JP6852182B2 - プシコースの効率的な製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プシコース製造工程で得られる果糖ラフィネートを効率的に利用する方法に関する。具体的には、プシコース製造工程で得られる果糖ラフィネートを果糖製造工程に投入して、プシコース製造のための果糖含有原料溶液製造に利用する方法に関する。
プシコース(Pscicose)は果糖(D−fructose)のエピマーであって希少糖として知られた機能性糖類の一種であり、砂糖の約60〜70%の高い甘味度を示しながらも熱量は殆どゼロカロリーに近くて、糖尿病の予防および改善に効能があることが知られている。また、プシコースは溶解性も優れていることが知られており、食品への利用が注目されている素材の一つである。
プシコースを製造する方法には化学的方法と生物学的方法がある。最近の生物学的方法でプシコースを製造する方法では、果糖含有基質溶液とプシコースエピマー化酵素または前記酵素を生産する菌体と接触してプシコース転換反応を行う。
プシコース転換工程に使用される反応原料である果糖含有溶液は、デンプンなどの分解から得られるブドウ糖の異性化反応によって得られた果糖異性化反応物であり得る。
しかし、D−プシコースを含む反応液は低純度製品であるため、高純度にプシコースを分離することが要求される。実際に産業的に生産される素材では高純度に分離するために様々な方法が適用されており、糖の場合、主にクロマトグラフィーを使用して高純度液を作製した後、結晶化して製品を生産している。前記プシコース転換反応液から高純度プシコース製品を得るためには高純度分離工程を行い、またプシコース結晶を得るためには高純度のプシコースシロップを用いてプシコース結晶化工程を行うことができる。
前記プシコース分離工程では、プシコース分画だけでなく果糖を高濃度で含む果糖分画がラフィネートとして得られるので、この果糖ラフィネートを再利用して、プシコースの純度および収率を向上させて原料の利用率を高める方法が切望されているのが実情である。
本発明の一実施形態は、果糖ラフィネートを利用してプシコースの純度および収率を向上させて原料の利用率を高めるために、プシコース製造工程で得られた果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入して果糖含有原料を製造し、前記製造された果糖含有原料をプシコース製造工程の原料として投入してプシコースを製造する方法、およびこれに使用する装置を提供する。
本発明の他の一実施形態は、果糖ラフィネートを再利用してプシコースの純度および収率を向上させて原料の利用率を高めるために、プシコース製造工程で得られた果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入して果糖含有原料を製造する方法、およびこれに使用する装置を提供する。
本発明の一実施形態は、プシコース製造の分離工程で得られる果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入して果糖含有原料を製造し、製造された果糖含有原料をプシコース製造工程の原料として投入してプシコースを製造する方法および装置に関する。本発明によるプシコース製造のための果糖含有原料の製造方法および前記果糖ラフィネートを再利用してプシコースの純度および収率を向上させて原料の利用率を高める方法である。
本発明によるプシコース製造方法において、プシコース製造の分離工程では果糖を高濃度で含む果糖ラフィネートが得られるので、果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入して果糖含有原料を製造し、製造された果糖含有原料をプシコース製造工程の原料として投入してプシコースを製造する方法は、プシコース製造工程に果糖製造工程を利用する工程を含む。
本発明の一実施形態は、プシコース転換反応物を擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィーで分離してプシコース分画と果糖ラフィネートを得て、得られた果糖ラフィネートをプシコース転換反応の原料として再循環させる工程を含むプシコースの製造方法に関する。
本発明のさらなる一実施形態は、プシコース転換反応物を擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィーで分離してプシコース分画と果糖ラフィネートを得て、得られた果糖ラフィネートを果糖製造工程、例えば果糖分離工程に投入して、プシコース製造のための果糖含有原料を製造する方法に関する。
本発明の他の一実施形態は、生物学的触媒を用いて果糖原料からプシコースへの転換反応を行うプシコース転換反応器、
活性基が付着された陽イオン交換樹脂充填カラムを含み、原料投入口、およびプシコース分画と果糖ラフィネートを排出する排出口を備えた擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィー分離器、並びに
前記分離器から排出された果糖ラフィネートの提供を受けて果糖を分離する果糖分離装置を含むプシコース製造装置に関する。
前記プシコース製造装置はさらに、果糖分離装置から得られた果糖含有原料をプシコース転換反応器に投入する装置または排出された果糖含有原料をプシコース製造装置に提供するための果糖製造装置とプシコース製造装置を連結する連結部を含んでもよい。また、前記プシコース製造装置は、選択的に前記果糖含有原料を貯蔵する貯蔵槽を含むことによって、プシコース転換反応器に投入する原料量および投入速度を調節することができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明によるプシコース転換反応に使用する果糖含有原料を製造する方法は、プシコース転換反応物を擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィーで分離してプシコース分画と果糖ラフィネートを得て、得られた果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入して果糖含有原料を製造する方法である。
本発明の一具体例において、果糖含有原料を製造する方法は、(1)果糖含有原料からプシコース転換反応物を製造するプシコース転換工程;(2)前記転換反応物を、イオン精製および擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィーによる分離を行ってプシコース分画と果糖ラフィネートを得るプシコース分離工程;および(3)前記果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入して果糖含有原料を製造する工程を含む。
本発明によるプシコースを製造する方法は、プシコース転換反応物を擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィーで分離してプシコース分画と果糖ラフィネートを得て、得られた果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入して果糖含有原料を製造し、得られた果糖含有原料を用いてプシコース転換反応を行う工程を含むことができる。
本発明の一具体例において、プシコース製造方法は、(1)果糖含有原料からプシコース転換反応物を製造するプシコース転換工程;(2)前記転換反応物を、イオン精製および擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィーによる分離を行ってプシコース分画と果糖ラフィネートを得るプシコース分離工程;(3)得られた果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入して果糖含有原料を製造する工程、および(4)得られた果糖含有原料をプシコース転換工程に投入する工程を含む。前記プシコース製造方法は、(5)プシコース製造の分離工程で得られるプシコース分画をイオン精製、濃縮および結晶化するプシコース結晶化工程をさらに含んでもよい。
本発明のプシコース製造工程は連続式と配置式の両方とも使用可能であり、好ましくは連続式工程である。
本明細書において用語「ラフィネート(raffinate)」とは抽残液とも呼ばれ、分離工程に投入した原料が分離工程を通過して得られる生生産物には分離工程で含量を高めようとする目的物質を含む目的分画と、分離工程で除去または含量を減少しようとする物質などを含む残留液を含み、前記残留液をラフィネートという。本発明の一実施形態において、プシコース転換工程で得られる生生産物は原料基質である果糖と生生産物であるプシコースを含む混合物であり、高純度分離工程を経るにつれて目的物質であるプシコースの含量が増加したプシコース分画と残留液を得て、残留液にはプシコース転換反応の基質である果糖に含まれるので過剰の果糖ラフィネートを意味することができる。
本発明は、果糖ラフィネートの利用を通じて効率的にプシコースを生産し、果糖ラフィネートを果糖製造工程に投入して果糖含有原料を得て、後続のプシコース転換工程に原料として使用することにより、果糖製造工程の収率を高めることができる。果糖製造工程を用いて果糖ラフィネートを処理するため、別途の処理装置が不要であり、工程設計および運営面で有利である。
以下、本発明によるプシコース転換反応生生産物の高純度分離工程で得られる果糖ラフィネートを再循環してプシコースを製造する工程を、各工程別に詳しく説明する。
(1)プシコース転換工程
プシコース転換工程は、プシコース転換反応を行って果糖含有原料からプシコースを転換する工程であって、工程の生産物として果糖から転換されたプシコースを含有する反応液を得る。
本発明の一具体例において、生物学的方法によってプシコースを製造する方法としては、プシコースエピマー化酵素を生産する菌株、またはプシコースエピマー化酵素を暗号化する遺伝子が導入された組換え菌株を培養し、これから得られたプシコースエピマー化酵素を果糖含有原料と反応させて生産することができる。前記プシコースエピマー化酵素は、液相反応または固定化酵素を用いた固相反応で生産できる。
或は、プシコースエピマー化酵素を生産する菌株またはプシコースエピマー化酵素を暗号化する遺伝子が導入された組換え菌株を得て、菌株の菌体、前記菌株の培養物、前記菌株の破砕物、および前記破砕物または培養物の抽出物よりなる群から選択された1種以上を含むプシコース生産用組成物を、果糖含有原料と反応させて製造することができる。プシコースエピマー化酵素を生産する菌株の菌体を用いてプシコースを製造する場合、液相反応または固定化菌体を用いた固相反応により行うことができる。
本発明の一具体例において、プシコースエピマー化酵素を生産する菌株は、高い安定性を有しながらも高収率で果糖からプシコースを転換することができるか、プシコースエピマー化酵素を生産することができる菌株であってもよく、前記菌株は自然から分離した菌株またはその突然変異菌株であるnon−GMO菌株、またはプシコースエピマー化酵素を暗号化する遺伝子を宿主細胞に導入した組換え菌株であってもよい。本発明の一実施形態では、前記non−GMO菌株としては知られている様々な菌株を使用することができる。前記組換え菌株は様々な宿主細胞、例えば大腸菌、バシラス属菌株、サルモネラ属菌株、およびコリネバクテリウム属菌株などを使用することができるが、好ましくはGRAS菌株であるコリネバクテリウム属菌株であってもよく、コリネバクテリウムグルタミクムであってもよい。
本発明の一実施形態によるプシコース転換工程は生物学的方法で行い、例えば固相反応の場合、前記プシコースエピマー化酵素または菌体を担体に固定化しカラムに充填させる工程、および前記充填されたカラムに果糖溶液を供給する工程をさらに含んでもよい。酵素や菌体が固定化された担体を充填させるカラムおよび前記カラムに充填させる方法は本発明に属する技術分野の当業者が使用可能な酵素や菌体、または固定化担体に応じて適するものを容易に選択して行うことができる。本発明の一具体例において、前記固定化された酵素または菌体をカラムに充填させて充填床カラム(packed−bed column)を製造することができる。充填床カラムに基質である果糖溶液を供給することによって酵素反応、即ち、果糖のプシコースへの転換が行われる。
前記プシコースの転換反応において、前記反応はpH4.5〜7.5、例えば、pH4.7〜7.0、またはpH5.0〜6.0、またはpH5.0〜5.5の条件下で行ってもよい。また、前記反応は、30℃以上、例えば40℃以上の温度条件下で行ってもよい。前記果糖をプシコースに転換させる酵素(例えば、エピメラーゼ)は金属イオンによって活性化を調節できるので、前記プシコースの生産において、金属イオンを添加すると果糖からプシコースへの転換効率、即ち、プシコース生産率が向上する。したがって、前記プシコース生産用組成物は、銅イオン、マンガンイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、鉄イオン、アルミニウムイオンなどよりなる群から選択された1種以上の金属イオンをさらに含むものであってもよい。
プシコースおよびその製造方法に関する詳しい技術内容は、韓国公開特許第2014−0021974号、韓国公開特許第2014−0054997号、韓国公開特許第2014−0080282号、または韓国登録特許第10−1318422号に記載されている。
本発明によるプシコース転換工程に投入される果糖原料は生物学的方法または化学的方法により製造することができ、好ましくは生物学的方法である。前記果糖原料は果糖シロップのような液状原料、または果糖粉末のような粉末原料として提供してもよく、前記果糖シロップの場合、生物学的方法または化学的製造工程で得られた生産物であるか、果糖粉末を水のような溶媒に溶解して製造されたものであってもよい。
前記果糖原料を生物学的方法で製造するための一実施形態によれば、ブドウ糖含有原料を果糖異性化酵素または前記酵素を生産する菌体を用いて異性化する果糖異性化工程を行い、前記果糖異性化工程の反応物を第1次イオン精製、高純度クロマトグラフィー分離工程、第2次イオン精製、および濃縮する工程を通じて分離して得ることができる。
前記プシコースの生産方法において、効率的なプシコース生産のために、基質として使用される果糖の濃度は、全反応物を基準にして、85w/v%以上、90w/v%以上、または95w/v%以上であってもよく、例えば85〜99w/v%、88〜99w/v%、85〜87%(w/v)、88〜90%(w/v)、91〜93%(w/v)、94〜99%(w/v)または97〜99%(w/v)であってもよい。果糖の濃度は工程の経済性および果糖の溶解性を考慮して決定することができ、前記果糖は緩衝溶液または水(例えば、蒸留水)に溶解した溶液状態で使用してもよい。
本発明の一実施形態による果糖製造工程を具体的に説明すると、果糖は砂糖またはブドウ糖から得ることができる。これによって、ブドウ糖、果糖、砂糖のように普遍化された低廉な原料を使用して高い収率のプシコースを製造する方法を提供できるため、プシコースの大量生産が可能になる。
本発明の果糖製造工程の一実施形態を説明すると、とうもろこしデンプンを30〜35重量%になるように水と混合した後、酵素加水分解を行ってブドウ糖含量88重量%以上の糖化液を得る。その後、前記糖化液の不純物を除去する工程と果糖異性化工程を経て、果糖含量40〜44重量%の果糖シロップを得る。その後、擬似移動層吸着分離方法(simulated moving bed、SMB)を用いてブドウ糖ラフィネートと果糖分画を得て、前記果糖分画に第2次イオン精製工程および濃縮工程を行って、果糖含量が85重量%以上、例えば85〜99重量%の果糖含有溶液を得る。擬似移動層吸着分離方法は、下記(2)の項目で詳述したとおりである。前記不純物を除去する工程は、不溶性物質の除去工程、および活性炭を用いた脱色工程、有色成分とイオン成分などの不純物を除去するためにイオン交換樹脂が充填されたカラムに通液させて行うことができる。
果糖分離工程の具体的な例は、第1次イオン精製工程、高純度クロマトグラフィー分離工程、第2次イオン精製工程、濃縮工程、および結晶化工程を含んでもよく、選択的に、プシコース転換反応物を脱塩工程、脱色工程、または脱色と脱塩工程を行うことができる。
本発明の果糖製造工程に含まれる濃縮工程は様々な方法で行うことができ、果糖含量を85重量%以上で含むようにする。例えば、擬似移動層吸着分離方法で得られた果糖分画(例えば、固形分濃度20〜30重量%)は、濃縮工程を通じて固形分濃度45〜55重量%に濃縮することができる。
(2)プシコース転換反応物の分離工程
本発明によるプシコースの製造工程は、前記プシコース転換反応物をイオン精製および擬似移動層(SMB)クロマトグラフィー分離工程に付すプシコース転換反応物の分離工程を含むことができる。具体的な一例では、前記プシコース転換反応物にSMBクロマトグラフィー分離を行って、転換反応物よりプシコース含量の高いプシコース分画と果糖ラフィネートに分離し、分離したプシコース分画をプシコース濃縮工程または結晶化工程に投入して、果糖ラフィネートを果糖製造工程に投入して再循環させる。
前記プシコース分画内のプシコースの含量は、85重量%以上、例えば85重量%〜95%(w/w)以上になるように分離/精製することができる。前記高純度分離工程で得られる果糖ラフィネート内の果糖含量は85重量%以上、例えば85重量%〜98重量%であってもよい。果糖ラフィネート中の果糖とブドウ糖を除いた他の二糖類以上の糖類の含量は、全糖類の総固形分含量を基準にして10重量%未満が好ましい。前記不純物中の二糖類以上の糖類はマルトースおよびイソマルトースなどを含み、マルトースまたはイソマルトース関連オリゴサッカリドを含むことができる。
前記果糖ラフィネートを再使用する場合、再循環回数が増加する程、不純物の含量が増加する。前記果糖ラフィネートの不純物含量が特定数値範囲以下に維持できるように工程を行うことが好ましく、前記不純物含量が特定数値範囲を超える場合、プシコース製造工程で一部または全部を排出して除去することができる。例えば、果糖ラフィネート内の二糖類以上の糖類含量が、果糖ラフィネートの総糖類固形分100重量%基準にして10重量%未満、例えば8重量%未満、6重量%未満、または5重量%未満に維持することが好ましい。
前記プシコース製造工程におけるイオン精製工程は反応物内に含まれているイオンを除去する工程であって、SMBクロマトグラフィー分離工程の前および/または後に行うことができる。前記SMBクロマトグラフィー分離を行う前にイオン精製工程を行う第1次イオン精製は、下記プシコース分画の第2次イオン精製と同一または異なる方法で行うことができ、例えば同一種類または異なる種類のイオン交換樹脂が充填された分離塔を1つまたは2つ以上使用して行うことができる。前記イオン精製工程は、イオン精製に使用される樹脂の物性およびイオン精製効率を考慮して、35〜50℃の温度、例えば38〜58℃で行うことができる。
本発明の一実施形態において、前記プシコース転換反応物の第1次イオン精製工程を行う前に、選択的に、プシコース転換反応物を活性炭で処理する工程をさらに行ってもよい。
本発明の一実施形態において、SMBクロマトグラフィーを用いた高純度分離工程は、分離過程で相変化がないため、物質の安定性確保に容易な分離方法である。このような吸着分離方法のうち液状吸着分離方法としては、クロマトグラフィー分離方法が多く使用されている。このうち、擬似移動層吸着分離方法(simulated moving bed、SMB)は、1961年米国特許第2,985,589号で提案された分離技術であって、多数のカラムを用いて連続的に分離することによって既存の回分式クロマトグラフィーに比べて純度および生産性に優れ、溶媒の使用を少なくできるという長所を有する。前記擬似移動層(SMB)吸着分離工程は、分離対象混合物の注入とラフィネートおよび抽出物の生産を連続的に行う工程である。
SMBの基本原理は、カラムの間の位置を一定時間の間隔で動かすことによって固定床と移動床の向流の流れを模写して連続的な分離を可能にすることである。吸着剤との親和力が弱くて速く動く物質は、液状の流れ方向に動いて抽出物(extract)に集まり、吸着剤との親和力が強くて遅く動く物質は固定床の流れ方向に動いてラフィネート(raffinate)に集まる。カラムは連続的に連結されており、入口は混合物と移動床、出口は目的抽出物(extract)とラフィネートから構成される。
前記SMBでは、分離樹脂として単糖分離工程にも広く使用されている塩を添加した強酸の陽イオン交換樹脂を使用するので、分離工程を行った後に得られる生産物には金属イオンが含まれる。前記強酸の陽イオン交換樹脂は、例えばカルシウム活性基が付着された陽イオン交換樹脂であってもよい。
図1に、一般的な擬似移動層(SMB)吸着分離装置の工程図を示す。一般的な擬似移動層(SMB)吸着分離装置は、一つまたはそれ以上のカラムから構成された4個の区間と各区間の間に位置した脱着剤(desorbent)流入ポート、強吸着質である抽出物(extract)排出ポート、分離対象混合物(feed)流入ポート、および弱吸着質であるラフィネート(raffinate)排出ポートから構成される。擬似移動層(SMB)吸着分離装置を使用した混合物の分離方法は、芳香族炭化水素の混合物の分離工程、エチルベンゼンの分離工程、キラル化合物の分離工程などに適用でき、医薬品製造過程の中の最終生産物、或いは中間物質であるラセミ混合医薬品の分離工程などに適用できる。
前記高純度分離工程は、45〜70℃の温度、例えば50〜65℃で行ってもよい。
(3)果糖ラフィネートの果糖製造工程への投入
本発明によるプシコース製造の高純度クロマトグラフィー分離工程で得られた果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入して果糖含有原料を製造し、製造された果糖含有原料をプシコース製造工程の原料として投入してプシコースを製造する。
プシコース製造工程で得られる果糖ラフィネートを再循環させて反応原料として使用することによって、プシコースの生産収率を最大限まで高めてプシコースの製造原価を低減することができる。また、プシコース製造工程で得られる果糖ラフィネートは果糖製造工程を用いて処理するので、別途の処理装置が不要であり、工程設計および運営面で有利である。このようなプシコース製造工程を実行するにあたり、プシコースのような目的生産物を連続的に生産するために、生物反応器を初期活性に適した水準の生産性を維持しながら運転することができる。
本発明の一実施形態において、プシコース製造の高純度分離工程で得られる果糖ラフィネートは、プシコース転換反応の原料として使用するに適切な条件を有するように、イオン精製工程、高純度分離工程(例えばSMB分離)、および濃縮工程よりなる群から選択された1種以上の工程をさらに行うことができ、前記工程は果糖製造の分離工程に投入して果糖製造装置を用いて行うことができる。
本発明の一実施形態において、プシコース製造工程で得られた果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に再循環させて果糖分離工程を行う場合、果糖製造工程で行われるSMBクロマトグラフィー分離工程では、果糖ラフィネートの再循環がない工程に比べて果糖ラフィネートの再循環がある工程の方が果糖分画の固形分分離収率は増加し、例えば果糖ラフィネートの再循環がある工程では、SMB分離工程に投入された原料の固形分100重量%を基準にして、果糖分画の固形分分離収率が50〜80重量%であり得る。
具体的な例において、前記果糖ラフィネートは、果糖製造の分離工程である第1次イオン精製、SMBクロマトグラフィーを用いた分離、および第2次イオン精製よりなる群から選択された1種以上の工程に投入して再循環させることができる。好ましくは、前記果糖ラフィネートで果糖と共に得られるブドウ糖および二糖類以上の果糖以外の不純物の含量が特定含量以下に維持されるように、果糖ラフィネートがSMBクロマトグラフィーを用いた高純度分離工程を通過できるように、SMBクロマトグラフィーを用いた高純度分離工程またはそれ以前の工程に投入することができ、例えば、第1次イオン精製またはSMBクロマトグラフィーを用いた高純度分離工程に投入して行うことができる。第1次イオン精製または高純度分離工程に果糖ラフィネートを投入する場合、果糖製造の高純度分離工程で果糖を除くブドウ糖およびその他の二糖類を含む不純物は、ブドウ糖ラフィネートに含まれて除去され、果糖分画における前記不純物の濃度が減少するためである。
前記果糖ラフィネート内の不純物含量が特定数値範囲を超える場合、プシコース製造工程で排出して除去され得る。例えば、果糖ラフィネート内の二糖類以上の糖類含量が、果糖ラフィネートの総糖類100重量%基準にして、10重量%未満、例えば8重量%未満、6重量%未満、または5重量%未満に維持されることが好ましい。前記不純物中の二糖類以上の糖類はマルトース、イソマルトースなどを含み、マルトース、またはイソマルトース関連オリゴサッカリドを含むことができる。
果糖ラフィネートはカルシウム含量が増加するようになり、このようなカルシウムはプシコース転換反応の活性を低下させることができるため、カルシウムイオン濃度を調節するための工程を別途使用するか、果糖製造の分離工程でSMB分離工程以降に第2次イオン精製工程を行うことができる。したがって、果糖製造の分離工程を経た果糖含有原料は、カルシウムイオン濃度が0.05mM以下の範囲、0.01mM以下、0.005mM、または0.001mM以下の濃度範囲にカルシウム濃度を調節することができる。
前記クロマトグラフィー分離工程で得られる果糖ラフィネートは、電気伝導度が20〜200μs/cmであり、前記果糖ラフィネートをイオン精製工程で処理することにより適切な電気伝導度範囲に到達でき、前記処理生産物である果糖含有原料は、電気伝導度が0〜15μs/cmであり得る。
プシコース製造工程のSMBクロマトグラフィー工程によって得られる果糖ラフィネートをプシコース転換反応の原料として再循環させる場合において、SMBクロマトグラフィー工程で混入されるカルシウム(Ca)イオンを精製しない場合、酵素または菌体の転換活性が低下することがあるので、プシコース生産量に悪影響を与えることがある。
前記カルシウムのような転換反応に悪影響を及ぼす金属イオンは、イオン交換樹脂が充填されたクロマトグラフィーを用いて除去することができる。具体的には、金属イオンを結合することができるヒドロキシ基(OH-)で置換された強塩基性または弱塩基性の陰イオン樹脂を用いたイオン交換工程を行うことができる。
前記果糖製造の分離工程で行われるイオン精製は、前記(2)項のプシコース転換反応物の分離工程で行うイオン精製工程と同じ方法で行うことができる。
プシコース製造の高純度分離工程で得られる果糖ラフィネートは15〜25ブリックス(Brix)程度であるので、プシコース転換工程に供給される果糖含有原料が45〜55ブリックス、例えば約50ブリックスであることを考慮すると、濃縮工程を行って果糖含量を増加させることが好ましい。前記果糖製造工程において、濃縮する工程はプシコースより熱安定性が高いため、70〜85℃の温度で10〜15分間濃縮する工程を含むことができる。
本発明の一実施形態において、プシコース製造の高純度分離工程で得られる果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入する場合、果糖ラフィネートの利用を最大化するために、既存の果糖製造工程で得られる果糖異性化反応物との混合比を適切に調節することができる。果糖ラフィネートの再利用という観点を考慮すれば、高純度分離工程で得られる果糖ラフィネートを最大限利用することができるように混合比を設定することが好ましい。例えば、果糖製造の分離工程に供給される果糖ラフィネートは、果糖製造工程の最終果糖含有原料の収率および濃度を特定値以上に維持可能な含量まで果糖ラフィネートの混合量を増加させることができる。必要な場合、果糖製造工程の果糖異性化反応物との混合比を考慮して果糖ラフィネートの投入量を適切に調節することができ、果糖ラフィネートの貯蔵槽を備えることができる。
例えば、果糖ラフィネートを果糖製造の第1次イオン精製工程に投入する場合、果糖異性化反応物と混合して処理し、SMB分離工程に投入する場合、第1次イオン精製物と混合して処理し、第2次イオン精製工程に投入する場合、SMB分離工程の果糖分画と混合して処理することができる。
本発明において、果糖製造工程内の異性化反応物である果糖液と果糖製造工程に投入される果糖ラフィネートの混合比(果糖液:果糖ラフィネート)は、果糖ラフィネートと果糖液の両方を同一に50ブリックスに調整した場合、果糖液と果糖ラフィネートの総含量100重量%を基準にして、果糖液65〜95重量%と果糖ラフィネート5〜35重量%であってもよく、好ましくは果糖液75〜92重量%と果糖ラフィネート8〜25重量%であってもよく、例えば果糖液80〜90重量%と果糖ラフィネート10〜20重量%であってもよい。
本発明の一実施形態において、砂糖またはブドウ糖から果糖を製造する工程を一例として挙げて説明すると、果糖製造工程は、(A)砂糖またはブドウ糖含有原料で果糖異性化反応を行って果糖異性化反応物を製造する果糖異性化工程;(B)得られた果糖異性化反応物を、第1次イオン精製および擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィーによる分離を行って果糖分画とブドウ糖ラフィネートを得る果糖分離工程;および(C)得られた果糖分画を、第2次イオン精製および濃縮する工程を含むことができる。
本発明の果糖製造工程は連続式と配置式の両方とも使用可能であり、好ましくは連続式工程である。以下、本発明による果糖ラフィネート再循環を通じた果糖製造工程を、各工程別に詳しく説明する。
本発明の一実施形態において、ブドウ糖を異性化して果糖を製造する場合、ブドウ糖含有原料を異性化して果糖を得ることができる。果糖異性化工程は、果糖を製造する原料として砂糖を加水分解するか、ブドウ糖を異性化して果糖を得る工程である。
前記加水分解に使用される酵素は、β−フルクトフラノシダーゼ(fructofuranosidase)、インベルターゼ(invertase)、サッカラーゼなどを含むβ−D−フルクトシダーゼ(fructosidase)、スクラーゼ(sucrose(sucrase)、α−グルコシダーゼ(glucosidase)、およびα−D−グルコヒドロラーゼ(glucohydrolase)よりなる群から選択された1種以上であってもよいが、これに制限されない。前記ブドウ糖異性化酵素としては、グリコースイソメラーゼ(glucose isomerase)またはホスホグルコイソメラーゼ(phosphoglucoisomerase)であってもよいが、これに制限されない。
本発明の一実施形態において、果糖異性化反応物を分離および濃縮するために、工程(A)で得られた果糖異性化反応物を、第1次イオン精製およびSMBクロマトグラフィー分離工程に付すことができる。前記果糖製造の分離工程は通常の果糖製造工程と同様の方法、工程、および反応条件で行うことができる。前記第1次イオン精製およびSMBクロマトグラフィーは、前記(2)項のプシコース転換反応物の分離工程で説明したものと実質的に同一である。
本発明の果糖製造の分離工程は、第1次イオン精製工程、SMBクロマトグラフィー分離、第2次イオン精製工程、および濃縮工程を含むことができ、選択的に、果糖異性化反応物の不純物を除去する工程は、脱塩工程、脱色工程、または脱色と脱塩工程を行うことができる。前記不純物を除去する工程は、ろ過を用いた不溶性物質の除去工程、および活性炭を用いた脱色工程、有色成分とイオン成分などの不純物を除去するためにイオン交換樹脂が充填されたカラムに通液させて行うことができる。前記果糖異性化反応物の不純物を除去する工程を経て、果糖含量40〜44重量%の果糖シロップを得る。
その後、擬似移動層吸着分離方法(simulated moving bed、SMB)を用いてブドウ糖ラフィネートと果糖分画を得て、前記果糖分画に、第2次イオン精製および濃縮工程を行って、全体固形分100重量%を基準にして、固形分濃度45〜55重量%の果糖溶液を得ることができる。
前記ブドウ糖と果糖の分離のため、前記(2)プシコース転換反応物の分離工程で使用したSMBクロマトグラフィー分離工程と実質的に同じ工程をことができ、例えば220〜320μmの粒度を有するカルシウム(Ca)型強酸性陽イオン樹脂を使用することができる。本発明の果糖製造工程、連続式と配置式の両方とも使用可能であり、好ましくは連続式工程である。以下、本発明による果糖ラフィネート再循環を通じた果糖製造工程を、各工程別に詳しく説明する。
前記ブドウ糖と果糖を分離するためには、前記(2)プシコース転換反応物の分離工程で使用したSMBクロマトグラフィー分離工程と実質的に同じ工程を行うことができ、例えば220〜320μmの粒度を有するカルシウム(Ca)型強酸性陽イオン樹脂を使用することができる。前記高純度分離工程は40〜60℃の温度、例えば60℃で行うことができる。
第1次イオン精製方法として、有色およびイオン成分などの不純物を除去するためにプシコース製造の第1次イオン精製と同一または異なる方法で行うことができ、同一種類または異なる種類のイオン交換樹脂が充填された分離塔を1つまたは2以上使用して行うことができる。前記イオン精製工程は、イオン精製に使用する樹脂の物性およびイオン精製効率を考慮して、工程条件を設定して行うことができる。
前記不純物を除去する工程は、不溶性物質の除去工程、および活性炭を用いた脱色工程、有色成分とイオン成分などの不純物を除去するためにイオン交換樹脂が充填されたカラムに通液させて行うことができる。
高純度分離工程で得られた果糖分画を、第2次イオン精製、および濃縮工程を行って目的とする果糖含量を有する果糖原料を製造することができる。
本発明の果糖製造工程に含まれる濃縮工程は、様々な方法で濃縮して果糖含量を85重量%以上に含むようにする。例えば、擬似移動層吸着分離方法で得られた果糖分画(例えば、固形分濃度20〜30重量%)を、濃縮工程を通じて固形分濃度45〜55重量%に濃縮することができる。前記果糖製造工程で濃縮する工程は、70〜85℃の温度で10〜15分間濃縮することを含むことができる。前記濃縮は、連続真空濃縮装置(Falling Film Evaporator)または薄膜真空濃縮器(Thin Film Evaporator)を用いて減圧または真空条件下で濃縮することができる。前記果糖製造工程で濃縮する工程は、70〜85℃の温度で10〜15分間濃縮する工程を含むことができる。
(4)果糖含有原料のプシコース転換反応への投入
本発明による果糖製造工程で得られる最終生産物は、プシコース転換反応のための反応原料としてプシコース製造工程に投入する。
前記果糖製造工程において、果糖異性化反応物の果糖含量は40〜44重量%であり、高純度分離工程を経て得られた果糖分画の果糖含量は85重量%以上であり、濃縮工程を経て得られる最終生産物の果糖含量は85〜99重量%であり得る。前記プシコース転換反応に投入する果糖原料は、果糖含量が85重量%以上、例えば85重量%〜99重量%であり、ブドウ糖含量は10重量%以下、例えば1重量%〜10重量%であり得る。
本発明の一実施形態において、前記果糖含有原料溶液の果糖含量が88重量%の場合、プシコース転換反応物の果糖含量は64〜67重量%であり、プシコース含量は21〜24重量%であり、ブドウ糖含量は8〜10重量%であり得る。また、前記果糖含有原料溶液の果糖含量が95重量%の場合、プシコース転換反応物の果糖含量は68〜71重量%であり、プシコース含量は24〜27重量%であり、ブドウ糖含量は2〜5重量%であり得る。
前記果糖ラフィネートに含まれている果糖含量は85重量%以上、例えば85重量%〜99重量%であり得る。プシコース製造工程の分離工程で得られる果糖ラフィネートを果糖製造工程に再循環させる場合、再循環させない場合に比べて果糖原料の生産負荷を効果的に減らすことができる。
本発明のプシコース製造工程の分離工程で得られたプシコース分画は、プシコース濃縮工程を経て液状であるシロップとして製品化するか、プシコース結晶化工程を経てプシコース結晶として製品化することができる。
(5)プシコースの濃縮または結晶化工程
本発明のプシコース製造工程において、SMBクロマトグラフィーを用いた高純度分離工程で得られたプシコース分画は、プシコース濃縮工程を経て液状シロップとして製品化するか、プシコース結晶化工程を経てプシコース結晶として製品化することができる。
前記工程(2)のSMBクロマトグラフィー分離工程で得られたプシコース分画をイオン精製し濃縮して得られた濃縮物を製造する工程である。前記濃縮物は、プシコースシロップ製品として使用するか、結晶化工程に投入してプシコース結晶として製造することができる。
本発明の一実施形態において、前記SMBクロマトグラフィーを用いた高純度分離工程で得られたプシコース分画を、第2次イオン精製工程に付すことができ、前記分離工程で行った第1次イオン精製と同一または異なる方法で行うことができる。
プシコース結晶を得るためのプシコース溶液中のプシコースの含量は、過飽和状態で高い濃度で含まれなければならないが、プシコース転換反応物のプシコースの含量は低いため、直接結晶化を行うことができず、結晶化工程の前にプシコース含量を増加させるために精製して、所望の水準まで濃縮する工程を行わなければならない。
本発明の一具体例において、前記精製したプシコース溶液を濃縮させる工程は55〜75℃で行ってもよい。濃縮液の温度が75℃より高くなるとD−プシコースの熱変性が生じる場合があり、55℃より低くなると所望の水準の濃縮を達成し難い。濃縮が進むにつれて、蒸発熱によって反応物の温度が急激に高くなるため、濃縮液の温度を75℃以下に維持しながら、速やかに濃縮しなければならない。
本発明の一具体例において、プシコースの熱変性および所望の水準の濃縮を達成するために、55〜75℃の温度、好ましくは60〜70℃の範囲で濃縮することができる。前記濃縮工程は、所望の濃縮水準を達成するまで、1回または2回以上繰り返して行うことができる。
具体的には、前記SMBクロマトグラフィー分離工程で得られたプシコース分画の濃縮工程は様々な方法で行うことができ、濃縮物の固形分含量が70ブリックス以上になるように濃縮することができる。例えば、擬似移動層吸着分離方法で得られたプシコース分画(例えば、固形分含量20〜30重量%)は、濃縮工程を通じて固形分含量70ブリックス以上に濃縮することができる。前記プシコース濃縮物の固形分含量は70ブリックス以上、例えば70ブリックス〜85ブリックスであってもよい。
前記プシコース製造工程で濃縮する工程は、55〜75℃の温度で10〜15分間濃縮することを含むことができる。前記濃縮は、連続真空濃縮装置(Falling Film Evaporator)または薄膜真空濃縮器(Thin Film Evaporator)を用いて減圧または真空条件下で濃縮することができる。
前記プシコース濃縮物に含まれているプシコース含量は前記SMBクロマトグラフィー分離工程で得られたプシコース分画のプシコース含量と変動が殆どなく、固形分含量が増加して以後の結晶化工程を行うことができるようにする。前記プシコース濃縮物に含まれているプシコース含量は固形分総含量100重量%を基準にして、94重量%以上、95重量%以上、96重量%以上、97重量%以上、98重量%以上または99重量%以上であってもよい。
前記プシコース結晶化工程は、前記高純度分離工程で得られたプシコース分画を第2次イオン精製する工程、イオン精製されたプシコース分画を濃縮する工程、得られた濃縮物からプシコースを結晶化してプシコース結晶とプシコース結晶化母液を得る工程を含む。前記プシコース分離工程の具体的な例は、第1次イオン精製工程、高純度クロマトグラフィー分離工程、第2次イオン精製工程、濃縮工程、および結晶化工程を含むことができ、選択的に、プシコース転換反応物を、脱塩工程、脱色工程または脱色と脱塩工程に付すことができる。
前記プシコース分画内のプシコースの含量は、85重量%以上、90重量%以上、91重量%以上、92重量%以上、93重量%以上、94重量%以上、または95重量%以上、例えば85重量%〜99.9%(w/w)以上になるように分離/精製してもよい。
前記プシコース結晶に含まれているプシコースは純度90重量%以上、95重量%以上、または99重量%以上であり、前記結晶化母液内のプシコース含量は85重量%以上、90重量%以上、93重量%以上、または95重量%以上、例えば85重量%〜95重量%であってもよい。
本発明の方法によって得られたプシコースは、通常の方法によって精製および/または結晶化することができ、このような精製および結晶化は当業者の通常の技術範囲に属する。例えば、遠心分離、ろ過、結晶化、イオン交換クロマトグラフィー、およびこれらの組み合わせよりなる群から選択された一つ以上の方法によって行うことができる。
本発明の一実施形態において、前記SMBクロマトグラフィーを用いた高純度分離工程で得られたプシコース分画を第2次イオン精製することができ、前記プシコースの分離工程で使用した第1次イオン精製と同一または異なる方法で行うことができる。
本発明によるD−プシコース結晶を製造する方法は、精製されたD−プシコース溶液を濃縮させる工程を含むことができる。プシコース結晶を得るためのプシコース溶液中のプシコースの含量は70重量%以上でなければならない。プシコースエピマー化酵素によって製造されたプシコース溶液中のプシコースの純度は20〜30%程度と低いため、直接結晶化を行うことができず、結晶化工程の前にプシコースを精製して、所望の水準まで濃縮しなければならない。本発明の一具体例において、プシコースの熱変性および所望の水準の濃縮を達成するために、55〜75℃の温度で濃縮することができる。前記濃縮工程は、所望の濃縮水準を達成するまで、1回または2回以上繰り返して行うことができる。
前記冷却させて結晶化する工程は、熱交換器を通じて10〜25℃の温度で急速に冷却させた後、昇温と冷却を繰り返し結晶の成長を誘導させる工程を含むことができる。
本発明によるD−プシコース結晶を製造する方法は、前記結晶化工程で得られたプシコース結晶を遠心分離によって回収し、脱イオン水で洗浄した後、乾燥させる工程をさらに含むことができる。
本発明による一実施形態は、生物学的触媒を用いて果糖原料からプシコース転換反応を行うプシコース転換反応器、活性基が付着された陽イオン交換樹脂が充填されたカラムを含み、原料投入口、およびプシコース分画と果糖ラフィネートを排出する排出口を備えた擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィー分離器、並びに前記分離器から排出された果糖ラフィネートの提供により果糖を分離する果糖分離装置を含むプシコース製造装置に関する。
前記製造装置は果糖ラフィネートの冷却のための熱交換器をさらに備えることができ、プシコース転換反応器に投入する前に、前記果糖含有原料を貯蔵する貯蔵槽をさらに含むことができる。
前記果糖分離装置は、果糖異性化反応物をイオン精製するイオン交換樹脂が充填されたカラムを備えたイオン精製器、活性基が付着された陽イオン交換樹脂が充填されたカラムを含み、イオン精製器を通過した反応物を投入する投入口、プシコース分画と果糖ラフィネートを排出する排出口を備えた擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィー分離器、前記分離器から排出された果糖分画を濃縮する濃縮器、および前記濃縮器から排出された果糖含有原料をプシコース製造装置に提供するための果糖製造装置とプシコース製造装置を連結する連結部を含むことができる。
本発明のプシコース製造工程は、果糖製造工程で得られた果糖原料をプシコース転換工程に投入してプシコースを製造し、プシコース分離工程で得られた果糖ラフィネートを果糖製造工程に投入して果糖原料を製造する方法であり、プシコースの純度および収率を向上させて、原料の利用率を高める方法を提供する。
図1は、一般的なSMB工程の一実施形態を示す図である。 図2は、本発明の一実施形態によるプシコース製造工程中の高純度分離工程で得られる果糖ラフィネートを、果糖異性化工程に投入して果糖含有原料溶液を製造し、これを用いてプシコース転換反応を行う一連のプシコース製造工程の一実施形態を図式化したものである。
以下、本発明を下記の実施例によってさらに詳しく説明する。しかし、これらの実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定されない。
製造例1.プシコースシロップの製造
韓国公開特許第2014−0054997に記載の製造方法と実質的に同一の生物学的方法により、果糖基質からプシコースシロップを製造した。
具体的には、クロストリジウムシンデンス(Clostridiuim scindens ATCC 35704)に由来したプシコースエピマー化酵素の暗号化遺伝子(DPE gene;Gene bank:EDS06411.1)を組換えベクター(pCES_sodCDPE)に導入して、前記製造された組換えベクター(pCES_sodCDPE)プラスミドを、電気穿孔法(electroporation)を使用してコリネバクテリウムグルタミクムに形質転換させた。形質転換したコリネバクテリウムグルタミクム細胞を含むビードを製造して固定化反応カラムに充填し、40ブリックスの88重量%果糖または95重量%果糖からプシコースシロップを製造した。即ち、88重量%果糖含有基質からブドウ糖:果糖:プシコース:オリゴ糖の固形分混合重量比が41:39:15:5である21〜23(w/w)%プシコースシロップを収得し(プシコースシロップA)、果糖含量95重量%を含む原料からブドウ糖:果糖:プシコース:オリゴ糖=6:67:25:2の24〜26(w/w)%プシコースシロップを得た(プシコースシロップB)。
製造例2.果糖ラフィネートの製造
上記製造例1で得られた2種類のプシコースシロップについて、有色およびイオン成分などの不純物を除去するために、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、および陽イオンと陰イオン交換樹脂の混合樹脂で充填した常温のカラムに、1時間当りイオン交換樹脂2倍体積の速度で通液させて脱塩させた。
その後、カルシウム(Ca2+)型イオン交換樹脂で充填したクロマトグラフィーを用いて高純度のプシコース分画を分離した後、残りをラフィネートとして得た。88重量%果糖含量の原料を用いて得られたプシコースシロップ(プシコースシロップA)から得られた果糖ラフィネートは、果糖85〜95重量%、ブドウ糖1〜10重量%、および還元糖1〜5重量%を含んでいた。
95重量%果糖含量の原料を用いて得られたプシコースシロップ(プシコースシロップB)から得られた果糖ラフィネートは、果糖88〜98重量%、ブドウ糖1〜8重量%、および還元糖1〜4重量%を含んでいた。
実施例1.果糖ラフィネートを用いたプシコースの生産
上記製造例2で得られた果糖含量88重量%の果糖含有原料溶液を用いてプシコース含量95重量%の固形分10トンを生産するために、流量3.8m3/hrでプシコース転換工程と分離工程を行った。プシコース転換工程を経て得られた反応物のプシコース含量は20〜23重量%であり、イオン精製の後、45〜50重量%の濃度で分離工程を通過させた。Ca+タイプ分離(SMB)樹脂を用いて分離時に生成するラフィネートは、1時間当り3m3ずつ生成した。
具体的には、果糖製造工程で、とうもろこしデンプンを30〜35重量%になるように水と混合した後、酵素加水分解を行ってブドウ糖含量88重量%以上の糖化液を得た。その後、前記糖化液を真空ドラムろ過して不溶性物質を除去して、果糖異性化反応物(果糖含量42重量%シロップ)を得た。
上記製造例2で得られたプシコース製造工程の果糖ラフィネートを果糖含量88重量%および総固形分50重量%(50ブリックス)に濃縮して、前記果糖異性化工程を通過した反応物(果糖含量42重量%シロップ)と混合し、強酸性樹脂、弱塩基性樹脂、および強酸性樹脂と弱塩基性の混合樹脂から構成されたイオン精製工程に投入した。即ち、第1次イオン精製工程に投入された果糖異性化反応物と果糖ラフィネートの総固形分含量を50重量%(50ブリックス)に調節して、前記果糖異性化反応物と上記製造例2の果糖ラフィネートの混合比8:2〜9:1重量比で使用した。混合された果糖シロップは、1次イオン精製を経て再び総固形分50重量%に濃縮した後、SMBクロマトグラフィー工程を通過させた。SMB工程を行ってブドウ糖ラフィネートと果糖分画を得た後、前記果糖分画に第2次イオン精製および濃縮工程を行って40ブリックスの88重量%果糖含量の果糖含有溶液を得た。前記果糖含有溶液は、上記製造例1と実質的に同じ方法でプシコース転換反応と分離工程を行った。
前記工程を10回繰り返して行い、各再循環別の混合基質およびラフィネートの糖類組成を分析して下記表1に示した。下記表1に示す混合液は、プシコース製造の分離工程で得られた果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入した後に得られる果糖含有原料を意味する。
Figure 0006852182
上記表1から確認できるように、プシコース製造工程で得られた果糖ラフィネートを果糖製造工程に投入することによって、再循環回数が増加してもプシコース転換工程に投入される原料の果糖純度が一定に維持されることを確認した。
実施例2.果糖ラフィネートを用いた果糖の生産
本実験は、果糖ラフィネートの再循環の有無による糖組成および収率の差を確認するために行った。
具体的には、果糖製造工程において、とうもろこしデンプンを30〜35重量%になるように水と混合した後、酵素加水分解を行ってブドウ糖含量88重量%以上の糖化液を得た。その後、前記糖化液を真空ドラムろ過して不溶性物質を除去した後、果糖異性化反応物(果糖含量42重量%シロップ)を得た。
上記製造例2で得られたプシコース製造工程の果糖ラフィネートを果糖含量88重量%および総固形分50重量%(50ブリックス)に濃縮して、前記果糖異性化工程を通過した反応物(果糖含量42重量%シロップ)と混合し、強酸性樹脂、弱塩基性樹脂、および強酸性樹脂と弱塩基性の混合樹脂から構成されたイオン精製工程に投入した。即ち、第1次イオン精製工程に投入された果糖異性化反応物と果糖ラフィネートの総固形分含量を50重量%(50ブリックス)に調節して、前記果糖異性化反応物と製造例2の果糖ラフィネートの混合比8:2〜9:1重量比で使用した。混合された果糖シロップは、1次イオン精製を経て再び総固形分50重量%に濃縮した後、SMBクロマトグラフィー工程を通過させた。SMB工程を行ってブドウ糖ラフィネートと果糖分画を得た。各工程別の混合物およびラフィネートの糖類組成を分析して下記表2に示した。
Figure 0006852182
上記表2は、果糖異性化反応物、SMB分離後の果糖分画、SMB分離後のブドウ糖ラフィネート、および果糖異性化反応物と果糖ラフィネートの混合物の総固形分含量を100重量%基準にして、それぞれの構成成分の固形分含量を重量%で示したものである。前記分離収率は、SMB分離工程に提供された投入物の総固形分100重量%を基準にして、SMB分離後果糖分画の総固形分の含量(重量%)と、ブドウ糖ラフィネートの総固形分の含量(重量%)で示したものである。
前記表2から確認できるように、プシコース転換工程のラフィネート分画を果糖製造工程の果糖異性化反応物と混合して果糖分離工程を行った場合、SMB分離工程に提供された投入物の総固形分100重量%を基準にして、SMB分離後果糖分画の総固形分の含量48.1重量%とブドウ糖ラフィネート51.9重量%に分離された。本発明によって果糖ラフィネートを混合した場合、SMB分離後果糖分画の総固形分の55.4重量%とブドウ糖ラフィネート44.6重量%に分離された。
したがって、プシコース製造の果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入した場合、SMB工程で得られる果糖分画内の果糖含量が増加するだけでなく、固形分分離の収率も115%増加することを確認した。したがって、プシコース製造工程の高純度クロマトグラフィーで得られた果糖ラフィネート分画を、果糖異性化工程を通過した反応生産物と混合して分離しても、同様に果糖純度および収率増加の効果を確認することができた。
実施例3.ラフィネートを用いたプシコースの生産
上記実施例1と同じ方法で、果糖含量95重量%のシロップを用いたプシコース含量95重量%の固形分10トンを生産するために、流量3.8m3/hrでプシコース異性化工程と分離工程を行った。プシコース転換工程を経て得られた反応生産物のプシコース含量は21〜25重量%であり、イオン精製の後、45〜50重量%の濃度で分離工程を通過させた。Ca+タイプ分離樹脂を用いて分離時に生成するラフィネート(果糖分画)は、1時間当り3m3ずつ生成した。
前記工程を10回繰り返して行い、各工程別の混合基質およびラフィネートの糖類組成を分析して下記表3に示した。
Figure 0006852182
上記表3から確認できるように、プシコース製造工程のラフィネート分画を果糖製造工程に投入することによって、再循環回数が増加してもプシコース転換工程に投入される原料の果糖含量が一定に維持されることを確認した。
実施例4.ラフィネートを用いた果糖の生産
果糖ラフィネートの再循環の有無による糖組成および収率の差を確認するために、上記実施例2と実質的に同じ方法で実験を行った。但し、上記実施例2において果糖含量88重量%原料の代わりに、果糖含量95重量%の原料を用いてプシコース転換反応を行った。
SMB工程を行ってブドウ糖ラフィネートと果糖分画を得た。各工程別の混合物およびラフィネートの糖類組成を分析して下記表4に示した。
Figure 0006852182
上記表4から確認できるように、プシコース転換工程のラフィネート分画を果糖製造工程の果糖異性化反応物と混合して果糖分離工程を行った場合、SMB分離工程に提供された投入物の総固形分100重量%を基準にして、SMB分離後果糖分画の総固形分の含量44.3重量%とブドウ糖ラフィネート55.7重量%に分離された。本発明によって果糖ラフィネートを混合した場合、SMB分離後果糖分画の総固形分の54.6重量%とブドウ糖ラフィネート45.4重量%に分離された。したがって、プシコース製造の果糖ラフィネートを果糖製造の分離工程に投入した場合、SMB工程で得られる果糖分画内の果糖含量が増加するだけでなく、固形分分離収率も123%増加することを確認した。したがって、プシコース製造工程の高純度クロマトグラフィーで得られた果糖ラフィネート分画を、果糖異性化工程を通過した反応生産物と混合して分離しても、同様に果糖純度および収率増加効果を確認することができた。
実施例5.混合金属イオンによるプシコース転換率の比較実験
プシコース製造過程で得られた果糖ラフィネートと類似の組成でプシコース転換率を評価した。即ち、果糖純度95重量%シロップを50重量%に希釈してCa2+イオンを0.005〜0.01mMで添加した後、1.0mMのMnをさらに添加してプシコース転換工程を確認し、その結果を表5に示した。
Figure 0006852182
プシコース転換反応の活性を増加させるマンガンで処理した場合、相対活性は152%であった。カルシウムをさらに添加してカルシウムとマンガンの混合状態におけるプシコース転換反応の相対活性は、マンガンで単独処理したものより最大約16%まで減少したことから、カルシウムイオンの濃度が高くなる程、相対活性は次第に減少する傾向にあることを確認した。
このような結果は、高純度分離クロマトグラフィー工程で生成する果糖ラフィネートを再使用することは、分離クロマトグラフィー工程で析出される0.01mM以下のCaイオンを精製しなければならない理由であると推察することができる。イオン精製を行わない場合、マンガンを単独で使用したものより活性が低下するため、プシコースの生産量に悪影響を与えることがある。

Claims (18)

  1. プシコース転換反応物を擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィーで分離してプシコース分画と果糖ラフィネートを得て、
    得られた果糖ラフィネートを果糖異性化反応を用いる果糖製造の分離工程に投入して果糖含有原料を製造し、
    得られた果糖含有原料を用いてプシコース転換反応を行う工程を含み、
    前記擬似移動層クロマトグラフィー分離工程で得られた果糖ラフィネートは、糖類合計100重量%を基準にして、85〜99重量%の果糖および2.0重量%以下のプシコースを含み、
    前記果糖製造の分離工程は、イオン精製工程および擬似移動層クロマトグラフィーを用いた分離工程を含み、
    前記プシコース転換反応に投入される果糖含有原料の果糖含量は、全糖類含量100重量%を基準にして85重量%以上であり、
    前記果糖含有原料の電気伝導度が0〜15μs/cmであるプシコースの製造方法。
  2. 前記プシコース転換反応物は、果糖原料を用いた生物学的プシコース転換工程で得られるものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記果糖製造の分離工程は、果糖異性化反応物をイオン精製する第1次イオン精製、擬似移動層クロマトグラフィーを用いた分離工程、第2次イオン精製工程、および濃縮工程を含み、前記果糖ラフィネートは前記第1次イオン精製、擬似移動層クロマトグラフィーを用いた高純度分離、および第2次イオン精製よりなる群から選択された1種以上の工程に投入される請求項に記載の製造方法。
  4. 前記イオン精製工程は、イオン交換樹脂クロマトグラフィーを用いて行う請求項に記載の製造方法。
  5. 前記果糖含有原料は、カルシウムイオン濃度が0.05mM以下の範囲である請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記擬似移動層クロマトグラフィー分離工程で得られる果糖ラフィネートは、電気伝導度が20〜200μs/cmである請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記果糖製造の分離工程で得られる果糖液と前記果糖ラフィネートは、果糖液と果糖ラフィネートをそれぞれ50ブリックスに調整した場合、果糖液と果糖ラフィネートの全100重量%を基準にして、果糖液65〜95重量%と果糖ラフィネート5〜35重量%である請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記擬似移動層クロマトグラフィー分離工程は、カルシウム活性基が付着された陽イオン交換樹脂充填カラムクロマトグラフで行われる請求項1に記載の製造方法。
  9. 前記プシコース転換反応は、プシコース転換率が15%〜70%である生物学的触媒を使用する請求項1に記載の製造方法。
  10. 前記擬似移動層クロマトグラフィー分離工程で得られる果糖ラフィネートを、熱交換器を通じて冷却する工程をさらに含む請求項1に記載の製造方法。
  11. 前記製造方法は、連続式で行われる請求項1に記載の製造方法。
  12. 前記プシコース分画を濃縮し、前記濃縮物からプシコースを結晶化してプシコース結晶と結晶化母液を得る工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  13. 果糖含有原料からプシコースへの転換反応を行うプシコース転換反応器、
    活性基が付着された陽イオン交換樹脂充填カラムを含み、原料投入口、およびプシコース分画と果糖ラフィネートを排出する排出口を備えた擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィー分離器、
    果糖異性化反応を用いる果糖製造装置、及び、
    前記果糖製造装置と前記プシコース転換反応器とを連結する連結部を含み、
    前記果糖製造装置は、果糖異性化反応を行う果糖異性化反応器、イオン交換樹脂が充填されたカラムを備えたイオン精製器、活性基が付着された陽イオン交換樹脂充填カラム、及び、原料投入口と果糖分画およびラフィネートを排出する排出口とを備えた擬似移動層(simulated moving bed、SMB)クロマトグラフィー分離器を含み、
    前記擬似移動層クロマトグラフィー分離器から排出された果糖ラフィネートは、連結部を通じて前記果糖製造装置に投入されて果糖含量原料として製造され、前記プシコース製造装置のプシコース転換反応器に投入され、
    前記擬似移動層クロマトグラフィー分離器から排出された果糖ラフィネートは、果糖ラフィネートの糖類合計100重量%を基準にして、85〜99重量%の果糖および2.0重量%以下のプシコースを含み、
    前記プシコース転換反応器に投入される果糖含有原料は、果糖含量が85重量%以上であり、電気伝導度が0〜15μs/cmである、プシコース製造装置。
  14. 前記プシコース転換反応器は、生物学的方法で果糖含有原料からプシコースへの転換反応を行う請求項13に記載のプシコース製造装置。
  15. 前記クロマトグラフィー分離器から排出された果糖ラフィネートの冷却のための熱交換器をさらに含む請求項13に記載のプシコース製造装置。
  16. プシコース転換反応器に投入する前に、前記果糖含有原料を貯蔵する貯蔵槽をさらに含む請求項13に記載のプシコース製造装置。
  17. 前記プシコース製造装置は、前記分離器から排出された果糖ラフィネートの提供により果糖を分離する果糖分離装置をさらに含み、
    前記果糖分離装置は、前記分離器から排出された果糖分画を濃縮する濃縮器、および前記濃縮器から排出された果糖含有原料をプシコース製造装置に提供するための果糖製造装置とプシコース製造装置を連結する連結部を含む請求項13に記載のプシコース製造装置。
  18. 前記イオン交換樹脂が充填されたカラムを備えたイオン精製器が、クロマトグラフィー分離器と濃縮器の間に連結された請求項13に記載のプシコース製造装置。
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