JP2005207551A5 - - Google Patents

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摩擦抵抗発生機構
本発明は、摩擦抵抗発生機構、特に、回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して捩り振動を減衰するための機構に関する。
車輌に用いられるクラッチディスク組立体は、フライホイールに連結・切断されるクラッチ機能と、フライホイールからの捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパー機能とを有している。一般に車両の振動には、アイドル時異音(ガラ音)、走行時異音(加速・減速ラトル,こもり音)及びティップイン・ティップアウト(低周波振動)がある。これらの異音や振動を取り除くことがクラッチディスク組立体のダンパーとしての機能である。
アイドル時異音とは、信号待ち等でシフトをニュートラルに入れ、クラッチペダルを放したときにトランスミッションから発生する「ガラガラ」と聞こえる音である。この異音が生じる原因は、エンジンアイドリング回転付近ではエンジントルクが低く、エンジン爆発時のトルク変動が大きいことにある。このときにトランスミッションのインプットギアとカウンターギアとが歯打ち現象を起こしている。
ティップイン・ティップアウト(低周波振動)とは、アクセルペダルを急に踏んだり放したりしたときに生じる車体の前後の大きな振れである。駆動伝達系の剛性が低いと、タイヤに伝達されたトルクが逆にタイヤ側から駆動伝達系に伝わり、その揺り返しとしてタイヤに過大トルクが発生し、その結果車体を過渡的に前後に大きく振らす前後振動となる。
アイドリング時異音に対しては、クラッチディスク組立体の捩じり特性においてゼロトルク付近が問題となり、そこでの捩じり剛性は低い方がよい。一方、ティップイン・ティップアウトの前後振動に対しては、クラッチディスク組立体の捩じり特性をできるだけソリッドにすることが必要である。
以上の問題を解決するために、2種類のばね部材を用いることにより2段特性を実現したクラッチディスク組立体が提供されている。そこでは、捩じり特性における1段目(低捩じり角度領域)における捩じり剛性及びヒステリシストルクを低く抑えているために、アイドリング時の異音防止効果がある。また、捩じり特性における2段目(高捩じり角度領域)では捩じり剛性及びヒステリシストルクを高く設定しているため、ティップイン・ティップアウトの前後振動を十分に減衰できる。
さらに、捩じり特性2段目においてたとえばエンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動が入力されたときに、2段目の大摩擦機構を作動させないことで、微小捩じり振動を効果的に吸収するダンパー機構も知られている。
上記ダンパー機構における摩擦抵抗発生機構は、高剛性のばね部材と回転方向に並列に作用するように全体が配置され、摩擦抵抗発生部と、それに対して回転方向に直列に作用するように配置された回転方向係合部とを有している。回転方向係合部は、2つの部材間の微少回転方向隙間を有している。
したがって、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動が入力されたときには、回転方向係合部での衝突がなく、さらに摩擦抵抗発生部は作動しない。
一方、捩り角度の大きな捩り振動に対しては、摩擦抵抗発生部が作動する。そして、捩り角度の両端で、微少回転方向隙間分だけ摩擦抵抗発生部が作動しない。つまり、捩り角度の大きな捩り振動が入力されると、捩り角度の両端では、摩擦抵抗発生部が作動しない領域から摩擦抵抗発生部が作動する大摩擦抵抗の領域へと突然移行する。つまり大摩擦抵抗が垂直に立ち上がるため、回転方向隙間を構成する部材同士の衝突の際の衝撃が大きい。その結果、いわゆるたたき音が発生する。
本発明の課題は、微少捩り振動を吸収するために微少回転方向隙間を設けた摩擦抵抗発生機構において、たたき音の発生を抑えることにある。
請求項1に記載の摩擦抵抗発生機構は、回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して捩り振動を減衰するための機構であって、第1回転部材と、第2回転部材と、第1摩擦部材と、第2摩擦部材とを備えている。第2回転部材は、第1回転部材に相対回転可能に配置されている。第1摩擦部材は、第2回転部材に対して回転方向に移動可能に摩擦係合し、第1回転部材に対して第1回転方向隙間を介してトルク伝達可能に係合する。第2摩擦部材は、第2回転部材に対して回転方向に移動可能に摩擦係合し、第1回転部材に対して第1回転方向隙間と異なる大きさの第2回転方向隙間を介してトルク伝達可能に係合する。
この摩擦抵抗発生機構では、第1回転部材が第2回転部材に相対回転すると、最初に、第1回転部材と摩擦部材の間の回転方向隙間が小さくなっていく。このときに摩擦部材による摩擦抵抗は発生しない。次に、第1回転部材が第1摩擦部材及び第2摩擦部材の一方に係合して、その摩擦部材を第2回転部材に摺動させる。続いて、第1回転部材が第1摩擦部材及び第2摩擦部材の他方に係合して、その摩擦部材を第2回転部材に摺動させる。2番目の摩擦部材が第2回転部材に摺動しているときは、1番目の摩擦部材も第2回転部材に摺動しているため、全体として大きな摩擦抵抗が発生する。
以上に述べたように、全体として大きな摩擦抵抗が発生する前に、摩擦部材の一方のみが第2回転部材に摺動して中間摩擦抵抗を発生している。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを段階的に分けているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、摩擦抵抗発生機構において高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
請求項2に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項1において、第1摩擦部材と第2摩擦部材は、第1回転方向隙間と第2回転方向隙間の差以上の回転方向隙間を介して、同一半径方向位置に回転方向に並んで配置されている。
この、摩擦抵抗発生機構では、第1摩擦部材と第2摩擦部材は同一半径方向位置に配置されているため、全体の半径方向寸法が大きくなりにくい。
請求項3に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項1又は2において、第1摩擦部材と第1回転部材の係合部分、及び第2摩擦部材と第1回転部材の係合部分は、それぞれ、凹部と凸部の組み合わせからなる。
請求項4に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項3において、第1摩擦部材及び第2摩擦部材は第1及び第2係合凹部を有している。第1回転部材は、第1及び第2係合凹部に第1及び第2回転方向隙間を介してトルク伝達可能にそれぞれ係合する第1及び第2係合凸部をそれぞれ有している。
請求項5に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項1〜4のいずれかにおいて、第1摩擦部材と第2摩擦部材は同一材料からなる。このため、摩擦部材が安価になる。
請求項6に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項1〜5のいずれかにおいて、第1摩擦部材と第2摩擦部材は実質的に同一形状からなる。このため、摩擦部材が安価になる。
請求項7に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項4において、第1及び第2係合凸部は第2回転部材に対して回転方向に摺動可能に当接している。このため、第1及び第2係合凸部は、第1回転部材と第2回転部材の相対回転時において第2回転部材に常に摺動しており、つまり第1及び第2摩擦部材に当接するまでの間も摩擦抵抗を発生している。このように第1及び第2係合凸部は、摩擦を発生する機能と、第1及び第2摩擦部材に係合する機能とを有している。つまり、第1及び第2係合凸部が複数の機能を有しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
請求項8に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項7において、第1及び第2係合凸部は、第1回転部材の他の部分に対して一体回転するように且つ軸方向に移動可能に配置されている。摩擦抵抗発生機構は、第1及び第2係合凸部を第2回転部材に対して付勢する付勢部材をさらに備えている。このため、第1及び第2係合凸部は、付勢部材によって第2回転部材に付勢された状態で、第2回転部材に対して摺動する。
請求項9に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項8において、付勢部材は第1及び第2摩擦部材を第2回転部材に対して付勢している。このように付勢部材は第1及び第2摩擦部材のみならず第1及び第2係合凸部をも第2回転部材に対して付勢している。つまり付勢部材は複数の機能を有しており、したがって部品点数が少なくなると共に構造が簡単になる。
請求項10に記載の摩擦抵抗発生機構は、回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して捩り振動を減衰するための機構であって、第1回転部材と、第2回転部材と大摩擦発生部材と、小摩擦発生部材とを備えている。第2回転部材は、第1回転部材に相対回転可能に配置されている。大摩擦発生部材は、第2回転部材に対して回転方向に移動可能に摩擦係合する。小摩擦発生部材は、第1回転部材と一体に回転し、大摩擦発生部材に対して回転方向隙間を介して係合し、第2回転部材に対して回転方向に移動可能に摩擦係合する。
この摩擦抵抗発生機構では、第1回転部材が第2回転部材に相対回転すると、最初に、小摩擦発生部材と大摩擦発生部材の間の回転方向隙間が小さくなっていく。このときに摩擦部材による摩擦抵抗は発生しない。しかし、小摩擦発生部材は第2回転部材に対して摺動して、小摩擦を発生する。次に、小摩擦発生部材が大摩擦発生部材に係合して、その大摩擦発生部材を第2回転部材に摺動させる。この結果、大摩擦発生部材は大摩擦を発生する。このように小摩擦発生部材は、小摩擦を発生する機能と、大摩擦発生部材に係合する機能とを有している。つまり、小摩擦発生部材が複数の機能を有しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
請求項11に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項10において、大摩擦発生部材及び小摩擦発生部材は第2回転部材に対して軸方向に当接している。摩擦抵抗発生機構は、大摩擦発生部材及び小摩擦発生部材を第2回転部材に付勢する付勢部材をさらに備えている。このように付勢部材は大摩擦発生部材のみならず小摩擦発生部材をも第2回転部材に対して付勢している。つまり付勢部材は複数の機能を有しており、したがって部品点数が少なくなると共に構造が簡単になる。
請求項12に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項11において、小摩擦発生部材は第1回転部材に対して軸方向に移動可能に係合している。このため、小摩擦発生部材は付勢部材に付勢されて第2回転部材に対して軸方向に当接している。
請求項13に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項10〜12のいずれかにおいて小摩擦発生部材と大摩擦発生部材はいずれも樹脂製である。そのため、小摩擦発生部材と大摩擦発生部材が衝突する際の衝撃が緩和される。
請求項14に記載の摩擦抵抗発生機構は、請求項1〜9のいずれかにおいて、第1摩擦部材及び第2摩擦部材の少なくとも一方と、第1回転部材とが回転方向に衝突する部分に配置されたクッション部材をさらに備えている。そのため、摩擦部材が第1回転部材に衝突する際に、打音が低減される。
請求項15に記載の摩擦抵抗発生機構は、請求項3において、第1摩擦部材及び第2摩擦部材の少なくとも一方と、第1回転部材とが衝突する部分に配置されたクッション部材をさらに備えている。クッション部材は凹部と凸部の少なくとも一方の回転方向面に配置されている。そのため、摩擦部材が第1回転部材に衝突する際に、打音が低減される。
請求項16に記載の摩擦抵抗発生機構は、請求項4において、第1摩擦部材及び第2摩擦部材の少なくとも一方と、第1回転部材とが衝突する部分に配置されたクッション部材をさらに備えている。クッション部材は、第1係合凹部及び第2係合凹部の少なくとも一方の回転方向面に配置されている。そのため、摩擦部材が第1回転部材に衝突する際に、打音が低減される。
請求項17に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項1〜9,14〜16のいずれかにおいて、記第1摩擦部材が発生する摩擦抵抗と、第2摩擦部材が発生する摩擦抵抗は大きさが異なる。
請求項18に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項17において、第2摩擦部材が発生する摩擦抵抗が前記第1摩擦部材が発生する摩擦抵抗より大きい。
請求項19に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項1〜9,14〜16のいずれかにおいて、第1摩擦部材と第2摩擦部材は枚数が異なる。そのため、第1摩擦部材と第2摩擦部材とによって得られる摩擦抵抗の大きさが異なっている。
請求項20に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項19において、第2回転方向隙間は第1回転方向隙間より長く、第2摩擦部材は第1摩擦部材より枚数が多い。そのため、先に第1摩擦部材のみが摩擦抵抗を発生し、続いて第1摩擦部材と第2摩擦部材が摩擦抵抗を発生する。ここでは、後から発生する摩擦抵抗の大きさを十分に大きくできる。
請求項21に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項1〜9,14〜18のいずれかにおいて、第1摩擦部材と第2摩擦部材は第2回転部材に当接する面積が異なる。そのため、第1摩擦部材と第2摩擦部材とによって得られる摩擦抵抗の大きさが異なっている。
請求項22に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項21において、第2回転方向隙間は第1回転方向隙間より長く、第2摩擦部材は第1摩擦部材より面積が大きい。そのため、先に第1摩擦部材のみが摩擦抵抗を発生し、続いて第1摩擦部材と第2摩擦部材が摩擦抵抗を発生する。ここでは、後から発生する摩擦抵抗の大きさを十分に大きくできる。
請求項23に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項22において、第2摩擦部材は第1摩擦部材より回転方向に長い。
請求項24に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項2〜23のいずれかにおいて、第1摩擦部材と第2摩擦部材の回転方向間に配置された弾性部材をさらに備えている。
この摩擦抵抗発生機構では、第1摩擦部材が駆動されてから第2摩擦部材が駆動されるまでの間、第1摩擦部材の回転方向移動側の弾性部材が圧縮され、第1摩擦部材の回転方向移動側と反対側の弾性部材が伸びていく。そのため、ヒステリシストルクは徐々に高くなっていき、その結果第2摩擦部材が作動する瞬間のヒステリシストルクの立ち上がりが小さくなる。以上の結果、高ヒステリシストルク発生時のたたき音が減少する。
請求項25に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項24において、弾性部材は回転方向に圧縮された状態で第1摩擦部材と第2摩擦部材との間に配置されている。そのため、弾性部材は初期状態から回転方向に伸びた状態でも第1摩擦部材と第2摩擦部材との間で姿勢を正しく維持できる。
請求項26に記載の摩擦抵抗発生機構は、回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して捩り振動を減衰するための機構であって、第1回転部材と、第2回転部材と、複数の摩擦部材と、複数の弾性部材とを備えている。第2回転部材は、第1回転部材に相対回転可能に配置されている。複数の摩擦部材は、回転方向に並んで配置され、第2回転部材に対して回転方向に移動可能に摩擦係合し、第1回転部材に対して異なる大きさの回転方向隙間を介してトルク伝達可能に係合している。複数の弾性部材は、複数の摩擦部材間の回転方向に配置されている。
この摩擦抵抗発生機構では、摩擦部材が駆動されてから次の摩擦部材が駆動されるまでの間、駆動されている摩擦部材の回転方向移動側の弾性部材が圧縮され、駆動されている摩擦部材の回転方向移動側と反対側の弾性部材が伸びていく。そのため、ヒステリシストルクは徐々に高くなっていき、その結果次の摩擦部材が作動する瞬間のヒステリシストルクの立ち上がりが小さくなる。以上の結果、高ヒステリシストルク発生時のたたき音が減少する。
請求項27に記載の摩擦抵抗発生機構では、請求項26において、弾性部材は回転方向に圧縮された状態で摩擦部材同士の間に配置されている。そのため、弾性部材は初期状態から回転方向に伸びた状態でも摩擦部材同士の間で姿勢を正しく維持できる。
本発明に係る摩擦抵抗発生機構は、全体として大きな摩擦抵抗が発生する前に、摩擦部材の一方のみが第2回転部材に摺動して中間摩擦抵抗を発生している。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを段階的に分けているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、摩擦抵抗発生機構において高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
(1)構成
1)全体構造
図1に示す本発明の一実施形態としてのフライホイールダンパー11は、エンジン側のクランクシャフト2からのトルクをクラッチ8を介してトランスミッション側の入力シャフト3にトルクを伝達するための装置である。フライホイールダンパー11は、捩り振動を吸収・減衰するためのダンパー機能を有している。フライホイールダンパー11は、第1フライホイール組立体4と、第2フライホイール組立体5と、両組立体4,5の間のダンパー機構6とから構成されている。
なお、図1のO−Oがフライホイールダンパー11及びクラッチ8の回転軸線であり、図1の左側にはエンジン(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッション(図示せず)が配置されている。以後、図1において左側を軸方向エンジン側といい、右側を軸方向トランスミッション側という。また、図4において矢印R1の向きが駆動側(回転方向正側)であり、矢印R2の向きが反駆動側(回転方向負側)である。
なお、以下に述べる実施形態における実際の数値は一実施例に関するものであって、本発明を限定するものではない。
2)第1フライホイール組立体
第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2の先端に固定されている。第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2側に大きな慣性モーメントを確保するための部材である。第1フライホイール組立体4は、主に、円板状部材13と、環状部材14と、支持プレート39(後述)とから構成されている。円板状部材13は内周端が複数のボルト15によってクランクシャフト2の先端に固定されている。円板状部材13には、ボルト15に対応する位置にボルト貫通孔13aが形成されている。ボルト15はクランクシャフト2に対して軸方向トランスミッション側から取り付けられている。環状部材14は、厚肉ブロック状の部材であり、円板状部材13の外周端の軸方向トランスミッション側に固定されている。円板状部材13の外周部20は、円周方向に並んだ複数のリベット18によって環状部材14に固定されている。環状部材14の外周面にはエンジン始動用リングギア17が固定されている。なお、第1フライホイール組立体4は一体の部材から構成されていてもよい。
円板状部材13の外周部の構造について詳細に説明する。図2及び3に示すように、円板状部材13の外周部は平坦な形状であり、その軸方向トランスミッション側には摩擦材19が貼られている。摩擦材19は、複数の弧状部材から構成されており、全体で環状になっている。摩擦材19は、相対回転抑制機構として、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5が連結するときのショックを緩和する部材として機能しており、さらに連結時の相対回転の早期停止に貢献している。なお、摩擦材19は第1部分36(後述)に固定されていてもよい。
第1フライホイール組立体4の支持プレート39は、第2フライホイール組立体5を第1フライホイール組立体4に対して半径方向に支持するための部材である。支持プレート39は、円板状部39aと、その内周縁から軸方向トランスミッション側に延びる筒状部39bとから構成されている。円板状部39aは、クランクシャフト2の先端面と円板状部材13との軸方向間に配置されている。円板状部39aには、ボルト貫通孔13aに対応してボルト貫通孔39cが形成されている。以上の構造により、支持プレート39は、円板状部材13及び入力側円板状プレート32とともに、ボルト15によってクランクシャフト2に固定されている。また、支持プレート39と円板状部材13と入力側円板状プレート32(後述)は複数のリベット22によって互いに固定されている。
3)第2フライホイール組立体
第2フライホイール組立体5は、主に、摩擦面付きフライホイール21から構成されている。摩擦面付きフライホイール21は、環状かつ円板状の部材であり、第1フライホイール組立体4の外周側部分の軸方向トランスミッション側に配置されている。摩擦面付きフライホイール21には、軸方向トランスミッション側に摩擦面21aが形成されている。摩擦面21aは、環状かつ平坦な面であり、後述するクラッチディスク組立体9が連結される部分である。
4)ダンパー機構
ダンパー機構6について説明する。ダンパー機構6は、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21とを回転方向に弾性的に連結するための機構であり、複数のコイルスプリング33と、一対の出力側円板状プレート30,31と、入力側円板状プレート32とから構成されている。なお、図6の機械回路図に示すように、コイルスプリング33は摩擦抵抗発生機構7に対して回転方向に並列に作用するように配置されている。
一対の出力側円板状プレート30,31は、軸方向エンジン側の第1プレート30と、軸方向トランスミッション側の第2プレート31とから構成されている。両プレート30,31は、円板状部材であり、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。各プレート30,31には、円周方向に並んだ複数の窓部30a,31aがそれぞれ形成されている。窓部30a,31aは、後述するコイルスプリング33を軸方向及び回転方向に支持するための構造であり、コイルスプリング33を軸方向に保持しかつその円周方向両端に当接する切り起こし部を有している。
第1プレート30は、外周部において、摩擦部材収納部35を有している。摩擦部材収納部35は、図2及び図3に示すように、第1部分36と、第2部分37と、第3部分38とから構成されている。第1部分36は、円板状部材13の摩擦材19に近接した環状かつ円板状の部分であり、平坦な形状を有している。第2部分37は、第1部分36の外周縁から軸方向トランスミッション側に延びる筒状の部分である。第3部分38は、第2部分37の先端から半径方向縁側に延びる環状かつ円板状の部分であり、平坦な形状を有している。第3部分38は、第1部分36に対して軸方向に対向している。
第2プレート31の構造についてさらに詳細に説明する。第2プレート31の外周部には、回転方向に交互に第1連結部50と第2連結部51が形成されている。第1連結部50は、軸方向エンジン側すなわち第1プレート30側に延びており、軸方向延長部52と、その先端から半径方向内側に延びる固定部53とから構成されている。延長部52の先端は概ね第1プレート30の第1部分36よりわずかに半径方向内側に位置している。延長部52は、主面が半径方向両側を向いており、すなわち、半径方向幅がプレートの板厚と一致している。固定部53は第1プレート30の軸方向トランスミッション側面に当接している。第2連結部51は、第1プレート30の軸方向トランスミッション側面に当接する内周部51aと、摩擦面付きフライホイール21の外周部軸方向エンジン側面に当接する外周部51bとから構成されている。外周部51bは図示しない部材によって摩擦面付きフライホイール21に固定されており、そのため第2プレート31は摩擦面付きフライホイール21と一体回転する。さらに、内周部51aはリベット68によって第3部分38に固定されており、固定部53がリベット69によって固定されている。このようにして、プレート30,31は、一体回転するように互いに固定され、また軸方向の距離も維持されている。
第2プレート31の外周縁には、軸方向に延びる筒状部45が形成されいている。筒状部45の内周面は、ブッシュ47を介して、支持プレート39の筒状部39bの外周面に支持されている。このようにして、摩擦面付きフライホイール21は支持プレート39によって第1フライホイール組立体4及びクランクシャフと2に対して芯出しされている。また、第2プレート31の外周部には、ボルト15を軸方向トランスミッション側から装着するための複数の孔48が形成されている。
入力側円板状プレート32は、プレート30,31の間に配置された円板状の部材である。入力側円板状プレート32は円周方向に延びる複数の窓孔32aを有しており、その窓孔32a内にコイルスプリング33が配置されている。入力側円板状プレート32において窓孔32aの円周方向間部分には、リベット68が軸方向に通過可能な切り欠き32bが形成されている。
各コイルスプリング33は、大小のばねが組み合わせられた親子ばねである。各コイルスプリング33は、各窓孔32a及び窓部30a,31a内に収容され、半径方向両側と回転方向両側とを支持されているまた、各コイルスプリング33は、窓部30a,31aによって軸方向両側も支持されている。
5)摩擦抵抗発生機構
摩擦抵抗発生機構7は、ダンパー機構6の入力側円板状プレート32と出力側円板状プレート30,31との回転方向間でコイルスプリング33と並列に機能する機構であり、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21が相対回転すると所定の摩擦抵抗(ヒステリシストルク)を発生する。摩擦抵抗発生機構7は、第1プレート30の第1部分36、第2部分37、及び第3部分38からなる空間内に配置され互いに当接する複数のワッシャによって構成されている。摩擦抵抗発生機構7は、図2及び図3に示すように、第1部分36から第3部分38に向かって順番に、コーンスプリング43、出力側フリクションプレート44、及びフリクションワッシャ61を有している。このように第1プレート30は摩擦抵抗発生機構7を摩擦面付きフライホイール21側に保持する機能も有しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
コーンスプリング43は、各摩擦面に対して軸方向に荷重を付与するための部材であり、第1部分36と出力側フリクションプレート44との間に挟まれて圧縮されており、そのため両部材に対して軸方向に付勢力を与えている。出力側フリクションプレート44は外周縁に形成された爪部44aが、第2部分37の切り欠き37aに係合しており、この係合によって出力側フリクションプレート44は、第1プレート30に対して、相対回転は不能であるが軸方向に移動可能となっている。
フリクションワッシャ61は、図4に示すように、回転方向に並んで配置された複数の部材であり、それぞれが弧状に延びている。この実施形態ではフリクションワッシャ61は合計4個である。各フリクションワッシャ61は、出力側フリクションプレート44と第3部分38との間に挟まれている。つまり、フリクションワッシャ61の軸方向エンジン側面61aは出力側フリクションプレート44の軸方向トランスミッション側面に摺動可能に当接しており、フリクションワッシャ61の軸方向トランスミッション側面61bは第3部分38の軸方向エンジン側面に摺動可能に当接している。図4に示すように、フリクションワッシャ61の内周面61cには、凹部62が形成されている。凹部62は、図5に示すように、フリクションワッシャ61の概ね回転方向中心に形成され、具体的には、回転方向に延びる底面62aと、その両端から概ね半径方向に(底面62aから概ね直角に)延びる回転方向端面62bとを有している。なお、フリクションワッシャ61の外周面は、第2部分37の内周面に沿っており、近接又は当接している。
入力側円板状プレート32の外周縁には、回転方向に並んだ複数の凸部63が形成されている。各凸部63は、フリクションワッシャ61の凹部62に対応して形成され、半径方向外側に突出している。凸部63は、第1部分63aと、そこからさらに半径方向外側に延びる第2部分63bとから構成されている。第2部分63bは第1部分63aより回転方向幅が狭く、その結果、第2部分63bの回転方向端面63dは第1部分63aの回転方向端面63cより回転方向内側に位置している。第1部分63aは第1連結部50の延長部52と同一半径方向位置に配置され、両者によってダンパー機構6のストッパーを構成している。ただし、他の部分によってストッパー機構を構成していてもよい。第2部分63bは凹部62内に配置されている。このようにして、凸部63と凹部62とによって、摩擦抵抗発生機構7における係合部分78が形成されている。
以下、係合部分78について説明する。凸部63の第2部分63bは、概ね四角形状であり、回転方向端面63dを有している。凸部63は、凹部62の底面62aに近接しており、端面63dと回転方向端面62bのそれぞれとの間には、所定角度の回転方向隙間79が確保されている。両角度の合計が、そのフリクションワッシャ61が入力側円板状プレート32に対して相対回転可能な所定角度の大きさとなる。なお、この角度はエンジンの燃焼変動に起因する微少捩り振動により生じるダンパー作動角に等しい又はわずかに越える範囲にあることが好ましい。
この実施形態では、凸部63は、図5に示す中立状態において、凹部62の回転方向中心に配置されている。したがって、凸部63の回転方向各側の隙間の大きさは同じである。
以上に述べたように、フリクションワッシャ61は、出力側の部材である出力側フリクションプレート44及び第3部分38に摩擦係合し、入力側の部材である入力側円板状プレート32に対して係合部分78の回転方向隙間79を介してトルク伝達可能に係合している。
次に、フリクションワッシャ61と凸部63との関係について、さらに詳細に説明する。凸部63(正確には、第2部分63b)の回転方向幅(回転方向角度)は全て同じであるが、凹部62の回転方向幅(回転方向角度)が異なるものがある。言い換えると、凹部62の回転方向幅が異なる少なくとも2種類のフリクションワッシャ61がある。この実施形態では、図4の上下方向に対向する2つの第1フリクションワッシャ61Aと、左右方向に対向する2つの第2フリクションワッシャ61Bとから構成されている。第1フリクションワッシャ61Aと第2フリクションワッシャ61Bは概ね同一形状であり、又同一材料からなる。両者が異なる点は、凹部62の回転方向隙間の回転方向幅(回転方向角度)のみである。具体的には、第2フリクションワッシャ61Bの凹部62の回転方向幅が、第1フリクションワッシャ61Aの凹部62の回転方向幅より大きくなっている。この結果、第2フリクションワッシャ61Bにおける第2係合部分78Bの第2回転方向隙間79Bが、第1フリクションワッシャ61Aにおける第1係合部分78Aの第1回転方向隙間79Aより大きくなっている。この実施形態では、例えば、前者が10°であり、後者が8°であり、その差は2°である。
第1フリクションワッシャ61Aと第2フリクションワッシャ61Bは回転方向に交互に並んで配置されており、その両回転方向端は互いに近接している。回転方向端間に確保された回転方向端間の角度は、第2フリクションワッシャ61Bにおける第2回転方向隙間79Bと第1フリクションワッシャ61Aにおける第1回転方向隙間79Aの差(例えば、2°)より、大きく設定されている。
6)クラッチディスク組立体
クラッチ8のクラッチディスク組立体9は、摩擦面付きフライホイール21の摩擦面21aに近接して配置される摩擦フェーシングと、トランスミッション入力シャフト3にスプライン係合するハブとを有している。
(2)動作
1)トルク伝達
このフライホイールダンパー11では、エンジンのクランクシャフト2からのトルクは、フライホイールダンパー11に入力され、第1フライホイール組立体4から第2フライホイール組立体5に対してダンパー機構6を介して伝達される。ダンパー機構6では、トルクは、入力側円板状プレート32、コイルスプリング33、出力側円板状プレート30,31の順番で伝達される。さらに、トルクは、フライホイールダンパー11から、クラッチ連結状態でクラッチディスク組立体9に伝達され、最後に入力シャフト3に出力される。
2)捩り振動の吸収・減衰
フライホイールダンパー11にエンジンからの燃焼変動が入力されると、ダンパー機構6において入力側円板状プレート32と出力側円板状プレート30,31とが相対回転し、その間で4個のコイルスプリング33が並列に圧縮される。さらに、摩擦抵抗発生機構7が所定のヒステリシストルクを発生する。以上の作用により捩じり振動が吸収・減衰される。
コイルスプリング33の圧縮は、具体的には、入力側円板状プレート32の窓孔32aの回転方向端面と出力側円板状プレート30,31の窓部30a,31aの回転方向端面との間で行われる。コイルスプリング33が圧縮され、高剛性の特性が得られる
摩擦抵抗発生機構7では、フリクションワッシャ61は、入力側円板状プレート32と一体回転し、出力側フリクションプレート44及び第1プレート30と相対回転する。この結果、フリクションワッシャ61が出力側フリクションプレート44と第1プレート30の第3部分38に摺動して比較的大きな摩擦抵抗を発生する。
2)−1微少捩り振動
次に、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動がフライホイールダンパー11に入力されたときのダンパー機構6の動作を、図6の機械回路図と図10〜図13の捩り特性線図を用いて説明する。
微少捩り振動が入力されると、摩擦抵抗発生機構7において、入力側円板状プレート32は、凸部63と凹部62との間の回転方向隙間79において、フリクションワッシャ61に対して相対回転する。つまり、フリクションワッシャ61は、入力側円板状プレート32によって駆動されず、したがってフリクションワッシャ61は出力側の部材に対して回転しない。この結果、微小捩じり振動に対しては高ヒステリシストルクが発生しない。すなわち図10の捩り特性線図において例えば「AC2HYS」ではコイルスプリング33が作動するが、摩擦抵抗発生機構7では滑りが生じない。つまり、所定の捩り角度範囲では、通常のヒステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストルクしか得られない。このように、捩じり特性において摩擦抵抗発生機構7を所定角度範囲内では作動させない微少回転方向隙間を設けたため、振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
次に、フリクションワッシャ61が入力側円板状プレート32によって駆動されるときの動作を説明する。図4及び図5の中立状態から、入力側円板状プレート32がフリクションワッシャ61に対して回転方向R1側に捩れていく動作を説明する。
捩り角度が大きくなると、やがて、図7及び図8に示すように、第1フリクションワッシャ61Aにおいて凸部63が第1フリクションワッシャ61Aの凹部62の回転方向R1側の回転方向端面62bに当接する。このとき、第2フリクションワッシャ61Bにおいて、凸部63が第2フリクションワッシャ61Bの凹部62の回転方向R1側の回転方向端面62bに対して回転方向隙間(第2フリクションワッシャ61Bの第2回転方向隙間79Bと第1フリクションワッシャ61Aの第1回転方向隙間79Aとの差の半分であり、この実施形態では1°)を有している。
さらに捩り角度が大きくなると、凸部63は第1フリクションワッシャ61Aを駆動して、出力側フリクションプレート44及び第3部分38に対して摺動させる。このときに、第1フリクションワッシャ61Aは第2フリクションワッシャ61Bに対して回転方向R1側に接近するが、両者の端部が当接することはない。
やがて捩り角度が所定の大きさになると、図9に示すように、凸部63が、第2フリクションワッシャ61Bの凹部62の回転方向端面62bに当接する。これ以降は、入力側円板状プレート32は、第1及び第2フリクションワッシャ61A,61Bをともに駆動して、出力側フリクションプレート44及び第3部分38に対して摺動させる。
以上をまとめると、フリクションワッシャ61が入力側円板状プレート32によって駆動される時には、全ての枚数が駆動される大摩擦抵抗の領域の開始前に、捩り特性において一定の枚数が駆動されて中間摩擦抵抗が発生する領域が得られる。
この結果、捩り特性2段目において、捩り振動の動作角度が第1フリクションワッシャ61Aの第1係合部分78Aの第1回転方向隙間79Aの角度(例えば、8°)以内である場合は、図11のように大摩擦抵抗(高ヒステリシストルク)は一切発生せず、低摩擦抵抗の領域Aのみが得られる。また、捩り振動の動作角度が第1フリクションワッシャ61Aの第1係合部分78Aの第1回転方向隙間79Aの角度(例えば、8°)以上であるがそれに第2フリクションワッシャ61Bの第2係合部分78Bの第2回転方向隙間79Bの角度(例えば10°)以内である場合は、図12のように低摩擦抵抗の領域Aの端に中間摩擦抵抗の領域Bが発生する。そして、捩り振動の動作角度が第2フリクションワッシャ61Bの第2係合部分78Bの第2回転方向隙間79Bの角度(例えば10°)以上である場合は、図13のように低摩擦抵抗の領域Aの両端に、中間摩擦抵抗の領域Bと、一定の大摩擦抵抗が発生する領域Cとがそれぞれ得られる。
2)−2広角度捩り振動
先に述べたように、捩り振動の捩り角度が大きい場合は、フリクションワッシャ61が第1プレート30に摺動する。その結果、一定の大きさの摩擦抵抗が捩り特性の全体にわたって得られる。
ここで、捩り角度の端部(振動の向きが変わる位置)での動作について説明する。図10の捩り特性線図の右側端では、フリクションワッシャ61は入力側円板状プレート32に対して最も回転方向R2側にずれている。この状態から入力側円板状プレート32が出力側円板状プレート30,31に対して、回転方向R2側にねじれていくと、凸部63と凹部62の回転方向隙間79の全角度にわたって、フリクションワッシャ61が入力側円板状プレート32に対して相対回転する。この間では、フリクションワッシャ61は出力側の部材に対して摺動しないため、低摩擦抵抗の領域A(例えば、8°)が得られる。続いて、第1フリクションワッシャ61Aの第1係合部分78Aの第1回転方向隙間79Aがなくなると、次に入力側円板状プレート32が第1フリクションワッシャ61Aを駆動する。すると、第1フリクションワッシャ61Aが出力側フリクションプレート44及び第3部分38に対して相対回転する。この結果、先に述べたように、中間の摩擦抵抗の領域B(例えば、2°)が発生する。続いて、第2フリクションワッシャ61Bの第2係合部分78Bの第2回転方向隙間79Bがなくなると、次に入力側円板状プレート32が第2フリクションワッシャ61Bを駆動する。すると、第2フリクションワッシャ61Bが出力側フリクションプレート44及び第3部分38に対して相対回転する。この時には、第1フリクションワッシャ61Aと第2フリクションワッシャ61Bがともに摺動するため、比較的大きな摩擦抵抗の領域Cが発生する。
以上に述べたように、大きな摩擦抵抗が発生する初期の段階には、中間の摩擦抵抗の領域Bが設けられている。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを段階的にしているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、微少捩り振動を吸収するために微少回転方向隙間を設けた摩擦抵抗発生機構において、高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
特に、本発明において、中間の摩擦抵抗を発生させるのに単一種類のフリクションワッシャ61を用いているため、摩擦部材の種類を少なく抑えることができる。また、フリクションワッシャ61は、弧状に延びる簡単な構造である。また、フリクションワッシャ61は、軸方向貫通孔が形成されておらず、製造コストを低く抑えることができる。
(3)他の実施形態
以上、本発明に従うクラッチ装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。特に、本発明は前述の具体的な角度の数値等に限定されない。
前記実施形態では、係合部分の回転方向隙間の大きさの種類を2種類としていたが、3種類又はそれ以上にしても良い。3種類の場合は、中間の摩擦抵抗の大きさが2段階になる(後述の第3実施形態の場合)。
前記実施形態では第1摩擦部材と第2摩擦部材の摩擦係数を同一としているが、異ならせてもよい(後述の第3実施形態の場合)。このように、第1摩擦部材と第2摩擦部材とで発生する摩擦抵抗を調整することで、中間摩擦抵抗と大摩擦抵抗の比を自由に設定できる。
前記実施形態では凸部の大きさを全て同じにして異なる大きさの凹部を設けることで中間の摩擦抵抗を発生させていたが、凹部の大きさを全て同じにして異なる大きさの凸部を設けてもよい。さらには、異なる大きさの凸部と、異なる大きさの凹部とを組み合わせてもよい。
前記実施形態ではフリクションワッシャの凹部は半径方向内側を向いていたが、逆に半径方向外側に向いていてもよい。
さらに、前記実施形態ではフリクションワッシャが凹部を有していたが、フリクションワッシャが凸部を有していてもよい。その場合は、例えば、入力側円板状プレートが凹部を有することになる。
さらに、前記実施形態ではフリクションワッシャは出力側部材に摩擦係合する摩擦面を有していたが、入力側部材に摩擦係合する摩擦面を有していてもよい。その場合は、フリクションワッシャと出力側部材との間に、回転方向隙間を有する係合部分が形成されることになる(以下の第2実施形態の場合)。
(4)第2実施形態
図14〜図17を用いて、摩擦抵抗発生機構の他の実施形態を説明する。
摩擦抵抗発生機構107は、円板状部材113と出力側円板状プレート130,131との回転方向間でコイルスプリング(図示せず)と並列に機能する機構であり、クランクシャフトと摩擦面付きフライホイール121が相対回転すると所定の摩擦抵抗(ヒステリシストルク)を発生する。
円板状部材113の外周部には、環状の第1イナーシャ部材及び第2イナーシャ部材114A,114Bが固定されている。第1イナーシャ部材114Aは軸方向エンジン側に配置され、第2イナーシャ部材114Bは軸方向トランスミッション側に配置されている。第1イナーシャ部材114Aと第2イナーシャ部材114Bとの間には、円板状のプレート部材115が固定されている。プレート部材115の内周部は、第1イナーシャ部材114Aの内周面114aからさらに半径方向内側に延びている。つまり、プレート部材115の内周部は円板状部材113の一部と軸方向に対向しており、第1イナーシャ部材114Aの内周面114aと共に環状の空間を形成している。摩擦抵抗発生機構107は、この空間内に配置され互いに当接する複数の部材によって構成されている。
摩擦抵抗発生機構107は、図15に示すように、円板状部材113からプレート部材115に向かって順番に、コーンスプリング143、入力側フリクションプレート144、及びフリクションワッシャ161を有している。
コーンスプリング143は、各摩擦面に対して軸方向に荷重を付与するための部材であり、円板状部材113と入力側フリクションプレート144との間に挟まれて圧縮されており、そのため両部材に対して軸方向に付勢力を与えている。入力側フリクションプレート144は内周縁に形成された爪部144aが、軸方向トランスミッション側に延び、円板状部材113の切り欠きに係合している。この係合によって、入力側フリクションプレート144は、円板状部材113に対して、相対回転は不能であるが軸方向に移動可能となっている。
フリクションワッシャ161は、図14に示すように、回転方向に並んで配置された複数の部材であり、それぞれが弧状に延びている。この実施形態ではフリクションワッシャ161は合計6個である。各フリクションワッシャ161は、入力側フリクションプレート144とプレート部材115との間に挟まれている。つまり、フリクションワッシャ161の軸方向エンジン側面161aは入力側フリクションプレート144の軸方向トランスミッション側面に摺動可能に当接しており、フリクションワッシャ161の軸方向トランスミッション側面161bはプレート部材115の軸方向エンジン側面に摺動可能に当接している。図14に示すように、フリクションワッシャ161の内周面161cには、凹部162が形成されている。凹部162は、図16に示すように、フリクションワッシャ161の概ね回転方向中心に形成され、具体的には、回転方向に延びる底面162aと、その両端から概ね半径方向に(底面162aから概ね直角に)延びる回転方向端面162bとを有している。なお、フリクションワッシャ161の外周面は、第1イナーシャ部材114Aの内周面114aに沿っており、近接又は当接している。
各フリクションワッシャ161の内周側、より具体的には凹部162内には、それぞれ、フリクション係合部材163が配置されている。各フリクション係合部材163の外周部は、フリクションプレート144とプレート部材115との間に挟まれている。つまり、フリクション係合部材163の軸方向エンジン側面163aはフリクションプレート144の軸方向トランスミッション側面に摺動可能に当接しており、フリクション係合部材163の軸方向トランスミッション側面163bはプレート部材115の軸方向エンジン側面に摺動可能に当接している。なお、フリクションワッシャ161とフリクション係合部材163はともに樹脂製であるが、フリクションワッシャ161の摩擦係数がフリクション係合部材163の摩擦係数より高くなっている。
フリクション係合部材163とフリクションワッシャ161の凹部162によって構成される係合部分178について説明する。フリクション係合部材163は、回転方向端面163cを有している。フリクション係合部材163の外周面は凹部162の底面162aに近接しており、端面163cと回転方向端面162bのそれぞれとの間には、所定角度の回転方向隙間179が確保されている。両角度の合計が、そのフリクションワッシャ161がフリクション係合部材163に対して相対回転可能な所定角度の大きさとなる。なお、この角度はエンジンの燃焼変動に起因する微少捩り振動により生じるダンパー作動角に等しい又はわずかに越える範囲にあることが好ましい。なお、この実施形態では、フリクション係合部材163は、図16に示す中立状態において、凹部162の回転方向中心に配置されている。したがって、フリクション係合部材163の回転方向各側の隙間の大きさは同じである。
フリクション係合部材163は、出力側円板状プレート130に対して、一体回転するようにかつ軸方向に移動可能となるように係合している。具体的には、出力側円板状プレート130の外周縁には軸方向エンジン側に延びる環状壁130aが形成されており、環状壁130aには各フリクション係合部材163に対応して半径方向内側に凹んだ凹部130bが形成されている。さらに、凹部130bの回転方向両側には、半径方向に貫通するスリット130cが形成されている。フリクション係合部材163は、各スリット130c内に半径方向外側から内側に向かって延びさらに回転方向外側に延びて環状壁130aの内周面に当接する一対の脚部163eを有している。これにより、フリクション係合部材163が環状壁130aから半径方向外方に移動することがない。さらに、フリクション係合部材163は、半径方向内側に延び環状壁130aの凹部130bに対して回転方向に係合する凸部163dを有している。これにより、フリクション係合部材163は、出力側円板状プレート130の凸部として一体回転する。
以上に述べたように、フリクションワッシャ161は、入力側の部材である入力側フリクションプレート144及びプレート部材115に対して回転方向に移動可能に摩擦係合し、フリクション係合部材163に対して係合部分178の回転方向隙間179を介してトルク伝達可能に係合している。さらに、フリクション係合部材163は、出力側円板状プレート130と一体回転すると共に、軸方向に移動可能となっている。さらに、フリクション係合部材163は、入力側の部材である入力側フリクションプレート144及びプレート部材115に対して回転方向に移動可能に摩擦係合している。さらに、コーンスプリング143はフリクションワッシャ161のみならずフリクション係合部材163をもフリクションプレート144及びプレート部材115に対して付勢している。つまりコーンスプリング143は、複数の機能を有しており、したがって部品点数が少なくなると共に構造が簡単になる。なお、図14における環状の領域Sがコーンスプリング143の荷重範囲を示しており、領域Sはフリクションワッシャ161の概ね全領域とフリクション係合部材163の外周部を含んでいる。
次に、フリクションワッシャ161とフリクション係合部材163との関係について、さらに詳細に説明する。フリクション係合部材163の回転方向幅(回転方向角度)は全て同じであるが、凹部162の回転方向幅(回転方向角度)が異なるものがある。言い換えると、凹部162の回転方向幅が異なる少なくとも2種類のフリクションワッシャ161がある。この実施形態では、図14の上下方向に対向する2つの第1フリクションワッシャ161Aと、左右方向に対向する4つの第2フリクションワッシャ161Bとから構成されている。第1フリクションワッシャ161Aと第2フリクションワッシャ161Bは概ね同一形状であり、又同一材料からなる。両者が異なる点は、凹部162の回転方向隙間の回転方向幅(回転方向角度)のみである。具体的には、第2フリクションワッシャ61Bの凹部62の回転方向幅が、第1フリクションワッシャ161Aの凹部162の回転方向幅より大きくなっている。この結果、第2フリクションワッシャ161Bにおける第2係合部分178Bの第2回転方向隙間179Bが、第1フリクションワッシャ161Aにおける第1係合部分178Aの第1回転方向隙間179Aより大きくなっている。この実施形態では、例えば、前者が10°であり、後者が8°であり、その差は2°である。
各フリクションワッシャ161A,161Bは回転方向に交互に並んで配置されており、その両回転方向端は互いに近接している。回転方向端間に確保された回転方向端間の角度は、第2フリクションワッシャ161Bにおける第2回転方向隙間179Bと第1フリクションワッシャ161Aにおける第1回転方向隙間179Aの差(例えば、2°)より、大きく設定されている。
捩り振動が入力された場合の摩擦抵抗発生機構107の動作を説明する。摩擦抵抗発生機構107では、フリクションワッシャ161は、フリクション係合部材163及び出力側円板状プレート130と一体回転し、フリクションプレート144及びプレート部材115と相対回転する。この結果、フリクションワッシャ161及びフリクション係合部材163が入力側フリクションプレート144とプレート部材115に摺動して摩擦抵抗を発生する。
次に、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動がフライホイールダンパーに入力されたときの摩擦抵抗発生機構107の動作を説明する。
微少捩り振動が入力されると、摩擦抵抗発生機構107において、フリクション係合部材163は、微少回転方向隙間179において、フリクションワッシャ161に対して相対回転する。つまり、フリクションワッシャ161は、フリクション係合部材163によって駆動されず、したがってフリクションワッシャ161は入力側の部材に対して回転しない。この結果、微小捩じり振動に対しては高ヒステリシストルクが発生しない。つまり、所定の捩り角度範囲では、通常のヒステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストルクしか得られない。このように、捩じり特性において摩擦抵抗発生機構107を所定角度範囲内では作動させない微少回転方向隙間を設けたため、振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
一方、微少捩り振動入力時に、フリクション係合部材163はフリクションプレート144及びプレート部材115に対して摺動し、小ヒステリシストルクを発生している。
次に、フリクションワッシャ161がフリクション係合部材163によって駆動されるときの動作を説明する。図16の中立状態から、フリクション係合部材163がフリクションワッシャ161に対して回転方向R1側に捩れていく動作を説明する。
捩り角度が大きくなると、やがて、第1フリクションワッシャ161Aにおいてフリクション係合部材163が第1フリクションワッシャ161Aの凹部162の回転方向R1側の回転方向端面162bに当接する。このとき、第2フリクションワッシャ161Bにおいて、フリクション係合部材163が第2フリクションワッシャ161Bの凹部162の回転方向R1側の回転方向端面162bに対して回転方向隙間(第2フリクションワッシャ161Bの第2回転方向隙間179Bと第1フリクションワッシャ161Aの第1回転方向隙間179Aとの差の半分であり、この実施形態では1°)を有している。
さらに捩り角度が大きくなると、フリクション係合部材163は第1フリクションワッシャ161Aを駆動して、入力側フリクションプレート144及びプレート部材115に対して摺動させる。このときに、第1フリクションワッシャ161Aは第2フリクションワッシャ161Bに対して回転方向R1側に接近するが、両者の端部が当接することはない。
やがて捩り角度が所定の大きさになると、フリクション係合部材163が、第2フリクションワッシャ161Bの凹部162の回転方向端面162bに当接する。これ以降は、フリクション係合部材163は、第1及び第2フリクションワッシャ161A,161Bをともに駆動して、入力側フリクションプレート144及びプレート部材115に対して摺動させる。
以上をまとめると、フリクションワッシャ161が入力側フリクションプレート144及びプレート部材115に対して駆動される時には、捩り特性において一定の枚数が駆動されて中間摩擦抵抗が発生する領域が、全ての枚数が駆動される大摩擦抵抗の領域の開始前に発生する。以上の構造及び動作によって得られる効果は、基本的には、前記実施形態と同様である。
なお、この実施形態では、フリクション係合部材163は、フリクションワッシャ161を駆動する機能と共に、微少捩り振動時のヒステリシストルクを発生する機能を有している(フリクションワッシャ161による摩擦抵抗発生の前の摩擦を発生させる部材として利用している)ため、部品点数が少なくなると共に構造が簡単になる。
また、第1フリクションワッシャ161Aと第2フリクションワッシャ161Bは枚数が異なり、具体的には第2フリクションワッシャ161Bの枚数が多くなっている。その結果、第1フリクションワッシャ161Aによって得られる摩擦抵抗と第2フリクションワッシャ161Bによって得られる摩擦抵抗が異なり、具体的には後者が大きくなっている。
(5)第3実施形態
図18〜図21を用いて、摩擦抵抗発生機構の他の実施形態を説明する。なお、前記実施形態と同様の部分については説明を省略する。
5−2)摩擦抵抗発生機構207
摩擦抵抗発生機構207は、ダンパー機構の入力側円板状プレート212と出力側円板状プレート232,233との回転方向間でコイルスプリングと並列に機能する機構であり、クランクシャフトと第2フライホイール203が相対回転すると所定の摩擦抵抗(ヒステリシストルク)を発生する。摩擦抵抗発生機構207は、ダンパー機構の作動角範囲全体で一定の摩擦を発生するための装置であり、比較的大きな摩擦を発生するようになっている。
摩擦抵抗発生機構207、フレキシブルプレート211の外周部である環状部211aと、入力側円板状プレート212との軸方向間に形成された空間内に配置され互いに当接する複数のワッシャによって構成されている。摩擦抵抗発生機構207の各ワッシャは、イナーシャ部材213の内周側に近接して配置されている。
摩擦抵抗発生機構207は、図18に示すように、フレキシブルプレート211から入力側円板状プレート212の対向部分212aに向かって順番に、フリクションワッシャ261、入力側フリクションプレート258、及びコーンスプリング259を有している。このようにフレキシブルプレート211は摩擦抵抗発生機構207を保持する機能も有しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
コーンスプリング259は、各摩擦面に対して軸方向に荷重を付与するための部材であり、対向部分212aと入力側フリクションプレート258との間に挟まれて圧縮されており、そのため両部材に対して軸方向に付勢力を与えている。入力側フリクションプレート258は外周縁に形成された爪部258aが、第2円板状プレート12に形成された軸方向に延びる切り欠き212bに係合しており、この係合によって入力側フリクションプレート258は、入力側円板状プレート212に対して、相対回転は不能であるが軸方向に移動可能となっている。
フリクションワッシャ261は、図19に示すように、回転方向に並んで配置された複数の部材であり、それぞれが弧状に延びている。この実施形態ではフリクションワッシャ261は合計6個である。各フリクションワッシャ261は、入力側フリクションプレート258とフレキシブルプレート211の外周部である環状部211aの間に挟まれている。つまり、フリクションワッシャ261の軸方向エンジン側面261aはフレキシブルプレート211の軸方向トランスミッション側面に摺動可能に当接しており、フリクションワッシャ261の軸方向トランスミッション側面261bは入力側フリクションプレート258の軸方向エンジン側面に摺動可能に当接している。
図20に示すように、フリクションワッシャ261の内周面261cには、凹部262が形成されている。凹部262は、フリクションワッシャ261の概ね回転方向中心に形成され、具体的には、回転方向に延びる底面262aと、その両端から概ね半径方向に(底面262aから概ね直角に)延びる回転方向端面262bとを有している。凹部262は、前記実施形態とは異なり、軸方向に閉じられている。つまり、凹部262は、フリクションワッシャ261の内周面の軸方向中間部分にのみ形成されている。回転方向端面262bには、回転方向外側にへこんだ概ね円形状の凹部262cが設けられている。この凹部262c内には、図21に示すように、クッション部材280が配置されている。クッション部材280は、例えばゴムや弾性樹脂からなる部材であり、熱可塑性ポリエステルエラストマーからなることが好ましい。クッション部材280の本体280aは凹部262c内に収容されている。クッション部材280の突出部280bは凹部262cよりさらに回転方向内側に突出しており、その先端の平坦面280cは回転方向端面262bよりさらに回転方向内側に位置している。
各フリクションワッシャ261の内周側、より具体的には凹部262内には、それぞれ、フリクション係合部材263が配置されている。各フリクション係合部材263の外周部は、フリクションワッシャ261の凹部262内に配置されている。なお、フリクションワッシャ261とフリクション係合部材263はともに樹脂製である。
フリクション係合部材263とフリクションワッシャ261の凹部262によって構成される係合部分278について説明する。フリクション係合部材263の外周面263gは凹部262の底面262aに近接している。フリクション係合部材263は、回転方向端面263cを有している。フリクション係合部材263の外周面は凹部262の底面262aに近接しており、端面263cと回転方向端面262bのそれぞれとの間には、所定角度の回転方向隙間279が確保されている。両角度の合計が、そのフリクションワッシャ261がフリクション係合部材263に対して相対回転可能な所定角度の大きさとなる。なお、この角度はエンジンの燃焼変動に起因する微少捩り振動により生じるダンパー作動角に等しい又はわずかに越える範囲にあることが好ましい。なお、この実施形態では、フリクション係合部材263は、図19に示す中立状態において、凹部262の回転方向中心に配置されている。したがって、フリクション係合部材263の回転方向各側の隙間の大きさは同じである。
フリクション係合部材263は、出力側円板状プレート232,233に対して、一体回転するようにかつ軸方向に移動可能となるように係合している。具体的には、出力側円板状プレート232の外周縁には軸方向エンジン側に延びる環状壁232aが形成されており、環状壁232aには各フリクション係合部材263に対応して半径方向内側に凹んだ凹部232bが形成されている。さらに、凹部232bの回転方向両側には、半径方向に貫通するスリット232cが形成されている。また、凹部232bにもスリット232dが形成されている。
フリクション係合部材263は、各スリット232c内に半径方向外側から内側に向かって延びさらに回転方向外側に延びて環状壁232aの内周面に当接する一対の脚部263eを有している。また、フリクション係合部材263は、スリット232d内に半径方向外側から内側に向かって延びさらに回転方向両側に延びて環状壁232aの内周面に当接する脚部263fを有している。これにより、フリクション係合部材263が環状壁232aから半径方向外方に移動することがない。さらに、フリクション係合部材263は、半径方向内側に延び環状壁232aの凹部232bに対して回転方向に係合する凸部263dを有している。これにより、フリクション係合部材263は、出力側円板状プレート232の凸部として一体回転する。
また、フリクション係合部材263の軸方向寸法が凹部262の軸方向寸法より短い(つまり、凹部262の軸方向端面262d,262e間がフリクション係合部材263の軸方向端面263a,263b間より長い)ため、フリクション係合部材263はフリクションワッシャ261に対して軸方向に移動可能である。さらに、フリクション係合部材263の外周面263gと凹部262の底面262aとの間には半径方向隙間が確保されているため、フリクション係合部材263はフリクションワッシャ261に対して所定角度ではあるが傾くことが可能である。
以上に述べたように、フリクションワッシャ261は、フリクション係合部材263に対して係合部分278の回転方向隙間279を介してトルク伝達可能に係合している。さらに、フリクション係合部材263は、出力側円板状プレートと一体回転すると共に、軸方向に移動可能となっている。
次に、フリクションワッシャ261とフリクション係合部材263との関係について、さらに詳細に説明する。フリクション係合部材263の回転方向幅(回転方向角度)は全て同じであるが、凹部262の回転方向幅(回転方向角度)が異なるものがある。言い換えると、凹部262の回転方向幅が異なる3種類のフリクションワッシャ261がある。この実施形態では、図19の上下方向に対向する2つの第1フリクションワッシャ261Aと、右斜め上と左斜め下とに配置された2つの第2フリクションワッシャ261Bと、左斜め上と右斜め下とに配置された2つの第3フリクションワッシャ261Cとから構成されている。第1〜第3フリクションワッシャ261A,261B,261Cは概ね同一形状であり、又同一材料からなる。それぞれが異なる点は、凹部262の回転方向隙間の回転方向幅(回転方向角度)のみである。具体的には、第2フリクションワッシャ261Bの凹部262の回転方向幅が、第1フリクションワッシャ261Aの凹部262の回転方向幅より大きくなっており、さらに第3フリクションワッシャ261Cの凹部262の回転方向幅が、第2フリクションワッシャ261Bの凹部262の回転方向幅より大きくなっている。この結果、第2フリクションワッシャ261Bにおける第2係合部分278Bの第2回転方向隙間279Bが、第1フリクションワッシャ261Aにおける第1係合部分278Aの第1回転方向隙間279Aより大きくなっており、第3フリクションワッシャ261Cにおける第3係合部分278Cの第3回転方向隙間279Cが、第2フリクションワッシャ261Bにおける第2係合部分278Bの第2回転方向隙間279Bより大きくなっている。この実施形態では、第1回転方向隙間279Aの回転方向角度は6度であり、第2回転方向隙間279Bの回転方向角度は12度であり、第3回転方向隙間279Cの回転方向角度は18度である。
第1〜第3フリクションワッシャ261A,261B及び261Cの回転方向長さ(回転方向角度)はそれぞれ異なっており、後にいくに従って大きくなっている。この実施形態では、第1フリクションワッシャ261Aの回転方向角度は40度であり、第2フリクションワッシャ261Bの回転方向角度は50度であり、第3フリクションワッシャ261Cの回転方向角度は55度である。このように第1〜第3フリクションワッシャ261A,261B及び261Cは面積が異なり、後から作動するものがその前に作動するものに対して大きくなっている。
捩り振動が入力された場合の摩擦抵抗発生機構207の動作を説明する。摩擦抵抗発生機構207では、フリクションワッシャ261は、フリクション係合部材263及び出力側円板状プレート232,233と一体回転し、フレキシブルプレート211及び入力側円板状プレート212と相対回転する。この結果、フリクションワッシャ261がフレキシブルプレート211及び入力側円板状プレート212に摺動して摩擦抵抗を発生する。
次に、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動がフライホイールダンパーに入力されたときの摩擦抵抗発生機構207の動作を説明する。
微少捩り振動が入力されると、摩擦抵抗発生機構207において、フリクション係合部材263は、微少回転方向隙間79において、フリクションワッシャ261に対して相対回転する。つまり、フリクションワッシャ261は、フリクション係合部材263によって駆動されず、したがってフリクションワッシャ261は入力側の部材に対して回転しない。この結果、微小捩じり振動に対しては高ヒステリシストルクが発生しない。つまり、所定の捩り角度範囲では、通常のヒステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストルクしか得られない。このように、捩じり特性において摩擦抵抗発生機構207を所定角度範囲内では作動させない微少回転方向隙間を設けたため、振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
次に、フリクションワッシャ261がフリクション係合部材263によって駆動されるときの動作を説明する。図18の中立状態から、フリクション係合部材263がフリクションワッシャ261に対して回転方向R1側に捩れていく動作を説明する。
捩り角度が大きくなると、やがて、第1フリクションワッシャ261Aにおいてフリクション係合部材263が第1フリクションワッシャ261Aの凹部262の回転方向R1側の回転方向端面262bに当接する。
さらに捩り角度が大きくなると、フリクション係合部材263は第1フリクションワッシャ261Aを駆動して、フレキシブルプレート211及び入力側円板状プレート212に対して摺動させる。
やがて捩り角度が所定の大きさになると、フリクション係合部材263が、第2フリクションワッシャ261Bの凹部262の回転方向端面262bに当接する。これ以降は、フリクション係合部材263は、第1及び第2フリクションワッシャ261A,261Bをともに駆動して、フレキシブルプレート211及び入力側円板状プレート212に対して摺動させる。
さらに捩り角度が所定の大きさになると、フリクション係合部材263が、第3フリクションワッシャ261Cの凹部262の回転方向端面262bに当接する。これ以降は、フリクション係合部材263は、第1〜第3フリクションワッシャ261A,261B,261Cをともに駆動して、フレキシブルプレート211及び入力側円板状プレート212に対して摺動させる。
以上をまとめると、フリクションワッシャ261がフレキシブルプレート211及び入力側円板状プレート212によって駆動される時には、捩り特性において一定の枚数が駆動されて中間摩擦抵抗が発生する領域が、全ての枚数が駆動される大摩擦抵抗の領域の開始前に発生する。以上の構造及び動作によって得られる効果は、基本的には、前記実施形態と同様である
なお、第1〜第3フリクションワッシャ261A,261B,261Cは円周方向長さ(面積)が異なり、後にいくに従って(作動する順番が遅くなるに従って)面積が大きくなっている。このように各部材の円周方向長さを異ならせることによって、各摩擦抵抗の大きさを異ならせることができる。したがって、振動や異音に対して効果的である。
さらに、フリクションワッシャ261の回転方向端面262bがフリクション係合部材263の端面263cに衝突する際に、クッション部材280によって衝撃が緩和される。このため、各フリクションワッシャ261がフリクション係合部材263に衝突する際の打音が低減され、ヒスは緩やかに立ち上がる。なお、クッション部材はフリクション係合部材263側に設けられていてもよい。
(6)第4実施形態
図22〜図27を用いて、本願発明の第4実施形態に係る第2摩擦抵抗発生機構307について説明する。なお、この実施形態は、前記実施形態の摩擦抵抗発生機構207と基本構造が同じである。以下、同様の構造については説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
フリクション係合部材363の回転方向幅(回転方向角度)は全て同じであるが、凹部362の回転方向幅(回転方向角度)が異なるものがある。言い換えると、凹部362の回転方向幅が異なる3種類のフリクションワッシャ361がある。この実施形態では、図22の上下方向に対向する2つの第1フリクションワッシャ361Aと、右斜め上と左斜め下とに配置された2つの第2フリクションワッシャ361Bと、左斜め上と右斜め下とに配置された2つの第3フリクションワッシャ361Cとから構成されている。第1〜第3フリクションワッシャ361A,361B,361Cは概ね同一形状であり、又同一材料からなる。それぞれが異なる点は、凹部362の回転方向隙間の回転方向幅(回転方向角度)のみである。具体的には、第2フリクションワッシャ361Bの凹部362の回転方向幅が、第1フリクションワッシャ361Aの凹部362の回転方向幅より大きくなっており、さらに第3フリクションワッシャ361Cの凹部362の回転方向幅が、第2フリクションワッシャ361Bの凹部362の回転方向幅より大きくなっている。この結果、第2フリクションワッシャ361Bにおける第2係合部分378Bの第2回転方向隙間379Bが、第1フリクションワッシャ361Aにおける第1係合部分378Aの第1回転方向隙間379Aより大きくなっており、第3フリクションワッシャ361Cにおける第3係合部分378Cの第3回転方向隙間379Cが、第2フリクションワッシャ361Bにおける第2係合部分378Bの第2回転方向隙間379Bより大きくなっている。この実施形態では、第1回転方向隙間379Aの回転方向角度は12度であり、第2回転方向隙間379Bの回転方向角度は16度であり、第3回転方向隙間379Cの回転方向角度は18度である。
第1〜第3フリクションワッシャ361A,361B及び361Cの回転方向長さ(回転方向角度)は前記実施形態のように、それぞれ異なっている。
第1〜第3フリクションワッシャ361A,361B及び361Cの回転方向間には、それぞれ、弾性部材としてのコイルスプリング390が配置されている。コイルスプリング390は、回転方向に延びており、両端がフリクションワッシャ361の回転方向端面に当接している。図22に示す中立状態において、各コイルスプリングは390は回転方向に圧縮されており、両側のフリクションワッシャ361に回転方向に荷重を付与している。
ここで、第1フリクションワッシャ361Aと第2フリクションワッシャ361Bとの間のものを第1コイルスプリン390Aとし、第2フリクションワッシャ361Bと第3フリクションワッシャ361Cとの間のものを第2コイルスプリング390Bとし、第3フリクションワッシャ361Cと第1フリクションワッシャ361Aとの間のものを第3コイルスプリング390Cとする。ただし、第1〜第3コイルスプリング390A〜390Cは同一形状、同一ばね定数を有しており、図22の中立状態で回転方向の圧縮量も同一になっている。
次に、フリクションワッシャ361がフリクション係合部材363によって駆動されるときの動作を説明する。図22の中立状態から、フリクション係合部材363がフリクションワッシャ361に対して回転方向R1側に捩れていく動作を説明する。
捩り角度が大きくなると、やがて、図23に示すように、第1フリクションワッシャ361Aにおいてフリクション係合部材363が第1フリクションワッシャ361Aの凹部362の回転方向R1側の回転方向端面362bに当接する。このとき、図2の矢印Aに示すように、ヒステリシストルクh1が立ち上がる。
さらに捩り角度が大きくなると、フリクション係合部材363は第1フリクションワッシャ361Aを駆動して、フレキシブルプレート311及び入力側円板状プレート312に対して摺動させる。この動作中、第3コイルスプリング390C(第1フリクションワッシャ361Aの進行方向のコイルスプリング)がさらに圧縮されていき、第1コイルスプリング390A(第1フリクションワッシャ361Aの進行方向と反対のコイルスプリング)が伸びていく。このため、図23から図24の動作の間に、ヒステリシストルクは徐々に高くなっていく。なお、第1コイルスプリング390Aは最も伸びた状態でも自由長より短くなっている。そのため、第1コイルスプリング390Aはフリクションワッシャ間で姿勢や位置を正しく維持できる。
以上の結果、第2フリクションワッシャ361Bは、第1〜第3コイルスプリング390A〜390Bの作用によって、それらコイルスプリングがない場合に比べて小さい力で動くようになっている。
やがて捩り角度が所定の大きさになると、図24に示すように、フリクション係合部材363が、第2フリクションワッシャ361Bの凹部362の回転方向端面362bに当接する。このとき、図21の矢印Bに示すように、ヒステリシストルクh2’が立ち上がる。これ以降は、フリクション係合部材363は、第1及び第2フリクションワッシャ361A,361Bをともに駆動して、フレキシブルプレート211及び入力側円板状プレート212に対して摺動させる。この動作中、第3コイルスプリング390C(第1フリクションワッシャ361Aの進行方向のコイルスプリング)がさらに圧縮されていき、第2コイルスプリング390B(第2フリクションワッシャ361Bの進行方向と反対のコイルスプリング)が伸びていく。このため、図24から図25までの動作の間にヒステリシストルクは徐々に高くなっていく。なお、第2コイルスプリング390Bは最も伸びた状態でも自由長より短くなっている。そのため、第2コイルスプリング390Bはフリクションワッシャ間で姿勢や位置を正しく維持できる。
以上の結果、第3フリクションワッシャ361Cは、第1〜第3コイルスプリング390A〜390の作用によって、それらコイルスプリングがない場合に比べて小さい力で動くようになっている。
さらに捩り角度が所定の大きさになると、フリクション係合部材363が、図25に示すように、第3フリクションワッシャ361Cの凹部362の回転方向端面362bに当接する。このとき、図2の矢印Cに示すように、ヒステリシストルクh3が立ち上がる。これ以降は、フリクション係合部材363は、第1〜第3フリクションワッシャ361A,361B,361Cをともに駆動して、フレキシブルプレート211及び入力側円板状プレート212に対して摺動させる。
以上をまとめると、フリクションワッシャ361が出力側円板状プレート232によって駆動される時には、捩り特性において一定の枚数が駆動されて中間摩擦抵抗が発生する領域が、全ての枚数が駆動される大摩擦抵抗の領域の開始前に発生する。以上の構造及び動作によって得られる効果は、基本的には、前記実施形態と同様である。
さらに、図26及び図27に示すように、本実施形態ではフリクションワッシャ361の回転方向間に配置された複数のコイルスプリング390を有しているため、第2及び第3フリクションワッシャ361B,361Cが作動する前の段階でそれぞれヒステリシストルクが徐々に高くなっており、その結果、第2及び第3フリクションワッシャ361B,361Cが作動する瞬間に垂直に立ち上がる立ち上がりヒステリシストルクh2’,h3’が、コイルスプリングがない場合の各ヒステリシストルクh2,h3よりそれぞれ小さくなっている。つまり、各フリクションワッシャ作動時のたたき音が低減されている。
なお、以上の効果は、390第1〜第3フリクションワッシャ361A,361B,361Cは円周方向長さ(面積)が異なり、後にいくに従って(作動する順番が遅くなるに従って)面積が大きくなっている構造において特に発揮される。図26及び図27に示すように、各フリクションワッシャのヒステリシストルクはh1<h2<h3となっており、とくに第3フリクションワッシャ361Cによるヒステリシストルクh3が第1フリクションワッシャ361Aや第2フリクションワッシャ361Bによるヒステリシストルクh1,h2よりかなり大きくなっているが、第3フリクションワッシャ361A作動時の立ち上がりヒステリシストルクh3’は十分に低くなっている。なお、第1フリクションワッシャ361Aによるヒステリシストルクh1は十分に低いため、特に低くする必要はない。
さらに、フリクションワッシャ361の回転方向端面362bがフリクション係合部材363の壁363cに衝突する際に、クッション部材380によって衝撃が緩和される。このため、各フリクションワッシャ361がフリクション係合部材363に衝突する際の打音が低減され、ヒスは緩やかに立ち上がる。なお、クッション部材はフリクション係合部材363側に設けられていてもよい。
なお、フリクションワッシャの回転方向間に配置される弾性部材としては、コイルスプリング390に限定されない。他のばねやゴム、弾性樹脂を配置しても良い。
また、前記実施形態では3種類のフリクションワッシャを用いてヒステリシストルクが3段階で大きくなっていったが、2段階でも良いし又は4段階以上でも良い。
本発明の一実施形態としてのクラッチ装置の縦断面概略図。 摩擦抵抗発生機構を説明するための図面であり、図1の部分拡大図。 摩擦抵抗発生機構の構成を説明するための図面であり、図1の部分拡大図。 摩擦抵抗発生機構の構成を説明するための平面模式図。 凸部と凹部の係合部分を説明するための図面であり、図4の部分拡大図。 ダンパー機構の機械回路図。 摩擦抵抗発生機構の動作を説明するための平面模式図。 摩擦抵抗発生機構の構成を説明するための図面であり、図6の部分拡大図。 摩擦抵抗発生機構の動作を説明するための平面模式図。 ダンパー機構の捩り特性線図。 ダンパー機構の捩り特性線図。 ダンパー機構の捩り特性線図。 ダンパー機構の捩り特性線図。 本発明の第2実施形態に係る摩擦抵抗発生機構の構成を説明するための平面模式図。 摩擦抵抗発生機構の断面図(第2実施形態)。 図14の部分拡大図(第2実施形態)。 摩擦抵抗発生機構の機械回路図(第2実施形態)。 本発明の第3実施形態に係る摩擦抵抗発生機構の縦断面概略図。 摩擦抵抗発生機構の平面模式図(第3実施形態)。 摩擦抵抗発生機構の断面図(第3実施形態)。 図20の部分拡大図(第3実施形態)。 本発明の第3実施形態に係る摩擦抵抗発生機構の平面模式図。 摩擦抵抗発生機構の動作を説明するための図(第4実施形態)。 摩擦抵抗発生機構の動作を説明するための図(第4実施形態)。 摩擦抵抗発生機構の動作を説明するための図(第4実施形態)。 ダンパー機構の捩り特性線図(第4実施形態)。 図26の部分拡大図。
符号の説明
7 摩擦抵抗発生機構
30,31 出力側円板状プレート(第2回転部材)
32 入力側円板状プレート(第1回転部材)
43 出力側フリクションプレート(第2回転部材)
61 フリクションワッシャ(摩擦部材)
62 凹部
63 凸部
78 係合部分
79 回転方向隙間
107 摩擦抵抗発生機構
115 プレート部材(第2回転部材)
130,131 出力側円板状プレート(第1回転部材)
143 コーンスプリング(付勢部材)
144 入力側フリクションプレート(第2回転部材)
161 フリクションワッシャ(大摩擦発生部材)
162 凹部
163 フリクション係合部材(凸部、小摩擦発生部材)
178 係合部分
179 回転方向隙間
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