JP2005192449A - イソマルチュロース結晶および還元イソマルチュロースの製造方法 - Google Patents

イソマルチュロース結晶および還元イソマルチュロースの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な設備投資で省エネルギーかつ効率的にイソマルチュロース結晶を製造する方法を提供すること。
【解決手段】 ショ糖からイソマルチュロース結晶を製造する方法において、
転移酵素α−グルコシルトランスフェラーゼが活性である条件下で、ショ糖からイソマルチュロースへの酵素的変換反応を行なうと同時に、酵素反応によって過飽和状態となったイソマルチュロースを同一反応槽内で晶析させる工程、および
晶析したイソマルチュロース結晶を反応母液から分離回収する工程、
を含むことを特徴とするイソマルチュロース結晶の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ショ糖を原料としてイソマルチュロース結晶を製造する方法に関する。
イソマルチュロース(パラチノースとも呼ばれる)は、ショ糖にα−グルコシルトランスフェラーゼと呼ばれる転移酵素を作用させることにより生成される、グルコースとフルクトースがα−1,6結合により結合している二糖類であり、近年、様々な食品に利用されている。イソマルチュロースの有する特徴としては、低甘味、非う蝕性、インスリン非刺激性等が挙げられる。
このイソマルチュロースに水素添加することにより還元イソマルチュロース(パラチニットという商品名で知られる)が得られるが、還元イソマルチュロースは、前記イソマルチュロースの特徴に加え、更に吸湿性が低く、低カロリーで耐熱性に優れるという特徴を有するため、より多くの食品に利用されている。
ショ糖をイソマルチュロースに転換するα−グルコシルトランスフェラーゼは、種々の微生物によって産生される転移酵素であり、例えば、セラチア属、クレブシエラ属、シュードモナス属、プロタミノバクター属、エルヴィニア属、アグロバクテリウム属等の微生物から産生されるものが知られている。
また、α−グルコシルトランスフェラーゼは、ショ糖からイソマルチュロースを生成すると同時に副生成物としてトレハルロースを生成することも知られている。
イソマルチュロースを工業的に製造する場合、原料であるショ糖溶液に、温度、pH等の条件を管理しながらα−グルコシルトランスフェラーゼを作用させることにより、イソマルチュロースを生成させる方法が一般に用いられている。
掛かる系においては、副生成物としてトレハルロースも生成されるため、高純度のイソマルチュロースを得るためには、酵素反応工程終了後、イソマルチュロースおよびトレハルロースの混合溶液からイソマルチュロースを晶析させて母液から分離する晶析分離工程が必要とされている。
イソマルチュロースとトレハルロースの混合溶液からイソマルチュロース結晶を晶析させて母液から分離するに際しては、濃縮や冷却を行なう必要がある。このため、加熱と同時に減圧ができる装置、あるいは一定の速度で冷却できる装置が別途必要となる上、水分を蒸発させる、あるいは冷却するために多大なエネルギーを必要とし、ランニングコストの上昇が避けられない。
一方、酵素反応工程において、ショ糖溶液にα−グルコシルトランスフェラーゼを作用させる最も簡易な方法は、酵素抽出液をショ糖溶液に直接添加する方法である。しかしながら、この反応に用いる転移酵素は高価であることから、酵素の固定化、あるいは半透膜による酵素の回収などの酵素の再利用方法が検討されてきた。
即ち、従来からのイソマルチュロース結晶を得る方法において酵素を再利用するためには、固定化酵素をカラムに充填したり、限外濾過することにより、イソマルチュロースの晶析前に酵素を系外に除く必要がある。したがって、ショ糖からイソマルチュロース結晶を得るためには、酵素反応工程と晶析分離工程の少なくとも2つの工程が必要であり、そのうえ酵素を固定化するあるいは酵素分離手段を設ける必要があった。
例えば、約40重量%のショ糖溶液を、pH5.5、温度25℃前後とした固定化酵素を充填したカラムにSV0.5h−1程度の流速で通液すると、約85%の生成率でショ糖からイソマルチュロースが生成する。このイソマルチュロースを含んだ流出液をイオン交換樹脂を通して脱塩、精製し、精製溶液を濃縮した後、結晶化(晶析)させる方法が知られている(非特許文献1を参照)。
しかし、このような酵素の再利用を実施するには専用の設備が必要となるため設備費が嵩み、かえってコスト高となるという欠点があった。
また、従来の方法では、酵素反応工程においてイソマルチュロースが過飽和状態となると、カラム内や酵素反応槽内に析出して、酵素の回収、再利用に支障を来すことから酵素反応により過飽和状態となることを防止する必要があった。このため、原料としては低固形分濃度(30〜40重量%)のショ糖溶液を使用しなければならず、効率が悪い上、転移酵素の熱安定性が不安定であった。
このように、従来のイソマルチュロース結晶の製造方法は、高価な装置で構成された複雑な工程が必要であるにもかかわらず、製造効率が悪いため、得られたイソマルチュロース結晶は非常に高価なものとなっていた。また、このような高価なイソマルチュロース結晶から製造される還元イソマルチュロースも、当然ながら更に高価なものとなっていた。
鈴木一正、中島良和、「パラチノースの性質と利用」、別冊フードケミカル−4、食品化学新聞社、平成2年12月12日、p165−171
本発明の目的は、簡易な設備投資で省エネルギーかつ効率的にイソマルチュロース結晶を製造する方法を提供することにある。また本発明の他の目的は、高価な転移酵素を再利用することにより低コストでイソマルチュロース結晶を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ショ糖溶液に転移酵素を作用させてイソマルチュロースを生成させ、イソマルチュロースが過飽和状態となった状態でイソマルチュロースの晶析を行なうことによって、単一の反応槽でイソマルチュロースの酵素的生成と晶析を同時に行うことができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、ショ糖からイソマルチュロース結晶を製造する方法において、
転移酵素α−グルコシルトランスフェラーゼが活性である条件下で、ショ糖からイソマルチュロースへの酵素的変換反応を行なうと同時に、酵素反応によって過飽和状態となったイソマルチュロースを同一反応槽内で晶析させる工程、および、
晶析したイソマルチュロース結晶を反応母液から分離回収する工程、
を含むことを特徴とするイソマルチュロース結晶の製造方法を提供する。
また本発明は、このようにして得られたイソマルチュロース結晶を水に溶解した後、触媒の存在下で水素添加してイソマルチュロースを還元する水素添加工程をさらに含む還元イソマルチュロースの製造方法を提供する。
本発明の方法によって、簡易な製造設備で省エネルギーかつ効率的にイソマルチュロース結晶および還元イソマルチュロースを製造し得る。
本発明の方法で用いるショ糖は、入手しやすい一般的なショ糖でよく、高純度のものから低純度のものまで幅広く使用可能であるが、高純度のイソマルチュロース結晶を得るためにはグラニュー糖等の高純度に精製されたものを用いるのが好ましい。
本発明において、溶液とは、飽和濃度までの溶液をいい、スラリーとは、飽和濃度を超えて溶液中に固体を含む、液体・固体混合状態をいう。また、過飽和状態とは、飽和濃度を超えて溶質が溶液として溶解している状態をいう。
本発明の方法の開始時において、原料であるショ糖は、固形分濃度50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%の溶液もしくはスラリーとして提供される。従来の方法で用いられるショ糖溶液の固形分濃度は比較的低濃度(30〜40重量%程度)であるが、本発明においては従来に比べて高固形分濃度のショ糖溶液を用いることによって、酵素反応によりイソマルチュロースが過飽和状態となり、イソマルチュロースの生成および晶析を同時に行うことが可能となる。また、高固形分濃度のショ糖溶液を使用することにより転移酵素を熱的に安定化させることが可能となる。
ショ糖溶液の固形分濃度が50重量%より低いと、酵素反応の最適温度において生成したイソマルチュロースが過飽和状態となり得ないため、イソマルチュロースの生成と晶析を同時に行うことが困難となる。固形分濃度が90重量%より高いと、スラリー粘度が高くなりすぎるため撹拌が困難となり酵素反応によるイソマルチュロースの生成が不十分となる可能性がある。
本発明においては、酵素反応工程および晶析工程を単一の反応槽で行う。本発明において用いられる反応槽としては、ステンレス製、FRP製、ガラス製等の一般的な反応槽または晶析槽を使用することができる。また、晶析において、高温での加熱濃縮あるいは冷却をする必要がないため、これらの機能を特別に有している必要はないが、保温機能および攪拌機能を備えたものであることが望ましい。
本発明において使用する酵素は、ショ糖をイソマルチュロースに転移させることが可能な酵素であればいずれを用いてもよく、かかる酵素はよく知られている。例えばセラチア属、クレブシエラ属、シュードモナス属、プロタミノバクター属、エルヴィニア属、アグロバクテリウム属等の微生物から産生される、既知のα−グルコシルトランスフェラーゼが利用可能である。
また、ショ糖と反応させる際の酵素の形態としては、酵素抽出液、菌体破砕液、生菌等が採用できるが、イソマルチュロース結晶の製造終了後に酵素の回収が容易である点で酵素抽出液の形態で使用するのが好ましい。
転移酵素とショ糖の反応条件は酵素が活性である条件であれば特に限定されず、採用する酵素の性質に応じて適切な反応条件で行えばよいが、例えばセラチア属由来のα−グルコシルトランスフェラーゼを使用した場合には、酵素添加量1〜100U/g・SUC、pH5〜7、反応温度30〜70℃の条件で行うのが好ましい。
酵素反応工程において、イソマルチュロースが生成されるにつれて溶液中のイソマルチュロース濃度が高くなり、やがて過飽和状態となる。本発明においては、溶液中のイソマルチュロースが過飽和状態となった時点でイソマルチュロースの晶析を開始することによって、イソマルチュロース結晶が晶出するが、この間も酵素反応が継続して行われることから、イソマルチュロースの生成と晶析が同時に行われることとなる。
イソマルチュロースの晶析を効率的に開始するためには、種結晶としてイソマルチュロース結晶を添加するのがよい。種結晶として用いるイソマルチュロース結晶は、緩やかな撹拌によって溶液中に容易に分散するものであれば、その粒子径は特に限定されないが、例えば50〜300μm程度のものを用いるのが好ましい。種結晶の添加量は添加するイソマルチュロース結晶の粒子径によっても異なるが、溶液中0.1〜10重量%となるように添加するのがよい。種結晶はイソマルチュロースが飽和状態である時点で添加するのがよい。
イソマルチュロースの生成および晶析工程は、晶析開始後、ショ糖がほぼ無くなるまで行なえばよい。工程の温度や酵素の添加量および種結晶の添加量にもよるが、通常30時間以内で行なう。
晶析によって晶出したイソマルチュロース結晶を含む反応溶液は、次いで回収工程に供せられ、イソマルチュロース結晶を母液から分離し回収する。イソマルチュロース結晶を母液から分離する手段としては、リーフフィルターやフィルタープレス等の濾過機、あるいは遠心脱水機等が採用可能であるが、高純度のイソマルチュロース結晶を効率的に分離回収するためには遠心脱水機を用いるのが好ましい。遠心脱水機としては、結晶回収用のバケット型遠心機が好ましく、500〜1500Gで3〜5分間程度の条件下で遠心脱水を行うのがよい。
イソマルチュロース結晶が回収された残存母液には転移酵素が失活せずに含まれている。この残存母液に原料であるショ糖を添加することによって、再び転移酵素が作用してイソマルチュロースが生成される。そして生成するイソマルチュロースが過飽和状態となれば同様にイソマルチュロース結晶の晶析が開始される。
残存母液に添加するショ糖は、回収したイソマルチュロース結晶の量を上限とすればよい。ショ糖添加後の反応およびイソマルチュロースの晶析条件は上述のものと同様とすればよい。また晶析の開始に際しては前述したように種結晶を更に添加してもよい。
本発明においては、イソマルチュロース結晶回収後の残存母液を再利用することによって、転移酵素を繰り返し使用することが可能となる。したがって、酵素の分離回収などの煩雑な操作を行なうことなく、効率的に酵素の再利用が可能となる。
また、残存母液はイソマルチュロースが飽和状態であるため、この残存母液を再利用すれば、酵素反応によって短時間でイソマルチュロースが過飽和状態となるため、効率的に工程を繰り返すことが可能となる。
このような転移酵素および未晶析のイソマルチュロースを含む残存母液の再利用は、特に制限無く行うことが可能であるが、再利用を繰り返すにつれて母液中のトレハルロースの割合が増加することによってイソマルチュロース結晶の成長が不十分となるため、高純度のイソマルチュロース結晶が得られなくなる。このため、残存母液中の固形分におけるイソマルチュロースの割合が25重量%程度に低減した時点を目処に、母液の再利用を終了するのが製造効率の点で好ましい。
また、さらに収率を向上させるために、再利用が終了した最終残存母液を、冷却晶析あるいは濃縮晶析等の周知の晶析方法により、母液中に存在するイソマルチュロースを晶析して回収してもよい。
回収したイソマルチュロース結晶は、乾燥することによって流動性の優れた粉末とすることができる。乾燥方法としては、真空リボン式、流動層式、振動式、ロータリー式、箱型棚式等の一般的な乾燥方法であればいずれも採用可能である。乾燥時の温度は結晶が溶解しない温度であればよく、30〜100℃、好ましくは60〜90℃であるのがよい。
本発明の方法によって製造されたイソマルチュロース結晶を用いて、従来より知られた方法によって還元イソマルチュロースを製造することが可能である。
例えばイソマルチュロース結晶を水に溶解させ、触媒(例えばラネーニッケル触媒)の存在下、高温高圧で水素添加させる方法等により、容易に還元イソマルチュロースを製造することができる。
以下に本発明を実施例について説明する。
操作1
2L容セパラブルフラスコに水350g、グラニュー糖840gを入れ、50℃の湯浴中で攪拌(60mm径の4翼タービン、回転数60rpm)して固形分濃度70%のショ糖溶液を調製した。
次いで、セラチア属由来のα―グルコシルトランスフェラーゼ抽出液10g(酵素量6720U)を添加し、酵素反応を開始した。反応中、0.1%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加してpH6〜7に調整した。
反応開始から5時間後に、種結晶として平均粒子径100μmのイソマルチュロース結晶6gを添加し、イソマルチュロースの晶析を開始した。
反応開始から28時間後、攪拌を停止し反応を完了した。このとき反応溶液はスラリー状であり、ショ糖含有量は0.1重量%であった。
このスラリー状溶液1100gをナイロン製のネット(目開き250μm)を設置した遠心脱水機に入れ、890Gで10分間遠心脱水し、イソマルチュロース結晶390g(固形分濃度:93.5重量%、純度:98.6%)を反応母液から分離し回収した。イソマルチュロース結晶が分離された残存母液は710g(固形分濃度:57.3重量%、固形分中のイソマルチュロースの割合:71.2重量%)であった。
操作2
操作1で得られた残存母液650gおよびグラニュー糖350gを、操作1と同様の2L容セパラブルフラスコに入れ、さらに種結晶5gを添加し、操作1と同様にして、酵素反応および晶析を行った。
反応開始から22時間後、攪拌を停止し反応を完了した。このとき溶液はスラリー状であり、ショ糖含有量は0.1重量%であった。
このスラリー状溶液900gを操作1と同様にして遠心脱水し、イソマルチュロース結晶321g(固形分濃度:92.7重量%、純度:98.1%)を回収した。イソマルチュロース結晶が分離された残存母液は579g(固形分濃度:61.1重量%、固形分中のイソマルチュロースの割合:63.0重量%)であった。
比較例1
酵素反応
2L容マイヤーに、水1193.7g、グラニュー糖800gを入れて、40℃の湯浴中で保温しながらマグネットスターラーで攪拌し、固形分濃度40重量%のショ糖溶液を調製した。
次いで実施例1と同じα―グルコシルトランスフェラーゼ抽出液6.3gを添加し、酵素反応を開始した。反応中、0.1%水酸化ナトリウム水溶液を適宜添加してpH6〜7に調整した。
反応開始から30時間後、攪拌を停止し反応を完了した。このとき、反応溶液は、固形分中にイソマルチュロースを82.0重量%、ショ糖を0.2重量%含有するものであった。
晶析操作1(加熱・減圧による晶析)
上記酵素反応で得られた反応溶液を、固形分濃度57.1%となるまで常圧下で加熱し濃縮した。この濃縮液1200gおよび実施例1と同じ種結晶6gを、2L容セパラブルフラスコに入れ、60℃の湯浴中(溶液温度:約50℃)で攪拌(60mm径の4翼タービン、回転数60rpm)し、減圧下(75Torr)で水分を蒸発させた。
晶析操作開始から5時間後、攪拌を停止し晶析を終了した。このとき溶液はスラリー状であった。このスラリー状溶液900gを実施例1と同様に遠心脱水し、イソマルチュロース結晶320g(固形分濃度:93.8重量%、純度:98.5%)を反応母液から分離し回収した。イソマルチュロース結晶が分離された残存母液は580g(固形分濃度:59.6重量%、固形分中のイソマルチュロースの割合:68.0重量%)であった。
晶析操作2(冷却による濃縮・晶析)
晶析操作1で得られた残存母液400gおよび種結晶2gを、晶析操作1と同様に2L容セパラブルフラスコに入れ、50℃の湯浴中で攪拌しながら、湯浴温度を1℃/hrの速度で30℃まで20時間かけて冷却し、更に30℃で5時間保持した。
冷却開始から25時間後、攪拌を停止し晶析を終了した。このとき溶液はスラリー状であった。このスラリー状溶液300gを実施例1と同様に遠心脱水し、イソマルチュロース結晶57g(固形分濃度:93.6重量%、純度:98.4%)を回収した。イソマルチュロース結晶が分離された残存母液は243g(固形分濃度:51.9重量%、固形分中のイソマルチュロースの割合:55.5重量%)であった。
[結果]
実施例1および比較例1における、操作条件、転換率、全所要時間、ショ糖処理量、イソマルチュロース結晶回収率、イソマルチュロース結晶収量、水の蒸発に要したエネルギーを表1に示す。
Figure 2005192449
1)純度98%以上のイソマルチュロース結晶の固形分重量(添加した種結晶は含まず)
2)晶析操作における水分の蒸発熱量(kcal)
=蒸発水分量(kg)×540(kcal/kg)
本発明の方法によると、従来方法に比べ、短時間により多くのイソマルチュロース結晶を得ることが可能であった。また、水分の蒸発を伴う濃縮操作が必要ないためこの操作にかかるエネルギーが不要であった。
本発明のイソマルチュロース結晶の製造方法によれば、酵素による転移反応と晶析が単一反応槽内で同時に行われるため、簡易な設備で製造可能であり、設備費が大幅に軽減される。また、晶析操作において、単位容積当たりのショ糖処理量が多く生産効率が大幅に向上する。さらに、濃縮や冷却が不要であるため省エネルギー化が図れ、また高価な酵素を再利用できるため、ランニングコストを大幅に削減することが可能となる。
実施例1のフローチャートである。 比較例1のフローチャートである。
符号の説明
1.反応晶析槽
2.遠心機
3.貯槽
4.反応槽
5.濃縮晶析槽
6.冷却晶析槽

Claims (6)

  1. ショ糖からイソマルチュロース結晶を製造する方法において、
    転移酵素α−グルコシルトランスフェラーゼが活性である条件下で、ショ糖からイソマルチュロースへの酵素的変換反応を行なうと同時に、酵素反応によって過飽和状態となったイソマルチュロースを同一反応槽内で晶析させる工程、および、
    晶析したイソマルチュロース結晶を反応母液から分離回収する工程、
    を含むことを特徴とするイソマルチュロース結晶の製造方法。
  2. 反応開始時において固形分濃度50〜90重量%のショ糖溶液またはショ糖スラリーを転移酵素α−グルコシルトランスフェラーゼの基質とする、請求項1記載のイソマルチュロース結晶の製造方法。
  3. イソマルチュロースの晶析を種結晶の添加によって開始させる、請求項1または2記載の製造方法。
  4. イソマルチュロース結晶を分離した残存母液にショ糖を添加し、転移酵素α−グルコシルトランスフェラーゼが活性である条件下で、ショ糖からイソマルチュロースへの酵素的変換反応を行なうと同時に、酵素反応によって過飽和状態となったイソマルチュロースを同一反応槽内で晶析させる工程、および
    晶析したイソマルチュロース結晶を反応母液から分離回収する工程、
    をさらに含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のイソマルチュロース結晶の製造方法。
  5. 転移酵素α−グルコシルトランスフェラーゼが活性である条件下で、ショ糖からイソマルチュロースへの酵素的変換反応を行なうと同時に、酵素反応によって過飽和状態となったイソマルチュロースを同一反応槽内で晶析させる工程、
    晶析したイソマルチュロース結晶を反応母液から分離回収する工程、および、
    回収されたイソマルチュロース結晶を水に溶解した後、触媒の存在下で水素添加しイソマルチュロースを還元する水素添加工程、
    を含むことを特徴とする還元イソマルチュロースの製造方法。
  6. 反応開始時において固形分濃度50〜90重量%のショ糖溶液またはショ糖スラリーを転移酵素α−グルコシルトランスフェラーゼの基質とする、請求項5記載の還元イソマルチュロース結晶の製造方法。
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