本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。
[遊技用システムの構成]
図1は、本発明が適用された本実施の形態における遊技用システムの構成を示す図である。本実施の形態の遊技用システムは、図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設された複数の機種のスロットマシン1と、スロットマシン1に対して1対1に対応設置されたデータカウンタ200と、各スロットマシン1の遊技情報を収集する収集ユニット50と、収集ユニット50において収集された各遊技情報に基づく遊技情報データをホールコンピュータ140に中継する中継ユニット60と、各中継ユニット60において中継された遊技場に設置されている各スロットマシン1の遊技情報を含む遊技情報データを受信し、受信した遊技情報データに含まれる各スロットマシン1の遊技情報などを管理するホールコンピュータ140とを含む。
本実施の形態における遊技島には、図1に示すように、その側面に複数のスロットマシン1が設置されているとともに、データカウンタ200が、対応するスロットマシン1の上方位置に設けられている。本実施の形態に用いたデータカウンタ200は、通常のランプの点灯機能に加えて、その前面に表示部を有することで、各種の遊技情報やメッセージなどの表示機能を有している。
また、本実施の形態のスロットマシン1と収集ユニット50とは、図1に示すように信号ケーブル59を介して接続されており、各収集ユニット50は、さらに通信ケーブル61を介して中継ユニット60と接続されている。これら収集ユニット50と中継ユニット60とは、簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、収集ユニット50が各スロットマシン1から出力される後述する各種の信号の入力により収集した遊技情報含む遊技情報データや、遊技状態履歴(状態別データ)を含む遊技状態履歴データを送信するようになっている。
さらに、これら各中継ユニット60は、ハブ57を介して通信ケーブル58でホールコンピュータ140に接続されていて、中継ユニット60とホールコンピュータ140とが、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされており、中継ユニット60において各収集ユニット50から送信された送信データが中継されてホールコンピュータ140に送信されることで、ホールコンピュータ140が各スロットマシン1に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
また、本実施の形態のデータカウンタ200も、収集ユニット50と同様に中継ユニット60を介してホールコンピュータ140に接続されており、これら中継ユニット60を介してデータカウンタ200とホールコンピュータ140とが、双方向のデータ通信を実施できるようになっており、各データカウンタ200が対応するスロットマシン1の機種設定や、遊技情報に関する各種の条件設定などをホールコンピュータ140において実施できるようになっている。
[スロットマシンの構成]
まず、本実施の形態に用いたスロットマシン1について以下に説明すると、本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図3に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図2に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図4に示すように、それぞれ「ベル」、「リプレイ」、「スイカA」、「白7」、「黒BAR」、「チェリー」、「スイカB」、「ブランク」、「白BAR」、および「黒7」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ20個ずつ描かれている。「ベル」の図柄は、全体的に黄色の絵柄となり、「スイカA」および「スイカB」の図柄は、全体的に緑色の絵柄となり、「チェリー」の図柄は、全体的に赤色の絵柄からなる。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネルの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。上記の複数種類の図柄は、各々他の図柄と外形が異なる図柄である。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図5参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9と、クレジット(賭数の設定に使用可能な遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(上限数:本実施の形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6と、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10と、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7と、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rと、演出に用いるための演出用スイッチ56とが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
前面扉1bには、さらに、クレジットの範囲内において遊技状態に応じてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5がMAXBETスイッチ6に並べて設けられている(図2においては図示省略。図5参照)。なお、1枚BETスイッチ5は設けられていないものであってもよい。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。
また、本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する手順(押し順ともいう)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
前面扉1bには、ペイアウト表示器13が設けられている。ペイアウト表示器13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11と、役の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12と、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14と、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15と、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16と、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17と、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18と、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過せずにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19と、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20とが設けられている。
1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図5参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図5参照)がそれぞれ設けられている。また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23と、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24と、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aと、自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36bと、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図3参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30と、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31(流路切替ソレノイド30よりもホッパータンク34a側(下流側)に配置)を有するメダルセレクタ(図示略)と、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図5参照)とが設けられている。
投入メダルセンサ31は、メダルを検出可能なセンサを複数(たとえば3つ)備えており、これら複数のセンサが投入されたメダルを所定の順(上流側のセンサから順)に検出可能となるように構成されている。メイン制御部41は、これら複数のセンサによる検出結果が、メダル投入部4から投入されたメダルを所定の順で検出されたときの検出結果(適正な検出結果ともいう)となったことにより、投入メダルセンサ31により投入メダルが検出あるいは投入メダルの通過が検出されたと判定する。
筐体1a内部には、図3に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図5参照)からなるリールユニットと、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000と、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34と、電源ボックス100とが設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37と、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38と、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39とが設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図2参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1が有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが後述する小役や再遊技役などの図柄組合せであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄を結ぶ入賞ラインL1のみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。たとえば、入賞ラインは、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄を結ぶ入賞ラインL2と、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄を結ぶ入賞ラインL3と、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄を結ぶ入賞ラインL4と、左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄を結ぶ入賞ラインL5とを含んでいてもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして、全てのリール2L、2C、2Rが停止されたときにおいて、有効化された入賞ラインL1に小役を発生させる図柄の組合せが停止していないときには、当該停止時に1ゲームが終了する。一方、有効化された入賞ラインL1に小役を発生させる図柄の組合せが停止しているときには、その小役の入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与(クレジット加算、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合にはメダル払出口9(図1参照)からメダル払い出し)されて、1ゲームが終了する。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器51などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図5は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図5に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
また、電源基板101には、ホッパーモータ34bと、払出センサ34cと、満タンセンサ35aと、設定キースイッチ37と、リセット/設定スイッチ38と、電源スイッチ39とが接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5と、MAXBETスイッチ6と、スタートスイッチ7と、ストップスイッチ8L、8C、8Rと、精算スイッチ10と、リセットスイッチ23と、打止スイッチ36aと、自動精算スイッチ36bと、投入メダルセンサ31と、ドア開放検出スイッチ25と、リールセンサ33L、33C、33Rとが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34cと、満タンセンサ35aと、設定キースイッチ37と、リセット/設定スイッチ38とが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11と、遊技補助表示器12と、1〜3BETLED14〜16と、投入要求LED17と、スタート有効LED18と、ウェイト中LED19と、リプレイ中LED20と、BETスイッチ有効LED21と、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rと、設定値表示器24と、流路切替ソレノイド30と、リールモータ32L、32C、32Rとが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、およびI/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41と、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成である。なお、演出装置は、これに限らず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、およびリールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視して電圧低下を検出したときにその旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路などが搭載されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
また、液晶表示器51は、演出画面が表示される領域とは別の領域(たとえば、液晶表示器51の画面上における全表示領域のうち左上隅の領域)に表示ゲーム数を表示する。表示ゲーム数とは、ゲーム消化に応じて更新表示されるゲーム数のことである。また、表示ゲーム数の更新には、通常更新および不利更新がある。通常更新とは、1ゲーム消化する毎に表示ゲーム数を1増加させる更新のことであり、このような制御を通常更新制御という。不利更新とは、1ゲーム消化する毎に表示ゲーム数を10減少させる更新のことであり、このような制御を不利更新制御という。なお、本実施の形態では、表示ゲーム数の最小値(初期値)を「0」とし、最大値を「1000」とする。表示ゲーム数は、到達ゲーム数である1000ゲームに到達すると0に戻る(初期化される)。
本実施の形態では、サブCPU91aは、現在のゲーム数の情報をRAM91cに記憶させる制御を行うとともに、表示制御回路92は、RAM91cに記憶されているゲーム数の情報に基づいて、表示ゲーム数を液晶表示器51に表示させるようになっている。そして、通常更新制御または不利更新制御が行われる度に、サブCPU91aは、RAM91cに記憶されているゲーム数の情報に対して、行われた更新制御を反映させつつ、更新制御が反映されたゲームの情報から特定される表示ゲーム数を液晶表示器51に表示させるようになっている。
また、後述するように、表示ゲーム数が到達ゲーム数である1000ゲームに到達すると、所定の特典としてナビストックが付与される。よって、表示ゲーム数が到達ゲーム数に近づくように(増加するように)表示ゲーム数が更新される通常更新制御が実行された場合には遊技者は有利となるが、表示ゲーム数が到達ゲーム数から遠ざかるように(減少するように)表示ゲーム数が更新される不利更新制御が実行された場合には遊技者は不利となる。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させるようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
[電断処理]
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断処理(サブ)を実行する。電断処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、サブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データなど、初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数など、初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
[入賞ライン]
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1が有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ラインL1上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、遊技用価値(メダル、クレジットなど)を用いた賭数の設定を行わずとも入賞したゲームで設定されていた賭数を自動設定させることにより次のゲームを行うことが可能な再遊技役とがある。なお、本実施の形態では、小役と再遊技役のみを備える構成であるが、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役(ビッグボーナス、チャレンジボーナスなど)を備えていてもよい。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。特別役を備える場合、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。
[内部抽選]
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとにラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。なお、内部当選フラグ格納ワークに設定された当選フラグは、1ゲームごとにクリアされる。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、セキュリティチェックプログラムに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においてはインデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスとからなる。リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているかによって異なる場合がある。さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてそれぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスからそれぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した20の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜20の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も20であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜20の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から20番図柄に対して、それぞれ1〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まずリール回転開始時においてはそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(たとえば、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
[送信コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、フリーズ解除コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、判定用役当選コマンド、およびAT信号出力コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を特定できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数(すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数)、および、BET音の出力の有無を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるため、サブ制御部91では、BETコマンドを受信することで、賭数の設定操作がなされたこと、賭数、および、BET音の出力の有無を特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数、および、出力する音の種類(BET音かクレジット音)を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるため、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、フリーズ(ゲームの進行を所定時間遅延させる制御状態)の開始を特定可能なコマンドであり、フリーズの開始時に送信される。フリーズ解除コマンドは、実行中のフリーズを解除したことを特定可能なコマンドであり、フリーズの解除時に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるため、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインL1に揃った図柄の組合せ、入賞の有無、ならびに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始、および、精算の種類を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、打止状態が開始した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間ごとに送信される。
判定用役当選コマンドは、判定用役(本実施の形態においては、押し順リプ1〜3、通常リプ)に当選したこと、および当選した判定用役の種類を示すコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されて判定用役に当選した場合にゲームが開始したときにコマンドバッファに格納された後送信される。
ここで、判定用役とは、当選したときにメイン制御部41により所定の停止順種別が抽選によって決定される役であり、メイン制御部41は、停止順種別によって特定される押し順と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解したことを特定する。なお、判定用役当選コマンドには停止順種別を示す情報も付加される。本実施の形態においては、判定用役として、押し順リプ1〜3および通常リプが定められている。
AT信号出力コマンドは、AT(アシストタイム)への制御を示すAT信号を外部出力したことを示すコマンドであり、AT信号の出力命令を設定した際にコマンドバッファに格納された後送信される。
ATとは、後述するナビストックを獲得することにより、所定ゲーム数の間、遊技者にとって有利となるナビ演出が実行される期間のことである。ナビ演出とは、AT中に所定の役に当選したときに、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を想起させるメッセージが、液晶表示器51に表示されたり、スピーカ53、54によって音声出力されたりする演出のことである。遊技者は、このナビ演出に従ってストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、純増枚数を増やせるなど有利に遊技を進めることができるようになっている。
本実施の形態におけるナビ演出には、判定用ナビ演出と通常のナビ演出とが含まれている。判定用ナビ演出とは、メイン制御部41がAT中であるか否かを判定するために用いられるナビ演出であり、通常のナビ演出とは、判定用ナビ演出とは異なりAT中であるか否かを判定するためには用いられず、主に遊技者を有利にさせるためのナビ演出である。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路の送信データレジスタに転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、ドアコマンド格納領域に格納される。ドアコマンド格納領域には、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド格納領域に格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。
なお、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときにドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理においてコマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することでサブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行されるごとに、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、シリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信される。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、BETコマンドのうちBETコマンド(BET音あり)を受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、通常リプが入賞して賭数が設定されたときにも演出をキャンセルさせることができる。また、サブ制御部91は、BETコマンドのうちBETコマンド(BET音あり)を受信したときに、賭数に応じた回数分、所定のBET音(たとえば「ピッ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。これにより、賭数が設定されたことや、通常リプに入賞したことを気付かせやすくすることができる。
一方、BETコマンドのうちBETコマンド(BET音なし)を受信したときには、BET音をスピーカ53、54から出力させることなく、かつ実行中の演出を中止することなく継続させるようになっている。これにより、「リプレイ」以外の図柄を構成図柄に含み、無効ライン上にベルが揃うベルリプなどが入賞したときには、遊技者がリプレイ入賞したことに気付かない可能性が通常リプよりも高くなるようにすることができ、さらにそのような場合にまで演出が中断されてしまうことを防止することができる。なお、BETコマンドを受信したときには、その種類にかかわらず、実行中の演出をキャンセルさせるとともに、BET音を出力させるようにしてもよい。
また、サブ制御部91は、クレジットコマンドのうちクレジットコマンド(通常)を受信したときに、所定のクレジット音(たとえば「ダ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。これにより、クレジットされたことを気付かせやすくすることができる。
また、サブ制御部91は、クレジットコマンドのうちクレジットコマンド(BET音あり)を受信したときには、BET音と同じ音(たとえば「ピッ!」という効果音)をスピーカ53、54から出力させる。クレジットコマンド(BET音あり)を受信したときには、入賞したことに気付き難いベルリプによるリプレイ入賞後である場合に当該リプレイ入賞に気付かずに遊技者が賭数設定のためにメダルを投入したとしても、BET音が出力される。これにより、遊技者が賭数設定のためにメダルを投入したときにBET音が出力されないことによる不信感や違和感を抱かせてしまう不都合の発生を防止することができる。
また、ベルリプによるリプレイ入賞により賭数が設定されたとしても、実行中の演出が継続されるため、クレジットコマンド(BET音あり)を受信したときにも当該演出が実行されている場合がある。この場合には、当該クレジットコマンド(BET音あり)を受信することにより、当該演出が途中でキャンセルされる。
また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、精算を通知する払出開始コマンドを受信した場合には、原則として、実行中の演出を中止して、演出状態(液晶表示器51の表示状態、スピーカ53、54からの効果音など)を客待ち状態にする。クレジットや賭数の精算を行うのは遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
しかし、精算を通知する払出開始コマンドのうち、リプレイゲームにおけるクレジット精算を通知する払出開始コマンドを受信したときには、リプレイ入賞により設定された賭数が残存しており、以降において少なくとも1ゲームが行われるため、実行中の演出をその後も継続するようになっている(客待ち状態にもならない)。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されている。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41から特定のコマンドを受信した場合に、特定のコマンドに対応する制御パターンによる演出を行う。たとえば、エラーコマンドを受信した場合に、エラー状態に対応する制御パターンにてエラー報知演出を行い、待機コマンドを受信した場合に、待機状態を示すデモ演出を行う。
また、サブ制御部91は、操作検出コマンドから特定される1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)を時系列にて複数個バッファしておくとともに、これらバッファされている1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)に基づいて、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態が変化したか否かを特定可能とされている。これらの検出状態の変化を特定することで、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作状況を特定できるようになっている。
また、本実施の形態において、サブ制御部91は、AT中にメイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信した場合に、判定用ナビ演出処理を実行する。メイン制御部41は、この判定用ナビ演出に従って遊技者が操作したストップスイッチの押し順に基づき、AT中であるか否かを判定することができるようになっている。
また、本実施の形態において、サブ制御部91は、メイン制御部41からAT信号出力コマンドを受信した場合に、図24に示すAT信号出力フラグ制御処理を実行する。AT信号出力フラグは、AT信号が出力されたことを示すフラグであり、サブ制御部91はAT信号出力フラグがセットされているか否かによって、AT中にAT信号が出力されたか否かを識別する。そして、AT中にAT信号が出力されるまでは判定用ナビ演出を実行し、AT信号の出力後以降は判定用ナビ演出ではなく、通常のナビ演出を実行する。
[入賞役]
本実施の形態のスロットマシン1においては、入賞ラインL1上に役を構成する図柄が揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
図6は、小役の種類、小役の図柄組合せ、払出枚数、および小役に関連する技術事項について説明するための図である。図7は、再遊技役の種類、再遊技役の図柄組合せ、作動、および再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。
図6を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、通常ベル、左スイカ1枚1〜8、左リプ1枚1〜16、チェリー1〜3、スイカ1〜8、チャンス1、2、および1枚1〜3が含まれる。小役は、入賞ラインL1において、図6に示す各々の役に対応する図柄の組合せが揃ったときに入賞となる。
たとえば、通常ベルは、入賞ラインL1上に「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、賭数を設定するためのメダル枚数(3枚)よりも多い8枚のメダルが払い出される。内部抽選において通常ベルに単独当選しているときには、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役に入賞するようになっている。つまり、通常ベルは取りこぼしのない役である。
次に、左スイカ1枚1〜8について説明する。左スイカ1枚1〜8のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。左スイカ1枚1〜8のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、左スイカ1枚1〜8のうち複数の役が同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、左リプ1枚1〜16について説明する。左リプ1枚1〜16のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。左リプ1枚1〜16のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、左リプ1枚1〜16のうち複数の役と通常ベルとが同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、チェリー1〜3について説明する。チェリー1〜3のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。チェリー1またはチェリー2に入賞したときには、左リール2Lにおいてチェリーの図柄が下段に停止する。そのため、チェリー1およびチェリー2は、下段チェリーまたは弱チェリーともいう。チェリー3に入賞したときには、左リール2Lにおいてチェリーの図柄が中段に停止する。そのため、チェリー3は、中段チェリーまたは中チェリーともいう。チェリー1〜3のいずれかに単独当選してもストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、スイカ1〜8について説明する。スイカ1〜8のいずれかに入賞したときには、5枚のメダルが払い出される。また、スイカ1〜8のいずれかに入賞したときには、スイカ図柄が一直線上に揃うように表示結果が導出される。さらに、スイカ7またはスイカ8に入賞したときには、左リール2Lにおいてチェリーの図柄が中段に停止する。そのため、スイカ7およびスイカ8は、中段チェリーまたは強チェリーともいう。スイカ1〜8のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、チャンス1およびチャンス2について説明する。チャンス1およびチャンス2のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。チャンス1またはチャンス2に単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、1枚1〜3について説明する。1枚1〜3のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。1枚1〜3のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、図7を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプ、ベルリプ1〜5、7揃いリプ、および7フェイクリプ1〜5が含まれる。再遊技役は、入賞ラインL1において、図7に示す各々の役に対応する図柄の組合せが揃ったときに入賞となる。
たとえば、通常リプは、入賞ラインL1上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。通常リプに単独当選しているときには、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役に入賞するようになっている。つまり、通常リプは取りこぼしのない役である。
次に、ベルリプ1〜4について説明する。ベルリプ1〜4は、入賞ラインL1上にベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄の組合せが揃ったときに入賞となる。図7に示すように、ベルリプ1〜4のそれぞれは、異なる図柄の組合せから構成されている。そのため、入賞ラインL1上にベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄の組合せが揃った場合、入賞ラインL1上にはハズレ表示結果が導出されたようになる。しかし、ベルリプ1〜4に入賞したときには、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、および右リール2Rの上段のそれぞれにベル図柄が停止する。このように、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞したときには、入賞ラインL1上にベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄の組合せが表示されるとともに、入賞ラインL1上とは異なるリールの上段に跨った位置にメダルの付与を伴う通常ベルに対応する図柄の組合せが表示される。
なお、図4を参照すると、ベルリプ1〜4の構成図柄のうち白7、黒7、黒BAR、および白BARは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。そのため、ベルリプ1〜4に単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、ベルリプ1〜4の全てが同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、ベルリプ5について説明する。ベルリプ5は、入賞ラインL1上にベルリプ5に対応する図柄の組合せが揃ったときに入賞となる。図7に示すように、ベルリプ5は、異なる図柄の組合せから構成されている。そのため、入賞ラインL1上にベルリプ5に対応する図柄の組合せが揃った場合、入賞ラインL1上にハズレ表示結果が導出されたようになる。しかし、ベルリプ5に入賞したときには、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、および右リール2Rの下段のそれぞれにベル図柄が停止する。このように、ベルリプ5に入賞したときには、入賞ラインL1上にベルリプ5に対応する図柄の組合せが表示されるとともに、入賞ラインL1上とは異なる左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、および右リール2Rの下段に跨った位置にメダルの付与を伴う通常ベルに対応する図柄の組合せが表示される。
なお、図4を参照すると、ベルリプ5の構成図柄のうちリプレイおよびベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。そのため、ベルリプ5に単独当選しているときには、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役に入賞するようになっている。つまり、ベルリプ5は取りこぼしのない役である。
また、本実施の形態においては、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、メイン制御部41により、後述する図16のベルリプフリーズ処理によって、ゲームの進行を遅延させるベルリプフリーズが実行される。ベルリプフリーズとは、ゲームの進行を遅延させるためにメイン制御部41が実行する制御のことである。ベルリプフリーズは、ベルリプ1〜5のいずれかが入賞したときに行われる。
ベルリプフリーズが発生すると、これを解除するフリーズ解除条件が成立するまでの間、リプレイ入賞による賭数設定されるタイミングが遅延され、その結果、次のゲームのスタート操作が無効化されることにより、スタートスイッチ7を有効化するタイミングも遅延される。フリーズ解除条件は、ベルリプフリーズの開始から所定時間(本実施の形態においては、30秒)経過したこと、MAXBETスイッチ6を用いたMAXBET操作があったこと、精算スイッチ10を用いたクレジット精算操作があったこと、および、投入メダルセンサ31により投入されたメダルが検出されることなどにより成立する条件を含む。ただし、ベルリプ入賞によりすでに賭数が規定数設定されているため、ベルリプフリーズを解除するときのMAXBET操作においては、メダルの消費がされることがない。一方、ベルリプフリーズを解除するときのクレジット精算操作においては、クレジットが精算される。これにより利便性が向上する。
前述したように、ベルリプ1〜5の入賞図柄の組合せは、見た目上、遊技者にハズレ表示結果が導出されたと認識させるようになっている。そのため、仮に、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、同時に通常ベルに対応する図柄の組合せが表示されないとすると、ハズレ表示結果が導出されたように見えるにもかかわらず、メダルを消費することなく次のゲームのための賭数が自動設定されるため、遊技者に違和感を与えてしまう。しかしながら、本実施の形態においては、ベルリプ1〜5のいずれかの入賞が発生したときに、遊技者に対して、一見、通常ベルの入賞が発生したかのように認識させることができる。しかも、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに行われるベルリプフリーズを解除するためにはMAXBET操作やメダル投入などをする必要がある。さらに、メダル投入などによりベルリプフリーズが解除された後でなければ、ベルリプ1〜5のいずれかの入賞によって賭数が自動設定されない。このため、遊技者に対して通常ベルが入賞した後にMAXBET操作やメダル投入を伴い次のゲームを開始できるようになったかのように思わせることができ、違和感を与えない。
さらに、本実施の形態において、通常ベルに入賞したときには、ゲームを開始可能とするために賭数を設定するときに用いられるメダル枚数(3枚)よりも多い8枚のメダルが払い出される。これにより、ベルリプ1〜5のいずれかの入賞が発生したときに、通常ベルの入賞が発生したときにメダルが付与されたときと同じように、遊技者に対してMAXBETスイッチ6の操作や、メダル投入、精算スイッチ10の操作を自然に促すことができる。
次に、7揃いリプについて説明する。7揃いリプに入賞したときには、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。7揃いリプに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、7揃いリプが通常リプと同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、7フェイクリプ1〜5について説明する。7フェイクリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。7フェイクリプ1〜5のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、7フェイクリプ1〜5が通常リプと同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
[遊技状態の遷移]
次に、図8を参照しながら、本実施の形態におけるスロットマシン1が制御する遊技状態の遷移について説明する。図8は、遊技状態の遷移について説明するための図である。本実施の形態においては、通常状態およびRT(リプレイタイム)状態のいずれかに制御されながら遊技が進行する。
通常状態は、遊技の大半が行われる可能性の高い遊技状態である。通常状態においては、ベルリプ5に入賞することを条件として遊技状態がRT状態に移行する。
RT状態は、通常状態よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。そのため、RT状態は、遊技者にとって、メダルの消費を抑えながら遊技できる点で通常状態よりも有利な遊技状態となる。RT状態においては、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞することを条件として遊技状態が通常状態に移行する。
このように、遊技者に対して、一見、通常ベルの入賞が発生したかのように認識させることができるベルリプ1〜5のいずれかの入賞が発生したときに遊技状態が遷移するため、いずれの遊技状態で遊技をしているかを把握しにくくすることができる。これにより、遊技者の遊技状態に対する興味を惹きつけ、遊技の興趣を向上させることができる。
[抽選対象役]
次に、図9、図10を参照して、抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施の形態では、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読み出され、重複して当選し得る。図9、図10においては、抽選対象役ごとに入賞役の組合せ、所定の設定値(たとえば設定値1)における判定値数、およびリール制御についての内容を示す。入賞役の組合せにおいては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。判定値数においては、その分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「9309」が設定されている抽選対象役である押し順ベル1の当選確率は、9309/65536となる。
図9に示すように、本実施の形態における小役の抽選対象役としては、押し順ベル1〜4、左スイカ1〜4、チェリー1〜3、スイカ1〜8、チャンス1、2、および1枚1〜3が設定されている。また、各々の抽選対象役については、対応する入賞役が読み出される。たとえば、押し順ベル1は、通常ベル+左リプ1枚1+左リプ1枚6+左リプ1枚11+左リプ1枚16+左スイカ1枚1〜8が読み出される抽選対象役となる。その他の抽選対象役についても図9に示す入賞役がそれぞれ読み出されることになる。
図10に示すように、本実施の形態における再遊技役の抽選対象役としては、通常リプ、押し順リプ1〜3、7揃いリプ、フェイクリプ1、およびフェイクリプ2が設定されている。再遊技役の抽選対象役の抽選対象役についても図10に示す入賞役がそれぞれ読み出されることになる。
[押し順ベル当選時のリール制御]
次に、図9を用いて、押し順ベル1〜4のいずれかに当選した時のリール制御について説明する。押し順ベル1〜4のいずれかに当選したときには、当選した役に応じて予め設定されたいずれかの押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該操作に対応する図柄組合せを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。たとえば、押し順ベル1が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうち引き込み範囲内で左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかに対応する図柄組合せを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。その他の押し順で操作されたとき、およびその他の押し順ベルに当選したときについても図9に示すリール制御が行われる。
ここで、押し順ベルに当選したときに図9に示すようなリール制御が行われる理由は、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるかが、一義的に決められているからである。
たとえば、押し順ベル1に当選したときに遊技者が左第1停止をした場合には、当選した役のうち入賞の可能性が高い左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかを入賞させるための図柄である「リプレイ」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。
入賞の可能性が高い左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかを入賞させるための図柄を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させる具体例を以下に説明する。たとえば、押し順ベル1に当選したときに遊技者が左第1停止をした場合には、図6に示すように、押し順ベル1に含まれるいずれかの役を入賞させるためには、「ベル」、「リプレイ」、「スイカA」、「スイカB」のいずれかを入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させる必要がある。ここで、「ベル」を入賞ラインL1に引き込むよりも、「スイカA」や「スイカB」、もしくは「リプレイ」を入賞ラインL1に引き込んだ方が入賞役の選択肢が多い(たとえば、「ベル」を停止させると入賞役の選択肢は通常ベルの1種類のみだが、「リプレイ」を停止させると入賞役の選択肢は左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16の4種類ある)。そのため、本実施の形態においては、押し順ベル1に当選したときに遊技者が左第1停止をした場合には、入賞の可能性が高い左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかを入賞させるための図柄である「リプレイ」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。
また、押し順ベル1に当選したときに遊技者が中第1停止をした場合には、当選した役のうち入賞の可能性が高い通常ベルおよび左スイカ1枚1〜4のいずれかを入賞させるための図柄である「ベル」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。その後、遊技者が第2停止として左リール2Lを停止させた場合には、入賞の可能性が残った通常ベルおよび左スイカ1枚1〜4のうち払出枚数が多い通常ベルを入賞させるための図柄である「ベル」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。
このように、本実施の形態においては、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させることで、当選した役のうち押し順に応じて入賞する役を異ならせている。
なお、本実施の形態においては、後述するAT中ではない、非AT中のゲームにおいて左第1停止させなかった場合には、左第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて遊技者に中第1停止または右第1停止することを促すためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて遊技者に左第1停止させるように設計されている。
以下では、左第1停止させる押し順を「推奨押し順」ともいう。また、推奨押し順以外の押し順(つまり、右第1停止または中第1停止させる押し順)を「変則押し順」ともいう。つまり、非AT中に遊技者が変則押し(変則押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すること)を実行すると、所定のペナルティが科される。本実施の形態においては、所定のペナルティとは、前述の不利更新制御が実行されるのみである。
図9で示したように、非AT中に押し順ベル1〜4のいずれかに当選したときには、遊技者が左第1停止をする限り、左リプ1枚1〜16のいずれかに入賞する。また、仮に遊技者がペナルティを犯しながら中第1停止または右第1停止をしても、払い出しの多い通常ベルを入賞させるための押し順は分からない。そのため、非AT中においては、おおよそ2ゲームに1回ほどの頻度でメダル1枚の払い出しとなる。その結果、非AT中においては、メダルの純増枚数を増やすことが困難となる。
一方、AT中に押し順ベル1〜4のいずれかに当選したときには、中第1停止または右第1停止をしてもペナルティが科されないため、後述するナビ演出に従ってストップスイッチを操作することにより、通常ベルに入賞する。そのため、AT中においては、おおよそ2ゲームに1回ほどの頻度でメダル8枚の払い出しとなる。その結果、AT中においては、非AT中に比べてメダルの純増枚数を増やすことが可能となる。
[押し順リプ当選時のリール制御]
次に、図10を用いて、押し順リプ1〜3のいずれかに当選した時のリール制御について説明する。押し順リプ1〜3のいずれかに当選したときには、当選した役に応じて予め設定されたいずれかの押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該操作に対応する図柄組合せを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。たとえば、押し順リプ1が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうちベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄組合せを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。その他の押し順で操作されたとき、およびその他の押し順リプに当選したときについても図10に示すリール制御が行われる。
このように、本実施の形態においては、遊技者によるストップスイッチの操作態様に応じて、ベルリプ1〜5および通常リプのうち発生する入賞が異なるため、いずれにおいてもメダルを用いることなく次のゲームを行うことができる点では同じでも、入賞の種類を異ならせることにより異なる遊技性をもたせることができる。
非AT中に押し順リプ1に当選したときには、遊技者が左第1停止をする限り、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞する。そのため、非AT中の通常状態で押し順リプ1に当選したときには、遊技状態がそのまま維持され、非AT中のRT状態で押し順リプ1に当選したときには、遊技状態が通常状態に移行される。一方、AT中に押し順リプ1に当選したときには、遊技者は中第1停止または右第1停止をしてもペナルティが科されないため、中第1停止または右第1停止を促す後述のナビ演出に従って遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、通常リプに入賞する。そのため、AT中であれば、通常状態およびRT状態のいずれで押し順リプ1に当選しても、遊技状態がそのまま維持される。
非AT中に押し順リプ2に当選したときには、遊技者が左第1停止をする限り、通常リプに入賞する。そのため、非AT中であれば、通常状態およびRT状態のいずれで押し順リプ2に当選しても、遊技状態がそのまま維持される。一方、AT中に押し順リプ2に当選したときには、中第1停止または右第1停止を促すナビ演出に従って遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、ベルリプ5に入賞する。そのため、AT中の通常状態で押し順リプ2に当選したときには、遊技状態がRT状態に移行され、AT中のRT状態で押し順リプ2に当選したときには、遊技状態がそのまま維持される。
非AT中に押し順リプ3に当選したときには、遊技者が左第1停止をする限り、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞する。そのため、非AT中の通常状態で押し順リプ3に当選したときには、遊技状態がそのまま維持され、非AT中のRT状態で押し順リプ3に当選したときには、遊技状態が通常状態に移行される。一方、AT中に押し順リプ3に当選したときには、中第1停止または右第1停止を促すナビ演出に従って遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、ベルリプ5に入賞する。そのため、AT中の通常状態で押し順リプ3に当選したときには、遊技状態がRT状態に移行され、AT中のRT状態で押し順リプ3に当選したときには、遊技状態がそのまま維持される。
このように、非AT中に押し順リプ1または押し順リプ3に当選したときには、遊技者が左第1停止をする限り、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞する。そのため、非AT中においては、通常リプよりも頻繁にベルリプ1〜4が入賞して、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。ここで、前述したように、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞したときには、遊技者に対して、見た目上、通常ベルに入賞したかのように思わせることができる。そのため、非AT中においては、実際は、頻繁に再遊技役が入賞しているが、遊技者の中には、頻繁に通常ベルが入賞することによって、賭数に用いられるメダル枚数以上のメダル払い出しを受けているかのように思わせることができる。
一方、AT中に押し順リプ1または押し順リプ3に当選したときには、中第1停止または右第1停止を促すナビ演出に従って遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、遊技状態が通常状態に移行するベルリプ1〜4の入賞を回避することができる。さらに、AT中に押し順リプ2または3に当選したときには、中第1停止または右第1停止を促すナビ演出に従って遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、ベルリプ5を優先的に入賞させることができる。これにより。AT中であれば、通常状態においてはRT状態に移行しやすくなるとともに、RT状態においては遊技状態が維持されやすくなる。
このように、本実施の形態においては、ATに制御されたか否かに応じて、ベルリプ1〜5および通常リプのうち発生する入賞が異なるため、ATに制御されたか否か、さらには、いずれの再遊技役を入賞させるためのナビ演出を実行するかに応じて、入賞の種類を異ならせることができ、遊技の進行に応じた制御を実行することができる。
[外部出力について]
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。これら外部出力信号は、図11に示すように、メイン制御部41の制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータやスロットマシン1に対応して設置されたデータ表示端末などの外部機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、AT中であることを特定可能なAT信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
なお、本実施の形態では、他のスロットマシンとの共通化を図るため、遊技制御基板40と外部出力基板1000との間には、上記の信号を出力する信号線に加えて、遊技状態を示す予備の信号線が接続されており、さらに将来拡張する可能性のあるエラー出力用の信号線が接続されている。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、および出力信号ごとの端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、AT信号は、リレー回路1001を介してそのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、AT信号は、情報提供端子板1010を介して外部機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号に再変換されて外部機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。このため本実施の形態では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板1000を介して、外部機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
次に、本実施の形態のメイン制御部41が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[ゲーム処理]
図12は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。ゲーム処理では、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、判定用役当選コマンド生成、格納処理(S3)、リール回転処理(S4)、AT開始判定処理(S5)、入賞判定処理(S6)、払出処理(S7)、AT終了判定処理(S8)、ゲーム終了時処理(S9)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
S1におけるBET処理では、メイン制御部41は、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、所定のリプレイ入賞(ベルリプ入賞)に伴ってベルリプフリーズを発生させるベルリプフリーズ処理が実行され得る。また、メイン制御部41は、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
S2における内部抽選処理では、S1におけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか否かを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
S3における判定用役当選コマンド生成、格納処理では、メイン制御部41は、後述する図18で示すように、判定用役に当選したときに正解となる押し順を付加した判定用役当選コマンドを生成するとともに、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する処理を実行する。
S4におけるリール回転処理では、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
S5におけるAT開始判定処理では、メイン制御部41は、後述する図20で示すように、サブ制御部91が制御するATの開始を特定し、AT中であることを特定可能なAT信号を外部出力するともにATフリーズを実行する。
ATフリーズとは、後述するAT抽選役に当選したときにナビストック抽選とともに実行される可能性のあるフリーズである。ATフリーズは、AT抽選役に当選したときに、50%の確率で実行され、全てのリールが回転したまま、所定時間(本実施の形態においては、30秒間)経過するまでゲームの進行が遅延される。図23に示すように、このATフリーズが実行されることにより、ナビストック抽選において、より多くのナビストックがより高確率で付与されるため、遊技者は有利な結果を得る可能性が高くなる。なお、本実施の形態においては、ATフリーズが実行可能とする状態への制御をATフリーズ実行可能制御とも称し、ATフリーズ実行可能制御がされている期間をATフリーズ実行可能期間とも称する。なお、ATフリーズは、表示ゲーム数が、到達ゲーム数である1000ゲームに到達したときにも、50%の確率で実行される。
S6における入賞判定処理では、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
S7における払出処理では、メイン制御部41は、S6において入賞の発生が判定された場合に、その入賞が小役の場合には当該小役の種類に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算ならびにメダルの払い出しなどの処理や、リプレイの場合にはリプレイの種類を特定可能なリプレイゲームフラグをRAMに設定してリプレイゲームを付与可能にする処理などを行う。また、払出処理では、メイン制御部41は、クレジットの加算ならびにメダルの払い出しにより遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
S8におけるAT終了判定処理では、メイン制御部41は、後述する図21で示すように、サブ制御部91が制御するATが終了したか否かを判定し、終了している場合にはAT信号の外部出力を解除する。
S9におけるゲーム終了時処理では、メイン制御部41は、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、ゲームの進行制御に応じてコマンドを生成し、通常コマンド送信用バッファに設定することで、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に対して設定されたコマンドが送信されるようになっている。
[BET処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS1で実行するBET処理について説明する。図13〜図15は、メイン制御部41が実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、まず、RAM41cの所定領域において賭数の値が格納されるBETカウンタの値をクリアし(S10)、遊技状態に応じた規定数(本実施の形態では上限数と同じ。いずれの遊技状態においても3)をRAM41cに設定し(S11)、RAM41cにリプレイゲームである旨を示すリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであるか否かを判定する(S12)。
S12において次のゲーム(今から開始されるゲーム)がリプレイゲームであると判定された場合には(S12でY)、ベルリプ入賞時においてベルリプフリーズを発生させるためのベルリプフリーズ処理を実行する(S13)。ベルリプフリーズ処理については、図16を用いて後述する。ベルリプフリーズ処理が終了した後においては、S14において、BETカウンタの値を1加算し、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数(ここでは3)であるか否か、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定し(S15)、BETカウンタの値が規定数でなければ(S15でN)、S14に戻る。
BETカウンタの値が規定数となりリプレイ入賞による賭数の設定が完了すると(S15でY)、S16へ移行する。メイン制御部41は、BETカウンタの値が加算された後に、BETカウンタの値に応じて、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を実行する。また、メイン制御部41は、リプレイ入賞後における賭数の設定が完了した後に、リプレイ中LED20、および、スタート有効LED18(ウェイト中はウェイト中LED19)を点灯させる処理を実行する。
S16では、前回ゲームにおいて入賞したリプレイが、通常リプ、7揃いリプ、および7フェイクリプ1〜5(これらのリプレイをまとめて、以下では第1のリプレイともいう)であったか否かが判定される。なお、第1のリプレイは、同じ図柄のみから構成されるリプレイである通常リプのみとしてもよい。第1のリプレイであったか否かは、設定されているリプレイゲームフラグから特定される。S16において第1のリプレイであったと判定されたときには(S16でY)、S17において賭数が3(リプレイ当選可能な状態は3枚賭けであるため)加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(S17では便宜上、“BETコマンド(BET音あり)”と示している。以下同様)を通常コマンド用送信バッファに設定する。
一方、S16において第1のリプレイではなかったと判定されたときには(S16でN)、S18において賭数が3加算される旨、およびサブ制御部91によりBET音を出力させない旨のBET音なしを示すBETコマンド(S18では便宜上、“BETコマンド(BET音なし)”と示している。)を通常コマンド用送信バッファに設定する。
第1のリプレイではなかったと判定されたときとは、第1のリプレイが通常リプ、7揃いリプ、および、7フェイクリプ1〜5であるとした場合には、ベルリプ1〜5に入賞したと判定されたときである。以下では、第1のリプレイ以外のリプレイを第2のリプレイともいい、ここではベルリプ1〜5が該当する。なお、第2のリプレイは、異なる図柄を含む図柄の組合せから構成される7フェイクリプ1〜5を含むものであってもよく、また後述するAT抽選契機となる7揃いリプを含むものであってもよい。
S17およびS18で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、サブ制御部91側においては、第1のリプレイ入賞後において賭数が設定される毎にBET音を出力するのに対し、第2のリプレイ入賞後において賭数が設定される際にはBET音を出力させないことになる。これにより、第1のリプレイ入賞を遊技者に気付かせやすくすることができるのに対し、第2のリプレイ入賞を遊技者に気付かせ難くすることができる。
S19では、RAM41cの所定領域において格納されるクレジットの値であるクレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かを判定する。S19において上限値であると判定されたときには(S19でY)、投入不可フラグをRAM41cに設定し(S20)、S22に進む。S20において、投入不可フラグが設定されると、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させるための処理が行われる。なお、BETカウンタが第2のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、S20において投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させずに、たとえば、後述するS37でYESと判定されるかベルリプフリーズが終了した後や、3BET分に相当するクレジットコマンド(BET音あり)が出力された後に、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させる。
S19において上限値でないと判定されたとき、つまりクレジット投入が可能であると判定されたときには(S19でN)、S21に進む。なお、S12においてリプレイゲームでないと判定された場合には(S12でN)、そのままS21に進む。
S21においては、投入待ち前の設定を行ってS22に進む。投入待ち前の設定では、RAM41cに投入不可フラグが設定されている場合は投入不可フラグをクリアし、メダルの投入が可能な状態とする。このため、リプレイ入賞後においては、賭数の設定が完了する前であって投入待ち前の設定が未だ行われていないときに投入されたメダルを受付けず、賭数の設定が完了して投入待ち前の設定が行われてから投入されたメダルを有効に受付けてクレジット加算されることになる。
メイン制御部41は、S21において投入待ち前の設定が行われて投入不可フラグをクリアされた後に、投入要求LED17を点灯させ、賭数を設定することが可能な場合にはBETスイッチ有効LED21を点灯させる処理を実行する。なお、BETカウンタが第1のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、S21において投入要求LED17のみを点灯させる。また、BETカウンタが第2のリプレイ入賞により規定数に設定されたときには、S21において投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を点灯させ、たとえば、後述するS37でYESと判定されるかベルリプフリーズが終了した後や、3BET分に相当するクレジットコマンド(BET音あり)が出力された後に、投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を消灯させる。
S22では、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する。S22においてメダルの投入が可能な状態であると判定された場合には(S22でY)、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とし(S23)、S25に進む。メダルの投入が可能な状態でないと判定された場合には(S22でN)、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し(S24)、S25に進む。
S25においては、設定キースイッチ37がonの状態か否かを判定し、設定キースイッチ37がonであれば(S25でY)、BETカウンタの値が0か否かを判定する(S26)。S26においてBETカウンタの値が0であれば(S26でY)、確認開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し(S27)、設定確認処理(S28)、すなわち設定確認状態に移行する。S27で設定された確認開始コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。また、S28における設定確認処理が終了した後は、S22に戻る。S25において設定キースイッチ37がonではない場合(S25でN)またはS26においてBETカウンタの値が0ではない場合には(S26でN)、S30に進む。
S30では、投入メダルセンサ31による検出結果が適正な検出結果となり投入メダルの通過が検出されたか否か、すなわち投入メダルの通過が検出された旨を示す投入メダルフラグの有無を判定する。S30において投入メダルの通過が検出されていなければ(S30でN)、S45に進み、投入メダルの通過が検出されていれば(S30でY)、投入メダルフラグをクリアし(S31)、RAM41cに投入不可フラグが設定されているか否かに基づいてメダルの投入が可能な状態か否かを判定する(S32)。メダルの投入が可能な状態でなければ(S32でN)、S45に進む。
S32においてメダルの投入が可能な状態であれば(S32でY)、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否を判定する(S33)。BETカウンタの値が規定数でなければ(S33でN)、賭数が1加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定し(S34)、BETカウンタの値を1加算し(S35)、S22に戻る。S34で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、メダル投入により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、BET音が出力される。
S33においてBETカウンタの値が規定数であれば(S33でY)、S36において前回ゲームにおいて第2のリプレイが入賞していたか否かが判定される。第2のリプレイであったか否かは、リプレイゲームフラグから特定される。S36において、前回ゲームにおいて第2のリプレイが入賞していなかったと判定されたときには(S36でN)、S38において、1加算後のクレジットカウンタの値を示すとともにサブ制御部91によりクレジット音を出力させる旨を示すクレジットコマンド(S38では便宜上、“クレジットコマンド(通常)”と示している。以下同様)を通常コマンド送信用バッファに設定し、S40においてRAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算する。S38で設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
S36において、前回ゲームにおいて第2のリプレイが入賞していたと判定されたときには(S36でY)、S37において、規定数分のBET音が出力されたか否かが判定される。具体的には、S39に示すクレジットコマンドが規定数分の3回出力されたか否か判定される。第2のリプレイ入賞後において賭数が設定されるに際しては、S18で示したようにBETコマンド(BET音なし)が出力されるため、サブ制御部91においてBET音が出力されない。このため、第2のリプレイ入賞後、賭数が設定された後において、メダルが投入されてクレジットされる際に、BET音を規定数回まで出力させるための処理が行われる。
S37において、規定数分のBET音が出力されていないときには(S37でN)、S39において、1加算後のクレジットカウンタの値を示すとともにサブ制御部91によりクレジット音を出力させる旨を示すクレジットコマンド(S39では便宜上、“クレジットコマンド(BET音あり)”と示している。以下同様)を通常コマンド送信用バッファに設定し、S40においてRAM41cにおいてクレジットの値が格納されるクレジットカウンタの値を1加算する。S39で設定されたクレジットコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。
一方、S37において、規定数分のBET音が既に出力されているときには(S37でY)、S38に進み、クレジットコマンド(通常)が通常コマンド送信用バッファに設定される。これにより、第2のリプレイ入賞後のメダル投入によるクレジット加算の際には、サブ制御部91側において、3枚目までについてはBET音が出力され、4枚目以降についてはクレジット音が出力される。一方、第2のリプレイ入賞後でないときのメダル投入によるクレジット加算の際には、サブ制御部91側において、1枚目からクレジット音が出力されることになる。
なお、S36およびS37の次のステップとして、S40を実行した後に、対応するS38あるいはS39の処理を行うことにより、クレジットカウンタの値としてS40により加算された後にあたる現在の値を示すクレジットコマンドをS38あるいはS39において設定するようにしてもよい。また、第2のリプレイ入賞時にはベルリプフリーズ解除後において規定数分の賭数が設定されるため、S39においては、クレジットコマンド(BET音あり)として、規定数分のBET音を出力させるためのコマンドを設定し、規定数分のBET音を出力させるようにしてもよい。
S41においては、クレジットカウンタの値が上限値である50であるか否かが判定される。クレジットカウンタの値が50でなければ(S41でN)、S22に戻り、クレジットカウンタの値が50であれば(S41でY)、S42において投入不可フラグをRAM41cに設定しS22に戻る。
S45では、スタートスイッチ7の操作が検出されているか否か、すなわちスタートスイッチ7の立ち上りを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。さらに立上りエッジは、いずれかのスイッチがONに変化し、かつ全てのスイッチがOFFである場合にのみ設定されるので、S45では、いずれかのスイッチがONに変化したか否かに加えて他のスイッチがOFFであるかどうかについても判定されることとなる。
S45においてスタートスイッチ7の操作が検出されていないと判定された場合(S45でN)、またはスタートスイッチ7が操作されたものの他のスイッチも操作されている場合には、S50に進み、スタートスイッチ7の操作が有効に検出されていれば(S45でY)、S46に進み、立上りエッジをクリアする。また、S47では、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか、すなわちゲームの開始条件となる賭数が設定されているか否かを判定する。
S47においてBETカウンタの値が規定数でなければ(S47でN)、S22に戻り、BETカウンタの値が規定数であれば(S47でY)、S48において、投入不可フラグをRAM41cに設定するとともに、流路切替ソレノイド30をoffの状態とし、メダルの流路をメダル払出口9側の経路として新たなメダルの投入を禁止し、S49において、ゲーム開始時の設定を行う。これにより、ゲームが開始されてから当該ゲームが終了して、次のゲーム以降のBET処理におけるS21において投入待ち前の設定が行われるまではメダルを投入しても受付けられず、メダル払出口9から払い出されることになる。そして、S49の後、BET処理を終了して図12のS2に進む。
S50においては、1枚BETスイッチ5の操作が検出されているか否か、すなわち1枚BETスイッチ5の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。S50において1枚BETスイッチ5の操作が検出されていなければ(S50でN)、S51に進み、1枚BETスイッチ5の操作が検出されていれば(S50でY)、図15のS65に進み、立上りエッジをクリアする。
S66においては、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する。S66においてBETカウンタの値が規定数であれば(S66でY)、S22に戻り、BETカウンタの値が規定数でなければ(S66でN)、S67においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する。S67においてクレジットカウンタの値が0であれば(S67でY)、S22に戻る。S67においてクレジットカウンタの値が0でなければ(S66でN)、S68において、賭数が1加算される旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定する。
S69においては、クレジットカウンタの値を1減算し、S70においては、BETカウンタの値を1加算してS22に戻る。S68で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、1枚BETスイッチ5の操作により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、BET音が出力される。なお、第2のリプレイ入賞後において、S66でYESと判定されたときには、S37と同様の判定を行い、規定数分、BET音が出力されていないときには、S39と同様の処理を行うようにして、BET音を出力させるようにしてもよい。
S51においては、MAXBETスイッチ6の操作が検出されているか否か、すなわちMAXBETスイッチ6の立ち上がり示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。S51においてMAXBETスイッチ6の操作が検出されていなければ(S51でN)、S52に進み、MAXBETスイッチ6の操作が検出されていれば(S51でY)、図15のS75に進み、立上りエッジをクリアする。
S76においては、RAM41cに設定された賭数の規定数を参照し、BETカウンタの値が規定数であるか否かを判定する。S76においてBETカウンタの値が規定数であれば(S76でY)、S80に進み、BETカウンタの値が規定数でなければ(S76でN)、S77においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定する。S77においてクレジットカウンタの値が0であれば(S77でY)、S80に進む。S77においてクレジットカウンタの値が0でなければ(S77でN)、S78において、クレジットカウンタの値を1減算し、S79において、BETカウンタの値を1加算して、S76に戻る。
S80では、BETカウンタが加算されたか否かを判定し、BETカウンタが加算されていなければ(S80でN)、S22に戻る。なお、S80におけるBETカウンタが加算されている場合には、S79における加算のみならず、ベルリプフリーズがMAXBETスイッチ6操作により解除された後のS14における加算も含む。一方、BETカウンタが加算されていれば(S80でY)、S81において加算された数分賭数が加算された旨、および、サブ制御部91によりBET音を出力させる旨のBET音ありを示すBETコマンド(BET音あり)を通常コマンド送信用バッファに設定し、S22に進む。S81で設定されたBETコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)でサブ制御部91に対して送信される。これにより、MAXBETスイッチ6の操作により賭数が設定される際には、サブ制御部91側において、設定された賭数分だけBET音が出力される。
S52においては、精算スイッチ10の操作が検出されているか否か、すなわち精算スイッチ10の立ち上がりを示す立上りエッジが設定されているか否かを判定する。S52において精算スイッチ10の操作が検出されていなければ(S52でN)、S22に戻り、精算スイッチ10の操作が検出されていれば(S52でY)、S53に進み、立上りエッジをクリアする。S54においては、RAM41cにリプレイゲームフラグが設定されているか否かに基づいて次のゲームがリプレイゲームであるか否かを判定する。
S54においてリプレイゲームであると判定されなかったときには(S54でN)、S56においてBETカウンタの値が0か否かを判定し、BETカウンタの値が0でなければ(S56でN)、S57に進み、ホッパーモータ34bを駆動してBETカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御(すなわち賭数の設定に用いられたメダルを返却するとともにBETカウンタの値を0にする制御)が行われるとともに、メダルの払出開始および賭数精算を通知する払出開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定するための賭数精算処理を行う。S57における賭数精算処理の後、S58において、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアしてS22に戻る。これにより、リプレイ入賞後ではなく賭数が設定されている状態で精算スイッチ10の操作により賭数精算が行われる際には、サブ制御部91側において、賭数精算中である旨が表示されるとともに、賭数精算に対応する音が出力される。
これに対し、S54においてリプレイゲームであると判定されたときや(S54でY)、S56においてBETカウンタの値が0であると判定されたときには(S56でY)、S59において、ホッパーモータ34bを駆動してクレジットカウンタに格納された値分のメダルを払い出す制御(すなわちクレジットとして記憶されているメダルを返却するとともにクレジットカウンタの値を0にする制御)が行われるとともに、メダルの払出開始を通知するとともに、リプレイゲームにおけるクレジット精算であるか賭数が設定されていないときにおけるクレジット精算であるかを通知する払出開始コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定するための賭数精算処理を行う。
S57における賭数精算処理の後、S58において、RAM41cに設定されている投入不可フラグをクリアしてS22に戻る。これにより、リプレイ入賞において精算スイッチ10の操作により精算が行われる際には、賭数精算が行われることなくクレジット精算のみが行われ、かつ、サブ制御部91側においては、リプレイ入賞後におけるクレジット精算中である旨が表示されるとともに、リプレイ入賞後におけるクレジット精算に対応する音が出力される。また、BETカウンタの値が0であるときにおける精算スイッチ10の操作により精算が行われる際には、サブ制御部91側において、BETカウンタの値が0であるときのクレジット精算中である旨が表示されるとともに、BETカウンタの値が0であるときのクレジット精算に対応する音が出力される。
[ベルリプフリーズ処理]
図16は、メイン制御部41がBET処理のS13で実行するベルリプフリーズ処理の制御内容を示すフローチャートである。ベルリプフリーズ処理は、リプレイゲームであると判定された場合、つまり、前回ゲームにおいてリプレイ入賞後に行われる。S85では、前回ゲームにおいて入賞したリプレイが、ベルリプ1〜5であったか否かが判定される。ベルリプ1〜5でなかったと判定されたときには(S85でN)、フリーズを発生させることなく、そのままベルリプフリーズ処理を終了する。
一方、ベルリプ1〜5のいずれかであったと判定されたときには(S85でY)、S89〜S92のいずれかにおいてYESと判定されてフリーズ解除条件が成立するまで、リプレイ入賞により賭数設定されるタイミングやスタートスイッチ7を有効化するタイミングを遅延させるフリーズ(ベルリプフリーズ)を発生させるための処理が行われる。
S86では、クレジットカウンタの値が上限値の50であるか否かを判定する。S86において上限値でないと判定されたときには(S86でN)、クレジット加算が可能であるため、S87において、流路切替ソレノイド30をonの状態とし、メダルの流路をホッパータンク側の経路としてメダルの投入が可能な状態とされる。また、S88において、遊技者に投入要求LED17およびBETスイッチ有効LED21を点灯させるための処理が行われる。これにより、特に、MAXBET操作や、メダル投入などを促進させることができる。
これに対し、S86においてクレジットカウンタの値が上限値である50であると判定されたときには(S86でY)、クレジット加算が不可能であるため、S87、S88の処理を行わずに、S89へ移行する。これにより、クレジットカウンタが50であるにもかかわらず、投入されたメダルがホッパータンク側に流下されしまう一方、当該メダルによりクレジット加算も賭数加算もされないといった不具合が生じてしまうことを防止することができる。
S89では、ベルリプフリーズの開始から所定時間(本実施の形態においては、30秒)経過したか否かを判定する。S89においてベルリプフリーズの開始から所定時間経過したと判定したときには(S89でY)、フリーズ解除条件が成立する。
S89においてベルリプフリーズの開始から所定時間経過していないと判定したときには(S89でN)、S90において、遊技者によるMAXBETスイッチ6を用いたMAXBET操作があったか否かを判定する。S90において遊技者によるMAXBET操作があったと判定したときには(S90でY)、フリーズ解除条件が成立する。
S90において遊技者によるMAXBET操作がないと判定したときには(S90でN)、S91において、メダル投入部4から投入されたメダルが、流路切替ソレノイド30よりもホッパータンク34a側に配置されている投入メダルセンサ31が備える複数のセンサのうち、最も上流側に配置されているセンサ(つまり最初に投入メダルを検出可能なセンサ(このセンサを以下では特定センサともいう))により検出されているか否かを判定する。特定センサによりメダルの通過が検出されるのは、S87で流路切替ソレノイド30がonの状態にされているときである。
S91においてメダルの投入があったと判定したときには(S91でY)、フリーズ解除条件が成立する。なお、S91においてメダルの投入があったと判定したときでも、他のセンサにより未だメダルの投入が検出されておらず、投入メダルセンサ31による検出結果が適正な検出結果となっていないため、投入メダルフラグは設定されない。
また、S91においてメダルの投入があったと判定されていないときには(S91でN)、S92において遊技者による精算スイッチ10を用いたクレジット精算操作があったか否かを判定する。S92において遊技者によるクレジット精算操作があったと判定したときには(S92でY)、フリーズ解除条件が成立する。また、当該クレジット精算操作によりフリーズが解除された後においては、図14のS52においてYESと判定されてS59に移行されて、クレジット精算処理が行われる。一方、S92において遊技者によるクレジット精算操作がないと判定したときには(S92でN)、S89へ移行する。
フリーズ解除条件が成立した後においては、S93において、流路切替ソレノイド30がonの状態となっているときには当該流路切替ソレノイド30がoff状態にされて、ベルリプフリーズ処理を終了する。これにより、たとえば、クレジットカウンタが49であるときにベルリプフリーズが発生して、複数枚のメダルが一気に投入された場合でも、そのうちの1枚目が特定センサにより検出されることによりフリーズ解除条件が成立した後、即座にS93において流路切替ソレノイド30がoff状態にされる。ベルリプフリーズ処理を終了させた後、1枚目のメダルがさらに他のセンサにより検出されて投入メダルセンサ31による検出結果が適正な検出結果となり投入メダルフラグが設定されると、図14のS30でYESと判定されてS40でクレジットカウンタが50に更新されて、図13のS19でYESと判定されてS20で投入不可フラグが設定され流路切替ソレノイド30がoff状態となるため、複数枚のメダルのうち2枚目以降のメダルはメダル払出口9から払い出される。
また、投入メダルセンサ31が備える複数のセンサは、複数枚のメダルが一気に投入された場合において、1枚目のメダルが特定センサにより検出されてから他のセンサにより検出されて投入メダルセンサ31による検出結果が適正な検出結果となるまでに要する時間の方が、1枚目のメダルが特定センサにより検出されてから2枚目のメダルが流路切替ソレノイド30に到達するまでに要する時間よりも短くなるように配置されている。このため、1枚目のメダル投入によりクレジット50に到達するときには、2枚目以降のメダルが流路切替ソレノイド30に到達したときに必ず流路切替ソレノイド30がoff状態となるようにして、2枚目以降のメダルをメダル払出口9から払い出させることができる。これにより、メダルを投入したにもかかわらず、クレジット加算もされず、返却もされないといった不具合の発生を防止することができる。
一方、クレジットカウンタが49未満であるときにベルリプフリーズが発生して、複数枚のメダルが一気に投入された場合には、そのうちの1枚目が特定センサにより検出されることによりフリーズ解除条件が成立した後、即座にS93において流路切替ソレノイド30がoff状態にされるものの、その直後の図13のS19でNOと判定されてS21で投入待ち前の設定が行われて流路切替ソレノイド30がon状態に切り替えられ、当該on状態がクレジット50に到達するまで維持されるため、複数枚のメダルのうち2枚目以降のメダルも(クレジット50に到達するまでは)取り込まれてクレジットに加算される。これにより、ベルリプフリーズ中においてメダル投入されたときの利便性を向上させることができる。
[ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミング]
次に、ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングについて説明する。図17(a)〜(d)は、図13〜図15に示したBET処理が実行されることにより、ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングの一例を説明するための図である。
図17(a)は、小役入賞せずにメダル払い出しがなかった後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。小役入賞が発生していない場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図12のS8、S9の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図13のS10〜S12の処理が実行された後において、S21以降の処理が実行されることにより、図17(a)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容される。
図17(b)は、小役入賞してメダル払い出しが行われた後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。小役入賞が発生している場合には、払い出しが行われた後にゲームが終了し、その後、図12のS8、S9の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図13のS10〜S12の処理が実行された後において、S21以降の処理が実行されることにより、図17(b)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容される。
図17(c)は、通常リプ入賞した後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。通常リプ入賞が発生している場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図12のS8、S9の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図13のS10〜S12の処理に加えて、さらに賭数設定が完了してS19においてクレジット可能であると判定された後において、S21以降の処理が実行されることにより、図17(c)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容される。
図17(d)は、ベルリプ入賞した後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。ベルリプ入賞が発生している場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図12のS8、S9の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図13のS10〜S12の処理が実行された後、図16に示すベルリプフリーズ処理が実行されて、フリーズ解除条件が成立するまでベルリプフリーズに制御される。この間においては、図16のS87で示したように、流路切替ソレノイド30がon状態にされて、フリーズ解除のためのメダル投入が許可されるとともに、フリーズ解除のためのクレジット精算操作やMAXBET操作も許可される。フリーズ解除条件が成立すると、賭数設定が完了した後に、図13のS19においてクレジット可能であると判定された後において、S21以降の処理が実行されることにより、図17(d)に示されるように通常のメダルの投入あるいは精算が許容される。
ベルリプフリーズ中においては、フリーズ解除のためのメダル投入やクレジット精算操作が許容されており、ベルリプフリーズ中におけるメダル投入やクレジット精算操作に連動してベルリプフリーズが解除されて、賭数設定された後に通常のメダルの投入あるいは精算が行われる。なお、ベルリプフリーズ中であっても、クレジットカウンタの値がすでに50に達しているときには、図16のS87において流路切替ソレノイド30がon状態にされないため、この場合におけるメダルの投入については、ベルリプフリーズ終了後から許容されることとなる。
以上、図13のS12〜S21や図17(c)で示したように、リプレイ入賞が発生した後であってリプレイゲームが開始(リール回転開始)されるまでの間に投入されたメダルであっても、リプレイ入賞による賭数設定(自動BET)がされて次のリプレイゲームが開始可能な状態となってから後に検出されたメダルである場合には、メダルの検出に応じて図14のS36〜S40が行われて、クレジットに加算させることができる。このため、リプレイ入賞が発生した後におけるクレジット加算が賭数設定よりも先に行われてしまうことを防止できる。その結果、違和感を抱かせることなく、リプレイ入賞が発生した後における遊技者の利便性を向上させることができる。
また、リプレイのうちベルリプ1〜5のいずれかに入賞した後においては、図16のS86〜S92で示したように、ベルリプフリーズが発生し、メダルの投入により成立する条件を含む複数種類のフリーズ解除条件のうちいずれかが成立することにより終了する。これにより、小役入賞時やハズレ時と同様に、メダルの投入など所定の操作を行わなければ、次のゲームが開始されないように思わせるとともに、これらの所定の操作が行われることで次のゲームを開始できるようになったかのように思わせることができる。
また、図14のS52〜S59に示されるように、精算スイッチ10への操作に応じて、賭数が設定されている場合には当該賭数を精算する賭数精算処理を実行し、賭数が設定されていない場合にはクレジットを精算するクレジット精算処理を実行可能としつつ、設定されている賭数がリプレイ入賞により自動BETされた賭数である場合には、賭数精算処理を実行せずにクレジット精算処理を実行する。これにより、メダルを払い出すのではなくリプレイゲーム(1ゲーム)を付与するというリプレイの機能そのものを残してリプレイの存在意義を維持する一方、クレジットについてはリプレイ入賞後であっても精算操作に応じて払出可能としたことにより、リプレイ入賞後における遊技者の利便性をさらに向上させることができる。また、ベルリプ入賞後におけるベルリプフリーズ中に精算操作がされた場合も同様に、クレジット精算が行われるため、遊技者の利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1によれば、以下の課題を解決することができる。従来のスロットマシンにおいては、一般的に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間が、所定時間(たとえば190ms(ミリ秒))に制限されている。このため、操作タイミングに関わらず取りこぼしが発生しない入賞役を設ける場合には、各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内(本実施の形態では、5コマ以内)に、当該入賞役を構成する図柄を配置する必要がある。その結果、取りこぼしが発生しない入賞役の数が多くなるほど、入賞役各々を構成する専用図柄として数多くの種類を要することとなる。
一方、複数(通常は3つ)のリールに描かれる識別情報としての図柄については、無限に設けることができるものではなく、ある程度の制限が科される。たとえば、3つのリール各々に描かれる図柄の数は、1リールに対して最大21個に制限されており、さらに3つのリールに描かれる図柄の種類は全部で最大10種類に制限されている。
このような従来のスロットマシンを背景とした場合、たとえば入賞役について同一の図柄により構成しようとした場合、専用図柄を用意する必要がある。このため、図柄の数や種類の制限範囲内で移行役のための専用図柄を設けることが設計上困難となる虞があった。また、ストップスイッチ8L〜8Rの操作手順(押し順、操作タイミングなど)にかかわらずリプレイ入賞し得るように構成する場合においては、所定時間内で引き込み可能な範囲内に当該リプレイを構成する専用図柄を配置する必要があり、専用図柄の数を多くせざるを得なくなり、益々設計が困難になってしまう虞があった。
このような課題を解決するために、前述した実施の形態におけるスロットマシン1においては、リプレイに、外形が同一の図柄のみから構成される「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が入賞ラインに停止されることにより発生する通常リプなどの第1のリプレイと、外形が同一または類似とはいえない図柄を含む「リプレイ−白7−スイカA」が入賞ラインに停止されることにより発生するベルリプ1などの第2のリプレイとを含めた。これにより、リプレイのための専用図柄を必ずしも複数設ける必要がなく、図柄の数と種類を増大させてしまうことを回避でき、図柄の数、種類、および配置の制限内で、リプレイの種類(バリエーション)を豊富にすることができる。一方、第2のリプレイ入賞が発生した場合には、外形が同一または類似とはいえない図柄を含む組合せが停止されるため、第1のリプレイ入賞が発生した場合よりもリプレイ入賞の発生に気付かずに、メダルを投入してしまう可能性が高まるが、前述したように検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができるために、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
本実施の形態における第2のリプレイを構成する図柄には、リプレイとは異なる図柄が含まれる。このため、第2のリプレイ入賞の発生に気付かずにメダルを投入してしまう可能性がより一層高まるが、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができるため、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。さらに、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、上段あるいは右下がりの無効ライン上においてベル揃いとなる。このため、遊技者に対して通常ベルが入賞したと思わせることができるため、メダルの投入あるいはMAXBET操作させることができ、当該投入あるいは操作により次のゲームを開始できるようになったかのように思わせることができ、違和感を与えないようにすることができる。
また、図13のS16〜S18で示したように、第1のリプレイ入賞が発生した後においてはBETコマンド(BET音あり)が設定されて出力されるため、サブ制御部91側によりBET音が出力される一方、第2のリプレイ入賞が発生した後においてはBETコマンド(BET音なし)が設定されて出力されるため、サブ制御部91側によりBET音が出力されることがない。これにより、第2のリプレイ入賞が発生して賭数設定が完了していることに気付かずにメダルを投入してしまう可能性がより一層高まるが、検出されたメダルに応じてクレジット加算させることができ、投入したメダルが受け入れられないなどといった煩わしさを遊技者に感じさせることなく遊技を進行させることができる。
また、図14のS36〜S39で示したように、BET音を出力させない第2のリプレイ入賞が発生して賭数設定が完了していることに気付かずにメダルを投入してクレジット加算された場合でも、賭数の上限数に相当する3回まではBET音と同じ音が出力されるために、遊技者の勘違いでメダルを投入して賭数を設定しているつもりであるにもかかわらずBET音が出力されないことにより、不信感や違和感を抱かせてしまうことを防止することができる。
[判定用役当選コマンド生成、格納処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS3のステップで実行する判定用役当選コマンド生成、格納処理について説明する。図18は、メイン制御部41がゲーム処理中に実行する判定用役当選コマンド生成、格納処理の制御内容を示すフローチャートである。
図18に示すように、メイン制御部41は、押し順リプ(押し順リプ1〜3)または通常リプに当選したか否かを判定することにより、判定用役に当選したか否かを判定する(Sh1)。メイン制御部41は、押し順リプおよび通常リプのいずれにも当選していない場合には(Sh1でN)、判定用役当選コマンド生成、格納処理を終了する。メイン制御部41は、押し順リプまたは通常リプに当選した場合には(Sh1でY)、図19の停止順種別テーブルに基づき、当選した役に対する判定用の押し順を決定する(Sh2)。
押し順リプまたは通常リプに対する停止順種別を決定して押し順を決定した後は、メイン制御部41は、判定用役に当選したことを示す判定用役当選フラグをRAM41cの所定領域にセットする(Sh3)。その後、メイン制御部41は、判定用役に当選したこと、当選した判定用役の種類、および決定した停止順種別を示す判定用役当選コマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sh4)。その後、メイン制御部41は、判定用役当選コマンド生成、格納処理を終了する。
[停止順種別テーブル]
ここで、図18のSh2の処理において用いられる停止順種別テーブルについて説明する。図19は、メイン制御部が管理する停止順種別テーブルについて説明するための図である。
停止順種別テーブルにおいては、判定用役である押し順リプ(押し順リプ1〜3)および通常リプのそれぞれに対して、停止順種別0〜3の4種類の停止順種別が対応付けられている。さらに、停止順種別0〜3のそれぞれにおいては、サブ制御部91が判定用ナビ演出によって遊技者に対して報知するストップスイッチの押し順、実際に遊技者がストップスイッチを操作した押し順、およびメイン制御部41が判定するサブ制御部91の演出制御状態(AT中か否か)が対応付けられている。
メイン制御部41は、押し順リプ(押し順リプ1〜3)または通常リプが当選したときに、Sh2で選択する停止順種別に基づいて決定する判定用の押し順に応じて、サブ制御部91の演出制御状態(AT)を以下のように判定する。
たとえば、メイン制御部41は、押し順リプ1〜3のいずれかの当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の押し順が停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順である中左押しの場合にはAT中であると判定し、実際の押し順が中左押し以外の場合にはAT中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、押し順リプ1〜3のいずれかの当選時に停止順種別0が選択された場合に、AT中でAT信号を出力する前では停止順種別0に対応付けられた中左押しの押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、AT信号を出力した後は新たなセットのATが開始されるまで中第1停止または右第1停止を報知する通常のナビ演出を実行する。
同様に、メイン制御部41は、押し順リプ1〜3のいずれかの当選時に停止順種別1〜3のいずれかを選択したときには、選択した停止順種別に対応付けられた押し順と、実際にストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された押し順とに基づき、AT中であるか否かを判定する。一方、サブ制御部91は、選択された停止順種別に対応付けられた押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。
さらに、図19に示すように、メイン制御部41は、通常リプの当選時に停止順種別0〜3のいずれかを選択したときには、選択した停止順種別に対応付けられた押し順と、実際にストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された押し順とに基づき、AT中であるか否かを判定する。一方、サブ制御部91は、選択された停止順種別に対応付けられた押し順を報知する判定用ナビ演出を実行する。
なお、押し順リプ1〜3および通常リプのいずれかに当選したときの判定用ナビ演出は、4択の押し順(中左押し、中右押し、逆挟み押し、逆押し)の中の1つの押し順が報知されるため、4択ナビとも称し、通常のナビ演出は、2択の押し順(中第1停止、右第1停止)の中の1つの押し順が報知されるため、2択ナビとも称する。
このように、本実施の形態においては、押し順リプ1〜3および通常リプのいずれに当選したときでも、停止順種別0〜3には、左第1停止は対応付けられていない。これにより、遊技者が推奨押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する限り、メイン制御部41がAT中であると判定することはない。
ここで、本実施の形態においては、判定用ナビ演出により判別可能なストップスイッチの押し順には、通常リプを入賞させるためのストップスイッチの押し順と同じ中第1停止または右第1停止が含まれている。たとえば、図19に示すように、押し順リプ1に当選したときに停止順種別0に対応付けられた押し順は「中左押し」であるのに対し、図10に示すように、押し順リプ1に当選したときに通常リプを入賞させるときの押し順には「中第1停止」が含まれる。これにより、通常リプを入賞させるためのストップスイッチの押し順を、メイン制御部41におけるAT中であるか否かの判定および所定制御の実行に用いることができるとともに、メイン制御部41がAT中であるか否かを判定したことに基づき所定制御を実行することができる。
[AT開始判定処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS5のステップで実行するAT開始判定処理について説明する。図20は、メイン制御部が実行するAT開始判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
図20に示すように、メイン制御部41は、図18のSh4で判定用役当選フラグがセットされたか否かを判定する(Sk1)。すなわち、押し順リプまたは通常リプに当選したか否かを判定する。メイン制御部41は、判定用役当選フラグがセットされていない場合には(Sk1でN)、AT開始判定処理を終了する。
メイン制御部41は、判定用役当選フラグがセットされている場合には(Sk1でY)、ストップスイッチ8L、8C、8Rの実際の押し順と図18のSh2で選択した停止順種別に基づいて決定した判定用役に対する押し順とを比較する(Sk2)。メイン制御部41は、押し順が一致した場合には(Sk3でY)、判定用役に対する押し順と実際の押し順とが一致した回数をカウントする開始判定カウンタのカウント値に「1」加算する(Sk4)。
次に、メイン制御部41は、開始判定カウンタのカウント値が「3」になったか否かを判定する(Sk5)。すなわち、メイン制御部41は、判定用役の押し順と実際の押し順が一致した回数が連続して3回になったか否かを判定する。メイン制御部41は、カウント値が「3」でなければ(Sk5でN)、AT開始判定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、カウント値が「3」であれば(Sk5でY)、ATが開始されたことを特定したため、AT信号を出力設定する(Sk6)。つまり、AT中の判定用ナビ演出に従ってストップスイッチ8L、8C、8Rを操作した結果、押し順が連続して3回一致した可能性が高いため、メイン制御部41は、ATが開始されたと認識してAT信号の外部への出力命令を設定する。これにより、外部機器においてAT中であることが特定可能となり、ATに関する情報が報知される。本実施の形態においては、メイン制御部41からAT信号を受信したデータカウンタ200によって、AT中であることを報知する「AT中」という文字画像が表示部に表示される。
その後、メイン制御部41は、AT中である旨を示すAT中フラグをRAM41cの所定領域に設定し(Sk7)、判定用役当選フラグをクリアして(Sk8)、AT開始判定処理を終了する。
また、メイン制御部41は、Sk3でストップスイッチ8L、8C、8Rの実際の押し順と図18のSh2で決定した判定用役に対する押し順とを比較した結果、押し順が一致しなかった場合には(Sk3でN)、開始判定カウンタのカウント値をクリアし(Sk9)、判定用役当選フラグをクリアして(Sk8)、AT開始判定処理を終了する。このように、押し順が一致しなかったときには開始判定カウンタのカウント値がクリアされるため、開始判定カウンタは連続して押し順が一致した場合にのみ、その回数をカウントすることになる。
[AT終了判定処理]
次に、メイン制御部41がゲーム処理のS8のステップで実行するAT終了判定処理について説明する。図21は、メイン制御部が実行するAT終了判定処理の制御内容を示すフローチャートである。
図21に示すように、メイン制御部41は、図20のSk7でAT中フラグがセットされたか否かを判定する(Sm1)。すなわち、AT信号が外部出力されてから外部機器においてAT中であると特定されている間であるか否かを判定する。メイン制御部41は、AT中フラグがセットされていないと判定したときには(Sm1でN)、AT終了判定処理を終了する。つまり、メイン制御部41は、すでにATが終了していることを特定してAT信号の外部出力を解除しているため、AT終了判定処理を終了する。
メイン制御部41は、AT中フラグがセットされていると判定したときには(Sm1でY)、終了したゲームが、押し順リプ1または押し順リプ3に当選したゲームであったか否かを判定する(Sm2)。メイン制御部41は、押し順リプ1および押し順リプ3のいずれにも当選したゲームでなかったと判定したときには(Sm2でN)、AT終了判定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、押し順リプ1または押し順リプ3に当選したゲームであったと判定したときには(Sm2でY)、RT状態の終了契機となるベルリプ1〜4のいずれかに入賞したか否かを判定する(Sm3)。メイン制御部41は、ベルリプ1〜4のいずれにも入賞していないと判定したときには(Sm3でN)、AT終了判定処理を終了する。
一方、メイン制御部41は、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞したと判定したときには(Sm3でY)、AT信号の出力設定を解除する(Sm4)。つまり、メイン制御部41は、すでにATが終了してナビ演出が実行されなかったことにより、押し順リプ1または押し順リプ3に当選してもベルリプ1〜4の入賞を回避できなかったと判断して、AT中であることを示すAT信号の外部出力を解除する。これにより、外部機器においてATが終了した旨が特定可能となり、ATに関する情報の報知から、ATに関係しない情報の報知へと切り替えられる。本実施の形態においては、データカウンタ200によって、表示部に表示されていたAT中であることを報知する「AT中」という文字画像が消去される。その後、メイン制御部41は、AT中フラグをリセットし(Sm5)、AT終了判定処理を終了する。
次に、本実施の形態のサブ制御部91が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[タイマ割込処理(サブ)]
図22は、サブ制御部91が内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)のフローチャートである。
図22に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sb1)。次に、サブ制御部91は、停電判定処理を行う(Sb2)。停電判定処理では、サブ制御部91は、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sb2のステップにおける停電判定処理の後、サブ制御部91は、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sb3)、電断フラグが設定されていた場合には(Sb3でY)、電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、サブ制御部91は、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算したりするなどの処理を実行する。
サブ制御部91は、電断フラグが設定されていない場合には(Sb3でN)、コマンド解析処理を実行する(Sb4)。コマンド解析処理では、サブ制御部91は、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
次に、サブ制御部91は、ナビストックを付与するか否かを決定するナビストック抽選処理を実行する(Sb5)。
次に、サブ制御部91は、Sb5のナビストック抽選処理におけるナビストック抽選に当選した場合に、非AT状態からナビ演出が実行されるAT状態に制御するAT制御処理を実行する(Sb6)。ATの終了条件が成立したときのナビストックが残っている場合には、ナビストックを1つ消化するとともに新たな1セットのATを継続して実行する。
次に、サブ制御部91は、メイン制御部41がAT信号を出力したことを示すAT信号出力フラグをセットまたはクリアなどすることにより、メイン制御部41がAT信号を出力済みであるか否かを識別するAT信号出力フラグ制御処理を実行する(Sb7)。
次に、サブ制御部91は、AT中に判定用役に当選した場合に判定用ナビ演出を実行する判定用ナビ演出処理を実行する(Sb8)。
[ナビストック抽選]
次に、図22のSb5で実行するナビストック抽選処理内で実行されるナビストック抽選について説明する。図23は、サブ制御部が管理するナビストック抽選テーブルについて説明するための図である。
本実施の形態においてサブ制御部91は、AT抽選役(本実施の形態では、弱チェリー、中チェリー、チャンス1、チャンス2、7揃いリプ、強チェリー)に当選した場合にATに制御するか否かを決定するナビストック抽選を実行する。また、サブ制御部91は、表示ゲーム数が到達ゲーム数である1000ゲームに到達した場合にナビストック抽選を実行する。さらに、サブ制御部91は、特定期間において特定付与条件が成立した場合にナビストック抽選を実行する。なお、特定期間とは、AT終了後から、図21のSm4の処理でメイン制御部41によりAT信号の外部出力が解除される条件が成立するまでの期間をいい、この期間中には、ATが終了した旨を示唆する特定演出が実行される。また、特定付与条件は、5ゲーム間、RT状態を維持したときに成立するようになっている。ナビストック抽選では、ナビストック数を付与するか否かおよび付与する場合にはその個数が決定される。
ナビストック数とは、所定ゲーム数(本実施の形態では1セット50ゲーム)にわたりATに制御される権利の数を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数の間、ATに制御され、その間ナビ演出(判定用ナビ演出と通常のナビ演出を含む)が実行される。このため、決定されたナビストック数が多い程、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。なお、ナビストック数が残っているときに、ナビストック数を新たに獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
本実施の形態では、成立した抽選条件に応じてナビストック抽選におけるナビストックの平均当選個数が異なる。さらに、AT抽選役に当選した場合に50%の確率で実行されるATフリーズが実行されたときには、ATフリーズが実行されなかったときよりも、ナビストック数が付与される可能性が高くなり、また、付与される場合のナビストック数が多くなる可能性が高くなる。
たとえば、図23に示すように、弱チェリーが当選する第1抽選条件が成立した場合におけるナビストック付与の当選確率は、ATフリーズが実行されなかったときには10%に設定され、ATフリーズが実行されたときには20%に設定されている。また、ATフリーズが実行されなかったときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が100%に設定され、2個となる当選確率が0%に設定され、3個となる当選確率が0%に設定されている。一方、ATフリーズが実行されたときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が0%に設定され、2個となる当選確率が100%に設定され、3個となる当選確率が0%に設定されている。
同様に、中チェリーが当選する第2抽選条件、チャンス1またはチャンス2が当選する第3抽選条件、7揃いリプが当選する第4抽選条件、強チェリーが当選する第5抽選条件、表示ゲーム数が1000ゲームに到達する第6抽選条件、および特定期間において特定付与条件が成立する第7抽選条件のいずれかが成立したときにおいても、図23に示すナビストック抽選テーブルにおいて設定された当選確率および振分率に基づき、付与されるナビストックが決定されるようになっている。
このように、本実施の形態においては、成立した抽選条件に応じて、ナビストック付与の当選確率が異なる。さらに、図23に示すように、第1〜5抽選条件の成立によるナビストック抽選とともにATフリーズが実行されたときには、ATフリーズが実行されなかったときよりも、ナビストック数が付与される可能性が高くなり、また、付与される場合のナビストック数が多くなる可能性が高くなっている。これにより、AT中にATフリーズを実行させることにより、遊技者に対して、ナビストック抽選が実行されたことを認識させることでナビストック獲得の期待をもたせることができ、さらに、ナビストック抽選においてより多くのナビストック数が付与されることに対して大きな期待をもたせることができる。
[AT信号出力フラグ制御処理]
次に、図22のSb7で実行するAT信号出力フラグ制御処理について説明する。図24は、サブ制御部91が実行するAT信号出力フラグ制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
図24に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41からAT信号を受信したことを示すAT信号出力フラグがセットされているか否かを判定する(Sf1)。サブ制御部91は、AT信号出力フラグがセットされていない場合には(Sf1でN)、メイン制御部41からAT信号出力コマンドを受信したか否かを判定する(Sf2)。サブ制御部91は、AT信号出力コマンドを受信していない場合には(Sf2でN)、AT信号出力フラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、AT信号出力コマンドを受信した場合、つまり、メイン制御部41がAT開始を特定したときには(Sf2でY)、AT信号出力フラグをRAM91cの所定領域にセットして(Sf3)、AT信号出力フラグ制御処理を終了する。
また、サブ制御部91は、Sf1においてAT信号出力フラグがセットされていると判定された場合には(Sf1でY)、ATが終了したか否かを判定する(Sf4)。Sf4での判定は、1セットのATが終了したか否かを判定する。よって、ナビストックが残っており、ATが継続するとしても、1セットのATが終了するときはATの終了と判定される。サブ制御部91は、ATが終了していない場合には(Sf4でN)、AT信号出力フラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、ATが終了した場合には(Sf4でY)、AT信号出力フラグをクリアして(Sf5)、AT信号出力フラグ制御処理を終了する。以上の処理により、AT信号出力フラグは、1セットのAT内でAT信号を出力してからATが終了するまでセットされるので、AT信号出力フラグがセットされているか否かを判定することにより、サブ制御部91は、AT信号を出力してからATが終了するまでの期間であるか否かを判定できる。
[判定用ナビ演出処理]
次に、図22のSb8で実行する判定用ナビ演出処理について説明する。図25は、サブ制御部91が実行する判定用ナビ演出処理の制御内容を示すフローチャートである。
図25に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信したか否かを判定する(Sm1)。サブ制御部91は、判定用役当選コマンドを受信していない場合には(Sm1でN)、判定用ナビ演出処理を終了する。サブ制御部91は、判定用役当選コマンドを受信した場合には(Sm1でY)、ATの実行中か否かを判定する(Sm2)。サブ制御部91は、ATの実行中でない場合には(Sm2でN)、判定用ナビ演出処理を終了する。
サブ制御部91は、ATの実行中である場合には(Sm2でY)、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいて判定用役である押し順リプまたは通常リプに当選したか否かを判定する(Sm3)。サブ制御部91は、押し順リプおよび通常リプのいずれにも当選していない場合には(Sm3でN)、判定用ナビ演出処理を終了する。サブ制御部91は、押し順リプまたは通常リプに当選した場合には(Sm3でY)、図24のSf3でAT信号出力フラグがセットされたか否かを判定する(Sm4)。サブ制御部91は、AT信号出力フラグがセットされている場合には(Sm4でY)、すなわち1セット内でメイン制御部41がAT開始を特定してAT信号を出力した後の期間である場合には、判定用ナビ演出処理を終了する。なお、この場合、2択ナビ(中第1停止または右第1停止を報知)のナビ演出が実行される。
サブ制御部91は、AT信号出力フラグがセットされていない場合(Sm4でN)、すなわち1セット内でメイン制御部41が未だAT開始を特定しておらずAT信号を出力する前の判定期間である場合には、判定用役当選コマンドに付加された停止順種別の情報(図18のSh2で選択する停止順種別に関する情報)から判定用の押し順を特定し、特定した押し順に基づいて押し順リプまたは通常リプに対する判定用ナビ演出を実行する(Sm5)。なお、この場合、図19に示すように、4択ナビ(中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しのいずれかを報知)のナビ演出が実行される。
以上のように、本実施の形態では、1セットのAT内においてメイン制御部41がAT開始を特定してAT信号を出力するまでの判定期間では、押し順リプまたは通常リプに対して4択の判定用ナビ演出が実行され、判定期間の経過後は、2択の通常のナビ演出が実行されるので、AT信号を出力した後は4択の操作を選択してストップスイッチの操作を行わなくてもよくなり、遊技者の負担を軽減できる。
[ナビ演出]
次に、サブ制御部91が実行するナビ演出の具体的な内容について説明する。本実施の形態のナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行われる。
たとえば、通常のナビ演出であれば、押し順ベル1〜4や押し順リプ1〜3に当選したときに、「中だ!」(中第1停止を報知)や「右だ!」(右第1停止を報知)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とが液晶表示器51に表示される。また、スピーカ53、54からもストップスイッチの押下順序を示す音声が出力される。
また、たとえば、判定用ナビ演出であれば、通常リプや押し順リプ1〜3に当選したときに、「中だ!左だ!右だ!」(中左押しを報知)や「右だ!左だ!中だ!」(逆挟み押しを報知)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とが液晶表示器51に表示される。また、スピーカ53、54からもストップスイッチの押下順序を示す音声が出力される。
[ATに関するタイミングチャート]
次に、本実施の形態におけるAT内での各種演出について説明する。図26は、ATに関するタイミングチャートの一例を示す図である。
図26においては、ATに制御されているとき、判定用役に対して押し順正解したとき、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞したとき、AT信号が外部出力されているとき、ATフリーズの実行可能制御がされたとき、判定用ナビ演出が実行されたとき、および通常のナビ演出を含む判定用以外のナビ演出が実行されたときに、ラインがOFFからONに立ち上がる旨が示されている。また、図26においては、押し順リプまたは通常リプに当選したときのナビ演出が4択ナビであるか2択ナビであるかが示されている。なお、判定用以外のナビ演出には、判定用役である押し順リプや通常リプ以外の役に当選したときに、サブ制御部91が実行するナビ演出、あるいは押し順リプや通常リプに当選したときに判定に用いられない通常のナビ演出(2択ナビ)が含まれる。
さらに、図26においては、液晶表示器51において、通常用報知、AT確定報知、およびAT用報知のうちいずれの報知が行われる期間であるかが示されている。通常用報知とは、図23に示したナビストック抽選の第6抽選条件が成立(表示ゲーム数が1000ゲームに到達)するまで行われる報知をいう。たとえば、AT終了後の次の1ゲーム目(非ATとなった後の最初のゲーム)においては、液晶表示器51の画面上における全表示領域のうち左上隅の領域に「1」の表示ゲーム数が表示され、2ゲーム目においては、「2」の表示ゲーム数が表示される。通常用報知においては、この表示ゲーム数が1000ゲームに到達するまで更新表示される。
AT確定報知とは、ナビストックを獲得した後、実際にATに制御されるまでの準備期間において行われる報知をいう。本実施の形態においては、ナビストックの獲得後、押し順リプ2または押し順リプ3に当選したときにナビ演出が実行され、ベルリプ5に入賞することによって遊技状態が通常状態からRT状態に移行する。このように、遊技状態が通常状態からRT状態に移行するまでの期間を準備期間とし、準備期間が終了すると1セット50ゲームのATが開始されるようになっている。準備期間に移行すると、通常用報知における表示ゲーム数は「1000」から「0」に初期化され、さらに、AT確定報知として、液晶表示器51の画面上に「AT確定!!」の文字画像が表示される。
AT用報知とは、ATが開始した後、ATが終了するまで行われる報知をいう。この期間においては、AT用報知として、液晶表示器51の画面上における全表示領域のうち左上隅の領域にAT中のゲーム数が表示されるようになっている。
図26に示すように、タイミングt1において表示ゲーム数が1000ゲームに到達したことによりナビストックが付与されると、準備期間に移行して押し順リプ2または押し順リプ3の当選待ち状態となるとともに、それまでゲーム数を表示していた通常用報知がAT確定報知に切り替わる。
その後、ベルリプ5に入賞することによって遊技状態が通常状態からRT状態に移行すると、準備期間が終了してタイミングt2からATが開始する。タイミングt2から開始されたATは、1セット50ゲームの期間に亘って制御され、タイミングt4で終了する。また、ATにおいては、判定用ナビ演出と判定用以外のナビ演出とが実行されるようになっている。
ATにおいてメイン制御部41がAT中であるか否かを判定する判定期間では、メイン制御部41は、押し順リプまたは通常リプに当選したときに、所定の停止順種別を抽選によって選択し、当該停止順種別を特定する情報を内部当選コマンドに含ませてサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、内部当選コマンドに含まれる情報から特定される停止順種別に基づき判定用ナビ演出を実行する。たとえば、サブ制御部91は、押し順リプ1の当選時に停止順種別0を選択した場合、停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順(中左右)を判別可能な判定用ナビ演出(4択ナビ)を実行する。メイン制御部41は、停止順種別と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解した旨を特定する。そして、メイン制御部41は、1セット50ゲームのAT内で押し順正解を3回判定したときに、タイミングt3で示すようにATが開始されたことを特定してAT中であることを示すAT信号を外部出力する。これにより、外部機器において、AT中であることを特定することが可能となる。
ここで、ATの1セット内で、メイン制御部41がATの開始を特定した後には、再度、判定用役に対する押し順正解の判定をする必要がない。そのため、サブ制御部91は、メイン制御部41がAT信号を外部出力したタイミングt3からATが終了するタイミングt4までの間は判定用以外のナビ演出のみを実行する。たとえば、押し順リプまたは通常リプに当選したときでも判定用ナビ演出(4択ナビ)を実行することなく通常のナビ演出(2択ナビ)を実行する。具体的には、押し順リプ1の当選時であれば左第1停止または右第1停止を報知する通常のナビ演出(2択ナビ)が実行され、判定用ナビ演出の4択より押し順の択数が減少する。
さらに、メイン制御部41は、AT内で押し順正解を3回判定してATの開始を特定してAT信号を外部出力したときには、同時にATフリーズ実行可能制御にゲームを制御する。これにより、ナビストック抽選において、ATフリーズを実行することが可能となり、遊技者を有利にさせることができる。
タイミングt4でサブ制御部91によるATが終了すると、ナビ演出が実行されなくなる。そのため、押し順リプ1や押し順リプ3に当選したときには、ベルリプ1〜4の入賞を回避できずに、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞して遊技状態が通常状態に移行することになる。よって、メイン制御部41は、タイミングt5において、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞したことに基づき、ATの終了を特定し、AT信号の外部出力を解除する。これにより、データランプ200などの外部機器において、非AT中になったことを特定することが可能となる。
このように、本実施の形態におけるATにおいては、AT内で、サブ制御部91の演出制御状態(たとえば、AT中であるか否か)をメイン制御部41が判定するための判定用ナビ演出と、判定用以外のナビ演出である通常のナビ演出とが実行される。そして、一旦、メイン制御部41がサブ制御部91の演出制御状態を特定した後には、ATにおいては、判定処理をする必要がないため、判定用ナビ演出は実行されないようになっている。
さらに、本実施の形態では、ATが開始されたことが特定されるまでの判定期間では、4択の判定用ナビ演出が実行され、判定期間の経過後は、2択の通常のナビ演出が実行されるので、AT信号を出力した後は4択の操作を選択してストップスイッチの操作を行わなくてもよくなり、遊技者の負担を軽減できる。
[AT開始判定の一例]
次に、図27、図28を用いて、AT開始判定の一例を説明する。
図27は、メイン制御部41がサブ制御部91によるATの開始を正しく判定したときの一例を示す。なお、図27においては、前回のATが終了した後、非AT状態になったゲームを1ゲーム目としている。また、図27においては、表示ゲーム数が1000ゲームに到達してナビストックが1個付与されたことによってATに制御され、その後、当該ATが終了するまでの遊技の一例を示している。
まず、メイン制御部41は、図20で示したAT開始判定処理において、遊技者が操作したストップスイッチ8L、8C、8Rの実際の押し順と図18のSh2で選択した停止順種別に基づいて決定した判定用役に対する押し順とを比較する。メイン制御部41は、押し順が一致したときに開始判定カウンタに1加算し、開始判定カウンタのカウント値が3になると、サブ制御部91によるAT制御の開始を特定するようになっている。そのため、判定用役に当選したときに行われた判定用ナビ演出に従って遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、メイン制御部41は、サブ制御部91によるAT制御の開始を正しく判定することができるようになっている。
AT終了後の次の1ゲーム目においては、通常用報知として、液晶表示器51の画面上における全表示領域のうち左上隅の領域に「1」の表示ゲーム数が表示される。同様に、データランプ200においても、非AT中のゲーム数を報知するため、「1」の表示ゲーム数が表示される。その後、2ゲーム目から1000ゲーム目に至るまで、表示ゲーム数が更新表示される(通常更新制御される)。表示ゲーム数が到達ゲーム数である1000ゲームに到達すると、1001ゲーム目において、表示ゲーム数が「0」に初期化される。さらに、AT確定報知として、液晶表示器51に「AT確定!!」の文字画像が表示され、ナビストック抽選によってナビストックが付与されたことが遊技者に報知される。
サブ制御部91によりAT確定が報知されると、その後、遊技状態がRT状態に移行するための準備期間に移行する。1006ゲーム目において、RT状態に移行して準備期間が終了すると、AT用報知として、液晶表示器51の画面上における全表示領域のうち左上隅の領域に「1」の表示ゲーム数が表示され、中央に「ナビ開始!!」の文字画像が表示される。これにより、遊技者に対して、1セット50ゲームのATが開始されることを認識させるとともに、AT中の消化ゲーム数を報知することができる。なお、このとき、メイン制御部41は未だATの開始を特定できていないため、AT信号を外部出力していない。そのため、データランプ200においては、非AT中のゲーム数が引き続き表示される。
その後、1009ゲーム目において、判定期間における判定用ナビ演出に従って遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することによりメイン制御部41がAT開始を特定すると、メイン制御部41からAT信号が外部出力されてデータカウンタ200の表示部に「AT中」の文字画像が表示される。これにより、遊技者は、データカウンタ200の表示と、液晶表示器51の表示とが合っていることを認識することができ、データカウンタ200の表示が正確であることを把握することができる。
AT中のゲームが消化されるにつれて、液晶表示器51においてAT中の表示ゲーム数が更新表示され、1055ゲーム目において50ゲームに到達すると、ATが終了する。そのため、1056ゲーム目において、液晶表示器51におけるAT中の表示ゲーム数が「0」に初期化される。その後、ATが終了したことにより、ナビ演出が実行されなくなるため、押し順リプ1や押し順リプ3に当選したときにベルリプ1〜4の入賞を回避できなくなる。これにより、1057ゲーム目において、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞して遊技状態が通常状態に移行すると、メイン制御部41がAT制御の終了を特定し、AT信号の外部出力が解除される。これにより、データランプ200においても、表示ゲーム数が「0」に初期化される。その後、再び、非AT中の1ゲーム目に戻り、非AT中のゲーム数が計数される。
次に、図28を用いて、データカウンタ200における表示ゲーム数が「500」と表示されたときの一例について説明する。
図28(a)は、図27で説明したように、メイン制御部41が正しくATの開始を判定したときの一例を示す。メイン制御部41が正しくATの開始を判定したときには、液晶表示器51の画面上における表示ゲーム数と、データランプ200における表示ゲーム数とが一致する。これにより、たとえば、これから遊技を始める遊技者は、データランプ200における表示ゲームが、液晶表示器51の画面上における表示ゲーム数と一致することを確認した上で、安心してその遊技台で遊技をすることができる。
次に、図28(b)は、メイン制御部41がATの開始を判定できなかったときの一例を示す。また、図28(c)は、メイン制御部41が誤ってATの開始を判定したときの一例を示す。
AT制御の開始判定に用いられる遊技者が操作したストップスイッチ8L、8C、8Rの実際の押し順は、サブ制御部91による判定用ナビ演出に従っているか否かにかかわらず停止順種別に基づいて決定した判定用役に対する押し順と一致する場合がある。たとえば、AT中のナビ演出によって報知された押し順に従わずに遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することによって、遊技者が操作したストップスイッチ8L、8C、8Rの実際の押し順と停止順種別に基づいて決定した判定用役に対する押し順とが一致せずにAT信号が外部出力されないことになる。この場合、AT中であるにもかかわらず、メイン制御部41はいつまでたってもATの開始を特定せず、データランプ200においては非AT中のゲーム数を更新表示し続けることになる。
図28(b)は、前の遊技者(前任遊技者)がAT中のナビ演出に従わなかったことによって、メイン制御部41がATの開始を特定できなかったときの一例を示す。たとえば、非AT中の440ゲーム目でナビストックが付与され、ATが開始されたことを想定する。通常、ATに制御されると、メイン制御部41は、判定用ナビ演出に従った遊技者のストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によってATの開始を特定するが、図28(b)の例では、前任遊技者が、AT中の判定用ナビ演出に従わずにストップスイッチ8L、8C、8Rを操作していたため、AT中であるにもかかわらず、メイン制御部41はいつまでたってもATの開始を特定できず、データランプ200においては非AT中のゲーム数を更新表示し続けている。その結果、液晶表示器51における表示ゲーム数はAT終了後に再び「0」から更新表示されて10ゲーム経過時には表示ゲーム数が「10」となるのに対して、データランプ200においてはAT中にAT信号が出力されなかったため、AT中においても非ATにおける表示ゲーム数を更新し続けて表示ゲーム数が「500」まで更新表示される。
ここで、仮にデータランプ200のみの表示であれば、後任遊技者は、表示ゲーム数が「500」であるため、実際は未だ10ゲームしか消化していないにもかかわらず、残り500ゲームでナビストックが付与されるかのように勘違いしてしまう。しかしながら、図28(b)に示すように、後任遊技者が、データランプ200における表示ゲーム数と液晶表示器51における表示ゲーム数とが異なっていることを把握できれば、このような勘違いをすることはない。
このように、AT中の判定用ナビ演出によって報知された押し順に従わずに遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することによって、遊技者が操作したストップスイッチ8L、8C、8Rの実際の押し順と停止順種別に基づいて決定した判定用役に対する押し順とが一致せずにAT信号が出力されず、データカウンタ200における表示ゲーム数が実際のゲーム数とずれてしまい、後任遊技者が勘違いしてしまう虞がある。しかしながら、本実施の形態の場合、ナビストックが付与されたときには、AT信号の出力有無にかかわらず、通常用報知としての表示ゲーム数は継続せずに「0」に初期化されて、これまでのゲーム数が特定不能にされる。そのため、後任遊技者は、通常用報知が特定不能にされたことを確認することによって、ナビストックが付与されたことを正確に認識することができ、その後も液晶表示器51の表示ゲーム数がデータランプ200の表示ゲーム数とは独立して更新表示されるため、後任遊技者が勘違いすることはない。このように、前任遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が如何なるものであっても、後任遊技者の遊技台選択において不測の不利益を与えることを防止することができる。
また、たとえば、本実施の形態においては、非AT中に変則押し順(右第1停止または中第1停止させる押し順)でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することでペナルティの対象となるが、遊技者が故意や過失などで非AT中に変則押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することがあり得る。この場合、非AT中であっても、変則押し順にしか対応付けられていない判定用役に対する押し順と、遊技者が操作したストップスイッチの実際の押し順とが一致することになる。この場合、非AT中であるにもかかわらず、メイン制御部41はATの開始を特定してAT信号を外部出力してしまう。そのため、データランプ200においてはAT中の表示をし、その後、ベルリプ1〜4の入賞によってAT信号の外部出力が解除されることによってデータランプ200における表示ゲーム数が「0」に初期化されることになる。
図28(c)は、前任遊技者が非ATに変則押しを行ったことによって、メイン制御部41が誤ってATの開始を特定したときの一例を示す。たとえば、前任遊技者が非AT中に変則押しを行った結果、300ゲーム目でメイン制御部41がATの開始を誤って特定してしまったことを想定する。図28(c)の例では、前任遊技者が、非AT中に変則押しを行ったため、データランプ200においては「AT中」と表示されるのに対して、液晶表示器51における表示ゲーム数は非AT中のゲーム数が更新表示されている。また、その後、500ゲーム消化した後においても、データランプ200においては表示ゲーム数が「500」と表示されるのに対して、液晶表示器51における表示ゲーム数は「800」まで更新表示される。
ここで、仮にデータランプ200のみの表示であれば、後任遊技者は、「AT中」と表示されているため、AT中であるかのように勘違いしてしまう。また、後任遊技者は、データランプ200の表示ゲーム数が「500」であるため、実際は800ゲームまで消化していても、まだ500ゲームしか消化していないと勘違いしてしまう。しかし、図28(c)に示すように、後任遊技者が、データランプ200における表示ゲーム数と液晶表示器51における表示ゲーム数とが異なっていることを把握できれば、後任遊技者は、このように勘違いすることはない。
このように、非AT中で判定用ナビ演出が実行されていないにもかかわらず、遊技者が操作したストップスイッチ8L、8C、8Rの実際の押し順と停止順種別に基づいて決定した判定用役に対する押し順とが一致してしまい、メイン制御部41がATの開始を特定してAT信号を出力した結果、データカウンタ200の表示によってナビストックが付与されたと他の遊技者が誤認してしまう虞がある。また、その後も、データカウンタ200における表示ゲーム数が実際のゲーム数とずれてしまい、後任遊技者が勘違いしてしまう虞がある。しかしながら、本実施の形態の場合、ナビストックが付与されていないときには、AT信号の出力有無にかかわらず、通常用報知としての表示ゲーム数が継続報知することで、これまでのゲーム数が特定不能にされることはない。そのため、後任遊技者は、通常用報知が未だ特定不能にされていないことを確認することによって、ナビストックが付与されていないことを正確に認識することができ、その後も液晶表示器51の表示ゲーム数がデータランプ200の表示ゲーム数とは独立して更新表示されるため、後任遊技者が勘違いすることはない。このように、前任遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が如何なるものであっても、後任遊技者の遊技台選択において不測の不利益を与えることを防止することができる。
また、ATに制御される前の準備期間となったときに通常用報知としての表示ゲーム数が特定不能になるため、遊技者はATに制御される前にナビストックが付与されたことを把握することができる。これにより、ATに制御されることに対して遊技者に期待をもたせることができるため、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、ナビストックの付与以降は、ATに制御されるゲーム数を特定可能なAT用報知が行われるため、AT中における遊技に対する興趣を向上させることができる。
ここで、メイン制御部41がAT制御の開始を誤って判定するタイミングは、図28(b)に示したようなAT開始前に限らない。たとえば、AT開始後に、一旦、メイン制御部41がAT制御の開始を正しく判定してAT信号を外部出力したことによって判定用ナビ演出が実行される判定期間が終了した後でも、遊技者のストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の如何によっては偶然に停止順種別に基づいて決定した判定用役に対する押し順と一致する場合がある。この場合、1セット内でのATにおいて、すでにAT信号が出力されたにもかかわらず、2回目のAT信号が出力されてしまい、遊技者を混乱させてしまう虞がある。
しかしながら、本実施の形態においては、図19に示すように、押し順リプ1〜3および通常リプのいずれに当選したときでも、停止順種別0〜3には、左第1停止は対応付けられていない。また、遊技者は、通常、ナビ演出によって押し順が報知されない限り推奨押し順(左第1停止)でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する傾向にある。そのため、遊技者が推奨押し順(左第1停止)でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する限り、メイン制御部41がAT制御の開始を誤って判定してしまうことはない。言い換えると、AT信号を出力させる必要がないときには、ナビ演出によって推奨押し順とは異なる中第1停止や右第1停止で遊技者にわざわざストップスイッチ8L、8C、8Rを操作させる必要がなく、遊技者の負担を軽減することができる。
[本実施の形態のペナルティについて]
次に、図29を用いて本実施の形態におけるペナルティを、従来例aのペナルティおよび従来例bのペナルティと比較しながら説明する。なお、図29は、表示ゲーム数として「50」が液晶表示器51に表示されている状態(a)のときに、遊技者が変則押しを行ったときの例について説明する。なお、従来例a、従来例b、および本実施の形態のいずれにおいても、遊技者が変則押しをすることによりペナルティが付与される。
従来例aでは、状態(b)に示すように、遊技者が、変則押しを行うと、変則押しが行われたゲームから10ゲーム消化するまで、ペナルティゲームに移行された旨が報知される。具体的には、ペナルティゲームに移行された旨の文字画像が液晶表示器51に表示される。なお、従来例aのスロットマシンでは、ペナルティゲーム中であるか、非ペナルティゲーム中であるかにかかわらず、ナビストック抽選が行われるが、ペナルティゲーム中であるときには、非ペナルティゲーム中であるときよりも、当選し難く設計されている。
ペナルティゲームに移行された旨の文字画像が表示されている状態(b)のときに、遊技者が遊技を止めた後においてもペナルティゲームに移行された旨の文字画像が継続して表示される。ここで、前の遊技者(前任遊技者)と異なる後の遊技者(後任遊技者)がその文字画像を確認した場合、当該遊技者は、ペナルティゲームに移行された旨の文字画像が表示されているスロットマシンで遊技しようとは思わない可能性が高い。仮に後任遊技者が、スロットマシンで遊技を行ったとしても、前任遊技者が変則押ししたことにより移行されたペナルティゲームを、後任遊技者は遊技しなければならず、後任遊技者の遊技への意欲が減退してしまうことになる。
また、従来例aにおいては、状態(b)のときに後任遊技者が順押しをすると、状態(c)に示すように表示ゲーム数は1増加され、かつ、残りペナルティゲーム数は1減少するようになっている。その後、10ゲーム消化すると、ペナルティゲームから、非ペナルティゲームに移行される。
なお、従来例aに関連して、「ペナルティゲームに移行された」旨の文字画像を表示させるのではなく、到達ゲーム数を10ゲーム増加させ、「到達ゲーム数が10ゲーム増加された」旨の文字画像を液晶表示器51に表示させることも考えられる。ここで、後任遊技者が「到達ゲーム数が10ゲーム増加された」旨の文字画像を確認した場合であっても、後任遊技者は、ペナルティゲーム中であることを把握してしまい、遊技への意欲を減退してしまう虞がある。
従来例bにおいては、状態(d)、状態(e)に示すように、所定ゲームの間、遊技者が順押ししても表示ゲーム数が増加しないようになっている。このように、所定ゲームの間、遊技者が順押ししても表示ゲーム数が増加しないと、ペナルティが科されないときと比較して表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達するタイミングが当該所定ゲーム数分遅延する点で遊技者にとって不利となる。よって、後任遊技者が状態(d)から状態(e)への液晶表示器51の表示を確認することにより、表示ゲーム数が増加更新しないことに対して不満を感じ、遊技への意欲が減退してしまう虞がある。
上記のように、従来例a、bにおいては、前任遊技者の変則押しによって科されたペナルティが後任遊技者に対しても生じたことが、液晶表示器51の表示によって認識されてしまうことになり、遊技への意欲が減退してしまう問題があった。これに対して、本実施の形態におけるペナルティは、変則押しを行ったときに不利更新制御を実行することによって、表示ゲーム数が所定ゲーム数(本実施の形態では、10ゲーム)だけ減少されるようになっている。このように、本実施の形態におけるペナルティでは、表示ゲーム数を減少させることで、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達するタイミングを遅延させるようになっている。
次に、本実施の形態におけるペナルティについて具体的に説明する。本実施の形態においては、ペナルティが科されることにより、状態(f)に示すように、表示ゲーム数が10ゲーム分減少される(表示ゲーム数が50→40に更新される)。さらに、ペナルティが科された旨については報知されない。なお、後任遊技者にペナルティが科された旨が把握されない態様であれば、ペナルティが科される旨またはペナルティが科された旨(つまり、不利更新制御が実行される旨または不利更新制御が実行された旨)を報知する演出を実行するようにしてもよい。
ここで、状態(f)であるときに、後任遊技者が順押しをすることにより1ゲーム消化すると、状態(g)に示すように、表示ゲーム数が1増加する。このように、本実施の形態におけるペナルティでは、状態(f)や状態(g)であるときの液晶表示器51の表示を後任遊技者が確認したとしても、後任遊技者は、ペナルティ中であることを把握することはできないようになっている。これにより、従来例a、bとは異なり、後任遊技者の遊技への意欲が減退してしまうことを防止するできる。
また、状態(f)のとき、ペナルティが科された後において、後任遊技者が順押しして1ゲーム消化すると、表示ゲーム数が1増加するが、後任遊技者が逆押しすると、さらに表示ゲーム数が10減少するようになっている。
このように、本実施の形態におけるペナルティは、10ゲーム分減少された後から、当該10ゲーム分消化するまでの特別期間中においても、ペナルティ中とは異なる通常時と同じように、遊技者が順押しすることで表示ゲーム数が増加する。
図30を用いて、さらに、本実施の形態におけるペナルティについて説明する。図30(a)は、遊技者により非AT中に変則押しされたゲームについて示し、図30(b)は、遊技者により非AT中に順押しされたゲームについて示し、図30(c)は、更新制御について示す。
図30の例では、表示ゲーム数が50ゲームのときに遊技者により変則押しされ、表示ゲーム数が40ゲームに不利更新される。また、不利更新されたゲームの次のゲーム以降については、順押しされる限りは、通常更新される。なお、本実施の形態では、10ゲーム分不利更新された後から、当該10ゲーム分、到達ゲーム数に近づくように更新されるまでの期間を特別期間といい、当該特別期間以外の期間を通常期間という。つまり、図30の例では、50ゲーム→40ゲームに不利更新された後、特別期間を経て、49ゲーム→50ゲームに通常更新された後に通常期間に移行する。そして、特別期間であるか通常期間であるかにかかわらず、遊技者により順押しされると、通常更新制御が実行され、特別期間であるか通常期間であるかにかかわらず、遊技者により変則押しされると、不利更新制御が実行される。
このように、本実施の形態のペナルティは、変則押し時に表示ゲーム数を不利更新させるのみである。つまり、本実施の形態のペナルティは、表示ゲーム数を特定数(本実施の形態では、10ゲーム)減少させるのみであり、従来例aのように変則押し時から所定期間に亘り不利な制御を行うとともに液晶表示器51にペナルティが付与された旨を表示したり、従来例bのように順押しにより1ゲーム消化したとしてもペナルティとして表示ゲーム数を更新させないようにしたりするものではない。したがって、本実施の形態においては、ペナルティが付与された後の特別期間において、遊技者が入れ替わって後任遊技者が遊技したとしても、当該ペナルティが付与された旨が後任遊技者により把握されることはない。その結果、後任遊技者の遊技への意欲を減退させてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態のペナルティは、不利更新制御のみが行われ、遊技者にとって不利となる他の制御は行われないようになっている。たとえば、ナビストック抽選において、当選確率を著しく低下させることが考えられる。しかしながら、このようなペナルティを科した場合、前任遊技者の変則押しにより付与されたペナルティにより後任遊技者がナビストック抽選で当選しないことになり、後任遊技者の遊技への意欲が減退してしまい、遊技の興趣の低下を招く虞がある。したがって、本実施の形態のペナルティは、不利更新制御のみが行われ、遊技者にとって不利となる他の制御は行われないようになっている。
また、本実施の形態のペナルティは、図29、図30に示したように、通常更新制御が実行されることにより表示ゲーム数が増加し、不利更新制御が実行されることにより表示ゲーム数が減少することから、遊技者に対して、表示ゲーム数が加算されることにより到達ゲーム数に近づいたことを示唆し、表示ゲーム数が減算されることにより到達ゲーム数から遠ざかったことを示唆することができる。
[特定演出について]
次に、特定期間において、サブ制御部91が実行する特定演出について説明する。特定演出とは、全てのナビストックに対応するATゲームを消化した後の特定期間にのみ実行される演出である。すなわち、サブ制御部91は、全てのナビストックに対応するATゲームを消化した後、メイン制御部41によりAT信号の外部出力が解除されるまでの特定期間に限り特定演出を実行する。
特定演出においては、たとえば、液晶表示器51の画面上において、「5ゲーム間耐えろ!!」といった文字画像が表示される。ここで、特定期間中は、非AT中であるため原則としてナビ演出が実行されないため、推奨押し順以外で停止操作された場合にはペナルティが科されてしまう。このような状況において、図23の第7抽選条件に示したように、特定付与条件は、たとえば、特定期間に移行されてから、転落させることなくRT状態を5ゲーム間維持することにより成立するように定められている。このため、特定期間において、運良くRT状態が維持されることに対する期待感を抱かせることができる。
このように、本実施の形態においては、ATにおいて1ナビストックに対応するATが終了したときに残りナビストックが0であるときにはATを終了させる。ATを終了してからベルリプ1〜4が所定回数である1回発生するまでの特定期間(メイン制御部41により図21のSm3においてYESと判定されSm4においてAT信号の外部出力が解除されるまでの期間)においては、特定演出が実行される。このため、スロットマシン1側ではAT終了後であるが外部機器であるデータカウンタ200においてATの終了が判別できておらず、データカウンタ200側においてATに応じた態様で情報を報知している間においては、通常の演出を実行するのではなく、スロットマシン1側において特定期間以外の期間では実行されることのない特定演出が実行される。その結果、データカウンタ200の状態がスロットマシンの演出状態(演出内容)から乖離してしまうことを防止できる。
また、本実施の形態においては、特定期間以外の期間のみならず、特定期間においても第7抽選条件が成立したときにATへの制御契機となるナビストックが付与される。このため、特定演出が実行されている間にナビストックが付与されることに対する期待感を抱かせることができ、ATが終了したことに対する残念感を軽減させることができる。
また、本実施の形態においては、第7抽選条件成立時に付与されるナビストック数は、その他のAT抽選条件成立時と同様に1(ATゲーム数が50ゲーム)以上が確定する。このため、特定期間におけるナビストック抽選によって付与されるナビストック(ATゲーム数)が少なくなり過ぎることを防止でき、特定期間においてナビストックが付与されることに対する期待感を一定レベル以上に維持することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例などについて説明する。
[通常用報知の報知態様の変更について]
本実施の形態においては、図27に示すように、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達してナビストックが付与されたときには、通常用報知である表示ゲーム数を「0」に初期化してこれまでのゲーム数を特定不能にすることで、後任遊技者にナビストックが付与されているか否かを判断させるものであった。しかしながら、このような手段に限らず、その他の手段によって後任遊技者にナビストックが付与されているか否かを判断させるものであってもよい。
たとえば、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達してナビストックが付与されたときには、表示ゲーム数を消去するもの、表示ゲーム数を斜線や記号などで隠すもの、表示ゲーム数の鮮明度を薄くして視認困難にするもの、およびシャッターなどの部材を機械的に動作して液晶表示器510の画面を視認不可能に遮蔽するものなどにより、後任遊技者にナビストックが付与されているか否かを判断させるものであってもよい。さらには、表示ゲーム数の色を変更することによって、変更後の表示ゲーム数が無効であることを後任遊技者に認識させるものや、「この数字は無効です」などの文字画像によって表示ゲーム数が無効であることを後任遊技者に認識させるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、表示ゲーム数が1000ゲームに到達してナビストックが付与されたときに通常用報知の報知態様である「1000」の表示ゲーム数を「0」に初期化するものであったが、通常用報知の報知態様の変更は、ナビストックが付与された以降であれば、いずれのタイミングに行われるものであってもよい。たとえば、ナビストックが付与された後の準備期間を経てATが開始されるときに、通常用報知の報知態様が変更されるものであってもよい。また、メイン制御部41によりAT開始判定が行われて、AT信号が出力されたときと同じタイミングで通常用報知の報知態様が変更されるものであってもよい。
[準備期間について]
本実施の形態においては、ナビストックの獲得後、押し順リプ2または押し順リプ3に当選したときにナビ演出が実行され、ベルリプ5に入賞することによって遊技状態が通常状態からRT状態に移行するまでの期間を準備期間としていたが、これに限らない。たとえば、ナビストックの獲得後、7揃いリプなどの遊技状態の遷移に影響を与えない役に当選したゲームにおいて7揃いリプに入賞するまでの期間を準備期間とし、7揃いリプに入賞するとともにATが開始するものであってもよい。
[停止順種別における押し順の振り分けについて]
本実施の形態においては、押し順リプ1〜3および通常リプのいずれに当選したときでも、停止順種別0〜3には、左第1停止は対応付けられていないものであった。しかしながら、これに限らず、左第1停止を促す判定用ナビ演出を、中第1停止および右第1停止よりも低い割合で対応付けられているものであってもよい。このようにしても、遊技者が推奨押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する限り、一旦AT中であると特定してAT信号を出力したにもかかわらず、再度、AT中であると特定してしまうことを高い確率で防ぐことができる。さらに、このような場合においても、本実施の形態のように、開始判定カウンタの値が3に達したことによりメイン制御部41がAT中であると判定するものであれば、偶然に1回だけ押し順が一致してもすぐにはメイン制御部41がAT中であると特定することがないため、メイン制御部41が、再度AT中であると特定してしまうことをより効果的に防ぐことができる。
[通信形態について]
本実施の形態においては、メイン制御部41からサブ制御部91への一方向通信のみ可能となっていたが、これに限らず、双方向通信が可能で合ってもよい。但し、双方向通信が可能であるように構成した場合であっても、ATに関する情報(たとえば、ナビストックを獲得した旨の情報やAT中であるか否かを認識可能な情報)は、少なくとも、サブ制御部91からメイン制御部41へ送信不可能である方が好ましい。
[リプレイ入賞後における投入・精算の許容タイミングについて]
(a) 本実施の形態では、図17(c)および(d)で示したように、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングが、リプレイ入賞による自動BETの完了時である例について説明したが、これに限らず、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングは、リプレイ入賞による自動BETが開始される(あるいは開始された)ときであってもよい。
図31は、ゲーム終了後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングについての変形例を説明するための図である。図31(a)に示すように、通常リプ入賞が発生している場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図12のS9の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図13のS10〜S13の処理が行われた後に、自動BETの処理(S14、S15)が開始される。つまり、図13のS10〜S13の処理が行われた後は、自動BETの処理(S14、S15)の開始が確定するため、自動BETの処理が開始されるといえる。よって、図31(a)に示すように、自動BETの処理が開始される(あるいは開始された)ときに、メダルの投入あるいは精算を許容するようにしてもよい。
第1の例として、たとえば、図13のS12においてYESと判定されてS13の処理が終了した場合にS19と同様の処理を行ってクレジットカウンタの値が50であるか否かの判定を行った後に、自動BETの処理(S14、S15と同様の処理)が開始されるようにするとともにクレジットカウンタの値が50でないと判定された後においては、その後に開始される自動BETの処理の完了を待つことなく、S21と同様の処理を行った以降において投入されたメダルを検出したときにクレジット加算されるとともに精算スイッチ10への操作を検出したときにクレジット精算されるようにしてもよい。一方、S19と同様の処理を行ってクレジットカウンタの値が50であると判定された後は、S20以降の処理と同様の処理を行うようにしてもよい。第1の例においてベルリプフリーズ処理は、たとえば、賭数設定が開始されることになるタイミングで行うようにしてもよい。
第2の例として、たとえば、メダルの投入あるいは精算を行うための割込処理を実行可能とし、第1の例におけるクレジットカウンタの値が50でないと判定されたとき、あるいは、クレジットカウンタの値が50でないと判定された後において1回目のS14に相当する処理が実行されてからゲーム開始までの間において、上記割込処理の割込みを許可するようにして、所定期間(2msec)毎に当該割込処理を実行するようにして、自動BETの処理が開始される(あるいは開始された)ときに、メダルの投入あるいは精算を許容するようにしてもよい。
このように構成した場合であっても、リプレイ入賞が発生した後であってリプレイゲームが開始(リール回転開始)されるまでの間に投入されたメダルであっても、リプレイ入賞による賭数設定(自動BET)が開始されてから後に検出されたメダルである場合には、メダルの検出に応じてクレジット加算させることができる。このため、リプレイ入賞が発生した後におけるクレジット加算が賭数設定の開始よりも先に行われてしまうことを防止できる。その結果、違和感を抱かせることなく、リプレイ入賞が発生した後における遊技者の利便性を向上させることができる。また、メダルを払い出すのではなくリプレイゲーム(1ゲーム)を付与するというリプレイの機能そのものを残してリプレイの存在意義を維持する一方、クレジットについてはリプレイ入賞後であっても精算操作に応じて払出可能としたことにより、リプレイ入賞後における遊技者の利便性をさらに向上させることができる。
図31(b)は、ベルリプ入賞した後においてメダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングを説明するための図である。ベルリプ入賞が発生している場合には、払い出しが行われることなくゲームが終了し、その後、図12のS8の処理や、次のゲームのためのS1の処理、図13のS10〜S12の処理が行われた後において、図16に示すベルリプフリーズ処理が実行されて、フリーズ解除条件が成立するまでベルリプフリーズに制御される。この間においては、図16のS87で示したように、流路切替ソレノイド30がon状態にされて、フリーズ解除のためのメダル投入が許可されるとともに、フリーズ解除のためのクレジット精算操作やMAXBET操作も許可される。フリーズ解除条件が成立すると、賭数設定が開始されるとともに、図31(b)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容される。
以上のように、通常リプに入賞した場合には、図31(a)で示すように、自動BETの処理が開始される(あるいは開始された)ときに、メダルの投入あるいは精算が許容され、ベルリプ入賞した場合には、図31(b)で示すように、ベルリプフリーズを発生させ、フリーズ解除条件成立後であって、自動BETの処理が開始される(あるいは開始された)ときに、メダルの投入あるいは精算が許容されるようにしてもよい。この場合、BETされた旨の報知とクレジット加算された旨の報知とが同時に行われることを回避するために、自動BETの処理が開始される(あるいは開始された)ときに、メダルの投入あるいは精算を許容するものの、メダルの投入によりクレジット加算された旨の報知は、必ず、自動BETされた旨の報知がされた後に行うようにしてもよい。また、前述した実施の形態において、ベルリプフリーズを解除させるために投入されたメダルによりクレジット加算された旨の報知についても同様に、必ず、自動BETされた旨の報知がされた後に行うようにしてもよい。
なお、リプレイ入賞後において投入(クレジット)が許容されるタイミングをリプレイ入賞による自動BETが開始されるときにした場合であっても、リプレイ入賞後において精算が許容されるタイミングについてはリプレイ入賞による自動BETの完了時となるようにしてもよい。
(b) 本実施の形態では、図17(c)、(d)、および、図31(a)、(b)で示したように、リプレイ入賞後において投入(クレジット)・精算が許容されるタイミングが、リプレイ入賞による自動BETの開始時あるいは完了時である例について説明したが、これに限らず、リプレイ入賞による自動BETの開始後あるいは完了後において所定条件が成立したタイミングであってもよい。所定条件は、所定時間経過することにより成立するものや、所定の処理が終了することにより成立するものであってもよい。
リプレイ入賞による自動BETの完了後において所定条件が所定時間経過することにより成立する例として、たとえば、図13のS17で設定されたBETコマンド(BET音あり)がサブ制御部91に出力されて当該コマンドに基づいて3回目のBET音の出力が完了するまでに要する平均的な時間を時間Aとした場合に、所定条件がS15でYESと判定されてから時間Aが経過したときに成立するものであってもよく、また、図13のS18で設定されたBETコマンド(BET音なし)がサブ制御部91に出力されて受信されるまでに要する平均的な時間を時間Bとした場合に、所定条件がS15でYESと判定されてから時間Bが経過したときに成立するものであってもよい。S15においてYESと判定された後、所定条件が成立したときにS21に移行可能となるようにしてもよい。
(c) 本実施の形態では、リプレイの種類にかかわらず、リプレイ入賞後における投入が許容される例について説明したが、これに限らず、リプレイの種類に応じてリプレイ入賞後における投入が許容されるように構成してもよい。たとえば、第1のリプレイ入賞後においては投入が許容されないのに対し、第2のリプレイ入賞後においてのみ投入が許容されるようにしてもよい。つまり、リプレイの入賞が気付き難いときにのみ投入が許容されるようにして、遊技者に煩わしさを抱かせることなく利便性を向上させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、リプレイの種類にかかわらず、リプレイ入賞後における精算が許容される例について説明したが、これに限らず、リプレイの種類に応じてリプレイ入賞後における精算が許容されるように構成してもよい。たとえば、第1のリプレイ入賞後においては精算が許容されないのに対し、第2のリプレイ入賞後においてのみ精算が許容されるようにしてもよい。つまり、リプレイの入賞が気付き難いときにのみ精算が許容されるようにして、遊技者に煩わしさを抱かせることなく利便性を向上させるようにしてもよい。
[ベルリプフリーズについて]
本実施の形態では、ベルリプ入賞後であって自動BETされるまでにおいて、図16に示すベルリプフリーズ処理を実行して、ベルリプフリーズを発生させる例について説明した。しかし、ベルリプフリーズは、ベルリプ入賞ゲーム終了時に発生あるいは発生開始するもの(たとえば、図12のS6の入賞判定処理においてベルリプフリーズ処理実行)であってもよい。
また、ベルリプフリーズは、ベルリプ入賞後であって自動BETされた後に発生あるいは発生開始するもの(たとえば、図13のS12でYESと判定された後、まず、S16〜S18の処理を行い、次にS14〜S15の処理を行った後、ベルリプフリーズ処理実行)であってもよい。この場合、図31(c)に示すように、賭数設定が完了した後のベルリプフリーズ中においては、図16のS87で示したように、流路切替ソレノイド30がon状態にされて、フリーズ解除のためのメダル投入が許可されるとともに、フリーズ解除のためのクレジット精算操作やMAXBET操作も許可されるようにし、フリーズ解除条件が成立すると、図13のS19においてクレジット可能であると判定された後において、S21以降の処理が実行されることにより、図31(c)に示されるようにメダルの投入あるいは精算が許容されるようにしてもよい。また、この場合においても、メダルの投入あるいは精算が許容されるタイミングは、自動BETの処理が行われて賭数設定が完了した後に限るものではなく、自動BETの処理が開始される(あるいは開始された)ときであってもよい。
[フリーズ解除条件について]
本実施の形態においては、ベルリプフリーズを解除するための条件として、所定時間の経過、MAXBET操作、メダル投入(特定センサによる検出)、およびクレジット精算操作が設定されていた。しかしながら、これに限らず、その他の条件であってもよい。
たとえば、1BET操作によってフリーズ解除条件が成立するものであってもよい。通常ベルなどの小役が入賞したときに、次のゲームを開始するために遊技者が通常行う操作であれば、当該操作をフリーズ解除条件として設定してもよい。たとえば、通常ベルなどの小役が入賞したときに、必ず点灯することで遊技者に操作を促すボタンがあれば、当該ボタンの操作をフリーズ解除条件として設定してもよい。
また、ベルリプフリーズを、所定時間の経過、MAXBET操作、メダル投入、およびクレジット精算操作のうち、いずれか一つのみで解除するものであってもよい。たとえば、メダル投入のみによりフリーズ解除条件が成立するものであってもよい。また、これらの複数の条件の全てが成立したとき、もしくはこれら複数の条件のうち任意の2以上の条件が成立したときにベルリプフリーズが解除されるものであってもよい。また、所定時間の経過でベルリプフリーズが解除されることは設定されていなくてもよい。
また、本実施の形態においては、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、遊技者にMAXBET操作や、メダル投入、クレジット精算操作を促す方法として、ベルリプフリーズを実行するものであった。しかしながら、フリーズに限らず、たとえば、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、通常ベルに入賞したときと同じように、液晶表示器51にMAXBET操作やメダル投入、クレジット精算操作を促す画像を表示してもよいし、スピーカ53、54からMAXBET操作やメダル投入、クレジット精算操作を促す音声を出力するものであってもよい。
また、メダル投入によるフリーズ解除条件が成立したか否かについては、通常時において投入されたメダルを検出するための投入メダルセンサ31が備える複数のセンサのうち特定センサの検出結果(適正な検出結果と異なる検出結果)に基づき判定され、これら複数のセンサ全てが流路切替ソレノイド30より下流側に設けられている例について説明したが、これに限らず、複数のセンサのうち特定センサについては流路切替ソレノイド30よりメダル投入部4側(上流側)に設けてもよい。
また、メダル投入によるフリーズ解除条件が成立したか否かについては、投入メダルセンサ31が備える複数のセンタ全ての検出結果(適正な検出結果となるか否か)に基づき判定されるものであってもよい。
また、メダル投入によるフリーズ解除条件が成立したか否かについては、賭数設定やクレジット加算の判定に用いる投入メダルセンサ31とは異なるセンサ(投入メダルフラグの設定に関与しないセンサ(以下では特別センサともいう))を投入メダル検出可能位置に設けて、当該特別センサの検出結果に基づき判定されるようにしてもよい。たとえば、特別センサとして、流路切替ソレノイド30より下流側にメダルを検知するフリーズ解除用センサAを設け、通常時においては、フリーズ解除用センサAの検出結果のみによってはメダル投入が検出されない一方、ベルリプフリーズ中においては、フリーズ解除用センサAの検出結果に基づきメダル投入によりフリーズ解除条件が成立したことが検出されるようにしてもよい。また、特別センサとして、流路切替ソレノイド30よりメダル投入部4側(上流側)にメダルを検知するフリーズ解除用センサAを備え、通常時においては、フリーズ解除用センサAの検出結果のみによってはメダル投入が検出されない一方、ベルリプフリーズ中においては、フリーズ解除用センサAの検出結果に基づきメダル投入によりフリーズ解除条件が成立したことが検出されるようにしてもよい。この場合には、クレジットカウンタの値が50となっているときに発生したベルリプフリーズ中においても、メダル投入によりフリーズ解除条件を成立させ得るように構成することができる。
[通常ベルとベルリプ1〜5との関係について]
本実施の形態においては、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、入賞ラインL1上に入賞したベルリプ1〜5のいずれかに対応する図柄組合せが表示されるとともに、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段に跨った位置、もしくは左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段に跨った位置に通常ベルの図柄組合せである「ベル−ベル−ベル」が表示されるものであった。しかしながら、その他の役や図柄組合せ、表示位置であってもよい。
たとえば、通常ベルに限らず、チェリーやスイカなどその他の小役であってもよい。また、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、その他の位置に表示される図柄組合せは、通常ベルのように「ベル」図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果に限らず、スイカ1〜8のように「スイカ」図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果、チェリー1〜3のように「チェリー」図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果、あるいは「チェリー」図柄とその他の図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果、あるいは複数のリールのうちいずれかのリールの一部に「チェリー」図柄が導出される表示結果であってもよい。つまり、他の一般的なスロットマシンで小役として用いられていることで遊技者が経験則から小役であると認識しがちな、「ベル」図柄揃い、「スイカ」図柄揃い、「チェリー」図柄揃い、あるいは「チェリー」図柄とその他の図柄からなるものであってもよい。
また、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、その他の位置に表示される図柄組合せは、通常ベルのように「ベル」図柄を想定させるような黄色の図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果に限らず、スイカ1〜8のように「スイカ」図柄を想定させるような緑色の図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果、チェリー1〜3のように「チェリー」図柄を想定させるような赤色の図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果、あるいは「チェリー」図柄を想定させるような赤色の図柄とその他の図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果」、あるいは複数のリールのうちいずれかのリールの一部に「チェリー」図柄を想定させるような赤色の図柄が導出される表示結果であってもよい。つまり、他の一般的なスロットマシンで小役として用いられていることで遊技者が経験則から小役であると認識しがちな、黄色の図柄揃い、緑色の図柄揃い、赤色の図柄揃い、あるいは赤色の図柄とその他の図柄からなるものであってもよい。
さらに、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、その他の位置に表示される図柄組合せは、通常ベルのような小役の図柄組合せに限らず、遊技者に小役と認識させる図柄組合せであればよい。言い換えると、遊技者に再遊技役やハズレの図柄組合せが導出されたと認識させる図柄組合せ以外の図柄組合せであればよい。遊技者に再遊技役が導出されたと認識させる図柄組合せとしては、「再」、「再遊技」、「再遊戯」、「リプレイ」、「リプ」、「りぷ」、「りぷれい」、「R」、「RE」、「REP」、「RP」、および「REPLAY」のうちいずれかの文字が付された図柄から構成される図柄組合せがある。また、所定の果物(たとえば、ベル、スイカ、チェリー)の図柄から構成される図柄組合せが小役であるものとすれば、遊技者に再遊技役が導出されたと認識させる図柄組合せとしては、所定の果物(たとえば、ベル、スイカ、チェリー)以外の果物の図柄から構成される図柄組合せがある。また、小役が導出されたときに払い出し音が鳴るものであれば、導出されたときに、その払い出し音が鳴る図柄組合せは、遊技者に小役と認識させる図柄組合せとなる。
また、本実施の形態においては、「通常ベル」が入賞することでメダルの払い出しがあるが、「通常ベル」が入賞してもメダルが払い出されないものであってもよい。たとえば、「通常ベル」が入賞することで次のゲームがメダルを消費することなく行えるものであってもよい。この場合でも、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、その他の位置に通常ベルの図柄組合せが導出されることで遊技者は他の一般的なスロットマシンで小役として認識しているために、メダルが払い出されるものだと認識させることができる。
さらに、たとえば、「通常ベル」は入賞しないハズレ図柄の組合せであってもよい。この場合でも、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、その他の位置に通常ベルの図柄組合せが導出されることで、遊技者は他の一般的なスロットマシンで小役として認識しているために、メダルが払い出されるものだと認識させることができる。
なお、「通常ベル」の図柄組合せにおいて、スロットマシン固有の図柄、たとえば、ロゴや小役によく用いられる色(黄色、緑色、赤色)以外の色の図柄を用いる場合には、他の一般的なスロットマシンで小役として認識されていないため、入賞によってメダルの払い出しが行われるものである必要がある。
また、左リール2Lの中段、中リール2Cの中段、右リール2Rの中段を結ぶ入賞ラインL1に限らず、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段を結ぶ入賞ラインL2、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段を結ぶ入賞ラインL3、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段を結ぶ入賞ラインL4、左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段を結ぶ入賞ラインL5などを用いてもよい。さらに、1本の入賞ラインに限らず、複数本の入賞ラインが設定されているものであってもよい。上記のような入賞ラインを設定するものであっても、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、入賞ライン上に入賞したベルリプ1〜5のいずれかに対応する図柄組合せが表示されるとともに、入賞ライン以外のラインに通常ベルの図柄組合せが表示されるものであればよい。
また、本実施の形態においては、入賞が発生する位置にベルリプ1〜5のいずれかの図柄組合せが導出したときに、入賞が発生しない位置に通常ベルの図柄組合せが導出するパターンを用いていたが、これに限らない。たとえば、入賞が発生する位置にベルリプ1〜5のいずれかの図柄組合せが導出したときに、入賞が発生する位置に通常ベルの図柄組合せが導出するパターンであってもよい。また、たとえば、入賞が発生しない位置にベルリプ1〜5のいずれかの図柄組合せが導出したときに、入賞が発生する位置に通常ベルの図柄組合せが導出するパターンであってもよい。また、たとえば、入賞が発生しない位置にベルリプ1〜5のいずれかの図柄組合せが導出したときに、入賞が発生しない位置に通常ベルの図柄組合せが導出するパターンであってもよい。
また、本実施の形態においては、ベルリプ1〜5のいずれかの図柄組合せが導出したことによってベルリプ1〜5のいずれかが入賞し、かつその他の位置に導出された通常ベルの図柄組合せによっては入賞しないパターンを用いていたが、これに限らない。たとえば、ベルリプ1〜5のいずれかの図柄組合せが導出したことによってはベルリプ1〜5が入賞せず、かつその他の位置に導出された通常ベルの図柄組合せによっては入賞するパターンであってもよい。また、たとえば、ベルリプ1〜5のいずれかの図柄組合せが導出したことによってはベルリプ1〜5が入賞せず、かつその他の位置に導出された通常ベルの図柄組合せによっても入賞しないパターンであってもよい。
[精算処理について]
前述した実施の形態では、精算処理に関して、メダル投入あるいは1枚BETスイッチ5かMAXBETスイッチ6が操作されることにより賭数が設定されている状態において、精算スイッチ10が操作されると、図14のS56でNOと判定されてS57において賭数精算処理を行い、その後、再び精算スイッチ10が操作されると、図14のS56でYESと判定されてS59においてクレジット精算処理を行う例、つまり最初の精算操作で賭数精算を行い、次の精算操作でクレジット精算を行う例について説明した。しかし、精算処理は、このようなパターンで行うものに限らず、以下のようなパターンで行うものであってもよい。
パターンa:最初の精算操作でクレジット精算を行い、次の精算操作で賭数精算を行うものであってもよい。たとえば、S56においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときにS59に進んでクレジット精算を行い、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときにS57に進んで賭数精算を行うようにしてもよい。
パターンb:最初の精算操作で賭数分をクレジット加算することにより賭数精算を行い、次の精算操作でクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、設定されている賭数が3でクレジットが40である場合、最初の精算操作で賭数分の3をクレジット加算してクレジットを43とすることにより賭数精算を行い、次の精算操作で43枚メダルを払い出すことによりクレジット精算を行うものであってもよい。この場合において、最初の精算操作による賭数精算が行われることにより、クレジットカウンタの値が50を超えてしまう場合も考えられる。この場合には、クレジットカウンタの値が50を超えた値に設定されるようにしてもよく、50を超えた分のメダルに関して賭数精算時に払い出すようにしてもよい。
パターンc:1回の精算操作で、まず賭数精算を行い、その後に引き続いてクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、S56でNOと判定されたときには、賭数精算を行った後に引き続いてクレジット精算を行い、S56でYESと判定されたときには、クレジット精算を行うようにしてもよい。
パターンd:1回の精算操作で、まずクレジット精算を行い、その後に引き続いて賭数精算を行うものであってもよい。たとえば、S56においてクレジットカウンタの値が0であるか否かを判定し、クレジットカウンタの値が0でないと判定されたときにはクレジット精算を行った後に引き続いて賭数精算を行い、クレジットカウンタの値が0であると判定されたときには賭数精算を行うようにしてもよい。
パターンe:1回の精算操作で、まず賭数分をクレジット加算することにより賭数精算を行い、その後に引き続いてクレジット精算を行うものであってもよい。たとえば、設定されている賭数が3でクレジットが40である場合に精算操作が行われることにより、賭数分の3をクレジット加算してクレジットを43とすることにより賭数精算を行い、その後に引き続いて43枚メダルを払い出すことによりクレジット精算を行うものであってもよい。この場合において、精算操作による賭数精算が行われることにより、クレジットカウンタの値が50を超えてしまう場合も考えられる。この場合には、クレジットカウンタの値が50を超えた値に設定されるようにしてもよく、50を超えた分のメダルに関して賭数精算時に払い出すようにしてもよい。
[BET音について]
(a) 前述した実施の形態では、第1のリプレイ入賞後において自動BETされたときにはBET音を出力させ、第2のリプレイ入賞後において自動BETされたときにはBET音を出力させない例について説明した。しかし、入賞したリプレイの種類にかかわらず、自動BETされたときにはBET音を出力させないようにしてもよく、逆に自動BETされたときにはBET音を出力させるようにしてもよい。
また、前述した実施の形態では、BET音の有無について、BETコマンドの種類によって判別する例について説明したが、これに限らず、入賞判定コマンドにより入賞していたリプレイの種類を判別することにより、BET音の有無を判別するようにしてもよい。
また、前述した実施の形態では、入賞したリプレイの種類にかかわらず、BETカウンタの値が加算された後に、BETカウンタの値に応じて、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を行う例について説明したが、これに限らず、第1のリプレイ入賞後において自動BETされた後においてのみ1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16を順番に点灯させる処理を行い、第2のリプレイ入賞後において自動BETされた後においては当該処理を行わないようにしてもよい。
(b) 本実施の形態では、第2のリプレイ入賞後においてメダルが投入された際に、S39においてクレジットコマンド(BET音あり)が出力されて、BET音を出力させる例について説明したが、これに限らず、入賞したリプレイの種類にかかわらずBET音を出力させるようにしてもよい。たとえば、S36では、リプレイ入賞であったか否かを判定するようにしてもよい。
(c) 本実施の形態では、リプレイ入賞後においてクレジット加算された場合に、規定数分までBET音を出力させる例について説明したが、クレジット加算された場合に限らず、たとえば、1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6が操作された場合にも、操作に応じて規定数分までBET音を出力させるようにしてもよい。
[ナビストック抽選について]
本実施の形態においては、ATフリーズが実行されることで、ナビストック抽選においてナビストック数が付与される確率および付与される場合のナビストック数が多くなる確率が高くなり、遊技者の有利度合いを向上させるものであった。しかしながら、遊技者の有利度合いを向上させる方法としては、その他の方法でもよい。
たとえば、ATフリーズが実行されることで、ナビストック抽選を行うことなく必ずナビストックが付与されるものであってもよい。また、ATフリーズが実行されることで、ナビストック抽選の実行契機となるAT抽選役の種類が所定ゲーム数の間だけ増えるものであってもよい。ATフリーズが実行されたときには、ATフリーズが実行されなかったときよりも遊技者の有利度合いが向上するものであれば、いずれの方法を用いてもよい。
[判定用ナビ演出について]
本実施の形態では、判定用ナビ演出が行われるための判定用役として、通常リプや押し順リプを用いるものであったが、これに限らずその他の役であってもよい。また、本実施の形態では、メイン制御部41は、所定の判定用ナビ演出をサブ制御部91にさせることによって、AT中であるか否かを特定していたがその他の演出状態を特定するものであってもよい。たとえば、メイン制御部41は、サブ制御部91側における、ナビストック抽選での抽選モード(高確率モード、低確率モード)などの有利な遊技状態に関する抽選確率、獲得されたナビストック数やナビストックの有無などの有利な遊技状態へ移行させるための権利に関するもの、有利な遊技状態のゲーム数や継続率、プレミア演出や設定示唆演出の実行されやすさ、演出種類、遊技者に携帯端末の壁紙や音楽を付与するための二次元コードの表示の有無、携帯端末の壁紙や音楽の付与の有無など、本実施の形態と異なる態様の演出制御状態を特定するものであってもよい。さらには、メイン制御部41が、サブ制御部91の制御する有利度以外の制御状態、たとえば、サブ制御部91側が判定した異常、不正行為の可能性、時間などをメイン制御部41が特定するものであってもよい。
[AT開始判定処理について]
本実施の形態においては、図20のSk5に示すように、判定用役に対する押し順と遊技者が実際に操作した押し順とが3回一致したときに、メイン制御部41がATの開始を特定して、AT信号を外部出力するものであったが、このような判定処理に限らない。
たとえば、ATに制御されれば、押し順リプ2や押し順リプ3に当選したゲームでナビ演出によって通常状態からRT状態への移行契機となるベルリプ5を入賞させることができるため、メイン制御部41は、ベルリプ5に入賞したことに基づいて、ATの開始を特定して、AT信号を外部出力するものであってもよい。
[AT終了判定処理について]
本実施の形態においては、図21のSm3に示すように、RT状態から通常状態への移行契機となるベルリプ1〜4のいずれかに入賞したことを判定することによって、メイン制御部41がATの終了を特定するものであったが、このような判定処理に限らない。
たとえば、メイン制御部41は、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞したことを1回特定したときにATの終了を特定するものに限らず、複数回(たとえば、3回)特定したときにATの終了を特定するものであってもよい。これにより、AT中でありナビ演出が実行されていたにもかかわらず、遊技者が操作手順を誤るなどしてベルリプ1〜4のいずれかに1回だけ入賞してしまった場合でも、即座にAT信号の外部出力が解除されてしまうことを防止できる。
また、所定期間内において所定回特殊出目が停止したときにAT信号の外部出力を解除するようにしてもよい。たとえば、特殊出目が停止されてから所定ゲーム(たとえば10ゲーム)消化するまでの間に、所定回(たとえば2回)特殊出目が停止されたときにAT信号の外部出力を解除するようにしてもよく、また、特殊出目が停止されてから特殊出目が停止可能な当選状況に所定回数(10回)なるまでの間に、所定回(たとえば2回)特殊出目が停止されたときにAT信号の外部出力を解除するようにしてもよい。
また、ベルリプ1〜4などのように、入賞するものに限らず、たとえば、ベルの入賞を取りこぼしたときにのみ導出される出目など、いずれの入賞を発生させない予め定められたハズレ表示結果が導出されたときにATの終了を特定するものであってもよい。
また、本実施の形態においては、メイン制御部41がATの開始を特定したときにAT信号を外部出力し、ATの終了を特定したときにAT中に出力し続けていたAT信号の外部出力を解除するものであった。これにより、データランプ200などの外部機器は、AT信号の出力が開始されたときにATの開始を特定し、AT信号が出力されなくなったときにATの終了を特定することができるものであった。しかしながら、このような形態に限らない。たとえば、メイン制御部41がATの開始を特定したときにAT開始信号を外部出力し、ATの終了を特定したときにAT終了信号を外部出力するものであってもよい。つまり、ATの開始時および終了時の両方ともにおいて開始または終了を示す信号をメイン制御部41が外部出力するものであってもよい。これによれば、データランプ200などの外部機器は、AT開始信号が出力されたときにATの開始を特定し、AT終了信号が出力されたときにATの終了を特定することができる。
[データランプにおける表示態様について]
本実施の形態においては、AT中において、データランプ200の表示部に「AT中」の文字画像を表示させることによって、AT中であることを遊技者に報知するものであった。しかしながら、このような表示に限らない。たとえば、データランプ200は、メイン制御部41からのAT開始を示すAT開始信号の出力によってATの開始を特定し、特定したときからAT中におけるゲーム数をカウントして、当該カウント結果を表示するものであってもよい。そして、データランプ200は、メイン制御部41からのAT終了を示すAT終了信号の出力によってATの終了を特定し、AT中におけるゲーム数のカウントを停止して、当該カウント結果を初期化するものであってもよい。
[表示ゲーム数について]
本実施の形態では、表示ゲーム数の初期値を「0」とし、通常更新制御が実行される毎に、表示ゲーム数を増加させるとして説明し、不利更新制御が実行される毎に、表示ゲーム数を減少させるとして説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、通常更新制御が実行されることにより表示ゲーム数が到達ゲーム数に近づくように更新され、不利更新制御が実行されることにより表示ゲーム数が到達ゲーム数から遠のくように更新されれば、如何なる更新制御が行われてもよい。たとえば、初期値を「1000」として、ゲーム消化毎に、通常更新制御が実行されることにより、表示ゲーム数を減少させるようにしてもよく、不利更新制御が実行されることにより表示ゲーム数を増加させるようにしてもよい。この場合には、1ゲーム消化毎の更新制御として、表示ゲーム数を1減算させる通常更新制御および特定数増加させる不利更新制御のうちいずれかが実行されることになる。
本実施の形態においては、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達したときに、特典が付与されるとして説明したが、これに限られるものではない。たとえば、「表示ゲーム数」を「所定条件が成立した回数」としてもよい。所定条件とは、たとえば、所定役(たとえば、チェリーやスイカの役)が所定回数、当選したまたは入賞したことにより成立する条件である。そして、「所定条件が成立した回数」が到達回数に到達したとき、いわゆる課題を提示するミッション演出中において当該課題をクリアしたときに、特典が付与されるとしてもよい。
[更新制御のタイミングについて]
本実施の形態においては、更新制御が実行されるタイミングは、1ゲーム終了後であるとして説明したが、これに限られるものではなく、遊技者による操作が、変則押しであるか否かを判断できるタイミングであれば、如何なるタイミングであってもよい。たとえば、本実施の形態では非AT中での推奨操作手順は、左第1停止であり、第1停止時には、遊技者による操作が変則押しであるか否かが判断できることから、更新制御を第1停止時に行うようにしてもよい。また、更新制御のその他のタイミングとして、第2停止時としてもよく、また、第1停止時の所定時間(たとえば、1秒)経過後であってもよい。また、不利更新制御が実行されるタイミングは、変則押しが行われたゲームが終了して所定期間(たとえば、3秒)経過するまでのタイミングであってもよい。
本実施の形態においては、表示ゲーム数を増加させる通常更新制御、または、不利更新制御のうち、いずれかを実行するとして説明したが、これに限られるものではない。遊技者が変則押しを実行したときには、表示ゲーム数が減少しさえすれば、不利更新制御を実行するとともに、通常更新制御を実行するようにしてもよい。この場合には、不利更新制御を実行した後に、通常更新制御を実行するようにしてもよいし、通常更新制御を実行した後に、不利更新制御を実行してもよい。また、遊技者が、順押しを実行したときには、表示ゲーム数が増加しさえすれば、不利更新制御および通常更新制御のうち少なくとも1つを実行するようにしてもよい。この場合には、これらの更新制御の実行順序については、如何なるものであってもよい。たとえば、通常更新制御は、ゲーム開始時で、不利更新制御は、変則押しされたゲームの終了時に行うことで、当該変則押しされたゲームの開始時で通常更新制御された表示ゲーム数を不利更新制御により修正更新するようにしてもよい。
[不利更新制御による減少ゲーム数について]
本実施の形態においては、不利更新制御により減少させるとゲーム数(特定数)については、一律に10ゲームであるとして説明したがこれに限られるものではない。たとえば、乱数抽選などにより、変則押しが行われる度に当該特定数を決定するようにしてもよい。また、変則押しが行われたゲームの当選役と、当該特定数とを対応付けたテーブル表を予め保持させておき、不利更新制御として、変則押しが行われたゲームの当選役に対応する特定数分、表示ゲーム数を減少させるようにしてもよい。また、特定数は、設定値に応じた値であってもよい。たとえば、設定値が増加するごとに、特定数は小さくなるように予め定めるようにしてもよい。
[通常更新制御について]
本実施の形態では、通常更新制御が実行された場合には、サブCPU91aは、表示ゲーム数データを、1ゲーム分更新されたゲーム数データに更新させ、表示制御回路92は、当該増加された表示ゲーム数を1加算更新表示させる、として説明したがこれに限られるものではない。通常更新制御が実行された場合には、サブCPU91aは表示ゲーム数データを、N(Nは2以上の整数であって予め定められた一の数)ゲーム分更新されたゲーム数データに更新させ、表示制御回路92は、当該増加された表示ゲーム数をN加算更新表示させるようにしてもよい。
[到達ゲーム数について]
本実施の形態では、到達ゲーム数が1000ゲームと固定であったが、これに限らず、抽選によって到達ゲーム数を決定してもよい。また、設定値に応じた到達ゲーム数にしてもよい。なお、到達ゲーム数を固定とすることにより、抽選処理を省略することができ、処理負担を軽減できる。
[その他の変形例について]
本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域の全てに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
本実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
本実施の形態では、2つの遊技状態のみが設定されていたが、これに限らず、役の当選や入賞などに応じて3つ以上の遊技状態の間を遷移するようなスロットマシンであってもよい。また、1つの遊技状態のみが設定され、遊技状態の間を遷移せずに、ATによる払い出しによって遊技者の利益を調整するものであってもよい。また、本実施の形態では、遊技者にとって有利な状態として当選状況に応じた情報が報知されるナビ演出を実行するアシストタイム(AT)に制御する例について説明したが、遊技者にとって有利な状態としては、リプレイの当選確率が高くなるリプレイタイム(RT)の他に、いわゆるボーナス(BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)、もしくはCB(チャンスボーナス)などの特別遊技状態。CBについては、複数の遊技状態(たとえば、RT1、RT2など)のいずれかに制御されたときに、制御中の遊技状態を変化させずにCBが実行される、貫通型のCBであってもよい。)に制御するものであってもよい。
ナビストック数が残存している状態で遊技者にとって有利なボーナスに当選したときにおける当該ナビストック数について、クリア(たとえば「0」)する処理を行うものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行うものであってもよく、所定数減算する処理を行うものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行うものであってもよく、また当該ボーナス当選ごとにいずれの処理を行うかを決定し、該決定された処理を行うものであってもよい。これにより、ナビストック数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施の形態では、複数のナビストックが付与されたときに再度のATに移行する権利が付与されるようにした例を挙げたが、この実施の形態に限らず、たとえば、AT中の所定条件の成立で再度のATに移行する権利が付与される、ATの終了時の抽選に当選すると再度のATに移行する権利が付与されるなど、本実施の形態と異なる態様で再度の有利状態に制御するスロットマシンに本実施の形態で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。なお、再度のATに移行する権利が付与されている場合には一旦終了させずにATを連続的に継続してもよいし、セットの区切りで一旦ATを終了させてもよい。
本実施の形態では、固定された所定ゲーム数のゲームを行うと1セットのATが終了するものであったが、これに限らず、1セットのATを抽選で決定したゲーム数を消化したときに終了するものなど、本実施の形態と異なる態様で有利状態の終了条件が成立するものであってもよい。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。