JP2010160345A - カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタの設計方法、および表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタの設計方法、および表示装置 Download PDF

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Aimi Hiramatsu
愛美 平松
Shuji Kawaguchi
修司 川口
Motoo Mizuno
基央 水野
Eriko Araki
絵理子 荒木
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Abstract

【課題】 本発明は、斜め方向からの視野角拡大に優れた特性を有するカラーフィルタを提供すること、および、このようなカラーフィルタを低コストで、高い生産性をもって提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、上記オーバーコート層は、Rthを有する材料からなり、かつ、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするカラーフィルタを提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルタ、その製造方法、およびその設計方法、さらには、このカラーフィルタを用いた表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、その省電力、軽量、薄型等といった特徴を有することから、従来のCRTディスプレイに替わり、近年急速に普及している。一般的な液晶表示装置としては、図12に示すように、入射側の偏光板102Aと、出射側の偏光板102Bと、液晶セル101とを有するものを挙げることができる。偏光板102Aおよび102Bは、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。また、液晶セル101は画素に対応する多数のセルを含むものであり、偏光板102Aと102Bとの間に配置されている。
このような液晶表示装置は、上記液晶セルに用いられる液晶材料の配列形態により種々の駆動方式を用いたものが知られている。今日、普及している液晶表示装置の主たるものは、ねじれネマチック方式(TN)、超ねじれネマチック方式(STN)、複数配向分割型垂直配向方式(MVA)、横型電解駆動方式(IPS)、および、OCB(Optically Compensated Bend)等に分類される。なかでも今日においては、上記MVA、および、IPSの駆動方式を有するものが広く普及するに至っている。
一方、液晶表示装置はその特有の問題点として、液晶セルや偏光板の屈折率異方性に起因する視野角依存性の問題点がある。この視野角依存性の問題は、液晶表示装置を正面から見た場合と、斜め方向から見た場合とで視認される画像の色味やコントラストが変化してしまう問題である。このような視野角特性の問題は、近年の液晶表示装置の大画面化に伴って、さらにその問題の重大性を増している。
このような視野角依存性の問題を改善するため、現在までに様々な技術が開発されている。その代表的な方法として位相差フィルムを用いる方法がある。この位相差フィルムを用いる方法は、例えば、図13に示すように所定の光学特性を有する位相差フィルム103を、液晶セル101と偏光板102Aおよび102Bとの間に配置することにより、視野角依存性の問題を改善する方法である。このような方法は位相差フィルム103を液晶表示装置に組み込むことのみで上記視野角依存性の問題点を改善できることから、簡便に視野角特性に優れた液晶表示装置を得ることが可能な方法として広く用いられるに至っている。
しかしながら、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタは、着色層の各色の着色パターンによって異なる位相差を有するため、上記の位相差フィルムを用いた場合、各色の着色パターンが有する位相差の差異は補償することができないという問題があり、視野角依存性の問題点を完全に解決することは困難であった。
そこで上記問題を解決するため、特許文献1では、カラーフィルタの着色層の各色の着色パターンによって、それぞれ最適な位相差を有する位相差層を形成する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、各色の着色パターン上に位相差層を形成する必要があるため、工程が煩雑で、コストも高くなるという問題があった。
上記の記載は、液晶表示装置に関するものであるが、液晶表示装置に関わらず、例えば有機EL表示装置等のカラーフィルタおよび位相差層を有する表示装置については同様の問題がある。
特開2007−279448号公報
本発明は、黒表示時に斜め方向から観察された場合でも、色みを有する黒表示とならないような視野角拡大に優れた特性を有するカラーフィルタ、このようなカラーフィルタを低コストで、高い生産性をもって提供することが可能なカラーフィルタの製造方法、上記カラーフィルタが視野角特性に優れたものとなるように設計するカラーフィルタの設計方法、および視野角特性に優れた表示装置を提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、上記オーバーコート層は、厚み方向のレターデーション(以下、Rthと称する。)を有する材料からなり、かつ、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、上記オーバーコート層が、上記着色層の各色の着色パターンに応じて形成されていることによって、上記着色層の各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分同士のRthを均一にすることが可能となる。これにより、黒表示時に斜め方向から観察された場合でも、色みをもった黒表示とならず、視野角特性に優れたものとすることができる。
上記発明においては、上記オーバーコート層上に柱状スペーサが一体で形成されていてもよい。これにより、製造時の工程数を少なくすることができるからである。
また、本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、上記オーバーコート層は、Rthを有する材料からなり、かつ、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、上記表示装置が当該カラーフィルタを有さない状態(以下、カラーフィルタ未装着表示装置と称する。)のRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、上記オーバーコート層を有することにより、カラーフィルタ未装着表示装置とカラーフィルタとのRthが相殺されるため、カラーフィルタが装着された際の表示装置のコントラストを向上させることができる。
上記発明においては、上記オーバーコート層上に柱状スペーサが一体で形成されていてもよい。これにより、製造時の工程数を少なくすることができるからである。
本発明は、透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する着色層形成工程と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、Rthを有する材料を用いて調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程と、上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層を覆うようにしてオーバーコート層形成用層を形成するオーバーコート層形成用層形成工程と、上記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、上記着色層の各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして上記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記カラーフィルタの製造方法によって製造されたカラーフィルタは、着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一なものとなる。これにより、製造されたカラーフィルタを用いた表示装置では、黒表示時に斜め方向から観察された場合でも、色みのない黒表示を行うことができる。
また、本発明によれば、多階調マスクを用いた一括露光によって、着色層の各色の着色パターンのRthに応じて、膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができるので、各色の着色パターンに応じて、それぞれ最適な位相差層を形成する場合に比べて、工程が簡便であり、低コストでカラーフィルタを形成することが可能となる。
本発明は、透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する着色層形成工程と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、Rthを有する材料を用いて調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程と、上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層を覆うようにしてオーバーコート層形成用層を形成するオーバーコート層形成用層形成工程と、上記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして上記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記カラーフィルタの製造方法によって、カラーフィルタを製造することにより、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺できるようなカラーフィルタとすることができる。これにより、カラーフィルタが装着された際の表示装置の黒表示のコントラストを向上させることができる。
また、本発明によれば、多階調マスクを用いた一括露光によって、着色層の各色の着色パターンのRthに応じて、膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができるので、各色の着色パターンに応じて、それぞれ最適な位相差層を形成する場合に比べて、工程が簡便であり、低コストでカラーフィルタを形成することが可能となる。
本発明は、設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、上記設計用着色層の各色の着色パターンのRthを測定する測定工程と、上記測定工程の結果に基づいて、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、設計用オーバーコート層の形成に用いられるRthを有する材料を選択し、各色の着色パターンのRthに応じて上記設計用オーバーコート層の膜厚を決定するオーバーコート層調整工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの設計方法を提供する。
本発明によれば、上記設計用着色層の各色の着色パターンについてRthを測定し、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、設計用オーバーコート層の材料を選択し、膜厚を決定して、オーバーコート層を調整することにより、黒表示時の視野角特性に優れたカラーフィルタを設計することができる。
本発明は、設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、上記設計用着色層の各色の着色パターンのRthを測定する測定工程と、上記測定工程の結果に基づいて当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、設計用オーバーコート層の形成に用いられるRthを有する材料を選択し、各色の着色パターンのRthに応じて上記設計用オーバーコート層の膜厚を決定するオーバーコート層調整工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの設計方法を提供する。
本発明によれば、上記設計用着色層の各色の着色パターンについてRthを測定し、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、上記カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて、設計用オーバーコート層の材料を選択し、膜厚を決定することにより、表示装置に装着された際のコントラストが高いカラーフィルタを設計することができる。
本発明においては、上述したカラーフィルタの製造方法が、上記カラーフィルタの設計方法を用いた設計工程を有していてもよい。上記設計工程を有することにより、上記着色層の各色の着色パターンのRthを正確に調整することができるため、高品位なカラーフィルタを製造することができる。
本発明は、上述したカラーフィルタを少なくとも有する液晶表示装置を提供する。
本発明によれば、上記カラーフィルタとカラーフィルタ未装着表示装置とのRthが相殺されるため、コントラストを向上させることができる。
本発明においては、オーバーコート層により着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthを均一なものとすることができるので、本発明のカラーフィルタを用いた表示装置では、黒表示時に斜め方向から観察された場合でも、色みを帯びた黒色に見えることなく、良好な黒表示を行うことができる。
また、オーバーコート層により、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとカラーフィルタとのRthとを相殺することが可能であるため、本発明のカラーフィルタを用いた表示装置では、コントラストをより向上させることができる。
また、本発明に用いられるオーバーコート層は、多階調マスクを用いた一括工程により、異なる膜厚で形成することができるので、簡便かつ低コストで視野角補償を行うことができる。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタのRthの分布の一例を示す図である。 本発明のカラーフィルタの他の一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタのRthの分布の他の一例を示す図である。 本発明のカラーフィルタのRthの分布の他の一例を示す図である。 本発明のカラーフィルタのRthの分布の他の一例を示す図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のカラーフィルタのRthの分布の他の一例を示す図である。 一般的な液晶表示装置の一例を示す概略図である。 位相差フィルムが用いられた液晶表示装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明のカラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタの設計方法、および表示装置について説明する。
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、Rthを有するオーバーコート層を有することを特徴とするものである。
ここで、オーバーコート層が有するRthは、オーバーコート層の面内における進相軸方向(屈折率が最も小さい方向)の屈折率Nx、および、遅相軸方向(屈折率が最も大きい方向)の屈折率Nyと、厚み方向の屈折率Nzと、オーバーコート層の厚みd(nm)とにより、Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×dの式で表される値である。
本発明に用いられるオーバーコート層の膜厚は、一般的な膜厚測定機によって測定することができる。一例として、KLA Tencor株式会社の触針式膜厚測定機P・15が挙げられる。
また、本発明に用いられるオーバーコート層のRthは、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて、620nm(赤色着色パターン想定)、550nm(緑色着色パターン想定)、および450nm(青色着色パターン想定)の3波長について測定された値を用いるものとする。
本発明のカラーフィルタにおいては、着色層の各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthが均一なものとなるように、上記着色層の各色の着色パターンのRthに応じてオーバーコート層の膜厚が異なる態様(以下、第1実施態様とする。)と、カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、上記カラーフィルタのRthとカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、上記着色層の各色の着色パターンのRthに応じてオーバーコート層の膜厚が異なる態様(以下、第2実施態様とする。)とが挙げられる。
以下、各実施態様について、それぞれ説明する。
1.第1実施態様
本実施態様のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、上記オーバーコート層は、Rthを有する材料からなり、かつ、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするものである。
ここで、「上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になる」とは、上記着色層の各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthが、本実施態様のカラーフィルタを表示装置に用いた際に、黒表示時に斜め方向から観察された場合であっても、色みを帯びた黒表示が観察されない程度に揃うことを指す。具体的には、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分のRthの最大値と最小値の差の絶対値が、5nm以下、好ましくは3nm以下、特に好ましくは1nm以下の場合を示すこととする。
次に、本実施態様のカラーフィルタを図を用いて説明する。
図1は、本実施態様のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本実施態様のカラーフィルタ10は、透明基板1と、透明基板1上に形成された複数色の着色パターン(図1では、赤色着色パターン2R、緑色着色パターン2G、青色着色パターン2B)からなる着色層2と、透明基板1および着色層2上に形成されたオーバーコート層3とを有するものである。ここで、オーバーコート層3は、Rthを有する材料からなり、オーバーコート層3の膜厚は、着色層2の各色の着色パターン2R、2G、2Bおよびオーバーコート層3の積層部分が有するRthを均一にするように形成される。したがって、オーバーコート層は、着色層の各色の着色パターンのRthに応じて膜厚の異なるものとなる。
なお、本実施態様のカラーフィルタ10は、通常、透明基板1上の着色パターンの間に遮光部4を有する。
次に、本実施態様における着色層のRthとオーバーコート層のRthとの関係について説明する。
図2は、カラーフィルタの着色層の着色パターンのRthの分布の一例を示す図である。図2では、着色層が赤色、緑色、青色の3色の着色パターンからなる場合について示している。図2に示すように、カラーフィルタの着色層の赤色着色パターン、緑色着色パターン、青色着色パターンは、それぞれ異なるRthを有している。通常、表示装置に用いられる位相差層は、上述した各色の着色パターンのRthについて補償するものではないので、カラーフィルタによっては、斜め方向から黒表示を観察した場合、特定の波長の光において漏れ光が生じることにより、色みをおびた黒色が観察されるという問題があった。
一方、本実施態様においては、着色層の各色の着色パターン上にRthを有するオーバーコート層を、各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の膜厚の積層部分が有するRthが均一なものになるように異なる膜厚で形成している。上記Rthを均一にすることによって、本実施態様のカラーフィルタを用いた表示装置においては、斜め方向から黒表示を観察した場合でも、特定の波長の光における漏れ光が生じないため、色みを帯びた黒表示とはならず、良好な黒表示を行うことができる。
以下、本実施態様のカラーフィルタの各構成について説明する。
a.オーバーコート層
本実施態様に用いられるオーバーコート層は、後述する透明基板および着色層を覆うように形成されるものであり、Rthを有する材料からなり、かつ、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるものである。
本実施態様に用いられるオーバーコート層は、Rthを有する材料からなるものである。このような材料としては、後述する着色層の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthを均一にすることができる程度のRthを有する材料であれば特に限定されるものではない。
このようなオーバーコート層の材料が有するRthとしては、具体的には、Rthが正の値である場合、オーバーコート層1μm当たり1nm/μm〜30nm/μmの範囲内、中でも、2nm/μm〜20nm/μmの範囲内、特に、3nm/μm〜10nm/μmの範囲内であることが好ましい。また、Rthが負の値である場合、オーバーコート層1μm当たり−1nm/μm〜−30nm/μmの範囲内、中でも、−2nm/μm〜−20nm/μmの範囲内、特に、−3nm/μm〜−10nm/μmの範囲内であることが好ましい。Rthの値が上記範囲に満たない場合、着色層の各色の着色パターン上に形成されるオーバーコート層の膜厚が厚くなりすぎるからであり、上記範囲を超える場合、オーバーコート層1μm当たりのRthの変化が大きくなるので、形成されるオーバーコート層によるRthの正確な調整が困難となるからである。
本実施態様に用いられるオーバーコート層の材料としては、透明で、Rthを有するもものであれば特に限定されるものではなく、光硬化性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよい。本実施態様においては、光硬化性樹脂を用いることがより好ましい。光硬化性樹脂を用いることで、異なる膜厚のオーバーコート層を多階調マスクを用いて一括で形成することが可能となるからである。
このようなオーバーコート層の材料としては、バインダー樹脂成分、モノマー成分、重合開始剤(光硬化性樹脂の場合は光重合開始剤、熱硬化性樹脂の場合は熱重合開始剤)、添加剤等が挙げられる。
一般的なオーバーコート層に用いられる材料は、Rthを有するものであり、用いられる材料の構成成分によってRthの値は変化するものである。
本発明に用いられるオーバーコート層の材料は、所望のRthの値を有するように、各成分が調整されたものとする。
具体的に、上記オーバーコート層の材料に用いられるバインダー樹脂成分としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS 樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー等が挙げられる。また、上記のコポリマーにグリシジル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記のバインダー樹脂のなかで、合わせて使用するモノマーとの相溶性等の観点から、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂とポリメタクリル酸エチル樹脂の共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルローストリアセテート等を好ましく使用することができる。特に好ましくは、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル酸とスチレン、グリシジルメタクリレートとの共重合体、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、および、これらの変性物を使用することができる。
特に、バインダー樹脂として好ましいエポキシ樹脂としては、三菱油化シェル(株)製エピコートシリーズ、ダイセル(株)製セロキサイドシリーズ、エポリードシリーズ、または、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオールグリシジルエステル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートとラジカル重合可能なモノマーとの共重合エポキシ化合物等を挙げることができる。このようなバインダー樹脂の含有量は、樹脂組成物の不揮発成分の10重量%〜90重量%、好ましくは20重量%〜80重量%の範囲が望ましい。
また、上記オーバーコート層に用いられるモノマー成分としては、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物が用いられる。具体的には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上記のアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、フェノール−エチレンオキサイド変性アクリレート、フェノール−プロピレンオキサイド変性アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ビスフェノールA−エチレンオキサイド変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のアクリレートモノマー、および、これらのアクリレート基をメタクリレート基に置換したもの、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにアクリレート基を結合させたエポキシアクリレートオリゴマー、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたウレタンメタクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたポリエステルメタクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにメタクリレート基を結合させたエポキシメタクリレートオリゴマー、アクリレート基を有するポリウレタンアクリレート、アクリレート基を有するポリエステルアクリレート、アクリレート基を有するエポキシアクリレート樹脂、メタクリレート基を有するポリウレタンメタクリレート、メタクリレート基を有するポリエステルメタクリレート、メタクリレート基を有するエポキシメタクリレート樹脂等が挙げられる。
これらは使用することができるモノマーの一例であり、これらに限定されるものではない。また、このようなモノマーの含有量は、樹脂組成物の不揮発成分の10重量%〜90重量%、好ましくは20重量%〜80重量%の範囲が望ましい。
上記オーバーコート層に用いられる重合開始剤(光硬化性樹脂の場合は光重合開始剤、熱硬化性樹脂の場合は熱重合開始剤)、添加剤等については一般的な樹脂部材に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
また、上述した材料を用いたオーバーコート層の材料のRthの値が、所望する値より小さい場合は、重合性液晶、無機針状結晶、一つ以上の架橋性基をもつ平面構造基を有する有機化合物等を添加してもよい。
本実施態様に用いられるオーバーコート層は、通常は単一の層で形成されるものであるが、Rthの絶対値が大きな第1オーバーコート層を形成し、第1オーバーコート層上に、液晶に対して非汚染物であり、Rthの絶対値が小さい透明樹脂からなる第2オーバーコート層が形成されているような積層構造を有するオーバーコート層であってもよい。Rthの絶対値が大きな第1オーバーコート層に用いられる材料には、液晶に対して悪影響を及ぼすものがあるからである。これを上記のように積層構造とすることにより、材料の選択の幅を広げることが可能となる。
また、積層構造を有することで、オーバーコート層が有するRthの絶対値を大きなものとすることができるので、着色層の各色の着色パターンが有するRthの絶対値が大きな値であっても、対応することが可能となる。
このようなオーバーコート層の形成方法としては、着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが一定となるように、各色の着色パターンのRthに応じて膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができるのであれば、特に限定されるものではなく、例えば、多階調マスクを用いたフォトリソグラフィ法であってもよいし、それぞれの厚みに応じてオーバーコート層形成用塗工液を複数回塗布することによって形成したものであってもよいが、本実施態様においては、多階調マスクを用いたフォトリソグラフィ法によって形成することが好ましい。多階調マスクを用いることにより、一括露光によって、着色層の各色の着色パターン上にそれぞれ膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができるからである。具体的には、後述する「B.カラーフィルタの製造方法」に記載された方法を用いることができる。
本実施態様に用いられるオーバーコート層の膜厚としては、後述する着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthを均一なものにすることができるのであれば特に限定されるものではなく、オーバーコート層が形成される着色層の各色の着色パターンが有するRthにより適宜決定されるものである。
本実施態様においては、特に、オーバーコート層の最大膜厚が小さいものとなることが好ましい。オーバーコート層の最大膜厚が小さいものであることにより、本実施態様のカラーフィルタ全体の膜厚を薄膜化することができるため、近年の表示装置の薄膜化への要求に対応することが可能となるからである。具体的には、オーバーコート層の最大膜厚が、5μm以下、中でも0.5μm〜3μmの範囲内、特に1μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。
b.着色層
本実施態様に用いられる着色層は、透明基板上に形成され、複数色の着色パターンからなるものであり、通常、赤色着色パターン、緑色着色パターン、および青色着色パターンからなるものである。
本実施態様に用いられる着色層の各色の着色パターンのRthとしては、用いられるカラーフィルタに応じて異なるものであるが、各色の着色パターンのRthの最大値と最小値の差の絶対値が、10nm以下、中でも8nm以下、特に5nm以下であることが好ましい。各色の着色パターンのRthの最大値と最小値の差の絶対値が上記範囲を超える場合、オーバーコート層を形成することによって、各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthを均一にすることが困難だからである。なお、上記各色の着色パターンのRthの最大値と最小値の差の絶対値の下限としては、1nm以上である。上記の値よりも、上記各色の着色パターンのRthの最大値と最小値の差の絶対値が小さい場合は、オーバーコート層を形成して、上記各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthを均一にする必要性があまり大きくないためである。
上記着色層における各色の着色パターンは、画素に対応して規則的に配列される。着色パターンの配列としては、各色の着色パターンが巨視的に見て平均的に配列されていれば特に限定されるものではなく、例えばストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が挙げられる。
上記着色パターンは、各色の顔料や染料等の着色剤をバインダー樹脂中に分散または溶解させたものである。
赤色着色パターンに用いられる着色剤としては、例えばペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
緑色着色パターンに用いられる着色剤としては、例えばハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料もしくは染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色パターンに用いられる着色剤としては、例えば銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
また、着色パターンに用いられるバインダー樹脂としては、透明な樹脂が挙げられる。
上記着色パターンの形成方法として印刷法を用いる場合、バインダー樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、着色パターンの形成方法としてフォトリソグラフィ法を用いる場合、バインダー樹脂としては、通常、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂が使用される。通常は、電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂が用いられる。
紫外線硬化性樹脂を使用する場合には、バインダー樹脂に光重合開始剤が単独または複数組み合わせて使用される。また、紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を用いてもよい。
また、着色パターンの形成方法としては、例えば着色剤をバインダー樹脂に混合、分散または可溶化させて着色パターン形成用塗工液を調製し、この着色パターン形成用塗工液を用いてフォトリソグラフィ法によってパターニングする方法、あるいは、着色パターン形成用塗工液を用いてインクジェット法によりパターニングする方法が用いられる。
本実施態様に用いられる着色層としては、各色の着色パターンとも厚みが一定なものであってもよいし、例えば、図3に示すように、上述したオーバーコート層3が平坦に形成されるように各色の着色パターン2R、2G、2Bの厚みが異なるものであってもよい。
なお、図3において説明していない符号については、図1と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
例えば図3に示すように、オーバーコート層3の表面を平坦なものにするために、上記着色層2の膜厚が、各色の着色パターン2R、2G、2Bによって異なるものである場合は、着色パターン形成用塗工液の処方を調整する必要がある。着色パターンの膜厚を変える際には、一般的には、通常よりも厚くする場合には、使用する感光性樹脂組成物中の着色剤の配合量割合を減らし、また、通常よりも薄くする場合には、着色剤の配合量割合を増やす等の調整が行われる。また、塗布厚みが使用する感光性樹脂組成物の粘度によって変化する場合には、感光性樹脂組成物の粘度を適宜選択することが好ましい。
各色の着色パターンが異なる場合の着色層の膜厚としては、各色の着色パターンの色に応じて異なるものではあるが、具体的には1μm〜5μmの範囲内で設定することができる。
c.透明基板
本実施態様に用いられる透明基板は、着色層、および必要に応じて遮光部を形成可能であり、可視光に対して透明な基材であれば特に限定されるものではない。
本実施態様においては、透明基板がRthを有さないものであることがより好ましい。このような透明基板としては、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものとすることができる。
具体的には、無アルカリガラス、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等が挙げられる。
d.その他の部材
本実施態様のカラーフィルタは、上記オーバーコート層、上記着色層、および上記透明基板を少なくとも有しているのであれば特に限定されるものではなく、必要な部材を適宜加えてもよい。例えば、柱状スペーサや遮光部等が挙げられる。以下それぞれについて説明する。
(i)柱状スペーサ
本実施態様に用いられる柱状スペーサは、カラーフィルタ上に形成される層の厚みを一定に保つために形成されるものである。
このような柱状スペーサとしては、所望の高さに形成することができれば、特に限定されるものではない。例えば、図4に示すように、柱状スペーサ5がオーバーコート層3と一体で形成されたものであってもよいし、例えば図5に示すように、柱状スペーサ5が遮光部4上に樹脂等を用いて形成されたものであってもよいし、また例えば、図6に示すように、柱状スペーサ5が遮光部4上に着色パターン形成用塗工液を用いて形成されたものであってもよいが、本実施態様においては、なかでも、柱状スペーサ5が上記オーバーコート層3と一体で形成されたものであることが好ましい。上記オーバーコート層と柱状スペーサとを多階調マスクを用いて一括して形成することにより、別途柱状スペーサを形成しなくてよいため、製造工程を簡略化することができるからである。
なお、図5および図6において、説明していない符号については、図1と同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
上記柱状スペーサの形状、高さ等については、一般的なカラーフィルタに用いられる柱状スペーサと同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
(ii)遮光部
本実施態様に用いられる遮光部は、上記透明基板上に形成され、画素を画定するものである。このような遮光部としては、一般的なカラーフィルタに用いられる遮光部と同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
e.用途
本実施態様のカラーフィルタは、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ等に用いられるものである。本実施態様のカラーフィルタは、中でも液晶表示装置に用いられることが好ましい。
2.第2実施態様
本実施態様のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、上記オーバーコート層は、Rthを有する材料からなり、かつ、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするものである。
ここで、「当該カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される」とは、当該カラーフィルタの着色層の各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthと、上記着色層の各色の着色パターンに対応する波長領域における、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとの差の絶対値が、当該カラーフィルタを用いた表示装置が黒表示時に、斜め方向から観察された場合であっても、色みを帯びた黒表示とならず、かつ、コントラストを向上させることができる程度に0に近い値となることを指す。具体的には、上記Rthの差の絶対値が、5nm以下、中でも3nm以下、特に1nm以下の場合を示すこととする。
またここで、「カラーフィルタ未装着表示装置のRth」とは、表示装置に本実施態様のカラーフィルタが装着されていない状態の表示装置自体のRthを指す。また、このようなRthは、例えば表示装置に用いられるカラーフィルタ以外の構成について、それぞれRthを測定し、シミュレーションにより求めることができる。表示装置に用いられるカラーフィルタ以外の構成の膜厚およびRthの測定方法としては、上述したオーバーコート層の膜厚およびRthと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
本実施態様において、併用される上記カラーフィルタ未装着表示装置としては、カラーフィルタ未装着表示装置内のRthの符号がすべて正、もしくはすべて負であってもよいし、正負が混在している場合であってもよい。
本実施態様のカラーフィルタは、オーバーコート層によって、Rthの調整を行っているため、上記カラーフィルタ未装着表示装置としては、カラーフィルタ未装着表示装置内のRthの符号がすべて正、もしくはすべて負であるものがより好ましい。
上記カラーフィルタ未装着表示装置は、一般的な表示装置に用いられる構成を有するものであるが、その構成によっては、カラーフィルタ未装着表示装置が波長依存性を示す場合がある。このような波長依存性としては、例えば短波長側のRthの方が長波長側のRthの値よりも小さくなる逆分散型の波長依存性や、例えば短波長側のRthの方が長波長側のRthの値よりも大きくなる正分散型の波長依存性が挙げられる。また、カラーフィルタ未装着表示装置のRthが波長依存性を有さないフラット型を示す場合もある。
本実施態様においては、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthが相殺されるようなRthを有するカラーフィルタとすることができればよく、各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthは、上記カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthにより決定されるものである。
例えば、上記カラーフィルタ未装着表示装置が逆分散型の波長依存性を示す場合は、短波長側のRthの方が長波長側のRthの値よりも小さくなるので、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺するために、短波長側の色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthは、短波長側の色のRthの方が長波長側の色のRthの値よりも大きくなるように調整される。
また、例えば上記カラーフィルタ未装着表示装置が正分散型の波長依存性を示す場合は、短波長側のRthの方が長波長側のRthの値よりも大きくなるので、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺するために、短波長側の色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthは、短波長側の色のRthの方が長波長側の色のRthの値よりも小さくなるように調整される。
また、例えば上記カラーフィルタ未装着表示装置が波長依存性を有さないフラット型になる場合は、Rthは一定となるので、着色層の各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthは、それぞれの色において上記カラーフィルタ未装着表示装置が有する所定のRthと相殺されるように調整される。
ここで、各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分のRthは、各色の着色パターンのRthに応じて、Rthを有するオーバーコート層の膜厚を異ならせることによって調整されるものである。
本実施態様におけるカラーフィルタのRthと上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとの関係について図を用いて説明する。
まず、本実施態様のカラーフィルタのRthと、逆分散型の波長依存性を示すカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される場合について図7を用いて説明する。
図7は、本実施態様のカラーフィルタのRthの分布の一例を示す図である。図7では、着色層が赤色、緑色、青色の3色の着色パターンからなる場合について示している。このとき、上記カラーフィルタ未装着表示装置は、例えば赤色光領域で+30nm、緑色光領域で+25nm、青色光領域で+20nmのRthを有するものとする。この場合、図7に示すように、本実施態様のカラーフィルタの着色層上には、赤色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRthが−30nm、緑色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRthが−25nm、青色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRthが−20nmとなるように、Rthを有する材料により、各色の着色パターンが有するRthに応じて膜厚の異なるオーバーコート層が形成される。
次に、本実施態様のカラーフィルタのRthと、正分散型の波長依存性を示すカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される場合について図8を用いて説明する。図8は、本実施態様のカラーフィルタのRthの分布の一例を示す図である。図8では、着色層が赤色、緑色、青色の3色の着色パターンからなる場合について示している。このとき、上記カラーフィルタ未装着表示装置は、例えば赤色光領域で+20nm、緑色光領域で+25nm、青色光領域で+30nmのRthを有するものとする。この場合、図8に示すように、本実施態様のカラーフィルタの着色層上には、赤色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRthが−20nm、緑色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRthが−25nm、青色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRthが−30nmとなるように、Rthを有する材料により、各色の着色パターンが有するRthに応じて膜厚の異なるオーバーコート層が形成される。
次に、本実施態様のカラーフィルタのRthと、波長依存性を示さないフラット型のカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される場合について図9を用いて説明する。図9は、本実施態様のカラーフィルタのRthの分布の一例を示す図である。図9では、着色層が赤色、緑色、青色の3色の着色パターンからなる場合について示している。このとき、上記カラーフィルタ未装着表示装置は波長分散性を示さず、赤色光領域、緑色光領域、および青色光領域で+30nmのRthを有するものとする。この場合、図9に示すように、本実施態様のカラーフィルタの着色層上には、赤色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRth、緑色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRth、および青色着色パターンとオーバーコート層の積層部分のRthがそれぞれ−30nmとなるように、Rthを有する材料により、各色の着色パターンが有するRthに応じて膜厚の異なるオーバーコート層が形成される。
ここで、本実施態様のカラーフィルタと併用されるカラーフィルタ未装着表示装置が示す波長依存性は、上記カラーフィルタ未装着表示装置中の各構成が示す波長依存性によって決まるものである。上記カラーフィルタ未装着表示装置が示す波長依存性としては、上述した逆分散型、正分散型、およびフラット型以外にも、次のような波長依存性が考えられる。
例えば、上記カラーフィルタ未装着表示装置中の構成に、逆分散型の波長依存性を示す構成と、正分散型の波長依存性を示す構成とを有する場合には、赤色波長領域および青色波長領域におけるRthの方が緑色波長領域におけるRthよりも大きくなるような波長依存性、もしくは緑色波長領域におけるRthの方が赤色波長領域および青色波長領域におけるRthよりも大きくなるような波長依存性等が考えられる。
このような波長依存性を示すカラーフィルタ未装着表示装置が有するRthと、本実施態様のカラーフィルタが有するRthとを相殺する場合も、上述した逆分散型、正分散型、およびフラット型のそれぞれのカラーフィルタ未装着表示装置が有するRthと本実施態様のカラーフィルタが有するRthとを相殺する場合と同様にして、カラーフィルタが有するRthの調整が行われる。
本実施態様によれば、上述したように、カラーフィルタのRthと上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されることにより、コントラストを向上させることができる。
コントラストを向上させることができる理由としては、カラーフィルタのRthと上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されることにより、本実施態様のカラーフィルタを用いた表示装置全体のRthの絶対値を小さなものとすることができるので、漏れ光の強度を小さくすることが可能となるためである。
以下、各構成について説明する。
a.オーバーコート層
本実施態様に用いられるオーバーコート層は、上述したように、本実施態様のカラーフィルタを表示装置に用いた際に、上記カラーフィルタのRthと上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、着色層の各色の着色パターンに応じて異なる膜厚で形成されているものである。
上記オーバーコート層に用いられる材料、形成方法、最大膜厚等については、「1.第1実施態様」と同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
b.着色層
本実施態様に用いられる着色層は、透明基板上に形成され、複数色の着色パターンからなるものであり、通常、赤色着色パターン、緑色着色パターン、青色着色パターンからなるものである。
本実施態様に用いられる着色層の各色の着色パターンのRthとしては、用いられるカラーフィルタによって異なるものであるが、上記カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分のRthと、各色の着色パターンの波長範囲に対応する上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとの差の絶対値が、10nm以下、中でも8nm以下、特に5nm以下であることが好ましい。上記範囲を超える場合、オーバーコート層により、カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺することができなくなるからである。
なお、各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分のRthと上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとの差の絶対値の下限としては、1nm以上である。上記範囲に満たない場合、オーバーコート層を用いてカラーフィルタのRthとカラーフィルタ未装着表示装置のRthとを相殺する必要性があまり大きくないためである。
本実施態様に用いられる着色層の材料、形成方法、形状、膜厚等については、「1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
c.透明基板
本実施態様に用いられる透明基板については、「1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
d.その他
本実施態様に用いられるその他の部材、および用途についても、「1.第1実施態様」の項で説明したものと同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
B.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
本発明においては、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法(以下、第3実施態様とする。)と、「2.第2実施態様」のカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法(以下、第4実施態様とする。)との2つの態様が存在する。
以下、それぞれについて説明する。
1.第3実施態様
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを製造する製造方法であり、透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する着色層形成工程と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、Rthを有する材料を用いて調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程と、上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層を覆うようにしてオーバーコート層形成用層を形成するオーバーコート層形成用層形成工程と、上記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、上記着色層の各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして上記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法を図を用いて説明する。図10は本実施態様のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、透明基板1上に遮光部4を形成し、遮光部4の開口部に複数色の着色パターン(図10では、赤色着色パターン2R、緑色着色パターン2G、青色着色パターン2B)からなる着色層2を形成する着色層形成工程(図10(a))と、オーバーコート層3を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程(図示せず)と、上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板1および着色層2を覆うようにしてオーバーコート層形成用層3’を形成するオーバーコート層形成用層形成工程(図10(b))と、上記オーバーコート層形成用層3’を多階調マスク60を用いて露光光50で露光し(図10(c))、その後現像することによってオーバーコート層3を形成するオーバーコート層形成工程(図10(d))とを少なくとも有することを特徴とするものである。
ここで、オーバーコート層3は、着色層2の各色の着色パターン2R、2G、2Bおよびオーバーコート層3の積層部分が有するRthが均一となるように、Rthを有する材料を用いて、着色層2の各色の着色パターン2R、2G、2Bが有するRthに応じて異なる膜厚で形成されるものである。
したがって、オーバーコート層形成用塗工液調製工程では、着色層2の各色の着色パターン2R、2G、2Bおよびオーバーコート層3の積層部分が有するRthを均一とすることができる程度のRthを有するオーバーコート層形成用塗工液が調製される。
本実施態様によれば、Rthを有するオーバーコート層を形成することによって、着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthを均一なものにすることができる。これにより、製造されたカラーフィルタを用いた表示装置では、黒表示時に斜め方向から観察された場合でも、色みのない黒表示を行うことができる。
また、本発明によれば、多階調マスクを用いた一括露光によって、着色層の各色の着色パターンのRthに応じて、膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができるので、各色の着色パターンに応じて、それぞれ最適な位相差層を形成する場合に比べて、工程が簡便であり、低コストでカラーフィルタを形成することが可能となる。
以下、それぞれの工程について説明する。
a.着色層形成工程
本工程は、透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する工程である。
本工程においては、通常、赤色、緑色、および青色の3色の着色パターンからなる着色層を形成する。
本工程に用いられる着色層の各色の着色パターンの材料については、「A.カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
本工程で形成される着色層の膜厚としては、各色の着色パターンが均一になるように形成してもよいし、図3に示すように、後工程で形成されるオーバーコート層が平坦性を有するために、各色の着色パターンの膜厚をそれぞれ異なる膜厚で形成してもよい。
それぞれの膜厚が異なるように着色パターンを形成する場合は、着色パターンの形成用塗工液の組成を調整して各色の間で、輝度や色純度のばらつきが少ないように形成を行うものとする。
本工程に用いられる着色層の形成方法としては、一般的なカラーフィルタの形成方法に用いられる方法と同様とすることができ、「A.カラーフィルタ」の項で説明した方法と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
b.オーバーコート層形成用塗工液調製工程
本工程は、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層形成用塗工液を、Rthを有する材料を用いて調製する工程である。
本工程においてオーバーコート層形成用塗工液の調製に用いられる材料としては、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になる程度のRthを有し、オーバーコート層を形成することができるのであれば特に限定されるものではない。
上記オーバーコート層形成用塗工液の材料については、「A.カラーフィルタ」の項で説明したオーバーコート層の材料と同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
本工程において調製されるオーバーコート層形成用塗工液は、上述した材料のほかに、溶剤を含むものである。
本工程において用いられる溶剤としては、一般的な樹脂性部材を形成する際に用いられる溶剤と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
c.オーバーコート層形成用層形成工程
本工程は、上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層を覆うようにして塗布し、オーバーコート層形成用層を形成する工程である。
本工程で形成されるオーバーコート層形成用層の膜厚としては、各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分のRthを均一にすることができる程度の膜厚を有するオーバーコート層を形成することができればよく、着色層の各色の着色パターン上に形成されるオーバーコート層のうち、最大となる膜厚を少なくとも有していれば特に限定されるものではない。
本工程に用いられるオーバーコート層形成用層の形成方法としては、上記透明基板および着色層を覆うようにして、透明基板全面に均一な膜厚で形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばスピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等を使用することができる。
d.オーバーコート層形成工程
本工程は、上記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、上記着色層の各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして上記オーバーコート層を形成する工程である。
本工程に用いられる多階調マスクは、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、上記着色層の各色の着色パターンのRthに応じてオーバーコート層の膜厚が異なるようにオーバーコート層形成用層を露光することができる多階調マスクであれば特に限定されるものではない。このような多階調マスクとしては、一般的に用いられているものを使用することができるが、透明基板上に遮光膜パターンおよび半透明膜パターンが形成され、透明基板上に遮光膜パターンが設けられた遮光領域と、透明基板上に半透明膜パターンのみが設けられた半透明領域と、透明基板のみを有する透過領域とを有するハーフトーンマスクであることがより好ましい。
また、露光方法としては、特に限定されるものではなく、例えば感光性樹脂層の表面から数十μm程度の間隙をあけて多階調マスクを配置し、露光するプロキシミティ露光を行うことができる。この露光により、照射部分で光硬化反応が生じる。
上記の露光後は、現像が行われる。
ネガ型の感光性樹脂を用いた場合は、現像により、オーバーコート層形成用層が部分的に除去される。具体的は、露光により硬化した部分が残存し、その他の部分が選択的に除去される。多階調マスクの透過領域から露光された部位では硬化反応が十分に進行するのに対し、半透明領域から露光された部位では硬化反応が不十分となるので、上記着色層の各色の着色パターンに応じて膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができる。
またポジ型の感光性樹脂を用いた場合は、現像により、露光部分が選択的に除去される。この場合、多階調マスクの遮光領域から露光された部分は残存し、半透明領域から露光された部位では分解反応が不十分となるので、上記着色層の各色の着色パターンに応じて膜厚の異なるオーバーコート層を形成することができる。
ネガ型の感光性樹脂およびポジ型の感光性樹脂のいずれを用いた場合においても、現像は、一般的なアルカリ現像方法に従って行うことができる。
また、露光および現像後、形成されたオーバーコート層に対して加熱処理(ポストベーク)を施してもよい。この加熱処理は、例えば温度100℃〜250℃、処理時間10分〜60分程度で適宜設定することができる。
e.その他の工程
本実施態様のカラーフィルタの製造方法においては、上述した着色層形成工程、オーバーコート層形成用塗工液調製工程、オーバーコート層形成用層形成工程、およびオーバーコート層形成工程を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜加えることができる。本実施態様においては、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」の項で記載されたカラーフィルタを精度高く製造するために、カラーフィルタを設計する設計工程を有することが好ましい。上記設計工程で用いられるカラーフィルタの設計方法については、後述する「C.カラーフィルタの設計方法」の項で説明する。
また、例えば、上記透明基板上に遮光部を形成する遮光部形成工程、柱状スペーサを形成する柱状スペーサ形成工程を有していてもよい。柱状スペーサについては、上述したオーバーコート層形成工程の露光時に、上記オーバーコート層と柱状スペーサとのパターンが形成された多階調マスクを用いて露光を行い、上記オーバーコート層と一体で形成することがより好ましい。
2.第4実施態様
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、上述した「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを製造する製造方法であって、透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する着色層形成工程と、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、Rthを有する材料を用いて調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程と、上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層を覆うようにしてオーバーコート層形成用層を形成するオーバーコート層形成用層形成工程と、上記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして上記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを少なくとも有することを特徴とする製造方法である。
本実施態様によれば、上記のようにオーバーコート層を形成することにより、本実施態様のカラーフィルタのRthおよび上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthは相殺されるため、上記カラーフィルタを用いた表示装置では、コントラストを向上させることができる。
また、本実施態様においては、上記オーバーコート層を多階調マスクを用いて一括露光して形成することによって、上記着色層の各色の着色パターンのRthを調整することが可能であるので、上記着色層の各色の着色パターン上にそれぞれ最適な位相差層を形成してRthを調整する場合に比べ、工程を簡略化することが可能となる。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法に用いられる着色層形成工程、およびオーバーコート層形成用層形成工程については、「1.第3実施態様」の項で説明した工程と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
a.オーバーコート層形成用塗工液調製工程
本工程は、上記透明基板および上記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、Rthを有する材料を用いて調製する工程である。
本工程に用いられるオーバーコート層形成用塗工液の材料としては、上記オーバーコート層形成用塗工液により形成されたオーバーコート層を有するカラーフィルタのRthと、上記カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthとが相殺される程度のRthを有し、上記オーバーコート層を形成することができる材料であれば特に限定されるものではない。
上記オーバーコート層形成用塗工液の材料については、「1.第3実施態様」の項で記載したオーバーコート層の材料と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
b.オーバーコート層形成工程
本工程は、上記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、上記カラーフィルタが有するRthと、上記カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて上記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして上記オーバーコート層を形成する工程である。
本工程に用いられる多階調マスクは、本実施態様のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタが表示装置に用いられた際に、上記カラーフィルタが有するRthと、上記カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じてオーバーコート層の膜厚が異なるように、オーバーコート層形成用層を露光することができるのであれば特に限定されるものではない。
本工程に用いられる階調マスク、露光機については、「1.第3実施態様」の項で記載したものと同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
また、露光後に行われる現像工程、乾燥工程についても、「1.第3実施態様」の項で記載したものと同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
c.その他の工程
本実施態様のカラーフィルタの製造方法においては、上述した着色層形成工程、オーバーコート層形成用塗工液調製工程、オーバーコート層形成用層形成工程、およびオーバーコート層形成工程を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜加えることができる。本実施態様においては、「A.カラーフィルタ 1.第2実施態様」の項で記載されたカラーフィルタを精度高く製造するために、カラーフィルタを設計する設計工程を有することが好ましい。上記設計工程で用いられるカラーフィルタの設計方法については、後述する「C.カラーフィルタの設計方法」の項で説明する。
その他の工程については、「1.第3実施態様」の項で説明した工程と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
C.カラーフィルタの設計方法
本発明のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ」の項で説明したカラーフィルタを設計する方法である。
本発明においては、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを設計する方法(以下、第5実施態様とする。)と、「A.カラーフィルタ 第2実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを設計する方法(以下、第6実施態様とする。)との2つの実施態様が存在する。以下、それぞれの実施態様について説明する。
1.第5実施態様
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを設計する設計方法であり、設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、上記設計用着色層の各色の着色パターンのRthを測定する測定工程と、上記測定工程の結果に基づいて、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、設計用オーバーコート層の形成に用いられるRthを有する材料を選択し、各色の着色パターンのRthに応じて上記設計用オーバーコート層の膜厚を決定するオーバーコート層調整工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの設計方法である。
本実施態様によれば、上記設計用着色層の各色の着色パターンを測定し、測定結果に基づいて、オーバーコート層の材料を選択し、膜厚を決定することにより、上記着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthを均一にそろえたカラーフィルタを設計することが可能となる。
以下、各工程について説明する。
a.測定工程
本実施態様における測定工程は、設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、上記設計用着色層の各色の着色パターンのRthを測定する工程である。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、実際に製造されるカラーフィルタを設計する方法である。
したがって、本工程における設計用着色層の形成工程は、上述した「B.カラーフィルタの製造方法 1.第3実施態様 a.着色層形成工程」の項で記載した工程と同様とすることができる。
本工程に用いられる上記着色層の各色の着色パターンのRthの測定方法としては、上記着色層の各色の着色パターンのそれぞれのRthを正確に測定することが可能であれば特に限定されるものではない。本工程に用いられる測定方法として、各色の着色層の着色パターンの膜厚については、オーバーコート層の膜厚の測定方法と同様であるため、ここでの記載は省略する。また、各着色層の着色パターンのRthについては、赤色着色パターンには620nmの波長を、緑色着色パターンには550nmの波長を、青色着色パターンには450nmの波長をそれぞれ測定波長として、位相差測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて測定された値を用いるものとする。
b.オーバーコート層調整工程
本実施態様におけるオーバーコート層調整工程は、上記測定工程の結果に基づいて、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、各色の着色パターンのRthに応じて膜厚の異なる設計用オーバーコート層の形成に用いられるRthを有する材料を選択し、上記設計用オーバーコート層の膜厚を決定する工程である。
本工程においては、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるように、上記オーバーコート層の材料を選択し、上記オーバーコート層の膜厚を決定することができるのであれば特に限定されるものではない。なかでも、本工程においては、オーバーコート層の膜厚が全体的に薄いものとなるように、材料を選択し、膜厚が決定されることが好ましい。オーバーコート層が薄膜であることにより、カラーフィルタを薄膜化することができるので、近年の表示装置の薄膜化に対する要求に対応するものとすることができるからである。
図2は、カラーフィルタの着色層の着色パターンのRthの分布の一例を示す図である。図2では、着色層が赤色、緑色、および青色の3色の着色パターンからなり、上記着色層の各色の着色パターンが有するRthがすべて同じ符号を有する場合について示している。
上記測定工程において測定された設計用着色層が、図2に示すようなRthを有する場合、オーバーコート層に用いられるRthを有する材料としては、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるようにすることができるのであれば特に限定されるものではなく、着色層と同じ符号のRthを有する材料(図2の場合は負のRth)であってもよいし、異なる符号のRthを有する材料であってもよい。
上記オーバーコート層の材料を、例えば上記着色層と同じ符号のRthを有する材料、または上記着色層と異なる符号のRthを有する材料のうち、それぞれの材料のRthの絶対値が同程度であるものから選択する場合には、着色層と同様の符号のRthを有する材料を選択することが好ましい。この場合、オーバーコート層の膜厚は、3色の着色パターンのうち最も絶対値の大きなRthを基準にして膜厚を決定することができるので、着色層上に形成されるオーバーコート層の膜厚を小さなものにすることができるからである。
次に、着色層の各色の着色パターンのRthの値の符号が異なる場合について図11を用いて説明する。
図11は、カラーフィルタの着色層の着色パターンのRthの分布の他の一例を示す図である。図11は、赤色着色パターン、および緑色着色パターンが負のRthを、青色着色パターンが正のRthを有する場合について示している。
上記測定工程において測定された設計用着色層が、図11に示すようなRthを有する場合、オーバーコート層に用いられるRthを有する材料としては、上記設計用着色層の各色の着色パターンおよび上記オーバーコート層の積層部分が有するRthが均一になるようにすることができるのであれば特に限定されるものではなく、Rthが負の値であってもよいし、Rthが正の値であってもよい。この場合、用いられるRthの材料は形成されるオーバーコート層全体が薄く形成されるように選択することが好ましく、材料の有する光学特性や、測定された着色層のRthの値により適宜選択される。
本工程においては、通常、上記測定工程の結果に基づいてオーバーコート層に用いられる材料を選択した後、選択された上記オーバーコート層の材料が有するRthの値によって、設計用着色層の各色の着色パターン上に形成されるオーバーコート層の膜厚が決定される。
本工程において、選択されるオーバーコート層の材料については、「A.カラーフィルタ」の項で記載したオーバーコート層の材料と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
本工程により決定されるオーバーコート層の膜厚については、選択されたオーバーコート層の材料により適宜決定されるものである。
c.その他
本実施態様のカラーフィルタの設計方法としては、上述した測定工程、オーバーコート層調整工程、を少なくとも有しているのであれば、特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜加えることができる。例えば、設計されたカラーフィルタの、上記設計用着色層の各色のパターン、およびそれぞれの着色パターン上に形成されたオーバーコート層の積層部分のRthをそれぞれ測定し、それぞれのRthの値が均一であることを確認する確認工程等が挙げられる。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」に記載されたようなカラーフィルタを設計することができるのであれば特に限定されるものではないが、通常、カラーフィルタの製造工程の前に、予め設計用カラーフィルタを形成することにより行われる。
なお、精度等において問題がない場合においては、シミュレーションによって設計が行われる場合もある。
また、上述したように、本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、上記「B.カラーフィルタの製造方法」の設計工程で用いられることが好ましい。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法を用いた設計工程は、所望するカラーフィルタを設計することができるのであれば特に限定されるものではなく、例えば予め設計用カラーフィルタを形成した後に製造工程を行ってもよいし、また例えば「B.カラーフィルタの製造方法」の初回の着色層形成工程後に形成された着色層を設計用着色層として測定工程を行い、その後オーバーコート層調整工程によりオーバーコート層の材料を選択し、膜厚を決定してから、初回のオーバーコート層形成用塗工液調製工程を行うようにして、製造工程に組み込んで設計工程を行ってもよい。
2.第6実施態様
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」の項に記載されたカラーフィルタの設計方法であり、設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、上記設計用着色層の各色の着色パターンのRthを測定する測定工程と、上記測定工程の結果に基づいて当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、設計用オーバーコート層の形成に用いられるRthを有する材料を選択し、各色の着色パターンのRthに応じて上記設計用オーバーコート層の膜厚を決定するオーバーコート層調整工程とを有することを特徴とする設計方法である。
本実施態様によれば、上記設計用着色層の各色の着色パターンを測定し、測定結果に基づいて、オーバーコート層の膜厚を決定することにより、上記カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthとが相殺されるようなカラーフィルタを設計することが可能となる。
以下、各工程について説明する。
a.測定工程
本実施態様における測定工程は、設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、上記設計用着色層の各色の着色パターンのRthを測定する工程である。
本工程は上述した「1.第5実施態様 a.測定工程」の項で説明した工程と同様とすることができるのでここでの記載は省略する。
b.オーバーコート層調整工程
本実施態様におけるオーバーコート層調整工程は、上記測定工程の結果に基づいて、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、上記カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthとが相殺されるように、各色の着色パターンのRthに応じて膜厚の異なる設計用オーバーコート層の形成に用いられるRthを有する材料を選択し、上記設計用オーバーコート層の膜厚を決定する工程である。
本工程においては、当該カラーフィルタのRthとカラーフィルタ未装着表示装置の有するRthとが相殺されるように、オーバーコート層の材料が選択され、オーバーコート層の膜厚が決定されるのであれば特に限定されるものではないが、本工程においては、なかでもオーバーコート層の全体の膜厚が薄くなるように、Rthを有する材料を選択することが好ましい。
例えば上記カラーフィルタ未装着表示装置が逆分散型の波長依存性を示す場合は、短波長側のRthの方が長波長側のRthよりも小さくなるので、本工程において、上記オーバーコート層は、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺するため、図7のカラーフィルタのRthの分布の例に示すように、短波長側の色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthの方が、長波長側の色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthよりも大きくなるようにして(図7では、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の順に着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthが大きくなるようにして)、上記オーバーコート層の材料が選択され、上記オーバーコート層の膜厚が決定される。
また例えば、上記カラーフィルタ未装着表示装置が正分散型の波長依存性を示す場合には、短波長側のRthの方が長波長側のRthよりも大きくなるので、本工程において、上記オーバーコート層は、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺するため、図8のカラーフィルタのRthの分布の例に示すように、短波長側の色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthの方が、長波長側の色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthよりも小さくなるようにして(図8では、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の順に着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthが小さくなるようにして)、上記オーバーコート層の材料が選択され、上記オーバーコート層の膜厚が決定される。
また例えば、上記カラーフィルタ未装着表示装置が波長依存性を示さないフラット型である場合は、波長領域によらずRthは一定の値を有するものであるので、本工程においては、上記オーバーコート層が、図9のカラーフィルタのRthの分布の例に示すように、着色層の各色のそれぞれの着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthが、カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthの値を相殺するように、上記オーバーコート層の材料が選択され、上記オーバーコート層の膜厚が決定される。
また、上記カラーフィルタ未装着表示装置が、上述した逆分散型、正分散型、およびフラット型以外の波長依存性を示す場合においても、着色層の各色のそれぞれの着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分が有するRthが、カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthの値を相殺するように、上記オーバーコート層の材料が選択され、上記オーバーコート層の膜厚が決定される。
本工程においては、通常、上記測定工程の結果に基づいてオーバーコート層に用いられる材料を選択した後、選択された上記オーバーコート層の材料が有するRthの値によって、設計用着色層の各色の着色パターン上に形成されるオーバーコート層の膜厚が決定される。
本工程において、上記オーバーコート層の材料については、「A.カラーフィルタ」の項で記載したオーバーコート層の材料と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
c.その他
本実施態様のカラーフィルタの設計方法としては、上述した、測定工程、およびオーバーコート層調整工程を少なくとも有しているのであれば、特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜加えることができる。具体的な工程については、「1.第5実施態様」の項で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」に記載されたようなカラーフィルタを設計することができるのであれば特に限定されるものではないが、通常、カラーフィルタの製造工程の前に、予め設計用カラーフィルタを形成することにより行われる。
なお、精度等において問題がない場合においては、シミュレーションによって設計が行われる場合もある。
また、上述したように、本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、上記「B.カラーフィルタの製造方法」の設計工程で用いられることが好ましい。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法が上記設計工程に用いられる場合については、「1.第5実施態様」の項で説明した場合と同様であるのでここでの記載は省略する。
D.表示装置
本発明の表示装置は、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを少なくとも有するものである。
本発明によれば、カラーフィルタ未装着表示装置のRthが相殺されるように上記カラーフィルタが形成されているため、コントラストが高い表示装置とすることができる。
本発明の表示装置においては、白表示状態とした際の輝度をTon、黒表示状態とした際の輝度をToffとしたとき、Ton/Toffの比で表わされるコントラストが500以上、中でも800以上、特に1000以上であることが好ましい。上記範囲に満たない場合、コントラストが低く、表示品位が損なわれる可能性があるからである。
以下、本発明のカラーフィルタの各構成について説明する。
a.カラーフィルタ
本発明に用いられるカラーフィルタについては、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」の項で記載したので、ここでの記載は省略する。
b.表示装置
本発明の表示装置は、上述したカラーフィルタを少なくとも有するものであれば特に限定されるものではない。
上記表示装置としては、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ等が挙げられる。なかでも液晶表示装置であることが好ましい。
上記液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイに用いられる部材、材料、形成方法等については、一般的なこれらの表示装置と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
本発明の表示装置は、例えば大型ディスプレイや携帯情報端末等に用いられるものである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(遮光部の形成)
透明基板として、大きさが300mm×400mm、厚みが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この透明基板を定法にしたがって洗浄した後、ネガ型感光性ブラックレジスト(東京応化工業(株)製 CFPR DN−83)を塗布し、所定のマスクを介して露光、現像、熱処理して縦ストライプ線幅10μm、縦ストライプピッチ150μm、横ストライプ線幅75μm、横ストライプピッチ450μmとなる格子状の遮光部を形成した。これにより、短辺が150μmで、長辺が450μmの開口部が、短辺方向に10μm間隔で、長辺方向に75μm間隔で形成された。また、長辺方向に隣接する開口部に挟まれる領域は、開口部の長辺方向の長さが75μmで、開口部の短辺方向の長さが150μmの長方形状の領域となった。
(着色材料の作成)
次に、下記の顔料を用いて赤色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、青色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、緑色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
<赤色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物>
・赤顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B)
4.8重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
なお、上記のポリマーIは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
ここで、上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求めたものである。
<青色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物>
・青顔料(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F) 6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース5000) 0.6重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
<緑色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物>
・緑顔料(アビシア社製 モナストラルグリーン9Y−C) 4.2重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
(着色層の形成)
上記透明基板上の遮光部の開口部に、赤色着色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、赤色着色パターン用のフォトマスクを介して、露光、現像、焼成して、赤色着色パターンを形成した。緑色着色パターンと青色着色パターンも同様の手法により遮光部の開口部に形成した。
これら着色パターンのRthを測定したところ、赤色、緑色、青色それぞれ−5nm、−12nm、−8nmであった。
ここで、上記着色パターンのRthの測定方法としては、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用い、測定波長は赤色着色パターンは620nm、緑色着色パターンは550nm、青色着色パターンは450nmとした。
(オーバーコート層の調整)
次に、オーバーコート層の調整を行った。オーバーコート層形成用塗工液として下記のものを選んだ。
<オーバーコート層形成用塗工液の組成>
・メタクリル酸メチル−スチレン−アクリル酸共重合体 … 32重量部
・エピコート180S70(ジャパンエポキシレジン(株)製) … 18重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート … 42重量部
・開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製イルガキュア907) …8重量部
・3−メトキシブチルアセテート …300重量部
上記オーバーコート層形成用塗工液をスピンコート法によりガラス基板上に塗布、露光、現像、焼成し、オーバーコート層の単層を形成した。このオーバーコート層の単層のRthを測定したところ1μmあたり測定波長が620nmでは−2.5nm、550nmでは−2.8nm、450nmでは−3.0nmであった。
ここで、オーバーコート層の単層のRthは、膜厚についてはKLA Tencor株式会社の触針式膜厚測定機P・15によって測定を行い、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて、620nm(赤色着色パターン想定)、550nm(緑色着色パターン想定)、および450nm(青色着色パターン想定)の3波長について測定を行った。
これにより赤色、緑色、青色の着色パターンのRthを均一にするためには赤色着色パターン上は4.0μm、緑色着色パターン上は1.1μm、青色着色パターン上は2.3μmのオーバーコート層が必要になることが分かった。
(オーバーコート層の形成)
オーバーコート層を形成する際に用いるハーフトーンマスクの透過率は、赤色着色パターン部分が60%、緑色着色パターン部分が15%、青色着色パターン部分が40%、スペーサ部分が100%、となるように設計した。上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層上に塗布し、このマスクを用いて露光を行い、その後に現像、焼成を行いオーバーコート層とスペーサを形成した。
各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分のRthを測定すると、それぞれ赤色は−14nm、緑色は−16nm、青色は−13nmとなった。
このカラーフィルタを用いてパネルを組み、正面方向と斜め45度方向からの色度測定および外観の観察を行った。
[実施例2]
遮光部および着色層の形成は実施例1と同様の手法で行った。また、オーバーコート層形成用塗工液も実施例1と同様に調製した。
カラーフィルター以外の各部材のRthを測定し、カラーフィルタ未装着表示装置の合計のRthを算出すると、赤色波長では22nm、緑色波長では25nm、青色波長では23nmであった。
ここで、上記各部材のRthの測定方法としては、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用い、測定波長は620nm、550nm、450nmの3波長とした。
カラーフィルタとカラーフィルタ未装着表示装置とのRthを相殺するために、赤色着色パターン上は4.8μm、緑色着色パターン上は4.6μm、青色着色パターン上は5.0μmのオーバーコート層が必要になることが分かった。
オーバーコート層を形成する際に用いるハーフトーンマスクの透過率は、赤色着色パターン部分が60%、緑色着色パターン部分が50%、青色着色パターン部分が70%、スペーサ部分が100%、となるように設計した。上記オーバーコート層形成用塗工液を上記透明基板および着色層上に塗布し、このマスクを用いて露光を行い、その後に現像、焼成を行い、オーバーコート層とスペーサを形成した。
各色の着色パターンおよびオーバーコート層の積層部分のRthを測定するとそれぞれ赤色は−22nm、緑色は−27nm、青色は−26nmとなった。
このカラーフィルタを用いてパネルを組み、正面方向と斜め45度方向からの外観の観察を行った。
[比較例1]
遮光部および着色層の形成は実施例1と同様の手法で行った。
オーバーコート層の形成時には、透過率が一様なマスクを用い、全ての着色層で同じ膜厚となるようにした。またオーバーコート層形成後、柱状スペーサーの形成を行った。
このカラーフィルタを用いてパネルを組み、正面方向と斜め45度方向からの外観の観察を行った。
[評価]
黒表示時に、実施例1および実施例2については色つきが改善されていた。比較例1については赤みを帯びた黒色となった。
1 … 透明基板
2 … 着色層
3 … オーバーコート層
3’ … オーバーコート層形成用層
4 … 遮光部
5 … 柱状スペーサ
10 … カラーフィルタ
60 … 階調マスク

Claims (11)

  1. 透明基板と、前記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、前記透明基板および前記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、
    前記オーバーコート層は、厚み方向のレターデーションを有する材料からなり、かつ、前記着色層の各色の着色パターンおよび前記オーバーコート層の積層部分が有する厚み方向のレターデーションが均一になるように、各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記オーバーコート層上に、柱状スペーサが一体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 透明基板と、前記透明基板上に形成された複数色の着色パターンからなる着色層と、前記透明基板および前記着色層を覆うように形成されたオーバーコート層とを有するカラーフィルタであって、
    前記オーバーコート層は、厚み方向のレターデーションを有する材料からなり、かつ、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有する厚み方向のレターデーションと、前記表示装置が当該カラーフィルタを有さない状態の厚み方向のレターデーションとが相殺されるように、各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記オーバーコート層の膜厚が異なるものであることを特徴とするカラーフィルタ。
  4. 前記オーバーコート層上に、柱状スペーサが一体で形成されていることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ。
  5. 透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する着色層形成工程と、
    前記透明基板および前記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、厚み方向のレターデーションを有する材料を用いて調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程と、
    前記オーバーコート層形成用塗工液を前記透明基板および着色層を覆うようにしてオーバーコート層形成用層を形成するオーバーコート層形成用層形成工程と、
    前記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、前記着色層の各色の着色パターンおよび前記オーバーコート層の積層部分が有する厚み方向のレターデーションが均一になるように、前記着色層の各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして前記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  6. 透明基板上に複数色の着色パターンからなる着色層を形成する着色層形成工程と、
    前記透明基板および前記着色層を覆うように形成されるオーバーコート層を形成するためのオーバーコート層形成用塗工液を、厚み方向のレターデーションを有する材料を用いて調製するオーバーコート層形成用塗工液調製工程と、
    前記オーバーコート層形成用塗工液を前記透明基板および着色層を覆うようにしてオーバーコート層形成用層を形成するオーバーコート層形成用層形成工程と、
    前記オーバーコート層形成用層を多階調マスクを用いて露光後、現像することにより、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有する厚み方向のレターデーションと、前記表示装置が当該カラーフィルタを有さない状態の厚み方向のレターデーションとが相殺されるように、各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記オーバーコート層の膜厚が異なるようにして前記オーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  7. 設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、前記設計用着色層の各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションを測定する測定工程と、
    前記測定工程の結果に基づいて、前記設計用着色層の各色の着色パターンおよび前記オーバーコート層の積層部分が有する厚み方向のレターデーションが均一になるように、設計用オーバーコート層の形成に用いられる厚み方向のレターデーションを有する材料を選択し、各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記設計用オーバーコート層の膜厚を決定するオーバーコート層調整工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの設計方法。
  8. 設計用透明基板上に複数色の着色パターンからなる設計用着色層を形成し、前記設計用着色層の各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションを測定する測定工程と、
    前記測定工程の結果に基づいて当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有する厚み方向のレターデーションと、前記表示装置が当該カラーフィルタを有さない状態の厚み方向のレターデーションとが相殺されるように、設計用オーバーコート層の形成に用いられる厚み方向のレターデーションを有する材料を選択し、各色の着色パターンの厚み方向のレターデーションに応じて前記設計用オーバーコート層の膜厚を決定するオーバーコート層調整工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの設計方法。
  9. 請求項7に記載のカラーフィルタの設計方法を用いた設計工程を有することを特徴とする請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 請求項8に記載のカラーフィルタの設計方法を用いた設計工程を有することを特徴とする請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 請求項3または請求項4に記載されたカラーフィルタを少なくとも有する表示装置。
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