[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態のスロットマシン1の斜視図である。
図1に示すように、回胴式遊技機であるスロットマシン1は、遊技者側に面する、いわゆるフロントマスクを構成する前面扉5が略矩形状の箱体である筐体2の開口側に対し、蝶番機構により左側端部側を回動支点として開閉可能に取り付けられている。前面扉5は、上部パネル部3、サイドパネル部6a、6b、中部パネル部8、操作パネル部18及び下部パネル部15に概ね分けられ、これらは化粧板として視覚効果を高めてデザインされた硬質プラスチックにより一体的に形成されている。
筐体2の内部には、スロットマシン1全体の動作を統括制御するメイン制御部110(後述)が形成されたメイン制御基板(図示せず)と、3個の円筒状の回転リールである左リール10a、中リール10b、右リール10cを備えるリールユニット10と、スロットマシン1の各部に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが設けられている。また、貯留払出手段500(後述)を構成する部材として、ゲームの入賞に応じてメダルの払い出しを行うメダル排出スリットを有するホッパ装置と、ホッパ装置から溢れたメダルを収納する補助貯留部等とが設けられている。
ここで、リールユニット10は、メイン制御部110からの回転駆動開始制御信号や回転駆動停止制御信号等を受けるリール基板(図示せず)によって各リール10a、10b、10cの回転や回転停止が制御されるようになっている。また、リールユニット10は、筐体2の内部に取り付けられている台座(図示せず)に対し引き出し及び押し戻し自在に載置されている。また、各リール10a、10b、10cは、それぞれの周面を一方向(遊技者側)に向けて並設されている。
また、筐体2の内部に設けられている電源装置のたとえば側面には、いわゆる配電盤に相当する電源装置基板(図示せず)が設けられている。この電源装置基板には、電源装置で発生される各種電源電圧をリールユニット10や貯留払出手段500を構成するホッパ装置等の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン1の動作に必要なシステム電源を供給する。
また、前面扉5は、筐体2の開口を閉塞する位置で、操作パネル部18に設けられている鍵穴22を有する図示しない施錠装置によりロックされ、ホールスタッフ等がメイン制御部110(後述)に形成されているメイン制御基板上の各電子素子等の状態の確認を含むメンテナンス作業や設定値変更等に伴う出玉管理作業等を行う場合、前面扉5の鍵穴22に専用鍵を差し込んでそのロックを解除すると、前面扉5が開放されるようになっている。
前面扉5の上部パネル部3には、多数のLEDをマトリクス状に配置したLED表示器20が設けられている。LED表示器20は、ドットマトリクス表示により遊技に関する情報を表示することができる他、点灯態様を制御することによって視覚効果的な演出を行うために用いられる。
前面扉5のサイドパネル部6a、6bには、高輝度発光ダイオードを内蔵した演出用ランプ7a,7bが配置されている。これらの演出用ランプ7a,7bは、ボーナス入賞時やボーナス遊技の際に点灯又は点滅して遊技者の視覚に訴える演出を行うものである。
前面扉5の中部パネル部8には、リールユニット10が設けられており、その前面を覆うように液晶表示器9が設けられている。液晶表示器9には液晶パネルの背面にバックライトが設けられているが、表示窓9a、9b、9cの部分にはバックライト等の部材がなく、画像表示を行わない場合は透明色になる液晶パネルを透過して、表示窓9a、9b、9cを通してリールユニット10の各リール10a、10b、10cに描かれた図柄をそれぞれ三段ずつ視認することが可能になっている。
前面扉5の操作パネル部18には、ゲームに使用するメダルを投入するための投入口を有するメダル投入部11と、メダルを1枚ずつベットするベットスイッチ12aと、メダルを一度に3枚ベットするMAXベットスイッチ12bと、クレジットとして貯留されたメダルをスロットマシン1外へ払い出させる精算スイッチ19と、ゲームの操作を指示する操作ノブを有するスタートスイッチ13と、リールユニット10の各リール10a、10b、10cをストップさせる左リールストップスイッチ14a、中リールストップスイッチ14b、右リールストップスイッチ14cが設けられている。また、操作パネル部18には、演出ボタン21が設けられている。この演出ボタンは各種演出において押下操作が可能(有効)となるものであり、この演出ボタン21の押下操作により上記演出が発展したりすることとなる。
ベットスイッチ12a及びMAXベットスイッチ12bは、スロットマシン1のゲームに賭けるメダルの枚数を提示するための押圧式の操作スイッチである。メダルがクレジットされているとき、ゲーム開始時にベットスイッチ12a又はMAXベットスイッチ12bを操作すると、そのクレジットされているメダルのうち1枚、2枚又は3枚がベットされるようになっている。
スタートスイッチ13は、リールユニット10の各リール10a、10b、10cを一斉に回転させる指示をするためのレバースイッチであり、先端に設けられている球形の操作ノブを下方向に傾倒操作するとオン作動し、その操作ノブから手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフするように構成されている。
左リールストップスイッチ14a、中リールストップスイッチ14b、右リールストップスイッチ14cは、リールユニット10の左リール10a、中リール10b、右リール10cの回転停止を個別に指示するための押圧式スイッチであり、各リール10a、10b、10cの配列に対応してそれぞれ並設されている。
また、前面扉5の操作パネル部18の背面には、操作パネル部18のベットスイッチ12a、MAXベットスイッチ12b、精算スイッチ19、スタートスイッチ13、左リールストップスイッチ14a、中リールストップスイッチ14b、右リールストップスイッチ14c等の各種操作スイッチが電気的に接続された中央表示基板(図示せず)が設けられており、これらのスイッチの出力信号が中央表示基板からメイン制御部110に転送されるようになっている。
前面扉5の下部パネル部15には、スロットマシン1の機種名やモチーフ等を遊技者へ認識させるため、たとえば登場キャラクタの絵などが描かれたパネルが設けられている。
下部パネル部15の下方には、受皿ユニット4が形成されている。受皿ユニット4には、入賞時や精算時等においてメダルを排出するメダル排出口16と、ゲームの進行に応じて演出効果音を発生させるスピーカー17a、17bと、遊技者所有のメダルを貯留するメダル貯留皿4a等とがそれぞれ配設されている。
そして、前面扉5の上部パネル部3の背面に設けられ、演出制御部300(後述)が形成されたサブ制御基板(図示せず)にメイン制御部110から演出開始を示唆する制御信号(演出コマンド等を含む)が供給されると、演出制御部300により液晶表示器9による動画像等の表示や、LED表示器20による情報の表示もしくは点滅または点灯によっての演出や、演出用ランプ7a、7bによる点滅又は点灯によっての演出や、スピーカー17a、17bからの効果音による演出等が行われるようになっている。
また、中央表示基板には、開閉自在なカバー(図示せず)によって覆われている設定スイッチ(図示せず)が設けられている。この設定スイッチは、スロットマシン1の出玉率(メダルの払出率)を決定する際の設定値(例えば、「1」〜「6」までの6段階に分けられた設定値)を変更する場合に操作されるものである。なお、この設定値の変更の操作が行われた後に、スタートスイッチ13が操作されることにより、スロットマシン1の設定値が変更後の設定値に決定される。
また、前面扉5の下部パネル部15の背面には、メダル投入部11より投入される投入物に対し正規のメダルか異物かを判別して振り分けるセレクタ(図示せず)と、このセレクタで振り分けられたメダルを筐体2内に設けられているホッパ装置へ案内するホッパガイド部材と、セレクタで振り分けられた異物をメダル排出口16へ案内するガイド部材と、ホッパ装置のメダル排出スリットから排出されたメダルを受皿ユニット4のメダル排出口16側にガイドする払出ガイド部材とが設けられている。
なお、セレクタは、リールユニット10の各リール10a、10b、10cの回転中やリプレイ当選による再遊技のときには、メダルの受け付けが不可(メダルの投入受け付けを禁止する状態)になり、メダル投入部11から投入されたメダルをガイド部材側に振り分けるようになっている。そして、ガイド部材側に振り分けられたメダルはメダル排出口16側から排出される。また、セレクタは、遊技待機中(リールユニット10が停止中であるとき)には、メダルの受け付けが可能(メダルの投入受け付けを許可する状態)になり、メダルの検出に併せてメダルの受け付けを行うようになっている。
本実施の形態に係るスロットマシン1は、MAXベットスイッチ12b等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することによりゲームの開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ13の押下操作により、リール10a、10b、10cの回転を開始させてゲームが開始されると共に、役抽選が行われる。そして、当該スロットマシン1は、各リール10a、10b、10cに対応する各ストップスイッチ14a、14b、14cの操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、リール10a、10b、10cの回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該スロットマシン1は、停止時の図柄組合せによって、当選した役を構成する図柄組合せが所定のライン(所定の役の図柄が揃ったときに入賞となるラインのことであり、以下、入賞ラインとする。なお「入賞ライン」は後述の停止図柄判定手段160の判定対象となるラインを意味し、「入賞」は入賞ライン上に役に対応した図柄組合せが揃うことを意味する。本実施の形態の入賞ラインは、各リール10a、10b、10cの中段を結んだ1本のみからなる)上に停止表示された場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回のゲームが終了するものである。
図2に示すように、スロットマシン1の内部には、スロットマシン1の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御部110と、このメイン制御部110からの信号を受けて、遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出状態を制御する演出制御部300(いわゆるサブ制御部)とを備えている。
メイン制御部110は、役抽選を行うと共に、リールユニット10及び貯留払出手段500の作動を制御する。演出制御部300は、メイン制御部110から信号を入力し、LED表示器20,演出用ランプ7(7a、7b)、液晶表示器9、スピーカー17(17a、17b)の作動を制御する。なお、メイン制御部110と演出制御手段310との間は、前者から後者への一方向の通信のみが行われている。演出制御部300の出力側には、報知手段70としてのLED表示器20,演出用ランプ7(7a、7b)、液晶表示器9、スピーカー17(17a、17b)の各パーツが接続されている。
制御装置100は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、たとえば、遊技機の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
メイン制御部110は、遊技制御手段120、役抽選手段130、回転制御手段140、停止制御手段150、停止図柄判定手段160、特典付与手段170、フリーズ制御手段180、AT制御手段190、再抽選手段200、及びメイン側演出装置駆動手段210(演出駆動手段400)の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、メイン制御部110は、役の抽選を行い、リール10a、10b、10cの回転及び停止を制御し、リール10a、10b、10cがすべて停止したときに停止図柄判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
また、演出制御部300は、演出制御手段310、上乗せ報知手段320、AT報知手段330、及びサブ側演出駆動手段340(演出駆動手段400)の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、演出制御部300は、演出の有無、態様を決定し、遊技の状態に応じた演出を制御する手段として機能することとなる。
遊技制御手段120は、遊技を制御するためのものであって、メイン遊技を実行するためのものである。以下、本実施の形態による遊技について説明する。
規定数(3)の賭け数が設定されると、入賞ラインが設定される。なお、本実施の形態に係るスロットマシン1は、規定数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入部11からメダルを投入する方法と、ベットスイッチ12a又はMAXベットスイッチ12bを操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定数(3枚)の賭け数が設定されていることを条件に、スタートスイッチ13を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段130により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回のゲームでのリール10a、10b、10cの回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべてのリール10a、10b、10cの回転が開始する。
本実施の形態では、役として、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回のゲームを開始可能とする役(リプレイ))、特別役(遊技状態の移行を伴う役(ボーナス))が設けられている。また、広義には役と言える特殊役(特殊遊技への移行を伴う図柄(RT図柄))が設けられている。
そして、リール10a、10b、10cの回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、リール10a、10b、10cを加速する処理を実行してから一定の速度に到達した後、所定のセンサがリール10a、10b、10cの回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、各ストップスイッチ14a、14b、14cの操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ14a、14b、14cのうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ14a、14b、14cに対応したリール10a、10b、10cの回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ14a、14b、14cの操作を終えると、3個すべてのリール10a、10b、10cの回転が停止する。
このとき、入賞ライン上に所定の図柄組合せが揃うと、当該図柄組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係るスロットマシン1は、入賞ライン上に予め定められた図柄組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。たとえば、小役に対応した図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
また、本実施の形態では、通常に行われる通常遊技と、この通常遊技よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得る特別遊技及び特殊遊技が設けられている。特別遊技としては、いわゆるボーナス遊技(BBゲーム、RBゲーム)が設けられている。特殊遊技としては、いわゆるアシストタイム(AT)ゲームと、リプレイタイム(RT)ゲームと、ATゲームとRTゲームとを組み合わせたいわゆるアシストリプレイタイム(ART)ゲームとが設けられている。
アシストタイム(AT)ゲームは、各ストップスイッチ14a、14b、14cの停止操作順番や当選図柄等を報知することによって入賞役を成立させるためのアシストをするものである。
リプレイタイム(RT)ゲームは、リプレイ当選の確率が通常遊技状態でのゲームよりも高く(或いは低く)設定されたものである。
本実施の形態では、遊技状態として、通常遊技が実行されている状態である通常遊技状態と、ボーナス遊技が実行されている特別遊技状態と、特殊遊技が実行されている特殊遊技状態とが設けられている。
ボーナス遊技は、特別役であるボーナス移行役に当選し、さらにボーナス移行役に対応した図柄組合せが入賞ラインに揃うと、揃ったゲームの次回のゲームから開始される遊技である。なお、ボーナス移行役は、当選時のゲームで入賞ライン上にボーナス移行役に対応する図柄組合せが揃わなくても、次回のゲーム以降、入賞ライン上にボーナス移行役に対応する図柄組合せが揃うまでボーナス移行役に当選した状態が有効であるが、その他の役は、当選時のゲームで入賞ライン上に役に対応する図柄組合せが揃わなければ、次回のゲーム以降は無効となる。ボーナス遊技は、ボーナス遊技へ移行していないゲームに比べ小役の当選確率が高くなるように設定されており、このため、通常遊技よりも遊技者に大きな利益が付与される可能性が高い遊技である。ボーナス遊技は、ボーナス遊技中の遊技者への払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数を超えたときに終了する。
特殊遊技としてのRTゲームは、RT移行図柄(RT移行役に当選したときに入賞し得るものとしても、所定の小役を取りこぼしたときに導出可能となるものの何れでもよい)が入賞ラインに揃うと、揃ったゲームの次回のゲームから開始されるゲームである。RTゲームは、例えば、その開始から200回のゲームを消化するまで継続する。
特殊遊技としてのATゲームは、RTゲームの開始から50回のゲームを消化するまでは無条件に与えられるとともに、RTゲーム中にフリーズ状態が発生した場合に行われる上乗せ抽選に当選するたびに20回のゲーム分のATゲームが上乗せされる。RTゲームとともにATゲームにも制御されている状態が、ARTゲームである。
また、入賞ライン上に再遊技役に対応する図柄組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回のゲームにおいて遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定されゲームを行うことができる。
役抽選手段130は、メイン制御部110が備える手段であり、スタートスイッチ13の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段130は、役に当選したか否かを決定するための抽選データを備えており、メイン制御部110のROM上に記憶されている。役抽選手段130は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段130による処理は、後述するステップS3(図3参照)において行われる。
回転制御手段140は、メイン制御部110が備える手段であり、各リール10a、10b、10cの回転を開始させるためのものである。回転制御手段140は、前回のゲームの開始(各リール10a、10b、10cの回転開始)から所定時間を経過していることを条件に各リール10a、10b、10cの回転を開始して加速し、一定の速度に到達した後、所定のセンサがリール10a、10b、10cの回転位置が基準位置であることを検出すると、各ストップスイッチ14a、14b、14cの操作を有効とする。
なお、回転制御手段140による処理は、後述するステップS5(図3参照)において行われる。
停止制御手段150は、メイン制御部110が備える手段であり、各リール10a、10b、10cの回転を停止させるためのものである。停止制御手段150は、役抽選手段130の抽選結果と、各ストップスイッチ14a、14b、14cが操作されたときの対応するリール10a、10b、10cの回転位置とに基づいて、各リール10a、10b、10cの回転を停止させる。なお、停止制御手段150による処理は、後述するステップS6(図3参照)において行われる。
停止図柄判定手段160は、メイン制御部110が備える手段であり、すべてのリール10a、10b、10cが停止した際における入賞ライン上の図柄組合せを記憶すると共に入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段160による処理は、後述するステップS7(図3参照)において行われる。
特典付与手段170は、メイン制御部110が備える手段であり、停止図柄判定手段160の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。特典付与手段170は、停止図柄判定手段160の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
また、特典付与手段170は、停止図柄判定手段160の判定の結果、再遊技役が入賞していると、その旨をメイン制御部110のRAMに記憶する。これにより、メイン制御部110は、次回のゲームにおいて、遊技者所有のメダルを使用しなくてもゲームを可能とする。
また、特典付与手段170は、停止図柄判定手段160の判定の結果、特別役が入賞していると、或いはRT図柄が導出されていると、その旨をメイン制御部110のRAMに記憶する。これにより、メイン制御部110は、次回のゲームから、特別遊技としてのボーナスや特殊遊技としてのRTに制御する。
フリーズ制御手段180は、スタートスイッチ13の操作を契機として遊技を一時的に保留させて遊技を進行させることができないフリーズ状態を実行可能なものである。なお、フリーズ制御手段180による処理は、後述するステップS4(図3参照)において行われる。
AT制御手段190は、メイン制御部110が備える手段であり、RTゲームの開始とともに50回のATゲームを付与し、また、フリーズ状態となっている間にAT上乗せ抽選を行うことができ、これに当選するとATゲーム数の上乗せを行う。AT制御手段190は、当初付与されたATゲーム数及び上乗せゲーム数を消化するまで、ATに制御する。なお、AT制御手段190による処理は、後述するステップS4(図3参照)において、或いはステップS8(図3参照)において行われる。
再抽選手段200は、メイン制御部110が備える手段であり、遊技者がゲームを開始させるべくスタートスイッチ13を操作してから、各リール10a、10b、10cの回転が一定の速度に到達した後に基準位置を検出するまでの間において、遊技者がスタートスイッチ13を再び操作したときに、一定の確率で再度の役抽選(再抽選)を行う。再抽選が行われた場合、停止制御手段150による各リール10a、10b、10cの停止の制御は、再抽選手段200の抽選結果と、各ストップスイッチ14a、14b、14cが操作されたときの対応するリール10a、10b、10cの回転位置とに基づいて行われる。なお、再抽選手段200による処理は、後述するS413(図5参照)、S503、S509(図6参照)において行われる。
演出装置手段400は、リール10a、10b、10cや表示手段84等の演出装置を駆動させるためのものである。この演出駆動手段400は、メイン制御部110側に設けたメイン側演出装置駆動手段210と、演出制御部300側に設けたサブ側演出駆動手段340とを有している。
演出制御部300は、所定の演出を実行することが決定された場合に演出を実行するためのものである。
演出制御手段310は、メイン制御部110からのコマンドや遊技の状況に応じて、所定の演出を行うものである。なお、演出制御手段310による演出の処理は、後述するステップS1008(図8参照)において行われる。
上乗せ報知手段320は、液晶表示器9またはLED表示器20を制御して、液晶表示器9またはLED表示器20に「+20G!」等の特殊遊技の上乗せゲーム数を表示させる。なお、上乗せ報知手段320による上乗せゲーム数の報知は、後述するステップS1003(図8参照)において行われる。
AT報知手段330は、ATゲームにおいて報知対象となる小役に当選している場合に、各ストップスイッチ14a、14b、14cの停止操作順番や当選図柄等を報知する。
なお、AT報知手段330による当選図柄等の報知は、後述するステップS1007(図8参照)において行われる。
演出駆動手段400としてのサブ側演出駆動手段340は、所定の演出を、LED表示器20,演出用ランプ7(7a、7b)、液晶表示器9、スピーカー17(17a、17b)により実行する。
サブ側演出駆動手段340は、LED表示器20,演出用ランプ7(7a、7b)を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー17(17a、17b)から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、液晶表示器9を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
なお、左リール10a、中リール10b及び右リール10cの表面には、赤7、青7、BE(ベル)、WM(スイカ)、RP(リプレイ)、CH(チェリー)に対応した図柄が記載されている。各リール10a、10b、10cの表面には、最大21個の図柄が記載可能な箇所が設けられている。各図柄が記載可能な位置には、0から20までの数値からなるコマ番号が付与されている。
スロットマシン1における遊技は、ゲームを繰り返すことによって行われるが、特に電源の立ち上げ時においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行してからゲームの処理を開始する。バックアップデータが存在しない場合には、初期状態(デフォルト状態)に設定してからゲームの処理を開始する。また、電源の立ち上げ時において設定値の設定指示操作が行われている場合には、設定変更モードに移行し、設定スイッチ及びスタートスイッチ13の操作により設定値を確定させてからゲームの処理を開始する。
図3に示すフローチャートに基づいて、制御装置100が1回のゲーム毎に実行する処理について説明する。
先ず、ステップS1において、メイン制御部110により、初期設定が行われる。メイン制御部110は、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。ここで、ゲームスタートに備えるための初期設定には、所定のエラーをチェックする処理や、RAMの未使用領域及び未使用スタック領域をクリアする処理などが含まれる。
次にステップS2において、メイン制御部110により、BET処理が行われる。メイン制御部110は、メダル投入部11から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合にはMAXベットスイッチ12b(あるいはベットスイッチ12a)の押下操作により賭け数を設定する。規定の賭け数(3)が設定されると、ステップS3の内部抽選処理に進む。
次にステップS3において、役抽選手段130により、内部抽選処理が行われる。役抽選手段130は、操作有効状態となったスタートスイッチ13の操作によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定する。この内部抽選処理とは、次のステップS4において回転を開始する全てのリール10a、10b、10cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること、または所定時間経過後に自動的にリールの停止制御を行い停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。なお、この内部抽選処理の詳細は、図4において説明する。
次にステップS4において、フリーズ制御手段180により、フリーズ処理が行われる。フリーズ制御手段180は、所定の条件が成立したときにおいて一定期間だけ遊技の進行を不能とする。もっとも、フリーズ処理において遊技の進行が不能化されている間もスタートスイッチ13の操作は無効化されず、詳細を後述する再抽選処理は行われ得る。また、フリーズ処理においては、上乗せ抽選も行われ得る。なお、このフリーズ処理の詳細は、図5において説明する。
次にステップS5において、回転制御手段140により、リール回転処理が行われる。回転制御手段140は、前回のゲームでリール10a、10b、10cの回転が開始してから所定時間を経過していることを条件に、全てのリール10a、10b、10cの回転を開始させる。このリール回転処理においては、全てのリール10a、10b、10cの回転が開始した後、所定の回転速度に達してから基準位置を検出したことを条件に、左リールストップスイッチ14a、中リールストップスイッチ14b、右リールストップスイッチ14cの押下操作を有効とし、各ストップスイッチ14a、14b、14cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させるとともに、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマカウントを開始する。なお、操作有効ランプは各ストップスイッチ14a、14b、14cにそれぞれ内蔵されるランプである。左リールストップスイッチ14a、中リールストップスイッチ14b、右リールストップスイッチ14cの押下操作を有効が有効となるまでは、詳細を後述する再抽選処理は行われ得る。なお、このリール回転処理の詳細は、図6において説明する。
次にステップS6において、停止制御手段150により、リール停止処理が行われる。停止制御手段150は、遊技者による左リールストップスイッチ14a、中リールストップスイッチ14b、右リールストップスイッチ14cの押下操作が受け付けられると、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール10a、10b、10cの回転を停止させる。停止制御手段150は、リール10a、10b、10cの回転が停止する度に、各々に停止した図柄を示す停止コマンドを演出制御部300に送信する。
次にステップS7において、停止図柄判定手段160により、判定処理が行われる。停止図柄判定手段160は、上記ステップS6において全てのリール10a、10b、10cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記ステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して入賞役の判定を行う判定処理を実行する。停止図柄判定手段160は、その判定結果を示す入賞判定コマンドを演出制御部300に送信する。
次にステップS8において、特典付与手段170により、払出処理が行われる。特典付与手段170は、上記ステップS7において判定された入賞役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また入賞役が特別役、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典の付与を実行する。すなわち、この払出処理には遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典を付与する処理(以下「遊技特典付与処理」という)も含まれている。また、払出処理の最後において、次のゲームで適用される遊技状態を示す状態コマンドを演出制御部300に送信する。
図4に示すフローチャートに基づいて、上記ステップS3の内部抽選処理について説明する。
ステップS301において、役抽選手段130は、スタートスイッチ13の操作入力有効化処理を実行する。ここでは、スタートスイッチ13の操作入力が有効化され、このスタートスイッチ13の操作入力が受け付けられるまで操作入力待ちの状態となり、次のステップS302に処理を移す。
次のステップS302において、役抽選手段130は、スタートスイッチ13の操作入力が受け付けられたか否かを判定する。遊技者によるスタートスイッチ13の操作入力が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS303に処理を移す。 一方、スタートスイッチ13の操作入力が受け付けられていないと判定された場合には、役抽選手段130は、上記ステップS302の処理を繰り返す。
次にステップS303において、役抽選手段130は、スタートスイッチ13の操作入力を契機として乱数の抽出を行う。ここで乱数の抽出を行った後、次のステップS304に処理を移す。
なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、スタートスイッチ13の操作入力後直ぐに行ったり、所定時間(例えば0.5秒後など)後に行ったりするなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS304では、役抽選手段130は、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(または合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときONとなった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。例えば、当該当選役がスイカであれば、スイカ当選フラグをONにする、といったことである。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、遊技状態を参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。
一方、ステップS304にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。したがって、成立フラグがハズレフラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記ステップS303および本ステップS304はスロットマシン1の内部において乱数抽選が行われていることから、以下ではこれらのステップS303およびステップS304における処理のことを内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、以下では、必要に応じて、ハズレフラグを含む成立フラグのことを内部抽選フラグという。
また、ステップS305において、役抽選手段130は、当該当選役当選フラグに係るコマンド(当選コマンド)を演出制御部300に送信する。
図5に示すフローチャートに基づいて、上記ステップS4のフリーズ処理について説明する。
ステップS401において、フリーズ制御手段180は、今回のゲームがRTゲームであるか否かを判定する。RTゲームである場合には、ステップS402の処理に進み、RTゲームでない場合には、そのままフリーズ処理を終了する。
ステップS402において、フリーズ制御手段180は、フリーズ状態に制御するか否かを決定するためのフリーズ決定乱数を抽出する。なお、フリーズ決定乱数は、役抽選手段130が当選役を決定するための乱数とは別の乱数であるが、乱数発生回路により発生されるハードウェア乱数としても、ソフトウェアで数値更新されるカウンタを用いたソフトウェア乱数としてもよい。
ステップS403において、フリーズ制御手段180は、抽出したフリーズ決定乱数の値が所定の当選値を示すか否かを判定する。当選値を示す場合は、ステップS404の処理に進み、当選値を示さない場合は、そのままフリーズ処理を終了する。
ステップS404において、フリーズ制御手段180は、フリーズ状態において遊技の進行を不能化する時間を計測するためのフリーズタイマをスタートさせる。
ステップS405において、フリーズ制御手段180は、フリーズタイマがタイムアップするまで遊技の進行を不能化させる。遊技の進行が不能化されている間は、ウェイトタイマ(後述)がタイムアップしていてもリール10a、10b、10cの回転を開始させず、各ストップスイッチ14a、14b、14cの操作も有効としない。但し、スタートスイッチ13の操作は、後述する再抽選処理のために無効にされない。
ステップS406において、フリーズ制御手段180は、フリーズコマンドを演出制御部300に送信する。
ステップS407において、AT制御手段190の処理に移り、AT制御手段190は、ATゲーム数の上乗せを行うか否かを決定するための上乗せ決定乱数を抽出する。なお、上乗せ決定乱数は、役抽選手段130が当選役を決定するための乱数とは別の乱数であるが、乱数発生回路により発生されるハードウェア乱数としても、ソフトウェアで数値更新されるカウンタを用いたソフトウェア乱数としてもよい。
ステップS408において、AT制御手段190は、抽出した上乗せ決定乱数の値が所定の当選値を示すか否かを判定する。当選値を示す場合は、ステップS409の処理に進み、当選値を示さない場合は、ステップS411の処理に進む。
ステップS409において、AT制御手段190は、ATゲーム数の上乗せを行う。
ステップS410において、AT制御手段190は、上乗せコマンドを演出制御部300に送信する。
ステップS411において、再びフリーズ制御手段180の処理に移り、フリーズ制御手段180は、ステップS404にてスタートさせたフリーズタイマがタイムアップしたか否かを判定する。フリーズタイマがタイムアップとなった場合にはこの判定が満たされ、ステップS414に処理を移す。フリーズタイマがタイムアップしていない場合は、ステップS412に処理を移す。
ステップS412において、フリーズ制御手段180は、スタートスイッチ13の操作入力が受け付けられたか否かを判定する。遊技者によるスタートスイッチ13の操作入力が受け付けられると、この判定が満たされ、ステップS413において再抽選処理を実行する。再抽選処理の詳細は、後述する。一方、スタートスイッチ13の操作入力が受け付けられていないと判定された場合には、フリーズ制御手段180は、上記ステップS411に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS414において、フリーズ制御手段180は、ステップS405で制御した遊技の進行を不能化させた状態を解除し、遊技の進行を可能化させる。
図6に示すフローチャートに基づいて、上記ステップS5のリール回転処理について説明する。
ステップS501において、回転制御手段140は、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前に行われたゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、ステップS504に処理を移す。ウェイトタイマがタイムアップしていない場合は、ステップS502に処理を移す。
ステップS502において、回転制御手段140は、スタートスイッチ13の操作入力が受け付けられたか否かを判定する。遊技者によるスタートスイッチ13の操作入力が受け付けられると、この判定が満たされ、ステップS503において再抽選処理を実行する。再抽選処理の詳細は、後述する。一方、スタートスイッチ13の操作入力が受け付けられていないと判定された場合には、回転制御手段140は、上記ステップS501に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS504において、回転制御手段140は、全てのリール10a、10b、10cの回転を開始させる。
ステップS505において、回転制御手段140は、リール回転コマンドを演出制御部300に送信する。
次にステップ506において、回転制御手段140は、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回のゲームまでウェイトタイマをスタートさせる。
ステップS507において、回転制御手段140は、全てのリール10a、10b、10cの回転の速さが一定となった後に、基準位置を検出したか否かを判定する。全てのリール10a、10b、10cの回転の速さが一定となった後に、基準位置を検出すると、ステップS510に処理を移す。リール10a、10b、10cのうち回転の速さが一定となっていないものがある場合、或いは回転の速さが一定となっても基準位置を検出していないものがある場合は、ステップS508に処理を移す。
ステップS508において、回転制御手段140は、スタートスイッチ13の操作入力が受け付けられたか否かを判定する。遊技者によるスタートスイッチ13の操作入力が受け付けられると、この判定が満たされ、ステップS508において再抽選処理を実行する。再抽選処理の詳細は、後述する。一方、スタートスイッチ13の操作入力が受け付けられていないと判定された場合には、回転制御手段140は、上記ステップS507に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS510において、回転制御手段140は、スタートスイッチ13の操作入力無効化処理を実行する。すなわち、上記ステップS510において全てのリール10a、10b、10cの回転の速さが一定となった後に、基準位置を検出すると、それ以降のスタートスイッチ13の操作入力は受け付けられなくなる。
ステップS511において、回転制御手段140は、それぞれのストップスイッチ14a、14b、14cの押下操作が有効とし、各々の操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者は各ストップスイッチ14a、14b、14cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(リールストップスイッチ14a、14b、14cの押下操作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
また、ステップS512において、回転制御手段140は、停止有効化コマンドを演出制御部300に送信する。
図7に示すフローチャートに基づいて、上記ステップS413、S503、S509の再抽選処理について説明する。この再抽選処理は、再抽選手段200により実行され、再抽選処理を終了すると、再抽選処理の呼び出し元であるフリーズ制御手段180または回転制御手段140の処理に復帰する。
ステップS901において、再抽選手段200は、再抽選を行うか否かを決定するための再抽選決定乱数を抽出する。なお、再抽選決定乱数は、役抽選手段130が当選役を決定するための乱数とは別の乱数であるが、乱数発生回路により発生されるハードウェア乱数としても、ソフトウェアで数値更新されるカウンタを用いたソフトウェア乱数としてもよい。
ステップS902において、再抽選手段200は、抽出した再抽選決定乱数の値が所定の当選値を示すか否かを判定する。当選値を示す場合は、ステップS903の処理に進み、当選値を示さない場合は、再抽選処理を終了して元の処理に復帰する。
ステップS903において、再抽選手段200は、乱数の抽出を行う。ここで抽出する乱数は、ステップS303にて役抽選手段130が抽出する乱数と同じものとしてもよいが、当該乱数のために用いされるカウンタと同一範囲で値が更新される別のカウンタから乱数を抽出するものとしてもよい。或いは、ステップS303にて役抽選手段130が抽出するのと同じ乱数を抽出し、これに一定の演算(排他的論理和演算など)を加えた乱数を用いるものとしてもよい。
ステップS904において、再抽選手段200は、フラグ更新処理を行う。ここで行うフラグ更新処理は、ステップS304にて役抽選手段130が行うフラグ処理と基本的に同じであるが、役抽選手段130により設定された当選役当選フラグを、再抽選手段200により当選役に該当すると判定された当選役当選フラグに更新する。
また、ステップS905において、再抽選手段200は、当該当選役当選フラグに係るコマンド(当選更新コマンド)を演出制御部300に送信する。
図8に示すフローチャートに基づいて、演出制御部300による処理を説明する。この処理は、演出制御部300がメイン制御部110から何らかのコマンドを受信することによって行われるものである。
ステップS1001において、演出制御部300は、受信したコマンドが如何なる種類のコマンドであるかを解析する。なお、コマンドの解析結果は、演出制御部300のRAMに一時保存される。
ステップS1002において、演出制御部300は、解析したコマンドがステップS410にて送信された上乗せコマンドであるか否かを判定する。上乗せコマンドでない場合は、ステップS1004の処理に進み、上乗せコマンドである場合には、ステップS1003の処理に進む。
ステップS1003において、上乗せ報知手段320に処理を移し、上乗せ報知手段320は、サブ側演出駆動手段340に処理を依頼して、上乗せコマンドにより示されるATゲーム数の上乗せを、LED表示器20または液晶表示器9に表示させたり、スピーカー17a、17bから音声出力させたりして、遊技者に報知する。そして、今回受信したコマンドに基づく処理を終了させる。
ステップS1004において、演出制御部300は、解析したコマンドがステップS512にて送信された停止有効化コマンドであるか否かを判定する。停止有効化コマンドでない場合は、ステップS1008の処理に進み、停止有効化コマンドである場合には、ステップS1005の処理に進む。
ステップS1005において、AT報知手段330に処理を移し、AT報知手段330は、前回のゲームの最後で受信してRAMに保存されている状態コマンドが示す情報に基づいて、今回のゲームをATゲームとしているか否かを判定する。今回のゲームをATゲームとしていない場合には、今回受信したコマンドに基づく処理を終了させ、ATゲームとしている場合には、ステップS1006の処理に進む。
ステップS1006において、AT報知手段330は、ステップS305にて送信されてRAMに保存している当選コマンド(ステップS905にて当選更新コマンドが送信されている場合には、最新の当選更新コマンド)が示す情報に基づいて、今回のゲームでATゲームにおいて報知対象となる小役に当選しているか否かを判定する。報知対象となる小役に当選していない場合には、今回受信したコマンドに基づく処理を終了させ、報知対象となる小役に当選している場合には、ステップS1007の処理に進む。
ステップS1007において、AT報知手段330は、サブ側演出駆動手段340に処理を依頼して、報知対象となる小役に関する各ストップスイッチ14a、14b、14cの停止操作順番や当選図柄等を、LED表示器20または液晶表示器9に表示させたり、スピーカー17a、17bから音声出力させたりして、遊技者に報知する。そして、今回受信したコマンドに基づく処理を終了させる。
ステップS1008において、演出制御手段310は、今回受信したコマンドや、これまでに受信したコマンドについて一時保存されている情報に基づいて、サブ側演出駆動手段340に処理を依頼するなどして所定の演出を行う。この演出の詳細は、説明を省略する。そして、今回受信したコマンドに基づく処理を終了させる。
本実施の形態によれば、1ゲームの賭け数が確定してスタートスイッチ13が操作されると、当選役を決定する内部抽選処理が行われる。もっとも、リール10a、10b、10cが一定速度に達した後に基準位置を検出するまでの期間で遊技者が再びスタートスイッチ13を操作すると、再抽選処理が行われて当選役が改めて決定される場合がある。これにより、スタートスイッチ13の操作によりゲームが開始しても、その時点で入賞の発生がほぼ決まってしまうという遊技の固定化を防ぐことができ、遊技者により開始操作がなされた後のゲームにおける面白みを増大させ、遊技の興趣を向上させることができる。
もっとも、本実施の形態によれば、リール10a、10b、10cが一定速度に達した後に基準位置を検出するまでの期間で遊技者が再びスタートスイッチ13を操作した場合でも、ここで抽出した再抽選決定乱数が所定の当選値を示していなければ、再抽選処理は行われない。これにより、スタートスイッチ13を単に操作するというだけではなく、実際に再抽選処理が行われるかということにも遊技者に興味を持たせることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、再抽選処理が行われ得るのは、リール10a、10b、10cが一定速度に達した後に基準位置を検出するまでの期間であり、すなわち、スタートスイッチ13の操作入力を無効として各ストップスイッチ14a、14b、14cの操作入力が有効となるまでの期間である。これにより、リール10a、10b、10cを停止させることが可能になってから当選役が決定されることがないので、再抽選処理を行わせることで遊技の公平性を失わせるのを防ぐことができる。
しかも、本実施の形態によれば、AT報知手段330が報知対象となる小役に関する各ストップスイッチ14a、14b、14cの停止操作順番や当選図柄等を遊技者に報知するのは、停止有効化コマンドを受信したタイミング、すなわちスタートスイッチ13の操作入力を無効として再抽選処理を行い得なくなったタイミングである。このため、ATゲームにおいて当選役の状況を知ってから遊技者がスタートスイッチ13を操作して再抽選処理を行わせるということはなく、再抽選処理を行わせることで遊技の公平性を失わせるのを防ぐことができる。
本実施の形態では、フリーズ状態に制御されている期間及びウェイトがかけられている期間を含めて、リール10a、10b、10cが一定速度に達した後に基準位置を検出するまでの期間において、遊技者が再びスタートスイッチ13を操作すると再抽選処理が行われ得るものとなっていたが、リール10a、10b、10cの回転が開始するまでとしてもよい。この場合、ステップS508、S509の処理を行わず、判定結果がYESとなるまでステップS507の処理を繰り返す。また、再抽選処理が行われるのは、フリーズ状態に制御されている期間だけとしてもよい。この場合、ステップS502、S503の処理も行わず、判定結果がYESとなるまでステップS501の処理を繰り返す。また、再抽選処理が行われる期間から、フリーズ状態に制御されている期間を除くものとしてもよい。この場合、ステップS412、S413の処理を行わず、判定結果がYESとなるまでステップS501の処理を繰り返す。
本実施の形態では、フリーズ決定乱数が所定の当選値を示す場合に、フリーズタイマの計時を開始してからタイムアップするまでの期間において、遊技の進行を不能化させるフリーズ制御を行うものとしていたが、この間にも遊技者がスタートスイッチ13を操作すれば、再抽選処理が行われ得るものとなっていた。ここで、フリーズタイマがタイムアップする時間を複数種類定め、フリーズ決定乱数の値に応じた時間だけフリーズ状態に制御するものとしてもよい。これにより、一旦フリーズ状態に制御されても、再抽選処理を行わせるべくスタートスイッチ13を操作することができる期間に違いが生じてくるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
本実施の形態では、リール10a、10b、10cが一定速度に達した後に基準位置を検出するまでの期間において遊技者が再びスタートスイッチ13を操作すると、再抽選決定乱数を抽出し、これが所定の当選値と判定されると再抽選が行われるものとなっていた。この当選値には、結果として再抽選が行われることとなる確率が異なる第1の当選値と第2の当選値とを定め、何れを適用するかを、これとは別の抽選や遊技の進行状況に応じて定めるものとしてもよい。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、スタートスイッチ13の操作により内部抽選が行われた後、リール10a、10b、10cが一定速度に達した後に基準位置を検出するまでの期間で再びスタートスイッチ13が操作される度に、ここで抽出した再抽選決定乱数が当選値を示す場合に、再抽選処理を行っていた。これに対して、本実施の形態では、内部抽選を行った後の1回限りで再抽選決定乱数を抽出するものとしている。
本実施の形態では、スロットマシン1の構成は、基本的に第1の実施の形態のものと同じである。但し、役抽選手段130は、再抽選手段200に再抽選を行わせるか否かを決定する機能を含み、また、再抽選手段200は、個別に再抽選を行わせるか否かを決定する機能を含まない。
図9に示すフローチャートに基づいて、第2の実施の形態における上記ステップS3の内部抽選処理について説明する。なお、ステップSS301〜S305の処理は、第1の実施の形態における内部抽選処理(図4参照)と同じである。ステップS305の処理を終了すると、ステップS306の処理に進む。
ステップS306において、役抽選手段130は、再抽選を行うか否かを決定するための再抽選決定乱数を抽出する。なお、再抽選決定乱数は、ステップS303にて抽出する乱数とは別の乱数であるが、乱数発生回路により発生されるハードウェア乱数としても、ソフトウェアで数値更新されるカウンタを用いたソフトウェア乱数としてもよい。
ステップS307において、役抽選手段130は、抽出した再抽選決定乱数の値が所定の当選値を示すか否かを判定する。当選値を示す場合は、内部抽選処理を終了し、当選値を示さない場合は、ステップS308の処理に進む。
ステップS308において、役抽選手段130は、スタートスイッチ13の操作入力無効化処理を実行する。すなわち、再抽選決定乱数の値が所定の当選値を示さない場合には、それ以降のスタートスイッチ13の操作入力は受け付けられなくなる。すなわち、ステップS412、S502、S508の判定結果はNOとなるので、ステップS307において再抽選決定乱数の値が所定の当選値を示さない場合には、再抽選処理は実行されなくなる。
リール回転処理(図6参照)におけるステップS510では、スタートスイッチ13の操作入力がステップS308において既に無効となっている場合、回転制御手段140は、そのまま無効の状態を継続すればよい。ステップS307において再抽選決定乱数の値が所定の当選値を示すと判定され、ステップS308の処理が実行されなかった場合に、回転制御手段140は、スタートスイッチ13の操作入力無効化処理を実行する。
また、第2の実施の形態における再抽選処理(図7参照)では、ステップS901、S902の処理がなく、ステップS903〜S905の処理が実行されることとなる。
本実施の形態によれば、スタートスイッチ13の操作により内部抽選が行われた後、リール10a、10b、10cが一定速度に達した後に基準位置を検出するまでの期間で再びスタートスイッチ13が操作されたときに再抽選処理を行うか否かは、内部抽選処理において一括して決定される。これにより、スタートスイッチ13が操作される度に再抽選処理を行うか否かを決定する必要がなく、第1の実施の形態に比べて処理負荷を軽減することができる。
また、内部抽選処理において抽出された再抽選決定乱数が所定の当選値を示さない場合に、スタートスイッチ13の操作入力を無効にする処理を行えばよいだけなので、特別に複雑な処理は必要なく、いたずらに処理負荷を増大させることはない。
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態では、AT報知手段330は、停止有効化コマンドを受信したタイミング、すなわちスタートスイッチ13の操作入力を無効として再抽選処理を行い得なくなったタイミングで、報知対象となる小役に関する各ストップスイッチ14a、14b、14cの停止操作順番や当選図柄等を遊技者に報知するものとしていた。それ以外に、役抽選手段130による内部抽選の結果に応じた演出は行われていなかった。
本実施の形態では、フリーズ制御手段180によりフリーズ制御が行われている期間を含めて、内部抽選または再抽選が行われて当選コマンドまたは当選更新コマンドが演出制御部300に送信されると、示唆演出が実行される。示唆演出は、当選コマンドまたは当選更新コマンドが示す当選役の状況を遊技者に示唆する演出であり、信頼性の高い示唆演出と信頼性の低い示唆演出とがある。
本実施の形態では、スロットマシン1の構成は、基本的に第1の実施の形態のもの(または第2の実施の形態のもの)と同じである。但し、演出制御手段310は、示唆演出を実行する機能を含む。
図10に示すフローチャートに基づいて、第3の実施の形態における演出制御部300による処理を説明する。について説明する。なお、ステップSS1001〜S1007の処理は、第1の実施の形態における処理(図8参照)と同じである。ステップS1004において、演出制御部300は、解析したコマンドがステップS512にて送信された停止有効化コマンドでない場合は、ステップS1011の処理に進む。
ステップS1011において、演出制御部300は、解析したコマンドがステップS305にて送信された当選コマンドであるか否かを判定する。当選コマンドでない場合は、ステップS1014の処理に進み、当選コマンドである場合には、ステップS1012の処理に進む。
ステップS1012において、演出制御手段310に処理を移し、演出制御手段310は、示唆演出の内容を定めるための示唆演出乱数を抽出する。示唆演出乱数は、ハードウェア乱数としてもソフトウェア乱数としてもよい。
ステップS1013において、演出制御手段310は、示唆演出乱数に基づいて高信頼テーブルを参照し、何れの内容の示唆演出を行うかを決定する。そして、決定した内容の示唆演出を、LED表示器20または液晶表示器9に表示させたり、スピーカー17a、17bから音声出力させたりして実行して、遊技者に示す。そして、今回受信したコマンドに基づく処理を終了させる。
なお、高信頼テーブルに従って行われる示唆演出は、例えば、特別役に当選している場合、A%の確率(特別役の当選確率よりも大幅に高い確率であり、例えば、特別役の当選確率の10倍程度)で特別役に当選を示すものとなり、B%の確率で小役の当選を示すものとなり、C%の確率で再遊技役の当選を示すものとなり、D%の割合でハズレを示すものとなる。また、小役に当選している場合、実際の小役の当選確率よりも大幅に高い確率で小役の当選を示す示唆演出が実行され、再遊技役に当選している場合、実際の再遊技役の当選確率よりも大幅に高い確率で再遊技役の当選を示す示唆演出が実行される。
ステップS1014において、演出制御部300は、解析したコマンドがステップS905にて送信された当選更新コマンドであるか否かを判定する。当選更新コマンドでない場合は、ステップS1008の処理に進み、当選コマンドである場合には、ステップS1015の処理に進む。
ステップS1015において、演出制御手段310は、示唆演出そのものを行うか否かを決定するための示唆演出決定乱数を抽出する。なお、示唆演出決定乱数は、示唆演出乱数とは別の乱数であるが、ハードウェア乱数としてもソフトウェア乱数としてもよい。
ステップS1016において、演出制御手段310は、抽出した示唆演出決定乱数の値が所定の当選値を示すか否かを判定する。当選値を示す場合は、ステップS1017の処理に進む、当選値を示さない場合は、今回受信したコマンドに基づく処理を終了させる。
ステップS1017において、演出制御手段310に処理を移し、演出制御手段310は、示唆演出の内容を定めるための示唆演出乱数を抽出する。
ステップS1018において、演出制御手段310は、示唆演出乱数に基づいて低信頼テーブルを参照し、何れの内容の示唆演出を行うかを決定する。そして、決定した内容の示唆演出を、LED表示器20または液晶表示器9に表示させたり、スピーカー17a、17bから音声出力させたりして実行して、遊技者に示す。そして、今回受信したコマンドに基づく処理を終了させる。
なお、低信頼テーブルに従って行われる示唆演出は、例えば、特別役に当選している場合、A’%の確率(特別役の当選確率より僅かに高い確率であり、例えば、特別役の当選確率のせいぜい2〜3倍程度)で特別役に当選を示すものとなり、B’%の確率で小役の当選を示すものとなり、C’%の確率で再遊技役の当選を示すものとなり、D’%の割合でハズレを示すものとなる。また、小役に当選している場合、実際の小役の当選確率よりも僅かに高い確率で小役の当選を示す示唆演出が実行され、再遊技役に当選している場合、実際の再遊技役の当選確率よりも僅かに高い確率で再遊技役の当選を示す示唆演出が実行される。
ステップS1008において、演出制御手段310は、上記ステップS1011〜S1018の処理を除いて、今回受信したコマンドや、これまでに受信したコマンドについて一時保存されている情報に基づいて、サブ側演出駆動手段340に処理を依頼するなどして所定の演出を行う。
本実施の形態によれば、役抽選手段130により内部抽選処理が行われて当選コマンドが送信されたとき、或いは再抽選手段200により再抽選処理が行われて当選更新コマンドが送信されたとき、当選コマンドまたは当選更新コマンドが示す当選役の状況を遊技者に示唆する示唆演出が実行される。これにより、遊技者は、示唆演出によってスタートスイッチ13を再操作して再抽選処理を行わせるべきか否かを判断することができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
もっとも、本実施の形態によれば、最初の内部抽選が行われたときの示唆演出は高信頼テーブルを用いて、その後の再抽選が行われたときの示唆演出は低信頼テーブルを用いて行われる。これにより、示唆演出が高い信頼性を示すのは最初の1回だけとなるので、遊技者が当選役の決定に対して無限に介入できるようにはならず、遊技の公平性を著しく損なうことがない。
また、本実施の形態によれば、再抽選が行われて当選更新コマンドが送信されたときには無条件で示唆演出を実行するものとはならず、示唆演出決定乱数が所定の当選値を示す場合にのみ示唆演出が実行される。これにより、1ゲームの賭け数が確定してスタートスイッチ13を最初に操作した後、リール10a、10b、10cが一定速度に達した後に基準位置を検出するまでの期間で遊技者が再びスタートスイッチ13を操作したときに実際には再抽選が行われていてもそれが遊技者に分からないことがあるので、再度に亘ってスタートスイッチ13を操作すべきか遊技者に考えさせることとなるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
本実施の形態では、スロットマシン1の構成を基本的に第1の実施の形態のもの(または第2の実施の形態のもの)と同じにしており、1ゲームの賭け数が確定してスタートスイッチ13を最初に操作した後、リール10a、10b、10cが一定速度に達した後に基準位置を検出するまでの期間で遊技者が再びスタートスイッチ13を操作したときに、実際に再抽選が行われて初めて当選更新コマンドが演出制御部300に送信されるものとなっていた。もっとも、実際に再抽選が行われていなくても、1ゲームの賭け数が確定してスタートスイッチ13を最初に操作した後、リール10a、10b、10cが一定速度に達した後に基準位置を検出するまでの期間で遊技者が再びスタートスイッチ13を操作したときには、必ず当選更新コマンド(実際に再抽選が行われなかった場合は、直前に送信された当選コマンドまたは当選更新コマンドと同内容のもの)を演出制御部300に送信するようにしてもよい。
本実施の形態では、再抽選が行われて当選更新コマンドが送信されたときには、示唆演出決定乱数が所定の当選値を示す場合に限って示唆演出が実行されるものとなっていた。この所定の当選値の範囲は、再抽選が行われて当選更新コマンドが送信された回数が多くなるにつれて小さくなるものとしてもよい。1ゲームについて再抽選により送信された当選更新コマンドに基づく示唆演出の実行回数そのものに制限を設けてもよい(例えば、2回まで)。これにより、遊技者が当選役の決定に対して介入できる機会を実質的に制限できるようになり、遊技の公平性を著しく損なうことがない。
本実施の形態では、再抽選が行われて当選更新コマンドが送信されたときには、示唆演出決定乱数が所定の当選値を示すことを条件に、何れも同じ低信頼テーブルを用いて示唆演出の内容を決定していた。内部抽選が行われて当選更新コマンドが送信されたときに用いられる高信頼テーブルの他に、示唆演出の信頼度が互いに異なる(但し、何れも高信頼テーブルよりも信頼度は低い)複数種類のテーブルを設け、1ゲームについて再抽選により送信された当選更新コマンドに基づく示唆演出の実行回数が多くなるほど、より信頼度の低いテーブルを用いて示唆演出の内容を決定するものとしてもよい。