JP2005194274A - デハロゲノ化合物を有効成分とする医薬 - Google Patents

デハロゲノ化合物を有効成分とする医薬 Download PDF

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Abstract

【課題】グラム陰性菌およびグラム陽性菌に対して幅広い強力な抗菌活性を示す、とりわけMRSA、PRSP、およびVREを含むグラム陽性球菌に代表される耐性菌に対して強力な抗菌活性を示す医薬、抗菌薬、感染症の治療薬を提供する。
【解決手段】
一般式(I)で表される構造の3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジニル置換−6−デハロゲノ(水素置換)キノロンカルボン酸誘導体、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合して医薬、抗菌薬、感染症の治療薬を得る。
【化1】
Figure 2005194274


【選択図】 なし

Description

本願発明は、医薬、動物薬、水産用薬、または抗菌性の保存剤として有用なキノロン系合成抗菌剤に関する。
キノロン系合成抗菌剤は、ノルフロキサシンの発見以来、抗菌活性や体内動態が改善され、ほぼ全身の感染症に有効な化学療法剤に発展し、多くの化合物が臨床の場に共されている。
近年、臨床の場ではキノロン系合成抗菌薬に対して低感受性菌が増加しつつある。例えば、グラム陽性菌において、β−ラクタム系抗生物質に非感受性の黄色ブドウ球菌(MRSA)や肺炎球菌(PRSP)、そしてアミノ配糖体系抗菌薬に非感受性の腸球菌(VRE)の如くキノロン系合成抗菌薬以外の薬剤に耐性を獲得した菌であって、さらにキノロン系合成抗菌剤にも低感受性となった菌も出現し増加している。したがって、臨床の場で有効性がさらに高いキノロン系合成抗菌薬が望まれている。
また、キノロン系合成抗菌薬の副作面では、従来から問題となっていた中枢性の興奮作用の他に、非ステロイド性の抗炎症剤との併用によってもたらされる痙攣の誘発や、あるいは光毒性等が明らかとなっており、より安全性の高いキノロン系合成抗菌薬の開発も求められている。
キノロン系合成抗菌剤の抗菌活性、体内動態そして安全性には7位および1位(あるいはこれらに相当する部位。以下同様に考える。)の置換基の構造が大きく影響することが知られている。
3位にアミノメチル基を有するピロリジニル基を、キノロン母核の7位の置換基として有するキノロン誘導体は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌に対して強い抗菌活性を示すことが既に知られている。例えば、7−[3−(1−アミノメチル)ピロリジン−1−イル]キノロンカルボン酸誘導体(非特許文献1)である。
さらに、3−(1−アミノメチル)ピロリジン−1−イル基のアミノメチル基の炭素原子上に置換基を有するキノロンカルボン酸として、7−[3−(1−アミノエチル)ピロリジン−1−イル]キノロンカルボン酸誘導体(非特許文献2);7−[3−(1−アミノ−1−メチルエチル)ピロリジン−1−イル]キノロンカルボン酸誘導体(非特許文献3);7−[3−(1−アミノアルキル)ピロリジン−1−イル]キノロンカルボン酸誘導体(非特許文献4)等が知られている。
しかしながら、上記の3−(アミノメチル)ピロリジン−1−イル基や3−(1−アミノエチル)ピロリジン−1−イル基、あるいはこれに構造の類似した基を置換基として有するキノロン誘導体は強い抗菌活性を示す化合物であるが、選択毒性が低いために[例えば、非特許文献5参照]、細菌だけではなく、真核生物の細胞に対しても作用し、医薬あるいは動物薬として使用することは困難であることが判明した。したがってこれらの置換基を有するキノロン化合物は、現在に至るまで実際の臨床の場には共されていない。
一方、本願発明に関連する3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジン−1−イル基を置換基として有するキノロンカルボン酸誘導体は、特許文献1において広範な概念として記載されており、ここには次の構造式AおよびBに示す2件の構造式で示される化合物の記載がある。構造式Aのキノロン化合物において、6位の置換基(X1)はハロゲン原子または水素原子として定義されている。しかしながら、この出願において具体的に開示されたキノロンカルボン酸類における6位の置換基は、フッ素原子をはじめとするハロゲン原子のみである。したがって、特許文献1には6位が水素置換となったキノロンカルボン酸類についての具体的な説明はない。さらに、この公報には本願発明に関わる3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジニル置換−6−水素置換−キノロンカルボン酸類の実施例としての具体的な開示も全くない。
Figure 2005194274
[式中、X1はハロゲン原子または水素原子を表わし、X2はハロゲン原子を表す。(なお、この構造式Aに示す化合物における置換基の定義は特許文献1において定義されたものであって、同じ記号であっても本願発明における置換基の定義とは無関係である。)]
上記式において、R2は、
Figure 2005194274
[式中、pは、1から3の整数を表わし、qは、1から3の整数を表わし、R9は、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を表わし、R10は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、水酸基を有する炭素数1から6のアルキル基またはハロゲン原子を有する炭素数1から6のアルキル基である。(なお、この構造式Bに示す化合物における置換基の定義は特許文献1において定義されたものであって、同じ記号であっても本願発明における置換基の定義とは無関係である。)]
その他の本願発明に関連する3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジン−1−イル基を置換基として有するキノロンカルボン酸誘導体が示された文献として例えば、非特許文献4がある。しかしここにも本願発明の化合物である3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジニル置換−6−水素置換−キノロンカルボン酸類の記載は全くない。
さらに本願発明に関連する、キノロン骨格の7位に含窒素複素環置換基、例えば3−(1−アミノエチル)ピロリジン−1−イル基、が炭素−窒素結合を介して導入された6−水素置換−キノロンカルボン酸誘導体が示された例として、例えば、特許文献2号がある。ここには、次の構造式CおよびDで示される化合物の記載がある。しかしながら、構造式Cに示すキノロン骨格7位の置換基には本願発明に関わる3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジン−1−イル基の記載は全く含まれていない。さらに、この出願にはこれを置換基とする本願発明に関わる3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジニル置換−6−水素置換−キノロンカルボン酸類の記載は全くない。
Figure 2005194274
[式中、R1は、炭素数3から6の環状アルキル基、炭素数1から2のアルキル基、炭素数2から3の直鎖状アルケニル基、炭素数3から4の分枝鎖状アルキル基またはアルケニル基を表わし、このアルキル基または環状アルキル基は無置換、またはアルキル基または環状アルキル基上に1から3個のフッ素原子、無置換もしくは1から3個のフッ素原子または4位に1個の水酸基が置換したフェニル基が置換していてもよく、R6は、水素原子、水酸基、アミノカルボニル基、ブロム原子、シアノ基、炭素数1から2のアルキル基、炭素数2から4のアルケニル基またはアルキニル基を表わし、このアルキル基は無置換、またはアルキル基上に1から3個のフッ素原子、1個の水酸基またはアミノ基が置換したメチル基またはエチル基が置換していてもよい。(なお、この構造式Cに示す化合物における置換基の定義は特許文献2において定義されたものであって、同様の記号であっても本願発明の置換基の定義とは無関係である。)]
上記式において、Xは、
Figure 2005194274
[式中、置換基R7は、ピロリジン環の窒素原子に隣接していない炭素上に結合した無置換もしくは1個または2個の炭素数1から3のアルキル基が置換してもよいアミノ基、またはピロリジン環の炭素上に結合した無置換もしくは炭素数1から3のアルキル基が置換してもよいアミノ基を有するアミノアルキル基を表わし、置換基R9は、水素原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基またはアルキニル基、炭素数3から6のフューズまたはスピロアルキル基からなる群の基から選ばれる基を表わし、これらの基のアルキル基部分は、無置換もしくは1個から3個のフッ素原子が置換していてもよく、さらに、上記置換基R7とR9が一体化してピロリジン環とフューズ型またはスピロ型の環状構造を形成してもよく、このフューズまたはスピロ環部分は、炭素数2から5および窒素数0から1により形成される(なお、この構造式Dに示す化合物における置換基の定義は特許文献2において定義されたものであって、同様の記号であっても本願発明の置換基の定義とは無関係である。)]。
その他の本願発明に関連する6−水素置換−キノロンカルボン酸誘導体が示された文献、例えば、非特許文献6もある。しかしここにも本願発明の化合物である3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジニル置換−6−水素置換−キノロンカルボン酸類の記載は全くない。
ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー,(1986年),第29巻,445頁 ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー,(1993年),第36巻,871頁 ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー,(1994年),第37巻,733頁 ケミカル & ファーマシューティカル ブレティン,(1994年),第42巻,1442頁 [例えば、ジャーナル オブ アンチミクロビアル ケモセラピー,(1994年),第33巻,685頁] 国際公開第99/14214号パンフレット(PCT/JP96/00208号) 国際公開第99/14214号パンフレット ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー,(1996年),第39巻,4952頁
本願発明は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌のいずれに対しても幅広い優れた抗菌力を有し、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)、およびバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)等の耐性のグラム陽性菌、並びにキノロン耐性菌に対しても強力な抗菌活性を示すと共に、小核試験の陰性化等、優れた安全性と、尿中回収率の向上、さらには優れた経口吸収性と、血中からの臓器移行性にも優れる等、優れた体内動態をも兼ね備えており、細菌感染症に対する化学療法に用いることのできる抗菌化合物を用いた医薬、抗菌薬、感染症の治療薬等を提供することを目的とする。
本願発明者らは抗菌力に優れ有効性が高く、且つ安全性にも優れたキノロン化合物を得るべく鋭意研究した。その結果、次に述べる式(I)で表わされる、3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジニル置換−6−デハロゲノ(水素置換)キノロンカルボン酸誘導体、その塩、またはそれらの水和物が、グラム陰性菌およびグラム陽性菌に対して幅広い強力な抗菌活性を示すこと、とりわけMRSA、PRSP、およびVREを含むグラム陽性球菌に代表される耐性菌に対して強力な抗菌活性を示すことを見出した。
さらに本願発明の化合物はこの優れた抗菌活性と共に、キノロン母核の7位に同じ構造の置換基を有した本願発明以前の化合物では達成できなかった、臨床の場に共することができる、優れた安全性と良好な体内動態のいずれをも兼ね備えていることをも見出したのである。本願発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
式(I)で表わされる本願発明の6−水素置換−キノロンカルボン酸誘導体、その塩、およびそれらの水和物と、本願発明化合物の6位の水素がフッ素原子となったキノロン化合物と対比した場合、抗菌活性については、薬剤耐性菌を含むグラム陰性菌およびグラム陽性菌のいずれに対していずれの化合物も幅広い優れた抗菌力を示す。しかしながら、全く予想外のことに、本願発明の化合物である6−水素置換−キノロン誘導体は、6−フッ素置換−キノロン誘導体に比較して、急性毒性の減弱した化合物であること、小核誘発作用が格段に減弱化した安全性に優れた化合物であること、さらに尿中回収率の向上等、良好な体内動態をも兼ね備えていることを見出したのである。
すなわち、先に述べたように選択毒性が低いことが知られている3−(アミノメチル)ピロリジン−1−イル基のメチル基上に、環状アルキル基を有する、3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジン−1−イル基を置換基として有するキノロン化合物であっても、本願発明の構造を有するキノロン化合物であれば、全く予想外のことに、優れた選択毒性を備える化合物であり、かつ、優れた体内動態の化合物でもあったことを本願発明者は見出したのである。
すなわち本願発明は、下記の式(I)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬に関するものである。
Figure 2005194274
[式中、R1は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数1から6のハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3から6の環状アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキルアミノ基を表わし、
2は、炭素数1から6のアルキルチオ基または水素原子を表わすが、
このR2と上記のR1とは、母核の一部を含んで環状構造を形成するように一体化してもよいが、このようにして形成された環は、硫黄原子を環の構成原子として含んでもよく、さらにこの環には、置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基が置換してもよい。
3は、炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、または3−アセトキシ−2−オキソブチル基を表わし、
4は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、炭素数1から6のアルコキシ基、水素原子、アミノ基、水酸基、チオール基、またはハロゲノメチル基を表わすが、
このうちのアミノ基は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から5のアシル基およびホルミル基からなる群から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい。
Aは、窒素原子または式(II)
Figure 2005194274
(式中、X1は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、炭素数1から6のアルコキシ基、水素原子、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲノメチル基、またはハロゲノメトキシ基を表わすが、
このうちのアミノ基は、炭素数1から6のアルキル、基炭素数2から5のアシル基およびホルミル基からなる群から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい。
また、このX1と上記のR1とは、母核の一部を含んで環状構造を形成するように一体化してもよく、このようにして形成された環は、酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を環の構成原子として含んでもよく、さらにこの環には、置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基が置換してもよい。)
で表わされる部分構造を表わす。
5およびR6は、各々独立に、炭素数1から6のアルキル基または水素原子を表わすか、あるいはアミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボキシル基を表わすが、
このアルキル基は、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のアルコキシ基、水酸基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよく、
nは、整数の1または2を表わす。]
更に本願発明は、
上記のいずれかの化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬;
上記のいずれかの化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする感染症の治療薬;
上記のいずれかの化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合することを特徴とする医薬の生産方法;
上記のいずれかの化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合することを特徴とする抗菌薬の生産方法;
上記のいずれかの化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合することを特徴とする感染症治療薬の生産方法;
上記のいずれかの化合物、その塩、またはそれらの水和物の医薬の生産のための使用;
上記のいずれかの化合物、その塩、またはそれらの水和物の抗菌薬の生産のための使用;
上記のいずれかの化合物、その塩、またはそれらの水和物の感染症治療薬の生産のための使用;
等である。
本願発明の上記有効成分としては、下記のものを挙げることができる。
式(I)の化合物が、単一の異性体からなる化合物、その塩、またはそれらの水和物;
式(I)におけるnが1である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
式(I)におけるR3が水素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
式(I)におけるR2が水素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
式(I)におけるR4が水素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
式(I)におけるAが式(II)で表される部分構造である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
式(II)におけるX1がメトキシ基、メチル基、ジフルオロメトキシ基、フッ素原子、もしくは塩素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
式(II)におけるX1がメトキシ基またはメチル基である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
式(I)におけるR5およびR6が水素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
式(I)におけるR5およびR6のいずれか一方が水素原子であり、他方がメチル基である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
式(I)におけるR5およびR6のいずれか一方が水素原子であり、他方がアミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボキシル基である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
1における、置換基を有していてもよい炭素数3から6の環状アルキル基がハロゲノシクロプロピル基である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
ハロゲノシクロプロピル基が、1,2−シス−2−ハロゲノシクロプロピル基である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
ハロゲノシクロプロピル基が、立体化学的に単一な置換基である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
ハロゲノシクロプロピル基が、(1R,2S)−2−ハロゲノシクロプロピル基である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
ハロゲノシクロプロピル基のハロゲン原子が、フッ素原子である化合物、その塩、またはそれらの水和物;
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
7−[3−(R)−[1−(エチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
5−アミノ−7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−フルオロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
5−アミノ−7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
5−アミノ−7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
5−アミノ−7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
10−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾキサジン−6−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
1−(シクロプロピル)−8−メチル−7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;
本願発明の化合物、その塩またはそれらの水和物を有効成分とする医薬は、グラム陰性菌およびグラム陽性菌のいずれに対しても幅広い優れた抗菌力を有し、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)、およびバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)等の耐性のグラム陽性菌、並びにキノロン耐性菌に対しても強力な抗菌活性を示すと共に、小核試験の陰性化等、優れた安全性と、尿中回収率の向上、さらには優れた経口吸収性と、血中からの臓器移行性にも優れる等、優れた体内動態をも兼ね備えており、細菌感染症に対する化学療法に用いる抗菌薬として有用である。
本願発明の式(I)
Figure 2005194274
(R1、R2、R3,R4、R5、R6、nおよびAの定義は前の通りである。)
で表わされる化合物の各置換基について述べる(なお、本願明細書に記載の構造式においては、キノロン母核の6位またはそれに相当する部位については水素原子が結合していることを強調するため、有機化学における構造式記載の慣例として通常は明示しないところの、炭素上に結合した水素原子を明示した場合がある(『−H』との方式において)。しかしながら、本願明細書の構造式は、有機化学の分野で通常行われる構造式の記載法に則って記載しており、炭素原子に結合している水素原子が常に記載されるのではなく、省略されるのを通常とする。)。
置換基R1は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数1から6のハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3から6の環状アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキルアミノ基である。
ここで、炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基でよく、より好ましくは炭素数1から4のものであるが、エチル基が特に好ましい。炭素数2から6のアルケニル基としては、ビニル基、または1−イソプロペニル基が好ましい。炭素数1から6のハロゲノアルキル基としては、2−フルオロエチル基が好ましい。環状アルキル基としては、シクロプロピル基が特に好ましい。環状アルキル基は置換基を有していてもよいが、置換基としてはハロゲン原子がよい。置換基を有していてもよい環状アルキル基としては、ハロゲノシクロプロピル基が好ましい。このハロゲン原子としてはフッ素原子が特に好ましい。ハロゲノシクロプロピル基はモノハロゲノシクロプロピル基がよく、さらにシス置換のものが好ましい。
置換基を有してもよいアリール基としては、例えば、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、水酸基、アミノ基、ニトロ基からなる群から選ばれる1から3の基によって置換されてもよいフェニル基等を挙げることができる(複数の置換基によって置換されているときは単一種であっても複数種であってもいずれでもよい。)。具体的にはフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル基、3−アミノ−4,6−ジフルオロフェニル基および4,6−ジフルオロ−3−メチルアミノフェニル基が好ましい。なお、アリール基は芳香族炭化水素化合物から導かれる基を意味している。フェニル基の他にはナフチル基を挙げることができるが、これ以上の三環性アリール基であってもよい。
ヘテロアリール基は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1以上の異原子を含む、5員環または6員環の芳香族複素環化合物から導かれる基である。特に窒素原子1または2を含む、5員環または6員環の含窒素複素環置換基がよい。例えば、ピリジル基、ピリミジル基等を挙げることができる。これらの環上の置換基としては、アルキル基やハロゲン原子等が好ましい。6−アミノ−3,5−ジフルオロ−2−ピリジル基が特に好ましい。
炭素数1から6のアルコキシ基としては、先に述べたアルキル基から導かれるアルコキシ基がよいが、これらのうちではメトキシ基が好ましい。炭素数1から6のアルキルアミノ基としては、アルキル部分については先に述べたアルキル基でよい。アルキルアミノ基としてはメチルアミノ基が好ましい。
置換基R1としては、環状アルキル基またはハロゲノシクロアルキル基が好ましい。これらのうちでもシクロプロピル基または2−ハロゲノシクロプロピル基が好ましい。このハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。
置換基R2は、炭素数1から6のアルキルチオ基または水素原子を表わすか、あるいはR1とR2とが、母核の一部を含んで(すなわち、R1が結合する窒素原子およびR2が結合する炭素原子を含むようにして)ポリメチレン鎖からなる環状構造を形成するように一体化してもよい。このようにして形成された環は、硫黄原子を環の構成原子として含んでもよく、さらにこの環は、炭素数1から6のアルキル基またはハロゲノアルキル基を置換基として有していてもよい。形成される環は、4員環から6員環の大きさのものでよく、さらにこの環は、飽和でも、不飽和であってもよい。形成された環上の置換基としては、メチル基またはフルオロメチル基が好ましい。このようにして形成される縮合環構造としては、次に示すものを挙げることができる。
Figure 2005194274
(式中、置換基R7は、メチル基等の炭素数1から6のアルキル基、フルオロメチル基等の炭素数1から6のハロゲノアルキル基、または水素原子を表わし、置換基R8は、フッ素原子等のハロゲン原子または水素原子を表わす。)
式(I)の化合物の置換基R2としては水素原子が好ましい。
置換基R3は、炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基(アラルキル基)、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、または3−アセトキシ−2−オキソブチル基である。
本願発明の化合物を抗菌目的で使用する場合、置換基R3が水素原子であるカルボン酸化合物を使用するのが好ましい。一方、カルボン酸部分がエステルとなったキノロン誘導体は合成中間体やプロドラッグとして有用である。これらについては後に詳しく述べる。
4は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、炭素数1から6のアルコキシ基、水素原子、アミノ基、水酸基、チオール基、またはハロゲノメチル基を表わすが、このうちのアミノ基は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から5のアシル基およびホルミル基からなる群から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい。なお、複数の基によって置換されるときは、全て同一種であっても、あるいは異なる種類が複数あってもいずれでもよい。
アルキル基としては、炭素数1から6の直鎖状、または分枝状のものでよいが、好ましくはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基およびイソプロピル基である。アルケニル基としては、炭素数2から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくはビニル基である。アルキニル基としては、炭素数2から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくはエチニル基である。ハロゲノメチル基のハロゲンとしては、特にフッ素原子が好ましく、その数は1から3でよい。アルコキシ基としては、炭素数1から6のものでよいが、好ましくはメトキシ基である。
置換基R4は、水素原子、アルキル基、またはアミノ基が好ましく、これらのうちでは、特に、水素原子、メチル基、または無置換のアミノ基(−NH2)が好ましい。
置換基R4が、アミノ基、水酸基、またはチオール基である場合、これらはこの分野において通常使用される保護基によって保護されていてもよい。
このような保護基の例としては、例えば、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等の(置換)アルコキシカルボニル基類;ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等の(置換)アラルキルオキシカルボニル基類;アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等の(置換)アシル基類;第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等の(置換)アルキル基類、または(置換)アラルキル基類;メトキシメチル基、第三級ブトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等の(置換)エーテル類;トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジフェニルシリル基等の(アルキルおよび/またはアラルキル)置換シリル基類を挙げることができる。(ここで『(置換)』とは、置換基を有していてもよいとの意味である。)これらの置換基によって保護されたアミノ基、水酸基、またはチオール基を有する化合物は、特に製造中間体として好ましい。
Aは、窒素原子または式(II)
Figure 2005194274
で表わされる部分構造のいずれかである。Aが式(II)の部分構造である場合、X1は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、炭素数1から6のアルコキシ基水素原子、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲノメチル基、またはハロゲノメトキシ基を表わすが、このうちのアミノ基は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から5のアシル基およびホルミル基からなる群から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい。
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましいが、フッ素原子と塩素原子が特に好ましい。アルキル基としては、炭素数1から6の直鎖状、または分枝状のものでよいが、好ましくは、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基およびイソプロピル基である。アルケニル基としては、炭素数2から6の直鎖状、または分枝状のものでよいが、好ましくはビニル基である。アルキニル基としては、炭素数2から6の直鎖状または分枝状のものでよいが、好ましくはエチニル基である。ハロゲノメチル基のハロゲンとしては、特にフッ素原子が好ましく、その数は1から3でよい。アルコキシ基としては炭素数1から6のものでよいが、好ましくはメトキシ基である。ハロゲノメトキシ基のハロゲンとしては特にフッ素原子が好ましく、その数は1から3でよい。
これらの置換基のうちでは、アルキル基またはアルコキシ基が好ましい。さらに好ましいものは、メチル基、エチル基、メトキシ基、およびジフルオロメトキシ基である。
さらにこのX1と先に述べたのR1とは、母核の一部を含んで(X1が結合する炭素原子およびR1が結合する窒素原子を含むようにして)ポリメチレン鎖からなる環状構造を形成するように一体化してもよく、このようにして形成された環は、酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を環の構成原子として含んでもよく、さらにこの環には、置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基が置換してもよい。
ここで形成される環は、5員環から7員環の大きさでよく、また環の構成原子は炭素原子だけに限定されることはなく、酸素原子、窒素原子、あるいは硫黄原子を含んでいてもよい。さらに形成される環は飽和でも不飽和であってもよい。ここで形成される環は、炭素数1から6のアルキル基を置換基として有していてもよい。このアルキル基としては、先に述べたアルキル基と同様に考えればよいが、好ましくはメチル基である。このアルキル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基等によって置換されていてもよい。
1とR1とから形成される環状構造を形成する部分構造としては、次式
−O−CH2−CH(−CH3)−
の構造のものがよく(右端が窒素原子に結合する)、とりわけ下記の構造のキノロン骨格が好ましい。
Figure 2005194274
Aが式(II)の部分構造である場合、R4とX1の組み合わせとして好ましいものは、R4が、炭素数1から6のアルキル基、アミノ基、水素原子、または水酸基であって、X1が、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルコキシ基、ハロゲノメトキシ基、または水素原子の場合である。
さらに好ましい組み合わせとしてはR4が、アミノ基、水素原子、水酸基、またはメチル基で、X1が、メチル基、メトキシ基、ジフルオロメトキシ基、または水素原子の場合である。
特に好ましい組み合わせとしては、R4が、水素原子、水酸基、またはメチル基で、X1がメチル基、またはメトキシ基の場合である。
置換基R5およびR6は、各々独立に、炭素数1から6のアルキル基または水素原子を表わすか、あるいはアミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボキシル基を表わす。
このアルキル基は、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のアルコキシ基、水酸基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい。
ここでアルキル基としては炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよいが、好ましくはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基およびイソプロピル基である。
アルキル基が水酸基を置換基として有する場合、アルキル基は、炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよく、また、水酸基はアルキル基の末端の炭素原子上に置換したものがより好ましい。水酸基を有するアルキル基としては炭素数3までのものがよく、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基等が好ましい。
アルキル基がハロゲン原子を置換基として有する場合、アルキル基は炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよく、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。またフッ素原子の数は、モノ置換からパーフルオロ置換までのいずれでもよい。モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等を例示することができる。
アルキル基がアルキルチオ基を置換基として有する場合、アルキル基は炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよく、アルキルチオ基も炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよい。アルキルチオ基を有するアルキル基としてはアルキルチオメチル基、アルキルチオエチル基、アルキルチオプロピル基が好ましく、さらにはアルキルチオ基も炭素数1から3までのものが好ましい。さらに好ましいものとして、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、メチルチオエチル基を挙げることができる。
アルキル基がアルコキシ基を置換基として有する場合、アルキル基は炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよく、アルコキシ基も炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよい。アルコキシ基を有するアルキル基としてはアルコキシメチル基、アルコキシエチル基、アルコキシプロピル基が好ましく、さらにはアルコキシ基も炭素数3までのものが好ましい。さらに好ましいものとして、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基を挙げることができる。
5およびR6の好ましい組み合せとしては、一方が水素原子であって、他方が水素原子、アルキル基、またはアミノ酸、ジペプチド、もしくはトリペプチド由来の置換カルボキシル基である場合が好ましい。このうちより好ましくは、R5およびR6のうちの一方が水素原子であって、他方が水素原子であるかまたはアルキル基である場合である。アルキル基としてはメチル基またはエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。したがって、R5およびR6がいずれも水素原子であるか、一方が水素原子であってもう一方がメチル基である組み合せが特に好ましい。特にこの組み合せの化合物が抗菌薬として好ましい生理活性を発現することができる。
置換基R5およびR6のどちらか一方が水素原子であって、もう一方が、アミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボキシル基であるキノロン誘導体はプロドラッグとして特に有用である。これに関する具体的な例は、後述する。
次にR1のハロゲノシクロプロピル基について述べる。
置換するハロゲン原子としてはフッ素原子および塩素原子を挙げることができるが、特にフッ素原子が好ましい。
この部分での立体化学的な環境は、シクロプロパン環に関し、ハロゲン原子とキノロンカルボン酸部分がシス配置であることが特に好ましい。さらにシス配置の置換基には2−(S)−ハロゲノ−1−(R)−シクロプロピル基と2−(R)−ハロゲノ−1−(S)−シクロプロピル基があるが、これらのうちでは前者が好ましい。
このR1のシス−2−ハロゲノシクロプロピル部分だけでいわゆる対掌体関係の異性体が存在するが、これらのいずれにも強い抗菌活性と高い安全性が認められた。
本願発明化合物は、キノロン母核、とりわけ2−(S)−ハロゲノ−1−(R)−シクロプロピル基を有する、1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸骨格の7位に、構造式Eに示す構造の置換基を有することにより優れた特徴を示す。
Figure 2005194274
この置換基において、ピロリジン環上の3位の不斉炭素原子に由来して、対掌体関係となる2種類の光学異性体が存在する。具体的には次のものである。
Figure 2005194274
一方、7−[3−(1−アミノメチル)ピロリジン−1−イル]キノロンカルボン酸誘導体において、7位(またはこれに相当する部位)置換基の立体配置に由来する2種類の光学活性体の構造活性相関、および7−[3−(1−アミノエチル)ピロリジン−1−イル]キノロンカルボン酸誘導において、7位置換基の立体配置に由来する4種類の光学活性体の構造活性相関が、ジャーナル オブ メディシナル ケミストリー、第36巻,1442頁(1994年)に記載されている。それには、次式に示す構造の光学異性体が、異性体の中で最も抗菌活性が高いことが記載されている。
Figure 2005194274
これらのピロリジン環の3位の立体配置から、構造式Fに示した2種類の光学異性体のうちでは、
Figure 2005194274
の方がより好ましいと本願発明者は考えた。したがって本願発明化合物のうち、より好ましい化合物は以下の構造のものである。
Figure 2005194274
すなわち、式(I)で表わされる、3−(1−アミノシクロアルキル)ピロリジン誘導体置換−6−水素置換キノロンカルボン酸、その塩、およびそれらの水和物が(特に上記ピロリジン環の3位がR配置である構造の化合物、その塩、およびそれらの水和物)、グラム陰性菌およびグラム陽性菌に対して幅広い強力な抗菌活性を示し、とりわけMRSA、PRSP、およびVREを含むグラム陽性球菌に代表される耐性菌に対して強力な抗菌活性を示すことが本願発明化合物の特徴である。それと共に、同様の構造の置換基を有していても、本願発明以前の化合物では達成し得なかった、臨床の場に共することが可能な、優れた安全性と良好な体内動態を兼ね備えていることも本願発明化合物の特徴である。
本願発明化合物の以上のような優れた性質は先に述べた置換基におけるnが整数の1または2である化合物において認められるが、特にnが整数の1である化合物において優れた効果が認められる。すなわち環状部分が3員環である化合物が好ましい化合物である。
本願発明化合物である式(I)の化合物がジアステレオマーの存在する構造であるとき、本発明化合物をヒトや動物に投与する際は単一のジアステレオマーからなる化合物を投与することが好ましい。この、『単一のジアステレオマーからなる』とは、他のジアステレオマーを全く含有しない場合だけでなく、化学的に純粋程度の場合を含むと解される。つまり、物理定数や、生理活性に対して影響がない程度であれば他のジアステレオマーが含まれてもよいと解釈されるのである。
また『立体化学的に単一な』とは、化合物等において不斉炭素原子が含まれるために異性体関係となる複数種の異性体が存在する場合において、それらのうちの1種のみにて構成されたものであることを意味する。この場合においてもこの『単一性』に関しても上記と同様に考える。
本願発明のキノロンカルボン酸誘導体は遊離体のままでもよいが、酸付加塩としてあるいはカルボキシル基の塩としてもよい。酸付加塩とする場合の例としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩類;あるいは、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩(スルホン酸塩類);酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩(カルボン酸塩類);等の有機酸塩類を挙げることができる。
またカルボキシル基の塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩類;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩類;アンモニウム塩、またトリエチルアミン塩やN−メチルグルカミン塩、トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩;等を例示することができるがこれらのうちの無機塩類、有機塩類の何れでもよい。
またキノロンカルボン酸誘導体の遊離体や酸付加塩、カルボキシル基の塩は水和物として存在することもある。
本願発明の化合物を抗菌目的で使用する場合、置換基R3が水素原子であるカルボン酸化合物を使用するのが好ましいが、一方、カルボン酸部分がエステルとなったキノロン誘導体は合成中間体やプロドラッグとして有用である。例えば、アルキルエステル類やベンジルエステル類、アルコキシアルキルエステル類、フェニルアルキルエステル類およびフェニルエステル類は合成中間体として有用である。
また、プロドラッグとして用いられるエステルとしては、生体内で容易に切断されてカルボン酸の遊離体を生成するようなエステルであり、例えば、アセトキシメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカルボニルエステル、コリンエステル、ジメチルアミノエチルエステル、5−インダニルエステルおよびフタリジニルエステル、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチルエステルそして3−アセトキシ−2−オキソブチルエステル等のオキソアルキルエステルを挙げることができる。
さらに、置換基R5およびR6のどちらか一方が水素原子であって、もう一方がアミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボキシル基であるキノロン誘導体はプロドラッグとして有用である。
この様なプロドラッグを得るために用いられるアミノ酸、ジペプチド、およびトリペプチドとしては、これらのカルボキシル基とキノロンカルボン酸誘導体の7位の置換基に存在するアミノ基から形成されるペプチド結合が生体内で容易に切断されてアミンの遊離体を生成するようなものであり、例えば、グリシン、アラニン、アスパラギン酸等のアミノ酸類、グリシン−グリシン、グリシン−アラニン、アラニン−アラニン等のジペプチド類、およびグリシン−グリシン−アラニン、グリシン−アラニン−アラニン等のトリペプチド類から導かれる置換カルボニル基を挙げることができる。
式(I)で表わされる本願発明の化合物は種々の方法により製造されるが、その好ましい一例を挙げれば、例えば、式(III)
Figure 2005194274
[式中、X2は、置換もしくは無置換のフェニルスルホニル基、炭素数が1から3の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子等の、脱離基として機能する置換基を表わし、
31は式(I)で定義したでR3あるか、または式(IV)
Figure 2005194274
(式中、Y32およびY33は、同一または異なって、フッ素原子あるいは炭素数2から4のアルキルカルボニルオキシ基を表わす。)
で表わされるホウ素含有置換基であり、
1、R2、R4、R5、R6、およびAは、式(I)において定義したものと同じである。]
で表わされる化合物を、式(V)
Figure 2005194274
[式中、R51およびR61は、各々独立に、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、またはアミノ基の保護基を表わし、さらに、このR51およびR61のどちらか一方が水素原子であって、もう一方が、無置換であるかあるいはアミノ基の保護基で保護されたアミノ基を有するアミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボキシル基を表わすが、
このアルキル基は、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のアルコキシ基、水酸基、およびハロゲン原子からなる群から選ばれる基を置換基として有していてもよく、
nは、式(I)で定義したものと同じである。]
で表わされる化合物あるいはその付加塩とを反応させる(付加塩の場合には塩を遊離体にする試剤の存在下において反応を実施する。)ことによって製造することができる。
酸付加塩の例としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩類;あるいは、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩(スルホン酸塩類);酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩(カルボン酸塩類);等の有機酸塩類を挙げることができる。
反応は、溶媒を使用して、または溶媒を使用せず行うことができる。反応に使用する溶媒は反応に対して悪影響を与えないものであればよく、例えばジメチルスルホキシド、ピリジン、アセトニトリル、エタノール、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、水、3−メトキシブタノール、またはこれらの混合物を挙げることができる。
反応は無機塩基または有機塩基のような酸受容体、例えば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩または炭酸水素塩等の無機塩基性化合物、あるいはトリエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロウンデセン、N−メチルピペリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基性化合物の存在下で行うのが好ましい。
反応温度は、通常、室温ないし200℃の温度範囲であればよく、好ましくは25〜150℃の範囲である。反応時間は、30分から48時間の範囲でよく、通常は30分から8時間程度で完結する。
アミノ基の保護基としては、この分野で通常使用されている保護基であればよく、例えば、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等の置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基類;ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等の置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基類;アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等の置換基を有していてもよいアシル基類;第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等の置換基を有していてもよいアルキル基類、または置換基を有していてもよいアラルキル基類;メトキシメチル基、第三級ブトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等の置換基を有していてもよいエーテル類;トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジフェニルシリル基等の置換シリル基類;を挙げることができる。
3およびR31が、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基から構成されるフェニルアルキル基(アラルキル基)の場合、カルボン酸エステルの加水分解に一般に用いる酸性または塩基性条件下で処理することによりカルボン酸に変換することができる。
31が、式(IV)の構造の場合、化合物(III)に対し化合物(V)を反応させた後、酸性または塩基性条件下で加水分解処理することによりカルボン酸に変換することができる。
また、脱保護が必要な場合は保護基に対応した適当な条件で保護基を除去して式(I)で示される目的化合物を得ることができる。
式(V)の化合物は、種々の方法により製造されるが、その一例としてPCT/JP96/00208号に示された方法を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
式(V)の化合物は、次式(VI)
Figure 2005194274
[式中、R512は、式(I)で定義したR5と同じであるか、またはアミノ基の保護基を表わし、R6およびnは、式(I)において定義したものと同じである。
また、Qは、アミノ基の保護基である。
アミノ基の保護基は、(置換)アルコキシカルボニル基、(置換)アラルキルオキシカルボニル基、(置換)アシル基、(置換)アルキル基、(置換)アラルキル基、および置換シリル基類からなる群から選ばれるものでよい。]
で表わされる化合物からQを除去して生成させることができる。
この上記の化合物は、塩、水和物、または塩の水和物としても存在し得る。酸付加塩の例としては無機酸塩および有機酸塩を挙げることができる。これらの具体例としては、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩類;あるいはメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩(スルホン酸塩類);酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩(カルボン酸塩類);等の有機酸塩類を挙げることができる。
512とQがいずれもアミノ基の保護基であるときに、これらは同一でも異なっていてもよいが、各々が異なる反応条件によって切断されるものである方が化合物(I)を製造するためには好都合である。
アミノ基の保護基であるR512とQとしては、以下のものを挙げることができる。すなわち、(置換)アルコキシカルボニル基類、(置換)アラルキルオキシカルボニル基類、(置換)アシル基類、(置換)アルキル基類、(置換)アラルキル基類、(置換)シリル基類である。
具体的には、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等の(置換)アルコキシカルボニル基類;ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等の(置換)アラルキルオキシカルボニル基類;アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等の(置換)アシル基類;第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等の(置換)アルキル基類または(置換)アラルキル基類;メトキシメチル基、第三級ブトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等の(置換)エーテル類;トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジフェニルシリル基等の置換シリル基類である。
保護基であるQを有する上記の化合物を使用して化合物(I)を製造する際には保護基Qを除去した後に反応させる必要がある。この際には保護基の除去後直ちに、いわゆるワンポット反応によって、化合物(III)または(V)との反応を行ってもよいし、また保護基を除去した後に一旦化合物(V)を単離してから反応させてもよい。
式(VI)の化合物は式(V)の化合物と同様に種々の方法により製造されるが、その一例として、PCT/JP96/00208号に示された方法を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
単一の異性体からなる式(I)の化合物の合成に好ましい、単一の異性体からなるシス−2−フルオロシクロプロピルアミンは、例えば、特開平2−231475号記載の方法で合成できる。この様にして得られた光学活性なシス−2−フルオロシクロプロピルアミン誘導体を原料とする、単一の異性体からなる式(I)の化合物の合成は、例えば、特開平2−231475号記載の方法によって実施することができる。
本願発明の化合物の具体例としては以下のものを挙げることができる;
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
5−アミノ−7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−フルオロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
5−アミノ−7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
5−アミノ−7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
10−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾオキサジン−6−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−(1−アミノシクロブチル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−(1−アミノシクロブチル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−(1−アミノシクロブチル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
7−[3−(R)−[1−(エチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
5−アミノ−7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
10−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾキサジン−6−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
1−(シクロプロピル)−8−メチル−7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸[次式];
Figure 2005194274
本願発明化合物は強い抗菌作用を有することから人体、動物、および魚類用の医薬としてあるいは農薬、食品の保存剤として使用することができる。
本願発明化合物を人体用の医薬として使用する場合、投与量は成人一日当たり50mgから1gの範囲でよく、好ましくは100mgから500mgの範囲である。
また動物用としての投与量は、投与の目的(治療あるいは予防等)、処置すべき動物の種類や大きさ、感染した病原菌の種類、程度によって異なるが、一日量として一般的には動物の体重1kg当たり1mgから200mgの範囲でよく、好ましくは5mgから100mgの範囲である。
この一日量を一日1回、あるいは2から4回に分けて投与する。なお、一日量は必要によっては上記の量を超えてもよい。
本願発明化合物は各種の感染症の原因となる広範囲の微生物類に対して活性であり、これらの病原体によって引き起こされる疾病を治療し、予防し、または軽減することができる。
本願発明化合物が有効なバクテリア類又はバクテリア様微生物類としてブドウ球菌属、化膿レンサ球菌、溶血レンサ球菌、腸球菌、肺炎球菌、ペプトストレプトコッカス属、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、シゲラ属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、緑膿菌、インフルエンザ菌、アシネトバクター属、カンピロバクター属、トラコーマクラミジア等を例示することができる。
また、これらの病原体によって引き起こされる疾病としては、毛嚢炎、せつ、よう、丹毒、蜂巣炎、リンパ管(節)炎、ひょう疽、皮下膿瘍、汗腺炎、集簇性ざ瘡、感染性粉瘤、肛門周囲膿瘍、乳腺炎、外傷・熱傷・手術創などの表在性二次感染、咽喉頭炎、急性気管支炎、扁桃炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、慢性呼吸疾患の二次感染、肺炎、腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、副睾丸炎、淋菌性尿道炎、非淋菌性尿道炎、胆のう炎、胆管炎、細菌性赤痢、腸炎、子宮付属器炎、子宮内感染、バルトリン腺炎、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、瞼板腺炎、角膜潰瘍、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、腹膜炎、心内膜炎、敗血症、髄膜炎、皮膚感染症等を例示することができる。
さらに、本願発明化合物が有効な抗酸菌類として、結核菌群[マイコバクテリウム(以下M.と略す)チュバクロシス、M.ボビウス、M.アフリカナム]や非定型抗酸菌群[M.カンサシイ、M.マライナム、M.スクロファセウム、M.アビウム、M.イントラセルラーレ、M.キセノビ、M.フォーチュイタム、M.チェロネー]等を例示することができる。
また、これらの病原体によって引き起こされる抗酸菌感染症は、その起因菌別に、結核症、非定型抗酸菌症、らいの3つに大きく分類される。結核菌感染症は、肺の他に、胸腔、気管・気管支、リンパ節、全身播種性、骨関節、髄膜・脳、消化器(腸・肝臓)、皮膚、乳腺、眼、中耳・咽頭、尿路、男性性器、女性性器等にみられる。非定型抗酸菌症(非結核性抗酸菌症)の主な羅患臓器は肺であり、その他にも局所リンパ節炎、皮膚軟部組織、骨関節、全身播種性型等を例示することができる。
また動物の感染症の原因となる各種の微生物、例えば、エシエリキア属、サルモネラ属、パスツレラ属、ヘモフィルス属、ボルデテラ属、スタヒロコッカス属、マイコプラズマ属等に有効である。
具体的な疾病名を例示すると鳥類では大腸菌症、ひな白痢、鶏パラチフス症、家禽コレラ、伝染性コリーザ、ブドウ球菌症、マイコプラズマ感染症等、豚では大腸菌症、サルモネラ症、パスツレラ症、ヘモフィルス感染症、萎縮性鼻炎、滲出性表皮炎、マイコプラズマ感染症等、牛では大腸菌症、サルモネラ症、出血性敗血症、マイコプラズマ感染症、牛肺疫、乳房炎等、犬では大腸菌性敗血症、サルモネラ感染症、出血性敗血症、子宮蓄膿症、膀胱炎等、そして猫では滲出性胸膜炎、膀胱炎、慢性鼻炎、ヘモフィルス感染症、仔猫の下痢、マイコプラズマ感染症等を挙げることができる。
本願発明化合物からなる抗菌製剤は、投与法に応じ適当な製剤を選択し、通常用いられている各種製剤の調製法にて調製できる。本発明化合物を主剤とする抗菌製剤の剤型としては例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤や、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性ないし水性の懸濁液等を経口用製剤として例示できる。
注射剤としては、製剤中に安定剤、防腐剤、溶解補助剤を使用することもあり、これらの補助剤を含むこともある溶液を容器に収納後、凍結乾燥等によって固形製剤として用時調製の製剤としても良い。また一投与量を容器に収納しても良く、また多投与量を同一の容器に収納しても良い。
また外用製剤として溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、スプレー等を例示できる。
固形製剤としては、活性化合物とともに製剤学上許容されている添加物を含んでよく、例えば、充填剤類や増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤類、潤滑剤類等を必要に応じて選択して混合し、製剤化することができる。
液体製剤としては、溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げることができるが添加剤として懸濁化剤、乳化剤等を含むこともある。
本発明化合物を動物に投与する方法としては、直接あるいは飼料中に混合して経口的に投与する方法、また溶液とした後、直接もしくは飲水、飼料中に添加して経口的に投与する方法、注射によって投与する方法等を例示することができる。
本発明化合物を動物に投与するための製剤としては、この分野に於いて通常用いられている技術によって、適宜、散剤、細粒剤、可溶散剤、シロップ剤、溶液剤、あるいは注射剤とすることができる。
次に製剤処方例を示す。
Figure 2005194274
Figure 2005194274
Figure 2005194274
次に本願発明を実施例と参考例により説明するが、本願発明はこれに限定されるものではない。
参考例1:エチル 2−(2,4−ジフルオロ−3−メチルベンゾイル)−3−ジメチルアミノアクリレート
2,4−ジフルオロ−3−メチル安息香酸(4.97g,28.9mmol)をトルエン(50ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.1ml)、チオニルクロライド(3.16ml,43.4mmol)を加えた後、80℃の油浴中にて14時間攪拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮した。残留物にトルエンを加え、減圧濃縮を繰り返した後、得られた残留物をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解した。この溶液を、エチル 3−ジメチルアミノアクリレート(4.97g,34.7mmol)とトリエチルアミン(5.04ml,36.1mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解した溶液中に、氷冷下にて滴下した。滴下終了後、反応液を10時間加熱還流した。反応終了後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を除去(ジエチルエーテル洗浄)し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をショートシリカゲルクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1溶出部より、黄色粉末状の標記化合物6.70g(78%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.95(3H,t,J=7.08Hz),2.18(3H,t,J=1.95Hz),2.92−3.24(6H,m),3.99(2H,q,J=7.08Hz),6.86(1H,dt,J=1.22,8.55Hz),7.43(1H,brs),7.75(1H,s).
IR(KBr,disk):3055,2985,2933,2875,2814,1942,1693,1630,1593,1477,1431,1379,1277,1255,1221cm-1
融点:82−84℃
元素分析値:C15172NO3として;
理論値:C, 60.60;H, 5.76;N, 4.71
実測値:C, 60.31;H, 5.73;N, 4.73
参考例2:エチル 7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート
エチル 2−(2,4−ジフルオロ−3−メチルベンゾイル)−3−ジメチルアミノアクリレート(1.06g,3.57mmol)をテトラヒドロフラン(15ml)に溶解し、(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピルアミンのパラトルエンスルホン酸塩(970mg,3.93mmol)を加え、−15℃にて攪拌下、トリエチルアミン(552μl,3.96mmol)をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解した溶液を滴下した。反応液を室温にて2時間攪拌後、室温下、炭酸カリウム(740mg,5.36mmol)とテトラブチルアンモニウムクロリド(49.6mg,0.179mmol)を加え、この反応懸濁液を5日間攪拌加熱還流した。反応液を冷却後、テトラヒドロフランを減圧留去した。残留物にジクロロメタン(10ml)を加え氷冷攪拌下、2mol/l塩酸を徐々に滴下してpHを約3に調整した。室温にて15分攪拌後、ジクロロメタン(60ml×3)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗結晶を酢酸エチル中でスラリー状態で攪拌精製して無色結晶の標記化合物を713mg(65%)得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.41(3H,t,J=7.08Hz),1.56−1.62(2H,m),2.66(3H,d,J=2.69Hz),3.85−3.89(1H,m),4.39(2H,q,J=7.08Hz),4.78−4.79 and 4.94−4.95(1H,dm,J=62.74Hz),7.13(1H,t,J=8.91Hz),8.36(1H,dd,J=6.71,8.91Hz),8.56(1H,d,J=2.93Hz).
IR(KBr,disk):3438,3097,2983,2939,2902,1907,1720,1630,1593,1566,1460,1429,1387,1367,1311,1250cm-1
融点:187−188℃
元素分析値:C16152NO3として;
理論値:C, 62.54;H, 4.92;N, 4.56
実測値:C, 62.41;H, 4.87;N, 4.53
参考例3:7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
エチル 7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(1.40g,4.56mmol)を酢酸(4ml)に溶解して濃塩酸(4ml)を加えた後、3時間加熱還流した。冷却後、反応液を氷水(50ml)中に注ぎ、析出した結晶をろ取した。ろ取した結晶を過剰の水で洗浄後、冷エタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄し、減圧乾燥後、白色粉末状の標記化合物を1.18g(93%)得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.48−1.72(2H,m),2.75(3H,t,J=2.56Hz),4.01(1H,dd,J=2.81,5.25Hz),4.83−4.84 and 4.98−5.00(1H,dm,J=62.74Hz),7.31(1H,dd,J=2.20,8.79Hz),8.40−8.44(1H,m),8.84(1H,d,J=2.69Hz),14.50(1H,brs).
IR(KBr,disk):3097,3014,2956,2642,1957,1728,1618,1566,1508,1469,1435,1389,1321,1254,1200cm-1
融点:250−253℃
[α]D 24.3=−50.00°(c 0.145,0.1mol/lNaOH)
元素分析値:C14112NO3として;
理論値:C, 60.22;H, 3.97;N, 5.02
実測値:C, 59.92;H, 3.98;N, 4.92
実施例1:7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−第三級ブトキシカルボニルアミノシクロプロピル]ピロリジン(185mg,817μmol)、トリエチルアミン(0.50ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(2ml)に加えた後、7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(190mg,681μmol)を加え、窒素雰囲気下、17時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残留物をクロロホルム(50ml)に溶解した。有機層を10%クエン酸水溶液(25ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(5ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(5ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(20ml×3)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とし、不溶物をろ去した。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×4)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をプレパラティブクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層にて展開)にて精製後、エタノールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物112mg(43%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δ:0.54(4H,d,J=5.61Hz),1.19−1.21(1H,m),1.58−1.62(1H,m),1.66−1.69(1H,m),2.00−2.01(1H,m),2.16−2.17(1H,m),2.35(3H,s),3.16−3.23(2H,m),3.37−3.42(1H,m),3.54−3.55(1H,m),4.04−4.05(1H,m),4.94−4.95 and 5.10−5.11(1H,dm,J=62.16Hz),7.01(1H,d,J=8.78Hz),7.95(1H,d,J=8.78Hz),8.43(1H,s).
IR(KBr,disk):3375,3062,3006,2925,2864,1728,1610,1508,1475,1431,1394,1348,1315,1257cm-1
融点:228−230℃
[α]D 24.7=−235.09°(c 0.285,0.1mol/lNaOH)
元素分析値:C2124FN33として;
理論値:C, 65.44;H, 6.28;N, 10.90
実測値:C, 65.10;H, 6.32;N, 10.76
参考例4:エチル 7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート
PCT/US98/19138号記載の方法により合成したエチル (2,4−ジフルオロ−3−メトキシ)ベンゾイルアセテート(48.8g,189mmol)、オルトギ酸トリエチル(78.6ml,472mmol)、無水酢酸(250ml)の混合物を外温120℃の油浴中にて6時間、加熱攪拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮、乾固した。得られた黄色油状物をトルエン(800ml)に溶解後、(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピルアミンのパラトルエンスルホン酸塩(60.1g,246mmol)を加え、−15℃にて攪拌下、トリエチルアミン(40.8ml,293mmol)をトルエン(200ml)に溶解した溶液を滴下した。反応液を室温にて4時間攪拌後、水(500ml)を加え、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水(500ml×2)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮、乾燥した。得られた黄色油状物を1,4−ジオキサン(600ml)に溶解し、水冷下、60%油状水素化ナトリウム(5.94g,242mmol)を徐々に加えた。反応混合液を室温にて30分間攪拌後、反応液を約300mlになるまで減圧濃縮した。得られた濃縮物を水冷下にて攪拌した1mol/l塩酸にゆっくり注ぎ、析出した結晶をろ取した。過剰の精製水、少量のエタノール、過剰のジエチルエーテルの順に結晶を洗浄後、得られた粗結晶を酢酸エチルにてスラリー変換精製して無色結晶の標記化合物を49.4g(80.9%)得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.42(3H,t,J=7.08Hz),1.55−1.64(2H,m),3.88−3.93(1H,m),4.04(3H,d,J=1.96Hz),4.39(2H,q,J=7.08Hz),4.78−4.79 and 4.94−4.95(1H,dm,J=62.61Hz),7.22(1H,t,J=8.79Hz),8.24(1H,dd,J=5.86,8.79Hz),8.60(1H,s).
融点:190−193℃(分解)
参考例5:7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
エチル 7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(34.0g,105mmol)を酢酸(400ml)に溶解して濃塩酸(400ml)を加えた後、3時間加熱還流した。冷却後、反応液を氷水(1500ml)中に注ぎ、析出した結晶をろ取した。ろ取した結晶を過剰の水で洗浄後、冷エタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄し、減圧乾燥後、得られた粗結晶をアセトニトリル−エタノールの混合溶媒から再結晶精製、減圧乾燥して白色粉末状の標記化合物を27.1g(87.4%)得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.45−1.75(2H,m),3.87−3.95(1H,m),4.03(3H,d,J=1.95Hz),4.79−4.81 and 4.97−4.99(1H,dm,J=62.68Hz),7.30(1H,t,J=8.79Hz),8.27(1H,dd,J=5.86,8.79Hz),8.76(1H,s).
融点:261−263℃(分解)
実施例2:7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−第三級ブトキシカルボニルアミノシクロプロピル]ピロリジン(165mg,731μmol)、トリエチルアミン(0.50ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(2ml)に加えた後、7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(180mg,609μmol)を加え、窒素雰囲気下、13時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残留物をクロロホルム(100ml)に溶解した。有機層を10%クエン酸水溶液(50ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(5ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(5ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×4)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とし、不溶物をろ去した。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×4)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をプレパラティブクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層にて展開)にて精製後、イソプロピルアルコールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物146mg(60%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δ:0.56(4H,brs),1.31−1.37(1H,m),1.50−1.56(1H,m),1.77−1.78(1H,m),2.02−2.04(1H,m),2.19−2.21(1H,m),3.31−3.32(1H,m),3.49−3.51(3H,m),3.50(3H,s),4.00−4.02(1H,m),4.93−4.94 and 5.09−5.10(1H,dm,J=62.87Hz),7.01(1H,s),7.90(1H,d,J=9.03Hz),8.39(1H,d,J=3.17Hz).
IR(KBr,disk):3373,3315,3091,3003,2976,2935,2856,1903,1714,1618,1518,1439,1371,1313,1261,1219cm-1
融点:189−192℃
[α]D 24.7=−50.83°(c 0.240,0.1mol/lNaOH)
元素分析値:C2124FN33として;
理論値:C, 62.83;H, 6.03;N, 10.47
実測値:C, 62.50;H, 6.04;N, 10.26
実施例3:7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン(132mg,585μmol)、トリエチルアミン(245μl,1.76mmol)を乾燥ジメチルスルホキシド(1ml)に加えた後、1−シクロプロピル−7−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸BF2キレート(181mg,585μmol)を加え、窒素雰囲気下、室温にて87時間攪拌した。反応液に冷水(50ml)を加え、析出した固体をろ取後、エタノール/水(9:1)の混合溶媒(200ml)に懸濁し、トリエチルアミン(1ml)を加え、7時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残留物をクロロホルム(100ml)に溶解し、有機層を10%クエン酸水溶液(50ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(2ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(2ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×3)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×4)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物99.6mg(46%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.55−0.57(4H,m),0.74−0.76(1H,m),0.90−0.92(1H,m),1.11−1.13(1H,m),1.24−1.26(1H,m),1.75−1.77(1H,m),2.03−2.05(1H,m),2.21−2.24(1H,m),2.48(3H,s),3.29−3.38(3H,m),3.53−3.55(1H,m),4.10−4.12(1H,m),7.07(1H,s),7.96(1H,s),8.57(1H,s).
融点:230−233℃.
比旋光度:[α]D 24.7=−169.35°(c 0.385,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C212533として
理論値:C 68.48%;H 6.86%;N 11.44%
実測値:C 68.46%;H 6.71%;N 11.38%
参考例6:エチル 2−(2,6−ジクロロニコチノイル)アセテート
モノエチル マロネート(6.61g,50.0mmol)を無水テトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、マグネシウムエトキシド(3.15g,28.0mmol)を氷冷下にて加えた後、室温にて3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮してモノエチル マロネートのマグネシウム塩を調製した。次いで、2,6−ジクロロニコチン酸(3.84g,20.0mmol)を無水テトラヒドロフラン(80ml)に溶解し、氷冷下、1,1−カルボニルジイミダゾール(4.87g,30.0mmol)を加えた後、室温にて1.5時間攪拌した。これに、氷冷下、先に調製したモノエチル マロネートのマグネシウム塩を無水テトラヒドロフラン(160ml)に溶解した溶液を10分間で滴下した。滴下終了後、徐々に室温に戻した後、4時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(200ml)を加え、有機層を10%クエン酸水溶液(150ml×2)、飽和重曹水(150ml)、飽和食塩水(150ml)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1溶出部より、標記化合物4.24g(81%)を淡桃色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CHCl3)δ:1.12−1.40(3H,m),4.08(1H,s),4.15−4.35(2H,m),5.72(0.5H,s),7.37(1H,dd,J=14.5,8.1Hz),9.49(1H,dd,J=16.4,8.1Hz),12.52(0.5H,s).
参考例7:エチル 2−(2,6−ジクロロニコチノイル)−3−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピルアミノ]アクリレート
エチル 2−(2,6−ジクロロニコチノイル)アセテート(7.03g,26.8mmol)を無水酢酸(30ml)に溶解し、オルトギ酸トリエチル(60ml)を加えた後、2時間140℃の油浴中で攪拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮して得られた残留物にトルエン(50ml)を加え、減圧濃縮操作を行った。この操作を3回繰り返し、得られた残留物を減圧乾燥してエチル 2−(2,6−ジクロロニコチノイル)−3−エトキシアクリレート8.42gを黄色油状物として得た。
次いで、この粗エチル 2−(2,6−ジクロロニコチノイル)−3−エトキシアクリレート(2.11g,6.62mmol)と2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピルアミンのパラトルエンスルホン酸塩(2.45g,9.91mmol)をジクロロメタン(30ml)に懸濁し、−15℃にて攪拌下、トリエチルアミン(2.77ml,19.87mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、反応液を室温にて15時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100ml)を加え、有機層を10%クエン酸水溶液(80ml)、飽和重曹水(80ml)、飽和食塩水(80ml)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して標記化合物2.10g(90%、2工程)を黄褐色油状物(E/Z体混合物)として得た。尚、この成績体は精製せずに次の反応に使用した。
1H−NMR(400MHz,CHCl3)δ:0.85−0.89(0.7H,m),1.00−1.04(2.3H,m),1.23−1.38(2H,m),3.01(1H,m),3.94−4.05(2H,m),4.65−4.84(1H,m),7.27−7.31(1H,m),7.50−7.57(1H,m),8.29−8.38(1H,m),11.02(0.8H,brd,J=12.5Hz).
参考例8:エチル 7−クロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシレート
エチル 2−(2,6−ジクロロニコチノイル)−3−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピルアミノ]アクリレート(2.07g,5.97mmol)を1,4−ジオキサン(30ml)に溶解後、5℃にて攪拌下、60%油状水素化ナトリウム(287mg,7.18mmol)を徐々に加えた。反応懸濁液を室温にて1.5時間攪拌後、減圧濃縮した。残留物をクロロホルム(100ml)に溶解し、有機層を10%クエン酸水溶液(80ml)、飽和重曹水(80ml)、飽和食塩水(80ml)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物にジエチルエーテルを加え、析出した結晶をろ取、ジエチルエーテル洗後、60℃にて16時間減圧乾燥して標記化合物1.25g(67%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,CHCl3)δ:1.41(3H,t,J=7.1Hz),1.59−1.72(2H,m),3.58−3.63(1H,m),4.41(2H,q,J=7.1Hz),4.93−5.12(1H,m),7.39−7.41(1H,m),8.65−8.68(2H,m).
MS(m/z):310(M+).
参考例9:7−クロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸
エチル 7−クロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボキシレート(567mg,1.83mmol)、酢酸(4ml)、および濃塩酸(2ml)の混合物を2.5時間加熱還流した。反応液を氷冷後、反応液に氷水(20ml)を注ぎ、析出した結晶をろ取し、過剰量の水、少量の冷エタノール、過剰のジエチルエーテルにて洗浄後、80℃にて18時間減圧乾燥して標記化合物449mg(87%)を白色針状晶として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.70−1.80(2H,m),3.73−3.79(1H,m),4.98−5.17(1H,m),7.56(1H,d,J=8.3Hz),8.73(1H,d,J=8.5Hz),8.97(1H,s),14.11(1H,brs).
融点:215−220℃.
比旋光度:[α]D 24.5=+26.90°(c 0.422,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C128ClFN23として
理論値:C 50.99%;H 2.85%;N 9.91%
実測値:C 50.90%;H 2.71%;N 9.91%
MS(m/z):282(M+).
実施例4:7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(339mg,1.50mmol)、トリエチルアミン(1.39ml)を乾燥アセトニトリル(10ml)に加えた後、7−クロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(283mg,1.00mmol)を加え、窒素雰囲気下、1.5時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残留物を酢酸エチル(100ml)とジクロロメタン(50ml)の混合溶液に溶解し、有機層を10%クエン酸水溶液(50ml)、飽和食塩水(50ml)の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(15ml)を滴下した後、同温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(10ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×4)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH11.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の混合物の下層(100ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物263mg(74%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.49−0.55(4H,m),1.50−1.75(3H,m),1.95−2.15(2H,m),3.00−3.80(5H,m),4.90−5.15(1H,m),6.38(1H,dm,J=9.1Hz),8.01(1H,d,J=9.1Hz),8.31(1H,s).
IR(KBr,disk)ν:3089,3008,2871,1712,1624,1566,1508,1446,1379,1333,1257,1187,1136,1095,1024,985cm-1
融点:216−218℃.
比旋光度:[α]D 24.5=+63.50°(c 0.310,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C1921FN43として
理論値:C 61.28%;H 5.68%;N 15.04%
実測値:C 61.17%;H 5.66%;N 15.04%
MS(m/z):373([M+H])+
参考例10:エチル 2,4−ジフルオロベンゾイルアセテート
窒素雰囲気下、モノエチル マロネート(9.25g,70.0mmol)を無水テトラヒドロフラン(150ml)に溶解し、マグネシウムエトキシド(4.17g,36.8mmol)を氷冷下にて加えた後、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮してモノエチル マロネートのマグネシウム塩を調製した。次いで、2,4−ジフルオロ安息香酸(7.91g,50.0mmol)を無水テトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、氷冷下、1,1−カルボニルジイミダゾール(8.52g,52.5mmol)を加えた後、室温にて1時間攪拌した。これに、氷冷下、先に調製したモノエチル マロネートのマグネシウム塩を無水テトラヒドロフラン(60ml)に溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、徐々に室温に戻した後、16時間攪拌した。反応液にトルエン(100ml)を加え、有機層を10%クエン酸水溶液(200ml)、飽和重曹水(150ml)、飽和食塩水(150ml)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1溶出部より、標記化合物11.0g(95%)を淡黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CHCl3)δ:1.24−1.36(3H,m),3.95(2H×2/3,d,J=3.66Hz),4.20−4.30(2H,m),5.80(1H×1/3,s),6.86−7.02(2H,m),7.88−8.04(1H,m),12,72(1H×1/3,s).
参考例11:エチル 7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート
エチル 2,4−ジフルオロベンゾイルアセテート(5.50g,24.1mmol)、オルトギ酸トリエチル(8.00ml,48.2mmol)、および無水酢酸(6.8ml)の混合物を120℃の油浴中にて16時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、残留物にトルエン(30ml)を加え、再び減圧濃縮後、減圧乾燥して黄色油状物を得た。これをトルエン(100ml)に溶解し、2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピルアミンのパラトルエンスルホン酸塩(6.46g,26.1mmol)を加えた後、−15℃にて攪拌下、トリエチルアミン(4.95ml,35.6mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、反応液を室温にて18時間攪拌し、反応液に水(150ml)を加えた後、酢酸エチル(150ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(150ml)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して褐色油状物を得た。これをジメチルホルムアミド(35ml)に溶解し、炭酸カリウム(6.55g,47.4mmol)を加え、室温にて21時間攪拌した。氷冷攪拌下、反応懸濁液に2mol/l塩酸(50ml)をゆっくり加えた後、室温下、6時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、過剰量の水、少量の冷エタノール、過剰量のジエチルエーテルにて洗浄した。得られた粗結晶を酢酸エチルにて再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物5.92g(84%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CHCl3)δ:1.41−1.43(3H,m),1.69−1.76(2H,m),3.39(1H,brs),4.37−4.43(2H,m),5.09(1H,dm,J=62.46Hz),7.16−7.22(1H,m),7.41−7.44(1H,m),8.49−8.57(2H,m).
融点:227−230℃.
参考例12:7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
エチル 7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(4.08g,13.9mmol)、酢酸(9ml)、および濃塩酸(9ml)の混合物を21時間加熱還流した。反応液を氷冷後、反応液に氷水(50ml)を注ぎ、析出した結晶をろ取し、過剰量の水、少量の冷エタノール、過剰のジエチルエーテルにて洗浄後、80℃にて16時間減圧乾燥して標記化合物3.51g(95%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.78−1.84(2H,m),3.52−3.53(1H,m),5.13(1H,dm,J=64.59Hz),7.31−7.36(1H,m),7.59(1H,d,J=9.26Hz),8.54−8.58(1H,m),14.55(1H,s).
融点:302−305℃.
比旋光度:[α]D 24.3=+0.38°(c 0.560,0.1mol/lNaOH).
実施例5:7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(203mg,817μmol)、トリエチルアミン(0.5ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(1ml)に加えた後、7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(197mg,743μmol)を加え、窒素雰囲気下、15時間加熱還流した。放冷後、反応液に氷冷下にて水(30ml)を加え、析出した結晶をろ取し、充分に水洗した。得られた結晶に氷冷下にて濃塩酸(5ml)を滴下した後、同温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(10ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×2)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×3)、クロロホルム:メタノール=95:5(100ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物203mg(74%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.50−0.54(4H,m),1.63−1.68(3H,m),2.00−2.12(2H,m),2.94−2.97(1H,m),3.16−3.36(4H,m),5.16(1H,dm,J=62.40Hz),6.43(1H,s),6.67(1H,d,J=9.02Hz),7.97(1H,d,J=9.02Hz),8.32(1H,s).
IR(KBr,disk)ν:3087,3008,2951,2858,1699,1681,1520,1471,1458,1396,1363,1371,1250cm-1
融点:251−253℃.
比旋光度:[α]D 24.3=+41.90°(c 0.160,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C2022FN33として
理論値:C 64.68%;H 5.97%;N 11.31%
実測値:C 64.69%;H 5.96%;N 11.25%
参考例13:7−ブロモ−1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸BF 2 キレート
エチル 7−ブロモ−1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(2.01g,5.00mmol)、酢酸(5ml)、および無水酢酸(5ml)の混合溶液を110℃の油浴中で加熱しながら、攪拌下にボラントリフルオリド−テトラヒドロフラン錯体(0.83ml,7.50mmol)を5分かけて滴下した。反応液を同温にて1.5時間攪拌後、氷冷下、過剰のジエチルエーテルを加え、析出した個体をろ取(ジエチルエーテル洗浄)した。室温にて減圧乾燥後、標記化合物2.06g(98%)を薄灰色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,d6−DMSO)δ:1.15−1.30(4H,m),4.43(1H,m),7.20(1H,t,J=71.9Hz),8.25(1H,d,J=8.8Hz),8.38(1H,d,J=8.8Hz),9.36(1H,s).
実施例6:7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン(338mg,1.50mmol)、トリエチルアミン(209μl,1.50mmol)を乾燥ジメチルスルホキシド(2ml)に加えた後、7−ブロモ−1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸BF2キレート(422mg,1.00mmol)を加え、窒素雰囲気下、室温にて39時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、濃縮物にエタノール(20ml)、トリエチルアミン(4ml)、および水(4ml)を加え、3時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残留物をクロロホルム(100ml)に溶解し、有機層を10%クエン酸水溶液(50ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(5ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に3mol/l塩酸(30ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×2)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH11.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(50ml×2)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノール/ジエチルエーテルの混合溶媒から再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物31mg(8%)を黄色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.57(4H,brs),0.81(1H,m),1.03(1H,m),1.11(1H,m),1.25(1H,m),1.78(1H,m),2.05(1H,m),2.22(1H,m),3.35−3.60(4H,m),4.08(1H,m),6.45(1H,dd,J=76.3,73.8Hz),7.07(1H,d,J=9.3Hz),8.00(1H,d,J=9.3Hz),8.46(1H,s).
融点:206−207.5℃.
比旋光度:[α]D 24.5=−67.70°(c 0.295,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C2123234・0.25CH3CH2OHとして
理論値:C 59.92%;H 5.73%;N 9.75%
実測値:C 59.85%;H 5.62%;N 9.68%
参考例14:エチル 6−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−5−ニトロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート
エチル 6,7−ジフルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−5−ニトロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(10.04g、27.12mmol)をジメチルホルムアミド(150ml)に溶解し、氷冷攪拌下、28%アンモニア水(32.1ml)を滴下した。反応液を封管中、室温にて4時間攪拌後、反応液をメタノール(200ml)に溶解後、減圧濃縮した。得られた残留物を2−プロパノール/クロロホルム/28%アンモニア水の混合溶媒から再結晶精製し、減圧乾燥後、標記化合物7.07g(71%)を黄色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.35−1.44(5H,m),2.67(3H,d,J=3.41Hz),3.81−3.87(1H,m),4.33−4.41(3H,m),4.75−4.78(0.5H,m),4.90−4.94(0.5H,m),8.47(1H,d,J=3.41Hz).
元素分析値:C1615235として
理論値:C 52.32%;H 4.12%;N 11.44%
実測値:C 52.62%;H 4.16%;N 11.12%
参考例15:エチル 7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−5−ニトロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート
亜硝酸イソアミル(2.56ml,19.1mmol)をジメチルホルムアミド(40ml)に加え、65℃にて攪拌下、エチル 6−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−5−ニトロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(5.00g,13.6mmol)をジメチルホルムアミド(60ml)に溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を65℃にて4時間攪拌した後、放冷し、水(500ml)に注いだ。クロロホルム(200ml×3)にて抽出後、合わせた有機層を1mol/l塩酸(200ml)、飽和食塩水(100ml×2)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=30:1溶出部より標記化合物2.91g(61%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.37(3H,t,J=7.08Hz),1.40−1.67(2H,m),2.70(3H,d,J=2.93Hz),3.89−3.93(1H,m),4.34−4.40(2H,m),4.79−4.83(0.5H,m),4.95−4.98(0.5H,m),8.55(1H,d,J=2.93Hz).
参考例16:エチル 5−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート
エチル 7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−5−ニトロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(2.50g,7.10mmol)をアセトニトリル(20ml)に溶解し、5%パラジウム炭素触媒(水分50%;1.0g)を添加し、常圧の水素雰囲気下、室温にて20時間攪拌した。触媒をろ去後(メタノール洗浄)、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物を酢酸エチル(10ml)に溶解後、30分間加熱還流した。更にn−ヘキサン(10ml)を加えて30分間加熱還流した後、室温下に静置した。析出した結晶をろ取し、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1混合溶液にて洗浄後、60℃にて16時間減圧乾燥して標記化合物869mg(38%)を黄色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.23−1.36(1H,m),1.38(3H,t,J=7.08Hz),1.43−1.56(1H,m),2.39(3H,d,J=2.20Hz),3.70−3.77(1H,m),4.37(2H,q,J=7.08Hz),4.71−4.75(0.5H,m),4.87−4.90(0.5H,m),6.20(1H,d,J=11.96Hz),8.37(1H,d,J=3.42Hz).
参考例17:5−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
エチル 5−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(735mg,2.28mmol)を酢酸:水=1:1混合溶液(8ml)に溶解し、濃硫酸(90μl)を添加後、120℃の油浴中にて4時間攪拌した。反応液を氷冷後、水(20ml)を注ぎ、反応混合液を室温にて2時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、過剰の水、少量の冷エタノール、過剰のジエチルエーテルの順に洗浄後、80℃にて17時間減圧乾燥して標記化合物552mg(82%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:1.23−1.38(1H,m),1.56−1.66(1H,m),2.39(3H,d,J=2.20Hz),4.14−4.22(1H,m),4.96−5.00(0.5H,m),5.12−5.16(0.5H,m),6.50(1H,d,J=12.70Hz),8.60(1H,d,J=3.17Hz).
比旋光度:[α]D 24.3=−111.00°(c 0.510,0.1mol/lNaOH).
実施例7:5−アミノ−7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(643mg,2.55mmol)、トリエチルアミン(0.5ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(1ml)に加えた後、5−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(250mg,850μmol)を加え、窒素雰囲気下、封管中、70℃にて37時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、得られた残留物を酢酸エチル(100ml)に溶解後、10%クエン酸水溶液(50ml)、飽和食塩水(30ml)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をショートシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=30:1溶出物から得られた粗結晶に、氷冷下にて濃塩酸(5ml)を滴下した後、同温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(10ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×2)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×3)にて抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物32mg(9%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.54−0.57(1H,m),0.60−0.67(1H,m),1.23−1.55(3H,m),1.74−1.85(1H,m),1.97−2.17(2H,m),2.33(3H,s),3.18−3.27(2H,m),3.43−3.47(1H,m),3.54−3.63(1H,m),3.71−3.78(1H,m),4.77−4.79(0.5H,m),4.93−4.96(0.5H,m),6.00(1H,s),8.56(1H,d,J=3.66Hz).
IR(KBr,disk)ν:3402,3344,3276,3097,2918,2864,1724,1616,1548,1506,1477,1441,1408cm-1
融点:240−242℃(分解).
比旋光度:[α]D 23.5=−225.91°(c 0.525,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C2125FN43として
理論値:C 62.99%;H 6.29%;N 13.99%
実測値:C 62.86%;H 6.38%;N 13.76%
参考例18:エチル 6−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−5−ニトロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート
エチル 6,7−ジフルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−5−ニトロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(13.96g,36.14mmol)をジメチルホルムアミド(180ml)に溶解し、氷冷攪拌下、28%アンモニア水(60ml)を滴下した。反応液を室温にて64時間攪拌後、反応液に水(100ml)を加えた後、減圧濃縮した。得られた含水の残留物を酢酸エチル(100ml×3)にて抽出後、合わせた有機層を水(150ml×3)、飽和食塩水(200ml)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=30:1溶出部より標記化合物8.92g(64%)を淡赤色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.37(3H,t,J=7.0Hz),1.49(1H,ddd,J=9.5,6.0,3.5Hz),1.53−1.58(1H,m),3.68(1H,dt,J=8.5,5.5Hz),4.11(3H,d,J=2.5Hz),4.36(2H,dq,J=7.0,1.5Hz),4.51(2H,br),4.83(1H,ddt,J=63.3,5.5,3.5Hz),8.47(1H,s).
IR(KBr,disk)ν:3379,1724,1608,1525,1471,1323,1259,1063cm-1
HRMS(FAB):C1616236(M++1)として
理論値:384.1007
実測値:384.0974
参考例19:エチル 7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−5−ニトロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート
亜硝酸イソアミル(3.81g,32.5mmol)をジメチルホルムアミド(60ml)に加え、70℃にて攪拌下、エチル 6−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−5−ニトロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(8.90g,23.2mmol)をジメチルホルムアミド(120ml)に溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を70℃にて1時間攪拌、放冷後、水(500ml)に注いだ。酢酸エチル(300ml×3)にて抽出後、合わせた有機層を1mol/l塩酸(300ml)、飽和食塩水(200ml×2)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた粗結晶をエタノールにて再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物3.81g(45%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.37(3H,t,J=7.0Hz),1.55(1H,ddd,J=9.5,6.0,3.5Hz),1.59−1.69(1H,m),3.93(1H,dt,J=8.5,5.5Hz),4.11(3H,t,J=2.5Hz),4.37(2H,dq,J=7.0,1.5Hz),4.86(1H,dddd,J=63.0,6.0,5.5,3.5Hz),7.20(1H,d,J=10.0Hz),8.55(1H,d,J=1.5Hz).
IR(KBr,disk)ν:3062,1722,1639,1602,1544,1425,1328,1259,1057cm-1
融点:167−170℃(分解).
元素分析値:C1614226として
理論値:C 52.18%;H 3.89%;N 7.61%
実測値:C 51.97%;H 3.78%;N 7.56%
参考例20:エチル 5−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート
エチル 7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−5−ニトロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(3.71g,10.1mmol)をアセトニトリル(50ml)に溶解し、5%パラジウム炭素触媒(水分50%,1.5g)を添加し、常圧の水素雰囲気下、室温にて20時間攪拌した。触媒をろ去後(メタノール洗浄)、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=30:1溶出部より標記化合物2.68g(79%)を黄色アモルファスとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.38(3H,t,J=7.0Hz),1.43−1.57(2H,m),3.75−3.82(4H,m),4.37(2H,q,J=7.0Hz),4.81(1H,ddt,J=62.5,6.5,3.5Hz),6.24(1H,d,J=13.0Hz),8.37(1H,d,J=2.0Hz).
HRMS(FAB):C1617224(M++1)として
理論値:339.1156
実測値:339.1150
参考例21:5−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
エチル 5−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート(2.68g,7.92mmol)、酢酸(20ml)、および濃塩酸(20ml)の混合物を3時間加熱還流した。反応液を氷冷後、水(200ml)を注ぎ、析出した結晶をろ取した。過剰の水、少量の冷エタノール、過剰のジエチルエーテルの順に洗浄後、得られた粗結晶をクロロホルム/メタノールの混合溶媒にて再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物1.26g(51%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:1.54−1.64(2H,m),3.76(3H,s),4.02−4.07(1H,m),4.89−5.10(1H,m),6.59(1H,d,J=14.0Hz),7.73(2H,br),8.57(1H,d,J=1.5Hz).
IR(KBr,disk)ν:3432,3328,1699,1576,1518,1281,1236cm-1
融点:291−298℃(分解).
比旋光度:[α]D 25.0=+40.01°(c 0.305,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C1412224として
理論値:C 54.20%;H 3.90%;N 9.03%
実測値:C 54.10%;H 3.86%;N 9.02%
実施例8:5−アミノ−7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(788mg,3.48mmol)、トリエチルアミン(2ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(1ml)に加えた後、5−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(621mg,2.00mmol)を加え、窒素雰囲気下、封管中、90℃にて168時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、得られた残留物をクロロホルム(200ml)に溶解後、10%クエン酸水溶液(100ml)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物に、氷冷下にて濃塩酸(10ml)を滴下した後、同温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(20ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×3)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.8に調整後、クロロホルム(100ml×3)にて抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノール−ジエチルエーテルの混合溶媒より再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物74mg(9%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.48−0.53(4H,m),1.09−1.21(1H,m),1.32−1.43(1H,m),1.64−1.75(1H,m),1.93−2.01(1H,m),2.10−2.23(1H,m),3.21−3.23(1H,m),3.21−2.27(1H,m),3.36−3.43(6H,m),3.79−3.84(1H,m),4.85−4.84(1H,m),4.85−5.04(1H,m),6.06(1H,s),8.01(1H,d,J=3.5Hz).
IR(KBrdisk)ν:3454,3410,1716,1617,1577,1548,1511,1232,1016cm-1
融点:172−178℃(分解).
元素分析値:C2125FN44・0.75H2Oとして
理論値:C 58.66%;H 6.21%;N 13.03%
実測値:C 58.58%;H 6.02%;N 12.76%
参考例22:エチル 3−ジメチルアミノ−2−(2,3,4−トリフルオロベンゾイル)アクリレート
2,3,4−トリフルオロ安息香酸(10.3g,58.5mmol)、塩化チオニル(6.4ml,87.8mmol)、および触媒量のジメチルホルムアミドの混合液を30分間加熱還流した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、残留物に(トルエン,30ml)を加え、再び減圧濃縮した。得られた残留物をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解し、氷冷攪拌下、この溶液をエチル β−ジメチルアミノアクリレート(9.20g,64.3mmol)とトリエチルアミン(10.2ml,73.1mmol)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液に加えた。反応混合液を室温にて1.5時間攪拌し、次いで16.5時間加熱還流した。放冷後、析出した固体分をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1溶出部より標記化合物15.1g(86%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.00(3H,t,J=7.1Hz),2.88(3H,brs),3.33(3H,brs),4.01(2H,q,J=7.1Hz),6.95−7.01(1H,m),7.34(1H,brs),7.80(1H,s).
参考例23:エチル 10−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾキサジン−6−カルボキシレート
エチル 3−ジメチルアミノ−2−(2,3,4−トリフルオロベンゾイル)アクリレート(15.0g,49.8mmol)をエタノール(30ml)に溶解し、これに(S)−2−アミノ−1−プロパノール(4.50g,59.8mmol)のエタノール(10ml)溶液を氷冷攪拌下にて滴下した。滴下終了後、反応液を室温にて1時間攪拌し、減圧濃縮した。得られた残留物をジメチルスルホキシド(50ml)に溶解し、スプレードライのフッ化カリウム(16g)を加えた後、120℃にて26時間攪拌した。放冷後、反応懸濁液を減圧濃縮し、残留物にクロロホルム(200ml)と水(200ml)を加え、分液操作後、水層をクロロホルム(100ml)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(100ml)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=50:1溶出部より標記化合物5.60g(39%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.41(3H,t,J=7.1Hz),1.61(3H,d,J=7.1Hz),4.33−4.44(5H,m),7.18(1H,t,J=10.0Hz),8.06(1H,dd,J=10.0,5.4Hz),8.39(1H,s).
参考例24:10−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾキサジン−6−カルボン酸
エチル 10−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾキサジン−6−カルボキシレート(5.60g,19.2mmol)、酢酸(25ml)、および濃塩酸(25ml)の混合物を4時間加熱還流した。反応液を氷冷後、水(100ml)を加え、析出した結晶をろ取し、過剰の水、少量の冷エタノール、過剰のジエチルエーテルの順に洗浄した。得られた粗結晶をエタノール(40ml)に懸濁し、室温下、攪拌した。結晶をろ取し、エタノールで洗浄後、80℃にて17時間減圧乾燥して標記化合物4.10g(81%)を白色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:1.47(3H,d,J=6.8Hz),4.44(1H,d,J=9.6Hz),4.62(1H,d,J=9.6Hz),4.99(1H,q−like,J=6.8Hz),7.59(1H,t,J=9.1Hz),7.95(1H,dd,J=9.1,5.4Hz),9.07(1H,s).
元素分析値:C1310FNO4として
理論値:C 59.32%;H 3.83%;N 7.22%
実測値:C 59.60%;H 3.95%;N 6.99%
実施例9:10−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾキサジン−6−カルボン酸
3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン(252mg,1.12mmol)、トリエチルアミン(0.50ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(3ml)に加えた後、10−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド−[1,2,3−de][1,4]ベンゾキサジン−6−カルボン酸(244mg,928μmol)を加え、窒素雰囲気下、100℃の油浴中、18時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物をクロロホルム(100ml)に溶解した。有機層を10%クエン酸水溶液(50ml)及び飽和食塩水(50ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(6ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に水4mlを加え、この酸性水溶液をクロロホルム(10ml×3)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×3)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物125mg(36.5%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.57(4H,s),1.54(3H,d,J=6.80Hz),1.66−1.78(1H,m),2.01−2.11(1H,m),2.19−2.30(1H,m),3.38−3.60(4H,m),4.25(1H,d,J=11.0Hz),4.47(1H,d,J=11.0Hz),4.55−4.63(1H,m),7.11(1H,d,J=9.03Hz),7.81(1H,d,J=9.03Hz),8.32(1H,s).
IR(KBr,disk)ν:1634,1529,1446,1429,1363,1269,1227,798cm-1
融点:249−252℃(分解).
元素分析値:C202334・HCl・0.5H2Oとして
理論値:C 57.90%;H 6.07%;N 10.13%
実測値:C 57.65%;H 5.87%;N 9.97%
実施例10:1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(118mg,436μmol)、トリエチルアミン(0.50ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(1ml)に加えた後、7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(122mg,436μmol)を加え、窒素雰囲気下、100℃の油浴中にて18時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残留物をクロロホルム(100ml)に溶解した。有機層を10%クエン酸水溶液(100ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(2ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(2ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×3)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×3)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をプレパラティブクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層にて展開)にて精製後、エタノールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物72.8mg(42%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.59−0.64(4H,m),1.21−1.27(1H,m),1.50−1.64(2H,m),1.99−2.01(1H,m),2.34(3H,s),2.42(3H,s),2.87−2.89(1H,m),3.27−3.29(3H,m),3.63−3.65(1H,m),4.06−4.07(1H,m),5.05(1H,dm,J=63.72Hz),7.09(1H,m),8.00(1H,s),8.44(1H,s).
IR(KBr,disk)ν:3348,3086,2939,2844,2789,1711,1614,1518,1435,1354,1315,1257,1221cm-1
融点:223−224℃.
比旋光度:[α]D 24.7=−119.66°(c 0.295,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C2226FN33として
理論値:C 66.15%;H 6.56%;N 10.52%
実測値:C 65.92%;H 6.52%;N 10.40%
実施例11:1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メトキシ−7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(102mg,379μmol)、トリエチルアミン(0.50ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(1ml)に加えた後、7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(112mg,379μmol)を加え、窒素雰囲気下、100℃の油浴中で15時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物をクロロホルム(100ml)に溶解した。有機層を10%クエン酸水溶液(100ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(2ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(2ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×4)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×3)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をプレパラティブクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層にて展開)にて精製後、エタノールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物78.3mg(50%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.57−0.61(4H,m),1.33−1.40(1H,m),1.56−1.58(2H,m),1.99−2.01(1H,m),2.34(3H,s),2.87−2.89(1H,m),3.15−3.17(1H,m),3.52−3.54(3H,m),3.53(3H,s),4.00−4.02(1H,m),5.02(1H,dm,J=64.45Hz),7.03(1H,s),7.92(1H,d,J=7.03Hz),8.39(1H,s).
IR(KBr,disk)ν:3352,3095,3051,2939,2837,2787,1716,1699,1616,1520,1439,1358,1319,1259,1221cm-1
融点:213−215℃.
比旋光度:[α]D 24.7=−38.46°(c 0.195,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C2226FN34として
理論値:C 63.60%;H 6.31%;N 10.11%
実測値:C 63.36%;H 6.31%;N 9.97%
実施例12:5−アミノ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(690mg,2.25mmol)、トリエチルアミン(0.50ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(4ml)に加えた後、5−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(250mg,850μmol)を加え、窒素雰囲気下、70℃の油浴中にて24時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残留物をクロロホルム(100ml)に溶解した。有機層を10%クエン酸水溶液(100ml)、飽和食塩水(100ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(5ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(2ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×3)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×3)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をプレパラティブクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層にて展開)にて精製後、エタノールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物70.0mg(20%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.56−0.64(4H,m),1.21−1.61(3H,m),1.92−1.96(1H,m),2.22(3H,s),2.45(3H,s),2.68−2.73(1H,m),3.19−3.31(3H,m),3.59−3.66(1H,m),3.72−3.77(1H,m),4.76−4.78(0.5H,m),4.98−5.01(0.5H,m),5.97(1H,s),8.55(1H,d,J=3.66Hz).
IR(KBr,disk)ν:3440,3329,3082,3005,2964,2937,2877,1716,1620,1549,1506,1437,1404cm-1
融点:129−131℃.
比旋光度:[α]D 22.6=−291.90°(c 0.285,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C2125FN43・0.25H2Oとして
理論値:C 63.07%;H 6.62%;N 13.37%
実測値:C 62.89%;H 6.42%;N 13.27%
実施例13:2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−10−[3−(R)−1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾキサジン−6−カルボン酸
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(125mg,521μmol)、トリエチルアミン(0.50ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(1ml)に加えた後、10−フルオロ−2,3−ジヒドロ−3−(S)−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾキサジン−6−カルボン酸(132mg,500μmol)を加え、窒素雰囲気下、100℃の油浴中で20時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物をクロロホルム(100ml)に溶解した。有機層を10%クエン酸水溶液(50ml)及び飽和食塩水(50ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(3ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に水(3ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×3)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×3)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノール−アンモニア水より再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物135mg(70%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δ:0.56−0.60(4H,m),1.45−1.50(1H,m),1.52(3H,d,J=6.59Hz),1.99−2.01(1H,m),2.32(3H,s),2.86−2.88(1H,m),3.21−3.55(4H,m),4.22,4.45(each1H,ABq,J=11.36Hz),4.57−4.59(1H,m),7.04−7.08(1H,m),7.80(1H,d,J=9.03Hz),8.32(1H,s).
融点:227−229℃.
比旋光度:[α]D 24.7=−131.00°(c 0.200,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C212534として
理論値:C 65.78%;H 6.57%;N 10.96%
実測値:C 65.49%;H 6.55%;N 10.82%
実施例14:7−[3−(R)−[1−(エチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(エチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(2.16g,8.40mmol)、トリエチルアミン(4ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(10ml)に加えた後、7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(1.95g,7.00mmol)を加え、窒素雰囲気下、100℃の油浴中にて51時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残留物をクロロホルム(150ml)に溶解した。有機層を10%クエン酸水溶液(100ml)、飽和食塩水(100ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(10ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(20ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(100ml×5)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(150ml×4)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールより再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物1.61g(55%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD)δ:0.57−0.63(4H,m),1.04(3H,t,J=6.95Hz),1.19−1.25(1H,m),1.47−1.64(2H,m),1.97−1.98(1H,m),2.40(3H,s),2.70−2.73(2H,m),2.86−2.87(1H,m),3.26−3.28(3H,m),3.61−3.63(1H,m),4.02−4.05(1H,m),5.03(1H,dm,J=64.11Hz),7.07(1H,d,J=9.26Hz),7.98(1H,d,J=9.26Hz),8.43(1H,d,J=3.41Hz).
IR(KBr,disk)ν:3294,2964,2848,1699,1612,1508,1473,1431,1396,1389,1350,1308,1261cm-1
融点:191−194℃.
比旋光度:[α]D 24.3=−236.55°(c 0.145,0.1mol/lNaOH).
元素分析値:C2328FN33として
理論値:C 66.81%;H 6.83%;N 10.16%
実測値:C 66.52%;H 6.86%;N 10.03%
実施例15:1−(シクロプロピル)−8−メチル−7−[3−(R)−[1−(メチルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(880mg,3.25mmol)、トリエチルアミン(1.0ml)を乾燥ジメチルスルホキシド(5ml)に加えた後、1−シクロプロピル−7−フルオロ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(425mg,1.63mmol)を加え、窒素雰囲気下、70℃の油浴中にて38時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残留物を酢酸エチル(200ml)に溶解した。有機層を10%クエン酸水溶液(100ml)にて洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、氷冷下にて残留物に濃塩酸(6ml)を滴下した後、室温にて30分間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(12ml)を加え、黄色の酸性水溶液をクロロホルム(50ml×3)で洗浄した後、水酸化ナトリウム水溶液にてpH12.0とした。塩基性の水溶液を1mol/l塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×3)にて抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物メタノール/2−プロパノールの混合溶媒より再結晶精製後、減圧乾燥して標記化合物331mg(53%)を黄色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.57−0.65(1H,m),0.87−0.92(1H,m),0.97−1.04(1H,m),1.11−1.18(1H,m),1.28−1.34(1H,m),1.64−1.71(1H,m),1.99−2.021H,m),2.45(3H,s),2.50(3H,s),2.71−2.76(1H,m),3.32−3.36(3H,m),3.64−3.70(1H,m),4.01−4.05(1H,m),6.99(1H,d,J=9.06Hz),8.131H,d,J=9.06Hz),8.85(1H,s).
融点:190−192℃.
元素分析値:C222733として
理論値:C 69.27%;H 7.13%;N 11.02%
実測値:C 69.00%;H 7.16%;N 10.96%
参考例25:エチル 1−(2−ブロモアセチル)シクロプロパンカルボキシレート
エチル 1−アセチルシクロプロパンカルボキシレート(200g,1.28mol)をエタノール(1000ml)に溶解し、氷冷攪拌下、臭素(72.7ml,1.41mol)を滴下した。滴下終了後、反応液を30℃に昇温して2時間攪拌した。氷冷下、反応液に水(1000ml)を加えた後、減圧濃縮した。濃縮物を酢酸エチル(750ml×2)にて抽出後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(500ml×2)、飽和重曹水(500ml×2)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して標記化合物291g(97%)を黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.30(3H,t,J=7.1Hz),1.60−1.63(4H,m),4.22(2H,q,J=7.1Hz),4.49(2H,s).
TLC:Rf=0.7(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1).
参考例26:ジエチルホスホノ酢酸
エチル ジエチルホスホノアセテート(100g,446mmol)をエタノール(275ml)に溶解し、氷冷攪拌下、2mol/l水酸化ナトリウム水溶液(275ml,550mmol)を滴下後、室温にて1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、氷冷下にて濃縮物を濃塩酸にて酸性とした。酢酸エチル(200ml×4)、クロロホルム(100ml×2)、5%メタノール/クロロホルム(250ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥してろ過後、ろ液を減圧濃縮して標記化合物89g(定量的)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.35(6H,t,J=6.8Hz),2.98(2H,d,J=21.7Hz),4.19(4H,q,J=6.8Hz).
TLC:Rf=0.1(クロロホルム:メタノール=9:1).
参考例27:エチル 1−[2−[N−[1−(S)−フェニルエチル]アミノ]アセチル]シクロプロパンカルボキシレート
1−(S)−フェニルエチルアミン(12.1g,100mmol)をアセトニトリル(120ml)に溶解し、氷冷攪拌下、トリエチルアミン(15.3ml,110mmol)およびエチル 1−(2−ブロモアセチル)シクロプロパンカルボキシレート(23.5g,100mmol)のアセトニトリル(50ml)溶液を滴下した。滴下終了後、反応液を氷冷下にて1.5時間攪拌し、反応液を水(75ml)に注ぎ、減圧濃縮した。濃縮物をジイソプロピルエーテル(75ml×2)にて抽出後、水(75ml)にて洗浄した。有機層を1mol/l塩酸(100ml×2)にて抽出後、この酸性水溶液を酢酸エチル(100ml)にて洗浄した。この酸性水溶液に2mol/l水酸化ナトリウム水溶液(100ml)を加え、更に飽和重曹水(100ml)を加えた後、酢酸エチル(100ml)にて抽出した。有機層を水(100ml)、飽和食塩水(100ml)の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して、標記化合物18.6g(68%)を淡黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.17(3H,t,J=7.1Hz),1.38(3H,d,J=6.6Hz),1.48(4H,s),3.71(1H,q,J=6.6Hz),3.86(2H,d,J=2.0Hz),4.10(2H,q,J=7.1Hz).
TLC:Rf=0.6(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1).
参考例28:エチル 1−[2−[N−(ジエチルホスホノアセチル)−N−[1−(S)−フェニルエチル]アミノ]アセチル]シクロプロパンカルボキシレート
A法:
ジエチルホスホノ酢酸(15.1g,76.8mmol)を無水テトラヒドロフラン(120ml)に溶解し、氷冷下、1,1'−カルボニルジイミダゾール(13.7g,84.5mmol)を加えた後、室温にて1時間攪拌した。反応液に氷冷下にてエチル 1−[2−[N−[1−(S)−フェニルエチル]アミノ]アセチル]シクロプロパンカルボキシレート(17.6g,64.0mmol)の無水テトラヒドロフラン(30ml)溶液を滴下後、室温にて1時間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(100ml)と酢酸エチル(100ml)を加え、抽出操作後、有機層を分取した。水層を酢酸エチル(100ml)にて抽出後、合わせた有機層を飽和重曹水(100ml)、飽和食塩水(100ml)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して標記化合物28.7g(99%)を黄色シロップとして得た。
B法:
ジエチルホスホノ酢酸(32.8g,166mmol)を無水ベンゼン(700ml)に溶解し、N,N'−ジメチルホルムアミド(1ml)を加えた後、チオニルクロリド(18.2ml,250mmol)を加え、1.5時間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧濃縮し、乾燥トルエン(100ml)を加え、更に減圧濃縮した。この操作を3回繰り返した後、濃縮物を無水テトラヒドロフラン(300ml)に溶解し、氷冷攪拌下、エチル 1−[2−[N−[1−(S)−フェニルエチル]アミノ]アセチル]シクロプロパンカルボキシレート(45.7g,166mmol)の無水テトラヒドロフラン(300ml)溶液およびトリエチルアミン(25.1ml,183mmol)を滴下後、氷冷下にて1.5時間、室温にて2時間攪拌した。反応液に1mol/l塩酸(300ml)と酢酸エチル(300ml)を加え、抽出操作後、有機層を分取した。水層を酢酸エチル(300ml)にて抽出後、合わせた有機層を飽和重曹水(300ml)、飽和食塩水(300ml)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して標記化合物43.6g(70%)を黄色シロップとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.14,1.20(3H,t,J=7.1Hz),1.29−1.68(13H,m),2.85,4.69(2H,dd,J=9.5,20.7Hz),3.18,4.55(2H,d,J=22.2Hz),4.06−4.22(6H,m),5.42,6.05(1H,q,J=7.1Hz),7.26−7.37(5H,m).
MS(m/z):454([M+H])+
TLC:Rf=0.1(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1).
参考例29:4−(1−エトキシカルボニルシクロプロピル)−1−[1−(S)−フェニルエチル]−3−ピロリン−2−オン
エチル 1−[2−[N−(ジエチルホスホノアセチル)−N−[1−(S)−フェニルエチル]アミノ]アセチル]シクロプロパンカルボキシレート(25.0g,55.2mmol)をトルエン(250ml)に溶解後、氷冷攪拌下、第三級ブトキシカリウム(7.40g,66.2mmol)を徐々に加えた。反応液を室温にて15分間攪拌後、10%クエン酸水溶液(250ml)と酢酸エチル(250ml)を加え、抽出操作後、有機層を分取した。水層を酢酸エチル(250ml)にて抽出後、合わせた有機層を飽和重曹水(250ml)、飽和食塩水(250ml)の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:2溶出部より、標記化合物12.1g(73%)を橙色シロップとして得た。なお、本成績体の機器データは、PCT/JP96/00208号に記載されたデータと一致した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.18(3H,t,J=7.2Hz),1.60−1.63(7H,m),3.80(1H,dd,J=1.5,9.0Hz),4.07−4.11(2H,m),4.13(1H,d,J=9.0Hz),5.55(1H,q,J=7.1Hz),5.84(1H,t,J=1.5Hz),7.24−7.36(5H,m).
MS(m/z):300([M+H])+
TLC:Rf=0.5(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1).
参考例30:4−(S)−(1−エトキシカルボニルシクロプロピル)−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン−2−オン
4−(1−エトキシカルボニルシクロプロピル)−1−[1−(S)−フェニルエチル]−3−ピロリン−2−オン(12.1g,40.5mmol)を酢酸エチル(120ml)に溶解し、5%白金炭素触媒(水分50%;2.4g)を加え、常圧の水素雰囲気下、室温にて17時間攪拌した。反応液をセライトろ過(酢酸エチル洗浄)後、ろ液を減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:2溶出部より、目的とする標記化合物9.00g(74%)を淡黄色シロップとして得た。更に標記化合物のジアステレオマー(4−(R)−異性体)2.60g(21%)を淡黄色シロップとして得た。尚、本成績体の機器データは、PCT/JP96/00208号に記載されたデータと一致した。
4−(S)−異性体:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.63−0.65(2H,m),1.13(3H,t,J=7.1Hz),1.12−1.19(2H,m),1.52(3H,d,J=7.3Hz),2.17(1H,dd,J=9.0,16.8Hz),2.46(1H,dd,J=9.3,16.3Hz),2.67−2.762H,m),3.47(1H,t,J=8.3Hz),3.96−4.11(2H,m),5.51(1H,q,J=7.3Hz),7.26−7.35(5H,m).
TLC:Rf=0.45(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1).
4−(R)−異性体:
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.72−0.76(2H,m),1.18−1.24(2H,m),1.21(3H,t,J=7.1Hz),1.52(3H,d,J=7.1Hz),2.27−2.32(1H,m),2.44−2.52(2H,m),3.14(2H,d,J=8.0Hz),4.10(2H,q,J=7.1Hz),5.50(1H,q,J=7.1Hz),7.26−7.35(5H,m).
TLC:Rf=0.5(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1).
参考例31:1−[1−[1−(S)−フェニルエチル]−2−オン−4−(S)−ピロリジン−4−イル]−1−シクロプロパンカルボン酸
4−(S)−(1−エトキシカルボニルシクロプロピル)−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン−2−オン(10.5g,34.9mmol)をエタノール70mlに溶解し、氷冷下、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液(70ml)を加えた後、反応液を室温にて15.5時間、40℃にて3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残った水層を酢酸エチル(70ml)にて洗浄した。水層を氷冷下、濃塩酸にて酸性とし、クロロホルム(70ml×3)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、ろ液を減圧濃縮して標記化合物9.40g(99%)を白色個体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.72−0.74(2H,m),1.21−1.23(2H,m),1.52(3H,d,J=7.3Hz),2.17(1H,dd,J=8.8,16.8Hz),2.48(1H,dd,J=9.5,16.8Hz),2.66−2.78(2H,m),3.50(1H,t,J=9.3Hz),5.51(1H,q,J=7.3Hz),7.25−7.34(5H,m).
参考例32:4−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン−2−オン
1−[1−[1−(S)−フェニルエチル]−2−オン−4−(S)−ピロリジン−4−イル]−1−シクロプロパンカルボン酸(9.4g,34.4mmol)のトルエン(80ml)懸濁液にトリエチルアミン(9.6ml,69mmol)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA;10.4g,37.9mmol)のトルエン(15ml)溶液を加え、窒素雰囲気下、室温で1時間攪拌後、1.5時間加熱還流した。次いで、反応液を室温まで冷却後、第三級ブチルアルコール(95ml)を加え、15時間加熱還流した。反応液を放冷後、減圧濃縮し、濃縮物に酢酸エチル(95ml)と水(95ml)を加えた。抽出操作後、有機層を分取し、水層を酢酸エチル(95ml)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(95ml)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=50:1溶出部より標記化合物10.7g(90%)を無色アモルファスとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.56−0.85(4H,m),1.37(9H,s),1.51(3H,d,J=7.3Hz),2.32−2.44(3H,m),2.79(1H,dd,J=7.3,10.0Hz),3.36(1H,m),4.66(1H,brs),5.50(1H,q,J=7.3Hz),7.26−7.34(5H,m).
TLC:Rf=0.15(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1).
参考例33:3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン
4−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン−2−オン(10.4g,30.2mmol)を無水テトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、窒素雰囲気下、氷冷下にて1.0Mボラン−テトラヒドロフラン錯体/テトラヒドロフラン溶液(90.7ml,90.7mmol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、氷冷下から室温にて16時間攪拌した。氷冷下、反応液に炭酸カリウム(25.0g,181mmol)の水溶液(100ml)をゆっくり加えた後、1.5時間加熱還流した。反応液を放冷後、酢酸エチル(100ml×2)にて抽出し、飽和食塩水(100ml)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=100:1〜30:1溶出部より、標記化合物8.20g(82%)を無色結晶として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.62(2H,brs),0.75−0.88(2H,m),1.35(3H,d,J=6.6Hz),1.41(9H,s),1.63(2H,m),1.88−1.92(1H,m),2.14−2.17(1H,m),2.27−2.34(2H,m),2.63(1H,brs),3.15(1H,t−like,J=6.6Hz),5.10(1H,brs),7.23−7.33(5H,m).
MS(m/z):331([M+H])+
TLC:Rf=0.4(クロロホルム:メタノール=9:1).
参考例34:3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン
3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン(270mg,0.817mmol)をエタノール(15ml)に溶解し、10%パラジウム炭素触媒(水分52.0%;270mg)を加えた後、常圧の水素雰囲気下、40℃にて3時間攪拌した。触媒をろ去後(エタノール洗浄)、ろ液を減圧濃縮し、標記化合物185mg(定量的)を無色シロップとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.69(2H,brs),0.79(2H,brs),1.42(9H,s),1.43−1.50(1H,m),1.86−1.88(1H,m),2.15−2.19(1H,m),2.68−2.72(1H,m),2.90−3.07(3H,m),4.92(1H,brs).
参考例35:1−ベンジルオキシカルボニル−3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン
3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン(1.70g,5.15mmol)をジクロロメタン(34ml)に溶解し、氷冷攪拌下、ベンジルクロロホルメート(1.10ml,7.73mmol)を滴下した。反応液を室温にて2.5時間攪拌後、40℃にて1.5時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1溶出部より、標記化合物1.40g(75%)を無色シロップとして得た。尚、本成績体の機器データは、PCT/JP96/00208号に記載されたデータと一致した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.70(2H,brs),0.80(2H,brs),1.41(9H,s),1.63(1H,m),1.92(1H,m),2.25(1H,m),3.07−3.12(1H,m),3.29−3.31(1H,m),3.56(2H,m),4.85(1H,brs),5.12(2H,s),7.33−7.36(5H,m).
TLC:Rf=0.4(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1).
参考例36:1−ベンジルオキシカルボニル−3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン
遮光した封管に1−ベンジルオキシカルボニル−3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン(1.40g,3.89mmol)、N,N'−ジメチルホルムアミド(7ml)、酸化銀(9.0g,39mmol)、およびヨウ化メチル(24ml,389mmol)を入れ、この混合物を80℃の油浴中で13時間攪拌した。反応液をセライトろ過(酢酸エチル洗浄)後、ろ液を酢酸エチル(100ml)にて希釈した。この有機層を水(50ml×3)、飽和食塩水(50ml)の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1溶出部より、標記化合物1.31g(89%)を淡黄色シロップとして得た。尚、本成績体の機器データは、PCT/JP96/00208号に記載されたデータと一致した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.83(4H,brs),1.42(9H,s),1.55(1H,m),1.88(1H,m),2.28−2.43(1H,m),2.83(3H,s),3.02−3.04(1H,m),3.25−3.33(1H,m),3.55(2H,m),5.12(2H,s),7.32−7.35(5H,m).
MS(m/z):374([M+H])+
TLC:Rf=0.4(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1).
参考例37:3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン
1−ベンジルオキシカルボニル−3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン(1.31g,3.48mmol)をエタノール(13ml)に溶解し、10%パラジウム炭素触媒(水分50%;0.65g)を加え、常圧の水素雰囲気下、室温にて5時間攪拌した。セライトろ過(エタノール洗浄)後、ろ液を減圧濃縮して標記化合物0.92g(定量的)を無色シロップとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.80(4H,brs),1.46(9H,s),1.81(1H,m),2.04(1H,brs),2.28−2.42(1H,m),2.54(1H,brs),2.84(3H,s),2.88−2.96(3H,m).
TLC:Rf=0.1(クロロホルム:メタノール=9:1).
参考例38:3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン−2−オン
4−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン−2−オン(7.87g,22.8mmol)をジメチルホルムアミド(100ml)に溶解し、氷冷下にて60%油性水素化ナトリウム(1.10g,27.4mmol)を加えて5分間攪拌した後、室温攪拌下、ヨウ化メチル(7.11ml,114mmol)を滴下した。滴下終了後、反応懸濁液を室温にて14時間攪拌した。更に、60%油性水素化ナトリウム(296mg,7.40mmol)とヨウ化メチル(1.00ml,16.1mmol)を添加した後、40℃にて24時間攪拌した。氷冷攪拌下、反応懸濁液に飽和塩化アンモニウム水溶液(100ml)、水(150ml)を加えた後、酢酸エチル(300ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を水(100ml×2)、飽和食塩水(100ml×2)の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=50〜30:1溶出部より標記化合物7.53g(92%)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.83(4H,m),1.32(6H,s),1.38(3H,s),1.51(3H,d,J=7.1Hz),1.61(3H,d,J=16.6Hz),2.43(1H,m),2.68−2.81(3H,m),3.21(1H,m),5.48−5.50(1H,m),7.26−7.36(5H,m).
参考例39:3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン−2−オン(7.53g,21.0mmol)を無水テトラヒドロフラン(70ml)に溶解し、氷冷攪拌下、1.0Mボラン−テトラヒドロフラン錯体/テトラヒドロフラン溶液(63.0ml,63.0mmol)を滴下した。滴下終了後、反応液を室温にて20時間攪拌した。氷冷下、炭酸カリウム(7.22g)の水溶液(72ml)をゆっくり滴下後、1.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、水(150ml)を加え、酢酸エチル(200ml×2)にて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水(200ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=50:1溶出部より、標記化合物7.19g(99%)を無色シロップとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.73(4H,m),1.35(9H,s),1.36(3H,s),1.61(1H,m),1.85(1H,m),1.97(1H,m),2.27(1H,m),2.50−2.58(2H,m),2.79(3H,s),2.99(1H,m),3.14−3.19(1H,m),7.27−7.30(5H,m).
参考例40:3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(メチル)アミノ]シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン(7.19g,20.9mmol)をエタノール(78ml)に溶解し、10%パラジウム炭素触媒(水分50%;3.9g)を加え、常圧の水素雰囲気下、40℃にて4時間攪拌した。セライトろ過(エタノール洗浄)後、ろ液を減圧濃縮して標記化合物4.38g(定量的)を無色シロップとして得た。本成績体の1H−NMRデータ、TLCのRf値は、先に記載したデータに一致した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.80(4H,brs),1.46(9H,s),1.81(1H,m),2.04(1H,brs),2.28−2.42(1H,m),2.54(1H,brs),2.84(3H,s),2.88−2.96(3H,m).
TLC:Rf=0.1(クロロホルム:メタノール=9:1).
参考例41:4−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(エチル)アミノ]シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン−2−オン
4−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン−2−オン(4.16g,12.1mmol)をジメチルホルムアミド(50ml)に溶解し、窒素雰囲気下、室温にて60%油性水素化ナトリウム(580mg,14.5mmol)を加えて10分間攪拌した後、ヨウ化エチル(4.87ml,60.5mmol)を滴下した。滴下終了後、反応懸濁液を室温にて15時間攪拌した。氷冷攪拌下、反応懸濁液に飽和塩化アンモニウム水溶液(150ml)を加えた後、酢酸エチル(150ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を水(150ml×2)、飽和食塩水(150ml)の順に洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2溶出部より標記化合物4.56g(定量的)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.49−0.80(4H,m),1.02−1.04(3H,m),1.37(9H,s),1.49−1.51(3H,m),1.92−1.94(1H,m),2.04−2.06(1H,m),2.36−2.38(1H,m),2.67−2.70(2H,m),3.20−4.23(2H,m),5.48−5.50(1H,m),7.26−7.52(5H,m).
参考例42:3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(エチル)アミノ]シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン
4−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(エチル)アミノ]シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン−2−オン(4.56g,12.1mmol)を無水テトラヒドロフラン(80ml)に溶解し、氷冷攪拌下、1.0Mボラン−テトラヒドロフラン錯体/テトラヒドロフラン溶液(48.0ml,48.0mmol)を滴下した。滴下終了後、反応液を氷冷下から室温にて16時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物にエタノール:水=9:1混合溶液(100ml)を加え、トリエチルアミン(5ml)を添加後、4時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、減圧濃縮し、残留物に飽和重曹水(100ml)を加え、クロロホルム(100ml×2)にて抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水(100ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して、濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=100:1〜95:5溶出部より標記化合物4.26g(99%)を無色シロップとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.54−0.78(4H,m),1.09−1.11(3H,m),1.33−1.43(13H,m),1.84−1.97(2H,m),2.26−2.28(2H,m),2.56−2.57(2H,m),2.86−2.96(1H,m),3.13−3.18(2H,m),7.21−7.30(5H,m).
参考例43:3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(エチル)アミノ]シクロプロピル]ピロリジン
3−(R)−[1−[N−(第三級ブトキシカルボニル)−N−(エチル)アミノ]シクロプロピル]−1−[1−(S)−フェニルエチル]ピロリジン(3.01g,8.40mmol)をエタノール(120ml)に溶解し、10%パラジウム炭素触媒(水分50%;3.0g)を加え、常圧の水素雰囲気下、40℃にて5時間攪拌した。セライトろ過(エタノール洗浄)後、ろ液を減圧濃縮して標記化合物2.16g(定量的)を無色シロップとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:0.83−0.85(4H,m),1.46(9H,s),1.74−1.82(1H,m),2.16−2.18(2H,m),2.43−2.52(2H,m),2.90−2.99(2H,m),3.21−3.24(2H,m).
参考例44:2,3,4−トリクロロ安息香酸
水酸化ナトリウム(45.42g,1.090mol)を水(220ml)に溶解し、氷冷下、臭素(16.85ml,0.327mol)を5分かけて滴下した。反応液を0℃にて15分間攪拌した後、同じく0℃にて2’,3’,4’−トリクロロアセトフェノン(24.40g,0.109mol)のジオキサン(220ml)溶液を30分かけて滴下した。室温にて14時間攪拌後、水(350ml)を加えジクロロメタン(350ml)にて洗浄した。得られた水層に氷冷下、濃塩酸を徐々に加えて酸性とし、生じた結晶をろ取した。ろ取物を水洗後、トルエンを用いて共沸させることによって水分を除き標記化合物22.33g(91%)を薄黄色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.58(1H,d,J=8.3Hz),7.70(1H,d,J=8.6Hz).
参考例45:(2,3,4−トリクロロベンゾイル)酢酸エチル
2,3,4−トリクロロ安息香酸(4.51g,20.0mmol)をテトラヒドロフラン(80ml)に溶解し、氷冷下、カルボニルジイミダゾール(3.89g,24.0mmol)を加え、室温にて3時間攪拌した(A液)。一方、マロン酸モノエチルエステルモノカリウム塩(6.81g,40.0mmol)を酢酸エチル(80ml)に懸濁し、氷冷下、トリエチルアミン(13.9ml,100.0mmol)及び塩化マグネシウム(5.71g,60.0mmol)を加えた。室温にて3時間攪拌した後反応液を氷冷し、ここに上記A液を10分かけて滴下した。テトラヒドロフラン(10ml)を用いてA液を反応液へ洗いこんだ後、室温にて14時間攪拌し、その後反応液を10%クエン酸水溶液(200ml)に注いだ。これを酢酸エチル(200ml)にて抽出し、飽和食塩水(200ml)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、n−へキサン:酢酸エチル=5:1の溶出部から標記化合物2.681g(45%)を薄赤色オイルとして得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.25(1.5H,t,J=7.2Hz),1.34(1.5H,t,J=7.0Hz),3.99(1H,s),4.19(1H,q,J=7.2Hz),4.28(1H,q,J=7.0Hz),5.47(0.5H,s),7.37−7.49(2H,m),12.45(0.5H,m).
参考例46:7,8−ジクロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル
(2,3,4−トリクロロベンゾイル)酢酸エチル(2.681g,9.07mmol)、無水酢酸(10ml)およびオルトギ酸トリエチル(20ml)の混合物を140℃のオイルバス上で2.5時間加熱還流した。溶媒を減圧溜去後、トルエンを用いて共沸させ(3回)、薄赤色オイルとして3−エトキシ−2−(2,3,4−トリクロロベンゾイル)アクリル酸エチル粗生成物3.272gを得た。
上記で得られた3−エトキシ−2−(2,3,4−トリクロロベンゾイル)アクリル酸エチル粗生成物(3.272g)をジクロロメタン(50ml)に溶解し、塩氷冷下、2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピルアミン・トシル酸塩(2.467g,9.98mmol)およびトリエチルアミン(1.64ml,11.79mmol)を順に加え、室温にて19.5時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(200ml)を加え、10%クエン酸水溶液(80ml×2)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80ml)および飽和食塩水(80ml)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去し、薄橙色ガム状物質として3−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]アミノ−2−(2,3,4−トリクロロベンゾイル)アクリル酸エチル粗生成物(3.59g)を得た。
上記で得られた3−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]アミノ−2−(2,3,4−トリクロロベンゾイル)アクリル酸エチル粗生成物(3.57g)を乾燥ジオキサン(45ml)に溶解し、氷冷下、水素化ナトリウム(60%含有,433mg,10.82mmol)を加え、その後50℃のオイルバス上にて14時間加熱攪拌した。溶媒を減圧溜去した後、残渣をクロロホルム(150ml)に溶解し、10%クエン酸水溶液(50ml)および飽和食塩水(50ml)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:酢酸エチル=1:2の溶出部から標記化合物1.475g(48%)を薄黄色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.35−1.50(1H,m),1.41(3H,t,J=7.1Hz),1.55−1.75(1H,m),4.08−4.13(1H,m),4.39(2H,q,J=7.1Hz),4.80−4.98(1H,m),7.53(1H,d,J=8.5Hz),8.34(1H,d,J=6.8Hz),8.57(1H,d,J=2.7Hz).
MS(m/z):344(M+).
参考例47:7,8−ジクロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
7,8−ジクロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル(1.114g,3.237mmol)、酢酸(8ml)および濃塩酸(4ml)の混合物を130℃のオイルバス上で2時間加熱還流した。水(40ml)を加えて氷冷後、生じた結晶をろ取し、水(5ml×2)、5%エタノール水溶液(5ml×2)およびジエチルエーテル(5ml×2)にて洗浄し、薄黄色粉末として標記化合物909mg(89%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.40−1.80(2H,m),4.23−4.28(1H,m),4.83−5.02(1H,m),7.67(1H,d,J=8.8Hz),8.38(1H,d,J=8.6Hz),8.86(1H,d,J=2.7Hz).
融点:198−201℃.
比旋光度:[α]D 24.5=−24.0°
元素分析値:C138Cl2FNO3として
理論値:C 49.39%;H 2.55%;N 4.43%
実測値:C 49.14%;H 2.40%;N 4.33%
MS(m/z):315(M+),354[(M+K)+].
実施例16:7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−8−クロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
7,8−ジクロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(253mg,0.80mmol)、3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン(272mg,1.20mmol)、N−メチルピペリジン(0.195ml,1.60mmol)およびジメチルスルホキシド(3ml)の混合物を窒素置換下、80℃のオイルバス上にて55時間加熱攪拌した。溶媒を溜去後、残渣を酢酸エチル(50ml)および10%クエン酸水溶液(30ml)に分配し、有機層を分離後、これを飽和食塩水(30ml)にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=10:1の溶出部から7−{3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル}−8−クロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸粗生成物を得た。
上記、7−{3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル}−8−クロロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸粗生成物を氷冷下濃塩酸(5ml)に溶解し、室温にて20分間攪拌後、分液ロートに移してクロロホルム(10ml×10回以上)にて洗浄した。洗浄後の水層に氷冷下、飽和水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH>11とし、続いて濃塩酸および1規定塩酸を加えてpH=7.7に調整した。得られた水層からクロロホルム(100ml)およびクロロホルム:メタノール=9:1(100ml×2)にて抽出し、あわせた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去し、残渣をプレパラティブクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層にて展開)にて精製後、エタノール−ジエチルエーテルにてスラリー精製し、減圧乾燥して標記化合物96mg(30%)を薄黄色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD/D2O)δ:0.45−0.65(4H,m),1.15−1.30(1H,m),1.50−1.75(2H,m),2.00−2.10(1H,m),2.10−2.25(1H,m),3.25−3.40(2H,m),3.55−3.75(2H,m),4.10−4.15(1H,m),4.90−5.15(1H,m),7.05(1H,d,J=9.0Hz),7.99(1H,d,J=9.3Hz),8.39(1H,d,J=3.7Hz).
融点:128−130℃.
比旋光度:[α]D 24.5=−193.0°.
元素分析値:C2021ClFN33・1.5H2Oとして
理論値:C 55.49%;H 5.59%;N 9.71%
実測値:C 55.74%;H 5.45%;N 9.57%
MS(m/z):406[(M+H)+].
参考例48:7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−5−ヒドロキシ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル
5−アミノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル(1.414g,4.39mmol)を35%硫酸水溶液(15ml)に懸濁し、氷冷下、亜硝酸ナトリウム水溶液(394mg,5.70mmol/4.5ml)を5分かけて滴下した。0℃にて30分間攪拌した後、少量の尿素を加え、続いて同温度にて硝酸銅(II)3水和物水溶液(17.00g,70.2mmol/155ml)を10分か
けて滴下した。0℃にて5分間攪拌した後、反応液を激しく攪拌しながら酸化銅(I)(
565mg,3.95mmol)を加えた。室温にて20分間攪拌した後、クロロホルム(200ml×2)にて抽出し、さらに水層を炭酸水素ナトリウムにて弱アルカリ性にした後にクロロホルム(150ml×3)にて抽出した。あわせた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=10:1の溶出部から標記化合物297mg(21%)を黄色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.36−1.47(1H,m),1.40(3H,t,J=7.1Hz),1.53−1.63(1H,m),2.51(3H,t,J=2.4Hz),3.85−3.90(1H,m),4.39(2H,q,J=7.2Hz),4.77−4.96(1H,m),6.58(1H,d,J=11.5Hz),8.52(1H,d,J=3.2Hz).
MS(m/z):324[(M+H)+].
参考例49:7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−5−ヒドロキシ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−5−ヒドロキシ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル(325mg,1.005mmol)、酢酸(3ml)および濃塩酸(1.5ml)の混合物を120℃のオイルバス上で2時間加熱還流した。水(30ml)を加えて氷冷後、生じた結晶をろ取し、水、5%エタノール水溶液およびジエチルエーテルにて洗浄し、薄黄色粉末として標記化合物267mg(90%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.40−1.75(2H,m),2.58(3H,t,J=2.5Hz),3.99−4.04(1H,m),4.80−5.05(1H,m),6.70(1H,d,J=11.3Hz),8.76(1H,d,J=3.2Hz),13.17(0.7H,d,J=1.0Hz),13.34(0.7H,brs).
融点:209−213℃.
比旋光度:[α]D 24.7=−111.6°
元素分析値:C14112NO4として
理論値:C 56.95%;H 3.76%;N 4.74%
実測値:C 56.90%;H 3.74%;N 4.68%
MS(m/z):296[(M+H)+].
実施例17:7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−5−ヒドロキシ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−5−ヒドロキシ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(205mg,0.694mmol)、3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン(314mg,1.388mmol)、N−メチルピペリジン(0.243ml,1.388mmol)およびジメチルスルホキシド(1.5ml)の混合物を窒素置換下、80℃のオイルバス上にて66時間加熱攪拌した。溶媒を溜去後、残渣をクロロホルム(50ml)および10%クエン酸水溶液(30ml)に分配し、有機層を分離後、水層からさらにクロロホルム(30ml)にて抽出した。あわせた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去して、7−{3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル}−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−5−ヒドロキシ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸粗生成物を得た。
上記、7−{3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン−1−イル}−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−5−ヒドロキシ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸粗生成物を、氷冷下、濃塩酸(20ml)に溶解し、室温にて20分間攪拌後、分液ロートに移してクロロホルム(20ml×5)にて洗浄した。洗浄後の水層に氷冷下、飽和水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH>11とし、続いて濃塩酸および1規定塩酸を加えてpH=7.5−7.8に調整した。得られた水層からクロロホルム(100ml)、クロロホルム:メタノール=9:1(100ml×2)およびクロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層(100ml)にて抽出し、あわせた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去し、残渣をプレパラティブクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=7:3:1の下層にて展開)にて精製後、ジエチルエーテルにてスラリー精製し、減圧乾燥して標記化合物119mg(43%)を黄色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,0.1mol/lNaOD/D2O)δ:0.45−0.55(4H,m),1.05−1.20(1H,m),1.45−1.70(2H,m),1.90−2.00(1H,m),2.05−2.20(1H,m),2.16(3H,s),3.05−3.20(2H,m),3.25−3.35(1H,m),3.40−3.50(1H,m),3.90−3.95(1H,m),4.90−5.10(1H,m),6.16(1H,s),8.33(1H,d,J=3.4Hz).
融点:203−206℃.
比旋光度:[α]D 25.1=−274.4°.
元素分析値:C2124FN34・1.5H2Oとして
理論値:C 58.87%;H 6.35%;N 9.81%
実測値:C 59.23%;H 6.20%;N 9.48%
MS(m/z):402[(M+H)+].
実施例18:7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−8−シアノ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
8−シアノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチルエステル(250mg,0.785mmol)、3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロプロピル]ピロリジン(267mg,1.18mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(132mg,1.18mmol)およびジメチルスルホキシド(13ml)の混合物を窒素置換下、室温にて2時間攪拌した。溶媒を溜去後、残渣をクロロホルム(30ml)および10%クエン酸水溶液(20ml)に分配し、有機層を分離した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去した。残渣を室温下濃塩酸(4ml)、氷酢酸(4ml)に溶解し、110℃のオイルバス上にて12時間加熱攪拌した。溶媒を溜去後、濃塩酸(2ml)および水(20ml)を加え分液ロートに移してクロロホルム(50ml)にて洗浄した。洗浄後の水層に10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH>12とし、クロロホルム(50ml)で洗浄し、続いて濃塩酸および1規定塩酸を加えてpH=8.3に調整した。得られた水層を減圧下5mlまで濃縮し、クロロホルム:メタノール=10:1(50ml×3)にて抽出し、あわせた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去し、得られた黄色個体をエタノールにて再結晶し、減圧乾燥して表記化合物124mg(40%)を黄色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.48−0.51(4H,m),1.66−1.90(3H,m),1.99−2.03(1H,m),2.03−2.09(1H,m),3.57−3.70(3H,m),3.79−3.83(1H,m),4.03−4.08(1H,m),5.18−5.35(1H,m),7.14(1H,d,J=9.3Hz),8.16(1H,d,J=9.3Hz),8.61(1H,d,J=3.9Hz).
融点:138−140℃.
比旋光度:[α]D 24.5=+19.16°.
元素分析値:C2121FN43・1.25H2Oとして
理論値:C 60.21%;H 5.65%;N 13.07%
実測値:C 60.42%;H 5.62%;N 12.72%
MS(m/z):397[(M+H)+].
実施例19:7−[3−(R)−(1−アミノシクロブチル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(290mg,0.98mmol)、3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロブチル]ピロリジン(283mg,1.18mmol)、トリエチルアミン(0.409ml,2.94mmol)およびジメチルスルホキシド(5ml)の混合物をアルゴン置換下、80℃のオイルバス上にて112時間加熱攪拌した。溶媒を溜去後、残渣をクロロホルム(50ml)および10%クエン酸水溶液(30ml)に分配し、有機層を分離後、これを飽和食塩水(30ml)にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=20:1の溶出部から7−{3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロブチル]ピロリジン−1−イル}−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸粗生成物を得た。
上記、7−{3−(R)−[1−(第三級ブトキシカルボニルアミノ)シクロブチル]ピロリジン−1−イル}−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸粗生成物を氷冷下濃塩酸(5ml)に溶解し、氷水浴下にて5分間攪拌後、分液ロートに移してクロロホルム(10ml×3回)にて洗浄した。洗浄後の水層に氷冷下、10規定水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH>12とし、続いて濃塩酸および1規定塩酸を加えてpH=7.4に調整した。得られた水層からクロロホルム(100ml×3)にて抽出し、あわせた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。乾燥剤をろ去後、溶媒を減圧溜去し、残渣を酢酸エチル−ヘキサンで再結晶し、減圧乾燥して標記化合物99mg(24%)を黄色粉末として得た。
1H−NMR(400MHz,d6−DMSO)δ:1.30−1.45(1H,m),1.45−1.60(1H,m),1.60−1.70(1H,m),1.70−2.50(8H,m),3.30−3.40(1H,m),3.40−3.50(1H,m),3.50(3H,s),3.56−3.60(2H,m),4.03−4.09(1H,m),5.00−5.22(1H,m),7.09(1H,d,J=9.1Hz),7.92(1H,d,J=9.1Hz),8.57(1H,d,J=3.4Hz).
融点:174℃.
元素分析値:C2226FN34・0.25H2Oとして
理論値:C 62.92%;H 6.36%;N 10.01%
実測値:C 63.20%;H 6.22%;N 10.10%
MS(m/z):416[(M+H)+].
参考例50:3−シアノ−2,4−ジフルオロ安息香酸
ジイソプロピルアミン(56.0ml,395mmol)を無水テトラヒドロフラン(400ml)に溶解後、窒素雰囲気下、−15℃にて攪拌した。これにn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.52M,260ml,395mmol)を滴下した後、氷冷下にて1時間攪拌した。この溶液を−78℃に冷却後、2,6−ジフルオロベンゾニトリル(25.0g,180mmol)を無水テトラヒドロフラン(100ml)に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を−78℃にて1時間攪拌し、この反応液に乾燥した二酸化炭素を30分間バブリングした。反応液を−78℃にて1時間攪拌後、徐々に昇温して、室温にて12時間攪拌した。氷冷下、反応液に1mol/l塩酸100mlを加え、ジエチルエーテル(500ml×2)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(500ml)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して黄色アモルファス状の標記化合物29.7g(90%)を得た。尚、本成績体は精製せずに次の反応に使用した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.10(1H,m),8.32(1H,m).
参考例51:エチル 8−シアノ−7−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボキシレート
3−シアノ−2,4−ジフルオロ安息香酸(29.6g,162mmol)を乾燥したトルエン(250ml)に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミドを触媒量添加後、室温攪拌下、チオニルクロリド(17.7ml,243mmol)を滴下した。滴下終了後、反応液を80℃の油浴中にて1時間攪拌した。反応液を放冷後に減圧濃縮し、残留物にトルエン(100ml)を加え、さらに減圧濃縮した。この操作を3回繰り返した。得られた濃縮物を無水テトラヒドロフラン(200ml)に溶解し、この溶液をトリエチルアミン(30ml)とエチル 3−ジメチルアミノアクリレート(24.3g,170mmol)を無水テトラヒドロフラン(100ml)に溶解した溶液に、氷冷攪拌下、滴下した。滴下終了後、反応液を12時間加熱還流した。反応液をセライトろ過後(ジエチルエーテル洗浄)、ろ液を減圧濃縮し、得られた残留物をショートシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=100:1〜3溶出部を減圧濃縮して、褐色油状物を得た。
これを無水テトラヒドロフラン(300ml)に溶解し、2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピルアミン・パラトルエンスルホン酸塩(28.2g,114mmol)を加え、−15℃にて攪拌下、トリエチルアミン(23ml,165mmol)を無水テトラヒドロフラン(50ml)に溶解した溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、反応液を氷冷下2時間、室温にて12時間攪拌した。反応液に水(300ml)を加え、減圧濃縮してテトラヒドロフランを留去後、さらに水(300ml)を加え、酢酸エチル(400ml×3)にて抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(500ml)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して黄褐色油状物を得た。
これを乾燥した1,4−ジオキサン(400ml)に溶解し、氷冷攪拌下、60%油性水素化ナトリウム(4.35g)を徐々に加え、この反応懸濁液を室温にて1時間攪拌した。反応液を約1/3量まで減圧濃縮後、氷冷下、0.5mol/l塩酸(50ml)に徐々に注いだ。析出した固体をろ取し、水洗後、少量の冷エタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄した。得られた粗結晶をイソプロパノールにて再結晶精製後、減圧乾燥して黄白色結晶の標記化合物10.6g(49%)を得た。
融点:172−177℃(分解).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ:1.23−1.30(1H,m),1.41(3H,t,J=7.1Hz),1.61−1.99(1H,m),4.00(1H,m),4.40(2H,q,J=7.1Hz),5.10(1H,dm,J=63.5Hz),7.31(1H,m),8.52(1H,d,J=2.6Hz),8.77(1H,m).
[試験例1]
本願発明化合物の抗菌活性の測定方法は日本化学療法学会指定の標準法に準じて行い、その結果をMIC(マイクログラム/ml)で次の表Aに示す。尚、本発明化合物のMIC値の比較として、レボフロキサシン(LVFX)、シプロフロキサシン(CPFX)、およびPCT/JP96/00208号に記載されている7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(対照薬1)のMIC値を併せて示す。
Figure 2005194274
[試験例2]
本願発明の実施例1に記載の化合物について、マウス骨髄小核試験を以下に記載の方法にて実施した。
6週齢Slc:ddY系雄性マウスを各群5匹ずつ使用し、実施例1に記載の化合物およびPCT/JP96/00208号に記載されている7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(対照薬1)を0.1mol/lNaOH/生理食塩水で溶解、希釈した。コントロールとして、0.1mol/lNaOH/生理食塩水溶媒、陽性対照薬剤として、シクロホスファミド(cyclophosphamide、CP)を生理食塩水で溶解、希釈した薬液を用いた。いずれもマイレックスGS0.22μmフィルターでろ過滅菌した。各薬液を10ml/kg、0.2ml/minの投与速度で単回静脈投与した。投与後24時間に大腿骨から骨髄細胞を採取、塗沫標本を作成し、アクリルオレンジで染色した。蛍光顕微鏡で個体あたり1000個の多染性赤血球を観察し、小核を有する多染性赤血球の出現頻度および赤血球1000個中の正染性赤血球と多染性赤血球の比を計数した。
その結果、実施例1に記載の化合物は、25、50、100mg/kgの各投与群のいずれの場合もコントロールと小核誘発率に優位差は見られず、判定結果は陰性であった。すなわち、実施例1に記載の化合物は、小核誘発作用が極めて弱く、安全性が高いことが判明した。
これに対して、PCT/JP96/00208号に記載されている比較化合物7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(対照薬1)では、50、100mg/kgの各投与群において、コントロールに比較して明らかな小核誘発作用を示した。
これらの結果から、PCT/JP96/00208号に記載されている比較化合物7−[3−(R)−(1−アミノシクロプロピル)ピロリジン−1−イル]−1−[2−(S)−フルオロ−1−(R)−シクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸の6位フッ素を水素原子に置き換えた、本願発明の実施例1に記載の化合物は、耐性菌を含めたグラム陰性菌およびグラム陽性菌のいずれに対しても幅広い強い抗菌力を有し、且つ、高い安全性を有することが判明した。
[試験例3]
本願発明の実施例1に記載の化合物について、経口投与した後の血中濃度、臓器中濃度を以下に記載の方法にて実施した。また、同じ方法によって対照薬1についても測定を行った。
方法1:動物試験
被験物質を2mg/ml(フリー体換算)の濃度となるように注射用蒸留水に溶解して投与液を調製し、これを2.5mlのディスポーザブルシリンジおよび金属製経口ゾンデを用いて、絶食ラット(Crj:CD IGS;雄;7週齢;日本チャールス・リバー)に20mg/kgの用量で経口投与した。
吸収試験群(1群4匹で全6群)は、薬剤投与後、0.25,0.5,1,2,4,または6時間後にエーテル麻酔下で放血屠殺し、血液、肝、腎、および肺を採材した。血液は凝固後に遠心分離(3000rpm×15分、4℃)により血清を採取した。組織は3〜5mlの0.1mol/lリン酸緩衝液(pH7.0)を加えた後にホモジナイズし、その遠心上清(3000rpm×15分、4℃)を採取した。
排泄試験群(1群4匹)は薬剤投与後、代謝ケージに入れ、0から4時間、4から24時間の蓄尿を氷冷下で採取するとともに、採材時点でケージ内を約15mlの0.1mol/lリン酸緩衝液(pH7.0)で洗い、ケージ内に付着した尿を回収した。また、グルクロナイド等の抱合体を検討するため、試料の一部を分取して等量の1mol/l水酸化ナトリウム水溶液で加水分解した後に0.5mol/l塩酸で中和したものについても濃度測定を実施した。
方法2:薬剤濃度測定
液試料中の薬剤濃度はB.subtilis ATCC6051株を検定菌としたアガーウェル法バイオアッセイで定量した。検定菌芽胞5×107CFU/mlを含む懸濁液を121℃で15分間滅菌した後、約50℃まで冷却した普通寒天培地(栄研化学)に1%の割合で接種して検定用培地とした。これを滅菌シャーレに10mlずつ分注し、水平固化した後に8mm径の穴を4穴あけ検定用平板培地とした。なお、検定用平板培地の作製はバイオアッセイシステムTDA−1(大日本精機)を用いた。測定に際しては、被験試料(必要に応じて血清またはリン酸緩衝液にて希釈)、検量線用の薬液希釈列(阻止円径が10〜30mm程度になるように調製した2倍段階希釈列)、リファレンス用薬液(平板間の差を補正するための既知濃度の薬液。通常20mm程度の阻止円を形成する濃度を用いる。)を準備し、各平板4穴のうち2穴に被験試料(あるいは検量線用薬液)、残り2穴にリファレンス用薬液をそれぞれ50μlずつ注入した。試料添加後4℃で1時間静置して予備拡散を行った後37℃で約18時間培養し、阻止円径をCA−400(大日本精機)にて測定した。被験試料の濃度は、検量線希釈列の薬剤濃度の対数値と阻止円径から2次回帰によって求めた検量線を用いて算出した。
組織中濃度(μg/ml)については、ホモジネート上清の濃度(μg/ml)を組織重量(g)と添加したリン酸緩衝液重量(g)をもとに以下の式で求めた。
[組織中濃度]=[ホモジネート濃度]×([組織重量]+[緩衝液重量]) /[組織重量]
尿中排泄率(%)については、薬剤投与量(μg)、尿(または洗い液)量(ml)、尿(または洗い液)中濃度(μg/ml)をもとに以下の式で求めた。
[尿中排泄率]=100×([尿量]×[尿中濃度])/[薬剤投与量]
方法3:薬物動態パラメータの算出
各薬剤のラットにおける薬物動態パラメータは、平均濃度推移をもとに薬物動態解析ソフトPSAG−CP(アスメディカ)を用いて、モデルに依存しない方法で算出した。
以上の方法によって求めた、実施例1の化合物および対照薬1の血清中濃度、そして肝臓、腎臓、肺での臓器中濃度を表Bに示す。尚、付加物に記載のIPAはイソプロピルアルコールである。
Figure 2005194274
表Bから明らかなように本願発明化合物は、血清中濃度、臓器中濃度いずれも対照薬1よりも高濃度に分布していることが判明した。すなわち、本願発明化合物は経口吸収性に優れることが明らかである。そしてそれだけではなく、血中からの臓器移行性にも優れることも明らかである。
上記の活性の比較を行った化合物の構造は以下の通りである。
Figure 2005194274

Claims (9)

  1. 下記の式(I)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬。
    Figure 2005194274
    [式中、R1は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数1から6のハロゲノアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数3から6の環状アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、炭素数1から6のアルコキシ基、または炭素数1から6のアルキルアミノ基を表わし、
    2は、炭素数1から6のアルキルチオ基または水素原子を表わすが、
    このR2と上記のR1とは、母核の一部を含んで環状構造を形成するように一体化してもよいが、このようにして形成された環は、硫黄原子を環の構成原子として含んでもよく、さらにこの環には、置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基が置換してもよい。
    3は、炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基とから構成されるフェニルアルキル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジニル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、または3−アセトキシ−2−オキソブチル基を表わし、
    4は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、炭素数1から6のアルコキシ基、水素原子、アミノ基、水酸基、チオール基、またはハロゲノメチル基を表わすが、
    このうちのアミノ基は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から5のアシル基およびホルミル基からなる群から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい。
    Aは、窒素原子または式(II)
    Figure 2005194274
    (式中、X1は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から6のアルケニル基、炭素数2から6のアルキニル基、炭素数1から6のアルコキシ基、水素原子、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲノメチル基、またはハロゲノメトキシ基を表わすが、
    このうちのアミノ基は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から5のアシル基およびホルミル基からなる群から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよい。
    また、このX1と上記のR1とは、母核の一部を含んで環状構造を形成するように一体化してもよく、このようにして形成された環は、酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を環の構成原子として含んでもよく、さらにこの環には、置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキル基が置換してもよい。)
    で表わされる部分構造を表わす。
    5およびR6は、各々独立に、炭素数1から6のアルキル基または水素原子を表わすか、あるいはアミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボキシル基を表わすが、
    このアルキル基は、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のアルコキシ基、水酸基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよく、
    nは、整数の1または2を表わす。]
  2. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬。
  3. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として含有することを特徴とする感染症の治療薬。
  4. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合することを特徴とする医薬の生産方法。
  5. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合することを特徴とする抗菌薬の生産方法。
  6. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合することを特徴とする感染症治療薬の生産方法。
  7. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の、医薬の生産のための使用。
  8. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の、抗菌薬の生産のための使用。
  9. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の、感染症治療薬の生産のための使用。
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