本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
まず、本実施の形態に用いたスロットマシン1について以下に説明する。本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「ベル」、「リプレイ」、「スイカA」、「白7」、「黒BAR」、「チェリー」、「スイカB」、「ブランク」、「白BAR」、および「黒7」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ20個ずつ描かれている。「ベル」の図柄は、全体的に黄色の絵柄となり、「スイカA」および「スイカB」の図柄は、全体的に緑色の絵柄となり、「チェリー」の図柄は、全体的に赤色の絵柄からなる。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネルの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。
また、本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する手順(押し順ともいう)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、役の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
なお、図示するように、リセット/設定スイッチ38(解除操作手段)はスロットマシン1の筐体1aの内部に設けられている。不正な異常の解除を防ぐため、前面扉1bが閉鎖されている状態では、リセット/設定スイッチ38の操作を無効にするようにしてもよい。なお、前面扉1bが閉鎖されている状態としては、前面扉1b自体が閉じている状態としてもよく、前面扉1bの鍵が閉じている状態としてもよい。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1が有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが後述する小役や再遊技役などの図柄組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1のみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
たとえば、入賞ラインは、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とを含んでいてもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×20(1リール当たりの図柄コマ数)=1600コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
また、電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、およびリールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させるようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
[電断処理]
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断処理(サブ)を実行する。電断処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、サブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データなど、初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数など、初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
[入賞ライン]
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1が有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ラインL1上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであってもよいし、異なる図柄を含む組み合わせであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、メダルを用いることなく賭数が自動設定されて次のゲームを行うことが可能な再遊技役とがある。なお、本実施の形態では、小役と再遊技役のみを備える構成であるが、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役を備えていてもよい。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
[内部抽選]
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。なお、内部当選フラグ格納ワークに設定された当選フラグは、1ゲームごとにクリアされる。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、セキュリティチェックプログラムに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスとからなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して「16ステップ(1図柄が移動するステップ数)、18ステップ、16ステップ、18ステップ、16ステップ」の5つの領域の組を4組設定している。すなわち、リール1周に20の領域(コマ)が定められている。これらの領域には、リール基準位置から1〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も20であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜20の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から20番図柄に対して、それぞれ1〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明する。まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
[送信コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、フリーズ解除コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、判定用役当選コマンド、およびAT信号出力コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を特定できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、フリーズ(ゲームの進行を所定時間遅延させる制御状態)の開始を特定可能なコマンドであり、フリーズの開始時に送信される。
フリーズ解除コマンドは、実行中のフリーズを解除したことを特定可能なコマンドであり、フリーズの解除時に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインL1に揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、ならびに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、RT2終了後、打止状態が開始した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間ごとに送信される。
判定用役当選コマンドは、判定用役(本実施の形態においては、押し順リプ1、押し順リプ2、通常リプ)に当選したこと、および当選した判定用役の種類を示すコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されて判定用役に当選した場合にゲームが開始したときにコマンドバッファに格納された後送信される。
ここで、判定用役とは、当選したときにメイン制御部41により所定の停止順種別が抽選によって決定される役であり、メイン制御部41は、停止順種別によって特定される押し順と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解したことを特定する。なお、判定用役当選コマンドには停止順種別を示す情報も付加される。本実施の形態においては、判定用役として、押し順リプ1、押し順リプ2、および通常リプが定められている。
AT信号出力コマンドは、AT(アシストタイム)への制御を示すAT信号を外部出力したことを示すコマンドであり、AT信号の出力命令を設定した際にコマンドバッファに格納された後送信される。
ATとは、後述するAT(擬似ボーナス)に当選した場合や、後述する更なるATの実行が確定された場合に、所定ゲーム数の間、遊技者にとって有利となるナビ演出が実行される期間のことである。ナビ演出とは、AT中に所定の役に当選したときに、遊技者にとって有利となるストップスイッチの押し順を想起させるメッセージが、液晶表示器51に表示されたり、スピーカ53、54によって音声出力されたりする演出のことである。遊技者は、このナビ演出に従ってストップスイッチを操作することにより、純増枚数を増やせるなど有利に遊技を進めることができるようになっている。
本実施の形態におけるナビ演出には、判定用ナビ演出と、通常のナビ演出とが含まれている。判定用ナビ演出とは、メイン制御部41が、AT中であるか否かを判定するために用いられるナビ演出であり、通常のナビ演出とは、判定用ナビ演出とは異なり、AT中であるか否かを判定するためには用いられないナビ演出である。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路の送信データレジスタに転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、ドアコマンド格納領域に格納される。ドアコマンド格納領域には、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド格納領域に格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。なお、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行されるごとに、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、シリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信される。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41から特定のコマンドを受信した場合に、該特定のコマンドに対応する制御パターンによる演出を行う。たとえば、エラーコマンドを受信した場合に、エラー状態に対応する制御パターンにてエラー報知演出を行い、待機コマンドを受信した場合に、待機状態を示すデモ演出を行う。
また、サブ制御部91は、操作検出コマンドから特定されるMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)を時系列にて複数個バッファしておくとともに、これらバッファされているMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)に基づいて、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態が変化したか否かを特定可能とされており、これらの検出状態の変化を特定することで、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作状況を特定できるようになっている。
また、本実施の形態において、サブ制御部91は、AT中にメイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信した場合に、図19に示す判定用ナビ演出処理を実行する。メイン制御部41は、この判定用ナビ演出に従って遊技者が操作したストップスイッチの押し順に基づき、AT中であるか否かを判定することができるようになっている。
また、本実施の形態において、サブ制御部91は、メイン制御部41からAT信号出力コマンドを受信した場合に、図18に示すAT信号出力フラグ制御処理を実行する。AT信号出力フラグは、AT信号が出力されたことを示すフラグであり、サブ制御部91はAT信号出力フラグがセットされているか否かによって、AT中にAT信号が出力されたか否かを識別する。そして、AT中にAT信号が出力されるまでは判定用ナビ演出を実行し、AT信号の出力後以降は判定用ナビ演出ではなく、通常のナビ演出を実行する。
[入賞役]
本実施の形態のスロットマシン1においては、入賞ラインL1上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、再遊技役とがある。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
図5は、小役の種類、小役の図柄組み合わせ、払出枚数、および小役に関連する技術事項について説明するための図である。図6は、再遊技役の種類、再遊技役の図柄組み合わせ、作動、および再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。
図5を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、通常ベル、左スイカ1枚1〜8、左リプ1枚1〜16、チェリー1〜3、スイカ1〜8、チャンス1、2、1枚1〜3が含まれる。小役は、入賞ラインL1において、図5に示す各々の役に対応する図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
たとえば、通常ベルは、入賞ラインL1上に「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、賭数を設定するためのメダル枚数(3枚)よりも多い8枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、通常ベルの構成図柄のうちベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。そのため、後述する内部抽選において通常ベルに単独当選しているときには、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役に入賞するようになっている。つまり、通常ベルは取りこぼしのない役である。
次に、左スイカ1枚1〜8について説明する。左スイカ1枚1〜8のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、左スイカ1枚1〜8の構成図柄のうちスイカAおよびスイカBは、左リール2Lにおいてそれぞれ5コマ以内に配置されていない。そのため、左スイカ1枚1〜8のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、左スイカ1枚1〜8のうち複数の役が同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、左リプ1枚1〜16について説明する。左リプ1枚1〜16のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、左リプ1枚1〜16の構成図柄のうち白7、黒7、黒BAR、および白BARは、左リール2Lにおいてそれぞれ5コマ以内に配置されていない。そのため、左リプ1枚1〜16のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、左リプ1枚1〜16のうち複数の役と通常ベルとが同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、チェリー1〜3について説明する。チェリー1〜3のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。チェリー1またはチェリー2に入賞したときには、左リール2Lにおいてチェリーの図柄が下段に停止する。そのため、チェリー1およびチェリー2は、下段チェリーまたは弱チェリーともいう。チェリー3に入賞したときには、左リール2Lにおいてチェリーの図柄が中段に停止する。そのため、チェリー3は、中段チェリーまたは中チェリーともいう。ここで、図3を参照すると、チェリー1〜3の構成図柄のうち黒7、黒BAR、およびスイカBは、左リール2Lにおいてそれぞれ5コマ以内に配置されていない。そのため、チェリー1〜3のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、スイカ1〜8について説明する。スイカ1〜8のいずれかに入賞したときには、5枚のメダルが払い出される。また、スイカ1〜8のいずれかに入賞したときには、スイカ図柄が一直線上に揃うように表示結果が導出される。さらに、スイカ7またはスイカ8に入賞したときには、左リール2Lにおいてチェリーの図柄が中段に停止する。そのため、スイカ7およびスイカ8は、中段チェリーまたは強チェリーともいう。ここで、図3を参照すると、スイカ1〜8の構成図柄のうちスイカAは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。そのため、スイカ1〜8のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、チャンス1およびチャンス2について説明する。チャンス1およびチャンス2のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、チャンス1およびチャンス2の構成図柄のうち白BARは、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていない。そのため、チャンス1またはチャンス2に単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、1枚1〜3について説明する。1枚1〜3のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、1枚1〜3の構成図柄のうち白BAR、黒7、およびチェリーは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。そのため、1枚1〜3のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、図6を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプ、ベルリプ1〜5、7揃いリプ、および7フェイクリプ1〜5が含まれる。再遊技役は、入賞ラインL1において、図6に示す各々の役に対応する図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
たとえば、通常リプは、入賞ラインL1上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ここで、図3を参照すると、通常リプの構成図柄であるリプレイは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。そのため、通常リプに単独当選しているときには、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役に入賞するようになっている。つまり、通常リプは取りこぼしのない役である。
次に、ベルリプ1〜4について説明する。ベルリプ1〜4は、入賞ラインL1上にベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となる。図6に示すように、ベルリプ1〜4のそれぞれは、異なる図柄の組み合わせから構成されている。そのため、入賞ラインL1上にベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄の組み合わせが揃っても、見た目上、入賞ラインL1上にハズレ表示結果が導出されたと遊技者に認識させるようになっている。
さらに、ベルリプ1〜4に入賞したときには、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、および右リール2Rの上段のそれぞれにベル図柄が停止する。このように、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞したときには、入賞ラインL1上にベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄の組み合わせが表示されるとともに、入賞ラインL1上とは異なるリールの上段に跨った位置にメダルの付与を伴う通常ベルに対応する図柄の組み合わせが表示される。
なお、図3を参照すると、ベルリプ1〜4の構成図柄のうち白7、黒7、黒BAR、および白BARは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。そのため、ベルリプ1〜4に単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、ベルリプ1〜4すべてと通常リプとが同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、ベルリプ5について説明する。ベルリプ5は、入賞ラインL1上にベルリプ5に対応する図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となる。図6に示すように、ベルリプ5は、異なる図柄の組み合わせから構成されている。そのため、入賞ラインL1上にベルリプ5に対応する図柄の組み合わせが揃っても、見た目上、入賞ラインL1上にハズレ表示結果が導出されたと遊技者に認識させるようになっている。
さらに、ベルリプ5に入賞したときには、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、および右リール2Rの下段のそれぞれにベル図柄が停止する。このように、ベルリプ5に入賞したときには、入賞ラインL1上にベルリプ5に対応する図柄の組み合わせが表示されるとともに、入賞ラインL1上とは異なる左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、および右リール2Rの下段に跨った位置にメダルの付与を伴う通常ベルに対応する図柄の組み合わせが表示される。
なお、図3を参照すると、ベルリプ5の構成図柄のうちリプレイおよびベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。そのため、ベルリプ5に単独当選しているときには、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役に入賞するようになっている。つまり、ベルリプ5は取りこぼしのない役である。なお、本実施の形態においては、ベルリプ5と通常リプとが同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、7揃いリプについて説明する。7揃いリプに入賞したときには、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。ここで、図3を参照すると、7揃いリプの構成図柄のうち白7は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。そのため、7揃いリプに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、7フェイクリプ1〜5について説明する。7フェイクリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。ここで、図3を参照すると、7フェイクリプ1〜5の構成図柄のうち白7、黒7、黒BAR、白BARは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。そのため、7フェイクリプ1〜5のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
[抽選対象役]
次に、図7、図8を参照して、抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施の形態では、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図7、図8においては、抽選対象役ごとに入賞役の組み合わせ、所定の設定値(たとえば設定値1)における判定値数、およびリール制御についての内容を示す。入賞役の組み合わせにおいては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。判定値数においては、その分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「9309」が設定されている抽選対象役である押し順ベル1の当選確率は、9309/65536となる。なお、本実施の形態においては、通常、遊技者が遊技を進行するに際に遊技状態は変化しない。そのため、図7、図8に示すように、それぞれの抽選対象役に対して判定値数は1つだけ設定されている。
図7に示すように、本実施の形態における小役の抽選対象役としては、押し順ベル1〜4、左スイカ1〜4、チェリー1〜3、スイカ1〜8、チャンス1、2、および1枚1〜3が設定されている。また、各々の抽選対象役については、対応する入賞役が読み出される。
たとえば、押し順ベル1は、通常ベル+左リプ1枚1+左リプ1枚6+左リプ1枚11+左リプ1枚16+左スイカ1枚1〜8が読み出される抽選対象役である。押し順ベル2は、通常ベル+左リプ1枚2+左リプ1枚5+左リプ1枚12+左リプ1枚15+左スイカ1枚1〜8が読み出される抽選対象役である。押し順ベル3は、通常ベル+左リプ1枚3+左リプ1枚8+左リプ1枚9+左リプ1枚14+左スイカ1枚1〜8が読み出される抽選対象役である。押し順ベル4は、通常ベル+左リプ1枚4+左リプ1枚7+左リプ1枚10+左リプ1枚13+左スイカ1枚1〜8が読み出される抽選対象役である。なお、押し順ベル1〜4は、それぞれ判定値数として「9309」が設定されている。そのため、押し順ベル1〜4のいずれかには、おおよそ2ゲームに1回ほどの頻度で当選するようになっている。
左スイカ1は、左スイカ1枚1+左スイカ1枚4が読み出される抽選対象役である。左スイカ2は、左スイカ1枚2+左スイカ1枚3が読み出される抽選対象役である。左スイカ3は、左スイカ1枚5+左スイカ1枚8が読み出される抽選対象役である。左スイカ4は、左スイカ1枚6+左スイカ1枚7が読み出される抽選対象役である。ここで、左スイカ1枚1〜8は、それぞれ単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはないが、図7に示すように、左スイカ1枚1〜8のうち複数の役が同時当選することにより、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
チェリー1〜3は、チェリー1〜3がそれぞれ読み出される抽選対象役である。スイカ1〜8は、スイカ1〜8がそれぞれ読み出される抽選対象役である。チャンス1、2は、チャンス1、2がそれぞれ読み出される抽選対象役である。1枚1〜3は、1枚1〜3がそれぞれ読み出される抽選対象役である。
図8に示すように、本実施の形態における再遊技役の抽選対象役としては、通常リプ、押し順リプ1、押し順リプ2、7揃いリプ、フェイクリプ1、およびフェイクリプ2が設定されている。通常リプは、通常リプが読み出される抽選対象役である。なお、通常リプは、判定値数として「8978」が設定されている。そのため、通常リプには、おおよそ7ゲームに1回ほどの頻度で当選するようになっている。
押し順リプ1は、通常リプ+ベルリプ1+ベルリプ2+ベルリプ3+ベルリプ4が読み出される抽選対象役である。ここで、ベルリプ1〜4は、それぞれ単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはないが、図8に示すように、ベルリプ1〜4すべてと通常リプとが同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。押し順リプ2は、通常リプ+ベルリプ5が読み出される抽選対象役である。通常リプおよびベルリプ5は取りこぼしがない役であるため、押し順リプ2に当選したときには、当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。なお、押し順リプ1および押し順リプ2は、それぞれ判定値数として「8714」が設定されている。そのため、押し順リプ1および押し順リプ2のいずれかには、おおよそ3ゲームに1回ほどの頻度で当選するようになっている。
7揃いリプは、7揃いリプが読み出される抽選対象役である。フェイクリプ1は、7フェイクリプ1+7フェイクリプ2+7フェイクリプ3+7フェイクリプ4が読み出される抽選対象役である。フェイクリプ2は、7フェイクリプ5が読み出される抽選対象役である。
[押し順ベル当選時のリール制御]
次に、図7を用いて、押し順ベル1〜4のいずれかに当選した時のリール制御について説明する。
押し順ベル1が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうち引き込み範囲内で左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中左押しされたときには、当選した役のうち通常ベルに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中右押しされたときには、当選した役のうち左スイカ1〜4のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。右第1停止されたときには、当選した役のうち左スイカ5〜8のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
押し順ベル2が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうち引き込み範囲内で左リプ1枚2、左リプ1枚5、左リプ1枚12、および左リプ1枚15のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中左押しされたときには、当選した役のうち左スイカ1〜4のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中右押しされたときには、当選した役のうち通常ベルに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。右第1停止されたときには、当選した役のうち左スイカ5〜8のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
押し順ベル3が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうち引き込み範囲内で左リプ1枚3、左リプ1枚8、左リプ1枚9、および左リプ1枚14のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中第1停止されたときには、当選した役のうち左スイカ1〜4のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。逆挟み押しされたときには、当選した役のうち通常ベルに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。逆押しされたときには、当選した役のうち左スイカ5〜8のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
押し順ベル4が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうち引き込み範囲内で左リプ1枚4、左リプ1枚7、左リプ1枚10、および左リプ1枚13のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中第1停止されたときには、当選した役のうち左スイカ1〜4のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。逆挟み押しされたときには、当選した役のうち左スイカ5〜8のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。逆押しされたときには、当選した役のうち通常ベルに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
ここで、上記のようなリール制御が行われる理由は、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるかが、一義的に決められているからである。
たとえば、押し順ベル1に当選したときに遊技者が左第1停止をした場合には、当選した役のうち入賞の可能性が高い左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかを入賞させるための図柄である「リプレイ」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。
入賞の可能性が高い左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかを入賞させるための図柄を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させる具体例を以下に説明する。たとえば、押し順ベル1に当選したときに遊技者が左第1停止をした場合には、図5に示すように、押し順ベル1に含まれるいずれかの役を入賞させるためには、「ベル」、「リプレイ」、「スイカA」、「スイカB」のいずれかを入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させる必要がある。ここで、「ベル」を入賞ラインL1に引き込むよりも、「スイカA」や「スイカB」、もしくは「リプレイ」を入賞ラインL1に引き込んだ方が入賞役の選択肢が多い(たとえば、「ベル」を停止させると入賞役の選択肢は通常ベルの1種類のみだが、「リプレイ」を停止させると入賞役の選択肢は左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16の4種類ある)。そのため、本実施の形態においては、押し順ベル1に当選したときに遊技者が左第1停止をした場合には、入賞の可能性が高い左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかを入賞させるための図柄である「リプレイ」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。
また、押し順ベル1に当選したときに遊技者が中第1停止をした場合には、当選した役のうち入賞の可能性が高い通常ベルおよび左スイカ1枚1〜4のいずれかを入賞させるための図柄である「ベル」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。その後、遊技者が第2停止として左リール2Lを停止させた場合には、入賞の可能性が残った通常ベルおよび左スイカ1枚1〜4のうち払出枚数が多い通常ベルを入賞させるための図柄である「ベル」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。
このように、本実施の形態においては、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させることで、当選した役のうち押し順に応じて入賞する役を異ならせている。
なお、本実施の形態においては、後述するAT中ではない、非AT中のゲームにおいて左第1停止させなかった場合には、左第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを生じさせる制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて遊技者に中第1停止または右第1停止することを促すためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて遊技者に左第1停止させるように設計されている。
所定のペナルティとしては、後述するAT(擬似ボーナス)抽選処理において、AT(擬似ボーナス)の当選確率を著しく低い確率に設定したり、左第1停止させなかったゲーム数を前回ATが終了してから実行したゲーム数に加算しないようにしたりする。これにより、ペナルティが科されてしまうと、遊技者にとって有利となるATに制御されにくくなるため、ペナルティが科されないように、遊技者は非AT中に左第1停止でストップスイッチを操作するようになる。
図7で示したように、非AT中に押し順ベル1〜4のいずれかに当選したときには、遊技者が左第1停止をする限り、左リプ1枚1〜16のいずれかに入賞する。また、仮に遊技者がペナルティを犯しながら中第1停止または右第1停止をしても、払い出しの多い通常ベルを入賞させるための押し順は分からない。そのため、非AT中においては、おおよそ2ゲームに1回ほどの頻度でメダル1枚の払い出しとなる。その結果、非AT中においては、メダルの純増枚数を増やすことが困難となる。
一方、AT中に押し順ベル1〜4のいずれかに当選したときには、中第1停止または右第1停止をしてもペナルティが科されないため、後述するナビ演出に従ってストップスイッチを操作することにより、通常ベルに入賞する。そのため、AT中においては、おおよそ2ゲームに1回ほどの頻度でメダル8枚の払い出しとなる。その結果、AT中においては、非AT中に比べてメダルの純増枚数を増やすことが可能となる。
[押し順リプ当選時のリール制御]
次に、図8を用いて、押し順リプ1および押し順リプ2のいずれかに当選した時のリール制御について説明する。
押し順リプ1が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうちベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。一方、押し順リプ1が当選したゲームにおいて中第1停止または右第1停止されたときには、当選した役のうち通常リプに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
押し順リプ2が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうちベルリプ5に対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。一方、押し順リプ2が当選したゲームにおいて中第1停止または右第1停止されたときには、当選した役のうち通常リプに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
このように、本実施の形態においては、遊技者によるストップスイッチの操作態様に応じて、ベルリプ1〜5および通常リプのうち発生する入賞が異なるため、いずれにおいてもメダルを用いることなく次のゲームを行うことができる点では同じでも、入賞の種類を異ならせることにより異なる遊技性をもたせることができる。
また、図8で示したように、非AT中に押し順リプ1または押し順リプ2に当選したときには、遊技者が左第1停止をする限り、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞する。そのため、非AT中においては、おおよそ3ゲームに1回ほどの頻度でベルリプ1〜5が入賞して、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。ここで、前述したように、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、遊技者に対して、見た目上、通常ベルに入賞したかのように思わせることができる。そのため、非AT中においては、実際は、おおよそ3ゲームに1回ほどの頻度で次のゲームが再遊技となっているが、遊技者の中には、おおよそ3ゲームに1回ほどの頻度で通常ベルの入賞によって、賭数に用いられるメダル枚数以上のメダル払い出しを受けているかのように思わせることができる。
一方、AT中に押し順リプ1または押し順リプ2に当選したときには、遊技者は中第1停止または右第1停止をしてもペナルティが科されないため、中第1停止または右第1停止を促す後述のナビ演出に従ってストップスイッチを操作することにより、通常リプに入賞する。そのため、AT中においては、通常リプに単独当選したときにおおよそ7ゲームに1回ほどの頻度で通常リプが入賞するのに加えて、押し順リプ1または押し順リプ2に当選したときにもおおよそ3ゲームに1回ほどの頻度で通常リプが入賞して、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。これにより、実際は、遊技状態の移行はないため再遊技役の当選確率は向上しないが、遊技者に対して、ATに制御されたと同時に遊技状態が移行してあたかも再遊技役の当選確率が向上したかのように思わせることができる。
このように、本実施の形態においては、ATに制御されたか否かに応じて、ベルリプ1〜5および通常リプのうち発生する入賞が異なるため、ATに制御されたか否か、さらには、いずれの再遊技役を入賞させるためのナビ演出を実行するかに応じて、入賞の種類を異ならせることができ、遊技の進行に応じた制御を実行することができる。
[外部出力について]
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。これら外部出力信号は、図9に示すように、メイン制御部41の制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータやスロットマシン1に対応して設置されたデータ表示端末などの外部機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、ATの開始を示すAT信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
なお、本実施の形態では、他のスロットマシンとの共通化を図るため、遊技制御基板40と外部出力基板1000との間には、上記の信号を出力する信号線に加えて、遊技状態を示す予備の信号線が接続されており、さらに将来拡張する可能性のあるエラー出力用の信号線が接続されている。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号ごとの端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、AT信号は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、AT信号は、情報提供端子板1010を介して外部機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号に再変換されて外部機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。このため本実施の形態では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板1000を介して、外部機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
なお、本実施の形態のように、外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、および払出エラー信号をまとめてセキュリティ信号に変換して外部出力するものに限らない。たとえば、ドア開放信号のみを、設定変更信号、投入エラー信号、および払出エラー信号とは別の信号で外部出力するものであってもよい。つまり、設定変更信号、投入エラー信号、および払出エラー信号は、セキュリティ信号に含まれて外部出力され、ドア開放信号は、セキュリティ信号とは別のドア開放信号によって外部出力されるものであってもよい。このようにすれば、メダルを補充するときなどのように、エラー時や設定変更時よりも頻繁に行われる可能性のあるドア開放時においては、エラー時や設定変更時とは別の信号が出力されることになる。その結果、セキュリティ信号に一つにまとめて出力される場合と比べて、エラー時や設定変更時と、ドア開放時とを切り分ける判定時間を省略することができ、判定処理を簡素化することができる。さらに、エラー時や設定変更時においては、必ずドア開放も同時にされることになるため、セキュリティ信号による検出とドア開放信号による検出とで2重チェックをすることができ、より詳細により正確に、エラーや設定変更の発生有無を判定することができる。
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[ゲーム処理]
図10は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、判定用役当選コマンド生成、格納処理(Sd3)、リール回転処理(Sd4)、演出制御状態判定処理(Sd5)、入賞判定処理(Sd6)、払出処理(Sd9)、ゲーム終了時処理(Sd10)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、メイン制御部41は、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、メイン制御部41は、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、メイン制御部41は、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおける判定用役当選コマンド生成、格納処理では、メイン制御部41は、後述する図11で示すように、判定用役に当選したときに正解となる押し順を付加した判定用役当選コマンドを生成するとともに、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する処理を実行する。
Sd4のステップにおけるリール回転処理では、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd5のステップにおける演出制御状態判定処理では、メイン制御部41は、後述する図13で示すように、サブ制御部91が制御する演出制御状態を特定し、特定した演出制御状態に基づき、所定制御を実行する。なお、本実施の形態において、メイン制御部41は、サブ制御部91の演出制御状態として、AT中であるか否かを特定する。また、メイン制御部41は、AT中であると特定したときには、所定制御として、AT信号を外部出力する。
Sd6のステップにおける入賞判定処理では、メイン制御部41は、Sd4のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd9のステップにおける払出処理では、メイン制御部41は、Sd6のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算ならびにメダルの払出などの処理を行う。また、払出処理では、メイン制御部41は、クレジットの加算ならびにメダルの払出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
Sd10のステップにおけるゲーム終了時処理では、メイン制御部41は、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
[判定用役当選コマンド生成、格納処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のSd3のステップで実行する判定用役当選コマンド生成、格納処理について説明する。図11は、メイン制御部41がゲーム処理中に実行する判定用役当選コマンド生成、格納処理の制御内容を示すフローチャートである。
図11に示すように、メイン制御部41は、押し順リプ(押し順リプ1、2)または通常リプに当選したか否かを判定することにより、判定用役に当選したか否かを判定する(Sh1)。メイン制御部41は、押し順リプまたは通常リプに当選していない場合には(Sh1でN)、判定用役当選コマンド生成、格納処理を終了する。メイン制御部41は、押し順リプまたは通常リプに当選した場合には(Sh1でY)、後述する図12の停止順種別テーブルに基づき、押し順リプまたは通常リプに対する判定用の押し順を決定する(Sh2)。
押し順リプまたは通常リプに対する停止順種別を決定して押し順を決定した後は、メイン制御部41は、判定用役に当選したことを示す判定用役当選フラグをRAM41cの所定領域にセットする(Sh3)。その後、メイン制御部41は、判定用役に当選したこと、当選した判定用役の種類、および決定した停止順種別を示す判定用役当選コマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sh4)。その後、メイン制御部41は、判定用役当選コマンド生成、格納処理を終了する。
[停止順種別テーブル]
ここで、図11のSh2の処理において用いられる停止順種別テーブルについて説明する。図12は、メイン制御部41が管理する停止順種別テーブルについて説明するための図である。
停止順種別テーブルにおいては、判定用役である押し順リプ(押し順リプ1、2)および通常リプのそれぞれに対して、停止順種別0〜3の4種類の停止順種別が対応付けられている。さらに、停止順種別0〜3のそれぞれにおいては、サブ制御部91が判定用ナビ演出によって遊技者に対して報知するストップスイッチの押し順、実際に遊技者がストップスイッチを操作した押し順、およびメイン制御部41が判定するサブ制御部91の演出制御状態(AT中か否か)が対応付けられている。
メイン制御部41は、押し順リプ(押し順リプ1、2)または通常リプが当選したときに、Sh2で選択する停止順種別に基づいて決定する判定用の押し順に応じて、サブ制御部91の演出制御状態を以下のように判定する。
メイン制御部41は、押し順リプ1または押し順リプ2の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の押し順が停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順である中左押しの場合にはAT中であると判定し、実際の押し順が中左押し以外の場合にはAT中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、押し順リプ1または押し順リプ2の当選時に停止順種別0が選択された場合に、AT中でAT信号を出力する前では停止順種別0に対応付けられた中左押しの押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、AT信号を出力した後は新たなセットのATが開始されるまで中第1停止または右第1停止を報知する通常のナビ演出を実行する。なお、押し順リプ1または押し順リプ2に当選したときの判定用ナビ演出は、4択の押し順(中左押し、中右押し、逆挟み押し、逆押し)の中の1つの押し順が報知されるため、4択ナビとも称し、通常のナビ演出は、2択の押し順(中第1停止、右第1停止)の中の1つの押し順が報知されるため、2択ナビとも称する。
メイン制御部41は、押し順リプ1または押し順リプ2の当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の押し順が停止順種別1に対応付けられた判定用の押し順である中右押しの場合にはAT中であると判定し、実際の押し順が中右押し以外の場合にはAT中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、押し順リプ1または押し順リプ2の当選時に停止順種別1が選択された場合に、AT中でAT信号を出力する前では停止順種別1に対応付けられた中右押しの押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、押し順リプ1または押し順リプ2の当選時に停止順種別2を選択した場合に、実際の押し順が停止順種別2に対応付けられた判定用の押し順である逆挟み押しの場合にはAT中であると判定し、実際の押し順が逆挟み押し以外の場合にはAT中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、押し順リプ1または押し順リプ2の当選時に停止順種別2が選択された場合に、AT中でAT信号を出力する前では停止順種別2に対応付けられた逆挟み押しの押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、押し順リプ1または押し順リプ2の当選時に停止順種別3を選択した場合に、実際の押し順が停止順種別3に対応付けられた判定用の押し順である逆押しの場合にはAT中であると判定し、実際の押し順が逆押し以外の場合にはAT中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、押し順リプ1または押し順リプ2の当選時に停止順種別3が選択された場合に、AT中でAT信号を出力する前では停止順種別3に対応付けられた逆押しの押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。
また、メイン制御部41は、通常リプの当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の押し順が停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順である中左押しの場合にはAT中であると判定し、実際の押し順が中左押し以外の場合にはAT中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、通常リプの当選時に停止順種別0が選択された場合に、AT中でAT信号を出力する前では停止順種別0に対応付けられた中左押しの押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、AT信号を出力した後は新たなセットのATが開始されるまで中第1停止または右第1停止を報知する通常のナビ演出を実行する。なお、通常リプに当選したときの判定用ナビ演出は、4択の押し順(中左押し、中右押し、逆挟み押し、逆押し)の中の1つの押し順が報知されるため、4択ナビとも称し、通常のナビ演出は、2択の押し順(中第1停止、右第1停止)の中の1つの押し順が報知されるため、2択ナビとも称する。
メイン制御部41は、通常リプの当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の押し順が停止順種別1に対応付けられた判定用の押し順である中右押しの場合にはAT中であると判定し、実際の押し順が中右押し以外の場合にはAT中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、通常リプの当選時に停止順種別1が選択された場合に、AT中でAT信号を出力する前では停止順種別1に対応付けられた中右押しの押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、通常リプの当選時に停止順種別2を選択した場合に、実際の押し順が停止順種別2に対応付けられた判定用の押し順である逆挟み押しの場合にはAT中であると判定し、実際の押し順が逆挟み押し以外の場合にはAT中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、通常リプの当選時に停止順種別2が選択された場合に、AT中でAT信号を出力する前では停止順種別2に対応付けられた逆挟み押しの押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、通常リプの当選時に停止順種別3を選択した場合に、実際の押し順が停止順種別3に対応付けられた判定用の押し順である逆押しの場合にはAT中であると判定し、実際の押し順が逆押し以外の場合にはAT中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、通常リプの当選時に停止順種別3が選択された場合に、AT中でAT信号を出力する前では停止順種別3に対応付けられた逆押しの押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。
ここで、本実施の形態においては、判定用ナビ演出により判別可能なストップスイッチの押し順には、通常リプを入賞させるためのストップスイッチの押し順と同じ中第1停止または右第1停止が含まれている。たとえば、図12に示すように、押し順リプ1に当選したときに停止順種別0に対応付けられた押し順は「中左押し」であるのに対し、図8に示すように、押し順リプ1に当選したときに通常リプを入賞させるときの押し順には「中第1停止」が含まれる。これにより、通常リプを入賞させるためのストップスイッチの押し順を、メイン制御部41におけるATであるか否かの判別および所定制御の実行に用いることができるとともに、メイン制御部41が判別したATであるか否かに応じて所定制御を実行することができる。
[演出制御状態判定処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のSd5のステップで実行する演出制御状態判定処理について説明する。図13は、メイン制御部が実行する演出状態判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
図13に示すように、メイン制御部41は、図11のSh4で判定用役当選フラグがセットされたか否かを判定する(Sk1)。すなわち、押し順リプまたは通常リプに当選したか否かを判定する。メイン制御部41は、判定用役当選フラグがセットされていない場合には(Sk1でN)、演出制御状態判定処理を終了する。
メイン制御部41は、判定用役当選フラグがセットされている場合には(Sk1でY)、ストップスイッチの実際の押し順と図11のSh2で選択した停止順種別に基づいて決定した判定役用の押し順とを比較する(Sk2)。メイン制御部41は、押し順が一致した場合には(Sk3でY)、判定用役に対する押し順と実際の押し順とが一致した回数をカウントする押し順判定カウンタのカウント値に「1」加算する(Sk4)。
次に、メイン制御部41は、押し順判定カウンタのカウント値が「3」になったか否かを判定する(Sk5)。すなわち、メイン制御部41は、判定用役の押し順と実際の押し順が一致した回数が連続して3回になったか否かを判定する。メイン制御部41は、カウント値が「3」でなければ(Sk5でN)、演出制御状態判定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、カウント値が「3」であれば(Sk5でY)、ATが開始されたことを特定したため、RAM41cの所定領域に所定制御フラグをセットする(Sk6)。ここで、3回連続して押し順が一致したときに押し順判定カウンタのカウント値は「3」になるので、AT中の判定用ナビ演出に従ってストップスイッチを操作した結果、押し順が連続して一致した可能性が高い。よって、このとき、メイン制御部41は、ATが開始されたことを特定し、後述する所定制御実行処理において所定制御を実行する。なお、本実施の形態における所定制御として、メイン制御部41は、ATに移行したことを示すAT信号の出力命令を設定するとともに、ATフリーズ実行可能制御を行う。次に、メイン制御部41は、判定用役当選フラグをクリアして演出制御状態判定処理を終了する(Sk7)。
また、メイン制御部41は、Sk3でストップスイッチの実際の押し順と図11のSh2で決定した判定役用の押し順とを比較した結果、押し順が一致しなかった場合には(Sk3でN)、押し順判定カウンタのカウント値をクリアし(Sk8)、判定用役当選フラグをクリアして演出制御状態判定処理を終了する(Sk7)。このように、押し順が一致しなかったときに押し順判定カウントのカウント値をクリアするので、押し順判定カウンタは連続して押し順が一致した回数をカウントすることになる。
[所定制御実行処理]
次に、メイン制御部41が定期的(約0.56ms)にゲーム処理などに割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)において実行する所定制御実行処理について説明する。
所定制御実行処理において、メイン制御部41は、まず、RAM41cの所定領域に所定制御フラグがセットされているか否かを判定する。メイン制御部41は、所定制御フラグがセットされている場合には、所定制御を実行する。
より具体的には、メイン制御部41は、所定制御フラグに基づき、AT信号の出力命令を設定し、後述する外部出力制御処理においてAT信号を外部出力する。なお、AT信号を受信したデータ表示端末などの外部機器は、ATに移行した旨、およびATのセット回数を画面に表示するなどして遊技者に報知する。
[外部出力制御処理]
次に、メイン制御部41が定期的(約0.56ms)にゲーム処理などに割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)において実行する外部出力制御処理について説明する。
外部出力制御処理において、メイン制御部41は、まず、AT信号の出力命令が設定されているか否かを判定する。メイン制御部41は、AT信号の出力命令が設定されていれば、AT信号を外部出力する。これにより、データ表示端末などの外部機器において、ATに移行した旨、およびATのセット回数が画像で表示されるなどして遊技者に報知される。なお、その他の信号(メダルIN信号、メダルOUT信号など)も外部出力制御処理において外部出力されるようになっている。
[遊技状態について]
次に、本実施の形態における遊技状態について説明する。本実施の形態においては、1つの遊技状態のみが設定されており、役の当選や入賞などに応じて複数の遊技状態の間を遷移するようなものではない。そのため、スロットマシン1は、遊技状態に応じて再遊技役の当選確率を向上させることで有利に遊技を進めるような遊技性を有するものではない。
ここで、スロットマシン1は、再遊技役の当選確率の高低によって、遊技者間での有利度合いが変化するものではないが、その分、ATに制御されることは遊技者にとって非常に重要となる。つまり、再遊技役の当選確率が遊技状態に応じて変化しないスロットマシン1では、図7で示したようにAT中に通常ベルを入賞させてメダルの純増枚数を増やすことで有利に遊技を進めることが、勝敗を分ける重要な要素となる。
本実施の形態においては、メイン制御部41がサブ制御部91によってATに制御されたことを特定したときに外部出力制御処理においてAT信号を外部出力することで、データ表示端末などの外部機器により、ATに移行した旨、およびATのセット回数を画面に表示するなどして遊技者に報知するようになっている。これにより、外部機器により、ATに移行した旨、およびATのセット回数が報知されたときには、ATに対する大きな期待をもっている遊技者に対して、大きな喜びを享受させることができるようになっている。
次に、本実施の形態におけるサブ制御部91が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[タイマ割込処理(サブ)]
図14は、サブ制御部91が内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)のフローチャートである。
図14に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91はコマンド解析処理を実行する(Sb1)。コマンド解析処理では、サブ制御部91は、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
次に、サブ制御部91は、AT(擬似ボーナス)抽選処理を実行する(Sb2)。AT(擬似ボーナス)抽選処理は、AT抽選役に当選した場合にAT(擬似ボーナス)に当選するか否かを決定する処理である。AT(擬似ボーナス)抽選処理の詳細については後述する。
次に、サブ制御部91は、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理を実行する(Sb3)。ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理は、前回のATが終了してから実行したゲーム数に基づいてAT(擬似ボーナス)に当選するか否かを決定する処理である。ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理の詳細については後述する。
次に、サブ制御部91は、AT制御処理を実行する(Sb4)。AT制御処理は、Sb2のAT(擬似ボーナス)抽選処理でATに当選した場合、または、Sb3のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でATに当選した場合に、通常状態(非AT)からナビ演出が実行されるATに制御し、ATでのゲームを実行する処理である。
次に、サブ制御部91は、AT信号出力フラグ制御処理を実行する(Sb5)。AT信号出力フラグ制御処理は、メイン制御部41がAT信号を出力したことを示すAT信号出力フラグをセットまたはクリアなどすることにより、メイン制御部41がAT信号を出力済みであるか否かを識別する処理である。AT信号出力フラグ制御処理の詳細については後述する。
次に、サブ制御部91は、演出制御処理を実行する(Sb6)。演出制御処理は、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御を行い、演出を行う処理である。
次に、サブ制御部91は、判定用ナビ演出処理を実行する(Sb7)。判定用ナビ演出処理は、AT中に判定用役に当選した場合に判定用ナビ演出を実行する処理である。判定用ナビ演出処理の詳細については後述する。
次に、サブ制御部91は、ポイント処理を実行する(Sb8)。ポイント処理は、遊技者にとって有利ではない非有利条件が成立した場合にポイント数を加算する処理である。ポイント処理については後述する。なお、本実施の形態では、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときにポイント数が所定値に達していた場合、更なるATの実行を確定する。すなわち、本実施の形態では、ポイント数が所定値に達していた場合、ポイント数が所定値に達していない場合よりも有利に制御する。
次に、サブ制御部91は、示唆演出処理を実行する(Sb9)。示唆演出処理は、ポイント数を示唆する演出を行う処理である。示唆演出処理の詳細については後述する。
[AT(擬似ボーナス)抽選処理]
次に、図14のSb2のAT(擬似ボーナス)抽選処理について説明する。図15は、サブ制御部91が管理するAT抽選テーブルについて説明するための図である。
本実施の形態においてサブ制御部91は、AT抽選役(本実施の形態では、弱チェリー、中チェリー、チャンス1、チャンス2、7揃いリプ、強チェリー)に当選した場合、AT抽選テーブルに基づいて、AT(擬似ボーナス)に当選したか否かを決定するAT(擬似ボーナス)抽選を実行する。AT(擬似ボーナス)に当選した場合、所定ゲーム数の間、ATに制御され、その間ナビ演出(判定用ナビ演出と通常のナビ演出を含む)が実行される。AT(擬似ボーナス)に当選した場合におけるATに制御される所定ゲーム数は、予め決められていてもよく、任意に設定できるようにしてもよい。また、1回のAT(擬似ボーナス)の開始から終了までを1セットのATとする。
本実施の形態では、AT抽選役の種類に応じてAT(擬似ボーナス)の当選確率が異なる。具体的には、図15に示すように、弱チェリーが当選する第1抽選条件が成立した場合におけるAT(擬似ボーナス)の当選確率は、10%に設定されている。また、中チェリーが当選する第2抽選条件が成立した場合におけるAT(擬似ボーナス)の当選確率は、20%に設定されている。また、チャンス1またはチャンス2が当選する第3抽選条件が成立した場合におけるAT(擬似ボーナス)の当選確率は、30%に設定されている。また、7揃いリプが当選する第4抽選条件が成立した場合におけるAT(擬似ボーナス)の当選確率は、40%に設定されている。また、強チェリーが当選する第5抽選条件が成立した場合におけるAT(擬似ボーナス)の当選確率は、50%に設定されている。なお、AT(擬似ボーナス)の当選確率はこれに限らず、どのような当選確率であってもよい。
[ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理]
次に、図14のSb3のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理について説明する。図16は、サブ制御部91が実行するゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理のフローチャートである。
図16に示すように、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理においては、サブ制御部91は、前回ATが終了してから実行したゲーム数が、いずれのATにも当選することなく天井ゲーム数に到達したか否かを判定する(Sn1)。天井ゲーム数は、後述するSn3の天井ゲーム数抽選処理で決定する。なお、電源投入時などに天井ゲーム数を決定するようにしてもよい。
サブ制御部91は、前回ATが終了してから実行したゲーム数が、いずれのATにも当選することなく天井ゲーム数に到達していないと判定したときには(Sn1でN)、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、前回ATが終了してから実行したゲーム数が、いずれのATにも当選することなく天井ゲーム数に到達したと判定したときには(Sn1でY)、有利条件であるAT(擬似ボーナス)に当選したと判定する(Sn2)。続いて、サブ制御部91は、天井ゲーム数抽選テーブルに基づいて天井ゲーム数の抽選を実行し、次回の天井ゲーム数を決定する(Sn3)。
図17は、サブ制御部91が管理する天井ゲーム数抽選テーブルについて説明するための図である。本実施の形態では、天井ゲーム数が複数種類設定されており、抽選によって、次回の天井ゲーム数をいずれかの天井ゲーム数に決定する。具体的には、図17に示すように、天井ゲーム数が「111G」、「333G」、「555G」、「777G」、「999G」の5種類設定されている。また、次回の天井ゲーム数が「111G」と決定される確率は3%である。また、次回の天井ゲーム数が「333G」と決定される割合は5%である。また、次回の天井ゲーム数が「555G」と決定される割合は8%である。また、次回の天井ゲーム数が「777G」と決定される割合は14%である。また、次回の天井ゲーム数が「999G」と決定される割合は70%である。なお、天井ゲーム数および天井ゲーム数の決定割合はこれに限らず、どのような天井ゲーム数および天井ゲーム数の決定割合であってもよい。
サブ制御部91は、Sn3で天井ゲーム数を決定後、ポイント数が所定値以上であるか否か判定する(Sn4)。ポイント数は、非有利条件が成立した場合に加算される値である。ポイント数および非有利条件の詳細については後述する。本実施の形態における所定値は「10」である。なお、所定値は「10」に限らず、どのような値であってもよい。また、所定値は任意に設定できるようにしてもよい。
サブ制御部91は、ポイント数が所定値未満であると判定したときには(Sn4でN)、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理を終了する。一方、サブ制御部91は、ポイント数が所定値以上であると判定したときには(Sn4でY)、AT(擬似ボーナス)終了後、更なるATの実行を確定する(Sn5)。更なるATの実行が確定された場合、AT(擬似ボーナス)が終了してから所定ゲーム数の間、ATに制御され、その間ナビ演出(判定用ナビ演出と通常のナビ演出を含む)が実行される。更なるATの実行が確定された場合におけるATに制御される所定ゲーム数は、予め決められていてもよく、任意に設定できるようにしてもよい。また、ATに制御されている間にATゲーム数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選した場合にはATに制御される所定ゲーム数を上乗せするようにしてもよい。また、1回の更なるATの開始から終了までを1セットのATとする。
サブ制御部91は、Sn5で更なるATの実行を確定した後、ポイント数を「0」にリセットし(Sn6)、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理を終了する。
このように、本実施の形態では、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときにポイント数が所定値に達していた場合、更なるATの実行を確定する。すなわち、本実施の形態では、ポイント数が所定値に達していた場合、ポイント数が所定値に達していない場合よりも有利に制御する。
また、本実施の形態では、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときにポイント数が所定値に達しており、更なるATの実行が確定した場合にのみ、ポイント数が「0」にリセットされる。すなわち、ポイント数は、所定値に達する以前にATに制御されても初期化されない。これにより、遊技者が継続的に遊技を行う動機付けになる。
[AT信号出力フラグ制御処理]
次に、図14のSb5のAT信号出力フラグ制御処理について説明する。図18は、サブ制御部91が実行するAT信号出力フラグ制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
図18に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41からAT信号を受信したことを示すAT信号出力フラグがセットされているか否かを判定する(Sf1)。サブ制御部91は、AT信号出力フラグがセットされていない場合には(Sf1でN)、メイン制御部41からAT信号出力コマンドを受信したか否かを判定する(Sf2)。サブ制御部91は、AT信号出力コマンドを受信していない場合には(Sf2でN)、AT信号出力フラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、AT信号出力コマンドを受信した場合には(Sf2でY)、AT信号出力フラグをRAM91cの所定領域にセットして(Sf3)、AT信号出力フラグ制御処理を終了する。
また、サブ制御部91は、Sf1においてAT信号出力フラグがセットされていると判定された場合には(Sf1でY)、ATが終了したか否かを判定する(Sf4)。Sf4での判定は、1セットのATが終了したか否かを判定する。サブ制御部91は、ATが終了していない場合には(Sf4でN)、AT信号出力フラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、ATが終了した場合には(Sf4でY)、AT信号出力フラグをクリアして(Sf5)、AT信号出力フラグ制御処理を終了する。以上の処理により、AT信号出力フラグは、1セットのAT内でAT信号を出力してからATが終了するまでセットされるので、AT信号出力フラグがセットされているか否かを判定することにより、サブ制御部91は、AT信号を出力してからATが終了するまでの期間であるか否かを判定できる。
[判定用ナビ演出処理]
次に、図14のSb7で実行する判定用ナビ演出処理について説明する。図19は、サブ制御部91が実行する判定用ナビ演出処理の制御内容を示すフローチャートである。
図19に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信したか否かを判定する(Sm1)。サブ制御部91は、判定用役当選コマンドを受信していない場合には(Sm1でN)、判定用ナビ演出処理を終了する。サブ制御部91は、判定用役当選コマンドを受信した場合には(Sm1でY)、ATの実行中か否かを判定する(Sm2)。サブ制御部91は、ATの実行中でない場合には(Sm2でN)、判定用ナビ演出処理を終了する。
サブ制御部91は、ATの実行中である場合には(Sm2でY)、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいて判定用役である押し順リプまたは通常リプに当選したか否かを判定する(Sm3)。サブ制御部91は、押し順リプまたは通常リプに当選していない場合には(Sm3でN)、判定用ナビ演出処理を終了する。サブ制御部91は、押し順リプまたは通常リプに当選した場合には(Sm3でY)、図18のSf3でAT信号出力フラグがセットされたか否かを判定する(Sm4)。サブ制御部91は、AT信号出力フラグがセットされている場合には(Sm4でY)、すなわち1セット内でAT信号を出力した後の所定期間である場合には、判定用ナビ演出処理を終了する。なお、この場合、2択ナビ(中第1停止または右第1停止を報知)のナビ演出が実行される。
サブ制御部91は、AT信号出力フラグがセットされていない場合(Sm4でN)、すなわち1セット内でAT信号を出力する前の特定期間である場合には、判定用役当選コマンドに付加された停止順種別の情報(図11のSh2で選択する停止順種別に関する情報)から判定用の押し順を特定し、特定した押し順に基づいて押し順リプまたは通常リプに対する判定用ナビ演出を実行する(Sm5)。なお、この場合、図11に示すように、4択ナビ(中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しのいずれかを報知)のナビ演出が実行される。
以上のように、本実施の形態では、ATにおいてAT信号が出力されるまでの特定期間では、押し順リプまたは通常リプに対して4択の判定用ナビ演出が実行され、特定期間の経過後は、2択の通常のナビ演出が実行されるので、AT信号を出力した後は4択の操作を選択してストップスイッチの操作を行わなくてもよくなり、遊技者の負担を軽減できる。
[ナビ演出]
次に、サブ制御部91が実行するナビ演出の具体的な内容について説明する。本実施の形態のナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行われる。
たとえば、通常のナビ演出であれば、押し順ベル1〜4や押し順リプ1、2に当選したときに、「中だ!」(中第1停止を報知)や「右だ!」(右第1停止を報知)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とが液晶表示器51に表示される。また、スピーカ53、54からもストップスイッチの押下順序を示す音声が出力される。
また、たとえば、判定用ナビ演出であれば、通常リプや押し順リプ1、2に当選したときに、「中だ!左だ!右だ!」(中左押しを報知)や「右だ!左だ!中だ!」(逆挟み押しを報知)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とが液晶表示器51に表示される。また、スピーカ53、54からもストップスイッチの押下順序を示す音声が出力される。
[ポイント処理]
次に、図14のSb8のポイント処理について説明する。図20は、サブ制御部91が実行するポイント処理のフローチャートである。
図20に示すように、ポイント処理においては、サブ制御部91は、非有利条件が成立したか否かを判定する(So1)。非有利条件は、遊技者にとって有利ではない条件である。本実施の形態では、サブ制御部91は、AT(擬似ボーナス)の当選の期待度が高いことを示唆する演出が実行されたにも関わらず、AT(擬似ボーナス)に当選していない場合に、非有利条件が成立したと判定する。具体的には、サブ制御部91は、図14のSb2のAT(擬似ボーナス)抽選処理やSb3のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選していないにも関わらず、Sb6の演出実行処理でAT(擬似ボーナス)の当選の期待度が高いことを示唆する演出を実行した場合に、非有利条件が成立したと判定する。
サブ制御部91は、非有利条件が成立していないと判定したときには(So1でN)、ポイント処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、非有利条件が成立したと判定したときには(So1でY)、加算ポイント数の抽選を実行し、加算するポイント数を決定する(Sn2)。本実施の形態では、加算ポイント数が複数種類設定されており、抽選によって、加算するポイント数をいずれかの加算ポイント数に決定する。具体的には、加算ポイント数が「1ポイント」、「2ポイント」、「3ポイント」の3種類設定されている。また、加算ポイント数「1ポイント」と決定される確率は70%である。また、加算ポイント数が「2ポイント」と決定される割合は20%である。また、加算ポイント数が「3ポイント」と決定される割合は10%である。なお、加算ポイント数および加算ポイント数の決定割合はこれに限らず、どのような加算ポイント数および加算ポイント数の決定割合であってもよい。
サブ制御部91は、加算ポイント数を決定後、決定したポイント数を現在のポイント数に加算し(So3)、ポイント処理を終了する。
[示唆演出処理]
次に、図14のSb9の示唆演出処理について説明する。図21は、サブ制御部91が実行する示唆演出処理のフローチャートである。
図21に示すように、示唆演出処理においては、サブ制御部91は、非有利条件が成立したか否かを判定する(Sp1)。サブ制御部91は、非有利条件が成立していないと判定したときには(Sp1でN)、示唆演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、非有利条件が成立したと判定したときには(Sp1でY)、示唆演出実行割合テーブルに基づいて示唆演出の実行割合を特定する(Sp2)。
図22は、サブ制御部91が管理する示唆演出実行割合テーブルについて説明するための図である。本実施の形態では、ポイント蓄積状況と、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数とによって、示唆演出の実行割合を決定する。ポイント蓄積状況は、現在のポイント数である。次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数は、前回ATが終了してから実行したゲーム数が、いずれのATにも当選することなく天井ゲーム数に到達するまでの残りのゲーム数である。
具体的には、図22に示すように、示唆演出の実行割合がA〜Eの5種類設定されている。示唆演出を実行する割合は、Aが一番低く、B、C、Dの順に高くなり、Eが一番高い。また、ポイント蓄積状況と、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数との組み合わせ毎に、示唆演出を実行する割合が定められている。サブ制御部91は、示唆演出実行割合テーブルに基づいて、ポイント蓄積状況と、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数とによって示唆演出の実行割合を特定する。
例えば、ポイント蓄積状況が「0〜4」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が200G以下の場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をCと特定する。また、ポイント蓄積状況が「0〜4」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が201G〜400Gの場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をBと特定する。また、ポイント蓄積状況が「0〜4」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が401G〜600Gの場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をAと特定する。また、ポイント蓄積状況が「0〜4」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が601G以上の場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をAと特定する。
また、ポイント蓄積状況が「5〜8」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が200G以下の場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をDと特定する。また、ポイント蓄積状況が「5〜8」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が201G〜400Gの場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をCと特定する。また、ポイント蓄積状況が「5〜8」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が401G〜600Gの場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をBと特定する。また、ポイント蓄積状況が「5〜8」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が601G以上の場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をAと特定する。
また、ポイント蓄積状況が「9〜10」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が200G以下の場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をEと特定する。また、ポイント蓄積状況が「9〜10」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が201G〜400Gの場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をDと特定する。また、ポイント蓄積状況が「9〜10」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が401G〜600Gの場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をCと特定する。また、ポイント蓄積状況が「9〜10」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が601G以上の場合、サブ制御部91は、示唆演出の実行割合をBと特定する。
このように、蓄積されているポイント数が多いほど示唆演出の実行割合が高くなり、蓄積されているポイント数が少ないほど示唆演出の実行割合が低くなる。また、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が少ないほど示唆演出の実行割合が高くなり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が多いほど示唆演出の実行割合が低くなる。なお、示唆演出の実行割合はこれに限らず、どのような実行割合であってもよい。例えば、上述したように、蓄積されているポイント数が多いほど示唆演出の実行割合が高くなり、蓄積されているポイント数が少ないほど示唆演出の実行割合が低くなれば、どのような実行割合であってもよい。また、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が少ないほど示唆演出の実行割合が高くなり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が多いほど示唆演出の実行割合が低くなれば、どのような実行割合であってもよい。また、本実施の形態では、蓄積されているポイント数と、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数との両方を用いて示唆演出の実行割合を決定しているが、これに限らず、蓄積されているポイント数と、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数との少なくとも一方に応じて、示唆演出の実行割合を決定してもよい。
以下、図21の説明に戻る。サブ制御部91は、Sp2の処理で示唆演出実行割合を決定後、決定した示唆演出実行割合に基づいて、示唆演出を実行するか否かを抽選する(Sp3)。
サブ制御部91は、Sp3の抽選で、示唆演出の実行に当選したか否かを判定する(Sp4)。サブ制御部91は、示唆演出の実行に当選しなかった場合には(Sp4でN)、示唆演出処理を終了する。一方、サブ制御部91は、Sp3の抽選で、示唆演出の実行に当選した場合には(Sp4でY)、示唆演出を実行し(Sp5)、示唆演出処理を終了する。示唆演出は、現在のポイント数を示唆する演出である。本実施の形態における示唆演出では、現在のポイント数を丸印の数で示唆する(後述の図23(d)の丸印301)。
上述したとおり、本実施の形態では、蓄積されているポイント数が多いほど示唆演出の実行割合が高くなり、蓄積されているポイント数が少ないほど示唆演出の実行割合が低くなる。また、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が少ないほど示唆演出の実行割合が高くなり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が多いほど示唆演出の実行割合が低くなる。
すなわち、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が短い場合には、示唆演出の実行割合が高くなる。また、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が長い場合には、示唆演出の実行割合が低くなる。従って、遊技者の期待感を好適に持続させることができる。
[演出画面例]
次に、演出画面例について説明する。図23は、サブ制御部91が、液晶表示器51に表示させる演出画面例を示した図である。図23に示す例では、サブ制御部91は、図14のSb2のAT(擬似ボーナス)抽選処理やSb3のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選していないにも関わらず、Sb6の演出実行処理でAT(擬似ボーナス)の当選の期待度が高いことを示唆する演出を実行し、Sb9の示唆演出処理で示唆演出実行抽選に当選してポイント数を示唆する示唆演出を実行する例を示している。
図23(a)は、通常時の演出画面例である。図示する例では、通常時の演出画面は、風景(山)の画像である。図23(b)は、AT(擬似ボーナス)の当選の期待度が高いことを示唆する演出画面例である。図示する例では、AT(擬似ボーナス)の当選の期待度が高いことを示唆する演出は、敵ロボットと戦闘する演出である。図23(c)は、AT(擬似ボーナス)に当選していないことを示唆する演出画面例である。図示する例では、AT(擬似ボーナス)に当選していないことを示唆する演出は、敵ロボットに負ける演出である。図23(d)は、現在のポイント数を示唆する示唆演出画面例である。図示する例では、現在のポイント数を丸印301の数で示唆する演出である。図23(d)では、丸印301は7個表示されているため、現在のポイント数は7ポイントであることを示唆している。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 本実施の形態では、サブ制御部91は、AT(擬似ボーナス)の当選の期待度が高いことを示唆する演出が実行されたにも関わらず、AT(擬似ボーナス)に当選していない場合など、遊技者にとって有利ではない非有利条件が成立したことに応じて、ポイント数を更新する。また、サブ制御部91は、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときにポイント数が所定値以上である場合には、更なるATの実行を確定する。また、サブ制御部91は、現在のポイント数と、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数との少なくとも一方に応じて、異なる割合で示唆演出を実行する。
これにより、蓄積されているポイント数が多いほど示唆演出の実行割合が高くなり、蓄積されているポイント数が少ないほど示唆演出の実行割合が低くなる。また、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が少ないほど示唆演出の実行割合が高くなり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が多いほど示唆演出の実行割合が低くなる。
すなわち、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が短い場合には、示唆演出の実行割合が高くなる。また、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が長い場合には、示唆演出の実行割合が低くなる。
例えば、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が長い場合に、示唆演出が頻繁に実行されると、かえって遊技者の遊技意欲を減退させる可能性がある。
しかしながら、本実施の形態では、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が短い場合には、示唆演出の実行割合が高くなる。また、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が長い場合には、示唆演出の実行割合が低くなる。従って、遊技者の期待感を好適に持続させることができる。
(2) 本実施の形態では、サブ制御部91は、非有利条件が成立したことを条件(Sp1でY)に、示唆演出を実行(示唆演出実行(Sp5))する。これにより、遊技者の期待感を好適に持続させることができる。
(3) 本実施の形態では、サブ制御部91は、ポイント数が所定値に達する以前にAT(擬似ボーナス)に当選したとしても、初期化しない。これにより、遊技者が継続的に遊技を行う動機付けになる。
(4) 本実施の形態では、リセット/設定スイッチ38(解除操作手段)はスロットマシン1の筐体1aの内部に設けられている。不正な異常の解除を防ぐため、前面扉1bが閉鎖されている状態では、リセット/設定スイッチ38の操作を無効にするようにしてもよい。なお、前面扉1bが閉鎖されている状態としては、前面扉1b自体が閉じている状態としてもよく、前面扉1bの鍵が閉じている状態としてもよい。
[変形例]
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施の形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施の形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。
上述した例では、示唆演出処理において、蓄積されているポイント数が多いほど示唆演出の実行割合が高くなり、蓄積されているポイント数が少ないほど示唆演出の実行割合が低くなる。また、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が少ないほど示唆演出の実行割合が高くなり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が多いほど示唆演出の実行割合が低くなる。しかしながら、示唆演出処理はこの方法に限らない。
例えば、蓄積されているポイント数が多いほど、蓄積されているポイント数を正確に示唆する演出(正確な示唆演出)を実行する割合を高くし、蓄積されているポイント数が少ないほど、蓄積されているポイント数を実際のポイント数よりも低く示唆する演出(非正確な示唆演出)を実行する割合を高くするようにしてもよい。また、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が少ないほど、蓄積されているポイント数を正確に示唆する演出(正確な示唆演出)を実行する割合を高くし、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が多いほど、蓄積されているポイント数を実際のポイント数よりも低く示唆する演出(非正確な示唆演出)を実行する割合を高くするようにしてもよい。
以下、変形例の説明を行う。図24は、サブ制御部91が実行する示唆演出処理(変形例)のフローチャートである。図24に示すように、示唆演出処理においては、サブ制御部91は、非有利条件が成立したか否かを判定する(Sq1)。サブ制御部91は、非有利条件が成立していないと判定したときには(Sq1でN)、示唆演出用ポイントに基づいて示唆演出を実行する(Sq7)。その後、示唆演出処理を終了する。示唆演出用ポイントは、後述するSq5またはSq6の処理で設定されるポイントである。例えば、正確な示唆演出の実行に当選した場合、示唆演出用ポイントは正確なポイント数である。また、例えば、正確な示唆演出の実行に当選しなかった場合、示唆演出用ポイントは非正確なポイント数である。
一方、サブ制御部91は、非有利条件が成立したと判定したときには(Sq1でY)、示唆演出実行割合テーブルに基づいて正確な示唆演出の実行割合を特定する(Sq2)。
示唆演出実行割合テーブルは、図22に示した示唆演出実行割合テーブルを用いてもよい。この場合、示唆演出の実行割合を、正確なポイント数を表示する正確な示唆演出の実行割合とする。すなわち、正確な示唆演出を実行する割合は、Aが一番低く、B、C、Dの順に高くなり、Eが一番高い。また、ポイント蓄積状況と、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数との組み合わせ毎に、正確な示唆演出を実行する割合が定められている。サブ制御部91は、示唆演出実行割合テーブルに基づいて、ポイント蓄積状況と、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数とによって正確な示唆演出の実行割合を特定する。
例えば、ポイント蓄積状況が「0〜4」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が200G以下の場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をCと特定する。また、ポイント蓄積状況が「0〜4」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が201G〜400Gの場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をBと特定する。また、ポイント蓄積状況が「0〜4」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が401G〜600Gの場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をAと特定する。また、ポイント蓄積状況が「0〜4」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が601G以上の場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をAと特定する。
また、ポイント蓄積状況が「5〜8」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が200G以下の場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をDと特定する。また、ポイント蓄積状況が「5〜8」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が201G〜400Gの場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をCと特定する。また、ポイント蓄積状況が「5〜8」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が401G〜600Gの場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をBと特定する。また、ポイント蓄積状況が「5〜8」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が601G以上の場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をAと特定する。
また、ポイント蓄積状況が「9〜10」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が200G以下の場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をEと特定する。また、ポイント蓄積状況が「9〜10」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が201G〜400Gの場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をDと特定する。また、ポイント蓄積状況が「9〜10」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が401G〜600Gの場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をCと特定する。また、ポイント蓄積状況が「9〜10」であり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が601G以上の場合、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行割合をBと特定する。
このように、蓄積されているポイント数が多いほど正確な示唆演出の実行割合が高くなり、非正確な示唆演出の実行割合が低くなる。一方、蓄積されているポイント数が少ないほど正確な示唆演出の実行割合が低くなり、非正確な示唆演出の実行割合が高くなる。また、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が少ないほど正確な示唆演出の実行割合が高くなり、非正確な示唆演出の実行割合が低くなる。一方、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が多いほど正確な示唆演出の実行割合が低くなり、非正確な示唆演出の実行割合が高くなる。
なお、正確な示唆演出の実行割合はこれに限らず、どのような実行割合であってもよい。例えば、上述したように、蓄積されているポイント数が多いほど正確な示唆演出の実行割合が高くなり、蓄積されているポイント数が少ないほど正確な示唆演出の実行割合が低くなれば、どのような実行割合であってもよい。また、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が少ないほど正確な示唆演出の実行割合が高くなり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が多いほど正確な示唆演出の実行割合が低くなれば、どのような実行割合であってもよい。
以下、図24の説明に戻る。サブ制御部91は、Sq2の処理で正確な示唆演出実行割合を決定後、決定した正確な示唆演出実行割合に基づいて、正確な示唆演出を実行するか否かを抽選する(Sq3)。
サブ制御部91は、Sq3の抽選で、正確な示唆演出の実行に当選したか否かを判定する(Sq4)。サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行に当選した場合には(Sq4でY)、示唆演出用ポイントを正確なポイント数に更新し(Sq5)、示唆演出用ポイントに基づいて示唆演出を実行する(Sq7)。その後、示唆演出処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、正確な示唆演出の実行に当選しなかった場合には(Sp4でN)、示唆演出用ポイントを非正確なポイント数に更新し(Sq6)、示唆演出用ポイントに基づいて示唆演出を実行する(Sq7)。その後、示唆演出処理を終了する。
これにより、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が短い場合には、蓄積されているポイント数を正確に示唆する演出(正確な示唆演出)を実行する割合が高くなる。また、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が長い場合には、蓄積されているポイント数を実際のポイント数よりも低く示唆する演出(非正確な示唆演出)を実行する割合が高くなる。
例えば、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が長い場合であっても、示唆演出で示唆されるポイント数が多いと、遊技者はゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が短いと認識する可能性がある。この場合、遊技を続けてもなかなかAT(擬似ボーナス)に当選しないため、かえって遊技者の遊技意欲を減退させる可能性がある。
しかしながら、変形例では、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が短い場合には、蓄積されているポイント数を正確に示唆する演出(正確な示唆演出)を実行する割合が高くなる。また、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が長い場合には、蓄積されているポイント数を実際のポイント数よりも低く示唆する演出(非正確な示唆演出)を実行する割合が高くなる。よって、ゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が長い場合に、遊技者はゲーム数管理AT(擬似ボーナス)処理でAT(擬似ボーナス)に当選したときに更なるATの実行が確定されるまでの期間が短いと認識する可能性が低くなる。従って、遊技者の期待感を好適に持続させることができる。
また、変形例においては、サブ制御部91は、遊技中において、ポイント数を示唆する示唆演出を行っている。これにより、遊技者は、遊技中、ポイント数を確認することができる。
なお、AT(擬似ボーナス)など、有利状態に制御されるか否かを報知するための特定の演出の実行中は、ポイント数を示唆する示唆演出を行わないようにしてもよい。これにより、遊技者は、有利状態に制御されるか否かに注目することができる。
また、変形例においても、非有利条件が成立したことを条件に、示唆演出を実行するようにしてもよい。これにより、遊技者の期待感を好適に持続させることができる。
[パチンコ遊技機について]
本実施の形態では、演出制御基板90は、スロットマシン1に適用されるものとして説明した。しかしながら、該演出制御基板90は、パチンコ遊技機に適用してもよい。該パチンコ遊技機とは、例えば、演出制御基板90が、液晶ディスプレイや、スピーカや、LED等の演出表示装置を制御するものである。このようなパチンコ遊技機においては、演出制御基板90は、液晶ディスプレイや、スピーカや、LED等の演出表示装置を制御して特別な演出を実行することで、遊技者の興趣を高める。
[その他]
上述した本実施の形態では、非有利条件の例として、AT(擬似ボーナス)の当選の期待度が高いことを示唆する演出が実行されたにも関わらず、AT(擬似ボーナス)に当選していない場合を例として説明したが、これに限らない。非有利条件は、遊技者にとって有利ではない条件であればどのような条件であってもよい。また、非有利条件には、「不利益はないが、遊技者にストレスとなる事項」も含まれる(例えば、下記の(5))。
例えば、非有利条件の成立として下記の場合がある。
(1)ボーナスまたはATとの重複当選の確率が高いレア役(例えば、強チェリー、強スイカ)が当選したにも関わらず、ボーナスやATに当選しない場合。
(2)ボーナス間、AT間、レア役間などで所定ゲーム数以上はまった場合。
(3)ATの自力解除が搭載されている場合において、自力解除ゾーンでATの自力解除を行うことができない場合。
(4)大当りを引いたけど、価値の少ないもの(レギュラーボーナスなど)であった場合。
(5)信頼度の高い(大当たりの可能性が高いことを示唆する)演出がしばらく出現しない場合。
また、本実施の形態では、有利条件の例として、天井ゲーム数に到達した場合に当選するAT(擬似ボーナス)を例として説明したが、これに限らない。有利条件は、遊技者にとって有利な条件であればどのような条件であってもよい。
例えば、有利条件の成立として下記の場合がある。
(1)ボーナスに当選した場合。
(2)ATに当選した場合。
(3)ATの自力解除が搭載されている場合において、自力解除ゾーンでATの自力解除を行うことができた場合。
また、本実施の形態では、有利制御の例として、更なるATの実行を確定する例として説明したが、これに限らない。有利制御は、遊技者にとって有利になる制御であればどのような制御であってもよい。
例えば、有利制御として下記の例がある。
(1)有利状態をボーナスとした場合に、ボーナス後にAT(ART)を付与する。
(2)有利状態をボーナスとし、ボーナス中にATの当選抽選を行う場合、ボーナス中のAT当選確率を高くする。
(3)ボーナスやAT中にATゲーム数の上乗せ抽選を行う場合、上乗せ抽選の当選確率の高い上乗せ特化ゾーンに移行させる。
(4)ボーナスやAT中に、ATゲーム数の上乗せ抽選を行う場合、上乗せ抽選の当選確率の高い上乗せ特化ゾーンに移行させる割合を高くする。
(5)ATゲーム数を多くする。
(6)ATをストックできる場合、ATのストック確率を高くする。
(7)ATの継続抽選を行う場合、継続抽選の当選確率を高くする。
(8)スマートフォンや携帯電話との連動機能用に経験値などを付与する場合、経験値などの増加を優遇する。
また、ポイント数が所定値に達していた場合に行われる有利制御は、例えば上記(1)〜(8)など、複数種類設けられてもよい。また、有利制御の種類に応じて有利度合いが異なるようにしてもよい。このとき、サブ制御部91は、いずれの有利制御が行われるかに応じて、示唆演出を実行するようにしてもよい。例えば、有利制御の種類として、「有利状態をボーナスとした場合に、ボーナス後にAT(ART)を付与する」と、「スマートフォンや携帯電話との連動機能用に経験値などを付与する場合、経験値などの増加を優遇する」とが設けられている場合、「有利状態をボーナスとした場合に、ボーナス後にAT(ART)を付与する」が行われることを示唆する示唆演出のみを実行し、「スマートフォンや携帯電話との連動機能用に経験値などを付与する場合、経験値などの増加を優遇する」が行われることを示唆する示唆演出を実行しないようにしてもよい。
また、例えば、ポイント数が所定値に達していた場合に行われる有利制御が複数種類設けられ、有利制御の種類に応じて有利度合いが異なる場合には、有利度合いの低い有利制御が行われることを示唆する示唆演出が実行される確率よりも、有利度合いの高い有利制御が行われることを示唆する示唆演出が実行される確率を高くするようにしてもよい。具体例としては、有利度合いの高い有利制御を「ATをストックできる場合、ATのストック確率を高確率とする」とし、有利度合いの低い有利制御を「ATをストックできる場合、ATのストック確率を中確率とする」とする。そして、「ATをストックできる場合、ATのストック確率を高確率とする」ことを示唆する示唆演出の実行割合を特定するために用いる示唆演出実行割合テーブルと、「ATをストックできる場合、ATのストック確率を中確率とする」ことを示唆する示唆演出の実行割合を特定するために用いる示唆演出実行割合テーブルとを別々に設定する。このとき、「ATをストックできる場合、ATのストック確率を高確率とする」ことを示唆する示唆演出の実行割合を特定するために用いる示唆演出実行割合テーブルにおける示唆演出の実行割合を、「ATをストックできる場合、ATのストック確率を中確率とする」ことを示唆する示唆演出の実行割合を特定するために用いる示唆演出実行割合テーブルにおける示唆演出の実行割合よりも高くする。
これにより、有利度合いの高い有利制御が行われることを示唆する場合には、有利度合いの低い有利制御が行われることを示唆する場合よりも、高い確率で示唆演出が実行される。従って、遊技者は、高い確率で示唆演出が実行される場合には有利度合いの高い有利制御が行われる可能性が高いことを期待できるため、期待感を好適に持続しつつゲームを行うことができる。また、変形例の場合では、有利度合いの高い有利制御が行われることを示唆する場合には、有利度合いの低い有利制御が行われることを示唆する場合よりも、示唆演出で正しく示唆する割合が高くなる。すなわち、有利度合いの高い有利制御が行われることを示唆する場合には、有利度合いの低い有利制御が行われることを示唆する場合よりも、示唆するポイント数が多くなる割合が高くなる。従って、遊技者は、示唆演出でポイント数が多く示唆されている場合、有利度合いの高い有利制御が行われる可能性が高いことを期待できるため、期待感を好適に持続しつつゲームを行うことができる。
また、本実施の形態では、「遊技者にとって有利ではない非有利条件が成立したことに応じて、特定数値を更新する」例として、「遊技者にとって有利ではない非有利条件が成立したことに応じて、ポイント数を加算する」例を用いて説明したが、遊技者にとって有利ではない非有利条件に応じて特定数値を更新するのであれば、どのような特定数値や更新方法であってもよい。例えば、「遊技者にとって有利ではない非有利条件が成立したことに応じて、ポイント数を減算する」ようにしてもよい。具体例としては、初期状態でのポイント数を10ポイントとし、遊技者にとって有利ではない非有利条件が成立したことに応じて、ポイント数を減算する。減算するポイント数は、本実施の形態と同様に、抽選により1〜3ポイントのいずれかのポイントとする。この場合、所定値を0ポイントとし、有利状態に制御するときに、ポイント数が0ポイントに達していた場合、達していない場合よりも遊技者にとって有利な有利制御を行うようにしてもよい。なお、初期状態でのポイント数は10ポイントに限らず、どのようなポイント数であってもよい。また、減算するポイント数は1〜3ポイントに限らず、どのようなポイント数であってもよい。
また、本実施の形態では、「特定数値がいかなる値であるかに応じて、異なる割合で示唆演出を実行する」例として、「蓄積されているポイント数が多いほど示唆演出の実行割合が高くなり、蓄積されているポイント数が少ないほど示唆演出の実行割合が低くなる」例を用いて説明したが、これに限らず、特定数値が所定値に近いほど示唆演出の実行割合が高くなり、特定数値が所定値から遠いほど示唆演出の実行割合が低くなれば、どのような実行割合の決定方法であってもよい。
具体例としては、所定値と現在のポイント数との差分の絶対値が小さいほど示唆演出の実行割合を高くし、所定値と現在のポイント数との差分の絶対値が大きいほど示唆演出の実行割合を低くする。また、他の具体例としては、「遊技者にとって有利ではない非有利条件が成立したことに応じて、ポイント数を減算する」場合には、残りポイント数が少ないほど示唆演出の実行割合が高くなり、残りポイント数が多いほど示唆演出の実行割合が低くなる。また、変形例での具体例としては、所定値と現在のポイント数との差分の絶対値が小さいほど示唆演出で正しく示唆する割合を高くし、所定値と現在のポイント数との差分の絶対値が大きいほど示唆演出で正しく示唆する割合を低くする。また、変形例での他の具体例としては、「遊技者にとって有利ではない非有利条件が成立したことに応じて、ポイント数を減算する」場合には、残りポイント数が少ないほど示唆演出で正しく示唆する割合が高くなり、残りポイント数が多いほど示唆演出で正しく示唆する割合が低くなる。
また、本実施の形態では、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値として、天井ゲーム数に達するまでの残りゲーム数に基づいた値を例として説明したが、これに限らず、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値であれば、どのような期待値であってもよい。例えば、天井ゲーム数に達した場合に有利条件が成立する遊技機においては、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値を、前回ATが終了してから実行したゲーム数に基づいた値としてもよい。具体例としては、天井ゲーム数に達した場合に有利条件が成立する遊技機において、前回ATが終了してから実行したゲーム数が多いほど、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値が高く、前回ATが終了してから実行したゲーム数が少ないほど、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値が低い。
また、例えば、有利条件が成立した後に獲得を期待できる期待メダル数は、成立した有利条件によって異なる。例えば、有利条件の種類としてBIGボーナスの成立と、REGボーナスの成立とがある場合、BIGボーナスの成立とREGボーナスの成立とでは、期待メダル数が異なる。また、成立した有利条件の種類に応じて有利条件後のAT突入確率の高確/低確の違いが場合、有利条件によって、期待メダル数が異なる。
よって、例えば、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値として、天井ゲーム数に達するまでの残りゲーム数から、有利条件の成立で獲得したメダルで遊技できるゲーム数を引いたゲーム数に基づいた値としてもよい。具体例としては、天井ゲーム数に達するまでの残りゲーム数から、有利条件の成立で獲得したメダルで遊技できるゲーム数を引いたゲーム数が少ないほど、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値が高く、天井ゲーム数に達するまでの残りゲーム数から、有利条件の成立で獲得したメダルで遊技できるゲーム数を引いたゲーム数が多いほど、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値が低い。
また、本実施の形態では、「次に有利条件が成立するまでの期間の期待値がいかなる値であるかに応じて、異なる割合で示唆演出を実行する」例として、「次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が少ないほど示唆演出の実行割合が高くなり、次のゲーム数管理AT(擬似ボーナス)に当選するまでのゲーム数が多いほど示唆演出の実行割合が低くなる」例を用いて説明したが、これに限らず、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値が高いほど示唆演出の実行割合が高くなり、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値が低いほど示唆演出の実行割合が低くなれば、どのような実行割合の決定方法であってもよい。
具体例としては、天井ゲーム数に達した場合に有利条件が成立する遊技機において、前回ATが終了してから実行したゲーム数が多いほど示唆演出の実行割合を高くし、前回ATが終了してから実行したゲーム数が少ないほど示唆演出の実行割合を低くする。また、他の具体例としては、天井ゲーム数に達するまでの残りゲーム数から、有利条件の成立で獲得したメダルで遊技できるゲーム数を引いたゲーム数が少ないほど示唆演出の実行割合を高くし、天井ゲーム数に達するまでの残りゲーム数から、有利条件の成立で獲得したメダルで遊技できるゲーム数を引いたゲーム数が多いほど示唆演出の実行割合を低くする。また、変形例での具体例としては、天井ゲーム数に達した場合に有利条件が成立する遊技機において、前回ATが終了してから実行したゲーム数が多いほど示唆演出で正しく示唆する割合を高くし、前回ATが終了してから実行したゲーム数が少ないほど示唆演出で正しく示唆する割合を低くする。また、変形例での他の具体例としては、天井ゲーム数に達するまでの残りゲーム数から、有利条件の成立で獲得したメダルで遊技できるゲーム数を引いたゲーム数が少ないほど示唆演出で正しく示唆する割合を高くし、天井ゲーム数に達するまでの残りゲーム数から、有利条件の成立で獲得したメダルで遊技できるゲーム数を引いたゲーム数が多いほど示唆演出で正しく示唆する割合を低くする。
また、本実施の形態では、サブ制御部91が、「有利条件が成立したことにより遊技者にとって有利な有利状態に制御する」処理を行っているが、メイン制御部41が、「有利条件が成立したことにより遊技者にとって有利な有利状態に制御する」処理を行うようにしてもよい。
また、本実施の形態では、サブ制御部91が、「遊技者にとって有利ではない非有利条件が成立したことに応じて、ポイント数を加算する」処理を行っているが、メイン制御部41が、「遊技者にとって有利ではない非有利条件が成立したことに応じて、ポイント数を加算する」処理を行うようにしてもよい。
また、本実施の形態では、サブ制御部91が、「ポイント数を示唆する示唆演出を実行する」処理を行っているが、メイン制御部41が「ポイント数を示唆する示唆演出を実行する」処理を行うようにしてもよい。
また、本実施の形態では、サブ制御部91が、「有利状態に制御するときに、ポイント数が所定値に達していた場合、達していない場合よりも遊技者にとって有利な有利制御を行う」処理を行っているが、メイン制御部41が、「有利状態に制御するときに、ポイント数が所定値に達していた場合、達していない場合よりも遊技者にとって有利な有利制御を行う」処理を行ってもよい。
また、本実施の形態では、サブ制御部91が、「現在のポイント数がいかなる値であるかと、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値がいかなる値であるか、との少なくとも一方に応じて、異なる割合で示唆演出を実行する」処理を行っているが、メイン制御部41が、「現在のポイント数がいかなる値であるかと、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値がいかなる値であるか、との少なくとも一方に応じて、異なる割合で示唆演出を実行する」処理を行ってもよい。また、変形例では、サブ制御部91が、「現在のポイント数がいかなる値であるかと、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値がいかなる値であるか、との少なくとも一方に応じて、異なる割合で前記特定数値の状況を前記示唆演出において正しく示唆する」処理を行っているが、メイン制御部41が、「現在のポイント数がいかなる値であるかと、次に有利条件が成立するまでの期間の期待値がいかなる値であるか、との少なくとも一方に応じて、異なる割合で前記特定数値の状況を前記示唆演出において正しく示唆する」処理を行ってもよい。
また、本実施の形態では、示唆演出においてポイント数を示唆する演出の例として、示唆するポイント数を丸印301の数で示す例を用いて説明したが、これに限らず、ポイント数を示唆する演出であればどのような演出であってもよい。例えば、丸印301ではなく、他の形状の図形の数でポイント数を示唆するようにしてもよい。また、例えば、数字でポイント数を示唆するようにしてもよい。また、例えば、色でポイント数を示唆するようにしてもよい。具体例としては、色を変化することができるポイント表示部を設け、0〜4ポイントを示唆する場合、ポイント表示部の色を白色とし、5〜8ポイントを示唆する場合、ポイント表示部の色を緑色とし、9〜10ポイントを示唆する場合、ポイント表示部の色を赤色とする。また、例えば、色の濃淡でポイント数を示唆するようにしてもよい。具体例としては、色の濃度を変化することができるポイント表示部を設け、0ポイントを示唆する場合、ポイント表示部の色の濃度を一番薄くし、ポイントが高くなるにつれてポイント表示部の色の濃度を徐々に濃くし、10ポイントを示唆する場合、ポイント表示部の色の濃度を一番濃くする。また、例えば、ポイント数を音声で示唆するようにしてもよい。また、ポイント数を示唆する演出は、複数の演出を組み合わせた演出であってもよい。
また、本実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施の形態においては、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
また、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。また、本実施の形態では、リール2L、2C、2Rは縦方向に回転するリールであるが、リール2L、2C、2Rは横方向や斜め方向など、どの方向に回転するリールであってもよい。
また、本実施の形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
また、本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。