JP4093971B2 - 光学式移動情報検出装置および移動情報検出システムおよび電子機器およびエンコーダ - Google Patents

光学式移動情報検出装置および移動情報検出システムおよび電子機器およびエンコーダ Download PDF

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Description

本発明は、光学式移動情報検出装置および移動情報検出システムおよび電子機器およびエンコーダに関し、移動する被測定物にレーザ光を照射し、被測定物の移動速度に応じた光の周波数偏移を含む被測定物からの散乱光を受光して被測定物の速度を検出するドップラー速度計として用いられる光学式移動情報検出装置およびそれを用いた移動情報検出システムおよび電子機器およびエンコーダに関するものである。特に、本発明は、高精度に速度を検出する信号処理技術およびその検出可能な速度帯域を拡大する信号処理技術に関するものであり、同時に小型のドップラー速度計に利用可能な信号処理技術に関するものであり、さらに被測定物の速度情報と時間情報をもとに変位情報を算出する変位情報検出装置としても適用できる光学式移動情報検出装置を内蔵した電子機器に関するものである。
一般に光源と観測者が相対的な運動をしているとき、ドップラー効果により光は周波数の変化を受ける。レーザドップラー速度計(以下、LDV(Laser Doppler Velocimeter)という)はこの効果を利用して、移動する被測定物にレーザ光を照射して、その散乱光のドップラー周波数偏移を測定し、被測定物の移動速度を検出するものである。このLDVは1964年にYehとCumminsによって発表され(Appl. Phys. Lett. 4-10 (1964) 176)、現在では一般に広く知られており、実用化されている。
図11に従来の代表的な差動型LDVの光学系図を示している(例えば、特開平3−235060号公報(特許文献1)参照)。図11において、101は半導体レーザ(以下、LD(Laser Diode)という)、102は受光素子(以下、PD(Photo Diode)という)、103は回折格子、104はコリメーターレンズ(以下、CL)、105はミラー、106は集光レンズ(以下、OL)、107,108はそれぞれ回折格子による±1次の回折光の第1光束、第2光束である。この光学系では、LD101から出射したレーザ光はCL104により平行光束に変換され、回折格子103により角度θの回折角で±1次の回折光に分割されて第1光束107と第2光束108となる。それぞれの光束はミラー105で反射した後、被測定物上に入射角θで重ね合わせられる。被測定物114により散乱されたそれぞれの光束はドップラー周波数偏移(±fd)を受けており、LD101の発振周波数(f0)と異なるため、これらの干渉波はうなりを生じる。これをビート信号と呼ぶ。このビート信号のうなり周波数を受光素子102でヘテロダイン検波することにより、被測定物の移動速度を求めることができる。以下に詳細に説明する。
いま、物体の移動方向を図11のように右向きを正方向とすると、第1光束107に対しては−fd、第2光束108に対しては+fdのドップラー周波数偏移を受け、第1光束107の見かけの周波数は(f0−fd)、第2光束108の見かけの周波数は(f0+fd)となる。ただし、f0はLD101の発振周波数である。このとき、LD101から出射する光の電場は、
Figure 0004093971
と表すことができるので、第1光束107、第2光束108は、
(式1)
Figure 0004093971
(式2)
Figure 0004093971
と表すことができる。ただし、E0、EA、EBはそれぞれの光の振幅、φA、φBはそれぞれの光の位相を表す。光の周波数は一般に100THz(〜1014Hz)であるので、(式1)や(式2)の周波数情報を直接測定することができない。このため、上記のようにヘテロダイン検波が一般に用いられ、f0 ≫fdが成り立つので、上記(式1)と(式2)の干渉波は、
(式3)
Figure 0004093971
と表すことができる。ただし、上記(式3)で左辺の「<>」は時間平均を表す。よって、PD102によりこの干渉波の周波数を測定することができる。
図12は被測定物114が速度Vで移動するとき、任意の角度(α、β)で2光束を入射し、任意の角度(γ)で散乱光を受光したときの図である。ドップラー効果による周波数の偏移量は厳密には相対論によるローレンツ変換を用いて求めるが、被測定物114の移動速度Vが光速cに比べて十分小さいときには、近似的に以下のように求めることができる。光源A、光源Bからの光と移動物体の相対速度VA1,VB1は、
(式4)
Figure 0004093971
と表せる。また、移動物体(被測定物114)から見たそれぞれの光の見かけの周波数f A1,fB1は、
(式5)
Figure 0004093971
それぞれの散乱(反射)光と移動物体の相対速度VA2,VB2は、
(式6)
Figure 0004093971
となる。よって、観測点から見た光の周波数fA2, f B2は、
(式7)
Figure 0004093971
と表すことができる。上記(式7)の周波数と入射光の周波数 との差がドップラー周波数偏移量:fdになる。いま、観測点で測定される2光束のうなり周波数 は、c ≫Vを用いて、
(式8)
Figure 0004093971
となり、観測点の位置(角度:γ)に依らないことがわかる。図11においては、
α=β=θ
であるので、図11の一般的なLDV光学系において、上記(式8)より、
(式9)
Figure 0004093971
が成立する。よって、上記(式3)で表される周波数2fdを測定し、上記(式9)を用いて計算することにより、物体の移動速度Vを求めることができる。
また、上記(式9)は幾何学的に次のように考えることも可能である。図13は図11の2光束が再度重なり合う領域の拡大図である。それぞれ入射角θで2光束が交差しており、図中の破線は各光束の等波面の一部を示している。この破線と破線の間隔が光の波長λとなる。また、垂直の太線が干渉縞の明部であり、その間隔をΔとすると、
(式10)
Figure 0004093971
で表される。図13のように、物体(黒丸●で図示)が速度Vで干渉縞に垂直に通過するとき、その周波数fは
(式11)
Figure 0004093971
となり、上記(式9)と等しくなる。この考え方は干渉縞モデルと言われるものである。
以上のようなLDVにおいて、受光素子で光電変換して得られる信号は、上記(式3)に示されるようにDC成分とAC成分の和になっている。ここで、上記(式9)や(式11)で示したようにLDVにおいては、その信号の周波数が被測定物の移動速度と比例関係にあることを利用するものであり、検出すべきパラメータは周波数である。理想的なLDVの信号は、上記(式3)に示すように一定のDCレベル=(EA 2+E B 2)/2を中心に振幅= EABで振動しているが、実際には使用する光源のコヒーレンス性やビームスポット重なりのズレ、両光束の光量ばらつき、被測定物での表面反射率の入射角依存などによりAC信号の振幅に対してDC信号レベルが大きくなってしまい、直接受光素子で測定したのでは、AC信号は大きなDCノイズの埋もれてしまい、非常にS/Nの悪い信号となってしまうため、被測定物の移動速度を正確に測定することはできない。
このような問題に対して、一般には図14に示すようにフォトダイオードで受光して光電変換した信号を各種BPF等を用い、DC成分を除去してAC成分のみを抽出することができ、さらに信号成分を増幅回路でアンプすることによりS/Nの高い信号を得ることができる。図14において、110はHPF、112,113はLPF、111はLPF112,113の時定数を決める抵抗とキャパシタである。
しかしながら、ドップラー速度計で測定される信号のAC成分は測定目的であるドップラー周波数偏移のみではなく、高周波や低周波のノイズが含まれており、このACノイズが上述のBPFを通過してしまい、速度検出を困難にするという問題がある。このうち特に大きな問題となるのが低周波ノイズである。一般にLDVで速度を検出する対象は、紛体や流体、固体表面など様々なものがあり、それらは移動しているので紛体や流体では含まれる粒子の密度の大小などにより、固体表面では表面反射率のばらつきにより反射光強度は変化するため、その変化に起因した周波数をもつノイズが生じる。このように、LDVの信号には反射光強度のばらつきによる低周波のノイズ成分が含まれている。上記のBPFは、この低周波ノイズ成分を帯域外に設定し、ドップラー信号を帯域内に設定することにより速度を検出することができるが、この低周波ノイズ成分の周波数は、測定目的のドップラー周波数とともに被測定物の移動速度の大小に従って増減するため、移動速度が大きくなると低周波ノイズ成分の周波数も大きくなり、BPFの通過域に入ってしまいS/Nの低い信号となってしまう。また、被測定物の移動速度範囲に対して、低周波ノイズがBPFの通過域に入らないように十分に高い周波数域に設定することにより、この問題を回避することができるが、検出可能な速度範囲が非常に狭くなり、LDVの実用の範囲を大きく制限してしまうことになる。
特開平3−235060号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、被測定物の移動速度を広い範囲の速度帯で高精度に検出できる光学式移動情報検出装置およびそれを用いたおよび移動情報検出システムおよび電子機器およびエンコーダを提供するものである。
また、本発明は、検出した移動速度と時間情報を用いて変位情報を算出できる光学式移動情報検出装置およびそれを用いたおよび移動情報検出システムおよび電子機器およびエンコーダを提供するものである。
上記目的を達成するため、この発明の光学式移動情報検出装置は、
可干渉性の光を出射する半導体発光素子と、
上記半導体発光素子から出射した上記可干渉性の光を第1光束および第2光束に分割する光分岐素子と、
上記光分岐素子によって分割された上記第1,第2光束の少なくとも一方を、移動する被測定物に照射する第1光学系と、
上記第1光学系の上記第1,第2光束のいずれか一方の光軸上に配置され、上記第1,第2光束のいずれか一方の直線偏光を進相軸成分と遅相軸成分からなる円偏光に変更する位相変更手段と、
上記第1,第2光束の両方が上記被測定物に照射されたときの上記被測定物からの散乱光による干渉光、または、上記第1,第2光束の一方が上記被測定物に照射されたときの上記被測定物からの散乱光と上記第1,第2光束の他方との干渉による干渉光を、第1受光素子と第2受光素子に導く第2光学系と、
上記第2光学系の上記被測定物からの散乱光による干渉光を、上記位相変更手段によって生じた進相軸成分と遅相軸成分に分割して、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方を上記第1受光素子に受光させ、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を上記第2受光素子に受光させる干渉光分割手段と、
上記第1受光素子からの受光信号を受けて、上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方を表す第1信号として出力する第1信号処理回路部と、
上記第2受光素子からの受光信号を受けて、上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を表す第2信号として出力する第2信号処理回路部と、
上記第1信号処理回路部からの第1信号と上記第2信号処理回路部からの第2信号とを用いて、ノイズ成分が除去された干渉光信号である第3信号を出力する第3信号処理回路部と、
上記第3信号処理回路部からの上記第3信号の周波数を検出し、その周波数に基づいて上記被測定物の移動速度を検出する移動速度検出部と
上記第1信号の位相と上記第2信号の位相とを検出して、上記第1信号と上記第2信号との位相差を検出する第4信号処理回路部と、
上記第4信号処理回路部により検出された位相差に基づいて、上記被測定物の移動方向を検出する移動方向検出部と
を備えたことを特徴とする。
上記構成の光学式移動情報検出装置によれば、上記第1信号と第2信号に含まれる低周波ノイズはほぼ同位相であり、検出すべき干渉光信号の周波数は意図的に位相変更手段により位相差が設けられているため、第1信号と第2信号の差をとることにより低周波ノイズは相殺されるが、被測定物の移動速度を検出するのに必要な干渉光信号は残る。このように、2つの光束(一方が位相遅延)が照射された被測定物からの散乱光による干渉光を位相の異なる2成分に分割し、分割された2つの干渉光信号を用いて低周波ノイズが効果的に除去された干渉光信号を得て、その干渉光信号に基づいて被測定物の移動速度を広い速度範囲で高精度に検出できる。
また、上記第4信号処理回路部により検出された第1信号と第2信号の位相差に基づいて、移動方向検出部により被測定物の移動方向を検出することができる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第3信号処理回路部は、上記第1信号と上記第2信号とを差動演算して、その演算結果を第3信号として出力する差動演算部を有することを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、上記第3信号処理回路部の差動演算部によって、第1信号と第2信号とを差動演算して、その演算結果を第3信号として出力するので、効果的に低周波ノイズを除去できる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第1受光素子と上記第2受光素子は、上記被測定物の同一検出点からの散乱光による干渉光を受光することを特徴とする。
被測定物の移動速度は、第1光束と第2光束が被測定物上で重なっている点(ビームスポット)から反射した拡散光から求めることができるが、被測定物に伸び縮みがある場合、また粒子などの個々の運動が独立している場合、場所によって移動速度が異なる。第3信号は第1信号と第2信号の差で与えられるが、上記のように場所によって速度が異なる物体を測定するようなとき、第1受光素子と第2受光素子がそれぞれレンズで異なるビームスポット内の点に焦点が合っているとき、異なる速度を検出することになる。このとき、第1信号と第2信号で周波数が異なるため、低周波ノイズを効果的に除去できない上に、測定したい速度の周波数が検出できない。そこで、上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、上記第1受光素子と第2受光素子は、上記被測定物の同一検出点からの散乱光による干渉光を受光するので、低周波ノイズを効果的に除去された干渉光信号を得ることができる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第3信号処理回路部は、上記第1信号処理回路部からの第1信号と上記第2信号処理回路部からの第2信号を信号レベルが合うように規格化する規格化演算部を有し、上記差動演算部は、上記規格化演算部により規格化された上記第1信号と上記第2信号とを差動演算することを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、第1信号と第2信号の差動演算を行う場合、上記規格化演算部により第1信号と第2信号が規格化されて、第1信号と第2信号の信号強度を同じにすることによって、低周波ノイズ成分を効果的に除去できる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記規格化演算部は、上記第1信号処理回路部からの第1信号および上記第2信号処理回路部からの第2信号の振幅の正側の最大値または負側の最大値の少なくとも一方に基づいて、上記第1信号と上記第2信号を規格化することを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、信号は三角関数で測定されるため、正と負の両方の値をもつがどちらか一方に対してピークホールド回路などを用いて第1信号および第2信号の振幅の正側の最大値または負側の最大値の少なくとも一方を検出し、その最大値を用いて第1信号と第2信号を規格化する。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記規格化演算部は、上記第1信号処理回路部からの第1信号および上記第2信号処理回路部からの第2信号の振幅のピークトウピーク値に基づいて、上記第1信号と上記第2信号を規格化することを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、上記第1信号と第2信号の正と負の両方のピークを検出し、ピークトゥピーク値(振幅最大値)を用いて信号を規格化することにより、より効果的に低周波ノイズを除去することができる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記移動速度検出部に周波数カウンタを用いたことを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、例えば信号強度がある閾値以上になる時間間隔を周波数カウンタを用いて検出することにより、移動速度を求めることができる。さらに、第1信号と第2信号が閾値以上になるタイミングで位相差を検出できるため、被測定物の移動方向も検出することができる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記移動速度検出部に高速フーリエ変換(FFT)を用いたことを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、一定時間の信号を取り込んで高速フーリエ変換(FFT)することにより、周波数を求めることができる。さらに、FFTの計算過程で求められる実部と虚部の比から信号の位相を求めることができ、被測定物の移動方向を検出することができる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第1光学系と上記第2光学系に同一のレンズを用いたことを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、第1光学系と第2光学系のレンズを同一とすることにより、第1受光素子と第2受光素子の同一スポットからの受光を容易に実現できる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第1,第2受光素子は、同一半導体基板上に形成されたフォトダイオードであることを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、第1,第2受光素子であるフォトダイオードが同一半導体基板に形成されることにより、部品点数が削減できる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第1,第2受光素子は、同一半導体基板上に形成された分割型フォトダイオードであることを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、第1,第2受光素子を同一半導体基板に形成された分割型のフォトダイオードとすることにより、チップ面積を縮小でき、小型化と低コスト化が実現できる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第3信号処理回路部は、上記第1信号処理回路部からの第1信号のレベルを調整するためのアッテネータ回路部と、上記アッテネータ回路部によりレベルが調整された第1信号の振幅の最大値を保持する第1ピークホールド回路部と、上記第2信号処理回路部からの第2信号の振幅の最大値を保持する第2ピークホールド回路部と、上記第1ピークホールド回路部からの第1信号の振幅の最大値を表す信号と上記第2ピークホールド回路部からの第2信号の振幅の最大値を表す信号とを差動演算し、その差を表す信号を上記アッテネータ回路部に入力する第1差動演算部と、上記アッテネータ回路部によりレベルが調整された第1信号と上記第2信号処理回路部からの第2信号とを差動演算して、上記第3信号として出力する第2差動演算部とを有し、上記第1差動演算部からの差を表す信号に基づいて、上記第1ピークホールド回路部からの第1信号の振幅の最大値を表す信号と上記第2ピークホールド回路部からの第2信号の振幅の最大値を表す信号との差がなくなるように、上記アッテネータ回路部により上記第1信号処理回路部からの第1信号のレベルを調整することを特徴とする。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第3信号処理回路部が、上記アッテネータ回路部に入力される第1信号のレベルを設定するための第1抵抗と、上記第2ピークホールド回路部に入力される第2信号のレベルを設定するための第2抵抗とを有し、上記アッテネータ回路部に入力される第1信号のレベルが上記第2ピークホールド回路部に入力される第2信号のレベルよりも大きくなるように、上記第2抵抗および上記第1抵抗の抵抗値を設定したことを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、上記アッテネータ回路部に入力される第1信号のレベルが上記第2ピークホールド回路部に入力される第2信号のレベルよりも大きくなるように、上記第2抵抗および第1抵抗の抵抗値を設定することによって、あらかじめ入力される第2信号の信号強度を小さくしておくことができるので、規格化を確実に行うことができる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第1受光素子と上記第2受光素子および上記第1,第2,第3信号処理回路部が、同一半導体基板上に形成された信号処理回路内蔵型受光素子であることを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、上記第1受光素子と第2受光素子および第1,第2,第3信号処理回路部を同一半導体基板上に形成することにより、装置構成を小型化とコストダウンができる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第1信号処理回路部および上記第2信号処理回路部が、アナログ信号である第1信号と第2信号を夫々出力するアナログ増幅回路を用いて構成されており、上記第1信号処理回路部からの第1信号をアナログ/デジタル変換して、変換された第1デジタル信号を出力する第1A/D変換回路と、上記第2信号処理回路部からの第2信号をアナログ/デジタル変換して、変換された第2デジタル信号を出力する第2A/D変換回路と、上記第1,第2A/D変換回路により変換された第1,第2デジタル信号を格納するメモリとを備え、上記第3信号処理回路部の上記規格化演算部は、上記メモリに格納された第1,第2デジタル信号に基づいて、上記第1A/D変換回路からの第1デジタル信号と上記第2A/D変換回路からの第2デジタル信号の信号レベルが合うように規格化し、上記第3信号処理回路部の上記差動演算部は、上記規格化演算部により規格化された第1デジタル信号と上記第2デジタル信号との差分を求める差動演算をして、その演算結果をデジタル信号である第3信号として出力することを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ;Digital Signal Processor)などを用い、第1信号と第2信号の規格化をデジタル信号として演算して第3信号を求めることができる。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第1A/D変換回路により変換された上記第1デジタル信号の位相と上記第2A/D変換回路により変換された上記第2デジタル信号の位相とを検出して、上記第1デジタル信号と上記第2デジタル信号との位相差を演算する第4信号処理回路部を備えたことを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、上記DSPなど第4信号処理回路部において、第1信号と第2信号の位相差もデジタル処理により検出する。
また、一実施形態の光学式移動情報検出装置は、上記第1信号処理回路部は、上記第1受光素子からの受光信号が夫々入力され、帯域の異なるバンドパスフィルタ特性を有する複数の増幅回路部を有すると共に、上記第2信号処理回路部は、上記第2受光素子からの受光信号が夫々入力され、帯域の異なるバンドパスフィルタ特性を有する複数の増幅回路部を有し、上記第1信号処理回路部の複数の増幅回路部の出力のうちのいずれか1つを選択すると共に、上記第2信号処理回路部の複数の増幅回路部の出力のうちのいずれか1つを選択することを特徴とする。
上記実施形態の光学式移動情報検出装置によれば、帯域の異なるバンドパスフィルタ特性を有する複数の増幅回路部を用いて、第1信号処理回路部や第2信号処理回路部の出力として、低周波ノイズの小さい段の最適な出力を選択して、選択された第1信号と第2信号の差動処理を第3信号処理回路部により行うことにより、ノイズ除去がより確実にできる。
また、この発明の移動情報検出システムは、上記のいずれか1つの光学式移動情報検出装置を直交座標系に2つ配置し、上記直交座標の各座標軸の方向について少なくとも移動速度を検出することを特徴とする。
上記構成の移動情報検出システムによれば、上記のような構成を2つ直交方向に配置することにより、被測定物の移動を2次元情報として検出することができる。
また、この発明の光学式移動情報検出装置は、
可干渉性の光を出射する半導体発光素子と、
上記半導体発光素子から出射された光を第1光束、第2光束および第3光束に分割する光分岐素子と、
上記第1光束の光軸上に配置され、上記第1光束の直線偏光を進相軸成分と遅相軸成分からなる円偏光に変更する位相変更手段と、
上記位相変更手段により位相が変更された第1光束と、上記第2光束および第3光束を、移動する被測定物上の同一スポットに照射する第1光学系と、
上記被測定物からの散乱光のうちの上記第1,第2光束による干渉光を第1-1受光素子と第1-2受光素子である第1受光素子群に導く第2光学系と、
上記第2光学系の上記第1,第2光束による干渉光を、上記位相変更手段によって生じた進相軸成分と遅相軸成分に分割して、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方を上記第1-1受光素子に受光させ、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を上記第1-2受光素子に受光させる第1干渉光分割手段と、
上記被測定物からの散乱光のうちの上記第1,第3光束による干渉光を第2-1受光素子および第2-2受光素子である第2受光素子群に導く第3光学系と、
上記第3光学系の上記第1,第光束による干渉光を、上記位相変更手段によって生じた進相軸成分と遅相軸成分に分割して、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方を上記第2-1受光素子に受光させ、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を上記第2-2受光素子に受光させる第2干渉光分割手段と、
上記第1-1受光素子からの受光信号を受けて、上記第1,第2光束による干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方の位相成分を表す第1-1信号として出力する第1-1信号処理回路部と、
上記第1-2受光素子からの受光信号を受けて、上記第1,第2光束による干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を表す第1-2信号として出力する第1-2信号処理回路部と、
上記第2-1受光素子からの受光信号を受けて、上記第1,第3光束による干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方を表す第2-1信号として出力する第2-1信号処理回路部と、
上記第2-2受光素子からの受光信号を受けて、上記第1,第3光束による干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を表す第2-2信号として出力する第2-2信号処理回路部と、
上記第1-1信号処理回路部からの第1-1信号と上記第1-2信号処理回路部からの第1-2信号とを用いて、ノイズ成分が除去された干渉光信号である第3-1信号として出力する第3-1信号処理回路部と、
上記第2-1信号処理回路部からの第2-1信号と上記第2-2信号処理回路部からの第2-2信号とを用いて、ノイズ成分が除去された干渉光信号である第3-2信号として出力する第3-2信号処理回路部と、
上記第3-1信号処理回路部からの上記第3-1信号の周波数を検出し、上記第3-1信号の周波数に基づいて上記被測定物の移動速度を検出する第2移動速度検出部と
上記第3-2信号処理回路部からの上記第3-2信号の周波数を検出し、上記第3-2信号の周波数に基づいて上記被測定物の移動速度を検出する第1移動速度検出部と、
上記第1-1信号の位相と上記第2-1信号の位相とを検出して、上記第1-1信号と上記第2-1信号との位相差を検出する第4-1信号処理回路部と、
上記第4-1信号処理回路部により検出された位相差に基づいて、上記被測定物の移動方向を検出する第1移動方向検出部と、
上記第1-2信号の位相と上記第2-2信号の位相とを検出して、上記第1-2信号と上記第2-2信号との位相差を検出する第4-2信号処理回路部と、
上記第4-2信号処理回路部により検出された位相差に基づいて、上記被測定物の移動方向を検出する第2移動方向検出部と
を備えたことを特徴とする。
上記構成の光学式移動情報検出装置によれば、2つの第1,第2光束(第1光束が位相遅延)が照射された被測定物からの散乱光による干渉光を位相の異なる2成分に分割し、分割された2つの干渉光信号を用いて低周波ノイズが効果的に除去された干渉光信号を得て、その干渉光信号に基づいて被測定物の移動速度(第1,第2光束を含む平面に沿った方向)を広い速度範囲で高精度に検出できる。また、2つの第1,第3光束(第1光束が位相遅延)が照射された被測定物からの散乱光による干渉光を位相の異なる2成分に分割し、分割された2つの干渉光信号を用いて低周波ノイズが効果的に除去された干渉光信号を得て、その干渉光信号に基づいて被測定物の移動速度(第1,第2光束を含む平面に沿った方向)を広い速度範囲で高精度に検出できる。
したがって、3光束1点ビームスポットにより2次元の移動速度を検知できるため、さらに装置が小型化できると共に、部品点数の削減による低コスト化を達成することができる。
また、上記第4-1信号処理回路部により検出された第1-1信号と第2-1信号の位相差に基づいて、第1移動方向検出部により被測定物の移動方向(第1,第2光束を含む平面に沿った方向)を検出することができる。また、上記第4-2信号処理回路部により検出された第1-2信号と第2-2信号の位相差に基づいて、第2移動方向検出部により被測定物の移動方向(第1,第3光束を含む平面に沿った方向)を検出することができる。
また、上記のいずれか1つの光学式移動情報検出装置または上記移動情報検出システムを電子機器に搭載して用いることが好適である。
また、上記のいずれか1つの光学式移動情報検出装置または上記移動情報検出システムは、エンコーダとして用いるのが最適である。
以上より明らかなように、この発明の光学式移動情報検出装置によれば、速度帯にあわせてフィルタ回路を設定したりフィルタ回路を多数設けたりする必要がなく、小型で検出速度範囲の広い光学式移動情報検出装置および移動情報検出システムおよび電子機器およびエンコーダを提供できる。
以下、この発明の光学式移動情報検出装置および移動情報検出システムおよび電子機器およびエンコーダを図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態の光学式移動情報検出装置の一例としてのドップラー速度計を示す構成図である。図1では各光学部品の配置や光線の軌跡等を表示してあり、その他光学部品を保持する部品等は省略している。ここで光源としては発光ダイオード(以下、LED(Light Emitting Diode)という)や半導体レーザ(以下、LD(Laser Diode)という)等があり、上記(式3)で示される2光束の干渉によるうなりを容易に生じるにはLDが望ましいが、上記光学系の光路長内で可干渉性を示せばLED(例えば電流狭窄型LED)を用いることもできる。ただし、この第1実施形態ではLDを例に示す。
LD1より出射した光は、コリメーターレンズ(以下CL)4により平行光束に変換される。一般にLDより出射した光の強度分布は、光軸を中心にガウス分布をしており、楕円形のファーフィールドパターン(FFP)となる。このため、出射したLD光をそのまま検出点に照射すると、検出点上で光強度のムラができ、図13に示す干渉縞の強度が一様でなくなるため、ビート信号を高精度に評価することが困難になる。よって、光束外側の光強度の弱い部分をカットし、光強度の一様な円形光束を形成するために例えば円形の絞りを設けることが望ましいが、図1においては省略しており、以後、絞りに関してはすべての実施形態において図示および説明を省略する。また、LD光の偏光方向は、この第1実施形態においては全て紙面に垂直な方向に統一して説明するが、これに限定したものではない。
CL4を通過後、光分岐素子の一例としてのビームスプリッタ(以下、BS)14で第1光束7と第2光束8に分割される。そして、位相変更手段の一例としての1/4波長板15は、進相軸と遅相軸が紙面に垂直な方向から45°傾くように設置されており、1/4波長板15を通過後、第1光束7は、直線偏光から円偏光に変換される。そして、ミラー5bにより反射して集光レンズ(以下、OL)6aにて集光され、被測定物16に照射される。また、第2光束8は、ミラー5a,5cで反射してOL6bにて集光され、被測定物16上の第1光束7と同一スポットに照射される。ここで、OL6a,6bは、被測定物16からの散乱光強度を増大させる目的で用いており、OLなしでも信号強度が十分大きくS/Nが高い場合など必ずしも必要な構成要素ではなく、省略可能である。
上記被測定物16により散乱された両光束は、それぞれ上記(式1)と(式2)で示されるように、移動速度Vに起因したドップラー周波数偏移fdを受けているため、両光束の干渉光は、上記(式3)で表されるように、うなり周波数2fdを有する干渉光信号(ビート信号9)となる。この干渉光信号(ビート信号9)は、被測定物16上のビームスポットを中心として球面状に広がる。任意の位置に設置された第1PD21と第2PD22で検出される信号は、(式8)で示されるように同一周波数になる。
この第1実施形態では、第1PD21と被測定物16との間に直線偏光子23aが設置され、第2PD22と被測定物16との間にそれぞれ直線偏光子23bが設置されている。この直線偏光子23a,23bの軸の方向は、1/4波長板15の進相軸と遅相軸と同じ方向、つまり、紙面に垂直な方向に対して45°傾いた方向になっている。直線偏光子23aと23bの軸は、どちらが進相軸、遅相軸と同じ方向になっていてもよく、断定されるものではないが、両直線偏光子とも同じ軸方向を向いていてはならない。
上記LD1とCL4とBS14と1/4波長板15とミラー5a,5b,5cおよびOL6a,6bで、第1光束7および第2光束8を被測定物16に照射する第1光学系を構成している。また、上記OL6c,OL6dと直線偏光子23a,23bで、第1光束7および第2光束8を用いて被測定物16による散乱光による干渉光信号を第1PD21,第2PD22導く第2光学系を構成している。
次に、上記第1PD21と第2PD22に入射する信号は、図1ではOL6cと6dで集光されているが、受光する立体角を増大させ、S/Nを増大させる目的で用いており、照射系のOL6aと6bと同様で必要に応じ省略が可能である。
上記構成による光学系により第1PD21および第2PD22でそれぞれ受光されるビート信号9aおよびビート信号9bについて詳細に説明する。LD1より出射した光束は、
Figure 0004093971
で表されるので、BS14で分割された第1光束7および第2光束8は、
(式12)

Figure 0004093971
ただし、E0 = E01 + E02
と表すことができる。ここで、E0はCL4や円形絞りを通過して円形の平行光束となった光の振幅、E01は第1光束7の振幅、E02は第2光束8の振幅、f0は光の周波数、tは時間であり、φ1、φ2はそれぞれの第1光束7および第2光束8の位相である。第1光束7は、先述のように1/4波長板15により円偏光に変換され、
(式13)

Figure 0004093971
のように記述することができる。これらの光束が速度Vで移動している被測定物16により散乱されると、移動速度に起因したドップラー周波数偏移(偏移量:fd)が起こる。図1の紙面上方向の移動をプラス方向、第1光束7および第2光束8の散乱光の振幅をそれぞれE1,E2とすると、散乱光は、
(式14a)
Figure 0004093971
(式14b)
Figure 0004093971
(式14c)
Figure 0004093971
と表すことができるので、上記両光束の拡散光のビート信号9は、
(式15a)
Figure 0004093971
(式15b)
Figure 0004093971
と書ける。上記(式14a),(式14b),(式14c)から(式15a),(式15b)を導く計算において、第1光束7と第2光束8の位相差成分(φ1−φ2)が出てくるが、上記(式15a),(式15b)では省略している。これは、両光束の位相差は主に光路差に起因するもので、その大きさがビート信号9の波長に対して十分小さいためである。図1において、位相差成分(φ1−φ2) は、BS14とミラー5a間の距離に相当し、光学系の大きさにもよるが、ほとんどの場合mmオーダからcmオーダになる。これに対して、ビート信号の周波数:2fdは、一般に高周波側でせいぜい数十MHz程度であり、その波長はmオーダ以上になるため、光路差に起因する位相差成分は無視できる。
今、第1PD21の直前に設けられた直線偏光子23aの通過軸が1/4波長板15の進相軸と同方向に設けられ、第2PD22の直前に設けられた直線偏光子23bの通過軸が遅相軸と同方向に設けられているとすると、第1PD21では、上記(式15a)で示されるビート信号を、第2PD22では上記(式15b)で示されるビート信号が検出される。
以上の説明は、被測定物16からの光の散乱が一様に起こる理想的な場合についてであり、実際には低周波や高周波のノイズが含まれる信号となる。厳密には実際の信号は、スペックルやLD光のコヒーレンス性、ビームスポットの重なり程度など複数のパラメータに起因する複雑な信号となるが、理解を簡単にするため、これらを無視すると、PDで検出される信号は、上記(式15a),(式15b)で示されるビート信号に対して、高周波および低周波のノイズ成分で変調されることになる。一般にLDVにおいて高周波ノイズは、一般的な電子回路や電子機器と同様で、被測定物の移動速度の大小に関わらずほぼ一定の周波数を示す。しかし、低周波ノイズは、主に位置によって光の表面反射率が異なる被測定物16の移動に伴う光の散乱光強度ばらつきに起因するため、被測定物の移動速度の増大とともにその周波数は高くなり、移動速度の減少とともにその周波数は低くなる。高周波ノイズをNhとし、低周波ノイズをNl(V)とすると、PD17、PD28で検出される信号は、
(式16a)
Figure 0004093971
(式16b)
Figure 0004093971
と記述することができる。
これらの信号は、例えば図14に示されるようなHPF110やLPF112,113(111は時定数を決める抵抗とキャパシタ)を有する増幅回路で増幅・波形整形される。上述のように、高周波ノイズNhは、被測定物16の移動速度に無関係であるため、LPF112,113のカットオフ周波数:fclをそれより低めに設定することで比較的容易に除去することができる。しかし、低周波ノイズは移動速度の大小に伴い変化するため、ある一定値のカットオフ周波数:fchをもつHPF110を用いた図14のような信号処理回路では、検出する速度が速くなり、Nl(V)の周波数がfchを超えると、第1信号や第2信号は低周波の大きなうねりを有する信号となり、ビート周波数2fdを精度よく検出することが困難となる。速度や変位量の分解能を上げるには、1パルスごとにカウントする必要があるが、うねりを有する信号はそれを非常に困難にしてしまう。
図2に第1信号処理回路部18として図14の回路を用い、LPFのカットオフ周波数は50kHz固定で、HPFのカットオフ周波数を50Hz(図2中(a))と5000Hz(図2中(b))の2種類用意し、同じ速度(2fd〜5000Hz)で被測定物16を移動させたときのビート信号9の検出結果を示す。図2に示すように、カットオフ周波数を50Hzにするとおよそ200Hzの周波数をもつ低周波のノイズが検出され、パルスカウントやFFTなどを用いた周波数検出を困難にしてしまう。このような問題は、検出可能な速度帯を広くするときに大きな支障となる。
図2の例で説明すると、低周波ノイズ(約200Hz)とビート周波数(約5000Hz)の比は1:25である。上記(式9)や(式11)で示されるようにビート周波数は移動速度に比例し、低周波ノイズも被測定物の表面反射率の位置ばらつきによるものであるから、移動速度に比例するので、ノイズと信号の周波数比はほぼ1:25で固定されている。HPFのカットオフ周波数を5000Hzにした回路でも、移動速度が速くなり図2の速度の25倍になると、低周波ノイズが5000Hzを上回りフィルタの通過域に達してしまい、図2(a)に示されるようなうねりをもった波形となってしまう。
この第1実施形態では、第1信号処理回路部18と第2信号処理回路部19の出力である第1信号と第2信号がそれぞれに第3信号処理回路部20に入力される。そして、第3信号処理回路部20は、第1信号と第2信号からノイズ成分をキャンセルする回路構成となっている。より具体的には差動演算を行う差動演算部20aを備えた回路構成となっている。また、上記光学式移動情報検出装置は、第3信号処理回路部20からの第3信号の周波数を検出し、その周波数に基づいて被測定物16の移動速度を検出する移動速度検出部40を備えている。
上記(式16a),(式16b)に示される第1信号から第2信号を減算すると、主なノイズ成分はキャンセルされ、ビート信号の位相はπ/2だけずれているのでキャンセルされずに、
(式17)
Figure 0004093971
となり、うねりの成分を除去でき、移動速度検出部40で周波数カウンタを用いることができるので、1パルスの時間計測による変位量検出を高精度化することができる。
このように、上記構成の光学式移動情報検出装置によれば、2つの第1,第2光束7,8(第1光束7が位相遅延)が照射された被測定物16からの散乱光による干渉光を位相の異なる2成分に分割し、分割された2つの干渉光信号を用いて低周波ノイズが効果的に除去された干渉光信号を得て、その干渉光信号に基づいて被測定物16の移動速度を広い速度範囲で高精度に検出することができる。
また、上記第1受光素子21と第2受光素子22は、被測定物16の同一検出点からの散乱光による干渉光を受光するので、低周波ノイズを効果的に除去された干渉光信号を得ることができる。
また、図3にこの第1実施形態の変形例を示す。図3では図1と同じ構成要素に対しては同じ符号がふってあり、図1と同様光学部品を保持する部品等は省略している。また、本変形例においては、図1と異なる部分のみを説明する。
図3の構成例においては、OL6が照射系と受光系で同一のレンズを用いており、被測定物16はOL6の焦点距離位置に設置されている。その他の構成は図1に同じである。1/4波長板15により円偏光に変換された第1光束7とミラー5で反射した第2光束8は、同じOL6にて被測定物16上に集光し、ビームスポットを形成している。被測定物16上のビームスポットを中心として球面状に散乱したビート信号9は、同じOL6を通して球面波から平行光束となり、直線偏光子23aおよび23bを通して第1PD21および第2PD22で受光される。その後の信号処理については、第1実施形態に同じである。
低周波ノイズ成分は被測定物16の表面反射のばらつきによるものであるので、第1PD21と第2PD22で受光するスポットが異なると、低周波ノイズの位相が異なり、第3信号処理回路部20で差動演算を行ってもノイズ成分はキャンセルされない。本変形例においては、第1PD21と第2PD22にビート信号9を導く集光レンズが同一レンズとなっているため、確実に同じビームスポットからの散乱光を受光できる。このため、第3信号処理回路部20において差動演算により効率よく低周波ノイズを除去することができる。
また、図4にこの第1実施形態の別の変形例を示す。図4では図3と同じ構成要素に対しては同じ符号がふってあり、図3と同様光学部品を保持する部品等は省略している。また、本変形例においては、図3と異なる部分のみを説明する。図4の右下に受光部の拡大図を示しており、直線偏光子23a,23bは、図を見やすくするために点線で示している。
図4の構成例においては、OL6によりコリメートされたビート信号9が、干渉光分割手段の一例としての透過型の回折格子3により分割されている。この透過型の回折格子3は、±n次(nは0を含む自然数)の回折光を生じるが、±1次回折光を利用し、上記回折次数の光量が最も大きくなるようにしてある。また、ビート信号9を分割する干渉光分割手段の一例として回折格子の変わりにビームスプリッタを用いてもよい(図示せず)。
上記回折格子3により分割されたビート信号9は、直線偏光子23a,23bを通過し、同一半導体基板24上に形成された第1PD21および第2PD22に入射し、受光される。その後の信号処理回路部の構成は図1、図3に同じである。
本変形例においては、第1PD21と第2PD22を同一半導体基板24上に形成し、ワンチップ化されているため、装置を小型化することができる。また、同一半導体基板上に形成された第1PD21と第2PD22は、分割型のフォトダイオードである方が半導体基板24をより縮小できるので、さらなる小型化が可能である。ここで、分割型フォトダイオードとは、例えば通常の半導体製造プロセスを用いて形成され、n型半導体で形成されたカソード領域をp型半導体で分離した構造をもつフォトダイオードで、PD間の距離を小さくすることができるものである。
この第1実施形態において、図1〜図4にわたって示した構成例はすべて、2つの光束を被測定物上の同一スポットに照射して、散乱により得られるビート信号を検出する「差動型ドップラー速度計」について説明してきたが、図5に示すように、1光束のみを被測定物に照射する「参照型ドップラー速度計」であってもよい。光学部品の配置など詳細な説明は省略する。参照型光学系においては、第1光束7のみを被測定物に照射し、そのドップラー周波数偏移fdを受けた散乱光と円偏光の第2光束8とをHM17で干渉させて、干渉光9を得る。その後の検出系や信号処理に関する内容は上記第1実施形態および各変形例に同じである。
以上の変形例については、以後の各実施形態でも同様であり、今後の説明は省略する。
(第2実施形態)
次に、上記第1実施形態および変形例における第1信号処理回路部18および第2信号処理回路部19から出力される第1信号および第2信号をさらに詳細に検討する。
図1、図2、図4、図5すべての例において、主に以下の5つの要因によって第1信号処理回路部18および第2信号処理回路部19の出力である第1信号と第2信号の信号強度に差が生じる。
(1) BS14の光量分割比ばらつき
(2) 1/4波長板15に入射する光の偏光方向と光学軸の角度ズレ
入射光の偏光方向と1/4波長板15の光学軸との角度が45°からずれると、進相軸と遅相軸への光の振幅のベクトル分解比が1:1からずれる。
(3) ミラー5およびミラー5aでの反射のときの光量損失
(4) フォトダイオードの感度ばらつき
(5) 増幅回路の増幅度ばらつき
図1に示される構成例においてのみ、第1PD21および第2PD22に入射するビート信号は、それぞれOL6cとOL6dの別々のレンズで集光しているため、その配置の誤差により集光する被測定物16上のビームスポット径が異なり、受光量に差が生じる。また、ミラー5b,5cの反射による損失ばらつきや、ミラー角度による入射角度ズレによっても、第1PD21と第2PD22の受光量に差が生じる。このため、第1信号処理回路部18および第2信号処理回路部19の出力である第1信号と第2信号の信号強度に差が生じる。
また、図2および図4に示される構成例においてのみ、同一のOL6で2光束を集光しているため、両光束に対してOL6の設置角度がずれると被測定物までの距離が変わる。このため、被測定物上での両光束の光量密度に差が生じることにより、第1PD21と第2PD22の受光量に差が生じる。このため、第1信号処理回路部18および第2信号処理回路部19の出力である第1信号と第2信号の信号強度に差が生じる。
以上のように様々な要因によって第1PD21と第2PD22で受光される光量に差が生じてくるため、実際の装置では、第1信号と第2信号の信号強度を等しくすることは非常に困難である。第1信号と第2信号の信号強度が異なるとき、第1PD21と第2PD22で検出される信号は、
(式18a)
Figure 0004093971
(式18b)
Figure 0004093971
となる。ここで、α、βは係数である。この両信号を上記第2実施形態の差動演算を行う第3信号処理回路部20に入力しても、出力される第3信号からノイズ成分は除去されない。
この第2実施形態は、第3信号処理回路部20に入力された第1信号と第2信号の信号強度を規格化演算部20b(図1の点線で示す)により規格化後、差動演算部20a(図1に示す)により差動演算する構成となっている。その他の光学部品や信号処理回路などの構成要素は第1実施形態と同じである。たとえば、上記(式18b)の信号強度をα/β倍することにより、差動演算部20aにて上記(式18a),(式18b)のノイズ成分を効果的に除去することができる。ここで、信号強度の係数α、βは、一般的なピークホールド回路を用いてそれぞれの信号の最大値を検出するようにしている。また、同様に負のピークホールド回路を用いて最小値を検出するようにしてもよいし、さらに規格化の精度を上げるためにその両値を用いてもよい。さらに、ピーク・トゥ・ピーク(Vpp)検出回路を用いて振幅を用いて規格化を行ってもよい。
図6に第3信号処理回路部20の回路図の一例を示す。第1入力端子26には、第1信号処理回路部18からの出力である第1信号が入力される。入力された第1信号は、キャパシタC1によってDCカットされ、電流変換用第1抵抗28aにて電圧信号が電流信号に変換され、アッテネータ回路部29へと入力される。ここで、アッテネータ回路部29は、ゲインを外部入力信号にあわせて調整する回路のことである。
また、第2入力端子27には、第2信号処理回路部19からの出力である第2信号が入力される。入力された第2信号は、キャパシタC2によってDCカットされ、電流変換用第2抵抗28bによって電圧信号が電流信号に変換される。次に、アッテネータ回路部29を出た第1信号と電流変換された第2信号は、それぞれバッファ回路部30a,30bを介して、ピークホールド回路部31a,31bに入力される。ピークホールド回路部31a,31bでは、時定数CRの減衰でもってそれぞれ第1信号と第2信号の最大値を維持し、その値を出力する。ピークホールド回路部31a,31bで検出されたそれぞれの信号の最大値はそれぞれ、バッファ回路部30c,30dを介して差動増幅回路部32aに入力され、第1信号と第2信号の最大値の差が検出される。この最大値の差は、先のアッテネータ回路部29へとフィードバック入力され、その差の値がなくなるようにアッテネータ回路部29のゲインを微調する。
上記電流変換用第1抵抗28aと、電流変換用第2抵抗28bと、アッテネータ回路部29と、バッファ回路部30a,30b,30c,30dおよび差動増幅回路部32aで規格化演算部を構成している。また、上記差動増幅回路部32bで差動演算部を構成している。
このようにして、第1信号と第2信号の規格化が行われ、第1信号と第2信号の信号強度はほぼ等しくなり、差動増幅回路部32bで上記(式16a)と(式16b)で示される第1信号と第2信号の差動演算が行われ、上記(式17)で示される第3信号が出力端子33から出力される。
図7に本回路構成を用いて測定した第1信号および第2信号、第3信号を示す。第1信号および第2信号に見られる大きな低周波ノイズが第3信号では除去されており、1パルスごとの時間計測による高精度な変位量の測定が可能となる。
また、電流入力変換用第1抵抗28aの値は、電流入力変換用第2抵抗28bの値より小さくなっている。アッテネータ回路部29は、信号強度を減衰させてゲインを調整するので、第1信号の信号強度が第2信号の信号強度より小さいとゲイン調整により規格化ができない。このため、電流入力変換用第2抵抗28bの値を電流入力変換用第1抵抗28aより大きくしておくことにより、あらかじめ入力される第2信号の信号強度を小さくしておくことができるので、規格化が確実に行われる。
第1信号処理回路部18や第2信号処理回路部19、および図6に示される第3信号処理回路部20は、すべてアナログ演算回路である。このため、通常の半導体製造プロセスを用いて、第1PD21と第2PD22および第1信号処理回路部18、第2信号処理回路部19、第3信号処理回路部20は同一半導体基板に作製することができ、信号処理回路内蔵型受光素子とすることができる。ビート信号9の受光と信号処理を同一基板で行うようワンチップ化されるので、大幅な装置の小型化や部品点数が減少するのでコストの低減をすることができる。
(第3実施形態)
図8は本発明の第3実施形態を示す図である。図8では図4と同じ構成要素に対しては同じ符号がふってあり、本実施形態においては図8と異なる部分のみを説明する。図8では各光学部品の配置や光線の軌跡等を表示してあり、その他光学部品を保持する部品などは省略している。
図8の構成例においては、第1PD21および第2PD22で受光したビート信号はそれぞれ、第1信号処理回路部18および第2信号処理回路部19でノイズ除去、および増幅される。上記第1信号処理回路部18からの第1信号と第2信号処理回路部19からの第2信号が第3信号処理回路部20に入力され、第1信号と第2信号の規格化および差動演算がおこなわれて第3信号を出力する。同時に第1信号処理回路部18と第2信号処理回路部19は、並列に第1信号と第2信号を出力し、それらは位相差検出部の一例としての第4信号処理回路部25に入力される。第4信号処理回路部25では、入力された第1信号と第2信号の位相を検出し、それらの差を検出して位相差を表す第4信号を出力している。上記第4信号処理回路部25により検出された位相差に基づいて、被測定物16の移動方向を移動方向検出部41により検出する。
ここで、図8において上方に被測定物16が移動するときは上記(式16b)の位相の符号は正となり、下方に移動するときは負となる。また、上記(式16a),(式16b)では位相成分は0を基準にしているが、実際に第1PD21および第2PD22で検出される信号は任意の位相成分φがあるが、上記(式16a),(式16b)では省略されている。よって、第1信号から検出される位相の値は被測定物の移動方向に関わらず常にφであり、第2信号から検出される位相の値は移動方向によりφ+π/2またはφ−π/2となるため、第4信号処理回路部25の出力である第4信号の出力は、被測定物16が上方に移動しているとき「+π/2」、下方に移動しているとき「−π/2」となる。このように、第4信号の正負を検出することにより、被測定物16の移動方向を検出できる移動情報検出装置を構成することができる。
図8では第3信号処理回路部20より第3信号を出力し、第4信号処理回路部25より第4信号を出力しているが、用途に応じて第4信号より被測定物16の移動方向のみを検出する装置としてもよいし、第3信号より被測定物16の移動速度のみを検出する装置としてもよいし、その両方を検出して移動速度と移動方向を検出できる装置としてもよい。
以上の第3実施形態について、おもにアナログ信号処理回路について説明してきたが、第3信号処理回路部20や第4信号処理回路部25はデジタル信号処理回路とすることもできる。第1信号処理回路部18および第2信号処理回路部19より出力された第1信号および第2信号をA/D(アナログ/デジタル)変換し、デジタルデータとしてメモリ等の記憶領域に格納される。信号処理回路部3では、メモリに格納されたデータから最大値や最小値、Vppなどを検出して信号強度の規格化演算を行い、続いて差動演算を行って第3信号を出力する。また、第4信号処理回路部25では、メモリに格納されたデータから第1信号の位相と第2信号の位相を検出し、それらの位相差を検出する。メモリに格納されたデータの演算処理終了とともに、次のデータをとりこみ順次移動に関する情報を処理する。
また、デジタル化されたデータを用いて第3信号処理回路部20や第4信号処理回路部25で周波数や位相を検出する手段としてFFTを用いることができる。FFTを用いることにより、第3信号からは低周波ノイズが除去されているため、FFTのパワースペクトルのピークサーチによりその周波数から移動速度を求めることができる。また、第3信号処理回路部20において差動演算によるノイズ除去が不完全な場合でもFFT計算結果により生じるノイズの周波数のピークとビート周波数のピーク強度を比較することにより、ノイズ成分の除去が可能となる。さらに第1信号と第2信号に対してFFTを行うことにより、その計算結果の実部と虚部の比により信号の位相を求めることができるため、移動方向を検出することができる。このように、第3信号の周波数より被測定物16の移動速度を高精度に求めることができ、また、第1信号と第2信号の位相差よりその移動方向を同時に検出することができる。
(第4実施形態)
図9は本発明の第4実施形態の移動情報検出システムを示す模式図である。図9では図8と同じ構成要素に対しては同じ符号がふってあり、本実施形態においては図8と異なる部分のみを説明する。図9では各光学部品の配置や光線の軌跡等を表示してあり、その他光学部品を保持する部品などは省略している。
図9の構成においては、LD1の両端面から第1光束7と第2光束8がy軸と平行に出射し、両光束ともCL4a,4bでそれぞれ平行光束となる。LD1の前端面から出射する第1光束7は、回折格子3aで3光束に分割され、0次回折光7aはミラー5aで反射し、yz平面内に含まれるようにy検出点35に入射する。一方、±1次回折光7b,7cは、ミラー5c,5dで反射し、それぞれの入射角がほぼ同じになるようにしてy軸上のx検出点34に入射する。一方、LD1の後端面より出射する第2光束8は、ミラー5bで反射し、yz平面内に含まれるようにx軸上のy検出点35に入射する。第2光束8と+1次回折光7cの光軸上に1/4波長板15a,15bが設置されている。
x検出点34より散乱する光によるビート信号9aは、図8と同様、回折格子3bにより2光束に分割され直線偏光子23a,23bを介してx方向側の第1PD21a,第2PD22bで受光される。同様に、y検出点35より散乱する光によるビート信号9bは、回折格子3cにより2光束に分割され直線偏光子23c,23dを介してy方向側の第1PD21c,第2PD22dで受光される。
そして、x方向側の第1PD21aからの受光信号を受けて、x方向側の第1信号処理回路部18xから第1x信号を出力し、x方向側の第2PD22bからの受光信号を受けて、x方向側の第2信号処理回路部19xから第2x信号を出力する。上記第1,第2信号処理回路部18x,19xからの第1x信号と第2x信号を受けて、第3信号処理回路部20xよりノイズ成分が除去された干渉光信号である第3信号を出力する。移動速度検出部40xは、x方向側の第3信号処理回路部20xからの第3x信号の周波数を検出し、その周波数に基づいて被測定物の移動速度を検出する。また、x方向側の第4信号処理回路部25xでは、入力された第1x信号と第2x信号の位相を検出し、それらの差を検出して位相差を表す第4x信号を出力している。上記第4信号処理回路部25xにより検出された位相差に基づいて、被測定物の移動方向を移動方向検出部41xにより検出する。
一方、y方向側の第1PD21cからの受光信号を受けて、y方向側の第1信号処理回路部18yから第1y信号を出力し、y方向側の第2PD22dからの受光信号を受けて、y方向側の第2信号処理回路部19yから第2y信号を出力する。上記第1,第2信号処理回路部18y,19yからの第1y信号と第2y信号を受けて、第3信号処理回路部20yよりノイズ成分が除去された干渉光信号である第3信号を出力する。移動速度検出部40yは、y方向側の第3信号処理回路部20yからの第3y信号の周波数を検出し、その周波数に基づいて被測定物の移動速度を検出する。また、y方向側の第4信号処理回路部25yでは、入力された第1y信号と第2y信号の位相を検出し、それらの差を検出して位相差を表す第4y信号を出力している。上記第4信号処理回路部25yにより検出された位相差に基づいて、被測定物の移動方向を移動方向検出部41yにより検出する。
このように、この第4実施形態では、x検出点34よりx方向の移動に関するビート信号9a、y検出点35よりy方向の移動に関するビート信号9bを検出する。そして、x方向のビート信号9aは、上記第4実施形態に示したx方向側の第1信号処理回路部18xから第4信号処理回路部25xを介してx方向の移動速度および移動方向を検出する。y方向のビート信号9bも上記第4実施形態に示したy方向側の第1信号処理回路部18yから第4信号処理回路部25yを介してy方向の移動速度および移動方向を検出する。
したがって、この発明の光学式移動情報検出装置の構成が直交方向に2つ配置された移動情報検出システムにより、被測定物の移動を2次元情報として検出することができる。
この第4実施形態については、図8に示すLD1の両端面より出射する光のうち、片側を3分割してx検出点とy検出点を形成する構成を説明したが、片端面の光束を4分割してx検出点、y検出点を形成してもよく、両端面から出射する光をそれぞれ2分割して両検出点を形成するような構成でもよいし、図1や図8等で説明した光学系を二つ配置してもよい。
(第5実施形態)
図10はこの第5実施形態の光学式移動情報検出装置を示す構成図である。図10では図9と同じ構成要素に対しては同じ符号がふってあり、この第5実施形態においては図9と異なる部分のみを説明する。図10では各光学部品の配置や光線の軌跡等を表示してあり、その他光学部品を保持する部品などは省略している。また、信号処理回路部の構成は図9と同じであるため、図10では省略している。
図10の構成例では、LD1より出射した光束は、CL(図示せず)で平行光束化され、BS14b,14aにて第1光束7、第2光束8、第3光束36に3分割される。BS14aで分割された第2光束8はミラー5aで反射しOL6に入射する。BS14bで分割された第3光束36はミラー5bで反射しOL6に入射する。また、BS14bとBS14aを透過した第1光束7は、1/4波長板15を介して円偏光に変換されてからOL6に入射する。ここで、3光束同士はすべて平行に入射し、各光束がOL6に入射する位置は、第1光束7はOL6の中心に、第2光束8はOL6のx軸上の点に、第3光束36はOL6のy軸上の点に入射し、第2光束8と第1光束7の入射する点間の距離と第3光束36と第1光束7の入射する点間の距離は等しい。このようにしてOL6で集光された3光束は、焦点距離に設置された被測定物16の原点に1つのビームスポットを形成する。そして、上記被測定物16上のビームスポットから散乱されたビート信号9は球面状に拡散する。x方向の移動を検出する受光系は、第2光束8がOL6に入射した点とOL6上の原点に対して対称な位置に設けられる。また、y方向の移動を検出する受光系は、第3光束36がOL6に入射した点とOL6上の原点に対して対称な位置に設けられる。その後、x、y各成分についての受光に関しては、図8と同じであるので省略する。
このビート信号には、x方向の移動に起因した周波数偏移fdxとy方向の移動に起因した周波数偏移fdyとそれらの混合した周波数偏移(fdx±fdy)の3種類のビート信号が混在している。しかし、x方向成分を検出するためのビート信号9aは、第2光束8の正反射光が含まれるため、3成分のうち周波数偏移量fdxに起因した信号強度が最大となる。また、同様にy方向成分を検出するためのビート信号9bは、第3光束36の正反射光が含まれるため、3成分のうち周波数偏移量fdyに起因した信号強度が最大となる。このため、ビート信号9aについてx方向側の第3信号処理回路部20xの出力であるx方向側の第3信号についてFFTを行い、パワースペクトルを求めると周波数fdxのピーク強度が最大となる。同様に、ビート信号9bについてy方向側の第3信号処理回路部20yの出力であるy方向側の第3信号についてFFTを行い、パワースペクトルを求めると周波数fdyのピーク強度が最大となる。このようにして、1点のビームスポットからx方向とy方向の速度を求めることができる。
さらに、ビート信号9aについてx方向側の第1信号処理回路部18xの出力である第1信号、およびx方向側の第2信号処理回路部19xの出力である第2信号に対してそれぞれFFTを行い、x方向側の第3信号処理回路部20xで検出した上記周波数fdxと同じ周波数の位相をそれぞれ求めて、x方向側の第1位相と第2位相を検出する。これらx方向側の第1位相と第2位相の位相差を検出することにより、x方向に関し移動方向を検出することができる。また、y方向についても同様に、ビート信号9bについてy方向側の第1位相と第2位相についてそれぞれFFTを行い、y方向側の第3信号処理回路部20yで検出した上記周波数fdyと同じ周波数の位相をそれぞれ求めて、y方向側の第1位相と第2位相を検出する。これらy方向側の第1位相と第2位相の位相差を求めて、y方向に関して移動方向を検出することができる。
このように、この第5実施形態においては、3光束1点ビームスポットにより2次元の移動速度と移動方向を検知できるため、第4実施形態に比べてさらに装置が小型化できると共に、部品点数の削減による低コスト化を達成できる。
以上、上記第1〜第5実施形態および変形例において、さらに効果的に低周波ノイズ成分を除去するために、第1信号処理回路部18や第2信号処理回路部19は、図14に示されるような、BPF(HPF+LPF)を有するアナログ増幅回路が複数並列接続されているとすることができる。この場合、各段の増幅回路におけるBPFの帯域は異なっており、例えば各段の帯域は10倍ずつ異なっている。つまり、増幅回路部1は、その帯域が1Hzから10Hz、増幅回路部2は10Hzから100Hz、・・・、増幅回路部nは10(n-1)から10(n)の帯域を持っており、第1信号処理回路部18と第2信号処理回路部19では同じ構造をしている。このような構造とすることにより、被被測定物16の検出可能な速度範囲を格段に広げることができる。いま少し詳細に説明すると、先述のように低周波ノイズ成分は被測定物16の移動速度とともにたえず変化するため、BPFの通過域にノイズ周波数が含まれるようになり、かつ各光学部品などの配置誤差などにより、第3信号処理回路部20で完全にノイズを消去することは困難になってしまう。ところが、本構成においては、帯域の異なるBPFを並列に接続してあるため、第1信号処理回路部18や第2信号処理回路部19の出力として、低周波ノイズの小さい段の最適な出力を選択し、第3信号処理回路部20で先述の各実施形態における差動処理を行うことにより、ノイズ除去がより確実になる。
また、上記各実施の形態および変形例における移動情報検出装置は、被測定物16の移動速度を検知するものであるが、後段の信号処理において、その時間情報を取り込むことによって、速度情報から容易に変位量に換算することができる。例えば、一般に普及している電子機器においては、プリンターやコピー機の紙送り量を検出する変位計に応用可能である。特に、LDVの干渉縞間隔は一般に数μmレベルであるため、変位計としての分解能はμmレベル、電気信号処理によりさらにサブミクロンレベルまで分解能をあげることが可能である。さらに、LDVは移動物体からの反射光により速度を検出できるため、測定対象にスケールなどの特別な加工を必要としないため、特に高分解能エンコーダとしての応用に好適である。また、現在広く普及している光学式のマウスは、CCD(チャージ・カップルド・デバイス:電荷結合素子)等により検出面のスペックルパターンの移動情報を画像として認識し、移動量を検出しているが、この速度計を用いて光学式マウスに適用することも可能である。このように、これらの全ての実施の形態の速度計は変位を検出する変位計や振動計に応用可能である。
本発明の各実施形態において、光学系の例を一つずつあげて説明してきたが、すべての実施形態において光学系はこれに限ったものではなく、効果を実現できる光学系であればその形状等は一切問わない。
図1は本発明の第1実施形態の光学式移動情報検出装置の構成を示す図である。 図2はHPFのカットオフ周波数違いのビート信号波形を示す図である。 図3は上記第1実施形態の変形例の構成を示す図である。 図4は上記第1実施形態の別の変形例の構成を示す図である。 図5は上記第1実施形態のさらに別の変形例の構成を示す図である。 図6は本発明の第2実施形態の光学式移動情報検出装置の第3信号処理回路部の構成を示す回路図である。 図7は上記第2実施形態の結果を示す図である。 図8は本発明の第3実施形態の光学式移動情報検出装置の構成を示す図である。 図9は本発明の第4実施形態の移動情報検出システムの構成を示す図である。 図10は本発明の第5実施形態の光学式移動情報検出装置の構成を示す図である。 図11は従来のLDVの光学系を示す図である。 図12は被測定物の移動速度とドップラー偏移周波数を結びつける式を説明する図である。 図13はLDVの検出点近傍における光束の重なりを示す拡大図である。 図14は従来のLDVの信号処理回路を示す図である。
符号の説明
1…LD(半導体レーザ)
3,3a,3b,3c…回折格子
4…CL(コリメーターレンズ)
5,5a,5b,5c,5d…ミラー
6…OL(集光レンズ)
7…第1光束
7a…0次回折光
7b,7c…±1次回折光
8…第2光束
9,9a,9b…ビート信号
10…HPF(高域通過フィルタ)
12,13…LPF(低域通過フィルタ)
14…BS(ビームスプリッタ)
15,15a,15b,15c…1/4波長板
16…被測定物
17…HM(ハーフミラー)
18…第1信号処理回路部
18x…x方向側の第1信号処理回路部
18y…y方向側の第1信号処理回路部
19…第2信号処理回路部
19x…x方向側の第2信号処理回路部
19y…y方向側の第2信号処理回路部
20…第3信号処理回路部
20a…差動演算部
20x…x方向側の第3信号処理回路部
20y…y方向側の第3信号処理回路部
21…第1PD(フォトダイオード)
21a…x方向側の第1PD
21b…y方向側の第1PD
22…第2PD(フォトダイオード)
22a…x方向側の第2PD
22b…y方向側の第2PD
23a,23b,23c,23d…直線偏光子
24…半導体基板
25…第4信号処理回路
25x…x方向側の第4信号処理回路部
25y…y方向側の第4信号処理回路部
26…第1入力端子
27…第2入力端子
28a…電流変換用第1抵抗
28b…電流変換用第2抵抗
29…アッテネータ回路部
30a,30b,30c,30d…バッファ回路部
31a,31b…ピークホールド回路部
32a,32b…差動増幅回路部
33…出力端子
34…x検出点
35…y検出点
36…第3光束
40…移動速度検出部
40x…x方向側の移動速度検出部
40y…y方向側の移動速度検出部
41…移動方向検出部
41x…x方向側の移動方向検出部
41y…y方向側の移動方向検出部

Claims (21)

  1. 可干渉性の光を出射する半導体発光素子と、
    上記半導体発光素子から出射した上記可干渉性の光を第1光束および第2光束に分割する光分岐素子と、
    上記光分岐素子によって分割された上記第1,第2光束の少なくとも一方を、移動する被測定物に照射する第1光学系と、
    上記第1光学系の上記第1,第2光束のいずれか一方の光軸上に配置され、上記第1,第2光束のいずれか一方の直線偏光を進相軸成分と遅相軸成分からなる円偏光に変更する位相変更手段と、
    上記第1,第2光束の両方が上記被測定物に照射されたときの上記被測定物からの散乱光による干渉光、または、上記第1,第2光束の一方が上記被測定物に照射されたときの上記被測定物からの散乱光と上記第1,第2光束の他方との干渉による干渉光を、第1受光素子と第2受光素子に導く第2光学系と、
    上記第2光学系の上記被測定物からの散乱光による干渉光を、上記位相変更手段によって生じた進相軸成分と遅相軸成分に分割して、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方を上記第1受光素子に受光させ、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を上記第2受光素子に受光させる干渉光分割手段と、
    上記第1受光素子からの受光信号を受けて、上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方を表す第1信号として出力する第1信号処理回路部と、
    上記第2受光素子からの受光信号を受けて、上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を表す第2信号として出力する第2信号処理回路部と、
    上記第1信号処理回路部からの第1信号と上記第2信号処理回路部からの第2信号とを用いて、ノイズ成分が除去された干渉光信号である第3信号を出力する第3信号処理回路部と、
    上記第3信号処理回路部からの上記第3信号の周波数を検出し、その周波数に基づいて上記被測定物の移動速度を検出する移動速度検出部と
    上記第1信号の位相と上記第2信号の位相とを検出して、上記第1信号と上記第2信号との位相差を検出する第4信号処理回路部と、
    上記第4信号処理回路部により検出された位相差に基づいて、上記被測定物の移動方向を検出する移動方向検出部と
    を備えたことを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  2. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第3信号処理回路部は、
    上記第1信号と上記第2信号とを差動演算して、その演算結果を第3信号として出力する差動演算部を有することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  3. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1受光素子と上記第2受光素子は、上記被測定物の同一検出点からの散乱光による干渉光を受光することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  4. 請求項2に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第3信号処理回路部は、
    上記第1信号処理回路部からの第1信号と上記第2信号処理回路部からの第2信号を信号レベルが合うように規格化する規格化演算部を有し、
    上記差動演算部は、上記規格化演算部により規格化された上記第1信号と上記第2信号とを差動演算することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  5. 請求項4に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記規格化演算部は、上記第1信号処理回路部からの第1信号および上記第2信号処理回路部からの第2信号の振幅の正側の最大値または負側の最大値の少なくとも一方に基づいて、上記第1信号と上記第2信号を規格化することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  6. 請求項4に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記規格化演算部は、上記第1信号処理回路部からの第1信号および上記第2信号処理回路部からの第2信号の振幅のピークトウピーク値に基づいて、上記第1信号と上記第2信号を規格化することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  7. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記移動速度検出部に周波数カウンタを用いたことを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  8. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記移動速度検出部に高速フーリエ変換(FFT)を用いたことを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  9. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1光学系と上記第2光学系に同一のレンズを用いたことを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  10. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1,第2受光素子は、同一半導体基板上に形成されたフォトダイオードであることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  11. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1,第2受光素子は、同一半導体基板上に形成された分割型フォトダイオードであることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  12. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第3信号処理回路部は、
    上記第1信号処理回路部からの第1信号のレベルを調整するためのアッテネータ回路部と、
    上記アッテネータ回路部によりレベルが調整された第1信号の振幅の最大値を保持する第1ピークホールド回路部と、
    上記第2信号処理回路部からの第2信号の振幅の最大値を保持する第2ピークホールド回路部と、
    上記第1ピークホールド回路部からの第1信号の振幅の最大値を表す信号と上記第2ピークホールド回路部からの第2信号の振幅の最大値を表す信号とを差動演算し、その差を表す信号を上記アッテネータ回路部に入力する第1差動演算部と、
    上記アッテネータ回路部によりレベルが調整された第1信号と上記第2信号処理回路部からの第2信号とを差動演算して、上記第3信号として出力する第2差動演算部とを有し、
    上記第1差動演算部からの差を表す信号に基づいて、上記第1ピークホールド回路部からの第1信号の振幅の最大値を表す信号と上記第2ピークホールド回路部からの第2信号の振幅の最大値を表す信号との差がなくなるように、上記アッテネータ回路部により上記第1信号処理回路部からの第1信号のレベルを調整することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  13. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第3信号処理回路部は、
    上記アッテネータ回路部に入力される第1信号のレベルを設定するための第1抵抗と、
    上記第2ピークホールド回路部に入力される第2信号のレベルを設定するための第2抵抗とを有し、
    上記アッテネータ回路部に入力される第1信号のレベルが上記第2ピークホールド回路部に入力される第2信号のレベルよりも大きくなるように、上記第2抵抗および上記第1抵抗の抵抗値を設定したことを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  14. 請求項1乃至1のいずれか1つに記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1受光素子と上記第2受光素子および上記第1,第2,第3信号処理回路部が、同一半導体基板上に形成された信号処理回路内蔵型受光素子であることを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  15. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1信号処理回路部および上記第2信号処理回路部が、アナログ信号である第1信号と第2信号を夫々出力するアナログ増幅回路を用いて構成されており、
    上記第1信号処理回路部からの第1信号をアナログ/デジタル変換して、変換された第1デジタル信号を出力する第1A/D変換回路と、
    上記第2信号処理回路部からの第2信号をアナログ/デジタル変換して、変換された第2デジタル信号を出力する第2A/D変換回路と、
    上記第1,第2A/D変換回路により変換された第1,第2デジタル信号を格納するメモリとを備え、
    上記第3信号処理回路部の上記規格化演算部は、上記メモリに格納された第1,第2デジタル信号に基づいて、上記第1A/D変換回路からの第1デジタル信号と上記第2A/D変換回路からの第2デジタル信号の信号レベルが合うように規格化し、
    上記第3信号処理回路部の上記差動演算部は、上記規格化演算部により規格化された第1デジタル信号と上記第2デジタル信号との差分を求める差動演算をして、その演算結果をデジタル信号である第3信号として出力することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  16. 請求項1に記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1A/D変換回路により変換された上記第1デジタル信号の位相と上記第2A/D変換回路により変換された上記第2デジタル信号の位相とを検出して、上記第1デジタル信号と上記第2デジタル信号との位相差を演算する第4信号処理回路部を備えたことを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  17. 請求項1乃至1のいずれか1つに記載の光学式移動情報検出装置において、
    上記第1信号処理回路部は、上記第1受光素子からの受光信号が夫々入力され、帯域の異なるバンドパスフィルタ特性を有する複数の増幅回路部を有すると共に、
    上記第2信号処理回路部は、上記第2受光素子からの受光信号が夫々入力され、帯域の異なるバンドパスフィルタ特性を有する複数の増幅回路部を有し、
    上記第1信号処理回路部の複数の増幅回路部の出力のうちのいずれか1つを選択すると共に、上記第2信号処理回路部の複数の増幅回路部の出力のうちのいずれか1つを選択することを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  18. 請求項1乃至1のいずれか1つに記載の光学式移動情報検出装置を直交座標系に2つ配置し、上記直交座標の各座標軸の方向について少なくとも移動速度を検出することを特徴とする移動情報検出システム。
  19. 可干渉性の光を出射する半導体発光素子と、
    上記半導体発光素子から出射された光を第1光束、第2光束および第3光束に分割する光分岐素子と、
    上記第1光束の光軸上に配置され、上記第1光束の直線偏光を進相軸成分と遅相軸成分からなる円偏光に変更する位相変更手段と、
    上記位相変更手段により位相が変更された第1光束と、上記第2光束および第3光束を、移動する被測定物上の同一スポットに照射する第1光学系と、
    上記被測定物からの散乱光のうちの上記第1,第2光束による干渉光を第1-1受光素子と第1-2受光素子である第1受光素子群に導く第2光学系と、
    上記第2光学系の上記第1,第2光束による干渉光を、上記位相変更手段によって生じた進相軸成分と遅相軸成分に分割して、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方を上記第1-1受光素子に受光させ、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を上記第1-2受光素子に受光させる第1干渉光分割手段と、
    上記被測定物からの散乱光のうちの上記第1,第3光束による干渉光を第2-1受光素子および第2-2受光素子である第2受光素子群に導く第3光学系と、
    上記第3光学系の上記第1,第光束による干渉光を、上記位相変更手段によって生じた進相軸成分と遅相軸成分に分割して、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方を上記第2-1受光素子に受光させ、分割された上記干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を上記第2-2受光素子に受光させる第2干渉光分割手段と、
    上記第1-1受光素子からの受光信号を受けて、上記第1,第2光束による干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方の位相成分を表す第1-1信号として出力する第1-1信号処理回路部と、
    上記第1-2受光素子からの受光信号を受けて、上記第1,第2光束による干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を表す第1-2信号として出力する第1-2信号処理回路部と、
    上記第2-1受光素子からの受光信号を受けて、上記第1,第3光束による干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の一方を表す第2-1信号として出力する第2-1信号処理回路部と、
    上記第2-2受光素子からの受光信号を受けて、上記第1,第3光束による干渉光の進相軸成分または遅相軸成分の他方を表す第2-2信号として出力する第2-2信号処理回路部と、
    上記第1-1信号処理回路部からの第1-1信号と上記第1-2信号処理回路部からの第1-2信号とを用いて、ノイズ成分が除去された干渉光信号である第3-1信号として出力する第3-1信号処理回路部と、
    上記第2-1信号処理回路部からの第2-1信号と上記第2-2信号処理回路部からの第2-2信号とを用いて、ノイズ成分が除去された干渉光信号である第3-2信号として出力する第3-2信号処理回路部と、
    上記第3-1信号処理回路部からの上記第3-1信号の周波数を検出し、上記第3-1信号の周波数に基づいて上記被測定物の移動速度を検出する第2移動速度検出部と
    上記第3-2信号処理回路部からの上記第3-2信号の周波数を検出し、上記第3-2信号の周波数に基づいて上記被測定物の移動速度を検出する第1移動速度検出部と、
    上記第1-1信号の位相と上記第2-1信号の位相とを検出して、上記第1-1信号と上記第2-1信号との位相差を検出する第4-1信号処理回路部と、
    上記第4-1信号処理回路部により検出された位相差に基づいて、上記被測定物の移動方向を検出する第1移動方向検出部と、
    上記第1-2信号の位相と上記第2-2信号の位相とを検出して、上記第1-2信号と上記第2-2信号との位相差を検出する第4-2信号処理回路部と、
    上記第4-2信号処理回路部により検出された位相差に基づいて、上記被測定物の移動方向を検出する第2移動方向検出部と
    を備えたことを特徴とする光学式移動情報検出装置。
  20. 請求項1乃至1のいずれか1つに記載の光学式移動情報検出装置または請求項18に記載の移動情報検出システムを用いたことを特徴とする電子機器。
  21. 請求項1乃至1のいずれか1つに記載の光学式移動情報検出装置または請求項18に記載の移動情報検出システムを用いたことを特徴とするエンコーダ。
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