JP2009222530A - 速度計 - Google Patents

速度計 Download PDF

Info

Publication number
JP2009222530A
JP2009222530A JP2008066817A JP2008066817A JP2009222530A JP 2009222530 A JP2009222530 A JP 2009222530A JP 2008066817 A JP2008066817 A JP 2008066817A JP 2008066817 A JP2008066817 A JP 2008066817A JP 2009222530 A JP2009222530 A JP 2009222530A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
light
moving object
signal
output signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008066817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009222530A5 (ja
Inventor
敏行 ▲高▼木
Toshiyuki Takagi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008066817A priority Critical patent/JP2009222530A/ja
Publication of JP2009222530A publication Critical patent/JP2009222530A/ja
Publication of JP2009222530A5 publication Critical patent/JP2009222530A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

【課題】移動物体の速度を高精度に検出可能な速度計を提供する。
【解決手段】本発明は、レーザー光源1から移動物体7に入射した光束の散乱光を検出する光検出手段12と、光検出手段12により検出された散乱光に基づいて移動物体7の速度Vを算出する信号処理手段17とを有する速度計であって、光検出手段12は、散乱光を検出して第一の出力信号S1を出力する第一の光検出部12a、及び、第一の光検出部12aに入射する前記散乱光とは異なる方向に散乱する前記散乱光を検出して第二の出力信号S2を出力する第二の光検出部12bを有し、信号処理手段17は、第一の出力信号S1から速度Vaを求める速度演算器22aと、第二の出力信号S2から速度Vbを求める速度演算器22bと、速度Va及び速度Vbを用いた平均化処理を行い移動物体7の速度Vを算出する速度合成演算器23とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は速度計に係り、特に、ドップラー効果を利用した速度計に関する。
従来から、移動物体の移動速度を非接触かつ高精度に測定する装置として、レーザードップラー速度計が用いられている。レーザードップラー速度計は、移動物体にレーザー光を照射し、移動物体から散乱する光の周波数が、移動物体の移動速度に比例して偏移(シフト)する効果(ドップラー効果)を利用して、移動物体の移動速度を測定している。
一般に、レーザードップラー速度計において、光検出器で得られる速度に比例した検出信号は、移動物体からの散乱光に基づくものである。このため、出力信号レベルは低く、また、ノイズの重畳によりS/N比が悪くなる傾向がある。
また、移動物体の表面状態により、光の反射率や散乱状態は異なり、信号レベルが変動する。このため、移動物体の速度の測定中にドップラー信号が途切れる、所謂「ドロップアウト」が生じるという問題がある。
従来から、このようなドロップアウトの処理方法としては、例えば、バンドパスフィルター(BPF)でS/N比を改善し、フェーズロックドループ(PLL)で連続信号とする方法等が用いられている。しかしながら、このような方法を用いても、ドロップアウトが多く生じると、それに伴い測定精度が低下するという問題がある。
そこで、例えば特許文献1には、ドロップアウトの発生頻度を低下させて測定精度を向上させるためのレーザードップラー速度計が開示されている。
特許文献1のレーザードップラー速度計は、光源手段からの光束を移動物体に入射させ、移動物体からの散乱光の周波数の偏移に基づく光束を光検出手段で検出し、光検出手段からの信号を用いて移動物体の速度を検出する速度計である。このような速度計において、光検出手段は、移動物体の同一領域からの散乱光を異なる複数の方向から検出する複数の光検出部と、複数の光検出部からの信号のうち1つの信号を選択して切り換える選択切換手段を有する。また、選択切換手段により選択された信号を用いて、移動物体の速度を求めることを特徴としている。
このレーザードップラー速度計は、移動物体の同一領域からの散乱光であるにも関わらず、散乱光の検出方向が異なる。このため、散乱光の光検出器への光路に違いが生じ、ドロップアウトの発生は信号毎に独立に起きる。つまり、ある信号でドロップアウトが発生した場合でも、他の信号でドロップアウトが発生するか否かは、確率的に独立している。このため、全信号が同時にドロップアウトを起こさない限り、測定精度を保持することができる。
また、特許文献2には、2次元計測を高精度に行うため、被測定物の二つの異なる領域からの散乱光を複数の光検出器で検出する方法が開示されている。
特許文献2のレーザードップラー速度計は、被測定物上に隣接した複数の照射位置毎に同一のレーザー光を複数本に分離する。分離したレーザー光のうちの2本のレーザー光を所定の角度を成して照射位置で交差するように照射する。少なくとも被測定物上の同一照射位置に照射される2本のレーザー光は、同一のレーザー光を分離したものとなるように設定され、被測定物上の各照射位置で散乱される散乱光を複数の受光手段によって受光する。そして、受光信号からドップラー信号を検出して、被測定物の速度を測定する。
特許文献2において、複数のドップラー信号検出手段は、複数の受光手段による受光信号に基づいてドップラー信号を検出する。フーリエ変換手段は、複数のドップラー信号検出手段から出力される各速度信号に対してフーリエ変換を行い、各速度信号の周波数成分及び位相を求める。また、位相比較制御手段は、フーリエ変換手段によって求められた各速度信号の周波数成分及び位相から、各速度信号のうち同一位相の周波数成分を検出する。
このレーザードップラー速度計は、本来、2次元方向に対する被測定物の速度測定や、伸縮する被測定物の速度の測定を行う際、被測定物表面の凹凸によるノイズの影響をなくし、高精度な被測定物の速度変動を検出することを可能とするものである。この速度計は、被測定物の異なる領域からの散乱光を検出するため、ドロップアウトの発生は信号毎に独立に起きる。この技術を用いて、レーザー照射を同一方向、近傍領域にすることで、ドロップアウト発生頻度を低下されることが可能となる。
特開平7−229911号公報(請求項1、第4頁、図1) 特開平8−114673号公報(請求項1、第7頁、図1、図2)
ところで、レーザードップラー速度計の測定原理は次のとおりである。
図3は、被測定物が光の波長に対して十分小さい(例えば一粒子)場合におけるレーザードップラー速度計の測定原理の模式図である。
同図において、異なる方向からレーザー光13a、13bが二光束照射し、レーザードップラー速度計の測定可能な領域14を被測定対象の粒子15は速度Vで通過する。図4は、このときの粒子15からの散乱光によるレーザードップラー速度計の信号波形(光強度)である。
この光強度は、ドップラー周波数情報を持ったビート成分と、領域14を通過することにより生じるペデスタル成分から成る。通常、レーザードップラー速度計は、ペデスタル成分を除去し、ビート成分からドップラー周波数を解析することにより、被測定物の速度を得る。
一方、図5は、被測定物が光の波長に対して十分大きい場合におけるレーザードップラー速度計の測定原理の模式図である。同図において、異なる方向からレーザー光13a,13bが二光束照射し、移動物体7(被測定物)は、レーザードップラー速度計の測定可能な領域14を速度Vで通過する。
図6(a)、(b)、(c)は、それぞれ、移動物体7の局所的な場所16a、16b、16cからの散乱光の光強度を示す信号波形である。このように、移動物体7からの散乱光の光強度は、移動物体7の局所的な場所16a、16b、16c等からの散乱光の重ね合わせとして観測される。具体的には、速度計は、スペックルパターンの強度変化を検出している。
図6(d)は、重ね合わせた散乱光の光強度の一例に模式的に示したものである。図6(d)に示されるように、重ね合わせた光強度もドップラー周波数情報を持ったビート成分と領域14を通過することにより生じるペデスタル成分から成る。
しかしながら、重ね合わせた散乱光は、位相の異なる局所的な場所からのドップラー信号の重ね合わせのため、瞬時的にビート信号の位相が変動する。このため、重ね合わせた散乱光のビート成分には、誤差が含まれる。
図7は、位相の変動によるドップラー周波数の誤差を示す模式図である。図7に示されるように、真のドップラー周波数Fに対して、位相の変動により誤差ΔFiが生じる。このため、速度計で瞬時的に測定されるドップラー周波数Fiは、F+ΔFiとなる。
この位相の変動による誤差ΔFiは、速度計により測定されたドップラー周波数Fiの長時間平均をとることにより、除去可能である。しかし、高時間分解能で移動物体の速度を測定する場合など、ドップラー周波数の長時間平均をとることができない場合、この誤差ΔFiを除去することが困難である。これがドップラー周波数の測定誤差となり、速度精度を悪化させることになる。
このように、移動物体上の同一領域からの散乱光を異なる方向で検出するレーザードップラー速度計の場合には、位相の変動による誤差ΔFiが含まれ、移動物体の速度の測定精度は低下する。
また、移動物体上の異なる領域からの散乱光を複数の光検出器で検出するレーザードップラー速度計の場合には、被測定物の伸縮により複数のドップラー信号が異なる速度情報をもつ。このため、被測定物の真の測定値を特定することができない。この異なる速度情報が原因で、被測定物の速度の測定精度は低下する。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その例示的目的は、ドロップアウトの発生頻度を低減させたまま、移動物体の速度を高精度に検出することができる速度計を提供することにある。
本発明の一側面としての速度計は、一つの光源手段から移動物体に入射した光束の散乱光を検出する光検出手段と、前記光検出手段により検出された前記散乱光に基づいて前記移動物体の速度を算出する信号処理手段とを有する速度計であって、前記光検出手段は、前記散乱光を検出して第一の出力信号を出力する第一の光検出部、及び、該第一の光検出部に入射する前記散乱光とは異なる方向に散乱する前記散乱光を検出して第二の出力信号を出力する第二の光検出部を有し、前記信号処理手段は、前記第一の出力信号から第一の速度情報を求める第一の速度演算器と、前記第二の出力信号から第二の速度情報を求める第二の速度演算器と、少なくとも該第一の速度情報及び該第二の速度情報を用いた平均化処理を行い前記移動物体の前記速度を算出する速度合成演算器とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、移動物体の速度を高精度に検出可能な速度計を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本実施例の速度計は、ドップラー効果を利用したレーザードップラー速度計であり、移動する物体や流体等(以下、「移動物体」と称する。)の変位情報や移動物体の移動速度を非接触で測定するものである。本実施例の速度計によれば、移動物体にレーザー光を照射し、この移動物体の移動速度に応じてドップラーシフトを受けた散乱光の周波数の偏移を検出することにより、移動物体の変位情報や移動速度を測定することができる。
まず、本実施例におけるレーザードップラー速度計の概略構成を説明する。図1は、本実施例のレーザードップラー速度計における要部の概略構成図である。
図1において、1はレーザードップラー速度計100のレーザー光源(光源手段)である。レーザー光源1から出射されたレーザー光は、コリメーターレンズ2によって平行光束3となる。平行光束3は、ビームスプリッター4によって透過光5aと反射光5bの二光束に分割される。透過光5aは反射鏡6aで反射され、反射光5bは反射鏡6bで反射される。
反射鏡6a、6bでそれぞれ反射された二光束は、速度Vで移動している移動物体7(被測定物)の領域10を照射する。このとき、これらの二光束は、移動物体7の領域10に対して、互いに異なる方向から絶対値が等しい入射角θで入射する。
移動物体7の領域10において散乱する散乱光は、光検出手段12により検出される。本実施例のレーザードップラー速度計100において、光検出手段12は、第一の光検出部12aと第二の光検出部12bとを有する。すなわち、第一の光検出部12a及び第二の光検出部12bのそれぞれは、光検出手段12の一要素を構成する。
第一の光検出部12aは、散乱光を検出して第一の出力信号S1を出力する。また、第二の光検出部12bは、第一の光検出部12aに入射する散乱光とは異なる方向に散乱する散乱光を検出して第二の出力信号S2を出力する。なお、本実施例の光検出手段12は、第一の光検出部12a及び第二の光検出部12bの二つの光検出部を有するが、特にこれに限定されるものではない。三つ以上の光検出部を有するものであってもよい。
レーザー光源1から移動物体7に入射した光束の散乱光の周波数は、移動物体7が移動する速度Vに比例して、それぞれ、+ΔF又は−ΔFのドップラーシフト(周波数変化)を受ける。ドップラーシフトを受けた散乱光の周波数は、ドップラー周波数Fと呼ばれる。
ここで、レーザー光源1から出力されたレーザー光の波長をλとすると、ドップラーシフトΔF(周波数変化)は、次の(1)式で表すことができる。
ΔF=V・sin(θ)/λ ・・・ (1)
+ΔF又は−ΔFのドップラーシフトを受けた散乱光は、互いに干渉し合い、第一の光検出部12a及び第二の光検出部12bの受光面において、明暗の変化をもたらす。このときのドップラー周波数Fは、次の(2)式で表すことができる。
F=2・ΔF=2・V・sin(θ)/λ ・・・ (2)
第一の光検出部12aから出力された第一の出力信号S1、及び、第二の光検出部12bから出力された第二の出力信号S2は、信号処理手段17に入力され、信号処理手段17において処理される。後述のとおり、信号処理手段17は、光検出手段12により検出された散乱光に基づいて移動物体7の速度Vを算出する。
次に、本実施例のレーザードップラー速度計における信号処理手段17について、詳細に説明する。図2は、本実施例のレーザードップラー速度計における信号処理手段のブロック図である。
図2に示されるように、第一の光検出部12aから出力された第一の出力信号S1は、ハイパスフィルター18a(HPF)に入力される。同様に、第二の光検出部12bから出力された第二の出力信号S2は、ハイパスフィルター18b(HPF)に入力される。ハイパスフィルター18a、18bのそれぞれは、主に、第一の出力信号S1及び第二の出力信号S2に含まれるペデスタル成分を除去するために設けられている。このため、ハイパスフィルター18a、18bを通過した各信号からは、ペデスタル成分が除去されている。
ハイパスフィルター18a、18bを通過した各信号は、ローパスフィルター19a、19b(LPF)に入力される。ローパスフィルター19a、19bは、主に、ナイキスト周波数以上の周波数成分を除去するために設けられている。ナイキスト周波数とは、後段のA/Dコンバーター20a、20bにてデジタル信号に変換する際のサンプリング周波数の1/2の周波数のことである。ナイキスト周波数を超える周波数成分が残っていると、A/Dコンバーターにより変換されたデジタル信号に雑音が混入するため、ナイキスト周波数以上の周波数成分をローパスフィルター19a、19bで除去する必要がある。
ローパスフィルター19a、19bを通過した各信号は、A/Dコンバーター20a、20b(ADC)にてサンプリングされ、デジタル信号に変換される。ナイキスト周波数Fcは、A/Dコンバーター20a、20bのサンプリング周期をΔとすると、次の(3)式で表される。
Fc≡1/2Δ ・・・ (3)
A/Dコンバーター20a、20bでサンプリングされた各デジタル信号は、周波数解析器21a、21bにてフーリエ変換される。速度演算器22a(第一の速度演算器)及び速度演算器22b(第二の速度演算器)は、周波数解析器21a、21bによるフーリエ変換の結果から得られるパワースペクトルに基づいて、ドップラー周波数Fの平均周波数〈F〉を計算する。
ここで、周波数をf、周波数fにおけるパワースペクトルをP(f)、積分区間を[Flower、Fupper]とすると、ドップラー周波数Fの平均周波数〈F〉は、次の(4)式で表される。
速度演算器22a、22bは、この平均周波数〈F〉をドップラー周波数Fとして、前述の(2)式を用いて、移動物体7が移動する速度Va、Vbを算出する。このように、信号処理手段17に含まれる速度演算器22aは、第一の出力信号S1から第一の速度情報(速度Va)を求める。同様に、信号処理手段17に含まれる速度演算器22bは、第二の出力信号S2から第二の速度情報(速度Vb)を求める。
さらに、速度演算器22a、22bは、パワースペクトルP(f)に基づいて、第一の信号強度Pa及び第二の信号強度Pbを算出する。すなわち、速度演算器22aは、第一の出力信号S1から第一の信号強度Paを求め、速度演算器22bは、第二の出力信号S2から第二の信号強度Paを求める。
ここで、信号強度〈P〉は、次の(5)式で表される。
速度合成演算器23は、第一の出力信号S1から算出された速度Va、第一の信号強度Pa、及び、第二の出力信号S2から算出された速度Vb及び信号強度Pbに基づいて、移動物体7(被測定物)の平均速度(速度V)を求める。そして、速度合成演算器23は、移動物体7の平均速度(速度V)を出力する。このように、速度合成演算器23は、第一の速度情報(速度Va)と第二の速度情報(速度Vb)を平均化して、移動物体7の速度Vを算出する。この速度合成演算器23で行われる信号処理を平均化処理と呼ぶ。
本実施例では、光検出部は2つであるが、光検出部を3つ以上設ける場合は、18a(18b)〜22a(22b)に相当するハイパスフィルター、ローパスフィルター、A/Dコンバーター、周波数解析器、速度演算器を光検出器毎に設ける。そして、光検出器毎に設けられた速度演算器からの出力信号を速度合成演算器23に入力する。そして、速度合成演算器では増加した分の速度演算器からの出力信号を含めて平均化処理を行えばよい。
さらに、平均化処理のより好ましい形態として、平均速度を第一の信号強度Pa及び第二の信号強度Pbを重み付けした速度Va、Vbの平均値から算出する。各信号強度による重み付けを行った場合、移動物体7の平均速度Vは、次の(6)式で表される。
V=(Va×Pa+Vb×Pb)/(Pa+Pb) ・・・ (6)
このように、速度合成演算器23は、第一の信号強度Pa及び第二の信号強度Pbによる重み付け処理を行って平均化することにより、移動物体7の平均速度(速度V)を算出する。
なお、本実施例では、平均速度を単なるフーリエ変換から算出しているが、平均速度の算出時に窓処理を行い、計算精度を上げても良い。
次に本実施例において、位相の変動による誤差ΔFiが低減する理由について説明する。
レーザードップラー速度計によって検出されるドップラー周波数Fiは、次の(7)式に示されるように、真のドップラー周波数Fと位相の変動による誤差ΔFの和で表される。
Fi=F+ΔFi ・・・ (7)
この位相の変動による誤差ΔFiは、正規分布に従うランダムな誤差である。このため、各光検出器の出力信号に対する平均周波数〈Fi〉は、次の(8)式で表される。
〈Fi〉=F+〈ΔFi〉 ・・・ (8)
平均誤差〈ΔFi〉は、計算に用いられる母集団が大きくなるほど0に近づく。このため、平均周波数〈Fi〉は、真のドップラー周波数Fに近づくことになる。つまり、各光検出部からの各出力信号を平均化することにより、位相の変動による誤差ΔFiを統計的に小さくすることが可能になる。このため、複数の光検出部からの一つの信号を用いる場合に比べて、複数の信号からの平均値を算出することにより、位相の変動による誤差ΔFiを低減させることができる。
次に、本実施例において算出された移動物体の速度に対して、ドロップアウトによる影響が小さい理由を説明する。
図8(a)は、ドロップアウトが起きていない場合のドップラー信号のパワースペクトルを模式的に描いた図である。また、図8(b)は、ドロップアウトが起きた場合のドップラー信号のパワースペクトルを模式的に描いた図である。
ドロップアウトが発生していない場合、図8(a)に示されるように、ドップラー周波数において大きなパワースペクトルが生じる。
一方、ドロップアウトが発生した場合、図8(b)に示されるように、本来検出されるべきドップラー周波数のパワースペクトルが低下し、誤差の要因となる他の周波数のパワースペクトルが発生する。しかし、ドロップアウト時には、信号強度そのものが小さいため、ドロップアウトが起きていない場合のパワースペクトルに対して、ドロップアウトが起きたパワースペクトルは非常に小さい。
このため、前述の(6)式を用いると、ドロップアウトが発生した場合には、第一の信号強度Pa又は第二の信号強度Pbが小さくなるため、いずれかの信号に基づく速度Vへの影響は、計算上、自動的に小さくなる。その結果、ドロップアウトが起きた場合、自動的にドロップアウトが発生した信号のみを除去することで、ドロップアウトによる速度精度の低下を防止することができる。
以上、本実施例は、移動物体の同一領域からの散乱光を異なる複数の方向から複数の光検出部を用いて各々検出し、これらの複数からの信号を同時に利用する。本実施例のこのような構成により、ドロップアウトを低減させ、位相の変動による速度誤差も低減させることができる。このため、本実施例によれば、移動物体の速度を高精度に検出することのできる速度計を提供することができる。
特に、本実施例では、複数の信号を同時に使用することで、瞬時的な位相の変動による誤差を低減させることができる。また、複数の光検出部からの信号により計算される各速度情報に重み付けをすることで、ドロップアウトが発生した信号のみを自動的に除去できる。このため、ドロップアウトによる影響が非常に小さい速度を得ることにより、高精度の速度計を達成することができる。
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
本実施例のレーザードップラー速度計における要部の概略構成図である。 本実施例のレーザードップラー速度計における信号処理手段のブロック図である。 被測定物が光の波長に対して十分小さい場合におけるレーザードップラー速度計の測定原理の模式図である。 被測定物が光の波長に対して十分小さい場合におけるレーザードップラー速度計の信号波形である。 被測定物が光の波長に対して十分大きい場合におけるレーザードップラー速度計の測定原理の模式図である。 (a)〜(c)被測定物が光の波長に対して十分大きい場合の局所的な場所からのドップラー速度計の信号波形であり、(d)被測定物が光の波長に対して十分大きい場合のドップラー速度計の信号波形である。 位相の変動によるドップラー周波数の誤差を示す模式図である。 (a)ドロップアウトがない場合のパワースペクトルの模式図、(b)ドロップアウトがある場合のパワースペクトルの模式図である。
符号の説明
1 レーザー光源
2 コリメーターレンズ
4 ビームスプリッター
6a,6b 反射鏡
7 移動物体
12 光検出手段
12a 第一の光検出部
12b 第二の光検出部
15 粒子
17 信号処理手段
18a,18b ハイパスフィルター
19a,19b ローパスフィルター
20a,20b A/Dコンバーター
21a,21b 周波数解析器
22a,22b 速度演算器
23 速度合成演算器
100 レーザードップラー速度計
S1 第一の出力信号
S2 第二の出力信号

Claims (2)

  1. 光源手段から移動物体に入射した光束の散乱光を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段により検出された前記散乱光に基づいて前記移動物体の速度を算出する信号処理手段とを有する速度計であって、
    前記光検出手段は、前記散乱光を検出して第一の出力信号を出力する第一の光検出部、及び、該第一の光検出部に入射する前記散乱光とは異なる方向に散乱する前記散乱光を検出して第二の出力信号を出力する第二の光検出部を有し、
    前記信号処理手段は、前記第一の出力信号から第一の速度情報を求める第一の速度演算器と、前記第二の出力信号から第二の速度情報を求める第二の速度演算器と、少なくとも該第一の速度情報及び該第二の速度情報を用いた平均化処理を行い前記移動物体の前記速度を算出する速度合成演算器とを有することを特徴とする速度計。
  2. 前記第一の速度演算器は、前記第一の出力信号から第一の信号強度を求め、
    前記第二の速度演算器は、前記第二の出力信号から第二の信号強度を求め、
    前記速度合成演算器は、前記平均化処理において前記第一の信号強度及び前記第二の信号強度による重み付け処理を行い、前記移動物体の前記速度を算出することを特徴とする請求項1記載の速度計。
JP2008066817A 2008-03-14 2008-03-14 速度計 Pending JP2009222530A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008066817A JP2009222530A (ja) 2008-03-14 2008-03-14 速度計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008066817A JP2009222530A (ja) 2008-03-14 2008-03-14 速度計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009222530A true JP2009222530A (ja) 2009-10-01
JP2009222530A5 JP2009222530A5 (ja) 2011-04-21

Family

ID=41239480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008066817A Pending JP2009222530A (ja) 2008-03-14 2008-03-14 速度計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009222530A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5866078A (ja) * 1981-10-15 1983-04-20 Komatsu Ltd 速度検出装置
JPH07229911A (ja) * 1994-02-15 1995-08-29 Canon Inc 速度計
JPH08292263A (ja) * 1995-04-20 1996-11-05 Fuji Xerox Co Ltd レーザドップラー速度測定装置及びこれを用いたカラー画像形成装置
JP2005227077A (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Sharp Corp 光学式移動情報検出装置および移動情報検出システムおよび電子機器およびエンコーダ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5866078A (ja) * 1981-10-15 1983-04-20 Komatsu Ltd 速度検出装置
JPH07229911A (ja) * 1994-02-15 1995-08-29 Canon Inc 速度計
JPH08292263A (ja) * 1995-04-20 1996-11-05 Fuji Xerox Co Ltd レーザドップラー速度測定装置及びこれを用いたカラー画像形成装置
JP2005227077A (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Sharp Corp 光学式移動情報検出装置および移動情報検出システムおよび電子機器およびエンコーダ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7049578B2 (en) Optical movement information detector, movement information detection system, electronic equipment and encoder
JP5859154B1 (ja) パーティクルカウンタ
JP2014109481A (ja) 計測方法及び計測装置
JP2014089204A (ja) 光ファイバジャイロスコープの角度ランダムウォークをモニタするための方法
US9188478B2 (en) Multi-channel laser interferometric method and apparatus for detection of ultrasonic motion from a surface
JP5701496B2 (ja) 光学式信号出力装置の信号処理装置及び光学式変位検出装置
JP2003106980A (ja) 微小粒子群の計測装置および計測方法
JP5412959B2 (ja) 光応用計測装置
JP2009222530A (ja) 速度計
US20190271854A1 (en) Speckle Mitigation
JP2008275514A (ja) 光サンプリング装置および光サンプリング方法
JP2013217670A (ja) 計測装置及び計測方法
JP3423396B2 (ja) 速度計
JP5274064B2 (ja) 速度計
US6295131B1 (en) Interference detecting system for use in interferometer
JP3766319B2 (ja) 位相シフト干渉縞同時撮像における平面形状計測方法
Li et al. Simulation on signal processing of focusing and leveling measurement system
JP6501307B2 (ja) ヘテロダイン干渉装置
JP2021032661A (ja) 干渉計
JPH08114673A (ja) レーザドップラー速度測定装置
JP7380382B2 (ja) 測距計
JPH06265304A (ja) ヘテロダイン干渉計
JP3491988B2 (ja) レーザードップラー速度計
JP2006029951A (ja) 光学式速度計および変位情報測定器
JPH0755418A (ja) 変位計

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110303

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121120

A02 Decision of refusal

Effective date: 20130402

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02