JP2010271576A - 着色層用感光性樹脂組成物の製造方法、カラーフィルタの製造方法および着色層用感光性樹脂組成物 - Google Patents

着色層用感光性樹脂組成物の製造方法、カラーフィルタの製造方法および着色層用感光性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、着色層の厚み方向のレターデーションを制御することが可能な着色層用感光性樹脂組成物の製造方法、カラーフィルタの製造方法および着色層用感光性樹脂組成物を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、少なくとも着色剤を含有する着色層用感光性樹脂組成物の製造方法であって、上記着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した場合に上記着色層が有する厚み方向のレターデーションを制御するために、熱収縮率が所定の範囲内となるように、上記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製することを特徴とする着色層用感光性樹脂組成物の製造方法を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、着色層の厚み方向のレターデーションを制御することができる着色層用感光性樹脂組成物の製造方法、カラーフィルタの製造方法および着色層用感光性樹脂組成物に関するものである。
液晶表示装置は、その省電力、軽量、薄型等といった特徴を有することから、従来のCRTディスプレイに替わり、近年急速に普及している。一般的な液晶表示装置としては、図8に示すように、液晶セル101と、入射側の偏光板102Aと、出射側の偏光板102Bとを有するものを挙げることができる。偏光板102Aおよび102Bは、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。また、液晶セル101は画素に対応する多数のセルを含むものであり、偏光板102Aと102Bとの間に配置されている。
このような液晶表示装置は、液晶セルに用いられる液晶材料の配列形態により種々の駆動方式を用いたものが知られている。今日普及している液晶表示装置の主たるものは、ねじれネマチック方式(TN)、超ねじれネマチック方式(STN)、複数配向分割型垂直配向方式(MVA)、横型電界駆動方式(IPS)、および、OCB(Optically Compensated Bend)等に分類される。なかでも今日においては、MVAおよびIPSの駆動方式を有するものが広く普及するに至っている。
一方、液晶表示装置はその特有の問題点として、液晶セルや偏光板の屈折率異方性に起因する視野角依存性の問題点がある。この視野角依存性の問題は、液晶表示装置を正面から見た場合と斜め方向から見た場合とで視認される画像の色味やコントラストが変化してしまう問題である。このような視野角特性の問題は、近年の液晶表示装置の大画面化に伴って、さらにその問題の重大性を増している。
このような視野角依存性の問題を改善するため、現在までに様々な技術が開発されている。その代表的な方法として位相差フィルムを用いる方法がある。この位相差フィルムを用いる方法は、例えば、図9に示すように所定の光学特性を有する位相差フィルム103を、液晶セル101と偏光板102Aおよび102Bとの間に配置することにより、視野角依存性の問題を改善する方法である。このような方法は位相差フィルムを液晶表示装置に組み込むことのみで視野角依存性の問題点を改善できることから、簡便に視野角特性に優れた液晶表示装置を得ることが可能な方法として広く用いられるに至っている。
しかしながら、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタは、各色の着色層によって異なる位相差を有するため、上記の位相差フィルムを用いた場合、各色の着色層が有する位相差の差異は補償することができないという問題がある。具体的には、各色の着色層の厚み方向の位相差が異なる場合、斜め方向から見た場合に黒表示時に色付きが観察されるという問題がある。特に、高コントラストの液晶表示装置では、斜め方向から見た場合の黒表示時の色付きが顕著に現れる。このように視野角依存性の問題点を完全に解決することは困難であった。
なお、上記の説明は液晶表示装置に関するものであるが、例えば有機EL表示装置等に用いられるカラーフィルタや位相差層を有する表示装置においても、液晶表示装置と同様の問題が生じる。
上記問題を解決する方法としては、カラーフィルタの各色の着色層に応じて、それぞれ最適な位相差を有する位相差層を形成する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、各色の着色層上に位相差層を形成する必要があるため、工程が煩雑で、コストも高くなるという問題があった。
そこで、斜め方向から見た場合の黒表示時の色付きを抑制するために、各色の着色層の厚み方向の位相差の大小関係が規定されたカラーフィルタが提案されている(例えば特許文献2参照)。また、少なくとも1色の着色層を、リターデーション調整剤を含有する組成物を用いて形成し、各色の着色層の厚み方向の位相差を制御する方法も提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開2007−279448号公報 特開2008−152140号公報 特開2008−185984号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、着色層の厚み方向のレターデーションを制御することが可能な着色層用感光性樹脂組成物の製造方法、カラーフィルタの製造方法および着色層用感光性樹脂組成物を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも着色剤を含有する着色層用感光性樹脂組成物を製造する着色層用感光性樹脂組成物の製造方法であって、上記着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した場合に上記着色層が有する厚み方向のレターデーション(以下、Rthと称する場合がある。)を制御するために、熱収縮率が所定の範囲内となるように、上記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製することを特徴とする着色層用感光性樹脂組成物の製造方法を提供する。
着色層の形成過程においては、焼成時の膜の硬化収縮による応力により膜中の異方性分子に配向性が生じ、Rthが発生する。このため、熱収縮率を調整することで着色層のRthを制御することが可能となる。本発明においては、熱収縮率が所定の範囲内となるように着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製するので、本発明の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法により得られる着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した際には、所望のRthを有する着色層を得ることができる。
上記発明においては、上記着色層が有する厚み方向のレターデーションの絶対値(以下、|Rth|と称する場合がある。)を大きくするために、熱機械分析装置を用いて10gの荷重をかけながら室温から250℃まで昇温したときの特定熱収縮率が30%〜70%の範囲内となるように、上記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製することが好ましい。特定熱収縮率を比較的大きくすることにより、本発明の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法により得られる着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した際には、|Rth|の大きな着色層を得ることができる。
また本発明においては、上記着色層用感光性樹脂組成物がバインダーポリマーを含有し、上記バインダーポリマーが、重合性不飽和結合をもつモノマーユニットを5質量%〜30質量%の範囲内で含有することが好ましい。バインダーポリマー中の上記モノマーユニットの含有量を調整することにより、熱収縮率を調整することができるからである。具体的には、バインダーポリマーが上記モノマーユニットを上記範囲内で比較的多く含有することにより、本発明の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法により得られる着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した際には、|Rth|の大きな着色層を得ることができる。
さらに本発明においては、上記着色層用感光性樹脂組成物が、分子中に重合性不飽和結合を2つ以上もち、重量平均分子量Mwと官能基数nの比Mw/nとが200以下であるモノマーを、2質量%〜50質量%の範囲内で含有することが好ましい。このようなモノマーが含有されていることにより、硬化性を高めることができるからである。また、着色層用感光性樹脂組成物中の上記モノマーの含有量を調整することにより、熱収縮率を調整することができるからである。具体的には、着色層用感光性樹脂組成物が上記モノマーを上記範囲内で比較的多く含有することにより、本発明の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法により得られる着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した際には、|Rth|の大きな着色層を得ることができる。
また本発明においては、上記着色層用感光性樹脂組成物が、光重合開始剤を0.5質量%〜20質量%の範囲内で含有することが好ましい。着色層用感光性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量を調整することにより、熱収縮率を調整することができるからである。着色層用感光性樹脂組成物が光重合開始剤を上記範囲内で比較的多く含有することにより、本発明の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法により得られる着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した際には、|Rth|の大きな着色層を得ることができる。
また本発明は、透明基板上に着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を形成し、パターン露光し、現像し、焼成して、着色層を形成する着色層形成工程を有するカラーフィルタの製造方法であって、上記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製して焼成時の熱収縮率を調整することにより、上記着色層が有するRthを制御することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明においては、着色層のRthを制御することができるため、高品位なカラーフィルタを製造することができる。
上記発明においては、上記着色層が有する|Rth|を大きくするために、熱機械分析装置を用いて10gの荷重をかけながら室温から250℃まで昇温したときの特定熱収縮率を30%〜70%の範囲内となるように、上記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製することが好ましい。特定熱収縮率を比較的大きくすることにより、着色層が有する|Rth|を大きくすることができる。
また本発明においては、上記着色層用感光性樹脂組成物がバインダーポリマーを含有し、上記バインダーポリマーが、重合性不飽和結合をもつモノマーユニットを5質量%〜30質量%の範囲内で含有することが好ましい。バインダーポリマー中の上記モノマーユニットの含有量を調整することにより、熱収縮率を調整することができるからである。具体的には、バインダーポリマーが上記モノマーユニットを上記範囲内で比較的多く含有することにより、着色層が有する|Rth|を大きくすることができる。
さらに本発明においては、上記着色層用感光性樹脂組成物が、分子中に重合性不飽和結合を2つ以上もち、重量平均分子量Mwと官能基数nの比Mw/nとが200以下であるモノマーを、2質量%〜50質量%の範囲内で含有することが好ましい。このようなモノマーを所定量含有する着色層用感光性樹脂組成物を用いることにより、着色層の硬化性を高めることができるからである。また、着色層用感光性樹脂組成物中の上記モノマーの含有量を調整することにより、熱収縮率を調整することができるからである。具体的には、着色層用感光性樹脂組成物が上記モノマーを上記範囲内で比較的多く含有することにより、着色層が有する|Rth|を大きくすることができる。
また本発明においては、上記着色層用感光性樹脂組成物が、光重合開始剤を0.5質量%〜20質量%の範囲内で含有することが好ましい。着色層用感光性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量を調整することにより、熱収縮率を調整することができるからである。具体的には、着色層用感光性樹脂組成物が光重合開始剤を上記範囲内で比較的多く含有することにより、着色層が有する|Rth|を大きくすることができる。
さらに本発明は、少なくとも着色剤を含有する着色層用感光性樹脂組成物であって、上記着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を、熱機械分析装置を用いて10gの荷重をかけながら室温から250℃まで昇温したときの特定熱収縮率が50%〜70%の範囲内であることを特徴とする着色層用感光性樹脂組成物を提供する。
本発明の着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した際には、|Rth|の大きな着色層を得ることが可能である。
また本発明の着色層用感光性樹脂組成物は、上記着色層用感光性樹脂組成物が重合性不飽和結合をもつモノマーユニットを5質量%〜30質量%の範囲内で含有するバインダーポリマーを含有することが好ましい。バインダーポリマー中の上記モノマーユニットの含有量を調整することにより、特定熱収縮率を調整することができるからである。具体的には、バインダーポリマーが上記モノマーユニットを上記範囲内で比較的多く含有することにより、本発明の着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した際には、|Rth|の大きな着色層を得ることができる。
さらに本発明の着色層用感光性樹脂組成物は、分子中に重合性不飽和結合を2つ以上もち、重量平均分子量Mwと官能基数nの比Mw/nとが200以下であるモノマーを、2質量%〜50質量%の範囲内で含有することが好ましい。このようなモノマーが含有されていることにより、硬化性を高めることができるからである。また、着色層用感光性樹脂組成物中の上記モノマーの含有量を調整することにより、特定熱収縮率を調整することができるからである。具体的には、着色層用感光性樹脂組成物が上記モノマーを上記範囲内で比較的多く含有することにより、本発明の着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した際には、|Rth|の大きな着色層を得ることができる。
また本発明の着色層用感光性樹脂組成物は、光重合開始剤を0.5質量%〜20質量%の範囲内で含有することが好ましい。着色層用感光性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量を調整することにより、特定熱収縮率を調整することができるからである。具体的には、着色層用感光性樹脂組成物が光重合開始剤を上記範囲内で比較的多く含有することにより、本発明の着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した際には、|Rth|の大きな着色層を得ることができる。
本発明においては、着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製し、熱収縮率を調整することで、着色層が有するRthを制御することができるので、本発明により製造されたカラーフィルタを用いた表示装置では、斜め方向から観察した場合でも黒表示時の色付きが抑制され良好な表示を行うことができる、さらには斜め方向から観察したときのコントラストを向上させることができるという効果を奏する。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタにおける各色の着色層が有するRthの分布の一例を示すグラフである。 本発明のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタにおける各色の着色層が有するRthの分布の他の例を示すグラフである。 本発明のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタにおける各色の着色層が有するRthの分布の他の例を示すグラフである。 本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタにおける各色の着色層が有するRthの分布の他の例を示すグラフである。 本発明のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタにおける各色の着色層が有するRthの分布の他の例を示すグラフである。 一般的な液晶表示装置の一例を示す概略図である。 位相差フィルムを有する液晶表示装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法、カラーフィルタの製造方法および着色層用感光性樹脂組成物について詳細に説明する。
A.着色層用感光性樹脂組成物の製造方法
まず、本発明の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法は、少なくとも着色剤を含有する着色層用感光性樹脂組成物を製造する着色層用感光性樹脂組成物の製造方法であって、上記着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した場合に上記着色層が有するRthを制御するために、熱収縮率が所定の範囲内となるように、上記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製することを特徴とするものである。
着色層は、例えば、透明基板上に着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を形成し、パターン露光し、現像し、焼成することにより形成されるものであり、このような着色層を形成する過程において、温度変化によって膜が膨張したり収縮したりする。このような着色層を形成する過程での温度変化による膜の膨張・収縮の度合いによって、膜の内部応力が変化する。そして、膜の内部応力が変化することで、膜の異方性が変化し、着色層が有するRthも変化する。
そこで、本発明者らは、熱収縮率に着目した。この熱収縮率は、着色層用感光性樹脂組成物の組成によって調整することができる。熱収縮率が異なる値となるように種々の着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製し、これらの着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成し、着色層のRthを測定したところ、熱収縮率が大きいものほど、着色層の|Rth|(Rthの絶対値)が大きくなることを見出した。すなわち、着色層のRthは、熱収縮率を調整することによって制御することができ、具体的には、着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製して熱収縮率を調整することで制御することができることを見出したのである。
熱収縮率によって着色層のRthが変化する理由については明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、熱収縮率が大きいとは、着色層を形成する過程での温度変化による膜の膨張・収縮の度合いが大きいといえ、熱収縮率が大きくなるほど膜の内部応力が大きくなるためと思料される。
このように本発明においては、着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製して熱収縮率を調整することによって着色層のRthを制御することができる。例えば、着色層の|Rth|が所望の値よりも小さい場合には、着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製して熱収縮率を大きくすることにより、着色層の|Rth|を大きくすることができる。一方、着色層の|Rth|が所望の値よりも大きい場合には、着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製して熱収縮率を小さくすることにより、着色層の|Rth|を小さくすることができる。
したがって、着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製して熱収縮率を調整することによって着色層が有するRthを制御することができるので、本発明の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法により得られる着色層用感光性樹脂組成物を用いることにより、表示装置に適用した際には斜め方向から観察した場合でも黒表示時の色付きが抑制され良好な表示を行うことが可能なカラーフィルタを得ることができる。さらには、斜め方向から観察したときのコントラストを向上させることも可能なカラーフィルタを得ることができる。
なお、本発明において、着色層が有するRthは、着色層の面内における進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nx、および、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nyと、厚み方向の屈折率Nzと、着色層の厚みd(nm)とにより、
Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
の式で表される値である。
着色層が有するRthは、位相差測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて測定された値とする。赤色、緑色、青色の3色の着色層の場合には、620nm(赤色着色層想定)、550nm(緑色着色層想定)、および450nm(青色着色層想定)の3波長について測定された値を用いるものとする。
以下、本発明の着色層感光性樹脂組成物の製造方法における熱収縮率、着色層感光性樹脂組成物の組成、および着色層感光性樹脂組成物の組成の調製方法について説明する。
1.熱収縮率
本発明においては、着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した場合に着色層が有するRthを制御するために、熱収縮率が所定の範囲内となるように、着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製する。
熱収縮率としては、特に限定されるものではなく、目的とする着色層のRthに応じて適宜調整される。具体的に、着色層の|Rth|を大きくしたい場合には、熱収縮率を大きくすればよい。一方、着色層の|Rth|を小さくしたい場合には、熱収縮率を小さくすればよい。
熱収縮率とは、着色層用感光性樹脂組成物からなる膜の焼成時の熱収縮率であり、好ましくは着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を露光し、焼成した場合の露光後の膜の焼成時の熱収縮率であり、さらに好ましくは着色層用感光性樹脂組成物からなる膜をパターン露光し、現像し、焼成した場合の現像後の膜の焼成時の熱収縮率である。すなわち、熱収縮率は、着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成する場合における着色層の形成条件に従って、着色層用感光性樹脂組成物からなる膜をパターン露光、現像、焼成した場合の現像後の膜の焼成時の熱収縮率であることが好ましい。
中でも、熱機械分析装置を用いて10gの荷重をかけながら室温から250℃まで昇温したときの特定熱収縮率が10%〜70%の範囲内となるように、着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製することが好ましい。具体的に、着色層の|Rth|を大きくしたい場合、特定熱収縮率は30%以上70%以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは35%以上70%以下の範囲内であり、さらに好ましくは40%以上70%以下の範囲内である。一方、着色層の|Rth|を小さくしたい場合、特定熱収縮率は10%以上30%未満の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10%以上25%以下の範囲内であり、さらに好ましくは10%以上20%以下の範囲内である。
なお、本発明において、特定熱収縮率(Y)は、収縮長(Da)および収縮前の膜厚(Db)により、
Y=Da/Db×100
の式で表される値である。また、収縮長(Da)は、熱機械分析装置(島津製作所製 TMA−60)を用いて、着色層用樹脂組成物からなる膜に対して10gの荷重をかけた状態で、昇温速度10℃/minで、室温から250℃まで昇温したときの膜厚変化分として計測される値である。
収縮長(Da)は、着色層用感光性樹脂組成物からなる膜について計測したものであればよいが、中でも、露光後の着色層用感光性樹脂組成物からなる膜、特に、パターン露光および現像後の着色層用感光性樹脂組成物からなる膜について計測したものであることが好ましい。すなわち、収縮長(Da)は、着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成する場合における着色層の形成条件に従って、着色層用感光性樹脂組成物からなる膜をパターン露光、現像した後の膜について計測したものであることが好ましい。
2.着色層用感光性樹脂組成物の組成
本発明における着色層用感光性樹脂組成物は、少なくとも着色剤を含有し、通常、バインダーポリマーと、モノマーと、光重合開始剤と、溶剤とをさらに含有するものである。
以下、着色層用感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
(1)着色剤
着色剤としては、顔料や染料等が用いられる。
赤色着色層用感光性樹脂組成に用いられる着色剤としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色着色層用感光性樹脂組成に用いられる着色剤としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色層用感光性樹脂組成に用いられる着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
(2)バインダーポリマー
バインダーポリマーとしては、一般的な着色層用感光性樹脂組成物に用いられるものを適用することができる。
バインダーポリマーは、重合性不飽和結合をもつモノマーユニットを含有することが好ましい。本発明においては、バインダーポリマー中の重合性不飽和結合をもつモノマーユニットの含有量を調整することにより、熱収縮率を調整することができるからである。例えば、バインダーポリマー中の上記モノマーユニットの含有量が多い場合には、熱収縮率が大きくなり、着色層の|Rth|も大きくなる傾向がある。一方、バインダーポリマー中の上記モノマーユニットの含有量が少ない場合には、熱収縮率が小さくなり、着色層の|Rth|も小さくなる傾向がある。
バインダーポリマー中の上記モノマーユニットの含有量は、5質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましい。具体的に、着色層の|Rth|を大きくしたい場合、バインダーポリマー中の上記モノマーユニットの含有量は15質量%〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは20質量%〜30質量%の範囲内、さらに好ましくは25質量%〜30質量%の範囲内である。一方、着色層の|Rth|を小さくしたい場合、バインダーポリマー中の上記モノマーユニットの含有量は5質量%〜14質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは5質量%〜10質量%の範囲内、さらに好ましくは5質量%〜7質量%の範囲内である。
バインダーポリマーの分子量としては、特に限定されるものではない。
着色層用感光性樹脂組成物中のバインダーポリマーの含有量としては、0質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
(3)モノマー
モノマーとしては、一般的な着色層用感光性樹脂組成物に用いられるものを適用することができる。
中でも、モノマーは、分子中に重合性不飽和結合を2つ以上もつものであることが好ましい。このようなモノマーを用いることにより、十分な架橋密度を得ることができ十分な硬化性を得ることができるからである。
また、モノマーは、分子量MWと官能基数nとの比MW/nが200以下であることが好ましい。このようなモノマーを用いることにより、十分な架橋密度を得ることができ十分な硬化性を得ることができるからである。モノマーの分子量MWは、上記MW/nが所定の範囲であれば特に限定されるものではない。また、モノマーの官能基数は、上記MW/nが所定の範囲であれば特に限定されないが、中でも、1〜10の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1〜6の範囲内、さらに好ましくは3〜6の範囲内である。
本発明においては、着色層用感光性樹脂組成物中のモノマーの含有量を調整することにより、熱収縮率を調整することができる。例えば、着色層用感光性樹脂組成物中のモノマーの含有量が多い場合には、熱収縮率が大きくなり、着色層の|Rth|も大きくなる傾向がある。一方、着色層用感光性樹脂組成物中のモノマーの含有量が少ない場合には、熱収縮率が小さくなり、着色層の|Rth|も小さくなる傾向がある。
着色層用感光性樹脂組成物中のモノマーの含有量としては、2質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。具体的に、着色層の|Rth|を大きくしたい場合、着色層用感光性樹脂組成物中の上記モノマーの含有量は10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは12質量%以上50質量%以下の範囲内、さらに好ましくは14質量%〜50質量%の範囲内である。一方、着色層の|Rth|を小さくしたい場合、着色層用感光性樹脂組成物中の上記モノマーの含有量は2質量%以上10質量%未満の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2質量%以上9質量%以下の範囲内、さらに好ましくは2質量%以上8質量%以下の範囲内である。
(4)光重合開始剤
着色層用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤としては、一般的な着色層用感光性樹脂組成物に用いられるものを適用することができる。
本発明においては、着色層用感光性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量を調整することにより、熱収縮率を調整することができる。例えば、着色層用感光性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量が多い場合には、熱収縮率が大きくなり、着色層の|Rth|も大きくなる傾向がある。一方、着色層用感光性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量が少ない場合には、熱収縮率が小さくなり、着色層の|Rth|も小さくなる傾向がある。
着色層用感光性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量としては、0.5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。具体的に、着色層の|Rth|を大きくしたい場合、着色層用感光性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量は5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは6.5質量%以上20質量%以下の範囲内、さらに好ましくは8質量%以上20質量%以下の範囲内である。一方、着色層の|Rth|を小さくしたい場合、着色層用感光性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有量は0.5質量%以上5質量%未満の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上3質量%以下の範囲内、さらに好ましくは0.5質量%以上2質量%以下の範囲内である。
(5)溶剤
着色層用感光性樹脂組成物は、溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、一般的な着色層用感光性樹脂組成物に用いられるものを適用することができる。
(6)その他の成分
着色層用感光性樹脂組成物は、必要に応じて、連鎖移動剤、増感剤、酸化防止剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有していてもよい。
3.着色層用感光性樹脂組成物の組成の調製方法
本発明においては、着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した場合に着色層が有するRthを制御するために、熱収縮率が所定の範囲内となるように、着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製する。
着色層用感光性樹脂組成物の組成は、熱収縮率が所定の範囲内となるように調製できればよく、具体的には、所望の着色層のRthが得られる所定の熱収縮率となるように調製できればよい。
具体的に、本発明においては、モノマーの構造(重合性不飽和結合、官能基等)を適宜調整することにより、熱収縮率を調整することができる。例えば、モノマー中の重合性不飽和結合の数が多い場合には、熱収縮率が大きくなる傾向がある。一方、モノマー中の重合性不飽和結合の数が少ない場合には、熱収縮率が小さくなる傾向がある。
さらに本発明においては、モノマーの含有量、バインダーポリマーの含有量、モノマーおよびバインダーポリマーの配合比を適宜調整することにより、熱収縮率を調整することもできる。例えば、バインダーポリマーに対するモノマーの配合比(モノマー/バインダーポリマー)が多くなると、熱収縮率が大きくなる傾向がある。
また本発明においては、光重合開始剤、増感剤、酸化防止剤などの含有量を適宜調整することにより、熱収縮率を調整することもできる。
B.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明基板上に着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を形成し、パターン露光し、現像し、焼成して、着色層を形成する着色層形成工程を有するカラーフィルタの製造方法であって、上記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製して焼成時の熱収縮率を調整することにより、上記着色層が有するRthを制御することを特徴とするものである。
本発明においては、上述したように、色層用感光性樹脂組成物の組成を調製して焼成時の熱収縮率を調整することによって着色層のRthを制御することができる。したがって、本発明より製造されたカラーフィルタを用いた表示装置では、斜め方向から観察した場合でも黒表示時の色付きが抑制され良好な表示を行うことが可能である。さらには、斜め方向から観察したときのコントラストを向上させることも可能である。
カラーフィルタを表示装置に用いる場合、表示装置がカラーフィルタを有さない状態(以下、カラーフィルタ未装着表示装置と称する場合がある。)では、その構成により、カラーフィルタ未装着表示装置が波長依存性を示す場合がある。波長依存性としては、例えば、短波長側のRthが長波長側のRthよりも小さくなる逆分散型の波長依存性や、短波長側のRthが長波長側のRthよりも大きくなる正分散型の波長依存性が挙げられる。また、カラーフィルタ未装着表示装置のRthが波長依存性を有さないフラット型の場合もある。さらに、カラーフィルタ未装着表示装置が、正分散型の波長依存性を示す部材と、逆分散型の波長依存性を示す部材とを備える場合には、カラーフィルタ未装着表示装置全体としての波長依存性が放射線状になる場合もある。
例えば、カラーフィルタ未装着表示装置が逆分散型の波長依存性を示す場合は、短波長側のRthが長波長側のRthよりも小さくなるので、短波長側の色の着色層のRthが長波長側の色の着色層のRthよりも大きくなるように各色の着色層のRthを制御することにより、カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺することができる。
図1は、赤色、緑色、青色の3色の着色層のRthの分布の一例を示すグラフであり、各色の着色層のRthと、逆分散型の波長依存性を示すカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される場合について示している。図1に示す例において、カラーフィルタ未装着表示装置は、赤色光領域で+30nm、緑色光領域で+25nm、青色光領域で+20nmのRthを有している。この場合、カラーフィルタにおいては、赤色着色層(R)のRthが−30nm、緑色着色層(G)のRthが−25nm、青色着色層(B)のRthが−20nmとなるように各色の着色層のRthを制御することにより、カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺することができる。すなわち、この場合には、赤色着色層(R)のRthが−30nm、緑色着色層(G)のRthが−25nm、青色着色層(B)のRthが−20nmとなるように、着色層形成工程にて各色の着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を焼成したときの膜の収縮率を調整する。
また例えば、カラーフィルタ未装着表示装置が正分散型の波長依存性を示す場合は、短波長側のRthが長波長側のRthよりも大きくなるので、短波長側の色の着色層のRthが長波長側の色の着色層のRthよりも小さくなるように各色の着色層のRthを制御することにより、カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺することができる。
図2は、赤色、緑色、青色の3色の着色層のRthの分布の他の例を示すグラフであり、各色の着色層のRthと、正分散型の波長依存性を示すカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される場合について示している。図2に示す例において、カラーフィルタ未装着表示装置は、赤色光領域で+20nm、緑色光領域で+23nm、青色光領域で+30nmのRthを有している。この場合、カラーフィルタにおいては、赤色着色層(R)のRthが−20nm、緑色着色層(G)のRthが−23nm、青色着色層(B)のRthが−30nmとなるように各色の着色層のRthを制御することにより、カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺することができる。すなわち、この場合には、赤色着色層(R)のRthが−20nm、緑色着色層(G)のRthが−23nm、青色着色層(B)のRthが−30nmとなるように、着色層形成工程にて各色の着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を焼成したときの膜の収縮率を調整する。
さらに例えば、カラーフィルタ未装着表示装置が波長依存性を有さないフラット型の場合は、Rthは一定となるので、各色の着色層が有するRthが均一になるように制御することにより、カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺することができる。
図3は、赤色、緑色、青色の3色の着色層のRthの分布の他の例を示すグラフであり、各色の着色層のRthと、波長依存性を示さないフラット型のカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される場合について示している。図3に示す例においては、カラーフィルタ未装着表示装置は波長分散性を示さず、赤色光領域、緑色光領域、および青色光領域で+30nmのRthを有している。この場合、カラーフィルタにおいては、赤色着色層(R)のRth、緑色着色層(G)のRth、および青色着色層(B)のRthがそれぞれ−30nmとなるように各色の着色層のRthを制御することにより、カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺することができる。すなわち、この場合には、赤色着色層(R)のRth、緑色着色層(G)のRth、および青色着色層(B)のRthがそれぞれ−30nmとなるように、着色層形成工程にて各色の着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を焼成したときの膜の収縮率を調整する。
このようにカラーフィルタのRthとカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される場合には、斜め方向から観察したときのコントラストを向上させることができる。カラーフィルタのRthとカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されることにより、カラーフィルタを用いた表示装置全体の|Rth|を小さなものとすることができるため、漏れ光の強度を小さくすることができ、斜め方向から観察したときのコントラストを向上させることができるのである。
本発明のカラーフィルタの製造方法について図面を参照しながら説明する。
図4(a)〜(f)および図5(a)〜(f)は、本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
まず、遮光部2が形成された透明基板1上に赤色着色層用感光性樹脂組成物を塗布し、赤色着色層用感光性樹脂組成物からなる赤色着色層用膜3Rを形成する(図4(a))。次いで、赤色着色層用膜3Rにマスク11を介して光12を照射してパターン露光を行い(図4(b))、現像する(図4(c))。続いて、赤色着色層用膜3Rを焼成し、赤色着色層13Rを形成する(図4(d))。
次に、透明基板1上に緑色着色層用感光性樹脂組成物を塗布し、緑色着色層用感光性樹脂組成物からなる緑色着色層用膜3Gを形成する(図4(e))。次いで、緑色着色層用膜3Gにマスク11を介して光12を照射してパターン露光を行い(図4(f))、現像する(図5(a))。続いて、緑色着色層用膜3Gを焼成し、緑色着色層13Gを形成する(図5(b))。
次に、透明基板1上に青色着色層用感光性樹脂組成物を塗布し、青色着色層用感光性樹脂組成物からなる青色着色層用膜3Bを形成する(図5(c))。次いで、青色着色層用膜3Bにマスク11を介して光12を照射してパターン露光を行い(図5(d))、現像する(図5(e))。続いて、青色着色層用膜3Bを焼成し、青色着色層13Bを形成する(図5(f))。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法における着色層が有するRthおよび着色層形成工程について説明する。
1.着色層が有するRth
本発明において、目的とする着色層のRthは特に限定されるものではなく、例えば、カラーフィルタを表示装置に用いた場合に、カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、各色の着色層が有するRthを制御してもよく、また各色の着色層が有するRthが均一となるように、各色の着色層が有するRthを制御してもよい。
カラーフィルタのRthとカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される場合には、上述したように、斜め方向から観察したときのコントラストを向上させることができる。カラーフィルタのRthとカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されることにより、カラーフィルタを用いた表示装置全体の|Rth|を小さなものとすることができるため、漏れ光の強度を小さくすることができ、斜め方向から観察したときのコントラストを向上させることができるのである。
なお、「カラーフィルタ未装着表示装置のRth」とは、表示装置にカラーフィルタが装着されていない状態の表示装置自体のRthを指す。このようなRthは、例えば表示装置に用いられるカラーフィルタ以外の構成について、それぞれRthを測定し、シミュレーションにより求めることができる。
表示装置に用いられるカラーフィルタ以外の構成のRthは、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて、620nm(赤色着色層想定)、550nm(緑色着色層想定)、および450nm(青色着色層想定)の3波長について測定された値を用いるものとする。
また、「カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される」とは、カラーフィルタを表示装置に用いた場合に、斜め方向から観察した場合であっても色味を帯びた黒表示とならない程度に、かつ、斜め方向から観察した場合にコントラストを向上させることができる程度に、各色の着色層が有するRthと各色の着色層に対応する波長領域におけるカラーフィルタ未装着表示装置のRthとの差の絶対値がゼロに近い値となることを指す。具体的には、上記Rthの差の絶対値が、5nm以下、好ましくは3nm以下、特に好ましくは1nm以下の場合を示すこととする。
一方、各色の着色層が有するRthが均一となる場合には、カラーフィルタを用いた表示装置においては、斜め方向から黒表示を観察した場合でも、特定の波長における漏れ光が生じないため、色付きのない良好な黒表示を行うことができる。
なお、「各色の着色層が有するRthが均一となる」とは、カラーフィルタを表示装置に用いた場合に、黒表示時に斜め方向から観察した場合であっても、色味を帯びた黒表示が観察されない程度に、各色の着色層が有するRthが揃うことをいう。具体的には、各色の着色層が有するRthの最大値と最小値の差の絶対値が、5nm以下、好ましくは3nm以下、特に好ましくは1nm以下の場合を示すこととする。
各色の着色層が有するRthの符号は、各色の着色層が有するRthが均一であれば、すべてが正であってもよく負であってもよく、また正負が混在していてもよい。例えば、図6においては、3色(R,G,B)の着色層が有するRthはすべて負の値を示し、各色の着色層が有するRthが均一となっており、図7においては、赤色(R)および緑色(G)の着色層が有するRthは負の値を示し、青色(B)の着色層が有するRthは正の値を示し、各色の着色層が有するRthが均一となっている。
本発明においては、着色層のRthを制御するために、着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製して焼成時の熱収縮率を調整することが好ましい。例えば、着色層用感光性樹脂組成物に含まれるバインダーポリマーやモノマーを適宜選択したり、バインダーポリマーやモノマー、さらには光重合開始剤、増感剤、酸化防止剤の含有量を適宜調整したりすることにより、熱収縮率を調整することができる。すなわち、複数色の着色層を形成する場合には、各色の着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製し、具体的には各色の着色層用感光性樹脂組成物組成に含まれるバインダーポリマーやモノマーの種類や含有量、さらには光重合開始剤、増感剤、酸化防止剤の含有量を異ならせることにより、熱収縮率を調整し、色に応じて適したRthを有する着色層を得ることができる。
なお、着色層用感光性樹脂組成物については、上記「A.着色層用感光性樹脂組成物の製造方法」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
2.着色層形成工程
本発明における着色層形成工程は、透明基板上に着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を形成し、パターン露光し、現像し、焼成して、着色層を形成する工程である。
着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を形成する方法、パターン露光方法、現像方法、および焼成方法については、一般的な着色層の形成と同様とすることができる。
着色層用感光性樹脂組成物としては、通常、赤色、緑色および青色の3色の着色層用感光性樹脂組成物が用いられる。
着色層の膜厚としては、着色層の色に応じて異なるものではあるが、具体的には1μm〜5μmの範囲内で設定することができる。
各色の着色層は、画素に対応して規則的に配列される。着色層の配列としては、各色の着色層が巨視的に見て平均的に配列されていれば特に限定されるものではなく、例えばストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が挙げられる。
本発明に用いられる透明基板は、着色層、および必要に応じて遮光部を形成可能であり、可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではない。
本発明においては、透明基板がRthを有さないものであることがより好ましい。このような透明基板としては、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものとすることができる。
具体的には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等が挙げられる。
3.その他の工程
本発明のカラーフィルタの製造方法は、着色層形成工程以外に、他の部材を形成する工程を有することができる。例えば、複数色の着色層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程や、透明基板上に画素を画定する遮光部を形成する遮光部形成工程などが挙げられる。
4.カラーフィルタの用途
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタは、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ等に用いられるものである。中でも、液晶表示装置に好適に用いられる。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタを表示装置に用いた場合、表示装置においては、白表示状態とした際の輝度をTon、黒表示状態とした際の輝度をToffとしたとき、Ton/Toffの比で表わされるコントラストが500以上、中でも800以上、特に1000以上であることが好ましい。コントラストが上記範囲に満たない場合、コントラストが低く、表示品位が損なわれる可能性があるからである。
C.着色層用感光性樹脂組成物
次に、本発明の着色層用感光性樹脂組成物について説明する。
本発明の着色層用感光性樹脂組成物は、少なくとも着色剤を含有する着色層用感光性樹脂組成物であって、熱機械分析装置を用いて10gの荷重をかけながら室温から250℃まで昇温したときの特定熱収縮率が50%〜70%の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明の着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した際には、|Rth|の大きな着色層を得ることが可能である。
なお、着色層用感光性樹脂組成物については、上記「A.着色層用感光性樹脂組成物の製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
<着色層用感光性樹脂組成物の調製>
まず、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の顔料分散液を下記の組成で調製した。
(赤色(R)顔料分散液)
・赤顔料(C.I.PR254(チバスペシャリティケミカルズ社製、クロモフタールDPP Red BP))…24重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))…6重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…20重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…50重量部
(緑色(G)顔料分散液)
・緑顔料(C.I.PG58(大日本インキ化学工業株式会社製))…17.5重量部
・黄顔料(C.I.PY139(BASF社製、パリオトールイエローD1819))…11.5重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…21重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…50重量部
(青色(B)顔料分散液)
・青顔料(C.I.PB15:6(BASF社製、ヘリオゲンブルーL6700F))…24重量部
・紫顔料(C.I.PV23(クラリアント社製、フォスタパームRL−NF))…6重量部
・分散剤(ゼネカ(株)製、ソルスパース24000)…20重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)…50重量部
続いて、各色着色層用感光性樹脂組成物を下記の組成で調製した。各色着色層用感光性樹脂組成物は、表1に示す組成(重量比)の混合物を均一に撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過することで得た。
Figure 2010271576
なお、表中のポリマーAは、アクリル酸メチル:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=55.0:30.0:15.0(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを15.0モル%付加したものであり、重量平均分子量は22000である。ポリマーBは、アクリル酸メチル:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=50.0:25.0:30.0(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを30.0モル%付加したものであり、重量平均分子量は22000である。また、表中のモノマーとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの二塩基酸無水物とジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとからなり、それらを質量比3:7の割合で含む混合物(TO1382 東亞合成(株)製)を用いた。光重合開始剤としては、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(イルガギュア907 チバスペシャリティケミカルズ社製)を用い、増感剤としては、2,4−ジエチルチオキサントン(Chemcure JETX サンケミカル社製)、酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス1010 チバスペシャリティケミカルズ社製)を用いた。
<熱収縮率の測定>
表1に示した各色着色層用感光性樹脂組成物をそれぞれスピンコート法によりガラス基板に塗工した後、ホットプレート上で80℃で3分間プリベークした。次いで、着色層用感光性樹脂組成物からなる膜が形成された基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、紫外線を露光した。その後、上記膜をアルカリ現像し、乾燥した。乾燥後の膜の厚みは2.0μmとした。乾燥後の膜について、上述の熱収縮率の測定方法により熱収縮率を測定した。結果を表2に示す。
<着色層のRthの測定>
表1に示した各色着色層用感光性樹脂組成物をそれぞれスピンコート法によりガラス基板に塗工した後、ホットプレート上で80℃で3分間プリベークした。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、紫外線を露光した。その後、この基板をアルカリ現像し、乾燥した後、オーブン中で230℃で30分間ポストベークを行い、各色着色層を得た。乾燥後の膜の厚みはいずれも2.0μmであった。得られた着色層について、上述のRthの測定方法によりRthを測定した。結果を表2に示す。
Figure 2010271576
[参考例]
前処理により洗浄したガラス基板上面に、BM用フォトレジストをスピンコーター(MIKASA製、形式1H-DX2)により塗布し、90℃、3分間の条件でプリベークし、所定のパターンに形成されたマスクを用いてプロキシミティアライナにより紫外線を75mJ/cmの強度(2kW超高圧水銀ランプUSH-2004TO、405nm照度換算)で照射した。続いて0.05%KOH水溶液を溶剤型感材用現像装置(芝浦工業(株)製、VFJ0004)にて60秒間散布して現像した。現像後、塗膜をクリーンオーブン(忍足研究所(株)製、SCOV-250 Hy-So)により、230℃で30分間ポストベークを行い、線幅6μmのBMを有するBM基板を作製した。
続いて、赤色着色層用感光性樹脂組成物(RR-1)を、スピンコーター(MIKASA製、形式1H-DX2)により塗布し、乾燥し、塗膜を形成した。この塗膜をホットプレート上で100℃、3分間プリベークした。所定のパターンを形成できるように設計されたマスクを用いてプロキシミティアライナにより紫外線を75mJ/cmの強度(2kW超高圧水銀ランプUSH-2004TO、405nm照度換算)で照射した。次いで、塗膜が形成された基板上に、0.05%KOH水溶液を溶剤型感材用現像装置(芝浦工業(株)製、VFJ0004)にて60秒間散布して、現像した。現像後、塗膜をクリーンオーブン(忍足研究所(株)製、SCOV-250 Hy-So)により、230℃で30分間ポストベークを行った。このようにして、赤色着色層を形成した。
次に、緑色着色層用感光性樹脂組成物(GR-1)を使用し、同様に緑色着色層を形成した。さらに、青色着色層用感光性樹脂組成物(BR-1)を使用し、青色着色層を形成した。これにより、カラーフィルタを得た。各色着色層の膜厚はいずれも2.0μmであった。
カラーフィルタの上面に酸化インジウムスズ(ITO)からなる透明共通電極を形成した。
一方、ガラス基板上に所定の複数の箇所に薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、各TFTのドレイン電極に接続するように透明画素電極を酸化インジウムスズ(ITO)により形成して対向電極基板を作製した。
次に、上記透明共通電極面と透明画素電極面それぞれを覆うように垂直配向膜溶液(JALS−20210−R2)をγ−ブチロラクトンで50%に希釈した溶液を塗布し、乾燥して、配向膜(厚み0.07μm)を形成した。次いで、これらの配向膜が向かい合うようにして両基板を対向させ、両基板間をシール部材で封止し、封止された空間に液晶(メルクジャパン社製MLC−6608)を注入し、注入口を封止して、液晶表示装置を作製した。
[実施例2]
赤色着色層用感光性樹脂組成物を(RR-1)から(RR-2)に変更し、緑色着色層用感光性樹脂組成物を(GR-1)から(GR-2)に変更し、青色着色層用感光性樹脂組成物を(BR-1)から(BR-2)に変更したこと以外は、参考例と同様にして、カラーフィルタおよび液晶表示装置を作製した。
[実施例3]
赤色着色層用感光性樹脂組成物を(RR-1)から(RR-3)に変更し、緑色着色層用感光性樹脂組成物を(GR-1)から(GR-3)に変更し、青色着色層用感光性樹脂組成物を(BR-1)から(BR-3)に変更したこと以外は、参考例と同様にして、カラーフィルタおよび液晶表示装置を作製した。
[評価]
参考例および実施例2,3の液晶表示装置を黒表示させ、液晶パネルの法線方向から45°傾けた方位(斜め)より漏れてくる光の量を目視観察した。評価結果を表3に示す。なお、評価基準は、下記の通りである。
×…斜め方向から観察した場合、黒表示時の色つき、およびコントラスト低下を観測。黒表示時、斜め方向から見たときに色つきを視認、さらに斜め方向のコントラスト低下。
△…斜め方向から観察した場合でも黒表示時の色つきが観測。
○…斜め方向から観察した場合でも黒表示時の良好な表示を観測。
Figure 2010271576
実施例3に示すように、各色の着色層用感光性樹脂組成物の熱収縮率を調整することで、着色層のRthを制御することができ、斜め方向の視認性が良好な液晶表示装置を得ることができた。参考例のカラーフィルタでは、熱収縮率が大きすぎるないし小さすぎるため、赤色着色層、緑色着色層および青色着色層のRthのバランスが悪くなり、斜方の視認性が不良となった。
1 … 透明基板
2 … 遮光部
3R … 赤色着色層用感光性樹脂組成物からなる膜
3G … 緑色着色層用感光性樹脂組成物からなる膜
3B … 青色着色層用感光性樹脂組成物からなる膜
13R … 赤色着色層
13G … 緑色着色層
13B … 青色着色層

Claims (14)

  1. 少なくとも着色剤を含有する着色層用感光性樹脂組成物を製造する着色層用感光性樹脂組成物の製造方法であって、
    前記着色層用感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成した場合に前記着色層が有する厚み方向のレターデーションを制御するために、熱収縮率が所定の範囲内となるように、前記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製することを特徴とする着色層用感光性樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記着色層が有する厚み方向のレターデーションの絶対値を大きくするために、熱機械分析装置を用いて10gの荷重をかけながら室温から250℃まで昇温したときの特定熱収縮率が30%〜70%の範囲内となるように、前記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製することを特徴とする請求項1に記載の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記着色層用感光性樹脂組成物がバインダーポリマーを含有し、前記バインダーポリマーが、重合性不飽和結合をもつモノマーユニットを5質量%〜30質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記着色層用感光性樹脂組成物が、分子中に重合性不飽和結合を2つ以上もち、重量平均分子量Mwと官能基数nの比Mw/nとが200以下であるモノマーを、2質量%〜50質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記着色層用感光性樹脂組成物が、光重合開始剤を0.5質量%〜20質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の着色層用感光性樹脂組成物の製造方法。
  6. 透明基板上に着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を形成し、パターン露光し、現像し、焼成して、着色層を形成する着色層形成工程を有するカラーフィルタの製造方法であって、
    前記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製して焼成時の熱収縮率を調整することにより、前記着色層が有する厚み方向のレターデーションを制御することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記着色層が有する厚み方向のレターデーションの絶対値を大きくするために、熱機械分析装置を用いて10gの荷重をかけながら室温から250℃まで昇温したときの特定熱収縮率が30%〜70%の範囲内となるように、前記着色層用感光性樹脂組成物の組成を調製することを特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記着色層用感光性樹脂組成物がバインダーポリマーを含有し、前記バインダーポリマーが、重合性不飽和結合をもつモノマーユニットを5質量%〜30質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 前記着色層用感光性樹脂組成物が、分子中に重合性不飽和結合を2つ以上もち、重量平均分子量Mwと官能基数nの比Mw/nとが200以下であるモノマーを、2質量%〜50質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項6から請求項8までのいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記着色層用感光性樹脂組成物が、光重合開始剤を0.5質量%〜20質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項6から請求項9までのいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 少なくとも着色剤を含有する着色層用感光性樹脂組成物であって、
    熱機械分析装置を用いて10gの荷重をかけながら室温から250℃まで昇温したときの特定熱収縮率が50%〜70%の範囲内であることを特徴とする着色層用感光性樹脂組成物。
  12. 重合性不飽和結合をもつモノマーユニットを5質量%〜30質量%の範囲内で含有するバインダーポリマーを含有することを特徴とする請求項11に記載の着色層用感光性樹脂組成物。
  13. 分子中に重合性不飽和結合を2つ以上もち、重量平均分子量Mwと官能基数nの比Mw/nとが200以下であるモノマーを、2質量%〜50質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の着色層用感光性樹脂組成物。
  14. 光重合開始剤を0.5質量%〜20質量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項11から請求項13までのいずれかに記載の着色層用感光性樹脂組成物。
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