JP2004070352A - 着色層形成用塗工液 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、生産性において問題の無い塗工速度でかつ塗布ギャップを比較的広く取った状態でダイコータを用いて着色層を形成した場合でも、スジムラの発生が極めて少なく、均一な着色層表面が得られる着色層形成用塗工液を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、カラーフィルタの着色層をスリットダイコータ法により形成するための着色層形成用塗工液であって、動的表面張力が表面寿命10msで、31mN/m〜50mN/mの範囲内にあることを特徴とする着色層形成用塗工液を提供する。
【選択図】 無し

Description

 本発明は、スリットダイコータ法により、カラーフィルタの着色層を形成するための着色層形成用塗工液に関するものである。
 カラー液晶ディスプレイ用のカラーフィルタは、そのガラス基板上に3原色の細かな格子模様を有しており、このような格子模様はガラス基板上に先ず黒の塗膜を形成してブラックマトリックスとした後、赤、青、緑の塗膜により塗り分けて得られる。したがって、カラーフィルタの製造には、ガラス基板上に黒、赤、青、緑の塗工液を塗布し、これらの塗膜を順次形成していく形成工程が必要不可欠となる。この種の形成工程には、従来塗布装置としてのスピナー、バーコータあるいはロールコータなどが使用されていたが、塗工液の消費量を削減し、また、塗膜の物性を向上する上で近年に至ってはダイコータの使用が検討されている。
 ダイコータは、従来から厚膜塗工や、高粘度塗料を連続塗布する用途に広く採用されており、ダイコータを用いて被塗工材塗膜を形成する場合には例えば特許文献1〜3に見られるようにカーテンフロー法、押出法、ビード法などの塗工方法が知られる。中でも上記ビード法は、ダイコータの口金に設けられたスリットから塗料を吐出して、口金と一定の間隔を保って相対的に走行する被塗工材との間にビードと呼ばれる塗料溜りを形成し、この状態で被塗工材の走行に伴って塗料を引き出して塗膜を形成する。そして、塗膜形成により消費される量と同量の塗料をスリットから供給することにより塗膜を連続的に形成するビード法を採用すれば、形成された塗膜は膜厚の均一性をかなり高精度に達成できる。また、塗料の無駄がほとんどなく、また、スリットから吐出されるまで塗料送液経路が密閉されているのであるから、塗料の変質、異物の混入を防止でき、得られる塗膜の品質を高く維持できる。
 しかしながら、カラーフィルタの製造において塗工される膜の多くは乾燥時の膜厚で10μm以下の薄膜であり、このようなより薄い塗膜を塗工しようとした場合、ビードの容積は小さくなるため、ビードの安定性が損なわれる可能性が高い。その結果、塗膜表面に口金の進行方向に対して直角方向に生じる、いわゆる横スジムラが発生する可能性が高くなる。
 このようなスジムラが表面に発生した塗膜は、カラーフィルタにおける着色層としては用いることができないため、このようなスジムラの発生の少ない着色層の形成が望まれていた。
 また、従来の着色層形成用塗工液では、ダイコータにより塗布後、スピンを行ういわゆるスリット&スピン塗布を想定した液物性で構成されていおり、このような塗工液を用いてスジムラの発生しない塗工面を得るためには、塗工速度が10〜30mm/secといった低速領域での使用が必要であった。しかしながら、一般的にはスループットの関係から、60mm/sec以上、特に80mm/sec以上の塗工速度で塗布工程を行う必要があり、上述したような速度では、スループットが極めて低下してしまうといった問題があった。
 さらに、このような高速で塗工する場合には、基材やステージの表面粗さに加えて、塗布装置の駆動振動やピッチング等によるスリットダイコータ口金先端と基材とのギャップ変動も考慮して、スリットダイコータ口金と基材との間に十分なクリアランス(塗布ギャップ)を確保して衝突による損傷を回避する必要があった。しかしながら、塗布ギャップを大きく取りかつ高速で塗工する場合は、塗液ビードの維持が難しくなるといった問題があった。
米国特許第4,230,793号 米国特許第4,696,885号 米国特許第2,761,791号
 本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、生産性において問題の無い塗工速度でかつ塗布ギャップを比較的広く取った状態でダイコータを用いて着色層を形成した場合でも、スジムラの発生が極めて少なく、均一な着色層表面が得られる着色層形成用塗工液を提供することを主目的とするものである。
 上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、カラーフィルタの着色層をスリットダイコータ法により形成するための着色層形成用塗工液であって、動的表面張力が表面寿命10msで、31mN/m〜50mN/mの範囲内にあることを特徴とする着色層形成用塗工液を提供する。
 本発明においては、このように動的表面張力を所定の範囲内としたものであるので、スリットダイコータ法により着色層を形成する際に、ビードが安定的に形成され、その結果、ビードの乱れによる横スジムラ、すなわちダイコータの進行方向に対して直角な方向に生じるスジムラの発生を抑えることが可能となり、これにより表面が極めて平滑な着色層を歩留り良く製造することが可能となる。
 上記発明においては、シェアレートが100S−1の際の動的粘度が、2.0Pa・s〜4.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。着色層形成用塗工液の動的粘度が上記範囲内であることにより、よりビードを安定させることが可能となり、スジムラの発生を抑えることができるからである。
 また、上記発明においては、上記着色層形成用塗工液に用いられる溶剤の動的表面張力が表面寿命10msで、27mN/m〜50mN/mの範囲内にあることが好ましい。このような溶剤を用いることにより、高速塗工時のビード安定性を向上させることができるからである。
 さらに、本発明においては、上記着色層は、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層、および遮光層を含むものである。
 本発明はまた、上述した着色層形成用塗工液を用い、塗工速度が80〜500mm/secの範囲内でかつ塗布ギャップが120〜300μmの範囲内の条件下で、スリットダイコータ法により着色層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、生産性において問題の無い塗工速度でかつ塗布ギャップを比較的広く取った状態でダイコータを用いて着色層を形成した場合でも、スジムラの発生が極めて少ない着色層を有するカラーフィルタを得ることができる。
 また、本発明は、上述した着色層形成用塗工液を用い、スリットダイコータ法により形成された着色層を有することを特徴とするカラーフィルタを提供する。このようなカラーフィルタは、着色層が平滑な表面を有するものであり、高品質なものとすることができる。
 本発明によれば、着色層形成用塗工液の動的表面張力を所定の範囲内としたものであるので、80mm/sec以上の高速で、かつ塗布ギャップを120μm以上で塗工した場合でも、スリットダイコータ法により着色層を形成する際に、ビードが安定的に形成され、その結果、ビードの乱れによる横スジムラ、すなわちダイコータの進行方向に対して直角な方向に生じるスジムラの発生を抑えることが可能となり、これにより表面が極めて平滑な着色層を歩留り良く製造することが可能となるといった効果を奏するものである。
 以下、本発明の着色層形成用塗工液およびカラーフィルタについて、それぞれ説明する。
 A.着色層形成用塗工液
 本発明者等は、カラーフィルタの着色層をスリットダイコータ法により形成する際に生じる横スジムラ、すなわちスリットダイコータ口金の進行方向に垂直に形成されるスジムラを低減するためには、スリットダイコータ口金の下端面と基材表面に形成されるビードを安定化することが重要であるとの知見に基づき、鋭意検討した結果、着色層形成用塗工液の動的表面張力の値を調整することによりビードが安定化し、高速で塗工した場合でも形成される着色層表面のスジムラを大幅に抑制することができる点を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
 すなわち、本発明の着色層形成用塗工液は、カラーフィルタの着色層をスリットダイコータ法により形成するための着色層形成用塗工液であって、動的表面張力が表面寿命10msで、31mN/m〜50mN/mの範囲内にあることを特徴とするものである。
 ここで、本発明における着色層とは、特に限定されるものではないが、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層、さらにはブラックマトリックスと称される黒色着色層をも含む概念である。
 以下、このような本発明の着色層形成用塗工液について、その物性面、組成面、および用途等に分けて詳細に説明する。
 1.物性
 まず、本発明の着色層形成用塗工液の物性面の特徴について説明する。
 a.動的表面張力
 本発明の着色層形成用塗工液は、その動的表面張力が表面寿命10msで、31mN/m〜50mN/mの範囲内、好ましくは32mN/m〜50mN/mとした点に大きな特徴を有する。本発明の着色層形成用塗工液は、このような範囲の動的表面張力を有するものであるので、塗工時にスリットダイコータ下端面と透明基板との間に形成される着色層形成用塗工液からなるビードの形状を安定化させることが可能となり、形成される着色層表面に生じる横スジムラを大幅に低減することができる。
 このような着色層形成用塗工液の動的表面張力は、バブルプレッシャー動的表面張力計(商品名:BP−2、KRUSS社製)を用いて測定した値を用いる。測定条件は以下の通りである。
 キャピラリ径:φ0.228mm
 測定温度:23℃
 液量:60cc
 表面寿命:10ms
 キャピラリ浸漬深さ:10mm
 設定密度:1.00g/cm
 このようなバブルプレッシャー動的表面張力計の概略を図1に示す。
 着色層形成用塗工液の動的表面張力を上記範囲とするためには、後述するように、着色層形成用塗工液の溶媒として所定の動的表面張力を有するものを選択する方法、着色層形成用塗工液に用いるモノマー成分やポリマー成分の分子量を調整する方法、添加剤を添加する方法等を挙げることができる。特に、溶媒は着色層形成用塗工液中に多量に含まれているので、この溶媒の種類を選択して用いることにより、着色層形成用塗工液の動的表面張力を上述した範囲とする方法が最も効果的であるといえる。
 b.動的粘度
 本発明の着色層形成用塗工液は、さらに動的粘度がシェアレートが100S−1の際、2.0mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内、特に2.5mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。動的粘度がこの範囲内であることにより、上述したビードの形状をより安定させることができ、結果的に得られる着色層表面の横スジムラの発生率をさらに低減させることができるからである。
 本発明における着色層形成用塗工液の動的粘度は、二重円筒方式レオメータ(レオメトリック・サイエンティフィック社製、商品名:ARES)を用い、シェアレートが100S−1、23℃、液量10ccで測定した値を用いる。二重円筒方式レオメータの概略を図2に示す。
 この着色層形成用塗工液の動的粘度の調整は、主に後述する固形分濃度を調整することにより行うことが可能であり、また用いる溶媒を選択することによっても行うことができる。
 2.組成
 次に、本発明の着色層形成用塗工液の組成面の特徴について説明する。本発明の着色層形成用塗工液は、一般に用いられている着色層形成用塗工液と同様に、溶剤と、ポリマー成分、モノマー成分、開始剤、顔料、および添加剤等からなる固形分成分とから構成されるものである。
 本発明においては、着色層形成用塗工液における固形分濃度が、10重量%〜30重量%の範囲内、特に15重量%〜25重量%の範囲内であることが好ましい。固形分濃度をこのような範囲内に調整することにより、着色層形成用塗工液の動的粘度を最適範囲とすることができ、結果的に得られる着色層表面の横スジムラの発生を抑制することができる。また、着色層を形成する際にウェット膜厚を好適な範囲とすることができる点からも表面のスジムラの発生を抑えることができる。
 このような、本発明の着色層形成用塗工液の組成について、以下説明する。
 a.溶媒
 本発明の着色層形成用塗工液に用いられる溶媒は、上述したように着色層形成用塗工液中において多量に含有されるものであることから、本発明の特徴である着色層形成用塗工液の動的表面張力に与える影響が高い。したがって、その動的粘度が適当な範囲にあるものを選択することが好ましい。
 すなわち、本発明において用いられる溶媒は、その動的粘度が、表面寿命10msで、27mN/m〜50mN/mの範囲内、好ましくは28mN/m〜48mN/mであるものを選択して用いることが好ましい。この範囲内の溶媒を選択して用いることにより、着色層形成用塗工液の動的表面張力を上述した範囲内に調整することができ、高速時のビード安定性を向上させることができるからである。なお、この際の動的表面張力の測定方法は、上述した方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
 また、上記溶媒は、その動的粘度が100S−1の際、1.0mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内、特に1.0mPa・s〜3.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。溶媒の動的粘度が上述した範囲内であるものを選択して用いることにより、このような溶媒を用いて調製された着色層形成用塗工液の動的粘度を上述した所定の範囲内とすることが可能となり、結果的に得られる着色層の表面の平滑性を向上させることができるからである。なお、この溶媒の動的粘度の測定に関しては、上述した方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
 上記溶媒の常圧沸点は、140℃〜210℃の範囲内、特に140℃〜180℃の範囲内のものが好ましく、また蒸気圧が0.1kPa〜1.4kPaの範囲内、特に0.13kPa〜1kPa(20℃、1気圧時)の範囲内のものが好適に用いられる。着色層形成用塗工液とした場合の取扱性の観点から、上記範囲内のものが好ましいのである。
 このような溶媒としては、具体的には、ジエチレングリコールジエチルメチルエーテル、エトキシエチルプロピオネート、n−ブチルアセテート、エチルセロリルブアセテート、3−メチルメトキシプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセタート、シクロヘキサノン、ジメチルカルビトール、乳酸エチル、2−エトキシエチルアセタート、2−メトキシエチルアセタート、1,3−ペンタジアミン、フルフラール、o−ジクロルベンゼン、ベンズアルデヒド、ジメチルスルホキシド、アセトフェノン、フェネトール、γ−ブチロラクトン、およびN−メチルピロリドン等を挙げることが好ましい。
 本発明においては、上記溶媒を単独で用いても良いし、後述する固形分成分との相溶性等を考慮して、この溶媒と上記範囲から外れる溶媒と混合して用いてもよい。具体的にはこの溶媒を全溶媒に対して、10〜100%、特に20〜80%の範囲内で混合して用いることが好ましい。
 b.固形分成分
 本発明の着色層形成用塗工液の固形分成分は、上述したように、ポリマー成分、モノマー成分、開始剤、顔料、添加剤等からなるものであるが、これらに関しては、従来より着色層用として用いられているものであれば特に限定されるものではない。
 例えば、ポリマー成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー等が挙げられる。また、上記のコポリマーにグリシジル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
 上記のポリマー成分のなかで、合わせて使用するモノマー成分との相溶性等の観点から、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂とポリメタクリル酸エチル樹脂の共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルローストリアセテート等を好ましく使用することができる。特に好ましくは、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル酸とスチレン、グリシジルメタクリレートとの共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの変性物を使用することができる。
 このようなポリマー成分は、着色層中、すなわち固形分成分中において30重量%〜50重量%、特に30重量%〜40重量%の範囲内で用いることが好ましい。
 また、モノマー成分としては、具体的には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上記のアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、フェノール−エチレンオキサイド変性アクリレート、フェノール−プロピレンオキサイド変性アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ビスフェノールA−エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のアクリレートモノマー、および、これらのアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたエポキシアクリレートオリゴマー、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたウレタンメタクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたポリエステルメタクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたエポキシメタクリレートオリゴマー、アクリレート基を有するポリウレタンアクリレート、アクリレート基を有するポリエステルアクリレート、アクリレート基を有するエポキシアクリレート樹脂、メタクリレート基を有するポリウレタンメタクリレート、メタクリレート基を有するポリエステルメタクリレート、メタクリレート基を有するエポキシメタクリレート樹脂等が挙げられる。
 このようなモノマー成分の着色層中、すなわち固形分成分中の使用量としては、30重量%〜50重量%、特に30重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。
 また、開始剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサントン系のものが用いられ、具体的には、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、N,N´テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルチアゾール化合物、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−S−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン、1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、イルガキュアー369(チバガイギー社製)、イルガキュアー651(チバガイギー社製)、イルガキュアー907(チバガイギー社製)等の光重合開始剤が挙げられる。本発明では、これらの光重合開始剤を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる
 このような開始剤の着色層中、すなわち固形分成分中の使用量としては、10重量%〜30量%、特に10重量%〜20重量%の範囲内であることが好ましい。
 また、顔料としては、赤色顔料であれば、Color Index No.ピグメントレッド9、97、122、123、149、168、177、180、192、209、215、254等を挙げることができ、緑色顔料であれば、Color Index No.ピグメントグリーン7、36、37等を挙げることができ、青色顔料であれば、Color Index No.ピグメントブルー15:3、16、17、15等を挙げることができ、黄色顔料であれば、Color Index No.ピグメントイエロー20、24、86、93、109、110、117、129、138、139、150、153等を挙げることができ、バイオレット顔料であれば、Color Index No.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50等を挙げることができ、オレンジ顔料であれば、Color Index No.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61等を挙げることができる。
 このような顔料は、一般的には上記ポリマー成分を100重量部とした際に、3〜60重量部の範囲内、好ましくは5〜50重量部の範囲内で用いられる。
 また、ブラックマトリックスにおいては、黒色顔料としてカーボンブラック等が好適に用いられる。
 さらに、その他の添加剤として、1種または2種以上の分散剤を用いることができる。使用可能な分散剤は特に限定されず、例えば、ノナノアミド、デカンアミド、ドデカンアミド、N−ドデシルヘキサデカンアミド、N−オクタデシルブロピオアミド、N,N−ジメチルドデカンアミドおよびN,N−ジヘキシルアセトアミド等のアミド化合物、ジエチルアミン、ジヘプチルアミン、ジブチルヘキサデシルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルメタンアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン及びトリオクチルアミン等のアミン化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N',N'−(テトラヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N'−トリ(ヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N',N'−テトラ(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)−1,2−ジアミノエタン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン及び1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のヒドロキシ基を有するアミン等を例示することができ、その他にニペコタミド、イソニペコタミド、ニコチン酸アミド等の化合物を挙げることができる。
 さらに、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類;ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの変性物;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリシロキサン類;長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるアミドやそれらの塩類等を挙げることができる。
 また、分散剤の市販品として、シゲノックス−105(商品名、ハッコールケミカル社製)Disperbyk−101、同−130、同−140、同−160、同−161、同−162、同−163、同−164、同−165、同−166、同−170、同−171、同−182、同−2000、同−2001(以上ビックケミージャパン(株)製)、EFKA−47、同−47EA、同−48、同−49、同−100、同−400、同−450(以上、EFKA CHEMICALS社製)、ソルスパース12000、同13240、同13940、同17000、同20000、同24000GR、同24000SC、同27000、同28000、同33500(以上、ゼネカ(株)製)、PB711、同821、同822(以上、味の素(株)製)等を挙げることができる。
 また、本発明に係る顔料分散組成物には各種界面活性剤を配合しても良い。本発明に係るバインダーに各種界面活性剤を組み合わせて使用すると分散安定性を向上させることができる。界面活性剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を挙げることができる。上記界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類;ポリエチレンイミン類を挙げることができる。
 界面活性剤の商品名としては、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)等を挙げることができる。
 また、無水マレイン酸、多官能樹脂、メタクリル官能性シラン等を添加してもよい。
 c.相溶性
 本発明においては、上記溶媒と上記固形分成分との相溶性が良好であることが望ましい。相溶性が悪い場合は、スリットダイコータ法により塗工を行う際に液切れ等の問題が生じる可能性が高くなるからである。
 また、分散剤の顔料表面への定着を安定させるために副溶媒として、使用する樹脂または分散剤に対する貧溶媒を用いることも可能である。
 3.用途
 本発明の着色層形成用塗工液は、上述したように着色層をスリットダイコータ法により形成するための塗工液である。
 ここでスリットダイコータ法とは、例えば図3に示すように、塗工液吐出用スリット1を設けたスリットダイコータ口金2を用いて、透明基板3上に着色層4を形成する方法である。このスリットダイコータ口金2は、一般的にはフロントリップ5とリアリップ6とから構成され、その間にスリット1が形成されている。この場合、本発明の着色層形成用塗工液塗料は図示略のポンプからマニホールド7に供給され、スリット1を経て透明基板3表面に吐出される。
 本発明の着色層形成用塗工液は、特に後述する「B.カラーフィルタの製造方法」の欄において説明するような塗工速度及び塗布ギャップの条件下で、上記スリットダイコータ法により着色層を形成する用途に用いられることが好ましい。このような条件下で着色層を形成したとしても、表面にスジムラのない平滑な表面を有する着色層を形成することができるからである。
 B.カラーフィルタの製造方法
 次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記「A.着色層形成用塗工液」の欄で説明した着色層形成用塗工液を用い、塗工速度が80〜500mm/secの範囲内でかつ塗布ギャップが120〜300μmの範囲内の条件下で、スリットダイコータ法により着色層を形成することを特徴とするものである。本発明においては、このような生産性の高い塗工速度でかつ基材とスリットダイコータ口金との衝突の恐れの無いこのような広い塗布ギャップの条件下でダイコータを用いて着色層を形成した場合でも、スジムラの発生が極めて少ない着色層を有するカラーフィルタを得ることができる。したがって、歩留りが良好であり、極めて高い生産性でカラーフィルタを製造することができる。
 ここで、本発明における塗布速度とは、スリットダイコータ口金と基材との相対速度を意味するものである。本発明のカラーフィルタの製造方法に適用することができる塗布速度としては、上述したように80mm/sec〜500mm/secの範囲内であるが、特に80mm/sec〜250mm/secの範囲内、中でも80mm/sec〜150mm/secの範囲内とすることが好ましい。上記範囲より塗布速度を遅くすると生産効率の面で問題が生じる可能性があることから好ましくなく、上記範囲より早いものは生産装置として現実的でないからである。
 また、本発明における塗布ギャップとは、スリットダイコータ口金の下端面から基材表面までの距離をいう。本発明においては、この塗布ギャップが上述したように120〜300μmの範囲内であるが、特に120〜200μmの範囲内、中でも120〜150μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より小さい場合はスリットダイコータ口金と基材とが衝突する可能性が生じるので好ましくなく、上記範囲より大きい場合は、ビードの安定性に問題が生じる可能性があるからである。
 本発明のカラーフィルタの製造方法の他の工程や条件等については、通常スリットダイコータ法を用いたカラーフィルタの製造方法に用いられる方法を用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
 C.カラーフィルタ
 最後に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、上述したような着色層形成用塗工液を用い、スリットダイコータ法により形成された着色層を有することを特徴とするものであり、表面が平滑な着色層を有する高品質なものとすることができる。
 本発明のカラーフィルタは、通常のカラーフィルタと同様に、透明基板上に、ブラックマトリックスと称される黒色の着色層と、この黒色着色層の開口部を着色画素とした、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3原色の着色層と、必要に応じて設けられる保護層等を有するものである。この、黒色および3原色の着色層を形成する際に、スリットダイコータ法により上述した着色層形成用塗工液を用いて製造すれば、表面平滑性が極めて良好な着色層を有するカラーフィルタとすることができる。
 本発明のカラーフィルタに用いられる透明基板に関しては、通常のカラーフィルタに用いられるものであれば特に限定されるものではない。また、その他、カラーフィルタに形成される透明電極等の他の部材に関しても、一般的なカラーフィルタに形成されているものであれば特に限定されるものではなく、用途等に応じて種々の部材が用いられる。
 なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
 以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
 下記の実施例1、実施例2および比較例に示す組成の着色層形成用塗工液を調整した。
 次いで、各塗工液を用い、基材サイズが550mm×650mm×0.7mmの無アルカリガラス(日電ガラスOA-10)を用い、また、定量ポンプとしてダイヤフラムポンプを使用した。また、塗布ギャップを120μmに設定し、スリット先端の吐出口の渡り方向の幅を520mmとした。
 ガラス基板端部より10mmの位置に口金先端の中央部を停止させ、クリアランスを40μmとし、定常塗工時と同じ0.01〜0.03L/minの吐出レートで塗料を0.7sec間吐出し、塗料ビードを形成した。
 次に、基板搬送速度を80mm/sec〜120mm/secに変化させ、吐出レートを0.01〜0.03L/minの間でウェット膜厚に対して任意に設定し、塗料吐出装置をZ軸方向に上昇させ、塗布ギャップが120μmとなる点で上昇を停止して定常塗工状態とした。
 さらに、塗工終了側の基板端部より10mmの位置にて、塗料の吐出を停止させ、同時に塗料吐出装置をZ軸方向に上昇させ塗工を終了した。
 得られた塗工基板を減圧乾燥機にて内圧が93Paを示すまで仮乾燥させた後、ホットプレートにて80℃で30分間焼成を行い塗膜を得た。
 下記に使用した各着色層形成用塗工液の組成について記す。
 [比較例]
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート:35.62重量部
・3−メトキシブチルアセタート:39.39重量部
・顔料:6.2重量部
 (ピグメントレッド254、ピグメントイエロー138)
・アルカリ可溶性アクリル系ポリマー:7.8重量部
 (平均分子量:10000,酸価:60)
・光重合性モノマー:5.2重量部
 (ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)
・光重合開始剤
 (2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプロパノン-1):2.3重量部
 (ジエチルアミノベンゾフェノン):0.2重量部
・顔料分散剤:3.1重量部
 (ビッグケミー株式会社製、Disperbyk161)
 [実施例1]
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート:29.33重量部
・3−メトキシブチルアセタート:33.00重量部
・アセトフェノン:17.77重量部
・顔料:5.0重量部
 (ピグメントレッド254、ピグメントイエロー138)
・アルカリ可溶性アクリル系ポリマー:6.2重量部
 (平均分子量:10000,酸価:60)
・光重合性モノマー:4.1重量部
 (ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)
・光重合開始剤
 (2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプロパノン-1):1.9重量部
 (ジエチルアミノベンゾフェノン):0.2重量部
・顔料分散剤:2.5重量部
 (ビッグケミー株式会社製、Disperbyk161)
 [実施例2]
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート:11.55重量部
・3−メトキシブチルアセタート:33.00重量部
・アセトフェノン:35.55重量部
・顔料:5.0重量部
 (ピグメントレッド254、ピグメントイエロー138)
・アルカリ可溶性アクリル系ポリマー:6.2重量部
 (平均分子量:10000,酸価:60)
・光重合性モノマー:4.1重量部
 (ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)
・光重合開始剤
 (2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モンフォリノプロパノン-1):1.9重量部
 (ジエチルアミノベンゾフェノン):0.2重量部
・顔料分散剤:2.5重量部
 (ビッグケミー株式会社製、Disperbyk161)
 上記、比較例、実施例1、および実施例2について実測固形分濃度、粘度および動的表面張力の値を下記表1に記載する。
Figure 2004070352
 塗工速度を上記範囲内で変化させた際の横スジムラの有無についての比較例、実施例1および実施例2における結果を、下記表2に記す。
Figure 2004070352
動的表面張力を測定する装置を示す概略正面図である。 動的粘度を測定する装置を示す概略斜視図である。 スリットダイコータ法による着色層の形成方法の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
 1 … スリット
 2 … スリットダイコート口金
 3 … 透明基板
 4 … 着色層

Claims (6)

  1.  カラーフィルタの着色層をスリットダイコータ法により形成するための着色層形成用塗工液であって、動的表面張力が表面寿命10msで、31mN/m〜50mN/mの範囲内にあることを特徴とする着色層形成用塗工液。
  2.  シェアレートが100S−1の際の動的粘度が、2.0mPa・s〜4.0mPa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の着色層形成用塗工液。
  3.  前記着色層形成用塗工液に用いられる溶剤の動的表面張力が表面寿命10msで、27mN/m〜50mN/mの範囲内にあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着色層形成用塗工液。
  4.  前記着色層が、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層、および遮光層を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の着色層形成用塗工液。
  5.  前記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の着色層形成用塗工液を用い、塗工速度が80〜500mm/secの範囲内でかつ塗布ギャップが120〜300μmの範囲内の条件下で、スリットダイコータ法により着色層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  6.  前記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の着色層形成用塗工液を用い、スリットダイコータ法により形成された着色層を有することを特徴とするカラーフィルタ。
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