JP5655482B2 - カラーフィルタ - Google Patents
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Description
ここで、液晶層30に用いられる液晶材料には、光の波長により透過光量が異なるといった特性があるものがある。そのため、図8に示すように、各色の着色層2に対して液晶層30の厚み(図8では、赤色着色層2R上に形成される液晶層30の膜厚dR、緑色着色層2G上に形成される液晶層30の膜厚dG、および青色着色層2B上に形成される液晶層30の膜厚dB)が一定である液晶表示装置100においては、青色着色層2Bの輝度が低くなってしまうといった問題があった。
なお、図9において説明していない符号については、図8と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
|B(液)Rth|≧|G(液)Rth|≧|R(液)Rth|…関係式(1)
|BRth|≧|GRth|≦|RRth|…関係式(2)
(式中、|R(液)Rth|は上記赤色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|G(液)Rth|は上記緑色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|B(液)Rth|は上記青色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|RRth|は上記赤色着色層のRthの絶対値、|GRth|は上記緑色着色層のRthの絶対値、|BRth|は上記青色着色層のRthの絶対値である。)
本発明によれば、各色の上記着色層のRthが上記関係式(2)を満たすものであることから、上記カラーフィルタ未装着液晶表示装置と組み合わせて液晶表示装置とした場合に、上記カラーフィルタ未装着液晶表示装置のRthの絶対値と、上記カラーフィルタのRthの絶対値とを足し合わせることにより、上記各色の着色層に対応する波長領域における、液晶表示装置のRthを所定の値で一致させることが可能となる。その結果、斜め方向から観察された場合の黒表示の色つきを抑制することが可能となる。
|B(液)Rth|>|G(液)Rth|≧|R(液)Rth|…関係式(3)
BFT>GFT…関係式(4)
GFT±0.1μm≦RFT±0.1μm…関係式(5)
|RRth|−|GRth|≧0…関係式(6)
|BRth|−|GRth|≧0…関係式(7)
{T−(BFT−GFT)}/T<|BRth|/|GRth|…関係式(8)
(式中、|R(液)Rth|は上記赤色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|G(液)Rth|は上記緑色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|B(液)Rth|は上記青色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、RFTは上記赤色着色層の膜厚、GFTは上記緑色着色層の膜厚、BFTは上記青色着色層の膜厚、Tは上記透明基板の上記着色層側表面から上記柱状スペーサの頂部までの距離と上記GFTとの差、|RRth|は上記赤色着色層のRthの絶対値、|GRth|は上記緑色着色層のRthの絶対値、|BRth|は上記青色着色層のRthの絶対値である。)
|B(液)Rth|>|G(液)Rth|≧|R(液)Rth|…関係式(9)
B’FT>G’FT…関係式(10)
G’FT±0.1μm≦R’FT±0.1μm…関係式(11)
R’Rth−G’Rth≧0…関係式(12)
B’Rth−G’Rth≧0…関係式(13)
{U−(B’FT−G’FT)}/U<|B’Rth|/|G’ Rth|…関係式(14)
(式中、|R(液)Rth|は上記赤色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|G(液)Rth|は上記緑色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|B(液)Rth|は上記青色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、R’FTは上記赤色着色層および上記オーバーコート層の積層部分の膜厚、G’FTは上記緑色着色層および上記オーバーコート層の積層部分の膜厚、B’FTは上記青色着色層および上記オーバーコート層の積層部分の膜厚、Uは上記透明基板の上記着色層側の表面から上記柱状スペーサおよび上記オーバーコート層の積層部分の頂部までの距離と上記G’RTとの差、|R’Rth|は上記赤色着色層および上記オーバーコート層の積層部分のRthの絶対値、|G’Rth|は上記緑色着色層および上記オーバーコート層の積層部分のRthの絶対値、|B’Rth|は上記青色着色層および上記オーバーコート層の積層部分のRthの絶対値である。)
本発明のカラーフィルタは、上記マルチギャップ構造の液晶表示装置に用いられるものであり、上記液晶表示装置を斜め方向から観察した場合に黒表示の色つきが観察されることを防止するため、各色の着色層のRthが調整されていることを特徴とするものである。
1.第1態様のカラーフィルタ
本発明のカラーフィルタの第1態様について説明する。
本態様のカラーフィルタは、透明基板、および上記透明基板上に形成された赤色着色層、緑色着色層および青色着色層を有し、上記青色着色層の膜厚が他の色の着色層の膜厚よりも大きく形成されており、液晶層の液晶の波長分散性が下記関係式(1)で示される関係を示す液晶表示装置に用いるカラーフィルタであって、各色の上記着色層のRthが下記関係式(2)で示される関係を満たすように調整されていることを特徴とするものである。
|B(液)Rth|≧|G(液)Rth|≧|R(液)Rth|…関係式(1)
|BRth|≧|GRth|≦|RRth|…関係式(2)
(式中、|R(液)Rth|は上記赤色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|G(液)Rth|は上記緑色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|B(液)Rth|は上記青色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|RRth|は上記赤色着色層のRthの絶対値、|GRth|は上記緑色着色層のRthの絶対値、|BRth|は上記青色着色層のRthの絶対値である。)
また、上記関係式(2)において上記各色の着色層のRth、BRth、GRth、およびRRthは全て正の値、または全て負の値のいずれかであるものとする。
また、上記液晶のRthと上記各色の着色層のRthとは同符号であるものとする。
図1は、本態様のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、本態様のカラーフィルタ10は、透明基板1、および、透明基板1上に形成された赤色着色層2R、緑色着色層2Gおよび青色着色層2Bを有し、青色着色層2Bの膜厚が、赤色着色層2Rおよび緑色着色層2Gの膜厚よりも大きく形成されているものである。また、本態様においては、通常、各色の着色層2R、2G、2B間に遮光部3を有するものである。
そこで、本発明者らは、上記問題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、上記関係式(2)を満たすように、上記各色の着色層のRthが調整されたカラーフィルタを上記マルチギャップ構造の液晶表示装置に用いた場合には、上記斜め方向の黒表示の色つきを防止することが可能となることを見出した。
一般的に、液晶表示装置に用いられる液晶としては、上記関係式(1)に示される波長分散性を有するものが多い。また、上記液晶は、上記液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ未装着液晶表示装置を構成する液晶層に用いられるものであることから、上記液晶の波長分散性は、上記カラーフィルタ未装着液晶表示装置のRthに大きく影響するものである。
よって、上記関係式(1)に示される波長分散性を有する液晶を用いた上記マルチギャップ構造の液晶表示装置においては、上記液晶層のRthが液晶の波長分散性と同様の挙動を示さず、青色着色層上の液晶層のRThの絶対値が、緑色着色層上のRthの絶対値より小さくなり、その結果、カラーフィルタ未装着液晶表示装置のRthも、図4に示すように、|B(未)Rth|≦|G(未)Rth|≧|R(未)Rth|の関係を示すものとなる場合が多い。なお、図4においては、B(未)Rth=10nm、|G(未)Rth|=12nm、|R(未)Rth|=10nmとなる場合について示している。
なお、図5は、マルチギャップ構造を有する液晶表示装置のRthの分布の一例を示すグラフであり、|B(未)Rth|=10nm、|G(未)Rth|=12nm、|R(未)Rth|=10nmを示すカラーフィルタ未装着液晶表示装置に対して、|BRth|=5nm、|GRth|=3nm、|RRth|=5nmを示す本態様のカラーフィルタを用いることにより、各色の着色層の波長領域に対応する上記液晶表示装置のRthをそれぞれ15nmに一致させた例について示している。
本態様に用いられる着色層は、上記透明基板上に形成され、赤色着色層と、緑色着色層と、青色着色層とを有するものであり、上記青色着色層の膜厚が他の色の着色層の膜厚よりも大きく形成されているものである。また、各色の着色層のRthが下記関係式(2)で示される関係を満たすように調整されていることを特徴とするものである。
|BRth|≧|GRth|≦|RRth|…関係式(2)
(式中、|RRth|は上記赤色着色層のRthの絶対値、|GRth|は上記緑色着色層のRthの絶対値、|BRth|は上記青色着色層のRthの絶対値である。)
また、本態様においては、各色の着色層のRthは、全て同符号とする。
本態様における着色層のRthは、各色の着色層のRthが全て同符号であり、下記関係式(2)で示される関係を満たすように調整されているものであれば特に限定されるものではない。
|BRth|≧|GRth|≦|RRth|…関係式(2)
(式中、RRthは上記赤色着色層のRth、GRthは上記緑色着色層のRth、BRthは上記青色着色層のRthである。)
また、上記|RRth|および|GRth|の差が、0nm〜10nmの範囲内、なかでも、0nm〜8nmの範囲内、特に、0nm〜5nmの範囲内となるように調整されていることが好ましい。
上記|BRth|および|GRth|の差、および上記|RRth|および|GRth|の差が上記範囲を超える場合は、上記カラーフィルタを上記マルチギャップ構造の液晶表示装置に用いたとしても、上記マルチギャップ構造の液晶表示装置の斜め方向の黒表示の色つきを防止することが困難であるからである。
なお、上記各色の着色層に対応する波長領域における液晶表示装置のRthの絶対値は、上記各色の着色層のRthの絶対値と、各色の着色層に対応する波長領域におけるカラーフィルタ未装着液晶表示装置Rthの絶対値との和で表すことができる。
ここで、着色層のRthには、膜の内部応力が寄与していると考えられる。着色層は、例えば、透明基板上に着色層形成用組成物からなる膜を形成し、パターン露光し、現像し、焼成することにより形成されるものであり、このような着色層を形成する過程において、温度変化によって膜が膨張したり収縮したりする。このような着色層を形成する過程での温度変化による膜の膨張・収縮の度合いによって、膜の内部応力が変化する。そして、膜の内部応力が変化することで、膜の異方性が変化し、着色層のRthも変化すると推量される。特に、着色層が形成される過程においてモノマーやバインダーポリマーが配向する際に顔料が配向または凝集し、この顔料の配向状態または凝集状態が、膜の異方性、すなわち着色層のRthに寄与しているのではないかと考えられる。
このような膜の内部応力を変化させる手段、具体的には顔料の配向状態または凝集状態を変化させる手段としては、着色層に含まれる顔料分散剤のガラス転移温度Tgを調整する方法、着色層のPV比を調整する方法、着色層形成時に着色層用形成用組成物からなる膜を焼成するときの膜の収縮率を調整する方法、着色層形成時に着色層形成用組成物からなる膜を焼成するときの焼成温度を調整する方法などを挙げることができる。
着色層に含まれる顔料分散剤のTgによって着色層のRthが変化する理由については明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、上述したように、膜の異方性には、顔料の凝集状態(分散状態)が大きく寄与しているのではないかと考えられる。よって、顔料分散剤のTgが大きくなるほど、着色層形成用組成物の粘度が高くなるので、顔料が凝集しやすくなり、膜の異方性が大きくなり、最終的に得られる着色層のRthの絶対値が大きくなると推量される。
上述したように、着色層のPV比を調整することにより、着色層のRthの絶対値を変化させることができる理由については明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、着色層形成用組成物中に含有されるバインダー樹脂が増えることにより、製膜された膜の熱収縮の度合いが増加する。その結果、膜中に存在する異方性を有する物質の配向が進みRthが変化すると考えられる。顔料の種類やバインダー樹脂の種類により、上記異方性を有する物質の配向によるRthがすべて同じ方向に大きくなるならばRthの絶対値は大きくなり、配向によるRthがそれぞれ異なるならば、Rthの絶対値は小さくなると推量される。
膜を焼成するときの膜の収縮率によって着色層のRthが変化する理由については明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、膜を焼成するときの膜の収縮率が大きなものほど、着色層を形成する過程での温度変化による膜の膨張・収縮の度合いが大きくなるので、膜の内部応力が大きくなると思料される。その結果、モノマー、バインダーポリマー、顔料などが配向しやすくなったり凝集しやすくなったりするため、膜の異方性が大きくなり、最終的に得られる着色層のRthの絶対値が大きくなると推量される。特に、上述したように、着色層が形成される過程においてモノマーやバインダーポリマーが配向する際に顔料が配向または凝集し、この顔料の配向状態または凝集状態が膜の異方性に寄与しているのではないかと考えられる。
着色層を形成する際の焼成温度によって着色層のRthが変化する理由については明らかではないが、次のように考えられる。すなわち、上述したように、膜の異方性には、顔料の凝集状態が大きく寄与しているのではないかと考えられる。よって、焼成温度が大きくなるほど、顔料が凝集しやすくなり、膜の異方性が大きくなり、最終的に得られる着色層のRthの絶対値が大きくなると推量される。
本態様に用いられる着色層は、赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層を有するものであれば特に限定されるものではなく、上述した色以外の着色層を有していてもよい。
本態様に用いられる透明基板は、着色層、および必要に応じて遮光部を形成可能であり、可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではない。
本態様においては、透明基板がRthを有さないものであることがより好ましい。このような透明基板としては、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板と同様のものとすることができる。
本態様のカラーフィルタは、上記の着色層および透明基板の他に、必要に応じて他の部材を有していてもよい。例えば、遮光部、柱状スペーサ、およびオーバーコート層等が挙げられる。以下それぞれについて説明する。
上記遮光部については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、上記柱状スペーサについては、後述する「2.第2態様のカラーフィルタ」の項で、上記オーバーコート層については、後述する「3.第3態様のカラーフィルタ」の項でそれぞれ説明するものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様のカラーフィルタは、液晶層の液晶の波長分散性が上記関係式(1)で示される関係を示すマルチギャップ構造の液晶表示装置に用いられるものである。
このようなマルチギャップ構造の液晶表示装置は、上記カラーフィルタの他に、通常、対向基板と、液晶層とを有するものである。また、上述したカラーフィルタ未装着液晶表示装置は、少なくとも上記対向基板および液晶層を有するものである。以下、上記対向基板および液晶層について、それぞれ説明する。
上記対向基板としては、上記マルチギャップ構造の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタおよび対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルタおよび対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
本発明のカラーフィルタの第2態様について説明する。
本態様のカラーフィルタは、透明基板、上記透明基板上に形成された赤色着色層、緑色着色層および青色着色層、および、上記透明基板上に形成された柱状スペーサを有し、液晶層の液晶の波長分散性が下記関係式(3)で示される関係を示す液晶表示装置に用いるカラーフィルタであって、各色の上記着色層の膜厚およびRthが下記関係式(4)から下記関係式(8)で示される関係を満たすように調整されていることを特徴とするものである。
|B(液)Rth|>|G(液)Rth|≧|R(液)Rth|…関係式(3)
BFT>GFT…関係式(4)
GFT±0.1μm≦RFT±0.1μm…関係式(5)
|RRth|−|GRth|≧0…関係式(6)
|BRth|−|GRth|≧0…関係式(7)
{T−(BFT−GFT)}/T<|BRth|/|GRth|…関係式(8)
(式中、|R(液)Rth|は上記赤色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|G(液)Rth|は上記緑色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|B(液)Rth|は上記青色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、RFTは上記赤色着色層の膜厚、GFTは上記緑色着色層の膜厚、BFTは上記青色着色層の膜厚、Tは上記透明基板の上記着色層側表面から上記柱状スペーサの頂部までの距離と上記GFTとの差、|RRth|は上記赤色着色層のRthの絶対値、|GRth|は上記緑色着色層のRthの絶対値、|BRth|は上記青色着色層のRthの絶対値である。)
また、上記関係式(4)から関係式(8)において、上記各色の着色層のRth、BRth、GRth、およびRRthは全て正の値、または全て負の値のいずれかであるものとする。
また、上記液晶のRthと上記各色の着色層のRthとは同符号であるものとする。
本発明者らは、さらに、鋭意研究を重ねることにより、上記関係式(3)に示される波長分散性を有する液晶が用いられたマルチギャップ構造の液晶表示装置においては、上記関係式(4)から上記関係式(8)までの関係を満たすようなカラーフィルタを用いることにより、上記斜め方向の黒表示の色つきをより好適に防止することが可能となることを見出し、本態様のカラーフィルタを完成させるに至ったのである。
以下、各関係式について説明する。
上記関係式(3)に示される波長分散性を示す液晶を用いたマルチギャップ構造の液晶表示装置においては、通常、上記カラーフィルタ未装着液晶表示装置の各色の着色層のRth関係は、|B(未)Rth|<|G(未)Rth|≧|R(未)Rth|を示す。なお、この理由については、「1.第1態様のカラーフィルタ」の項で説明した理由と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
一般的に、液晶表示装置においては、各色の着色層に対応する波長領域での液晶表示装置のRthがそれぞれ所定の値で一致している場合は、斜め方向での黒表示の色付きは発生しないものである。本態様のカラーフィルタにおいては、関係式(6)および関係式(7)を満たすように各色の着色層のRthを調整することにより、カラーフィルタ未装着液晶表示装置のRthと、各色の着色層のRthとの和を一致させることが可能となることから、上記斜め方向での黒表示の色つきを防止することが可能となる。
上記関係式(8)において、Tは、透明基板の着色層側表面から柱状スペーサの頂部までの距離と緑色着色層の膜厚との差を示す値であり、図6に示すように、柱状スペーサ4が遮光部3上に形成されている場合は、柱状スペーサ4の高さおよび遮光部3の膜厚の和から緑色着色層2Gの膜厚を引いた値である。上記関係式(8)において、Tは緑色着色層上に形成された液晶層の膜厚として考えることができる。
上記関係式(8)の右辺は、青色着色層上に形成される液晶層の膜厚(T−(GFT−BFT))および緑色着色層上に形成される液晶層の膜厚(T)の比率(以下、液晶層の膜厚の比率と称して説明する場合がある。)を指すものであり、上記関係式(8)の左辺は、青色着色層のRthの絶対値と緑色着色層のRthの絶対値との比率(以下、着色層のRthの絶対値の比率と称して説明する場合がある。)を指すものである。
本態様に用いられる柱状スペーサは、上記透明基板上に形成されるものである。上記柱状スペーサの形成位置としては、本態様のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた際に、良好な画像表示を妨げることのない位置であれば特に限定されるものではない。本態様のカラーフィルタが、遮光部を有する場合は、上記遮光部上に形成することが好ましい。
本態様のカラーフィルタは、上記着色層、透明基板、柱状スペーサを有するものであれば特に限定されるものではなく、必要な部材を適宜追加して形成することができる。このような部材については、例えば遮光部、オーバーコート層を挙げることができる。なお、上記オーバーコート層については、後述する「3.第3態様のカラーフィルタ」の項で説明するものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本態様のカラーフィルタは、上記関係式(3)に示される波長分散性を示す液晶を用いた液晶表示装置に用いられるものである。このような液晶表示装置としては、通常、カラーフィルタの他に、対向基板、および液晶層を有するものである。上記対向基板については、「1.第1態様のカラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
次に、本発明のカラーフィルタの第3態様について説明する。
本態様のカラーフィルタは、透明基板、上記透明基板上に形成された赤色着色層、緑色着色層および青色着色層、上記透明基板上に形成された柱状スペーサ、および、上記透明基板上に形成されたオーバーコート層を有し、液晶層の液晶の波長分散性が下記関係式(9)で示される関係を示す液晶表示装置に用いるカラーフィルタであって、各色の上記着色層の膜厚およびRthが下記関係式(10)から下記関係式(14)で示される関係を満たすように調整されていることを特徴とするものである。
|B(液)Rth|>|G(液)Rth|≧|R(液)Rth|…関係式(9)
B’FT>G’FT…関係式(10)
G’FT±0.1μm≦R’FT±0.1μm…関係式(11)
R’Rth−G’Rth≧0…関係式(12)
B’Rth−G’Rth≧0…関係式(13)
{U−(B’FT−G’FT)}/U<B’Rth/|G’ Rth|…関係式(14)
(式中、|R(液)Rth|は上記赤色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|G(液)Rth|は上記緑色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、|B(液)Rth|は上記青色着色層に対応する波長領域における上記液晶のRthの絶対値、R’FTは上記赤色着色層および上記オーバーコート層の積層部分の膜厚、G’FTは上記緑色着色層および上記オーバーコート層の積層部分の膜厚、B’FTは上記青色着色層および上記オーバーコート層の積層部分の膜厚、Uは上記透明基板の上記着色層側表面から上記柱状スペーサおよび上記オーバーコート層の積層部分の頂部までの距離と上記G’RTとの差、|R’Rth|は上記赤色着色層および上記オーバーコート層の積層部分のRthの絶対値、|G’Rth|は上記緑色着色層および上記オーバーコート層の積層部分のRthの絶対値、|B’Rth|は上記青色着色層および上記オーバーコート層の積層部分のRthの絶対値である。)
また、上記関係式(10)から関係式(14)において、上記各色の着色層のRth、BRth、GRth、およびRRthは全て正の値、または全て負の値のいずれかであるものとする。
また、上記液晶のRthと上記各色の着色層のRthとは同符号であるものとする。
よって、上記関係式(10)から関係式(13)までに示される、各色の着色層およびオーバーコート層の積層体の膜厚の関係と、各色の着色層およびオーバーコート層の積層体のRthの関係とは、上述した「2.第2態様のカラーフィルタ」の項で説明した上記関係式(4)から関係式(7)と同様に考えることが可能となる。
関係式(14)において、Uは緑色着色層およびオーバーコート層の積層体上に形成された液晶層の膜厚として考えることができる。
上述したように、本態様においては、上記オーバーコート層の膜厚およびオーバーコート層のRthは、各色の着色層の膜厚や上記各色の着色層のRthに対して同等の影響を与えるものであることから、関係式(14)についても、上記の点以外は「2.第2態様のカラーフィルタ」の関係式(8)と同様に考えることが可能であることから、ここでの説明は省略する。
以下、本態様に用いられるオーバーコート層について説明する。
本態様に用いられるオーバーコート層は、透明基板上に形成されるものである。また、各色の着色層の表面をそれぞれ平坦化するために設けられるものである。
本態様のカラーフィルタが用いられる液晶表示装置については、上述した「2.第2態様のカラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(共重合樹脂溶液の調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、及びハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物を得た。
<硬化性樹脂組成物の組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) 16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399)24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) 4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 52質量部
まず、下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料 23質量部
・高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株) Disperbyk111) 2質量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 75質量部
<遮光部用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液 61質量部
・上記硬化性樹脂組成物 20質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 30質量部
上記のようにして遮光部を形成した透明基板上に、下記組成の赤色着色層形成用塗工液をスピンコーティング法により塗布し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥して赤色着色層形成用層を得た。次いで、赤色着色層形成用層から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて赤色着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色着色層形成用層の未硬化部分のみを除去した。その後、上記透明基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより、加熱処理を施して厚み2μmの赤色着色層を形成した。
次に、下記組成の緑色着色層形成用塗工液を用いて、赤色着色層と同様の工程で、厚み2μmの緑色着色層を形成した。
さらに、下記組成の青色着色層形成用塗工液を用いて、赤色着色層と同様の工程で、厚み2.2μmの青色着色層を形成した。
・C.I.ピグメントレッド177(Chromofine Red 6605、大日精化工業社製)
6.4質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 5質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 85.6質量部
・C.I.ピグメントグリーン36(Heliogen Green D9360、BASF社製) 10質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 5質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 82質量部
・C.I.ピグメントブルー15:6(Fastogen Blue EP-7、DIC社製) 15質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 5質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 77質量部
次に、上記赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層を形成したガラス基板上に、上記硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布してオーバーコート層形成用層を形成し、オーバーコート層形成用層から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いてオーバーコート層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後ガラス基板を200℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して厚み2.0μmのオーバーコート層を形成した。
上記のようにして着色層及びオーバーコート層を形成したガラス基板上に、上記の硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布、乾燥し柱状スペーサ形成用層を形成した。柱状スペーサ形成用層から100μmの距離にフォトマスクを配置して、プロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて柱状スペーサの形成領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後ガラス基板を200℃の雰囲気中に30分間放置することにより加熱処理を施して、上端部面積が100μm2で高さが3.8μmの柱状スペーサを得た。
これにより、カラーフィルタを得た。
尚、その際の各着色層単体のRthは、赤色着色層が14nm、緑色着色層のRthが4nm、青色着色層のRth値が4nmとなった。
次に、上記カラーフィルタの着色層側表面にポリイミドからなる配向膜を形成した。
また、ポリイミド膜が形成されたガラス基板を準備し、上記ガラス基板の配向膜上に液晶を必要量滴下し、上記カラーフィルタの配向膜と、上記ガラス基板の配向膜が対向するように配置して、UV硬化性樹脂をシール材として用いて、常温で0.3kgf/cm2の圧力をかけながら400mJ/cm2の照射量で露光することにより接合して、セル組みし、評価用の液晶セルを得た。なお、用いた液晶は、上述した関係式(1)を示すものである。
下記の点以外は、実施例1と同様にして評価用液晶セルを作製した。
緑色着色層形成用塗工液の顔料濃度を5.7重量部、青色着色層形成用塗工液の顔料濃度を5.0重量部とし、緑色着色層のRthを7nm、青色着色層のRth値を12nmとしたこと以外は上記実施例1と同等としてカラーフィルタを作製した。尚、各色の着色層の膜厚は実施例1と同等である。
下記の点以外は、実施例1と同様にして評価用液晶セルを作製した。
赤色着色層形成用塗工液の顔料濃度を15重量部、青色着色層形成用塗工液の顔料濃度を5.0重量部とし、赤色着色層のRthを6nm、青色着色層のRth値を12nmとしたこと以外は上記実施例1と同等としてカラーフィルタを作製した。尚、各色の着色層の膜厚は実施例1と同等である。
下記の点以外は、実施例1と同様にして評価用液晶セルを作製した。
赤色着色層形成用塗工液の顔料濃度を15重量部とし、赤色着色層のRthを6nmとしたこと以外は上記実施例1と同等としてカラーフィルタを作製した。尚、各色の着色層の膜厚は実施例1と同等である。
下記の点以外は、実施例1と同様にして評価用液晶セルを作製した。
緑色着色層形成用塗工液の顔料濃度を5.0重量部とし、緑色着色層のRthを8nmとしたこと以外は上記実施例1と同等としてカラーフィルタを作製した。尚、各色の着色層の膜厚は実施例1と同等である。
下記の点以外は、実施例1と同様にして評価用液晶セルを作製した。
赤色着色層形成用塗工液の顔料濃度を15重量部、緑色着色層形成用塗工液の顔料濃度を5.0重量部、青色着色層形成用塗工液の顔料濃度を15重量部とし、赤色着色層のRthを6nm、緑色着色層のRthを8nm、青色着色層のRth値を4nmとしたこと以外は上記実施例1と同等としてカラーフィルタを作製した。尚、各色の着色層の膜厚は実施例1と同等である。
(カラーフィルタのRth)
実施例1〜4、および比較例1〜2のカラーフィルタのRthを測定した。なお、Rthの測定は、位相差測定装置(AXOMETRICS社製AxoscanTM Mueller Matrix Polarimeter)を用いて行った。結果を表1に示す。
光源として東芝メロウ5D FL10EX-D-Hを使用し、2枚の偏光板の間に作製した液晶パネルを2枚の偏光板に水平に設置し、偏光板を互いにクロスニコルになるように配置した場合の輝度と、パラレルに配置した場合の輝度を輝度計(ミノルタ輝度計LS-100)を使用して測定した。得られた輝度から下記の式に従ってコントラストを得た。
C/R=パラニコル輝度/クロスニコル輝度
また、斜め色つきについても同様な方法によって求められ、正面輝度測定の際に得られた色度から、色相のズレの少ないものは○、著しく悪化したものは×として評価を実施した。
2 … 着色層
2R … 赤色着色層
2G … 緑色着色層
2B … 青色着色層
3 … 遮光部
4 … 柱状スペーサ
5 … オーバーコート層
10 … カラーフィルタ
20 … 対向基板
30 … 液晶層
100 … 液晶表示装置
Claims (4)
- 透明基板、および、前記透明基板上に形成された赤色着色層、緑色着色層および青色着色層を有し、前記青色着色層の膜厚が他の色の着色層の膜厚よりも大きく形成されており、
液晶層の液晶の波長分散性が下記関係式(1)で示される関係を示す液晶表示装置に用いるカラーフィルタであって、
各色の前記着色層の厚み方向のレターデーションが、下記関係式(2)で示される関係を満たし、さらに前記カラーフィルタを前記液晶表示装置に用いた場合に各色の前記着色層に対応する波長領域における前記液晶表示装置のRthの絶対値の最大値と最小値との差が0nm〜15nmの範囲内となるように、調整されていることを特徴とするカラーフィルタ。
|B(液)Rth|≧|G(液)Rth|≧|R(液)Rth|…関係式(1)
|BRth|≧|GRth|≦|RRth|…関係式(2)
(式中、|R(液)Rth|は前記赤色着色層に対応する波長領域における前記液晶の厚み方向のレターデーションの絶対値、|G(液)Rth|は前記緑色着色層に対応する波長領域における前記液晶の厚み方向のレターデーションの絶対値、|B(液)Rth|は前記青色着色層に対応する波長領域における前記液晶の厚み方向のレターデーションの絶対値、|RRth|は前記赤色着色層の厚み方向のレターデーションの絶対値、|GRth|は前記緑色着色層の厚み方向のレターデーションの絶対値、|BRth|は前記青色着色層の厚み方向のレターデーションの絶対値である。ここで、各色の前記着色層の厚み方向のレターデーションは全て正の値または全て負の値のいずれかであるものとする。) - 透明基板、前記透明基板上に形成された赤色着色層、緑色着色層および青色着色層、および、前記透明基板上に形成された柱状スペーサを有し、
液晶層の液晶の波長分散性が下記関係式(3)で示される関係を示す液晶表示装置に用いるカラーフィルタであって、
各色の前記着色層の膜厚および厚み方向のレターデーションが下記関係式(4)から下記関係式(8)で示される関係を満たすように調整されており、
さらに各色の前記着色層の厚み方向のレターデーションが、前記カラーフィルタを前記液晶表示装置に用いた場合に各色の前記着色層に対応する波長領域における前記液晶表示装置のRthの絶対値の最大値と最小値との差が0nm〜15nmの範囲内となるように、調整されていることを特徴とするカラーフィルタ。
|B(液)Rth|>|G(液)Rth|≧|R(液)Rth|…関係式(3)
BFT>GFT…関係式(4)
GFT±0.1μm≦RFT±0.1μm…関係式(5)
|RRth|−|GRth|≧0…関係式(6)
|BRth|−|GRth|≧0…関係式(7)
{T−(BFT−GFT)}/T<|BRth|/|GRth|…関係式(8)
(式中、|R(液)Rth|は前記赤色着色層に対応する波長領域における前記液晶の厚み方向のレターデーションの絶対値、|G(液)Rth|は前記緑色着色層に対応する波長領域における前記液晶の厚み方向のレターデーションの絶対値、|B(液)Rth|は前記青色着色層に対応する波長領域における前記液晶の厚み方向のレターデーションの絶対値、RFTは前記赤色着色層の膜厚、GFTは前記緑色着色層の膜厚、BFTは前記青色着色層の膜厚、Tは前記透明基板の前記着色層側表面から前記柱状スペーサの頂部までの距離と前記GFTとの差、|RRth|は前記赤色着色層の厚み方向のレターデーションの絶対値、|GRth|は前記緑色着色層の厚み方向のレターデーションの絶対値、|BRth|は前記青色着色層の厚み方向のレターデーションの絶対値である。ここで、各色の前記着色層の厚み方向のレターデーションは全て正の値または全て負の値のいずれかであるものとする。) - 透明基板、前記透明基板上に形成された赤色着色層、緑色着色層および青色着色層、前記透明基板上に形成された柱状スペーサ、および、前記透明基板上に形成されたオーバーコート層を有し、
液晶層の液晶の波長分散性が下記関係式(9)で示される関係を示す液晶表示装置に用いるカラーフィルタであって、
各色の前記着色層の膜厚および厚み方向のレターデーションが下記関係式(10)から下記関係式(14)で示される関係を満たすように調整されており、
さらに各色の前記着色層の厚み方向のレターデーションが、前記カラーフィルタを前記液晶表示装置に用いた場合に各色の前記着色層に対応する波長領域における前記液晶表示装置のRthの絶対値の最大値と最小値との差が0nm〜15nmの範囲内となるように、調整されていることを特徴とするカラーフィルタ。
|B(液)Rth|>|G(液)Rth|≧|R(液)Rth|…関係式(9)
B’FT>G’FT…関係式(10)
G’FT±0.1μm≦R’FT±0.1μm…関係式(11)
|R’Rth |−|G’Rth |≧0…関係式(12)
|B’Rth |−|G’Rth |≧0…関係式(13)
{U−(B’FT−G’FT)}/U<|B’Rth|/|G’Rth|…関係式(14)
(式中、|R(液)Rth|は前記赤色着色層に対応する波長領域における前記液晶の厚み方向のレターデーションの絶対値、|G(液)Rth|は前記緑色着色層に対応する波長領域における前記液晶の厚み方向のレターデーションの絶対値、|B(液)Rth|は前記青色着色層に対応する波長領域における前記液晶の厚み方向のレターデーションの絶対値、R’FTは前記赤色着色層および前記オーバーコート層の積層部分の膜厚、G’FTは前記緑色着色層および前記オーバーコート層の積層部分の膜厚、B’FTは前記青色着色層および前記オーバーコート層の積層部分の膜厚、Uは前記透明基板の前記着色層側表面から前記柱状スペーサおよび前記オーバーコート層の積層部分の頂部までの距離と前記G’ FTとの差、|R’Rth|は前記赤色着色層および前記オーバーコート層の積層部分の厚み方向のレターデーションの絶対値、|G’Rth|は前記緑色着色層および前記オーバーコート層の積層部分の厚み方向のレターデーションの絶対値、|B’Rth|は前記青色着色層および前記オーバーコート層の積層部分の厚み方向のレターデーションの絶対値である。ここで、各色の前記着色層の厚み方向のレターデーションは全て正の値または全て負の値のいずれかであるものとする。) - 前記各色の着色層の厚み方向のレターデーションの絶対値の和が30nm以下となることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ。
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