JP2005192453A - 塩干物の製造方法及び塩干物製造パック - Google Patents

塩干物の製造方法及び塩干物製造パック Download PDF

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Abstract

【課題】 食塩水あるいはそれを収容した処理槽を使用する必要がなく、天日乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥等の強制的な乾燥処理を実施しなくても済み、しかも美味である塩干物を容易かつ簡単に製造できる方法を提供すること。
【解決手段】 液体透過性及び通気性を有するシート状材料を介して、食塩及びカーボン粉末を少なくとも含む調味混合物に魚介類、獣肉等の前処理後の食材を塩漬けし、その塩漬け工程を所定の時間にわたって継続することによって味付け及び乾燥を同時に行い、かつその塩漬け工程の間に水分を実質的に添加しないように構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、塩干物の製造方法に関し、さらに詳しく述べると、魚介類やその他の食材を塩漬けして塩干物を製造する方法に関する。また、本発明は、塩干物の製造に有用な塩干物製造パックに関する。
周知の通り、例えば鯵、鯖、さんま、カマスなどの魚介類から干物を製造する場合、一般的には、下記の工程:
(1)原料の準備及び前処理
(2)開き加工
(3)塩水漬け
(4)乾燥
(5)製品
で干物の製造が行われている。具体的に説明すると、原料の準備及び前処理では、まず魚介類を生鮮状態あるいは冷凍状態で入手する。次いで、それぞれの魚介類について、内臓、エラ等の不要物(まだ残っている時)の処理、水洗などを行う。なお、魚介類が冷凍状態にある場合、すでに前処理が完了している場合もあるが、このような前処理に先がけて魚介類の解凍を行う。
前処理によって魚介類から不要物を除去した後、開きの形態で製品を提供する必要があるときには、それぞれの魚介類を手開きであるいは機械を用いて開きの状態に加工する。
上記のようにして魚介類の前処理が完了した後、約12〜22重量%の濃度の食塩水を収容した処理槽に魚介類を浸漬し、約10〜20分間にわたって塩水漬けを行う。この間、魚介類に対する味付けも同時に行なわれる。ここで使用する処理槽は、製造業者の規模に応じて、単槽からなることもあれば、塩水漬けを連続して行うとともに、食塩水の濃度の調整や堆積した汚れ等の除去を行うため、2槽以上の複合槽からなることもある。但し、複合槽を使用する場合には、得られる干物の出来具合、特に味に対して大きな影響がでてきたり、干物の腐敗などを促進する細菌増殖の問題がでてくるので、特に槽内の食塩水の濃度や細菌分布量に入念な注意を払わなければならない。実際に、食塩水を繰り返し使用すると、食塩水の中に大腸菌、一般生菌などが増殖し始め、衛生的でないばかりか、干物に求められている細菌含有量の要件を満足させなくなることもある。当然のことながら、干物に含まれる細菌は、できる限り少ない量であることが好ましい。
魚介類の塩漬けが完了した後、処理槽から取り出して所定の時間にわたって乾燥を行う。塩漬けした魚介類の乾燥には、例えば、天日乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥等の強制的な乾燥処理が一般的に用いられている。しかし、いずれの乾燥処理にも欠点がある。例えば、天日乾燥は天候に左右されるばかりか、大きな乾燥場所を確保することが必要である。また、熱風乾燥は、高温度の熱風を吹き付けるため、干物の味が落ちたり型崩れする傾向を避けることができない。さらに、冷風乾燥は、長時間にわたって低温の空気を吹き付ける状態が維持されるので、干物本来の味を再現することが難しく、経済的でないといった問題がある。これらの乾燥法に代えて、いわゆる「灰干し乾燥法」を使用することも提案されている。この乾燥法は、通常、塩水漬け後の魚介類に布を被せ、その上下を火山灰で覆い、魚介類の水分を火山灰に吸わせてしまうことからなるが、乾燥処理に時間がかかるばかりか、処理を大規模に行い得ないといった問題がある。
参考までに示すと、特許文献1には、魚介類の塩漬け工程を下記の3工程:
12%から飽和濃度までの高濃度食塩水に魚介類を浸漬する第1工程、
水もしくは4%以下の低濃度食塩水で洗浄して脱塩する第2工程、及び
2〜10%の食塩、1〜5%の塩化カリウム、2.5〜12%の糖アルコール、2〜10%のエチルアルコール及び1〜3%の有機酸又はその塩を含む高浸透圧の水溶液に浸漬する工程、
で実施することを特徴とする魚介類の加工方法が記載されている。この3工程からなる塩漬け処理の完了後、例えば10℃及び相対湿度50%の除湿空気で長時間にわたって冷風乾燥する。しかし、この加工方法の場合、塩漬け処理を3工程で実施しなければならないので、非常に煩雑であり、製造コストの増加も避けることができないばかりか、冷風乾燥を使用しているので、上記のような欠点もある。
特開平10−210927号公報(特許請求の範囲、段落0015)
本発明は、上記のような従来の干物製造技術の問題点を解決することを目的とする。
本発明の目的は、従来のように食塩水あるいはそれを収容した処理槽を使用する必要がなく、しかも得られる干物の形、味などに不具合が生じることのない、簡略化された干物の製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、天日乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥等の強制的な乾燥処理を実施しなくても済み、しかも製品の形、味などに不具合が生じることのない、処理時間が短縮されかつ処理装置が小型化された干物の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、最良の状態で乾燥することができるとともに、優れた味付けが可能であり、細菌類の増殖も抑えることができる干物の製造方法を提供することにある。
これらの目的に加えて、本発明の目的は、上記したような塩干物の製造方法を容易にかつ低コストで、例えば家庭でも冷蔵庫に残った魚介類を使用して手軽に実施できる塩干物製造のためのパックされた製品を提供することにある。
本発明の上記した目的やその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
本発明は、その1つの面において、液体透過性及び通気性を有するシート状材料を介して、食塩及びカーボン粉末を少なくとも含む調味混合物に魚介類、獣肉等の前処理後の食材を塩漬けし、その塩漬け工程を所定の時間にわたって継続することによって味付け及び乾燥を同時に行い、かつその塩漬け工程の間に水分を実質的に添加しないことを特徴とする塩干物の製造方法にある。
また、本発明は、そのもう1つの面において、魚介類、獣肉等の前処理後の食材から、天日乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥等の乾燥工程を経ないで塩干物を製造するためのものであって、
液体透過性及び通気性を有するシート状材料からなる袋体と、
前記袋体に充填された、食塩及びカーボン粉末を少なくとも含む調味混合物と、
を含んでなり、前記袋体が、前記食材を包み込むのに十分なサイズを有していることを特徴とする塩干物製造パックにある。
以下の詳細な説明から理解されるように、本発明によれば、従来のように食塩水あるいはそれを収容した処理槽を使用する必要がないので、処理液をたびたび交換したり新品の処理液を補充する工程を省略することができ、製造方法が非常に簡単となり、製造コストも低減することができる。しかも、本発明によれば、調味混合物として食塩及びカーボン粉末を組み合わせて使用するとともに、水の添加も省略して塩干物を製造しているので、従来の方法によって製造された塩干物とは一味違った、非常に美味で型崩れもない塩干物を製造することができる。また、本発明方法は安定した条件下で製造を実施できるので、得られる塩干物において味のバラツキやその他の不具合が生じることもない。
また、本発明によれば、従来の方法に必須であった、天日乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥等の強制的な乾燥処理を実施しなくても済むので、処理時間の短縮と処理装置の小型化を達成することができる。
さらに、本発明によれば、今までに予想されなかったことであるが、乾燥工程を伴わずとも最良の状態で乾燥することができるとともに、優れた味付けが可能であり、細菌類の増殖も抑えることができる。
さらに加えて、本発明によれば、塩干物製造のためのパックされた製品を使用することによって、専門家が作製した塩干物に引けをとらない味を備えた優れた塩干物を初心者や未経験者などでも容易にかつ低コストで製造することができる。例えば家庭において、鮮魚店で購入したり冷蔵庫に残っていた魚介類を使用して、美味な塩干物を手軽に製造することができる。
本発明は、魚介類、獣肉等の食材から塩干物を製造する方法及びそのような塩干物を製造するための塩干物製造パックにある。以下、これらの発明を、下記のものに限定されるわけではないけれども、それらの好ましい実施の形態に関して説明する。
本発明は、第1に、食材から塩干物を製造する方法にある。ここで、「食材」とは、本発明方法を有利に適用し得る任意の原料を指し、典型的には、干物の対象として一般的に認識されている各種の魚介類、例えば、鯵、鯖、さんま、カマス、えぼ鯛、金目鯛などの魚類、例えばアワビ、帆立貝、サザエ、トコブシなどの貝類、例えばイセエビなどの海老類、その他である。また、本発明の実施に当たっては、例えば牛肉、豚肉、羊肉、猪肉等の獣肉やその他の肉類、例えば鶏肉、鯨肉、鴨肉なども食材として有利に使用することができる、とりわけ有用な食材は、魚介類や貝類、海老類などである。食の多様化にあわせて、その他の食肉も必要に応じて本発明の実施に使用することができる。
上記したように、本発明方法の実施にはいろいろな食材を干物の原料として使用することができるが、以下では、本発明の理解を容易にするため、青物と呼ばれる鯵などの魚を使用して塩干物を製造する方法を説明することにする。
図1は、本発明により塩干物を製造する方法の典型例を示したフローチャートである。
塩干物の対象となる魚が、漁港から水揚げされたり鮮魚店から入手した鮮魚である場合、塩漬け処理に先がけて前処理を行う。ここでいう「前処理」は、対象魚に応じて、また、塩干物の形態などに応じて様々な処理を包含する。前処理の典型的な例としては、下記のものに限定されるわけではないけれども、ウロコ取りやぬめり取り、エラ、内臓、血合い等の除去、開き加工、三枚おろし、切り身加工などを挙げることができる。もちろん、獣肉等の塩干物を製造する場合には、それに応じた前処理が必要になる。前処理の前、その間もしくはその後、魚を水洗して汚れなどを取り除き、必要に応じて乾燥することが一般的である。また、必要に応じて、前処理後の魚にハーブ類やその他の香辛料、みりんやうまみ成分、その他の調味料をまぶしたり塗布したりしてもよい。
冷凍魚を食材に使用する場合にも、同様に前処理を実施し、その後、必要に応じて水洗や乾燥を行う。なお、冷凍魚の場合、内臓等の処置がすでに完了していることが一般的であるので、前処理は比較的に簡単に実施することができるであろう。ただし、冷凍魚の場合、凍結状態にあるので、塩漬け処理に先がけて解凍処理を行うことが必要である。解凍処理は、常用の技法に従って行うことができ、例えば、自然解凍や水中浸漬などを挙げることができる。
上記のようにして前処理を完了した後、本発明に特有な塩漬け工程に移行する。塩漬け工程で重要なことは、
(1)食塩及びカーボン粉末を少なくとも含む調味混合物を処理媒体として用意し、
(2)前処理後の魚を、液体透過性及び通気性を有するシート状材料を介して処理媒体に塩漬けし、好ましくは、その魚を処理媒体でサンドイッチ状態し、
(3)処理媒体による塩漬け工程を所定の時間にわたって継続することによって味付け及び乾燥を同時に行い、
(4)塩漬け工程の間に水分を実質的に添加せず、換言すると、処理媒体に水を配合しない状態で塩漬け工程を実施し、かつ
(5)塩漬け工程の後に、基本的には天日乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥等の乾燥工程を行わないこと、
である。なお、「前処理後の魚」に代えて、魚介類、獣肉等の前処理後の食材を使用する場合にも、上記と同様にして塩漬け工程を実施できる。
図2は、本発明による塩漬け処理方法の典型例を模式的に示した断面図である。図示の方法の場合、処理容器、処理槽など(図示せず)に、食塩8及びカーボン粉末9を少なくとも含む調味混合物(処理媒体)10を用意する。次いで、処理媒体10を処理容器などに入れながら、前処理後の魚(図では、魚の開き)5を、それが処理媒体10でサンドイッチされるように、配置していく。処理媒体10と魚5の間には、魚から滲出した水分が処理媒体に吸収されるとともに、処理媒体中の旨み成分などが魚に移行するようにするため、さらには処理媒体のカーボン粉末が魚の表面に付着するのを防止するため、液体透過性及び通気性を有するシート状材料7が配置される。ここで使用されているシート状材料7は、和紙である。また、図示の例では、魚5に対する処理媒体10の接触を緩和したりシート状材料7の働きを補助したりするため、魚5とシート状材料7の間にさらに晒し6が配置されている。
本発明に従って上記のような手法で塩漬け処理を実施すると、塩干物のための特別な調味液を使用しなくても魚の味付けを行うことができ、同時に乾燥も可能である。特に本発明方法の場合、塩干物の製造において従来問題とされてきた衛生状態を改善して、特に大腸菌や一般生菌数の高い数値を下げることができること(すなわち、細菌類の増殖を防ぐことができること)はもとより、カーボン粉末の添加効果により消臭効果も顕著に表れるという点で注目に値する。
さらに具体的に説明すると、従来の方法によって塩干物を製造する場合、塩干物の味を高めるために天日乾燥を行うことが推奨されてきたが、この乾燥は屋外で行うため、蝿などの付着による衛生問題を避けることができなかった。また、この問題を解消するために天日乾燥場を網目が微細なネットなどで覆うことも考えられるけれども、設備費がかかり、ネットの取り付け・取り外しの作業も煩雑である。本発明方法に従うと、天日乾燥を必要としないので、衛生面及び設備面の両方においてメリットがあるばかりでなく、天候に左右されることもなくかつ大きな乾燥場所を確保することも必要でないという点でもメリットがある。
その他の乾燥処理法として熱風乾燥があるが、この方法の場合、高温度の熱風を吹き付けるため、得られる塩干物において身の変色(褐変)や型崩れなどが起こりうるが、本発明方法に従うと、身の変色や型崩れ、さらには組織の変化も発生することがなく、塩漬け処理の後に取り出された後の魚は、処理前の魚とほぼ同じ、食欲をそそる色及び形状を有している。
また、塩干物の製造を大規模に実施する場合では、除湿冷気を利用した冷風乾燥が広く採用されている。しかし、冷風乾燥に使用する装置は大型かつ高価であり、比較的に小規模で塩干物を製造しようとしている零細な製造業者などには不向きである。また、この乾燥方法の場合、長時間にわたって低温の空気を吹き付ける状態が維持されるので、干物本来の味を再現することが難しいといった問題があるが、本発明方法は、この問題も解消することができる。
さらに、本発明方法は灰干し乾燥法よりも優れている。灰干し乾燥法は、乾燥処理に時間がかかる、処理を大規模に行い得ないといった問題があったが、本発明方法はこれらの問題とも無縁である。また、この乾燥法では塩水漬けの工程があったり含有成分にあいまいなところがある火山灰を使用しなければならないので、衛生面で不安があったけれども、本発明方法ではこのような不安も解消することができる。
要するに、本発明方法に従って特定の条件下で塩漬け処理を実施した場合、魚やその他の食材の持つ旨み成分を身の中に残したまま、安心な衛生状態の下で水分を奪って味付け及び乾燥を同時に行うことができる。また、ここで達成される味付けについてみると、好ましくはミネラル分が豊富な食塩を使用することで、塩干物に好適な魅力的な味付けを行うことができる。
本発明による塩漬け工程についてさらに説明する。
塩漬け工程において処理媒体として使用される調味混合物は、その第1の成分として食塩を含有する。食塩は、化学的に合成された食塩(化学塩、食卓塩、専売塩などとも呼ばれる)であってもよいが、非合成の食塩、特にミネラル分を多量に含む食塩が好ましい。一般的に塩田塩、天日塩、湖塩、岩塩などと呼ばれている非合成の食塩(天然塩;以下、総称して「自然塩」と呼ぶ)の使用が好適である。自然塩は、その産地によって異なる組成を有することができるが、通常、約30〜99重量%、好ましくは約70〜99重量%の塩化ナトリウムと、残余の、マグネシウム、カルシウム及びカリウムを主として含むミネラル分とからなる。
食塩、特に自然塩は、いろいろな形態で使用することができるけれども、粉末あるいは顆粒の形態で使用するのが一般的であり、カーボン粉末との混合も容易に可能である。本発明の実施において、いろいろな寸法を備えた自然塩の粉末等を使用することができるけれども、約0.1〜3.0mmの寸法(直径)を有する自然塩の粉末等を使用するのが一般的であり、さらに好ましい寸法は、約0.6〜1.0mmの範囲である。もちろん、自然塩の産地によっては上記した範囲を上回る寸法をもった自然塩しか入手できない場合もあるので、そのような時には、入手したままの寸法で使用してもよく、さもなければ、小粒子に磨砕した後に使用してもよい。自然塩の粉末が大きすぎると、粉末間に間隙ができて、塩漬け効果に悪影響が出るおそれがある。
自然塩は、それを合成された食塩、すなわち、化学塩と比較した場合、塩干物の味をより深みのあるものとする、高い浸透圧により食材の旨みを十分に引き出すことができるとともに、塩干物の食味や色合いなどを高めることができる、カーボン粉末との馴染みがよくさらさら状態で混合できるなどといった特徴を有している。自然塩は、単独で使用してもよく、さもなければ、必要に応じて、味付け効果などを調整するために、2種類もしくはそれ以上の自然塩を組み合わせて使用してもよい。
本発明の実施に使用できかつ商業的に容易に入手できる自然塩としては、例えば、沖縄産の塩、オーストラリア・デボラ湖産の湖塩、フランス・ゲラント産の塩、モンゴル高原やチベット高原産の岩塩などを挙げることができる。化学塩や自然塩に代えて、いわゆる再生塩を使用することもできる。
調味混合物の第2の成分は、カーボン粉末である。カーボン粉末は、炭素を主成分として含有する各種の粉末を包含し、特に限定されるわけではない。入手の容易性や食塩との馴染みのよさなどを考慮した場合、例えば、木炭の粉末、竹炭の粉末、活性炭の粉末、薫炭の粉末(例えばモミガラ炭)などをカーボン粉末として有利に使用することができる。カーボン粉末は、通常、単独で使用されるけれども、必要ならば、相乗効果などを期待して、2種類以上のカーボン粉末を混合物もしくは複合物の形で使用してもよい。
カーボン粉末は、調味混合物の仕様や食材の種類などに応じていろいろな形状及び寸法で使用することができる。例えば、カーボン粉末は、球形粉末、棒状粉末、針状粉末などであることができる。また、カーボン粉末の寸法(直径又は長さ)は、通常、約0.1mm〜3.5cmの範囲であり、好ましくは約1.0mm〜2.5cmの範囲であり、さらに好ましくは約0.3〜2.0cmの範囲である。これらの範囲の直径を有するほぼ一様な形状を備えた球形カーボン粉末が好適である。
本発明の実施において、食塩とカーボン粉末をいろいろな比率で混合して調味混合物を調製することができる。調味混合物において、食塩とカーボン粉末の混合比は、食塩及びカーボン粉末の種類などによって変動可能であるけれども、通常、約100:1〜約100:300の範囲であり、好ましくは約100:1〜約100:100の範囲であり、さらに好ましくは約100:3〜約100:50の範囲である。ここで、カーボン粉末の配合量を増加させると、水分の吸収効率を高めることができるであろう。
調味混合物は、必要に応じて追加の成分を含有することができる。本発明で使用される調味混合物に配合することのできる追加の成分としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、木材チップ、米ぬか、燃焼灰、火山灰、茶葉又はその粉末、コーヒー粉末、ハーブ類の粉末、コショウやその他の香辛料、みそ、しょうゆ等のフリーズドライ粉末、小麦粉、水あめ粉末、アミノ酸系調味料やその他の調味料などを挙げることができる。これらの追加成分は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の塩漬け工程では、上記したような調味混合物で前処理後の魚をサンドイッチして処理を行い、その際、調味混合物と魚の間に液体透過性及び通気性を有するシート状材料を配置し、さらには、そのシート状材料と魚の間に第2のシート状材料を配置するのが好ましい。
ここで、シート状材料は、それが適度の通気性を有していて、魚などの食材の鮮度を安定に維持することができ、かつ液体透過性を有していて、魚などの食材から染み出した水分を調味混合物側に排出できるとともに、調味混合物の旨み成分などを食材に移行させることができる限りにおいて、天然もしくは合成のいかなるシート状材料からできていてもよい。また、シート状材料は多孔性を有することが一般的であるが、比較的に大きな直径の細孔を有していてはならない。調味混合物に含まれるカーボン粉末がそれらの細孔を通過して食材に付着したり、さもなければ、塩干物製造パックの構成に使用した場合、そのパックから食塩やカーボン粉末が漏れ出してはならないからである。
シート状材料は、一般的に、和紙などの強靭なフィルムや、晒し(例えば、晒し綿布又は晒し麻布)、ガーゼ、天然もしくは合成繊維からなる不織布もしくは織布、多孔性プラスチックフィルムなどであることができる。不織布等に使用可能な天然繊維としては、例えば、麻、みつまた、ケナフ、木材パルプ、コットンリンターパルプなどを挙げることができる。また、合成繊維としては、例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維などを挙げることができる。多孔性プラスチックフィルムは、合成繊維と同様な、あるいはその他の任意のプラスチック材料から、延伸、カレンダー成形などの技法によって製造することができる。なお、シート状材料は、通常単層で使用されるけれども、必要ならば、2層以上の、同一もしくは異なる材料からなるシート状材料の積層体あるいは複合体として使用してもよい。とりわけ好適なシート状材料は、和紙、晒し、ガーゼ、不織布又はその組み合わせである。
シート状材料は、食材や調味混合物の種類などに応じていろいろな厚さで使用することができる。シート状材料の厚さは、通常、約10〜2,000μmの範囲であり、好ましくは約10〜500μmの範囲であり、さらに好ましくは約50〜100μmの範囲である。シート状材料の厚さが上記の範囲を外れると、水分の透過等が悪影響を受けるため、本発明において望まれる作用効果を十分に得ることができなくなるであろう。
本発明の実施において、シート状材料と組み合わせて、第2のシート状材料を任意に使用することができる。第2のシート状材料は、例えば、晒し綿布、晒し麻布などの晒しである。また、晒しに代えて、ガーゼや不織布などを使用してもよい。必要ならば、これらのシート状材料を組み合わせて使用してもよい。
塩漬け処理は、具体的には、例えば図3に模式的に示すようにして実施することができる。図では、処理容器11に前処理後の魚5を二段重ねで積層し、それぞれの魚5を調味混合物(処理媒体)10でサンドイッチした状態が示されている。それぞれの魚5において、魚5と処理媒体10の間には、図2を参照して説明したように、晒し6及びシート状材料(和紙)7が配置されている。
処理容器11は、いろいろな材料から、いろいろな形状及びサイズで形成することができる。処理容器に適当な形状としては、例えば、ボックス形容器、円筒形容器などを挙げることができる。サイズとしては、家庭用の処理容器であるならば、約30〜50cmの一辺又は直径が一般的であり、業務用の処理容器であるならば、約50〜150cmの一辺又は直径が一般的である。材料としては、例えば繊維強化プラスチック(FRP)やその他のプラスチック材料が一般的であり、処理容器を大型化して処理槽の形などで使用する場合には、FRPやコンクリートなどから形成してもよい。
魚5を処理媒体10でサンドイッチする場合、処理媒体10の厚さは、魚の種類や処理媒体の組成などに応じていろいろに変更することができる。処理媒体層の厚さは、通常、約1〜150mmの範囲であり、好ましくは約1〜30mmの範囲であり、さらに好ましくは約1〜20mmの範囲である。魚やその他の食材が肉厚である場合、処理媒体層の厚さを増加してもよい。なお、処理媒体層の厚さは、魚以外の食材の場合にも上記の厚さが適用可能である。本発明の場合、このような厚さの処理媒体の層で魚等の食肉の周囲を完全に包囲した形で塩漬け工程を行うことが好ましい。
図3では、魚5を2段に重ねて塩漬け処理を行う例が示されているけれども、1段だけで処理を行ってもよく、さもなければ、3段もしくはそれ以上に重ねて処理を行ってもよい。魚を2段以上に重ねて塩漬け処理を行う場合、2層以上の魚を処理媒体の層と互い違いに重ね合わせた状態で塩漬け処理を行うことが好ましい。一般的に、重ね合わされる魚(その他の食材も同様)の層の数は、通常、2〜5の範囲であり、好ましくは2〜4の範囲である、最も好ましくは、2又は3である。重ね合わされる魚やその他の食材の層の数が増えすぎると、下方に位置する魚の層に対して大きな重力が加わり、塩漬け処理を効果的かつ均一に行うことができなくなる、水分の吸収や塩分及び食味成分の染み込み具合にバラツキを生じる、変形や身崩れを生じるといった不具合が発生する。
本発明において、塩漬け処理は、いろいろな条件下で実施することができる。例えば、処理温度は、通常、約2〜15℃の範囲である。処理温度を高めると、雑菌などの繁殖が進行するおそれがあるので、好ましくない。反対に処理温度を低下させると、処理効率が低下するので、好ましくない。必要ならば、処理容器を冷蔵庫に入れて処理を行うことができる。また、処理時間は、食材の種類や調味混合物の組成などに応じて広い範囲で変更することができる。処理時間は、通常、約1〜10時間の範囲であり、好ましくは約1〜5時間の範囲であり、さらに好ましくは約1〜1.5時間の範囲である。必要ならば、1時間よりも短時間に処理を完了してもよい。
1つの好ましい方法において、本発明による塩干物の製造方法は、以下に図6を参照して説明するように、シート状材料からなる袋体に調味混合物(処理媒体)を充填した後、魚やその他の食材をその袋体で包囲した状態で塩漬け処理を行うことによって実施してもよい。
本発明は、第2に、魚介類、獣肉等の前処理後の食材から、天日乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥等の乾燥工程を経ないで塩干物を製造するためのものであって、
液体透過性及び通気性を有するシート状材料からなる袋体と、
前記袋体に充填された、食塩及びカーボン粉末を少なくとも含む調味混合物と、
を含んでなり、前記袋体が、前記食材を包み込むのに十分なサイズを有していることを特徴とする塩干物製造パックにある。塩干物製造パックは、塩干物の製造を手軽に実施可能とするので、小規模ないし大規模の干物製造業者が有利に使用できることは言うに及ばず、家庭でも簡単に美味しく干物を製造できるという大きなメリットがある。
図4及び図5は、本発明による塩干物製造パックの好ましい1形態を模式的に示したものであり、以下、これらの図面を参照して本発明の塩干物製造パックを説明する。
塩干物製造パック20は、図4に示すように、ボックス状の形態を有しており、
(1)液体透過性及び通気性を有するシート状材料からなる袋体21、及び
(2)袋体21に充填された、食塩8及びカーボン粉末9を含む調味混合物(処理媒体)10、
からなる。袋体21は、図5に示すように、上方のシート状材料7aと下方のシート状材料7bとによって構成されており、それぞれのシート状材料の周端部がヒートシールによって接合されている。よって、シート状材料7a及び7bは、それぞれ、ヒートシール可能に表面処理された和紙からなっている。この塩干物製造パック20において、シート状材料7a及び7b、食塩8、カーボン粉末9、そして処理媒体10は、それぞれ、図2及び図3を参照して先に説明したようにして構成することができる。なお、シート状材料の周端部の処理は、ヒートシールの他、縫い付けや接着剤の使用などによっても可能である。
塩干物製造パック20は、いろいろな形態及び寸法を有することができるが、基本的には、その1個もしくは2個以上を使用して、魚やその他の食材を包み込むのに十分なサイズを有していることが必要である。例えば、1個の細長い塩干物製造パック20で食材を包み込んでもよい。この場合には、1個の塩干物製造パック20を折り曲げて食材を包み込むのが一般的である。別法によれば、2個もしくはそれ以上の塩干物製造パック20を任意に組み合わせて食材を包み込むこともできる。
また、塩干物製造パック20は、適度のフレキシビリティを有していて、塩漬け処理時、いろいろな食材の形状にあわせて任意に変形可能であることが好ましい。このように構成することによって、塩干物製造パック20の取り扱い性が向上するばかりでなく、食材に対して処理媒体が良好に接触できる結果、塩漬け効果をより一層高めることができるからである。また、このような面を考慮すると、塩干物製造パック20は、平板もしくはボックス状であることが好ましく、通常、約10〜50cmの幅、約10〜100cmの長さ及び約1〜5cmの厚さを有していることが好ましい。塩干物製造パックの寸法は、さらに好ましくは、約15〜30cmの幅、約15〜50cmの長さ及び約1〜3cmの厚さであり、最も好ましくは、約20〜25cmの幅、約20〜40cmの長さ及び約1〜1.5cmの厚さである。もちろん、これらの寸法は一般的なものであり、塩干物製造パックの使途などによってより大きな寸法あるいはより小さな寸法も適用可能である。
さらに、図示の例では塩干物製造パック20を密閉タイプとしたけれども、必要に応じて開閉可能に構成してもよい。塩干物製造パックが開閉可能であれば、使用済みの処理媒体を袋体から取り出し、再生処理した後に再び装填して再使用することが可能である。通常、袋体21の少なくとも一辺が開閉可能な密封手段を備えているように構成することが好ましい。密閉手段は、特に限定されないけれども、各種のメカニカルファスナー、例えばテープファスナーなどを有利に使用することができる。なお、処理媒体の再生処理としては、例えば、煮沸処理や日光殺菌処理と、それに引き続く乾燥処理などを挙げることができる。
また、塩干物製造パック20において、袋体21は、そのままで使用してもよいけれども、その外面側にさらに晒しなどの層を重ね合わせたり縫い付けたりした後に使用してもよい。また、塩干物製造パック20の使用時、魚やその他の食材に晒しなどを被覆したり晒しなどで取り囲んだりした後に袋体21を使用してもよい。
図6は、図4及び図5に示した塩干物製造パック20の1使用例を模式的に示した断面図である。図示の例の場合、処理容器11に前処理後の魚5を二段重ねで積層し、それぞれの魚5を塩干物製造パック20でサンドイッチしている。塩干物製造パック20には適度のフレキシビリティが備わっているので、それぞれの魚5に十分に密着させ、塩漬け効果を高めることができる。魚5と塩干物製造パック20の間には、晒し6が配置されている。処理容器11は、FRP容器やその他のプラスチック容器であってもよく、さもなければ、琺瑯容器などであってもよい。また、処理容器に代えて、コンクリート製の処理槽などを使用してもよい。
魚5を塩干物製造パック20でサンドイッチする場合、上下の魚5によってはさまれた塩干物製造パック20の厚さは、魚の種類や処理媒体の組成などに応じていろいろに変更することができる。塩干物製造パックの厚さは、通常、約1〜50mmの範囲である。図示のように、塩干物製造パック20でそれぞれの魚を完全に包囲した形で塩漬け工程を行うことが好ましい。
図6では、魚5を2段に重ねて塩漬け処理を行う例が示されているけれども、先に図3を参照して説明したように、1段だけで処理を行ってもよく、さもなければ、3段もしくはそれ以上に重ねて処理を行ってもよい。一般的に、重ね合わされる魚(その他の食材も同様)の層の数は、通常、2〜5の範囲であり、好ましくは2〜4の範囲である、最も好ましくは2又は3である。
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、本発明は、この実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
調味混合物の調製:
オーストラリア産のミネラル分を多量に含んだ自然塩(商品名「ナチュラルソルト」、発売元:W.A.ソルト社)を入手し、その700gに木炭粉50gを添加し、両者が均一になるように混合した。自然塩中に木炭粉が均一に分散した調味混合物が得られた。
食材の調達と前処理:
漁港において水揚げされたばかりの中型鯵を入手し、ウロコ取り、エラ及び内臓の除去、開き加工、塩水による水洗、自然乾燥を含む一連の前処理を実施した。
塩漬け処理:
プラスチック製の円筒形容器を用意し、先に調製しておいた調味混合物を約1〜1.5cmの厚さで敷き詰めた。調味混合物の層の上に、容器の直径とほぼ同じ大きさに切断した晒し綿布及び和紙(商品名「ヒートロン」、石川包装資材社製)を順次重ね合わせた。次いで、前処理した鯵の半数を和紙の層の上に、互いに重なり合わないように丁寧にならべた。鯵の層ができた後、その上にさらに、上記の工程で使用したものと同じ和紙及び晒し綿布を順次重ね合わせた。その後、晒し木綿の上に調味混合物を表面がほぼ平坦になるように振り掛けた。調味混合物の層は、約1.0〜2.0cmの厚さであった。
上記のようにして鯵の層を調味混合物の層でサンドイッチした後、その上にもう1つのサンドイッチ構造体を作製した。すなわち、晒し綿布及び和紙を上記と同じ手順によって順次重ね合わせた後、残っていた鯵を一様に並べ、その後再び、上記と同じ手順によって和紙及び晒し綿布を順次重ね合わせ、最後に再び調味混合物を振り掛けた。得られた2層サンドイッチ構造体をそのままの状態で、約15℃の温度で1.5時間にわたって放置した。
評価試験:
所定の放置時間の完了後、塩漬け処理後の鯵を容器から取り出し、目視により外観を観察した。処理前よりやや引き締まった感じがし、色及び艶は、前処理後の鯵の場合とほぼ同じであり、型崩れなどの不具合も認められなかった。外観的には、鯵の干物として最高級の評価を付与できるものであった。
次いで、それぞれの鯵の干物を炭火で焼き、5人のパネラーによって食味試験を実施した。前処理後の鯵に含まれていた水分が自然塩及び木炭粉に奪われるとともに、自然塩のミネラル成分が鯵の肉に染み込んだためと考察されるが、すべてのパネラーが、鯵独特の風味をもった美味しい干物であるとの評価を下した。
また、鯵に代えてさらに、えぼ鯛及び金目鯛の干物を上記と同様な手法で作製し、再び評価したところ、外観及び食味の両面において鯵の場合と同様に満足し得る評価結果を得ることができた。
以上、本発明をその実施の形態及び実施例について説明した。最後にまとめると、本発明による塩干物の製造方法及び塩干物製造パックは、次のような態様を包含することができる。
1.液体透過性及び通気性を有するシート状材料を介して、食塩及びカーボン粉末を少なくとも含む調味混合物に魚介類、獣肉等の前処理後の食材を塩漬けし、その塩漬け工程を所定の時間にわたって継続することによって味付け及び乾燥を同時に行い、かつその塩漬け工程の間に水分を実質的に添加しないことを特徴とする塩干物の製造方法。
2.前記シート状材料が、和紙、晒し、ガーゼ、不織布又はその組み合わせであることを特徴とする上記1に記載の製造方法。
3.前記食材が魚介類であり、前処理によって内臓等が除去されていることを特徴とする上記項1又は2に記載の製造方法。
4.前記食材が魚介類であり、さらに開き加工されていることを特徴とする上記項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
5.前記食材が魚介類であり、切り身の形態であることを特徴とする上記項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
6.前記食材が魚介類であり、新鮮な魚介類を前処理したものであるかもしくは冷凍魚を前処理したものであることを特徴とする上記項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
7.前記食材が獣肉であり、ブロックあるいはその他の形態に加工されていることを特徴とする上記項1又は2に記載の製造方法。
8.食材とシート状材料の間にさらに、晒し、ガーゼ、不織布又はその組み合わせからなる群から選ばれた第2のシート状材料を介在させることを特徴とする上記項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
9.前記食塩が、化学的に合成された食塩であるかもしくは自然塩であることを特徴とする上記項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
10.前記自然塩が、30〜99重量%の塩化ナトリウムと残余の、マグネシウム、カルシウム及びカリウムを主として含むミネラル分とからなることを特徴とする上記項9に記載の製造方法。
11.前記カーボン粉末が、木炭、竹炭、活性炭又は薫炭の粉末又はその混合物であることを特徴とする上記項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
12.前記カーボン粉末が、0.1mm〜3.5cmの直径を有するほぼ一様な形状を備えた粉末であることを特徴とする上記項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
13.前記調味混合物において、食塩とカーボン粉末の混合比が、100:1〜100:300の範囲であることを特徴とする上記項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
14.前記調味混合物において、食塩とカーボン粉末の混合比が、100:1〜100:100の範囲であることを特徴とする上記項13に記載の製造方法。
15.前記調味混合物が、木材チップ、米ぬか、燃焼灰、火山灰、茶葉又はその粉末、コーヒー粉末、ハーブ類の粉末、香辛料、調味料、フリーズドライ粉末、小麦粉及び水あめ粉末からなる群から選ばれる少なくとも1種類の追加成分をさらに含むことを特徴とする上記項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
16.厚さが1〜150mmの前記調味混合物の層で前記食肉を包囲した状態で前記塩漬け工程を行うことを特徴とする上記項1〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
17.前記シート状材料からなる袋体に前記調味混合物を充填した後、前記食材を前記袋体で包囲した状態で前記塩漬け工程を行うことを特徴とする上記項1〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
18.2個以上の前記食材を前記調味混合物の層と互い違いに重ね合わせて前記塩漬け工程を行うことを特徴とする上記項1〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
19.重ね合わされる前記食材の数が、2〜5の範囲であることを特徴とする上記項17又は18に記載の製造方法。
20.1〜10時間にわたって前記塩漬け工程を行うことを特徴とする上記項1〜19のいずれか1項に記載の製造方法。
21.2〜15℃の温度で前記塩漬け工程を行うことを特徴とする上記項1〜20のいずれか1項に記載の製造方法。
22.魚介類、獣肉等の前処理後の食材から、天日乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥等の乾燥工程を経ないで塩干物を製造するためのものであって、
液体透過性及び通気性を有するシート状材料からなる袋体と、
前記袋体に充填された、食塩及びカーボン粉末を少なくとも含む調味混合物と、
を含んでなり、前記袋体が、前記食材を包み込むのに十分なサイズを有していることを特徴とする塩干物製造パック。
23.2個もしくはそれ以上の前記袋体で魚介類を包み込むように構成されていることを特徴とする上記項22に記載の塩干物製造パック。
24.1個の前記袋体を折り曲げて魚介類を包み込むように構成されていることを特徴とする上記項22に記載の塩干物製造パック。
25.前記袋体の外面側にさらに、晒し、ガーゼ、不織布又はその組み合わせからなる群から選ばれた第2のシート状材料の層が設けられていることを特徴とする上記項22〜24のいずれか1項に記載の塩干物製造パック。
26.前記袋体の少なくとも一辺が開閉可能な密封手段を備えていることを特徴とする上記項22〜25のいずれか1項に記載の塩干物製造パック。
27.前記密封手段がテープファスナーであることを特徴とする上記項26に記載の塩干物製造パック。
本発明による塩干物の製造方法の流れを示したフローチャートである。 本発明において使用される塩漬け工程を模式的に示した断面図である。 本発明における塩漬け工程の実際を示した部分切断断面図である。 本発明による塩干物製造パックの好ましい1形態を示した斜視図である。 図4の塩干物製造パックの線分V−Vに沿った断面図である。 図4及び図5の塩干物製造パックの使用状態を模式的に示した部分切断断面図である。
符号の説明
5…魚(開き)
6…晒し
7…シート状材料
8…食塩
9…カーボン粉末
10…調味混合物
11…塩漬け処理槽
20…塩干物製造パック
21…袋体

Claims (11)

  1. 液体透過性及び通気性を有するシート状材料を介して、食塩及びカーボン粉末を少なくとも含む調味混合物に魚介類、獣肉等の前処理後の食材を塩漬けし、その塩漬け工程を所定の時間にわたって継続することによって味付け及び乾燥を同時に行い、かつその塩漬け工程の間に水分を実質的に添加しないことを特徴とする塩干物の製造方法。
  2. 前記シート状材料が、和紙、晒し、ガーゼ、不織布又はその組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記食材が魚介類であり、新鮮な魚介類を前処理したものであるかもしくは冷凍魚を前処理したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 食材とシート状材料の間にさらに、晒し、ガーゼ、不織布又はその組み合わせからなる群から選ばれた第2のシート状材料を介在させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記食塩が、化学的に合成された食塩であるかもしくは自然塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記カーボン粉末が、木炭、竹炭、活性炭又は薫炭の粉末又はその混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記調味混合物において、食塩とカーボン粉末の混合比が、100:1〜100:300の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 厚さが1〜150mmの前記調味混合物の層で前記食肉を包囲した状態で前記塩漬け工程を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記シート状材料からなる袋体に前記調味混合物を充填した後、前記食材を前記袋体で包囲した状態で前記塩漬け工程を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 2個以上の前記食材を前記調味混合物の層と互い違いに重ね合わせて前記塩漬け工程を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 魚介類、獣肉等の前処理後の食材から、天日乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥等の乾燥工程を経ないで塩干物を製造するためのものであって、
    液体透過性及び通気性を有するシート状材料からなる袋体と、
    前記袋体に充填された、食塩及びカーボン粉末を少なくとも含む調味混合物と、
    を含んでなり、前記袋体が、前記食材を包み込むのに十分なサイズを有していることを特徴とする塩干物製造パック。
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