JP4453451B2 - 着色感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、着色感光性樹脂組成物に関する。
着色感光性樹脂組成物は、着色剤を含有する感光性樹脂組成物であって、カラーフィルタを構成する着色パターンを形成するための材料として有用である。
従来、ウエハーなどの被塗布基板上に着色感光性樹脂組成物を用いて膜を形成するには、被塗布基板の中央部付近にノズルから着色感光性樹脂組成物を滴下したり、スリット状のノズルから被塗布基板上に着色感光性樹脂組成物を滴下したりした後、前記基板を数百〜数千rpmの速度で回転させて溶剤および過剰に基板上に滴下された着色感光性樹脂組成物をはじき飛ばすスピンコーターを用いて、平坦な塗布膜を得ていた。しかし、スピンコーターを用いることで、過剰に基板上に滴下された着色感光性樹脂組成物がはじき飛ばされて着色感光性樹脂層を形成することなく廃棄されて無駄になるのでそれを防ぐため、および従来のスピンコーターでは1m四方など広い面積のガラスなどの基板上に均一に塗布して回転させることが難しくなったので、基板を回転させないスリットコーターなどの省液コーターが開発されてきた(例えば、特許文献1〜3など参照。)。
一方、従来のスピンコーター用に最適化された着色感光性樹脂組成物を省液コーターの1種であるスリットコーターに適用しても、平坦性が得られにくい傾向がある。これは、スピンコーターでは、塗布された状態での平坦性はあまり重要ではなく、スピンによりある程度平坦性が得られ、さらに大部分の溶剤がスピンにより除去されることから加熱等により溶剤を除去する過程で、形成された層の内部からの溶剤の揮発量が少ないために平坦性が大きくは損なわれないためである。一方、スリットコーターでは、スピンにより溶剤を除去することがないため、塗布の状態で平坦性の大半が決まり、さらに加熱等による溶剤の揮発量がスピンコーターと比べて著しく多いことから、形成された層内部からも溶剤が除去され、結果として、平坦性が悪くなる傾向がある。
そこで、従来は着色感光性樹脂組成物の塗布性を改良するために、レベリング剤などの高分子添加剤を用いる方法が用いられていた。しかし、レベリング剤などある種の高分子添加剤を添加した場合、着色感光性樹脂組成物を塗布した未乾燥塗膜は、塗布終了直後に基板周辺部にそって形成された額縁部を形成する未乾燥塗膜部分が基板の中央方向に移動し、塗布面の均一性を損なうという問題点があった。
特開2003−10773号公報 11頁図1 特開2001−92128号公報 3頁右欄49行目−4頁左欄3行目、2頁右欄2行目−5行目、 特開2002−20442号公報 3頁右欄6行目−31行目、13頁左欄3行目−39行目
本発明の目的は、スリットコーターなどの省液コーターを用いて塗膜を形成する場合、均一性が良好な塗膜を形成し得る着色感光性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討した結果、粘度がある条件を満足する着色感光性樹脂組成物が、スリットコーターなどの省液コーターを用いて塗膜を形成する場合、均一性が良好な塗膜を与えることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1] 着色剤(A)、バインダーポリマー(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、溶剤(E)および界面活性剤(F)を含有する着色感光性樹脂組成物であって、該組成物を23℃で静置後、回転式粘度測定装置の回転子の回転速度を10rpmとして測定した粘度をXとし、該回転子の回転速度を100rpmとして1分間回転させた後に、該回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度をYとした時、XおよびYが、それぞれ10mPa・s以下であり、かつY/Xが、0.97以上1.01以下である着色感光性樹脂組成物。
[2] 溶剤(E)が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび3−エトキシプロピオン酸エチルを含有し、溶剤(E)中の3−エトキシプロピオン酸エチルの含有量が、3質量%以上50質量%以下であり、着色感光性樹脂組成物中の溶剤(E)の含有量が80質量%以上95質量%以下である[1]記載の着色感光性樹脂組成物。
[3] 界面活性剤(F)がシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、およびフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、着色感光性樹脂組成物中の界面活性剤の含有量が0.001質量%以上0.06質量%以下である[1]または[2]記載の着色感光性樹脂組成物。
[4] スリットコーターを用いる塗膜形成用である[1]〜[3]のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターン。
[6] [5]記載のパターンを含むカラーフィルタ。
[7] [6]記載のカラーフィルタを具備してなる液晶表示装置。
本発明によれば、スリットコーターなどの省液コーターを用いて塗膜を形成する場合、均一性が良好な塗膜を形成し得る着色感光性樹脂組成物を提供することが可能となる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、着色剤(A)、バインダーポリマー(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、溶剤(E)、および界面活性剤(F)を含有する着色感光性樹脂組成物であって、その着色感光性樹脂組成物を、23℃で静置後、回転式粘度測定装置を用いて、その回転子の回転速度を10rpmとして測定した粘度をXとし、該回転子の回転速度を100rpmとして1分間回転させた後に、該回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度をYとした時、XおよびYがそれぞれ10mPa・s以下であり、かつY/Xが、0.97以上1.01以下である着色感光性樹脂組成物である。
着色感光性樹脂組成物の粘度は、回転式粘度計(例えば、VISCOMETER RE120L SYSTEM(東機産業(株)製)など。)を用いて、一定の液温(例えば、23℃)において、装置の回転子の回転速度を一定(例えば、10rpm、50rpm。)に保つことにより測定することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物の粘度は、液温23℃において、静置後、回転式粘度計を用いて、その回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度をXとし、該回転子の回転速度を100rpmとして1分間回転させた後に、該回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度をYとした時、XおよびYが、それぞれ10mPa・s以下であることが必要であり、好ましくは8mPa・s以下、より好ましくは6mPa・s以下、さらに好ましくは5mPa・s以下であり、Y/Xが、0.97以上1.01以下であることが必要であり、好ましくは0.97以上1.00以下である。Y/Xが、0.97以上1.01以下であると、基板上に着色感光性樹脂組成物を塗布する際の塗布性が良好であることから好ましい。
本発明に用いられる着色剤(A)は、有機顔料であっても、無機顔料であってもよい。中でも、耐熱性、発色性に優れていることから、有機顔料が好ましく用いられる。
前記の有機顔料および無機顔料として、具体的には、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー53、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー173、C.I.ピグメントイエロー194、C.I.ピグメントイエロー214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ42、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ65、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73などのオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメンレッド264、C.I.ピグメントレッド265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60などの青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36などの緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7などの黒色顔料などが挙げられる。
これらの中で、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッドバイオレット23、C.I.ピグメントブルー15:6、およびC.I.ピグメントグリーン36からなる群から選ばれる少なくとも一つの顔料が好ましく使用される。
これらの有機顔料および無機顔料は、それぞれ単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
例えば、赤色画素を形成するには、C.I.ピグメントレッド254およびC.I.ピグメントイエロー139を含有していることが好ましい。緑色画素を形成するには、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー138からなる群から選ばれる少なくとも1種とC.I.ピグメントグリーン36とを含有していることが好ましい。青色画素を形成するには、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23とを含有していることが好ましい。
前記の顔料のうち有機顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基または塩基性基が導入された顔料誘導体などを用いた表面処理、高分子化合物などによる顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法などによる微粒化処理、不純物を除去するための有機溶剤や水などによる洗浄処理、イオン交換法などによるイオン性不純物の除去処理などが施されていてもよい。
着色剤(A)の使用量は、着色感光性樹脂組成物中の固形分を100質量部としたとき、通常、25質量部以上60質量部以下であり、好ましくは27質量部以上55質量部以下であり、さらに好ましくは30質量部以上50質量部以下である。着色剤(A)の含有量が25質量部以上60質量部以下であると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分であり、かつ組成物中にバインダー樹脂を必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なパターンを形成することができることから好ましい。
ここで、着色感光性樹脂組成物中の固形分とは、着色感光性樹脂組成物から溶剤(E)を除いた残りの部分をいう。
本発明の着色感光性樹脂組成物においては、着色剤(A)として顔料を用いる場合、その粒径が均一であることが好ましい。顔料を均一な粒径とする方法としては、後述する界面活性剤(F)以外の界面活性剤を顔料分散剤として含有させて分散処理を行う方法などが挙げられ、該方法によれば、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
前記顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性などの界面活性剤などが挙げられ、これらはそれぞれ単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料分散剤の使用量は、着色剤1質量部に対して、通常、1質量部以下、好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下である。前記顔料分散剤の使用量が着色剤1質量部に対して1質量部以下であると、均一な粒径の顔料が得られる傾向があることから好ましい。
本発明に用いられるバインダーポリマー(B)としては、アクリル系共重合体が好ましい。アクリル系共重合体としては、例えば、カルボキシル基含有モノマーと、該モノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、不飽和モノカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和多価カルボン酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられる。
ここで、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸などが挙げられる。
不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。
不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよく、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。
また、不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。
不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。
これらのカルボキシル基含有モノマーは、それぞれ単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
前記のカルボキシル基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデンなどの芳香族ビニル化合物;
メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル類;
2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和エーテル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;
アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドなどの不飽和アミド類;
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和イミド類;
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類;
ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類などを挙げることができる。これらのモノマーは、それぞれ単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
バインダーポリマー(B)中のカルボキシル基含有モノマー単位の含有量は、質量分率で、通常、10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%、より好ましくは25〜40質量%である。カルボキシル基含有モノマー単位の含有量が、10〜50質量%であると、現像液に対する溶解性が良好であり、現像時にパターンが正確に形成される傾向があるとから好ましい。
前記のアクリル系共重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。
ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートであることを意味する。
これら中で、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体が好ましく用いられる。
バインダーポリマー(B)のポリスチレン換算重量平均分子量は、通常、5,000〜50,000であり、好ましくは8,000〜40,000であり、より好ましくは10,000〜35,000、さらに好ましくは10,000〜30,000である。バインダーポリマー(B)の分子量が5,000〜50,000であると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、解像度が向上する傾向にあることから好ましい。
バインダーポリマー(B)の酸価は、通常、50〜150であり、好ましくは60〜140、より好ましくは80〜135、さらに好ましくは80〜130である。前記の酸価が、50〜150であると、現像液に対する溶解性が向上して未露光部が溶解しやすくなり、また高感度化して現像時に露光部のパターンが残って残膜率が向上する傾向があるため好ましい。ここで酸価とは、アクリル系重合体1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常は水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
バインダーポリマー(B)の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して、質量分率で、通常、5質量%以上26質量%以下、好ましくは10質量%以上26質量%以下、より好ましくは15質量%以上26質量%以下である。前記のバインダーポリマー(B)の含有量が、5質量%以上26質量%以下であると、パターンが形成でき、また解像度および残膜率が向上する傾向にあるため好ましい。
本発明に用いられる光重合性化合物(C)は、光を照射されることによって光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合し得る化合物である。光重合性化合物(C)としては、例えば、重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
光重合性化合物(C)は、3官能以上の多官能の光重合性化合物であることが好ましい。3官能以上の多官能の光重合性化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。前記の光重合性化合物(C)は、それぞれ単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。光重合性化合物(C)の含有量は着色感光性樹脂組成物の質量分率で、通常、5質量%以上90質量%以下、好ましくは10質量%以上80質量%以下、より好ましくは20質量%以上70質量%以下である。光重合性化合物(C)の含有量が、5質量%以上90質量%以下であると、硬化が十分におこり残膜率が向上し、パターンにアンダーカットが入りにくくなって密着性が良好になる傾向があるため好ましい。
本発明に用いられる光重合開始剤(D)は、少なくとも1種のアセトフェノン系化合物を含むことが好ましい。アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。これらの中で、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オンが好ましく用いられる。
また、複数のアセトフェノン系およびその他の光重合開始剤を組み合わせて使用してもよい。アセトフェノン系以外の光重合開始剤としては、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、酸発生剤などが挙げられる。活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。
酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などが挙げられる。
また、活性ラジカル発生剤として上記した化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
光重合開始剤(D)の含有量は、バインダーポリマー(B)および光重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、通常、0.1質量部以上20質量部以下、好ましくは1質量部以上15質量部以下である。
光重合開始剤(C)の含有量が0.1質量部以上20質量部以下であると、高感度化して露光時間が短縮され生産性が向上し、また高感度過ぎて解像度が不良にならない傾向があるため好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物においては、光重合開始助剤(G)を用いてもよい。光重合開始助剤(G)は、光重合開始剤(D)と組み合わせて用いられことが好ましく、光重合開始剤(D)によって重合が開始された光重合性化合物(C)の重合をさらに促進するために用いられる化合物である。光重合開始助剤(G)としては、アミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの中で、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく用いられる。
アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
光重合開始助剤(G)は、単独でも複数を組み合わせて用いてもよい。また、光重合開始助剤(G)として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤(G)としては、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明の着色感光性樹脂組成物における光重合開始剤(D)および光重合開始助剤(G)の組み合わせとしては、例えば、ジエトキシアセトフェノン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせなどが挙げられる。これらの中で、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせが好ましく用いられる。
光重合開始助剤(G)を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤(D)1モルあたり、通常、10モル以下、好ましくは0.01モル以上5モル以下である。
本発明で用いられる溶剤(E)としては、例えば、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類などが挙げられる。
エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
その他の溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシドなどが挙げられる。
溶剤(E)は、それぞれ単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。溶剤(E)は、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合物であることが好ましい。
また、溶剤(E)は、3−エトキシプロピオン酸エチルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとを含み、溶剤(E)中の3−エトキシプロピオン酸エチルの含有量は、3質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上45質量%以下、更に好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
着色感光性樹脂組成物中の溶剤(E)の含有量は、質量分率で、通常、70質量%以上95質量%以下、好ましくは75質量%以上95質量%以下であり、より好ましくは80質量%以上95質量%以下であり、さらに好ましくは82質量%以上90質量%以下である。溶剤(E)の含有量が、70質量%以上95質量%以下であると、塗布時の平坦性が良好で、またカラーフィルタを形成した際の色濃度が十分で表示特性が良好であるため好ましい。
本発明に用いられる界面活性剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、およびフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同29SHPA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(トーレシリコーン(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越シリコーン製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(ジーイー東芝シリコーン(株)製)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、フロリナート(商品名)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(商品名)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30(大日本インキ化学工業(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(新秋田化成(株)製)、サーフロン(商品名)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100(いずれも商品名:BM Chemie社製)などが挙げられる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合およびフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、メガファック(商品名)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤(F)は、ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(トーレシリコーン(株)製)、メガファック(商品名)F475、サーフロン(商品名)E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)であることが好ましい。
界面活性剤(F)の含有量は、界面活性剤(F)を除く着色感光性樹脂組成物100質量部に対して、通常、0.001質量%以上0.06質量%以下、好ましくは0.0015質量%以上0.04質量%以下、より好ましくは0.002質量%以上0.02質量%以下、さらに好ましくは0.003質量%以上0.015質量%以下である。界面活性剤(F)の含有量が0.001質量%以上0.06質量%以であると、得られる塗膜の平坦性がよくなる傾向があるため好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、充填剤、バインダーポリマー(B)以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、有機酸、有機アミン化合物、硬化剤などの添加剤が含有されていてもよい。
充填剤としては、例えば、ガラス、アルミナなどの微粒子が挙げられる。
バインダーポリマー(B)以外の高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレートなどが挙げられる。
密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系化合物、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなどのトリアジン系化合物などが挙げられる。
凝集防止剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸などの脂肪族モノカルボン酸類;
しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルこはく酸、テトラメチルこはく酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸などの脂肪族ジカルボン酸類;
トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸などの脂肪族トリカルボン酸類;
安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸などの芳香族モノカルボン酸類;
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類;
トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸類などが挙げられる。
有機アミン化合物としては、例えば、n―プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミンなどのモノアルキルアミン類;
シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンなどのモノシクロアルキルアミン類;
メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルn−プロピルアミン、エチルn−プロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジi−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジi−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ジn−ペンチルアミン、ジn−ヘキシルアミンなどのジアルキルアミン類;
メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルモノシクロアルキルアミン類;
ジシクロヘキシルアミンなどのジシクロアルキルアミン類;
ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、ジエチルn−プロピルアミン、メチルジn−プロピルアミン、エチルジn−プロピルアミン、トリn−プロピルアミン、トリi−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリi−ブチルアミン、トリsec−ブチルアミン、トリt−ブチルアミン、トリn−ペンチルアミン、トリn−ヘキシルアミンなどのトリアルキルアミン類;
ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミンなどのジアルキルモノシクロアルキルアミン類;
メチルジシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルジシクロアルキルアミン類;
2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノールなどのモノアルカノールアミン類;
4−アミノ−1−シクロヘキサノールなどのモノシクロアルカノールアミン類;
ジエタノールアミン、ジn−プロパノールアミン、ジi−プロパノールアミン、ジn−ブタノールアミン、ジi−ブタノールアミン、ジn−ペンタノールアミン、ジn−ヘキサノールアミンなどのジアルカノールアミン類;
ジ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのジシクロアルカノールアミン類;
トリエタノールアミン、トリn−プロパノールアミン、トリi−プロパノールアミン、トリn−ブタノールアミン、トリi−ブタノールアミン、トリn−ペンタノールアミン、トリn−ヘキサノールアミンなどのトリアルカノールアミン類;
トリ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのトリシクロアルカノールアミン類;
3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール、4−アミノ−1,3−ブタンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−1,3−プロパンジオールなどのアミノアルカンジオール類;
4−アミノ−1,2−シクロヘキサンジオール、4−アミノ−1,3−シクロヘキサンジオールなどのアミノシクロアルカンジオール類;
1−アミノシクロペンタノンメタノール、4−アミノシクロペンタノンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカノンメタノール類;
1−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−ジメチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジエチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジメチルアミノシクロヘキサンメタノール、4−ジエチルアミノシクロヘキサンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカンメタノール類;
β−アラニン、2−アミノ酪酸、3−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2−アミノイソ酢酸、3−アミノイソ酢酸、2−アミノ吉草酸、5−アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸などのアミノカルボン酸類;
アニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、p−エチルアニリン、p−n−プロピルアニリン、p−i−プロピルアニリン、p−n−ブチルアニリン、p−t−ブチルアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−メチル−N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族アミン類;
o−アミノベンジルアルコール、m−アミノベンジルアルコール、p−アミノベンジルアルコール、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、p−ジエチルアミノベンジルアルコールなどのアミノベンジルアルコール類;
o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−ジメチルアミノフェノール、p−ジエチルアミノフェノールなどのアミノフェノール類;
m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸などのアミノ安息香酸類などが挙げられる。
硬化剤としては、例えば、加熱されることによってバインダーポリマー(B)中のカルボキシル基と反応してバインダーポリマー(B)を架橋することができる化合物、単独で重合して着色パターンを硬化させ得る化合物などが挙げられる。硬化剤としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、他の芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、エポキシ化油等のエポキシ樹脂や、これらのエポキシ樹脂の臭素化誘導体、エポキシ樹脂およびその臭素化誘導体以外の脂肪族、脂環族または芳香族のエポキシ化合物、ブタジエンの(共)重合体のエポキシ化物、イソプレンの(共)重合体のエポキシ化物、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
オキセタン化合物としては、例えば、カーボネートビスオキセタン、キシリレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタンなどが挙げられる。
硬化剤としてエポキシ化合物、オキセタン化合物などを含有する場合、本発明の着色感光性組成物には、エポキシ化合物のエポキシ基、オキセタン化合物のオキセタン骨格を開環重合させ得る化合物が含まれていてもよい。前記の化合物としては、例えば、多価カルボン酸類、多価カルボン酸無水物類、酸発生剤などが挙げられる。
多価カルボン酸類としては、例えば、フタル酸、3,4−ジメチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸類;
こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸類;
ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸類などが挙げられる。

多価カルボン酸無水物類としては、例えば、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物類;
無水イタコン酸、無水こはく酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸無水物類;
無水ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂環族多価カルボン酸無水物類;
エチレングリコールビストリメリテイト酸、グリセリントリストリメリテイト無水物などのエステル基含有カルボン酸無水物類などが挙げられる。
カルボン酸無水物類としては、エポキシ樹脂硬化剤として市販されているものを用いてもよい。前記のエポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、商品名「アデカハードナーEH−700」(旭電化工業(株)製)、商品名「リカシッドHH」(新日本理化(株)製)、商品名「MH−700」(新日本理化(株)製)などが挙げられる。
酸発生剤としては、前記と同じものが挙げられる。
前記の硬化剤は、それぞれ単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成する方法としては、具体的には、本発明の着色感光性樹脂組成物を、基板または基板の上に予め形成された固体の着色感光性樹脂組成物層(以下、これを基板等ということがある。)の上に塗布して樹脂層を形成し、形成された樹脂層から溶剤など揮発成分を除去し、フォトマスクを介して揮発成分が除去された樹脂層を露光したのち、アルカリ水溶液等の現像液を用いて現像する方法などが挙げられる。
基板としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、芳香族ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板、Al基板、GaAs基板などの表面が平坦な基板などが挙げられる。これらの基板は、シランカップリング剤などの薬品による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング処理、スパッタリング処理、気相反応処理、真空蒸着処理などの前処理が施されていてもよい。基板としてシリコン基板などを用いる場合、前記シリコン基板などの表面には電荷結合素子(CCD)、薄膜トランジスタ(TFT)などが形成されていてもよい。
前記の基板の上に着色感光性樹脂組成物を塗布するには、スリットコーターなどの省液コーターを用いて基板等の上に塗布し、次いで溶剤などの揮発成分を加熱により揮発させればよい。このようにして、基板等の上に着色感光性樹脂組成物の固形分からなる層が均一性(平坦性)よく形成される。
前記の省液コーターとしては、例えば、特開2003−10773号公報、特開2001−92128号公報、特開2002−20442号公報などに記載のものなどが挙げられる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
本実施例で用いる成分は以下の通りで、以下、省略して表示することがある。
(A−1)着色剤:C.I.ピグメントレッド254
(A−2)着色剤:C.I.ピグメントイエロー139
(B−1)バインダー樹脂:メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体〔メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との比は物質量比(モル比)で27:73、酸価は83、ポリスチレン換算重量平均分子量は18,000
(B−2)バインダー樹脂:メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体〔メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との比は物質量比(モル比)で27:73、酸価は102、ポリスチレン換算重量平均分子量は28,000
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(D−1)光重合開始剤:2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン
(D−2)光重合開始剤:2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン
(G−1)光重合開始助剤:2,4−ジエチルチオキサントン
(E−1)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(E−2)溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル
(F−1)界面活性剤:F475(大日本インキ化学工業(株)製)
(F−2)界面活性剤:SH8400(トーレシリコーン(株)製)
上記のバインダーポリマーの重量平均分子量の測定については、GPC法を用いて、以下の条件で行なった。
装置;HLC-8120GPC(東ソー(株)製)
カラム;TSK−GELG2000HXL
カラム温度;40℃
溶媒;THF
流速;1.0ml/min
被検液固形分濃度;0.001〜0.01質量%
注入量;50μl
検出器;RI
上記のバインダーポリマーの酸価の測定については、アクリル酸系重合体1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定した。
[平坦性評価]
暗室内で塗布した基板を、ナトリウムランプおよびグリーンランプで照射し、あらゆる角度から基板を観察したときに目視で、筋および斑のないものを平坦性良好と判断する。
実施例1
〔着色感光性樹脂組成物1の調製〕
(A−1) 4.884質量部
(A−2) 1.146質量部
ポリエステル系分散剤 1.810質量部
(B−1) 3.869質量部
(C) 4.729質量部
(D−1) 0.516質量部
(D−2) 0.516質量部
(G−1) 0.516質量部
(E−1) 73.800質量部
(E−2) 8.200質量部
(F−1) 0.015質量部
を混合して着色感光性樹脂組成物1を得た。
〔粘度評価〕
粘度測定装置(VISCOMETER RE120L SYSTEM(東機産業(株)製))を使用し、着色感光性樹脂組成物1の粘度を23℃で測定したところ、静置後に回転子の回転速度を10rpmのときに測定した粘度Xは、4.32mPa・sであり、回転子の回転速度を100rpmとして1分間回転させた後に、回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度Yは4.20mPa・sであった。Y/Xは0.972であった。
〔スリットコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物1を、スリットコーターを用いて塗膜を形成し、ホットプレート上において100℃で3分間プリベークしたところ、平坦性が良好で、ムラがない塗膜が得られた。
実施例2
〔着色感光性樹脂組成物2の調製〕
(A−1) 3.256質量部
(A−2) 0.764質量部
ポリエステル系分散剤 1.207質量部
(B−1) 2.577質量部
(C) 3.150質量部
(D−1) 0.344質量部
(D−2) 0.344質量部
(G−1) 0.344質量部
(E−1) 79.200質量部
(E−2) 8.800質量部
(F−1) 0.015質量部
を混合して着色感光性樹脂組成物2を得た。
〔粘度評価〕
実施例1と同様に着色感光性樹脂組成物2の粘度を測定したところ、静置後に回転子の回転速度を10rpmのときに測定した粘度Xは、2.82mPa・sであり、回転子の回転速度を100rpmとして1分間回転させた後に、回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度Yは2.76mPa・sであった。Y/Xは0.979であった。
〔スリットコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物2を、スリットコーターを用いて塗膜を形成し、ホットプレート上において100℃で3分間プリベークしたところ、平坦性が良好で、ムラがない塗膜が得られた。
比較例1
〔着色感光性樹脂組成物3の調製〕
(A−1) 5.346質量部
(A−2) 1.254質量部
ポリエステル系分散剤 1.981質量部
(B−2) 5.801質量部
(C) 3.867質量部
(D−1) 0.580質量部
(D−2) 0.580質量部
(G−1) 0.580質量部
(E−1) 80.000質量部
(F−2) 0.0009質量部
を混合して着色感光性樹脂組成物3を得た。
〔粘度評価〕
実施例1と同様に着色感光性樹脂組成物2の粘度を測定したところ、静置後に回転子の回転速度を10rpmのときに測定した粘度Xは、6.72mPa・s、回転子の回転速度を100rpmとして1分間回転させた後に、回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度Yは6.84mPa・sであった。Y/Xは1.02であった。
〔スリットコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物3を、スリットコーターを用いて塗膜を形成し、ホットプレート上において100℃で3分間プリベークしたところ、平坦性が不良であり、得られた塗膜にはムラが認められた。
比較例2
実施例2の(F−1)を無添加にする以外は実施例2と同様にして着色感光性樹脂組成物4を得た。
〔粘度評価〕
実施例1と同様に着色感光性樹脂組成物4の粘度を測定したところ、静置後に回転子の回転速度を10rpmのときに測定した粘度Xは、2.83mPa・s、回転子の回転速度を100rpmとして1分間回転させた後に、回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度Yは2.73mPa・sであった。Y/Xは0.965であった。
〔スリットコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物を、スリットコーターを用いて塗膜を形成し、ホットプレート上において100℃で3分間プリベークしたところ、平坦性が不良で、ムラがある塗膜が得られた。
実施例3
実施例2の(F−1)0.015質量部を0.06質量部にする以外は実施例2と同様にして着色感光性樹脂組成物5を得た。
〔粘度評価〕
実施例1と同様に着色感光性樹脂組成物5の粘度を測定したところ、静置後に回転子の回転速度を10rpmのときに測定した粘度Xは、2.82mPa・s、回転子の回転速度を100rpmとして1分間回転させた後に、回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度Yは2.84mPa・sであった。Y/Xは1.01であった。
〔スリットコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物を、スリットコーターを用いて塗膜を形成し、ホットプレート上において100℃で3分間プリベークしたところ、平坦性が良好で、ムラがない塗膜が得られた。
比較例3
〔着色感光性樹脂組成物6の調製〕
(A−1) 6.415質量部
(A−2) 1.505質量部
ポリエステル系分散剤 2.377質量部
(B−2) 6.967質量部
(C) 4.645質量部
(D−1) 0.697質量部
(D−2) 0.697質量部
(G−1) 0.697質量部
(E−1) 76.000質量部
(F−2) 0.015質量部
を混合して着色感光性樹脂組成物6を得た。
〔粘度評価〕
実施例1と同様に着色感光性樹脂組成物6の粘度を測定したところ、静置後に回転子の回転速度を10rpmのときに測定した粘度Xは、10.22mPa・s、回転子の回転速度を100rpmとして1分間回転させた後に、回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度Yは10.23mPa・sであった。Y/Xは1.00であった。
〔スリットコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物6を、スリットコーターを用いて塗膜を形成し、ホットプレート上において100℃で3分間プリベークしたところ、平坦性が不良であり、得られた塗膜にはムラが認められた。
本発明の着色感光性樹脂組成物を用いて得られるパターンは平坦性に優れていることから、カラーフィルタとして好適に使用することができる。
また、このようにして得られたカラーフィルタは、液晶表示装置などの用途に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 着色剤(A)、バインダーポリマー(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、溶剤(E)および界面活性剤(F)を含有する着色感光性樹脂組成物であって、該組成物を23℃で静置後、回転式粘度測定装置の回転子の回転速度を10rpmとして測定した粘度をXとし、該回転子の回転速度を100rpmとして1分間回転させた後に、該回転子の回転速度を10rpmとして測定したときの粘度をYとした時、XおよびYが、それぞれ10mPa・s以下であり、かつY/Xが、0.97以上1.01以下であり、 溶剤(E)が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよび3−エトキシプロピオン酸エチルを含有し、溶剤(E)中の3−エトキシプロピオン酸エチルの含有量が、5質量%以上45質量%以下であり、着色感光性樹脂組成物中の溶剤(E)の含有量が80質量%以上95質量%以下であり、
    界面活性剤(F)がシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、およびフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、着色感光性樹脂組成物中の界面活性剤の含有量が0.001質量%以上0.06質量%以下である着色感光性樹脂組成物。
  2. スリットコーターを用いる塗膜形成用である請求項1記載の着色感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターン。
  4. 請求項に記載のパターンを含むカラーフィルタ。
  5. 請求項に記載のカラーフィルタを具備してなる液晶表示装置。
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