JP4867466B2 - カラーフィルタ及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Description
実際、従来の着色層材料を使用した場合、横電界方式の液晶表示装置では着色層材料の電気的特性に起因する液晶配向不良、スイッチングの閾値ずれによる焼き付き現象など、様々な表示不良が起こっていた。そのため、従来の着色層材料によるカラーフィルタを横電界方式の液晶表示装置に用いる場合は、着色層上に透明樹脂による保護層(オーバーコート層)を設け、液晶挟持面と着色層が直接触れ合わないようにすることが一般的である。
脂による保護層(オーバーコート層)を設けることなく十分な性能を確保できるカラーフィルタを提供することを課題とする。
具体的には誘電正接の値により説明が可能である。おおむね以下のようなメカニズムによる。 誘電正接(tanδ)は誘電体内に蓄積される電荷量と消費される電荷量の比である。誘電正接が比較的小さい場合は誘電体内に蓄積された電荷は保持されるのに対し、比
較的大きい場合は電荷は消費されて保持されない。
本発明のカラーフィルタは少なくとも透明基板上に複数色の画素を備えており、当該複数色の画素は少なくとも着色層から構成されている。複数色には赤、緑、青(RGB)の組み合わせやイエロー、マゼンダ、シアン(YMC)の組み合わせが挙げられるが、本発明のカラーフィルタは緑着色層を有するカラーフィルタ(すなわちRGB系)に対して特に好ましく適用できる。
橙色顔料としてはC.I. Pigment Orange 36、43、51、55、59、61、71、73等が挙げられる。
また、青色着色樹脂組成物には、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料、好ましくはC.I. Pigment Violet 23を併用することができる。
さらに、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
光重合開始剤としては、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイド、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリク
ロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル(4'-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、O-(アセチル)-N-(1-フェニル-2-オキソ-2-(4'-メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。 光重合開始剤の使用量は、着色樹脂組成物の全固形分量を基準として0.5〜50重量%が好ましく、より好ましくは3〜30重量%である。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
多官能チオールの使用量は、着色樹脂組成物の全固形分量を基準として0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは1〜20重量%である。0.1質量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30質量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂100gにアクリル酸17.9g及びフェノール27.2gを公知の方法で付加させたエポキシ化合物と、ビフタル酸無水物38.7gを公知の方法にて反応させた。これをシクロヘキサノンで固形分濃度20%に調整し、光重合性不飽和基を有する変性エポキシ樹脂溶液(A−1)を得た。(Mw=4600、酸価(固形分)81mgKOH/g、粘度59.6mPa・s、固形分37.5%)。
ビフェニルシクロヘキシルケトン70.5g、過剰量のフェノール200.7gを公知の方法にて反応させた後精製して得た生成物のうち57.5gを、エピクロルヒドリン195.8gと反応させ、溶媒を留去して、1,1−ビス(4'−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1''−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン(以下、化合物aともいう)57g(収率79%)を得た。(融点64.2℃、エポキシ当量282、n=0.04)。上述の方法にて得た化合物a1695g、アクリル酸443g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール6gを公知の方法にて付加させたエポキシ化合物と、無水コハク酸482gを公知の方法にて反応させた。これをシクロヘキサノンで固形分濃度20%に調整し、光重合性不飽和基を有する変性エポキシ樹脂溶液(A−2)を得た。(Mw=4200、Mn=2100、酸価(固形分)55mgKOH/g)。
下記の要領で赤、青、緑の着色樹脂組成物を調製した。
<赤色着色樹脂組成物>
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して赤色顔料の分散体を作製した。
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「イルガーフォーレッド B-CF」)
赤色顔料:C.I. Pigment Red 177 2部
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製「クロモフタールレッド A2B」)
分散剤(味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」) 2部
変性エポキシ樹脂溶液(A−1) 108部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルターで濾過して赤色着色樹脂組成物を得た。
トリメチロールプロパントリアクリレート 13部
(新中村化学(株)製「NKエステルATMPT」)
光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 3部
増感剤(保土ヶ谷化学工業(株)製「EAB-F」) 1部
シクロヘキサノン 253部。
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して青色顔料の分散体を作製した。
(東洋インキ製造(株)製「リオノールブルーES」)
紫色顔料:C.I. Pigment Violet 23 2部
(BASF社製「パリオゲンバイオレット 5890」)
分散剤(ゼネカ社製「ソルスバーズ20000」) 6部
変性エポキシ樹脂溶液(A−1) 200部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルターで濾過して青色着色樹脂組成物を得た。
トリメチロールプロパントリアクリレート 19部
(新中村化学(株)製「NKエステルATMPT」)
光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 4部
増感剤(保土ヶ谷化学工業(株)製「EAB-F」) 2部
シクロヘキサノン 214部。
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過して青色顔料の分散体を作製した。
(東洋インキ製造(株)製「リオノールグリーン 6YK」)
黄色顔料:C.I. Pigment Yellow 150 8部
(バイエル社製「ファンチョンファーストイエロー Y-5688」)
分散剤(ビックケミー社製「Disperbyk-163」) 2部
変性エポキシ樹脂溶液(A−1) 100部
その後、下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5μmのフィルターで濾過して緑色着色樹脂組成物を得た。
トリメチロールプロパントリアクリレート 14部
(新中村化学(株)製「NKエステルATMPT」)
光開始剤(チバガイギー社製「イルガキュアー907」) 4部
増感剤(保土ヶ谷化学工業(株)製「EAB-F」) 2部
シクロヘキサノン 257部
<緑色着色樹脂組成物2>
変性エポキシ樹脂溶液(A−1)の代わりに、変性エポキシ樹脂溶液(A−2)を用いた以外は前記<緑色着色樹脂組成物1>と同様にして、緑色着色樹脂組成物2を得た。
変性エポキシ樹脂溶液(A−1)の代わりに、クレゾールノボラック樹脂(旭有機材工業社製、製品名;EP0010A)20gをシクロヘキサノン80gに溶解した樹脂溶液(A−3)を用いた以外は前記<緑色着色樹脂組成物1>と同様にして、緑色着色樹脂組成物3を得た。
変性エポキシ樹脂溶液(A−1)の代わりに、ポリ(p−ビニルフェノール)(丸善石油化学社製、製品名;マルカリンカーM S−1)20gをシクロヘキサノン80gに溶解した樹脂溶液(A−4)を用いた以外は前記<緑色着色樹脂組成物1>と同様にして、緑色着色樹脂組成物4を得た。
<緑色着色樹脂組成物5>
変性エポキシ樹脂溶液(A−1)の代わりに、ベンジルメタクリレート/スチレン/メタクリル酸(共重合比率60/10/30)を公知の方法で共重合させた樹脂(分子量約35000)20gをシクロヘキサノン80gに溶解した樹脂溶液(A−5)を用いた以外は前記<緑色着色樹脂組成物1>と同様にして、緑色着色樹脂組成物5を得た。
変性エポキシ樹脂溶液(A−1)の代わりに、メタクリル酸ブチル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル/メタクリル酸−2−イソシアナートエチル共重合体
(共重合比率20/20/40/20、分子量約30000)を公知の方法で共重合させた樹脂(分子量約35000)20gをシクロヘキサノン80gに溶解した樹脂溶液(A−6)を用いた以外は前記<緑色着色樹脂組成物1>と同様にして、緑色着色樹脂組成物6を得た。
炭酸水素ナトリウム 0.5重量%
陰イオン系界面活性剤 8.0重量%
(花王(株)製「ペリレックスNBL」)
水 90重量%
次に、緑色着色樹脂組成物も同様にスピンコートにて膜厚が2μmとなるように塗布、
乾燥後、露光機にてストライプ状の着色層を前述の赤色画素とはずらした場所に露光し現像後ポストベークすることで、前述赤色画素と隣接した緑色画素を形成した。
2 …着色層
3 …偏光板
4 …画素電極
5 …共通電極
6 …駆動電界
7 …液晶層
10…カラーフィルタ
20…横電界方式の液晶表示装置
Claims (7)
- 透明基板上に複数色の画素を備えるカラーフィルタにおいて、少なくとも1色の画素を構成する着色層が、誘電正接(tanδ)が周波数10Hz〜100Hzの範囲で0.008以下である樹脂を含有する着色樹脂組成物を用いたカラーフィルタであり、かつ前記樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂100gにアクリル酸17.9g及びフェノール27.2gを公知の方法で付加させたエポキシ化合物と、ビフタル酸無水物38.7gを反応させた光重合性不飽和基を有する変性エポキシ樹脂であることを特徴とするカラーフィルタ。
- 前記着色層の誘電正接(tanδ)が周波数10Hz〜100Hzの範囲で0.03以下であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
- 前記1色の画素が、緑色画素であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカラーフィルタ。
- 前記緑色画素以外の画素が、赤色画素又は/及び青色画素であることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3記載のカラーフィルタ。
- 前記着色層の比誘電率が周波数10Hz〜100Hzの範囲で5.0以下であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載のカラーフィルタ。
- 前記着色層上には保護層を有さないことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、又は請求項5記載のカラーフィルタ。
- 請求項1〜請求項6のいづれか1項に記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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