JP6974506B2 - 甘味料アルロースを製造する方法 - Google Patents

甘味料アルロースを製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルロースを製造する方法において、特に、アルロース含有溶液を低温で濃縮して、フルクトースと還元糖のような不純物の含有量を減少させてアルロース含有量を増加させ、高い収率で安定性のあるアルロース濃縮物を製造する方法に関する。
アルロース(D−allulose)は、果糖(D−fructose)のエピマーで希少糖として知られた機能性糖類の一種であり、砂糖の約60〜70%の高い甘味度を示しながらも熱量はほぼゼロカロリーに近くて、糖尿病の予防および改善に効能があることが知られている。また、アルロースは、溶解性にも優れていることが知られていて、食品への活用が注目されている素材の一つである。
アルロースを製造する方法は、化学的方法および生物学的方法があり、最近、生物学的方法でアルロースを製造する方法は、果糖−含有基質溶液とアルロースエピマー化酵素または前記酵素を生産する菌体と接触してアルロース転換反応を行う。アルロース転換工程に使用される反応原料の果糖含有溶液が、デンプンなどの分解から得られるブドウ糖を異性化反応で得られた果糖異性化反応生成物であってもよい。
しかし、D−アルロースを含む反応液は低純度製品であるため、高純度でアルロースを分離することが要求される。実際に産業的に生産される素材は、高純度で分離するために多様な方法が適用されており、糖の場合、主に、クロマトグラフィーを用いて高純度液を作った後、結晶化して製品を生産している。
前記アルロース転換反応生成液から高純度アルロース製品を得るためには、高純度分離工程を行い、また、アルロース結晶を得るためには、高純度のアルロースシロップを用いてアルロース結晶化工程を行うことができる。前記アルロース分離工程で得られたアルロース分画から、アルロースから不純物に転換することを最小化してアルロース含有量を増加させ、高収率でアルロースを濃縮する方法および原料の利用率を高め、アルロース濃縮液が保管期間の間保存安定性を有する濃縮方法が必要であるのが現状である。
そこで、本発明の一例は、アルロース水溶液からアルロースを濃縮する方法であって、アルロースから不純物に転換することを最小化してアルロース含有量を増加させ、高収率および保存安定性の高いアルロースを濃縮する方法およびそれに用いられる装置に関する。
本発明のさらなる目的は、アルロースから不純物に転換することを最小化してアルロース含有量を増加させ、高収率でアルロースを濃縮する方法を含むアルロースの製造方法およびそれに用いられる装置に関する。
本発明は、アルロース水溶液を低温濃縮して、フルクトースと還元糖のような不純物の含有量を減少させながらアルロース含有量を増加させ、高収率および保存安定性の高いアルロースを濃縮する方法に関する。前記アルロース水溶液は、アルロース分離工程で得られたアルロース分画から得られるものであってもよい。
アルロースの濃縮工程により高いブリックスまで一度に固形分含有量を増加させる場合、フルクトースと還元糖のような不純物またはアルロース転換物の含有量が増加し、アルロース純度が低くなって、最終生産収率および製品の品質が低下し、また、保管期間の間保存安定性が低い問題がある。したがって、生産収率、製品品質および保管安定性を考慮して、既存のデンプン糖の製造方式とは異なる濃縮方法を必要とする。
そこで、本発明は、アルロース水溶液を低温で濃縮する方法、好ましくは、濃縮工程を少なくとも2以上の蒸留工程で行う方法を採用することによって、濃縮過程でアルロースが不純物に転換することを最小化してアルロース含有量を増加させ、高収率でアルロースが得られて原料の利用率を高め、アルロース濃縮液の保存安定性が増加するという利点がある。前記低温濃縮工程は、薄膜真空濃縮機または多重効用缶濃縮機を用いて少なくとも2段階以上に分けて段階的に濃縮することで行われる。
本発明によるアルロース溶液の濃縮方法により得られたアルロース濃縮物は、濃縮前のアルロース含有量100重量%を基準として、35℃で5週間保管の条件で、アルロース含有量の減少幅が3.5重量%以下、3.0重量%以下、2.5重量%以下、または1.5重量%以下である、保管安定性に優れたアルロース濃縮液を得ることができる。
これにより、本発明は、比較的低温でアルロース水溶液を濃縮時、含有量の変化なく製品を生産することができ、濃縮時、アルロースの含有量減少がなく、製品の品質が安定的に生産可能であることを確認した。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明は、アルロースを含むアルロース水溶液を得る段階;および前記アルロース水溶液を蒸留する段階を含み、前記蒸留する段階は、濃縮溶液の温度が85℃以下、例えば、アルロース溶液の温度が40〜85℃の範囲で行われ、固形分含有量が60以上、例えば、60ブリックス以上〜85ブリックス以下であるアルロース濃縮液を製造する方法に関する。本明細書において、「ブリックス」という用語は、試料溶液100gに含まれている糖類の質量(g)で定義される。
前記蒸留する段階は、2回以上繰り返し行われる。前記蒸留する段階は、少なくとも2以上の蒸留工程で行われる。
前記蒸留濃縮段階を少なくとも2以上の構成蒸留工程で行う場合、各構成工程は、蒸留温度、蒸留時間、蒸留方式、濃縮液の固形分含有量(ブリックス)、濃縮液に含まれているアルロース純度などを考慮して、少なくとも1つの蒸留工程の条件を異なって設定して分けて行うことができる。
具体的には、本発明による蒸留段階を2つの工程を行う場合には、アルロース水溶液を蒸留して全体固形分含有量10ブリックス以上〜60ブリックス以下に低濃縮液を製造する工程、および前記低濃縮液を蒸留して全体固形分含有量60ブリックス超過〜85ブリックス以下の高濃縮液を製造する工程を含むことができる。
本発明による製造方法で得られたアルロース濃縮液の最終固形分含有量の下限値は、60ブリックス以上または超過、65ブリックス以上または超過、70ブリックス以上、75ブリックス以上、78ブリックス以上、79ブリックス以上、80ブリックス以上、81ブリックス以上、82ブリックス以上、83ブリックス以下、または84ブリックス以上であってもよいし、最終固形分含有量の上限値は、85ブリックス以下、84ブリックス以下、82ブリックス以下、81ブリックス以下、80ブリックス以下、79ブリックス以下、78ブリックス以下、75ブリックス以下、または70ブリックス以下であってもよい。また、アルロース濃縮液の最終固形分含有量は、前記記載の含有量の下限値から選択された1つと上限値から選択された1つの数値とを組み合わせた範囲であってもよいし、例えば、60ブリックス以上〜80ブリックス、60ブリックス超過〜80ブリックス、65〜85ブリックス、65〜80ブリックス、または68〜85ブリックスなどであってもよい。
さらに、濃縮は、初期の全体固形分含有量(brix)5〜15ブリックスから10ブリックス以上〜60ブリックス以下まで、例えば、10〜55ブリックス、10〜60ブリックス、15〜55ブリックス、15〜60ブリックス、10〜19ブリックス、20〜29ブリックス、30〜39ブリックス、40〜49ブリックス、または50〜60ブリックス以下まで1次濃縮し、前記1次濃縮液を60ブリックス超過〜85ブリックス以下、例えば、60ブリックス超過〜80ブリックス、65〜85ブリックス、65〜80ブリックス、または68〜85ブリックスまで2次濃縮する、少なくとも2段階に区分された濃縮工程で行うことができ、これにより、アルロースの含有量が高純度分離後から安定的に維持可能になる。
前記高濃縮液を製造する工程の溶液温度と低濃縮液を製造する工程の溶液温度との差は、0℃〜35℃、例えば、0℃〜25℃、5℃〜25℃、10℃〜25℃、5℃〜35℃、10℃〜35℃、0℃〜20℃、5℃〜20℃、または10℃〜20℃であってもよい。
例えば、前記蒸留濃縮工程は、アルロース溶液の温度が40℃〜85℃の範囲で行うことができ、濃縮段階を2つの工程で行う場合、1次濃縮時の溶液温度が40℃〜75℃の範囲であり、2次濃縮時の溶液温度が50℃〜85℃であってもよい。
具体例として、多重効用缶濃縮機を用いる2段濃縮工程は、アルロース溶液の温度が40℃〜60℃の範囲で1次濃縮して得られる濃縮物のブリックスが20〜29であり、溶液の温度が60℃〜85℃の範囲で2次濃縮を行うか、アルロース溶液の温度が45℃〜70℃の範囲で1次濃縮して得られる濃縮物のブリックスが30〜39であり、溶液の温度が50℃〜75℃の範囲で2次濃縮を行うことができる。
また、薄膜真空濃縮機を用いる2段濃縮工程は、アルロース溶液の温度が40℃〜55℃の範囲で1次濃縮して得られる濃縮物のブリックスが10〜60ブリックスであり、溶液の温度が45℃〜75℃の範囲で2次濃縮を行うことができる。
本発明による蒸留する段階において、圧力条件(蒸留器内部)は、10mmHg以下(例えば、0.0001〜10mmHg、より具体的には0.0001〜8mmHg)であることが好ましく、5mmHg以下(例えば、0.001〜5mmHg)であることがさらに好ましく、1mmHg以下(例えば、0.01〜1mmHg、より具体的には0.01〜0.8mmHg)であることがより好ましい。このような圧力条件を達成すべく、減圧ポンプを用いることができる。前記蒸留する段階において、前記減圧条件を外れるか、例えば、減圧ポンプを中断して工程を、低濃縮液を製造する工程と高濃縮液を製造する工程との間に追加的に含むことができ、例えば、低濃縮液を製造する濃縮装置と高濃縮液を製造する濃縮装置に搬送することで行われる。
前記蒸留圧力が10mmHgより高ければ、無水糖アルコールを蒸留するためには、蒸留温度を高めなければならず、その場合、上記のような問題点が発生しうる。これに対し、蒸留圧力を低くするためには、高真空装置費用が追加的にかかるので、過度に低い蒸留圧力は好ましくない。本発明の好ましい一具体例によれば、蒸留段階を行う時、蒸留器の内部を真空ラインを介して減圧することに加えて、蒸留残留物排出ラインを介して追加的に減圧することができる。
本発明による濃縮液を製造するためのアルロース水溶液は、アルロースを90重量%以上、例えば、95重量%以上の含有量で含む高純度アルロース溶液であってもよい。前記アルロース水溶液の粘度は、温度45℃で2cps〜40cpsであってもよいし、電気伝導度は、0.01〜100uS/cm、0.1〜100uS/cm、好ましくは、0.01〜30uS/cm、または0.1〜30uS/cmであってもよい。
前記濃縮工程の対象となるアルロース水溶液の一例は、カルシウム活性基が付着した陽イオン交換樹脂が充填されたカラムクロマトグラフを用いて擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィー分離工程を行って得られるアルロース分画であってもよいし、具体的には、生物学的触媒を用いて果糖−含有原料をアルロースに転換するアルロース転換反応生成物を得て、前記アルロース転換反応生成物の活性炭処理、イオン精製および擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィー分離工程を行って得られたアルロース分画であってもよい。前記アルロース分画物は、SMBクロマトグラフィー分離工程で得られたそれ自体、またはイオン精製工程を経て得られたものであってもよい。前記果糖−含有原料の果糖含有量は、果糖−含有原料の固形分総含有量100重量%を基準として85重量%以上であり、アルロース転換反応のアルロース転換率は15%〜70%である生物学的触媒を使用するものであってもよい。前記アルロース水溶液では下記にさらに詳しく説明する。
本発明の濃縮方法により得られたアルロース濃縮液は、固形分含有量が60以上〜85ブリックス以下、例えば、60ブリックス超過〜80ブリックス、65〜85ブリックス、65〜80ブリックス、または68〜85ブリックスであってもよい。前記アルロース濃縮液は、アルロース純度90wt/wt%以上、例えば、91wt/wt%以上、92wt/wt%以上、93wt/wt%以上、94wt/wt%以上、95.5wt/wt%以上、96重量%以上、97重量%以上、98重量%以上、または99重量%以上であってもよい。前記アルロース濃縮物に含まれているアルロース含有量は、前記SMBクロマトグラフィー分離工程で得られたアルロース分画のアルロース含有量と変動がほとんどなく、固形分含有量が増加して後の結晶化工程を行えるようにする。
本発明において、「還元糖(reducing sugar)」は、遊離アルデヒド基またはケトン基を有して還元性を示す糖を意味する。本発明の「還元糖」は、アルロース、グルコース、およびフルクトースを除いた遊離の単糖類と、アルドースあるいはケトースを還元して得られる糖アルコール類とを含み、さらに詳しくは、本発明の還元糖の種類は、アラビノース、キシロース、マンノース、アルトロース(Altrose)、およびアロース(Allose)を含む単糖類;並びにグルシトール(Glucitol)、マンニトール(Mannitol)、アルトリトール(Altritol)、およびアリトール(Allitol)を含む糖アルコール類を含む。
前記アルロース濃縮物に含まれているフルクトースおよび還元糖の合計含有量が4.5重量%以下、好ましくは、4.0重量%以下、3.7重量%以下、3.5重量%以下、3.0重量%以下、2.0重量%以下、または1.0重量%以下であってもよい。前記アルロース濃縮液は、フルクトース含有量が3.0重量%以下であり、還元糖の含有量が2.5重量%以下であってもよいし、好ましくは、前記フルクトースと還元糖と共に含有量は4.5重量%以下の条件を満足するものである。具体例として、前記アルロース濃縮液は、フルクトース含有量が2.8重量%以下であり、還元糖の含有量が2.0重量%以下、2.0重量%以下、1.5重量%以下、1.3重量%以下、1.0重量%以下、0.5重量%以下であってもよい。
本発明によるアルロース濃縮液を得る方法は、高純度アルロース溶液の温度が85℃以下、例えば、40℃〜85℃の温度で行われ、具体的には、薄膜濃縮機または多重効用蒸発器を用いて行うことができる。
本発明のアルロースの製造方法において使用可能な薄膜真空濃縮機(Thin Film Evaporator)は、内蔵型または外付型薄膜真空濃縮機を含む。内蔵型薄膜真空濃縮機の具体例は、凝縮器内蔵型薄膜真空濃縮機であって、内蔵型凝縮器、原料投入ライン、蒸留残留物排出ライン、真空形成用側鎖ライン、真空ライン、および蒸留物排出ラインを備え、その他、加熱のための加熱ジャケット、ワイパー(wiper)、凝縮器ガード、および冷却水流入/流出ラインを含む。本発明で使用可能な凝縮器内蔵型薄膜真空濃縮機は、前記構成要素のほか、必要に応じて、追加の構成要素をさらに含むことができ、その形態も多様である。
本発明のアルロースの製造方法において使用可能な多重効用缶濃縮機(multiple effect evaporator)は、熱源として供給される蒸気によって投入された溶液から蒸発された蒸気を次段(effect)濃縮機(蒸発器)の熱源蒸気として用いる方式でエネルギー効率を増進させる。蒸発器が複数段に連結されて、順次に蒸発が起こり、初期に投入された溶液は高濃度に濃縮される。多重効用蒸発システムの蒸発性能を向上させる代表的な方法として、瞬間蒸発(flash evaporation)、蒸気再圧縮(vapor ecompression)、蒸気分離(vapor bleeding)などがある。瞬間蒸発は、高温、高圧の液体がflash tankで減圧されて瞬間的に蒸発が起こる現象で液相と気相とに分離される。この時発生した蒸気は高いエネルギーを有し、蒸発システムに投入されて全体的なエネルギー効率を上昇させる。蒸気分離は、蒸発システムで分離された蒸気で溶液の温度を上昇させることを意味する。溶液の温度を上昇させる代表的な装置は、予熱器(preheater)であり、蒸発器で分離された蒸気をエネルギー源として用いて溶液の温度を上昇させる。蒸発器に投入された溶液の温度が上昇すれば、蒸発器との温度差が大きくなるので、溶液から蒸発する水分の量は増加する。蒸気再圧縮は、蒸発過程中に発生した低圧の蒸気を高圧に圧縮して高温の蒸気を蒸発システムに再供給することを意味する。投入された蒸気流量の増加と温度の上昇で高いエネルギーの蒸気が蒸発システムに投入され、蒸発性能は向上する。蒸発器に蒸気が流入すれば、溶液との熱交換により蒸気は凝縮され、溶液は放出された凝縮熱を吸収して、蒸発過程を経て蒸気と濃縮された溶液とに分離される。分離された蒸気は次の蒸発器のエネルギー源として用いられ、濃縮された溶液は蒸発過程を経て高濃度に濃縮される。このような連鎖反応により蒸発が起こり、溶液の濃度は上昇する。
水蒸気の潜熱を回収して利用するために、同型の蒸発管を通常2〜7個を直列に連結して、最初の管に用いた蒸気を次の管に順次に供給して蒸発を行い、熱源として用いる方式をいう。最後の管で発生蒸気を凝縮器で冷却し、真空ポンプで排気させて最低圧力にし、各管の圧力および沸点を徐々に降下させて加熱を有効にして、エネルギー効率を高めるためのものであって、液状成分の濃縮のための用途に使用される。好ましくは、減圧濃縮機であってもよい。
3重効用(効用数N=3)の蒸発濃縮装置における3重効用蒸発濃縮装置は、水封式水蒸気圧縮機のほか、主な機構として、第1効用蒸発器、第2効用蒸発器、第3効用蒸発器、凝縮器、凝縮水ポンプ、および真空ポンプなどからなるシステムであり、必要に応じて、前記構成要素以外の追加の構成要素をさらに含むことができ、その形態も多様である。
本発明のさらに他の例は、前記アルロース濃縮物を製造する方法を含むアルロースの製造方法に関する。
具体的な一例において、本発明のアルロースの製造方法は、(1)果糖−含有原料でアルロースの生物学的転換反応を行ってアルロース転換反応生成物を製造するアルロース転換工程;(2)前記転換反応生成物を第1次イオン精製および擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィーを用いた分離を行ってアルロース分画と果糖ラフィネートとを得るアルロース分離工程;および(3)前記アルロース分画を濃縮する工程を含むことができ、追加的に、(4)前記アルロース濃縮物を用いてアルロース結晶を得る工程を含むことができる。
本発明のアルロース製造工程は、連続式とバッチ式とも使用可能であり、好ましくは、連続式工程である。本発明の一例において、アルロース転換工程で得られる産物は、原料基質の果糖と生産物のアルロースとを含む混合物であり、高純度分離工程を経て目的物質であるアルロースの含有量が増加したアルロース分画と残留液とを得て、残留液にはアルロース転換反応の基質である果糖が多量含まれるので、過剰ラフィネートを意味することができる。本明細書において、用語「ラフィネート(raffinate)」とは、抽残液ともいい、分離工程に投入された原料が分離工程を通過して得られる産物には、分離工程で含有量を高めようとする目的物質を含む目的分画と、分離工程で除去または含有量を減少しようとする物質などを含む残留液とを含み、前記残留液ラフィネートという。
本発明のアルロース製造工程でSMBクロマトグラフィーを用いた高純度分離工程で得られたアルロース分画は、アルロース濃縮工程を経て液状シロップに製品化するか、アルロース結晶化工程を経てアルロース結晶に製品化することができる。前記SMBクロマトグラフィー分離工程で得られたアルロース分画をイオン精製し濃縮して得られた濃縮物を製造する段階である。前記濃縮物は、アルロースシロップ製品として使用されるか、結晶化工程に投入されてアルロース結晶に製造できる。
以下、本発明によりアルロース転換反応の産物の高純度分離工程で得られるアルロース分画を濃縮する工程を用いたアルロース製造工程を各段階ごとに詳しく記述する。
アルロース転換工程として、アルロース転換反応を行って果糖−含有原料からアルロースを転換する工程であって、工程の産物として果糖から転換されたアルロースを含有する反応液を得る。
本発明の一具体例において、生物学的方法によりアルロースを製造する方法としては、アルロースエピマー化酵素を生産する菌株またはアルロースエピマー化酵素を暗号化する遺伝子が導入された組換え菌株を培養し、これから得られたアルロースエピマー化酵素を果糖−含有原料と反応して生産することができる。前記アルロースエピマー化酵素は、液相反応または固定化酵素を用いた固相反応で行われる。
あるいは、アルロースエピマー化酵素を生産する菌株またはアルロースエピマー化酵素を暗号化する遺伝子が導入された組換え菌株を得て、菌株の菌体、前記菌株の培養物、前記菌株の破砕物、および前記破砕物または培養物の抽出物からなる群より選択された1種以上を含むアルロース生産用組成物を、果糖−含有原料と反応して製造できる。アルロースエピマー化酵素を生産する菌株の菌体を用いてアルロースを製造する場合、液相反応または固定化菌体を用いた固相反応で行われる。
本発明の一例によるアルロース転換工程は、生物学的方法で行い、前記アルロースエピマー化酵素を担体に固定化させる段階は、固定化された酵素をカラムに充填させる段階、および前記充填されたカラムに果糖溶液を供給する段階をさらに含むことができる。酵素や菌体が固定化された担体を充填させるカラムおよび前記カラムに充填させる方法は、本発明の属する技術分野における当業者が使用された酵素や菌体、または固定化担体によって好適なもので容易に選択して行うことができる。本発明の一具体例において、前記固定化された酵素をカラムに充填させて、充填床カラム(packed−bed column)を製造することができる。充填床カラムに基質の果糖溶液を供給することによって、酵素反応、つまり、果糖のアルロースへの転換が行われる。
アルロースおよびその製造方法に関する詳細な技術内容は、韓国公開特許第2014−0021974号、韓国公開特許第2014−0054997号、韓国公開特許第2014−0080282号、または韓国登録特許第10−1318422号に記載されている。
本発明によるアルロース転換工程に投入される果糖原料は、生物学的方法または化学的方法で製造可能であり、好ましくは、生物学的方法である。前記果糖原料は、果糖シロップのような液状原料、または果糖粉末のような粉末原料として提供可能であり、前記果糖シロップの場合、生物学的方法または化学的製造工程で得られた産物の形態であるか、果糖粉末を水のような溶媒に溶解して製造されたものであってもよい。
前記果糖原料を生物学的方法で製造する一例は、ブドウ糖−含有原料を果糖異性化酵素または前記酵素を生産する菌体を用いて異性化する果糖異性化工程を行い、前記果糖の分離、精製および濃縮する工程により分離して得ることができる。
前記アルロースの生産方法において、効率的なアルロース生産のために、基質として使用される果糖の濃度は、全体反応生成物を基準として、85w/v%以上、90w/v%以上、または95w/v%以上であってもよいし、例えば、85〜99w/v%、88〜99w/v%、88〜99w/v%、85〜87%(w/v)、88〜90%(w/v)、91〜93%(w/v)、94〜99%(w/v)、または97〜99%(w/v)であってもよい。果糖の濃度工程の経済性および果糖の溶解性を考慮して決定可能であり、前記果糖は、緩衝溶液または水(例えば、蒸留水)に溶解した溶液状態で使用可能である。
本発明の一例において、アルロース製造の高純度分離工程で得られる果糖ラフィネートは、アルロース製造のアルロース転換反応の原料として単独、または新規果糖原料と共に投入される。前記果糖ラフィネートと新規果糖原料との混合物をアルロース転換反応の反応原料として用いる場合、果糖ラフィネートの活用を最大化し、既存の工程で得られるアルロースの収率を最大に維持できるように、果糖ラフィネートと新規果糖原料との混合比を適切に調節することができる。
本発明によるアルロース転換反応生成物の分離工程として、本発明によるアルロース製造工程は、前記アルロース転換反応生成物をイオン精製および擬似移動層(SMB)クロマトグラフ分離工程を含むアルロース転換反応生成物の分離工程を行うことができる。具体的な一例において、前記アルロース転換反応生成物をSMBクロマトグラフィー分離を行って、転換反応生成物よりアルロース含有量の高いアルロース分画と果糖ラフィネートとに分離し、前記アルロース分画は、アルロース濃縮工程または結晶化工程に投入される。前記アルロース分画内のアルロースの含有量は、85重量%以上、例えば、85重量%〜95%(w/w)以上となるように分離/精製することを含むことができる。
前記アルロース製造工程におけるイオン精製工程は、反応生成物内に含まれているイオンを除去する工程であって、SMBクロマトグラフィー分離工程前および/または後に行うことができる。前記SMBクロマトグラフィー分離を行う前にイオン精製工程を行う第1次イオン精製は、下記のアルロース分画の第2次イオン精製と同一または異なる方法で行うことができ、例えば、同一種類または異なる種類のイオン交換樹脂が充填された分離塔を1つまたは2以上用いて行うことができる。前記イオン精製工程は、イオン精製に使用される樹脂の物性およびイオン精製効率を考慮して、35℃〜50℃の温度、または38℃〜58℃で行われる。
本発明の一例において、前記アルロース転換反応生成物の第1次イオン精製工程を行う前に、選択的に、アルロース転換反応生成物を活性炭で処理する工程を追加的に行うこともできる。
本発明の一例において、SMBクロマトグラフィーを用いた高純度分離工程は、分離過程で相変化がなくて物質の安定性の確保に容易な分離方法である。このような吸着分離方法のうち、液相吸着分離方法としては、クロマトグラフィー分離方法が多く用いられている。このうち、擬似移動層(simulated moving bed、SMB)吸着分離方法は、1961年、米国特許第2,985,589号で提案された分離技術で、複数のカラムを用いて連続的に分離することによって、既存の回分式クロマトグラフィーに比べて純度および生産性に優れ、少ない溶媒の使用が可能であるという利点を有する。前記擬似移動層(SMB)吸着分離工程は、分離対象混合物の注入とラフィネートおよび抽出物の生産が連続的に行われる工程である。
前記SMBで分離樹脂として、単糖分離工程にも幅広く使用されている塩が添加された強酸の陽イオン交換樹脂を使用するので、分離工程を行った後に得られる産物には金属イオンが含まれる。前記強酸の陽イオン交換樹脂の例は、カルシウム活性基が付着した陽イオン交換樹脂であってもよい。
前記高純度分離工程は、45〜70℃の温度、例えば、50〜65℃で行われる。
前記アルロース濃縮物の製造工程は上述した通りである。
本発明によるアルロース濃縮物の結晶化のための段階として、本発明の一具体例において、アルロース結晶を製造する方法は、SMBクロマトグラフィー分離工程で得られたアルロース分画を第2次イオン精製する段階と、前記イオン精製されたアルロース分画を濃縮する段階と、前記濃縮物からアルロースを結晶化してアルロース結晶とアルロース結晶化母液とを得る段階とを含み、選択的に、アルロース結晶の回収工程、洗浄工程、および乾燥工程を追加的に含むことができる。
前記アルロース結晶製造の具体例は、第1次イオン精製、SMBクロマトグラフィー分離、第2次イオン精製、濃縮、および結晶化工程を含むことができ、選択的に、アルロース転換反応生成物を活性炭処理工程、イオン精製工程、または活性炭処理工程とイオン精製工程をすべて行うことができる。
本発明によるアルロース結晶を製造する方法は、アルロース濃縮物溶液の温度および濃度を調節して結晶化することができ、具体的には、結晶化のために要求される過飽和状態は、アルロース溶液の温度を低くするか、またはD−アルロース溶液中のD−アルロースの濃度を変化させることによって維持できる。本発明の一具体例において、前記結晶化段階で一定の間隔で試料を採取して肉眼や顕微鏡で観察するか、または試料の遠心分離から得られた上層液中の糖濃度を分析することによって結晶化経過をモニタリングし、その結果に応じて温度またはD−アルロースの濃度を調節することができる。アルロース結晶を製造するために、アルロース濃縮溶液を冷却させて結晶化する場合、熱交換器を介して10℃〜25℃の温度範囲に急速に冷却させた後、昇温と冷却を繰り返し行って結晶成長を誘導することができる。
本発明によるアルロース結晶を製造する方法は、前記結晶化段階で得られたアルロース結晶を多様な固液分離方法、例えば、遠心分離で回収する段階、脱イオン水で洗浄する段階、および乾燥する段階をさらに含むことができる。前記乾燥段階は、流動層乾燥機または真空乾燥機で行われるが、これに制限されない。前記アルロース結晶に含まれているアルロースは、固形分総含有量100重量%を基準として、94重量%以上、95重量%以上、96重量%以上、97重量%以上、98重量%以上、または99重量%以上であってもよい。
本発明によるアルロース結晶化母液は、結晶化工程でアルロース結晶を除去した後に得られるろ液であってもよいし、また、結晶洗浄段階で得られる洗浄水を追加的に含むことができる。前記アルロース結晶化母液は、固形分総含有量100重量%を基準として、アルロース含有量が80重量%以上、例えば、80重量%〜99重量%、または85重量%〜96重量%であってもよいし、固形分含有量は、70ブリックス未満、例えば、60ブリックス〜70ブリックスであってもよい。
本発明によるアルロース結晶化母液の再循環工程として、前記結晶化段階で得られたアルロース結晶化母液は、アルロース転換反応生成物の分離工程に投入されて再利用可能である。具体的には、アルロース結晶化母液は、アルロース転換反応生成物の活性炭処理、イオン精製、および擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィー分離工程からなる群より選択された1種以上の分離工程に投入されてアルロースの製造に再循環できる。具体的には、前記分離工程の例は、アルロース転換反応生成物を1次イオン精製工程およびSMBクロマトグラフィー分離工程を行い、またはアルロース転換反応生成物を活性炭処理、1次イオン精製工程、およびSMBクロマトグラフィー分離工程を行うことができ、前記分離工程でSMBクロマトグラフィー分離工程を行う前に、選択的に、濃縮工程を追加的に行うことができる。前記分離工程は、アルロース転換反応生成物の分離工程の欄で上述したものと同一である。
一例において、アルロース結晶化母液を前記1次イオン精製工程に投入してアルロース転換反応生成物と同様にイオン精製工程を行う場合、順次に、イオン精製およびSMBクロマトグラフィー分離工程で処理されるか、または順次に活性炭処理工程、イオン精製、およびSMBクロマトグラフィー分離工程で処理される。さらに、選択的に、SMBクロマトグラフィー分離工程前に濃縮固定を追加的に行うことができる。
本発明によるアルロース濃縮液の製造方法は、特に、低温条件で濃縮工程を行うことによって、アルロース製品の品質低下を防止し、アルロース純度および収率を向上させ、原料の利用率を高め、アルロースの保管安定性を向上させる方法である。
以下、本発明を下記の実施例によってさらに詳しく説明する。しかし、これらの実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されるものではない。
製造例1.アルロースシロップの製造
韓国公開特許第2014−0054997号に記載の製造方法と実質的に同一の生物学的方法で果糖基質からアルロースシロップを製造した。
具体的には、クロストリジウムシンデンス(Clostridiuim scindens ATCC35704)に由来するアルロースエピマー化酵素の暗号化遺伝子(DPE gene;Gene bank:EDS06411.1)を組換えベクター(pCES_sodCDPE)に導入して、前記製造された組換えベクター(pCES_sodCDPE)プラスミドを、電気穿孔法(electroporation)を用いてコリネバクテリウムグルタミクムを形質転換させた。前記形質転換されたコリネバクテリウムグルタミクム細胞を含むビーズを製造し、固定化反応カラムに充填し、40ブリックスの88重量%果糖または95重量%果糖からアルロースシロップを製造した。つまり、88重量%果糖含有基質からブドウ糖:果糖:アルロース:オリゴ糖=41:39:15:5の21〜23(w/w)%アルロースシロップを得て(アルロースシロップA)、果糖含有量95重量%で含む原料からブドウ糖:果糖:アルロース:オリゴ糖=6:67:25:2の24〜27(w/w)%アルロースシロップを得た(アルロースシロップB)。
比較例1
製造例1と同様に、果糖含有量88重量%または95重量%のアルロースシロップを用いて、アルロース含有量95重量%の固形分10トンを生産するために、流量3.8m3/hrでアルロース転換工程と分離工程を行った。
具体的には、果糖含有量88重量%または95重量%の原料基質溶液(アルロースシロップ)をアルロース転換工程を経て得たアルロースシロップのアルロース含有量は20〜27重量%であり、イオン精製および濃縮工程を行った後、45〜55重量%のアルロース濃度のシロップが得られた。Ca2+−類型の分離樹脂を用いて高純度クロマトグラフィーを行って5〜15重量%のアルロース分画を得た。
アルロース分画は、イオン精製工程を経て電気伝導度を20uS/cm以下に合わせた後、多重効用缶濃縮機を用いて濃縮をした。濃縮は時間あたり10m3/hrで進行させ、スチームの温度は125℃〜140℃であった。この時、液の温度は86℃〜100℃で濃縮が行われた。当該スチーム温度条件は、デンプン糖産業において通常使用される濃縮温度である。濃縮は、アルロース含有量を基準として、初期の5〜15重量%から70〜72重量%まで一度に濃縮をし、アルロース分画が多重効用缶設備で濃縮にかかる時間は8分から15分の間である。濃縮された製品は、熱交換器を経て10〜30℃の温度に冷却してPE容器に包装した。各工程ごとの含有量は、アルロースシロップAの濃縮工程の結果を表1に示し、アルロースシロップBの濃縮工程の結果を表2に示した。下記表1および表2にて、アルロース、グルコース、フルクトース、および還元糖の含有量はHPLCを用いて測定した。
表1および表2のように、高純度アルロースは、濃縮工程でアルロース含有量が減少することが確認された。
Figure 0006974506
Figure 0006974506
前記表1および表2に示すように、果糖原料の果糖含有量が低いほど、高純度分離工程でアルロース分画のbrixが低くなり、それによって、濃縮工程を経た時、アルロース含有量が低くなる結果を確認した。本濃縮工程により70重量%まで一度に固形分含有量を増加させる場合、生産収率および製品品質を考慮して、アルロース生産収率が維持されるように、既存のデンプン糖の製造方式とは異なる濃縮方法を必要とする。
実施例1
比較例1と同様に(アルロースシロップA)を得て、これを用いてアルロース転換工程と分離工程を行った。具体的には、果糖含有量88重量%の原料基質溶液(アルロースシロップ)からアルロース転換工程を経て得たアルロースシロップのアルロース含有量は20〜27重量%であり、イオン精製および濃縮工程を行った後、アルロース濃度45〜55重量%のアルロースシロップが得られた。Ca2+−類型の分離樹脂を用いて高純度クロマトグラフィーを行って5〜15重量%のアルロース分画を得た。
アルロース分画は、イオン精製工程を経て伝導度を20uS/cm以下に合わせた後、濃縮工程で多重効用缶濃縮機を用いて2段濃縮で濃縮を行った。濃縮は、初期の固形分含有量(brix)5〜15重量%から20〜29重量%まで1次濃縮し、さらに70〜72重量%まで2次濃縮した。
前記1次濃縮の場合、スチームの温度は80℃〜90℃で与え、この時、液の温度は45℃〜50℃に加温されて濃縮が進行した。2次濃縮の場合、スチームの温度は110℃〜120℃に加温し、アルロース溶液の濃縮温度70℃〜80℃で進行させた。アルロース分画が多重効用缶設備で濃縮にかかる時間は1次、2次濃縮とも8分から15分の間に進行させた。
濃縮された製品は、熱交換器を経て10〜30℃の温度に冷却してPE容器に包装した。各工程ごとの含有量は下記表3に示した。
Figure 0006974506
前記表3に示すように、アルロースを多重効用缶濃縮設備を用いて2段階濃縮をする時、初期の20〜30重量%に濃縮後、さらに70〜72重量%にする場合、2段階で加えられるスチームの強度が高くてアルロースの含有量が小幅減少することが分かる。
実施例2
実施例1と同様の方法で進行させるが、濃縮工程で多重効用缶濃縮機を用いて2段濃縮で濃縮を行った。濃縮は、初期の5〜15重量%から30〜39重量%まで1次濃縮をし、さらに70〜72重量%まで2次濃縮をした。
アルロース1次濃縮の場合、スチームの温度は90℃〜100℃で与え、この時、液の温度は50℃〜60℃に加温されて濃縮が進行した。2次濃縮の場合、スチームの温度は100℃〜110℃に加温し、溶液の濃縮温度60℃〜70℃で進行させた。アルロース分画が多重効用缶設備で濃縮にかかる時間は1次、2次濃縮とも8分から15分の間に進行させた。濃縮された製品は、熱交換器を経て10℃〜30℃の温度に冷却してPE容器に包装した。各工程ごとの含有量は下記表4に示した。
Figure 0006974506
前記表4に示すように、アルロースを多重効用缶濃縮設備を用いて2段階濃縮をする時、初期の30〜40重量%に濃縮後、さらに70〜72重量%にする場合、アルロースの含有量が高純度分離後から安定的に維持されることが分かる。
実施例3
実施例1と同様の方法で進行させるが、濃縮工程で薄膜真空濃縮機を用いて2段濃縮で濃縮を行った。
アルロース分画は、イオン精製工程を経て伝導度を20uS/cm以下に合わせた後、遠心式薄膜真空濃縮機を用いて濃縮した。遠心式薄膜真空濃縮機を用いて400〜600の濃縮rpmで、スチームの温度70℃〜80℃で与え、この時、溶液の温度は40℃〜50℃に加温して、初期アルロース溶液のアルロース含有量5〜15重量%から50〜60重量%まで1次濃縮をした。次に、2次濃縮の場合、スチームの温度は80〜90℃に加温し、濃縮対象溶液の温度50〜60℃で行って、アルロース含有量70〜72重量%まで2次濃縮した。アルロース分画が遠心薄膜真空濃縮機設備で濃縮にかかる時間は1次濃縮および2次濃縮はそれぞれ30分〜90分の範囲で進行させた。濃縮液は、熱交換器を経て10℃〜30℃に冷却してポリエチレン容器に包装した。各工程ごとの含有量は下記表5に示した。
Figure 0006974506
前記表5に示すように、アルロースを遠心薄膜真空濃縮設備を用いて2段階濃縮をする時、初期含有量の50〜60重量%に濃縮後、さらに70〜72重量%にする場合、アルロースの含有量が高純度分離後から安定的に維持されることが分かった。
実施例4
比較例、実施例2および実施例3で得られたアルロースシロップを用いて、SUS304材質の保管容器にそれぞれ500gずつ入れて25℃、35℃、45℃保管し、1週間に1回ずつアルロース含有量の変化を測定した。実験は5週間進行させた。各週ごとのアルロース含有量は下記表6に示した。
Figure 0006974506
前記表6に示すように、アルロースを多重効用缶濃縮機を用いて1段階濃縮で生産した比較例サンプルの場合、保存安定性が低下するのに対し、実施例2および3の製品は、比較例サンプルより減少幅が少ないことが分かった。特に、35℃保存安定性テストの結果からは、含有量の減少幅がそれぞれ比較例4.1%、実施例2の1.1%、および実施例3の1.3%を示し、濃縮温度を低くすることによって、アルロースの安定性を向上させる効果を得た。

Claims (12)

  1. 全体固形分含有量100%を基準としてアルロースを90重量%以上含むアルロース水溶液を得る段階;および
    前記アルロース水溶液を溶液の温度が40〜85℃の範囲で蒸留して濃縮する段階を含み、
    前記蒸留して濃縮する段階は、
    アルロース水溶液を蒸留して全体固形分含有量10ブリックス以上〜60ブリックス以下の低濃縮液を製造する工程;および
    前記低濃縮液を蒸留して全体固形分含有量60ブリックス超過〜85ブリックス以下の高濃縮液を製造する工程を含む、少なくとも2以上の蒸留工程で行われるアルロース濃縮液の製造方法であり、
    前記アルロース濃縮液におけるフルクトースおよび還元糖の合計含有量が4.5重量%以下である製造方法
  2. 前記蒸留して濃縮する段階は、2回以上繰り返し行われるものである、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記蒸留して濃縮する段階は、薄膜真空濃縮機または多重効用缶濃縮機を用いて行われるものである、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記アルロース濃縮液は、アルロース純度90wt/wt以上であり、フルクトースおよび還元糖の合計含有量が4.5重量%以下である、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記アルロース濃縮液は、フルクトース含有量が3.0重量%以下であり、還元糖の含有量が2.5重量%以下である、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記アルロース濃縮液は、濃縮前のアルロース溶液のアルロース固形分含有量100重量%を基準として、35℃で5週間保管の条件で、アルロース含有量の減少幅が3.5重量%以下である、請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記高濃縮液を製造する工程の溶液温度と低濃縮液を製造する工程の溶液温度との差は、0℃〜35℃である、請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記蒸留して濃縮する段階は、高濃縮液を製造する工程の溶液温度が40℃〜75℃の範囲であり、低濃縮液を製造する工程の溶液温度が50℃〜85℃の範囲で行われるものである、請求項に記載の製造方法。
  9. 前記蒸留して濃縮する段階は、圧力条件0.0001〜10mmHgで行われるものである、請求項1に記載の製造方法。
  10. 前記アルロース水溶液は、温度45℃で2cps〜40cpsの粘度である、請求項1に記載の製造方法。
  11. 前記アルロース水溶液は、電気伝導度0.01〜100uS/cmである、請求項1に記載の製造方法。
  12. 前記アルロース水溶液は、カルシウム活性基が付着した陽イオン交換樹脂が充填されたカラムクロマトグラフを用いて擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィー分離工程を行って得られるアルロース分画である、請求項1に記載の製造方法。
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