JP5388439B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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本発明は、金属片を加熱する誘導加熱装置および誘導加熱方法に関し、とりわけ遊技装置で利用されるパチンコ玉やベアリング球などの球状金属片、コイン(硬貨)やメダルなどの円板状金属片、またはボルトやナットなど他の形状を有する金属片を加熱するための誘導加熱装置および誘導加熱方法に関する。
一般に、遊戯装置として知られるパチンコ台において、パチンコ玉がパチンコ台に数多く設けられた釘に衝突した後、当たり穴に入ると規定数のパチンコ玉を獲得することができるが、釘の状態によりパチンコ玉の軌跡が変化し、入賞確率が変化し得ることが知られている。具体的には、パチンコ台の釘に汚れや異物が付着していると、予定した入賞確率が変化することがある。入賞確率が予定したものより大きくなるとパチンコ店の損害が増大し、入賞確率が期待されるものに及ばないとき顧客の不満が拡大する。すなわち入賞確率は、所定の範囲で制御する必要がある。そこで、パチンコ台の釘への汚れや異物の付着を防止するために、パチンコ玉を洗浄し汚れを取り除くことが強く望まれている。
例えば特許文献1は、パチンコ玉の研磨装置に関し、いわゆる乾式のパチンコ玉の洗浄装置を開示している。具体的には、特許文献1には、吸水性および吸油性を有するベルト状の研磨布の上に多数のパチンコ玉を配置し、押送部により研磨布上を移動させることにより、押送部およびパチンコ玉同士の衝突によって複雑に転動する間に、研磨布の表面でパチンコ玉の汚れを取り除くことが記載されている。
また、特許文献2は、ベアリング鋼球などの小球を水で洗浄した後に乾燥させるための(すなわち湿式の洗浄装置で用いられる)乾燥装置を開示している。特許文献2には、水で洗浄した後の小球が小球の5〜10倍の直径を有する球体で充填された乾燥槽に投入され、乾燥槽の下方から送り込まれた熱風により、あるいは小球と球体との接触により、小球を乾燥させることが記載されている。
さらに、特許文献3は、パチンコ玉を乾燥する目的ではないが、誘導加熱を利用してパチンコ玉を1200℃の高温に加熱した後、ステンレススチールの金属粉をその外周面に付着させて、外径を大きくすることにより、磨り減って直径が減少した使用済みパチンコ玉の再生装置を開示している。
特開平1−232987号公報 特開平8−261651号公報 特開平11−47430号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来式のパチンコ玉の研磨装置においては、研磨布が長いほどにパチンコ玉の洗浄効率は高くなるが、一般に、パチンコ店内の限られたスペースに設置可能なベルト長を有する研磨布を用いた場合、パチンコ玉の汚れを十分に拭い取ることはできないといった問題点があった。また、研磨布を定期的に交換、洗浄しなければならずメンテナンスに多くの労力を有するといった問題点があった。
また、パチンコ玉を水で洗浄した後、特許文献2に記載の乾燥装置を用いた場合、乾燥槽および球体などのパチンコ玉以外のものを加熱する必要があり、多くのエネルギを浪費するといった問題点があった。
さらに、特許文献3に記載のように誘導加熱コイルを用いてパチンコ玉を加熱することにより、パチンコ玉の表面に付着した水を蒸発させることも考えられるが、パチンコ玉を水の蒸発に適した100℃以下(キュリー温度以下)の温度に加熱させるとき、加熱コイルにより生じる磁場の向きが案内筒内のパチンコ玉の移動方向と一致するためパチンコ玉が案内筒内で互いに引力を及ぼし(くっついて)案内筒から排出されず、数多くのパチンコ玉を効率よく乾燥処理できないといった問題点があった。
加えて、特許文献3に記載の内容によれば、ステンレススチールの金属粉をその外周面に付着させるためにパチンコ玉を1200℃もの高温に加熱するが、これに要する電気エネルギは極めて莫大であり、パチンコ玉を洗浄した後に、その表面に付着した水滴を蒸発・乾燥させるために、上記技術を採用すると、エネルギを浪費するといった問題点もある。
そこで本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、パチンコ玉などの球状金属片やメダルなどの円板状金属片を水洗した後、これらの金属片の表面に付着した水を効率よく蒸発させることを目的とする。
本発明に係る誘導加熱装置は、投入口および排出口を有し、これらの間で金属片を搬送する通路を有する搬送部と、前記搬送部の長手方向に沿って捲回された加熱コイルと、前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを備え、前記金属片が重力の作用により前記通路内を搬送されるとき、前記加熱コイルが発生する高周波磁場により前記金属片を誘導加熱して、その表面に付着した水分を蒸発させて乾燥させ、前記搬送部は同軸上に配置された内筒と外筒とからからなり、前記加熱コイルは前記内筒および前記外筒のいずれか一方または両方の上に形成され、前記金属片は球形状に形成され、前記通路は前記内筒および前記外筒の間に形成され、前記球形金属片が前記通路内で螺旋状に搬送されるように、螺旋状ガイドが前記内筒および前記外筒のいずれか一方に形成され、螺旋状ガイドは所定のピッチで捲回された加熱コイルであることを特徴とするものである。

本発明に係る誘導加熱装置によれば、金属片を水洗した後、これらの金属片の表面に付着した水をより効率的かつ迅速に蒸発させることができる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態を説明する。実施の形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、「上方」、「下方」、「水平方向」および「鉛直方向」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。なお、各実施の形態において同様の構成部品は、同様の符号をもって示す。
実施の形態1.
図1および図2を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態1について以下に説明する。図1(a)および(b)はそれぞれ、実施の形態1に係る誘導加熱装置1を模式的に示す側面図および断面図である。以下の断面図において、加熱コイルは、図1(b)に示すように矩形(箱状)のものに対角線を付したもので簡略化して図示する。なお本発明に係る誘導加熱装置は、上述のように、パチンコ玉やベアリング球などの球状金属片、コイン(硬貨)やメダルなどの円板状金属片、またはボルトやナットなど他の形状を有する金属片を加熱するものであるが、以下の実施の形態1〜10では、一例として金属球を加熱するための誘導加熱装置について説明する。
実施の形態1に係る誘導加熱装置1は、概略、長手方向に延びる円筒状の案内筒(搬送部)20と、案内筒20の周りに長手方向に沿って捲回された加熱コイル40と、加熱コイル40に高周波電流を供給する高周波電源60とを有する。
案内筒20は、金属球Sを投入するための投入口21と、金属球Sを排出するための排出口22とを有し、その間には金属球Sを搬送するための通路23が形成され、鉛直方向に対して所定の角度で傾斜するように構成されている。すなわち、投入口21から投入された金属球Sは、重力の作用により、通路23を通って排出口22から排出される。
一方、加熱コイル40は、単一、または複数の素線からなる拠り線の絶縁被膜された導線41を捲回することにより構成され、高周波電源60からの高周波の交流電流を受けて、長手方向に磁束方向を有する高周波交流磁場を形成する。こうして形成された高周波磁場により、通路23内にある金属球Sは、その表面近傍で形成される渦電流により誘導加熱される。このとき、金属球Sの表面を直接的に加熱するので(他のものを媒体として加熱する必要がないので)、金属球Sの表面上に付着した水を極めて効率よく加熱して、乾燥させることができる。
なお、金属球Sは、とりわけ強磁性体材料で構成されている場合、加熱コイル40の長手方向の磁束により瞬時に磁化され、金属球S同士が互いに引力を及ぼし合って(くっついて)、排出されることなく案内筒20の内部で滞留することがある。しかしながら、案内筒20は、上述のように、鉛直方向に対して所定の角度で傾斜するように構成されており、この傾斜角度を十分に大きく設定することにより、金属球Sを排出口22から排出することができる。
また、案内筒20の傾斜角度は、金属球Sが通路23を通過する時間を左右するので、加熱コイル40を駆動する高周波電源60の容量が十分に大きい場合には傾斜角度を大きくし、金属球Sへの投入電力を抑制したい場合には傾斜角度を小さくすることが好ましい。
このように、実施の形態1に係る誘導加熱装置によれば、従来技術で用いられていた乾燥炉や温風発生装置を必要としないので、装置全体を小型化することができる。また研磨布を用いて汚れを拭き取るといった処理は不要であるので、研磨布などの消耗品の交換などのメンテナンスによる費用や労力を省略することができる。
さらに金属球Sは、残留磁化を有することがあり、とりわけパチンコ玉として使用される場合、これを用いてパチンコ台の入賞確率を変化させるといった不正行為が行われ得ることが知られている。しかしながら、本発明に係る誘導加熱装置によれば、金属球Sは、交流磁場に曝されるので、たとえ誘導加熱(乾燥処理)する前に残留磁化を有していても乾燥処理後においては確実に消磁され、処理済みのパチンコ玉による不正行為の可能性を排除することができる。
なお、案内筒20は、その内径(φ2)が金属球Sの外径(φ1)より大きく、外径(φ1)の2倍より小さくなるように構成し(1<φ2/φ1<2)、金属球Sが長手方向と直交する方向に2個以上並んで搬送されることを防止することが好ましい。これにより、それぞれの金属球Sが加熱コイル40から受ける電力を均一にすることできる。

次に、図2を参照しながら、本発明に係る高周波電源60について以下説明する。
高周波電源60は、概略、商用の交流電源から直流電流を得る直流電源61と、直流電源61に接続され所定の電圧波形を出力するハーフブリッジ回路からなるインバータ62と、インバータ62と加熱コイル40の間で直列に接続された共振コンデンサ63とを有する。直流電源61は、ダイオードブリッジ64と、これに並列に接続された平滑コンデンサ65とを有し、商用の交流電源66からの交流電圧を全波整流する。また、インバータ62は、IGBTなどのスイッチング素子67a,67bと、これらをスイッチング駆動するドライバ68とを有する。
また高周波電源60は、加熱コイル40に流れる電流を検出するためのカレントトランスなどからなる電流センサ69と、加熱コイル40の両端の電圧を検出するための分圧抵抗などからなる電圧センサ70と、電流センサ69および電圧センサ70からの信号に応じてドライバ68を制御する制御部71とを有する。すなわち制御部71は、これらの情報から、動作時における加熱コイル40のインピーダンス(すなわちインダクタンスと抵抗値)を検出することができる。なお、インバータ62を構成する共振回路は、ハーフブリッジ回路に限定されるものではなく、フルブリッジ回路や一石電圧共振回路であってもよい。
加熱コイル40のインダクタンスおよび抵抗値は、案内筒20の内部にある金属球Sの数に依存し、とりわけ加熱コイル40の抵抗値は金属球Sの数にほぼ直線的に比例することが知られている。したがって、制御部71は、加熱コイル40の両端の電圧と加熱コイル40に流れる電流とから加熱コイル40の抵抗値を求め、抵抗値と金属球Sの数の間の既知の関係式から金属球Sの数を検出することができる。
特に金属球Sがパチンコ玉として利用される場合、客数の増減により、洗浄乾燥処理されるパチンコ玉の数量(案内筒20内の金属球Sの数)が大きく変動する。したがって、案内筒20内の金属球Sの数に依存して、金属球Sに供給される電力を制御することが好ましい。このとき、実施の形態1に係る誘導加熱装置1によれば、制御部71は、上述のように、電流センサ69と電圧センサ70からの情報により、加熱コイル40の抵抗値を求め、金属球Sの数を検出できるので、1個当たりの金属球Sに投入する電力(発熱量)が一定となるように加熱コイル40に供給される電流を制御することができる。これにより、案内筒20内の金属球Sの数によらず、常に適正な電力で金属球を加熱することができる。このように、本発明に係る誘導加熱装置1は、金属球Sの数の変動に迅速に応答して電力を調整することにより、増減する金属球Sを極めて応答性よく効率的に加熱することができる。
具体的には、制御部71は、加熱コイル40に流れる高周波電流の実効値(または平均値)が常に一定となるように制御することで、常に適正な電力で金属球Sを加熱することができる。制御部71は、金属球Sが増えた場合、たとえば高電位側のスイッチング素子67aのオン時間を長く(低電位側のスイッチング素子67bのオフ時間を短く)するようにドライバ68を制御することにより、加熱コイル40に流れる高周波電流の実効値を大きくして、1個当たりの金属球Sに投入する電力(発熱量)が一定となるように制御することができる。
なお、実施の形態1では、案内筒20内の金属球Sの数を検出するために、加熱コイル40の抵抗値を求めたが、これに限定されるものではなく、加熱コイルのインダクタンス値の変化や、投入口21および排出口22に設けた機械式/光学式カウンタ(図示せず)、加熱コイル40に設置した重量センサを用いて金属球Sの数を計数(検出)してもよい。
実施の形態2.
図3を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態2について以下に説明する。実施の形態2による誘導加熱装置2は、実施の形態1のように加熱コイル40に流れる高周波電流の大きさを制御するだけでなく、断続的に流れるように制御する点を除いて、誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
すなわち、誘導加熱装置2の制御部71は、高周波電流が加熱コイル40に断続的に(周期的にオン・オフして)流れるように高周波電源60を制御するものである。図3(a)および図3(b)はそれぞれ、高周波電流が供給されている状態(オン状態)、および供給されていない状態(オフ状態)にある誘導加熱装置の断面図である。
高周波電流が加熱コイル40に供給されると、特に強磁性を有する金属球Sは、長手方向の磁束により互いにくっついて案内筒20内で滞留することがあり、これと同時に誘導加熱されて、金属球Sの表面に付着した水分が蒸発する。しかしながら、案内筒20内で滞留した金属球Sを誘導加熱し続けると、金属球Sは過剰に加熱され、無駄な電力を消費することになる。
そこで実施の形態2によれば、制御部71は、高周波電流が供給される期間と供給されない期間とを周期的に繰り返すことにより、オン期間中(図3(a)参照)に金属球Sに必要かつ十分な電力を供給し、オフ期間中(図3(b)参照)に長手方向の磁束を解消して金属球Sを重力により直ちに排出することができる。
こうして、実施の形態2に係る誘導加熱装置2は、金属球Sを過剰に加熱することなく、適正な電力で、洗浄処理された金属球Sを効率的に乾燥させることができる。
実施の形態3.
図4を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態3について以下に説明する。実施の形態3による誘導加熱装置3は、排出口22付近に開閉弁24を設けた点を除いて誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図4に示す誘導加熱装置3においては、開閉制御部72により選択的に開閉可能な開閉弁(保持手段)24が案内筒20の排出口22付近に配設されている。案内筒20が空の状態において開閉弁24は閉じられており、金属球Sを投入し始めて案内筒20が満杯になるまで、加熱コイル40には高周波電流が供給されない。開閉制御部72は、案内筒20が金属球Sで満杯になることを電気的に検出し、あるいは機械式/光学式カウンタや重量センサ(図示せず)を用いて検出すると(図4(a)参照)、制御部71は、高周波電源60が加熱コイル40に高周波電流を供給するように制御する。そして制御部71は、金属球Sを必要かつ十分に加熱して水分を乾燥させた時点で高周波電流の供給を停止するとともに、開閉制御部72により開閉弁24を開いて、金属球Sを排出口22から排出するように制御する(図4(b)参照)。したがって、実施の形態3によれば、案内筒20内に一時的に保持されたすべての金属球Sが一定の時間だけ誘導加熱され、すなわち一定の電力が供給されるので、金属球Sの表面の温度上昇を均一にすることができる。
なお、金属球Sを案内筒20内に一時的(選択的に)に保持するものであれば、排出口22に設けた開閉弁24に限定されるものではなく、その他の任意の構成を有し得る。また、金属球Sを排出口22から排出するとき、処理済の金属球Sが排出口22から完全に排出されるまで、未処理の金属球Sが案内筒20内に投入されないように、投入口21に別の開閉弁(図示せず)を設けてもよい。さらに図4では、案内筒20を鉛直方向に直立するように図示したが、先の実施の形態と同様、鉛直方向に対して傾斜するように配置してもよい。
実施の形態4.
図5〜図7を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態4について以下に説明する。実施の形態4による誘導加熱装置4は、搬送支援手段を新たに設けて、案内筒20内に滞留しがちな金属球Sを搬送しやすくした点を除いて、誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
上述のように、高周波電流が加熱コイル40に供給されると、長手方向に磁束が形成されて、強磁性を有する金属球Sは互いに引力を及ぼし合って案内筒20から排出されない(案内筒20で滞留する)傾向がある。
そこで実施の形態4に係る誘導加熱装置4によれば、図5に示すように、搬送支援手段としてのバイブレータ(加振装置)42を案内筒20に取り付け、案内筒20内に滞留しがちな金属球Sを搬送しやすくしている。バイブレータ42は、案内筒20に振動を与えるものであれば、任意の構成を有し得るが、たとえば電気モータの回転シャフトに偏心重りを取り付けたものであってもよい。すなわち、このバイブレータ42は、案内筒20に振動を与えて、案内筒20内の金属球Sの搬送を促すことにより、金属球Sを滞留させることなく均一に加熱することができる。
択一的な搬送支援手段は、誘導加熱装置4は、案内筒20をその長手方向の周りに機械的に回転させるように配設された回転機構43(図6参照)であってもよい。このように構成された回転機構43は、上記バイブレータ42と同様の効果、すなわち案内筒20内に滞留しがちな金属球Sを搬送しやすくするといった格別の効果を実現することができる。また、この回転機構43は、正転・逆転の回転方向および回転角度を任意に設定できるものであってもよく、案内筒20を一定の回転方向に回転させるだけでなく、案内筒20を長手方向の周りで揺動させるように構成されたものであってもよい。
さらに択一的な搬送支援手段として、誘導加熱装置4は、案内筒20の鉛直方向に対する傾斜角度を調整する角度調整機構44(図7参照)を備えていてもよい。この角度調整機構44は、上述のように電気的に検出し、あるいは機械式/光学式カウンタや重量センサを用いて計数(検出)された案内筒20内にある金属球Sの数に応じて、案内筒20の傾斜角度を調整するようにしてもよい。すなわち数多くの金属球Sが案内筒20に含まれる場合には、金属球S同士がくっついて案内筒20内でより滞留しやすいので、案内筒20の傾斜角度が大きくなるように制御してもよい。あるいは、金属球Sへの投入電力を抑制したい場合(省エネモード)には、金属球Sが案内筒20内で滞留しない範囲で、案内筒20の傾斜角度が小さくなるように調整することもできる。
実施の形態5.
図8および図9を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態5について以下に説明する。実施の形態5による誘導加熱装置5は、加熱コイル40が互いに独立して制御可能な複数のコイル部40a〜40eを有する点を除いて、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図8は、誘導加熱装置5を模式的に示す断面図であって、図1(b)と同様のものである。実施の形態1の加熱コイル40は単一の誘導加熱コイルで構成されていたが、実施の形態5の加熱コイル40は、互いに独立して制御可能な複数のコイル部40a〜40eを有する。なお、図8ではコイル部40aのみが高周波電源60に接続されるように図示されているが、その他のコイル部40b〜40eも同様に個別の高周波電源に接続され、独立して制御することができる。
実施の形態5による制御部71は、さまざまな手法で高周波電源60を駆動することができる。図9(a)〜(d)は駆動条件の一例を示すタイムチャートである。なお図中、各オン期間においては、それより短い周期を有する高周波電流が数多く反復して供給されているものとする。
図9(a)に示す駆動条件では、すべてのコイル部40a〜40eは同時に高周波電流が供給された後、同時に高周波電流の供給が停止され、これが反復される。すなわち実施の形態5に係るコイル部40a〜40eは全体として、実施の形態2の加熱コイル40と同様の効果を得ることができる。すなわち、図9(a)の駆動条件の下、誘導加熱装置5は、金属球Sの案内筒20内の滞留を回避して、金属球Sを過剰に加熱することなく、洗浄処理された金属球Sを効率的に乾燥させることができる。
図9(b)に示す駆動条件では、一部のコイル部40bについてのみ、高周波電流のオン・オフが反復され、他のコイル部40a,40c〜40eは高周波電流が供給されない。これは金属球Sの数が少ないときに利用される駆動条件であり、高周波電源60の消費電力を抑制しつつ、投入数の少ない金属球Sを必要かつ十分に加熱して乾燥することができる。
図9(c)の駆動条件においては、第1および第2のコイル部40a,40bについてのみ、高周波電流のオン・オフが反復され、他のコイル部40c〜40eは高周波電流が供給されない。また、第1のコイル部40aがオン状態のとき第2のコイル部40bはオフ状態であり、第1のコイル部40aがオフ状態のとき第2のコイル部40bはオン状態となるように制御されている。したがって、金属球Sは、第1のコイル部40aにおいて誘導加熱された後、高周波電流供給がオフ状態となり磁束が解除されて第2のコイル部40bまで搬送され、第2のコイル部40bにおいて誘導加熱された後、排出口22から排出される。こうして、順次投入される金属球Sを第1および第2のコイル部40a,40bで滞留させることなく円滑に搬送することができる。
図9(d)の駆動条件では、各コイル部40a〜40eに高周波電流が順次供給され、オン状態となる期間が各コイル部において重なり合わないように制御される。このとき金属球Sは、各コイル部40a〜40eに順次搬送され、誘導加熱される。実施の形態5によれば、同時に複数のコイル部に高周波電流を供給しないので、各コイル部に大電力を供給することができ、あるいは電力容量の小さい高周波電源60を用いて金属球Sを誘導加熱して乾燥させることができる。
実施の形態6.
図10を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態6について以下に説明する。実施の形態6による誘導加熱装置6は、案内筒20の内周面に螺旋溝25が形成されている点を除いて、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
誘導加熱装置6は、上述のように、案内筒20の内周面に螺旋溝25が形成されている。このとき、案内筒20に投入された金属球Sは、図10(a)〜(c)に示すように、螺旋溝25に沿って長手方向の周りを回転しながら通路23内を長手方向に移動する。すなわち金属球Sは、螺旋状に搬送され、とりわけ長手方向において隣接する金属球Sが互いに接触しない(分離される)。より具体的には、金属球Sの外径をφ1、案内筒20の内径をφ2、螺旋溝25の内径をφ3としたとき、案内筒20の内径φ2は金属球Sの外径φ1より小さく、また螺旋溝25の内径φ3は金属球Sの外径φ1より大きくなるように設定されている(φ2<φ1<φ3)。したがって、金属球Sのそれぞれは案内筒20内で長手方向(磁束方向)において分離されているので、上記搬送支援手段を用いることなく、案内筒20を円滑に搬送することができる。
なお、図10(c)に示すように、案内筒20を鉛直方向に対して傾斜させるか、案内筒20に設けた螺旋溝25の長手方向の間隔(ピッチ)を調整することにより、案内筒20における金属球Sの搬送速度を制御することができる。
実施の形態7.
図11および図12を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態7について以下に説明する。実施の形態7による誘導加熱装置7は、金属球Sを1つずつ投入口21に投入する手段をさらに設けた点を除いて、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
誘導加熱装置7は、図11に示すように、金属球Sを1つずつ投入口21に投入する送出部45を備え、金属球Sが互いに離間した状態で案内筒20内を搬送されるように構成されている。この送出部45は、金属球Sを1つずつ投入できるものであれば任意の形態を有することができ、たとえば周期的に開閉するゲートを有する金属球ホッパであってもよい(図示せず)。こうして、各金属球Sは、案内筒20の内部において互いに分離されているので、上記搬送支援手段を用いるまでもなく、金属球Sを案内筒20の内で滞留させることなく円滑に搬送することができる。
必要ならば、図12に示すように、複数の案内筒20のそれぞれに個別の送出部45を設けて、並列的に金属球Sを加熱して乾燥することができる。その結果、より数多くの金属球Sを乾燥処理することができる。
実施の形態8.
図13および図14を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態8について以下に説明する。実施の形態8の誘導加熱装置8は、概略、案内筒20を省略して、加熱コイル40を用いて投入口21/排出口22および金属球Sを搬送するための通路23を構成した点を除いて、実施の形態1の誘導加熱装置1と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
誘導加熱装置8による加熱コイル40は、図13に示すように、絶縁被膜された導線41を捲回してなり、投入口21と排出口22の間に金属球Sを搬送するための通路23を形成する。換言すると、実施の形態8においては、案内筒20を省略したので、加熱コイル40と金属球Sとの間の距離を低減することができる。一般に、加熱コイルに供給される電気エネルギ(投入電力)に対する被加熱物で生じる熱エネルギ(消費電力)、すなわち加熱効率は、加熱コイル40と金属球Sとの間の距離が小さいほど大きくなる。したがって、実施の形態8によれば、案内筒20を省略して、加熱コイル40を金属球Sにより接近させたので、高周波電源60の加熱効率を改善することができる。
このとき金属球Sは、複数の導線41上の凹凸のある通路23を長手方向に沿って直線的に搬送される。したがって、金属球Sと導線41の間の摩擦力が大きく、搬送が妨げられる状態が生じやすく、金属球Sが長手方向の磁束により互いにくっついて加熱コイル40内で滞留する傾向がより強くなる。
そこで、図14に示すように、導線41の長手方向の間隔(ピッチ)を広げることにより、実施の形態6による螺旋溝25と同様、金属球Sが導線41に沿って長手方向の周りを回転しながら長手方向に移動する(すなわち螺旋状に搬送される)ように加熱コイル40を構成することが好ましい。こうして、加熱コイル40内の各金属球Sを互いに分離して、円滑に搬送することができる。
以上のように、誘導加熱装置8による加熱コイル40は、実施の形態1による案内筒20、および実施の形態6による螺旋ガイド(螺旋溝)の両方の機能を兼ね備えたものである。
また、金属球Sを加熱・乾燥処理するとき、異物(ねじ、ナットなど)Eが投入口21から混入することがあり、通路23を塞ぐことがある。しかし、誘導加熱装置8の加熱コイル40を用いた場合、この異物Eが導線41のピッチより小さければ、たとえ投入口21から誤って投入されたとしても、隣接する導線41の間から脱落するので(図14参照)、通路23の閉塞を回避することができる。
実施の形態9.
図15〜図19を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態9について以下に説明する。実施の形態9による誘導加熱装置9は、同軸上に配置された2つの筒の間に通路23を形成する点を除いて、先に説明した実施の形態の誘導加熱装置と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
誘導加熱装置9は、概略、同軸上に配置された内筒30および外筒31(搬送部)を有し、これらの間に金属球Sのための搬送通路23が形成されている。また誘導加熱装置9は、内筒30の外周面に捲回された絶縁被膜された導線41からなる加熱コイル46が配設されている。さらに、この加熱コイル46は、実施の形態8と同様に螺旋状に捲回され、図15(a)および(b)に示すように、金属球Sが導線41に沿って内筒30(長手方向)の周りを回転しながら長手方向に移動する(通路23内で螺旋状に搬送される)ように構成されている。
こうして構成された誘導加熱装置9において、加熱コイル46に高周波電流が供給されると、金属球Sの表面が直接的に誘導加熱されて、これに付着した水を極めて効率よく蒸発させることができる。また、金属球Sが通路23の周方向に搬送される距離を、上記の実施の形態より長くすることができるので、金属球Sの乾燥処理数を増大させることができる。さらに、加熱コイル46の導線41の長手方向の間隔(ピッチ)を調整することにより、長手方向(磁束方向)に隣接する金属球Sが互いに接触して、金属球Sの通路23内での滞留を防止するとともに、案内筒20における金属球Sの搬送速度を制御することができる。
上述のように、実施の形態9による螺旋ガイドは、加熱コイル46を用いて構成したが、実施の形態6で説明したような螺旋溝32を外筒31の内周面に形成することにより構成してもよい(図16参照)。あるいは、図示しないが、外筒31の内周面の上に加熱コイル40を捲回し、内筒30の外周面に螺旋溝32を形成しても同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態4で説明したように、内筒30または外筒31、あるいはその両方について、搬送支援手段を設けてもよい。たとえば、図17(a)および(b)に示すように、内筒30または外筒31を長手方向の周りに回転させる回転機構43を設けて、金属球Sを通路23に沿って搬送することを支援してもよい。さらに、内筒30または外筒31にバイブレータ(加振装置)42を設けて、搬送支援手段としてもよい。
さらに、図18(a)および(b)に示すように、加熱コイル46の内側にフェライトコア52を配置して、加熱コイル46の磁気抵抗を低減するようにしてもよい。こうして加熱コイル46による誘導加熱の加熱効率を高め、より効率的に金属球Sを加熱・乾燥処理を行うことができる。
あるいは、図19(a)および(b)に示すように、外筒31の外周面上に別の加熱コイル47を配設して、内側および外側の加熱コイル46,47の両方により発生する高周波磁場による大容量の電力で金属球Sを誘導加熱・乾燥処理を行うことができる。
その他の変形例として、外筒31の外周面上に加熱コイル47を配置し、内筒30の外周面上に螺旋ガイドとしての螺旋溝32を設けてもよい。この場合、同様に、内筒30または外筒31について、搬送支援手段を設けてもよい。
なお、これまで説明した実施の形態において、案内筒20、内筒30、および外筒31は、洗浄した後の金属球Sと直接的に接触し、あるいは蒸発した水分が投入口21および排出口22から排出されず凝結して、水分(および汚れ)が付着することがある。そこで、案内筒20等は、その側壁に図20に示すように複数の通気孔48を設け、水分が投入口21および排出口22のみならず、通気孔48からも排出されるように構成することが好ましい。通気孔48の大きさは金属球Sより小さいものであり、その形状は任意である。こうして案内筒20等自体も乾燥させて、汚れが付着しないようにして、案内筒20等から金属球Sに水分および汚れが転移しないようにすることができる。
実施の形態10.
図21〜図23を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態10について以下に説明する。実施の形態10による誘導加熱装置10は、基本的には、螺旋ガイドとして、外筒31の内周面上に設けた2重またはそれ以上の螺旋状のガイド板49を設けた点を除いて、実施の形態9の誘導加熱装置9と同様の構成を有するので、その他の構成部品に関連する詳細な説明を省略する。なお図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
図21に示すように、誘導加熱装置10は金属球ホッパ50を有し、金属球Sは金属球ホッパ50から投入口21に投入される。金属球ホッパ50は、内壁および外壁を有し、それぞれ内筒30および外筒31に接続または一体に成形してもよい。外筒31は、その内周面上に2重またはそれ以上の螺旋状のガイド板49を有し、金属球Sの複数の通路23を形成し、より数多くの金属球Sを誘導加熱・乾燥処理することができる。
また、図21に示す誘導加熱装置10は、内筒30の内側に加熱コイル40を配置し、その内側にスリーブ51、あるいは短冊状または円柱状のフェライトコア52を有していてもよい。さらに、内筒30の中に冷却風を形成して、加熱コイル40を冷却するための冷却装置(図示せず)を設けてもよい。
さらに、誘導加熱装置10は、搬送支援手段として、外筒31を回転させるための回転機構43を有していてもよく、一定の方向の回転動作のみならず、正転および逆転による揺動動作により、金属球Sの排出を促進させることができる。このとき、金属球ホッパ50を内筒30および外筒31と一体に成形した場合、金属球ホッパ50内で金属球が詰まることを防止することができる。なお、このように内筒30を固定して外筒31を回転させる代わりに、ガイド板49を内筒30の外周面上に設けた上で、外筒31を固定して内筒30を回転させるように構成してもよい。さらに、内筒30または外筒31に回転機構43の代わりにバイブレータ(加振装置)42を設けて、搬送支援手段としてもよい。
また、誘導加熱装置10の内筒30および外筒31は、実質的に円筒形状を有するように形成されているが、図22に示すように、通路23の間隔を一定に維持しつつ、内筒30および外筒31が鉛直下方に向かって広がる(水平方向の断面が大きくなる)ように構成してもよい。択一的には、図23に示すように、内筒30および外筒31が鉛直下方に向かって狭くなる(水平方向の断面が小さくなる)ように構成してもよい。
こうして構成された図21〜図23に示す誘導加熱装置10は、上記の実施の形態で説明したものと同様の変形を加え、同等の効果を実現することができる。
実施の形態11.
図24を参照しながら、本発明に係る誘導加熱装置の実施の形態11について以下に説明する。これまでの実施形態では金属球Sなどの球状の金属片を誘導加熱乾燥処理するためのものであったが、本発明はその他の形状を有するものに適用可能であり、実施の形態11では、コイン(硬貨)やメダルなどの円板状の金属片(金属円板D)を加熱乾燥処理するための誘導加熱装置11を以下説明する。ただし、基本的な構成(およびその変形例)は実施の形態1〜10と同様であるので、図中、同一構成部品については同一の符号を用いて示す。
実施の形態11に係る誘導加熱装置11は、概略、長手方向に延びる棒状の案内筒(搬送部)20と、案内筒20の周りに長手方向に沿って捲回された加熱コイル40と、加熱コイル40に高周波電流を供給する高周波電源60とを有する。
案内筒20は、金属円板Dを投入するための投入口21と、金属円板Dを排出するための排出口22とを有し、その間には金属円板Dを搬送するための通路23が形成されている。図24に示す案内筒20および通路23は、鉛直方向に延びているが、鉛直方向に対して所定の角度で傾斜するように配置してもよい。ただし、金属円板Dの円周面を下方に配置して、金属円板Dが通路23内で転がるように傾斜させることが好ましい。こうして、投入口21から投入された金属円板Dは、重力の作用により、通路23を通って排出口22から排出される。
実施の形態11の加熱コイル40は、これまでの実施の形態のものと同様、単一、または複数の素線からなる拠り線の絶縁被膜された導線を捲回することにより構成され、高周波電源60からの高周波電流を受けて、長手方向に磁束方向を有する高周波磁場を形成する。こうして形成された高周波磁場により、通路23内にある金属円板Dは、その表面近傍で渦電流が形成されて、誘導加熱される。このとき、金属円板D表面上の水を蒸発させるために、金属円板Dの表面温度が上昇するよう、金属円板D表面を直接的に加熱するので(他のものを媒体として加熱する必要がないので)、金属円板Dを極めて効率よく乾燥させることができる。
なお、実施の形態11において、金属球Sを用いて説明した上記の実施の形態のようにさまざまに変形することができる。
たとえば、加熱コイル40に高周波電流を断続的に(周期的にオン・オフして)供給することにより、金属円板Dが長手方向の磁束により互いにくっついて案内筒20内で滞留し続けることを防ぎ、金属円板Dを過剰に誘導加熱することなく、適正な電力で効率的に乾燥させることができる。
また、排出口22付近に選択的に開閉可能な開閉弁24を設けて、金属円板Dを案内筒20内に一時的に保持し、案内筒20が金属円板Dで満杯になったとき、加熱コイル40により発生する高周波磁場により一括して誘導加熱乾燥処理を行った後、高周波電流の供給を停止するとともに開閉弁24を開いて金属球Dを排出口22から排出することにより、すべての金属円板Dの表面の温度上昇を均一にすることができる。
さらに、バイブレータ42や角度調整機構44などの搬送支援手段を設けて、金属円板Dの通路23内の搬送を支援することにより、金属円板Dが案内筒20内で滞留することを防止して、金属円板Dを均一に誘導加熱するようにしてもよい。
好適には、加熱コイル40を互いに独立して制御可能な複数のコイル部により構成することにより、さまざまな手法で各コイル部に高周波電流を供給して、適正な電力で金属円板Dを効率的に誘導加熱乾燥させてもよい。
(a)および(b)はそれぞれ、本発明に係る実施の形態1の誘導加熱装置の側面図および断面図である。 実施の形態1に係る高周波電源および制御部の回路図である。 (a)および(b)は、実施の形態2に係る誘導加熱装置の断面図であって、それぞれ、高周波電流が給されている状態(オン状態)および供給されていない状態(オフ状態)を示す。 (a)および(b)は、実施の形態3に係る誘導加熱装置の断面図であって、それぞれ開閉弁を閉じた状態と開いた状態を示す。 実施の形態4に係るバイブレータ(搬送支援手段)を有する誘導加熱装置の断面図である。 実施の形態4に係る回転機構(搬送支援手段)を有する誘導加熱装置の断面図である。 実施の形態4に係る角度調整機構(搬送支援手段)を有する誘導加熱装置の断面図である。 実施の形態5に係る複数のコイル部を有する誘導加熱装置の断面図である。 図8に示す複数のコイル部のためのタイムチャートである。 (a)〜(c)は実施の形態6に係る螺旋溝を有する案内筒の断面図である。 実施の形態7に係る単一の送出部を有する誘導加熱装置の断面図である。 実施の形態7に係る複数の送出部を有する誘導加熱装置の断面図である。 実施の形態8に係る案内筒の断面図である。 実施の形態8の変形例に係る案内筒の断面図である。 (a)および(b)はそれぞれ、実施の形態9に係る内筒および外筒を有する搬送部の平面図および断面図である。 実施の形態9の変形例に係る搬送部の断面図である。 (a)および(b)は、実施の形態9の変形例に係る搬送部の断面図である。 実施の形態9の別の変形例に係る搬送部の平面図および断面図である。 実施の形態9の別の変形例に係る搬送部の平面図および断面図である。 上記の実施の形態の変形例による案内筒、内筒、および外筒の斜視図である。 実施の形態10に係る誘導加熱装置の断面図である。 実施の形態10の変形例に係る誘導加熱装置の断面図である。 実施の形態10のさらに別の変形例に係る誘導加熱装置の断面図である。 実施の形態11に係る誘導加熱装置の斜視図である。
符号の説明
1〜11:誘導加熱装置、S:金属球、D:金属円板、E:異物、20:案内筒(搬送部)、21:投入口、22:排出口、23:通路、24:開閉弁、25:螺旋溝、30:内筒、31:外筒、32:螺旋溝、40:加熱コイル、40a〜40e:コイル部、41:導線、42:バイブレータ、43:回転機構、44:角度調整機構、45:送出部、46,47:加熱コイル、48:通気孔、49:ガイド板、50:金属球ホッパ、51:スリーブ、52:フェライトコア、60:高周波電源、61:直流電源、62:インバータ、63:共振コンデンサ、64:ダイオードブリッジ、65:平滑コンデンサ、66:交流電源、67a,67b:スイッチング素子、68:ハーフブリッジドライバ、69:電流センサ、70:電圧センサ、71:制御部、72:開閉制御部。

Claims (14)

  1. 投入口および排出口を有し、これらの間で金属片を搬送する通路を有する搬送部と、
    前記搬送部の長手方向に沿って捲回された加熱コイルと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを備え、
    前記金属片が重力の作用により前記通路内を搬送されるとき、前記加熱コイルが発生する高周波磁場により前記金属片を誘導加熱して、その表面に付着した水分を蒸発させて乾燥させ、
    前記搬送部は同軸上に配置された内筒と外筒とからからなり、
    前記加熱コイルは前記内筒および前記外筒のいずれか一方または両方の上に形成され、
    前記金属片は球形状に形成され、
    前記通路は前記内筒および前記外筒の間に形成され、
    前記球形金属片が前記通路内で螺旋状に搬送されるように、螺旋状ガイドが前記内筒および前記外筒のいずれか一方に形成され
    螺旋状ガイドは所定のピッチで捲回された加熱コイルであることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 内筒の内側にフェライトコアを配置したこと特徴とする請求項に記載の誘導加熱装置。
  3. 投入口および排出口を有し、これらの間で金属片を搬送する通路を有する搬送部と、
    前記搬送部の長手方向に沿って捲回された加熱コイルと、
    前記加熱コイルに高周波電流を供給する高周波電源とを備え、
    前記金属片が重力の作用により前記通路内を搬送されるとき、前記加熱コイルが発生する高周波磁場により前記金属片を誘導加熱して、その表面に付着した水分を蒸発させて乾燥させ、
    前記搬送部は同軸上に配置された内筒と外筒とからからなり、
    前記加熱コイルは前記内筒および前記外筒のいずれか一方または両方の上に形成され、
    前記金属片は球形状に形成され、
    前記通路は前記内筒および前記外筒の間に形成され、
    前記球形金属片が前記通路内で螺旋状に搬送されるように、螺旋状ガイドが前記内筒および前記外筒のいずれか一方に形成され
    内筒の内側にフェライトコアを配置したこと特徴とする誘導加熱装置。
  4. 螺旋状ガイドは螺旋状の溝であることを特徴とする請求項に記載の誘導加熱装置。
  5. 内筒および外筒の水平方向の断面積が長手方向に向かって増大または縮小すること特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  6. 高周波電源は、断続的に加熱コイルに高周波電流を供給することを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  7. 金属片を通路内に制御可能に保持する保持手段をさらに備え、
    高周波電源は、前記金属片が前記通路内に保持されているときにのみ加熱コイルに高周波電流を供給することを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  8. 通路内の金属片の搬送を支援する搬送支援手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  9. 加熱コイルは、互いに独立して制御可能な複数のコイル部を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  10. 金属片は球形状に形成され、
    搬送部は、前記金属片が通路内を螺旋状に搬送されるように形成された螺旋状ガイドを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  11. 金属片は球形状に形成され、
    通路の断面は円形に構成され、
    前記通路の円形断面の内径は、前記金属片の外径より大きく、その2倍より小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  12. 加熱コイルは搬送部の外周に捲回されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  13. 通路内にある金属片の数を検出する手段をさらに備え、
    高周波電源は、前記金属片の数量に応じて調整された高周波電流を加熱コイルに供給することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
  14. 搬送部は絶縁被膜された加熱コイルを用いて構成されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1に記載の誘導加熱装置。
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