JP4691877B2 - 着色感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
着色感光性樹脂組成物は、着色剤を含有する感光性樹脂組成物であって、カラーフィルタを構成する着色パターンを形成するための材料として有用である。ここで、カラーフィルタとは、液晶表示装置の表示画像をカラー化するために用いられたり、固体撮像素子により撮影される画像をカラー化するために用いられたりする光学素子である。着色パターンとは、例えば、赤、緑、青などの色画素、ブラックマトリックスなどであり、線状であったり、モザイク状であったりする。
【0003】
従来、ウエハーなどの被塗布基板上に着色感光性樹脂組成物を用いて膜を形成するには、被塗布基板の中央部付近にノズルから着色感光性樹脂組成物を滴下したり、スリット状のノズルから被塗布基板上に着色感光性樹脂組成物を滴下したりした後、前記基板を数百〜数千rpmの速度で回転させて溶剤および過剰に基板上に滴下された着色感光性樹脂組成物をはじき飛ばすスピンコーターを用いて、平坦な塗布膜を得ていた。しかし、スピンコーターを用いることで、過剰に基板上に滴下された着色感光性樹脂組成物がはじき飛ばされて着色感光性樹脂層を形成することなく廃棄されて無駄になるのでそれを防ぐため、および従来のスピンコーターでは1m四方など広い面積のガラスなどの基板上に塗布することが難しくなったので、スピンをさせないスピンレスコーターなどの省液コーターが開発されてきた(特許文献1)。
一方、従来のスピンコーター用に最適化された着色感光性樹脂組成物を省液コーターの1種であるスピンレスコーターに適用しても、平坦性が得られにくい傾向がある。これは、スピンコーターでは、塗布された状態での平坦性はあまり重要ではなくスピンによりある程度平坦性が得られ、さらに大部分の溶剤がスピンにより除去されることから加熱等により溶剤を除去する過程で、形成された層の内部からの溶剤の除去量が少ないために平坦性が大きくは損なわれないためである。
さらに、スピンレスコーターでは、スピンにより溶剤を除去することがないため、塗布の状態で平坦性の大半が決まり、さらに加熱等による溶剤除去量がスピンコーターと比べて著しく多いことから、形成された層内部からも溶剤が除去され、結果として、平坦性が悪くなる傾向がある。
そして、従来は着色感光性樹脂組成物の塗布性を改良するために、レベリング剤などの高分子添加剤を用いる方法が用いられていた。しかし、レベリング剤などの高分子添加剤を添加した場合、着色感光性樹脂組成物を塗布した未乾燥塗膜は、塗布終了直後に基板周辺部にそって形成された額縁部(未乾燥塗膜の厚膜部分)が基板中央に移動し、面内均一性を損なう問題点があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−62370号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、スピンレスコーターなどの省液コーターを使用した際にも塗布性良好な着色感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、スピンレスコーターなどの省液タイプのレジスト塗布装置を使用する場合であっても、均一に塗布できる色画素またはブラックマトリックスを形成し得る着色感光性組成物を開発するべく鋭意検討した結果、表面張力が特定の範囲にある着色感光性樹脂組成物が、従来のスピンコーターは元より、スピンレスコーターなどの省液コーターでも均一に塗布することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、(A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤、(E)溶剤および(F)界面活性剤を含んでなる着色感光性樹脂組成物において、その表面張力が25.5mN/m以上29.0mN/m以下である着色感光性樹脂組成物、前記の着色感光性樹脂組成物を、スピンレスコーターに用いて、着色感光性樹脂組成物からなる層を形成する方法、前記の着色感光性樹脂組成物を、基板または先に形成された着色感光性樹脂組成物の固形分からなる層の上に塗布し、塗布された着色感光性樹脂組成物層から揮発成分を除去し、フォトマスクを介して前記の層を露光し、現像するパターンの形成方法、前記の方法で形成されたパターンを含むカラーフィルタおよび前記のカラーフィルタを使用した液晶表示装置を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤、(E)溶剤および(F)界面活性剤を含んでなり、その表面張力は25.5mN/m以上29.0mN/m以下の範囲であり、好ましくは26.0mN/m以上28.2mN/m以下の範囲である。表面張力がこの範囲にあると、平坦性が良好で、ムラのない着色感光性樹脂組成物からなる層を形成でき好ましい。とりわけ、スピンレスコーターに用いる場合に、好ましい。
【0007】
本発明の着色感光性樹脂組成物における(F)界面活性剤はシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤およびフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であるものが好ましい。
【0008】
本発明の着色感光性樹脂組成物に用いられる(A)着色剤は、有機物である有機顔料であってもよいし、無機物である無機顔料であってもよい。中でも、耐熱性、発色性に優れていることから、有機顔料が好ましく用いられる。
【0009】
有機顔料および無機顔料として、具体的には、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー53、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー173、C.I.ピグメントイエロー194、C.I.ピグメントイエロー214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ42、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ65、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73などのオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメンレッド264、C.I.ピグメントレッド265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60などの青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36などの緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7などの黒色顔料などが挙げられ、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッドバイオレット23、C.I.ピグメントブルー15:6およびC.I.ピグメントグリーン36から選ばれる少なくとも一つの顔料を含有していることが好ましい。
【0010】
これらの有機顔料および無機顔料は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよく、例えば、赤色画素を形成するにはC.I.ピグメントレッド209およびC.I.ピグメントイエロー139を含有していることが、緑色画素を形成するにはC.I.ピグメントグリーン36ならびにC.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントイエロー138からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有していることが、青色画素を形成するには、C.I.ピグメントブルー15:6を含有していることがそれぞれ好ましい。
【0011】
前記の顔料のうち有機顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基または塩基性基が導入された顔料誘導体などを用いた表面処理、高分子化合物などによる顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法などによる微粒化処理、あるいは不純物を除去するための有機溶剤や水などによる洗浄処理、イオン交換法などによるイオン性不純物の除去処理などが施されていてもよい。
【0012】
前記の顔料の使用量は、着色感光性樹脂組成物中の固型分を100質量部としたとき好ましくは25質量部以上60質量部以下であり、より好ましくは27質量部以上55質量部以下であり、さらに好ましくは30質量部以上50質量部以下である。顔料の含有量が25質量部以上60質量部以下であると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分であり、かつ組成物中にバインダー樹脂を必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なパターンを形成することができるため、好ましい。
【0013】
本発明で得られる着色感光性樹脂組成物においては、着色剤である顔料が均一な粒径であることが好ましい。顔料を均一な粒径とするために、後述する(F)成分と異なる顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
前記の顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性などの界面活性剤などが挙げられ、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
顔料分散剤の使用量は着色剤1質量部あたり通常1質量部以下、好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下である。前記顔料分散剤の使用量が着色剤1質量部あたり通常1質量部以下であると、均一な粒径の顔料が得られる傾向があり、好ましい。
【0014】
本発明の着色感光性樹脂組成物において用いられる(B)バインダーポリマーとしては、アクリル系共重合体が使用でき、例えば、カルボキシル基含有モノマーおよびこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0015】
前記のカルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、不飽和モノカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸などの分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。ここで、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物、具体的には無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などであってもよい。また、不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などであってもよい。不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどであってもよい。これらのカルボキシル基含有モノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0016】
前記のカルボキシル基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデンなどの芳香族ビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル類;
2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和エーテル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;
アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドなどの不飽和アミド類;
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和イミド類;
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類;
ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類などを挙げることができる。これらのモノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0017】
前記の共重合体におけるカルボキシル基含有モノマー単位の含有量は、質量分率で通常10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%、とりわけ好ましくは25〜40質量%である。前記した、カルボキシル基含有モノマー単位の含有量が、10〜50質量%であると、現像液に対する溶解性が良好であり、現像時にパターンが正確に形成される傾向があり、好ましい。
前記のアクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートであることを示す。
【0018】
中でも(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体などが好ましい。
【0019】
本発明の着色感光性樹脂組成物に含まれる(B)バインダーポリマーのポリスチレン換算重量平均分子量は、好ましくは5,000〜50,000であり、より好ましくは8,000〜40,000であり、とりわけ好ましくは10,000〜35,000である。前記のポリスチレン換算重量平均分子量が5,000〜50,000であると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、解像度が向上する傾向にあり、好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物に含まれる(B)バインダーポリマーの酸価は、好ましくは50〜150であり、より好ましくは60〜140、とりわけ好ましくは80〜135である。前記の酸価が、50〜150であると、現像液に対する溶解性が向上して未露光部が溶解しやすくなり、また高感度化して現像時に露光部のパターンが残って残膜率が向上する傾向があり、好ましい。ここで酸価はアクリル系重合体1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常は水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物における(B)バインダーポリマーの含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で好ましくは5質量%以上40質量%以下、より好ましくは10質量%以上35質量%以下、とりわけ好ましくは15質量%以上30質量%以下の範囲で用いられる。前記した、(B)バインダーポリマーの含有量が、5質量%以上40質量%以下であると、パターンが形成でき、また解像度および残膜率が向上する傾向にあり好ましい。
【0020】
本発明の着色感光性樹脂組成物に用いられる(C)光重合性化合物は、光を照射されることによって光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸などによって重合しうる化合物であって、例えば、重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
【0021】
前記の(C)光重合性化合物は、3官能以上の多官能の光重合性化合物であることが好ましい。3官能以上の多官能の光重合性化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。
前記の光重合性化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
前記の(C)光重合性化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられ、その含有量は着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で好ましくは5質量%以上45質量%以下、より好ましくは質量10%以上質量35%以下、とりわけ好ましくは質量19%以上質量30%以下の量で用いられる。前記の(C)光重合性化合物の含有量が、10質量%以上40質量%以下であると、硬化が十分におこり残膜率が向上し、好ましい。
【0022】
本発明の着色感光性樹脂組成物は(D)光重合開始剤を含む。
前記の(D)光重合開始剤としては、アセトフェノン系化合物が挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オンなどが挙げられる。また、複数のアセトフェノン系およびその他の光重合開始剤を組み合わせて使用してもよい。アセトフェノン系以外の光重合開始剤は、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、増感剤などが挙げられる。活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
【0023】
ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0024】
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0025】
チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0026】
トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0027】
活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。
【0028】
酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などを挙げることができる。
【0029】
また、活性ラジカル発生剤として記載した前記の化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
【0030】
本発明の着色感光性樹脂組成物における(D)光重合開始剤の含有量は、(B)バインダーポリマーおよび(C)光重合性化合物の合計量100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上20質量部以下、より好ましくは1質量部以上15質量部以下である。光重合開始剤の含有量が、前記の基準で、0.1質量部以上20質量部以下であると、高感度化して露光時間が短縮され生産性が向上し、一方高感度過ぎて解像度が不良にならない傾向があり、好ましい。
【0031】
本発明の着色感光性樹脂組成物においては、(G)光重合開始助剤を用いてもよい。(G)光重合開始助剤は、(D)光重合開始剤と組み合わせて用いられことがあり、光重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。前記の(G)光重合開始助剤としては、アミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
アミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
【0032】
アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
【0033】
チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0034】
(G)光重合開始剤は、単独でも複数を組み合わせて使用しても差し支えない。また、光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0035】
本発明の着色感光性樹脂組成物における(D)光重合開始剤および(G)光重合開始助剤の組み合わせとしては、ジエトキシアセトフェノン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマー/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせなどが挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンの組み合わせが挙げられる。
【0036】
これらの光重合開始助剤を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤1モルあたり通常10モル以下、好ましくは0.01モル以上5モル以下である。
【0037】
本発明の着色感光性樹脂組成物は(E)溶剤を含む。前記の(E)溶剤としては、例えば、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類などが挙げられる。
【0038】
エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
その他の溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシドなどが挙げられる。
前記の溶剤の中でも、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましく用いられる。
前記の溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、着色感光性樹脂組成物中、質量分率で好ましくは70質量%以上95質量%以下、より好ましくは75質量%以上90質量%以下である。(E)溶剤の含有量が、前記の基準で70質量%以上95質量%以下であると、塗布時の平坦性が良好で、またカラーフィルタを形成した際の色濃度が十分で表示特性が良好であり、好ましい。
【0039】
本発明の着色感光性樹脂組成物において用いられる(F)界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤およびフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同29SHPA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(商品名:トーレシリコーン(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越シリコーン製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(ジーイー東芝シリコーン(株)製)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、フロリナート(商品名)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(商品名)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30(大日本インキ化学工業(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(新秋田化成(株)製)、サーフロン(商品名)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100(いずれも商品名:BM Chemie社製)などが挙げられる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合およびフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、メガファック(商品名)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの界面活性剤は、(F)界面活性剤を除く着色感光性樹脂組成物100質量部に対して、0.0005質量部以上0.6質量部以下、好ましくは0.001質量部以上0.5質量部の範囲で使用される。界面活性剤の含有量が、前記の基準で0.0005質量部以上0.6質量部以下であると、得られる塗膜の平坦性が良好に傾向があり、好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物を調製するには、界面活性剤を除く成分を混合したのち、界面活性剤を少しずつ添加して表面張力が規定値の範囲になるように調節してもよいし、予め、予備的に着色感光性樹脂組成物における界面活性剤の添加量と表面張力との関係を求めておき、その添加量に基づいて各成分を一括して混合してもよい。
【0040】
本発明の着色感光性樹脂組成物は、充填剤、バインダーポリマー以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、有機酸、有機アミノ化合物、硬化剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0041】
充填剤としては、例えば、ガラス、アルミナなどの微粒子が挙げられる。
【0042】
バインダーポリマー以外の高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレートなどが挙げられる。
【0043】
密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0044】
酸化防止剤としては、例えば、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
【0045】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールなどのトリアジン系などが挙げられる。
【0046】
凝集防止剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0047】
有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸などの脂肪族モノカルボン酸類;
しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルこはく酸、テトラメチルこはく酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸などの脂肪族ジカルボン酸類;
トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸などの脂肪族トリカルボン酸類;
安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸などの芳香族モノカルボン酸類;
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類;
トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸類などが挙げられる。
【0048】
有機アミン化合物としては、例えば、n―プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミンなどのモノアルキルアミン類;
シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンなどのモノシクロアルキルアミン類;
メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルn−プロピルアミン、エチルn−プロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジi−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジi−ブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ジn−ペンチルアミン、ジn−ヘキシルアミンなどのジアルキルアミン類;
メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルモノシクロアルキルアミン類;
ジシクロヘキシルアミンなどのジシクロアルキルアミン類;
ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、ジエチルn−プロピルアミン、メチルジn−プロピルアミン、エチルジn−プロピルアミン、トリn−プロピルアミン、トリi−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリi−ブチルアミン、トリsec−ブチルアミン、トリt−ブチルアミン、トリn−ペンチルアミン、トリn−ヘキシルアミンなどのトリアルキルアミン類;
ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミンなどのジアルキルモノシクロアルキルアミン類;
メチルジシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルジシクロアルキルアミン類;
2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノールなどのモノアルカノールアミン類;
4−アミノ−1−シクロヘキサノールなどのモノシクロアルカノールアミン類;
ジエタノールアミン、ジn−プロパノールアミン、ジi−プロパノールアミン、ジn−ブタノールアミン、ジi−ブタノールアミン、ジn−ペンタノールアミン、ジn−ヘキサノールアミンなどのジアルカノールアミン類;
ジ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのジシクロアルカノールアミン類;
トリエタノールアミン、トリn−プロパノールアミン、トリi−プロパノールアミン、トリn−ブタノールアミン、トリi−ブタノールアミン、トリn−ペンタノールアミン、トリn−ヘキサノールアミンなどのトリアルカノールアミン類;
トリ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのトリシクロアルカノールアミン類;
3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール、4−アミノ−1,3−ブタンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−1,3−プロパンジオールなどのアミノアルカンジオール類;
4−アミノ−1,2−シクロヘキサンジオール、4−アミノ−1,3−シクロヘキサンジオールなどのアミノシクロアルカンジオール類;
1−アミノシクロペンタノンメタノール、4−アミノシクロペンタノンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカノンメタノール類;
1−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−ジメチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジエチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジメチルアミノシクロヘキサンメタノール、4−ジエチルアミノシクロヘキサンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカンメタノール類;
β−アラニン、2−アミノ酪酸、3−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2−アミノイソ酢酸、3−アミノイソ酢酸、2−アミノ吉草酸、5−アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸などのアミノカルボン酸類;
アニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、p−エチルアニリン、p−n−プロピルアニリン、p−i−プロピルアニリン、p−n−ブチルアニリン、p−t−ブチルアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−メチル−N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族アミン類;
o−アミノベンジルアルコール、m−アミノベンジルアルコール、p−アミノベンジルアルコール、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、p−ジエチルアミノベンジルアルコールなどのアミノベンジルアルコール類;
o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−ジメチルアミノフェノール、p−ジエチルアミノフェノールなどのアミノフェノール類;
m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸などのアミノ安息香酸類などが挙げられる。
【0049】
硬化剤としては、例えば、加熱されることによってバインダーポリマー中のカルボキシル基と反応してバインダーポリマーを架橋することができる化合物が挙げられる。また、それ単独で重合して着色パターンを硬化させ得る化合物も挙げられる。前記の化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0050】
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、他の芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、エポキシ化油等のエポキシ樹脂や、これらのエポキシ樹脂の臭素化誘導体、エポキシ樹脂およびその臭素化誘導体以外の脂肪族、脂環族または芳香族のエポキシ化合物、ブタジエンの(共)重合体のエポキシ化物、イソプレンの(共)重合体のエポキシ化物、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
【0051】
オキセタン化合物としては、例えば、カーボネートビスオキセタン、キシリレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタンなどが挙げられる。
【0052】
本発明の着色感光性組成物は、硬化剤としてエポキシ化合物、オキセタン化合物などを含有する場合には、エポキシ化合物のエポキシ基、オキセタン化合物のオキセタン骨格を開環重合させ得る化合物を含んでいてもよい。前記の開環重合させ得る化合物としては、例えば、多価カルボン酸類、多価カルボン酸無水物類、酸発生剤などが挙げられる。
【0053】
多価カルボン酸類としては、例えば、フタル酸、3,4−ジメチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸類;
こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸類;
ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸類などが挙げられる。
【0054】
多価カルボン酸無水物類としては、例えば、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物類;
無水イタコン酸、無水こはく酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸無水物類;
無水ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂環族多価カルボン酸無水物類;
エチレングリコールビストリメリテイト酸、グリセリントリストリメリテイト無水物などのエステル基含有カルボン酸無水物類などが挙げられる。
【0055】
カルボン酸無水物類として、エポキシ樹脂硬化剤として市販されているものを用いてもよい。前記エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、商品名「アデカハードナーEH−700」(旭電化工業(株)製)、商品名「リカシッドHH」(新日本理化(株)製)、商品名「MH−700」(新日本理化(株)製)などが挙げられる。
【0056】
前記の硬化剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成する方法としては、具体的には、本発明の着色感光性樹脂組成物を、基板または基板の上に先に形成した固体の着色感光性樹脂組成物層(以下、これを基板等ということがある。)の上に塗布し、塗布された着色感光性樹脂組成物層から溶剤など揮発成分を除去し、フォトマスクを介して揮発成分が除去された層を露光したのち、現像する方法が挙げられる。
【0058】
基板としては、例えば、ガラス基板、シリコン基板、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、芳香族ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板、Al基板、GaAs基板などの表面が平坦な基板が挙げられる。これらの基板は、シランカップリング剤などの薬品による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング処理、スパッタリング処理、気相反応処理、真空蒸着処理などの前処理が施されていてもよい。基板としてシリコン基板などを用いる場合、前記シリコン基板などの表面には電荷結合素子(CCD)、薄膜トランジスタ(TFT)などが形成されていてもよい。
【0059】
前記の基板の上に着色感光性樹脂組成物を塗布するには、従来のスピンコーターや省液コーター、中でもスピンレスコーターを用いて基板等の上に塗布することができる。中でも、基板の大型化によって基板を回転させる必要がなく、スピンによる着色感光性樹脂組成物の無駄がないので、スリットコート法が好ましい。次いで着色感光性樹脂組成物中の溶剤などの揮発成分を加熱により揮発させればよい。このようにして、基板等の上に着色感光性樹脂組成物の固形分からなる層が平坦性良く形成される。
【0060】
【実施例】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0061】
本実施例で用いる成分は以下の通りで、以下、省略して表示することがある。
(A−1)着色剤:C.I.ピグメントレッド254
(A−2)着色剤:C.I.ピグメントイエロー139
(B)バインダー樹脂:メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体〔メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との比は物質量比(モル比)で27:73、酸価は83、ポリスチレン換算重量平均分子量は18,000
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(D−1)光重合開始剤:2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン
(D−2)光重合開始剤:2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン
(G−1)光重合開始助剤:2,4−ジエチルチオキサントン
(E−1)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(E−2)溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル
【0062】
実施例1
〔着色感光性樹脂組成物1の調製〕
(A−1) 4.070質量部
(A−2) 0.955質量部
分散剤 1.507質量部
(B) 3.229質量部
(C) 3.947質量部
(D−1) 0.431質量部
(D−2) 0.431質量部
(G−1) 0.431質量部
(E−1) 76.502質量部
(E−2) 8.500質量部
を混合して混合物1を得た。混合物1に(F)界面活性剤としてメガファックF475(大日本インキ化学工業(株)製)0.010質量部を混合して着色感光性樹脂組成物1を得た。
【0063】
〔表面張力評価〕
直径1mmのガラス管先端10mmを上記で得た着色感光性樹脂組成物1に対して垂直になるように浸漬し、着色感光性樹脂組成物の浸漬部からの上昇距離から表面張力を求めたところ、28.2mN/mであった。
〔塗膜の形成〕
上記で得られた着色感光性樹脂組成物1をマイクロシリンジから1滴(10μL)を、ガラス基板上に滴下したところ、直径7mmの円状に広がり、干渉縞はみられず、平坦性は良好であった。
〔スピンレスコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物1を、スピンレスコーターを用いて塗膜を形成したところ、平坦性が良好で、ムラがない塗膜が得られた。
【0064】
実施例2
実施例1の(F)成分であるメガファックF475(大日本インキ化学工業(株)製)の含有量を0.050質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物2を得た。
〔表面張力評価〕
実施例1と同様にして表面張力を求めたところ、26.5mN/mであった。
〔塗膜の形成〕
上記で得られた着色感光性樹脂組成物2をマイクロシリンジから1滴(10μL)を、ガラス基板上に滴下したところ、直径7mmの円状に広がり、干渉縞はみられず、平坦性は良好であった。
〔スピンレスコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物2を、スピンレスコーターを用いて塗膜を形成したところ、平坦性が良好で、ムラがない塗膜が得られた。
【0065】
実施例3
実施例1の(F)成分であるメガファックF475(大日本インキ化学工業(株)製)の含有量を0.075質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物3を得た。
〔表面張力評価〕
実施例1と同様にして表面張力を求めたところ、26.0mN/mであった。
〔塗膜の形成〕
上記で得られた着色感光性樹脂組成物3をマイクロシリンジから1滴(10μL)を、ガラス基板上に滴下したところ、直径7mmの円状に広がり、干渉縞はみられず、平坦性は良好であった。
〔スピンレスコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物3を、スピンレスコーターを用いて塗膜を形成したところ、平坦性が良好で、ムラがない塗膜が得られた。
【0066】
実施例4
実施例1の(F)成分であるメガファックF475(大日本インキ化学工業(株)製)の含有量を0.100質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物4を得た。
〔表面張力評価〕
実施例1と同様にして表面張力を求めたところ、26.5mN/mであった。
〔塗膜の形成〕
上記で得られた着色感光性樹脂組成物4をマイクロシリンジから1滴(10μL)を、ガラス基板上に滴下したところ、直径7mmの円状に広がり、干渉縞はみられず、平坦性は良好であった。
〔スピンレスコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物4を、スピンレスコーターを用いて塗膜を形成したところ、平坦性が良好で、ムラがない塗膜が得られた。
【0067】
比較例1
実施例1の(F)成分であるメガファックF475(大日本インキ化学工業(株)製)を無添加にする以外は、実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物5を得た。
〔表面張力評価〕
実施例1と同様にして表面張力を求めたところ、29.9mN/mであった。
〔塗膜の形成〕
上記で得られた着色感光性樹脂組成物5をマイクロシリンジから1滴(10μL)を、ガラス基板上に滴下したところ、直径8mmの円状に広がり、干渉縞が見られ、平坦性は不良であった。
〔スピンレスコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物5を、スピンレスコーターを用いて塗膜を形成したところ、平坦性が不良で、ムラがある塗膜が得られた。
【0068】
比較例2
実施例1の(F)成分であるメガファックF475(大日本インキ化学工業(株)製)の含有量を0.200質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物6を得た。
〔表面張力評価〕
実施例1と同様にして表面張力を求めたところ、23.8mN/mであった。
〔塗膜の形成〕
上記で得られた着色感光性樹脂組成物6をマイクロシリンジから1滴(10μL)を、ガラス基板上に滴下したところ、直径8mmの円状に広がり、干渉縞が見られ、平坦性は不良であった。
〔スピンレスコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物6を、スピンレスコーターを用いて塗膜を形成したところ、平坦性が不良で、ムラがある塗膜が得られた。
【0069】
実施例5
実施例1において(F)成分であるメガファックF475(大日本インキ化学工業(株)製)をポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(商品名:トーレシリコーン(株)製)0.010質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物7を得た。
〔表面張力評価〕
実施例1と同様にして表面張力を求めたところ、27.4mN/mであった。
〔塗膜の形成〕
上記で得られた着色感光性樹脂組成物7をマイクロシリンジから1滴(10μL)を、ガラス基板上に滴下したところ、直径7mmの円状に広がり、干渉縞はみられず、平坦性は良好であった。
〔スピンレスコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物7を、スピンレスコーターを用いて塗膜を形成したところ、平坦性が良好で、ムラがない塗膜が得られた。
【0070】
実施例6
実施例1において(F)成分であるメガファックF475(大日本インキ化学工業(株)製)をポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(商品名:トーレシリコーン(株)製)0.050質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物8を得た。
〔表面張力評価〕
実施例1と同様にして表面張力を求めたところ、26.5mN/mであった。
〔塗膜の形成〕
上記で得られた着色感光性樹脂組成物8をマイクロシリンジから1滴(10μL)を、ガラス基板上に滴下したところ、直径7mmの円状に広がり、干渉縞はみられず、平坦性は良好であった。
〔スピンレスコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物8を、スピンレスコーターを用いて塗膜を形成したところ、平坦性が良好で、ムラがない塗膜が得られた。
【0071】
比較例3
実施例1において(F)成分であるメガファックF475(大日本インキ化学工業(株)製)をポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(商品名:トーレシリコーン(株)製)0.200質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして着色感光性樹脂組成物10を得た。
〔表面張力評価〕
実施例1と同様にして表面張力を求めたところ、24.5mN/mであった。
〔塗膜の形成〕
上記で得られた着色感光性樹脂組成物10をマイクロシリンジから1滴(10μL)を、ガラス基板上に滴下したところ、直径8mmの円状に広がり、干渉縞が見られ、平坦性は不良であった。
〔スピンレスコーターでの評価〕
得られた着色感光性樹脂組成物10を、スピンレスコーターを用いて塗膜を形成したところ、平坦性が不良で、ムラがある塗膜が得られた。
【0072】
【発明の効果】
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、着色感光性樹脂組成物を基板上に滴下しても干渉縞がみられず、平坦性が良好な塗膜が得られ、スピンレスコーターを用いて基板上に塗布膜を形成しても、平坦性が良好な塗膜を形成し得る。

Claims (4)

  1. (A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤、(E)溶剤、(H)顔料分散剤および(F)界面活性剤(ただし、(H)顔料分散剤とは異なる)を含んでなる着色感光性樹脂組成物において、その表面張力が25.5mN/m以上29.0mN/m以下であり、溶剤がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び3−エトキシプロピオン酸エチルを含む溶剤であり、(F)界面活性剤の含有量が、(F)界面活性剤を除く着色感光性樹脂組成物100質量部に対して、0.01質量部以上0.1質量部以下であるスピンレスコーター用着色感光性樹脂組成物。
  2. 界面活性剤がシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤およびフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のスピンレスコーター用着色感光性樹脂組成物。
  3. 界面活性剤が、ポリエーテル変性シリコーンオイルである請求項2に記載のスピンレスコーター用着色感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のスピンレスコーター用着色感光性樹脂組成物を、基板または先に形成された着色感光性樹脂組成物の固形分からなる層の上にスピンレスコーターを用いてスリットコート法により塗布し、塗布された着色感光性樹脂組成物層から揮発成分を除去し、フォトマスクを介して前記層を露光し、現像するパターンの形成方法。
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