JP2005191232A - ダイシング装置及びダイシング方法 - Google Patents

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守貴 相川
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Abstract

【課題】 切込量の誤差を可及的に抑制し得るダイシング装置及びダイシング方法を提供する。
【解決手段】 ダイシングテープ32の表面位置を検出する表面位置検出手段46と、その表面位置検出手段46により検出されたダイシングテープ32の表面位置に基づいてブレード22によるダイシングテープ32への切込量Δtを制御する切込制御手段50とを、含むことから、ダイシングテープ32の厚みばらつきに係わらずその表面位置を基準としてダイシングテープ32への切込量Δtを制御することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、半導体ウェハを切断するためのダイシング装置及びダイシング方法の改良に関する。
半導体素子の形成においては、通常、1枚の半導体ウェハ上に複数の素子が形成された後、その半導体ウェハがダイス状(碁盤目状)に切断されて個々の素子に分離される。この素子分離には、例えば、極薄手(薄肉)の円板状のブレードを軸心まわりに回転させつつ上記半導体ウェハに厚み方向に切り込ませてその半導体ウェハの面に平行な1方向に沿って走らせることによりその半導体ウェハをダイス状に切断するダイシング装置が好適に用いられる。
一般的なダイシング装置では、上記半導体ウェハが貼り付けられたダイシングテープが所定の基台(チャックテーブル)上に真空吸着されて処理が施される。そのようにダイシングテープを介在させるのは、上記半導体ウェハを貫通したブレードが比較的高価な真空吸着のための基台を損傷するのを防ぐためである。すなわち、上記ダイシング装置による半導体ウェハの切断に際しては、上記ブレードがその半導体ウェハを十分に貫通し且つ基台には達しないように切込量を制御する必要がある。このため、実用されているダイシング装置では、例えば、特許文献1に記載されたダイシング装置のように、上記基台上に載置された半導体ウェハの平面部法線方向(Z軸方向)に関する上記ブレードの基準位置を検出できるようになっている。
特開平11−345787号公報
本発明者等は、前記ダイシング装置による半導体ウェハの切断に際して、前記ブレードがその半導体ウェハを貫通して前記ダイシングテープを切り込む深さが歩留まりを考えるうえで重要なパラメータとなることを新たに見出した。すなわち、切り込みが不十分である場合には、前記ブレードが半導体ウェハを貫通せず素子分離できないが、切り込みが深すぎる場合には、前記ダイシングテープの切り屑が多量に生じて素子を汚染することに加え、そのダイシングテープ表面の粘着剤が前記ブレードに多く付着してチッピング等を引き起こす原因となることを発見した。とりわけ、GaAs系化合物半導体から成るウェハや比較的厚手の半導体ウェハについてはこの傾向が顕著であった。
前記従来のダイシング装置では、前記ブレードを回転させつつ前記基台上に接触させてZ軸方向の基準位置を検出し、例えば、その基準位置より「ダイシングテープの規定厚み−目標切込量」だけ上方をダイシング時のブレード外周縁部の位置として設定する等して切込量の制御を行っていた。この切込量の誤差は、好適には、±10μmの範囲内に抑えられるべきである。しかし、市販されているダイシングテープの厚みは規定厚み±10μm程度のばらつきを持っているため、前記従来の技術では必然的に切込量の誤差が上記範囲外となり、目標通りの切込量の管理は実質不可能であった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、切込量の誤差を可及的に抑制し得るダイシング装置及びダイシング方法を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、薄肉円板状のブレードを軸心まわりに回転させつつ基台上のダイシングテープの表面に接着された半導体ウェハに厚み方向に切り込ませてその半導体ウェハの面に平行な1方向に沿って走らせることによりその半導体ウェハをダイス状に切断するダイシング装置であって、前記ダイシングテープの表面位置を検出する表面位置検出手段と、その表面位置検出手段により検出された前記ダイシングテープの表面位置に基づいて前記ブレードの切込量を制御する切込制御手段とを、含むことを特徴とするものである。
また、前記目的を達成するために、本第2発明の要旨とするところは、薄肉円板状のブレードを軸心まわりに回転させつつ基台上のダイシングテープの表面に接着された半導体ウェハに厚み方向に切り込ませてその半導体ウェハの面に平行な1方向に沿って走らせることによりその半導体ウェハをダイス状に切断するダイシング方法であって、前記ダイシングテープの表面位置を検出し、その表面位置に基づいて前記ブレードの切込量を制御することを特徴とするものである。
このように、前記第1発明によれば、前記ダイシングテープの表面位置を検出する表面位置検出手段と、その表面位置検出手段により検出された前記ダイシングテープの表面位置に基づいて前記ブレードの切込量を制御する切込制御手段とを、含むことから、ダイシングテープ厚みのばらつきに係わらずその表面位置を基準として切込量を制御することができる。すなわち、切込量の誤差を可及的に抑制し得るダイシング装置を提供することができる。
ここで、前記第1発明において、好適には、前記切込制御手段は、前記ブレードの外周縁部を前記ダイシングテープの表面位置から予め定められた値だけそのダイシングテープ内へ切り込ませるようにそのブレードの切込量を制御するものである。このようにすれば、前記ダイシングテープの切り屑が多量に発生することによる素子の汚染や、前記ブレードに粘着剤が多く付着することによるチッピングの発生を防止でき、歩留まりを向上させられるという利点がある。
また、好適には、前記表面位置検出手段は、前記半導体ウェハの表面位置を検出することで間接的に前記ダイシングテープの表面位置を検出するものである。このようにすれば、実用的な態様で前記ダイシングテープの表面位置を検出できるという利点がある。
また、前記第2発明によれば、前記ダイシングテープの表面位置を検出し、その表面位置に基づいて前記ブレードの切込量を制御するものであることから、ダイシングテープ厚みのばらつきに係わらずその表面位置を基準として切込量を制御することができる。すなわち、切込量の誤差を可及的に抑制し得るダイシング方法を提供することができる。
ここで、前記第2発明において、好適には、前記ブレードの外周縁部を前記ダイシングテープの表面位置から予め定められた値だけそのダイシングテープ内へ切り込ませるようにそのブレードの切込量を制御するものである。このようにすれば、前記ダイシングテープの切り屑が多量に発生することによる素子の汚染や、前記ブレードに粘着剤が多く付着することによるチッピングの発生を防止でき、歩留まりを向上させられるという利点がある。
また、好適には、前記半導体ウェハの表面位置を検出することで間接的に前記ダイシングテープの表面位置を検出するものである。このようにすれば、実用的な態様で前記ダイシングテープの表面位置を検出できるという利点がある。
また、前記第1発明及び第2発明において、好適には、前記半導体ウェハは、GaAs系化合物半導体から成るものである。このようにすれば、前記ブレードの切り込みが深すぎる場合にチッピング等の不具合が生じ易いGaAs系化合物半導体から成る半導体ウェハについて切込量の誤差を可及的に抑制でき、歩留まりを向上させられるという利点がある。
また、好適には、前記半導体ウェハの厚み寸法は、100から400μmの範囲内である。このようにすれば、前記ブレードの切り込みが深すぎる場合にチッピング等の不具合が生じ易い比較的厚手の半導体ウェハについて切込量の誤差を可及的に抑制でき、歩留まりを向上させられるという利点がある。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面に関して各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
図1は、本発明の一実施例であるダイシング装置10の構成を説明する正面図である。このダイシング装置10では、ベース12上に第1可動部材14が図に示すY軸方向に相対移動可能に配設されていると共に、その第1可動部材14をY軸方向に駆動するための第1モータ16が備えられている。また、上記第1可動部材14には第2可動部材18が図に示すZ軸方向に相対移動可能に配設されていると共に、その第2可動部材18をZ軸方向に駆動するための第2モータ20が備えられている。この第2可動部材18の第1可動部材14とは反対側の端部にはブレード22が軸心(Y軸)まわりに回転可能に設けられていると共に、そのブレード22を軸心まわりに回転駆動するための第3モータ24が備えられている。また、上記ベース12上に基台(チャックテーブル)26が図に示すX軸方向に相対移動可能に配設されていると共に、その基台26をX軸方向に駆動するための第4モータ28が備えられている。この基台26の上記ブレード22側の面には、ワークである半導体ウェハ30が表面に接着されたダイシングテープ32が真空吸着されるようになっている。この半導体ウェハ30は、例えば、径寸法50乃至100mmφ程度、厚み寸法100乃至400μm程度のGaAs系化合物半導体から成るものである。
図2は、上記ブレード22を図1の矢印IIで示す方向から見た図である。このブレード22は、ダイヤモンド粒等の研磨粒子がメタルボンド等の結合剤により相互に結合されて外径寸法50乃至80mmφ程度、内径寸法30乃至50mmφ程度、厚み寸法25乃至30μm程度の薄肉円板状に形成されたブレード本体34と、そのブレード本体34を両面から挟み込んで固定するフランジ36とから成るものであり、そのフランジ36により上記第2可動部材18に備えられた駆動軸38に把持固定される。
図3は、前記ブレード22による半導体ウェハ30の切断について詳しく説明する図である。前記ダイシングテープ32は、例えば、径寸法150乃至250mmφ程度、厚み寸法80乃至100μm程度の薄肉円板状に形成された塩化ビニル樹脂等から成るものであり、その一方の表面にはアクリル系接着剤等から成る厚み寸法10μm程度の粘着層40が設けられている。前記半導体ウェハ30のダイシングに際しては、その半導体ウェハ30が粘着層40を介してダイシングテープ32に貼り付けられ、そのダイシングテープ32が前記基台26上に真空吸着された状態で処理が施される。すなわち、前記ブレード22が第3モータ24により図2に矢印で示す方向に回転させられつつ前記第2可動部材18が第2モータ20によりベース12に近づく方向(Z軸方向)に移動させられることで、前記ブレード22が半導体ウェハ30の厚み方向に切り込まされ、更に、その半導体ウェハ30を載せた基台26が第4モータ28によりX軸方向に移動させられることで、前記ブレード22が半導体ウェハ30の面に平行な1方向(X軸方向)に沿って相対的に走らされてその半導体ウェハ30がその1方向に切断される。そのように、前記第1可動部材14が第1モータ16によりその1方向に垂直な方向(Y軸方向)に間歇的に移動させられつつ斯かる動作が繰り返されることで、前記半導体ウェハ30が短冊状に切断される。また、前記ダイシング装置10には前記半導体ウェハ30をダイシングテープ32と共にZ軸まわりに回転させて基台26上に再配設するための図示しない方向転換装置が備えられており、短冊状に切断された半導体ウェハ30がダイシングテープ32と共に一旦基台26から離されてその方向転換装置により90°回転させられてその基台26上に再配設された後、以上の動作が繰り返されることで、前記半導体ウェハ30がダイス状(碁盤目状)に切断されて素子分離される。
図4は、前記ブレード22によるダイシングテープ32への切込量Δtについて説明する図である。前記ブレード22による半導体ウェハ30の切断では、前記半導体ウェハ30の厚み方向の切込深さをその半導体ウェハ30を十分に貫通し且つ基台26に到達しない値に制御する必要がある。また、その切込深さが深すぎる場合、すなわち図4に示すダイシングテープ32への切込量Δtが大きすぎる場合には、そのダイシングテープ32の切り屑が多量に生じて素子を汚染することに加え、前記粘着層40を構成する粘着剤が前記ブレード22に多く付着してチッピング等を引き起こす原因となる。特に、発光ダイオード等の素子が形成されたGaAs系化合物半導体から成る半導体ウェハ30においては、Si半導体から成るウェハに比べて脆く、厚み寸法も比較的大きいことからこの傾向が著しくなる。この切込量Δtの誤差は、好適には、±10μmの範囲内に抑えられるべきである。
図5は、前記ダイシング装置10によるダイシングテープ32の表面位置の検出について説明する図である。前記ダイシング装置10は、好適には、前記第2可動部材18のブレード22側の端部における下面すなわち基台26と対向する側の面に、前記ダイシングテープ32の表面位置を検出するための表面位置検出装置として機能するセンサ42を備えている。このセンサ42は、例えば、一般的な焦点型光学式センサであり、前記ダイシングテープ32の表面との間の距離を誤差±1μmの範囲内で測定することができる。換言すれば、図5に示す前記基台26上のダイシングテープ32の厚み寸法tを斯かる精度で測定することができる。
前記ダイシング装置10は、CPU、ROM、及びRAM等から成り、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータシステムである制御装置44を備えている。この制御装置44は、前記第1モータ16、第2モータ20、第3モータ24、及び第4モータ28等の駆動を制御することにより、前記ダイシング装置10による半導体ウェハ30のダイシング動作を制御する。また、その制御に伴い前記ブレード22の半導体ウェハ30の厚み方向の切込深さ制御、すなわち前記ダイシングテープ32への切込量Δtの制御を行う。
図6は、上記制御装置44の制御機能の要部について説明する機能ブロック線図である。表面位置検出手段46は、上記センサ42からの信号に基づいて前記ダイシングテープ32の表面位置を検出する。好適には、前記ダイシングテープ32に対するセンサ42の位置をX軸方向及びY軸方向にずらして2点乃至は複数点における表面位置を検出し、その平均としての表面位置を算出する。切込深さ算出手段48は、前記ブレード22の外周縁部を前記ダイシングテープ32の表面位置から予め定められた切込量Δt(好適には、1μm程度)だけそのダイシングテープ32内へ切り込ませるように前記ブレード22が半導体ウェハ30の厚み方向に切り込む際の先端位置、すなわちそのブレード22の切込深さを算出する。例えば、前記ブレード22の外周縁部と基台26表面との距離lが次の数式1で示される値となる切込深さを算出する。切込制御手段50は、上記切込深さ算出手段48により算出された切込深さに基づいて前記第2モータ20等の駆動を制御し、前記半導体ウェハ30の切断動作を実行する。
[数式1]
l=t−Δt
図7は、前記制御装置44によるダイシング制御について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。先ず、前記表面位置検出手段46に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記センサ42からの信号に基づいて前記ダイシングテープ32の表面位置が検出される。次に、前記切込深さ算出手段48に対応するS2において、S1にて検出された前記ダイシングテープ32の表面位置に基づいて前記ブレード22による半導体ウェハ30及びダイシングテープ32のZ軸方向の切込深さが算出される。例えば、前記ブレード22の外周縁部と基台26表面との相対距離lが上記数式1で示される値となる切込深さとされる。次に、S3において、前記ブレード22が前記半導体ウェハ30及びダイシングテープ32にS2にて算出された切込深さまで切り込まされ、図1に示すX軸方向に沿って相対的に走らされることで、前記半導体ウェハ30がそのX軸方向に切断される。次に、S4において、前記半導体ウェハ30の1方向における切断が完了したか否かが判断される。このS4の判断が否定される場合には、S5において、前記ブレード22が基台26に対して図1に示すY軸方向に所定量移動させられた後、S3以下の処理が再び実行されるが、S4の判断が肯定される場合には、S6において、前記半導体ウェハ30の切断(ダイシング)が完了したか否かが判断される。このS6の判断が否定される場合には、S7において、前記半導体ウェハ30及びダイシングテープ32が一旦基台26から離されて図1に示すZ軸まわりに90°回転させられてその基台26に再配設された後、S3以下の処理が再び実行されるが、S6の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、S3乃至S7が前記切込制御手段50に対応する。
このように、本実施例によれば、前記ダイシングテープ32の表面位置を検出する表面位置検出手段46(S1)と、その表面位置検出手段46により検出された前記ダイシングテープ32の表面位置に基づいて前記ブレード22の切込深さを制御する切込制御手段50(S3乃至S7)とを、含むことから、ダイシングテープ32の厚みばらつきに係わらずその表面位置を基準として切込深さを制御することができる。すなわち、前記ダイシングテープ32への切込量Δtの誤差を可及的に抑制し得るダイシング装置10を提供することができる。
また、前記切込制御手段50は、前記ブレード22の外周縁部を前記ダイシングテープ32の表面位置から予め定められた切込量Δtだけそのダイシングテープ32内へ切り込ませるようにそのブレード22の切込深さを制御するものであるため、そのダイシングテープ32の切り屑が多量に発生することによる素子の汚染や、前記ブレード22に粘着剤が多く付着することによるチッピングの発生を防止でき、歩留まりを向上させられるという利点がある。
また、前記半導体ウェハ30は、GaAs系化合物半導体から成るものであるため、前記ブレード22の切り込みが深すぎる場合にチッピング等の不具合が生じ易いGaAs系化合物半導体から成る半導体ウェハ30について前記ダイシングテープ32への切込量Δtの誤差を可及的に抑制でき、歩留まりを向上させられるという利点がある。
また、前記半導体ウェハ30の厚み寸法は、100から400μmの範囲内であるため、前記ブレード22の切り込みが深すぎる場合にチッピング等の不具合が生じ易い比較的厚手の半導体ウェハ30について前記ダイシングテープ32への切込量Δtの誤差を可及的に抑制でき、歩留まりを向上させられるという利点がある。
また、前記ダイシングテープ32の表面位置を検出し、その表面位置に基づいて前記ブレード22の切込深さを制御するものであることから、ダイシングテープ32の厚みばらつきに係わらずその表面位置を基準として切込深さを制御することができる。すなわち、前記ダイシングテープ32への切込量Δtの誤差を可及的に抑制し得るダイシング方法を提供することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例において、表面位置検出装置であるセンサ44は、前記ダイシングテープ32表面との間における距離を検出することでそのダイシングテープ32の表面位置を検出するものであったが、図8に示すように、前記半導体ウェハ30の表面位置を検出することで間接的に前記ダイシングテープ32の表面位置を検出するものであってもよい。前記半導体ウェハ30の厚み寸法は、前記ダイシングテープ32の厚み寸法に比べて精度に優れているため、前記半導体ウェハ30の表面位置に対応してダイシングテープ32の表面位置を検出することが可能であり、表面位置検出装置として光学式センサを用いた態様では、前記ダイシングテープ32に比べて反射率に優れた半導体ウェハ30の表面を被検面とする方が検出し易い。すなわち、前記半導体ウェハ30の表面位置を検出することで間接的に前記ダイシングテープ32の表面位置を検出することにより、実用的な態様でそのダイシングテープ32の表面位置を検出できるという利点がある。
また、前述の実施例において、表面位置検出装置であるセンサ44は、前記ダイシングテープ32との間における距離を非接触にて検出する光学式センサであったが、図9に示すように、接触式のスイッチ52により前記ダイシングテープ32の表面位置を検出するものであってもよい。この態様では、前記粘着層40への接触を避けるため、前記半導体ウェハ30の表面位置を検出することで間接的に前記ダイシングテープ32の表面位置を検出するのが望ましい。また、導電性を有するダイシングテープ32を用いることで、図10に示すように、前記ブレード22の外周縁部をダイシングテープ32の表面に接触させることによりそのダイシングテープ32の表面位置を検出する態様も考えられる。更には、空気マイクロセンサ等を備えたものであってもよく、様々な検出装置が適宜選択されて用いられる。
また、前述の実施例では特に言及していないが、前記ブレード22は使用により外径寸法が変化するものであり、その外径寸法は前記ダイシングテープ32への切込量Δtに密接に関係するものであることから、そのダイシングテープ32の表面位置を検出するのと並行して、或いは異なる周期で前記ブレード22の外径寸法をも検出することが望ましい。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明の一実施例であるダイシング装置の構成を説明する正面図である。 図1のブレードを矢印IIで示す方向から見た図である。 図2のブレードによる半導体ウェハの切断について詳しく説明する図である。 図2のブレードのダイシングテープへの切込量について説明する図である。 図1のダイシング装置によるダイシングテープの表面位置の検出について説明する図である。 図1の制御装置の制御機能の要部について説明する機能ブロック線図である。 図6の制御装置によるダイシング制御について説明するフローチャートである。 図1のダイシング装置において半導体ウェハの表面位置を検出することで間接的にダイシングテープの表面位置を検出する態様について説明する図である。 図1のダイシング装置に備えられる表面位置検出装置の他の一例であるスイッチについて説明する図である。 図1のダイシング装置においてブレードの外周縁部を導電性を有するダイシングテープの表面に接触させることでそのダイシングテープの表面位置を検出する態様について説明する図である。
符号の説明
10:ダイシング装置
22:ブレード
26:基台
30:半導体ウェハ
32:ダイシングテープ
46:表面位置検出手段
50:切込制御手段
Δt:切込量

Claims (10)

  1. 薄肉円板状のブレードを軸心まわりに回転させつつ基台上のダイシングテープの表面に接着された半導体ウェハに厚み方向に切り込ませて該半導体ウェハの面に平行な1方向に沿って走らせることにより該半導体ウェハをダイス状に切断するダイシング装置であって、
    前記ダイシングテープの表面位置を検出する表面位置検出手段と、
    該表面位置検出手段により検出された前記ダイシングテープの表面位置に基づいて前記ブレードの切込量を制御する切込制御手段と
    を、含むことを特徴とするダイシング装置。
  2. 前記切込制御手段は、前記ブレードの外周縁部を前記ダイシングテープの表面位置から予め定められた値だけ該ダイシングテープ内へ切り込ませるように該ブレードの切込量を制御するものである請求項1のダイシング装置。
  3. 前記表面位置検出手段は、前記半導体ウェハの表面位置を検出することで間接的に前記ダイシングテープの表面位置を検出するものである請求項1又は2のダイシング装置。
  4. 前記半導体ウェハは、GaAs系化合物半導体から成るものである請求項1から3の何れかのダイシング装置。
  5. 前記半導体ウェハの厚み寸法は、100から400μmの範囲内である請求項1から4の何れかのダイシング装置。
  6. 薄肉円板状のブレードを軸心まわりに回転させつつ基台上のダイシングテープの表面に接着された半導体ウェハに厚み方向に切り込ませて該半導体ウェハの面に平行な1方向に沿って走らせることにより該半導体ウェハをダイス状に切断するダイシング方法であって、
    前記ダイシングテープの表面位置を検出し、該表面位置に基づいて前記ブレードの切込量を制御することを特徴とするダイシング方法。
  7. 前記ブレードの外周縁部を前記ダイシングテープの表面位置から予め定められた値だけ該ダイシングテープ内へ切り込ませるように該ブレードの切込量を制御するものである請求項6のダイシング方法。
  8. 前記半導体ウェハの表面位置を検出することで間接的に前記ダイシングテープの表面位置を検出するものである請求項6又は7のダイシング方法。
  9. 前記半導体ウェハは、GaAs系化合物半導体から成るものである請求項6から8の何れかのダイシング方法。
  10. 前記半導体ウェハの厚み寸法は、100から400μmの範囲内である請求項6から9の何れかのダイシング方法。
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