JP2005189574A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
塗布性良好で、表面荒れおよび透過率低下がなく、微細なパターンまで解像可能であることから抜け性が良好であり、さらに、フォトスペーサーのような細いパターンを残すこともできる、新たな透明膜形成用感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
(A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)光重合開始助剤および(E)溶剤を含む感光性樹脂組成物において、(A)バインダー樹脂が、下記(A1)〜(A3)を共重合させて得られる共重合体と、さらに(A4)とを反応させて得られる不飽和基含有樹脂であり、かつ(C)光重合開始剤が、少なくとも1種のアセトフェノン化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
(A1);一分子中にトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格と、不飽和結合とを有する化合物
(A2);(A1)および(A3)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物
(A3);不飽和カルボン酸
(A4);一分子中に不飽和結合とエポキシ基とを有する化合物
【選択図】 なし
Description
このような画素およびブラックマトリクスを構成する樹脂成分として、また、フォトスペーサー、着色パターンの膜厚をあわせるための透明コート材(以下、透明コート材等ということがある。)に用いる樹脂成分として、従来、シロキサンポリマー、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が使用されてきた。
しかしながら、上記の樹脂を含む従来具体的に知られていた組成物を用いて透明コート材等を形成すると、得られた透明膜の表面に荒れが発生するものがあるため、光散乱により透過率が低下して、透明コート材等として機能しにくかったり、解像度がわるかったりという問題があった。
逆に、抜け性が良好すぎると、透明レジストのように細線を抜く場合は性能良好であるが、フォトスペーサーのような細いパターンを残すだけであると密着性が不良となり、現像工程でパターンが飛んでしまうという問題がある。
また、優れた光硬化性(熱硬化が不要)と現像性を有し、基板密着性と硬化性に優れ、更に長期保存安定性と使用環境依存性が良好で、LCD用スペーサーの形成用として好適な放射線硬化性組成物が知られているが、その実施例において、具体的に例示されているバインダーポリマーとしては、(メタ)クリロイル基とともにイソホロンジイソシアナートから導かれる構成単位を有しているもの(特許文献2参照)、またバインダーポリマーがスチレン系樹脂であるもの(特許文献1参照)が知られている。
すなわち本発明は、 (A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)光重合開始助剤および(E)溶剤を含む感光性樹脂組成物において、(A)バインダー樹脂が、下記(A1)〜(A3)を共重合させて得られる共重合体と、さらに(A4)とを反応させて得られる不飽和基含有樹脂であり、かつ(C)光重合開始剤が、少なくとも1種のアセトフェノン化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
(A1);一分子中にトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格と、不飽和結合とを有する化合物
(A2);(A1)および(A3)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物
(A3);不飽和カルボン酸
(A4);一分子中に不飽和結合とエポキシ基とを有する化合物
また、本発明は、前記の感光性樹脂組成物を、基板または先に形成された感光性樹脂組成物の固形分からなる層の上に塗布し、塗布された感光性樹脂組成物層から揮発成分を除去し、フォトマスクを介して該層を露光し、現像するパターン、前記のパターンからなるスペーサ、前記のスペーサを含むカラーフィルタおよび前記のカラーフィルタを使用した液晶表示装置を提供するものである。
(A1);一分子中にトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格と、不飽和結合とを有する化合物
(A2);(A1)および(A3)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物
(A3);不飽和カルボン酸
(A4);一分子中に不飽和結合とエポキシ基とを有する化合物
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、シクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、シクロヘプテニル(メタ)アクリレート、シクロオクテニル(メタ)アクリレート、メンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ピナニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルネニル(メタ)アクリレート、ピネニル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の脂環式基を含むエステル化合物;
オリゴエチレングリコールモノアルキル(メタ)アクリレートのようなグリコール類のモノ飽和カルボン酸エステル化合物;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の芳香環を含むエステル化合物;
スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエンのような芳香族ビニル化合物;
酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル;
(メタ)アクリロニトリルおよびα−クロロアクリロニトリルのようなシアン化ビニル化合物;
N−シクロヘキシルマレイミドやN−フェニルマレイミドのようなマレイミド化合物などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、または両者を組み合わせて用いることができる。
(A1)から導かれる構成単位;2〜30モル%
(A2)から導かれる構成単位;2〜95モル%
(A3)から導かれる構成単位;2〜70モル%
また、前記の構成成分の比率が以下の範囲であると、より好ましい。
(A1)から導かれる構成単位;5〜25モル%
(A2)から導かれる構成単位;5〜80モル%
(A3)から導かれる構成単位;5〜60モル%
前記の構成比率が、上記の範囲にあると、現像性、可とう性および耐熱性のバランスが良好であり、好ましい幹ポリマーが得られる。
また、さらに、次に、前記の共重合体に(A4)を付加してバインダー樹脂に光/熱硬化性を付与することができる。
前記の一分子中に不飽和結合とエポキシ基を有する化合物(A4)としては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
(A4)の付加量は、(A1)〜(A3)を重合させて得られた樹脂中のカルボキシル基(A3成分に由来)に対して、5〜90モル%、好ましくは10〜80モル%である。
(A4)の組成比が上記範囲内にあると、十分な光硬化性や熱硬化性が得られ、感度と鉛筆硬度を両立し、信頼性に優れるので好ましい。
バインダー樹脂(A)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、1.5〜6.0であることが好ましく、1.8〜4.0であることがより好ましい。分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]が、1.5〜6.0であると、現像性に優れるので好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物に用いられるバインダー樹脂(A)は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分に対して、通常5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%の範囲で含有される。バインダー樹脂(A)の含有量が、前記の基準で5〜90質量%であると、現像液への溶解性が十分であり、非画素部分の基板上に現像残渣が発生しにくく、また現像時に露光部の画素部分の膜減りが生じにくく、非画素部分の抜け性が良好な傾向にあり、好ましい。
また、複数のアセトフェノン系およびその他の光重合開始剤を組み合わせて使用してもよい。
アセトフェノン系以外の光重合開始剤は、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、増感剤などが挙げられる。
前記の活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
前記のアミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。また、複数のアミン系やその他の光重合開始助剤を組み合わせて使用してもよい。その他の光重合開始助剤としては、例えば、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
前記の芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
前記のケトン類としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
前記のアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
前記のエステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
前記のアミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
その他の溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシドなどが挙げられる。
前記の分散剤としては、例えば、Disperbyk−115、Disperbyk−160、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−163、Disperbyk−164、Disperbyk−166、Disperbyk−167、Disperbyk−169、Disperbyk−170、Disperbyk−171、Disperbyk−174、Disperbyk−182(いずれもBYKChemie社製)などが挙げられる。
しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルこはく酸、テトラメチルこはく酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸などの脂肪族ジカルボン酸類;
トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸などの脂肪族トリカルボン酸類;
安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸などの芳香族モノカルボン酸類;
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類;
トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸類などが挙げられる。
シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンなどのモノシクロアルキルアミン類;
メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルn−プロピルアミン、エチルn−プロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジi−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジi−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ジn−ペンチルアミン、ジn−ヘキシルアミンなどのジアルキルアミン類;
メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルモノシクロアルキルアミン類;
ジシクロヘキシルアミンなどのジシクロアルキルアミン類;
ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、ジエチルn−プロピルアミン、メチルジn−プロピルアミン、エチルジn−プロピルアミン、トリn−プロピルアミン、トリi−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリi−ブチルアミン、トリsec−ブチルアミン、トリt−ブチルアミン、トリn−ペンチルアミン、トリn−ヘキシルアミンなどのトリアルキルアミン類;
ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミンなどのジアルキルモノシクロアルキルアミン類;
メチルジシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルジシクロアルキルアミン類;
2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノールなどのモノアルカノールアミン類;
4−アミノ−1−シクロヘキサノールなどのモノシクロアルカノールアミン類;
ジエタノールアミン、ジn−プロパノールアミン、ジi−プロパノールアミン、ジn−ブタノールアミン、ジi−ブタノールアミン、ジn−ペンタノールアミン、ジn−ヘキサノールアミンなどのジアルカノールアミン類;
ジ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのジシクロアルカノールアミン類;
トリエタノールアミン、トリn−プロパノールアミン、トリi−プロパノールアミン、トリn−ブタノールアミン、トリi−ブタノールアミン、トリn−ペンタノールアミン、トリn−ヘキサノールアミンなどのトリアルカノールアミン類;トリ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのトリシクロアルカノールアミン類;
3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール、4−アミノ−1,3−ブタンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−1,3−プロパンジオールなどのアミノアルカンジオール類;
4−アミノ−1,2−シクロヘキサンジオール、4−アミノ−1,3−シクロヘキサンジオールなどのアミノシクロアルカンジオール類;
1−アミノシクロペンタノンメタノール、4−アミノシクロペンタノンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカノンメタノール類;
1−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−ジメチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジエチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジメチルアミノシクロヘキサンメタノール、4−ジエチルアミノシクロヘキサンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカンメタノール類;
β−アラニン、2−アミノ酪酸、3−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2−アミノイソ酢酸、3−アミノイソ酢酸、2−アミノ吉草酸、5−アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸などのアミノカルボン酸類;
アニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、p−エチルアニリン、p−n−プロピルアニリン、p−i−プロピルアニリン、p−n−ブチルアニリン、p−t−ブチルアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−メチル−N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族アミン類;
o−アミノベンジルアルコール、m−アミノベンジルアルコール、p−アミノベンジルアルコール、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、p−ジエチルアミノベンジルアルコールなどのアミノベンジルアルコール類;
o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−ジメチルアミノフェノール、p−ジエチルアミノフェノールなどのアミノフェノール類;
m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸などのアミノ安息香酸類などが挙げられる。
こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸類;
ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸類などが挙げられる。
無水イタコン酸、無水こはく酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸無水物類;
無水ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂環族多価カルボン酸無水物類;
エチレングリコールビストリメリテイト酸、グリセリントリストリメリテイト無水物などのエステル基含有カルボン酸無水物類などが挙げられる。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5g(0.40モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成(株)製FA−513M)22.0g(0.10モル)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gからなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート35.5g[0.25モル、(本反応に用いたメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9gおよびハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け、固形分酸価が79mgKOH/gの樹脂Aを得た。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は13,000で、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
装置;HLC-8120GPC(東ソー(株)製)
カラム;TSK−GELG4000HXL+TSK−GELG2000HXL(直列接続)
カラム温度;40℃
溶媒;THF
流速;1.0ml/min
注入量;50μl
検出器;RI
測定試料濃度;0.6質量%(溶媒;THF)
校正用標準物質;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られた重量平均分子量および数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)とした。
(A−1)樹脂A
(A−2)バインダーポリマー:メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体〔メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との比は物質量比(モル比)で30:70、酸価は113、ポリスチレン換算重量平均分子量は25,000
(B)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(C)光重合開始剤:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン
(D)光重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(E−1)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(E−2)溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル
エポキシ化合物:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、「スミエポキシESCN−195XL−80」(住友化学工業(株)製)
〔感光性樹脂組成物1の調製〕
(A−1) 1.982質量部、
(B) 2.972質量部、
(C) 0.149質量部、
(D) 0.050質量部、
(E−1) 8.637質量部、
(E−2) 0.960質量部および
エポキシ化合物 0.248質量部
を混合して感光性樹脂組成物1を得た。
ガラス基板〔コーニング社製、「#7059」〕の上に、上記で得た感光性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間乾燥して揮発分を揮発させて、感光性樹脂組成物層を形成した。
冷却後、この感光性樹脂組成物層にフォトマスクを介してi線〔波長365nm〕を照射して露光した。i線の光源としては、超高圧水銀ランプを用い、照射光量は150mJ/cm2とした。フォトマスクとしては、線幅3μm、5μm、7μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、40μm、および50μmのドット状の画素を形成するためのフォトマスクを用いた。
フォトスペーサーとして必要な20μmが解像できるかできないかを調べたところ、現像時における密着性不良によるパターン剥がれのような欠陥や表面荒れは見られず、20μmパターンを裾引きなく解像していた。
〔感光性樹脂組成物2の調製〕
(A−1) 1.946質量部、
(B) 2.919質量部、
(C) 0.150質量部、
(D) 0.025質量部、
(E−1) 8.637質量部、
(E−2) 0.960質量部および
エポキシ化合物 0.243質量部
を混合して感光性樹脂組成物2を得た。
実施例1の感光性樹脂組成物1を感光性樹脂組成物2に代える以外は実施例1と同様に操作して、パターンを得た。
〔評価〕
実施例1と同様にフォトスペーサーとして必要な20μmが解像できるかできないかを調べたところ、現像時における密着性不良によるパターン剥がれのような欠陥や表面荒れは見られず、20μmパターンを裾引きなく解像していた。
〔感光性樹脂組成物3の調製〕
(A−1) 1.846質量部、
(B) 2.769質量部、
(C) 0.150質量部、
(D) 0.012質量部、
(E−1) 8.637質量部、
(E−2) 0.960質量部および
エポキシ化合物 0.231質量部
を混合して感光性樹脂組成物3を得た。
実施例1の感光性樹脂組成物1を感光性樹脂組成物3に代える以外は実施例1と同様に操作して、パターンを得た。
〔評価〕
実施例1と同様にフォトスペーサーとして必要な20μmが解像できるかできないかを調べたところ、パターン飛びのような欠陥や表面荒れは見られず、20μmパターンを裾引きなく解像していた。
〔感光性樹脂組成物4の調製〕
(A−1) 1.756質量部、
(B) 2.634質量部、
(C) 0.150質量部、
(E−1) 8.637質量部、
(E−2) 0.960質量部および
エポキシ化合物 0.220質量部
を混合して感光性樹脂組成物4を得た。
実施例1の感光性樹脂組成物1を感光性樹脂組成物4に代える以外は実施例1と同様に操作して、パターンを得た。
〔評価〕
実施例1と同様にフォトスペーサーとして必要な20μmが解像できるかできないかを調べたところ、現像時における密着性不良によるパターン剥がれのような欠陥や表面荒れは見られず、20μmパターンを裾引きなく解像していた。
〔感光性樹脂組成物5の調製〕
(A−2) 1.982質量部、
(B) 2.972質量部、
(C) 0.149質量部、
(D) 0.050質量部、
(E−1) 8.637質量部、
(E−2) 0.960質量部および
エポキシ化合物 0.248質量部
を混合して感光性樹脂組成物5を得た。
実施例1の感光性樹脂組成物1を感光性樹脂組成物5に代える以外は実施例1と同様に操作して、パターンを得た。
〔評価〕
実施例1と同様にフォトスペーサーとして必要な20μmが解像できるかできないかを調べたところ、現像時における密着性不良によるパターン剥がれのような欠陥はみられないが、抜け性不良のため、20μmパターンは解像しなかった。また、表面荒れによる透過率低下が見られた。
〔感光性樹脂組成物6の調製〕
(A−2) 1.756質量部、
(B) 2.634質量部、
(C) 0.150質量部、
(E−1) 8.637質量部、
(E−2) 0.960質量部および
エポキシ化合物 0.220質量部
を混合して感光性樹脂組成物6を得た。
実施例1の感光性樹脂組成物1を感光性樹脂組成物6に代える以外は実施例1と同様に操作して、パターンを得た。
〔評価〕
実施例1と同様にフォトスペーサーとして必要な20μmが解像できるかできないかを調べたところ、現像時における密着性不良によるパターン剥がれのような欠陥はみられないが、抜け性不良のため、20μmパターンは解像しなかった。また、表面荒れによる透過率低下が見られた。
Claims (7)
- (A)バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)光重合開始助剤および(E)溶剤を含む感光性樹脂組成物において、(A)バインダー樹脂が、下記(A1)〜(A3)を共重合させて得られる共重合体と、さらに(A4)とを反応させて得られる不飽和基含有樹脂であり、かつ(C)光重合開始剤が、少なくとも1種のアセトフェノン化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
(A1);一分子中にトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格と、不飽和結合とを有する化合物
(A2);(A1)および(A3)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物
(A3);不飽和カルボン酸
(A4);一分子中に不飽和結合とエポキシ基とを有する化合物 - (A1)〜(A3)のそれぞれから導かれる構成成分の比率が、構成する構成成分の合計モル数に対してモル分率で、以下の範囲の共重合体と、さらに前記の共重合体に含有される(A3)に対して、(A4)を5〜80モル%とを反応させた(A)バインダー樹脂である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
(A1)から導かれる構成単位;2〜30モル%
(A2)から導かれる構成単位;2〜95モル%
(A3)から導かれる構成単位;2〜70モル% - (C)光重合開始剤であるアセトフェノン系化合物が、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、及びまたは、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オンであり、であり、(D)光重合開始助剤であるアミン系化合物が4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜3に記載の感光性樹脂組成物を、基板または先に形成された着色感光性樹脂組成物の固形分からなる層の上に塗布し、塗布された感光性樹脂組成物層から揮発成分を除去し、フォトマスクを介して該層を露光し、現像して得られるパターン。
- 請求項4に記載のパターンからなるスペーサ。
- 請求項5に記載のスペーサを含むカラーフィルタ。
- 請求項6に記載のカラーフィルタを使用した液晶表示装置。
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