の電機子部品と中央の電機子部品との温度差と、電機子部品の間隔との関係を示すグラフ、(b)は電機子部品の間隔を説明するための説明図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示す静電粉体塗装装置10は、電機子部品1に粉体塗装加工を施すための装置である。図2(a)及び図2(b)に示すように、電機子部品1は、回転電機に備えられる電機子としての回転子を構成する部品である。電機子部品1は、円柱状の回転軸2と、該回転軸2に固定された電機子コア3とから構成されている。電機子コア3は、回転軸2を中心として径方向外側に向かって放射状に延びる複数本(本実施形態では12本)のティース3aを有する。このティース3aは、図示しない電機子コイルを巻回するためのものである。そして、この電機子部品1の表面には、絶縁性を有するエポキシ樹脂を塗装する絶縁処理が施される。電機子部品1において絶縁処理が施される範囲は、ティース3aの先端面を除く電機子コア3の表面、及び回転軸2における電機子コア3の軸方向の両側となる部分(図2(a)において灰色の部分)である。
図1に示すように、静電粉体塗装装置10は、搬送装置11、高周波加熱装置12、第1の送風装置13、塗装装置14、除去装置15、第2の送風装置16及び過熱抑制装置17を備えている。
本実施形態の搬送装置11はスクリューコンベアである。図3に示すように、搬送装置11を構成する2本の樹脂製のスクリュー軸21は、互いに平行に、且つその中心軸線が水平となるように配置されている。また、各スクリュー軸21の外周面には、螺旋状の案内溝21aが形成されるとともに、各スクリュー軸21の基端部(図3において右側の端部)には、伝達プーリ22が固定されている。そして、2本のスクリュー軸21の下方には、駆動モータ23が配置されるとともに、該駆動モータ23の回転軸23aの先端部には、駆動プーリ24が固定されている。2つの伝達プーリ22及び駆動プーリ24には、無端状の駆動ベルト25が掛け渡されるとともに、該駆動ベルト25の張力は、該駆動ベルト25に接触するように配置されたテンションプーリ26によって調整されるようになっている。そして、駆動モータ23の回転駆動力は、駆動ベルト25を介して2本のスクリュー軸21に伝達され、その結果、2本のスクリュー軸21が同期して同じ方向に回転される。
図1及び図2に示すように、この搬送装置11には、スクリュー軸21の基端側(図1及び図2において右側)から電機子部品1が供給される。供給された電機子部品1は、電機子コア3が2本のスクリュー軸21間に配置されるとともに、該電機子コア3から軸方向の両側に突出した回転軸2がそれぞれ両側のスクリュー軸21の案内溝21aに嵌り込む。また、供給された電機子部品1の回転軸2は、上方から見て、2本のスクリュー軸21と直交している。そして、スクリュー軸21の回転に伴って、電機子部品1は回転軸2の中心軸線を回転中心として回転されながらスクリュー軸21の基端側から先端側へ(図1において右側から左側へ)搬送されるようになっている。尚、本実施形態の搬送装置11においては、電機子部品1が連続的に供給されることによりスクリュー軸21上に電機子部品1が満載されると、隣り合う電機子部品1間の間隔D1は、電機子部品1の幅W1(即ち電機子コア3の直径)よりも大きく且つ電機子部品1の幅W2の2倍よりも小さい値に設定されている。
図1及び図4に示すように、高周波加熱装置12は、1つの高周波発振器30、加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32を備えている。尚、図4では、スクリュー軸21を省略して図示している。加熱脱脂コイル31は、2本のスクリュー軸21の上方に配置される第1上側加熱部31aと、該第1上側加熱部31aの下方であって2本のスクリュー軸21の下方となる位置に配置される第1下側加熱部31bとを有する。また、加熱脱脂コイル31よりも搬送方向の前方側に配置された加熱硬化コイル32は、加熱脱脂コイル31と同様の形状をなしている。即ち、加熱硬化コイル32は、2本のスクリュー軸21の上方に配置される第2上側加熱部32aと、該第2上側加熱部32aの下方であって2本のスクリュー軸21の下方となるに配置される第2下側加熱部32bとを有する。そして、これらの第1上側加熱部31a、第1下側加熱部31b、第2上側加熱部32a及び第2下側加熱部32bは、全て、搬送装置11による電機子部品1の搬送方向に沿った長さが等しく形成されている。このような加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32は、それぞれ高周波加熱装置12に電気的に接続されている。そして、加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32は、高周波発振器30からから交流電源が供給されると、加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32を通過する電機子部品1を高周波誘導加熱によって加熱する。
図1に示すように、第1の送風装置13は、前記加熱脱脂コイル31と前記加熱硬化コイル32との間で、電機子部品1の搬送方向に加熱脱脂コイル31と隣り合って配置されている。そして、第1の送風装置13は、搬送装置11にて搬送される電機子部品1に向けて送風する。
塗装装置14は、前記第1の送風装置13と前記加熱硬化コイル32との間で、電機子部品1の搬送方向に第1の送風装置13と隣り合って配置されている。
図5に示すように、箱状の供給タンク41には、粉体状のエポキシ樹脂よりなる樹脂粉体Fが貯留されている。この供給タンク41の天井部には、供給口41aが形成されるとともに、該供給口41aから供給タンク41の内部に樹脂粉体Fを供給可能となっている。また、供給タンク41の側壁には、供給タンク41の内部に貯留された樹脂粉体Fを外部に導出する供給スクリュー42が装着されるとともに、該供給スクリュー42からパイプ状の第1の通路43が延びている。そして、第1の通路43の先端部には、粉体ノズル44が装着されるとともに、粉体ノズル44は、箱状の塗装カバー45の天井部に固定されて該塗装カバー45内に樹脂粉体を噴出可能となっている。尚、粉体ノズル44の内部には、樹脂粉体Fを電機子部品1と反対極性に帯電させるための電極44aが設けられている。図1に示すように、塗装カバー45は、前記第1の送風装置13と後述の除去装置15との間で2本のスクリュー軸21を覆うように設けられている。また、図5に示すように、塗装カバー45の底部であって搬送される電機子部品1の下方となる位置からパイプ状の第2の通路46が延びるとともに、該第2の通路46の先端部は、略筒状の回収部47の側壁に接続されている。第2の通路46は、塗装カバー45と回収部47とを連通している。また、回収部47の下端部には、該回収部47と前記供給タンク41とを連通するパイプ状の第3の通路48が設けられる一方、回収部47の上端部には廃材となった樹脂粉体Fを回収する集塵機49に接続されるパイプ状の第4の通路50が設けられている。
図1に示すように、除去装置15は、塗装装置14と加熱硬化コイル32との間で、塗装装置14と電機子部品1の搬送方向に隣り合って配置されている。そして、除去装置15は、2本のスクリュー軸21の上方に配置された清掃ベルト61を備えている。この清掃ベルト61は、該清掃ベルト61の下方を搬送される電機子部品1の電機子コア3に接触しながら回転されることにより、電機子コア3の外周面(即ちティース3aの先端面)に付着した樹脂粉体Fを除去する。
第2の送風装置16は、加熱硬化コイル32と電機子部品1の搬送方向に隣り合って配置されるとともに、第1の送風装置13と同様に、搬送装置11にて搬送される電機子部品1に向けて送風する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、過熱抑制装置17は、複数のダミー部材71と、ダミー部材駆動装置72と、光センサ73(検知手段)と、コントローラ74(認識手段及び制御手段)とを備えている。
複数のダミー部材71は、導電性を有する銅よりなるとともに、四角形の板状をなしている。また、各ダミー部材71の大きさは、電機子部品1の大きさに応じた大きさに設定されている。例えば、本実施形態の各ダミー部材71は、その幅W2が電機子部品1の幅W1(電機子コア3の直径に同じ)よりも若干大きな値に設定されるとともに、その長さが電機子部品1の軸方向の長さと略等しく形成されている。また、ダミー部材71には、冷却回路71aが設けられている。
複数のダミー部材71は、その幅方向が電機子部品1の搬送方向と一致するように、加熱脱脂コイル31の側方及び加熱硬化コイル32の側方で電機子部品1の搬送方向(スクリュー軸21の軸方向に同じ)に沿って並設されている。詳しくは、図1に示すように、複数のダミー部材71のうちの4分の1は、前記第1上側加熱部31aと2本のスクリュー軸21との間に挿入可能に配置されるとともに、複数のダミー部材71のうち別の4分の1は、第1下側加熱部31bと2本のスクリュー軸21との間に挿入可能に配置されている。また、複数のダミー部材71のうち別の4分の1は、第2上側加熱部32aと2本のスクリュー軸21との間に挿入可能に配置されるとともに、複数のダミー部材71のうち残り4分の1は、第2下側加熱部32bと2本のスクリュー軸21との間に挿入可能に配置されている。そして、第1上側加熱部31aとスクリュー軸21との間に配置されたダミー部材71の下方をスクリュー軸21に搬送される電機子部品1が通過可能であるとともに、第2上側加熱部32aとスクリュー軸21との間に配置されたダミー部材71の下方をスクリュー軸21に搬送される電機子部品1が搬送可能である。
図6(a)に示すように、前記ダミー部材駆動装置72は、2本のスクリュー軸21の中心軸線を含む一平面と平行な面内で電機子部品1の搬送方向と直交する方向に沿って複数のダミー部材71をそれぞれ前進・後退させる。
また、前記光センサ73は周知の光センサである。図6(b)に示すように、光センサ73は、スクリュー軸21の基端部の上方に配置されて、スクリュー軸21の基端部上に電機子部品1が有るか無いかを検知する。そして、光センサ73は、その検知結果をコントローラ74に出力する。
そして、ダミー部材駆動装置72及び光センサ73は、前記コントローラ74に電気的に接続されている。コントローラ74は、光センサ73から入力される検知結果に応じて、ダミー部材駆動装置72を制御する。
また、コントローラ74には、搬送される電機子部品1とダミー部材71との間の距離L及びダミー部材71を前進・後退させるタイミングを設定するための調節つまみ75が電気的に接続されている。この調節つまみ75には図示しない可変コンデンサが使用されている。そして、調節つまみ75が操作されると、前記可変コンデンサの静電容量が変化するようになっている。本実施形態では、複数種類の重さの電機子部品1が加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32を通過するときに該電機子部品1の温度が240°となるときの、調節つまみ75の可変コンデンサの静電容量を予め測定した結果に基づいて、調節つまみ75の可変コンデンサの静電容量と電機子部品1の重さとが関連付けられている。例えば、図7に示すように、調節つまみ75は、電機子部品1の重さが重いほど可変コンデンサの静電容量を大きくするように操作される。尚、本実施形態の過熱抑制装置17は、25gから350gの重さの電機子部品1に対応してダミー部材71と搬送される電機子部品1との間の距離L及びダミー部材71を前進・進退させるタイミングが設定されている。
そして、コントローラ74は、調節つまみ75の可変コンデンサの静電容量に応じて、搬送される電機子部品1とダミー部材71との間の距離L及びダミー部材71を前進・後退させるタイミングを、該調節つまみ75の可変コンデンサの静電容量に応じて変化させる。即ち、コントローラ74は、加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32を通過する電機子部品1の温度が240℃となるように、電機子部品1の重さに応じて、通過する電機子部品1とダミー部材71との間の距離L、及びダミー部材71を前進・後退させるタイミングを設定する。
次に、上記の静電粉体塗装装置10を用いて行われる電機子部品1の製造方法を説明する。
まず、図6(a)に示すように、エポキシ樹脂を塗装する電機子部品1の重さに応じて、過熱抑制装置17の調節つまみ75が操作される。また、図3に示すように、駆動モータ23が駆動されてスクリュー軸21が作動される。そして、スクリュー軸21の基端部(図1において上段の右側の端部)に電機子部品1が供給されるとともに、供給された電機子部品1の回転軸2がスクリュー軸21の案内溝21aに嵌り込む。電機子部品1は、回転軸2の中心軸線を回転中心として回転されながらスクリュー軸21の先端側(図1において下段の左側の端)に向かって搬送されていく。また、図6(a)に示すように、過熱抑制装置17の光センサ73は、スクリュー軸21の基端部上に電機子部品1が有るか無いかを検知するとともに、その検知結果を過熱抑制装置17のコントローラ74に出力する。スクリュー軸21の基端部に連続的に電機子部品1が供給されている場合には、光センサ73は、スクリュー軸21の基端部上に電機子部品1が有ることを連続的に検知する。一方、スクリュー軸21の基端部への電機子部品1が途切れた場合には、連続的に電機子部品1が供給されていれば電機子部品1があるはずの場所に電機子部品1が存在しないため、スクリュー軸21の基端部上に電機子部品1が無いことを検知する。尚、連続的に電機子部品1が供給されていれば電機子部品1があるはずの場所は、スクリュー軸21における電機子部品1が載置されていない非載置部Nに該当する。
そして、コントローラ74は、光センサ73が検知結果を出力する度に、スクリュー軸21の回転数をカウントするとともに、このスクリュー軸21の回転数のカウント値に基づいて、搬送される電機子部品1の位置、及びスクリュー軸21上で電機子部品1が載置されていない非載置部N(即ち連続に電機子部品1が供給されていれば電機子部品1があるはずの場所)の位置を認識する。尚、スクリュー軸21のカウント数は、例えば、駆動モータ23の内部に設けられたホールIC(図示略)と回転軸23aと一体回転されるマグネット(図示略)とを用いて回転軸23aの回転数から算出される。
図1に示すように、スクリュー軸21にて搬送される電機子部品1は、まず、加熱脱脂工程に送られる。加熱脱脂工程では、電機子部品1は、搬送装置11にて搬送されながら、高周波発振器30から交流電源が供給される加熱脱脂コイル31を通過する。尚、高周波発振器30は、後述の加熱硬化工程に使用される加熱硬化コイル32にも加熱脱脂コイル31と同様に交流電源を供給している。そして、電機子部品1は、第1上側加熱部31aと第1下側加熱部31bとの間を通過することにより高周波誘導加熱により加熱されて、脱脂処理がなされる。
この加熱脱脂工程においては、図6(a)及び図6(b)に示すように、過熱抑制装置17のコントローラ74が、スクリュー軸21において電機子部品1が載置されていない非載置部Nが加熱脱脂コイル31を通過するときに、同非載置部Nを覆うようにダミー部材71を前進させるべくダミー部材駆動装置72を制御する。即ち、コントローラ74は、スクリュー軸21における非載置部Nが加熱脱脂コイル31に差し掛かると、ダミー部材駆動装置72を制御してダミー部材71を前進させる。同時に、コントローラ74は、前進させたダミー部材71の冷却回路71aを駆動するようにダミー部材駆動装置72を制御する。また、コントローラ74は、前進させたダミー部材71の下方若しくは上方を非載置部Nが通過すると、ダミー部材駆動装置72を制御して当該ダミー部材71を後退させる。
従って、加熱脱脂工程において、複数個ずつ電機子部品1が断続的に搬送されていても、擬似的に連続して電機子部品1が搬送されている状態(スクリュー軸21上に電機子部品1が満載されている状態)に近づけることができる。これにより、加熱脱脂コイル31による高周波はダミー部材71にも分散して照射されるため、スクリュー軸21上に電機子部品1が満載されていない場合であっても、加熱脱脂コイル31による高周波が非載置部Nの近傍にある電機子部品1に集中して照射されることが抑制される。そして、前進したダミー部材71によって、非載置部Nの近傍にある電機子部品1が過熱されることが抑制されるとともに、加熱脱脂工程において、搬送される電機子部品1の温度を所望の温度に維持しやすくなる。よって、搬送される各電機子部品1における加熱脱脂コイル31による加熱の状態を同様の状態とすることができる。
次に、図1に示すように、電機子部品1は第1冷却工程に送られる。第1冷却工程では、第1の送風装置13が電機子部品1に向けて送風することにより、電機子部品1が冷却される。
次に、電機子部品1は塗装工程に送られる。塗装工程では、電機子部品1は、搬送装置11によって塗装装置14の塗装カバー45内に搬送される。図5に示すように、塗装装置14では、供給スクリュー42の作用によって供給タンク41から第1の通路43を介して粉体ノズル44に樹脂粉体Fが供給される。そして、粉体ノズル44は、圧縮空気と共に下方の電機子部品1に向けて樹脂粉体Fを吹き付ける。このとき、電極44aには、塗装カバー45内を搬送される電機子部品1とは反対極性の電圧が印加されており、これにより、粉体ノズル44から噴射された樹脂粉体Fは正又は負に帯電した状態となっている。例えば、粉体ノズル44に正の電圧が印加される一方、電機子部品1は該電機子部品1の側方に設けられたガイド部材Gを介して電気的に接地されている。従って、電機子部品1の表面に樹脂粉体Fが付着する。尚、このガイド部材Gは、電機子部品1の軸方向の両側で搬送方向に延びる一対の棒状の部材である。そして、電機子部品1は、スクリュー軸21によって搬送されつつガイド部材Gに摺接されることによりガイド部材Gを介して接地されている。また、電機子部品1は、スクリュー軸21の回転に伴って回転軸2の中心軸線を回転中心として回転されているため、塗装カバー45内を搬送される間にその表面の360°の範囲に亘って樹脂粉体Fが付着する。
尚、塗装カバー45内で電機子部品1に付着せずに落下した樹脂粉体Fは、第3の通路48を通って回収部47に移動される。更に、回収部47に移動された樹脂粉体Fのうち、粒度の小さい樹脂粉体Fは、第4の通路50を介して集塵機49にて回収されて廃却される。一方、回収部47に移動した樹脂粉体Fのうち比較的粒度の大きい樹脂粉体Fは、第3の通路48を通って供給タンク41に移動される。
次に、図1に示すように、電機子部品1は除去工程に送られる。除去工程では、除去装置15の清掃ベルト61が回転しながら電機子コア3の外周面(ティース3aの先端面)に接触する。これにより、電機子コア3の外周面に付着した樹脂粉体Fが除去される。
次に、電機子部品1は加熱硬化工程に送られる。電機子部品1は、搬送装置11にて搬送されながら、高周波発振器30から交流電源が供給される加熱硬化コイル32を通過する。そして、電機子部品1は、第2上側加熱部32aと第2下側加熱部32bとの間を通過することにより高周波誘導加熱により加熱される。すると、電機子部品1の表面に付着した樹脂粉体Fが硬化され、その結果、電機子部品1の表面の所定の領域にエポキシ樹脂の絶縁膜が形成される。
この加熱硬化工程においては、前記加熱脱脂工程と同様に、過熱抑制装置17のコントローラ74が、スクリュー軸21において電機子部品1が載置されていない非載置部Nが加熱硬化コイル32を通過するときに、同非載置部Nを覆うようにダミー部材71を前進させるべくダミー部材駆動装置72を制御する。即ち、コントローラ74は、スクリュー軸21における非載置部Nが加熱硬化コイル32に差し掛かると、ダミー部材駆動装置72を制御してダミー部材71を前進させる。同時に、コントローラ74は、前進させたダミー部材71の冷却回路71aを駆動するようにダミー部材駆動装置72を制御する。また、コントローラ74は、前進させたダミー部材71の下方若しくは上方を非載置部Nが通過すると、ダミー部材駆動装置72を制御して当該ダミー部材71を後退させる。
従って、加熱硬化工程において、複数個ずつ電機子部品1が断続的に搬送されていても、擬似的に連続して電機子部品1が搬送されている状態(スクリュー軸21上に電機子部品1が満載されている状態)に近づけることができる。これにより、加熱硬化コイル32による高周波はダミー部材71にも分散して照射されるため、スクリュー軸21上に電機子部品1が満載されていない場合であっても、加熱硬化コイル32による高周波が非載置部Nの近傍にある電機子部品1に集中して照射されることが抑制される。そして、前進したダミー部材71によって、非載置部Nの近傍にある電機子部品1が過熱されることが抑制されるとともに、加熱硬化工程において、搬送される電機子部品1の温度を所望の温度に維持しやすくなる。よって、搬送される各電機子部品1における加熱硬化コイル32による加熱の状態を同様の状態とすることができる。
次に、電機子部品1は第2冷却工程に送られる。第2冷却工程では、第2の送風装置16が電機子部品1に向けて送風することにより、電機子部品1が冷却される。この第2冷却工程が終了すると、静電粉体塗装装置10による電機子部品1へのエポキシ樹脂の塗装が完了する。そして、電機子部品1は、スクリュー軸21の先端から静電粉体塗装装置10の外部へ排出される。
上記したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を有する。
(1)スクリュー軸21における電機子部品1が載置されていない非載置部Nが加熱脱脂コイル31を通過するときに同非載置部Nの近傍の電機子部品1が過熱されることが過熱抑制装置17によって抑制される。従って、加熱脱脂コイル31にて電機子部品1の加熱脱脂を行う加熱脱脂工程において、複数個ずつ電機子部品1が断続的に搬送された場合であっても、電機子部品1の温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、加熱脱脂工程において電機子部品1の温度差を小さくできる。また、非載置部Nが加熱硬化コイル32を通過するときに同非載置部Nの近傍の電機子部品1が過熱されることが過熱抑制装置17によって抑制される。従って、加熱硬化コイル32にて電機子部品1を加熱して樹脂粉体Fの硬化を行う加熱硬化工程において、複数個ずつ電機子部品1が断続的に搬送された場合であっても、電機子部品1の温度を所望の温度に維持しやすくなる。その結果、加熱硬化工程において電機子部品1の温度差を小さくできる。そして、過熱抑制装置17によって加熱脱脂工程及び加熱硬化工程における電機子部品1の温度差を小さくできることから、電機子部品1の搬送方向の間隔を狭くすることが可能となる。よって、電機子部品1の搬送方向の間隔を狭くすることにより、スクリュー軸21を搬送方向に小型化することが可能となるとともに、ひいては静電粉体塗装装置10を小型化することが可能となる。
(2)過熱抑制装置17に備えられる複数のダミー部材71は、2本のスクリュー軸21の中心軸線を含む一平面と平行な面内で電機子部品1の搬送方向と直交する方向に沿って前進・後退される。そして、前進されたダミー部材71が、非載置部Nの近傍の電機子部品1の過熱を抑制する。従って、電機子部品1の搬送を阻害することなく容易に電機子部品1の過熱を抑制することができる。
(3)銅は導電性に優れているため、この銅よりなるダミー部材71を前進・後退させることにより、連続して電機子部品1が搬送されている状態により近い状態を擬似的に形成することができる。その結果、より容易に電機子部品1の温度差を小さく抑えることができる。
(4)過熱抑制装置17では、光センサ73にて非載置部Nを検知すると、コントローラ74が該非載置部Nの位置を認識するとともに認識した位置に応じてダミー部材71を進退させるべくダミー部材駆動装置72を制御する。このように、非載置部Nの位置に応じてダミー部材71の進退を制御することにより、電機子部品1の温度差を小さくするために効果的にダミー部材71を進退させることができる。
(5)ダミー部材71には冷却回路71aが設けられているため、ダミー部材71が前進された場合には、該冷却回路71aによって非載置部Nの近傍の温度上昇が抑制される。
(6)1つの高周波発振器30にて加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32に交流電源を供給するため、各コイル31,32に対応してそれぞれ高周波発振器を設ける場合に比べて、静電粉体塗装装置10を小型化することができる。尚、過熱抑制装置17によって電機子部品1の温度差が小さく抑えられるため、1つの高周波発振器30にて加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32の両コイルに電源を供給する構成であっても製造された電機子部品1の品質のばらつきは抑制される。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、電機子部品1は、回転電機に備えられる電機子としての回転子を構成する部品である。しかしながら、静電粉体塗装装置10は、回転電機に備えられる電機子としての固定子に樹脂粉体Fを塗装するために用いられてもよい。また、静電粉体塗装装置10は、電機子以外の被塗装物への樹脂粉体Fの塗装に用いられてもよい。
・スクリュー軸21上に電機子部品1が満載されたときの電機子部品1の間隔D1を、電機子部品1における搬送方向の幅と略等しい値に設定してもよい。このようにすると、スクリュー軸21上に電機子部品1が満載されたときの電機子部品1の数を維持しつつ同スクリュー軸21を電機子部品1の搬送方向により小型化することができる。その結果、静電粉体塗装装置10をより小型化することができる。そして、スクリュー軸21における非載置部Nの近傍の電機子部品1が過熱されることは過熱抑制装置17によって抑制されるため、電機子部品1の温度差は抑制される。従って、電機子部品1の温度差を抑制しつつ静電粉体塗装装置10をより小型化することができる。
・ダミー部材71は、銅に限らず、導電性を有する金属材料にて形成されればよい。例えば、ダミー部材71は導電性を有する金属(鋼鉄等)にて形成されてもよい。このようにしても、ダミー部材71を前進させることにより、容易にワークの温度差を小さく抑える事ができる。また、ダミー部材71から冷却回路71aを省略してもよい。
・上記実施形態では、ダミー部材71は、2本のスクリュー軸21の中心軸線を含む一平面と平行な面内で電機子部品1の搬送方向と直交する方向に沿って前進・後退される。しかしながら、ダミー部材71の移動方向はこれに限らない。ダミー部材71は、加熱脱脂コイル31若しくは加熱硬化コイル32による電機子部品1の過熱を抑制するように、電機子部品1の搬送方向とは異なる方向に前進・後退されればよい。
・上記実施形態では、加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32の両方にそれぞれダミー部材71が配置されている。しかしながら、加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32の何れか一方のコイルのみに対応してダミー部材71を配置してもよい。このようにしても、ダミー部材71が配置されたコイルを用いて行う工程において、搬送される電機子部品1の温度差を減少させることができる。
・上記実施形態では、加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32の両方のコイルを1つの高周波発振器30にて交流電源を供給している。しかし、加熱脱脂コイル31及び加熱硬化コイル32には、それぞれ別の高周波発振器によって交流電源を供給してもよい。
・上記実施形態では、電機子部品1の表面に塗装する樹脂粉体Fは、エポキシ樹脂である。しかしながら、樹脂粉体Fは、絶縁性及び熱硬化性を有する樹脂材料であればエポキシ樹脂以外の樹脂材料でもよい。
上記実施形態及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項4乃至請求項6に記載の静電粉体塗装装置において、前記過熱抑制手段は、前記非載置部を検知する検知手段と、前記検知手段にて前記非載置部が検知されると前記非載置部の位置を認識する認識手段と、前記非載置部の位置に応じて前記ダミー部材を進退させる制御手段と、を有することを特徴とする静電粉体塗装装置。同構成によれば、非載置部の位置に応じてダミー部材の進退を制御することにより、ワークの温度差を小さくするために効果的にダミー部材を進退させることができる。
(ロ)請求項4乃至請求項6及び前記(イ)の何れか1項に記載の静電粉体塗装装置において、前記ダミー部材には冷却回路が設けられていることを特徴とする静電粉体塗装装置。同構成によれば、冷却回路によって非載置部の近傍の温度上昇が抑制される。
(ハ)請求項4乃至請求項6、前記(イ)及び前記(ロ)の何れか1項に記載の静電粉体塗装装置において、前記加熱脱脂コイル及び前記加熱硬化コイルに交流電源を供給する1つの高周波発振器を備えたことを特徴とする静電粉体塗装装置。同構成によれば、1つの高周波発振器にて加熱脱脂コイル及び加熱硬化コイルに交流電源を供給するため、各コイルに対応してそれぞれ高周波発振器を設ける場合に比べて、静電粉体塗装装置を小型化することができる。
1…ワークとしての電機子部品、10…静電粉体塗装装置、11…搬送手段としての搬送装置、12…加熱脱脂手段及び加熱硬化手段としての高周波加熱装置、14…塗装手段としての塗装装置、17…過熱抑制手段としての過熱抑制装置、21…搬送機構としてのスクリュー軸、31…加熱脱脂コイル、32…加熱硬化コイル、71…ダミー部材、D1…ワークの間隔としての電機子部品の間隔、F…樹脂粉体、N…非載置部、W1…ワークの幅としての電機子部品の幅。

Claims (15)

  1. 搬送機構上に載置された複数のワークを順次搬送する搬送手段と、
    加熱脱脂コイルにて前記ワークを加熱して加熱脱脂する加熱脱脂手段と、
    前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を前記ワークの表面に吹き付ける塗装手段と、
    を備えた静電粉体塗装装置であって、
    前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱脱脂コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱を抑制する過熱抑制手段を備えたことを特徴とする静電粉体塗装装置。
  2. 搬送機構上に載置された複数のワークを順次搬送する搬送手段と、
    前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を前記ワークの表面に吹き付ける塗装手段と、
    加熱硬化コイルにて前記ワークを加熱して前記樹脂粉体を硬化させる加熱硬化手段と、
    を備えた静電粉体塗装装置であって、
    前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱硬化コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱を抑制する過熱抑制手段を備えたことを特徴とする静電粉体塗装装置。
  3. 搬送機構上に載置された複数のワークを順次搬送する搬送手段と、
    加熱脱脂コイルにて前記ワークを加熱して加熱脱脂する加熱脱脂手段と、
    前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を前記ワークの表面に吹き付ける塗装手段と、
    加熱硬化コイルにて前記ワークを加熱して前記樹脂粉体を硬化させる加熱硬化手段と、
    を備えた静電粉体塗装装置であって、
    前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱脱脂コイルを通過するときに前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱を抑制するとともに、前記非載置部が前記加熱硬化コイルを通過するときに前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱を抑制する過熱抑制手段を備えたことを特徴とする静電粉体塗装装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の静電塗装粉体装置において、
    前記過熱抑制手段は、前記ワークの搬送方向に沿って並設され前記ワークの搬送方向とは異なる方向に進退される複数のダミー部材を有し、前記ダミー部材を前進させることにより前記ダミー部材にて前記ワークの過熱を抑制することを特徴とする静電粉体塗装装置。
  5. 請求項4に記載の静電粉体塗装装置において、
    前記ダミー部材は導電性を有する金属にて形成されていることを特徴とする静電粉体塗装装置。
  6. 請求項5に記載の静電粉体塗装装置において、
    前記ダミー部材は銅にて形成されていることを特徴とする静電粉体塗装装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の静電粉体塗装装置において、
    前記搬送機構上に前記ワークが満載されたときの前記ワークの間隔は、前記ワークにおける搬送方向の幅と略等しいことを特徴とする静電粉体塗装装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の静電粉体塗装装置において、
    前記ワークは、回転電機の電機子を構成する電機子部品であることを特徴とする静電粉体塗装装置。
  9. 請求項1に記載の静電粉体塗装装置を用いて前記ワークに前記樹脂粉体を塗装する静電粉体塗装方法であって、
    前記搬送手段によって搬送された前記ワークを前記加熱脱脂コイルにて加熱して加熱脱脂する加熱脱脂工程と、
    前記搬送手段によって搬送された前記ワークの表面に前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を吹き付ける塗装工程と、を備え、
    前記加熱脱脂工程では、前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱脱脂コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱が前記過熱抑制手段によって抑制されることを特徴とする静電粉体塗装方法。
  10. 請求項2に記載の静電粉体塗装装置を用いて前記ワークに前記樹脂粉体を塗装する静電粉体塗装方法であって、
    前記搬送手段によって搬送された前記ワークの表面に前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を吹き付ける塗装工程と、
    前記搬送手段によって搬送された前記ワークを前記加熱硬化コイルにて加熱して前記樹脂粉体を硬化させる加熱硬化工程と、を備え、
    前記加熱硬化工程では、前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱硬化コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱が前記過熱抑制手段によって抑制されることを特徴とする静電粉体塗装方法。
  11. 請求項3に記載の静電粉体塗装装置を用いて前記ワークに前記樹脂粉体を塗装する静電粉体塗装方法であって、
    前記搬送手段によって搬送された前記ワークを前記加熱脱脂コイルにて加熱して加熱脱脂する加熱脱脂工程と、
    前記搬送手段によって搬送された前記ワークの表面に前記ワークと反対極性に帯電された樹脂粉体を吹き付ける塗装工程と、
    前記搬送手段によって搬送された前記ワークを前記加熱硬化コイルにて加熱して前記樹脂粉体を硬化させる加熱硬化工程と、を備え、
    前記加熱脱脂工程では、前記搬送機構における前記ワークが載置されていない非載置部が前記加熱脱脂コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱が前記過熱抑制手段によって抑制され、
    前記加熱硬化工程では、前記非載置部が前記加熱硬化コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記ワークの過熱が前記過熱抑制手段によって抑制されることを特徴とする静電粉体塗装方法。
  12. 請求項9乃至請求項11の何れか1項に記載の静電粉体塗装方法において、
    前記過熱抑制手段は、前記ワークの搬送方向に沿って並設され前記ワークの搬送方向とは異なる方向に進退される複数のダミー部材を有し、前記ダミー部材を前進させることにより前記ダミー部材にて前記ワークの過熱を抑制することを特徴とする静電粉体塗装方法。
  13. 請求項12に記載の静電粉体塗装方法において、
    前記ダミー部材は導電性を有する金属にて形成されていることを特徴とする静電粉体塗装方法。
  14. 請求項13に記載の静電粉体塗装方法において、
    前記ダミー部材は銅にて形成されていることを特徴とする静電粉体塗装方法。
  15. 請求項8に記載の静電粉体塗装装置を用いた電機子部品の製造方法であって、
    前記搬送手段によって搬送された前記電機子部品を前記加熱脱脂コイルにて加熱して加熱脱脂する加熱脱脂工程と、
    前記搬送手段によって搬送された前記電機子部品の表面に前記電機子部品と反対極性に帯電された樹脂粉体を吹き付ける塗装工程と、
    前記搬送手段によって搬送された前記電機子部品を前記加熱硬化コイルにて加熱して前記樹脂粉体を硬化させる加熱硬化工程と、を備え、
    前記加熱脱脂工程では、前記搬送機構における前記電機子部品が載置されていない非載置部が前記加熱脱脂コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記電機子部品の過熱が前記過熱抑制手段によって抑制され、
    前記加熱硬化工程では、前記非載置部が前記加熱硬化コイルを通過するときに、前記非載置部の近傍にある前記電機子部品の過熱が前記過熱抑制手段によって抑制されることを特徴とする電機子部品の製造方法。
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