JP2005195464A - 光学式移動情報検出装置およびそれを備えた電子機器 - Google Patents

光学式移動情報検出装置およびそれを備えた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】小型で低消費電力であり、その上、2次元の移動速度および移動方向を簡単な構造で検出できる光学式移動情報検出装置およびそれを備えた電子機器を提供することにある。
【解決手段】ビームスプリッタ2a,2bによって、レーザーダイオード1が出射した光を第1光束10、第2光束11および第3光束12に分割する。第1光束10、第2光束11および第3光束12を集光レンズ4で被測定物5の表面に集光することにより、ビームスポット13を被測定物5の表面に形成する。ビームスポット13からの拡散光をフォトダイオード6で受光し、フォトダイオード6が出力した信号を、増幅器7、アナログ/デジタル変換器8および高速フーリエ変換演算器9で増幅、波形整形する。このフーリエ変換によって得られたスペクトルのピーク周波数に基いて、被測定物5の例えば移動速度および移動方向を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は光学式移動情報検出装置およびそれを備えた電子機器に関する。
一般に光源と観測者が相対的な運動をしている時、ドップラー効果により光は周波数の変化を受ける。レーザドップラー速度計(以下、LDV(Laser Doppler Velocimeter)と言う。)はこの効果を利用して、移動する被測定物にレーザ光を照射して、その被測定物からの散乱光のドップラー周波数偏移を測定し、被測定物の移動速度を測定するものである。このLDVは1964年にYehとCumminsによって発表され(Appl. Phys. Lett. 4‐10 (1964) 176)、現在では一般に広く知られており、実用化されている。
図12に従来の代表的なLDVの光学系図を示す。
図12において、101は半導体レーザであるレーザーダイオード(以下、LD(Laser Diode)と言う。)、102は受光素子であるフォトダイオード(以下、PD(Photo Diode)と言う。)、103は回折格子、104はコリメータレンズ(以下、CLと言う。)、105はミラー、106は集光レンズ、107は回折格子103による+1次回折光の第1の光束、108は回折格子103による−1次回折光の第2の光束、113は被測定物である。
上記構成の光学系では、LD101から出射したレーザ光はCL104により平行光束に変換された後、回折格子103により角度θの回折角で±1次回折光に分割されて第1,第2の光束107,108となる。そして、第1,第2の光束107,108はそれぞれミラー105で反射された後、被測定物113の表面に入射角θでもって入射して再度重ね合わせられる。被測定物113により散乱された第1,第2の光束107,108はドップラー周波数偏移を受けており、LD101の発振周波数と若干異なる。このため、被測定物113により散乱された第1,第2の光束107,108の干渉波はうなりを生じる。このうなりをビート信号と呼ぶ。このビート信号のうなり周波数をPD102でヘテロダイン検波することにより、被測定物113の移動速度を求めることができる。以下詳細に説明する。
いま、被測定物113が図12のように右向きに移動する方向を正方向とすると、第1の光束107においては−fd、第2の光束108においては+fdのドップラー周波数偏移を受け、第1の光束107の見かけの周波数は(f0−fd)、第2の光束108の見かけの周波数は(f0+fd)となる。ただし、f0はLD101の発振周波数である。このとき、LD101から出射する光の電場は、E0・cos(2πf0t)と表すことができるので、第1の光束107は次の式1で表すことができ、第2の光束108は次の式2で表わすことができる。
(式1)
Figure 2005195464
(式2)
Figure 2005195464
ただし、上記式1,2において、f0はLD101の出射光の周波数、E0はLD101の出射光の振幅、EAは第1の光束107の振幅、EBは第2の光束108の振幅、φAは第1の光束107の位相、φBは第2の光束108の位相である。
光の周波数は一般に100THz(1014Hz)ぐらいであるので、式1や式2の周波数情報を直接測定することができない。このため、上記のようにヘテロダイン検波が一般に用いられ、f0≫fdが成り立つので、式1と式2の干渉波は、
(式3)
Figure 2005195464
と表すことができる。ただし、式3で左辺の<>は時間平均を表す。よって、PD102によりこの干渉波の周波数を測定することができる。
図13は被測定物113が移動速度Vで移動するとき、2つの光束がそれぞれ任意の角度α,βで被測定物113に入射し、任意の角度γで散乱光を受光した時の図である。
ドップラー効果による周波数の偏移量は厳密には相対論によるローレンツ変換を用いて求めるが、移動速度Vが光速cに比べて十分小さいときには、近似的に以下のように求めることができる。光源A、光源Bからの光と移動物体の相対速度VA1,VB1は、
(式4)
Figure 2005195464
と表せる。また、上記被測定物113から見たそれぞれの光の見かけの周波数fA1,fB1は、
(式5)
Figure 2005195464
それぞれの散乱(反射)光と被測定物113の相対速度VA2,VB2は、
(式6)
Figure 2005195464
となる。よって、観測点から見た光の周波数fA2,fB2は、
(式7)
Figure 2005195464
と表すことができる。式7の周波数と入射光の周波数f0(=c/λ)との差がドップラー周波数偏移量fdになる。いま、観測点で測定される2つの光束のうなり周波数2fdは、c≫Vを用いて、
(式8)
Figure 2005195464
となり、観測点の位置(角度:γ)に依らないことがわかる。図12においてはα=β=θであるので、図12の一般的なLDV光学系において、式8より、
(式9)
Figure 2005195464
が成立する。よって、式3で表される周波数2fdを測定し、式9を用いて計算することにより、被測定物113の移動速度Vを求めることができる。
また、式9は幾何学的に次のように考えることも可能である。図14は図12の2つの光束(第1,第2の光束107,108)が再度重なり合う領域の拡大図である。それぞれ入射角θで2つの光束が交差しており、図中の破線はそれぞれの光束の等波面の一部を示している。この破線と破線との間隔が光の波長λとなる。また、垂直の太線が干渉縞の明部であり、その間隔をΔとすると、このΔは次の式10で求まる。
(式10)
Figure 2005195464
図14のように、物体(●で図示)が移動速度Vで干渉縞に垂直に通過するとき、その周波数fは
(式11)
Figure 2005195464
となり、式9と等しくなる。
また、以上のような一般的なLDVにおいては上記のようにして移動速度を求めることはできるが、被測定物の移動方向を検知することはできない。これに対して、特開平3−235060号公報(特許文献1)では図12の回折格子103を速度Vgで回転させることにより移動方向検知を可能としている。これにより、回折格子103で光が反射する際、それぞれの光束はVgに比例したドップラー周波数偏移を受けるので、PD102で測定されるうなりの周波数2fdは、
(式12)
Figure 2005195464
となる。よって、既知の速度Vgに対し、移動速度Vの符号(正負)により2fdの大小関係が決まるので移動方向を求めることができる。しかし、このような光学系においては、回折格子103の回転機構が必要であるため、装置の大型化、コスト増大となる。また、上記光学系では回折格子103の回転速度を精密に保つ必要があるが、偏心等による誤差や、回転による振動等のため回折格子103の回転速度に精密に保つのは困難である。したがって、上記光学系を精密な測定に用いることは困難であるという問題がある。
このような問題を解決する速度計が特開平4−204104号公報(特許文献2)に開示されている。この速度計では周波数シフタを用い、入射光束の周波数を変化させることにより被測定物の移動方向の検出を可能にしている。
図15に上記速度計の光学系図を示す。
上記速度計によれば、レーザ光源101より出射した光は、CL104で平行光束となり、ビームスプリッタ(以下、BSと言う。)109にて2つの光束に分割される。それぞれの光束はミラー105で反射された後、音響光学素子(以下、AOMと言う。)110によりf1,f2の周波数シフトを受ける。そして、回折格子103により被測定物113の表面に再び集光されて、PD102を用いて被測定物113からの散乱光のうなり周波数を検出する。このとき検出される周波数2fdは、
(式13)
Figure 2005195464
となる。よって、被測定物113の移動方向によりVの符号が変わるので、既知の周波数シフト量|f1−f2|に対する2fdの大小関係により、被測定物113の移動方向を検知することができる。
また、特開平8−15435号公報(特許文献3)では、図15の速度計と同様の原理によって、図16に示す電気光学素子(以下、EOMと言う。)111を用いて周波数を変化させている。より詳しくは、レーザ光源であるLD101より出射した光は、CL104で平行光束となった後、回折格子103にて2つの第1,第2の光束107,108に分割される。その第1,第2の光束107,108はともにEOM111に入射する。このとき、第2の光束108に対してはバイアスを印加してfRだけ周波数をシフトさせる。そして、第1,第2の光束107,108はミラー105で反射された後、被測定物113の表面に集光される。この被測定物113の表面からの散乱光のうなり周波数をPD102で検出する。このとき検出される周波数2fdは、
(式14)
Figure 2005195464
となる。よって、式13と同様、被測定物113の移動方向によりVの符号が変わるので、既知の周波数シフト量fRに対する2fdの大小関係により移動方向を検出することができる。
しかしながら、上記AOM110,EOM111のような周波数シフタを用いて被測定物113の移動方向を検知する光学系においては、光学系が複雑になり、また周波数シフタを駆動するための電源等が必要となる。例えば、AOM110により周波数変調を与えるために必要な電圧は約数十Vであり、また、EOM111により周波数変調を与えるために必要な電圧は約百Vである。したがって、上記光学系を速度計に用いた場合、大型の電源が必要となるため、速度計が大型化してしまうという問題がある。
また、上記光学系で2次元の移動速度(図15や図16において、図中矢印に平行な方向の速度成分と、紙面に垂直な方向の速度成分と)を検出するには、光学系が2つ必要になる。より詳しくは、一方向の速度成分を一方の光学系で検出し、その一方向に直行する方向の速度成分を他方の光学系で検出するように、2つの光学系を配置しなければならない。さらに、それぞれの方向の成分を検出するために形成されるビームスポットからの散乱光は球面状に拡散するため、一方のビームスポットからの拡散光は他方のビームスポットを検出する受光素子にとってノイズとなってしまうため、光信号を分離する系が必要となってくる。したがって、上記光学系で2次元の移動速度を検出する場合は構造が複雑になるという問題がある。
特開平3−235060号公報 特開平4−204104号公報 特開平8−15435号公報
本発明の課題は、小型で低消費電力であり、その上、2次元の移動速度および移動方向を簡単な構造で検出できる光学式移動情報検出装置およびそれを備えた電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1の発明の光学式移動情報検出装置は、
可干渉性の光を出射する半導体発光素子と、
上記半導体発光素子が出射した光を少なくとも3つの光束に分割する第1光分割手段と、
上記光束を用いて被測定物の表面に1点のスポットを形成する光学系と、
上記スポットからの拡散光を受光する受光手段と、
上記受光手段が出力した信号を処理する信号処理回路と
を備え、
上記信号処理回路は、
上記受光手段が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、
上記デジタル信号をフーリエ変換するフーリエ変換手段と
を含み、
上記フーリエ変換手段が求めたスペクトルのピーク周波数に基いて、上記被測定物の移動情報を求めることを特徴としている。
上記構成の光学式移動情報検出装置によれば、上記半導体発光素子が出射した光を第1光分割手段で少なくとも3つの光束に分割する。この少なくとも3つの光束を用いて光学系が被測定物の表面に1点のスポットを形成する。このスポットからの拡散光を受光手段で受光し、受光手段が出力した信号を信号処理回路で処理する。このとき、上記信号処理回路では、受光手段が出力したアナログ信号をアナログ/デジタル変換手段でデジタル信号に変換し、さらに、そのデジタル信号をフーリエ変換手段でフーリエ変換する。このフーリエ変換によって得られたスペクトルのピーク周波数に基いて、被測定物の移動情報、例えば移動速度および移動方向を求める。
このように、構成部品を回転させなくても、被測定物の移動情報を検出できるから、構成部品を回転させる装置を省ける分、小型にすることができる。また、上記構成部品を回転させる装置を用いないから、消費電力を低く抑えることができる。
また、上記1光分割手段で分割した少なくとも3つの光束を用いて被測定物の表面にスポットを形成するから、そのスポットからの拡散光を受光した受光手段の出力に基いて、被測定物の移動方向に対応した周波数偏移を検出することができる。したがって、2次元の移動速度および移動方向を簡単な構造で検出できる。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記第1光分割手段は上記半導体発光素子が出射した光を第1光束、第2光束および第3光束の3つに分割し、上記第1光束と上記第2光束とを含む第1平面は、上記第1光束と上記第3光束とを含む第2平面とに対して垂直である。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、
上記光学系は、上記第1光束、第2光束および第3光束を上記スポットに集光する集光手段を含み、
上記第1光束は、上記集光手段を配置する第3平面と、上記第1平面と、上記第2平面との交点である原点に入射し、
上記第2光束は、上記第3平面と上記第1平面の交線であるX軸上の第1入射点に入射し、
上記第3光束は、上記第3平面と第2平面の交線であるY軸上の第2入射点に入射し、
上記第1光束、第2光束および第3光束のそれぞれと上記第3平面との交点は直角三角形を形成し、
上記直角三角形は、上記X軸および上記Y軸に関する第1象限に含まれ、
上記拡散光は、上記X軸および上記Y軸に関する第3象限を通過する。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記第1象限から上記第3象限にわたって延び、上記X軸と上記Y軸とが成す角の2等分線と、上記拡散光の光軸とが交差する。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記集光手段は集光レンズである。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記フーリエ変換手段は、第1ピーク周波数と、上記第1ピーク周波数よりも低い周波数の第2ピーク周波数と、上記第1,第2ピーク周波数よりも低い周波数の第3ピーク周波数とを求め、上記第1ピーク周波数を用いずに、上記第2ピーク周波数と上記第3ピーク周波数との2乗和を計算することにより、上記被測定物の移動速度を求める。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記フーリエ変換手段は、第1ピーク周波数と、上記第1ピーク周波数よりも低い周波数の第2ピーク周波数と、上記第1,第2ピーク周波数よりも低い周波数の第3ピーク周波数とを求め、上記第2ピーク周波数を用いずに、上記第1ピーク周波数と上記第3ピーク周波数との2乗和を計算することにより、上記被測定物の移動速度を求める。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記フーリエ変換手段は、第1ピーク周波数と、上記第1ピーク周波数よりも低い周波数の第2ピーク周波数とを求め、上記第1ピーク周波数を用いずに、上記第2ピーク周波数を用いて上記被測定物の移動速度を求める。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記フーリエ変換手段は第1,第2ピーク周波数を求め、上記第1ピーク周波数と上記第2ピーク周波数との比により、上記被測定物の移動方向を求める。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、
上記第1光分割手段は、上記半導体発光素子が出射した光を第1光束、第2光束および第3光束の3つに分割し、
さらに、上記第1光束の光軸上に配置され、上記第1光束の偏光方向とほぼ45°の角度を成す光学軸を有する波長板と、
上記第1光束、第2光束および第3光束を用いて上記被測定物の表面に1点の上記スポットを形成する上記光学系と、
上記スポットからの上記拡散光を第1,第2信号光に分割する第2光分割手段と、
上記第1信号光の光軸上に配置された第1直線偏光子と、
上記第2信号光の光軸上に配置され、上記第1直線偏光子の光学軸に対してほぼ直交する光学軸を有する第2直線偏光子と
を備え、
上記受光手段は、上記第1信号光を受光する第1受光手段と、上記第2信号光を受光する第2受光手段とを含み、
上記第1信号光に関する上記ピーク周波数と、上記第2信号光に関する上記ピーク周波数との少なくとも一方に基いて、上記被測定物の移動速度を求め、
上記第1信号光に関する位相と、上記第2信号光に関する位相とに基いて、上記被測定物の移動方向を求める。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記フーリエ変換手段は、上記第1信号光に関する第4ピーク周波数、第5ピーク周波数および第6ピーク周波数を求めると共に、上記第2信号光に関する第7ピーク周波数、第8ピーク周波数および第9ピーク周波数を求め、上記第4ピーク周波数に対応する信号と上記第7ピーク周波数に対応する信号との位相差、および、上記第5ピーク周波数に対応する信号と上記第8ピーク周波数に対応する信号との位相差により、上記被測定物の移動方向を求める。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記第4ピーク周波数、上記第5ピーク周波数、上記第7ピーク周波数および上記第8ピーク周波数のそれぞれに対する実数部および虚数部を上記フーリエ変換手段で求め、上記実数部および虚数部に基づいて、上記第4ピーク周波数、上記第5ピーク周波数、上記第7ピーク周波数および上記第8ピーク周波数のそれぞれに対応する信号の位相を求める。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記位相差の正負により上記被測定物の移動方向を検出する。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記位相差の値が所定の範囲外の値を示したときは、上記被測定物は静止状態であると判断する。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、
上記第1光分割手段は上記半導体発光素子が出射した光を第1光束、第2光束および第3光束の3つに分割し、
上記第1光束と上記第2光束とを含む第1平面は、上記第1光束と上記第3光束とを含む第2平面とに対して垂直であり、
上記光学系は、上記第1光束、第2光束および第3光束を上記スポットに集光する集光手段を含み、
上記第1光束は、上記集光手段を配置する第3平面と、上記第1平面と、上記第2平面との交点である原点に入射し、
上記第2光束は、上記第3平面と上記第1平面の交線であるX軸上の第1入射点に入射し、
上記第3光束は、上記第3平面と第2平面の交線であるY軸上の第2入射点に入射し、
上記拡散光は、上記第1入射点に原点対称な点を通る光軸を有する第1信号光と、上記第2入射点に原点対称な点を通る光軸を有する第2信号光とを含み、
上記受光手段は、上記第1信号光を受光する第1受光手段と、上記第2信号光を受光する第2受光手段とを含む。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記フーリエ変換手段は、上記第1信号光に関する上記ピーク周波数を複数求めると共に、上記第2信号光に関する上記ピーク周波数を複数求め、上記第1信号光に関する上記複数のピーク周波数うちの最大ピーク周波数と、上記第2信号光に関する上記複数のピーク周波数のうち最大ピーク周波数との2乗和を計算することにより、上記被測定物の移動速度を求める。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記第1信号光に関する上記複数のピーク周波数うちの最大ピーク周波数と、上記第2信号光に関する上記複数のピーク周波数のうち最大ピーク周波数との比により、上記被測定物の移動方向を検出する。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、
上記第1信号光を第3信号光と第4信号光との2つに分割する第3光分割手段と、
上記第2信号光を第5信号光と第6信号光との2つに分割する第4光分割手段と、
上記第3信号光の光軸上に配置された第3直線偏光子と、
上記第4信号光の光軸上に配置され、上記第3直線偏光子の光学軸に対してほぼ直交する光学軸を有する第4直線偏光子と、
上記第5信号光の光軸上に配置された第5直線偏光子と、
上記第6信号光の光軸上に配置され、上記第5直線偏光子の光学軸に対してほぼ直交する光学軸を有する第6直線偏光子と
を備え、
上記第1受光手段は、上記第3信号光を受光する第3受光手段と、上記第4信号光を受光する第4受光手段とを含み、
上記第2受光手段は、上記第5信号光を受光する第5受光手段と、上記第6信号光を受光する第6受光手段とを含む。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記スペクトルのピーク強度の値が所定の閾値以下であるときは、上記被測定物は静止状態であると判断する。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記デジタル信号の出力値が所定の時間内で所定の閾値以上になった点がn(n:0を含まない自然数)点以下のときは、上記被測定物は静止状態であると判断する。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記デジタル信号の出力値が所定の時間内で所定の閾値以上になった点がn(n:0を含まない自然数)点を越えると、上記フーリエ変換手段による計算が開始する。
一実施形態の光学式移動情報検出装置では、上記スペクトルの最大ピーク強度の値がN(N:0を含まない自然数)以下のときは、記被測定物は静止状態であると判断する。
第2の発明の電子機器は、上記第1の発明の光学式移動情報検出装置を備えたことを特徴としている。
一実施形態の電子機器は、ポインティングデバイスに用いられる。
一実施形態の電子機器は、エンコーダに用いられる。
本発明の光学式移動情報検出装置は、半導体発光素子が出射した光を第1光分割手段で少なくとも3つの光束に分割し、この少なくとも3つの光束を用いて光学系が被測定物の表面に1点のスポットを形成し、このスポットからの拡散光を受けた受光手段の出力に基いて、被測定物の移動情報、例えば移動速度および移動方向を検出する。したがって、構成部品を回転させなくても、被測定物の移動情報を検出できるから、構成部品を回転させる装置を省ける分、小型にすることができる。また、上記構成部品を回転させる装置を用いないから、消費電力を低く抑えることができる。
また、上記1光分割手段で分割した少なくとも3つの光束を用いて被測定物の表面にスポットを形成するから、そのスポットからの拡散光を受光した受光手段の出力に基いて、被測定物の移動方向に対応した周波数偏移を検出することができる。したがって、2次元の移動速度および移動方向を簡単な構造で検出できる。
以下、本発明の光学式移動情報検出装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1に、本発明の実施例1のLDVの概略構成図を示す。図1では光学部品等の主要な部品のみを図示し、光学部品を保持する部品等の図示は省略している。また、図1の破線の矢印は座標軸である。なお、図1においては、X軸とx軸とは平行であり、Y軸とy軸とは平行であり、Z軸とz軸とは一致している。
上記LDVは、半導体発光素子の一例としてのLD1と、このLD1が出射した光を3つの光束に分割する第1光分割手段と、その3つの光束を被測定物5の表面に導いて1点のビームスポット13を形成する光学系と、そのビームスポット13からの拡散光15を受光する受光手段の一例としてのPD6と、このPD6が出力した信号を処理する信号処理回路とを備えている。なお、上記LD1は(0,0,z1)に設置されている。また、上記被測定物5は、x,y軸を含むxy平面に沿うように移動速度Vで移動する。このとき、上記被測定物5の表面はxy平面内に存在する。
上記第1光分割手段はビームスプリッタ(以下、BSと言う。)2a,2bから成っている。このBS2aはLD1が出射した光を第3光束12と他の光束とに分割する。一方、上記BS2bは上記他の光束を第1光束10と第2光束11とに分割する。
上記光学系は、第3光束12を反射するミラー3aと、第2光束11を反射するミラー3aと、第1光束10、第2光束11および第3光束12を被測定物5の表面に集光する集光手段の一例としての集光レンズ4とから成っている。この集光レンズ4は、X軸およびY軸を含むXY平面に重なるように配置さている。これにより、上記集光レンズ4は、X軸上の少なくとも2点と、Y軸上の少なくとも2点とを含んでいる。ここでは、上記XY平面が第3平面の一例を構成している。
上記信号処理回路は、PD6が出力したアナログ信号を増幅する増幅器7と、この増幅器7によって増幅されたPD6のアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段の一例としてのA/D(アナログ/デジタル)変換器8と、このA/D変換器8が出力した上記デジタル信号をフーリエ変換するフーリエ変換手段の一例としてのFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)演算器9とから成っている。
上記構成のLDVによれば、まず、LD1より出射した光束は、BS2aによって、+Y軸方向に進む第3光束12と、Z軸に重なる光束とに分割される。上記Z軸と重なる光束は、Z軸上に配置されたBS2bによってZ軸に重なる光束と+X軸方向に進む第2光束11とに分割される。
次に、上記第2光束11がミラー3bで反射されて進行方向が変わり、第1光束10と平行になる。また、上記第3光束も、ミラー3aに反射されて進行方向が変わり、第1光束10と平行になる。
次に、上記第1光束10、第2光束11および第3光束12が集光レンズ4に入射する。より詳しくは、上記第1光束10はXY平面の原点14aに入射し、第2光束11はX軸上の第1入射点14bに入射し、第3光束12はY軸上の第2入射点14bに入射する。このとき、上記第1,第2入射点14b,14cは原点14aを中心とした同一円上に存在する。つまり、上記原点14aから第1入射点14bまでの距離は、原点14aから第2入射点14bまでの距離と一致している。
次に、上記第1光束10、第2光束11および第3光束12を集光レンズ4が測定物5の表面に集光して、検出点となるビームスポット13を被測定物5の表面に形成する。つまり、上記集光レンズ4を通過した1光束10、第2光束11および第3光束12は被測定物5の表面上で重ね合わされて、ビームスポット13が被測定物5の表面に形成される。このとき、上記第1,第2入射点14b,14cは原点14aを中心とした同一円上に存在するから、被測定物5の表面に対する第2光束11の入射角と、被測定物5の表面に対する第3光束12の入射角とが等しくなっている。
次に、上記第1光束10、第2光束11および第3光束12は被測定物5の表面で散乱されて、集光レンズ4が含むビート信号出射点16を通過した後、PD6で受光される。つまり、上記ビームスポット13からの拡散光は集光レンズ4を介してPD6で受光される。このとき、上記被測定物5の表面で拡散された各光束は、被測定物5の移動速度Vと、被測定物5の表面に対する入射角とに対応した周波数偏移を受け、うなりを示す干渉波(ビート)信号15として集光レンズ4のビート信号出射点16を通過した後、PD6に入射している。
次に、上記PD6がビームスポット13からの拡散光を光電変換してビート信号15を検出する。このとき、上記拡散光はXY平面の第3象限内の直線Y=X上にあるビート信号出射点16を通過するから、第2光束11による拡散光と第3光束12による拡散光とがほぼ同じ光量でPD6に導かれている。これにより、上記ビート信号15のX(x)軸成分のS/N(信号対雑音比)と、ビート信号15のY(y)軸成分のS/Nとをほぼ等しくすることができ、移動速度の検出精度が向上している。
次に、上記PD6が出力したアナログ信号が増幅器7に入る。ここで、上記アナログ信号は、BPF(Band Pass Filter:バンドパスフィルタ)等によってノイズ除去された後、AC(交流)成分を増幅されて波形整形される。
次に、上記増幅器7で波形整形されてS/Nが向上したアナログ信号をA/D変換器8でデジタル信号に変換する。
次に、上記A/D変換器8からのデジタル信号をFFT演算器9で受ける。このFFT演算器9によってビート信号15の周波数が検出される。
以下、上記PD6で検出されるビート信号15について詳細に説明する。
図1に示される本実施例の光学系において、PD6で検出されるビート信号15には被測定物15の移動方向に対応して最大3つの周波数が存在する。この3つの周波数とは、第1光束10と第2光束11の干渉によるビート信号1の周波数1:fd1と、第1光束10と第3光束12の干渉によるビート信号2の周波数2:fd2と、第2光束11と第3光束12の干渉によるビート信号3の周波数3:fd3とである。上記被測定物5の移動速度VをVx(x軸成分)とVy(y軸成分)とにベクトル分解すると、ビート信号1からVxを検出することができ、また、ビート信号2からVyを検出することができる。
上記第1光束10はz軸に沿って被測定物15の表面に垂直に入射し、第2光束11および第3光束12は被測定物15の表面に入射角θで入射する。このため、上記式4から式7までの式を参考にすると、ビート信号1の周波数1:fd1は式8でα=0,β=θとして、
(式15)
Figure 2005195464
と書くことができる。
また、上記ビート信号2の周波数2:fd2は、式8でα=0,β=θとして、
(式16)
Figure 2005195464
と書くことができる。
また、上記ビート信号3の周波数3:fd3は、式8でα=β=θとして、
(式17)
Figure 2005195464
と書くことができる。ただし、上記式17における符号は、図1の状態の被測定物5が第1象限または第3象限へ向って移動するときは「−」となり、図1の状態の被測定物5が第2象限または第4象限へ向って移動するときは「+」となる。
上記式15から式17までを用いて、第1光束10、第2光束11および第3光束12が被測定物5により拡散された各光束は上記式1、式2を参考にして以下のように記述することができる。
(式18)
Figure 2005195464
(式19)
Figure 2005195464
(式20)
Figure 2005195464
ここで、上記式19、式20の符号の選択は下表1によって与えられる。
(表1)
被測定物の移動方向と符号の組み合わせ
Figure 2005195464
ただし、上記表1においては、x,y軸の原点(0,0)から第1象限へ向う方向を「第1象限」と記載し、x,y軸の原点(0,0)から第2象限へ向う方向を「第2象限」と記載し、x,y軸の原点(0,0)から第3象限へ向う方向を「第3象限」と記載し、x,y軸の原点(0,0)から第4象限へ向う方向を「第4象限」と記載している。
よって、上記PD6で検出されるこれらの3光束のビート信号15は、上記式3を参考にして、
(式21)
Figure 2005195464
と記述でき、上述したように3つの周波数が混合したビート信号となることがわかる。
上記式21における符号は、図1の状態の被測定物5が第1象限または第3象限へ向って移動するときは「−」となり、図1の状態の被測定物5が第2象限または第4象限へ向って移動するときは「+」となる。
上記式21で示される信号がPD6で検出され、増幅器7のBPFにより式21のDC(直流)成分が除去され、増幅器7でオペアンプ等を用いた増幅回路で式21のAC成分が増幅される。これにより、上記式21で示される信号はS/Nのよい信号となり、次段のA/D変換器8へと入力されてデジタル信号に変換される。このデジタルデータにより次段のFFT演算器9でスペクトルが求められ、そのスペクトルのピーク周波数を検出することにより、上記fd1,fd2を検出する。
上述したように、上記第2光束11はxz平面に沿ってビームスポット13に入射し、第3光束12はyz平面に沿ってビームスポット13に入射している。このとき、上記xz平面とyz平面とは直交しているため、次の式22のように速度Vx,Vyを用いて被測定物5の移動速度Vを求めることができる。
(式22)
Figure 2005195464
図2(a),(b)に、図1の状態の被測定物5をx軸に対して155°の角度を成す方向に移動させたときのビート信号15の波形およびFFTスペクトルを示す。
図2(b)に示すように、FFTスペクトルには4つのピーク周波数があるが、図中周波数4は被測定物5の表面反射に起因した低周波ノイズであり、被測定物5の移動によるドップラー周波数偏移をうけた信号ではない。図2(a),(b)においては、図1の状態の被測定物5をx軸に対して155°の角度を成す方向に移動させている。つまり、図1の状態の被測定物5を第2象限へ向う方向に移動させている。この場合、上記式21の符号の選択は「+」になるから、図2(b)の各周波数は、周波数1=fdx+fdy、周波数2=fdx、周波数3=fdyとなる。このように、図1の状態の被測定物5が第2象限へ向う方向に移動するときは、最大周波数である周波数1を除去して、周波数2と周波数3とを上記式22に代入することにより、被測定物5の移動速度Vを求めることができる。以上の議論は、図1の状態の被測定物5が第4象限へ向う方向に移動する場合も同様である。なお、図2(b)では、周波数1が第1ピーク周波数の一例であり、周波数2が第2ピーク周波数の一例であり、周波数3が第3ピーク周波数の一例である。
図3(a),(b)に、図1の状態の被測定物5をx軸に対して135°の角度を成す方向に移動させたときのビート信号15の波形およびFFTスペクトルを示す。
図3(a),(b)の場合も、図2(a),(b)の場合と同様に、図1の状態の被測定物5を第2象限へ向う方向に移動させていることになる。図1の状態の被測定物5がx軸に対して135°の角度を成す方向に移動するとき、被測定物5の移動速度Vをベクトル分解すると、移動速度Vのx軸成分と移動速度Vのy軸成分とは等しく、かつ、ビームスポット13に対する第2光束11の入射角と、ビームスポット13に対する第3光束12の入射角とは等しくなるから、fdx=fdyとなる。このため、図3(b)では、周波数2はfdxとfdyとの2成分の和が一つのピークとして形成され、fdxまたはfdyの2倍の周波数である周波数1が形成されるのみで、図2(b)のような周波数3は見られない。このように、2本のピークしか存在しないときは、高い周波数の周波数1を除去し、低い周波数である周波数2をfdxとfdyとし、上記式22にそれぞれ代入することにより被測定物5の移動速度Vを求めることができる。以上の議論は、図1の状態の被測定物5がx軸に対して315°の角度を成す方向に移動する場合も同様である。この場合、図1の状態の被測定物5が第4象限へ向う方向へ移動する。なお、図3(b)では、周波数1が第1ピーク周波数の一例であり、周波数2が第2ピーク周波数の一例である。
図4(a),(b)に、図1の状態の被測定物5をx軸に対して15°の角度を成す方向に移動させたときのビート信号15の波形およびFFTスペクトルを示す。
図4(b)では、図2(b)と同様に、周波数4は低周波ノイズであって信号ではない。図4(a),(b)においては、図1の状態の被測定物5をx軸に対して15°の角度を成す方向に移動させている。つまり、図1の状態の被測定物5を第1象限へ向う方向に移動させている。この場合、上記式21の符号の選択は「−」になるから、図3(b)の各周波数は、周波数1=fdx、周波数2=|fdx−fdy|、周波数3=fdyとなる。このように、図1の状態の被測定物5が第1象限へ向う方向に移動するときは、中間周波数である周波数2を除去して、周波数1と周波数3とを上記式22に代入することにより、被測定物5の移動速度Vを求めることができる。以上の議論は、図1の状態の被測定物5が第3象限へ向う方向に移動する場合も同様である。なお、図4(b)では、周波数1が第1ピーク周波数の一例であり、周波数2が第2ピーク周波数の一例であり、周波数3が第3ピーク周波数の一例である。
図5(a),(b)に、図1の状態の被測定物5をx軸に対して45°の角度を成す方向に移動させたときのビート信号15の波形およびFFTスペクトルを示す。
図5(a),(b)の場合も、図4(a),(b)の場合と同様に、図1の状態の被測定物5を第1象限へ向う方向に移動させていることになる。図1の状態の被測定物5がx軸に対して45°の角度を成す方向に移動するとき、被測定物5の移動速度Vをベクトル分解すると、図3(a),(b)と同様に、移動速度Vのx軸成分と移動速度Vのy軸成分とは等しく、かつ、ビームスポット13に対する第2光束11の入射角と、ビームスポット13に対する第3光束12の入射角とは等しくなるから、fdx=fdyが成立する。よって、上記PD6で検出される周波数は、fdxと、fdyと、fdx−fdyとであるが、fdx=fdyであるため、図5(b)の場合、fdx−fdyは0となって、結局、PD6で検出されるピーク周波数は1つとなる。このように、1本のピークしか存在しないときは、そのピークの周波数をfdxとfdyとし、上記式22にそれぞれ代入することにより、被測定物5の移動速度Vを求めることができる。以上の議論は、図1の状態の被測定物5がx軸に対して225°の角度を成す方向に移動するときも同様である。この場合、図1の状態の被測定物5が第3象限へ向う方向に移動する。
図6(a),(b)に、図1の状態の被測定物5を+x軸方向へ移動させたときのビート信号15の波形およびFFTスペクトルを示す。
図6(b)に示すように、y軸方向の速度成分が0であるので、ピーク周波数はfdxの一つのみである。このようにx,y軸の各軸の方向へ移動するときはピーク周波数は一つのみになり、そのピーク周波数だけで被測定物5の移動速度を求めることができる。
しかし、図5(a),(b)に示されるように、第1象限の45°方向や、第3象限の135°方向に移動する場合も、ピーク周波数は一つとなる。このため、図5(a),(b)の場合と、図6(a),(b)の場合との区別して判断するのは非常に困難だと考えられる。そこで、上記被測定物5の移動方向がある程度限定され、x軸に対して例えば±45°以下の角度を成す方向に沿った被測定物5の移動をモニターするときは、被測定物5が移動する方向が図2(a),(b)または図4(a),(b)の方向となるようにレーザ光の入射点を設定することが速度検出の容易さの観点から望ましいと言える。つまり、上記被測定物5の移動速度Vおよび移動方向の検出を簡単にする観点上、被測定物5が移動する方向が図2(a),(b)または図4(a),(b)の方向となるように、第2光束11が集光レンズ4に入射する第1入射点14bと、第3光束12が集光レンズ4に入射する第2入射点14bとを設定するのが好ましい。
また、上述のように、x軸に対して例えば−45°を越えかつ45°未満の角度を成す方向に被測定物5が移動する場合、被測定物5の移動速度Vのx軸方向成分と、被測定物5の移動速度Vのy軸方向成分との比を求めることにより、被測定物5の移動方向を容易に特定することができる。つまり、図7に示すように、被測定物5の移動方向を示す点線矢印がx軸に対して45°未満かつ0°以上の角度で交差する場合、被測定物5の移動速度Vをx軸方向成分Vxとy軸方向成分Vyとにベクトル分解すると、Vx>Vyが成り立つ。この場合、上述のようにFFTスペクトルにより求められるピーク周波数のうち、低周波ノイズ成分を除去すると、周波数が最も高い周波数1がfdxであり、周波数が最も低い周波数3がfdyである。よって、
(式23)
Figure 2005195464
を計算すれば、被測定物3の移動方向を求めることができる。例えば図4(a),(b)の場合、fdy/fdx=0.23となるから、被測定物3がx軸に対しておよそ13°の角度を成す方向に移動すると判断することができる。
また、上記被測定物5の移動方向がy軸に対して−45°を越えかつ0°以下の角度の範囲内にある場合も、つまり、x軸に対して例えば135°未満かつ90°以上の角度を成す方向に被測定物5が移動する場合も、上記と同様に扱うことができる。この場合は、FFTスペクトルにおいて、低周波ノイズ成分を除去すると、周波数が最も高い周波数1がfdyであり、周波数が最も低い周波数3がfdxである。このfdx,fdyを式23に代入すれば、被測定物5の移動方向を求めることができる。
上記式23を用いた被測定物5の移動方向の検出は、x軸より正の方向の角度について説明したが、負の方向についても同様に求めることができるが、説明は省略する。
また、上記式23を用いた被測定物5の移動方向の検出は、第1象限および第3象限について説明したが、第2象限、第4象限についても、第1象限および第3象限の場合と全く同様の処理で被測定物5の移動方向を求めることができるが、説明は省略する。
本実施例は、x軸またはy軸に対して0°以上かつ45°未満の角度を成す方向、または、x軸またはy軸に対して−45°を越えかつ0°以下の角度を成す方向に移動する被測定物5の移動速度Vおよび移動方向を検出するのに有効である。
上記実施例1では、LD1を半導体発光素子の一例として用いていたが、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を半導体発光素子の一例として用いてもよい。ただし、LDはLEDに比べコヒーレンス性が非常によく、上記式3で示される2光束の干渉によるうなりを容易に生じるので、LEDよりもLDを半導体発光素子の一例として用いる方が好ましい。
また、上記実施例1では、LD1より出射した光束を3分割する手段としてBS2a,2bを用いていたが、このBS2a,2bの代わりに例えば回折格子を用いてもよい。この回折格子は、LD1より出射した光束の光軸に対して溝が延びる方向が直交するように配置するのがよい。
また、上記実施例1では、第1光束10、第2光束11および第3光束12を集光レンズ4で被測定物5の表面の一点に集光していたが、第1光束10、第2光束11および第3光束12を例えば適当なミラーで反射して被測定物5の表面の一点に集光してもよい。つまり、第1光束10、第2光束11および第3光束12を適当なミラーで反射して被測定物5の表面にビームスポット13を形成してもよい。
上記実施例1では、BS2bから集光レンズ4までの第1光束10と、ミラー3bから集光レンズ4までの第2光束11とを含む第1平面は、BS2bから集光レンズ4までの第1光束10と、ミラー3aから集光レンズ4までの第3光束12とを含む第2平面に対して90°の角度で交差していたが、上記第1平面は上記第2平面に対して90°以外の角度で交差してもよい。
上記実施例1では、上記第1平面および上記第2平面はXY平面に対して90°の角度で交差していたが、上記第1平面および上記第2平面はXY平面に対して90°以外の角度で交差してもよい。
上記実施例1では、原点14a、第1入射点14bおよび第2入射点14cは直角三角形を形成していたが、原点14a、第1入射点14bおよび第2入射点14cは直角三角形以外の三角形を形成してもよい。また、上記原点14a、第1入射点14bおよび第2入射点14cが形成する三角形は、X,Y軸に関する第1象限以外の象限、例えば第3象限に含まれるように設定してもよい。
上記実施例1では、ビート信号15の光軸が直線Y=Xと交わるように光学系を設定していたが、ビート信号15の光軸が直線Y=X以外の直線と交わるように光学系を設定してもよい。
上記実施例1では、ビート信号15がX,Y軸に関する第3象限を通過していた、ビート信号15が第2象限または第4象限を通過してもよい。
上記実施例1の変形例は以後の全ての実施例においても適用することができるが、上記実施例1の変形例を以降の実施例に適用した場合の説明は省略する。
図8に、本発明の実施例2のLDVの概略構成図を示す。図8では光学部品等の主要な部品のみを図示し、光学部品を保持する部品等の図示は省略している。また、図8の破線の矢印は座標軸である。なお、図8においては、X軸とx軸とは平行であり、Y軸とy軸とは平行であり、Z軸とz軸とは一致している。また、図8において、図1に示した実施例1の構成部と同一構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明は省略する。
上記LDVは、第1光束10の光軸上に配置された波長板の一例としての1/4波長板17と、ビート信号15の光軸上に配置された第2光分割手段の一例としてのBS2cとを備えている。
上記1/4波長板17は、BS2bと集光レンズ4との間に位置し、第1光束10が通過する。また、上記1/4波長板17は入射光束の偏光方向に対して進相軸と遅相軸とがほぼ45°傾いて配置されている。例えば、上記集光レンズ4上のXY座標軸を用いて説明すると、上記1/4波長板17は、進相軸がY=Xと平行に、かつ、遅相軸がY=−Xと平行になるように配置されている。あるいは、上記1/4波長板17は、遅相軸がY=Xと平行に、かつ、進相軸がY=−Xと平行になるように配置されている。このように1/4波長板17を配置していることにより、1/4波長板17を通過した第1光束10は直線偏光から円偏光に変換される。
上記BS2cは、集光レンズ4のビート信号出射点16を通過して平行光束になったビート信号15が入射するように配置されている。上記ビート信号15は、BS2cによって、第1信号光の一例としてのビート信号15aと、第2信号光の一例としてのビート信号15bとの2光束に分割される。そして、上記ビート信号15aは、第1直線偏光子18aを介して第2受光手段の一例としてのPD6aに入射する。一方、上記ビート信号15bはミラー3cで進行方向が変えられた後、第2直線偏光子18bを介して第2受光手段の一例としてのPD6bに入射する。上記第1,第2直線偏光子18a,18bは、第1直線偏光子18aの光学軸と直線偏光子18bの光学軸とが直交するように配置されている。例えば、上記第1直線偏光子18aは光学軸が1/4波長板17の進相軸と同一方向となるように配置され、直線偏光子18bは光学軸が1/4波長板17の遅相軸と同一方向となるように配置されている。あるいは、上記第1直線偏光子18aは光学軸が1/4波長板17の遅相軸と同一方向となるように配置され、直線偏光子18bは光学軸が1/4波長板17の進相軸と同一方向となるように配置されている。上記PD6a,6bで受光されたビート信号15a,15bは、増幅器7a,7bをA/D変換器8a,8bを順に通過した後、FFT演算器9a,9bに入る。このFFT演算器9a,9bによってビート信号15a,15bの周波数および位相が検出される。
以下、上記PD6a,6bで検出されるビート信号15a,15bについて詳細に説明する。
上記被測定物5の表面に入射する第1光束10は円偏光に変換されているので、被測定物5で反射して拡散した各光束は次のように書くことができる。
(式24)
Figure 2005195464

(式25)
Figure 2005195464
(式26)
Figure 2005195464
ただし、上記fdxとfdyは被測定物5の移動速度Vに比例した周波数偏移量fdをx軸方向とy軸方向とにベクトル分解したものである。これらの3光束はBS2cでそれぞれ分割されて第1,第2直線偏光子18a,18bを通過し、PD6aでは進相軸成分のみが、PD6bでは遅相軸成分のみが検出される。ここで、上記進相軸成分は上記式24において位相遅れが生じていない(i)の式で表され、また、上記遅相軸成分は上記式24において位相遅れがπ/2生じている(ii)の式で表される。また、上記式25や式26で表される第2光束11や第3光束12は直線偏光状態で第1,第2直線偏光子18a,18bに入射するが、第1,第2直線偏光子18a,18bのそれぞれの光学軸が直線偏光の振動方向に対してほぼ45°傾いているため、PD6a,6bに入射する成分は上記式25,26の1/√2倍とみなすことができる。よって、上記PD6a,PD6bに入射する光束は、
(式27)
Figure 2005195464
(式28)
Figure 2005195464
となる。これらからPD6a,PD6bで検出されるビート信号15a,15bは次のように書くことができる。
(式29)
Figure 2005195464
(式30)
Figure 2005195464
上記式29と式30との符号の選択は被測定物5の移動方向に依存しており、下表にその一覧を示す。
(表2)
被測定物の移動方向と符号の組み合わせ一覧
Figure 2005195464
ただし、上記表2においては、x,y軸の原点(0,0)から第1象限へ向う方向を「第1象限」と記載し、x,y軸の原点(0,0)から第2象限へ向う方向を「第2象限」と記載し、x,y軸の原点(0,0)から第3象限へ向う方向を「第3象限」と記載し、x,y軸の原点(0,0)から第4象限へ向う方向を「第4象限」と記載している。
上記FFT演算器9a,9bにおいてビート信号15a,15bの周波数を上記実施例1と同様にして検出する。そして、上記FFT演算器9a,9bのFFT演算による周波数検出時に、fdxおよびfdyの位相が同時に求められる。また、上記ビート信号15a,15bの位相の検出はFFT演算結果の実数部と虚数部の比により求めることができる。具体的には、信号の位相をφとすると、次式31で求められる。
(式31)
Figure 2005195464
ここで、図8を用いて説明すると、FFT演算器9aによって、周波数1、周波数2および周波数3が検出され、周波数1の信号の位相1aと周波数2の信号の位相2aとが同時に検出される。ここでは、上記周波数3の信号の位相も検出することはできるが、不要なので検出していない。本実施例における周波数1、周波数2および周波数3は、上記実施例1における周波数1、周波数2および周波数3の扱いとは異なっている。本実施例において、周波数1はfdx:x軸方向成分とし、周波数2はfdy:y軸方向成分とし、周波数3はfdx±fdyとする。また、上記FFT演算器9aと同様に、FFT演算器9bによって、周波数1、周波数2、周波数3、周波数1、周波数2および周波数3が検出され、周波数1の信号の位相1bと周波数2の信号の位相2bとが同時に検出される。そして、それらの位相差を検出することにより、上記表2に示されるように被測定物5の移動方向を特定することができる。なお、本実施例では、FFT演算器9aによって検出された周波数1が第4ピーク周波数の一例であり、FFT演算器9aによって検出された周波数2が第5ピーク周波数の一例であり、FFT演算器9aによって検出された周波数3が第6ピーク周波数の一例であり、FFT演算器9bによって検出された周波数1が第7ピーク周波数の一例であり、FFT演算器9bによって検出された周波数2が第8ピーク周波数の一例であり、FFT演算器9bによって検出された周波数3が第9ピーク周波数の一例である。
上記位相差は正確には±π/2の値で検出されるが、上記表2のようにその正負の符号のみを検出することにより被測定物5の移動方向を判別できる。また、理想的には位相差の値は±π/2で検出されるため、位相差に一定範囲の閾値を設けその範囲内において符号の正負を判断するようにし、その範囲外の位相差を示したとき被測定物5は静止状態と判断することにより、誤動作による移動量の誤差を少なくすることができる。
本実施例においては、被測定物5の移動速度Vの検出に関しては上記実施例1と同じであるが、被測定物5の移動方向の検出精度は上記実施例1よりも高くなっている。例えば、上記実施例1では図7において第1象限方向への移動と第3象限方向への移動とに関しては同じ信号が検出されるため、第1象限方向への移動と第3象限方向への移動とを区別することはできないが、本実施例においては信号の位相差を検出することにより、上記表2に示すように、第1象限方向への移動と第3象限方向への移動とを区別することができる。
本実施例は、x軸またはy軸に対して0°以上かつ45°未満の角度を成す方向、または、x軸またはy軸に対して−45°を越えかつ0°以下の角度を成す方向に移動する被測定物5の移動速度Vおよび移動方向(移動角度、移動の順方向、移動の逆方向)に関する移動情報を検出するのに有効である。
本実施例は、ビート信号15aに関する周波数1の信号の位相1aと、ビート信号15bに関する周波数1の信号の位相1bとの位相差、および、ビート信号15aに関する周波数2の信号の位相2aと、ビート信号15bに関する周波数2の信号の位相2bとの位相差により、被測定物5の移動方向を求めてもよいし、または、ビート信号15aに関する周波数2の信号の位相2aと、ビート信号15bに関する周波数2の信号の位相2bとの位相差、および、第1,第2ビート信号15a,15bに関する周波数3により、被測定物5の移動方向を求めてもよい。あるいは、ビート信号15aに関する周波数1の信号の位相1aと、ビート信号15bに関する周波数1の信号の位相1bとの位相差、および、第1,第2ビート信号15a,15bに関する周波数3により、被測定物5の移動方向を求めてもよい。
図9に、本発明の実施例3のLDVの概略構成図を示す。図9では光学部品等の主要な部品のみを図示し、光学部品を保持する部品等の図示は省略している。また、図9の破線の矢印は座標軸である。なお、図9においては、X軸とx軸とは平行であり、Y軸とy軸とは平行であり、Z軸とz軸とは一致している。また、図9において、図1に示した実施例1の構成部と同一構成部は、図1における構成部と同一参照番号を付して説明は省略する。
上記LDVにおいては、ビームスポット13から拡散されるビート信号の検出系が2つ存在する。より詳しくは、上記ビームスポット13からはビート信号,15bが出射され、ビート信号15aの光束の光軸は集光レンズ4のビート信号出射点16aを通り、ビート信号15bの光束の光軸は集光レンズ4のビート信号出射点16bを通る。上記ビート信号出射点16aは第1入射点14bの原点対称となるX軸上に位置し、ビート信号出射点16bは第2入射点14bの原点対称となるY軸上に位置している。このようなビート信号出射点16a,16bの配置によって、第2光束11の正反射光をPD6aで受けると共に、第3光束12の正反射光をPD6bで受けている。
上記ビート信号出射点16aを通ったビート信号15aはPD6aに入射し、ビート信号出射点16bを通ったビート信号16bを通ったビート信号16bはPD6bに入射する。上記PD6a,6bで検出された各信号の処理は上記実施例1と同様で、各信号に対して上記第1実施例1と同じ処理が施される。より詳しくは、上記PD6a,6bで検出された信号は、増幅器7a,7bでノイズ除去および増幅された後、A/D変換器8a,8bでデンタル信号に変換されて、FFT演算器9a,9bによって複数のピーク周波数が検出される。このとき、上記複数のピーク周波数の中には、被測定物5のx軸方向の移動に関する周波数fdxと、被測定物5のy軸方向の移動に関する周波数fdyと、fdx±fdyの周波数とがある。上記周波数fdxは図9の周波数1に相当し、周波数fdyは図9の周波数2に相当し、fdx±fdyの周波数は図9の周波数3に相当する。
上記ビームスポット13から拡散される拡散光の光強度は正反射方向に対して最も強くなる。よって、上記ビート信号15aに対しては第2光束11からの光強度が最も強くなるため、上記式21において、
(式32)
Figure 2005195464
が成り立つ。
また、上記第1光束10と第3光束12とに対しては両光束とも乱反射による拡散光がビート信号15aに含まれるが、第1光束10は被測定物5に対して垂直入射であるため反射光強度はz軸を中心とした同心円上の強度分布を示し、第3光束12はビームスポット13と集光レンズ4の点16bを結ぶ受光軸を中心とした同心円状の強度分布を示す。このため、上記ビート信号15aの受光軸上の点16aでは、一般に、
(式33)
Figure 2005195464
が成り立つ。
よって、上記式32と式33とに基いて、
(式34)
Figure 2005195464
と書くことができる。
上記式34と式21とにより、ビート信号15aに含まれる各周波数成分のFFTスペクトルのピーク強度は、
(式35)
Figure 2005195464
となる。
上記式35と同様に考えて、ビート信号15bに含まれる各周波数成分のFFTスペクトルのピーク強度は、
(式36)
Figure 2005195464
となる。
上記実施例1で説明したように、実施例1ではx軸成分およびy軸成分のピークを判断するためには、例えば被測定物5の移動方向がx軸に対して45°未満の角度を成すときはfdx>fdyとなることを利用しており、被測定物5の移動方向の範囲を制限していた。これに対して、本実施例は、FFTスペクトルに存在する複数の周波数ピークのうち、被測定物5の移動速度Vをベクトル分解したx軸成分のピークとy軸成分のピークとを上記式35,36を用いて容易に判断することができ、上記式23を用いてx軸成分の速度とy軸成分の速度との比を検出することにより、x軸に対して0°以上かつ90°未満の角度を成す移動方向を検出することが可能である。
本実施例は、x軸またはy軸に対して0°以上かつ90°未満の角度を成す方向に移動する被測定物5の移動速度Vおよび移動方向(移動角度、移動の順方向、移動の逆方向)に関する移動情報を検出するのに有効である。
図10に本発明の実施例3のLDVの照射系の概略構成図を示し、図11に上記LDVの受光系の概略構成図を示す。図10,11では光学部品等の主要な部品のみを図示し、光学部品を保持する部品等の図示は省略している。また、図10,11の破線の矢印は座標軸である。なお、図10,11においては、X軸とx軸とは平行であり、Y軸とy軸とは平行であり、Z軸とz軸とは一致している。また、図10,11において、図8に示した実施例2の構成部と同一構成部は、図8における構成部と同一参照番号を付して説明は省略する。そして、図10,11において、図9に示した実施例3の構成部と同一構成部も、図9における構成部と同一参照番号を付して説明は省略する。
上記LDVは、図10の照射系の構成部と、図11の受光系の構成部とを備えている。つまり、上記LDVは、上記実施例2の構成と上記実施例3の構成とを足し合わせた構成となっている。上記LDVの照射系においては、図10に示すように、上記実施例2のように第1光束10上に1/4波長板17が配置されている。また、上記LDVの受光系においては、図11に示すように、上記実施例3のような第1,第2信号光の一例としてのビート信号15a,15bを用いている。また、上記LDVの受光系においては、上記実施例2のようにビート信号15a,15bのそれぞれを2光束に分けている。
上記ビート信号15aは、第3光分割手段の一例としてのBS2dによって、第4信号光の一例としてのビート信号15cと、第4信号光の一例としてのビート信号15dとに分割される。そして、上記ビート信号15cは第3直線偏光子18cを介して第3受光手段の一例としてのPD6cに入射する。一方、上記ビート信号15dはミラー3dで進行方向が変えられた後、第4直線偏光子18dを介して第4受光手段の一例としてのPD6dに入射する。
上記ビート信号15bは、第4光分割手段の一例としてのBS2eによって、第5信号光の一例としてのビート信号15eと、第6信号光の一例としてのビート信号15fとに分割される。そして、上記ビート信号15eは第5直線偏光子18eを介して第5受光手段の一例としてのPD6eに入射する。一方、上記ビート信号15fはミラー3eで進行方向が変えられた後、第5直線偏光子18fを介して第6受光手段の一例としてのPD6fに入射する。
上記PD6c,6d,6e,6fで受光されたビート信号15c,15d,15e,15fは、増幅器7c,7d,7e,7fをA/D変換器8c,8d,8e,8fを順に通過した後、FFT演算器9c,9d,9e,9fに入る。このFFT演算器9c,9d,9e,9fによってビート信号15c,15d,15e,15fの周波数および位相が検出される。
なお、上記1/4波長板17、第3直線偏光子18c、第4直線偏光子18d、第5直線偏光子18eおよび第6直線偏光子18fの光学軸の向きは上記実施例2と同じにしている。
上記構成のLDVは、上記実施例2で示したビート信号の位相差を用いた被測定物5の移動方向の検出と、上記実施例3で示したFFTスペクトル中のx軸成分とy軸成分のピーク判定との2つの特徴を持っている。これにより、xy平面内における被測定物5の移動速度Vおよび移動方向の情報は、360°全方位について検出可能である。
本実施例は、上記のようにxy平面内の任意の2次元の被測定物の移動情報を検出するときに対して有効である。
また、上記実施例1から実施例4までの全ての実施例においては、ビート信号のFFTスペクトルのピーク周波数が閾値以下のとき、被測定物は静止状態と検出するように設定されている。図2のFFTスペクトルを例にとって説明すると、400Hz以下のピークはノイズとなるため、一例として400Hzに閾値を設け、400Hz以下のスペクトルは除去する。これにより、スペクトル内のピークは3本となり、各実施例で説明した効果を得ることができる。
さらに、上記全ての実施例においては、A/D変換器の出力値が一定のサンプリング時間内で閾値以上の点がn(n:0を含まない自然数)点以下の時には、被測定物は静止状態として判断する基準を設けている。PDからの信号は、増幅器の例えばHPF(high pass filter)によりDC成分は除去されるので、静止状態にあるときの信号強度の理想値は0であり、被測定物が移動したときには正弦波の出力を生じる。上記のような判定基準を設けることにより、被測定物が静止状態にあるときに、ノイズにより被測定物が移動状態にあると誤作動することを防ぐことができる。
また、上記全ての実施例において、A/D変換器の出力値が一定のサンプリング時間内で閾値以上の点がn点以上に達したとき、FFT演算器が動作するような設定となっている。
一般に、上記被測定物が移動したときに出力される信号の振幅はノイズの振幅よりも十分大きくなる。上記被測定物からのビート信号のデジタル変換された値がある閾値以上の点数をカウントしたとき、それがN(N:0を含まない自然数)点以下のときはノイズと判断し被測定物は静止状態と検出し、N点以上カウントされたときに移動状態に入ったと検出し、FFT演算を開始するようにすることにより、ノイズによる誤動作の発生確率を低減させることができる。
また、上記実施例1から実施例4の全ての実施例において、ビート信号のFFTスペクトルのピーク強度がある閾値以下の場合、被測定物5は静止状態として検出するように判定基準を設けることにより、ノイズによりFFTスペクトルに出現するピークによる被測定物の移動情報の誤検出を防ぐことができる。
また、上記実施例2および実施例4においては、位相差に一定範囲の閾値を設けその範囲内において符号の正負を判断するようにし、その範囲外の位相差を示したとき被測定物5は静止状態と判断することにより、誤動作による移動量の誤差を少なくすることができる。
また、上記全ての実施例におけるLDVは、被測定物の移動速度を検知するものであるが、後段の信号処理において、その時間情報を取り込むことによって、速度情報から容易に変位量に換算することができる。例えば、一般に普及している電子機器においては、プリンターやコピー機の紙送り量を検出する変位計に応用可能である。さらに、上記LDVは、被測定物である移動物体からの反射光により速度を検出できるので、移動物体(測定対象)に特別な加工を必要としないため、高分解能エンコーダとしての応用に好適である。また、現在広く普及している光学式のマウスは、CCD(電荷結合素子)等により検出面のスペックルパターンの移動情報を画像として認識し、移動量を検出しているが、上記LDVを光学式マウスなどのポインティングデバイスに用いることも可能である。特に、上記LDVを用いることにより非常に小型化のポインティングデバイスを構成できるため、PDA(Personal Digital Assistants:)などの携帯型情報端末のポインティングデバイスに好適である。
また、上記実施例2〜4では、複数のビート信号を受けるために、そのビート信号の数と同数のPDを配置していたが、そのビート信号の数と同数の受光面を有する1つの受光素子を配置してもよい。
本発明は、移動する被測定物に可干渉性の光を照射し、被測定物の移動速度に応じた光の周波数偏移を物体からの散乱光を受光して被測定物の速度を検出するLDVに適用することができる。
また、本発明を小型のLDVに適用しても、受光信号から被測定物の2次元の移動速度および移動方向を検出することができる。
また、本発明は、民生機器向けに適用可能な小型で低消費電力の2次元の移動速度かつ移動方向が検出可能な簡便なLDVにも適用することができる。
また、本発明においては、半導体発光素子が出射した光を第1光分割手段で4つ以上の光束に分割してもよいが、光学系の複雑化を防ぐ観点上、半導体発光素子が出射した光を第1光分割手段で3つの光束に分割するのが好ましい。
図1は本発明の実施例1のLDVの概略構成図である。 図2(a)は被測定物をx軸に対して155°の角度を成す方向に移動させたときのビート信号の波形を示すグラフであり、図2(b)は上記ビート信号のFFTスペクトルを示すグラフである。 図3(a)は被測定物をx軸に対して135°の角度を成す方向に移動させたときのビート信号の波形を示すグラフであり、図3(b)は上記ビート信号のFFTスペクトルを示すグラフである。 図4(a)は被測定物をx軸に対して15°の角度を成す方向に移動させたときのビート信号の波形を示すグラフであり、図4(b)は上記ビート信号のFFTスペクトルを示すグラフである。 図5(a)は被測定物をx軸に対して45°の角度を成す方向に移動させたときのビート信号の波形を示すグラフであり、図5(b)は上記ビート信号のFFTスペクトルを示すグラフである。 図6(a)は被測定物を+x軸方向へ移動させたときのビート信号の波形を示すグラフであり、図6(b)は上記ビート信号のFFTスペクトルを示すグラフである。 図7は上記実施例1のLDVによる被測定物の移動方向の検出を説明するための図である。 図8は本発明の実施例2のLDVの概略構成図である。 図9は本発明の実施例3のLDVの概略構成図である。 図10は本発明の実施例3のLDVの照射系の概略構成図である。 図11は上記実施例3のLDVの受光系の概略構成図である。 図12は従来のLDVの要部の概略構成図である。 図13は上記従来のLDVの検出点近傍における光束の重なりを示す拡大図である。 図14は被測定物の移動速度とドップラー偏移周波数とを結びつける式を説明するための図である。 図15は他の従来のLDVの要部の概略構成図である。 図16はさらに他の従来のLDVの要部の概略構成図である。
符号の説明
1 LD
2a,2b,2c,2d,2e BS
3a,3b,3c,3d,3e ミラー
4 集光レンズ
5 被測定物
6,6a,6b,6c,6d,6e,6f PD
7,7a,7b,7c,7d,7e,7f 増幅器
8,8a,8b,8c,8d,8e,8f A/D変換器
9,9a,9b,9c,9d,9e,9f FFT演算器
10 第1光束
11 第2光束
12 第3光束
13 ビームスポット
14a 原点
14b 第1入射点
14c 第2入射点
15a,15b,15c,15d,15f ビート信号
16a,16b ビート信号出射点
17 1/4波長板
18a 第1直線偏光子
18b 第2直線偏光子
18c 第3直線偏光子
18d 第4直線偏光子
18e 第5直線偏光子
18f 第6直線偏光子

Claims (25)

  1. 可干渉性の光を出射する半導体発光素子と、
    上記半導体発光素子が出射した光を少なくとも3つの光束に分割する第1光分割手段と、
    上記光束を用いて被測定物の表面に1点のスポットを形成する光学系と、
    上記スポットからの拡散光を受光する受光手段と、
    上記受光手段が出力した信号を処理する信号処理回路と
    を備え、
    上記信号処理回路は、
    上記受光手段が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、
    上記デジタル信号をフーリエ変換するフーリエ変換手段と
    を含み、
    上記フーリエ変換手段が求めたスペクトルのピーク周波数に基いて、上記被測定物の移動情報を求めることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  2. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1光分割手段は上記半導体発光素子が出射した光を第1光束、第2光束および第3光束の3つに分割し、
    上記第1光束と上記第2光束とを含む第1平面は、上記第1光束と上記第3光束とを含む第2平面とに対して垂直であることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  3. 請求項2に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記光学系は、上記第1光束、第2光束および第3光束を上記スポットに集光する集光手段を含み、
    上記第1光束は、上記集光手段を配置する第3平面と、上記第1平面と、上記第2平面との交点である原点に入射し、
    上記第2光束は、上記第3平面と上記第1平面の交線であるX軸上の第1入射点に入射し、
    上記第3光束は、上記第3平面と第2平面の交線であるY軸上の第2入射点に入射し、
    上記第1光束、第2光束および第3光束のそれぞれと上記第3平面との交点は直角三角形を形成し、
    上記直角三角形は、上記X軸および上記Y軸に関する第1象限に含まれ、
    上記拡散光は、上記X軸および上記Y軸に関する第3象限を通過することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  4. 請求項3に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1象限から上記第3象限にわたって延び、上記X軸と上記Y軸とが成す角の2等分線と、上記拡散光の光軸とが交差することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  5. 請求項3に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記集光手段は集光レンズであることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  6. 請求項2に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記フーリエ変換手段は、第1ピーク周波数と、上記第1ピーク周波数よりも低い周波数の第2ピーク周波数と、上記第1,第2ピーク周波数よりも低い周波数の第3ピーク周波数とを求め、
    上記第1ピーク周波数を用いずに、上記第2ピーク周波数と上記第3ピーク周波数との2乗和を計算することにより、上記被測定物の移動速度を求めることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  7. 請求項2に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記フーリエ変換手段は、第1ピーク周波数と、上記第1ピーク周波数よりも低い周波数の第2ピーク周波数と、上記第1,第2ピーク周波数よりも低い周波数の第3ピーク周波数とを求め、
    上記第2ピーク周波数を用いずに、上記第1ピーク周波数と上記第3ピーク周波数との2乗和を計算することにより、上記被測定物の移動速度を求めることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  8. 請求項2に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記フーリエ変換手段は、第1ピーク周波数と、上記第1ピーク周波数よりも低い周波数の第2ピーク周波数とを求め、
    上記第1ピーク周波数を用いずに、上記第2ピーク周波数を用いて上記被測定物の移動速度を求めることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  9. 請求項2に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記フーリエ変換手段は第1,第2ピーク周波数を求め、
    上記第1ピーク周波数と上記第2ピーク周波数との比により、上記被測定物の移動方向を求めることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  10. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1光分割手段は、上記半導体発光素子が出射した光を第1光束、第2光束および第3光束の3つに分割し、
    さらに、上記第1光束の光軸上に配置され、上記第1光束の偏光方向とほぼ45°の角度を成す光学軸を有する波長板と、
    上記第1光束、第2光束および第3光束を用いて上記被測定物の表面に1点の上記スポットを形成する上記光学系と、
    上記スポットからの上記拡散光を第1,第2信号光に分割する第2光分割手段と、
    上記第1信号光の光軸上に配置された第1直線偏光子と、
    上記第2信号光の光軸上に配置され、上記第1直線偏光子の光学軸に対してほぼ直交する光学軸を有する第2直線偏光子と
    を備え、
    上記受光手段は、上記第1信号光を受光する第1受光手段と、上記第2信号光を受光する第2受光手段とを含み、
    上記第1信号光に関する上記ピーク周波数と、上記第2信号光に関する上記ピーク周波数との少なくとも一方に基いて、上記被測定物の移動速度を求め、
    上記第1信号光に関する位相と、上記第2信号光に関する位相とに基いて、上記被測定物の移動方向を求めることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  11. 請求項10に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記フーリエ変換手段は、上記第1信号光に関する第4ピーク周波数、第5ピーク周波数および第6ピーク周波数を求めると共に、上記第2信号光に関する第7ピーク周波数、第8ピーク周波数および第9ピーク周波数を求め、
    上記第4ピーク周波数に対応する信号と上記第7ピーク周波数に対応する信号との位相差、および、上記第5ピーク周波数に対応する信号と上記第8ピーク周波数に対応する信号との位相差により、上記被測定物の移動方向を求めることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  12. 請求項11に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第4ピーク周波数、上記第5ピーク周波数、上記第7ピーク周波数および上記第8ピーク周波数のそれぞれに対する実数部および虚数部を上記フーリエ変換手段で求め、
    上記実数部および虚数部に基づいて、上記第4ピーク周波数、上記第5ピーク周波数、上記第7ピーク周波数および上記第8ピーク周波数のそれぞれに対応する信号の位相を求めることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  13. 請求項11または12に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記位相差の正負により上記被測定物の移動方向を検出することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  14. 請求項11または12に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記位相差の値が所定の範囲外の値を示したときは、上記被測定物は静止状態であると判断することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  15. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1光分割手段は上記半導体発光素子が出射した光を第1光束、第2光束および第3光束の3つに分割し、
    上記第1光束と上記第2光束とを含む第1平面は、上記第1光束と上記第3光束とを含む第2平面とに対して垂直であり、
    上記光学系は、上記第1光束、第2光束および第3光束を上記スポットに集光する集光手段を含み、
    上記第1光束は、上記集光手段を配置する第3平面と、上記第1平面と、上記第2平面との交点である原点に入射し、
    上記第2光束は、上記第3平面と上記第1平面の交線であるX軸上の第1入射点に入射し、
    上記第3光束は、上記第3平面と第2平面の交線であるY軸上の第2入射点に入射し、
    上記拡散光は、上記第1入射点に原点対称な点を通る光軸を有する第1信号光と、上記第2入射点に原点対称な点を通る光軸を有する第2信号光とを含み、
    上記受光手段は、上記第1信号光を受光する第1受光手段と、上記第2信号光を受光する第2受光手段とを含むことを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  16. 請求項15に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記フーリエ変換手段は、上記第1信号光に関する上記ピーク周波数を複数求めると共に、上記第2信号光に関する上記ピーク周波数を複数求め、
    上記第1信号光に関する上記複数のピーク周波数うちの最大ピーク周波数と、上記第2信号光に関する上記複数のピーク周波数のうち最大ピーク周波数との2乗和を計算することにより、上記被測定物の移動速度を求めることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  17. 請求項16に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1信号光に関する上記複数のピーク周波数うちの最大ピーク周波数と、上記第2信号光に関する上記複数のピーク周波数のうち最大ピーク周波数との比により、上記被測定物の移動方向を検出することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  18. 請求項15に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1信号光を第3信号光と第4信号光との2つに分割する第3光分割手段と、
    上記第2信号光を第5信号光と第6信号光との2つに分割する第4光分割手段と、
    上記第3信号光の光軸上に配置された第3直線偏光子と、
    上記第4信号光の光軸上に配置され、上記第3直線偏光子の光学軸に対してほぼ直交する光学軸を有する第4直線偏光子と、
    上記第5信号光の光軸上に配置された第5直線偏光子と、
    上記第6信号光の光軸上に配置され、上記第5直線偏光子の光学軸に対してほぼ直交する光学軸を有する第6直線偏光子と
    を備え、
    上記第1受光手段は、上記第3信号光を受光する第3受光手段と、上記第4信号光を受光する第4受光手段とを含み、
    上記第2受光手段は、上記第5信号光を受光する第5受光手段と、上記第6信号光を受光する第6受光手段とを含むことを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  19. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記スペクトルのピーク強度の値が所定の閾値以下であるときは、上記被測定物は静止状態であると判断することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  20. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記デジタル信号の出力値が所定の時間内で所定の閾値以上になった点がn(n:0を含まない自然数)点以下のときは、上記被測定物は静止状態であると判断することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  21. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記デジタル信号の出力値が所定の時間内で所定の閾値以上になった点がn(n:0を含まない自然数)点を越えると、上記フーリエ変換手段による計算が開始することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  22. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記スペクトルの最大ピーク強度の値がN(N:0を含まない自然数)以下のときは、記被測定物は静止状態であると判断することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  23. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  24. 請求項23に記載の電子機器において、
    ポインティングデバイスに用いられることを特徴とする電子機器。
  25. 請求項23に記載の電子機器において、
    エンコーダに用いられることを特徴とする電子機器。
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