次に、本発明に係る遊技機の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1に示すのは、パチンコ遊技を行える遊技機1の前面側の外観斜視図で、機枠2の前面側に額縁状の前面枠3を開閉可能に設け、該前面枠3に開設した窓部の前面側にガラス枠4と開閉扉5を開閉可能に軸着し、窓部の背面側には窓部を後方から塞ぐようにして遊技盤(後に詳述)を装着し、前面枠3の下部前面側に球受皿6と発射操作ハンドル7などを取り付けてある。また、開閉扉5には遊技球貯留手段として球供給皿8を設け、その球貯留凹部内に臨ませて球排出口9を開設した。また、この球供給皿8の適所には遊技者が操作する操作手段としての操作ボタン10を設けてある。
前面枠3の裏側には、遊技機としての諸機能が設けられており、遊技盤に設けられた各種入賞口へ入賞して回収された遊技球や何れの入賞口にも入賞せずにアウト口から回収された遊技球を機外の回収球搬送路へ導く遊技球回収機構、遊技盤の入賞装置の動作制御などを行うことで遊技の進行を統括的に制御する遊技制御装置、遊技制御装置からの指令に基づいて遊技盤に設けられた中央表示装置の表示制御を行う画像表示制御装置、遊技結果として遊技者に与えられる賞球やプリペイドカード等を用いた遊技球の貸出制御を行う排出制御装置などがある。
図2は、上記ガラス枠のガラス面を介して前面に臨む遊技盤11の正面図である。
遊技盤11は、打球発射機構(図示省略)により弾発された遊技球をガイドするガイドレール12により概ね区画される遊技領域13内の中央付近には、液晶表示器等で構成した表示部14aを有する変動表示装置14を、その若干下方に遊技球が通過する普図始動ゲート15を設けてある。
上記普図始動ゲート15を遊技球が通過することに基づいて、上記変動表示装置14の表示部14aを用いた普通図柄変動表示ゲーム(例えば、3桁の識別情報を変動表示させた後に停止表示させ、停止した識別情報が3桁とも同一の組合せなら当りとなるゲームで、当りとなる確率は1/36)が行われる。なお、普通図柄変動表示ゲームの実行中に普図始動ゲート15を遊技球が通過すると、これを所定数(例えば、4個)まで記憶し、その記憶値を変動表示装置14に設けた普図記憶表示器14bに可視表示させる。
また、遊技部領域13の下方部には、大入賞口を開閉扉16aにより遮蔽して遊技球を受け入れない閉状態と開閉扉16aを前側に傾動させて大入賞口へ遊技球を入賞させる開状態とに変換可能な変動入賞装置16を設け、該変動入賞装置16よりも適宜上方に比較的小型の普通電動役物たる補助変動入賞装置17を設けてある。
上記補助変動入賞装置17は、例えば、左右一対の可動部材17a,17aが起立した閉状態においては特図始動口17bへの球入賞が不可能で、可動部材17a,17aが左右方向へ互いに離隔するように傾動すると、特図始動口17bへの入賞が容易となる構造であり、補助変動入賞装置17の特図始動口17bへ遊技球が入賞することに基づいて、上記変動表示装置14の表示部14aを用いた特別図柄変動表示ゲーム(例えば、3桁の識別情報を変動表示させた後に停止表示させ、停止した識別情報が3桁とも同一の組合せなら大当りとなるゲームで、大当りとなる確率は1/10)が行われる。なお、特別図柄変動表示ゲームの実行中に特図始動口17aへ遊技球が入賞すると、これを所定数(例えば、4個)まで記憶し、その記憶値を変動表示装置14に設けた特図記憶表示器14cに可視表示させる。
更に、上記補助変動入賞装置17の情報適所には、遊技領域13を流下する遊技球を球受入口18a受け入れて一時的に貯留する(流下を保留する)遊技球保留装置18を設けてあり、遊技球保留装置18の球出口18bより放出された遊技球がそのまま自由落下すると、開状態に変換した補助変動入賞装置17の可動部材17aに受け止められて特図始動口17bへ導かれるように、球出口18bの開設位置を調整してある。
上記遊技球保留装置18の内部には、球受入口18aより受け入れた遊技球を所定数まで保留しておくことが可能な球保留路18cと、該球保留路18cに保留させられずに溢れた遊技球を溢球排出口18dへ導く溢球流路18eとを形成してある。そして、上記球保留路18cの流下端(球出口18bに至る直前部位)には、流路内に突出・退避が可能な保留部材18fを設け、この保留部材18fが球保留路18c内に突出することにより遊技球の流下を保留させる保留状態と、保留部材18fが球保留路18cから退避することにより遊技球の保留を解除して球口18bから遊技球を放出する保留解除状態とを生ぜしめる。
すなわち、遊技球保留装置18の保留部材18fを球保留路18fに突出させて保留状態を維持している間に球保留路18f内に遊技球を貯めておき、補助変動入賞装置17の開状態変換タイミングに合わせて、保留部材18fを球保留路18fから退避させて保留開状態に変換し、球出口18bより遊技球を放出すれば、極めて高い確率で特図始動口17bへの入賞球を発生させることが可能となる。
また、遊技領域13には、入賞具19や風車(図示省略)といった各種遊技具に加え、多数の障害釘20(図2においては、補助変動入賞装置17の上方箇所のみ図示)が植設されている。なお、遊技領域3内へ弾発されて何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口(図示省略)より回収される。
次に、遊技機1における各種制御を行う遊技機制御部の概略構成について、図3に基づき説明する。
遊技機制御部は、主として遊技盤1に設けられた各種遊技装置(変動入賞装置16や遊技球保留装置18等)の制御を行う遊技制御装置として機能するメイン制御装置21,排出発射制御装置として機能する第1サブ制御装置22(排出装置22aや発射装置22bに対する動作制御を発射停止スイッチ22cやタッチセンサ22dからの入力に応じて行う装置),演出制御装置として機能する第2サブ制御装置23(各所に設けた装飾用のランプやLED等からなる装飾ランプ23aの点灯制御、変動表示装置14への表示制御、スピーカ23bからの演出音出力制御などを行う装置)からなる。
上記メイン制御装置21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する遊技用マイクロコンピュータ21a、入出力インターフェース21b、動作用クロック信号を生成して遊技用マイクロコンピュータ21aに供給する発振器21c、などを備えている。また、このメイン制御装置21には、バックアップ電源24aを備える電源供給装置24から停電時等にも電源供給され、RAMの記憶内容を保持できるようになっている。
また、上記メイン制御装置21は、補助変動入賞装置17の特図始動口に入賞した遊技球を検出する特図始動センサ25からの検出信号,各入賞具19…に各々対応させて設けた第1〜第N入賞口センサ26a〜26nからの検出信号,普図始動ゲート15を通過した遊技球を検出する普図始動センサ27からの検出信号,変動入賞装置16の大入賞口へ入賞した遊技球を1個宛て検出するカウントセンサ28からの検出信号,操作ボタン10が操作されたことを検出する操作ボタンセンサ29からの検出信号が入出力インターフェース21bを介して入力されると、これらの検出信号に基づいて遊技用マイクロコンピュータ21aが入出力インターフェース21bを介して、補助変動入賞装置17の可動部材17a,17aの駆動制御を行う普電用ソレノイド30,変動入賞装置16の開閉扉16aの駆動制御を行う開閉ソレノイド31,遊技球保留装置18の保留部材18fの駆動制御を行う保留解除ソレノイド32等へ駆動信号を送ると共に、第1,第2サブ制御装置22,23へ適宜な動作指令を行うことで、種々の条件に応じた遊技が行われるように制御する。更に、遊技機1において遊技者に払い出した賞球数や遊技結果(普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームや特別遊技の発生)等の情報は、外部出力端子33から遊技機外へ出力され、当該遊技店の管理コンピュータ等で収集・管理される。
なお、上記メイン制御装置21からの指令を受けて、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームの表示制御を行う第2サブ制御装置23は、変動表示装置14の表示部14aを特別図柄表示器と普通図柄表示器に共用するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、大型の表示部14aは特別図柄表示ゲームのみに用いものとし、別途設けた比較的小型の普通図柄表示器23cを普通図柄変動表示ゲームに用いるようにしても良い。
上記第2サブ制御装置23は、変動表示装置14の表示部14aを用いて、遊技球保留装置18に保留された遊技球を放出するタイミングを決定するための的当てゲーム(補助変動入賞装置17の開放条件である普通図柄変動表示ゲームで当りが出た場合に、開状態の補助変動入賞装置17に遊技球保留装置18から放出された遊技球を入賞させるためのゲーム)を行うべく、表示部14aの表示制御も行う。この時、表示部14aに表示されるゲーム画面では、球供給皿8に設けた操作ボタン10を操作するタイミングが遊技者に報知される。
ここで、図4に示す表示部14aの表示画面のイメージ例に基づいて、的当てゲームの流れを説明する。
通常時は、表示領域が二分割された表示部14aの上部に特別図柄が、下部に普通図柄が表示されており(図4(a)参照)、普図始動ゲート15を遊技球が通過して普図始動センサ27から検出信号が出力されると、普通図柄表示領域を拡大させて普通図柄変動表示ゲームを行い(図4(b)参照)、その停止図柄が当り図柄(例えば、3桁の表示が「3,3,3」のゾロ目)になると(図4(c)参照)、的当てゲームが開始される。
なお、的当てゲームは、表示部14aの拡大された下部表示領域にて行うものとし、当りとなった普通図柄は、例えば、縮小された上部表示領域に特別図柄と並べて表示しておく(図4(d)参照)。
的当てゲームは、照準器のマーク(照準点)を固定表示しておき、的(ターゲット)となるキャラクタ(例えば、飛行船)を移動表示させ、キャラクタが照準点を通過する際に(図4(e)参照)、操作ボタン10を遊技者が操作することで、キャラクタに命中したか否かがゲーム結果として表示に反映されるものである。
なお、本実施形態に係る遊技機1で採用した的当てゲームでは、単にキャラクタにヒットするか否かを判定するだけでなく、キャラクタのヒット位置(操作ボタン10を押すタイミング)に応じて、ゲーム結果が異なるようにした。例えば、キャラクタの中心を外れた位置に命中した場合(図4(f1)参照)のゲーム結果と、キャラクタの中心に命中した場合(図4(f2)参照)のゲーム結果とで、遊技球保留装置18の球保留解除タイミングを異ならせることにより、補助変動入賞装置17への遊技球入賞率に差が生ずるようにしたのである。
例えば、キャラクタの中心が照準点とほぼ重なるタイミング(基準タイミング)で操作ボタン10を操作して、基準タイミングと実際の操作タイミングとの差である時間差Xの絶対値が0.2秒未満のゲーム結果(0≦|X|<0.2)となった場合には、そのゲーム結果に対して大きな特典(開状態に変換された補助変動入賞装置17へ入賞する可能性が極めて高いタイミングで遊技球保留装置18の球保留解除動作を行わせる。)を与え、キャラクタの中心から多少隔たった位置に照準点がある時に操作ボタン10を操作して、基準タイミングと実際の操作タイミングとの差である時間差Xの絶対値が0.2秒以上0.5秒未満のゲーム結果(0.2≦|X|<0.5)となった場合には、そのゲーム結果である時間差に応じた特典(開状態に変換された補助変動入賞装置17へ入賞する可能性が中程度のタイミングで遊技球保留装置18の球保留解除動作を行わせる。)を与え、キャラクタの中心から大きく隔たった位置に照準点がある時に操作ボタン10を操作して、基準タイミングと実際の操作タイミングとの時間差であるXの絶対値が0.5秒以上1秒未満のゲーム結果(0.5≦|X|<1.0)となった場合には、そのゲーム結果である時間差に応じた小さな特典(開状態に変換された補助変動入賞装置17へ入賞する可能性が若干低いタイミングで遊技球保留装置18の球保留解除動作を行わせる。)を与える。
一方、キャラクタが照準点に至る前や照準点を通過した後に操作ボタン10が操作されてハズレとなった場合(図4(f3)参照)、すなわち、基準タイミングと実際の操作タイミングとの時間差Xの絶対値が1.0秒以上のゲーム結果(1.0≦|X|)となった場合には、開状態に変換された補助変動入賞装置17への入賞する可能性が極めて低いタイミングで遊技球保留装置18の球保留解除動作を行わせたり、遊技球保留装置18の球保留解除動作を行わせないようにする。
上記のようにして、遊技球保留装置18が保留解除状態となって放出された遊技球が開状態に変換された補助変動入賞装置17の特図始動口17bに入賞した場合、もしくは、普通に盤面上を流下してきた遊技球が開状態に変換された補助変動入賞装置17の特図始動口17bに入賞した場合には、特図始動センサ25から入賞球の検出信号が出力され、これに基づいて特別図柄変動表示ゲームが開始される。特別図柄変動表示ゲームの開始に伴って、上部表示領域が拡大されて特別図柄の変動表示が行われると共に、下部表示領域は的当てゲームの表示から普通図柄の表示に切り替えられる(図4(g)参照)。なお、特別図柄変動表示ゲームで大当たりが出ると、特別遊技(例えば、変動入賞装置16の大入賞口への入賞球が10個になる第1条件か開閉扉16aの開時間が30秒になる第2条件か、何れか最先の条件が達成されるまでを1ラウンドとし、この変動入賞装置16の大入賞口開放を16ラウンドまで行うことで、遊技者が多くの賞球を獲得できる遊技)が行われる。
上述したように、本実施形態に係る遊技機1においては、メイン制御装置21と第2サブ制御装置23が協働することで、普通図柄変動表示ゲーム,特別図柄変動表示ゲームおよび的当てゲームを実行する機能を実現するものとした。すなわち、「所定の開放条件が成立した場合に、開状態の変動入賞装置に上記遊技球保留装置から放出された遊技球を入賞させるためのゲームを行うゲーム手段」としての機能(「所定のタイミングで操作手段を操作するように遊技者に報知する報知手段」、「ゲーム手段が報知する所定のタイミングと操作手段を遊技者が実際に操作した操作タイミングとを比較し、その差を判定するタイミング比較判定手段」、「タイミング比較判定手段の比較判定結果に基づいて当該ゲーム結果を導出するゲーム結果導出手段」を有する。)および「タイミング比較判定手段の比較判定結果に基づいて、遊技球保留装置の保留解除動作態様を変化させる保留解除動作制御手段」としての機能は、メイン制御装置21と第2サブ制御装置23により実現した。
なお、本実施形態に係る遊技機1で採用した的当てゲームにおいては、所定のタイミングと実際に操作ボタン10が操作されたタイミングとの差が直接的なゲーム結果となるので、そのゲーム結果を画面表示に反映(大きな爆発状態や小さな爆発状態などをヒットポイントに表示)させ、遊技者が結果をすぐに知ることができるようにしたが、これに限定されず、画面上では直ぐにゲーム結果が分からないようにしても良い。例えば、操作ボタン10の操作結果(時間差X)に応じて設定された保留解除動作態様で遊技球保留装置18が動作するのに合わせて、ゲーム結果を画面表示するようにしておけば、実際に遊技球保留装置18が動作するまで遊技者の期待感を高めることができ、一層興趣の高いものとなる。
ここで、上述した本実施形態に係る遊技機1における具体的な遊技制御の流れを図5〜図20に基づき詳述する。
先ず、図5に示す起動処理においては、I/OポートやRAMの初期設定、ソフトタイマ(割込)の設定等を行う初期化処理(ステップS11)を行い、+1方式の当たり乱数(普図乱数および特図乱数)を生成する際に、当たり乱数の一巡後に新たに使用する初期値を生成する(これも+1方式)攪拌用乱数更新処理(ステップS12)を繰り返し実行する。
図6に示すタイマ割込処理は、例えば1msec毎にソフト的な割込により実行される処理で、先ず、タイマ割込処理中の割込を禁止し、且つ、各レジスタの値をスタックポインタ等の待避領域に待避させてワーク領域を確保し(ステップS21)、各種センサからの入力信号のチャタリング除去等の入力処理を行い(ステップS22)、各種処理でセットされた出力データに基づいて普電用ソレノイド30,開閉ソレノイド31,保留解除ソレノイド32への駆動信号出力を行い(ステップS23)、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを第1,第2サブ制御装置22,23へ送信する処理を行い(ステップS24)、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームで用いる乱数の更新を行う(ステップS25)。
なお、上記ステップS25の乱数更新処理においては、上記ステップS12で更新された撹拌用乱数を初期値とする+1方式により当り乱数の生成を行うもので、例えば、当り確率を1/36とした普通図柄変動表示ゲームに用いる乱数の場合、電源投入時の攪拌用乱数更新処理により取得された初期値を11とすると、11→12→13…35→0→1…10と、タイマ割込処理を実行する毎に+1し、再度11となるときに、改めて攪拌用乱数更新処理により更新された乱数値を取得し、この乱数値を初期値として+1処理を繰り返して当たり乱数値を生成する処理ものである。
続いて、スイッチ監視処理(ステップS26)、普図遊技処理(ステップS27)、保留解除処理(ステップS28)、特図遊技処理(ステップS29)、大当たり信号や変動表示ゲームの停止タイミングを外部(ホールの管理装置側)に知らせる信号等を編集し出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS30)を行い、待避領域に待避させた値を各レジスタに復帰させて割込を許可し(ステップS31)、タイマ割込処理を終了する。
上記ステップS26のスイッチ監視処理は、図7に示すように、普図始動ゲートスイッチ監視(ステップS41)、特図始動口スイッチ監視(ステップS42)、操作スイッチ監視(ステップS43)、カウントセンサ28や第1〜第N一般入賞口センサ26a〜26n等の監視を行うカウントスイッチ監視処理(ステップS44)を行う。
上記普図始動ゲート監視処理の詳細は、図8に示すように、普図始動ゲート15を遊技球が通過入賞して普図始動センサ27からの検出信号を受信したか否かを判定し(ステップS411)、受信していなければそのまま処理を終了するが、受信していた場合には、普図始動記憶の記憶数が4未満であるか否かを判定する(ステップS412)。普図始動記憶が4になっていた場合にはそのまま処理を終了するが、普図始動記憶が4未満であった場合には、普図始動記憶に1加算し(ステップS413)、この普図始動入賞に基づいて行う普通図柄変動表示ゲームに用いる普図乱数を抽出して普図判定用記憶領域に記憶する(ステップS414)。
上記特図始動口スイッチ監視処理の詳細は、図9に示すように、特図始動口17bを遊技球が通過入賞して特図始動センサ25からの検出信号を受信したか否かを判定し(ステップS421)、受信していなければそのまま処理を終了するが、受信していた場合には、特図始動記憶の記憶数が4未満であるか否かを判定する(ステップS422)。特図始動記憶が4になっていた場合にはそのまま処理を終了するが、特図始動記憶が4未満であった場合には、特図始動記憶に1加算し(ステップS423)、この特図始動入賞に基づいて行う特別図柄変動表示ゲームに用いる特図乱数を抽出して記憶する(ステップS424)。
上記操作スイッチ監視処理の詳細は、図10に示すように、後に詳述する普図遊技処理においてゲーム中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS431)、未だゲーム中フラグがセットされていなければ、普図始動記憶の有無を判定し(ステップS432)、普図始動記憶が有ればそのまま処理を終了する。普図始動記憶が無かった場合には、後に詳述する普図遊技庶路において普図遊技フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS433)、普図遊技フラグがセットされていればそのまま処理を終了する。上記ステップS431でゲーム中フラグがセットされていると判定された場合および上記ステップS433で普図遊技フラグも解除されていると判定された場合には、操作ボタン10が操作されたか否かを判定し(ステップS434)、操作ボタンセンサ29からの検出信号を受けていなければそのまま処理を終了するし、一方、操作ボタンセンサ29からの検出信号を受けていた場合には操作ボタンフラグをセットする(ステップS435)。
上記タイマ割込処理におけるステップS27の普図遊技処理は、図11に示すように、処理番号による分岐判定を行い(ステップS50)、処理番号が1であった場合には普図始動処理を行い(ステップS51)、処理番号が2であった場合には図柄停止監視処理を行い(ステップS52)、処理番号が3であった場合にはゲーム開始処理を行い(ステップS53)、処理番号が4であった場合にはゲーム監視処理を行い(ステップS54)、処理番号が5であった場合には普電開放処理を行う(ステップS55)。
上記普図始動処理の詳細は、図12に示すように、普図始動記憶の有無を判定し(ステップS51−1)、普図始動記憶が無ければそのまま処理を終了する。普図始動記憶があった場合には、普図始動記憶から1を減じ(ステップS51−2)、普図判定用記憶領域より該当する乱数値を取得すると共に当該乱数値が当りに該当するかハズレに該当するかを判定し(ステップS51−3)、その判定結果を当り判定フラグに記憶する(ステップS51−4)。
次いで、普通図柄変動表示ゲームにおけるリーチアクションの判定に用いる乱数値をリーチアクション判定用記憶領域より取得すると共にリーチアクションの有無やリーチアクションの種別を判定し(ステップS51−5)、その判定結果に応じた分岐処理を行い(ステップS51−6)、判定結果1〜Nに応じて、リーチアクション1情報の設定〜リーチアクションN情報の設定を行う(ステップS51−7a〜ステップS51−7n)。
上記リーチアクション情報の設定後には、上記ステップS51−4で記憶させた当り判定フラグが当りか否かを判定し(ステップS51−8)、当り判定フラグであった場合には当り停止図柄格納領域から該当する当り停止図柄を取得し(ステップS51−9)、普図変動時間を計時する普図変動時間タイマをセットする(ステップS51−10)。
上記ステップS51−8で当り判定フラグがハズレと判定された場合には、設定したリーチアクション情報がリーチアクション動作を行うものか否かを判定し(ステップS51−11)、リーチアクションであれば、当り停止図柄格納領域より該当する当り停止図柄を取得して、この当り停止図柄からリーチアクションに適合するリーチ停止図柄を作成し(ステップS51−12)、普図変動時間を計時する普図変動時間タイマをセットする(ステップS51−13)。
上記ステップS51−11でリーチアクション動作を行わないと判定された場合には、ハズレ停止図柄格納領域より該当するハズレ停止図柄を取得し(ステップS51−14)、普図変動時間を計時する普図変動時間タイマをセットする(ステップS51−15)。
上記ステップS51−10,ステップS51−13,ステップS51−15の何れかで普図変動時間がセットされた後には、取得した停止図柄を停止図柄格納領域に記憶し(ステップS51−16)、普図遊技フラグをセットし(ステップS51−17)、処理番号を2に設定して処理を終了する(ステップS51−18)。
上記普図始動処理において処理番号が2に変更されることにより行われる図柄停止監視処理の詳細を、図13に示す。先ず、停止監視終了フラグの有無を判定し(ステップS52−1)、未だ停止監視終了フラグがセットされていなければ、普図変動時間を計時するタイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップS52−2)、タイムアップしていなければそのまま処理を終了するが、タイムアップしていた場合には、停止監視終了フラグをセットする(ステップS52−3)。
上記ステップS52−1で停止監視終了フラグ有りと判定された場合および上記ステップS52−3で停止監視終了フラグをセットした後には、停止図柄表示フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS52−4)、未だ停止図柄表示フラグがセットされていなければ、停止図柄情報をセットし(ステップS52−5)、停止図柄表示時間を計時する停止図柄表示時間タイマをセットし(ステップS52−6)、停止図柄表示フラグをセットする(ステップS52−7)。
上記ステップS52−4で停止図柄表示フラグが既にセットされていると判定された場合および上記ステップS52−7で停止図柄表示フラグをセットした後には、停止図柄表示時間を計時するタイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップS52−8)、タイムアップしていなければそのまま処理を終了するが、タイムアップしていた場合には、停止図柄表示フラグをクリアし(ステップS52−9)、停止監視終了フラグをクリアし(ステップS52−10)、当り判定フラグが当りか否かを判定する(ステップS52−11)。
上記ステップS52−11で当り判定フラグが当りに該当しない(ハズレ)と判定した場合には、普図遊技フラグをクリアし(ステップS52−12)、処理番号を1に設定し(ステップS52−13)、以後は再び普図始動処理が行われるようにする。一方、当り判定フラグが当りに該当すると判定した場合には、処理番号を3に設定し(ステップS52−14)、ゲーム開始処理が行われるようにする。
上記図柄停止監視処理において処理番号が3に設定変更されることにより行われるゲーム開始処理の詳細を、図14に示す。先ず、ゲームアクション判定用記憶領域より該当する乱数値を取得すると共にゲームアクション番号を判定し(ステップS53−1)、その判定結果に応じた分岐処理を行い(ステップS53−2)、判定結果1〜Nに応じて、ゲームアクション1情報の設定〜ゲームアクションN情報の設定を行う(ステップS53−3a〜ステップS53−3n)。
ゲームアクション情報の一例を図15に示す。本実施形態で示すゲームアクション情報としては、ゲームアクションの設定番号毎に、ゲーム時間と命中時間とゲーム画面に表示させるキャラクタの情報を異ならせて設定しておくものとしたが、設定要素の数はこれに限らず、4種類以上の設定要素を可変設定しておくようにしても良いし、2種類もしくは1種類の設定要素のみ可変設定(例えば、ゲーム時間と命中時間を固定値とし、表示するキャラクタのみ変更する等)しておくようにしても良い。
上記ゲームアクション情報の設定後には、操作時間タイマによる計時を開始させ(ステップS53−4)、ゲーム中フラグをセットし(ステップS53−5)、処理番号を4に設定し(ステップS53−6)、ゲーム監視処理が行われるようにする。
上記ゲーム開始処理において処理番号が4に設定されることにより行われるゲーム監視処理の詳細を、図16に示す。先ず、操作時間がタイムアップしたか否かを判定し(ステップS54−1)、未だ操作時間が経過していなければ、上記操作スイッチ監視処理において操作ボタンフラグがセットされたか否かを判定し(ステップS54−2)、操作ボタンフラグもセットされていなければ、そのまま処理を終了する。
上記ステップS54−2において、操作ボタンフラグ有りと判定された場合には、操作時間タイマの経過時間に基づいて操作時間を記憶し(ステップS54−3)操作ボタンフラグをクリアし(ステップS54−4)、命中時間(ゲームアクション情報の一要素として設定された基準タイミングとなる時間)と操作時間(操作ボタン10が操作された時の操作タイマの時間)との時間差Xを算出して記憶する(ステップS54−5)。
続いて、上記ステップS54−5において算出・記憶した時間差Xの値が満たす条件に応じた分岐処理を行う(ステップS54−6)。時間差Xが第1条件(0≦X<0.2)を満たしていた場合には、保留解除普電開放情報1を設定し(ステップS54−7)、併せて操作ボタン操作情報1をセットする(ステップS54−8)。時間差Xが第2条件(0.2≦X<0.5)を満たしていた場合には、保留解除普電開放情報2を設定し(ステップS54−9)、併せて操作ボタン操作情報2をセットする(ステップS54−10)。時間差Xが第3条件(0.5≦X<1.0)を満たしていた場合には、保留解除普電開放情報3を設定し(ステップS54−11)、併せて操作ボタン操作情報3をセットする(ステップS54−12)。時間差Xが第4条件(1.0≦X)を満たしていた場合には、保留解除普電開放情報4を設定し(ステップS54−13)、併せて操作ボタン操作情報4をセットする(ステップS54−14)。
保留解除普電開放情報の一例を図17に示す。本実施形態で示す保留解除普電開放情報としては、保留解除普電開放情報の設定番号毎に、保留解除ウエイト時間と開放ウエイト時間と開放時間と閉鎖ウエイト時間の各設定要素の情報が設定されたものである。
例えば、時間差Xが第1条件を満たす場合の保留解除普電開放情報1が設定されると、開放ウエイト時間が0.5秒であることに基づいて補助変動入賞装置17の可動部材17a,17aが0.5秒後に駆動されて開状態となり、開放時間が2秒であることに基づいて補助変動入賞装置17の開状態がそれから2秒継続することとなり、その一方、保留解除ウエイト時間が1秒であることに基づいて遊技球保留装置18の保留解除ソレノイド32が1秒後(補助変動入賞装置17が開状態に変換されてから0.5秒後)に駆動されて球出口18bより遊技球が放出されるので、遊技球保留装置18の保留解除動作が行なわれてから1.5秒間は補助変動入賞装置17の開状態が維持されることとなり、遊技球保留装置18の球出口18bより放出された遊技球は極めて高い確率で補助変動入賞装置17の特図始動口17bに入賞することとなる。加えて、閉鎖ウエイト時間が0.5秒であることから、普電開放処理が終了したら速やかに次の処理へ移行でき、他の保留解除普電開放情報2〜5(閉鎖ウエイト時間は1秒)が設定された場合よりも迅速に次の遊技へ移行することができる。なお、補助変動入賞装置17の特図始動口17bへの入賞球を特図始動センサ25が検出したタイミングで、特別図柄変動表示ゲームの結果を決める特図乱数が引かれることから、時間差Xが小さい場合(例えば、第1条件および第2条件の場合)には、乱数値が当りとなり易いタイミングで遊技球が特図始動センサ25に検出されるように、遊技球保留装置18の保留解除動作を行わせる設定とすれば、一層、遊技者に有利な特典を与えることができ、的当てゲームに対する意欲を更に高めることができる。
また、時間差Xが第4条件を満たす場合の保留解除普電開放情報4が設定されると、開放ウエイト時間が1.5秒であることに基づいて補助変動入賞装置17の可動部材17a,17aが1.5秒後に駆動されて開状態となり、開放時間が0.5秒であることに基づいて補助変動入賞装置17の開状態がそれから0.5秒継続することとなり、その一方、保留解除ウエイト時間が1.7秒であることに基づいて遊技球保留装置18の保留解除ソレノイド32が1.7秒後(補助変動入賞装置17が開状態に変換されてから0.2秒後)に駆動されて球出口18bより遊技球が放出されるので、遊技球保留装置18の保留解除動作が行なわれてから僅か0.3秒間しか補助変動入賞装置17の開状態が維持されないこととなり、遊技球保留装置18の球出口18bより放出された遊技球が補助変動入賞装置17の特図始動口17bに入賞する可能性は極めて低いものとなる。
このように、普通図柄変動表示ゲームで当りが出て補助変動入賞装置17の開放条件が達成されることで行われる的当てゲームにおいては、操作ボタン10を操作したタイミングと命中タイミング(所定のタイミング)とのズレが少ないほど遊技者に有利な特典が与えられるように保留解除普電開放情報を設定するものとした。なお、時間差Xに応じて遊技者に与える特典は、保留解除普電開放情報の違いによるものに限らず、種々の条件設定を変えて遊技者への特典を変えるようにしても良い。無論、保留解除普電開放情報を用いる場合でも、設定要素の数はこれに限らず、5種類以上の設定要素を可変設定しておくようにしても良いし、1種類〜3種類の設定要素のみ可変設定(例えば、開放ウエイト時間と開放時間と閉鎖ウエイト時間を固定値とし、保留解除ウエイト時間のみ変更する等)しておくようにしても良い。
上記ステップS54−8において操作ボタン操作情報1をセットした後、もしくは上記ステップS54−10で操作ボタン操作情報2をセットした後、もしくは上記ステップS54−12で操作ボタン操作情報3をセットした後、もしくは上記ステップS54−14で操作ボタン操作情報4をセットした後には、後述するタイムアップカウンタを帰零させる(ステップS54−15)。なお、操作ボタン操作情報1〜4は、操作ボタン10が操作されたことをゲーム画面上に反映させるための情報で、例えば、操作ボタン操作情報1では大きな爆発が、操作ボタン操作情報4では小さな爆発が画面上に現れるような演出を行うためのものである。
一方、上記ステップS54−1において、操作時間がタイムアップしたと判定された場合(操作ボタン10が操作されることなく、ゲームの有効時間が経過した場合)には、タイムアップでゲームが終了した回数を計数記憶するためのタイムアップカウンタに1を加算し(ステップS54−16)、タイムアップカウンタの値が3であるか否かを判定し(ステップS54−17)、未だカウント値が3未満であった場合には保留解除普電開放情報5を設定する(ステップS54−18)。なお、保留解除普電開放情報5が設定された場合には、補助変動入賞装置17が開状態に変換されて再び閉状態に戻った直後(0.2秒後)に遊技球保留装置18の保留解除ソレノイド32が駆動されて遊技球が放出されるので、遊技球保留装置18の球出口18bより放出された遊技球が補助変動入賞装置17の特図始動口17bに入賞する可能性は全く無い。
上記ステップS54−17において、タイムアップカウンタのカウント値が3であった場合には、時間差Xが第1条件を満たす場合の処理(ステップS54−7およびステップS54−8)を実行する。すなわち、本実施形態に係る遊技機1においては、所定の猶予時間(操作時間タイマに設定された時間)が経過しても操作手段たる操作ボタン10が操作されなかった回数を計数し、その計数値が所定数(例えば、3回)に達することに基づいて、上記所定のタイミング(操作時間の計時を開始して命中時間になったタイミング)で操作ボタン10を操作する能力が遊技者に有るか無いかを判定するものとし、その能力が遊技者に無いと判定された場合、遊技者による操作ボタン10の操作にかかわらず、予め定めた保留解除動作態様(例えば、保留解除普電開放情報1による遊技球保留装置18の保留解除と補助変動入賞装置17の開状態変換動作の連携を考慮した動作態様)に基づいて、遊技球保留装置18を作動させることにより、補助変動入賞装置17への入賞確率を強制的に上げるのである。これにより、年配の遊技者や遊技方法が分からない人などが、的当てゲームで適当な操作ボタン10の操作を行えないために、甚だしい不利益を被ることがないように、救済措置を講ずることが可能となる。
上記ステップS54−15でタイムアップカウンタを帰零させた後、もしくはステップS54−18で保留解除普電開放情報5を設定した後には、ゲームフラグをクリアし(ステップS54−19)、保留解除ウエイトフラグをセットし(ステップS54−20)、保留解除ウエイト時間を計時する保留解除ウエイトタイマをセットし(ステップS54−21)、開放ウエイト時間を計時する開放ウエイトタイマをセットし(ステップS54−22)、処理番号を5に設定し(ステップS54−23)、普電開放処理が行われるようにする。
なお、本実施形態に係る遊技機1のゲーム監視処理においては、タイムアップカウンタが3になって保留解除普電開放情報1が設定されると、ステップS54−17においてタイムアップカウンタが帰零されるため、その後も操作ボタン10の操作ができなかったとしても、再びタイムアップカウンタが3になるまで、保留解除普電開放情報5に設定された補助変動入賞装置17の開閉制御や遊技球保留装置18の保留解除動作が実行されるため、操作ボタン10の操作が巧みな遊技者との利益格差が大きくなる可能性がある。
そこで、例えば、タイムアップカウンタのカウント値が上限数に達したら、複数回に亘って遊技者に有利な保留解除普電開放情報が設定されるような制御としても良い。また、タイムアップカウンタのカウント値が条件に達して保留解除普電開放情報の強制変更を行った場合には、強制変更を行った旨を記憶(強制変更フラグのセット等)しておき、その記憶がある間に操作ボタン10の操作が行われなければ、連続して保留解除普電開放情報の強制変更が実行されるようにし、操作時間内に操作ボタン10が押された時点でその記憶を解除するような制御を採用しても良い。
上記普電開放処理において処理番号が5に設定されることにより行われる普電開放処理の詳細を、図18に示す。先ず、開放ウエイト終了フラグの有無を判定し(ステップS55−1)、開放ウエイトフラグがセットされていなければ、開放ウエイト時間を計時するタイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップS55−2)、未だ開放ウエイト時間が経過していなければ、そのまま処理を終了する。
上記ステップS55−2において、開放ウエイト時間が経過したと判定された場合には、開放ウエイト終了フラグをセットし(ステップS55−3)、普電用ソレノイドオン情報をセットし(ステップS55−4)、開放時間を計時する開放時間タイマをセットする(ステップS55−5)。
上記ステップS55−1で開放ウエイト終了フラグがセットされていると判定された場合および上記ステップS55−5で開放時間を計時する開放時間タイマをセットした後には、開放ウエイト監視フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS55−6)、未だ閉鎖ウエイト監視フラグがセットされていないと判定された場合には、開放時間を計時する開放時間タイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップS55−7)、開放時間タイマがタイムアップしていなければ、そのまま処理を終了する。
一方、上記ステップS55−7で開放時間タイマがタイムアップしていると判定された場合には、普電用ソレノイドオフ情報をセットし(ステップS55−8)、閉鎖ウエイト監視フラグをセットし(ステップS55−9)、閉鎖ウエイト時間を計時する閉鎖ウエイトタイマをセットして処理を終了する(ステップS55−10)。このようにして閉鎖ウエイト監視フラグがセットされると、上記ステップS55−6において、閉鎖ウエイト監視フラグ有りと判定されることで閉鎖ウエイトタイマをがタイムアップしたか否かの判定を行い(ステップS55−11)、未だ閉鎖ウエイト時間が経過していなければ、そのまま処理を終了する。
上記ステップS55−11で閉鎖ウエイト時間が経過したと判定された場合には、開放ウエイト終了フラグをクリアし(ステップS55−12)、閉鎖ウエイト監視フラグをクリアし(ステップS55−13)、普図遊技フラグをクリアし(ステップS55−14)、処理番号を1に設定し(ステップS55−15)、普図始動処理を行われるようにする。このように、普通電動役物たる補助変動入賞装置17の開状態変換動作が終了して閉状態に戻った後に設ける閉鎖ウエイト時間が短ければ、普図遊技における処理が速やかに普図始動処理へ移行することとなり、短い待ち時間で次の普通図柄変動表示ゲームを行うことができる。
上記タイマ割込処理におけるステップS28の保留解除処理の詳細は、図19に示すようなものである。この保留解除処理の動作は、上述した普図遊技処理やスイッチ監視処理でセットされたフラグ情報やタイマ動作に基づいて実行される。先ず、保留解除フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS28−1)、未だ保留解除フラグがセットされていなければ、操作ボタンフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS28−2)、未だ操作ボタンフラグがセットされていなければ、保留解除ウエイトフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS28−3)、未だ保留解除ウエイトフラグもセットされていなければ、そのまま処理を終了する。
上記普図遊技処理のゲーム監視処理において保留解除ウエイトフラグがセットされると、上記ステップS28−3で保留解除ウエイトフラグ有りと判定されて、同じくゲーム監視処理においてセットされた保留解除ウエイトタイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップS28−4)、未だ保留解除ウエイトタイマがタイムアップしていなければそのまま処理を終了する。
上記ステップS28−4において、保留解除ウエイト時間が経過して保留解除ウエイトタイマがタイムアップしたと判定された場合には、保留解除ウエイトフラグをクリアし(ステップS28−5)、保留解除フラグをセットし(ステップS28−6)、保留解除ソレノイドオン情報をセットし(ステップS28−7)、解除時間を計時する解除時間タイマをセットする(ステップS28−8)。これにより、解除時間が経過するまで遊技球保留装置18の保留部材18fが球保留路18cから退避した保留解除状態が保持される。なお、本実施形態に係る遊技機1においては、1回の保留解除状態変換に伴って遊技球保留装置18の球出口18bより1個の遊技球を放出させるものとしたが、上記解除時間を適宜に設定して、保留部材18fが球保留路18c内に突出する保留状態に戻るまでの時間を調整すれば、保留解除状態中に遊技球保留装置18の球出口18bから放出される遊技球を2個以上とすることもできる。
また、前述した操作スイッチ監視処理において、普図遊技フラグがセットされていない時(普通図柄変動表示ゲームも的当てゲームも実行されていない時)に操作ボタン10が操作された場合(例えば、当該遊技機1での遊技を終了するべく、遊技者が遊技球保留装置18の球保留を解除しようと操作ボタン10を操作した場合)には、操作ボタンフラグがセットされるので、上記ステップS28−2で操作ボタンフラグ有りと判定され、操作ボタンフラグを解除し(ステップS28−9)、上記ステップS28−6〜ステップS28−8の処理を行う。これにより、解除時間が経過するまで遊技球保留装置18の保留部材18fが球保留路18cから退避した保留解除状態が保持され、遊技球を排出させることができる。
なお、本実施形態の如く、解除時間が遊技球を1個排出できる程度の時間であった場合、多くの遊技球が球保留路18c内に残っていると、全ての遊技球を放出させるために、遊技者は何度も上記の保留解除操作を行わなければならないので、効率が悪く、遊技者の利便性を損なうものとなる。そこで、的当てゲームを行っていない時に操作ボタン10が操作された場合には、球保留路18c内の遊技球を全て排出するのに必要十分な時間を解除時間としてセットするようにしても良い。
上記ステップS28−6において保留解除フラグがセットされると、上記ステップS28−1において保留解除フラグ有りと判定され、解除時間タイマがタイムアップしたか否かの判定を行い(ステップS28−10)、未だ解除時間タイマがタイムアップしていなければそのまま処理を終了する。このステップS28−10において解除時間タイマがタイムアップしたと判定された場合には、保留解除フラグをクリアし(ステップS28−11)、保留解除ソレノイドオフ情報をセットする(ステップS28−12)。これにより、遊技球保留装置18は再び保留状態に戻るのである。
上記タイマ割込処理におけるステップS29の特図遊技処理は、図20に示すように、処理番号による分岐判定を行い(ステップS29−1)、処理番号が1であった場合には特図遊技処理を行い(ステップS29−2)、処理番号が2であった場合には図柄停止監視処理を行い(ステップS29−3)、処理番号が3であった場合には大当たり処理を行う(ステップS29−4)。なお、各処理の詳細は略すが、これらを行うことで、変動表示装置14を用いた特別図柄変動表示ゲームを行い、そのゲーム結果である停止図柄が大当たりに該当するか否かを判定し、大当たりであれば、変動入賞装置16の開閉扉16aを開いて大入賞口を開放する特別遊技を行うのである。また、特別図柄変動表示ゲームにおいて、3桁のゾロ目が奇数の大当たり図柄であった場合には、これを確変大当たりとし、この特別遊技が終了した後、普通図柄変動表示ゲームで当りとなる確率および特別図柄変動表示ゲームで大当たりとなる確率を通常よりも高くした遊技を行うような特典を付与する制御を行っても良い。
上述した遊技機1の実施形態においては、的当てゲームで操作ボタン10を遊技者が全く操作せずに終了した回数が所定数(3回)連続した場合にのみ、遊技者の不利益救済措置として、補助変動入賞装置17の開状態変換タイミングおよび遊技球保留装置18の保留解除タイミングを遊技者に有利な設定に変更するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、操作ボタン10が操作されたものの、そのタイミングが著しくズレている場合も、遊技者操作能力の欠如と考えられるので、そのようなケースも含めて救済措置を講ずるようにしても良い。図21は、その一例を示すゲーム監視処理である。
先ず、操作時間がタイムアップしたか否かを判定し(ステップS60−1)、未だ操作時間が経過していなければ、上記操作スイッチ監視処理において操作ボタンフラグがセットされたか否かを判定し(ステップS60−2)、操作ボタンフラグもセットされていなければ、そのまま処理を終了する。上記ステップS60−2において、操作ボタンフラグ有りと判定された場合には、操作時間タイマの経過時間に基づいて操作時間を記憶し(ステップS60−3)操作ボタンフラグをクリアし(ステップS60−4)、命中時間と操作時間との時間差Xを算出して記憶する(ステップS60−5)。
続いて、上記ステップS60−5において算出・記憶した時間差Xの値が満たす条件に応じた分岐処理を行う(ステップS60−6)。時間差Xが第1条件(0≦X<0.2)を満たしていた場合には、保留解除普電開放情報1を設定し(ステップS60−7)、併せて操作ボタン操作情報1をセットする(ステップS60−8)。時間差Xが第2条件(0.2≦X<0.5)を満たしていた場合には、保留解除普電開放情報2を設定し(ステップS60−9)、併せて操作ボタン操作情報2をセットする(ステップS60−10)。時間差Xが第3条件(0.5≦X<1.0)を満たしていた場合には、保留解除普電開放情報3を設定し(ステップS60−11)、併せて操作ボタン操作情報3をセットする(ステップS60−12)。時間差Xが第4条件(1.0≦X)を満たしていた場合(命中タイミングと実際の操作タイミングとのズレが1秒以上ある場合)には、タイムアップカウンタのカウント値に1を加算し(ステップS60−13)、タイムアップカウンタのカウント値が3に達したか否かを判定し(ステップS60−14)、未だタイムアップカウンタのカウント値が3未満であれば、保留解除普電開放情報4を設定し(ステップS60−15)、併せて操作ボタン操作情報4をセットする(ステップS60−16)。
上記ステップS60−8において操作ボタン操作情報1をセットした後、もしくは上記ステップS60−10で操作ボタン操作情報2をセットした後、もしくは上記ステップS60−12で操作ボタン操作情報3をセットした後には、タイムアップカウンタを帰零させ(ステップS60−17)、保留解除ウエイトフラグをセットし(ステップS60−18)、保留解除ウエイト時間を計時する保留解除ウエイトタイマをセットする(ステップS60−19)。
一方、上記ステップS60−1において、操作時間がタイムアップしたと判定された場合(操作ボタン10が操作されることなく、ゲームの有効時間が経過した場合)には、タイムアップカウンタに1を加算し(ステップS60−20)、タイムアップカウンタの値が3であるか否かを判定し(ステップS60−21)、未だカウント値が3未満であった場合には保留解除普電開放情報5を設定する(ステップS60−22)。
而して、本例として示すゲーム監視処理においては、時間差Xが第4条件を満たす場合でも、操作ボタン10が押されずに操作時間が終了した場合でも、タイムアップカウンタに1を加算し(ステップS60−13およびステップS60−20)、上記ステップS60−14もしくはステップS60−21においてタイムアップカウンタのカウント値が3と判定された場合には、時間差Xが第1条件を満たす場合の処理(ステップS60−7およびステップS60−8)を実行する。
すなわち、本例においては、所定の猶予時間(操作時間タイマに設定された時間)が経過しても操作手段たる操作ボタン10が操作されなかった回数に加えて、命中のタイミングと実際の操作タイミングとの時間差Xが所定時間(1秒)以上であった回数を計数し、その計数値が所定数(例えば、3回)に達することに基づいて、上記所定のタイミング(操作時間の計時を開始して命中時間になったタイミング)で操作ボタン10を操作する能力が遊技者に有るか無いかを判定するものとし、その能力が遊技者に無いと判定された場合、遊技者による操作ボタン10の操作にかかわらず、予め定めた保留解除動作態様(例えば、保留解除普電開放情報1による遊技球保留装置18の保留解除と補助変動入賞装置17の開状態変換動作の連携を考慮した動作態様)に基づいて、遊技球保留装置18を作動させることにより、補助変動入賞装置17への入賞確率を強制的に上げるのである。これにより、年配の遊技客や不慣れな女性客などが、的当てゲームにおいて適当なタイミングでのボタン操作を行えない場合にも、救済措置を講ずることが可能となる。
また、上記ステップS60−19で保留解除ウエイト時間を計時する保留解除ウエイトタイマをセットした後、もしくはステップS60−16で操作ボタン操作情報4がセットされた後、もしくはステップS60−22で保留解除普電開放情報5が設定された後には、ゲーム中フラグをクリアし(ステップS60−23)、開放ウエイト時間を計時する開放ウエイトタイマをセットし(ステップS60−24)、処理番号を5に設定し(ステップS60−25)、普電開放処理が行われるようにする。すなわち、操作ボタン10を操作しなかった場合と、操作ボタン10を操作するタイミングが命中タイミングから1秒以上ズレていた場合には、保留解除ウエイトフラグのセットおよび保留解除ウエイトタイマの設定を行わず、遊技球保留装置18の保留解除状態変換動作を規制するのである。このため、図22に示す保留解除普電開放情報の一例においては、保留解除普電開放情報4,5に保留解除ウエイト時間についての要素情報を設定していないのである。
上述した本例のように、補助変動入賞装置17への入賞可能性が極めて低い、もしくは入賞可能性が全く無いタイミングで、遊技球保留装置18を保留解除状態に変換させる制御を行わせないようにすれば、遊技球保留装置18の球保留路18c内に止め置かれている遊技球が無駄に放出されてしまうことを抑制できる。これにより、タイムアップカウンタのカウント値が3に達して保留解除普電開放情報1が設定され、補助変動入賞装置17の特図始動口17bへの入賞に好適なタイミングで遊技球保留装置18が保留解除状態に変換された時に、球出口18bから放出するための遊技球が球保留路18c内に残っていないような状況を効果的に回避できる。
また、上述した遊技機1の実施形態においては、補助変動入賞装置17の開状態変換タイミングおよび開状態持続時間と遊技球保留装置18からの球放出タイミングとをゲーム結果(操作ボタン10の操作タイミングによるヒットポイント)に応じて様々に変化させ、補助変動入賞装置17の特図始動口17bへの入賞率を異ならしめるようにしたが、これに限らず、操作ボタン10の操作結果を反映させて補助変動入賞装置17の特図始動口17bへの入賞率を変えることができれば、どのような構成を採用しても構わない。例えば、図23に示す遊技球保留装置40のように、保留した遊技球を放出する位置を異ならしめることで、補助変動入賞装置17の特図始動口17bへの入賞率を変化させるようにしても良い。
遊技球保留装置40の球受入口41から入った遊技球は、球保留路42内にて保留され、円筒状の振分部材43の周面に到達する。振分部材43には、周面から回転軸側に窪む球受け凹部43aを設けてあり、上記球保留路42から振分部材43の周面に到達した遊技球が球受け凹部43aに1個だけ嵌まり込ように、振分部材44の停止位置を調整してある。そして、振分部材43の左右側方には、夫々ガイド壁44,44を配してあり、振分部材44がA方向(図23中の時計回り)に回転した場合でも、B方向(図23中の反時計回り)に回転した場合でも、球受け凹部43aに入った遊技球をそのまま移送できるようになっている。すなわち、振分部材44をA方向へ回転させた場合には、第1球出口45aから遊技球を排出させることができ、振分部材44をB方向へ回転させた場合には、第2球出口45bから排出させることができる。なお、遊技球保留装置40には、上記球保留路42に保留させられずに溢れた遊技球を溢球排出口46へ導く溢球流路47を形成してある。
上記のように構成した遊技球保留装置40の第1球出口45aは、補助変動入賞装置17の特図始動口17aの直上方に位置させることで、可動部材17a,17aの開角度が浅い(離隔距離が短い)場合でも、第1排出口45aから放出された遊技球が特図始動口17bへ入賞可能な状態であるのに対し、第2球出口45bは、第1球出口の更に側方(図23においては左側)に位置させることで、可動部材17aが大きく開いた場合に、第2排出口45bから放出された遊技球が辛うじて可動部材17aに受け止められて、特図始動口17bへ入賞する可能性が生ずる程度の状態である。
すなわち、本例においては、複数の球出口として第1,第2球出口45a,45bを備える遊技球保留装置40を用い、保留解除状態において遊技球を放出する排出口を選択的に変更可能とし、尚かつ、第1球出口45aから放出された遊技球を第2球出口45bから放出された遊技球とで、補助変動入賞装置17の特図始動口17bへの入賞確率を異ならしめたので、補助変動入賞装置17の開放条件が達成されることで行われるゲーム(例えば、的当てゲーム)における操作ボタン10の操作結果を反映させた遊技球保留装置40に対する保留解除動作態様のバリエーションを更に広げることができ、一層、興趣の高い遊技機を提供できる。
例えば、操作ボタン10の操作結果に基づき、排出口の選択に加えて球保留解除のタイミングも併せて選定する構成としておけば、特図始動口17bに入賞し易い第1球出口45aから遊技球を放出する場合でも、入賞し難いタイミング(可動部材17a,17aが開きかけた時や閉じる直前)で放出させたり、逆に、特図始動口17bに入賞し難い第2球出口45bから遊技球を放出する場合でも、入賞し易いタイミング(可動部材17a,17aが開き切ったタイミング)で放出させたりする制御も可能となる。すなわち、排出口の選択および球保留解除のタイミングを種々のパターンで設定(例えば、保留解除普電開放情報1〜Nにて設定)しておけば、特図始動口17bに入賞する確率が極めて高い動作態様から、特図始動口17bに入賞する確率が極めて低い動作態様まで、多様な動作を実現できる。
以上本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態は全て例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、上記の実施形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものではなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態においては、普通図柄変動表示ゲームのゲーム結果が当りになった後に的当てゲームを行うようにしたが、普通図柄変動表示ゲームの開始時点で取得乱数から当りか否かが既に決まっているので、当り乱数を引いた場合には、普通図柄変動表示ゲームの終了を待たずに的当てゲームを開始するようにしても良い。或いは、普通図柄変動表示ゲームを行わずに、普図始動ゲートの遊技球通過などで補助変動入賞装置の開放条件が達成されるものとしても良く、その場合は、補助変動入賞装置の開放条件達成で、すぐに的当てゲームを開始させればよい。
また、遊技機に設ける遊技装置や遊技進行条件等も特に限定されるものではない。例えば、特別図柄変動表示ゲームを行う特別図柄表示器を設けずに、内部の入賞空間が遊技者から見えると共に特別入賞領域を含む複数の入賞領域が形成された比較的大型の変動入賞装置を用い、補助変動入賞装置へ遊技球が入賞することで、補助変動入賞装置を比較的短い時間だけ開状態に変換し、その時に変動入賞装置内へ入った遊技球が特別入賞領域を通過することで、特別遊技が発生する遊技内容の遊技機に適用しても良い。