JP2009110789A - 誘導加熱装置および誘導加熱方法 - Google Patents

誘導加熱装置および誘導加熱方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、パチンコ玉などの数多くの金属片を水洗した後、これらの金属片の表面に付着した水をより効率的かつ迅速に蒸発させることができる誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る誘導加熱装置は、所定平面に沿って捲回された加熱コイルと、加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源と、金属片を加熱コイル上で移動させる移動手段とを備え、加熱コイルによる高周波磁場の磁束方向が、移動手段による金属片の移動方向とは実質的に異なることを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属片を加熱する誘導加熱装置および誘導加熱方法に関し、とりわけ遊技装置で利用されるパチンコ玉やベアリング球などの球状金属片、コイン(硬貨)やメダルなどの円板状金属片、またはボルトやナットなど他の形状を有する金属片を加熱するための誘導加熱装置および誘導加熱方法に関する。
一般に、遊戯装置として知られるパチンコ台において、パチンコ玉がパチンコ台に数多く設けられた釘に衝突した後、当たり穴に入ると規定数のパチンコ玉を獲得することができるが、釘の状態によりパチンコ玉の軌跡が変化し、入賞確率が変化し得ることが知られている。具体的には、パチンコ台の釘に汚れや異物が付着していると、予定した入賞確率が変化することがある。入賞確率が予定したものより大きくなるとパチンコ店の損害が増大し、入賞確率が期待されるものに及ばないとき顧客の不満が拡大する。すなわち入賞確率は、所定の範囲で制御する必要がある。そこで、パチンコ台の釘への汚れや異物の付着を防止するために、パチンコ玉を洗浄し汚れを取り除くことが強く望まれている。
例えば特許文献1は、パチンコ玉の研磨装置に関し、いわゆる乾式のパチンコ玉の洗浄装置を開示している。具体的には、特許文献1には、吸水性および吸油性を有するベルト状の研磨布の上に多数のパチンコ玉を配置し、押送部により研磨布上を移動させることにより、押送部およびパチンコ玉同士の衝突によって複雑に転動する間に、研磨布の表面でパチンコ玉の汚れを取り除くことが記載されている。
また、特許文献2は、ベアリング鋼球などの小球を水で洗浄した後に乾燥させるための(すなわち湿式の洗浄装置で用いられる)乾燥装置を開示している。特許文献2には、水で洗浄した後の小球が小球の5〜10倍の直径を有する球体で充填された乾燥槽に投入され、乾燥槽の下方から送り込まれた熱風により、あるいは小球と球体との接触により、小球を乾燥させることが記載されている。
さらに、特許文献3は、パチンコ玉を乾燥する目的ではないが、誘導加熱を利用してパチンコ玉を1200℃の高温に加熱した後、ステンレススチールの金属粉をその外周面に付着させて、外径を大きくすることにより、磨り減って直径が減少した使用済みパチンコ玉の再生装置を開示している。
特開平1−232987号公報 特開平8−261651号公報 特開平11−47430号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来式のパチンコ玉の研磨装置においては、研磨布が長いほどにパチンコ玉の洗浄効率は高くなるが、一般に、パチンコ店内の限られたスペースに設置可能なベルト長を有する研磨布を用いた場合、パチンコ玉の汚れを十分に拭い取ることはできないといった問題点があった。また、研磨布を定期的に交換、洗浄しなければならずメンテナンスに多くの労力を有するといった問題点があった。
また、パチンコ玉を水で洗浄した後、特許文献2に記載の乾燥装置を用いた場合、乾燥槽および球体などのパチンコ玉以外のものを加熱する必要があり、多くのエネルギを浪費するといった問題点があった。
さらに、特許文献3に記載のように誘導加熱コイルを用いてパチンコ玉を加熱することにより、パチンコ玉の表面に付着した水を蒸発させることも考えられるが、パチンコ玉を水の蒸発に適した100℃以下(キュリー温度以下)の温度に加熱させるとき、加熱コイルにより生じる磁場の向きが案内筒内のパチンコ玉の移動方向と一致するためパチンコ玉が案内筒内で互いに引力を及ぼし(くっついて)案内筒から排出されず、数多くのパチンコ玉を効率よく乾燥処理できないといった問題点があった。
そこで本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、パチンコ玉などの球状金属片やメダルなどの円板状金属片を水洗した後、これらの金属片の表面に付着した水を効率よく蒸発させることを目的とする。
本発明に係る誘導加熱装置は、所定平面に沿って捲回された加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源と、金属片を加熱コイル上で移動させる移動手段とを備え、前記加熱コイルによる高周波磁場の磁束方向が、前記移動手段による金属片の移動方向とは実質的に異なることを特徴とするものである。
本発明に係る誘導加熱装置によれば、金属片を水洗した後、これらの金属片の表面に付着した水をより効率的かつ迅速に蒸発させることができる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態を説明する。実施の形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、「上方」、「下方」、「水平方向」および「鉛直方向」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。なお、各実施の形態において同様の構成部品は、同様の符号をもって示す。
実施の形態1.
図1〜図11を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態1について以下に説明する。図1、図2および図3はそれぞれ、実施の形態1に係る誘導加熱装置1を模式的に示す分解斜視図、垂直断面図、および平面図である。なお、本発明に係る誘導加熱装置は、上述のように、パチンコ玉やベアリング球などの球状金属片、コイン(硬貨)やメダルなどの円板状金属片、またはボルトやナットなど他の形状を有する金属片を加熱するものであるが、実施の形態1では、一例として金属球を加熱するための誘導加熱装置1について説明する。
図1に示す誘導加熱装置1は、概略、金属球Sを支持する円盤状トレイ10と、金属球Sを円周方向に回転させる回転機(移動手段)30と、円盤状トレイ10に沿って捲回された加熱コイル50と、加熱コイル50に高周波電流を供給する高周波電源70とを備える。
円盤状トレイ10は、通常、樹脂やセラミックなどの絶縁材料を用いて構成されている。また円盤状トレイ10は、底板11と、その周縁から上方に延びる(金属球Sの直径より高い)周囲壁12と、金属球Sを挿入する挿入口14と、金属球Sを排出する排出口15とを有する。
また図2に示すように、円盤状トレイ10はこれを覆う天板13を有していてもよい。さらに円盤状トレイ10は、排出口15付近で周囲壁12に接続された排出壁16を有する。なお、円盤状トレイ10の上方には、金属球Sを円盤状トレイ10の挿入口14に供給する金属球ホッパ(供給部)17が取り付けられ(図2参照)、円盤状トレイ10の下方には、排出口15から排出された金属球Sを受容するための容器18が配設されている。
回転機30は、中心軸Cの周りを図1では反時計方向に回転駆動する電気モータ(回転駆動部)31と、同軸上に配置されたシャフト32と、シャフト32に接続された中央部33と、中央部33に接続され半径方向に延びる少なくとも1つ(好適には複数)の回転壁34とを有する。中央部33および回転壁34は、好適には、絶縁材料からなり、円盤状トレイ10の底板11からわずかに離間している。
金属球ホッパ17に蓄積された金属球Sは、挿入口14を介して円盤状トレイ10に随時供給され、周囲壁12と中央部33の間で円盤状トレイ10に支持された金属球Sは、電気モータ31の回転に伴い、回転壁34に押されて円周方向(図3の矢印51)に移動する。そして円盤状トレイ10の排出口15まで移動した金属球Sは、排出壁16に衝突して排出口15から排出される。なお、図2に示すように、円盤状トレイ10の排出壁16および回転機30の回転壁34は、高さ(垂直)方向において重ならない位置に配置されているので、回転壁34は排出壁16に衝突することなく円周方向に移動することができる。
加熱コイル50は、上述のように、円盤状トレイ10の平坦な底板11などの所定平面に沿って円板状に捲回されている。加熱コイル50は、高周波電源70から高周波交流電流が供給されると、その上方に配置された円盤状トレイ10の半径方向(図3の破線矢印52)の磁束を有する高周波交流磁場を形成する。こうして形成された高周波磁場により、円盤状トレイ10上で支持された金属球Sが、その表面近傍で渦電流が形成され、誘導加熱される。このとき金属球Sは、回転壁34により押されて円周方向に転がる間に誘導加熱されるので、金属球Sの表面全体が均一に加熱される。すなわち、この実施の形態に係る誘導加熱装置によれば、金属球S表面上の水を加熱して蒸発させるために、金属球S表面を直接的に加熱するので(他のものを媒体として加熱する必要がないので)、金属球Sを極めて効率よくかつ迅速に乾燥させることができる。
一例として、円盤状トレイ10の外径を200mm、内径100mmとし、その下方にドーナツ状の加熱コイル50を配置して、約11mmの直径を有する金属球Sを誘導加熱するとき、単純に面積で計算すると、円盤状トレイ10上に247個の金属球Sを載置して、誘導加熱することができる。すなわち、回転壁34が4秒間で1回転するように回転機30を制御すると、4秒間に247個、1時間で22万個以上の極めて多量の金属球Sを効率よく誘導加熱して乾燥処理することができる。ただし、実際には隣接する金属球S間に隙間が生じたり、回転壁34や排出壁16付近にデッドスペースが生じるため、円盤状トレイ10に載置できる金属球S数は247個より少なくなるが、それでも円盤状トレイ10の外径を大きくするなどして、1時間に20万個以上の相当数の金属球Sを容易に誘導加熱して乾燥させることができる。金属球Sを水洗後、約85%の脱水(残留水分量2〜3mg)を行った金属球Sを、本願発明の誘導加熱装置を用いて誘導加熱したところ、1.5kWの入力電力で1時間に20万個の金属球Sを完全に乾燥させることができた。
上記したように、前掲の特許文献3に記載の構成において、加熱コイルに高周波電流を流して誘導加熱を行うと、案内筒の内部で複数のパチンコ玉が互いにくっつき転がらなくなるため案内筒から排出されないことがある。すなわち、案内筒を取り巻くように導線を巻いて加熱コイルを形成したとき、加熱コイルによって生じる磁束の向きが右ねじの法則により案内筒の軸方向になり、パチンコ玉が移動する方向と一致し、強磁性を有するパチンコ玉は瞬時に磁化されて互いにくっついて自転回転が妨げられ案内筒から排出されなくなる。なお特許文献3で、上記問題点が指摘されていないのは、パチンコ玉が鉄のキュリー温度770℃をはるかに超える1200℃の高温になるまで加熱され、もはや強磁性体としての性質を失っているためと考えられる。
これに対し、本願発明に係る誘導加熱装置は、金属球Sの表面に付着した水分を蒸発させるためのものであるから、せいぜい100℃にまで加熱すれば十分である。ただし、上述のように、金属球Sは、とりわけ強磁性体材料で作製されている場合、半径方向の磁束を有する高周波交流磁場により誘導加熱されるとき、磁束方向(半径方向)に瞬時に磁化され、互いに引力を及ぼす(くっつく)ことになる。しかしながら、実施の形態1に係る誘導加熱装置1によれば、金属球Sが磁化される方向(磁束方向)とは実質的に直交する円周方向に金属球Sを転がすので、金属球Sの移動が半径方向の引力により妨げられることはなく(滞ることなく)、小さい回転駆動力で金属球を移動させることができる。なお、図3に示すように、排出壁16を半径方向に対して傾斜する方向(図3の矢印53)に配設して、金属球Sを排出口15から(排出方向53に沿って)排出しやすくすることが好ましい。
さらに金属球Sは、残留磁化を有することがあり、とりわけパチンコ玉として使用される場合、これを用いてパチンコ台の入賞確率を変化させるといった不正行為が行われ得ることが知られている。しかしながら、実施の形態1に係る誘導加熱装置1によれば、金属球Sは、交流磁場に曝されるので、たとえ誘導加熱(乾燥処理)する前に残留磁化を有していても確実に消磁され、処理済みのパチンコ玉による不正行為の可能性を排除することができる。
なお図1では、加熱コイル50を円盤状トレイ10から離間して図示されているが、後述するように、より効率的な誘導加熱を実現するためには、両者をできるだけ接近させて配置することが好ましい。
また、加熱コイル50の下方には、磁気抵抗を低減するために、半径方向に延びる複数の棒状のフェライトコア54を配設してもよい。フェライトコア54は、磁気抵抗を低減するものであれば、これに限定されるものではなく、扇状または円板状のものであってもよい。
加えて、加熱コイル50およびフェライトコア54の下方には、これらを冷却するための空冷ファン90を配置することが好ましい。とりわけ加熱コイル50は、これを構成する導線の抵抗値が動作温度とともに増大するので、加熱コイル50自体で消費される電力を抑制するために動作保証温度以下に冷却することが好ましい。同様に、加熱コイル50を冷却するものであれば、他の冷却装置を用いてもよい。
図1には図示されないが、実施の形態1に係る誘導加熱装置1は、回転機30(および回転壁34)ならびに高周波電源70を制御するための制御部71を備え、高周波電源70および制御部71の回路図が図4に図示されている。高周波電源70は、概略、20kHz程度の高周波電流を加熱コイル50に供給するものであって、その実効値または平均値が常に一定になるように制御するものである。
具体的には、高周波電源70は、商用の交流電源から直流電流を得る直流電源72と、直流電源72に接続され所定の電圧波形を出力するハーフブリッジ回路73と、ハーフブリッジ回路73と加熱コイル50の間で直列に接続された共振コンデンサ74とを有する。直流電源72は、ダイオードブリッジ75と、これに並列に接続された平滑コンデンサ76とを有し、商用の交流電源77からの交流電圧を全波整流する。なお、平滑コンデンサ76は必須のものではなく、省略してもよい。また、ハーフブリッジ回路73は、IGBTなどのスイッチング素子78a,78bと、これらをスイッチング駆動するハーフブリッジドライバ79とを有する。
なお、平滑コンデンサ76はダイオードブリッジ75の出力を平滑してリプルの無い安定な直流電圧にする必要は必ずしもなく、加熱コイル50と共振コンデンサ74に十分な電流が供給できれば、交流電圧を全波整流しただけの電圧波形がハーフブリッジ回路73に供給されるような小さな静電容量であってもよい。またノイズ低減のためにインダクタンスなどからなるフィルタを適宜挿入してもよい。さらに、実施の形態では、誘導加熱装置の駆動回路としてハーフブリッジ回路について説明したが、フルブリッジ回路や、加熱コイルと共振コンデンサを並列に接続した並列共振回路など他の形態の共振回路を用いた駆動回路であってもよい。
また実施の形態1に係る高周波電源70は、加熱コイル50に流れる電流を検出するためのカレントトランスなどからなる電流センサ80と、加熱コイル50の両端の電圧を検出するための分圧抵抗などからなる電圧センサ81とを有し、加熱コイル50に流れる電流とその両端の電圧に関する情報が制御部71に入力されている。制御部71は、これらの情報から、動作時における加熱コイル50のインピーダンス(すなわちインダクタンスと抵抗値)を検出することができる。
ここで、外径が160mm、内径が48mmのドーナツ状に形成された加熱コイル50の上に、0.1mmだけ離間させた金属球S(0〜155個)を載置して、20kHz(インピーダンスアナライザで測定)で誘導加熱したときの金属球Sの数と加熱コイル50のインダクタンスおよび抵抗値との関係について実験し、その測定結果から図5のグラフを得た。
図5から明らかなように、加熱コイル50のインダクタンスおよび抵抗値は、加熱コイル50上で支持される金属球Sの数に依存し、とりわけ加熱コイル50の抵抗値は金属球Sの数にほぼ比例する。このときの比例定数は、加熱コイル50の巻数や大きさ、金属球Sと加熱コイル50との間隔によって変化するが、比例傾向は同様である。したがって、制御部71は、加熱コイル50の両端の電圧と加熱コイル50に流れる電流とから加熱コイル50の抵抗値を求め、抵抗値と金属球Sの数の間の既知の関係式から金属球Sの数を正確に検出することができる。
特に金属球Sがパチンコ玉として利用される場合、客数の増減により、洗浄乾燥されるパチンコ玉の数量(すなわち円盤状トレイ10上で支持される金属球Sの数)が大きく変動する。したがって、円盤状トレイ10に支持される金属球Sの数に依存して、加熱コイル50に供給される電力を制御することが好ましい。このとき、実施の形態1に係る誘導加熱装置1によれば、制御部71は、上述のように、電流センサ80と電圧センサ81からの情報により、加熱コイル50の抵抗値を求め、金属球Sの数を正確に検出できるので、1個当たりの金属球Sが消費する電力(発熱量)が一定となるように加熱コイル50に供給される電流を制御することができる。これにより、円盤状トレイ10上で支持される金属球Sの数によらず、常に適正な電力で金属球を加熱することができる。さらに、本発明に係る誘導加熱装置は、加熱コイル50で生じた高周波磁場を用いて金属球Sを直接的に加熱するので(中間的な熱媒体を介して加熱しないので)、金属球Sの数の変動に迅速に応答して電流を調整することにより、増減する金属球Sを極めて応答性よく加熱することができる。
金属球Sの数を検出する手法について、より具体的に以下に説明する。
金属球Sが円盤状トレイ10上に載置されていないときに、高周波電源70を制御して、ある所定の間隔、例えば1秒間隔あるいは4秒間隔などでハーフブリッジ73の出力段から電圧パルスを1パルスあるいは数パルス出力すると、高周波電流が加熱コイル50に流れ、加熱コイル50の両端に電圧が発生する。このときの電流と電圧を電流センサ80および電圧センサ81で検出し、制御部71で加熱コイル50のインピーダンスを求める。同様に、円盤状トレイ10上に載置されている金属球Sの数を増やして、インピーダンスの変化を求める。すなわち、円盤状トレイ10上に金属球Sが無い場合には、加熱コイル50両端の抵抗は小さく、インダクタンスも小さいため、ハーフブリッジ回路73から電圧パルスを出力すると、加熱コイル50には大きな電流が流れ、電圧および電流の共振周波数は高くなる。一方、円盤状トレイ10上に多数の金属球Sが載っている場合、電流は小さくなり、共振周波数も低くなる。従って、電流の大きさあるいは共振周波数の変化またはその両方を検出して演算することにより金属球Sの有無あるいは数を検出することができる。例えば、円盤状トレイ10上に金属球Sが無い場合、加熱コイル50および回転機30に電力を供給する必要が無いが、金属球Sが円盤状トレイ10上に載ったことを検出すると、加熱コイル50と回転機30に電力を供給し、また金属球Sが無くなると加熱コイル50と回転機30への電力供給を停止することで無駄な電力を省くことができる。
円盤状トレイ10上の金属球Sの数は、誘導加熱装置による加熱、乾燥工程の前の洗浄工程によって常に変化する。すなわち、パチンコ店の客の数などによって使用される金属球Sの数は時々刻々と変化するため、洗浄される金属球Sの数も時々刻々と変化する。従って、誘導加熱装置で加熱、乾燥される金属球Sの数も時々刻々と変化する。円盤状トレイ10上の金属球Sの数が変化すると、図5に示したように加熱コイル50のインピーダンスも変化するから、常に最適な状態で金属球Sを加熱するためには加熱コイル50に投入する電力を制御する必要がある。加熱コイル50への電力の制御は、加熱コイル50に流れる電流の実効値あるいは平均値が常に一定となるように制御することで、円盤状トレイ10上の金属球Sの加熱状態を常に一定にできる。これは円盤状トレイ10上に金属球Sが有ると判断した場合、電流センサ80によって検出される電流の実効値または平均値が常に一定になるように、制御部71がハーフブリッジドライバ73を制御すればよい。
上記のように、制御部71は、加熱コイル50に流れる電流の実効値(または平均値)が常に一定となるように制御することで、常に適正な電力で金属球Sを加熱することができる。制御部71は、金属球Sが増えた場合、たとえば高電位側のスイッチング素子78aのオン時間を長く(低電位側のスイッチング素子78bのオフ時間を短く)するようにハーフブリッジドライバ79を制御することにより、加熱コイル50に流れる電流の実効値を大きくして、1個当たりの金属球Sが消費する電力(発熱量)が一定となるように制御することができる。
また、スイッチング素子78a、78bのオン時間とオフ時間の比率は1周期の中で制御してもよいが、例えば100周期中、10周期がオン時間50%、オフ時間50%、残りの90周期がオフ時間100%というように複数周期の中で制御してもよい。
なお、実施の形態1では、円盤状トレイ10上の金属球Sの数を検出するために、加熱コイル50の抵抗値を求めたが、これに限定されるものではなく、挿入口14および排出口15に設けた機械式/光学式カウンタ(図示せず)や、加熱コイル50に設置した重量計を用いて金属球Sの数を計数してもよい。
また、上述の実施の形態では、金属球Sの数の変動に応答して、加熱コイル50に流れる電流を調整することにより、1個当たりの金属球Sが消費する電力(発熱量)が一定となるように制御したが、回転機30(および回転壁34)の回転速度、すなわち金属球Sを加熱コイル上で移動させる移動速度を調整することにより、増減する金属球Sの数に対応して効率よく加熱することができる。たとえば、加熱コイル50の消費電力を一定にして、金属球Sの数が増えると回転機30の回転速度を遅くし、金属球Sの数が少ないときには回転機30を速く回転させてもよい。
ところで、高周波電源70が加熱コイルに供給する電力(電気エネルギ)は、加熱コイル50、フェライトコア54、および金属球S全体で消費されてジュール熱として熱エネルギに変換されるが、高周波電源70から投入される電力に対する、金属球Sで消費される電力(熱エネルギ)の割合が大きいほどエネルギ効率の良好な誘導加熱装置1を実現できることは明らかである。ここで、高周波電源70から投入される電力をW、金属球S全体で消費される電力をWとして、エネルギ変換効率(σ=W/W)を定義する。エネルギ変換効率(σ)は、金属球Sの径・材質・数量、フェライトコア54の構成、加熱コイル50の巻線・材質・巻き方などにより大きく変化する。中でも、図6は、外径が160mm、内径が48mmのドーナツ状に形成された加熱コイル50と、その上に155個の金属球Sを載置したときの両者間の距離と、エネルギ変換効率(σ)の関係を示すグラフであり、両者は比例関係を有する(ただし比例係数は負の値)。すなわち図6から明らかなように、金属球Sが加熱コイル50により接近して配置されるほど、エネルギ変換効率(σ)は高くなる。換言すると、エネルギ変換効率(σ)を改善するためには、加熱コイル50と金属球Sの間の距離を小さく、すなわち円盤状トレイ10の底板11を極力薄く形成することが好ましい。
そこでエネルギ変換効率を改善するためには、円盤状トレイ10の底板11を省略して、金属球Sが加熱コイル50の上に直接支持されるように構成することが好ましい。ただし、この場合、加熱コイル50は、絶縁被膜された導線を所定の平面に沿って捲回してなり、金属球Sとの摩擦により絶縁被膜が摩滅して絶縁破壊する可能性があるので、加熱コイル50の上に樹脂、ガラス、セラミックなどの絶縁材料からなるコーティングフィルム(図示せず)を配設することがより好ましい。
上述のように、エネルギ変換効率(σ)は、加熱コイル50と金属球Sの間の距離のみならず、金属球Sの数量、フェライトコアの配置方法、加熱コイル50を形成する導線の巻数の種類や巻き方によっても変化する。特に導線の種類はエネルギ変換効率(σ)に大きく影響し、絶縁された細い銅線を複数本拠り線にしたリッツ線を用いることにより、エネルギ変換効率を改善することができる。
また、実施の形態1に係る円盤状トレイ10は、金属球Sをその上方にある金属球ホッパ17から供給され、円盤状トレイ10の挿入口14は落下する金属球Sから衝撃を受ける。すなわち、円盤状トレイ10の挿入口14は、特に底板11を省略して、絶縁コーティングフィルムを配置したとき、金属球Sによる衝撃で破損しやすくなる。
そこで、円盤状トレイ10の上方にある金属球ホッパ17から金属球Sを供給する代わりに、図7に示すように、円盤状トレイ10の側面に設けた挿入口14から水平方向(図7の矢印55)に金属球Sを供給するように構成してもよい。
択一的には、図8に示すように、ゴムなどの弾性材料、絶縁材料、または金属材料からなる衝撃緩衝部19を円盤状トレイ10の挿入口14に設けて、金属球Sによる衝撃を緩衝するようにしてもよい。なお、金属材料を用いて衝撃緩衝部19を形成する場合は、その消費電力を小さくするためにアルミニウムや銅などの非磁性金属で形成することが好ましい。
このように、衝撃緩衝部19においては加熱コイル50と金属球Sの間の距離が大きくなるが、加熱コイル50のその他の領域では加熱コイル50と金属球Sの間の距離を極力小さく維持することにより、エネルギ変換効率(σ)を高く維持することができる。
上記説明において、円盤状トレイ10は、通常、樹脂やセラミックなどの絶縁材料を用いて構成されるものとしたが、機械的強度を確保するために、金属材料を用いて形成することもできる。ただし強磁性を有する金属材料は、一般に、加熱コイル50による高周波磁場を吸収しやすい(エネルギ損失が大きい)ので、アルミニウムや銅などの非磁性金属を用いて円盤状トレイ10を構成することが好ましい。さらに高周波磁場が非磁性円盤状トレイ10を貫通して、金属球Sを誘導加熱しやすくするために、図9に示すように、複数の貫通スリット20を円盤状トレイ10に配設することがより好ましい。貫通スリット20は、半径方向に磁束方向を有する高周波磁場が通り抜けやすくするものであるから、半径方向に延びていることが望ましい。また、貫通スリット20により、金属球Sの円盤状トレイ10上の移動が妨げられないように、円盤状トレイ10上に絶縁材料からなるラミネートフィルムなどを形成しておくことがなお望ましい。しかしながら、こうした貫通スリット20を有する非磁性金属材料からなる円盤状トレイ10に比べたとき、絶縁性材料からなる円盤状トレイ10を用いたときのエネルギ変換効率(σ)はより高いので、構成材料の観点から見れば、やはり絶縁性材料を用いて円盤状トレイ10を作製することが最も好ましい。
ここで、円盤状トレイ10上で支持された金属球Sの位置と、金属球Sの上昇温度(発熱量・消費電力)との関係について検討する。
通常の加熱コイル50は、図10(a)の半径方向の断面図に示すように、導線55を半径方向に並べて捲回することにより構成され、これに電流を流すと、矢印で示すように、加熱コイル50の中心部から、上方部、最外周部、および下方部を包囲するような閉ループ56の磁力線が形成され、この磁力線に直交する単位面積あたりの磁束(磁束密度、図10(b)に示すφ,φ)は、中心から遠ざかるにつれて小さくなる。すなわち磁束密度は、中心からの距離(半径)に反比例し、金属球Sで熱エネルギに変換される磁場エネルギは、磁束密度の2乗に比例すると考えられる。したがって、金属球Sの上昇温度(発熱量・消費電力)は、中心からの距離(半径)の2乗に反比例すると推定される。
ところが実際に、寸法の異なる2種類の加熱コイルA,Bを用意して、金属球Sの位置と上昇温度について実測したところ、図11のグラフが得られ、上記推定とは異なる結果が得られた。すなわち一方の加熱コイルAは、外径を160mm、内径を48mmとし、他方の加熱コイルBは、外径を200mm、内径を130mmとしてドーナツ状に捲回した。図11から明らかなように、金属球Sの上昇温度は、上記推論のように中心からの距離の2乗に反比例するのではなく、中心からの距離に依存してほぼ直線的に減少することが実証された。なお、加熱コイルBの中心からの距離65mmにおける測定値が直線から逸脱しているが、これは金属球Sの位置が加熱コイルBの内径側端部にあまりに隣接しており、磁力線がさまざまな方向に発散していることに起因するものと考えられる。
このように、金属球Sの上昇温度は、金属球Sの配置位置が中心から遠ざかるにつれて1次関数的に小さくなる(金属球Sの配置位置により上昇温度にばらつきが生じる)。すなわち、円盤状トレイ10の外周部に配置される金属球Sを十分に加熱するように加熱コイル50を設計するとき、内周部に配置される金属球Sは必要以上に加熱されることになる。このとき、円盤状トレイ10上に載置された金属球Sの上昇温度のばらつきが2倍以下であれば問題ないので、加熱コイル50の外径を内径の2倍以下とすることが好ましい。また、円盤状トレイ10の内径を加熱コイル50の内径より小さく設定しても、内周部に配置される金属球Sは十分に加熱されることが期待されるので、円盤状トレイ10の内径をより小さくして載置可能な金属球の数を増大させるか、あるいは加熱コイル50の内径を円盤状トレイ10の内径より大きくして消費電力を低減することができる。
実施の形態2.
図12を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態2について以下に説明する。実施の形態2の誘導加熱装置2は、回転機(移動手段)30以外は実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、円盤状トレイ10、加熱コイル50、および高周波電源70に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図12は、誘導加熱装置2を模式的に示す分解斜視図であって、図1と同様のものである。図12に示すように、実施の形態2に係る回転機30は、中心軸Cの周りを反時計方向に回転駆動する電気モータ31と、同軸上に配置されたシャフト32と、シャフト32に接続された中央開口部(挿入口)35を有する天板13と、螺旋状に形成された螺旋ガイド部36とを有する。螺旋ガイド部36および天板13は、好適には絶縁材料からなり、互いに接合され、あるいは一体に形成されている。
また実施の形態2に係る円盤状トレイ10は、同様に絶縁材料からなり、周囲壁12を有さず、単なる円板(底板のみ)11であってもよい。また、この円盤状トレイ10は、螺旋ガイド部36および天板13に互いに接合され、あるいは一体に形成してもよい。
このとき、電気モータ31が回転すると、螺旋ガイド部36内にある金属球Sは、半径方向外向きの遠心力を受け、実質的に円周方向に移動し、排出口15から排出される。
なお、螺旋ガイド部36は、図12では螺旋状に形成された壁として図示したが、中央開口部(挿入口)35から排出口15に至るまで金属球Sを案内するための螺旋状の通路を構成するものであれば任意のものを採用することができ、螺旋状の壁以外のものとして、たとえば円盤状トレイ10の底板11に形成された螺旋ガイド溝として構成することができる。
また上述のように、金属球Sの上昇温度(発熱量・消費電力)は、金属球Sの半径方向の位置により変動するが、実施の形態2に係る誘導加熱装置2によれば、すべての金属球Sは中央開口部35から排出口15に至るまで螺旋ガイド部36で形成された同じ螺旋ガイド部36を通過するので、各金属球Sが加熱コイル50から受ける磁場エネルギを一定に維持することができる。
なお、金属球Sの数が変動した場合であっても、実施の形態1と同様、制御部71を用いて、リアルタイムで加熱コイル50の抵抗値を求め金属球Sの数を正確に検出して、加熱コイル50に適正な電流を供給するか、あるいは回転機30の回転速度を調整することにより、常に適正な電力で金属球Sを応答性よく加熱することができる。
実施の形態3.
図13〜図14を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態3について以下に説明する。実施の形態3の誘導加熱装置3は、加熱コイル50以外は実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、円盤状トレイ10、回転機30、および高周波電源70に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図13は、誘導加熱装置3を模式的に示す垂直断面図であって、図2と同様のものである。実施の形態3によれば、図13に示すように、半径方向の内側および外側に同軸上に配置された2つの加熱コイル50a,50bが設けられており、これらは互いに独立して制御することができる。
上述のように、とりわけ金属球Sがパチンコ玉として利用される場合、円盤状トレイ10上で加熱すべき金属球Sの数が変動することがある。すなわち、図14に示すように、円盤状トレイ10が金属球Sで満杯とならない場合がある。このとき、金属球Sは、回転壁に押されて円周方向に移動するが、遠心力が働いて円盤状トレイ10の外側に偏って配置され、円盤状トレイ10の内側には載置されない。こうした状態は、加熱コイル50の抵抗値や機械式/光学式カウンタなどを用いて金属球Sの数を計数することにより容易に検出することができる。そして、実施の形態3に係る誘導加熱装置3によれば、金属球Sが円盤状トレイ10の外側に偏って配置されているとき、一方の外側の加熱コイル50aだけに高周波電源90aから高周波電流を供給して、円盤状トレイ10の外側にある金属球Sを効率的に加熱するとともに、他方の高周波電源90bからの内側の加熱コイル50bへの高周波電流の供給を停止して、無駄な電力消費を回避することができる。
択一的には、図15に示すように、加熱コイル50を、直列に接続された第1および第2のコイル部50c,50dを用いて構成し、第2のコイル部50dは半径方向外側にのみ配設され、第1のコイル部50cに重畳されている。すなわち、この加熱コイル50は、半径方向の外側領域におけるコイル巻数を内側領域よりも多くして、外側領域の磁束密度を増大させるように構成されている。上述のように、金属球Sの上昇温度は、金属球Sの配置位置が中心から遠ざかるにつれて比例的に小さくなるが、この加熱コイル50によれば、半径方向の内側領域においては第1のコイル部50cのみにより金属球Sを加熱し、内側領域より磁束密度が小さくなる外側領域にあっては第1および第2のコイル部50c,50dの両方により金属球Sを加熱することにより、金属球Sの配置位置によらず均一に加熱することかできる。あるいは、加熱コイル50を構成する隣接する導線の間隔が半径に比例して密となるように構成することにより、半径方向の外側領域での磁束密度を内側領域より強化してもよい。こうして、金属球S1個当たりの消費電力が半径方向の配置位置に無関係に均一となるように制御することができる。なお、実施の形態3では、内側および外側に配設された2つの加熱コイル50a,50bが設けられるものとして説明したが、互いに独立して制御される(電気的に並列接続された)3つ以上の加熱コイル50を用いて、同様にすべての金属球Sの上昇温度がその配置位置によらず一定となるように制御することができる。
実施の形態4.
図16を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態4について以下に説明する。実施の形態4の誘導加熱装置4は、高周波電源70を制御する制御部71以外は、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図16は、制御部71の制御に基づいて、高周波電源70が加熱コイル50に高周波電流を供給するタイミングまたは期間と、電気モータ(好適にはステッピングモータ)31を駆動するために電力供給するタイミングまたは期間とを示すタイムチャートである。
実施の形態1による制御部71は、金属球Sが円盤状トレイ10に載置される(金属球Sの数がゼロでない)限り、間断なく、その数に応じて調整された電流を供給するように高周波電源70を制御するものであった。これに対し、実施の形態4に係る制御部71は、加熱コイル50および電気モータ31に電力を所定のタイミングまたは期間で供給するように高周波電源70を制御する。より具体的には、図16に示すように、加熱コイル50は、所定のオン期間で高周波磁場を形成して金属球Sを加熱し、オフ期間で高周波磁場を解除するように制御される。また、電気モータ31は、高周波磁場が解除されたオフ期間において電力供給され、高周波磁場が形成されるオン期間で電力供給を停止するように制御される。
先に説明したように、円盤状トレイ10上の金属球Sは、半径方向の磁束により瞬時に磁化され、半径方向に隣接する他の金属球Sに引力を及ぼす(くっつく)ことになるが、回転機30は、金属球Sを実質的に円周方向に移動させるので、金属球Sの移動が半径方向の引力により妨げられることはなく、小さい回転駆動力で円滑に(詰まることなく)金属球を移動させることができる。
実施の形態4に係る誘導加熱装置4は、金属球Sの移動に必要な回転駆動力をよりいっそう低減しようとするものであって、高周波磁場が解除されたオフ期間、すなわち隣接する金属球Sの間に引力が働かないときに、電気モータ31を駆動して、金属球Sを移動させるものである。こうして、電気モータ31の負荷(消費電力)をさらに抑制し、あるいは電気モータ31を小型化することができる。
なお、図16のタイムチャートでは、加熱コイル50および電気モータ31の1周期を100ミリ秒〜1秒としたが、任意の時間を1周期として設定してもよい。また加熱コイル50のオン期間の始期/終期と電気モータ31のオン期間の終期/始期が一致するように図示したが、加熱コイル50のオフ期間に電気モータ31が駆動される限り、これに限定されるものではなく、任意のタイミングで加熱コイル50と電気モータ31に電力供給してもよい。
実施の形態5.
図17を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態5について以下に説明する。実施の形態5の誘導加熱装置5は、円盤状トレイ10以外は、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
実施の形態5に係る円盤状トレイ10は、排出口15付近の底板11の一部領域においてアルミニウムや銅などの非磁性金属材料からなる金属板(磁場遮蔽板)21を有する。加熱コイル50で生じた磁束は、排出口15付近においては非磁性金属板21により遮蔽されて、金属球Sを通ることはない。したがって、排出口15付近にある金属球Sの半径方向の引力を弱め、金属球Sを排出口15から排出しやすくすることができる。したがって、電気モータ31の負荷(消費電力)を低減するか、あるいは電気モータ31を小型化することができる。
実施の形態6.
図18〜図19を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態6について以下に説明する。図18は、実施の形態6による誘導加熱装置6を模式的に示す分解斜視図である。なお、本発明に係る誘導加熱装置は、上述のように、パチンコ玉やベアリング球などの球状金属片、コイン(硬貨)やメダルなどの円板状金属片、またはボルトやナットなど他の形状を有する金属片を加熱するものであるが、実施の形態6では、一例として金属球Sを加熱するための誘導加熱装置について説明する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図18に示す誘導加熱装置6は、概略、金属球Sを支持する矩形状トレイ40と、金属球Sを長手方向に移動させるコンベヤ(移動手段または並進駆動部)60と、矩形状トレイ40に沿って捲回された加熱コイル50と、加熱コイル50に高周波電流を供給する高周波電源70とを備える。
矩形状トレイ40は、通常、樹脂やセラミックなどの絶縁材料を用いて構成されている。また矩形状トレイ40は、長手方向に延びる一対の側壁41と、金属球Sを挿入する挿入口42と、金属球Sを排出する排出口43とを有する。また図示しないが、加熱コイル50の下方には、実施の形態1と同様、磁気抵抗を低減するために、磁束方向に沿った棒状のフェライトコアや、平板状のフェライトコアを配置してもよい。さらに、加熱コイル50およびフェライトコアの下方には、これらを冷却するための空冷ファンなどの冷却装置を配置してもよい。
コンベヤ60は、概略、駆動ローラ61、従動ローラ62、これらの間に掛け渡された無端状ベルト63、およびベルト63の上に複数の押出壁64を備える。図18では、押出壁64と矩形状トレイ40に支持された金属球Sは離間しているように図示されているが、実際には押出壁64は金属球Sに当接している。このように構成されたコンベヤ60において、駆動ローラ61が図示しない電気モータなどで駆動されて回転すると、従動ローラ62およびベルト63が図中の矢印65の方向に回転し、複数の押出壁64が金属球Sを長手方向66に押す。こうして金属球Sを挿入口42から排出口43まで移動させることができる。
加熱コイル50は、図18に示すように、矩形状トレイ40の平坦な底板44に沿って平板状に捲回され、長手方向に400mm、これと直交する方向に60mmの大きさを有する矩形状コイルである。加熱コイル50は、高周波電源70から高周波交流電流が供給されると、図中の破線矢印52で示す方向の磁束を有する高周波交流磁場を形成する。すなわち、金属球Sの移動する上流側および下流側領域において長手方向、その中間領域において長手方向と直交する方向に磁束が形成される。こうして形成された高周波磁場により、洗浄された金属球Sの表面に渦電流を形成して直接的に加熱するので(中間的な熱媒体を介して加熱しないので)、その表面に付着した水を迅速かつ効率的に蒸発させることができる。
なお、矩形状トレイ40の上流側および下流側領域においては、磁束が長手方向に形成されて、金属球Sが長手方向の磁気引力により互いにくっつく場合があるが、加熱コイル50を矩形状トレイ40より長手方向において長くなるように構成するか、あるいは実施の形態5と同様、矩形状トレイ40の挿入口42および排出口43付近にアルミニウムや銅などの非磁性金属材料からなる金属板(磁場遮蔽板)を設けて、金属球Sの長手方向の移動を支援することが好ましい。
こうして金属球Sは、長手方向と直交する方向に磁束が形成される矩形状トレイ40の中央領域のみならず、長手方向の磁束による影響を低減することにより上流側および下流側領域においても、金属球Sの長手方向の移動を妨害することなく、電気モータ31の負荷(消費電力)を極力抑え、電気モータ31を小さくすることができる。
また、実施の形態1と同様、加熱コイル50と電気モータ31を駆動するタイミング(オン期間)をずらして、加熱コイル50のオフ期間に電気モータ31を駆動して、電気モータ31の負荷を低減するように構成してもよい。
金属球Sは、交流磁場に曝されるので、たとえ誘導加熱(乾燥処理)する前に残留磁化を有していても消磁され、処理済みのパチンコ玉による不正行為の可能性を排除することができる。また、矩形状トレイ40に載置された金属球Sの数を制御部71にてリアルタイムで検出することにより、金属球Sの数の変動に迅速に応答して効率的に加熱することができる。
択一的に、コンベヤ60を設ける代わりに、矩形状トレイ40を水平方向に対して傾斜させて、金属球Sを重力により長手方向に移動させるようにしてもよい。このとき、加熱コイル50は、連続的に電源供給するのではなく、所定の周期で電源供給しないオフ期間を設定して、金属球Sの重力による移動を支援するように構成することが好ましい。
さらに択一的には、金属球Sが導電性を有する場合、図19に示すように、金属球Sに電磁力を直接的に作用させて、金属球Sを長手方向に推進する装置を設けてもよい。具体的には、この装置は、図示しないコイルを用いて図中紙面方向に直流磁場Bを形成し、矩形状トレイ40の挿入口42において底板44の一部に電極板45を設けるとともに、その上方に電極ブラシ46を設け、電極板45上にある金属球Sに直流電流iを流す。すると、直流磁場Bと直流電流iの方向から、図中右方向の電磁力fが金属球Sに生じ、金属球Sを右方向へ推進する。
実施の形態7.
図20を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態7について以下に説明する。図20は、実施の形態7による誘導加熱装置を模式的に示す正面断面図である。なお、本発明に係る誘導加熱装置7は、上述のように、パチンコ玉やベアリング球などの球状金属片、コイン(硬貨)やメダルなどの円板状金属片、またはボルトやナットなど他の形状を有する金属片を加熱するものであるが、実施の形態7では、一例として金属円板を加熱するための誘導加熱装置について説明する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図20に示す誘導加熱装置7は、概略、実質的に鉛直方向に延びる支持板101を有し、挿入口102および排出口103を含む筐体100と、鉛直方向に対して傾斜して支持板101に配設された少なくとも1つ(好適には複数)の傾斜ガイド部104と、支持板101に沿って捲回され、かつこれに隣接して配置された加熱コイル50とを備える。また実施の形態7に係る誘導加熱装置7は、加熱コイル50に高周波電流を供給する高周波電源70を備え、図示しないが、好適には、磁気抵抗を低減するためフェライトコアや、冷却装置を配置してもよい。筐体100、支持板101、および傾斜ガイド部104は、樹脂やセラミックなどの絶縁材料を用いて構成されることが好ましい。
金属円板Dは、筐体100の挿入口102から挿入され、支持板101と傾斜ガイド部104により支持され、そして重力の作用により、傾斜ガイド部104に沿って図中の矢印106で示すように転がって移動し、1つの傾斜ガイド部104の終端107から別の傾斜ガイド部104の始端108に落下して、最終的には排出口103から排出される。なお、筐体100は、支持板101に対向して、傾斜ガイド部104を挟持する別の支持板(図示せず)を有していてもよい。
すなわち実施の形態7によれば、加熱コイル50は、その中央領域(加熱コイル50を構成する導線が水平方向に延びている領域)においては鉛直方向に磁束方向を有する高周波磁場を形成し、左右の側部領域(導線が鉛直方向に延びている領域)では水平方向の磁束を形成する。一方、金属円板Dは、支持板101の中央領域で傾斜ガイド部104に沿って、斜め右下方向および斜め左下方向に転がる。したがって、支持板101の中央領域においては金属円板Dの移動方向が磁束方向とは実質的に異なるので、複数の金属円板Dが連なって転がる場合であっても、隣接する金属円板Dの間に生じる引力は小さく、移動が阻害されることはない。
なお、加熱コイル50の左右の側部領域においては水平方向の磁束が形成されるが、金属円板Dが落下する傾斜ガイド部104の始端108および終端107を、加熱コイル50の側部領域より十分に内側に配置するか、あるいは実施の形態5と同様の磁場遮蔽板21を支持板101に設けることにより、側部領域での水平方向の磁束の影響を抑制することができる。
択一的には、傾斜ガイド部104の始端108および終端107において、加熱コイル50の側部領域に配置し、金属円板Dが1つずつ落下するように傾斜ガイド部104を構成してもよい。こうして、側部領域における磁束方向が金属円板Dの落下方向に対して直交するようにして、金属円板Dの落下(移動)が妨害されて、金属円板Dが傾斜ガイド部104上で詰まらないようにすることができる。
実施の形態8.
図21を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態8について以下に説明する。図21は、実施の形態8の誘導加熱装置を模式的に示す斜視図である。なお、本発明に係る誘導加熱装置は、これまでの実施の形態と同様、任意の形状を有する金属片を加熱することができるが、実施の形態8では、一例として金属球を加熱するための誘導加熱装置について説明する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図21に示す誘導加熱装置8は、概略、実質的に鉛直方向に延びるリフト(移動手段)110と、支持板101に沿って捲回され、かつこれに隣接して配置された加熱コイル50とを備える。図21では、加熱コイル50は、支持板101の手前側に配設されているように図示されているが、リフト110と加熱コイル50の間の距離はできるだけ短い方が好ましいので、支持板101のリフト110に対向する面に配置することが好ましい。また、支持板101は必須のものではなく、加熱コイル50が独立して支持される場合には省略することができる。
リフト110は、駆動ローラ111、従動ローラ112、これらの間に掛け渡された無端状ベルト113、およびベルト113の上に複数の水平ガイド部114を備える。各水平ガイド部114には、金属球Sを安定して載置できるような複数の凹みまたは穴(図示せず)を設けてある。実施の形態8に係る誘導加熱装置8は、加熱コイル50に高周波電流を供給する高周波電源70を備え、詳細図示しないが、好適には、磁気抵抗を低減するためフェライトコアや、冷却装置を配置してもよい。このように構成されたリフト110において、駆動ローラ111が図示しない電気モータなどで駆動されて回転すると、従動ローラ112およびベルト113が図中の矢印115の方向に回転し、複数の水平ガイド部114が金属球Sを垂直上方向に搬送する。
こうして、複数の金属球Sがリフト110により搬送されるとき、加熱コイル50による高周波磁場により誘導加熱される。このとき好適には、加熱コイル50は、図21に示すように、鉛直方向の中央領域の大部分において水平方向の磁束が形成されて、水平ガイド部114上に載置された金属球Sが互いにくっついて水平方向に転がることなく安定して垂直上方向に搬送される。
なお、実施の形態8は、これまでの実施の形態と同様、金属球Sの代わりに金属円板Dを用いる場合にも有用である。この場合、金属円板Dの主面を支持板101または加熱コイル50に対して平行に配向することが好ましい。
なお、以上の実施の形態では、金属球Sは強磁性を有する金属材料からなるものとして説明したが、加熱コイル50の発振周波数を調整することにより、黄銅や白銅あるいは銅、アルミニウムなどの非磁性金属であっても誘導加熱することができるので、これらの非磁性金属からなる金属片を加熱するために本発明を同様に適用することができる。
本発明の実施の形態1に係る誘導加熱装置の分解斜視図である。 実施の形態1に係る誘導加熱装置の垂直断面図である。 実施の形態1に係る円盤状トレイの平面図である。 実施の形態1に係る高周波電源および制御部の回路図である。 円盤状トレイに載置された金属球の数と、加熱コイルのインダクタンスおよび抵抗値との間の関係を示すグラフである。 加熱コイルと金属球の間の距離と、エネルギ変換効率の関係を示すグラフである。 実施の形態1の変形例に係る円盤状トレイの平面図である。 実施の形態1の別の変形例に係る円盤状トレイの平面図である。 実施の形態1の別の変形例に係る円盤状トレイの平面図である。 (a)および(b)は、円盤状トレイの概略的な断面図および平面図であって、加熱コイルによる閉ループの磁力線と磁束密度とを示すものである。 (a)は、(b)および(c)に示す加熱コイルで加熱された金属球の上昇温度と、加熱コイルの中心からの距離との関係を示すグラフである。 実施の形態2に係る誘導加熱装置の分解斜視図である。 実施の形態3に係る誘導加熱装置の垂直断面図である。 実施の形態3に係る円盤状トレイの平面図である。 実施の形態3の変形例に係る加熱コイルの断面図である。 実施の形態4において、加熱コイルおよび電気モータが電力供給されるタイミングまたは期間を示すタイムチャートである。 実施の形態5に係る円盤状トレイの平面図である。 実施の形態6に係る誘導加熱装置の分解斜視図である。 実施の形態6の変形例に係る移動手段の側面図である。 実施の形態7に係る誘導加熱装置の正面断面図である 実施の形態8に係る誘導加熱装置の斜視図である。
符号の説明
1〜8:誘導加熱装置、S:金属球、D:金属円板、10:円盤状トレイ、11:底板、12:周囲壁、13:天板、14:挿入口、15:排出口、16:排出壁、17:金属球ホッパ(供給部)、18:容器、19:衝撃緩衝部、20:貫通スリット、21:磁場遮蔽板、30:回転機(移動手段)、31:電気モータ、32:シャフト、33:中央部、34:回転壁、35:中央開口部、36:螺旋ガイド部、44:底板、45:電極板、46:電極ブラシ、50,50a,50b:加熱コイル、54:フェライトコア、60:コンベヤ(移動手段)、61:駆動ローラ、62:従動ローラ、63:無端状ベルト、64:押出壁、70:高周波電源、71:制御部、72:直流電源、73:ハーフブリッジ回路、74:共振コンデンサ、75:ダイオードブリッジ、76:平滑コンデンサ、77:交流電源、78a,78b:スイッチング素子、79:ハーフブリッジドライバ、80:電流センサ、81:電圧センサ、90:空冷ファン、101:支持板、102:挿入口、103:排出口、104:傾斜ガイド部、107:終端、108:始端、110:リフト、111:駆動ローラ、112:従動ローラ、113:無端状ベルト114:水平ガイド部。

Claims (23)

  1. 所定平面に沿って捲回された加熱コイルと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源と、
    金属片を前記加熱コイル上で移動させる移動手段とを備え、
    前記加熱コイルによる高周波磁場の磁束方向が、前記移動手段による金属片の移動方向とは実質的に異なることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 加熱コイルに隣接して配置された、金属片を支持するための円盤状トレイを備え、
    前記加熱コイルは、前記円盤状トレイの半径方向の磁束を有する高周波磁場を形成し、
    前記金属片は、前記円盤状トレイ上で支持されて実質的に円周方向に移動する間、前記加熱コイルによる高周波磁場により誘導加熱されることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 移動手段は、円盤状トレイの半径方向に延びる少なくとも1つの回転壁を円周方向に回転させる回転駆動部を有することを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 移動手段は、円盤状トレイの中心軸の周りに螺旋状に形成された螺旋ガイド部を円周方向に回転させる回転駆動部を有することを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  5. 円盤状トレイの上方に配置された、金属片を該円盤状トレイに投入する供給部を備え、
    前記円盤状トレイは、供給部の直下において衝撃緩衝部を有することを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  6. 円盤状トレイは、金属片を挿入する挿入口と、該金属片を排出する排出口とを有し、さらに、前記挿入口および前記排出口の一方または両方において、非磁性材料からなる磁場遮蔽部を有することを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  7. 円盤状トレイは、金属片を排出する排出口において、前記円盤状トレイに対して固定された位置に半径方向とは異なる方向に延びる排出壁を有することを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  8. 円盤状トレイは、半径方向に延びる複数のスリットを有することを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  9. 加熱コイルは、円盤状トレイに沿ってその中心軸の周りに捲回された互いに独立した複数のコイル部からなることを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  10. 加熱コイルは、円盤状トレイに沿ってその中心軸の周りに捲回された導線からなり、
    半径方向において隣接する前記導線の間隔が、半径方向の外側より内側の方が広いことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
  11. 高周波電源が加熱コイルに高周波電流を供給する加熱期間と、移動手段が金属片を前記加熱コイル上で移動させる移動期間とが異なるように、前記高周波電源および前記移動手段を制御する制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  12. 加熱コイル上の金属片の数量を検出して、前記加熱コイルに供給される高周波電流、または前記金属片を前記加熱コイル上で移動させる移動速度を制御する制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  13. 制御部は、加熱コイルに供給される高周波電流および該加熱コイルの両端に印加される電圧の一方または両方を検出することにより、前記加熱コイル上の金属片の数量を検出することを特徴とする請求項12に記載の誘導加熱装置。
  14. 加熱コイルに隣接して配置された、金属片を支持する矩形状トレイを備え、
    前記加熱コイルは、前記矩形状トレイの長手方向に対して直交する磁束を有する高周波磁場を形成し、
    前記金属片は、前記矩形状トレイ上で支持されて長手方向に移動する間、前記加熱コイルによる高周波磁場により誘導加熱されることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  15. 移動手段は、一対の回転駆動可能なローラと、これに掛け渡された無端状ベルトと、該無端状ベルト上に配設された少なくとも1つの押出壁とを有する並進駆動部を有することを特徴とする請求項14に記載の誘導加熱装置。
  16. 矩形状トレイは、金属片を挿入する挿入口と、該金属片を排出する排出口とを有し、さらに、前記挿入口および前記排出口の少なくとも一方において、非磁性材料からなる磁場遮蔽部を有することを特徴とする請求項14に記載の誘導加熱装置。
  17. 移動手段は、水平方向に対して傾斜した支持面上で金属片を支持して重力により長手方向に移動させる矩形状トレイであることを特徴とする請求項14に記載の誘導加熱装置。
  18. 移動手段は、加熱コイルに隣接して配置された、実質的に鉛直方向に延びる支持板と、鉛直方向に対して傾斜して前記支持板に配設された少なくとも1つの傾斜ガイド部とを有し、
    前記加熱コイルは、前記支持板に沿った実質的に鉛直方向の磁束を有する高周波磁場を形成し、
    金属片は、重力により前記傾斜ガイド部に沿って移動する間、前記加熱コイルによる高周波磁場により誘導加熱されることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  19. 移動手段は、始端および終端を有する少なくとも2つの傾斜ガイド部を有し、
    前記傾斜ガイド部は、一方の傾斜ガイド部の終端で落下した金属片が他方の傾斜ガイド部の始端で受容されるように構成され、
    加熱コイルは、傾斜ガイド部の始端および終端において、実質的に水平方向の磁束を有する高周波磁場を形成することを特徴とする請求項18に記載の誘導加熱装置。
  20. 移動手段は、一対の回転駆動可能なローラと、これに支持された無端状ベルトと、該無端状ベルト上に配設された複数の水平ガイド部とを有し、
    加熱コイルは、前記複数の水平ガイド部に対向するように配設され、
    前記ローラおよび前記無端状ベルトが回転することにより、前記水平ガイド部上で支持された金属片を移動させることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  21. 遊技機で用いられる遊技機用金属片を水洗するステップと、
    誘導加熱により乾燥するステップとを有することを特徴とする遊技機用金属片の誘導加熱方法。
  22. 遊戯機用金属片を誘導加熱するステップを有することを特徴とする請求項21に記載の誘導加熱方法。
  23. 請求項1〜20のいずれか一に記載の誘導加熱装置を用いて、遊戯機用金属片を誘導加熱することを特徴とする誘導加熱方法。
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