JP2010160345A - カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタの設計方法、および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、上記オーバーコート層は、Rthを有する材料からなり、かつ、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするカラーフィルタを提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1
Description
また、本発明によれば、多階調マスクを用いた一括露光によって、着色層の各色の着色パターンのRthに応じて、膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができるので、各色の着色パターンに応じて、それぞれ最適な位相差層を形成する場合に比べて、工程が簡便であり、低コストでカラーフィルタを形成することが可能となる。
また、本発明によれば、多階調マスクを用いた一括露光によって、着色層の各色の着色パターンのRthに応じて、膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができるので、各色の着色パターンに応じて、それぞれ最適な位相差層を形成する場合に比べて、工程が簡便であり、低コストでカラーフィルタを形成することが可能となる。
また、オーバーコート層により、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとカラーフィルタとのRthとを相殺することが可能であるため、本発明のカラーフィルタを用いた表示装置では、コントラストをより向上させることができる。
また、本発明に用いられるオーバーコート層は、多階調マスクを用いた一括工程により、異なる膜厚で形成することができるので、簡便かつ低コストで視野角補償を行うことができる。
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、Rthを有するオーバーコート層を有することを特徴とするものである。
ここで、オーバーコート層が有するRthは、オーバーコート層の面内における進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nx、および、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nyと、厚み方向の屈折率Nzと、オーバーコート層の厚みd(nm)とにより、Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×dの式で表される値である。
本発明に用いられるオーバーコート層の膜厚は、一般的な膜厚測定機によって測定することができる。一例として、KLA Tencor株式会社の触針式膜厚測定機P・15が挙げられる。
また、本発明に用いられるオーバーコート層のRthは、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて、620nm(赤色着色パターン想定)、550nm(緑色着色パターン想定)、および450nm(青色着色パターン想定)の3波長について測定された値を用いるものとする。
以下、各実施態様について、それぞれ説明する。
本実施態様のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、上記オーバーコート層は、Rthを有する材料からなり、かつ、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするものである。
図1は、本実施態様のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本実施態様のカラーフィルタ10は、透明基板1と、透明基板1上に形成された複数色の着色パターン(図1では、赤色着色パターン2R、緑色着色パターン2G、青色着色パターン2B)からなる着色層2と、透明基板1および着色層2上に形成されたオーバーコート層3とを有するものである。ここで、オーバーコート層3は、Rthを有する材料からなり、オーバーコート層3の膜厚は、着色層2の各色の着色パターン2R、2G、2Bおよびオーバーコート層3の積層部分が有するRthを均一にするように形成される。したがって、オーバーコート層は、着色層の各色の着色パターンのRthに応じて膜厚の異なるものとなる。
なお、本実施態様のカラーフィルタ10は、通常、透明基板1上の着色パターンの間に遮光部4を有する。
図2は、カラーフィルタの着色層の着色パターンのRthの分布の一例を示す図である。図2では、着色層が赤色、緑色、青色の3色の着色パターンからなる場合について示している。図2に示すように、カラーフィルタの着色層の赤色着色パターン、緑色着色パターン、青色着色パターンは、それぞれ異なるRthを有している。通常、表示装置に用いられる位相差層は、上述した各色の着色パターンのRthについて補償するものではないので、カラーフィルタによっては、斜め方向から黒表示を観察した場合、特定の波長の光において漏れ光が生じることにより、色みをおびた黒色が観察されるという問題があった。
一方、本実施態様においては、着色層の各色の着色パターン上にRthを有するオーバーコート層を、各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の膜厚の積層部分が有するRthが均一なものになるように異なる膜厚で形成している。上記Rthを均一にすることによって、本実施態様のカラーフィルタを用いた表示装置においては、斜め方向から黒表示を観察した場合でも、特定の波長の光における漏れ光が生じないため、色みを帯びた黒表示とはならず、良好な黒表示を行うことができる。
以下、本実施態様のカラーフィルタの各構成について説明する。
本実施態様に用いられるオーバーコート層は、後述する透明基板および着色層を覆うように形成されるものであり、Rthを有する材料からなり、かつ、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるものである。
このようなオーバーコート層の材料が有するRthとしては、具体的には、Rthが正の値である場合、オーバーコート層1μm当たり1nm/μm〜30nm/μmの範囲内、中でも、2nm/μm〜20nm/μmの範囲内、特に、3nm/μm〜10nm/μmの範囲内であることが好ましい。また、Rthが負の値である場合、オーバーコート層1μm当たり−1nm/μm〜−30nm/μmの範囲内、中でも、−2nm/μm〜−20nm/μmの範囲内、特に、−3nm/μm〜−10nm/μmの範囲内であることが好ましい。Rthの値が上記範囲に満たない場合、着色層の各色の着色パターン上に形成されるオーバーコート層の膜厚が厚くなりすぎるからであり、上記範囲を超える場合、オーバーコート層1μm当たりのRthの変化が大きくなるので、形成されるオーバーコート層によるRthの正確な調整が困難となるからである。
このようなオーバーコート層の材料としては、バインダー樹脂成分、モノマー成分、重合開始剤(光硬化性樹脂の場合は光重合開始剤、熱硬化性樹脂の場合は熱重合開始剤)、添加剤等が挙げられる。
一般的なオーバーコート層に用いられる材料は、Rthを有するものであり、用いられる材料の構成成分によってRthの値は変化するものである。
本発明に用いられるオーバーコート層の材料は、所望のRthの値を有するように、各成分が調整されたものとする。
上記のバインダー樹脂のなかで、合わせて使用するモノマーとの相溶性等の観点から、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂とポリメタクリル酸エチル樹脂の共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルローストリアセテート等を好ましく使用することができる。特に好ましくは、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル酸とスチレン、グリシジルメタクリレートとの共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの変性物を使用することができる。
特に、バインダー樹脂として好ましいエポキシ樹脂としては、三菱油化シェル(株)製エピコートシリーズ、ダイセル(株)製セロキサイドシリーズ、エポリードシリーズ、または、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオールグリシジルエステル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートとラジカル重合可能なモノマーとの共重合エポキシ化合物等を挙げることができる。このようなバインダー樹脂の含有量は、樹脂組成物の不揮発成分の10重量%〜90重量%、好ましくは20重量%〜80重量%の範囲が望ましい。
これらは使用することができるモノマーの一例であり、これらに限定されるものではない。また、このようなモノマーの含有量は、樹脂組成物の不揮発成分の10重量%〜90重量%、好ましくは20重量%〜80重量%の範囲が望ましい。
また、積層構造を有することで、オーバーコート層が有するRthの絶対値を大きなものとすることができるので、着色層の各色の着色パターンが有するRthの絶対値が大きな値であっても、対応することが可能となる。
本実施態様においては、特に、オーバーコート層の最大膜厚が小さいものとなることが好ましい。オーバーコート層の最大膜厚が小さいものであることにより、本実施態様のカラーフィルタ全体の膜厚を薄膜化することができるため、近年の表示装置の薄膜化への要求に対応することが可能となるからである。具体的には、オーバーコート層の最大膜厚が、5μm以下、中でも0.5μm〜3μmの範囲内、特に1μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。
本実施態様に用いられる着色層は、透明基板上に形成され、複数色の着色パターンからなるものであり、通常、赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンからなるものである。
赤色着色パターンに用いられる着色剤としては、例えばペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色着色パターンに用いられる着色剤としては、例えばハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色パターンに用いられる着色剤としては、例えば銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
上記着色パターンの形成方法として印刷法を用いる場合、バインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、着色パターンの形成方法としてフォトリソグラフィ法を用いる場合、バインダー樹脂としては、通常、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂が使用される。通常は、電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂が用いられる。
紫外線硬化性樹脂を使用する場合には、バインダー樹脂に光重合開始剤が単独または複数組み合わせて使用される。また、紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を用いてもよい。
なお、図3において説明していない符号については、図1と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本実施態様に用いられる透明基板は、着色層、および必要に応じて遮光部を形成可能であり、可視光に対して透明な基材であれば特に限定されるものではない。
本実施態様においては、透明基板がRthを有さないものであることがより好ましい。このような透明基板としては、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものとすることができる。
本実施態様のカラーフィルタは、上記オーバーコート層、上記着色層、および上記透明基板を少なくとも有しているのであれば特に限定されるものではなく、必要な部材を適宜加えてもよい。例えば、柱状スペーサや遮光部等が挙げられる。以下それぞれについて説明する。
本実施態様に用いられる柱状スペーサは、カラーフィルタ上に形成される層の厚みを一定に保つために形成されるものである。
なお、図5および図6において、説明していない符号については、図1と同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
本実施態様に用いられる遮光部は、上記透明基板上に形成され、画素を画定するものである。このような遮光部としては、一般的なカラーフィルタに用いられる遮光部と同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
本実施態様のカラーフィルタは、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ等に用いられるものである。本実施態様のカラーフィルタは、中でも液晶表示装置に用いられることが好ましい。
本実施態様のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、上記オーバーコート層は、Rthを有する材料からなり、かつ、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするものである。
本実施態様のカラーフィルタは、オーバーコート層によって、Rthの調整を行っているため、上記カラーフィルタ未装着表示装置としては、カラーフィルタ未装着表示装置内のRthの符号がすべて正、もしくはすべて負であるものがより好ましい。
本実施態様においては、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthが相殺されるようなRthを有するカラーフィルタとすることができればよく、各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthは、上記カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthにより決定されるものである。
また、例えば上記カラーフィルタ未装着表示装置が正分散型の波長依存性を示す場合は、短波長側のRthの方が長波長側のRthの値よりも大きくなるので、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺するために、短波長側の色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthは、短波長側の色のRthの方が長波長側の色のRthの値よりも小さくなるように調整される。
また、例えば上記カラーフィルタ未装着表示装置が波長依存性を有さないフラット型になる場合は、Rthは一定となるので、着色層の各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthは、それぞれの色において上記カラーフィルタ未装着表示装置が有する所定のRthと相殺されるように調整される。
ここで、各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分のRthは、各色の着色パターンのRthに応じて、Rthを有するオーバーコート層の膜厚を異ならせることによって調整されるものである。
まず、本実施態様のカラーフィルタのRthと、逆分散型の波長依存性を示すカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される場合について図7を用いて説明する。
図7は、本実施態様のカラーフィルタのRthの分布の一例を示す図である。図7では、着色層が赤色、緑色、青色の3色の着色パターンからなる場合について示している。このとき、上記カラーフィルタ未装着表示装置は、例えば赤色光領域で+30nm、緑色光領域で+25nm、青色光領域で+20nmのRthを有するものとする。この場合、図7に示すように、本実施態様のカラーフィルタの着色層上には、赤色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRthが−30nm、緑色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRthが−25nm、青色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRthが−20nmとなるように、Rthを有する材料により、各色の着色パターンが有するRthに応じて膜厚の異なるオーバーコート層が形成される。
例えば、上記カラーフィルタ未装着表示装置中の構成に、逆分散型の波長依存性を示す構成と、正分散型の波長依存性を示す構成とを有する場合には、赤色波長領域および青色波長領域におけるRthの方が緑色波長領域におけるRthよりも大きくなるような波長依存性、もしくは緑色波長領域におけるRthの方が赤色波長領域および青色波長領域におけるRthよりも大きくなるような波長依存性等が考えられる。
このような波長依存性を示すカラーフィルタ未装着表示装置が有するRthと、本実施態様のカラーフィルタが有するRthとを相殺する場合も、上述した逆分散型、正分散型、およびフラット型のそれぞれのカラーフィルタ未装着表示装置が有するRthと本実施態様のカラーフィルタが有するRthとを相殺する場合と同様にして、カラーフィルタが有するRthの調整が行われる。
コントラストを向上させることができる理由としては、カラーフィルタのRthと上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されることにより、本実施態様のカラーフィルタを用いた表示装置全体のRthの絶対値を小さなものとすることができるので、漏れ光の強度を小さくすることが可能となるためである。
以下、各構成について説明する。
本実施態様に用いられるオーバーコート層は、上述したように、本実施態様のカラーフィルタを表示装置に用いた際に、上記カラーフィルタのRthと上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、着色層の各色の着色パターンに応じて異なる膜厚で形成されているものである。
本実施態様に用いられる着色層は、透明基板上に形成され、複数色の着色パターンからなるものであり、通常、赤色着色パターン、緑色着色パターン、青色着色パターンからなるものである。
なお、各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分のRthと上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとの差の絶対値の下限としては、1nm以上である。上記範囲に満たない場合、オーバーコート層を用いてカラーフィルタのRthとカラーフィルタ未装着表示装置のRthとを相殺する必要性があまり大きくないためである。
本実施態様に用いられる透明基板については、「1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
本実施態様に用いられるその他の部材、および用途についても、「1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明においては、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法(以下、第3実施態様とする。)と、「2.第2実施態様」のカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法(以下、第4実施態様とする。)との2つの態様が存在する。
以下、それぞれについて説明する。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを製造する製造方法であり、透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する着色層形成工程と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、Rthを有する材料を用いて調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程と、上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層を覆うようにしてオーバーコート層形成用層を形成するオーバーコート層形成用層形成工程と、上記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、上記着色層の各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして上記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
ここで、オーバーコート層3は、着色層2の各色の着色パターン2R、2G、2Bおよびオーバーコート層3の積層部分が有するRthが均一となるように、Rthを有する材料を用いて、着色層2の各色の着色パターン2R、2G、2Bが有するRthに応じて異なる膜厚で形成されるものである。
したがって、オーバーコート層形成用塗工液調製工程では、着色層2の各色の着色パターン2R、2G、2Bおよびオーバーコート層3の積層部分が有するRthを均一とすることができる程度のRthを有するオーバーコート層形成用塗工液が調製される。
また、本発明によれば、多階調マスクを用いた一括露光によって、着色層の各色の着色パターンのRthに応じて、膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができるので、各色の着色パターンに応じて、それぞれ最適な位相差層を形成する場合に比べて、工程が簡便であり、低コストでカラーフィルタを形成することが可能となる。
a.着色層形成工程
本工程は、透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する工程である。
本工程においては、通常、赤色、緑色、および青色の3色の着色パターンからなる着色層を形成する。
それぞれの膜厚が異なるように着色パターンを形成する場合は、着色パターンの形成用塗工液の組成を調整して各色の間で、輝度や色純度のばらつきが少ないように形成を行うものとする。
本工程は、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層形成用塗工液を、Rthを有する材料を用いて調製する工程である。
上記オーバーコート層形成用塗工液の材料については、「A.カラーフィルタ」の項で説明したオーバーコート層の材料と同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
本工程において用いられる溶剤としては、一般的な樹脂性部材を形成する際に用いられる溶剤と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程は、上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層を覆うようにして塗布し、オーバーコート層形成用層を形成する工程である。
本工程は、上記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、上記着色層の各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして上記オーバーコート層を形成する工程である。
ネガ型の感光性樹脂を用いた場合は、現像により、オーバーコート層形成用層が部分的に除去される。具体的は、露光により硬化した部分が残存し、その他の部分が選択的に除去される。多階調マスクの透過領域から露光された部位では硬化反応が十分に進行するのに対し、半透明領域から露光された部位では硬化反応が不十分となるので、上記着色層の各色の着色パターンに応じて膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができる。
またポジ型の感光性樹脂を用いた場合は、現像により、露光部分が選択的に除去される。この場合、多階調マスクの遮光領域から露光された部分は残存し、半透明領域から露光された部位では分解反応が不十分となるので、上記着色層の各色の着色パターンに応じて膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができる。
ネガ型の感光性樹脂およびポジ型の感光性樹脂のいずれを用いた場合においても、現像は、一般的なアルカリ現像方法に従って行うことができる。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法においては、上述した着色層形成工程、オーバーコート層形成用塗工液調製工程、オーバーコート層形成用層形成工程、およびオーバーコート層形成工程を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜加えることができる。本実施態様においては、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」の項で記載されたカラーフィルタを精度高く製造するために、カラーフィルタを設計する設計工程を有することが好ましい。上記設計工程で用いられるカラーフィルタの設計方法については、後述する「C.カラーフィルタの設計方法」の項で説明する。
また、例えば、上記透明基板上に遮光部を形成する遮光部形成工程、柱状スペーサを形成する柱状スペーサ形成工程を有していてもよい。柱状スペーサについては、上述したオーバーコート層形成工程の露光時に、上記オーバーコート層と柱状スペーサとのパターンが形成された多階調マスクを用いて露光を行い、上記オーバーコート層と一体で形成することがより好ましい。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、上述した「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを製造する製造方法であって、透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する着色層形成工程と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、Rthを有する材料を用いて調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程と、上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層を覆うようにしてオーバーコート層形成用層を形成するオーバーコート層形成用層形成工程と、上記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして上記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを少なくとも有することを特徴とする製造方法である。
また、本実施態様においては、上記オーバーコート層を多階調マスクを用いて一括露光して形成することによって、上記着色層の各色の着色パターンのRthを調整することが可能であるので、上記着色層の各色の着色パターン上にそれぞれ最適な位相差層を形成してRthを調整する場合に比べ、工程を簡略化することが可能となる。
本工程は、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、Rthを有する材料を用いて調製する工程である。
上記オーバーコート層形成用塗工液の材料については、「1.第3実施態様」の項で記載したオーバーコート層の材料と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程は、上記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、上記カラーフィルタが有するRthと、上記カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして上記オーバーコート層を形成する工程である。
本工程に用いられる階調マスク、露光機については、「1.第3実施態様」の項で記載したものと同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
また、露光後に行われる現像工程、乾燥工程についても、「1.第3実施態様」の項で記載したものと同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法においては、上述した着色層形成工程、オーバーコート層形成用塗工液調製工程、オーバーコート層形成用層形成工程、およびオーバーコート層形成工程を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜加えることができる。本実施態様においては、「A.カラーフィルタ 1.第2実施態様」の項で記載されたカラーフィルタを精度高く製造するために、カラーフィルタを設計する設計工程を有することが好ましい。上記設計工程で用いられるカラーフィルタの設計方法については、後述する「C.カラーフィルタの設計方法」の項で説明する。
その他の工程については、「1.第3実施態様」の項で説明した工程と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
本発明のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ」の項で説明したカラーフィルタを設計する方法である。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを設計する設計方法であり、設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、上記設計用着色層の各色の着色パターンのRthを測定する測定工程と、上記測定工程の結果に基づいて、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、設計用オーバーコート層の形成に用いられるRthを有する材料を選択し、各色の着色パターンのRthに応じて上記設計用オーバーコート層の膜厚を決定するオーバーコート層調整工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの設計方法である。
以下、各工程について説明する。
本実施態様における測定工程は、設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、上記設計用着色層の各色の着色パターンのRthを測定する工程である。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、実際に製造されるカラーフィルタを設計する方法である。
したがって、本工程における設計用着色層の形成工程は、上述した「B.カラーフィルタの製造方法 1.第3実施態様 a.着色層形成工程」の項で記載した工程と同様とすることができる。
本実施態様におけるオーバーコート層調整工程は、上記測定工程の結果に基づいて、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、各色の着色パターンのRthに応じて膜厚の異なる設計用オーバーコート層の形成に用いられるRthを有する材料を選択し、上記設計用オーバーコート層の膜厚を決定する工程である。
上記測定工程において測定された設計用着色層が、図2に示すようなRthを有する場合、オーバーコート層に用いられるRthを有する材料としては、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるようにすることができるのであれば特に限定されるものではなく、着色層と同じ符号のRthを有する材料(図2の場合は負のRth)であってもよいし、異なる符号のRthを有する材料であってもよい。
上記オーバーコート層の材料を、例えば上記着色層と同じ符号のRthを有する材料、または上記着色層と異なる符号のRthを有する材料のうち、それぞれの材料のRthの絶対値が同程度であるものから選択する場合には、着色層と同様の符号のRthを有する材料を選択することが好ましい。この場合、オーバーコート層の膜厚は、3色の着色パターンのうち最も絶対値の大きなRthを基準にして膜厚を決定することができるので、着色層上に形成されるオーバーコート層の膜厚を小さなものにすることができるからである。
図11は、カラーフィルタの着色層の着色パターンのRthの分布の他の一例を示す図である。図11は、赤色着色パターン、および緑色着色パターンが負のRthを、青色着色パターンが正のRthを有する場合について示している。
上記測定工程において測定された設計用着色層が、図11に示すようなRthを有する場合、オーバーコート層に用いられるRthを有する材料としては、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるようにすることができるのであれば特に限定されるものではなく、Rthが負の値であってもよいし、Rthが正の値であってもよい。この場合、用いられるRthの材料は形成されるオーバーコート層全体が薄く形成されるように選択することが好ましく、材料の有する光学特性や、測定された着色層のRthの値により適宜選択される。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法としては、上述した測定工程、オーバーコート層調整工程、を少なくとも有しているのであれば、特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜加えることができる。例えば、設計されたカラーフィルタの、上記設計用着色層の各色のパターン、およびそれぞれの着色パターン上に形成されたオーバーコート層の積層部分のRthをそれぞれ測定し、それぞれのRthの値が均一であることを確認する確認工程等が挙げられる。
なお、精度等において問題がない場合においては、シミュレーションによって設計が行われる場合もある。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」の項に記載されたカラーフィルタの設計方法であり、設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、上記設計用着色層の各色の着色パターンのRthを測定する測定工程と、上記測定工程の結果に基づいて当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、設計用オーバーコート層の形成に用いられるRthを有する材料を選択し、各色の着色パターンのRthに応じて上記設計用オーバーコート層の膜厚を決定するオーバーコート層調整工程とを有することを特徴とする設計方法である。
以下、各工程について説明する。
本実施態様における測定工程は、設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、上記設計用着色層の各色の着色パターンのRthを測定する工程である。
本工程は上述した「1.第5実施態様 a.測定工程」の項で説明した工程と同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
本実施態様におけるオーバーコート層調整工程は、上記測定工程の結果に基づいて、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、上記カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて膜厚の異なる設計用オーバーコート層の形成に用いられるRthを有する材料を選択し、上記設計用オーバーコート層の膜厚を決定する工程である。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法としては、上述した、測定工程、およびオーバーコート層調整工程を少なくとも有しているのであれば、特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜加えることができる。具体的な工程については、「1.第5実施態様」の項で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」に記載されたようなカラーフィルタを設計することができるのであれば特に限定されるものではないが、通常、カラーフィルタの製造工程の前に、予め設計用カラーフィルタを形成することにより行われる。
なお、精度等において問題がない場合においては、シミュレーションによって設計が行われる場合もある。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法が上記設計工程に用いられる場合については、「1.第5実施態様」の項で説明した場合と同様であるのでここでの記載は省略する。
本発明の表示装置は、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを少なくとも有するものである。
以下、本発明のカラーフィルタの各構成について説明する。
本発明に用いられるカラーフィルタについては、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」の項で記載したので、ここでの記載は省略する。
本発明の表示装置は、上述したカラーフィルタを少なくとも有するものであれば特に限定されるものではない。
上記表示装置としては、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ等が挙げられる。なかでも液晶表示装置であることが好ましい。
上記液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイに用いられる部材、材料、形成方法等については、一般的なこれらの表示装置と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
(遮光部の形成)
透明基板として、大きさが300mm×400mm、厚みが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この透明基板を定法にしたがって洗浄した後、ネガ型感光性ブラックレジスト(東京応化工業(株)製 CFPR DN−83)を塗布し、所定のマスクを介して露光、現像、熱処理して縦ストライプ線幅10μm、縦ストライプピッチ150μm、横ストライプ線幅75μm、横ストライプピッチ450μmとなる格子状の遮光部を形成した。これにより、短辺が150μmで、長辺が450μmの開口部が、短辺方向に10μm間隔で、長辺方向に75μm間隔で形成された。また、長辺方向に隣接する開口部に挟まれる領域は、開口部の長辺方向の長さが75μmで、開口部の短辺方向の長さが150μmの長方形状の領域となった。
次に、下記の顔料を用いて赤色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、青色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、緑色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
・赤顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B)
4.8重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
なお、上記のポリマーIは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
ここで、上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求めたものである。
・青顔料(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F) 6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース5000) 0.6重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
・緑顔料(アビシア社製 モナストラルグリーン9Y−C) 4.2重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
上記透明基板上の遮光部の開口部に、赤色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、赤色着色パターン用のフォトマスクを介して、露光、現像、焼成して、赤色着色パターンを形成した。緑色着色パターンと青色着色パターンも同様の手法により遮光部の開口部に形成した。
これら着色パターンのRthを測定したところ、赤色、緑色、青色それぞれ−5nm、−12nm、−8nmであった。
ここで、上記着色パターンのRthの測定方法としては、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用い、測定波長は赤色着色パターンは620nm、緑色着色パターンは550nm、青色着色パターンは450nmとした。
次に、オーバーコート層の調整を行った。オーバーコート層形成用塗工液として下記のものを選んだ。
・メタクリル酸メチル−スチレン−アクリル酸共重合体 … 32重量部
・エピコート180S70(ジャパンエポキシレジン(株)製) … 18重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート … 42重量部
・開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製イルガキュア907) …8重量部
・3−メトキシブチルアセテート …300重量部
ここで、オーバーコート層の単層のRthは、膜厚についてはKLA Tencor株式会社の触針式膜厚測定機P・15によって測定を行い、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて、620nm(赤色着色パターン想定)、550nm(緑色着色パターン想定)、および450nm(青色着色パターン想定)の3波長について測定を行った。
オーバーコート層を形成する際に用いるハーフトーンマスクの透過率は、赤色着色パターン部分が60%、緑色着色パターン部分が15%、青色着色パターン部分が40%、スペーサ部分が100%、となるように設計した。上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層上に塗布し、このマスクを用いて露光を行い、その後に現像、焼成を行いオーバーコート層とスペーサを形成した。
各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分のRthを測定すると、それぞれ赤色は−14nm、緑色は−16nm、青色は−13nmとなった。
このカラーフィルタを用いてパネルを組み、正面方向と斜め45度方向からの色度測定および外観の観察を行った。
遮光部および着色層の形成は実施例1と同様の手法で行った。また、オーバーコート層形成用塗工液も実施例1と同様に調製した。
カラーフィルター以外の各部材のRthを測定し、カラーフィルタ未装着表示装置の合計のRthを算出すると、赤色波長では22nm、緑色波長では25nm、青色波長では23nmであった。
ここで、上記各部材のRthの測定方法としては、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用い、測定波長は620nm、550nm、450nmの3波長とした。
カラーフィルタとカラーフィルタ未装着表示装置とのRthを相殺するために、赤色着色パターン上は4.8μm、緑色着色パターン上は4.6μm、青色着色パターン上は5.0μmのオーバーコート層が必要になることが分かった。
各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分のRthを測定するとそれぞれ赤色は−22nm、緑色は−27nm、青色は−26nmとなった。
このカラーフィルタを用いてパネルを組み、正面方向と斜め45度方向からの外観の観察を行った。
遮光部および着色層の形成は実施例1と同様の手法で行った。
オーバーコート層の形成時には、透過率が一様なマスクを用い、全ての着色層で同じ膜厚となるようにした。またオーバーコート層形成後、柱状スペーサーの形成を行った。
このカラーフィルタを用いてパネルを組み、正面方向と斜め45度方向からの外観の観察を行った。
黒表示時に、実施例1および実施例2については色つきが改善されていた。比較例1については赤みを帯びた黒色となった。
2 … 着色層
3 … オーバーコート層
3’ … オーバーコート層形成用層
4 … 遮光部
5 … 柱状スペーサ
10 … カラーフィルタ
60 … 階調マスク
Claims (11)
- 透明基板と、前記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、前記透明基板および前記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、
前記オーバーコート層は、厚み方向のレターデーションを有する材料からなり、かつ、前記着色層の各色の着色パターンおよび前記オーバーコート層の積層部分が有する厚み方向のレターデーションが均一になるように、各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするカラーフィルタ。 - 前記オーバーコート層上に、柱状スペーサが一体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
- 透明基板と、前記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、前記透明基板および前記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、
前記オーバーコート層は、厚み方向のレターデーションを有する材料からなり、かつ、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有する厚み方向のレターデーションと、前記表示装置が当該カラーフィルタを有さない状態の厚み方向のレターデーションとが相殺されるように、各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするカラーフィルタ。 - 前記オーバーコート層上に、柱状スペーサが一体で形成されていることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ。
- 透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する着色層形成工程と、
前記透明基板および前記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、厚み方向のレターデーションを有する材料を用いて調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程と、
前記オーバーコート層形成用塗工液を前記透明基板および着色層を覆うようにしてオーバーコート層形成用層を形成するオーバーコート層形成用層形成工程と、
前記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、前記着色層の各色の着色パターンおよび前記オーバーコート層の積層部分が有する厚み方向のレターデーションが均一になるように、前記着色層の各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして前記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する着色層形成工程と、
前記透明基板および前記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、厚み方向のレターデーションを有する材料を用いて調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程と、
前記オーバーコート層形成用塗工液を前記透明基板および着色層を覆うようにしてオーバーコート層形成用層を形成するオーバーコート層形成用層形成工程と、
前記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有する厚み方向のレターデーションと、前記表示装置が当該カラーフィルタを有さない状態の厚み方向のレターデーションとが相殺されるように、各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして前記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、前記設計用着色層の各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションを測定する測定工程と、
前記測定工程の結果に基づいて、前記設計用着色層の各色の着色パターンおよび前記オーバーコート層の積層部分が有する厚み方向のレターデーションが均一になるように、設計用オーバーコート層の形成に用いられる厚み方向のレターデーションを有する材料を選択し、各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記設計用オーバーコート層の膜厚を決定するオーバーコート層調整工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの設計方法。 - 設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、前記設計用着色層の各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションを測定する測定工程と、
前記測定工程の結果に基づいて当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有する厚み方向のレターデーションと、前記表示装置が当該カラーフィルタを有さない状態の厚み方向のレターデーションとが相殺されるように、設計用オーバーコート層の形成に用いられる厚み方向のレターデーションを有する材料を選択し、各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記設計用オーバーコート層の膜厚を決定するオーバーコート層調整工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの設計方法。 - 請求項7に記載のカラーフィルタの設計方法を用いた設計工程を有することを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項8に記載のカラーフィルタの設計方法を用いた設計工程を有することを特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項3または請求項4に記載されたカラーフィルタを少なくとも有する表示装置。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130702 |