JP2019003913A - エナメル線の製造方法および製造装置 - Google Patents
エナメル線の製造方法および製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019003913A JP2019003913A JP2017120127A JP2017120127A JP2019003913A JP 2019003913 A JP2019003913 A JP 2019003913A JP 2017120127 A JP2017120127 A JP 2017120127A JP 2017120127 A JP2017120127 A JP 2017120127A JP 2019003913 A JP2019003913 A JP 2019003913A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal wire
- wire
- manufacturing
- light
- metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
Abstract
【課題】金属線材の表面の洗浄ムラや損傷を引き起こすことなく、かつ金属線材の表面に有する絶縁被覆に発泡が生じにくい方法で伸線によって金属線材に付着する異物を好適に取り除くことが可能なエナメル線の製造方法および製造装置を提供する。【解決手段】エナメル線の製造方法は、伸線ダイスによって伸線された金属線材に対して、前記金属線材に付着した潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ光を照射する工程を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、エナメル線の製造方法および製造装置に関する。
例えば、モータや変圧器などの電気機器のコイルには、導体の外周を被覆するように絶縁被覆を設けたエナメル線が使用されている。このエナメル線は、例えば、導体となる金属線材を伸線ダイスに導入して伸線する工程と、伸線した金属線材の周囲に絶縁塗料を塗布・加熱して絶縁被覆を形成する工程とを、金属線材を搬送しながら行うことで、連続的に作製される。
エナメル線の作製において、伸線された金属線材の表面には、伸線ダイスとの摩擦を低減するために使用された潤滑剤や、伸線の際に伸線ダイスとの摩擦により生じたダイスカス(例えば金属粉)などが異物として付着しているため、絶縁被覆を形成する前に、これら異物を除去する必要がある。線材表面に異物が残存していると、例えば、異物が絶縁被覆中に混入して欠陥を生じさせたり、絶縁塗料の塗布ダイスに混入して目詰まりを生じさせたりするおそれがある。
この洗浄方法としては、例えば、ブラシが設けられたハウジング内に金属線材を導入し、このハウジング内に空気を導入してブラシを回転させることにより、金属線材の表面を洗浄する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また例えば、金属線材を洗浄液中に導入して超音波洗浄するとともに、ブラシで洗浄する方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。また例えば、一対のローラを互いに接触するように配置し、このローラ間に金属線材を通過させて、各ローラに異物を転写して取り除く方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
しかしながら、上記洗浄方法では、以下のような問題点がある。すなわち、特許文献1〜3のようにブラシやローラなどを金属線材に接触させると、その表面に傷がついてしまうことがある。また、特許文献2のように洗浄液中に金属線材を通過させると、洗浄液が表面に残存してしまうことがある。また、特許文献1のようにブラシのみで洗浄する場合、金属粉などを除去できても、潤滑油などの潤滑剤を十分に洗浄できないため、洗浄ムラが生じるおそれがある。また、特許文献3のようにローラで金属線材を一方向のみに洗浄する場合、ある領域では異物が除去されずに残存してしまうといったように洗浄ムラが生じるおそれがある。
また、上記以外の洗浄方法としては、有機溶剤によって金属線材の表面を洗浄した後に金属線材を焼鈍して加熱して金属線材の表面に付着した有機溶剤を蒸発させるような洗浄方法も考えられる。しかしながら、このような洗浄方法では、有機溶剤の使用によってVOC(Volatile Organic Compounds)が発生することや、焼鈍した後に金属線材を水冷却などで冷却することによって金属線材の表面に水分が付着し、この水分を含む金属線材の表面に形成された絶縁被覆に発泡が発生すること等が懸念される。
したがって、本発明の目的は、金属線材の表面の洗浄ムラや損傷を引き起こすことなく、かつ金属線材の表面に有する絶縁被覆に発泡が生じにくい方法で伸線によって金属線材に付着する異物を好適に取り除くことが可能なエナメル線の製造方法および製造装置を提供することである。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記のエナメル線の製造方法およびエナメル線の製造装置を提供する。
[1]伸線ダイスによって伸線された金属線材に対して、前記金属線材に付着した潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ光を照射する工程を有するエナメル線の製造方法。
[2]前記光は、近赤外線である上記[1]に記載のエナメル線の製造方法。
[3]前記光は、レーザ光である上記[1]に記載のエナメル線の製造方法。
[4]伸線ダイスによって伸線された金属線材に対して、前記金属線材に付着した潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ光を照射する照射装置を備えるエナメル線の製造装置。
[2]前記光は、近赤外線である上記[1]に記載のエナメル線の製造方法。
[3]前記光は、レーザ光である上記[1]に記載のエナメル線の製造方法。
[4]伸線ダイスによって伸線された金属線材に対して、前記金属線材に付着した潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ光を照射する照射装置を備えるエナメル線の製造装置。
本発明によれば、金属線材の表面の洗浄ムラや損傷を引き起こすことなく、かつ金属線材の表面に有する絶縁被覆に発泡が生じにくい方法で伸線によって金属線材に付着する異物を好適に取り除くことができるエナメル線の製造方法および製造装置を提供することができる。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の製造装置および絶縁電線の製造方法について図を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の製造装置の概略構成図である。
以下、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の製造装置および絶縁電線の製造方法について図を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁電線の製造装置の概略構成図である。
〔絶縁電線の製造装置〕
製造装置100は、金属線材1を送出機110から送り出しつつ、巻取機120で巻き取ることで、金属線材1を連続的に供給できるように構成され、金属線材1の搬送経路に沿って、上流から順に、伸線ダイス130、洗浄装置140、照射装置150、空冷装置160、および絶縁被覆形成装置170を備えて構成されている。
製造装置100は、金属線材1を送出機110から送り出しつつ、巻取機120で巻き取ることで、金属線材1を連続的に供給できるように構成され、金属線材1の搬送経路に沿って、上流から順に、伸線ダイス130、洗浄装置140、照射装置150、空冷装置160、および絶縁被覆形成装置170を備えて構成されている。
伸線ダイス130は、金属線材1の搬送方向(図1では、紙面上の左側から右側の方向)の上流側から下流側に向かって径が細くなる貫通孔(図示略)を有し、この貫通孔に金属線材1が通過することにより、金属線材1の外径を細くできるように構成されている。また、伸線ダイス130は、金属線材1との摩擦を軽減するために、貫通孔を通過する金属線材1の表面に潤滑剤(例えば潤滑油)を塗布するように構成されている。
伸線ダイス130の下流には、金属線材1の表面を洗浄するための洗浄装置140が設けられている。洗浄装置140では、伸線ダイス130で伸線され、表面に潤滑剤や金属粉が付着している金属線材1がその内部を通過するときに、金属線材1に対して温水(例えば60℃以上100℃以下の温水)を噴射する。これにより、伸線ダイス130にて金属線材1を伸線したときに金属線材1の表面に付着した潤滑剤や金属粉を除去することを促進することができる。
洗浄装置140は、金属線材1の表面に付着した潤滑剤や異物を効果的に除去するために、洗浄装置140内において、金属線材1の周囲に複数のノズルが設けられていることが好ましい。複数のノズルは、例えば、それらの先端が金属線材1の表面から離間した位置(例えば、金属線材1の表面から0mm超5mm以下の近接距離)に設けられて、ノズルの先端から金属線材1の表面に上述した温度からなる温水が噴射されることが好ましい。
洗浄装置140の下流には、照射装置150が設けられている。照射装置150は、伸線ダイスによって伸線された後の金属線材1に対して、金属線材1に付着した潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ光を照射する。具体的には、洗浄装置140で洗浄された金属線材1の表面に残留する潤滑剤を除去するべく、潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ近赤外線やレーザ光からなる光を、照射装置150の内部を通過するときに金属線材1の表面に照射する。照射装置150では、このようにして、金属線材1の表面に光を照射することにより、金属線材1の表面に付着した潤滑剤に含まれる油分のみを選択的に加熱することができる。加熱された油分は、分解されて揮発することによって除去されることになる。
照射装置150において、金属線材1に照射される光の波長は、金属線材1に付着した潤滑剤の油分が吸収する光のピーク波長を含む波長域であればよく、例えば、3000nm以上4000nm以下の範囲内であることが好ましく、3300nm以上3700nm以下の範囲内であることが最も好ましい。
また、照射装置150では、金属線材1に光を照射する際に、金属線材1の搬送方向に対向する方向から金属線材1の表面に光源の先端が向けられるように光源を配置して、搬送される金属線材1に対して光源から特定の波長を有する光を照射することや、光が照射される部分の金属線材1の周囲を囲うように反射板を設置して、金属線材1の全面に光が当たるように照射すること等を行うことが好ましい。
照射装置150の下流には、空冷装置160が設けられている。空冷装置160では、照射装置150から通過した金属線材1の表面にエアを噴射する。なお、エアとしては、圧縮空気などを用いることができる。
空冷装置160では、金属線材1にエアを噴射する際に、金属線材1に対して搬送方向に対向する方向から金属線材1の表面にエアを噴射することによって金属線材1を空冷することが好ましい。また、空冷装置160では、金属線材1が60℃以下となるように空冷することが好ましい。このような温度に金属線材1を空冷することにより、絶縁被覆形成装置170において金属線材1の周囲に塗布された塗料中へ異物が混入すること、若しくは金属線材1を水冷却するときにおいて金属線材1の表面に水分が残留することが要因となって生じる塗膜発泡や、絶縁被覆形成装置170において塗布された塗料の温度が急激に高温化することが要因となって生じる塗膜発泡を抑制することができる。また、金属線材1にエアを噴射することにより、金属線材1の表面に付着した異物、例えば、伸線による金属粉や搬送時に各ガイド、プーリー類から転写した異物などを振るい落とすことも空冷と同時に行うことができる。
空冷装置160の下流には、絶縁被覆形成装置170が設けられている。絶縁被覆形成装置170には、空冷装置160から搬送される金属線材1の周囲に絶縁塗料を塗布する塗料塗布部(図示略)と、塗布された絶縁塗料の塗布厚(塗布量)を調整する塗装ダイス(図示略)と、絶縁塗料を焼き付ける(加熱する)焼付炉(図示略)とが設けられている。
〔絶縁電線の製造方法〕
次に、上述した製造装置100を用いて絶縁電線3を製造する方法について説明する。本実施形態では、金属線材1を連続的に搬送しながら、伸線工程、洗浄工程、照射工程、空冷工程および絶縁被覆形成工程を行うことにより、長尺の絶縁電線3を作製する。以下、各工程について詳述する
次に、上述した製造装置100を用いて絶縁電線3を製造する方法について説明する。本実施形態では、金属線材1を連続的に搬送しながら、伸線工程、洗浄工程、照射工程、空冷工程および絶縁被覆形成工程を行うことにより、長尺の絶縁電線3を作製する。以下、各工程について詳述する
(伸線工程)
送出機110から送り出された金属線材1に潤滑剤を塗布し、伸線ダイス130の貫通孔に導入することで、金属線材1を伸線する。伸線により金属線材1を引き伸ばし、所望の外径となるようにする。伸線された金属線材1の表面には、潤滑剤や、伸線の際に生じた金属粉などの異物が付着することになる。
送出機110から送り出された金属線材1に潤滑剤を塗布し、伸線ダイス130の貫通孔に導入することで、金属線材1を伸線する。伸線により金属線材1を引き伸ばし、所望の外径となるようにする。伸線された金属線材1の表面には、潤滑剤や、伸線の際に生じた金属粉などの異物が付着することになる。
金属線材1としては、導電性の高い金属、例えば、低酸素銅や無酸素銅、もしくはアルミニウムからなる線材を用いることができる。また、その断面形状は、特に限定されないが、図2(a)および(b)に示すように、断面形状が矩形の平角線や円形の丸線を用いることができる。なお、金属線材1は表面に錫やニッケル等の金属メッキが施されていてもよい。
(洗浄工程)
続いて、伸線した金属線材1を洗浄装置140に導入する。洗浄装置140にて金属線材1の表面に温水(例えば、60℃以上100℃以下の温水)を噴射し、洗浄する。これにより、金属粉や潤滑剤などの異物を金属線材1の表面から概ね除去させることができる。
続いて、伸線した金属線材1を洗浄装置140に導入する。洗浄装置140にて金属線材1の表面に温水(例えば、60℃以上100℃以下の温水)を噴射し、洗浄する。これにより、金属粉や潤滑剤などの異物を金属線材1の表面から概ね除去させることができる。
洗浄工程において、洗浄装置140は、金属線材1の表面に付着した潤滑剤や異物を効果的に除去するために、金属線材1の周囲に複数のノズルが設けられていることが好ましい。複数のノズルは、例えば、それらの先端が金属線材1の表面から離間した位置(例えば、金属線材1の表面から0mm超5mm以下の近接距離)に設けられて、ノズルの先端から金属線材1の表面に上述した温度からなる温水が噴射されることが好ましい。
(照射工程)
続いて、洗浄工程後の金属線材1を、照射装置150に導入する。照射装置150では、金属線材1に付着した潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ光を、金属線材1の表面に照射する。このようにして、金属線材1の表面に特定の波長を持つ光を照射することにより、金属線材1の表面に付着した潤滑剤に含まれる油分のみを選択的に加熱することができる。加熱された油分は、分解されて揮発することによって除去されることになる。
続いて、洗浄工程後の金属線材1を、照射装置150に導入する。照射装置150では、金属線材1に付着した潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ光を、金属線材1の表面に照射する。このようにして、金属線材1の表面に特定の波長を持つ光を照射することにより、金属線材1の表面に付着した潤滑剤に含まれる油分のみを選択的に加熱することができる。加熱された油分は、分解されて揮発することによって除去されることになる。
照射装置150において金属線材1に照射される光の波長は、金属線材1に付着した潤滑剤の油分が吸収する光のピーク波長を含む波長域であればよく、例えば、3000nm以上4000nm以下の範囲内であることが好ましく、3300nm以上3700nm以下の範囲内であることが最も好ましい。
(空冷工程)
続いて、照射工程後の金属線材1を、空冷装置160に導入する。空冷装置160では、金属線材1を空冷する。具体的には、金属線材1に対して搬送方向に対向する方向から金属線材1の表面にエアを噴射することによって金属線材1が例えば60℃以下になるように空冷する。このように空冷することにより、このような温度に金属線材1を空冷することにより、絶縁被覆形成において金属線材1の周囲に塗布された塗料中へ異物が混入すること、若しくは金属線材1を水冷却するときにおいて金属線材1の表面に水分が残留することが要因となって生じる塗膜発泡や、絶縁被覆形成において塗布された塗料の温度が急激に高温化することが要因となって生じる塗膜発泡を抑制することができる。
続いて、照射工程後の金属線材1を、空冷装置160に導入する。空冷装置160では、金属線材1を空冷する。具体的には、金属線材1に対して搬送方向に対向する方向から金属線材1の表面にエアを噴射することによって金属線材1が例えば60℃以下になるように空冷する。このように空冷することにより、このような温度に金属線材1を空冷することにより、絶縁被覆形成において金属線材1の周囲に塗布された塗料中へ異物が混入すること、若しくは金属線材1を水冷却するときにおいて金属線材1の表面に水分が残留することが要因となって生じる塗膜発泡や、絶縁被覆形成において塗布された塗料の温度が急激に高温化することが要因となって生じる塗膜発泡を抑制することができる。
(絶縁被覆形成工程)
続いて、潤滑剤や異物が除去された金属線材1を絶縁被覆形成装置170に導入する。絶縁被覆形成装置170にて、まず、塗料塗布部により金属線材1の周囲に絶縁塗料を塗布する。その後、絶縁塗料が塗布された金属線材1を塗装ダイスに導入し、塗布厚を所定の値となるように調整し、焼付炉に導入して絶縁塗料を焼付けることにより絶縁被覆2を形成する。
続いて、潤滑剤や異物が除去された金属線材1を絶縁被覆形成装置170に導入する。絶縁被覆形成装置170にて、まず、塗料塗布部により金属線材1の周囲に絶縁塗料を塗布する。その後、絶縁塗料が塗布された金属線材1を塗装ダイスに導入し、塗布厚を所定の値となるように調整し、焼付炉に導入して絶縁塗料を焼付けることにより絶縁被覆2を形成する。
なお、絶縁塗料は、有機溶媒に絶縁被覆2を構成する樹脂成分を溶解させたものであり、公知の塗料を用いることができる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などを極性溶媒であるジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルスルホオキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)などに溶解させた絶縁塗料を用いることができる。また例えば、ホルマール樹脂やポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂などをクレゾールやキシロールなどに溶解させた塗料を用いることもできる。
以上により、金属線材1の周囲に絶縁被覆2を形成して絶縁電線3を製造することができる。
〔本実施形態に係る効果〕
本実施形態によれば、潤滑剤を用いて伸線された金属線材1を例えば洗浄装置140に導入して洗浄している。これにより、本実施形態では、金属線材1の表面に付着する潤滑剤や伸線によって生じた金属粉などの異物を、絶縁被覆2の形成時に発泡が生じないように除去させることができる。
本実施形態によれば、潤滑剤を用いて伸線された金属線材1を例えば洗浄装置140に導入して洗浄している。これにより、本実施形態では、金属線材1の表面に付着する潤滑剤や伸線によって生じた金属粉などの異物を、絶縁被覆2の形成時に発泡が生じないように除去させることができる。
また、本実施形態によれば、洗浄装置140を通過した金属線材1を照射装置150に導入し、金属線材1に付着した潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ光を、金属線材1の表面に照射することにより、金属線材1の表面に付着した潤滑剤に含まれる油分のみを選択的に加熱することができるため、加熱された油分を分解して除去することができる。これにより、本実施形態では、金属線材1の温度を他の加熱装置を用いて金属線材1を加熱せずに金属線材1の表面に付着した潤滑剤を除去できるため、金属線材1を無闇に加熱させずにすむ。そのため、金属線材1の表面が酸化することを抑制し、絶縁塗料と金属線材1との密着性を安定して得ること(つまり、密着性のばらつきを低減すること)ができる。
さらに、本実施形態によれば、照射装置150において潤滑剤の油分のみを選択的に加熱して除去した金属線材1は、例えば200℃以上といった極端な高温化はされておらず、その後の工程において金属線材1の水冷却が不要となるため、金属線材1中に水分が残留することによる塗膜発泡が発生することがない。また、本実施形態によれば、空冷装置160に導入することにより、絶縁被覆形成において絶縁塗料を金属線材1の周囲に塗布した直後に塗膜発泡が発生することを抑制することができる。
これにより、本実施形態では、従来のようなブラシやローラなどを金属線材に接触させて洗浄する方法、あるいは有機溶剤を用いて金属線材を洗浄する方法などを用いずに、伸線によって金属線材1に付着する異物を好適に取り除くことができる。そのため、上述した従来の洗浄方法で生じていた洗浄ムラや金属線材の表面損傷、あるいは絶縁被覆の発泡を防止することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
上記に記載した実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1 金属線材
2 絶縁被覆
3 絶縁電線
100 製造装置
110 送出機
120 巻取機
130 伸線ダイス
140 洗浄装置
150 照射装置
160 空冷装置
170 絶縁被覆形成装置
2 絶縁被覆
3 絶縁電線
100 製造装置
110 送出機
120 巻取機
130 伸線ダイス
140 洗浄装置
150 照射装置
160 空冷装置
170 絶縁被覆形成装置
Claims (4)
- 伸線ダイスによって伸線された金属線材に対して、前記金属線材に付着した潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ光を照射する工程を有するエナメル線の製造方法。
- 前記光は、近赤外線である請求項1に記載のエナメル線の製造方法。
- 前記光は、レーザ光である請求項1に記載のエナメル線の製造方法。
- 伸線ダイスによって伸線された金属線材に対して、前記金属線材に付着した潤滑剤に含まれる油分が吸収するピーク波長に合致する波長を持つ光を照射する照射装置を備えるエナメル線の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017120127A JP2019003913A (ja) | 2017-06-20 | 2017-06-20 | エナメル線の製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017120127A JP2019003913A (ja) | 2017-06-20 | 2017-06-20 | エナメル線の製造方法および製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019003913A true JP2019003913A (ja) | 2019-01-10 |
Family
ID=65006077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017120127A Pending JP2019003913A (ja) | 2017-06-20 | 2017-06-20 | エナメル線の製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019003913A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110223804A (zh) * | 2019-07-03 | 2019-09-10 | 广东精达里亚特种漆包线有限公司 | 一种漆包线表面润滑涂覆装置 |
CN110379563A (zh) * | 2019-07-16 | 2019-10-25 | 安徽徽宁电器仪表集团有限公司 | 一种城市建筑用电力电缆的制备工艺 |
CN110549216A (zh) * | 2019-09-18 | 2019-12-10 | 南京工业大学 | 钛合金拉丝处理设备 |
CN112562920A (zh) * | 2020-12-11 | 2021-03-26 | 孙栋 | 一种漆包线制造加工工艺 |
CN114082585A (zh) * | 2021-10-26 | 2022-02-25 | 江西博能上饶线材有限公司 | 一种旋转式漆包线表面润滑剂涂敷装置 |
CN114628078A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-06-14 | 露笑科技股份有限公司 | 一种抗剥离性能优良的电磁线的制备方法 |
-
2017
- 2017-06-20 JP JP2017120127A patent/JP2019003913A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110223804A (zh) * | 2019-07-03 | 2019-09-10 | 广东精达里亚特种漆包线有限公司 | 一种漆包线表面润滑涂覆装置 |
CN110223804B (zh) * | 2019-07-03 | 2020-08-25 | 广东精达里亚特种漆包线有限公司 | 一种漆包线表面润滑涂覆装置 |
CN110379563A (zh) * | 2019-07-16 | 2019-10-25 | 安徽徽宁电器仪表集团有限公司 | 一种城市建筑用电力电缆的制备工艺 |
CN110379563B (zh) * | 2019-07-16 | 2020-11-17 | 安徽徽宁电器仪表集团有限公司 | 一种城市建筑用电力电缆的制备工艺 |
CN110549216A (zh) * | 2019-09-18 | 2019-12-10 | 南京工业大学 | 钛合金拉丝处理设备 |
CN112562920A (zh) * | 2020-12-11 | 2021-03-26 | 孙栋 | 一种漆包线制造加工工艺 |
CN112562920B (zh) * | 2020-12-11 | 2022-04-19 | 襄阳市诺立信电线电缆有限公司 | 一种漆包线制造加工设备 |
CN114082585A (zh) * | 2021-10-26 | 2022-02-25 | 江西博能上饶线材有限公司 | 一种旋转式漆包线表面润滑剂涂敷装置 |
CN114628078A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-06-14 | 露笑科技股份有限公司 | 一种抗剥离性能优良的电磁线的制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2019003913A (ja) | エナメル線の製造方法および製造装置 | |
US20170224021A1 (en) | Forming method for heating element of electronic cigarette and manufacturing method for atomization assembly | |
JP2016031867A (ja) | エナメル線の製造方法及び製造装置 | |
JP2014001420A (ja) | 導体の軟化装置および軟化方法、ならびに絶縁電線の製造装置および製造方法 | |
JP2017162714A (ja) | 絶縁電線の製造装置および製造方法 | |
US20140203474A1 (en) | Device for coating electrically conductive wires | |
JP2015185504A (ja) | エナメル線の製造方法 | |
JP2005285755A (ja) | 絶縁被覆電線、その製造方法及び該絶縁被覆電線を用いたコイル | |
JP2016183224A (ja) | ポリイミドフィルム及びその製造方法 | |
JP2019133831A (ja) | エナメル線の製造方法及びエナメル線の製造装置 | |
JP5479044B2 (ja) | 絶縁電線の製造装置及び絶縁電線の製造方法 | |
JP2016095926A (ja) | 絶縁電線及びその製造方法 | |
WO2018159279A1 (ja) | 絶縁電線及びその製造方法並びにコイル | |
CN111167660A (zh) | 玻璃保护油滚涂设备和玻璃保护油滚涂方法 | |
JP6398794B2 (ja) | 金属めっきライン用ロールの清浄化方法 | |
JP5421237B2 (ja) | 複合材料シートの製造装置 | |
JP5682859B2 (ja) | めっき処理装置およびめっき基板の製造方法 | |
EP3606286A1 (en) | Heating apparatus and heating method | |
JP2015230773A (ja) | 絶縁電線及びその製造方法 | |
EP3200196B1 (en) | Insulated wire with soldered portion and method for manufacturing same | |
WO2016129518A1 (ja) | 絶縁電線の製造方法 | |
JP7302142B2 (ja) | 導体軟化処理装置及び導体軟化処理方法 | |
JP7087833B2 (ja) | 絶縁バスバーの製造方法 | |
JP6149767B2 (ja) | 導体線加工ダイス及びそれを用いたエナメル線の製造装置及び製造方法 | |
WO2017104852A1 (ja) | 絶縁被膜付コイルの製造方法 |