JP4045165B2 - 摩擦抵抗発生機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦抵抗発生機構、特に、回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して捩り振動を減衰するための機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌に用いられるクラッチディスク組立体は、フライホイールに連結・切断されるクラッチ機能と、フライホイールからの捩じり振動を吸収・減衰するためのダンパー機能とを有している。一般に車両の振動には、アイドル時異音(ガラ音)、走行時異音(加速・減速ラトル,こもり音)及びティップイン・ティップアウト(低周波振動)がある。これらの異音や振動を取り除くことがクラッチディスク組立体のダンパーとしての機能である。
【0003】
アイドル時異音とは、信号待ち等でシフトをニュートラルに入れ、クラッチペダルを放したときにトランスミッションから発生する「ガラガラ」と聞こえる音である。この異音が生じる原因は、エンジンアイドリング回転付近ではエンジントルクが低く、エンジン爆発時のトルク変動が大きいことにある。このときにトランスミッションのインプットギアとカウンターギアとが歯打ち現象を起こしている。
【0004】
ティップイン・ティップアウト(低周波振動)とは、アクセルペダルを急に踏んだり放したりしたときに生じる車体の前後の大きな振れである。駆動伝達系の剛性が低いと、タイヤに伝達されたトルクが逆にタイヤに伝達されたトルクが逆にタイヤ側からトルクに伝わり、その揺り返しとしてタイヤに過大トルクが発生し、その結果車体を過渡的に前後に大きく振らす前後振動となる。
【0005】
アイドリング時異音に対しては、クラッチディスク組立体の捩じり特性においてゼロトルク付近が問題となり、そこでの捩じり剛性は低い方が良い。一方、ティップイン・ティップアウトの前後振動に対しては、クラッチディスク組立体の捩じり特性をできるだけソリッドにすることが必要である。
【0006】
以上の問題を解決するために、2種類のばね部材を用いることにより2段特性を実現したクラッチディスク組立体が提供されている。そこでは、捩じり特性における1段目(低捩じり角度領域)における捩じり剛性及びヒステリシストルクを低く抑えているために、アイドリング時の異音防止効果がある。また、捩じり特性における2段目(高捩じり角度領域)では捩じり剛性及びヒステリシストルクを高く設定しているため、ティップイン・ティップアウトの前後振動を十分に減衰できる。
【0007】
さらに、捩じり特性2段目においてたとえばエンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動が入力されたときに、2段目の大摩擦機構を作動させないことで、微小捩じり振動を効果的に吸収するダンパー機構も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記ダンパー機構は、具体的には、以下の構造を有する摩擦抵抗発生機構を有することによって実現される。この摩擦抵抗発生機構は、全体が高剛性のばね部材と回転方向に並列に作用するように配置され、摩擦抵抗発生部と、それに対して回転方向に直列に作用するように配置された回転方向係合部をとを有している。回転方向係合部は2つの部材の微少回転方向隙間からなる。
【0009】
したがって、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩じり振動が入力されたときには、微少回転方向隙間によって摩擦抵抗発生部は作動しない。
【0010】
一方、捩り角度の大きな捩り振動に対しては、摩擦抵抗発生部が作動し、捩り角度の両端でのみ微少回転方向隙間分だけ摩擦抵抗発生部が作動しない。つまり、捩り角度の大きな捩り振動が入力されると、捩り角度の両端では大きな摩擦抵抗が突然発生する。このように大きな摩擦抵抗が発生することで、回転方向隙間を構成する部材同士の衝突の際の衝撃が大きくなり、いわゆるたたき音が発生する。
【0011】
本発明の課題は、微少捩り振動を吸収するために微少回転方向隙間を設けた摩擦抵抗発生機構において、たたき音の発生を抑えることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の摩擦抵抗発生機構は、回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して捩り振動を減衰するための機構であって、第1摩擦抵抗発生部と、第2摩擦抵抗発生部と、第1摩擦抵抗抑制部と、第2摩擦抵抗抑制部とを備えている。第2摩擦抵抗発生部は、第1摩擦抵抗発生部より大きな摩擦抵抗を発生する。第1摩擦抵抗抑制部は、第1摩擦抵抗発生部及び第2摩擦抵抗発生部の両方を作動させないための第1回転方向隙間を有する。第2摩擦抵抗抑制部は、第1回転方向隙間の捩り角度範囲の両側で、第2摩擦抵抗発生部のみを作動させないための第2回転方向隙間を有する。第2回転方向隙間は第1回転方向隙間に対して直列に作用するように配置されている。
【0013】
この摩擦抵抗発生機構では、捩り振動の捩り角度が第1摩擦抵抗抑制部の第1回転方向隙間の捩り角度範囲内であれば、第1回転方向隙間によって第1摩擦抵抗発生部及び第2摩擦抵抗発生部が作動せず、その結果大きな摩擦抵抗が発生しない。捩り振動の捩り角度が第2摩擦抵抗抑制部の第2回転方向隙間の捩り角度範囲内であれば、第2回転方向隙間によって第1摩擦抵抗発生部のみが作動し、中間の大きさの摩擦抵抗が発生する。捩り振動の捩り角度が第2回転方向隙間の捩り角度範囲外であれば、第2摩擦抵抗発生部が作動して最も大きな摩擦抵抗を発生する。
【0014】
以上に述べたように、第2摩擦抵抗発生部が作動して大きな摩擦抵抗を発生する前に、第2回転方向係合部の捩り角度範囲で第1摩擦抵抗発生部が中間の大きさの摩擦抵抗を発生する。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを多段化しているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、摩擦抵抗発生機構において高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
【0015】
請求項2に記載の摩擦抵抗発生機構は、回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって前記2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して前記捩り振動を減衰するための機構であって、第1摩擦発生部と、第2摩擦発生部と、第1回転方向隙間構成部と、第2回転方向隙間構成部とを備えている。第2摩擦発生部は、第1摩擦発生部と回転方向に並列に作用するように配置されている。第1回転方向隙間構成部は、捩り角度の初期段階では第1摩擦発生部を作動させない。第2回転方向隙間構成部は、第1回転方向隙間構成部に対して直列に作用し、第1摩擦発生部の作動中に所定捩り角度までは第2摩擦発生部を作動させない。
【0016】
この摩擦抵抗発生機構では、2つの部材が相対回転すると、最初は第1回転方向隙間構成部によって、第1摩擦発生部も第2摩擦発生部も作動しない。捩り角度の初期段階が終了すると、第1摩擦発生部が作動を開始して、所定の摩擦抵抗を発生する。所定捩り角度になると、第2回転方向隙間構成部が閉じられ、第2摩擦発生部が所定の摩擦抵抗を発生する。つまり、第1摩擦発生部と第2摩擦発生部が回転方向に並列に作動し、第1摩擦発生部のみの場合より大きな摩擦抵抗を発生する。
【0017】
以上に述べたように、第1及び第2摩擦発生部が回転方向に並列に作動して大きな摩擦抵抗を発生する前に、第2回転方向隙間構成部の所定の捩り角度範囲で第1摩擦発生部のみが作動し中間の大きさの摩擦抵抗を発生する。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを多段化しているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、摩擦抵抗発生機構において高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
【0018】
請求項3に記載の摩擦発生機構は、回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって前記2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して前記捩り振動を減衰するための機構であって、第1摩擦発生部、第2摩擦発生部及び第3摩擦発生部と、第1回転方向隙間構成部と、第2回転方向隙間構成部と、第3回転方向隙間構成部とを備えている。第1摩擦発生部、第2摩擦発生部及び第3摩擦発生部は、第1回転部材と前記第2回転部材との間で回転方向に互いに並列に作動するように配置されている。第1回転方向隙間構成部は、捩り角度の初期段階では第1摩擦発生部を作動させない。第2回転方向隙間構成部は、第1回転方向隙間構成部に対して直列に作用し、第1摩擦発生部の作動中に所定捩り角度までは第2摩擦発生部を作動させない。第3回転方向隙間構成部は、第2回転方向隙間構成部に対して直列に作用し、第2摩擦発生部の作動中に所定捩り角度までは第3摩擦発生部を作動させない。
【0019】
この摩擦抵抗発生機構では、2つの部材が相対回転すると、最初は第1回転方向隙間構成部によって、第1摩擦発生部も第2摩擦発生部も第3摩擦発生部も作動しない。捩り角度の初期段階が終了すると、第1摩擦発生部が作動を開始して、所定の摩擦抵抗を発生する。所定捩り角度になると、第2回転方向隙間構成部が閉じられ、第2摩擦発生部が所定の摩擦抵抗を発生する。つまり、第1摩擦発生部と第2摩擦発生部が回転方向に並列に作動し、第1摩擦発生部のみの場合より大きな摩擦抵抗を発生する。さらに所定捩り角度になると、第3回転方向隙間構成部が閉じられ、第3摩擦発生部が所定の摩擦抵抗を発生する。つまり、第1摩擦発生部と第2摩擦発生部と第3摩擦発生部が回転方向に並列に作動し、第1摩擦発生部及び第2摩擦発生部のみの場合より大きな摩擦抵抗を発生する。
【0020】
以上に述べたように、第1〜第3摩擦発生部が回転方向に並列に作動して大きな摩擦抵抗を発生する前に、最初に第1摩擦発生部のみが作動し、次に第1摩擦発生部及び第2摩擦発生部のみが作動し、中間の大きさの摩擦抵抗を段階的に発生する。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを多段化しているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、摩擦抵抗発生機構において高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
【0021】
請求項4に記載の摩擦抵抗発生機構は、回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって前記2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して前記捩り振動を減衰するための機構であって、複数の摩擦発生部と、複数の回転方向隙間構成部とを備えている。複数の摩擦発生部は、第1回転部材と第2回転部材との間で回転方向に互いに並列に作動するように配置されている。複数の回転方向隙間構成部は、互いに直列に作用するように配置され、複数の摩擦部が順番に作動開始するように、各摩擦部の作動を遅らせる。
【0022】
この摩擦抵抗発生機構では、2つの部材が相対回転すると、複数の回転方向隙間構成部によって複数の摩擦部が順番に作動を開始する。つまり、回転方向に並列に作用する摩擦発生部の数が段階的に増えていく。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを多段化しているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、摩擦抵抗発生機構において高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
【0023】
【発明の実施の形態】
1.第1実施形態
(1)構成
1) 全体構造
図1及び図2に示す本発明の一実施形態としてのクラッチ装置1は、エンジン側のクランクシャフト2とトランスミッション側の入力シャフト3との間でトルクを断続するための装置である。クラッチ装置1は、主に、第1フライホイール組立体4と、第2フライホイール組立体5と、クラッチカバー組立体8と、クラッチディスク組立体9と、レリーズ装置10とから構成されている。なお、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5との組み合わせによって、ダンパー機構6を含むフライホイールダンパー11(後述)が構成されている。
【0024】
なお、図1及び図2のO−Oがクラッチ装置1の回転軸線であり、図1及び図2の左側にはエンジン(図示せず)が配置されており、右側にはトランスミッション(図示せず)が配置されている。以後、図1及び図2において左側を軸方向エンジン側といい、右側を軸方向トランスミッション側という。
【0025】
2) 第1フライホイール組立体
第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2の先端に固定されている。第1フライホイール組立体4は、クランクシャフト2側に大きな慣性モーメントを確保するための部材である。第1フライホイール組立体4は、主に、円板状部材13と、環状部材14と、支持プレート37(後述)とから構成されている。円板状部材13は内周端が複数のボルト15によってクランクシャフト2の先端に固定されている。円板状部材13には、ボルト15に対応する位置にボルト貫通孔13aが形成されている。ボルト15はクランクシャフト2に対して軸方向トランスミッション側から取り付けられている。環状部材14は、厚肉ブロック状の部材であり、円板状部材13の外周端の軸方向トランスミッション側に固定されている。円板状部材13の外周端は溶接等によって環状部材14に固定されている。さらに、環状部材14の外周面にはエンジン始動用リングギア17が固定されている。なお、第1フライホイール組立体4は一体の部材から構成されていてもよい。
【0026】
円板状部材13の外周部の構造について詳細に説明する。図5に示すように、円板状部材13の外周部は平坦な形状であり、その軸方向トランスミッション側には摩擦材19が貼られている。摩擦材19は、複数の弧状部材から構成されており、全体で環状になっている。摩擦材19は、相対回転抑制機構24(後述)において、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5が連結するときのショックを緩和する部材として機能しており、さらに連結時の相対回転の早期停止に貢献している。なお、摩擦材19は円板状プレート22(後述)に固定されていてもよい。
【0027】
さらに、円板状部材13の外周縁には、図5及び図15に示すように、軸方向トランスミッション側に延びる筒状部20が形成されている。筒状部20は、環状部材14の内周面に支持されており、その先端に複数の切り欠き20aが形成されている。切り欠き20aは、所定角度だけ回転方向に延びており、後述するように第1回転方向係合部81の一部として機能する。また、切り欠き20aは筒状部20において軸方向に突出する部分20bによって構成されていると考えてもよい。
【0028】
3) 第2フライホイール組立体
第2フライホイール組立体5は、主に、摩擦面付きフライホイール21と、円板状プレート22とから構成されている。摩擦面付きフライホイール21は、環状かつ円板状の部材であり、第1フライホイール組立体4の外周側部分の軸方向トランスミッション側に配置されている。摩擦面付きフライホイール21には、軸方向トランスミッション側に第1摩擦面21aが形成されている。第1摩擦面21aは、環状かつ平坦な面であり、後述するクラッチディスク組立体9が連結される部分である。摩擦面付きフライホイール21には、さらに、軸方向エンジン側に第2摩擦面21bが形成されている。第2摩擦面21bは、環状かつ平坦な面であり、後述する摩擦抵抗発生機構7の摩擦摺動面として機能している。第2摩擦面21bは、第1摩擦面21aに比べて、外径はわずかに小さいものの、内径は大幅に大きい。したがって、第2摩擦面21bの有効半径は第1摩擦面21aの有効半径より大きい。なお、第2摩擦面21bは、摩擦材19に対して軸方向に対向している。
【0029】
円板状プレート22について説明する。円板状プレート22は、第1フライホイール組立体4と摩擦面付きフライホイール21との軸方向間に配置された部材である。円板状プレート22は、外周部が複数のリベット23によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されており、摩擦面付きフライホイール21と一体回転する部材として機能する。具体的に説明すると、円板状プレート22は、外周縁側から、外周固定部25と、外周側筒状部26と、当接部27と、内周側筒状部28の順番で構成されている。外周固定部25は、摩擦面付きフライホイール21の外周部の軸方向エンジン側面に当接した平板状部分であり、前述のリベット23によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されている。筒状部26は、外周固定部25の内周縁から軸方向エンジン側に延びる部分であり、円板状部材13の筒状部20の内周側に位置している。筒状部26には、複数の切り欠き26aが形成されている。切り欠き26aは、筒状部20の切り欠き20aに対応して形成されており、しかも回転方向の角度は大幅に大きい。したがって、各切り欠き26aの回転方向両端は、対応する切り欠き20aの回転方向両端より回転方向外側に位置している。当接部27は、円板状かつ平板状の部分であり、摩擦材19に対応している。当接部27は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bに対して軸方向に空間を介して対向している。この空間内に、後述する摩擦抵抗発生機構7の各部材が配置されている。このように摩擦抵抗発生機構7は第2フライホイール組立体5の円板状プレート22の当接部27と摩擦面付きフライホイール21との間に配置されているため、省スペースの構造が実現される。内周側筒状部28は、軸方向トランスミッション側に延びており、先端が摩擦面付きフライホイール21に近接している。内周側筒状部28の根元側外周面28aは先端側外周面28bより径が大きくなっており、両者の境界には段差部が形成されている。
【0030】
第1フライホイール組立体4の支持プレート37は、第2フライホイール組立体5を第1フライホイール組立体4に対して半径方向に支持するための部材である。支持プレート37は、円板状部37aと、その内周縁から軸方向トランスミッション側に延びる筒状部37bとから構成されている。円板状部37aは、クランクシャフと2の先端面と円板状部材13との軸方向間に配置されている。円板状部37aには、ボルト貫通孔13aに対応してボルト貫通孔37cが形成されている。以上の構造により、支持プレート37は、円板状部材13及び入力側円板状プレート32とともに、ボルト15によってクランクシャフト2に固定されている。
【0031】
摩擦面付きフライホイール21の内周面は、ブッシュ38を介して、支持プレート37の筒状部37bの外周面に支持されている。このようにして、摩擦面付きフライホイール21は支持プレート37によって第1フライホイール組立体4及びクランクシャフと2に対して芯出しされている。
【0032】
4) ダンパー機構
ダンパー機構6について説明する。ダンパー機構6は、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21とを回転方向に弾性的に連結するための機構であり、回転方向に並列に作用するように配置された弾性連結機構29と摩擦抵抗発生機構7とから構成されている。
【0033】
4) −1弾性連結機構
弾性連結機構29は、1対の出力側円板状プレート30,31と、入力側円板状プレート32と、複数のコイルスプリング33とから構成されている。
【0034】
一対の出力側円板状プレート30,31は、軸方向エンジン側の第1プレート30と、軸方向トランスミッション側の第2プレート31とから構成されている。両プレート30,31は、円板状部材であり、軸方向に所定の間隔を空けて配置されている。各プレート30,31には、円周方向に並んだ複数の窓部30a,31aがそれぞれ形成されている。窓部30a,31aは、後述するコイルスプリング33を軸方向及び回転方向に支持するための構造であり、コイルスプリング33を軸方向に保持しかつその円周方向両端に当接する切り起こし部を有している。
【0035】
第2プレート31の構造についてさらに詳細に説明する。第2プレート31の円板状本体には、円周方向に並んだ4個の窓部31aが形成されており、各窓部31aの円周方向間には後述するリベット68用の孔69が形成されている。第2プレート31の円板状本体の外周縁には、図3及び図4に示すように、軸方向エンジン側すなわち第1プレート30側に延びる複数のプレート連結部40が一体に形成されている。プレート連結部40は、軸方向延長部41と、その先端から半径方向内側に延びる固定部42とから構成されている。延長部41の先端は概ね第1プレート30の外周側まで軸方向に延びている。延長部41は、主面が半径方向両側を向いており、すなわち、半径方向幅がプレートの板厚と一致している。固定部42は第1プレート30の軸方向トランスミッション側面に当接しており、さらにリベット68によって固定されている。このようにして、プレート30,31は、一体回転するように互いに固定され、また軸方向の距離も維持されている。
【0036】
入力側円板状プレート32は、プレート30,31の間に配置された円板状の部材である。入力側円板状プレート32は円周方向に延びる複数の窓孔32aを有しており、その窓孔32a内にコイルスプリング33が配置されている。入力側円板状プレート32において窓孔32aの円周方向間部分には、後述するリベット68が軸方向に通過可能な切り欠き32bが形成されている。また、入力側円板状プレート32の外周縁には、図3及び図4に示すように、延長部41から回転方向に離れているが当接可能な当接部32cが形成されている。以上より、この実施形態ではプレート連結部40と当接部32cによってダンパー機構のストッパー機構が構成されている。ただし、他の部分によってストッパー機構を構成していてもよい。
【0037】
各コイルスプリング33は、大小のばねが組み合わせられた親子ばねである。各コイルスプリング33は、各窓孔32a及び窓部30a,31a内に収容され、半径方向両側と回転方向両側とを支持されているまた、各コイルスプリング33は、窓部30a,31aによって軸方向両側も支持されている。
【0038】
次に、出力側円板状プレート30,31と摩擦面付きフライホイール21とを連結する連結構造34について説明する。連結構造34はボルト35とナット36とから構成されている。第2プレート31の内周縁には、図3及び図4に示すように、軸方向トランスミッション側に切り起こされた複数の固定部31bが形成されている。第2プレート31の円板状本体は摩擦面付きフライホイール21の軸方向エンジン側の面からわずかに離れて配置されているが、固定部31bは摩擦面付きフライホイール21の軸方向エンジン側の面に当接している。各固定部31bには、軸方向トランスミッション側に突出するボルト35が溶接によって固定されている。摩擦面付きフライホイール21において固定部31b及びボルト35に対応する位置には、凹部21cと孔21dとが形成されている。凹部21cは摩擦面付きフライホイール21の軸方向トランスミッション側に形成されており、孔21dは凹部21cの中心を軸方向に貫通している。前述のボルト35は孔21d内に軸方向エンジン側から挿入されている。ナット36は、凹部21c及び孔21dに対して軸方向トランスミッション側から配置されており、ボルト35に螺合し、さらに凹部21cの底面に着座している。
【0039】
4) −2摩擦抵抗発生機構
摩擦抵抗発生機構7は、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21との回転方向間でコイルスプリング33と並列に機能する機構であり、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21が相対回転すると所定の摩擦抵抗(ヒステリシストルク)を発生する。摩擦抵抗発生機構7は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bと円板状プレート22の当接部27との間に配置され互いに当接する複数のワッシャによって構成されている。摩擦抵抗発生機構7は、図5及び図6に示すように、当接部27から摩擦面付きフライホイール21に向かって順番に、コーンスプリング43、出力側フリクションプレート44、第1高摩擦係数フリクションワッシャ61、第1低摩擦係数フリクションワッシャ62、入力側フリクションプレート63、第2低摩擦係数フリクションワッシャ64及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ65を有している。このように円板状プレート22は摩擦抵抗発生機構7を摩擦面付きフライホイール21側に保持する機能も有しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
【0040】
コーンスプリング43は、各摩擦面に対して軸方向に荷重を付与するための部材であり、当接部27と出力側フリクションプレート44との間に挟まれて圧縮されており、そのため両部材に対して軸方向に付勢力を与えている。出力側フリクションプレート44は外周縁に形成された爪部44aが円板状プレート22の切り欠き26aに係合しており、この係合によって出力側フリクションプレート44は、円板状プレート22及び摩擦面付きフライホイール21に対して、相対回転は不能であるが軸方向に移動可能となっている。なお、出力側フリクションプレート44は内周面が円板状プレート22の内周側筒状部28の根元側外周面28aに当接して、半径方向に位置決めされている。
【0041】
第1高摩擦係数フリクションワッシャ61は、図7及び図8に示すように環状の部材であり、出力側フリクションプレート44と第1低摩擦係数フリクションワッシャ62との間に挟まれている。第1高摩擦係数フリクションワッシャ61は、芯板71と、それに貼られた摩擦フェーシング72とから構成されている。芯板71は環状の部材である。摩擦フェーシング72は、芯板71の軸方向エンジン側に貼られた複数の弧状の部材であり、出力側フリクションプレート44に当接している。芯板71の内径と摩擦フェーシング72の内径はほぼ等しく、芯板71の外径も摩擦フェーシング72の外径にほぼ等しくなっている。芯板71の外周縁には、軸方向トランスミッション側に延びる軸方向突出部71aが形成されている。また、芯板71の本体部分には、複数の孔71bが形成されている。さらに、芯板71の内周縁には、半径方向内側に延びる複数の突起71cが形成されている。なお、摩擦フェーシング72には、孔71bに対応して孔72aが形成されている。
【0042】
第1低摩擦係数フリクションワッシャ62は、図9に示すように複数の弧状部材であり、第1高摩擦係数フリクションワッシャ61と入力側フリクションプレート63との間に挟まれている。第1低摩擦係数フリクションワッシャ62は樹脂製である。第1低摩擦係数フリクションワッシャ62は、軸方向エンジン側に複数の突出部62aを有している。突出部62aは第1高摩擦係数フリクションワッシャ61の孔71b,72a内に挿入・係合している。この係合によって、第1高摩擦係数フリクションワッシャ61と第1低摩擦係数フリクションワッシャ62とは一体回転するようになっている。また、第1低摩擦係数フリクションワッシャ62の内周縁には、半径方向内側に延びる複数の突起62bが形成されている。
【0043】
入力側フリクションプレート63は、第1低摩擦係数フリクションワッシャ62と第2低摩擦係数フリクションワッシャ64との軸方向間に挟まれた円板状部分63aを有している。入力側フリクションプレート63の外周縁には、図10に示すように、複数の突起63bが形成されている。突起63bは、切り欠き26aに対応して形成されており、半径方向外側に延びる突起部63cと、その先端から軸方向エンジン側に延びる爪部63dとから構成されている。突起部63cは切り欠き26a内を半径方向に貫通しており、爪部63dは、筒状部26の外周側に位置しており、円板状部材13の筒状部20の切り欠き20a内に軸方向トランスミッション側から延びている。このように爪部63dと切り欠き20aとによって、図15及び図16に示すように、円板状部材13と出力側フリクションプレート44との間に第1回転方向係合部81が形成されている。なお、入力側フリクションプレート63の円板状部分63aの外周縁には複数の切り欠き63eが形成され、内周縁に半径方向内側に延びる複数の突起63fが形成されている。
【0044】
第1回転方向係合部81において、爪部63dの回転方向幅は切り欠き20aの回転方向幅より短く、そのため爪部63dは切り欠き20a内を所定角度の範囲で移動可能である。これは、入力側フリクションプレート63は円板状部材13に対して、所定角度範囲内では移動可能であることを意味する。より詳細には、図16に示すように、爪部63dの回転方向R2側には捩り角度θ1の回転方向隙間46が確保され、回転方向R1側には捩り角度θ2の回転方向隙間47が形成されている。この結果、捩り角度θ1と捩り角度θ2の合計の捩り角度が、入力側フリクションプレート63が円板状部材13に対して相対回転可能な所定角度の大きさとなる。なお、この実施形態では、前記合計の捩り角度は8°であるが(図18を参照)、この角度はエンジンの燃焼変動に起因する微少捩り振動により生じるダンパー作動角をわずかに越える範囲にあることが好ましい。
【0045】
第2低摩擦係数フリクションワッシャ64は、第1低摩擦係数フリクションワッシャ62と同様に複数の弧状部材であり、入力側フリクションプレート63と第2高摩擦係数フリクションワッシャ65との間に挟まれている。第2低摩擦係数フリクションワッシャ64は樹脂製である。第2低摩擦係数フリクションワッシャ64は、軸方向トランスミッション側に複数の突出部64aを有している。
【0046】
第2高摩擦係数フリクションワッシャ65は、図11及び図12に示すように環状の部材であり、第2低摩擦係数フリクションワッシャ64と摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bとの間に挟まれている。第2高摩擦係数フリクションワッシャ65は、芯板73と、それに貼られた摩擦フェーシング74とから構成されている。芯板73は環状の部材である。摩擦フェーシング74は、芯板73の軸方向エンジン側に貼られた複数の弧状の部材であり、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bに当接している。芯板73の内径と摩擦フェーシング74の内径はほぼ等しいが、芯板73の内径は摩擦フェーシング74の内径より大きくなっている。芯板73の本体部分には、複数の孔73aが形成されている。芯板73の本体部分の内周縁には、半径方向内側に延びる複数の突起73cが形成されている。なお、摩擦フェーシング74には、孔73aに対応して孔74aが形成されている。これら孔71b,72a内には、第2低摩擦係数フリクションワッシャ64の突出部64aが挿入・係合している。この係合によって、第2高摩擦係数フリクションワッシャ65と第2低摩擦係数フリクションワッシャ64とは一体回転するようになっている。
【0047】
芯板73の外周縁には、円周方向の複数箇所に切り欠き73bが形成されている。切り欠き73b内には前述の軸方向突出部71aが挿入・係合しており、この係合によって、第1高摩擦係数フリクションワッシャ61と第2高摩擦係数フリクションワッシャ65とは一体回転するようになっている。また、軸方向突出部71aは入力側フリクションプレート63の円板状部分63aの外周縁に形成された切り欠き63e内に挿入されている。このように軸方向突出部71aと切り欠き63eとによって、入力側フリクションプレート63と、フリクションワッシャ61,62,64,65との間に、図16に示すように、第2回転方向係合部82が形成されている。
【0048】
第2回転方向係合部82において、軸方向突出部71aの回転方向幅は切り欠き63eの回転方向幅より短く、そのため軸方向突出部71aは切り欠き63e内を所定角度の範囲で移動可能である。これは、入力側フリクションプレート63はフリクションワッシャ61,62,64,65に対して、所定角度範囲内では移動可能であることを意味する。より詳細には、図16に示すように、軸方向突出部71aの回転方向R1側には捩り角度θ3の回転方向隙間85が確保され、回転方向R2側には捩り角度θ4の回転方向隙間86が形成されている。この結果、捩り角度θ3と捩り角度θ4の合計の捩り角度が、入力側フリクションプレート63がフリクションワッシャ61,62,64,65に対して相対回転可能な所定角度の大きさとなる。なお、この実施形態では、前記合計の捩り角度は2°である(図18を参照)。
【0049】
摩擦抵抗発生機構7は、さらに、ブッシュ66を備えている。ブッシュ66は、各ワッシャを内周側筒状部28に対して回転方向に自在に支持するための複数の部材であり、各ワッシャの内周側と内周側筒状部28との半径方向間に配置されている。ブッシュ66は、軸方向に所定の長さを有し、しかも平面視で弧状になっている。ブッシュ66の内周面は、滑らかな周面であり、内周側筒状部28の先端側外周面28bによって回転自在に支持されている。内周側筒状部28の外周面には、複数の凹部66aが形成されている。凹部66aは半径方向内側にへこんでおり、さらに軸方向全体に延びている。この凹部66a内に、第1高摩擦係数フリクションワッシャ61の突起71c、第1低摩擦係数フリクションワッシャ62の突起62b、第2低摩擦係数フリクションワッシャ64の突起64b、第2高摩擦係数フリクションワッシャ65の突起73c等が挿入され、係合している。なお、各ワッシャとブッシュ66との回転方向の係合部分は比較的大きな回転方向隙間を確保しており、したがって前述の第2回転方向係合部82の機能を阻害しないようになっている。
【0050】
以上に述べた摩擦抵抗発生機構7において、入力側フリクションプレート63の円板状部分63aと第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ62,64との係合によって、第1摩擦抵抗発生部88が形成されている。さらに、第1高摩擦係数フリクションワッシャ61と出力側フリクションプレート44との係合、及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ65と摩擦面付きフライホイール21との係合によって、第2摩擦抵抗発生部89が形成されている。
【0051】
なお、ここでは、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bが摩擦抵抗発生機構7の摩擦面を構成しているため、部品点数が少なくなり、構造が簡単になる。
【0052】
5) クラッチカバー組立体
クラッチカバー組立体8は、弾性力によってクラッチディスク組立体9の摩擦フェーシング54を摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aに付勢するための機構である。クラッチカバー組立体8は、主に、クラッチカバー48と、プレッシャープレート49と、ダイヤフラムスプリング50とから構成されている。
【0053】
クラッチカバー48は、板金製の円盤状部材であり、外周部がボルト51によって摩擦面付きフライホイール21の外周部に固定されている。
【0054】
プレッシャープレート49は、例えば鋳鉄製の部材であり、クラッチカバー48の内周側において摩擦面付きフライホイール21の軸方向トランスミッション側に配置されている。プレッシャープレート49は、摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21a対向する押圧面49aを有している。また、プレッシャープレート49において押圧面49aと反対側の面にはトランスミッション側に突出する複数の弧状突出部49bが形成されている。プレッシャープレート49は、弧状に延びる複数のストラッププレート53によってクラッチカバー48に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に連結されている。なお、クラッチ連結状態ではプレッシャープレート49に対してストラッププレート53が摩擦面付きフライホイール21から離れる方向への荷重を付与している。
【0055】
ダイヤフラムスプリング50は、プレッシャープレート49とクラッチカバー48との間に配置された円板状部材であり、環状の弾性部50aと、弾性部50aから内周側に延びる複数のレバー部50bとから構成されている。弾性部50aの外周縁部はプレッシャープレート49の突出部49bに軸方向トランスミッション側から当接している。
【0056】
クラッチカバー48の内周縁には、軸方向エンジン側に延びさらに外周側に折り曲げられたタブ48aが複数形成されている。タブ48aは、ダイヤフラムスプリング50の孔を貫通してプレッシャープレート49側に延びている。このタブ48aによって支持された2個のワイヤリング52が、ダイヤフラムスプリング50の弾性部50aの内周部の軸方向両側を支持している。この状態で、弾性部50aは、軸方向に圧縮されており、プレッシャープレート49とクラッチカバー48とに軸方向に弾性力を付与している。
【0057】
6) クラッチディスク組立体
クラッチディスク組立体9は、摩擦面付きフライホイール21の第1摩擦面21aとプレッシャープレート49の押圧面49aとの間に配置される摩擦フェーシング54を有している。摩擦フェーシング54は、円板状かつ環状のプレート55を介してハブ56に固定されている。ハブ56の中心孔には、トランスミッション入力シャフト3がスプライン係合している。
【0058】
7) レリーズ装置
レリーズ装置10は、クラッチカバー組立体8のダイヤフラムスプリング50を駆動することでクラッチディスク組立体9に対してクラッチレリーズ動作を行うための機構である。レリーズ装置10は、主に、レリーズベアリング58と、図示しない油圧シリンダ装置とから構成されている。レリーズベアリング58は、主にインナーレースとアウターレースとその間に配置された複数の転動体とからなり、ラジアル荷重及びスラスト荷重を受けることが可能となっている。レリーズベアリング58のアウターレースには、筒状のリティーナ59が装着されている。リティーナ59は、アウターレースの外周面に当接する筒状部と、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向内側に延びアウターレースの軸方向トランスミッション側面に当接する第1フランジと、筒状部の軸方向エンジン側端から半径方向外側に延びる第2フランジとを有している。第2フランジには、ダイヤフラムスプリング50のレバー部50bの半径方向内側端に軸方向エンジン側から当接する環状の支持部が形成されている。
【0059】
油圧室シリンダ装置は、油圧室構成部材と、ピストン60とから主に構成されている。油圧室構成部材はその内周側に配置された筒状のピストン60との間に油圧室を構成している。油圧室内には油圧回路から油圧が供給可能となっている。ピストン60は、概ね筒状の部材であり、レリーズベアリング58のインナーレースに対して軸方向トランスミッション側から当接するフランジを有している。この状態で、油圧回路から油圧室に作動油が供給されると、ピストン60はレリーズベアリング58を軸方向エンジン側に移動させる。
【0060】
8) 第1フライホイール組立体と第2フライホイール組立体との連結
以上に述べたように、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5は、それぞれ別個独立の組立体を構成しており、軸方向に着脱自在に組み付けられている。具体的には、第1フライホイール組立体4と第2フライホイール組立体5は、外周側から、筒状部20と入力側フリクションプレート63との係合(第1回転方向係合部81)、円板状部材13と当接部27との係合(相対回転抑制機構24)、第2プレート31と摩擦面付きフライホイール21との係合(連結構造34)、及び支持プレート37と摩擦面付きフライホイール21との係合(ブッシュ38)によって、互いに係合している。また、両者は所定範囲であれば軸方向に移動可能となっており、具体的には、第2フライホイール組立体5は第1フライホイール組立体4に対して、当接部27が摩擦材19に対してわずかに離反する位置と当接する位置との間で軸方向に移動可能である
9) 摩擦抵抗発生機構の組立
摩擦抵抗発生機構7は、図14に示すように、複数のワッシャを挟むように、円板状プレート22を摩擦面付きフライホイール21に装着することで組み立てられる。
【0061】
(2)動作
1) トルク伝達
このクラッチ装置1では、エンジンのクランクシャフト2からのトルクは、フライホイールダンパー11に入力され、第1フライホイール組立体4から第2フライホイール組立体5に対してダンパー機構6を介して伝達される。ダンパー機構6では、トルクは、入力側円板状プレート32、コイルスプリング33、出力側円板状プレート30,31の順番で伝達される。さらに、トルクは、フライホイールダンパー11から、クラッチ連結状態でクラッチディスク組立体9に伝達され、最後に入力シャフト3に出力される。
【0062】
2) 捩り振動の吸収・減衰
クラッチ装置1にエンジンからの燃焼変動が入力されると、ダンパー機構6において入力側円板状プレート32と出力側円板状プレート30,31とが相対回転し、その間で複数のコイルスプリング33が圧縮される。さらに、摩擦抵抗発生機構7が所定のヒステリシストルクを発生する。以上の作用により捩じり振動が吸収・減衰される。コイルスプリング33の圧縮は、具体的には、入力側円板状プレート32の窓孔32aの回転方向端部と出力側円板状プレート30,31の窓部30a,31aの回転方向端部との間で行われる。
【0063】
摩擦抵抗発生機構7では、第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ61,65は入力側フリクションプレート63を介して円板状部材13と一体回転し、出力側フリクションプレート44及び摩擦面付きフライホイール21と相対回転する。この結果、出力側フリクションプレート44と第1高摩擦係数フリクションワッシャ61とが摺動し、さらに第2高摩擦係数フリクションワッシャ65と摩擦面付きフライホイール21とが摺動する。つまり、第2摩擦抵抗発生部89が作動し、比較的大きな摩擦抵抗を発生する。
【0064】
2) −1微少捩り振動
次に、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動がクラッチ装置1に入力されたときのダンパー機構6の動作を、図17の機械回路図と図18の捩り特性線図を用いて説明する。ダンパー機構6のコイルスプリング33が圧縮されているときに微少捩り振動が入力されると、摩擦抵抗発生機構7の入力側フリクションプレート63は、円板状部材13の筒状部20の切り欠き20aと爪部63dとの間の微少回転方向隙間(46,47)において、円板状部材13に対して相対回転する。つまり、入力側フリクションプレート63及びフリクションワッシャ61,62,64,65は、円板状部材13に駆動されず、したがって第1摩擦抵抗発生部88及び第2摩擦抵抗発生部89の双方で摩擦抵抗は発生しない(図19を参照)。この結果、微小捩じり振動に対しては高ヒステリシストルクが発生しない。すなわち図18の捩り特性線図において例えば「AC2HYS」ではコイルスプリング33が作動するが、摩擦抵抗発生機構7では滑りが生じないい。つまり、所定の捩り角度範囲では、通常のヒステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストルクしか得られない。このように、捩じり特性において摩擦抵抗発生機構7を所定角度範囲内では作動させない微少回転方向隙間(46,47)を設けたため、振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
【0065】
微少捩り振動の捩り角度が第1回転方向係合部81より大きくなると、第1回転方向係合部81での回転方向隙間(46,47)がなくなり、次に円板状部材13が入力側フリクションプレート63を回転方向に駆動する。この結果、入力側フリクションプレート63は第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ62,64に対して相対回転する。つまり、第1摩擦抵抗発生部88が作動し、比較的小さな摩擦抵抗を発生する(図20を参照)。
【0066】
捩り振動の捩り角度がさらに大きくなると、第2回転方向係合部82での回転方向隙間(85,86)がなくなり、次に入力側フリクションプレート63がフリクションワッシャ61,62,64,64,65を回転方向に駆動する。この結果、フリクションワッシャ61,62,64,65は出力側フリクションプレート44及び摩擦面付きフライホイール21に対して相対回転する。つまり、第2摩擦抵抗発生部89が作動し、比較的大きな摩擦抵抗を発生する(図21を参照)。
【0067】
2) −2広角度捩り振動
先に述べたように、捩り振動の捩り角度が大きい場合は、出力側フリクションプレート44と第1高摩擦係数フリクションワッシャ61が摺動し、さらに第2高摩擦係数フリクションワッシャ65と摩擦面付きフライホイール21とが摺動する。
【0068】
ここで、捩り角度の端部(振動の向きが変わる位置)での動作について説明する。図19のねじり特性線図の右側端では、入力側フリクションプレート63は円板状部材13に対して最も回転方向R2側にずれており、フリクションワッシャ61,62,64,65は入力側フリクションプレート63に対して最も回転方向R2側にずれている。この状態から円板状部材13が摩擦面付きフライホイール21に対して、回転方向R2側にねじれていくと、第1回転方向係合部81の回転方向隙間(46,47)の全角度にわたって、円板状部材13が入力側フリクションプレート63に対して相対回転する。この間では、第1摩擦抵抗発生部88も第2摩擦抵抗発生部89も摩擦抵抗を発生しない。第1回転方向係合部81の回転方向隙間(46,47)がなくなると、次に円板状部材13が入力側フリクションプレート63を駆動する。すると、第2回転方向係合部82の回転方向隙間(85,86)の全角度にわたって、入力側フリクションプレート63は第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ62,64に対して相対回転する。この間では第1摩擦抵抗発生部88が作動し、比較的小さな摩擦抵抗を発生する。
【0069】
第2回転方向係合部82の回転方向隙間(85,86)がなくなると、次に入力側フリクションプレート63がフリクションワッシャ61,62,64,65を駆動する。すると、フリクションワッシャ61,62,64,65は出力側フリクションプレート44及び摩擦面付きフライホイール21に相対回転する。この結果、第2摩擦抵抗発生部89が作動し、大きな摩擦抵抗を発生する。
【0070】
以上に述べたように、第2摩擦抵抗発生部89が作動して大きな摩擦抵抗を発生する前に、第2回転方向係合部82の回転方向隙間(85,86)の捩り角度範囲で第1摩擦抵抗発生部88が中間の大きさの摩擦抵抗を発生する。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを多段化しているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、微少捩り振動を吸収するために微少回転方向隙間を設けた摩擦抵抗発生機構において、高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
【0071】
なお、従来であれば摩擦抵抗発生機構7は第2回転方向係合部82と第1摩擦抵抗発生部88とを有しておらず、第1回転方向係合部81において爪部63dが円板状部材13の切り欠き20aに当接したときに第2摩擦抵抗発生部89の作動が開始し、高ヒステリシストルクが急激に発生しており、その壁にツメが衝突することで、たたき音が発生していた。
【0072】
3) クラッチ連結・レリーズ動作
図示しない油圧回路によって油圧シリンダの油圧室内に作動油が供給されると、ピストン60は軸方向エンジン側に移動する。これにより、レリーズベアリング58はダイヤフラムスプリング50の内周端を軸方向エンジン側に移動させる。この結果ダイヤフラムスプリング50の弾性部50aはプレッシャープレート49から離れる。これによりプレッシャープレート49はストラッププレート53の付勢力によってクラッチディスク組立体9の摩擦フェーシング54から離れ、クラッチ連結が解除される。
【0073】
このクラッチレリーズ動作において、レリーズベアリング58からクラッチカバー組立体8に対して軸方向エンジン側に作用する荷重によって、第2フライホイール組立体5が軸方向エンジン側に付勢されて移動する。これにより、相対回転抑制機構24において、円板状プレート22の当接部27が摩擦材19に押し付けられて円板状部材13に摩擦係合する。すなわち、第2フライホイール組立体5が第1フライホイール組立体4に対して相対回転不能になる。さらに言い換えると、第2フライホイール組立体5がクランクシャフト2に対してロックされた状態となり、ダンパー機構6が作動しない。したがって、エンジン始動又は停止時の低回転数領域(例えば回転数0〜500rpm)での共振点通過時には、クラッチをレリーズすることで、共振によるダンパー機構6の破損や音/振動を生じにくくしている。
【0074】
ここでは、ダンパー機構6のロックがクラッチレリーズ時におけるレリーズ装置10からの荷重を利用しているため、構造が簡単になる。特に、相対回転抑制機構24が円板状部材13や円板状プレート22といった単純な形状の部材からなるため、特別な構造を設ける必要がない。
【0075】
2.第2実施形態
(1)摩擦抵抗発生機構の構成
本発明の第2実施形態に係る摩擦抵抗発生機構107について説明する。この摩擦抵抗発生機構107と前記実施形態における摩擦抵抗発生機構7との相違点は、前記実施形態では第1回転方向係合部が軸方向に重なったワッシャ類の外側に設けられていたが、本実施形態では第1回転方向係合部が軸方向に重なったワッシャ類の内部に設けられている点である。
【0076】
以下の説明では、摩擦抵抗発生機構107を中心に説明し、クラッチ装置の他の部分については説明を省略する。また、前記実施形態と同等の部品には同じ符号を付し、対応する部品には百番台の符号を付している。
【0077】
摩擦抵抗発生機構107は、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21との回転方向間でコイルスプリング33と並列に機能する機構であり、クランクシャフト2と摩擦面付きフライホイール21が相対回転すると所定の摩擦抵抗(ヒステリシストルク)を発生する。摩擦抵抗発生機構107は、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bと円板状プレート122の当接部127との間に配置され互いに当接する複数のワッシャによって構成されている。摩擦抵抗発生機構107は、図22及び図23に示すように、当接部127から摩擦面付きフライホイール21に向かって順番に、コーンスプリング143、出力側フリクションプレート144、第1高摩擦係数フリクションワッシャ161、第1低摩擦係数フリクションワッシャ162、入力側フリクションプレート163、第2低摩擦係数フリクションワッシャ164及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ165を有している。
【0078】
コーンスプリング143は、各摩擦面に対して軸方向に荷重を付与するための部材であり、当接部127と出力側フリクションプレート144との間に挟まれて圧縮されており、そのため両部材に対して軸方向に付勢力を与えている。出力側フリクションプレート144は外周縁に形成された爪部144aが円板状プレート122の切り欠き126aに係合しており、この係合によって、出力側フリクションプレート144は、円板状プレート122及び摩擦面付きフライホイール21に対して、相対回転は不能であるが軸方向に移動可能となっている。なお、出力側フリクションプレート144は内周面が円板状プレート122の外周側筒状部128の根元側外周面128aに当接して、半径方向に位置決めされている。
【0079】
第1高摩擦係数フリクションワッシャ161は、環状の部材であり、出力側フリクションプレート144と第1低摩擦係数フリクションワッシャ162との間に挟まれている。第1高摩擦係数フリクションワッシャ161は、芯板171と、それに貼られた摩擦フェーシング172とから構成されている。芯板171は環状の部材である。摩擦フェーシング172は、芯板171の軸方向エンジン側に貼られた複数の弧状の部材であり、出力側フリクションプレート144に当接している。芯板171には、回転方向に延びる複数の孔171aが形成されている。
【0080】
第1低摩擦係数フリクションワッシャ162は、複数の弧状部材であり、第1高摩擦係数フリクションワッシャ161と入力側フリクションプレート163との間に挟まれている。第1低摩擦係数フリクションワッシャ162は樹脂製である。第1低摩擦係数フリクションワッシャ162は、孔171aに対応する孔162aを有している。孔171aは、孔162aに対して回転方向に長く、両端が孔162aの回転方向外側に位置している。
【0081】
入力側フリクションプレート163は、第1低摩擦係数フリクションワッシャ162と第2低摩擦係数フリクションワッシャ164との軸方向間に挟まれた円板状部分163aを有している。入力側フリクションプレート163の外周縁には、図に示すように、複数の突起163bが形成されている。突起163bは、切り欠き126aに対応して形成されており、半径方向外側に延びる突起部163cと、その先端から軸方向エンジン側に延びる爪部163dとから構成されている。突起部163cは切り欠き126a内を半径方向に貫通しており、爪部163dは、筒状部126の外周側に位置しており、円板状部材13の筒状部20の切り欠き20a内に軸方向トランスミッション側から延びている。前記実施形態とは異なり、爪部163dと切り欠き20aは回転方向に隙間なく当接している。
【0082】
入力側フリクションプレート163の円板状部分163aには、孔162aに対応して孔163eが形成されている。
【0083】
第2低摩擦係数フリクションワッシャ164は、第1低摩擦係数フリクションワッシャ162と同様に複数の弧状部材であり、入力側フリクションプレート163と第2高摩擦係数フリクションワッシャ165との間に挟まれている。第2低摩擦係数フリクションワッシャ164は樹脂製である。第2低摩擦係数フリクションワッシャ164は、軸方向トランスミッション側に複数の第1突出部164aを有している。第1突出部164aは円周方向に長く両端が丸みを帯びている。第1突出部164aは円板状部分163aaの孔163e内に挿入され、その先端は第1低摩擦係数フリクションワッシャ162に当接している。第2低摩擦家数フリクションワッシャ164は、第1突出部164aからさらに軸方向とランスミッション側に延びる第2突出部164bを有している。第2突出部164bは円周方向に長く両端が丸みを帯びている。第2突出部164bは、第1突出部164aより半径方向及び回転方向に小さい。第2突出部164bは、第1低摩擦係数フリクションワッシャ162の孔162a内に挿入され、回転方向に係合している。この係合によって、第1低摩擦係数フリクションワッシャ162と第2低摩擦係数フリクションワッシャ164は一体回転するようになっている。さらに、第2突出部164bは、第1高摩擦係数フリクションワッシャ161の孔171a内に挿入されている。
【0084】
第2高摩擦係数フリクションワッシャ165は、環状の部材であり、第2低摩擦係数フリクションワッシャ164と摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bとの間に挟まれている。第2高摩擦係数フリクションワッシャ165は、芯板173と、それに貼られた摩擦フェーシング174とから構成されている。芯板173は環状の部材である。摩擦フェーシング174は、芯板173の軸方向エンジン側に貼られた複数の弧状の部材であり、摩擦面付きフライホイール21の第2摩擦面21bに当接している。芯板173の本体部分には、軸方向トランスミッション側に延びる突出部173aが形成されている。突出部173aは、第2低摩擦係数フリクションワッシャ164の凹部164c内に挿入されている。
【0085】
図24に示すように、第2低摩擦係数フリクションワッシャ164の第1突出部164aと入力側フリクションプレート163の孔163eとによって、第1回転方向係合部81が形成されている。第1回転方向係合部81において、第1突出部164aの回転方向幅は孔163eの回転方向幅より短く、そのため第1突出部164aは孔163ea内を所定角度の範囲で移動可能である。これは、第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164は入力側フリクションプレート163に対して、所定角度範囲内では移動可能であることを意味する。より詳細には、第1突出部164aの回転方向R2側には捩り角度θ1の回転方向隙間146が確保され、回転方向R1側には捩り角度θ2の回転方向隙間147が形成されている。この結果、捩り角度θ1と捩り角度θ2の合計の捩り角度が、第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164が入力側フリクションプレート163に対して相対回転可能な所定角度の大きさとなる。なお、この実施形態では、前記合計の捩り角度は8°であるが(図18を参照)、この角度はエンジンの燃焼変動に起因する微少捩り振動により生じるダンパー作動角をわずかに越える範囲にあることが好ましい。
【0086】
第2低摩擦係数フリクションワッシャ164の第2突出部164bと第1高摩擦係数フリクションワッシャ161の孔171aとの係合、さらには第2高摩擦係数フリクションワッシャ165の突出部173aと第2低摩擦係数フリクションワッシャ164の凹部164cとの係合によって、第2回転方向係合部182が形成されている。なお、両係合部において突出部と孔又は凹部の関係は同一であるので、以下は説明の便宜のために、図25を用いて、第2低摩擦係数フリクションワッシャ164の第2突出部164bと第1高摩擦係数フリクションワッシャ161の孔171aとの係合についてのみ説明する。
【0087】
第2回転方向係合部182において、第2突出部164bの回転方向幅は孔171aの回転方向幅より短く、そのため第2突出部164bは孔171a内を所定角度の範囲で移動可能である。これは、第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164は第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165に対して、所定角度範囲内では移動可能であることを意味する。より詳細には、第2突出部164bの回転方向R2側には捩り角度θ3の回転方向隙間185が確保され、回転方向R1側には捩り角度θ4の回転方向隙間186が形成されている。この結果、捩り角度θ3と捩り角度θ4の合計の捩り角度が、第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164が第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165に対して相対回転可能な所定角度の大きさとなる。なお、この実施形態では、前記合計の捩り角度は2°である(図18を参照)。
【0088】
摩擦抵抗発生機構107は、さらに、ブッシュ166を備えている。ブッシュ166は、各ワッシャを内周側筒状部128に対して回転方向に自在に支持するための複数の部材であり、各ワッシャの内周側と内周側筒状部128との半径方向間に配置されている。ブッシュ166は、軸方向に所定の長さを有し、しかも平面視で弧状になっている。ブッシュ166の内周面は、滑らかな周面であり、内周側筒状部128の先端側外周面128bによって回転自在に支持されている。
【0089】
以上に述べた摩擦抵抗発生機構107において、第1低摩擦係数フリクションワッシャ162と第1高摩擦係数フリクションワッシャ161の芯板171との係合によって、さらには第2低摩擦係数フリクションワッシャ164と第2高摩擦係数フリクションワッシャ165の芯板173との係合によって、第1摩擦抵抗発生部188が形成されている。さらに、第1高摩擦抵抗係数フリクションワッシャ161と出力側フリクションプレート144との係合、及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ165と摩擦面付きフライホイール21との係合によって、第2摩擦抵抗発生部189が形成されている。
【0090】
(2)摩擦抵抗発生機構の動作
クラッチ装置1にエンジンからの燃焼変動が入力されると、ダンパー機構6において入力側円板状プレート32と出力側円板状プレート30,31とが相対回転し、その間で複数のコイルスプリング33が圧縮される。さらに、摩擦抵抗発生機構107が所定のヒステリシストルクを発生する。以上の作用により捩じり振動が吸収・減衰される。コイルスプリング33の圧縮は、具体的には、入力側円板状プレート32の窓孔32aの回転方向端部と出力側円板状プレート30,31の窓部30a,31aの回転方向端部との間で行われる。
【0091】
摩擦抵抗発生機構107では、第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165は第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,1642を介して入力側フリクションプレート163と一体回転し、出力側フリクションプレート144及び摩擦面付きフライホイール21と相対回転する。この結果、出力側フリクションプレート144と第1高摩擦係数フリクションワッシャ161が摺動し、さらに第2高摩擦係数フリクションワッシャ165と摩擦面付きフライホイール21とが摺動する。つまり、第2摩擦抵抗発生部189が作動し、比較的大きな摩擦抵抗を発生する。
【0092】
1) 微少捩り振動
次に、エンジンの燃焼変動に起因する微小捩り振動がクラッチ装置1に入力されたときのダンパー機構6の動作を、図27の機械回路図と図18の捩り特性線図を用いて説明する。ダンパー機構6のコイルスプリング33が圧縮されているときに微少捩り振動が入力されると、摩擦抵抗発生機構107の第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164は、入力側フリクションプレート163の孔163eと第2低摩擦係数フリクションワッシャ164の第1突出部164aの間の微少回転方向隙間(146,147)において、入力側フリクションプレート163に対して相対回転する。つまり、第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164は、入力側フリクションプレート163に駆動されず、したがって第1摩擦抵抗発生部188及び第2摩擦抵抗発生部189の双方で摩擦抵抗は発生しない(図19を参照)。この結果、微小捩じり振動に対しては高ヒステリシストルクが発生しない。すなわち図18の捩り特性線図において例えば「AC2HYS」ではコイルスプリング33が作動するが、摩擦抵抗発生機構107では滑りが生じないい。つまり、所定の捩り角度範囲では、通常のヒステリシストルクよりはるかに小さなヒステリシストルクしか得られない。このように、捩じり特性において摩擦抵抗発生機構107を所定角度範囲内では作動させない微少回転方向隙間(146,147)を設けたため、振動・騒音レベルを大幅に低くすることができる。
【0093】
微少捩り振動の捩り角度が第1回転方向係合部181の回転方向隙間(146,147)より大きくなると、第1回転方向係合部181での回転方向隙間(146,147)がなくなり、次に入力側フリクションプレート163が第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164を回転方向に駆動する。この結果、第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164は第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165に対して相対回転する。つまり、第1摩擦抵抗発生部188が作動し、比較的小さな摩擦抵抗を発生する(図20を参照)。
【0094】
捩り振動の捩り角度がさらに大きくなると、第2回転方向係合部182での回転方向隙間(185,186)がなくなり、次に第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164が第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165を回転方向に駆動する。この結果、第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165は出力側フリクションプレート144及び摩擦面付きフライホイール21に対して相対回転する。つまり、第2摩擦抵抗発生部189が作動し、比較的大きな摩擦抵抗を発生する(図21を参照)。
【0095】
2) 広角度捩り振動
先に述べたように、捩り振動の捩り角度が大きい場合は、出力側フリクションプレート144と第1高摩擦係数フリクションワッシャ161が摺動し、さらに第2高摩擦係数フリクションワッシャ165と摩擦面付きフライホイール21とが摺動する。
【0096】
ここで、捩り角度の端部(振動の向きが変わる位置)での動作について説明する。図19の捩り特性線図の右側端では、第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164は入力側フリクションプレート163に対して最も回転方向R2側にずれており、第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165は第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164に対して最も回転方向R2側にずれている。この状態から入力側フリクションプレート163が摩擦面付きフライホイール21に対して、回転方向R2側に捩れていくと、第1回転方向係合部181の回転方向隙間(146,147)の全角度にわたって、入力側フリクションプレート163が第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164に対して相対回転する。この間では、第1摩擦抵抗発生部188も第2摩擦抵抗発生部189も摩擦抵抗を発生しない。第1回転方向係合部181の回転方向隙間(146,147)がなくなると、次に第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164が第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165を駆動する。すると、第2回転方向係合部182の回転方向隙間(185,186)の全角度にわたって、第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164は第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165に対して相対回転する。この間では第1摩擦抵抗発生部188が作動し、比較的小さな摩擦抵抗を発生する。
【0097】
第2回転方向係合部182の回転方向隙間(185,186)がなくなると、次に第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164が第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165を駆動する。すると、第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165は出力側フリクションプレート144及び摩擦面付きフライホイール21に相対回転する。この結果、第2摩擦抵抗発生部189が作動し、大きな摩擦抵抗を発生する。
【0098】
以上に述べたように、第2摩擦抵抗発生部189が作動して大きな摩擦抵抗を発生する前に、第2回転方向係合部182の回転方向隙間(185,186)の捩り角度範囲で第1摩擦抵抗発生部188が中間の大きさの摩擦抵抗を発生する。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを多段化しているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、微少捩り振動を吸収するために微少回転方向隙間を設けた摩擦抵抗発生機構において、高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
【0099】
この摩擦抵抗発生機構107では、第1回転方向係合部181の回転方向隙間(146,147)の半径位置が第1及び第2低摩擦係数フリクションワッシャ162,164と第1及び第2高摩擦係数フリクションワッシャ161,165の軸方向に重なった部分から外側にでていないため、小型化が実現される。
【0100】
この摩擦抵抗発生機構107では、第1回転方向係合部181の回転方向隙間(146,147)が第2低摩擦係数フリクションワッシャ164と入力側フリクションプレート163の円板状部分163aとの間に形成されている。そのため、回転方向隙間(146,147)の構造を簡単にできる。したがって、回転方向隙間の精度が向上する。
【0101】
3.第3実施形態
図28の機械回路図を用いて、第3実施形態における摩擦抵抗発生機構207について説明する。
【0102】
摩擦抵抗発生機構207は、第1回転部材263と、第2回転部材230と、第1中間部材262と、第2中間部材272とを備えている。第1回転部材263と第2回転部材230は、相対回転可能であり、図示しない弾性部材によって回転方向に連結されている。第1中間部材262と第2中間部材272は、第1回転部材263と第2回転部材230との回転方向間で互いに回転方向に直列に作用するように配置されている。第1中間部材262は、第1回転方向隙間構成部281を介して第1回転部材263に対して係合し、第2回転方向隙間構成部282を介して第2中間部材272に係合している。第1中間部材262は、第1摩擦発生部288を介して第2回転部材230に摩擦係合している。第2中間部材272は、第2摩擦発生部289を介して第2回転部材230に摩擦係合している。以上に説明したように、第1摩擦発生部288と第2摩擦発生部289は、第1回転部材263と第2回転部材230との回転方向間で、互いに並列に作動するように配置されている。
【0103】
この摩擦抵抗発生機構207において、図28の機械回路図及び図29の捩り特性線図を用いて、第1回転部材263が第2回転部材230に対して捩れたときの動作について説明する。
【0104】
捩り角度の初期段階では、第1回転方向隙間構成部281の回転方向隙間によって、第1摩擦発生部288及び第2摩擦発生部289はともに作動しない。したがって、ほとんどヒステリシストルクが発生しない領域が得られる。
【0105】
第1回転方向隙間構成部281の回転方向隙間がなくなると、次に第1回転部材263が第1中間部材262を回転方向に駆動する。このときに第1摩擦発生部288が作動し、所定の摩擦抵抗(図29におけるDC1)を発生する。このとき、第2摩擦発生部289は、第2回転方向隙間構成部282よって作動しない。
【0106】
第2回転方向隙間構成部282の回転方向隙間がなくなると、次に第1中間部材262が第2中間部材272を回転方向に駆動する。このときに第2摩擦発生部289が作動し、所定の摩擦抵抗(図29におけるDC2)を発生する。このとき、第1摩擦発生部288も作動しているため、第1摩擦発生部288のみが作動しているときより大きな摩擦抵抗が得られる。
【0107】
このように大摩擦抵抗の立ち上がりを多段化しているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、摩擦抵抗発生機構において高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
【0108】
4.第4実施形態
図30の機械回路図を用いて、第4実施形態における摩擦抵抗発生機構207’について説明する。
【0109】
摩擦抵抗発生機構207’は、第1回転部材263と、第2回転部材230と、第1中間部材262と、第2中間部材272’と、第3中間部材285とを備えている。第1回転部材263と第2回転部材230は、相対回転可能であり、図示しない弾性部材によって回転方向に連結されている。第1中間部材262と第2中間部材272’と第3中間部材285は、第1回転部材263と第2回転部材230との回転方向間で互いに回転方向に直列に作用するように配置されている。第1中間部材262は、第1回転方向隙間構成部281を介して第1回転部材263に対して係合し、第2回転方向隙間構成部282を介して第2中間部材272’に係合している。第2中間部材272’は、さらに第3中間部材285に対して第3回転方向隙間構成部283を介して係合している。第1中間部材262は、第1摩擦発生部288を介して第2回転部材230に摩擦係合している。第2中間部材272’は、第2摩擦発生部289を介して第2回転部材230に摩擦係合している。第3中間部材285は、第3摩擦発生部290を介して第2回転部材230に摩擦係合している。以上に説明したように、第1摩擦発生部288と第2摩擦発生部289と第3摩擦発生部290は第1回転部材263と第2回転部材230との回転方向間で互いに並列に作動するように配置されている。
【0110】
この摩擦抵抗発生機構207’において、図30の機械回路図及び図31の捩り特性線図を用いて、第1回転部材263が第2回転部材230に対して捩れたときの動作について説明する。
【0111】
捩り角度の初期段階では、第1回転方向隙間構成部281の回転方向隙間によって、第1摩擦発生部288、第2摩擦発生部289及び第3摩擦発生部290はともに作動しない。したがって、ほとんどヒステリシストルクが発生しない領域が得られる。
【0112】
第1回転方向隙間構成部281の回転方向隙間がなくなると、次に第1回転部材263が第1中間部材262を回転方向に駆動する。このときに第1摩擦発生部288が作動し、所定の摩擦抵抗(図31におけるDC1)を発生する。このとき、第2摩擦発生部289は第2回転方向隙間構成部282よって作動せず、第3摩擦発生部290は第3回転方向隙間構成部283によって作動しない。
【0113】
第2回転方向隙間構成部282の回転方向隙間がなくなると、次に第1中間部材262が第2中間部材272’を回転方向に駆動する。このときに第2摩擦発生部289が作動し、所定の摩擦抵抗(図31におけるDC2)を発生する。このとき、第1摩擦発生部288も作動しているため、両者の摩擦抵抗によって、第1摩擦発生部288のみが作動しているときより大きな摩擦抵抗を発生する。なお、このとき、第3摩擦発生部290は第3回転方向隙間構成部283によって作動しない。
【0114】
第3回転方向隙間構成部283の回転方向隙間がなくなると、次に第2中間部材272’が第3中間部材285を回転方向に駆動する。このときに第3摩擦発生部290が作動し、所定の摩擦抵抗(図31におけるDC3)を発生する。このとき、第1摩擦発生部288及び第2摩擦発生部289も作動しているため、第1摩擦発生部288及び第2摩擦発生部289のみが作動しているときより大きな摩擦抵抗が得られる。
【0115】
この実施形態では、大摩擦抵抗の発生を3段としたたため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁がさらに小さくなり、摩擦抵抗発生機構において高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音がさらに減少する。
【0116】
なお、大摩擦抵抗の立ち上がり4段以上にしてもよい。
【0117】
5.第5実施形態
図32に示すように、大摩擦抵抗の立ち上がりを複数の段によって構成するのではなく滑らかにしてもよい。言い換えると、大摩擦抵抗の立ち上がりの中間摩擦抵抗は徐々に大きくなるようにしてもよい。図32では、中間摩擦抵抗がリニアに変化する例を実線で表している。さらに、図32では、角度に対するトルクの増加割合が小さくなっていく場合と大きくなっていく場合とを破線で表している。
【0118】
6.他の実施形態
以上、本発明に従うクラッチ装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0119】
【発明の効果】
本発明に係る摩擦抵抗発生機構では、捩り振動の捩り角度が第1摩擦抵抗抑制部の第1回転方向隙間の角度範囲内であれば、第1回転方向隙間によって第1摩擦抵抗発生部及び第2摩擦抵抗発生部が作動せず、その結果大きな摩擦抵抗が発生しない。捩り振動の捩り角度が第2摩擦抵抗抑制部の第2回転方向隙間の角度範囲内であれば、第2回転方向隙間によって第1摩擦抵抗のみが作動し、中間の大きさの摩擦抵抗が発生する。捩り振動の捩り角度が第2回転方向隙間の角度範囲外であれば、第2摩擦抵抗発生部が作動して最も大きな摩擦抵抗が発生する。
【0120】
以上に述べたように、第2摩擦抵抗発生部が作動して大きな摩擦抵抗を発生する前に、第2回転方向隙間の捩り角度範囲で第1摩擦抵抗発生部が中間の大きさの摩擦抵抗を発生する。このように大摩擦抵抗の立ち上がりを多段化しているため、大摩擦抵抗発生時の高ヒステリシストルクの壁が存在しない。そのため、摩擦抵抗発生機構において高ヒステリシストルク発生時のツメのたたき音が減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態としてのクラッチ装置の縦断面概略図。
【図2】 本発明の一実施形態としてのクラッチ装置の縦断面概略図。
【図3】 フライホイールダンパーの平面図。
【図4】 プレート連結部を説明するための図面であり、図1の部分拡大図。
【図5】 摩擦抵抗発生機構を説明するための図面であり、図1の部分拡大図。
【図6】 摩擦抵抗発生機構を説明するための図面であり、図2の部分拡大図。
【図7】 第1高摩擦係数フリクションワッシャの平面図。
【図8】 第1高摩擦係数フリクションワッシャの背面図。
【図9】 第2高摩擦係数フリクションワッシャの平面図。
【図10】 第2高摩擦係数フリクションワッシャの背面図。
【図11】 入力側フリクションプレートの平面図。
【図12】 ブッシュの平面図
【図13】 第1低摩擦係数フリクションワッシャの平面図。
【図14】 摩擦抵抗発生部の組立を説明するための縦断面図。
【図15】 第1回転方向係合部の構成を説明するための部分側面図。
【図16】 第1回転方向係合部と第2回転方向係合部の構成を説明するための部分平面図。
【図17】 ダンパー機構の機械回路図。
【図18】 ダンパー機構の捩り特性線図。
【図19】 ダンパー機構の捩り特性線図。
【図20】 ダンパー機構の捩り特性線図。
【図21】 ダンパー機構の捩り特性線図。
【図22】 第2実施形態における摩擦抵抗発生機構の縦断面概略図。
【図23】 第2実施形態における摩擦抵抗発生機構の縦断面概略図。
【図24】 第1回転方向係合部を説明するための平面図(第2実施形態)。
【図25】 第2回転方向係合部を説明するための平面図(第2実施形態)。
【図26】 摩擦抵抗発生機構の組立を説明するための縦断面概略図(第2実施形態)。
【図27】 ダンパー機構の機械回路図(第2実施形態)。
【図28】 第3実施形態におけるダンパー機構の機械回路図。
【図29】 ダンパー機構の捩り特性線図(第3実施形態)。
【図30】 第4実施形態におけるダンパー機構の機械回路図。
【図31】 ダンパー機構の捩り特性線図(第4実施形態)。
【図32】 ダンパー機構の捩り特性線図(第5実施形態)。
【符号の説明】
7 摩擦抵抗発生機構
13 円板状部材
20 筒状部
21 摩擦面付きフライホイール
22 円板状プレート
61 第1高摩擦係数フリクションワッシャ
62 第1低摩擦係数フリクションワッシャ
63 入力側フリクションプレート
64 第2低摩擦係数フリクションワッシャ
65 第2高摩擦係数フリクションワッシャ
81 第1回転方向係合部(第1摩擦抵抗抑制部)
82 第2回転方向係合部(第2摩擦抵抗抑制部)
88 第1摩擦抵抗発生部
89 第2摩擦抵抗発生部

Claims (4)

  1. 回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって前記2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して前記捩り振動を減衰するための機構であって、
    第1摩擦抵抗発生部と、
    前記第1摩擦抵抗発生部より大きな摩擦抵抗を発生する第2摩擦抵抗発生部と、
    前記第1摩擦抵抗発生部及び前記第2摩擦抵抗発生部の両方を作動させないための第1回転方向隙間を有する第1摩擦抵抗抑制部と、
    前記第1回転方向隙間の捩り角度範囲の両側で、前記第2摩擦抵抗発生部のみを作動させないための第2回転方向隙間を有する第2摩擦抵抗抑制部と、を備え、
    前記第2回転方向隙間は、前記第1回転方向隙間に対して直列に作用するように配置されている、
    摩擦抵抗発生機構。
  2. 回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって前記2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して前記捩り振動を減衰するための機構であって、
    第1摩擦発生部と、
    前記第1摩擦発生部と回転方向に並列に作用するように配置された第2摩擦発生部と、
    捩り角度の初期段階では第1摩擦発生部を作動させないための第1回転方向隙間構成部と、
    前記第1回転方向隙間構成部に対して直列に作用し、前記第1摩擦発生部の作動中に所定捩り角度までは第2摩擦発生部を作動させない第2回転方向隙間構成部と、
    を備えた摩擦抵抗発生機構。
  3. 回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって前記2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して前記捩り振動を減衰するための機構であって、
    前記第1回転部材と前記第2回転部材との間で回転方向に互いに並列に作動するように配置された第1摩擦発生部、第2摩擦発生部及び第3摩擦発生部と、
    捩り角度の初期段階では第1摩擦発生部を作動させないための第1回転方向隙間構成部と、
    前記第1回転方向隙間構成部に対して直列に作用し、前記第1摩擦発生部の作動中に所定捩り角度までは第2摩擦発生部を作動させない第2回転方向隙間構成部と、
    前記第2回転方向隙間構成部に対して直列に作用し、前記第2摩擦発生部の作動中に所定捩り角度までは第3摩擦発生部を作動させいない第3回転方向隙間構成部と、
    を備えた摩擦抵抗発生機構。
  4. 回転機構の相対回転可能な2つの部材の間に配置され、捩り振動によって前記2つの部材が相対回転すると摩擦抵抗を発生して前記捩り振動を減衰するための機構であって、
    前記第1回転部材と前記第2回転部材との間で回転方向に互いに並列に作動するように配置された複数の摩擦発生部と、
    互いに直列に作用するように配置され、前記複数の摩擦部が順番に作動開始するように、各摩擦部の作動を遅らせる複数の回転方向隙間構成部と、
    を備えた摩擦抵抗発生機構。
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