JP2005189805A - 光ファイバ付きフェルール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 裸光ファイバ1の外周に一次被覆4を設けてなる光ファイバ素線2の外周に二次被覆または補強パイプ5が設けられた光ファイバ心線3の先端にフェルール11を取り付けてなる光ファイバ付きフェルールであって、フェルール11は、接合端面に開口されて裸光ファイバ1が挿入及び位置決めされる光ファイバ挿入穴14と、該光ファイバ挿入穴14の後端側に連通するとともに光ファイバ素線2が挿入及び位置決めされる素線挿入穴15と、該素線挿入穴15の後端側に連通するとともに光ファイバ心線3が挿入及び収納される心線挿入穴16とを有し、光ファイバ素線2の外周面が素線挿入穴15の内面にほぼ密着しており、光ファイバ素線2の一次被覆4の端部4aが、光ファイバ挿入穴14と素線挿入穴15との間の中間部17に突き当てられている。
【選択図】 図4
Description
図9,図10は、従来の光ファイバ付きフェルール110の一例を示す縦断面図である。これらの光ファイバ付きフェルール110は、光ファイバ心線103の先端部に露出された裸光ファイバ101をフェルール111の光ファイバ挿入穴114内に挿入して接着剤の充填により固定したものである。
光ファイバ心線103は、裸光ファイバ101の外周に樹脂被覆105が設けられたものである。
フェルール111は、フランジ113aを有するフェルール本体113の先端側にジルコニア等からなるキャピラリー112が固定されたものである。キャピラリー112は、接合端面112aと、該接合端面112aに開口されて裸光ファイバ101が挿入及び位置決めされる光ファイバ挿入穴114を有する。また、フェルール本体113には、光ファイバ心線103が挿入及び収納される心線挿入穴116が形成されている。
図9のフェルール111では、心線挿入穴116はフェルール本体113の範囲に設けられており、図10のフェルール111では、心線挿入穴116はフェルール本体113からキャピラリー112の後端側までの範囲に設けられている。心線挿入穴116は光ファイバ挿入穴114よりも大径であり、光ファイバ挿入穴114と心線挿入穴116との間には両者を連通するテーパ穴115が形成されている。
特許文献3の図2には、内面に光ファイバ心線が接着固定された金属製スリーブにおいて、金属製スリーブの内面は径が3段階になっており、それぞれ心線、素線、裸光ファイバに対応したものが記載されている。
特許文献4の図2〜4には、中心孔が保持孔部とガイド孔部に分かれており、径が3段階になっているフェルール(硬石ブッシュ)が記載されている。ここで、保持孔部(光ファイバ挿入穴)は、裸光ファイバが挿通できる範囲でその内径が光ファイバの外径と等しくなるように仕上げられている。これに対して、ガイド孔部は、プライマコートを取り除かない状態での光ファイバ(すなわち光ファイバ素線)が十分通過しうる程度の大きい内径を有する。
このように、光ファイバ心線の被覆の端部がテーパ穴の内面に突き当たった場合でも、逆に、前記被覆の端部とテーパ穴の内面との間に隙間を設けてその隙間を接着剤で埋めた場合でも、テーパ穴の内面からの突き当たり力あるいは接着剤の収縮等により、裸光ファイバに不均等な外力が加わるおそれがあり、特性の優れた光ファイバ付きフェルールを組み立てることは困難であった。
この光ファイバ付きフェルールにおいては、前記光ファイバ心線の外周面が前記心線挿入穴の内面にほぼ密着しており、前記光ファイバ心線の二次被覆または補強パイプの端部が、前記素線挿入穴と心線挿入穴との間の中間部に突き当てられていることが好ましい。
前記光ファイバ心線が光ファイバ素線の外周面に補強パイプを有するものである場合、前記補強パイプの内面が前記光ファイバ素線の外周面にほぼ密着していることが好ましい。
また、本発明においては、前記素線挿入穴と前記心線挿入穴との間の中間部の内面がテーパ状であり、前記補強パイプの内面と前記光ファイバ素線の外周面とを接着する接着剤が、前記補強パイプの端部において前記光ファイバ素線の先端側に盛り上がるような接着部を形成した構成とすることも可能である。
光ファイバ素線の外周面が素線挿入穴の内面にほぼ密着しているので、光ファイバ素線の中心線が素線挿入穴の中心線からずれることがなく、光ファイバ素線が素線挿入穴の内面によって位置決めされ、光ファイバ素線を素線挿入穴に真っ直ぐ挿入することができる。さらに、光ファイバ素線の一次被覆の端部が、光ファイバ挿入穴と素線挿入穴との間の中間部に突き当たったときに、一次被覆の端部が該中間部の内面に対して真っ直ぐに突き当たるので、一次被覆や裸光ファイバにストレスが加わることがなく、光ファイバ素線は、素線挿入穴によって位置決めされた状態に保持される。隙間に充填された接着剤の硬化や温度変化のために、接着剤の収縮が起こった場合でも、素線挿入穴によって光ファイバ素線が周囲から均等に保持されているので、裸光ファイバの内部応力や曲げ変形など光伝送に不都合となる要因が抑制され、光特性が確実に維持される。一次被覆の端部と前記中間部の内面との間に溜まる接着剤の量も少なくなるので、接着剤に生じる内部応力も小さくなり、光ファイバへの悪影響が一層抑制される。
図1は、本発明の光ファイバ付きフェルールの第1形態例を示す図面であり、図1(a)は光ファイバ付きフェルールを、図1(b)はフェルールを示す縦断面図である。また、図2は、本発明の光ファイバ付きフェルールの第2形態例を示す図面であり、図2(a)は光ファイバ付きフェルールを、図2(b)はフェルールを示す縦断面図である。図1,図2において、符号10は、光ファイバ心線3の先端にフェルール11を取り付けてなる光ファイバ付きフェルールである。
一次被覆4に用いられる樹脂としては、UV硬化樹脂などが例示される。また、二次被覆または補強パイプ5に用いられる樹脂としてはポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などが例示される。
キャピラリー12は、フェルール11の先端側に設けられた接合端面12aと、該接合端面12aに開口されて裸光ファイバ1が挿入及び位置決めされる光ファイバ挿入穴14と、該光ファイバ挿入穴14の前記接合端面12aと反対側の後端側に連通するとともに光ファイバ素線2が挿入及び位置決めされる素線挿入穴15を有する。キャピラリー12は、例えばジルコニア(Zr)等のセラミック、非晶質ガラスや結晶化ガラス等のガラスなどから構成することができる。キャピラリー12の外径は、JIS C 5973等に記載のSC形光コネクタ(SC:Single fiber Coupling)などに適用可能な約2.5mm、JIS C 5983等に記載のMU形光コネクタ(MU:Miniature-Unit coupling)などに適用可能な約1.25mmなど、特に限定なく採用可能である。光ファイバ挿入穴14の内径と裸光ファイバ1の外径の差は、該裸光ファイバ1の位置決め性を確保できる程度に小さくしておくことが好ましい。
フェルール本体13は、内部に光ファイバ心線3が挿入及び収納される心線挿入穴16が形成されている。フェルール本体13は、ジルコニア(Zr)、ステンレス(SUS)や合成樹脂等から構成することができる。
一次被覆4の端部4aが前記第1の中間部17の内面に突き当たっていることにより、一次被覆4の端部4aと第1の中間部17の内面との間に溜まる接着剤Adの量(体積)も少なくなるので、接着剤に生じる内部応力も小さくなり、光ファイバへの悪影響が一層抑制される。
二次被覆または補強パイプ5の端部5aが前記第2の中間部18の内面に突き当たっていることにより、該端部5aと第2の中間部18の内面との間に溜まる接着剤Adの量(体積)も少なくなるので、接着剤に生じる内部応力も小さくなり、光ファイバへの悪影響が一層抑制される。
素線挿入穴15の内径と光ファイバ素線2の外径(一次被覆4の外径)の差が大きい場合には、光ファイバ素線2の外周(一次被覆4の上)に合成樹脂やエラストマー等からなる保護チューブ等を被せて径の差を調整することができる。光ファイバ素線に保護チューブ等を被せた場合には、この保護チューブ等の外周面が素線挿入穴の内面にほぼ密着する程度に差を小さくしておく。つまり、本発明において、光ファイバ素線とは、裸光ファイバと前記光ファイバ心線との中間の外径を持つものであればよく、裸光ファイバの上に一次被覆が設けられた本来の意味での光ファイバ素線のみならず、さらに一次被覆の上に保護チューブ等が被せられたものをも含めて言うものとする。
素線挿入穴15による光ファイバ素線2の位置決め性の観点から、素線挿入穴15の長さL2は2mm以上が好ましく、特に2〜5mmが好ましい。
本形態例の光ファイバ付きフェルールにおいては、光ファイバ素線2の外周面が素線挿入穴15の内面に密着しているので、例えば図6に示すように、フェルール11の後端側において光ファイバ心線3にサイドプル等の外力が加わって補強パイプ5や補強パイプ5内の光ファイバ素線2に曲がりが生じた場合でも、素線挿入穴15内では光ファイバ素線2が素線挿入穴15の内面により位置決めされているので、光ファイバ挿入穴14や第1のテーパ穴17内に露出された裸光ファイバ1に前記外力が影響するのを抑制し、裸光ファイバ1の曲がりを緩和することができる。
裸光ファイバ1が露出された部分と光ファイバ心線3の先端部の二次被覆または補強パイプ5の先端部との間に光ファイバ素線2の一次被覆4が露出される部分の長さは、素線挿入穴15の長さL2と同程度にする。
裸光ファイバ1が露出される部分の長さは、光ファイバ挿入穴14の長さL1と同程度またはL1以上とする。裸光ファイバ1が長くて先端が光ファイバ挿入穴14よりも突出した場合には、切断や研磨等によって、裸光ファイバ1の端面がフェルール11の接合端面12aに対して適切な位置になるように調整することができる。
一次被覆4の端部4aを第1のテーパ穴17の内面に突き当てることにより、第1のテーパ穴17内に溜まる接着剤Adの量(体積)も少なくなるので、接着剤に生じる内部応力も小さくなり、光ファイバへの悪影響が一層抑制される。
光ファイバ素線2の外周と素線挿入穴15の内面の隙間が小さいと、その隙間に充填される接着剤の量も少なくなるので、接着剤に生じる内部応力が小さくなり、光ファイバへの悪影響が一層抑制される効果も奏される。
また、光ファイバ心線3の外周と心線挿入穴16の内面との間の隙間も、心線挿入穴16によって光ファイバ心線3を位置決めできるように、充分に小さいことが望ましい。光ファイバ心線3の外周が心線挿入穴16の内面に密着しながら挿入されることにより、二次被覆または補強パイプ5の端部5aが第2のテーパ穴18の内面に対して真っ直ぐに突き当たるので、二次被覆または補強パイプ5等にストレスが加わることがなく、光ファイバ心線3は、心線挿入穴16によって位置決めされた状態に保持される。また、隙間に充填された接着剤Adの硬化や温度変化のために、接着剤Adの収縮が起こった場合でも、心線挿入穴16によって、光ファイバ心線3が周囲から均等に保持されているので、光ファイバの内部応力や曲げ変形など光伝送に不都合となる要因が抑制され、光特性が一層確実に維持される。
光ファイバ心線3の外周と心線挿入穴16の内面の隙間が小さいと、その隙間に充填される接着剤の量も少なくなるので、接着剤に生じる内部応力が小さくなり、光ファイバへの悪影響が一層抑制される効果も奏される。
図1、図2に示すフェルールにおいて、第1のテーパ穴17のテーパ角θ1は約90°であり、第2のテーパ穴18のテーパ角θ2は約60°である。
これに対して、図9や図10に示すように、光ファイバ挿入穴と心線挿入穴とがテーパ穴で連通されたフェルールを用いて光ファイバ付きフェルールを構成したところ、消光比は28dB程度にとどまった。これは、光ファイバ挿入穴が直接心線挿入穴につながっており、光ファイバ挿入穴の内径に比して心線挿入穴の内径がかなり大きいものであるため、光ファイバ挿入穴と心線挿入穴との間のテーパ穴にかなりの量の接着剤がたまり、該接着剤の収縮や接着剤中の気泡等の影響のためと考えられる。
図7,図8は、従来の光ファイバ付きフェルール110の一例を示す縦断面図である。これらの光ファイバ付きフェルール110は、光ファイバ心線103の先端部に露出された裸光ファイバ101をフェルール111の光ファイバ挿入穴114内に挿入して接着剤の充填により固定したものである。
光ファイバ心線103は、裸光ファイバ101の外周に樹脂被覆105が設けられたものである。
フェルール111は、フランジ113aを有するフェルール本体113の先端側にジルコニア等からなるキャピラリー112が固定されたものである。キャピラリー112は、接合端面112aと、該接合端面112aに開口されて裸光ファイバ101が挿入及び位置決めされる光ファイバ挿入穴114を有する。また、フェルール本体113には、光ファイバ心線103が挿入及び収納される心線挿入穴116が形成されている。
図7のフェルール111では、心線挿入穴116はフェルール本体113の範囲に設けられており、図8のフェルール111では、心線挿入穴116はフェルール本体113からキャピラリー112の後端側までの範囲に設けられている。心線挿入穴116は光ファイバ挿入穴114よりも大径であり、光ファイバ挿入穴114と心線挿入穴116との間には両者を連通するテーパ穴115が形成されている。
このように、光ファイバ心線の被覆の端部がテーパ穴の内面に突き当たった場合でも、逆に、前記被覆の端部とテーパ穴の内面との間に隙間を設けてその隙間を接着剤で埋めた場合でも、テーパ穴の内面からの突き当たり力あるいは接着剤の収縮等により、裸光ファイバに不均等な外力が加わるおそれがあり、特性の優れた光ファイバ付きフェルールを組み立てることは困難であった。
請求項2に記載の発明は、裸光ファイバの外周に一次被覆を設けてなる光ファイバ素線の外周に補強パイプが設けられ、前記補強パイプの内面と前記光ファイバ素線の外周面とが接着剤で接着されてなる光ファイバ心線の先端にフェルールを取り付け、前記フェルールに挿入された光ファイバをフェルール内に接着剤で接着してなる光ファイバ付きフェルールであって、フェルールは、フェルール本体とその先端側に固定されたキャピラリーとを備え、前記キャピラリーは、接合端面に開口されて裸光ファイバが挿入及び位置決めされる光ファイバ挿入穴と、該光ファイバ挿入穴の前記接合端面と反対側の後端側に連通するとともに光ファイバ素線が挿入及び位置決めされる素線挿入穴とを有しており、前記フェルール本体は、前記素線挿入穴の前記光ファイバ挿入穴と反対側の後端側に連通するとともに光ファイバ心線が挿入及び収納される心線挿入穴とを有しており、前記光ファイバ挿入穴と前記素線挿入穴との間の第1のテーパ穴および前記素線挿入穴と心線挿入穴との間の第2のテーパ穴が前記キャピラリーに形成されており、前記光ファイバ素線の一次被覆の端部が前記第1のテーパ穴に突き当てられているとともに、前記光ファイバ心線の補強パイプの端部が前記第2のテーパ穴に突き当てられていることを特徴とする光ファイバ付きフェルールである。
請求項3に記載の発明は、前記補強パイプの内面と前記光ファイバ素線の外周面とを接着する接着剤が、前記補強パイプの端部において前記光ファイバ素線の先端側に盛り上がるような接着部を形成していることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ付きフェルールである。
二次被覆または補強パイプ5の端部5aが前記第2の中間部18の内面に突き当たっていることにより、該端部5aと第2の中間部18の内面との間に溜まる接着剤Adの量(体積)も少なくなるので、接着剤に生じる内部応力も小さくなり、光ファイバへの悪影響が一層抑制される。
これに対して、図7や図8に示すように、光ファイバ挿入穴と心線挿入穴とがテーパ穴で連通されたフェルールを用いて光ファイバ付きフェルールを構成したところ、消光比は28dB程度にとどまった。これは、光ファイバ挿入穴が直接心線挿入穴につながっており、光ファイバ挿入穴の内径に比して心線挿入穴の内径がかなり大きいものであるため、光ファイバ挿入穴と心線挿入穴との間のテーパ穴にかなりの量の接着剤がたまり、該接着剤の収縮や接着剤中の気泡等の影響のためと考えられる。
図5,図6は、従来の光ファイバ付きフェルール110の一例を示す縦断面図である。これらの光ファイバ付きフェルール110は、光ファイバ心線103の先端部に露出された裸光ファイバ101をフェルール111の光ファイバ挿入穴114内に挿入して接着剤の充填により固定したものである。
光ファイバ心線103は、裸光ファイバ101の外周に樹脂被覆105が設けられたものである。
フェルール111は、フランジ113aを有するフェルール本体113の先端側にジルコニア等からなるキャピラリー112が固定されたものである。キャピラリー112は、接合端面112aと、該接合端面112aに開口されて裸光ファイバ101が挿入及び位置決めされる光ファイバ挿入穴114を有する。また、フェルール本体113には、光ファイバ心線103が挿入及び収納される心線挿入穴116が形成されている。
図5のフェルール111では、心線挿入穴116はフェルール本体113の範囲に設けられており、図6のフェルール111では、心線挿入穴116はフェルール本体113からキャピラリー112の後端側までの範囲に設けられている。心線挿入穴116は光ファイバ挿入穴114よりも大径であり、光ファイバ挿入穴114と心線挿入穴116との間には両者を連通するテーパ穴115が形成されている。
このように、光ファイバ心線の被覆の端部がテーパ穴の内面に突き当たった場合でも、逆に、前記被覆の端部とテーパ穴の内面との間に隙間を設けてその隙間を接着剤で埋めた場合でも、テーパ穴の内面からの突き当たり力あるいは接着剤の収縮等により、裸光ファイバに不均等な外力が加わるおそれがあり、特性の優れた光ファイバ付きフェルールを組み立てることは困難であった。
光ファイバ素線の外周面が素線挿入穴の内面にほぼ密着しているので、光ファイバ素線の中心線が素線挿入穴の中心線からずれることがなく、光ファイバ素線が素線挿入穴の内面によって位置決めされ、光ファイバ素線を素線挿入穴に真っ直ぐ挿入することができる。さらに、光ファイバ素線の一次被覆の端部が、光ファイバ挿入穴と素線挿入穴との間の中間部に突き当たったときに、一次被覆の端部が該中間部の内面に対して真っ直ぐに突き当たるので、一次被覆や裸光ファイバにストレスが加わることがなく、光ファイバ素線は、素線挿入穴によって位置決めされた状態に保持される。隙間に充填された接着剤の硬化や温度変化のために、接着剤の収縮が起こった場合でも、素線挿入穴によって光ファイバ素線が周囲から均等に保持されているので、裸光ファイバの内部応力や曲げ変形など光伝送に不都合となる要因が抑制され、光特性が確実に維持される。一次被覆の端部と前記中間部の内面との間に溜まる接着剤の量も少なくなるので、接着剤に生じる内部応力も小さくなり、光ファイバへの悪影響が一層抑制される。
一次被覆4に用いられる樹脂としては、UV硬化樹脂などが例示される。また、二次被覆5に用いられる樹脂としてはポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などが例示される。
二次被覆の端部5aが前記第2の中間部18の内面に突き当たっていることにより、該端部5aと第2の中間部18の内面との間に溜まる接着剤Adの量(体積)も少なくなるので、接着剤に生じる内部応力も小さくなり、光ファイバへの悪影響が一層抑制される。
裸光ファイバ1が露出された部分と光ファイバ心線3の先端部の二次被覆5の先端部との間に光ファイバ素線2の一次被覆4が露出される部分の長さは、素線挿入穴15の長さL2と同程度にする。
裸光ファイバ1が露出される部分の長さは、光ファイバ挿入穴14の長さL1と同程度またはL1以上とする。裸光ファイバ1が長くて先端が光ファイバ挿入穴14よりも突出した場合には、切断や研磨等によって、裸光ファイバ1の端面がフェルール11の接合端面12aに対して適切な位置になるように調整することができる。
また、光ファイバ心線3の外周と心線挿入穴16の内面との間の隙間も、心線挿入穴16によって光ファイバ心線3を位置決めできるように、充分に小さいことが望ましい。光ファイバ心線3の外周が心線挿入穴16の内面に密着しながら挿入されることにより、二次被覆5の端部5aが第2のテーパ穴18の内面に対して真っ直ぐに突き当たるので、二次被覆5等にストレスが加わることがなく、光ファイバ心線3は、心線挿入穴16によって位置決めされた状態に保持される。また、隙間に充填された接着剤Adの硬化や温度変化のために、接着剤Adの収縮が起こった場合でも、心線挿入穴16によって、光ファイバ心線3が周囲から均等に保持されているので、光ファイバの内部応力や曲げ変形など光伝送に不都合となる要因が抑制され、光特性が一層確実に維持される。
光ファイバ心線3の外周と心線挿入穴16の内面の隙間が小さいと、その隙間に充填される接着剤の量も少なくなるので、接着剤に生じる内部応力が小さくなり、光ファイバへの悪影響が一層抑制される効果も奏される。
これに対して、図5や図6に示すように、光ファイバ挿入穴と心線挿入穴とがテーパ穴で連通されたフェルールを用いて光ファイバ付きフェルールを構成したところ、消光比は28dB程度にとどまった。これは、光ファイバ挿入穴が直接心線挿入穴につながっており、光ファイバ挿入穴の内径に比して心線挿入穴の内径がかなり大きいものであるため、光ファイバ挿入穴と心線挿入穴との間のテーパ穴にかなりの量の接着剤がたまり、該接着剤の収縮や接着剤中の気泡等の影響のためと考えられる。
Claims (4)
- 裸光ファイバの外周に一次被覆を設けてなる光ファイバ素線の外周に二次被覆または補強パイプが設けられた光ファイバ心線の先端にフェルールを取り付けてなる光ファイバ付きフェルールであって、
フェルールは、接合端面に開口されて裸光ファイバが挿入及び位置決めされる光ファイバ挿入穴と、該光ファイバ挿入穴の前記接合端面と反対側の後端側に連通するとともに光ファイバ素線が挿入及び位置決めされる素線挿入穴と、該素線挿入穴の前記光ファイバ挿入穴と反対側の後端側に連通するとともに光ファイバ心線が挿入及び収納される心線挿入穴とを有し、
前記光ファイバ素線の外周面が前記素線挿入穴の内面にほぼ密着しており、前記光ファイバ素線の一次被覆の端部が、前記光ファイバ挿入穴と前記素線挿入穴との間の中間部に突き当てられていることを特徴とする光ファイバ付きフェルール。 - 前記光ファイバ心線の外周面が前記心線挿入穴の内面にほぼ密着しており、前記光ファイバ心線の二次被覆または補強パイプの端部が、前記素線挿入穴と心線挿入穴との間の中間部に突き当てられていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ付きフェルール。
- 前記光ファイバ心線は光ファイバ素線の外周面に補強パイプを有するものであり、前記補強パイプの内面が前記光ファイバ素線の外周面にほぼ密着していることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ付きフェルール。
- 前記光ファイバ心線は光ファイバ素線の外周面に補強パイプを有するものであり、前記素線挿入穴と前記心線挿入穴との間の中間部の内面がテーパ状になっており、前記補強パイプの内面と前記光ファイバ素線の外周面とを接着する接着剤が、前記補強パイプの端部において前記光ファイバ素線の先端側に盛り上がるような接着部を形成していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルール。
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