JP5640329B2 - カラーフィルタ、およびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明によれば、各色の上記着色層が有するRthを調整することによって、視野角特性を改善することができるため、各色の着色層上に最適な位相差層をそれぞれ形成する場合に比べて、少ない工程でカラーフィルタを形成することができる。
また、上記着色層により視野角特性を向上させることが可能となるので、着色層上に最適な位相差層をそれぞれ形成する場合に比べて少ない工程でカラーフィルタを形成することが可能となる。
また、本発明においては、PV比を調整した着色層形成用塗工液を用いて各色の上記着色層が形成されることによって、本発明のカラーフィルタが表示装置に用いられた際に、カラーフィルタが有するRthとカラーフィルタ未装着表示装置が有するRthとを相殺することができるため、カラーフィルタが装着された表示装置のコントラストを向上させることができる。
また、本発明においては、各色の着色層によってRthの調整が行われるため、カラーフィルタの各色の着色層上に、最適な位相差層をそれぞれ形成する場合に比べて工程数が少なくてすみ、低コストでカラーフィルタを得ることが可能となる。
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、各色の着色層が有するRthを調整するために、各色の上記着色層のPV比が調整されたものであることを特徴とするものである。
ここで、「着色層のPV比」とは、着色層中の顔料の含有量と、着色層中のバインダー樹脂の含有量との比率を示すものであるが、これを直接特定することができない場合は、「着色層形成用塗工液中の顔料の含有量/着色層形成用塗工液中のバインダー樹脂の含有量」で示すことができる。また、「バインダー樹脂」とは、ポリマー成分、および重合可能なモノマー成分から構成されるものである。
したがって、単位面積(1μm2)当たりの顔料の含有量が一定である場合、PV比を小さくすると、バインダー樹脂の含有量は増えるため、形成される着色層の膜厚は大きくなり、PV比を大きくすると、バインダー樹脂の含有量は減るため、形成される着色層の膜厚は小さくなる。
また、本実施態様に用いられる各色の上記着色層が有するRthについては、赤色着色層には620nmの波長を、緑色着色層には550nmの波長を、青色着色層には450nmの波長をそれぞれ測定波長として、位相差測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて測定された値を用いるものとする。
着色層が有するRthの絶対値は、着色層のPV比の変化とともに変化する値である。また、上記着色層のPV比の変化に伴う上記着色層が有するRthの絶対値の変化の仕方は、着色層を構成する顔料の種類およびバインダー樹脂の種類の組み合わせにより様々であり、例えば上記着色層のPV比が大きくなるにつれて上記着色層が有するRthの絶対値が大きくなる態様や、また例えば上記着色層のPV比が大きくなるにつれて上記着色層が有するRthの絶対値が小さくなる態様が存在する。
図1(a)は、上記着色層のPV比が大きくなるにつれて着色層が有するRthの絶対値が大きくなる態様における着色層のRthの分布と着色層のPV比との関係について示している。この態様においては、例えば、着色層のPV比がtである場合は、着色層のPV比が(1/2)tである場合に比べて着色層が有するRthの絶対値は大きなものとなる。また、着色層のPV比が(1/2)tである場合は、着色層のPV比が(1/4)tである場合に比べて着色層が有するRthの絶対値は大きなものとなる。
また、図1(b)は、上記着色層のPV比が大きくなるにつれて着色層が有するRthの絶対値が小さくなる態様における着色層のRthの分布と着色層のPV比との関係について示している。この態様においては、例えば、着色層のPV比がtである場合は、着色層のPV比が(1/2)tである場合に比べて着色層が有するRthの絶対値は小さなものとなる。また、着色層のPV比が(1/2)tである場合は、着色層のPV比が(1/4)tである場合に比べて着色層が有するRthの絶対値は小さなものとなる。
ここで、上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求めたものである。
以下、各実施態様について、それぞれ説明する。
本実施態様のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色層とを有するカラーフィルタであって、各色の上記着色層は、少なくとも顔料とバインダー樹脂とを含有するものであり、各色の上記着色層が有するRthが均一になるように、PV比を調整した着色層形成用塗工液を用いて各色の上記着色層が形成されることを特徴とするものである。
図2は、本実施態様のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図2に示すように、本実施態様のカラーフィルタ10は、透明基板1と、透明基板1上に形成された複数色の着色層2(図2では、赤色着色層2R、緑色着色層2G、青色着色層2B)とを有するものである。ここで、複数色の着色層2は、各色の着色層2が有するRthが均一になるように、それぞれ着色層のPV比が調整されて形成されているため、各色の着色層2の膜厚は異なるものとなっている。
なお、本実施態様のカラーフィルタ10は、通常、透明基板1上の着色層2の間に遮光部3を有する。
図3は、カラーフィルタの各色の着色層のRthの分布の一例を示す図である。図3では、カラーフィルタの着色層に赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)が用いられている場合を示している。また、各色の着色層の分布については、R(n)、G(n)、およびB(n)は各色の着色層が従来の方法で調整されている場合、R(c)、G(c)、およびB(c)は各色の着色層について着色層のPV比が調整されている場合を示している。
従来のカラーフィルタの製造方法においては、各色の着色層については、要求される色特性に応じて、単位面積当たりの顔料の含有量が決定され、各色の厚みがほぼ一定となるようにPV比が決定される。この場合、図3のR(n)、G(n)、およびB(n)に示すように、各色の着色層が有するRthは、通常、それぞれ異なる値をとる。このような場合、表示装置に用いられる位相差層は、上述した各色の着色層のRthについて補償するものではないので、斜め方向から黒表示を観察した場合、特定の波長の光において漏れ光が生じることにより、色みをおびた黒色が観察されるという問題があった。
一方、本実施態様においては、着色層形成用塗工液中のバインダー樹脂の含有量を変化させ、着色層のPV比を変化させることによって、図3のR(c)、G(c)、およびB(c)に示すように、各色の着色層のRthを均一な値とすることができる。
この際、例えば、3色の上記着色層が、それぞれ上記着色層のPV比が大きくなるにつれて上記着色層が有するRthの絶対値が大きくなるものである場合は、着色層のRthの絶対値が揃えようとする値(図3では、Rth=−20nm)よりも大きな場合(図3では、G(n)の場合)は、着色層のPV比を小さくすることによりRthの絶対値の値を下げ、着色層のRthの絶対値が揃えようとする値よりも小さい場合(図3では、R(n)、およびB(n)の場合)は、着色層のPV比を大きくすることによりRthの絶対値の値を上げることで調整が行われる。
また、例えば、3色の上記着色層が、それぞれ上記着色層のPV比が大きくなるにつれて上記着色層が有するRthの絶対値が小さくなるものである場合は、着色層のRthの絶対値が揃えようとする値(図3では、Rth=−20nm)よりも大きな場合(図3では、G(n)の場合)は、着色層のPV比を大きくすることによりRthの絶対値の値を下げ、着色層のRthの絶対値が揃えようとする値よりも小さい場合(図3では、R(n)、およびB(n)の場合)は、着色層のPV比を小さくすることによりRthの絶対値の値を上げることで調整が行われる。
上記記載は、3色の上記着色層が、それぞれ上記着色層のPV比を大きくすることによって、上記着色層が有するRthの絶対値が大きくなるものである場合、もしくは、3色の上記着色層が、それぞれ上記着色層のPV比を大きくすることによって、上記着色層が有するRthの絶対値が小さくなるものである場合について述べたが、これ以外の場合についても、着色層のPV比の変化に対する着色層のRthの絶対値の変化に合わせて着色層形成用塗工液中のバインダー樹脂の含有量を変化させればよい。
このように、着色層のPV比を調整することにより、各色の着色層が有するRthを均一なものとすることができるので、本実施態様のカラーフィルタを用いた表示装置においては、斜め方向から黒表示を観察した際に、特定の波長の光における漏れ光が生じないため、色みを帯びた黒表示とはならず、良好な黒表示を行うことができる。
以下、本実施態様のカラーフィルタの各構成について説明する。
本実施態様に用いられる着色層は、後述する透明基板上に形成され、少なくとも顔料とバインダー樹脂とを含有するものであり、各色の上記着色層が有するRthが均一になるように、各色の上記着色層のPV比が調整されたものである。
通常、カラーフィルタの着色層としては、赤色、緑色、および青色の3色が用いられる。
緑色着色層に用いられる顔料としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
青色着色層に用いられる顔料としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート基またはメタクリレート基のいずれかであることを意味する。
上記着色層が有するRthの符号が正の符号となる顔料およびバインダー樹脂の組み合わせとしては、具体的には、赤色顔料(C.I.pigment red 254、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製 イルガフォアレッドB−CF)と、モノマー(サートマー社製 SR399)および上述したポリマーIから構成されるバインダー樹脂との組み合わせが挙げられる。
本実施態様に用いられる透明基板は、着色層、および必要に応じて遮光部を形成可能であり、可視光に対して透明な基材であれば特に限定されるものではない。
本実施態様においては、上記透明基板がRthを有さないものであることがより好ましい。このような透明基板としては、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものとすることができる。
本実施態様のカラーフィルタは、上記着色層、および透明基板を少なくとも有しているのであれば、特に限定されるものではなく、必要な部材を適宜加えてもよい。例えば、カラーフィルタの表面を平坦化させるための平坦化層や、画素を区画する遮光部等が挙げられる。以下それぞれについて説明する。
本実施態様に用いられる平坦化層は、カラーフィルタ上に形成される層の厚みを一定に保つために形成されるものである。
本実施態様において、カラーフィルタの各色の着色層の膜厚が大きく異なる場合には、表示装置に用いられた際に、隣接層に悪影響を与える可能性が考えられる。例えば本実施態様のカラーフィルタが有機EL表示装置に用いられる場合、カラーフィルタの表面上に形成される電極が断線してしまうおそれがある。また、例えば液晶表示装置に用いられる場合は、カラーフィルタに隣接する液晶層の液晶分子の配向が乱れてしまうおそれがある。
本実施態様において、上記カラーフィルタの各色の着色層の膜厚が大きく異なる場合は、図4に示すように着色層2上に平坦化層4を形成して、カラーフィルタの表面を平坦化することにより、表示装置とした際に、カラーフィルタの隣接層に対する悪影響を抑制することができる。
ここで、図4において、説明しない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
具体的に、上記平坦化層の材料に用いられるポリマー成分としては、「1.着色層」の項で挙げたものと同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。また、上記平坦化層に用いられるポリマー成分としては、エポキシ樹脂が好適に用いられ、特に、好ましいエポキシ樹脂としては、三菱油化シェル(株)製エピコートシリーズ、ダイセル(株)製セロキサイドシリーズ、エポリードシリーズ、または、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオールグリシジルエステル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートとラジカル重合可能なモノマーとの共重合エポキシ化合物等を挙げることができる。このようなポリマー成分の含有量は、樹脂組成物の不揮発成分の10重量%〜90重量%、好ましくは20重量%〜80重量%の範囲が望ましい。
本実施態様に用いられる遮光部は、上記透明基板上に形成され、画素を区画するものである。このような遮光部としては、一般的なカラーフィルタに用いられる遮光部と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
本実施態様のカラーフィルタは上記着色層、および透明基板を少なくとも有するものである。このようなカラーフィルタの製造方法としては、一般的なカラーフィルタの製造方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明のカラーフィルタの他の実施態様は、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色層とを有するものであって、各色の上記着色層が有するRthが均一であることを特徴とするものである。
図5は、本実施態様のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図5に例示するように、本実施態様のカラーフィルタ10は、透明基板1と、透明基板1上に形成された複数色の着色層2(図5においては、赤色着色層2R、緑色着色層2G、青色着色層2B)と、透明基板1上の各色の着色層2(赤色着色層2R、緑色着色層2G、青色着色層2B)の間に形成された遮光部3とを有している。
通常、各色の着色層のRthは異なることが多く、表示装置に用いられる位相差層は、各色の着色層のRthについて補償するものではないので、カラーフィルタによっては、斜め方向から黒表示を観察した場合、特定の波長において漏れ光が生じることにより、色味を帯びた黒色が観察されるという問題があった。
これに対し、本実施態様においては、各色の着色層が有するRthが均一であるので、本実施態様のカラーフィルタを用いた表示装置においては、斜め方向から黒表示を観察した場合でも、特定の波長における漏れ光が生じないため、色付きのない良好な黒表示を行うことができる。
ここで、着色層が有するRthには、膜の内部応力が寄与していると考えられる。着色層は、例えば、透明基板上に着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を形成し、パターン露光し、現像し、焼成することにより形成されるものであり、このような着色層を形成する過程において、温度変化によって膜が膨張したり収縮したりする。このような着色層を形成する過程での温度変化による膜の膨張・収縮の度合いによって、膜の内部応力が変化する。そして、膜の内部応力が変化することで、膜の異方性が変化し、着色層が有するRthも変化すると推量される。特に、着色層が形成される過程においてモノマーやバインダーポリマーが配向する際に顔料が配向または凝集し、この顔料の配向状態または凝集状態が、膜の異方性、すなわち着色層のRthに寄与しているのではないかと考えられる。
このような膜の内部応力を変化させる手段、具体的には顔料の配向状態または凝集状態を変化させる手段としては、着色層に含まれる顔料分散剤のTgを調整する方法、上述した着色層のPV比を調整する方法、着色層形成時に着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を焼成するときの膜の収縮率を調整する方法、着色層形成時に着色層用感光性樹脂組成物からなる膜を焼成するときの焼成温度を調整する方法などを挙げることができる。
着色層に含まれる顔料分散剤のTgによって着色層のRthが変化する理由については明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、上述したように、膜の異方性には、顔料の凝集状態(分散状態)が大きく寄与しているのではないかと考えられる。よって、顔料分散剤のTgが大きくなるほど、着色層用感光性樹脂組成物の粘度が高くなるので、顔料が凝集しやすくなり、膜の異方性が大きくなり、最終的に得られる着色層のRthの絶対値が大きくなると推量される。
膜を焼成するときの膜の収縮率によって着色層のRthが変化する理由については明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、膜を焼成するときの膜の収縮率が大きなものほど、着色層を形成する過程での温度変化による膜の膨張・収縮の度合いが大きくなるので、膜の内部応力が大きくなると思料される。その結果、モノマー、バインダーポリマー、顔料などが配向しやすくなったり凝集しやすくなったりするため、膜の異方性が大きくなり、最終的に得られる着色層のRthの絶対値が大きくなると推量される。特に、上述したように、着色層が形成される過程においてモノマーやバインダーポリマーが配向する際に顔料が配向または凝集し、この顔料の配向状態または凝集状態が膜の異方性に寄与しているのではないかと考えられる。
着色層を形成する際の焼成温度によって着色層のRthが変化する理由については明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、上述したように、膜の異方性には、顔料の凝集状態が大きく寄与しているのではないかと考えられる。よって、焼成温度が大きくなるほど、顔料が凝集しやすくなり、膜の異方性が大きくなり、最終的に得られる着色層のRthの絶対値が大きくなると推量される。
なお、カラーフィルタにおける各構成については、上述したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様のカラーフィルタは、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色層とを有するカラーフィルタであって、各色の上記着色層は、少なくとも顔料とバインダー樹脂とを含有するものであり、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、PV比を調整した着色層形成用塗工液を用いて各色の上記着色層が形成されることを特徴とするものである。
ここで、表示装置に用いられるカラーフィルタ以外の各構成のRthは、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて、620nm(赤色着色層想定)、550nm(緑色着色層想定)、および450nm(青色着色層想定)の3波長について測定された値を用いるものとする。
本実施態様においては、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthが相殺されるようなRthを有するカラーフィルタとすることができればよく、各色の着色層が有するRthは、上記カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthにより決定されるものである。
また、例えば上記カラーフィルタ未装着表示装置が正分散型の波長依存性を示す場合は、短波長側のRthの方が長波長側のRthの値よりも大きくなるので、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺するために、短波長側の色の着色層が有するRthは、長波長側の色の着色層が有するRthの値よりも小さくなるように調整される。
また、例えば上記カラーフィルタ未装着表示装置が波長依存性を有さないフラット型になる場合は、Rthは一定となるので、着色層の各色の着色層が有するRthは、それぞれの色において上記カラーフィルタ未装着表示装置が有する所定のRthと相殺されるように調整される。
ここで、各色の着色層が有するRthは、各色の着色層のPV比を調整することによって調整されるものである。
まず、本実施態様のカラーフィルタのRthと、逆分散型の波長依存性を示すカラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺される場合について図7を用いて説明する。
図7は、本実施態様のカラーフィルタのRthの分布の一例を示す図である。図7では、カラーフィルタに、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層が用いられている場合について示している。また、このとき、上記カラーフィルタ未装着表示装置は、例えば赤色光領域で+30nm、緑色光領域で+25nm、青色光領域で+20nmのRthを有するものとする。
この場合、図7に示すように、本実施態様においては、赤色着色層RのRthが−30nm、緑色着色層GのRthが−25nm、青色着色層BのRthが−20nmとなるように、各色の着色層のPV比の調整が行われる。
この場合、図8に示すように、本実施態様においては、赤色着色層RのRthが−20nm、緑色着色層GのRthが−25nm、青色着色層BのRthが−30nmとなるように、各色の着色層のPV比の調整が行われる。
この場合、図9に示すように、本実施態様のカラーフィルタは、赤色着色層RのRth、緑色着色層GのRth、および青色着色層BのRthがそれぞれ−30nmとなるように、各色の着色層のPV比が調整されて形成される。
例えば、上記カラーフィルタ未装着表示装置中の構成に、逆分散型の波長依存性を示す構成と、正分散型の波長依存性を示す構成とを有する場合には、赤色波長領域および青色波長領域におけるRthの絶対値の方が緑色波長領域におけるRthの絶対値よりも大きくなるような波長依存性、もしくは緑色波長領域におけるRthの絶対値の方が赤色波長領域および青色波長領域におけるRthの絶対値よりも大きくなるような波長依存性等が考えられる。
このような波長依存性を示すカラーフィルタ未装着表示装置が有するRthと、本実施態様のカラーフィルタが有するRthとを相殺する場合も、上述した逆分散型、正分散型、およびフラット型のそれぞれのカラーフィルタ未装着表示装置が有するRthと本実施態様のカラーフィルタが有するRthとを相殺する場合と同様にして、カラーフィルタが有するRthの調整が行われる。
コントラストを向上させることができる理由としては、上記カラーフィルタのRthと上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されることにより、上記カラーフィルタを用いた表示装置全体のRthの絶対値を小さなものとすることができるので、漏れ光の光強度を小さなものとすることが可能になるからである。
本発明のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ」の項で説明したカラーフィルタを設計する方法である。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ 1.第1実施態様」の項に記載されたカラーフィルタを設計する設計方法であり、カラーフィルタとした際に要求される色濃度となる量の顔料と、バインダー樹脂とを用いて所定のPV比を有する測定用着色層形成用塗工液を調製し、上記測定用着色層形成用塗工液を用いて、測定用透明基板上に測定用着色層を形成する測定用着色層形成工程と、上記測定用着色層が有するRthを測定し、測定結果に基づいて、各色の着色層が有するRthが均一となるように、各色の上記着色層形成用塗工液のPV比を増減させて決定する着色層PV比決定工程とを有することを特徴とする設計方法である。
以下、各工程について説明する。
本工程は、カラーフィルタとした際に要求される色濃度となる量の顔料と、バインダー樹脂とを用いて所定のPV比を有する上記測定用着色層形成用塗工液を調製し、上記測定用着色層形成用塗工液を用いて測定用透明基板上に測定用着色層を形成する工程である。
本工程は、上記測定用着色層が有するRthを測定し、測定結果に基づいて、各色の着色層が有する厚み方向のRthが均一となるように、各色の上記着色層のPV比を増減させて決定する工程である。
図10は、カラーフィルタの着色層が有するRthの分布の一例を示す図である。図10においては、カラーフィルタの着色層として、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層が用いられる場合について示している。
上述した測定用着色層のRthの分布の測定結果が、例えば、図10中の、R(n)、G(n)、B(n)で示されるような値となる場合、設計されるカラーフィルタの各色の着色層が有するRthの分布が図10中の、R(c)、G(c)、B(c)で示されるように均一となるためには、各色の着色層形成用塗工液中のバインダー樹脂の含有量の調整が行われる。
例えば、3色の上記着色層が、それぞれ上記着色層のPV比を大きくするにつれて上記着色層が有するRthの絶対値が大きくなるものである場合は、揃えるRthの値(図10では、Rth=−20nm)よりもRthの絶対値が大きい測定用赤色着色層については、PV比が小さくなるように、赤色着色層形成用塗工液中のバインダー樹脂の割合を上げ、揃えるRthの値(図10では、Rth=−20nm)よりもRth絶対値が小さい測定用緑色着色層および測定用青色着色層については、PV比が大きくなるように、緑色着色層形成用塗工液中および青色着色層形成用塗工液中のバインダー樹脂の割合を下げて、各色の上記着色層が有するRthの値の調整が行われる。
また例えば、3色の上記着色層が、それぞれ上記着色層のPV比を大きくするにつれて上記着色層が有するRthの絶対値が小さくなるものである場合は、揃えるRthの値(図10では、Rth=−20nm)よりもRthの絶対値が大きい測定用赤色着色層については、PV比が大きくなるように、赤色着色層形成用塗工液中のバインダー樹脂の割合を下げ、揃えるRthの値(図10では、Rth=−20nm)よりもRthの絶対値が小さい測定用緑色着色層および測定用青色着色層については、PV比が小さくなるように、緑色着色層形成用塗工液中および青色着色層形成用塗工液中のバインダー樹脂の割合を上げて、各色の着色層が有するRthの値の調整が行われる。
また、上記以外の場合についても、着色層のPV比の変化に対する着色層のRthの絶対値の変化に合わせて着色層形成用塗工液中のバインダー樹脂の割合を変化させればよい。
本工程においては、中でも、カラーフィルタが薄膜で形成されるように、Rthの値を設定することが好ましい。近年の表示装置の薄膜化に対応することが可能となるからである。
上記検量線の作成方法としては、まず、同色の顔料を一定量含有し、かつPV比の異なる測定用着色層形成用塗工液を複数準備し、それぞれの測定用着色層形成用塗工液を用いて透明基板上に測定用着色層を形成し、それぞれの測定用着色層のRthを測定する。この結果を用いて、横軸に測定用着色層のPV比を、縦軸にRthの値をとり検量線を作成する。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法としては、上述した測定用着色層形成工程、および着色層PV比決定工程を少なくとも有しているのであれば、特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜加えることができる。通常は、測定用着色層に用いられる各色の顔料およびバインダー樹脂を、各色の測定用着色層が有するRthの符号が揃うようにして選択する顔料およびバインダー樹脂選択工程、上記設計方法により設計されたカラーフィルタの各色の着色層のRthが均一なものとなっているか確認する確認工程が行われる。
なお、精度等において問題がない場合においては、シミュレーションによって設計が行われる場合もある。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」の項に記載されたカラーフィルタの設計方法であり、複数色の測定用着色層が有するRthの符号が、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺することが可能な符号となるように、顔料およびバインダー樹脂を選択する顔料およびバインダー樹脂選択工程と、カラーフィルタとした際に要求される色濃度となる量の上記顔料と、バインダー樹脂とを用いて所定のPV比を有する上記測定用着色層形成用塗工液を調製し、上記測定用着色層形成用塗工液を用いて透明基板上に測定用着色層を形成する測定用着色層形成工程と、各色の上記測定用着色層が有するRthを測定し、測定結果に基づいて、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、各色の上記着色層形成用塗工液のPV比を増減させて決定する着色層PV比決定工程とを有することを特徴とする設計方法である。
以下、各工程について説明する。
本工程は、複数色の測定用着色層が有するRthの符号が、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺することが可能な符号となるように、顔料およびバインダー樹脂を選択する工程である。
したがって、本工程においては、本実施態様の設計方法により設計されるカラーフィルタの各色の着色層が有するRthの符号が、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、カラーフィルタ未装着表示装置のRthを相殺することが可能な符号となるように顔料およびバインダー樹脂を選択する必要がある。
具体的には、各色の着色層に対応する色の波長領域において上記カラーフィルタ未装着表示装置が有するRthの符号と、逆の符号のRthを示す顔料およびバインダー樹脂の組み合わせを選択する必要がある。
本工程は、カラーフィルタとした際に要求される色濃度となる量の上記顔料と、バインダー樹脂とを用いて所定のPV比を有する上記測定用着色層形成用塗工液を調製し、上記測定用着色層形成用塗工液を用いて透明基板上に測定用着色層を形成する工程である。
本工程については、上述した「1.第3実施態様」の項で説明した工程と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
本工程は、各色の上記測定用着色層が有するRthを測定し、測定結果に基づいて、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、各色の上記着色層のPV比を増減させて決定する工程である。
検量線の作成方法としては、「1.第3実施態様」の項で説明した方法と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法としては上記顔料およびバインダー樹脂選択工程、設計用着色層形成工程、および着色層PV比決定工程を少なくとも有しているのであれば、特に限定されるものではなく、必要な工程を適宜加えることができる。具体的な工程については、「1.第3実施態様」の項で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施態様のカラーフィルタの設計方法は、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」に記載されたようなカラーフィルタを設計することができるのであれば特に限定されるものではないが、通常、カラーフィルタの製造工程の前に、予め設計用カラーフィルタを形成することにより行われる。
なお、精度等において問題がない場合においては、シミュレーションによって設計が行われる場合もある。
本発明のカラーフィルタの製造方法としては、「B.カラーフィルタの設計方法 1.第3実施態様」の項で記載した設計方法を用いた設計工程を有する製造方法(以下、第5実施態様とする)と、「B.カラーフィルタの設計方法 2.第4実施態様」の項で記載した設計方法を用いた設計工程を有する製造方法(以下、第6実施態様とする)とが存在する。
以下、それぞれの態様について説明する。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、「B.カラーフィルタの設計方法 1.第3実施態様」の項で記載した設計方法を用いた設計工程を有する製造方法である。
以下、各工程について説明する。
本工程は、「B.カラーフィルタの設計方法 1.第3実施態様」の項で記載した設計方法を用いた工程である。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法としては、上述した設計工程を有するのであれば特に限定されるものではない。通常は、上記設計工程後に、設計工程により決定された各色の着色層のPV比で、各色の着色層を形成する着色層形成用塗工液を調製し、透明基板上に各色の着色層を形成する工程が行われる。また、本実施態様においては、他にも必要な部材を形成する工程を適宜加えることができる。例えば、上記透明基板上および上記着色層上に、カラーフィルタの表面を平坦化する平坦化層を形成する工程や、透明基板上に画素を画定する遮光部を形成する工程等が挙げられる。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、「B.カラーフィルタの設計方法 2.第4実施態様」の項で記載した設計方法を用いた設計工程を有する製造方法である。
本発明の着色層形成用塗工液セットは、カラーフィルタを製造する際、複数色の着色層を形成するために用いられる複数の着色層形成用塗工液からなる着色層形成用塗工液セットであって、各着色層形成用塗工液が、少なくとも顔料とバインダー樹脂とを含有するものであり、上記着色層形成用塗工液セットを用いて形成された各色の着色層が有するRthを調整するために、各着色層形成用塗工液のPV比が調整されているものである。
以下、各実施態様について説明する。
本実施態様の着色層形成用塗工液セットは、カラーフィルタを製造する際、複数色の着色層を形成するために用いられる複数の着色層形成用塗工液からなる着色層形成用塗工液セットであって、各着色層形成用塗工液が、少なくとも顔料とバインダー樹脂とを含有するものであり、上記着色層形成用塗工液セットを用いて形成された各色の上記着色層が有する厚み方向のRthが均一になるように、各着色層形成用塗工液のPV比が調整されていることを特徴とするものである。
また、上記各着色層形成用塗工液中の溶剤の含有量としては、上記着色層形成用塗工液を用いて所望する着色層を形成することができるのであれば特に限定されるものではないが、着色層形成用塗工液の固形分成分100重量部に対して、100重量部〜1000重量部の範囲内、なかでも、150重量部〜900重量部の範囲内、特に、250重量部〜800重量部の範囲内であることが好ましい。上記各着色層形成用塗工液中の溶剤の含有量が上記範囲に満たない場合もしくは上記範囲を超える場合は、着色層形成用塗工液を基板上に均一に塗布することが困難になるからである。
本実施態様の着色層形成用塗工液セットは、カラーフィルタを製造する際、複数色の着色層を形成するために用いられる複数の着色層形成用塗工液からなる着色層形成用塗工液セットであって、各着色層形成用塗工液が、少なくとも顔料とバインダー樹脂とを含有するものであり、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有するRthと、カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、各着色層形成用塗工液のPV比が調整されていることを特徴とするものである。
本実施態様の着色層形成用塗工液セットに用いられる各着色層形成用塗工液のPV比の調整方法については、「B.カラーフィルタの設計方法 1.第4実施態様」の項で記載したように、例えば上記測定用着色層形成用塗工液のPV比の値に対する測定用着色層が有するRthの値が示された検量線を用いる方法等が挙げられる。
本発明の表示装置は、透明基板と、上記透明基板上に形成された複数色の着色層とを有するカラーフィルタを備える表示装置であって、上記カラーフィルタの各色の上記着色層は、少なくとも顔料とバインダー樹脂とを含有するものであり、上記カラーフィルタが有するRthと、上記カラーフィルタ未装着表示装置のRthとが相殺されるように、PV比を調整した着色層形成用塗工液を用いて各色の上記着色層が形成されることを特徴とするものである。
以下、本発明のカラーフィルタの各構成について説明する。
本発明に用いられるカラーフィルタについては、「A.カラーフィルタ 2.第2実施態様」の項で記載したものと同様であるので、ここでの記載は省略する。
本発明の表示装置は、上述したカラーフィルタを少なくとも有するものであれば特に限定されるものではない。
上記表示装置としては、例えば液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ等が挙げられる。なかでも液晶表示装置であることが好ましい。
上記液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイに用いられる部材、材料、形成方法等については、一般的なこれらの表示装置と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
(遮光部の形成)
透明基板として、大きさが300mm×400mm、厚みが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この透明基板を定法にしたがって洗浄した後、ネガ型感光性ブラックレジスト(東京応化工業(株)製 CFPR DN−83)を塗布し、所定のマスクを介して露光、現像、熱処理して縦ストライプ線幅10μm、縦ストライプピッチ150μm、横ストライプ線幅75μm、横ストライプピッチ450μmとなる格子状の遮光部を形成した。これにより、短辺が150μmで、長辺が450μmの開口部が、短辺方向に10μm間隔で、長辺方向に75μm間隔で形成された。また、長辺方向に隣接する開口部に挟まれる領域は、開口部の長辺方向の長さが75μmで、開口部の短辺方向の長さが150μmの長方形状の領域となった。
まず、下記の顔料を用いて赤色の測定用着色層形成用塗工液、青色の測定用着色層形成用塗工液、緑色の測定用着色層形成用塗工液を、それぞれPV比が0.200となるように調製した。
・赤顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B)
1.4重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 0.4重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 0.9重量部
・バインダー樹脂 9.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
64.5重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
なお、上記のポリマーIは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
ここで、上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求めたものである。
・青顔料(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F) 2.7重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース5000) 0.3重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 1.1重量部
・バインダー樹脂 9.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
60.4重量部
ここで、バインダー樹脂は上述したものと同様である。
・緑顔料(アビシア社製 モナストラルグリーン9Y−C) 1.9重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 0.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 1.4重量部
・バインダー樹脂 9.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
60.4重量部
ここで、バインダー樹脂は上述したものと同様である。
ここで、上記測定用着色層のRthの測定方法としては、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用い、測定波長は、赤色の測定用着色層は620nm、緑色の測定用着色層は550nm、青色の測定用着色層は450nmとした。
各色の上記測定用着色層形成用塗工液のPV比の値に対する測定用着色層が有するRthの値が示された検量線を作成するため、各色について、PV比が0.150、およびPV比が0.250である各色の測定用着色層形成用塗工液を、PV比が0.200である測定用着色層形成用塗工液と同様にして調製した。また、上述したPV比が0.200である測定用着色層と同様にして、PV比が0.150、およびPV比が0.250である各色の測定用着色層を形成し、各色の測定用着色層が有するRthの測定を行った。赤色の測定用着色層のRthはPV比が0.150では−8.0nm、PV比が0.250では−12.0nm、緑色の測定用着色層のRthはPV比が0.150では−15.0nm、PV比が0.250では−4.0nm、青色の測定用着色層のRthはPV比が0.150では−4.0nm、PV比が0.250では−14.0nmであった。結果から上記検量線を作成した。
上述した測定用着色層形成用塗工液の材料を用いて、算出した値の着色層形成用塗工液を調製し、上記遮光部が形成された透明基板上の遮光部の開口部に、測定用着色層と同様にして赤色着色層を形成した。緑色着色層、および青色着色層についても同様にして形成した。
上記着色層を形成した透明基板上に平坦化層および柱状スペーサを一体で形成した。
・メタクリル酸メチル−スチレン−アクリル酸共重合体 32重量部
・エピコート180S70(ジャパンエポキシレジン(株)製) 18重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 42重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製イルガキュア907)
8重量部
・3−メトキシブチルアセテート 300重量部
このカラーフィルタを用いてパネルを組み、正面方向と斜め45度方向からの外観の観察を行った。
遮光部の形成は実施例1と同様の手法で行った。
着色層には実施例1と同じ着色層形成用塗工液の材料を用いた。
カラーフィルタ以外の各部材のRthを測定し、カラーフィルタ未装着表示装置の合計のRthを算出すると、赤色波長では12nm、緑色波長では15nm、青色波長では11nmであった。
ここで、上記各部材のRthの測定方法としては、位相差層測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用い、測定波長は620nm、550nm、450nmの3波長とした。
これにより必要となる各色の着色層形成用塗工液のPV比はそれぞれ赤色の着色層形成用塗工液のPV比が0.250、緑色の着色層形成用塗工液のPV比が0.150、青色の着色層形成用塗工液のPV比が0.221であった。算出したPV比の値となるように各色の着色層形成用塗工液を調製し、実施例1と同様にして、各色の着色層を形成した。
また、上記着色層が形成された透明基板上に平坦化層および柱状スペーサの形成を行った。
このカラーフィルタを用いてパネルを組み、正面方向と斜め45度方向からの外観の観察を行った。
遮光部の形成は実施例1と同様の手法で行った。
各色の着色層形成用塗工液の材料には実施例1に用いた材料と同様のものを用いて、各色の着色層形成用塗工液がともにPV比が0.250となるように調製し、実施例1と同様にして、各色の着色層を形成した。
また、上記着色層が形成された透明基板上に平坦化層および柱状スペーサの形成を行った。平坦化層についても実施例1と同様にして形成した。
各色の着色層および平坦化層の積層部分のRthを測定するとそれぞれ赤色の着色層および平坦化層の積層部分は−12.0nm、緑色の着色層および平坦化層の積層部分は−12.0nm、青色の着色層および平坦化層の積層部分は−6.0nmとなった。
このカラーフィルタを用いてパネルを組み、正面方向と斜め45度方向からの外観の観察を行った。
黒表示時に、実施例1および実施例2については色つきが改善されていた。比較例1については赤みを帯びた黒色となった。
2 … 着色層
3 … 遮光部
4 … 平坦化層
10 … カラーフィルタ
Claims (3)
- カラーフィルタとした際に要求される色濃度となる量の顔料と、バインダー樹脂とを用いて所定のPV比を有する測定用着色層形成用塗工液を調製し、前記測定用着色層形成用塗工液を用いて、測定用透明基板上に測定用着色層を形成する測定用着色層形成工程と、
前記測定用着色層が有する厚み方向のレターデーションを測定し、測定結果に基づいて、各色の着色層が有する厚み方向のレターデーションが均一となるように、各色の着色層形成用塗工液のPV比を増減させて決定する着色層PV比決定工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 複数色の測定用着色層が有する厚み方向のレターデーションの符号が、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、前記表示装置が当該カラーフィルタを有さない状態の厚み方向のレターデーションを相殺することが可能な符号となるように、顔料およびバインダー樹脂を選択する顔料およびバインダー樹脂選択工程と、
カラーフィルタとした際に要求される色濃度となる量の前記顔料と、バインダー樹脂とを用いて所定のPV比を有する前記測定用着色層形成用塗工液を調製し、前記測定用着色層形成用塗工液を用いて透明基板上に測定用着色層を形成する測定用着色層形成工程と、
各色の前記測定用着色層が有する厚み方向のレターデーションを測定し、測定結果に基づいて、当該カラーフィルタが表示装置に用いられた際に、当該カラーフィルタが有する厚み方向のレターデーションと、前記表示装置が当該カラーフィルタを有さない状態の厚み方向のレターデーションとが相殺されるように、各色の着色層形成用塗工液のPV比を増減させて決定する着色層PV比決定工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記着色層PV比決定工程において、予め、前記測定用着色層形成用塗工液のPV比の値に対する測定用着色層が有するRthの値が示された検量線を作成し、前記検量線を用いて各色の前記着色層形成用塗工液のPV比を増減させて決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
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