JP4926723B2 - フルオロアルキルピロリジン誘導体 - Google Patents

フルオロアルキルピロリジン誘導体 Download PDF

Info

Publication number
JP4926723B2
JP4926723B2 JP2006553977A JP2006553977A JP4926723B2 JP 4926723 B2 JP4926723 B2 JP 4926723B2 JP 2006553977 A JP2006553977 A JP 2006553977A JP 2006553977 A JP2006553977 A JP 2006553977A JP 4926723 B2 JP4926723 B2 JP 4926723B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
salt
hydrate
carbon atoms
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006553977A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2006077984A1 (ja
Inventor
寿 高橋
理江 宮内
真 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Sankyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiichi Sankyo Co Ltd filed Critical Daiichi Sankyo Co Ltd
Priority to JP2006553977A priority Critical patent/JP4926723B2/ja
Publication of JPWO2006077984A1 publication Critical patent/JPWO2006077984A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4926723B2 publication Critical patent/JP4926723B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings
    • C07D403/04Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D401/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom
    • C07D401/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings
    • C07D401/04Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings directly linked by a ring-member-to-ring-member bond
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/47Quinolines; Isoquinolines
    • A61K31/4709Non-condensed quinolines and containing further heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/04Anorexiants; Antiobesity agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Child & Adolescent Psychology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

本発明は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して優れた抗菌活性を有するフルオロアルキルピロリジン誘導体、並びにこれを有効成分とする医薬に関するものである。
キノロン合成抗菌薬は、ノルフロキサシンの発見以来、抗菌活性や体内動態が改善され、ほぼ全身の感染症に有効な化学療法剤に発展し、多くの化合物が臨床の場に供されている。
しかし、近年、臨床の場ではキノロン合成抗菌薬に対して低感受性菌が増加しつつある。例えば、グラム陽性菌において、β−ラクタム系抗生物質に非感受性菌の黄色ブドウ球菌(MRSA)や肺炎球菌(PRSP)、およびアミノ配糖体系抗菌薬に非感受性の腸球菌(VRE)等のグラム陽性球菌の如く、キノロン合成抗菌薬以外の薬剤に耐性の菌であって、更にキノロン合成抗菌薬に低感受性の菌も増加している。
従って、特に臨床の場で、グラム陽性球菌に対する有効性が更に高い薬剤が望まれている。
また、非ステロイド性の抗炎症剤(NSAIDs)との服用による痙攣、中枢作用(ふらつき、頭痛、不眠等の軽度な中枢神経障害、及び痙攣等の重篤な副作用)、光毒性(光線過敏症)、肝毒性、心毒性(致死的不整脈を誘発する心電図異常として観察される異常)、血糖値異常等の副作用の誘発が明らかとなっており、より安全性の高いキノロン合成抗菌薬の開発が求められている(非特許文献1、2参照)。
一方、キノロン合成抗菌薬の抗菌活性、体内動態及び安全性には、キノロン骨格の7位置換基の構造が大きく関与することが知られている。そのなかで、3−アミノピロリジン−1−イル基を置換基として有するキノロン誘導体が、例えば、ピペラジン誘導体を置換基として有するキノロン誘導体よりもグラム陰性菌及びグラム陽性菌に対して良好な抗菌活性を示すことが知られている(非特許文献3、4参照)。
しかしながら、上記の3−アミノピロリジン−1−イル基を置換基として有するキノロン誘導体は強い抗菌活性を示すが、これらの多くは、ピペラジン誘導体を置換基として有するキノロン誘導体と比較して、細胞毒性や赤血球の小核誘発作用が強い上に、選択毒性が低いため(非特許文献4参照)、真核生物の細胞に対しても作用し、医薬または動物薬としての使用は困難であり、選択毒性を高めたドラックデザインが必要である。
従って、強い抗菌活性と高い選択毒性を兼ね備えた化合物の登場が臨床の場では求められている。
一方、シス−3−アミノ−4−(フッ素置換メチル)ピロリジン−1−イル基を7位置換基として有するキノロンカルボン酸誘導体(A)が特許文献1および非特許文献5に開示されている(尚、この式(A)における置換基の定義は、特許文献1において定義されたものであって、同じ記号であっても本願明細書における置換基の定義とは無関係である。)。
Figure 0004926723
このキノロン骨格8位の置換基(基Rに相当)は、ハロゲノメトキシ基、アルコキシ基に限定されており、キノロン骨格7位置換基がシス−3−アミノ−4−(フッ素置換メチル)ピロリジン−1−イル基であり、かつ8位置換基がアルキル基、またはハロゲン置換アルキル基であるキノロンカルボン酸誘導体類の具体的な記載はない。
さらに、シス−3−アミノ−4−(フッ素置換メチル)ピロリジン−1−イル基を7位置換基として有するキノロンカルボン酸誘導体が非特許文献6に開示され、その具体的な例として、シス−3−アミノ−4−トリフルオロメチルピロリジン−1−イル基を置換基として有する8−メトキシキノロン誘導体(B)が記載されている。
Figure 0004926723
しかしながら、非特許文献6に記載された化合物は、キノロン骨格8位の置換基がメトキシ基のみに限定されており、キノロン骨格7位置換基がシス−3−アミノ−4−(フッ素置換メチル)ピロリジン−1−イル基であり、かつ8位置換基がアルキル基、またはハロゲン置換アルキル基であるキノロンカルボン酸誘導体類の具体的な記載はない。
また、シス−3−アミノ−4−(フッ素置換メチル)ピロリジン−1−イル基を7位置換基として有するキノロンカルボン酸誘導体が非特許文献7に開示され、その具体的な例として、シス−3−アミノ−4−トリフルオロメチルピロリジン−1−イル基を置換基として有する2−ピリドン誘導体(9−メチル−4H−4−オキソキノリジン−3−カルボン酸誘導体)(C)が記載されている。
Figure 0004926723
しかしながら、非特許文献7に記載された化合物は、キノロン骨格が2−ピリドン誘導体(9−メチル−4H−4−オキソキノリジン−3−カルボン酸誘導体)に限定されており、本願発明に包含される1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸誘導体とは化学構造が異なっている。
国際公開第98/58923号パンフレット 小林宏行編、ニューキノロン剤の臨床応用、医薬ジャーナル社(2001年) ドラッグス、第62巻、1号、13頁(2002年) インターナショナル ジャーナル オブ アンチミクロビアル エージェンツ、第16巻、第5頁(2000年) ジャーナル オブ アンチミクロビアル ケモセラピー、第33巻、第685頁(1994年) ジャーナル ファーマシューティカル ブレタン、第48巻(第11号)、第1667頁(2000年) バイオオーガニック メディシナル ケミストリー レターズ、第8巻、第2833頁(1998年) バイオオーガニック メディシナル ケミストリー レターズ、第8巻、第1953頁(1998年)
従って、本発明は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して幅広く強力な抗菌活性を示し、かつ高い安全性を有するキノロン系抗菌薬、並びに感染症の予防および/または治療薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、下記式(1)で表わされる化合物が、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して幅広く、かつ強力な抗菌活性を示し、しかも抗菌薬および感染症の予防・治療薬として高い安全性を兼ね備えていることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物を提供する。
Figure 0004926723
[式中、Rは、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を表わすか、あるいはアミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボニル基を表わすが、このアルキル基は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい;
は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を表わすが、このアルキル基は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい;
は、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数1から6のハロゲン置換アルキル基を表わす;
は、炭素数3から6のシクロアルキル基、または炭素数3から6のハロゲン置換シクロアルキル基を表わす;
は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基から構成されるフェニルアルキル基を表わす;
およびXは、それぞれ独立に、水素原子またはハロゲン原子を表わす;
Xは、水素原子またはハロゲン原子を表わす。]
本発明はまた、7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物;7−[(3S,4S)−3−フルオロメチル−4−メチルアミノピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物を提供する。
本発明はまた、前記式(1)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬を提供する。
本発明はまた、前記式(1)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供する。
本発明はまた、前記式(1)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物の有効量を投与することを特徴とする疾病の予防および/または治療方法を提供する。
本発明はまた、前記式(1)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合することを特徴とする医薬の生産方法を提供する。
本発明はさらに、前記式(1)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物の、医薬製造のための使用を提供する。
本発明のフルオロアルキルピロリジン誘導体は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して極めて優れた抗菌活性を有し、かつ急性毒性が弱く高い安全性を有する。従って、本発明のフルオロアルキルピロリジン誘導体は、抗菌薬および感染症の予防および/または治療薬として有用である。
前記式(1)で表わされる本発明の化合物の各置換基について説明する。
置換基Rは、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を表わすか、あるいはアミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボニル基を表わす。
また、置換基Rは、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を表わす。
ここでRまたはRがアルキル基であるとき、これらは水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、または炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい。
またはRがアルキル基であるときには、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等の直鎖状アルキル基、またはイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の分枝状アルキル基を挙げることができる。これらのうちではメチル基およびエチル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
このアルキル基が水酸基またはアミノ基を置換基として有する場合、これらはアルキル基の末端の炭素原子上に置換したものがより好ましい。水酸基を有するアルキル基としては炭素数3までのものが好ましく、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基等が好ましい。また、アミノ基を有するアルキル基としては炭素数3までのものが好ましく、アミノメチル基、2−アミノエチル基、2−アミノプロピル基、3−アミノプロピル基等が好ましい。
アルキル基がハロゲン原子を置換基として有する場合、アルキル基は炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよい。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子を挙げることができるが、フッ素原子が好ましい。またフッ素原子の数としては1から3置換までのいずれでもよい。それらのうち、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等を例示することができる。
アルキル基がアルキルチオ基またはアルコキシ基を置換基として有する場合、アルキル基は炭素数1から6の直鎖状または分枝状のいずれでもよく、アルキルチオ基またはアルコキシ基もアルキル基は直鎖状または分枝状のいずれでもよい。アルキルチオ基を有するアルキル基としては、アルキルチオメチル基、アルキルチオエチル基、アルキルチオプロピル基が好ましく、さらにはアルキルチオ基も炭素数1から3までのものが好ましい。さらに好ましいものとして、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、メチルチオエチル基を挙げることができる。また、アルコキシ基を有するアルキル基としては、アルコキシメチル基、アルコキシエチル基、アルコキシプロピル基が好ましく、さらにはアルコキシ基も炭素数1から3までのものが好ましい。さらに好ましいものとして、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基を挙げることができる。
またはRがシクロアルキル基であるときには、シクロプロピル基、シクロブチル基が好ましく、さらにシクロプロピル基が好ましい。
およびRの好ましい組み合わせとしては、Rが水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、またはアミノ酸、ジペプチド、もしくはトリペプチド由来の置換カルボニル基であって、Rが水素原子である場合が好ましい。これらのうち、より好ましい組み合わせとしては、Rが水素原子、アルキル基、またはシクロアルキル基であって、Rが水素原子である場合である。このアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基が好ましく、特にシクロプロピル基が好ましい。さらに、RおよびRのより好ましい組み合わせとしては、RおよびRがいずれも水素である場合であるか、もしくはRがメチル基であって、Rが水素原子である組み合わせの場合である。
置換基Rが、アミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボニル基であって、Rが水素原子であるキノロン誘導体はプロドラッグとして特に有用である。
このようなプロドラッグを得るために用いられるアミノ酸、ジペプチド、およびトリペプチドとしては、これらのカルボキシル基とピロリジン環3位のアミノ基の窒素原子との間で形成されるアミド結合が生体内で切断されて遊離のアミン化合物を生成するものである。このような置換基としては、例えば、グリシン、アラニン、アスパラギン酸等のアミノ酸類;グリシン−グリシン、グリシン−アラニン、アラニン−アラニン等のジペプチド類;およびグリシン−グリシン−アラニン、グリシン−アラニン−アラニン等のトリペプチド類から導かれる置換カルボニル基を挙げることができる。
置換基Rは、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数1から6のハロゲン置換アルキル基を表わす。
この炭素数1から6のアルキル基としては、前記のものを挙げることができる。これらのうちでは、炭素数1から3のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。炭素数1から6のハロゲン置換アルキル基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子を挙げることができ、その数は1から3が好ましい。
置換基Rは、炭素数3から6のシクロアルキル基、または炭素数3から6のハロゲン置換シクロアルキル基を表わす。
炭素数3から6のシクロアルキル基としては、前記のものを挙げることができる。これらのうちでは、シクロプロピル基が好ましい。炭素数3から6のハロゲン置換シクロアルキル基としては、1または2個のハロゲン原子で置換された前記のシクロアルキル基を挙げることができる。このハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子を挙げることができ、特にフッ素原子が好ましい。これらのうちでは、モノハロゲノシクロプロピル基、またはジハロゲノシクロプロピル基が好ましく、特にモノフルオロシクロプロピル基が好ましい。
置換基Rは、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基、または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基から構成されるフェニルアルキル基を表わす。
本発明の化合物(1)を抗菌目的で使用する場合、置換基Rが水素原子であるカルボン酸化合物を使用するのが好ましい。
一方、カルボン酸がエステルとなったキノロンカルボン酸誘導体は、合成中間体やプロドラックとして有用である。合成中間体として有用なエステルとしては、例えば、アルキルエステル類、ベンジルエステル類、アルコキシアルキルエステル類、フェニルアルキルエステル類およびフェニルエステル類を挙げることができる。プロドラッグとして有用なエステルとしては、生体内で容易に切断されてカルボン酸の遊離体を生成するようなエステルである。例えば、アセトキシメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカルボニルエステル、コリンエステル、ジメチルアミノエチルエステル、5−インダニルエステル、フタリジルエステル、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチルエステル、3−アセトキシ−2−オキソブチルエステル等を挙げることができる。
置換基XおよびXは、それぞれ独立に、水素原子またはハロゲン原子を表わし、ハロゲン原子としては、特にフッ素原子が好ましい。
およびXの組み合わせとしては、XおよびXがいずれも水素原子であるか、または一方が水素原子であって、もう一方がフッ素原子である場合が好ましい。
置換基Xは、水素原子またはハロゲン原子を表わし、ハロゲン原子としては、特にフッ素原子が好ましい。
本発明の化合物(1)において、7位置換基である3−アミノ−4−フッ素置換メチルピロリジン−1−イル基(式(3)):
Figure 0004926723
の3位および4位の不斉炭素に由来して、4種の光学異性体が存在するが、このうちで3,4−シス体が好ましく、より好ましくは(3S,4S)−配置または(3S,4R)−配置のものであり、特に(3S,4S)−配置(式(3−1))のものが好ましい。
Figure 0004926723
式(3)および式(3−1)において、R、R、XおよびXは前記定義のとおりである。
また、本発明の化合物(1)において、Rがハロゲン置換シクロアルキル基である場合、Rのハロゲノシクロアルキル基の立体化学的な環境は、シクロアルカン環に関し、ハロゲン原子とキノロンカルボン酸骨格が1,2−シス配置であることが好ましい。ここで、「シス配置」とは、シクロアルカン環に関し、ハロゲン原子とキノロンカルボン酸骨格とがシス配置であることを意味する。シス配置としては、(1R,2S)−配置及び(1S,2R)−配置があるが、これらのうちでは(1R,2S)−配置が好ましい。
前記式(1)で表わされる本発明の化合物がジアステレオマーの存在する構造のものであるとき、本発明の化合物をヒトを含む動物に投与する際は、単一のジアステレオマーからなるものを投与することが好ましい。「単一のジアステレオマーからなる」とは、他のジアステレオマーを全く含有しない場合だけでなく、物理定数や活性に対して影響を与えない程度に他のジアステレオマーが含まれている場合であってもよい。また、本発明の化合物を投与する際は、立体化学的に単一の化合物を投与することが好ましいが、ここで「立体化学的に単一」とは、光学異性体が存在する場合に、一種の光学活性体のみによって化合物が構成されている場合だけでなく、物理定数や活性に対して影響を与えない程度に他の光学活性体が含まれている場合を含む。本発明の化合物(1)としては、7位置換基において3位及び4位が(3S,4S)−配置であって、かつRのハロゲノシクロアルキル基が(1R,2S)−配置であるものが特に好ましい。
本発明の化合物(1)は、遊離体のままでもよいが、酸付加塩またはカルボキシル基の塩としてもよい。酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩類;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩類;酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩等のカルボン酸塩類等の有機酸塩類を挙げることができる。カルボキシル基の塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩類;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩類;アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、N−メチルグルカミン塩、トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩等を挙げることができる。また、本発明の化合物(1)の遊離体、酸付加塩又はカルボキシル基の塩は、水和物として存在することもある。
本発明化合物(1)の具体例としては、7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物(化合物番号1);7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物(化合物番号2);7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物(化合物番号3);
7−[(3S,4S)−3−フルオロメチル−4−メチルアミノピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物(化合物番号4);1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−[(3S,4S)−3−フルオロメチル−4−メチルアミノピロリジン−1−イル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物(化合物番号5);7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−ジフルオロメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物(化合物番号6)を挙げることができる。
これらのうちで、7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物(化合物番号3);7−[(3S,4S)−3−フルオロメチル−4−メチルアミノピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物(化合物番号4)が特に好ましい。
本発明の化合物(1)の製造において、7位置換基を構築するためには次の中間体化合物(式(A))を適当な原料化合物と反応させればよい。
Figure 0004926723
この中間体化合物の3位および4位の不斉については先に説明したとおりである。したがって、反応に共される化合物としてより好ましくは(3S,4S)−配置または(3S,4R)−配置のものであり、特に(3S,4S)−配置(式(A−1))のものである。
Figure 0004926723
式(A)および式(A−1)の化合物において、XおよびXは前記定義のとおりである。一方、R11およびR21は、前記RおよびRの定義にアミノ基(窒素原子)の保護基を加えた置換基の定義となる。ここで、アミノ基の保護基としては、保護と脱保護が容易であり、次工程以降の反応に影響しないか、もしくは保護基自身が反応しないものであれば、いかなる保護基でもよい。このようなアミノ基の保護基としては、一般に使用されている、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、および置換シリル基から選ばれるものであればよい。さらに具体的には;置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等を挙げることができる。置換基を有していてもよいアシル基としては、アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等を挙げることができる。置換シリル基としては、トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基等を挙げることができる。この中間体化合物に使用される保護基としては、これらのうち、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基、および置換基を有していてもよいアシル基が好ましく、特に、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、第三級ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、およびトリフルオアセチル基が好ましく、さらに、第三級ブトキシカルボニル基が好ましい。
なお、ピロリジン環の1位の窒素原子はこれも窒素原子(アミノ基)の保護基によって保護された化合物として製造されることが容易なことが多い。このような1位が保護された化合物に使用される保護基も上に示したものから選択すればよい。
このように中間体化合物には最大で3個のアミノ基の保護基を有する場合があるが、これらの選択は、その必要性に基づいてこの分野で通常知られている選択基準にしたがって選択すればよい。
式(1)で表わされる本発明の化合物の製造方法として好ましい一例を挙げれば、例えば、下記の方法によって製造できる。以下に後記実施例3(化合物番号3)の化合物を例にその製造方法を具体的に説明する。
Figure 0004926723
本発明化合物の製造は2通りの方法によって行なうことができる。すなわち、7−ハロゲノ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸誘導体に対してピロリジン置換基導入用のピロリジン化合物を反応させる方法か、あるいは該ピロリジン化合物を4−ハロゲノ安息香酸誘導体に反応させ,その後キノリン環を閉環する方法である。
後者の方法を先ず説明する。
[工程a]ピロリジン化合物と安息香酸誘導体との反応;化合物(II)
この反応で使用される安息香酸誘導体は、4−ハロゲノ安息香酸誘導体が好ましい。より好ましくは2,4−ジハロゲノ安息香酸誘導体である。安息香酸のこれ以外の部位の置換基は、得ようとするキノロン化合物自体の置換基に基づいたものであればよい。例えば、8−メチルキノロン誘導体を得ようとするのであれば、2,4−ジハロゲノ−3−メチル安息香酸誘導体を使用すればよい。2位および4位のハロゲンは、フッ素原子または塩素原子であればよいが、より好ましくはフッ素原子である。なお、これらの4位および2位の置換基は脱離基としての機能があればよいのであってハロゲン原子に限定されることはない。
安息香酸のカルボキシ基部分は、遊離のカルボキシ基(−COOH)であっても、あるいはエステル基(−COOR)となっていてもよい。これらのうちでは、エステル基である方がより好ましい。エステル基としては、アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステル、(フェニル基に置換基を有していてもよい)フェニルエステル、ベンジルエステル等を挙げることができる。これらのうちではアルキルエステルを使用するのが簡便であり、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル等がより好ましい。
ピロリジン化合物(I)との反応は塩基存在下に実施するのが好ましい。ここで使用する塩基としては、反応を阻害するものでなければ特に制限されず、例えば、トリアルキルアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン等)、複素環化合物(4−(ジメチルアミノ)ピリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等)等の有機塩基;またはアンモニア、アンモニア塩類;アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)、水酸化アルカリ類(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等の無機塩基を挙げることができる。これらのうちでは、有機塩基が好ましく、例えば、第三級アミン、特に、トリエチルアミン、さらには、複素環化合物として、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)が好ましい。
塩基の使用量は1当量以上を使用するのが好ましい。
この他、この工程においては反応の進行に伴ってHFが生成し、このHFが例えば必要な保護基を脱離させる、アミン化合物と塩を形成して安息香酸化合物との反応を阻害する、反応缶を腐食させる、公害面での問題を引き起こすこと等が予想されるため、これらの問題を予防する目的で、本工程は塩基存在下に実施することが望ましい。また、本工程をピロリジン化合物の酸付加塩にて実施するときにはこの塩を遊離塩基とするためにも塩基が必要である。
ピロリジン化合物との反応は溶媒の存在下に実施するのがよく、ここで使用できる溶媒は反応を阻害するものでなければ特に限定されないが、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のN−アルキルアミド類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒;アセトニトリル;等を挙げることができ、アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド(N−アルキルアミド類)が好ましい。
反応温度は、反応液の凝固点から沸点の間で任意に選択可能であるが、好ましくは室温から反応液の沸点の間である。また、反応時間は、原料消失を確認するまでであるが、通常は1時間から100時間であり、好ましくは10時間から30時間である。
[工程b]化合物(II)とマロン酸ハーフエステルとの反応;化合物(III)
次いで、ピロリジン置換基を導入した安息香酸誘導体(II)を、ベンゾイル酢酸エステル化合物(III)に変換する。この工程は、先ず、安息香酸エステルを加水分解して遊離の安息香酸とし、次いでマロン酸ハーフエステルとの反応を実施すればよい。
加水分解反応は、この分野において通常実施されるエステルの加水分解条件にしたがって実施すればよいが、化合物内に存在する保護基や他の部位の置換基等の性質も勘案して条件を選択すればよい。加水分解の他にエステル次第では加水素分解条件も採用し得る。通常は、アルカリ加水分解条件下で実施するのがよく、水酸化アルカリ水溶液を、室温において、反応を阻害せず、かつ、水と混和し得る溶媒中で反応させるのが簡便である。この反応は緩和な条件で進行する場合が殆どであり、通常、室温で、数時間以内で完結する。
安息香酸誘導体は、溶媒を除去した後に酸性条件で抽出して分離し、さらにクロマトグラフィー、再結晶等によって精製することができるが、特段の精製をすることなしに次工程のマロン酸ハーフエステルとの反応を実施できる場合が多い。
マロン酸ハーフエステルとの反応によるベンゾイル酢酸化合物への変換は以下の如くにして実施できる。マロン酸ハーフエステルは市販品を使用するか、ジエステルから調製すればよく、アルキルエステルを使用するのが簡便である。エステルの種類は、化合物の保護基や他の部位の置換基の状況によって適宜選択すればよい。マロン酸ハーフエステルは、先ずハーフエステルと塩基とを反応させて塩に変化し、次いで先に得た安息香酸誘導体を混合して反応を実施すればよい。
マロン酸塩の調整に使用される塩基としては、金属アルコキシドを使用するのが簡便であり、その中でもマグネシウム化合物がよい。例えば、マグネシウムエトキシド、塩化マグネシウム等を用いることができる。さらには多用されるナトリウムアルコキシド化合物も使用することができる。
この反応は反応を阻害しない溶媒を使用して実施すればよく、使用できる溶媒は、無水の非プロトン性溶媒がよい。このような溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。この他、ハーフエステルを構成するアルコールに対応したアルコールも使用できる。
塩基とハーフエステルとの反応は速やかに進行し、室温で、数時間以内に完了するのが通常である。
このハーフエステル塩と安息香酸誘導体との反応は、安息香酸誘導体を活性化させ、その後にこのハーフエステル塩を混合して実施すればよい。
安息香酸誘導体の活性化剤(方法)としては、塩化チオニル、二塩化オキサリル、オキシ塩化リン等を用いる酸塩化物法、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,1−カルボニルジイミダゾール(CDI)等のカップリング試薬を用いる方法、アジド法、混合酸無水物法及び活性エステル法等を例として挙げることができる。これらのいずれかを選択して実施するかは、反応に使用する化合物内に存在する置換基や、保護基等の種類・性質に応じて、この分野において通常知られている知識に基づいて選択することができる。
ハーフエステル塩との反応は反応を阻害しない溶媒の存在下に実施すればよく、使用できる溶媒は、無水の非プロトン性溶媒がよい。このような溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。
反応温度は、氷冷から200℃の範囲の温度、好ましくは氷冷から100℃の範囲において実施すればよい。なお、ハーフエステル塩と活性化安息香酸誘導体とを混合するときは氷冷下で実施するのがよい。混合の後は、室温から200℃の温度範囲で実施すればよく、好ましくは室温から100℃の範囲、より好ましくは室温である。
[工程c]化合物(III)の閉環反応;化合物(IV)
ベンゾイル酢酸エステル化合物(III)は、N,N−ジアルキルホルムアルデヒドジアルキルアセタールと反応させ、次いでフルオロシクロプロピルアミンを反応させた後に閉環して、1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エステル化合物(IV)に導くことができる。
N,N−ジアルキルホルムアルデヒドジアルキルアセタール化合物において、各々のアルキル基は炭素数1から6の低級アルキル基であるものを使用するのが簡便でよい。例えば、N,N−ジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタールである。このものとベンゾイル酢酸エステル誘導体との反応は、両者を適当な溶媒中にて反応させることにより行なうことができる。
ここで使用される溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、ヘブタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;DMF、DMSO、HMPA等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒の他に、無水酢酸等の無水低級アルカン酸も使用することができる。
反応温度は、通常0から200℃、好ましくは0から150℃付近であり、該反応は一般に0.5から10時間程度にて終了する。
N,N−ジアルキルホルムアルデヒドジアルキルアセタールの使用量としては、ベンゾイル酢酸化合物に対して通常等モルから大過剰、好ましくは等モルから2倍モル量使用するのがよい。
次工程である、フルオロシクロプロピルアミンとの反応は、適当な溶媒中にて両者を反応させることにより行なえばよい。
ここで使用される溶媒としては、反応を阻害しないものであればいずれも使用でき、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、ヘブタン、シクロヘキサン、リグロイン等の脂肪族炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;DMF、DMSO、HMPA等の非プロトン性極性溶媒;等を挙げることができる。反応温度は、通常0から150℃、好ましくは室温から100℃付近がよく、一般に0.5から15時間程度にて反応は終了する。
アミン化合物の使用量としては、キノロン化合物に対し少なくとも等モル、好ましくは等モルから2倍モル量とするのがよい。
該反応には、所望により塩基性化合物を加えてもよい。使用される塩基性化合物としては、金属ナトリウム、金属カリウム、金属マグネシウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基;ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート類;複素環化合物(ピリジン、ピペリジン、キノリン、N−メチルモルホリン等)、トリアルキルアミン類(トリエチルアミン、メチルジイソプロピルアミン等)、アリールアミン類(N,N−ジメチルアニリン)等の有機塩基;等を例示できる。また、フルオロシクロプロピルアミンを塩として使用したときにはこのアミン塩を遊離のアミンとするために上記に例示された塩基の必要量をさらに添加する。
キノロン化合物への環化反応は、適当な溶媒中、塩基性化合物の存在下に行なうことができる。
ここで使用される溶媒としては、反応を阻害しないものであればいずれも使用でき、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類;n−ヘキサン、ヘブタン、リグロイン等の脂肪族炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;DMF、DMSO、HMPA等の非プロトン性極性溶媒;等を挙げることができる。
また使用される塩基性化合物としては、金属ナトリウム、金属カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート類;1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、N−ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキシド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキシド等の有機塩基等を例示できる。
反応温度は、通常0から150℃、好ましくは室温から120℃付近がよく、該反応は一般に0.5から5時間程度にて終了する。
塩基性化合物の使用量としては、通常少なくとも等モル、好ましくは等モルから2倍モル量とするのがよい。
[工程d]化合物(IV)の加水分解;化合物番号3
1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エステル化合物(IV)のカルボン酸化合物への加水分解反応は、通常の加水分解の反応条件をいずれも適用でき、具体的には例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸カリウム等の塩基性化合物;硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸;酢酸、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸等の有機酸等の存在下、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、エチレングリコール等のエーテル類;酢酸;等の溶媒またはそれらの混合溶媒中にて行なえばよい。
該反応は、通常室温から200℃、好ましくは室温から150℃付近にて進行し、一般に0.5から30時間程度にて終了する。
次に前者の方法について説明する。
前述したピロリジン置換基部分を導入した後にキノロンを閉環する方法(後者の方法)を、ピロリジン置換基を導入していない安息香酸誘導体について実施し、先ずキノロン骨格を構築して7−ハロゲノ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸を得た後、この化合物にピロリジン置換基を導入する。また、安息香酸誘導体にマロン酸化合物を先ず反応させ、ここで生成したベンゾイル酢酸エステル化合物に対してピロリジン化合物を反応させてもよい。
[工程e]ピロリジン置換基を導入;化合物番号3
この工程は、7−ハロゲノ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸またはそのカルボキシル基部分が二置換ホウ素オキシカルボニル構造となった化合物(ホウ素キレート化合物)に対して置換基を導入するためピロリジン化合物を反応させる方法である。
7−ハロゲノ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸またはホウ素キレート化合物と、ピロリジン化合物との反応において、両者の使用割合は特に限定がなく広く範囲から適宜選択できるが、通常前者に対してピロリジン化合物を少なくとも等モル程度、好ましくは等モルから5倍モル程度使用するのがよい。
該反応は反応を阻害しない溶媒、具体的には水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクライム等のエーテル類;ジメチルアセタミド、DMF、DMSO、HMPA、N−メチルピロリドン等の非プロトン性(極性)溶媒;またはこれらの混合溶煤中で行なうことができる。これらのうちDMF、DMSO、HMPA及びN−メチルピロリドンが好ましい。
また反応は、脱酸剤、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機炭酸塩類、ピリジン、キノリン、トリエチルアミン等の有機塩基類等の存在下に行なうこともできる。またフッ化カリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物を添加してもよい。
反応は通常1から20気圧、好ましくは1から10気圧の圧力下、室温から250℃程度、好ましくは室温から200℃の温度下にて行なうことができ、一般に0.5から30時間程度で終了する。
カルボン酸部分がホウ素含有構造となっているときは、酸または塩基性化合物で処理することによりキレートを分解させ、対応するカルボン酸化合物に導くことができる。ここで使用される酸としては、塩酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を挙げることができる。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基を挙げることができる。該反応は、0から150℃、好ましくは0から100℃付近にて好適に進行する。酸または塩基性化合物の使用量としては、原料化合物に対して通常少なくとも等モル程度、好ましくは1から10倍量使用するのがよい。
二置換ホウ素オキシカルボニル構造となった化合物(ホウ素キレート化合物)としては、ジハロゲノホウ素あるいはジアルカノイルオキシホウ素を挙げることができ、ジハロゲノ化合物としてはジフルオロホウ素が好適であり、ジアルカノイルオキシホウ素としてはジアセトキシホウ素を挙げることができる。これらのうちではジフルオロホウ素を採用するのが最も簡便である。
ジフルオロホウ素オキシ化合物(ジフルオロホウ素キレート化合物)は、カルボン酸化合物とボロントリフルオライドの各種エーテル錯体、例えばジエチルエーテル錯体、テトラヒドロフラン錯体等、との反応によって製造できる他、テトラフルオロホウ酸との処理によっても製造することができる。
このホウ素キレート部分はいずれかの段階において切断して、カルボキシ基を再生させることが必要であるがそのためには塩基性または酸性条件下で加水分解反応によって切断することができるが、この工程は既に知られている方法によって実施すればよい。
本発明化合物(1)は、強い抗菌活性と心毒性の軽減等の副作用のない高い安全性を有することから、ヒト、動物および魚類等用の医薬として、または農薬、食品の保存剤として使用することができる。本発明化合物(1)を医薬として使用する場合、投与量は患者の年齢、性別、症状等により異なるが、成人一日当たり50mgから1gであり、100mgから500mgがより好ましい。また、動物用としての投与量は投与の目的、処置すべき動物の大きさ、感染した病原菌の種類、程度によって異なるが、一日量として一般的に動物の体重1kg当たり1mgから200mgであり、5mgから100mgがより好ましい。この一日量を一日1回、又は2回から4回に分けて投与する。なお、一日量は必要によっては上記の量を超えてもよい。
本発明化合物(1)は、各種の感染症の原因となる広範囲の微生物類に対して優れた抗菌活性を有し、これらの病原体によって引き起こされる疾病を治療、予防又は軽減することができる。本発明化合物(1)が有効なバクテリア類またはバクテリア様微生物類としては、ブドウ球菌属、化膿レンサ球菌、溶血レンサ球菌、腸球菌、肺炎球菌、ペプトストレプトコッカス属、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、シゲラ属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、緑膿菌、インフルエンザ菌、アシネトバクター属、カンピロバクター属、トラコーマクラミジア等を挙げることができる。
これらの病原体によって引き起される疾病としては、毛嚢炎、せつ、よう、丹毒、蜂巣炎、リンパ管(節)炎、ひょう疸、皮下膿瘍、汗腺炎、集簇性ざ瘡、感染性粉瘤、肛門周囲膿瘍、乳腺炎、外傷・熱傷・手術創等の表在性二次感染、咽喉頭炎、急性気管支炎、扁桃炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、慢性呼吸疾患の二次感染、肺炎、腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、副睾丸炎、淋菌性尿道炎、非淋菌性尿道炎、胆のう炎、胆管炎、細菌性赤痢、腸炎、子宮付属器炎、子宮内感染、バルトリン腺炎、眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、瞼板腺炎、角膜潰瘍、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、腹膜炎、心内膜炎、敗血症、髄膜炎、皮膚感染症等を挙げることができる。
さらに、本発明化合物(1)が有効な抗酸菌類として、結核菌群(マイコバクテリウム チュバクロシス、M. ボビウス、M. アフリカナム)、非定型抗酸菌群(M. カンサシイ、M. マライナム、M. スクロファセウム、M. アビウム、M. イントラセルラーレ、M. キセノビ、M. フォーチュイタム、M. チェロネー)等を挙げることができる。これらの病原体によって引き起こされる抗酸菌感染症は、その起因菌別に、結核症、非定型抗酸菌症、らいの3つに大きく分類される。結核菌感染症は、肺の他に、胸腔、気管・気管支、リンパ節、全身播種性、骨関節、髄膜・脳、消化器(腸・肝臓)、皮膚、乳腺、眼、中耳・咽頭、尿路、男性性器、女性性器等に見られる。非定型抗酸菌症(非結核性抗酸菌症)の主な羅患臓器は肺であり、その他にも局所リンパ節炎、皮膚軟部組織、骨関節、全身播種性型等を挙げることができる。
また、動物の感染症の原因となる各種の微生物、例えば、エシエリキア属、サルモネラ属、パスツレラ属、ヘモフィルス属、ボルデテラ属、スタヒロコッカス属、マイコプラズマ属等に有効である。具体的な疾患としては、鳥類では大腸菌症、ひな白痢、鶏パラチフス症、家禽コレラ、伝染性コリーザ、ブドウ球菌症、マイコプラズマ感染症等、豚では大腸菌症、サルモネラ症、パスツレラ症、ヘモフィルス感染症、萎縮性鼻炎、滲出性麦皮炎、マイコプラズマ感染症等、牛では大腸菌症、サルモネラ症、出血性敗血症、マイコプラズマ感染症、牛肺疫、乳房炎等、犬では大腸菌性敗血症、サルモネラ感染症、出血性敗血症、子宮蓄膿症、膀胱炎等、そして猫では滲出性胸膜炎、膀胱炎、慢性鼻炎、ヘモフィルス感染症、仔猫の下痢、マイコプラズマ感染症等を挙げることができる。
本発明の医薬は、本発明化合物(1)、その塩またはそれらの水和物を有効成分とするものであり、この投与形態は、特に限定されず適宜選択でき、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性又は水性の懸濁剤液等の経口用固形・液体製剤;注射剤、坐剤等の非経口用製剤;外用製剤、点眼剤、貼付剤等のいずれでもよい。これらの投与形態は、薬学的に許容される担体を配合し、通常用いられている各種製剤の調製法にて調製できる。
注射剤としては、製剤中に安定剤、防腐剤、溶液補助剤等を使用してもよく、これらの補助剤を含有することもある溶液を容器に収納後、凍結乾燥等によって固形製剤として用時調製の製剤としてもよい。また、一投与量を容器に収納してもよく、多投与量を同一の容器に収納してもよい。
外用製剤としては、例えば、溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、スプレー等を挙げることができる。
固形製剤としては、化合物(1)と共に薬学的に許容される担体を含んでいてもよく、当該担体としては、例えば、充填剤類、増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶液促進剤類、湿潤剤類、潤滑剤類等を挙げることができる。液体製剤としては、溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げることができるが、添加剤として懸濁化剤、乳化剤等を含んでいてもよい。
本発明化合物(1)を動物に投与する方法としては、直接あるいは飼料中に混合して経口的に投与する方法、また一旦溶液とした後、直接もしくは飲水、飼料中に添加して経口的に投与する方法、注射によって投与する方法等を例示することができる。
次に製剤処方例を示す。
製剤例1.[カプセル剤] :
実施例1の化合物 100.0mg
コーンスターチ 23.0mg
CMCカルシウム 22.5mg
ヒドロキシメチルセルロース 3.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
総計 150.0mg
製剤例2.[溶液製剤] :
実施例1の化合物 1〜10g
酢酸又は水酸化ナトリウム 0.5〜2g
パラオキシ安息香酸エチル 0.1g
精製水 88.9〜98.4g
総計 100.0g
製剤例3.[飼料混合用散剤] :
実施例1の化合物 1〜10g
コーンスターチ 98.5〜89.5g
軽質無水ケイ酸 0.5g
総計 100.0g
以下に参考例および実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(化合物番号1)
Figure 0004926723
1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(654mg,2mmol)、(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチルピロリジン二塩酸塩(764mg,4mmol)を無水ジメチルスルホキシド(10ml)に溶解させ、トリエチルアミン(2.23ml,16mmol)を加え、窒素雰囲気下、50℃で24時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、残留物に90%エタノール(10ml)、トリエチルアミン(0.5ml)を加えて、3時間加熱還流した後、減圧下溶媒を留去した。氷冷下、濃塩酸(6ml)を加え30分間攪拌した後に、クロロホルムにて3回洗浄した。得られた水層に、氷冷下、飽和水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12に調整し、1時間攪拌した。さらに希塩酸水溶液を加えてpH7.4に調整し、12時間攪拌した。クロロホルムにて抽出を行い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた濃縮残渣をジエチルエーテル/2−プロパノールの混合溶媒から再結晶精製し、50℃にて14時間減圧乾燥して標記化合物274mg(0.72mmol,36%)を白色結晶として得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.82−0.97(2H,m),1.02−1.03(1H,m),1.15−1.23(2H,m),2.49(3H,s),2.59−2.66(1H,m),2.75−2.76(1H,m),3.18−3.30(2H,m),3.46−3.53(1H,m),3.60−3.66(2H,m),3.82−3.85(1H,m),4.28−4.32(1H,m),4.52−4.84(2H,m),7.69(1H,d,J=13.69Hz),8.76(1H,s).
融点:160−165℃(diethyl ether/2−propanol)
元素分析値:C1921・0.25HOとして
理論値:C,59.76%;H,5.67%;N,11.00%.
実測値:C,59.86%;H,5.63%;N,10.99%.
[実施例2]
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(化合物番号2)
Figure 0004926723
1−シクロプロピル−7−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(618mg,2mmol)、(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチルピロリジン二塩酸塩(764mg,4mmol)を無水ジメチルスルホキシド(10ml)に溶解させ、トリエチルアミン(2.23ml,16mmol)を加え、窒素雰囲気下、50℃で13時間攪拌した。減圧下溶媒を留去し、残留物に90%エタノール(10ml)、トリエチルアミン(0.5ml)を加えて、2.5時間加熱還流した後、減圧下溶媒を留去した。氷冷下、濃塩酸(6ml)を加え15分間攪拌した後に、クロロホルムにて3回洗浄した。得られた水層に、氷冷下、飽和水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH12に調整し、1時間攪拌した。さらに希塩酸水溶液を加えてpH7.4に調整し、1時間攪拌した。クロロホルムにて抽出を行い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた濃縮残渣をジエチルエーテル/2−プロパノールの混合溶媒から再結晶精製し、70℃にて24時間減圧乾燥して標記化合物490mg(1.35mmol,67%)を黄色結晶として得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.82−0.93(2H,m),1.02−1.03(1H,m),1.18−1.22(2H,m),2.49(3H,s),2.61−2.66(1H,m),3.13−3.15(1H,m),3.28−3.40(2H,m),3.54−3.59(1H,m),3.63−3.66(1H,m),3.70−3.74(1H,m),4.27(1H,m),4.52−4.84(2H,m),7.08(1H,d,J=9.05Hz),7.98(1H,d,J=9.05Hz),8.73(1H,s).
融点:203−205℃(diethyl ether/2−propanol)
元素分析値:C1922FN・0.25HOとして
理論値:C,62.71%;H,6.23%;N,11.55%.
実測値:C,62.59%;H,6.16%;N,11.44%.
[実施例3]
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(化合物番号3)
Figure 0004926723
6,7−ジフルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(2.23g,6.46mmol)のジメチルスルホキシド(11ml)溶液に3−(S)−第三級ブトキシカルボニルアミノ−4−(S)−フルオロメチルピロリジン(1.67g,7.65mmol)、トリエチルアミン(2.16ml,15.5mmol)を加え、35〜40℃で7日間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残留物をエタノール:水=9:1混合溶液(150ml)に溶解し、トリエチルアミン(5ml)を加えて4時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(100ml×2)に溶解し、水(50ml×3)および飽和食塩水(50ml)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を氷冷下にて濃塩酸(20ml)に溶解後、水溶液をクロロホルム(50ml×3)にて洗浄した。水層に10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えpH12.0とし、塩基性の水溶液を塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×2)およびクロロホルム:メタノール=9:1混合溶液(100ml×5)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をプレパラティブクロマトグラフィーにて精製後、エタノールより再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物175mg(7%)を淡黄色結晶として得た。
H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δ:1.19−1.31(1H,m),1.56−1.66(1H,m),2.50(3H,s),2.75−2.85(1H,m),3.17−3.21(1H,m),3.41(1H,t,J=8.8Hz),3.61−3.72(2H,m),3.95−4.11(2H,m),4.79−4.88(3H,m),7.68(1H,d,J=14.2Hz),8.46(1H,s).
IR(ATR)3404,3336,3076,2879,1707,1618,1514,1468,1437,1398,1363,1309,1236cm−1
融点:214−216℃(分解)
元素分析値:C1920・0.25HOとして
理論値:C,57.07%;H,5.17%;F,14.25%;N,10.51%
実測値:C,56.92%;H,5.07%;F,14.17%;N,10.41%
[実施例4]
7−[(3S,4S)−3−フルオロメチル−4−メチルアミノピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(化合物番号4)
Figure 0004926723
(3S,4S)−3−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチル)アミノ−4−フルオロメチルピロリジン(8.62g,37.1mmol)のスルホラン(45ml)溶液に、トリエチルアミン(2.22ml,17.4mmol)および6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(4.59g,13.3mmol)を加え、35〜39℃で4日間攪拌した。反応液にエタノール:水=5:1混合溶液(240ml)およびトリエチルアミン(5ml)を加えて2時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(400ml)に溶解し、10%クエン酸水溶液(100ml)および水(100ml×3)および飽和食塩水(100ml)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をショートシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール;49:1→9:1)で精製した。これを氷冷下にて濃塩酸(20ml)に溶解後、室温にて30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100ml×6)にて洗浄した。水層に氷冷下、10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えpH12.0とし、次いで塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(200ml×4)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールより再結晶精製し(活性炭使用)、減圧乾燥して標記化合物1.39g(26%)を淡黄色結晶として得た。
融点:173−175℃.
H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δ:1.26−1.38(1H,m),1.58−1.69(1H,m),2.36(3H,s),2.54(3H,s),2.82−2.93(1H,m),3.41(1H,q,J=5.0Hz),3.49(1H,q,J=5.8Hz),3.58(2H,d,J=6.9Hz),3.79(1H,ddd,J=9.6,6.1,1.5Hz),4.12(1H,dt,J=8.6,5.4Hz),4.72−4.80(2H,m),5.00(1H,d,J=65.0Hz),7.70(1H,d,J=14.0Hz),8.48(1H,d,J=2.7Hz).
元素分析値:C2022・0.25HOとして
計算値:C,58.04;H,5.48;F,13.77;N,10.15.
実測値:C,58.25;H,5.52;F,13.76;N,10.03.
IR(ATR):3329,2945,2893,1726,1610,1547,1502,1429,1354,1315,1263,1221cm−1
[実施例5]
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−[(3S,4S)−3−フルオロメチル−4−メチルアミノピロリジン−1−イル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(化合物番号5)
Figure 0004926723
(3S,4S)−3−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチル)アミノ−4−フルオロメチルピロリジン(651mg,2.80mmol)のスルホラン(3.5ml)溶液に、トリエチルアミン(293μl,2.10mmol)および1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(458mg,1.40mmol)を加え、31〜35℃で6日間攪拌した。反応液に冷水(200ml)を加え、析出した固体を濾取後、水洗した。この固体にエタノール:水=10:1混合溶液(165ml)およびトリエチルアミン(3ml)を加えて2時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(400ml)に溶解し、10%クエン酸水溶液(100ml)および水(100ml×2)および飽和食塩水(100ml)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を氷冷下にて濃塩酸(5ml)に溶解後、室温にて30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(100ml×3)にて洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えpH12.0とし、次いで塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(200ml×4)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をエタノールより再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物161mg(29%)を淡黄色結晶として得た。
融点:156−158℃.
H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δ:0.75−0.88(2H,m),1.11−1.22(2H,m),2.37(3H,s),2.55(3H,s),2.79−2.91(1H,m),3.47(3H,dq,J=21.4,5.1Hz),3.61−3.67(1H,m),3.73(1H,t,J=8.5Hz),4.09−4.15(1H,m),4.59−4.77(2H,m),7.66(1H,d,J=14.0Hz),8.57(1H,s).
元素分析値:C2023として
計算値:C,61.37;H,5.92; F,9.71;N,10.74.
実測値:C,61.18;H,6.06;F,9.85;N,10.68.
IR(ATR):2889,1720,1614,1545,1504,1452,1429,1360,1313,1259,1227cm−1
[実施例6]
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−ジフルオロメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(化合物番号6)
Figure 0004926723
(3S,4S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−ジフルオロメチルピロリジン(501mg,2.12mmol)のスルホラン(2.5ml)溶液に、トリエチルアミン(197μl,1.41mmol)および6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−メチル−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸・ジフルオロボロン錯体(406mg,1.18mmol)を加え、室温で5日間および35℃で7日間攪拌した。反応液に冷水(100ml)を加え、析出した固体を濾取後、水洗した。この固体にエタノール:水=9:1混合溶液(100ml)およびトリエチルアミン(1ml)を加えて30分間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル(300ml)に溶解し、10%クエン酸水溶液(100ml)および水(100ml×3)および飽和食塩水(100ml)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を氷冷下にて濃塩酸(5ml)に溶解後、室温にて30分間撹拌し、反応液をクロロホルム(50ml×3)にて洗浄した。水層に氷冷下10mol/l水酸化ナトリウム水溶液を加えpH12.0とし、次いで塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(150ml×4)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール−水 7:3:1の下層にて展開)で精製し、さらにエタノール−ジエチルエーテルより再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物85mg(17%)を淡黄色結晶として得た。
融点:214−216℃.
H−NMR(400MHz,0.1N−NaOD)δ:1.28(1H,d,J=27.3Hz),1.57−1.68(1H,m),2.56(3H,s),2.92(1H,brs),3.22(1H,d,J=10.7Hz),3.45(1H,t,J=9.0Hz),3.81(1H,brs),3.90(1H,t,J=9.5Hz),3.98−4.03(1H,m),4.08−4.15(1H,m),5.02(1H,d,J=66.4Hz),6.22(1H,td,J=55.7,6.3Hz),7.72(1H,d,J=13.9Hz),8.47(1H,d,J=3.2Hz).
元素分析値:C1919・0.25HOとして
計算値:C,54.61;H,4.70;F,18.19;N,10.06.
実測値:C,54.37;H,4.51;F,17.71;N,10.02.
IR(ATR):3408,3336,3072,3030,2947,2891,1711,1618,1514,1468,1439,1402,1352,1306,1232cm−1
[参考例1]
エチル 4−[(3S,4S)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−2,5−ジフルオロ−3−メチル安息香酸
Figure 0004926723
エチル 2,4,5−トリフルオロ−3−メチル安息香酸(1.12g,5.14mmol)のジメチルスルホキシド(5ml)溶液に3−(S)−第三級ブトキシカルボニルアミノ−4−(S)−フルオロメチルピロリジン(0.751g,3.44mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(0.695ml,5.14mmol)を加え、60〜65℃で20時間攪拌した。室温まで放冷後、反応混合物を酢酸エチル(50ml×2)に溶解し、10%クエン酸水溶液(50ml)、水(50ml×2)および飽和食塩水(50ml)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1溶出部より、標記化合物725mg(51%)を無色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:1.38(3H,t,J=7.1Hz),1.46(9H,s),2.22(3H,d,J=2.9Hz),2.73−2.88(1H,m),3.14−3.18(1H,m),3.35−3.50(2H,m),3.70(1H,ddd,J=9.7,6.0,1.9Hz),4.36(2H,q,J=7.1Hz),4.47−4.77(3H,m),4.92−4.89(1H,m),7.44(1H,dd,J=12.7,6.8Hz).
[参考例2]
エチル 4−[(3S,4S)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−2,5−ジフルオロ−3−メチルベンゾイルアセテート
Figure 0004926723
エチル 4−[(3S,4S)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−2,5−ジフルオロ−3−メチル安息香酸(720mg,1.73mmol)のエタノール(10ml)溶液に3mol/l水酸化カリウム水溶液(2.31ml)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応液に10%クエン酸水溶液(10ml)および水(10ml)を加えpH2〜3とし、エタノールを減圧濃縮後、クロロホルム(30×2ml)にて抽出し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮黄色油状物として4−[(3S,4S)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−2,5−ジフルオロ−3−メチル安息香酸(718mg,1.73mmol)を得た。
モノエチルマロネート(459mg,3.48mmol)を無水テトラヒドロフラン(5ml)に溶解し、マグネシウムエトキシド(370mg,3.23mmol)を氷冷下にて加えた後、室温にて2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮してモノエチルマロネートのマグネシウム塩を調製した。次いで、4−[(3S,4S)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−2,5−ジフルオロ−3−メチル安息香酸(718mg,1.73mmol)を無水テトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、氷冷下、1,1−カルボニルジイミダゾール(365mg,2.25mmol)を加えた後、室温にて2時間攪拌した。これに、氷冷下、先に調製したモノエチルマロネートのマグネシウム塩を無水テトラヒドロフラン(5ml)に溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、徐々に室温に戻した後、16時間攪拌した。反応液に氷冷下、トルエン(10ml)、10%クエン酸水溶液(10ml)を加えて反応液を酸性(pH2〜3)にして、室温で1時間攪拌した。有機層を分取し、飽和重曹水(10ml)、飽和食塩水(10ml)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1溶出部より、標記化合物334mg(42%)を淡橙色油状物として得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:1.25−1.35(3H,m),1.46(9H,s),2.22−2.22(3H,m),2.74−2.87(1H,m),3.82−3.12(4H,m),3.93(2H,d,J=3.9Hz),4.19−4.29(2H,m),4.76−4.48(3H,m),4.91(1H,s),5.84(1/3H,s),7.46(1H,q,J=6.7Hz),12.67(1/3H,s).
[参考例3]
エチル 7−[(3S,4S)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸エチル
Figure 0004926723
4−[(3S,4S)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−2,5−ジフルオロ−3−メチルベンゾイルアセテート(334mg,0.729mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(0.194ml,1.46mmol)をベンゼン(6ml)に溶解し、外温80℃の油浴中にて3時間、加熱攪拌した。反応液を放冷後、減圧濃縮、乾固した。得られた黄色油状物をトルエン(10ml)に溶解後、(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピルアミンのパラトルエンスルホン酸塩(270mg,1.09mmol)を加え、−10℃にて攪拌下、トリエチルアミン(0.158ml,1.13mmol)を滴下した。反応液を室温にて1時間攪拌後、水(150ml)および酢酸エチル(20×2ml)を加え、飽和食塩水(15ml)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ろ過後、ろ液を減圧濃縮、乾固した。得られた黄色油状物をジメチルホルムアミド(5ml)に溶解し、氷冷下、炭酸カリウム(202mg,1.46mmol)を加え、室温にて4日間攪拌した。反応液に氷冷下にて10%クエン酸水溶液(20ml)をゆっくり注ぎ、析出した結晶をろ取した。過剰の精製水にて結晶を洗浄後、得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:メタノール=95:5溶出部より、淡黄色粉末状の標記化合物を277mg(73%)得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:1.20−1.34(2H,m),1.41(3H,t,J=7.1Hz),1.46(9H,s),2.57(3H,s),2.88(1H,s),3.14−3.18(1H,m),3.44−3.60(2H,m),3.80−3.92(2H,m),4.39(2H,q,J=7.1Hz),4.50−4.56(1H,m),4.65−4.70(1H,m),4.74−4.82(1H,m),4.94−4.90(1H,m),7.96(1H,d,J=13.2Hz),8.53(1H,d,J=2.9Hz).
[実施例7]
7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(化合物番号3)
Figure 0004926723
7−[(3S,4S)−3−第三級ブトキシカルボニルアミノ−4−フルオロメチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸のエタノール(3ml)溶液に1mol/l水酸化ナトリウム水溶液(1.06ml)を加え、室温にて5時間撹拌した。反応液に10%クエン酸水溶液(15ml)および水(10ml)を加えpH2〜3とし、析出固体をろ取し、水(10ml)にて洗浄した。残留物を氷冷下にて濃塩酸(5ml)に溶解後、水溶液をクロロホルム(50ml×2)にて洗浄した。水層に10mol/l水酸化ナトリウム水溶液(6ml)を加えpH12.0とし、塩基性の水溶液を塩酸にてpH7.4に調整後、クロロホルム(100ml×3)およびクロロホルム:メタノール=9:1混合溶液(100ml×4)にて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をイソプロピルアルコールより再結晶精製し、減圧乾燥して標記化合物100mg(48%)を淡黄色結晶として得た。本化合物のH−NMRデータは化合物番号3と一致した。
[参考例5]
(3S,4S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−3−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチル)アミノ−4−フルオロメチルピロリジン
Figure 0004926723
(3S,4S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−フルオロメチルピロリジン(17.2g,48.2mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(170ml)溶液に、水素化ナトリウム(55%,4.21g,96.4mmol)を加え、0℃で10分間攪拌後、同温にてヨウ化メチル(3.30ml,53.0mmol)を加え、30分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(500ml)を加えて酢酸エチル(500ml×2)にて抽出後、水(100ml×2)および飽和食塩水(100ml)にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル;4:1→2:1)で精製して標記化合物17.4g(98%)を無色シロップとして得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:1.46(9H,d,J=1.7Hz),2.78−2.80(4H,m),3.36−3.44(1H,m),3.60−3.79(3H,m),4.30−4.51(1H,m),4.58(1H,d,J=46.6Hz),4.79(1H,brs),5.11−5.20(2H,m),7.26−7.38(5H,m).
[参考例6]
(3S,4S)−3−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチル)アミノ−4−フルオロメチルピロリジン
Figure 0004926723
(3S,4S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−3−(N−tert−ブトキシカルボニル−N−メチル)アミノ−4−フルオロメチルピロリジン(15.7g,42.8mmol)をエタノール(300ml)に溶解し、10%パラジウム炭素触媒(M、水分50.9%,1.60g)を加えた後、水素気流下、40℃にて2時間攪拌した。触媒を濾去後(エタノール洗浄)、濾液を減圧濃縮し、未精製の標記化合物9.50g(96%)を無色シロップとして得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ:1.47(9H,s),2.54−2.68(1H,m),2.85(3H,s),2.97(1H,dd,J=11.3,7.1Hz),3.07(1H,dd,J=11.5,5.6Hz),3.16−3.23(2H,m),4.36(1H,ddd,J=47.6,9.3,6.4Hz),4.48(1H,ddd,J=46.8,9.1,5.1Hz),4.41−4.48(1H,m).
[試験例1]
本願発明化合物の抗菌活性の測定方法は日本化学療法学会指定の標準法に準じて行い、その結果をMIC(マイクログラム/ml)で次の表1及び2に示す。尚、本発明化合物のMIC値の比較として、レボフロキサシン(LVFX)、シプロフロキサシン(CPFX)、比較化合物(特許文献1の実施例1の下記化合物)のMIC値を併せて示す。
Figure 0004926723
この結果から、本発明化合物は公知のキノロン合成抗菌剤と比較して、耐性菌を含めたグラム陰性菌およびグラム陽性菌のいずれに対しても幅広く強い抗菌活性を有することが判明した。とりわけ、黄色ブドウ球菌(MRSA)や肺炎球菌(PRSP)のグラム陽性菌に対して強い抗菌活性を有することが明らかとなった。
Figure 0004926723
Figure 0004926723
[試験例2]
本発明化合物のマウス静脈内単回投与毒性試験は、六週齢Slc:ddY系雄性マウスを使用し、化合物を0.1 mol/1NaOH/生理食塩水で溶解、希釈した。マイレックスGS0.22μmフィルターでろ過滅菌した。10 ml/kg、0.2 ml/minの投与速度で単回静脈投与した。結果を表3に示す。尚、試験例1と同様に特許文献1の実施例1の化合物を比較化合物とした。
この結果から、本発明化合物は比較化合物に対して、急性毒性が弱いことが分かった。
Figure 0004926723

Claims (34)

  1. 下記式(1)で表わされる化合物、その塩、またはそれらの水和物。
    Figure 0004926723
    [式中、R1は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を表わすか、あるいはアミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチド由来の置換カルボニル基を表わすが、このアルキル基は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい;
    2は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を表わすが、このアルキル基は、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、および炭素数1から6のアルコキシ基からなる群の基から選ばれる基を置換基として有していてもよい;
    3は、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数1から6のハロゲン置換アルキル基を表わす;
    4は、炭素数3から6のシクロアルキル基、または炭素数3から6のハロゲン置換シクロアルキル基を表わす;
    5は、水素原子、フェニル基、アセトキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、エトキシカルボニル基、コリン基、ジメチルアミノエチル基、5−インダニル基、フタリジル基、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチル基、3−アセトキシ−2−オキソブチル基、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアルコキシメチル基または炭素数1から6のアルキレン基とフェニル基から構成されるフェニルアルキル基を表わす;
    1およびX2は、それぞれ独立に、水素原子またはハロゲン原子を表わす;
    Xは、水素原子またはハロゲン原子を表わす。]
  2. 式(1)で表わされる化合物が、下記式で表わされる構造の化合物である請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
    Figure 0004926723
    [式中、R1、R2、R3、R4、R5、X1、X2、およびXは先の定義に等しい。]
  3. 1およびX2が水素原子である請求項1または2に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  4. 1およびX2のどちらか一方が、フッ素原子であり、他方が、水素原子である請求項1または2に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  5. 1およびR2が、水素原子である請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  6. 1およびR2のどちらか一方が、水素原子であり、他方が、メチル基である請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  7. Xが、フッ素原子である請求項1から6のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  8. Xが、水素原子である請求項1から6のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  9. 3が、炭素数1から6のアルキル基である請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  10. 3が、メチル基である請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  11. 4が、シクロプロピル基または1,2−シス−2−ハロゲノシクロプロピル基である請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  12. 4が、立体化学的に単一な1,2−シス−2−ハロゲノシクロプロピル基である請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  13. 4が、(1R,2S)−2−ハロゲノシクロプロピル基である請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  14. 4が、(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル基である請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  15. 5が、水素原子である請求項1から14のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  16. 7−[3−アミノ−4−フルオロメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物。
  17. 7−[3−フルオロメチル−4−メチルアミノピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロ−1−シクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物。
  18. 7−[シス−3−アミノ−4−フルオロメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物。
  19. 7−[シス−3−フルオロメチル−4−メチルアミノピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物。
  20. 式(1)の化合物が、立体化学的に単一な化合物である請求項1から19のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
  21. 7−[(3S,4S)−3−アミノ−4−フルオロメチルピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物。
  22. 7−[(3S,4S)−3−フルオロメチル−4−メチルアミノピロリジン−1−イル]−6−フルオロ−1−[(2S,1R)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸、その塩、またはそれらの水和物。
  23. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする医薬。
  24. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする抗菌薬。
  25. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分とする感染症の予防および/または治療薬。
  26. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
  27. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物及び薬学的に許容される担体を含有する抗菌薬。
  28. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物及び薬学的に許容される担体を含有する感染症の予防および/または治療薬。
  29. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合することを特徴とする医薬の生産方法。
  30. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合することを特徴とする抗菌薬の生産方法。
  31. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を有効成分として配合することを特徴とする感染症の予防および/または治療薬の生産方法。
  32. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の、医薬製造のための使用。
  33. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の、抗菌薬製造のための使用。
  34. 請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の、感染症の予防および/または治療薬製造のための使用。
JP2006553977A 2005-01-21 2006-01-20 フルオロアルキルピロリジン誘導体 Expired - Fee Related JP4926723B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006553977A JP4926723B2 (ja) 2005-01-21 2006-01-20 フルオロアルキルピロリジン誘導体

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005013738 2005-01-21
JP2005013738 2005-01-21
PCT/JP2006/300884 WO2006077984A1 (ja) 2005-01-21 2006-01-20 フルオロアルキルピロリジン誘導体
JP2006553977A JP4926723B2 (ja) 2005-01-21 2006-01-20 フルオロアルキルピロリジン誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006077984A1 JPWO2006077984A1 (ja) 2008-06-19
JP4926723B2 true JP4926723B2 (ja) 2012-05-09

Family

ID=36692364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006553977A Expired - Fee Related JP4926723B2 (ja) 2005-01-21 2006-01-20 フルオロアルキルピロリジン誘導体

Country Status (15)

Country Link
US (1) US20090012119A1 (ja)
EP (1) EP1857453B1 (ja)
JP (1) JP4926723B2 (ja)
KR (1) KR20070094921A (ja)
CN (1) CN101107241A (ja)
AU (1) AU2006207007A1 (ja)
CA (1) CA2594567A1 (ja)
DE (1) DE602006019209D1 (ja)
ES (1) ES2356837T3 (ja)
IL (1) IL184481A0 (ja)
NO (1) NO20073703L (ja)
RU (1) RU2007131658A (ja)
TW (1) TW200640899A (ja)
WO (1) WO2006077984A1 (ja)
ZA (1) ZA200706024B (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140058149A1 (en) * 2012-08-21 2014-02-27 Uop Llc High efficiency processes for olefins, alkynes, and hydrogen co-production from light hydrocarbons such as methane

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62215572A (ja) * 1986-03-17 1987-09-22 Kyorin Pharmaceut Co Ltd キノロンカルボン酸誘導体
JPH0219377A (ja) * 1988-07-08 1990-01-23 Kyorin Pharmaceut Co Ltd 8‐メチルキノロンカルボン酸誘導体
WO1998058923A1 (fr) * 1997-06-24 1998-12-30 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Derives cis-substitues de fluoromethylpyrrolidine

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1262477B1 (en) * 2000-02-09 2008-09-03 Daiichi Sankyo Company, Limited Anti-acid-fast bacterial agents containing pyridonecarboxylic acids as the active ingredient
US7563805B2 (en) * 2005-05-19 2009-07-21 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Tri-, tetra-substituted-3-aminopyrrolidine derivative

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62215572A (ja) * 1986-03-17 1987-09-22 Kyorin Pharmaceut Co Ltd キノロンカルボン酸誘導体
JPH0219377A (ja) * 1988-07-08 1990-01-23 Kyorin Pharmaceut Co Ltd 8‐メチルキノロンカルボン酸誘導体
WO1998058923A1 (fr) * 1997-06-24 1998-12-30 Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Derives cis-substitues de fluoromethylpyrrolidine

Also Published As

Publication number Publication date
ZA200706024B (en) 2009-09-30
ES2356837T3 (es) 2011-04-13
KR20070094921A (ko) 2007-09-27
DE602006019209D1 (de) 2011-02-10
TW200640899A (en) 2006-12-01
RU2007131658A (ru) 2009-02-27
JPWO2006077984A1 (ja) 2008-06-19
CA2594567A1 (en) 2006-07-27
EP1857453A1 (en) 2007-11-21
NO20073703L (no) 2007-08-16
CN101107241A (zh) 2008-01-16
US20090012119A1 (en) 2009-01-08
AU2006207007A1 (en) 2006-07-27
IL184481A0 (en) 2007-10-31
WO2006077984A1 (ja) 2006-07-27
EP1857453B1 (en) 2010-12-29
EP1857453A4 (en) 2009-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2917010B2 (ja) 光学活性ピリドンカルボン酸誘導体
JP2012193195A (ja) トリ−、テトラ−置換−3−アミノピロリジン誘導体
US5696132A (en) Pyridonecarboxylic acid derivatives
JP3760172B2 (ja) デハロゲノ化合物を有効成分とする医薬
AU757805B2 (en) Cycloalkyl-substituted aminomethylpyrrolidine derivatives
JP4820290B2 (ja) 置換ピロリジン誘導体
EP0995744A1 (en) Cis-substituted fluoromethylpyrrolidine derivatives
JPH02290870A (ja) 対掌体的に純粋な7‐(3‐アミノ‐1‐ピロリジニル)‐キノロン‐および‐ナフチリドンカルボン酸
JP4926723B2 (ja) フルオロアルキルピロリジン誘導体
JPWO2005073238A1 (ja) ピリドベンズオキサジン誘導体
KR100458146B1 (ko) 사이클로알킬아미노메틸피롤리딘유도체및이를유효성분으로하는항생제
JP4619952B2 (ja) 8−シアノキノロンカルボン酸誘導体
MX2007008844A (es) Derivado de fluoroalquilpirrolidina.
WO1998024781A1 (fr) Derives d'aminomethylpyrrolidine substitue
JP2007284413A (ja) トリ−、テトラ−置換−3−アミノピロリジン誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees