JP2008298889A - 液晶表示パネルおよびその製造方法並びに液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示パネルおよびその製造方法並びに液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】層界面における膜剥離のおそれが低く、高透過率で色調変化の小さい液晶表示パネルを提供する。
【解決手段】垂直配向型の液晶表示パネル2は、画素電極25および配向膜26を備えたTFT基板20と、対向電極34、配向膜35およびCF層32を備えた対向基板30と、TFT基板20と対向基板30との間に挟持された液晶層40とを備えている。TFT基板20および対向基板30のうち少なくとも一方の基板には、透過率が最大となる印加電圧が全画素10で略等しくなるように、液晶層40の厚さを、各画素10におけるCF層32の色毎に調節する段差24A〜24Cを有する樹脂層24が設けられている。樹脂層24の表面には、各画素10における電界印加時の液晶分子の配向方向を規制する微小突起24aが、樹脂層24と同一の材料により、樹脂層24と一体的に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示パネルおよびその製造方法並びに液晶表示装置に関するものであり、より詳しくは、垂直配向型の液晶表示パネルおよびその製造方法並びに液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、CRT(Cathode Ray Tube)に比べて薄くて軽量であり、低電圧で駆動できて消費電力が小さいという利点がある。そのため、液晶表示装置は、テレビ、ノート型PC(パーソナルコンピュータ)、ディスクトップ型PC、PDA(携帯端末)および携帯電話等、種々の電子機器に使用されている。
液晶表示装置の駆動方式としては、液晶分子を水平に配向させるTNモード(Twisted Nematic Mode)やSTNモード(Super Twisted mode)、あるいは液晶分子を垂直に配向させるVAモード(Vertically Aligned Mode)等がある。そのなかでもVAモードは、コントラストが高く、視野角特性に優れているため、近年、広く用いられている。
VAモードでは、誘電率異方性が負の液晶を使用し、2つの相対する電極上に、液晶分子を垂直に配向させる垂直配向膜を形成する。これにより、上記両電極に挟まれ、垂直に配向した液晶分子に電圧を印加して、該液晶分子を所定の方向に傾けることで、任意の表示を実現する。
液晶分子を傾ける方向を制御する手段としては、例えばリブあるいは電極にスリットを設ける方法がある。例えばMVAモード(Multi Domain Vertically Aligned Mode)は、液晶分子を傾ける方向を制御する、現在広く用いられている技術の一つである(例えば、特許文献1参照)。また、別の手段としては、例えば、微細な周期構造を画素状に設ける技術等が知られている(例えば、特許文献2、3参照)。
図10(a)・(b)は、MVAモードを用いた従来の液晶表示装置における液晶分子の配向を、該液晶表示装置における要部断面図にて模式的に示す図であり、図10(a)は電圧無印加時の状態を示し、図10(b)は電圧印加時の状態を示す。
図10(a)・(b)に示す液晶表示装置では、互いに対向する一対の電極101・102のうち、一方の電極101(例えば画素電極)における他方の電極102(例えば対向電極)との対向面にスリット101aが設けられているとともに、他方の電極102上に、リブ103が設けられている。また、上記電極101.102上には、図示しない垂直配向膜が形成されている。
このため、上記液晶表示装置では、液晶層104中の液晶分子104aは、電圧無印加時には、図10(a)に示すように、液晶層104に略垂直な方向に配向する一方、電界印加時には、図10(b)に示すように、上記スリット101a並びにリブ103の周囲に生じる電界の傾きに沿って傾斜する。これにより、上記液晶表示装置では、液晶分子104aの配向方向を、複数方向に分割している。
また、図11は、上記特許文献2に示す液晶表示装置におけるTFT基板の概略構成を示す平面図である。図12(a)は、特許文献2に示す他の液晶表示装置の概略構成を示す断面図であり、図12(b)は、図12(a)に示す液晶表示装置における液晶分子の配向を模式的に示す平面図である。
図11に示す液晶表示装置では、画素電極201を、櫛型パターン201b(微細構造パターン)を有する複数の帯状ITOパターン201aで形成するとともに、各帯状ITOパターン201aが、互いに隣り合う櫛型パターン201b・201b間のギャップ202により相互に隔てられた構成を有している。上記帯状ITOパターン201aは、ITOパターンよりなる接続部203により相互接続されて、TFT204に接続されている。
図12(a)・(b)に示す液晶表示装置は、ガラス基板301上に形成された電極層302の表面に、該電極層302と、ガラス基板301に対向して設けられたガラス基板311上に形成された電極層312との間に形成される電界パターンを変形するように微細構造パターン303が形成されている構成を有している。上記電極層302の表面には、上記微細構造パターン303を覆うように垂直配向膜304が形成されている。また、上記電極層312の表面には、垂直配向膜313が形成されている。
このように、上記特許文献2では、電極形状を変更するか、もしくは、電極層上に、導電性材料もしくは絶縁材料により、液晶層における電界を局所的に変形する微細構造パターンを形成することによって、上記微細構造パターンの延在方向に倒れた状態で液晶分子を配向させることができるようになっている。
また、図示はしないが、上記特許文献3にも、電極層上に、導電性材料により微細構造パターンを形成することによって、液晶分子の配向を制御する技術が開示されている。
上記したように、液晶表示装置が上記微細構造パターンを有することで、個々の液晶分子は、上記微細構造パターンにより変形された駆動電界に応答して該微細構造パターンの延在方向に倒れる。このため、上記の各構成によれば、液晶分子が倒れる際に、液晶分子のチルトが、例えば図10に示す液晶表示装置のようにスリット101aあるいはリブ103近傍の領域から他の領域へと伝搬する必要がなく、応答速度が非常に速くなる。
また、図11あるいは図12(a)・(b)に示す液晶表示装置によれば、図12(b)に示すように、個々の液晶分子320aの配向方向が、駆動状態において、微細構造パターン303の延在方向に実質的に規制されるため、倒れた液晶分子320a・320a同士が相互作用して液晶分子320aのツイスト角が液晶層320(図12(a)参照)の面内において変化することがない。このため、コントラスト比の高い高品質の表示が可能になる。
なお、VAモードはいわゆる複屈折モードの一つである。複屈折モードの透過率は、光が液晶表示パネルを透過する際の位相差、すなわち、液晶の屈折率異方性(Δn)と液晶層の厚さ(d)と波長(λ)とによって決まる。このため、同じ構造を有する液晶表示パネルに同じ電圧を印加しても、光の波長によって電圧−透過率特性(V−T特性)が異なる。一般的に、カラー表示を行うために、1絵素は赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの画素から構成されるが、VAモードでは、上記したように、各画素によって透過率(すなわち光透過率)が異なるために、階調によって微妙に色味が変化する。また各色における最大透過率(Tmax(R)、Tmax(G)、Tmax(B))となる印加電圧が異なる。
図9は、VAモードの液晶表示パネルにおける各波長での透過率と液晶のリタデーションΔn×d(以下、単に「Δnd」と記す)との関係を示す図であり、各波長(R:670nm、G:550nm,B:450nm)におけるΔndの変化に対する透過率の変化を示している。
図9に示すように、VAモードにおいて白表示における輝度が最大となるΔnd、すなわち550nmの波長に対して透過率が最大のΔndに液晶層の厚さを設定すると、450nmに対する透過率が低くなり過ぎる。このため、従来、一般的には、液晶層の厚さを、輝度最大から求まる厚さよりも薄く設定し、白表示における色付きを抑えている。
このため、VAモードでは、白表示における輝度がTNモードに比べて暗く、TNモードの液晶表示パネルと同等の白輝度を得るためには、バックライト輝度を明るくする必要がある。
しかしながら、バックライト輝度を明るくするには照明の消費電力を大きくする必要があり、液晶表示パネルの適用範囲が限定されることになる。また、白輝度重視で液晶層の厚さを厚くした場合には、TNモードに比べて450nmに対する透過率が低くなり過ぎるため、白表示においてパネルが黄色付いてしまうという問題がある。
特開平11−242225号公報(1999年9月7日公開) 特開2002−107730号公報(2002年4月10日公開) 特開2005−331935号公報(2005年12月2日公開)
透過率を改善する技術としては、各色の画素で、液晶層の厚さを、駆動電圧印加時の透過率が最大になるように個別に設定する、いわゆるマルチギャップ(マルチギャップ法)と称される技術が知られている。マルチギャップ法では、RGBの各画素が同じ電圧で最大透過率を実現するように各々の液晶層の厚さが設定される。したがって、VAモードを用いた垂直配向型の液晶表示パネルに上記マルチギャップを適用することで、色調が変動せず、TNモード並みの透過率を得ることができる。
しかしながら、VAモードにおいて、RGBの各画素における液晶層の厚さを個別に設定しようとすると、図10に示すようにMVAであればもともと有しているリブやスリットの他、セル厚を個別に設定するための製造工程が必要になる。このため、製造が複雑かつ費用がかかるものとなる。
同様に、図11または図12(a)・(b)に示すように、微細構造パターンを用いて配向制御する液晶表示装置に上記したマルチギャップを適用しようとすると、微細構造パターンとは別にマルチギャップ形成工程が必要となり、この場合にも、製造が複雑かつ費用がかかるものとなる。
また、電極そのものを加工することにより上記微細構造パターンを電極層に形成するか、あるいは、電極層上に別の材料によって微細構造パターンを形成する場合、製造が複雑であり、また、膜剥がれが生じるおそれがある等、別の問題点もある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、層界面(境界)における膜剥離のおそれが低く、高透過率で色調変化の小さい液晶表示パネル並びに液晶表示装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、層界面(境界)における膜剥離のおそれがなく、高透過率で色調変化の小さい液晶表示パネルを、容易かつ安価に提供することにある。
本発明にかかる液晶表示パネルは、上記課題を解決するために、電極および該電極を覆う配向膜とを備えた一対の基板と、上記一対の基板間に挟持された液晶層とを備え、電圧無印加時に、上記液晶層中の液晶分子を、基板面に略垂直に配向させる垂直配向型の液晶表示パネルであって、上記一対の基板のうち一方の基板にはカラーフィルタが設けられているとともに、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板には、透過率が最大となる印加電圧が全画素で略等しくなるように、上記液晶層の厚さを、各画素におけるカラーフィルタの色毎に調節する段差を有するマルチギャップ層が設けられており、かつ、該マルチギャップ層の表面に、各画素における電界印加時の液晶分子の配向方向を規制する、画素サイズよりも小さな微小構造パターンが、上記マルチギャップ層と同一の材料により、上記マルチギャップ層と一体的に設けられていることを特徴としている。
また、本発明にかかる液晶表示装置は、上記課題を解決するために、本発明にかかる上記液晶表示パネルを備えていることを特徴としている。
上記液晶表示パネル並びに上記液晶表示装置は、上記マルチギャップ層を備えていることで、全画素において、各々の画素における透過率が最大となる印加電圧をほぼ一致させることができる。この結果、白輝度重視で液晶層の厚さを設定した場合のように白表示においてパネルが黄色付いてしまうことがなく、色調が変動せず、TNモード並みの透過率を得ることができる。
そして、上記の構成によれば、上記したように、上記微小構造パターンが、上記マルチギャップ層と同一の材料により、上記マルチギャップ層の表面に、該マルチギャップ層と一体的に設けられていることで、各層を構成する材料の熱収縮率の違いによって上記マルチギャップ層と微小構造パターンとの層界面(境界)で膜が剥離することがなく、高透過率で、色調変化が小さく、色ずれのない垂直配向型の液晶表示パネル並びに液晶表示装置を、安定して提供することができる。また、上記の構成によれば、上記マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを同時に形成することが可能である。したがって、上記の構成によれば、上記したようにマルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとの層界面(境界)における膜剥離のおそれがなく、高透過率で、色調変化が小さく、色ずれのない垂直配向型の液晶表示パネル並びに液晶表示装置を、容易かつ安価に提供することが可能となる。
なお、上記液晶表示装置において、液晶層中の液晶分子は、基板面に垂直に配向することが最も望ましい。しかしながら、例えば、通常、基板面には、ソースバスライン、ゲートバスライン、補助容量バスライン等の配線や、TFT等のスイッチング素子が設けられており、また、本発明のように各画素に微細構造パターンが設けられている場合がある等、基板面が必ずしも平坦ではないといった構造的な要因や、熱揺らぎによって液晶分子の配向が微小に揺らぐといった物性的な要因等によって、局所的に、液晶分子の長軸方向が基板面に対し90°からずれることがある。そして、このように、垂直配向型の液晶表示パネルにおいて、液晶分子の長軸方向が基板面に対し必ずしも垂直とは限らず、略垂直であればよいことは、当業者にとって周知(常識)であり、また、当業者であれば、「略垂直」によって示される程度(つまり、どの程度であれば表示にほとんど影響しないか)に対する十分な知見を有している。通常、プレチルト角が87°以上であれば、ほとんど表示に影響することはない。すなわち、極角方向に対する±3°以内のばらつきは十分に許容範囲内である。
また、前記したように、マルチギャップと称される技術そのものは従来公知の技術であり、透過率が最大となる印加電圧は、全画素で等しいことが最も望ましく、液晶層は、透過率が最大となる印加電圧が全画素で等しくなる厚みを有していることが最も望ましいが、一定の効果を得る上で、上記液晶層厚が多少のばらつきを有していてもよいことは当業者にとって周知(常識)である。また、当業者であれば、上記マルチギャップ層によって調整される液晶層の厚さのばらつきの程度、言い換えれば、上記段差のばらつきの程度に対し、十分な知見を有している。
例えば、上記カラーフィルタが、赤、青、緑のカラーフィルタである場合、透過率が最大となる印加電圧が全画素で略等しくなるようにするためには、原理的には、緑色の画素におけるセル厚(すなわち、液晶層の厚み)に対し、青色の画素におけるセル厚を薄くし、赤色の画素におけるセル厚を厚くすればよい。
しかしながら、各画素であまりにセル厚が異なると、画素毎に応答速度が異なり、動画再生時に色ずれが生じるおそれがある。色ずれのおそれを最小限に抑えるためには、青色の画素におけるセル厚は、青色の画素における理想セル厚よりも薄くし過ぎず、赤色の画素におけるセル厚は、赤色の画素における理想セル厚よりも厚くし過ぎないようにすることが望ましい。なお、理想セル厚(理想液晶層厚)とは、「透過率が最大となる印加電圧が全画素で等しくなる液晶層の厚み」を示す。
このため、一般的には、青色の画素におけるセル厚と赤色の画素におけるセル厚とは、各々、青色の画素もしくは赤色の画素における理想セル厚と、緑色の画素における理想セル厚との間の厚みを有するように設定される。これにより、白輝度重視で液晶層の厚さを設定した場合のように白表示においてパネルが黄色付いてしまうことがなく、色調が変動せず、TNモード並みの透過率を得ることができる。
すなわち、上記マルチギャップ層の段差は、各画素における液晶層の厚みが、透過率が最大となる印加電圧が全画素で等しくなるように(つまり、各画素が理想セル厚を有するように)設定されていることが最も望ましいが、青色の画素における液晶層の厚みが、透過率が最大となる印加電圧が全画素で等しくなるときの青色の画素における液晶層の厚みと、透過率が最大となる印加電圧が全画素で等しくなるときの緑色の画素における液晶層の厚みとの間に設定され、赤色の画素における液晶層の厚みが、透過率が最大となる印加電圧が全画素で等しくなるときの赤色の画素における液晶層の厚みと、透過率が最大となる印加電圧が全画素で等しくなるときの緑色の画素における液晶層との間に設定されていればよい。
なお、液晶層の厚みには、製造工程において±0.3μm程度の誤差(セル厚変動)が生じることがある。しかしながら、例えば、青色の画素における理想セル厚と緑色の画素における理想セル厚との差は、製造工程において生じる上記したようなセル厚変動よりも十分に大きく、上記したセル厚変動があっても、十分に本発明の効果を得ることができる。
本発明において、上記マルチギャップ層と微小構造パターンとの間には境界が存在していないことが望ましい。
上記したようにマルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとの界面に境界がないことで、各層を構成する材料の熱収縮率の違いや洗浄工程等によって層界面(境界)で膜が剥離することがなく、また、別工程もしくは異なる材料を用いてマルチギャップ層と配向制御用のパターンとを各々形成する場合のように各々の層のうち下層となる層が、上層となる層の製造時に、上層の材料の溶剤等によって傷付けられることがなく、層欠陥の発生等の障害を防止することができる。このため、層界面(境界)における膜剥離のおそれがなく、表示特性に優れた液晶表示パネルおよび液晶表示装置を安定して提供することができる。
また、上記マルチギャップ層は、樹脂または無機絶縁材料からなるとともに、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板における電極の真下に、該電極に接して設けられており、上記電極の表面には、上記マルチギャップ層における微小構造パターンと同じ形状の微小構造パターンが形成されていることが望ましい。
上記の構成によれば、上記微小構造パターンの膜剥がれをより一層防止することができるとともに、上記微小構造パターン上に例えば別の樹脂層を積層することで上記微小構造パターン上に後から塗布した樹脂が上記微小構造パターンあるいはマルチギャップ層をある程度平坦化してしまうおそれを回避することができる。このため、所定のマルチギャップ層並びに配向制御用の構造パターンを実現するための厚さ制御が容易である。
本発明にかかる液晶表示パネルの製造方法は、上記課題を解決するために、電極および該電極を覆う配向膜とを備えた一対の基板と、上記一対の基板間に挟持された液晶層とを備え、電圧無印加時に、上記液晶層中の液晶分子を、基板面に略垂直に配向させるとともに、上記一対の基板のうち一方の基板にはカラーフィルタが設けられ、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板には、透過率が最大となる印加電圧が全画素で略等しくなるように、上記液晶層の厚さを、各画素におけるカラーフィルタの色毎に調節する段差を有するマルチギャップ層が設けられており、かつ、該マルチギャップ層の表面に、各画素における電界印加時の液晶分子の配向方向を規制する、画素サイズよりも小さな微小構造パターンが設けられている垂直配向型の液晶表示パネルの製造方法であって、上記段差並びに微小構造パターンに対応したパターンを有する型を用いて、転写によって、上記マルチギャップ層と微小構造パターンとを、同一の材料を用いて同時に形成することを特徴としている。
上記の方法によれば、上記マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを、同一の材料を用いて、境界の存在なしに容易に一体化することができるとともに、所定のマルチギャップ層並びに配向制御用の構造パターンを実現するための厚さ制御が容易である。また、上記の方法によれば、上記マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを同時に形成することができるので、工程数を削減することができ、製造にかかる費用を低減させることができる。したがって、上記の方法によれば、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとの層界面(境界)における膜剥離のおそれがなく、高透過率で、色調変化が小さく、色ずれのない垂直配向型の液晶表示パネルを、容易かつ安価に提供することができる。
本発明にかかる液晶表示パネルは、以上のように、電極および該電極を覆う配向膜とを備えた一対の基板と、上記一対の基板間に挟持された液晶層とを備え、電圧無印加時に、上記液晶層中の液晶分子を、基板面に略垂直に配向させる垂直配向型の液晶表示パネルであって、上記一対の基板のうち一方の基板にはカラーフィルタが設けられているとともに、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板には、透過率が最大となる印加電圧が全画素で略等しくなるように、上記液晶層の厚さを、各画素におけるカラーフィルタの色毎に調節する段差を有するマルチギャップ層が設けられており、かつ、該マルチギャップ層の表面に、各画素における電界印加時の液晶分子の配向方向を規制する、画素サイズよりも小さな微小構造パターンが、上記マルチギャップ層と同一の材料により、上記マルチギャップ層と一体的に設けられている構成である。
また、本発明にかかる液晶表示装置は、以上のように、本発明にかかる上記液晶表示パネルを備えている構成である。
上記の構成によれば、白輝度重視で液晶層の厚さを設定した場合のように白表示においてパネルが黄色付いてしまうことがなく、色調が変動せず、TNモード並みの透過率を得ることができるとともに、各層を構成する材料の熱収縮率の違いによって上記マルチギャップ層と微小構造パターンとの層界面(境界)で膜が剥離することがない。したがって、上記の構成によれば、高透過率で、色調変化が小さく、色ずれのない垂直配向型の液晶表示パネル並びに液晶表示装置を、安定して提供することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる液晶表示パネルの製造方法は、以上のように、上記段差並びに微小構造パターンに対応したパターンを有する型を用いて、転写によって、上記マルチギャップ層と微小構造パターンとを、同一の材料を用いて同時に形成する方法である。
上記の方法によれば、上記マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを、同一の材料を用いて、境界の存在なしに容易に一体化することができるとともに、所定のマルチギャップ層並びに配向制御用の構造パターンを実現するための厚さ制御が容易である。また、上記の方法によれば、上記マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを同時に形成することができるので、工程数を削減することができ、製造にかかる費用を低減させることができる。したがって、上記の方法によれば、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとの層界面(境界)における膜剥離のおそれがなく、高透過率で、色調変化が小さく、色ずれのない垂直配向型の液晶表示パネルを、容易かつ安価に提供することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図7および図9に基づいて説明すれば以下の通りである。
図1は、本実施の形態にかかる液晶表示装置における液晶表示パネルの要部の概略構成を模式的に示す断面図であり、図2は、図1に示す液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を模式的に示す平面図である。また、図3は、本実施の形態にかかる液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施の形態にかかる液晶表示装置1は、液晶表示パネル2と、該液晶表示パネル2を駆動する駆動回路と、該駆動回路の駆動を制御する制御回路3と、必要に応じて、バックライトユニット(図示せず)等を備えている。
上記駆動回路は、液晶表示パネル2におけるゲートバスライン7を駆動するゲート駆動回路4と、ソースバスライン8を駆動するソース駆動回路5と、補助容量バスライン(以下、「Csバスライン」と記す)9を駆動するCs駆動回路6とを備えている。これらゲート駆動回路4、ソース駆動回路5、およびCs駆動回路6は、各々、ゲートバスライン7、ソースバスライン8、およびCsバスライン9に電気的に接続されており、これらバスラインに、外部から独立して電位を与えることができるようになっている。これら駆動回路は、上記制御回路3に各々電気的に接続されており、該制御回路3から供給される制御信号や映像信号によって制御されている。
上記ゲートバスライン7とソースバスライン8とは、図2および図3に示すように、互いに交差して設けられている。これらゲートバスライン7とソースバスライン8とで囲まれた各領域が1画素であり、上記液晶表示パネル2は、複数の画素10がマトリクス状に配された構成を有している。
各画素10には、図2に示すように、各々、画素電極25が設けられている。また、上記ゲートバスライン7とソースバスライン8との交差部には、各々、スイッチング素子として、TFT11が設けられている。
上記TFT11は、ゲート電極12、図示しない絶縁膜(ゲート絶縁膜)および半導体層、ソース電極13およびドレイン電極14が、この順に形成された構成を有している。ゲートバスライン7の一部は、上記TFT11のゲート電極12として機能する。また、上記TFT11のソース電極13は、ソースバスライン8に電気的に接続されている。上記ドレイン電極14は、コンタクトホール15を介して画素電極25に電気的に接続されている。
また、上記ゲートバスライン7と同一層には、Csバスライン9が、各画素10を横切って、上記ゲートバスライン7にほぼ平行に延設されている。
上記Csバスライン9上には、中間電極16が、画素10毎に、図示しない絶縁膜(ゲート絶縁膜)を介してドレイン電極14と同一層に設けられている。
上記中間電極16は、コンタクトホール17を介して画素電極25に電気的に接続されている。上記Csバスライン9と中間電極16とは、画素10毎に形成される補助容量用の電極として機能する。本実施の形態によれば、上記Csバスライン9と中間電極16との間に形成される補助容量によって、画素電位を安定させることができる。但し、上記Csバスライン9および中間電極16は、必要に応じて形成すればよく、必ずしも必須ではない。
次に、上記液晶表示パネル2の断面構造について説明する。
上記液晶表示パネル2は、図1に示すように、互いに対向して配置された一対の基板(アレイ基板としての薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と記す)基板20、および対向基板30)を備え、これら一対の基板間に液晶層40が挟持されている構成を有している。これら一対の基板の外側(両基板の対向面とは反対側の面)には、図示しない位相差板や偏光板が、必要に応じて各々設けられている。なお、上記一対の基板の外側に各々設けられた偏光板は、互いにクロスニコルの関係となるように配置される。
本実施の形態で用いられる上記対向基板30は、ガラス等の透明基板31(透明絶縁性基板)における上記TFT基板20との対向面上に、カラーフィルタ(以下、「CF」と記す)層32およびブラックマトリクス(以下、「BM」と記す)33と、対向電極34と、配向膜35とが、上記透明基板31側からこの順に配されてなる、いわゆるCF基板である。
上記CF層32を構成する各CFは、TFT基板20に設けられた各画素電極25に対向して設けられている。上記CFには、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の3種類があり、画素10毎に何れか1色のCFからなるCF層32が配されている。この隣接して配置された赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3つの画素10(3原色用画素)は、1単位の絵素として使用される。すなわち、1つの絵素は、上記RGBの3つの画素10で構成されている。上記BM33は、隣接して配置された上記各色のCF層32間に配置されている。なお、図1では、図の簡略化のために、1絵素の概略構成を示している。
上記対向電極34は、上記透明基板31上のほぼ全面に形成されており、各画素10に共通の電極(共通電極)として使用される。上記液晶層40には、上記対向電極34と画素電極25とに印加された電圧によって電界が印加され、これにより、画像が形成される。
なお、上記対向基板30には、必要に応じて、アンダーコート層(下地層)やオーバーコート層(平坦化層)等の図示しない機能膜が設けられていてもよい。
一方、上記TFT基板20は、図1に示すように、ガラス等の透明基板21(透明絶縁性基板)上に、第1の金属電極層(図1には図示せず)、絶縁層22(ゲート絶縁膜、第1の層間絶縁膜)、ソースバスライン8等で構成される第2の金属電極層、絶縁層23(第2の層間絶縁膜)、樹脂層24、画素電極25、配向膜26(垂直配向膜)が、この順に形成された構成を有している。
上記第1の金属電極層は、図2に示すゲートバスライン7およびCsバスライン9等で構成されている。また、第2の金属電極層は、図2に示すソースバスライン8、TFT11のドレイン電極14、および中間電極16等で構成されている。
上記画素電極25および対向電極34は、例えばITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜により形成された透明電極である。
また、上記配向膜26・35は、液晶層40の液晶分子を、電圧無印加時に、上記透明基板21・31の基板面にほぼ垂直(好適には垂直方向)に配向させる垂直配向膜であり、例えば、上記画素電極25および対向電極34上に塗布された、垂直配向規制力を有するポリイミドやポリアミック酸等の配向膜材料によって形成されている。
なお、上記液晶表示パネル2において、液晶層40中の液晶分子は、上記透明基板21・31の基板面に垂直に配向することが最も望ましい。しかしながら、上記基板面には、上記したように、ゲートバスライン7、ソースバスライン8、Csバスライン9等の配線や、TFT11等のスイッチング素子が設けられているとともに、後述するように各画素10に対応して、図1に示すように微小突起24a(微細構造パターン)が設けられている等、上記基板面は平坦ではない。液晶分子の長軸方向は、このように基板面が平坦ではないといった構造的な要因や、熱揺らぎによって液晶分子の配向が微小に揺らぐといった物性的な要因等によって、局所的に、基板面に対して90°からずれることがある。
但し、このように、一般的に、垂直配向型の液晶表示パネルにおいて、液晶分子の長軸方向が基板面に対して必ずしも垂直とは限らず、略垂直であればよく、画素電極上の液晶分子の長軸方向の平均が一定以上であれば表示にはほとんど影響を与えることはないことは、当業者にとって周知(常識)である。また、当業者であれば、「略垂直」によって示される程度(つまり、どの程度であれば表示にほとんど影響しないか)に対する十分な知見を有している。
図6に、垂直配向モードの液晶表示パネルにおける液晶のプレチルト角とコントラストとの関係の一例を示す。図6に示すように、通常、プレチルト角が87°以上であれば、表示に影響を及ぼすことはほとんどない。すなわち、上記液晶パネル2において、極角方向(すなわち基板面に対して垂直方向)に対する±3°以内のばらつきは十分に許容範囲内である。
また、上記画素電極25および配向膜26が積層された樹脂層24は、各画素10のリタデーションを調整するためのマルチギャップ層であり、各画素10によって異なる厚さを有していることで、1絵素中に複数の厚さを有している。このため、上記樹脂層24の表面には、RGBの各色の画素10・10同士の境界部に、上記樹脂層24の厚みが画素単位で変化することに伴う段差24A・24B・24Cがそれぞれ形成されている。ここで、段差24AはRおよびGの画素10・10間の段差であり、段差24BはGおよびBの画素10・10間の段差であり、段差24CはBおよびRの画素10・10間の段差である。
また、上記樹脂層24を覆う画素電極25および配向膜26の表面には、上記段差24A・24B・24C分だけ、上記段差24A・24B・24Cに伴う段差がそれぞれ形成されている。このため、上記液晶表示パネルは、各絵素において、液晶層40の厚さ、すなわちセルギャップが、画素単位で変化する段差構造(マルチギャップ構造)を有している。
各画素10における液晶層40の厚さは、それぞれ、RGBの各画素10が同じ電圧で、最大透過率(Tmax(R)、Tmax(G)、Tmax(B))を実現するように、RGBの各画素10に同じ電圧を印加したときにRGBの各々のCFの主波長(R:670nm、G:550nm,B:450nm)におけるリタデーションΔnd(図9参照)が、全画素10でほぼ等しくなる(好適には等しくなる)ように設定される。
本実施の形態では、液晶層40の駆動方式に垂直配向モードを用いていることから、白電圧としたい電圧印加時のリタデーションが各画素10でほぼ一致(好適には一致)するように前記段差24A・24B・24Cを調整することで、上記液晶層40の厚さを調整する。
これにより、全画素10において、各々の画素10における透過率が最大となる印加電圧をほぼ一致(好適には一致)させることができる。この結果、白輝度重視で、白表示における輝度が最大となるΔnd、すなわち550nmの波長に対して透過率が最大のΔndに液晶層の厚さを設定した場合のように白表示においてパネルが黄色付いてしまうことがなく、色調が変動せず、TNモード並みの透過率を得ることができる。また、上記したように上記液晶表示パネル2では、各画素10に同じ印加電圧を印加すればよいことから、各画素10で独立して電圧を印加する必要は必ずしもなく、駆動回路の構成を簡素化することができる。
なお、マルチギャップ技術そのものは従来公知の技術であり、上記リタデーションΔndは、全画素で等しいことが最も好ましい。言い換えれば、上記液晶パネル2において、透過率が最大となる印加電圧は、全画素10で等しいことが最も望ましく、上記液晶層40は、透過率が最大となる印加電圧が全画素10で等しくなる厚みを有していることが最も望ましい。
しかしながら、マルチギャップと称される技術において、一定の効果を得る上で、各画素の液晶層厚が多少のばらつきを有していてもよいことは当業者にとって周知(常識)であり、当業者であれば、マルチギャップ層によって調整される液晶層の厚さのばらつきの程度、言い換えれば、各画素間でのマルチギャップ層における段差のばらつきの程度に対し、十分な知見を有している。
例えば、上記CF層32が、上記したようにRGBのCFからなる場合、透過率が最大となる印加電圧が全画素10で略等しくなるようにするためには、原理的には、Gの画素10におけるセル厚(すなわち、液晶層40の厚み)に対し、Bの画素10におけるセル厚を薄くし、Rの画素10におけるセル厚を厚くすればよい。
しかしながら、各画素10であまりにセル厚が異なると、画素10毎に応答速度が異なり、動画再生時に色ずれが生じるおそれがある。色ずれのおそれを最小限に抑えるためには、Bの画素10におけるセル厚は、Bの画素10における理想セル厚よりも薄くし過ぎず、Rの画素10におけるセル厚は、Rの画素10における理想セル厚よりも厚くし過ぎないようにすることが望ましい。なお、理想セル厚(理想液晶層厚)とは、「透過率が最大となる印加電圧が全画素10で等しくなる液晶層40の厚み」を示す。
このため、Bの画素10におけるセル厚とRの画素10におけるセル厚とは、各々、Bの画素10もしくはRの画素10における理想セル厚と、Gの画素10における理想セル厚との間の厚みを有するように設定されることが望ましい。これにより、白輝度重視で液晶層40の厚さを設定した場合のように白表示において上記液晶パネル2が黄色付いてしまうことがなく、色調が変動せず、TNモード並みの透過率を得ることができる。
すなわち、マルチギャップ層である上記樹脂層24の段差は、各画素10における液晶層40の厚みが、透過率が最大となる印加電圧が全画素10で等しくなるように(つまり、各画素10が理想セル厚を有するように)設定されていることが最も望ましいが、Bの画素10における液晶層40の厚みが、Bの画素10における理想セル厚と、Gの画素10における理想セル厚との間に設定され、Rの画素10における液晶層40の厚みが、Rの画素10における理想セル厚と、Gの画素10における理想セル厚との間に設定されていればよい。図7に、VAモードの液晶表示パネルにおける各波長での透過率(T)とセル厚との関係の一例を示す。
なお、液晶層40の厚みには、製造工程において、±0.3μm程度の誤差(セル厚変動)が生じることがある。しかしながら、例えば、Bの画素における理想セル厚とGの画素における理想セル厚との差(図7に示す例では、Gの画素における理想セル厚は4.5μm、Bの画素における理想セル厚は3.5μmであり、その差1μm)は、製造工程において生じる上記したような0.3μmのセル厚変動よりも十分に大きい。なお、図7に示す例では、Rの画素における理想セル厚は5.7μmであり、Rの画素における理想セル厚とGの画素における理想セル厚(4.5μm)との差が、上記したようなセル厚変動よりも十分に大きいことは、言うまでもない。このため、上記したようなセル厚変動は許容範囲内であり、上記したようなセル厚変動があったとしても、十分に本発明の効果を得ることができる。
本実施の形態にかかる上記液晶表示パネル2では、上記したように、マルチギャップ層である上記樹脂層24の表面に、図1に示すように、画素サイズよりも小さな微小突起24a(凹凸)が複数形成されている。該微小突起24aは、液晶層40における電界を局所的に変形させることで各画素10における電界印加時の液晶分子の配向方向を規制する配向制御用の構造パターンである。上記画素電極25および配向膜26の表面には、上記樹脂層24に形成された微小突起24aに由来する凹凸が形成されており、上記液晶層40の液晶分子は、上記液晶層40に電界が印加されると、上記凹凸によって、一画素内で複数の方向に傾斜するように液晶層40を配向規制することができるようになっている。
図4(a)は、上記微小突起24aの形状を示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)に示す微小突起24aの形状を、図4(a)に示す樹脂層24のA−A’線矢視断面にて示す断面図ある。また、図5は、画素10における各微小突起24aの配列を模式的に示す平面図である。
上記配向制御用の構造パターンは、基板面に平行な少なくとも第1の方向に延在する微小突起が、基板面に平行でかつ上記第1の方向に直角な第2の方向に対して周期的に変化するように形成される。本実施の形態では、上記微小突起24aとして、図4(a)・(b)に示すように、基板面に平行な少なくとも第1の方向に長軸を有するT字状の微小突起を形成した。また、図5に示すように、画素10を構成する各ゲートバスライン7およびソースバスライン8に対して、上記微小突起24aの長軸が各々45°傾斜し、画素10の対角線上に位置する微小突起24aの長軸が、該画素10の中心を向くとともに、画素10の対角線上に位置する微小突起24aと隣り合う微小突起24aの長軸が、各々、該画素10の対角線上に位置する微小突起24aの長軸と平行になるように、上記微小突起24aの長軸方向を周期的に変化させて上記微小突起24aを配置した。
液晶分子は、電圧印加時、すなわち駆動状態において、実質的に上記第1の方向に配向(チルト)する。本実施の形態では、上記液晶層40の液晶分子は、各微小突起24aにおける長軸に沿って、短軸から長軸の方向に向かって配向(チルト)する。つまり、本実施の形態では、上記微小突起24aは、その長軸が、画素電極25の各辺に対し、各々45°傾斜するとともに、上記微小突起24aによって、各画素10が、液晶分子の配向方向が互いに異なる4つのドメインを有するように4分割される(つまり、液晶分子の配向方向が4方向となる)ように配置した。
上記微小突起24aの大きさは特に限定されるものではなく、例えば、従来公知の配向制御用の構造パターンと同程度の大きさに形成される。具体的には、高さ0.02μm〜0.5μm、長軸の長さが0.05μm〜1μm程度の大きさに形成される。尚、このように上記微小突起24aは微小であるため、図1および図2では、上記微小突起24aの形状については、図示を省略した。
本実施の形態によれば、上記したように、上記液晶表示パネル2が上記微小突起24aを有することで、液晶層40における個々の液晶分子は、電圧印加時に、上記微小突起24aにより局所的に変形された電界に応答して該微小突起24aの延在方向(長軸方向)に倒れる。このため、液晶分子が倒れる際に、該液晶分子のチルトが、図10に示した従来の液晶表示装置のようにスリット101aあるいはリブ103近傍の領域から他の領域へと伝搬する必要がなく、応答速度が非常に速くなる。
また、上記したように、上記液晶表示パネル2が上記微小突起24aを有することで、個々の液晶分子の配向方向が、駆動状態において、上記微小突起24aの延在方向(長軸方向)に実質的に規制されるため、倒れた液晶分子同士が相互作用して液晶分子のツイスト角が液晶層40の面内において変化することがなく、コントラスト比の高い高品質の表示が可能になる。
また、本実施の形態によれば、上記したように、マルチギャップ層である上記樹脂層24の表面に、配向制御用の構造パターンである上記微小突起24aを形成することで、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを、図4(b)に示すように、同じ材料で、一体的に形成することができるとともに、上記したようにマルチギャップ用の画素サイズの凹凸と、配向制御用の微小凹凸とを、一工程で形成することができる。
上記したように、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを、同一の材料を用いて一体的に形成することで、各層を構成する材料の熱収縮率の違いによって上記マルチギャップ層と微小構造パターンとの層界面(境界)で膜が剥離することがなく、高透過率で、色調変化が小さく、色ずれのない垂直配向型の液晶表示パネル2並びに液晶表示装置1を、安定して提供することができる。また、上記したように、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを、一工程、つまり、同時に形成することで、上記液晶表示パネル2並びに液晶表示装置1を、安価かつ容易に製造することができる。
特に、本実施の形態によれば、図4(b)に示すように、微小突起24aが樹脂層24に一体的に形成されており、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとの界面に境界がないことで、例えば、各層を構成する材料の熱収縮率の違いや洗浄工程等によって層界面(境界)で膜が剥離するおそれを回避することができる。また、例えば、マルチギャップ層を形成した後で、画素電極25等の第3の膜を介して配向制御用のパターンを形成する場合のように、別工程もしくは異なる材料を用いてマルチギャップ層と配向制御用のパターンとを各々形成する場合、下層となる層の上に上層となる材料を塗布するときに、下層が、上層の材料の溶剤に傷付けられるおそれがある。しかしながら、上記構成とすることで、下層が、上層の材料の溶剤に傷付けられることがなく、層欠陥の発生等の障害を防止することができる。このため、色ずれがなく、表示特性に優れた液晶表示パネル2を、容易かつ安定して製造することができる。
また、本実施の形態によれば、上記微小突起24aは、画素電極25の真下に、該画素電極25に隣接して設けられている。言い換えれば、上記微小突起24aは、その上面が、画素電極25によって覆われている。このため、上記微小突起24aの膜剥がれをより一層防止することができるとともに、上記微小突起24a上に別の樹脂層を用いた場合のように、上記微小突起24a上に後から塗布した樹脂が上記微小突起24aあるいはマルチギャップ層をある程度平坦化してしまうおそれを回避することができる。このため、上記の構成によれば、所定のマルチギャップ層並びに配向制御用の構造パターンを実現するための厚さ制御が容易である。また、上記の構成によれば、画素電極そのものに微細構造パターンを形成する場合と比較して、容易に上記微細構造パターンを形成することができる。したがって、上記の構成によれば、層界面(境界)における膜剥離のおそれがなく、表示特性に優れた液晶表示パネル2を、容易かつ安価に、安定して製造することができる。
上記樹脂層24を構成する樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂あるいは紫外線硬化性樹脂を用いることができる。これら熱硬化性樹脂並びに紫外線硬化性樹脂としては、透明であれば特に限定されるものではなく、一般的な熱硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂を使用することができる。上記樹脂層24を構成する樹脂の一例としては、例えばアクリル系紫外線硬化樹脂等のアクリル系樹脂が挙げられる。
上記したように上記樹脂層24は、1絵素内に、マルチギャップ用の画素サイズの凹凸と、画素サイズよりも小さい、配向制御用の微小凹凸とを有しているが、このような構造は、例えばインプリント技術を用いた転写工程によって容易に形成することができる。以下に、転写を用いて上記凹凸を樹脂にインプリントすることにより上記TFT基板20を形成する方法について説明する。
まず、予め、表面に前記段差24A・24B・24Cを有する、RGBの各画素10に対応した樹脂膜厚および微細構造パターンを有する転写用の型を、原盤として製造する。なお、段差24A・24B・24Cは、前記したように、RGBの各画素10に同じ電圧を印加したときにRGBの各々のCFの主波長におけるリタデーションが、全画素10でほぼ等しくなる(好適には等しくなる)ように設定される。
一方、前記したように第1および第2の金属電極層等が形成された透明基板21上に、樹脂層24を構成する熱硬化性樹脂あるいは紫外線硬化性樹脂が塗布もしくは滴下された基板を準備する。なお、上記透明基板21上に、前記したように第1の金属電極層、絶縁層22、第2の金属電極層、絶縁層23を形成するまでの工程は、従来と同じであるため、ここではその説明を省略する。
次に、上記したように透明基板21上に塗布もしくは滴下された、樹脂層24を構成する熱硬化性樹脂あるいは紫外線硬化性樹脂の表面に、上記した転写用の型を押し付け、加熱あるいは紫外線を照射する。
これにより、上記転写用の型の表面形状を、樹脂層24を構成する熱硬化性樹脂あるいは紫外線硬化性樹脂に転写することができる。この結果、樹脂層24におけるマルチギャップ用の画素サイズの凹凸(つまりマルチギャップ層)と、画素サイズよりも小さい、配向制御用の微小凹凸(配向制御用の構造パターン)とを、同一の材料を用いて、一工程で、一体的に形成することができる。
その後、上記樹脂層24の上に、蒸着方法もしくはスパッタリング等、通常のITOの成膜方法によって画素電極25を形成し、その上から配向膜26の材料を塗布して垂直配向膜を形成する。これにより、上記TFT基板20を形成することができる。液晶表示パネル2は、このようにして形成されたTFT基板20を、常用の方法により形成された対向基板30と貼り合わせた後、これら一対の基板間に液晶材料を注入して注入口を封止し、その後、これら一対の基板の外側に、必要に応じて、位相差板や偏光板を貼り合わせることにより形成することができる。なお、上記液晶材料としては、誘電率異方性が負の液晶が使用される。
但し、本実施の形態にかかる上記液晶表示パネル2の製造方法は、上記方法にのみ限定されるものではない。上記樹脂層24に、マルチギャップ用の画素サイズの凹凸と、画素サイズよりも小さい、配向制御用の微小凹凸とを、同一の材料を用いて一体的に形成する他の方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、予め、表面に微細構造パターンを有する転写用の型を、原盤として製造する。
一方、前記したように、第1および第2の金属電極層等が形成された透明基板21上、すなわち、前記絶縁層23上に、段差24A・24B・24Cを有するマルチギャップ層を作製する。次いで、上記マルチギャップ層上に、上記マルチギャップ層とは成分が異なる紫外線硬化性樹脂を塗布する。
その後、該紫外線硬化性樹脂の表面に、上記した転写用の型を押し付けて紫外線を照射することにより、上記紫外線硬化性樹脂に、配向制御用の構造パターンを転写する。次に、上記紫外線硬化性樹脂を、ドライエッチングにより全て除去する。
上記の方法によれば、上記紫外線硬化性樹脂の膜厚が薄い部分は、その分、下層のマルチギャップ層が余分にエッチングされて該マルチギャップ層の表面に凹凸が生じる。したがって、上記方法を採用した場合でも、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを、同一の材料を用いて、境界なしに一体的に形成することができる。
したがって、上記の方法によっても、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとの間に境界がなく、層界面(境界)における膜剥離のおそれがない、表示特性に優れた液晶表示パネル2を、容易かつ安定して製造することができる。なお、上記説明においては、上記マルチギャップ層の表面に、紫外線硬化性樹脂を塗布する場合を例に挙げて説明したが、紫外線硬化性樹脂に代えて熱硬化性樹脂を使用して加熱することにより配向制御用の構造パターンの転写を行ってもよいことは、言うまでもない。
但し、前者の方法が、一度の転写で所定の構造が実現できるのに対し、上記した後者の方法は、配向制御用の構造パターンを形成する前にマルチギャップ層を形成する必要があり、工程が冗長となる。したがって、前者の方法を採用することが、工程数も少なく、制御も容易であることから、望ましい。
なお、マルチギャップ層の表面に配向制御用の構造パターンを形成する方法としては、原理的には、パターニングを2回行うか、あるいは、マルチギャップ層を従来工法で形成してから配向制御用の構造パターンを転写する、あるいは2回転写を行う等によって可能である。但し、このような段階を経るプロセスは、実際には困難あるいは冗長である。
例えば、パターニングを2回行うか、もしくはマルチギャップ層を従来工法で形成してから配向制御用の構造パターンを転写する、あるいは2回転写を行う場合には、マルチギャップ層形成後、配向制御用パターン形成のための樹脂を塗布することになる。しかしながら、後から塗布した樹脂がマルチギャップ層をある程度平坦化してしまうので、所定のマルチギャップ層もしくは配向制御用の構造パターンを実現するための厚さ制御が容易とは言い難い。また、上記したように2回転写等、2段階のプロセスによってマルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを形成した場合には、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとの間に境界が観察される。
したがって、前記したように、マルチギャップ用の画素サイズの凹凸と、画素サイズよりも小さい、配向制御用の微小凹凸とを、同一の材料を用いて同時に形成することで、配向制御用の構造パターンを形成する工程が、マルチギャップ層を形成する工程を兼ねるとともに、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとの間の境界を無くすことができるので、マルチギャップと配向制御用の構造パターンとを、容易かつ安定して製造することができるとともに、両者を容易に並存させることができる。
なお、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターン層との境界の有無は、SEM(Scanning Electron Microscope;走査電子顕微鏡)で基板断面を観察することにより、容易に確認することができる。
なお、本実施の形態では、前記したように、配向制御用の構造パターンにおける各微小突起24aの形状としてT字形状を採用したが、各微小突起24aの形状並びにその配置は、前記した図4(a)・(b)並びに図5に示す形状並びに配置に限定されるものではない。
前記したように、上記配向制御用の構造パターンは、例えば、液晶層の面に平行な第1の方向に延在して設けられた微小突起24a(具体的には、基板面に平行な第1の方向に長軸を有する微小突起24a)を、液晶層の面(基板面)に平行でかつ前記第1の方向に交差する第2の方向に周期的に繰り返し配列した構造を有していることが望ましい。液晶分子は、電圧印加時に、実質的に上記第1の方向にチルトする。したがって、上記微小突起24aが、上記したように第2の方向に周期的に繰り返し配列した構造を有していることで、液晶分子は、電界印加時に、一画素内で複数の方向に傾斜する。つまり、本実施の形態では、上記微小突起24aの長軸方向は、一画素内に複数存在しており、上記した例においては、T字の向きによって、1画素内で複数の方向に液晶分子を傾斜させることができる。なお、本実施の形態では、上記微小突起24aは、少なくとも第2の方向(第2の方向、または、第1および第2の方向))に周期的に繰り返し配列した構図を有している。
また、上記微小突起24aは、その長軸方向先端部に向かって徐々に幅が狭くなるテーパ形状を有していてもよく、長軸方向先端部に向かって階段状に幅が狭くなるテーパ形状を有していてもよい。また、上記微小突起24aは、長軸方向先端部に向って高さが徐々に減少する形状であってもよい。
さらに、上記配向制御用の構造パターンは、上記したように液晶層の面に平行な第1の方向に延在する微小突起24aとは別に、液晶層の面に平行な第2の方向に延在する別の微小突起が形成されており、一方の微小突起が、他方の微小突起から側方に延出するように各微小突起が配置されていても構わない。さらに、上記微小突起24a、もしくは、上記微小突起24aを含む複数の微小突起は、1つの微小突起24aに対し、該微小突起24aの側方から、互いに直交する第1の方向および第2の方向に延出するパターンを有するように形成、もしくは配置されていても構わない。また、上記第1の方向と第2の方向とは、互いに45°の角度で交差する方向であっても構わない。
さらに、上記したように複数の微小突起が設けられている場合、その大きさは、互いに異なっていてもよく、例えば、上記した別の微小突起(延出パターン)は、微小突起24aよりも大きな幅もしくは大きな高さを有していても構わない。
上記配向制御用の構造パターンとしては、例えば、前記特許文献2に示された各種凸パターンと同様のパターンを採用することができる。
なお、上記した配向制御用の構造パターンの構造によってセル厚の設定値は変わる。このため、セル厚、具体的には、該セル厚を実現するための、前記段差24A・24B・24Cを有する型は、液晶表示パネル2並びに液晶表示装置1が所望の特性を得ることができるように、配向制御用の構造パターンの構造(具体的には、パターンの密度、形状、およびパターンのテーパ角)に応じて、パターンを模したシミュレーション等によって設計することが望ましい。
また、本実施の形態では、上記樹脂層24を構成する樹脂、すなわち、上記マルチギャップ層並びに配向制御用の構造パターンを構成する材料として、紫外線硬化性樹脂並びに熱硬化性樹脂を例に挙げて説明したが、上記マルチギャップ層並びに配向制御用の構造パターンの材料としては、透明であれば、有機材料、特に上記したように樹脂にのみ限定されるものではなく、また、絶縁性を有していても誘電性を有していても構わない。また、上記材料としては、製造方法にもよるが、上記転写が可能であれば、無機材料であっても構わない。例えば上記材料としては、層間絶縁膜に用いられる一般的な無機絶縁材料等の無機材料を用いても構わない。すなわち、本実施の形態においては、上記樹脂層24に代えて、絶縁性を有する無機膜を形成しても構わない。
〔実施の形態2〕
本実施の形態について、図8に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本実施の形態では、前記実施の形態1との相違点について説明する。また、前記実施の形態1と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図8は、本実施の形態にかかる液晶表示装置における液晶表示パネルの要部の概略構成を模式的に示す断面図である。
本実施の形態にかかる液晶表示パネル2は、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンが形成された層とを兼ねる樹脂層24が、TFT基板20に代えて、対向基板30に設けられている点が、前記実施の形態1とは異なっている。
本実施の形態で用いられる上記対向基板30は、図8に示すように、透明基板31におけるTFT基板20との対向面上に、CF層32およびBM33と、上記樹脂層24と、対向電極34と、配向膜35とが、上記透明基板31側からこの順に配されている。
一方、上記TFT基板20は、図8に示すように、透明基板21上に、第1の金属電極層(図8には図示せず)、絶縁層22(ゲート絶縁膜、第1の層間絶縁膜)、ソースバスライン8等で構成される第2の金属電極層、絶縁層23(第2の層間絶縁膜)、画素電極25、配向膜26(垂直配向膜)が、この順に形成された構成を有している。
なお、本実施の形態でも、上記第1の金属電極層は、ゲートバスライン7およびCsバスライン9等で構成されている。また、第2の金属電極層は、ソースバスライン8、TFT11のドレイン電極14、および中間電極16等で構成されている。
すなわち、本実施の形態では、樹脂層24、すなわち、配向制御用の構造パターンが形成されたマルチギャップ層は、対向基板30におけるCF層32上に形成されており、該マルチギャップ層上に、対向電極34が形成されている。
このため、上記樹脂層24を覆う対向電極34および配向膜35の表面には、RGBの各色の画素10・10同士の境界部に、上記樹脂層24の表面に形成された段差24A・24B・24C分だけ、該段差24A・24B・24Cに伴う段差がそれぞれ形成されているとともに、上記樹脂層24に形成された微小突起24aに由来する凹凸が形成されている。これにより、前記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、上記微小突起24aは、対向電極34の真下に、該対向電極34に隣接して設けられている。言い換えれば、本実施の形態でも、上記微小突起24aは、その上面が、電極層(本実施の形態では対向電極34)によって覆われている。このため、本実施の形態でも、上記微小突起24aの膜剥がれをより一層防止することができるとともに、上記微小突起24a上に別の樹脂層を用いた場合のように、上記微小突起24a上に後から塗布した樹脂が上記微小突起24aあるいはマルチギャップ層をある程度平坦化してしまうおそれを回避することができる。このため、本実施の形態でも、前記実施の形態1と同様に、所定のマルチギャップ層並びに配向制御用の構造パターンを実現するための厚さ制御が容易である。また、電極そのものに微細構造パターンを形成する場合と比較して、容易に上記微細構造パターンを形成することができる。したがって、層界面(境界)における膜剥離のおそれがなく、表示特性に優れた液晶表示パネル2を、容易かつ安定して製造することができる。
なお、上記樹脂層24の形成方法としては、該樹脂層24を形成する基板が、前記実施の形態1とは異なることから下層の構成が異なる以外は、前記実施の形態1と同じである。本実施の形態でも、インプリント技術を用いた転写工程により、マルチギャップ層と配向制御用の構造パターンとを、同一の材料を用いて、境界なしに一体的に形成することができ、この結果、高透過率で、色調変化が小さく、色ずれのない垂直配向型の液晶表示パネル2並びに該液晶表示パネル2を備えた液晶表示装置1を、安価かつ容易に製造することができる。また、上記対向電極34の形成方法としては、前記実施の形態1にかかる画素電極25と同様、蒸着方法もしくはスパッタリング等、通常のITOの成膜方法を適用することができる。
なお、本実施の形態でも、微小突起24aは微小であるため、図8では、上記微小突起24aの形状については、図示を省略したが、本実施の形態でも、上記配向制御用の構造パターンとして、前記図4(a)・(b)に示す微小突起24aが、図5に示すように配置された構造パターンを形成した。但し、上記微小突起24aの形状並びに配置はこれに限定されるものではなく、前記実施の形態1に示したように、種々の形状並びに配置を採用することができる。
以上のように、上記実施の形態1、2にかかる液晶表示パネルは、電極および該電極を覆う配向膜とを備えた一対の基板と、上記一対の基板間に挟持された液晶層とを備え、電圧無印加時に、上記液晶層中の液晶分子を、基板面に略垂直に配向させる垂直配向型の液晶表示パネルであって、上記一対の基板のうち一方の基板にはカラーフィルタが設けられているとともに、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板には、透過率が最大となる印加電圧が全画素で略等しくなるように、上記液晶層の厚さを、各画素におけるカラーフィルタの色毎に調節する段差を有するマルチギャップ層が設けられており、かつ、該マルチギャップ層の表面に、各画素における電界印加時の液晶分子の配向方向を規制する、画素サイズよりも小さな微小構造パターンが、上記マルチギャップ層と同一の材料により、上記マルチギャップ層と一体的に設けられている構成を有している。また、上記実施の形態1、2にかかる液晶表示装置は、上記液晶表示パネルを備えている。
より具体的には、上記液晶表示パネル並びに液晶表示装置は、例えば、第1の基板と、前記第1の基板に対向する第2の基板と、前記第1および第2の基板の間に封入された液晶層と、前記第1の基板上に形成された複数に区切られそれぞれに異なる電圧を印加可能な画素電極と、前記第2の基板上に形成され前記区切られた第1の電極一つ一つに対応したカラーフィルタとそれを覆うように形成された対向電極と、前記第1の基板上に、前記画素電極を覆うように形成された第1の配向膜と、前記第2の基板上に、前記対向電極を覆うように形成された第2の配向膜とよりなり、前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とは、前記画素電極と前記対向電極との間に駆動電圧が印加されていない非駆動状態において、前記液晶層中の液晶分子を前記基板の面に対して略垂直方向に配向させ、少なくとも前記第1の基板上には、前記基板面に平行な少なくとも第1の方向に延在し前記液晶層の面に平行で前記第1の方向に直角な第2の方向に対して周期的に変化する構造パターンが形成されており、前記構造パターンは、前記画素電極と前記対向電極との間に駆動電圧が印加された駆動状態において、前記第2の方向に対して周期的に変化する電界を形成し、前記液晶分子は、前記駆動状態において、実質的に前記第1の方向にチルトし、前記構造パターンを形成するのと同時に形成される前記構造パターンを形成する層と同じ層によって、全ての画素電極の透過率が最大となる印加電圧が概等しくなるように前記第1の基板上の画素電極と前記対向電極の間の液晶層の厚さを設定する構成を有している。
但し、上記液晶表示パネルおよび液晶表示装置は、これに限定されるものではなく、前記したように、例えば、第1の基板と、前記第1の基板に対向する第2の基板と、前記第1および第2の基板の間に封入された液晶層と、前記第1の基板上に形成された複数に区切られそれぞれに異なる電圧を印加可能な画素電極と、前記第2の基板上に形成され前記区切られた第1の電極一つ一つに対応したカラーフィルタとそれを覆うように形成された対向電極と、前記第1の基板上に、前記画素電極を覆うように形成された第1の配向膜と、前記第2の基板上に、前記対向電極を覆うように形成された第2の配向膜とよりなり、前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とは、前記画素電極と前記対向電極との間に駆動電圧が印加されていない非駆動状態において、前記液晶層中の液晶分子を前記基板の面に対して略垂直方向に配向させ、少なくとも前記第2の基板上には、前記基板面に平行な少なくとも第1の方向に延在し前記液晶層の面に平行で前記第1の方向に直角な第2の方向に対して周期的に変化する構造パターンが形成されており、前記構造パターンは、前記画素電極と前記対向電極との間に駆動電圧が印加された駆動状態において、前記第2の方向に対して周期的に変化する電界を形成し、前記液晶分子は、前記駆動状態において、実質的に前記第1の方向にチルトし、前記構造パターンを形成するのと同時に形成される前記構造パターンを形成する層と同じ層によって、全ての画素電極の透過率が最大となる印加電圧が概等しくなるように前記第1の基板上の画素電極と前記対向電極の間の液晶層の厚さを設定する構成を有していてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
上記液晶表示パネルおよび液晶表示装置は、VAモードを用いた、垂直配向型の液晶表示パネルおよび液晶表示装置であり、コントラストが高く、視野角特性に優れているとともに、高透過率で色調変化が小さいので、テレビ、ノート型PC、ディスクトップ型PC、PDAおよび携帯電話等、種々の電子機器に好適に使用することができる。また、上記液晶表示パネルの製造方法によれば、上記液晶表示パネルを、容易かつ安定して製造することができる。
本発明の実施の一形態にかかる液晶表示装置における液晶表示パネルの要部の概略構成を模式的に示す断面図である。 図1に示す液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を模式的に示す平面図である。 本実施の形態にかかる液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。 (a)は、上記液晶表示パネルにおける微小突起の形状を示す平面図であり、(b)は、(a)に示す微小突起の形状を、(a)に示す樹脂層のA−A’線矢視断面にて示す断面図ある。 上記液晶表示パネルの各画素における各微小突起の配列を模式的に示す平面図である。 VAモードの液晶表示パネルにおける液晶のプレチルト角とコントラストとの関係の一例を示すグラフである。 VAモードの液晶表示パネルにおける各波長での透過率とセル厚との関係の一例を示すグラフである。 本発明の実施の他の形態にかかる液晶表示装置における液晶表示パネルの要部の概略構成を模式的に示す断面図である。 VAモードの液晶表示パネルにおける各波長での透過率と液晶のリタデーションとの関係を示す図である。 MVAモードを用いた従来の液晶表示装置における液晶分子の配向を、該液晶表示装置における要部断面図にて模式的に示す図であり、(a)は電圧無印加時の状態を示す図であり、(b)は電圧印加時の状態を示す図である。 特許文献2に示す液晶表示装置におけるTFT基板の概略構成を示す平面図である。 (a)は、特許文献2に示す他の液晶表示装置の概略構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す液晶表示装置における液晶分子の配向を模式的に示す平面図である。
符号の説明
1 液晶表示装置
2 液晶表示パネル
3 制御回路
4 ゲート駆動回路
5 ソース駆動回路
6 Cs駆動回路
7 ゲートバスライン
8 ソースバスライン
9 Csバスライン
10 画素
11 TFT
12 ゲート電極
13 ソース電極
14 ドレイン電極
15 コンタクトホール
16 中間電極
17 コンタクトホール
20 TFT基板(基板)
21 透明基板
22 絶縁層
23 絶縁層
24 樹脂層(マルチギャップ層)
24a 微小突起(微小構造パターン)
24A 段差
24B 段差
24C 段差
25 画素電極(電極)
26 配向膜
30 対向基板(基板)
31 透明基板
32 CF層(カラーフィルタ)
33 BM
34 対向電極(電極)
35 配向膜
40 液晶層

Claims (5)

  1. 電極および該電極を覆う配向膜とを備えた一対の基板と、上記一対の基板間に挟持された液晶層とを備え、電圧無印加時に、上記液晶層中の液晶分子を、基板面に略垂直に配向させる垂直配向型の液晶表示パネルであって、
    上記一対の基板のうち一方の基板にはカラーフィルタが設けられているとともに、
    上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板には、透過率が最大となる印加電圧が全画素で略等しくなるように、上記液晶層の厚さを、各画素におけるカラーフィルタの色毎に調節する段差を有するマルチギャップ層が設けられており、かつ、該マルチギャップ層の表面に、各画素における電界印加時の液晶分子の配向方向を規制する、画素サイズよりも小さな微小構造パターンが、上記マルチギャップ層と同一の材料により、上記マルチギャップ層と一体的に設けられていることを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 上記マルチギャップ層と微小構造パターンとの間には境界が存在していないことを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
  3. 上記マルチギャップ層は、樹脂または無機絶縁材料からなるとともに、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板における電極の真下に、該電極に接して設けられており、
    上記電極の表面には、上記マルチギャップ層における微小構造パターンと同じ形状の微小構造パターンが形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示パネル。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の液晶表示パネルを備えていることを特徴とする液晶表示装置。
  5. 電極および該電極を覆う配向膜とを備えた一対の基板と、上記一対の基板間に挟持された液晶層とを備え、電圧無印加時に、上記液晶層中の液晶分子を、基板面に略垂直に配向させるとともに、上記一対の基板のうち一方の基板にはカラーフィルタが設けられ、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板には、透過率が最大となる印加電圧が全画素で略等しくなるように、上記液晶層の厚さを、各画素におけるカラーフィルタの色毎に調節する段差を有するマルチギャップ層が設けられており、かつ、該マルチギャップ層の表面に、各画素における電界印加時の液晶分子の配向方向を規制する、画素サイズよりも小さな微小構造パターンが設けられている垂直配向型の液晶表示パネルの製造方法であって、
    上記段差並びに微小構造パターンに対応したパターンを有する型を用いて、転写によって、上記マルチギャップ層と微小構造パターンとを、同一の材料を用いて同時に形成することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
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